11班 浜松市母子保健センターによる「10 代で出産した母親のた めの

11班
浜松市母子保健センターによる「10 代で出産した母親のた
めの教室」(会場:中央保健福祉センター)
A04069 藤本夕季・A03061 津久井宏恵
◆はじめに◆
保健所所属、健康増進課の業務には、
母性及び乳幼児から、高齢者に至る市民一人ひとりの健康保持増進と、健康に対する意識
の高揚を図るため、
地域保健法・母子保健法・老人保健法・健康増進法・介護保険法等による、家庭訪問、健
康相談をはじめ、食生活を通じての保健指導のほか、
母子保健センター、口腔保健医療センター、南部・中央・東部保健福祉センターの運営に
関する業務
がある。
今回私たちは、この中の母子保健センターの、母子保健事業、乳幼児保健に関する、「10
代の母親のための子育て教室」を見学した。
◆見学した活動の概要◆
この教室は、10代で妊娠出産した母親とその子どもを対象に、
①育児に関する正しい知識や方法を教育することにより、不適切な養育状況を防止する。
②同年代の母親同士のつながりや、保健師等との相談関係を築き、母親の孤立感を低減、
精神的な安定を図る。
③課をはじめ相談機関の存在や各種サービス情報を周知し、継続した支援関係を築く。
ことを目的に、平成15年度から行われている。
初年度は試行的に、不定期に年に5回行われたが、参加者からの要望を受けて平成16年
度は二ヶ月に1回に、平成17年度からは月に1回、定期的に開催されている。
母子保健センター主催の教室ではあるが、どこからでもバス等でアクセス可能な場所で、
とのことで(若いお母さんたちの中には、自動車免許の取得が難しい人も)、第一回目から
ずっと、浜松駅から徒歩5分の、中央保健福祉センターで開催している。
市の広報誌等での宣伝は特に行っていないが、口コミで(詳細後述)参加者の輪は広がっ
ており、初回は4組だった参加者も、現在ではほぼ毎回10組を超える。
今回の参加者は17組であった。
今回の主な内容は、
・自己紹介(親子の名前と年齢、住まい、今一番ほしいもの)
・アンケート記入
・交流会
部屋にマットレスやタオルケットを敷き、おもちゃが用意され、母と子は思い思いに座っ
たり(ある子は母親に抱かれ、またある子はおもちゃで遊びだし)、子どもと遊びながら、
互いに、またスタッフと、子どものこと、それぞれのこと、近況などを語り合う。室内の
ベビーベッドも利用されていた。
離乳食について、子どもの発育と遊び、夜泣き、各種行政援助や離婚時等の法手続きなど、
育児や家庭のことに関する様々なパンフレットもおかれ、また、会場となった室内では、
子どもの体重等を計ることもできる。
私たち学生は、紙芝居を上演させてもらった。お母さんは子どもを膝に乗せて、親子一緒
に、和やかな雰囲気でこちらに注目してくれた。
最後に、母子保健センターの保健師さんから、予防接種や保育園・幼稚園の入園手続き情
報の確認があり解散となったが、その後もしばらく、室内では、保健師さん達に相談した
りお話しするお母さんや、お母さんたち同士で楽しそうに談笑する姿がみられた。
内容は回によって違う。
子どもの発達についてのビデオ視聴や、煙草と健康について、検診と予防接種、子どもの
歯の健康などについてのミニ講和、調理実習を行ったこともある。
また、参加者が最も望んでいたことは友人をつくること、次に知らないことを教わること
であったため、実施すべき内容を決めすぎず、参加者の話し合いたいことを話してもらう
会話中心で実施している。
スタッフ側が参加者のことを教えてもらうという姿勢でフレンドリーなコミュニケーショ
ンをとっていくことで、お母さんたちも、いろいろ教えてくれ相談もしてくれるという。
参加者(母親)の年齢で多いのは、19、20歳(最年少では16歳、上は23歳くらい
までのお母さんが参加している)。
子どもは、上は3∼4歳、小さい子では生後二ヶ月。
子どもの参加は、初期は首のすわる 4 ヶ月以降が目安であったが、現在ではそれ以前でも
参加できる。二児をつれてのお母さんの参加もある。
また、妊娠中から参加しているお母さんもいるという。
少しでもお母さんが離れると後を追って泣き出す9ヶ月頃の子、盛んにハイハイで歩き回
る子、目が合うと楽しそうににっこりと笑う子、絵本やままごとの野菜で遊ぶ子(指差し
たり手で渡したりしながら「犬、わんわん」「お魚さん」等と話しかけると、おもしろそう
に繰り返してくれる子や、あれは?これは?と次々に指差して求めてくれる子もいた)、積
極的に同じ年頃の子どもとコミュニケーションをとって部屋中を元気に駆け回る姿もみら
れた。
保健師さんたちは、子ども達の発育状況や心身の健康、子どものこと・家庭のこと・経済
的なことなどお母さんの悩みや心配事、お母さんの心身の健康にも、気を配って、話を聞
いたり相談に乗ったりしている。
周囲からの援助もあり、経済的にも精神的にも安定した生活をおくれている親子もいるが、
逆に、同面で厳しくつらい生活をおくっている母子もいる。
境遇の差を比べてしまったり、また、これはどの世代の母親にもあることであろうが同じ
月頃の他の子どもと比べて自分の子どもの成長が不安になってしまう母親もいるようだが、
アンケートでは、「同年代のママと話していると心強くなって頑張ろうと思った」「ストレ
ス解消になって楽しい」「情報交換ができてよい」「参加していなかったら、毎日、閉じこ
もりの生活だったと思う」等、参加してよかったという意見が多く寄せられている。
参加者が、他の同年代ママを誘って連れて来ることもあるという。これは、参加してよか
った、同じような境遇のお母さん達に勧めたいという気持ちの現れ、周囲に同年代の母親
の少ない10代の母親たちにこの教室は、(特に母親を孤立させないという点において)有
効な支援となっているようだ。
また、アンケート結果によると、「この教室にお子さんが何歳になる頃まで参加したいと思
いますか」という質問に、最も多いのが「5歳」という声である(平均 5.2 歳、min.3歳、
max.10歳)。
少子高齢社会で育った10代の親たちは、自身が育つ過程において乳幼児と接する機会が
少なく、養育に必要な知識や能力が養われておらず、身近な同年代の人間関係の中では相
談相手を得にくい状況にある。多くの同年齢の男女が、親元で養護され学校生活や交友を
楽しんでいる中で、また、妊娠そのものも望まないものであったり、経済的な問題や地域
での孤立などが重なり、養育態度にも問題が生じやすい。
このようなことから、近年の児童虐待問題においても、10代の母は虐待のハイリスク群
として位置づけられている(児の死亡に至った深刻な事例では、①若年親②経済的理由③
初期段階からのステップファミリー(子連れ再婚家庭)④近隣からの孤立⑤母親の健康状
態などの要因が積み重なった時に発生していることが報告されている)。
浜松市では、母子健康手帳交付時に10代で養育のリスクが予測される妊婦をハイリスク
妊産婦として把握し、訪問指導をおこなっている。この訪問指導の中で、当事者からも同
年代の母親同士の交流を希望する声が有り、虐待防止の視点からも10代の母親に対する
育児支援を強化していく必要があると、発足したのがこの教室である。
現在では、母子手帳交付時にパンフレットを渡す等、妊娠中から教室のPRを行っている。
妊娠中から参加する母親も、後になって子どもを連れて参加する母親もいる。先にも述べ
たが他のお母さんに誘われて参加し始める母親もおり、教室はほぼ毎回、新しい参加者が
いるという。
浜松市のこの教室には、時折、新聞やラジオの取材が入る。昨年8月には豊田市の視察も
受け入れた。この後、豊田市も同様の教室を開催するに至ったという。
10代の母は虐待のハイリスク群
と位置づけられながら、ところが、例えば浜松市の
この教室のような、具体的な支援を行っている地域は非常に少ないのだ。
「レッテルを貼るのではなく、具体的な支援を」、とは教室担当者の言葉であるが、他の子
育てサークルのように、もっと一般的に、もっと多くの地域で、この教室のような支援が
広まってくれればと、今回の実習を通して、筆者も思う。
(ここまでの文責:津久井)
◆浜松市母子保健センター事業について◆
『10 代で出産した母親のための教室』は、浜松市母子保健センター事業として実施され
た。次世代を担う子供が健やかに産まれ、育成される環境を整備するため、浜松市母子
保健センターでは以下のような業務を行っている。
・母子健康手帳の交付(母子保健法第16条)
・妊婦・乳幼児の健康診査(同法第 13 条)
・新生児・妊産婦の訪問指導(同法第 11,17 条)
・子育ての悩み相談(同法第 10、22 条)
◆母子保健法について◆
国が法律上に定める母子保健、育児支援などについては、母子保健法にその規定がされて
いる。
【構成】
第1章 総則 (第1条∼第8条の3)
第2章 母子保健の向上に関する措置 (第9条∼第 21 条の4)
第3章 母子保健施設 (第 22 条)
第4章 雑則 (第 23 条∼第 28 条)
第 1 章では、第 1 条でその目的を「母性、乳児、幼児の健康保持と増進のため」とし、
母性の尊重(第 3 条)、国及び地方公共団体の責務(第 5 条)などが記されている。
都道府県・市町村の母子保健事業については、主に第 2 章に記されている。まとめると
次のようである。なお、詳細については後述の「母子保健法の概要」を参照。
◎市町村、特別区の事業について
・保健指導
・新生児訪問指導
・健康診査(幼児)
・健康診査(妊産婦、乳幼児)
・栄養摂取に関する援助
・母子健康手帳の交付
・妊産婦の訪問指導
・母子保健施設(母子健康センター)の設置
◎都道府県、保健所を設置する市、特別区の事業について
・未熟児の訪問指導
・療育医療
このように、市町村(保健センター)はほとんどの母子保健事業の実施主体かつ実施機
関であり、都道府県(保健所)は未熟児の訪問指導、療育医療を行う。ここで、実施主体
とは、法律上実施する責任がある機関であり、その機関が主として資金を出す。また、実
施機関とは実際にサービスを提供する機関であり、実施主体から委託を受けて実施する機
関を含む。
【母子保健法の概要】
第1条(目的)
母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進を図るため。
第5条(国及び地方公共団体の責務)
母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進に努める。
第8条(都道府県の援助等)
都道府県→市町村
市町村相互間の連絡調整、市町村の求めの設置する保健所による技術的事項につい
ての指導、助言その他当該市町村に対する必要な技術的援助
(実施の委託)
市町村→病院、診療所又は医師、助産師その他適当と認められる者
母子保健に関する事業の一部を委託
第2章
母子保健の向上に関する措置
第9条(知識の普及)
都道府県及び市町村
母性又は乳児若しくは幼児の健康の保持及び増進のため、妊娠、出産又は育児に関し、
相談に応じ、個別的又は集団的に、必要な指導及び助言を行い、並びに地域住民の活
動を支援すること等により、母子保健に関する知識の普及に努める。
第 10 条(保健指導)
市町村長、特別区長→妊産婦若しくはその配偶者又は乳児若しくは幼児の保護者
【内容】・妊娠、出産又は育児に関する保健指導
・医師、歯科医師、助産師若しくは保健師による保健指導を受けることの勧奨
・保健所・母子健康センターなどで、婚前学級、新婚学級、母親学級、育児
学級、保健相談事業、妊娠中の健康、出産の準備、育児指導、家族計画に
ついて集団教育、個別指導
第 11 条(新生児の訪問指導)
市町村長、特別区長
育児上必要があると認めるとき、医師、保健師、助産師又はその他の職員に新生児の
保護者を訪問させ、必要な指導を行わせる。
第 12 条(健康診査<幼児>)
市町村長、特別区長
幼児(1 歳 6 ヶ月児、3 歳児)を対象に健康診査を実施(異常者は一般医療機関、児
童相談所へ)
第 13 条(健康診査<妊産婦、乳幼児>)
市町村長、特別区長
必要に応じて、妊産婦又は乳児若しくは幼児に対して、健康診査を実施(または勧奨)
第 14 条(栄養の摂取に関する援助)
市町村長、特別区長→妊産婦又は乳児若しくは幼児
栄養の摂取につき必要な援助
第 15 条(妊娠の届出)
妊娠したもの→すみやかに市町村長に妊娠の届出(保健所を設置する市および特別
区は保健所を経て、診断書や証明書などは不要)
第 16 条(母子健康手帳)
市町村長→妊娠の届出をしたものに母子健康手帳を交付(特別区、政令市では保健
所、その他の市町村では市役所、町役場で扱う)
第 17 条(妊産婦の訪問指導)
市町村長→13 条の健康診査で必要なものに意思、助産師、保健師を訪問指導させる
(とくに若年初産婦に重点を置く)
妊娠、出産に障害→医師、歯科医師の診療を勧奨
妊娠中毒症、糖尿病、貧血、産科出血、心疾患合併妊娠→療養援護費を支給するこ
とにより、症状の重症化防止、妊産婦の死亡・後障害の防止、未熟児・心身障害の発
生防止を行う
第 19 条(未熟児の訪問指導)
知事(保健所を設置する市長・特別区長)→未熟児について療育上必要に応じて医
師、保健師、助産師を訪問させる
第 20 条(療育医療)
知事(保健所を設置する市長・特別区長)→未熟児で、療育のために必要な医療の
給付が出来る(負担能力に応じて一部費用負担)
① 入院の医療給付
② 重症黄疸の交換輸血
第 20 条の2(医療施設の整備)
国、地方公共団体→妊産婦・乳幼児の特性に応じた高度医療が適切に提供されるよ
うに医療施設の整備に努める
第 22 条(母子保健施設)
市町村・特別区→母子健康センター設置に努力すること
【母子健康センター事業】
・母子保健に関する各種の相談
・母性、乳児、幼児の保健指導
・助産
市町村の母子保健活動の拠点として 1958 年度より、母子健康センターを設けるこ
とになった。
◆浜松市の『次世代育成支援行動計画』について◆
①計画策定の背景<少子化の進行の状況>
平成 17 年に国の発表した「人口動態統計」によれば、わが国全体の出生数は、平成
16 年において 1,110,721 人であり、10 年前の平成6年の 1,238,328 人から、約 127,000
人減少している。また、合計特殊出生率は、平成 6 年が 1.50 であったのが、平成 16 年に
は 1.29 と低下し、現在の人口を維持する最低の水準といわれる 2.08 を大きく下回ってお
り、様々な施策が展開されているものの少子化に歯止めがかかっていない。このような背
景を受けて浜松市では、
「次世代育成支援対策推進法」に基づく指針に即して,次代の社会
を担う子どもが健やかに生まれ,育成される環境の整備を図るための「次世代育成支援行
動計画」を策定している。この計画の中で,次世代の親を育て,親の養育能力を高めるプ
ログラムを重点施策として掲げている。
旧浜松市の出生数は、平成6年の統計では、6,039 人で、平成 16 年には 6,070 人となっ
ており、ほぼ横ばいの状況となっている。合計特殊出生率では、平成6年が 1.56 で、平成
16 年には、1.47 である。
しかしながら浜松市の将来人口の推計では、年間の出生数は、平成 17 年をピークに徐々
に減少に向かうことが予測されている。なお、新市における出生率は旧浜松市と比較して
低くなる。
次に母親の年齢別出生数の推移を見てみると、出産年齢の変化の様子がうかがえる。10
代女性では出産するよりも中絶する人の方が多いこともわかる。また、現在 10 代の母親
による出産は全国で 1.67%(平成 16 年度)であり、浜松市は平成 14 年で年間 6128 件の
うち、89 件がそれにあたる。(約 1.45%)
母親の年齢別出生数の推移
出産年齢
1970 年
75
80
85
90
95
2000
04
15-19
20,165
15,990
14,576
17,854
17,478
16,075
19,729
18,546
20-24
513,172
25-29
951,246 1,014,624 810,204 682,885 550,994 492,714 470,833 370,220
30-34
358,375
35-39
80,581
62,663
59,127
93,501
40-44
9,860
8,727
6,911
8,224
12,587
12,472
14,848
18,790
45-49
523
312
257
244
224
414
396
483
75
80
85
90
95
2000
01
479,041 296,854 247,341 191,859 193,514 161,361 136,486
320,060 388,935 381,466 356,026 371,773 396,901 415,903
92,337 100,053 126,409 150,222
人工妊娠中絶数の推移
年齢
総数
20 歳未満
1970 年
732,033 671,597 598,084 550,127 456,797 343,024 341,146 341,588
14,314
12,123
19,048
28,038
32,431
26,117
44,477
46,511
このような社会的変化とともに、少子化の進行は、今後の社会保障や経済面に影響を及
ぼすなど、わが国の社会経済全体に予測されていた以上の構造的な変化をもたらすことが
懸念されている。
②計画の位置づけ
国においては、これまでもさまざまな角度から少子化対策を進めてきたが、出生率の低
下の流れを変えるにはいたっていない。
このような状況に対応していくため、平成15年に「少子化社会対策基本法」と「次世
代育成支援対策推進法」を制定し、国、地方自治体、企業が一体となって次世代育成支援
対策に計画的に取組み、少子化の流れを変え、「子どもを産み、育てることに喜びを感じる
ことができる社会」をめざす。
県・市町村と企業の取り組みを支援
国
行動計画策定指針
⇔
地域の子育て支援等
県・市町村
行動計画の策定
次世代育成支援対策の取組体制
働き方の見直し等
事業主
企業+(国・県市町村)行動計画の策定
これを受けて浜松市では、平成16年度、「浜松市次世代育成支援行動計画」を策定し、平
成17年4月から施行している。そして、平成17年7月の浜松市および周辺11市町村
の合併により、各市町村が策定した計画を1つのものに統合した。
次世代育成支援行動計画
(旧浜松市版)
+
次世代育成支援行動計画
(旧11市町村版)
↓
次世代育成支援行動計画(新浜松市版)
③基本理念
「いきいきとした笑顔が輝く、子どもたちの育ちをめざして」
子育てがしやすく楽しいと感じられるまち浜松
この基本理念実現に向けて、浜松市では、母子保健・教育・福祉などの多岐にわたる総
合的な計画となるため、国の指針に基づき次の7分野にわたる施策を展開する。
④基本方針
1.地域社会における子育て支援
・ファミリーサポート事業
・育児サークル活動支援事業ほか
2.子育て中の親子・思春期の子どもたちの健康の確保
・妊娠中から授乳期・思春期までの継続した相談・健診・保健指導事業
3.心身の健やかな成長を願う教育環境の整備
・夢を育む園・学校づくり推進事業
・教育情報機器整備事業ほか
4.子育てを支援する生活環境の整備
・人と環境にやさしい住まいづくり事業
・「防犯まちづくり」事業ほか
5.職業生活と家庭生活支援の両立の推進
・パートタイム労働ガイダンス事業ほか
6.子ども等の安全確保
・交通安全の意識啓発事業ほか
7.保護を必要とする児童へのきめ細かな対応
・子ども相談・虐待ネットワーク事業ほか
全国的な少子化の進行と子供を取り巻く環境の変化を受けて、出産の形態が多様化して
いる。10代での妊娠、出産もその影響を少なからず受けているであろう。変化した住民
ニーズに細かく対応していくために、利用者に合わせた子育てサービスの拡充が求められ
る。家庭、学校、地域が連携し、子育て環境を支援する仕組みづくりを行わなければなら
ない。
今後とも、結婚、出産、子育てに関わる一人ひとりの意識や価値観を尊重することを基
本とし、子育てを社会全体で支えあう枠組みのあり方について、国や関係機関における検
討と、住民理解の普及促進が重要であろう。
◆参考文献◆
母子保健法
http://www.houko.com/00/01/S40/141.HTM
浜松市保健所・浜松市保健福祉センター
http://www.e-switch.jp/f-map/medical/hokenzyo.htm
浜松市/次世代育成支援計画
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/admin/plan/policy/zidoukatei/mokuji.htm
出産関連の統計を読む
http://www.k-salad.com/toukei/002.shtml
「個人レポート」
A04069
藤本夕季
【工夫点】
◎職員が参加者の状況をよく把握していた
職員は、参加者の氏名、年齢、住所、子供、夫に関する情報のみならず、今までの経過、
家庭環境、妊娠時の状況、紹介者、またごく最近見られた注意すべき観察点について周知
していた。これは、個人のニーズに合わせた具体的支援を行っていくうえで非常に重要だ
と思った。そして、教室が始まる前に私たちもその様子を教えていただくことが出来たの
で、見学しやすかった。
実際スタッフは、参加者が教室に入ってくると同時に声かけをし、状況を聞いたり、他
の母親と話が出来るように促している様子が観察された。スタッフ側がそのままの様子を
教えてもらおうというとてもフレンドリーな姿勢で接していたのが印象的だった。こうす
ることで母親側も、聞いてもらいたい、相談したいという気になるのだろうと思った。
◎具体的なアンケート項目の設定と実施、改善
職員も口にしていたが、参加者の中には文章化による表現が苦手な母親が多い。実際高
校生もいる。漠然とした質問は回答されにくいため、アンケートは具体的な質問をしたり、
当てはまるものに○をつけたりする形式であった。参加者のニーズを把握するとともに、
参加者が自身を振り返る良いきっかけとなっていた。そして、それらの声はきちんと反映
され、実施回数の見直しなどにつながっていた。
◎参加者側にたった会場の設定
会場は、浜松市街地中心部の保健福祉センターである。参加者の年齢的背景が考慮され、
自動車免許がなくても、どこからでもバスなどでアクセスできる場所選びがなされていた。
アクセスのしやすさは、継続的な参加の助けにもなるだろうと思った。
◎自己紹介の実施
今回の参加者は 17 組であったが、初回参加者も2組あった。参加者の年齢を考えてもこ
のような教室の輪に溶け込むのに抵抗を感じる人も少なくない。母親自身と子供の自己紹
介は、参加者が最も望んでいる友人作りに役立っていると思った。
【改善点】
これといって見当たらなかったが、あえて述べるのであれば次のようなことであろうか。
スタッフがフレンドリーで話しやすく、良い信頼関係のうえで成り立っているというのが
この教室の魅力である。しかし、スタッフが話したり、参加者の自己紹介中に聞く側の母
親が喋っていたり…というケースが多かった。スタッフもしょうがない…と見逃していた
が、重要な育児支援やサービスの連絡もあるだろうし、少し大きくなった子供もいたので、
母親も気を使うようにともう少し促してもいいのではないか…と感じた。確かに難しい状
況であったが。
【感想】
実習に参加する前は、母親たちはどのような不安や悩みを抱えてやってくるのだろう…
と考えていたが、実際に見学してみて母親たちのパワーに驚いた。年齢は、高校生を始め、
私よりも若い母親が多数いたが、彼女たちは母親であることを自覚し、その役割を分から
ないながらも必死で果たそうとする姿勢を見せてくれた。教室内では第 2 子ブームが起き
ており、とてもたくましかった。子供を持つことによって責任感や絶対に守りたいという
気持ちが芽生え、母親自身も大きくするのだと感じた。
全国的に児童虐待や人工妊娠中絶の件数が増え、若年親にスポットが当てられているが、
その現状をさらけ出すだけでなく、実際に彼女たちに合った育児支援を考え、サポートし
ていくことが重要だと感じた。10 代でも母親、子供たちに健やかに育ってほしいと願う気
持ちは変わらないのである。それらのことを念頭に置き、一人ひとりの意識や価値観が尊
重され、より良い子育てが出来る環境づくりを進めていくべきだと思う。
個人レポート
A03061 津久井
宏恵
●工夫点
<会場が、鴨江の母子保健センターではなく、浜松駅近くの中央保健センターである>
実施初回から、会場はここである。
若い母親の中には、自動車運転免許を取得していない者、今取得するのは難しいものが多
い。そのため、外出がしづらく、家にこもりがちな生活になってしまうことも。
会場を、公共の交通手段などを利用しやすい、駅近くに設定することで、より気軽に参加
しやすい環境を目指したという。
実際、今回、自動車不所持の私も簡単に行くことができた。
<アンケート項目が、具体的でわかりやすく、答えやすい>
参加者が文章化して表現するのが苦手な年齢であることもあり、漠然とした質問は回答さ
れ難く、具体的な質問をすることが必要であるという。
参加者の要望を把握するとともに、参加者自身が自己の状況を振り返り、整理する手助け
にもなっている。
ストレートで率直な言葉で、参加者達は各項目に回答していた。
<参加者の要望に応えて、毎年様々な改善をしている>
参加者は何を必要としているのか、何をしたい、やりたいか、アンケート等で把握に努め、
応えるようにしている。
「定期的に行ってほしい」「数回で終わりよりも、継続してサークルのように行ってほし
い」等、参加者のニーズや状況に応えて、平成16年度は二ヶ月に一回、17年度からは
月に一回開催し、子どもの成長や家庭環境の変化など、その時その時に応じた必要な支援
を行っている。
<「教室」とはいっても、参加者の話したいことを話してもらう会話中心>
知らないこと、できないことに介入するという態度ではなく、知りたいこと、やりたいこ
とを応援していく姿勢を大切にしている。さあこれをしろ、この講話を聞け、と押し付け
るのでなく、参加者たちの自主性を尊重しての寄り添うような支援は、教室参加の継続、
いつでも支援可能な関係の継続にも、とてもよいと思う。
<ひとりひとりへの細やかな対応、教室スタッフが親切、フレンドリー、聴き上手>
それぞれの家庭環境、現在の状況、子どもの発育状況、気にかけて観察してほしいこと等、
細やかな申し送りもあり。
虐待予防の支援においては、「支援を望む人に幅広く」から、「支援を必要とする人にきめ
細かく」への支援の重点化を図っていくことが必要であるという。
●改善点
<建物の場所は分かりやすいのだが、入り口、会場が少々わかり辛い>
ホームページの地図もわかりやすく、建物には簡単に辿り着くことができる。が、入り口
がどこなのか少々分かり辛く、今回現地集合にした私たちは、待ち合わせに少々まごつい
てしまった。
また、中央保健センターは建物の二階にある。二階の会場前(廊下奥)にはサインスタン
ドがあったが、一階エントランスには、これといって教室の会場の案内が見当たらず、「今
日だよね、ここだよね?」と、少々不安になりながら二階に上がった(二階に上がった後
は、すぐにスタッフの方に親切に案内していただきました、お世話になりました)。
参加者は常連さんや、友達に誘われて、という人も多いので必要は無いかもしれないが、
初参加の人やまだ慣れていない参加者のために、入り口近くや事務室周辺にも、何か案内
のスタンドがあると親切かな、と思う。
●参加して、感想
参加者である母親たちは、自分とちょうど同じくらい、または少し下の年齢である。彼女
達が逞しく母親として子育てをしている姿、「二人目ができた」「二人目がほしい」と明る
い表情で語る姿は、なんだかまぶしかった。今もし私のもとに赤ん坊がいたらと想像する
と、ただただ途方に暮れてしまうばかりである。
若くして母親になるというのは、経済的にも精神的にも、様々な面で決して楽な生活では
ないと思う。彼女たち皆が周囲の積極的な理解や援助を得られているわけでもない。
それでも中絶ではなく、子どもを産む決心、また、育てていく決心をした若い親たちが、
虐待にはしってしまわないように、愛されるべき子ども達が虐待の犠牲になってしまわな
いように、彼女達が前向きに生きていけるよう、「ひとりきり」にしてしまわぬよう、その
ための支援を、もっと多くの地域で広く行ってほしい。被虐待児には第二児が多いという
が、彼女達の生き生きとした表情が、そんな事態に繋がってしまうことには、決してなっ
てほしくない。
少子化対策に、育児休暇の普及や育児支援施設の充実など、働き盛りの世代へ向けての対
策はよく耳にする。が、もっと若い親達への積極的な支援にも、もっと人々に注目してほ
しいと思う。