弱電離気体プラズマの解析(CXXII) パックトベッド放電を用いたROS

平成27年 電気学会全国大会
3月24日(火) 東京都市大学 世田谷キャンパス
1BD-A2 放電 放電応用(Ⅱ) 1-149
弱電離気体プラズマの解析(CXXII)
パックトベッド放電を用いたROS/RNSの生成特性
Studies on weakly ionized gas plasma (CXXII)
Generation characteristics of ROS/RNS using a packed-bed
dielectric barrier discharge
細井 彰悟*, 西岡 大介, 高橋 一弘, 佐藤 孝紀, 伊藤 秀範, 川口 秀樹
(室蘭工業大学)
Igor Timoshkin, Martin Given and Scott MacGregor
(ストラスクライド大学)
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背景
Plasma exposure to water
プラズマ照射水
水にプラズマを照射することにより生成
water
プラズマ照射水中には, H2O2, NOX- などの活性
酸素種(ROS) および活性窒素種(RNS)が存在
近年,プラズマ照射水を植物の生長促進に応用
する研究が行われている[1]
Plant growth promoting[1]
Plasma-exposed
Control
water
水への放電照射と水中のROS/RNSの
生成特性を明らかにすることが重要
[1] K. Takaki: “Agricultural and Food Processing Applications of Pulsed Power and Plasma
Technologies”, IEEJ Trans. FM, 130, 963 (2010).
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背景および目的
大気圧下で安定して発生させることのできる放電
コロナ放電
パルス放電
プラズマジェット
発生されるガス組成の
変化の幅が限られる
様々なガス組成で発生さ
れるがパルス電源が必要
ガス組成をコントロール
できない
パックトベッド放電
 様々なガス組成で発生できる
 安価な交流高電圧電源でよい (例.ネオン変圧器)
目的
パックトベッド放電後のオフガスによる水中のROS/RNSの生成特性を調査
 バックグラウンドガス混合比を変化させた際の、水中のROS/RNSの濃度を高速液体クロマト
グラフを用いて測定
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 バックトベッド放電後のオフガスをFT-IRを用いて分析
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実験装置および実験条件
 ガス混合比
N2, O2
N2/O2 = 80/20, 60/40,
40/60, 20/80 %
 サンプリング時間
0, 15, 30, 45, 60 min
 流量
2.0 L/min
 ガス混合チェンバー
内径 : 140 mm
高さ : 106 mm
容量 : 約1.6 L
Vp-p = 21.7 - 26.3 kV
f
= 11 kHz
 イオン交換水量
100 mL
放電リアクタ
充填材料
 glass ball
ガス導入口
棒状電極(f 2mm)
ガス導出口
網目状電極(16メッシュ)
直径 : 3.0 mm
ガラス管
・外径 : 22 mm
・内径 : 20 mm
・全長 : 250 mm
150 mm
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実験装置および実験条件
 ガス混合比
N2, O2
N2/O2 = 80/20, 60/40,
40/60, 20/80 %
 サンプリング時間
0, 15, 30, 45, 60 min
 流量
2.0 L/min
 ガス混合チェンバー
内径 : 140 mm
高さ : 106 mm
容量 : 約1.6 L
Vp-p = 21.7 - 26.3 kV
f
= 11 kHz
 イオン交換水量
100 mL
放電リアクタ
充填材料
 glass ball
ガス導入口
棒状電極(f 2mm)
ガス導出口
網目状電極(16メッシュ)
直径 : 3.0 mm
ガラス管
・外径 : 22 mm
・内径 : 20 mm
・全長 : 250 mm
150 mm
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サンプリングした水のクロマトグラム
NO3- のみ検出
H2O2 およびNO2- の生成に寄与する活性な種はない
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各ガス組成における水中のNO3-の濃度変化
concentration [ppm]
200
N2
N2/O2 = 80/20
N2/O2 = 60/40
N2/O2 = 40/60
N2/O2 = 20/80
O2
150
100
50
0
0
20
40
60
input energy [kJ]
N2の混合割合が増加
80
NO3- の濃度が増加
N2およびO2のみではNO3-が生成されない
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オフガスの吸光度スペクトル
absorbance [a.u.]
0.8
0.6
N2/O2 = 80/20
HNO3
HNO3
N2O5
0.4
N2O
N2O5
O3
O3
0.2
0.0
2400
2200
2000
1800
1600
1400
-1
1200
1000
800
wavenumber [cm ]
オフガス中の生成物
N2O(亜酸化窒素), HNO3(硝酸), N2O5, O3
N2O5 + H2O → 2HNO3
HNO3 + H2O → H3O+ + NO3-
HNO3 とN2O5によりNO3-が
生成される可能性
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バブリング前後のオフガスの吸光度スペクトル
absorbance [a.u.]
0.8
0.6
N2/O2 = 80/20
before sparging
after sparging
0.4
N2O
HNO3
HNO3
N2O5
N2O5
O3
O3
0.2
0.0
2400
2200
2000
1800
1600
1400
-1
1200
1000
800
wavenumber [cm ]
オフガス中の生成物
N2O(亜酸化窒素), HNO3(硝酸), N2O5, O3
N2O5 + H2O → 2HNO3
HNO3 + H2O → H3O+ + NO3-
HNO3 とN2O5が減少
NO3-の生成に寄与
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それぞれの放電によるNO3-の最大濃度
パックトベッド放電
concentration [ppm]
200
N2/O2 = 60/40
Packed-bed
Corona
Pulse
Plasma-jet
150
コロナ放電
100
パルス放電
50
0
0
プラズマジェット(Ar+N2/O2)
20
40
60
input energy [kJ]
80
パックトベッド放電のNO3-の生成効率が最も高い
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まとめ
パ ッ ク トベ ッ ド 放 電 を 発生 さ せて オフガス を バ ブリ ン グさ せた 後の 水 中 の
ROS/RNSの濃度を調査した。また,放電後のオフガスを調査した
 RNSとしてNO3-のみ検出でき,NO3-の濃度はガス混合比をN2/O2=60/40%と
したときに最大となり,その濃度は約173 ppmであった
 パックトベッド放電後のオフガスのバブリングでは,水中にH2O2(ROS)および
NO2- は生成されない
 オフガス中にN2O, N2O5, HNO3およびO3の生成を確認できた
 バブリング前後の吸光度スペクトルにより,NO3-を生成する過程の一部として
N2O5 とHNO3が水と反応する以下の反応式が関与していると考えられる
N2O5 + H2O → 2HNO3
HNO3 + H2O → H3O+ + NO3 NO3-の生成には他の放電に比べてパックトベッド放電が効果的
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