資源国通貨の下落リスク!? - マネースクウェア・ジャパン

2013 年 7 月 5 日(金)発行 No.037
資源国通貨の
資源国通貨の下落リスク
下落リスク!?
リスク!?
~今週号の
今週号のポイント~
ポイント~
●アウトルッ
アウトルック
トルック:「ドル高
ドル高」は進むのか?
むのか?
今週は、ECB と BOE(英国中銀)が金融緩和の長期化を示唆。粛々と緩和を続ける日銀、追加利下げ観
測が根強い RBA(豪州準備銀行)などと比べても、年内の QE 縮小を視野に入れる FRB の金融政策の方向
性の違いは鮮明。米経済指標はポジティブサプライズが増えており、また市場が FRB の真意を正しく理解す
ることで、QE 縮小観測がドル高につながり易くなっているようにも見える。ドル円の 100 円までは「円安」、そ
こから上は「ドル高」であり、米景気改善を背景に FRB が「出口」に向かうのかが重要な鍵を握っていそう
------------------------------
●トピックス:
トピックス:資源国通貨の
資源国通貨の下落リスク
下落リスクを
リスクを考える
グローバルなお金の流れが収縮する際に、資源国通貨は下落する傾向があり、各通貨の下落率はその
国の経常収支(赤字)と強い相関がある。仮に、リーマンショックと同程度の強いリスクオフが起これば、資源
国通貨はピークから 30%程度下落すると試算することが可能。ただし、その場合でも、すでに相当に調整し
ている南アランドの下げ余地は限定的か。また、各通貨の下落率は、ショック発生前の上昇率と強い逆相関
がある。簡単な試算によれば、カナダドルの下げ余地は限定的で、南アランドはすでに下げ過ぎ。もっとも、
米国の「利上げ」だけで、リーマンショックに匹敵するリスクオフが生じる可能性は低そう
------------------------------
●注目イベ
注目イベント
イベント&
ント&経済指標
日 付
主なイベント&経済指標
日 国際収支(5
国際収支(5 月)
7 月 8 日(月)
日 景気ウォッチャー
景気ウォッチャー調査
ウォッチャー調査(6
調査 (6 月 )
7 月 10 日(水)
「経常収支」【予想+5,900 億円】【4 月+7,500 億円】
「貿易収支」【予想-9,114 億円】【4 月-8,188 億円】
「現状 DI」【予想ナシ】【5 月 55.7】
「先行 DI」【予想ナシ】【5 月 56.2】
米 FOMC 議事録(6/18
議事録(6/18(6/18-19 分 )
日 日銀金融政策決定会合(10
日銀金融政策決定会合 (10 日~ )
7 月 11 日(木)
豪 雇用統計(6
雇用統計(6 月)
1
備 考
「政策金利」【予想 0.10%】【現行 0.10%】
「雇用者数変化」【予想+0.00 万人】【5 月+0.11 万人】
「失業率」【予想 5.6%】【5 月 5.5%】
Copyright
- 1 - © 2002-2013 MONEY SQUARE JAPAN, INC. All rights reserved.
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アウトルック:「
アウトルック:「ドル
:「ドル高
ドル高」は進むのか?
むのか?
●来週の
来週の相場材料(
相場材料(7/8~7/12):
12):日銀
):日銀の
日銀の政策決定会合、
政策決定会合、米 FOMC 議事録、
議事録、豪雇用統計
今週、ECB と BOE(英国中銀)は、事実上の時間軸政策を決定し、金融緩和の長期化を示唆しました。日
銀は「異次元緩和」を粛々と進めており、また RBA(豪州準備銀行)は 8 月にも追加利下げの可能性があると
みられています。
一方、FRB は年内の QE 縮小を念頭に置いており、主要国の中央銀行の中で金融政策の方向性の違い
が鮮明になっています。5 月下旬にバーナンキ議長が QE 縮小の可能性を示唆してから、市場は「QE 縮小
→株安/リスクオフ→ドル安円高」のシナリオを意識する局面もありましたが、最近は素直に、「米景気改善
→QE 縮小→金利上昇→ドル高(円安)」の反応をみせることが多くなっているようです。
QE 縮小があくまで、「踏み込んだアクセルを少し緩める」程度に過ぎないこと、その大前提として景気や雇
用の改善継続があること、利上げするかどうかは全く別問題であり、それまでに相当に距離があること、など
の理解が市場に浸透してきたからかもしれません。
米景気は、ISM 製造業指数が製造業の拡大・縮小の境界とされる「50」の近辺をうろうろするなど、決して
力強いとは言えませんが、6 月中旬以降は市場予想を上回る経済指標が発表されるケースが増えていま
す(図 1)。
図1:米景気サプライズ
サプライズ指数
米景気サプライズ指数
1
予想比上ぶれ
予想比上ぶれ
↑
0.5
0
-0.5
↓
予想比下ぶれ
ぶれ
予想比下
-1
2008
2009
2010
2011
2012
2013
経済指標の市場予想と実績値の差を、指標の重要性、かい離率、発表タイミング等
によってウェイト付けして集計し、指数化したもの
出所:Bloombergより筆者作成
6 月の新車販売は年率 1,590 万台と、リーマンショック前の 2007 年 11 月以来の高水準でした。また、
ウォールストリート・ジャーナル紙によれば、5 月の新築住宅販売件数のうち、未着工が 36%と高水準に達
したそうです(住宅バブル期には 5 割近くが未着工だったようですが)。つまり、建築が販売に追いつかない
ほど、住宅市場は好調なようです。
2
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「自動車」も「住宅」も金利敏感セクターであり、時期尚早の利上げやそれを見越した市場金利の上昇は
景気回復に水を差しかねませんが、今の景況が続くようであれば、QE 縮小のタイミングは次第に近づいてく
るのではないでしょうか。
大雑把にいって、ドル円の「100 円」までの上昇は、主に日銀の「異次元の緩和」やアベノミクスへの期待
による「円安」局面だったと思います。ドル円が「100 円」台に定着して、そこから更に上昇していくかどうかは、
米景気の改善を背景とした QE の縮小や停止、そして利上げまでが視野に入ってくるか、つまり「ドル高」が進
むかに大きく依存しているように思われます。
そうであるならば、クロス円はあまり上昇しない、あるいは場合によっては下落する可能性もありそうです<
資源国通貨の下落リスクについては、トピックスをご参照ください>
*************
来週は、日銀の金融政策決定会合が開催されます。日銀短観は企業景況感の改善を示しており、また
市場のインフレ期待は少し上昇してきました。そうした状況下で「戦力の逐次投入はしない」とする黒田総裁
が新たな緩和策を提案する可能性は低そうです。前回は、一部で観測のあった長期資金供給が見送られ
ましたが、今回も「現状維持」が大方の予想です。
米 FOMC 議事録では、QE 縮小に向けた議論の中身が注目されます。バーナンキ議長は FOMC 後の会
見で、QE 縮小・停止に関するスケジュール感を示しましたが、どの程度のコンセンサスができていたか、反
論はなかったかなど、興味深いところです。
ユーログループ(ユーロ圏財務相会合)では、ギリシャやキプロスの支援状況、ポルトガルの金利上昇など
が議題になるようです。今のところユーロ圏で債務危機が再燃する可能性は低そうですが、参加国間の長
期金利差の変化などには注意が必要かもしれません。
経済指標では、日本の国際収支や景気ウォッチャー調査などで、円安、「異次元緩和」、アベノミクスの
効果を探ることになりそうです。豪州の雇用統計は変動が大きいので、解釈が難しい面もありますが、雇用
が軟調であれば、利下げ観測が一段と強まりそうです。他にも、中国の物価や貿易収支、欧州の鉱工業生
産などが発表されます。
●6/27-7/4 のレビュー:
レビュー:ドル円
ドル円が約 1 か月ぶりの「
ぶりの「100 円」台に。利下げや
利下げや緩和継続
げや緩和継続の
緩和継続の観測から
観測から、
から、豪ドル、
ドル、
英ポンド、
ポンド、ユーロは
ユーロは安い
7 月 4 日までの1週間に、円は全面安、ドルはほぼ全面高でした。ドル円は約 1 か月ぶりに「100 円」台に
乗せました。前回は日銀の「異次元緩和」を受けて「100 円」に接近してから、実際に突破するまで約 1 か月
かかりましたが、既に経験していたためか、今回は先週末に接近した「100 円」をあっさりと超えてきました。
3
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ユーロは、ECB 理事会後の会見でドラギ総裁が、政策金利は「長期にわたって」低水準にとどまると明言
したことで、対ドルで下落しました。ECB はこれまで、将来に関して「約束しない」としてきましたが、その原則
を破って時間軸政策を採用しました。
各通貨の騰落率
英ポンドは、BOE(英国中銀)のカーニー新総裁が
低金利の長期化を示唆して、ECB と同様に事実上
の時間軸政策を開始したことで、対ドルで下落しまし
た。
5 月以降、下落基調にあった資源国通貨は、やや
落ち着きをみせました。カナダドルや南アランドは対ド
ルでは下落しましたが、対円では上昇しました。NZ ド
ルは対ドルでも上昇、対照的に豪ドルは RBA(豪州
準備銀行)の利下げ観測が根強く、対ドルで円に次ぐ
下落幅でした。
4
(6/27-
7/4)
通貨
対円
通貨
対ドル
NZドル
+2.19%
NZドル
+0.47%
香港ドル
+1.77%
香港ドル
+0.05%
米ドル
+1.72%
カナダドル
-0.37%
カナダドル
+1.48%
南アランド
-0.93%
南アランド
+0.75%
ユーロ
-0.95%
ユーロ
+0.74%
英ポンド
-1.23%
英ポンド
+0.47%
豪ドル
-1.38%
豪ドル
+0.30%
日本円
-1.67%
出所:Bloomberg 終値ベース
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トピックス:
トピックス:資源国通貨の
資源国通貨の下落リスク
下落リスクを
リスクを考える
●サマリー
・グローバルなお
グローバルなお金
なお 金の 流れが収縮
れが収縮する
収縮する際
する際に 、資源国通貨は
資源国通貨は下落する
下落する傾向
する傾向が
傾向があり、
あり 、各通貨の
各通貨の下落率は
下落率はその
国の経常収支(
経常収支(赤字)
赤字)と強い相関がある
相関がある
・仮に、リーマンショックと
リーマンショックと同程度の
同程度の強いリスクオフが
リスクオフが起これば、
これば、資源国通貨は
資源国通貨はピークから
ピークから 30%
30%程度下落
程度下落する
下落する
と試算することが
試算することが可能
することが可能
・ただし、
ただし、その場合
その場合でも
場合でも、
でも、すでに相当
すでに相当に
相当に調整している
調整している南
している南アランドの
アランドの下げ余地は
余地は限定的か
限定的か
・また、
また 、各通貨の
各通貨の 下落率は
下落率は、ショック発生
ショック発生前
発生前の 上昇率と
上昇率と 強い 逆相関がある
逆相関がある。
がある。簡単な
簡単な試算によれば
試算によれば、
によれば、カナダド
ルの下げ余地は
余地は限定的で
限定的で、南アランドはすでに
アランドはすでに下
はすでに下げ過ぎ
・もっとも、
もっとも、米国の
米国の「利上げ
利上げ」だけで、
だけで、リーマンショックに
リーマンショックに匹敵する
匹敵するリスクオフ
するリスクオフが
リスクオフが生じる可能性
じる可能性は
可能性は低そう
-----------------------------何らかのショックによって市場のリスクオフが強まり、グローバルなお金の流れが収縮するならば、豪ドル、
NZ ドル、カナダドル、南アランドといった「資源国通貨」、言い方を換えれば「リスク通貨」は下落する傾向が
あると考えられます。
大きな理由の一つは、それらの国の経常収支が赤字であり、その赤字がリスクを選好するグローバルな投
資マネーによって主に穴埋めされているからです。
極端な例ですが、2008 年 9 月に発生したリーマンショック前後の各通貨の「下落率」(直前のピークからボ
トムまで、時期は通貨によって異なります)と、その前年にあたる 2007 年の「経常収支」(GDP 比)を比較し
ました(図 1)。両者の間には、強い相関がみられます(資源国通貨に英ポンドとユーロを加えた 6 通貨の、
下落率と経常収支との相関係数は 0.81)。
図1:経常収支と
経常収支と各国通貨の
各国通貨の下落率
(対GDP比%)
(下落率%)
15
20
<参考>
経常収支(2007年):左軸
10
10
経常収支(2012年):左軸
0
通貨下落率:右軸
5
-10
0
-20
-30
-5
中国
米国
日本
ユーロ圏
カナダ
英国
豪州
-50
南アフリカ
-10
NZ
-40
「通貨下落率」は、対ドルでリーマンショック前のピークから後のボトムまで(通貨により時期は若干異なる)
出所:Bloomberg、IMF統計より筆者作成
5
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もう一つ、リスクオンの局面で買われた通貨ほど、リスクオフの局面で売られるとの考え方もできるかもしれ
ません。実際に、資源国通貨については、IT バブル崩壊後の 2001 年ごろのボトムからリーマンショック前の
ピークまでの「上昇率」と、その後の「下落率」の間には、強い逆相関がみられます(資源国通貨のみを対象
とした場合の相関係数は-0.98)。
図2:各国通貨の
各国通貨の変化率
(%)
120
上昇率
100
<参考>
下落率
80
60
40
20
ユーロ
英ポンド
カナダドル
豪ドル
NZドル
南アランド
0
「上昇率」は、ITバブル崩壊後の2001年ボトムからリーマンショック前のピークまで。
「下落率」は、リーマンショック前のピークから後のボトムまで、絶対値。
いずれも対ドル、通貨により時期は異なる。
出所:Bloombergより筆者作成
<以下の分析は、「こうなるだろう」という予測ではなく、「仮に、リーマンショック並みのショックが起これば」
という仮定に基づくシミュレーションであることにご注意ください>
リーマンショック並みの強いリスクオフが起こると仮定して、上の「下落率」と「経常収支」の関係式を求め、
かつ 2012 年の経常収支(IMF 予想含む)を代入して、各通貨の下落率をシミュレーションしてボトムの理論
値を求めると、直近ピークから概ね 30%~40%下落するとの結果が得られました。
ただし、現行水準が既にピークから相当に下げている通貨もあるため、今後の下げ余地(現行水準→ボト
ムの理論値)を計算すると、通貨によって差が出ました。直近ピークから既に 30%程度下げている南アラン
ドの下げ余地が一番小さく、逆に一番大きいのが NZ ドル、また経常収支が赤字に転換したカナダドルも下落
余地は大きいとの結果でした(表 1)。
表1:資源国通貨下落リスクのシミュレーション(経常収支)
豪ドル
NZドル
カナダドル
南アランド
英ポンド
ユーロ
リーマンショック前後
経常収支
シミュレーション
ピーク
ボトム
下落率% 2007年 2012年 下落率% 直近ピーク 現在値
理論値 下落余地
0.9794
0.6013
-38.6
-6.2
-3.7
-34.6
1.108
0.915
0.725
-21.2
0.8184
0.4927
-39.8
-8.1
-5.0
-37.1
0.884
0.783
0.556
-28.8
0.9204
1.3012
-29.3
0.8
-3.7
-34.6
0.941
1.052
1.439
-27.0
6.4986
11.565
-43.8
-7.0
-6.3
-39.4
6.544
9.895
10.793
-8.3
2.1075
1.3753
-34.7
-2.3
-3.5
-34.3
1.704
1.522
1.120
-26.5
1.5991
1.2453
-22.1
0.4
1.8
-24.6
1.514
1.305
1.143
-12.5
あくまで「リーマンショック並みのリスクオフが生じたら」との仮定に基づくシミュレーション。
対ドル。各通貨により、ピークやボトムのタイミングは異なる。
出所:Bloomberg、IMF統計より筆者作成
次に、上述した 2 番目の「上昇率」と「下落率」の関係式を求め、同じくリーマンショック並みの強いリスクオ
フが起こるとして、直近ピークからの下落率をシミュレーションしてみました。
6
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この分析では、NZ ドルの下落余地が一番大きく、直近ピークまでの上昇率が小さかったカナダドルの下落
余地は限定的、直近ピークから大きく下落している南アランドはすでに「下げ過ぎ」との結果でした(表 2)。
表2:資源国通貨下落リスクのシミュレーション(「上昇率」)
リーマンショック前後
シミュレーション
直近ピークま 予測下落
上昇率% 下落率% での上昇率%
直近ピーク 現在値
率%
豪ドル
105.1
-38.6
84.3
-32.0
1.108
0.915
NZドル
109.8
-39.8
79.5
-30.3
0.884
0.783
カナダドル
75.9
-29.3
38.3
-15.7
0.941
1.052
南アランド
113.0
-43.8
76.7
-29.3
6.544
9.895
理論値
0.754
0.617
1.116
9.255
下落余地
-17.6
-21.3
-5.8
6.9
あくまで「リーマンショック並みのリスクオフが生じたら」との仮定に基づくシミュレーション。
対ドル。各通貨により、ピークやボトムのタイミングは異なる。
出所:Bloombergより筆者作成
以上の分析は、いずれもごく簡単なシミュレーションですが、大きなショックが起こった場合にどうなるかを
考えるうえで、参考になるのではないかと思います。
では、リーマンショックに匹敵するショックとして、何が想定されるでしょうか。一つは、最近の市場で懸念さ
れている、米金融政策の転換による資金の逆流でしょう。それも、「踏み込んだアクセルを少し緩める」程度
の QE の縮小ではなく、利上げ開始のような劇的な変化の場合でしょう。
ただ、近年の米国の利上げ局面で、新興国株が下落したのは、94 年だけです。この時の新興国株(MSCI
エマージング・マーケット指数)の下落率は 30%強で、7 割近く下落したリーマンショックほどではありません
でした(図 3)。米国の利上げだけで、リーマンショックに匹敵するリスクオフが生じる可能性は低そうです。
図3:新興国株(
新興国株(MSCI エマージング・
エマージング・マーケット指数
マーケット指数)
指数)
→が FRB の利上げ局面
出所:Bloomberg より筆者作成
もう一つの潜在的なリスク要因は、中国情勢でしょうか。中国景気が大幅減速した場合に、世界経済に与
える悪影響を軽視すべきではないでしょうが、「シャドーバンキング」は基本的に国内問題であり、リスク商品
が世界にばら撒かれたサブプライム問題(ひいてはリーマンショック)とは一線を画するように思われます。も
っとも、実態が不透明なだけに、注意は怠れません。
(チーフアナリスト 西田明弘)
7
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来週(
来週(7/8~7/12)
12)の主なイベント&
イベント&経済指標
日 付
主なイベント&経済指標
「経常収支」【予想+5,900 億円】【4 月+7,500 億円】
日 国際収支(5
国際収支(5 月)
「貿易収支」【予想-9,114 億円】【4 月-8,188 億円】
「現状 DI」【予想ナシ】【5 月 55.7】
日 景気ウォッチャー
景気ウォッチャー調査
ウォッチャー調査(6
調査 (6 月 )
7 月 8 日(月)
備 考
「先行 DI」【予想ナシ】【5 月 56.2】
独 貿易収支(5 月)
【予想+1,840 億ユーロ】【4 月+1,810 億ユーロ】
【予想-0.5%】【4 月+1.8%】(前月比)
独 鉱工業生産(5 月)
【予想-0.5%】【4 月+1.0%】(前年比)
ユーログループ(ユーロ圏財務相会合)
中 消費者物価(6 月)
【予想+2.5%】【5 月+2.1%】(前年比)
中 生産者物価(6 月)
【予想-2.6%】【5 月-2.9%】(前年比)
7 月 9 日(火)
【予想+0.2%】【4 月+0.1%】(前月比)
英 鉱工業生産(5 月)
7 月 10 日(水)
【予想-1.5%】【4 月-0.6%】(前年比)
英 商品貿易収支(5 月)
【予想-8,500 億ポンド】【4 月-82.24 億ポンド】
中 貿易収支(6 月)
【予想+2,900 億ドル】【5 月+2,043 億ドル】
【予想+0.1%】【5 月+0.1%】(前月比)
独 消費者物価指数(6 月)
【予想+1.8%】【5 月+1.8%】(前年比)
米 FOMC 議事録(6/18
議事録 (6/18(6/18-19 分 )
日 日銀金融政策決定会合(10
日銀金融政策決定会合 (10 日~ )
7 月 11 日(木)
「政策金利」【予想 0.10%】【現行 0.10%】
【予想+1.9%】【4 月-8.8%】(前月比)
日 機械受注(5 月)
【予想+3.1%】【4 月-1.1%】(前年比)
「雇用者数変化」【予想+0.00 万人】【5 月+0.11 万人】
豪 雇用統計(6
雇用統計(6 月)
「失業率」【予想 5.6%】【5 月 5.5%】
日 鉱工業生産・設備稼働率(5 月/確定値)
「鉱工業」【予想ナシ】【速報+2.0%】(前月比)
「設備」【予想ナシ】【速報-1.0%】(前年比)
【予想-0.2%】【4 月+0.4%】(前月比)
ユーロ圏 鉱工業生産(5 月)
【予想-1.4%】【4 月-0.6%】(前年比)
7 月 12 日(金)
【予想+0.5%】【5 月+0.5.%】(前月比)
米 生産者物価指数(6 月)
【予想+2.0%】【5 月+1.7%】(前年比)
米 ミシガン大学消費者信頼感指数(7 月)
【予想 85.0】【6 月 84.1】
予想は Bloomberg(7/5 10:00 現在)、青太字は重要と思われる指標&イベント、発表日付は現地時間
8
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9
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