ENVI Tutorials - Harris Geospatial Solutions

ENVI チュートリアル
ベクタオーバーレイとG
IS解析
この章は以下の内容から構成されています。
概要 ........................................................................................................................ 2
使用するデータの提供元とファイル ...................................................................... 2
使用するファイル .................................................................................................. 3
ベクタオーバーレイと GIS のコンセプト ............................................................... 5
機能 ....................................................................................................................... 5
コンセプト ............................................................................................................. 6
Vector Parameters ダイアログとベクタウィンドウメニュー ............................... 8
第 1 部:ベクタ GIS................................................................................................ 10
ENVI の起動.......................................................................................................... 10
シェープファイルを開く........................................................................................ 10
ベクタポイントデータに関する操作 ...................................................................... 11
IDL 地図セットを使用した米国の州の境界作成 .................................................... 12
ベクタポリゴンデータに関する操作 ...................................................................... 12
ベクタ情報と属性情報の取得 ................................................................................ 13
属性情報の表示とポイントアンドクリックによるクエリ ...................................... 13
属性情報のクエリ .................................................................................................. 14
ベクタウィンドウ内の注釈地図記号 ...................................................................... 14
すべてのウィンドウとファイルを閉じる ............................................................... 15
第 2 部:ラスタ / ベクタ処理 .................................................................................. 16
画像データを読み込み画像 / ベクタ表示を重ね合わせる....................................... 16
ベクタレイヤーを開いてイメージウィンドウに読み込む ...................................... 16
カーソルを使用した属性情報調査 ......................................................................... 17
画面上でのデジタイズ ........................................................................................... 18
ベクタレイヤーの編集 ........................................................................................... 19
クエリ操作 ............................................................................................................. 20
ベクタから関心領域への変換 ................................................................................ 21
地図画像の出力 ...................................................................................................... 22
ラスタからベクタへの変換 .................................................................................... 23
関心領域のベクタレイヤーへのエクスポート ........................................................ 23
分類画像のベクタポリゴンへのエクスポート ........................................................ 25
ENVI セッションの終了 ........................................................................................ 27
概要
この章では、ESRI 社の Maps and Data CD -ROM、Space Imaging/EOSAT
社の 4m 解像度のシミュレーションのマルチスペクトルデータセット、および米
国カリフォルニア州 Gonzales の関連ベクタデータ等を使用して、ENVI のベク
タオーバーレイ機能と GIS 解析機能を紹介します。データは ESRI 社と Space
Imaging/EOSAT 社の 好意により提供されたものです。
第 1 部では、ESRI 社のデータを使用して、スタンドアロンのベクタ GIS 解析
を説明します。この中には、ArcView のシェープファイルと関連する .dbf 属性
情報 ファイルの入力、ベクタウィンドウ上での表示、属性情報データの表示 / 編
集、ポイント&クリックによる空間クエリ操作、条件式による クエリ操作等が含
まれます。
第 2 部では、Space I maging/EOSAT 社のデータを使用して、画像とベクタの
重ね合わせ表示機能と解析機能を紹介します。この中には、カーソルによる属性
情報調査、ポイント&クリックによる クエリ操作、ヘッドアップのデジタライズ
とベクタレイヤーの編集が含まれます。
また、条件式によるクエリ操作によって新しいベクタレイヤーを生成する方法、
ENVI で設定した関心領域( ROI)や分類画像をラスタからベクタに変換する方
法についても説明します。最終的に、ベクタクエリの結果を関心領域( ROI)に
反映させて、ベクタ・ラスタ変換を行い、画像の統計情報を求めたり面積計算を
行います。
使用するデータの提供元とファイル
この章で使用するデータは、ESRI 社(Environmental Systems Research
Institute Inc .)および Space I maging/EOSAT 社の好意により提供されたも
のであり、許可 なく再配布することを禁止します。
2
使用するファイル
DVD: Resource DVD
Path: Data /esri_gis
Da ta/si_eosa t
Da ta/can_tm
ファイル
概要
第 1 部で必要なベクタ GIS ファイル (/esri_ gis )
cities.shp (.shx, .dbf,)
米国の都市のポイント
states.shp (.shx, .dbf)
米国の州のポリゴン
第 1 部のオプション用のベクタ GIS ファイル(/ esri_ gis )
counties.shp (.shx, .dbf)
米国の郡のポリゴン
drainage.shp (.shx,.dbf)
米国の流域のポリゴン
rivers.shp (.shx, .dbf)
米国の河川のポリライン
roads.shp (.shx, .dbf)
米国の道路のポリライン
第 2 部で必要な画像ファイル (/si_eosat)
0826_ms.img
4m マルチスペクトルデータ
0826_ms.hdr
上記用の ENVI ヘッダ
第 2 部で必要な画像ファイル (/can_tm)
can_tmr.img
Canon City の TM デ ータ
can_tmr.hdr
上記用の ENVI ヘッダ
can_sam.img
Canon City の SAM 分類
can_sam.hdr
上記用の ENVI ヘッダ
can_pcls.img
Cannon City の平行 6 面体分類
can_pcls.hdr
上記用の ENVI ヘッダ
can_sv.img
選別(Sieve)処理された分類(閾値 =5)
can_sv.hdr
上記用の ENVI ヘッダ
can_clmp.img
選別処理後に凝集処理されたもの(5 × 5)
3
can_clmp.hdr
上記用の ENVI ヘッダ
can_tm1.roi
Canon City の TM 関 心領域 #1
can_tm2.roi
Canon City の TM 関 心領域 #2
第 2 部で必要な画像ファイル (/si_eosat)
vectors .shp
(.shx, .dbf, .evf)
Field の輪郭ポリゴン
第 2 部のオプション用のベクタファイル(/si_eosat)
gloria.evf, (.dbf)
クエリ結果のポリゴン
lanini.evf, (.dbf)
クエリ結果のポリゴン
sharpe.evf, (.dbf)
クエリ結果のポリゴン
4
ベクタオーバーレイと GIS のコンセプト
機能
ENVI には、以下のように数多くのベクタオーバーレイ機能と GIS 解析機能が
用意されています。

シェープファイルや関連する .dbf 属性情報ファイル、Arc/Info
Interchange ファイル (.e00、非圧縮)、MapInfo ベクタファイル
(.mif)や関連する .mid ファイルからの属性情報、Microstation DGN
ベクタファイル、DXF、USGS DLG や USGS SDTS フォーマットなど、
GIS ファイルフォーマットのインポートをサポートします。ENVI 内部で
は、処理を最速で行うために、バイナリフォーマット(.evf)を使用してい
ます。

ベクタ及び画像とベクタの表示の際、ベクタデータを表示したりベクタだけ
の地図を作成するためのスタンドアロンのベクタプロットウィンドウがあり
ます。さらに重要なことに ENVI には、標準の ENVI ディスプレイ上でベ
クタオーバーレイ機能があります。この中には、ズームウィンドウを含むす
べてのウィンドウ内でオーバーレイをする機能も含まれています。

海岸線、河川、世界の国境などのベクタレイヤーを高分解能・低分解能を問
わず、生成できます。同様に米国の州の境界をベクタウィンドウに表示した
りイメージウィンドウ上にオーバーレイすることができます。

ベクタウィンドウやラスタイメージウィンドウで(画面上の)デジタイズを
行うことができます。ポリゴン、ポリライン、またはポイントを追加して新
しいベクタレイヤーを容易に作成することができます。

イメージウィンドウ、およびベクタウィンドウベースで標準の編集ツールを
使 用 し ベ ク タ編 集 を 行 う こ と で 、 ベク タ レ イヤ ー 内 の ポ リゴ ン 、 ポリ ラ イ ン、
ポイントをユーザが自由に修正でき、ENVI のラスタ画像によって得られる
背景画像を最大限に利用できます。

関心領域、特定の画像コンタの値、分類画像、その他のラスタ処理結果を容
易にベクタフォーマットに変換してGIS 解析に使用することができます。

緯度 / 経度座標や地図座標の情報は、画像と地図の位置合わせをするために
表示またはエクスポートすることができます。選択された各ベクタの属性情
報をリアルタイムに表示できます。

ENVI では、ベクタウィンド ウとラスタウィンドウ両方に対してポイント &
クリッククエリでベクタ情報と属性情報テーブルのリンクを行えます。ディ
スプレイウィンドウでベクタをクリックすると、ベクタと属性情報テーブル
内で対応する情報がハイライト表示されます。テーブル内の属性情報をクリ
ックすると、対応するベクタの位置まで表示がスクロールし、そのベクタが
ハイライト表示になります。

スクロールバーにより属性情報テーブル内を移動できます。既存の情報を編
5
集したり、属性情報を定数値や ASCII ファイルからインポートしたデータ
に置き換えることができます。属性情報の列の追加や削除を行えます。列情
報を正順または逆順にソートすることができます。ASCII テキストとして
属性情報レコードをエクスポートできます。

ベクタデータの属性情報を直接検索して、特定の検索基準と一致する情報を
抽出します。単純な数学関数と論理演算子を使用してレイヤーの GIS 解析
を行い、新しい情報やレイヤーを生成できます。標準の ENVI の操作手順
に 従 っ て 、 結果 を メ モリ に 保 持 し たり 、 フ ァイ ル に 保 存 する こ と もで き ます。

線のタイプ、フィルパターンのタイプ、色、記号の修正など、ベクタレイヤ
ーの表示特性を編集できます。属性情報を使用して、ラベルや記号のサイズ
を制御できます。ユーザ独自のベクタ記号を追加できます。

地 図 投 影 さ れた ベ ク タデ ー タ を 、 他の 地 図 投影 に 再 投 影 する こ と がで き ます。

ベ ク タ デ ー タを ベ ク タか ら ラ ス タ の関 心 領 域に 変 換 し て 、統 計 量 を求 め た り、
面積を計算したり、ENVI のさまざまなラスタ解析機能を使用できます。

ベクタウィンドウやイメージウィンドウで標準の ENVI 注釈機能を使用し
て地図を生成できます。境界の幅と背景色を設定できます。グラフィックス
カラーをユーザが設定できるようになっています。ベクタレイヤーの地図記
号は自動的に生成されます。四角形、楕円、線、矢印、記号、テキスト、挿
入画像などのオブジェクトを挿入できます。既存の注釈オブジェクトを選択
して修正できます。また、注釈テンプレートを保存しておき、読み込んで特
定の地図作成に使用できます。

ENVI の .evf フォーマットから、シェープファイルや関連する .dbf 属性情
報ファイルとインデックス、または DXF ファイルを作成できます。ENVI
の強力な画像処理機能を使用して生成した新しいベクタレイヤーや、ENVI
でベクタレイヤーに対して行われた変更内容をGIS フォーマットで容易にエ
クスポートできます。

ENVI のダイレクト印刷機能を使用してプリンタやプロッタに出力すること
ができます。
コンセプト
ENVI のベクタオーバーレイ機能 、GIS 解析機能と、通常の ENVI のラスタ処
理ルーチンとの操作手順は同じです。ファイルを開く際は標準の操作を行い、オ
プションの選択や、ファイルやメモリに出力するには標準ダイアログボックスが
使用されます。以下の項では、いくつかの基本コンセプトについて説明します。
ENVI ベクタファイル(.evf)
ENVI にインポートされた外部ベクタファイルは、自動的に ENVI の内部的なベ
クタフォーマットに変換され、デフォルトのファイル拡張子 .evf が 付けられます。
これにより、処理がスピードアップされ、データが最適化されます。最初にファ
イルをインポートする際に出力オプションとして Memory を選択すれば、.evf
ファイルを作成せずに外部ベクタファイルを使用することができます。この場合
は .e vf ファイルが作成されませんので、次回ファイルを使用するときにもう一度
変換する必要があります。
6
Available Vectors List ダイアログ
画像をリスト表示したり読み込む際に使用される Available Bands List ダイア
ログと同様に、Available Vectors List ダイ アログでは ENVI で開いているす
べてのベクタにアクセスできます(図 1)。このリストは、ベクタファイルを開
いたり変換するなど必要な時に自動的に表示されるほか、ENVI メインメニュー
から Window - > Avail able Vectors List を 選択して起動することもできます。
読み込むベクタをリストから選択し、ウィンドウ下部の Load Selected をクリ
ックすると、ベクタディスプレイやイメージウィンドウにベクタが読み込まれま
す。イメージウィンドウが表示されている場合は、ベクタをそのウィンドウに表
示するか、新しいベクタウィンドウに読み込むかを選択できます。
Available Vectors Li st ダイアログには、ベクタレイヤーをリスト表示したり読
み込む機能のほかに、ベクタファイルを開く、新しいベクタウィンドウを起動す
る、世界の境界線を作成する(次の項を参照)、新しいベクタレイヤーを作成す
る、解析結果を関心領域にエクスポートする(ラスタ・ベクタ変換)、シェープ
ファイルや付属ファイルをエクスポートする、などの操作を行うためのユーティ
リティが用意されています。
以下の図は Available Vectors List の例です 。
図 1:ENVI の Available Vectors List
国境(World Boundaries)の作成
ENVI では、IDL の地図セットを使用して、ENVI の .evf ベクタフォーマット
で国境を生成することができます。 Available Vectors List ダイア ログから
Options -> Create World Boundaries を選択するか、ENVI メインメニュー
から Vector -> Create World Boundaries を選択してください。ユーザは、国
境、海岸線、河川、米国の州境を作成できます。
IDL の高分解能地図がインストールされている場合にのみ、高分解能フォーマッ
トを使用できます。この地図が現在インストールされていない場合は、ENVI
Installation CD を使 用して、高分解能地図を選択すればこの地図をインストー
ルすることができます。
7
図 2:ENVI の世界の境界線
Vector Parameters ダイアログとベクタウィンドウメニュー
ベクタが画像に重ねられると Vector Parameters ダイアログが表示され、ベク
タの表示方法、およびベクタの処理や解析に使用可能な機能を制御することがで
きます(図 3)。
ベクタがベクタウィンドウに読み込まれると、Vector Paramete rs ダイアログ
で使用することができる機能はベクタウィンドウ上部のメインメニューからも使
用することができます。
図 3:ENVI の Vector Window Parameters ダイアログ
Vector Parame ters ダイアログとベクタウィンドウメニューは、ベクタファイ
ルを開く、Available Vectors List ダイアロ グからベクタレイヤーをインポート
する、ベクタレイヤーの順序を調整する、プロットパラメータを設定する、プロ
ットに注釈を付ける、などの操作を行えます。またこれらのダイアログでは、ベ
クタウィンドウやイメージウィンドウの動作モードのカーソルクエリ、デジタラ
イズ・編集を切り換えて制御します。Vector Parameters ダイアロ グもしくは
ベクタウィンドウメニューは、リアルタイムにベクタ情報、属性情報の表示と編
集、ベクタクエリ操作など ENVI の GIS 解析機能の起動にも使用されます。さ
らに Vector Window Parameters ダイアログとベクタウィンドウメニューには、
シェープファイルに、補助的な属性情報ファイルを含んだ形で解析結果をエクス
ポートしたり、ENVI の内部的な関心領域フォーマットにラスタ変換するための
8
ユーティリティも用意されています。ベクタオーバーレイに関する現在の設定を
テンプレートに保存しておき、後で現在のベクタレイヤーやオーバーレイ特性を
容易に読み込むこともできます。
ENVI での属性情報
ENVI は、GIS のシェープファイルに対応し、属性情報が設定されている .dbf
フォーマットを開くことができます。編集可能なテーブルに属性情報をリスト表
示し、ポイント&クリック操作で選択や編集を行えます(図 4)。
図 4:ENVI の属性情報テーブル
特定のセルをダブルクリックすると、そのセルを編集できます。テーブルは、
ASCII ファイルで置換する機能、均一な値を使用して列全体を置換する機能もサ
ポートしています。個々の列を追加または削除したり、列に含まれる情報に従っ
て昇順、降順にデータをソートするためのオプションもあります。 ENVI 属性情
報は、ASCII 出力ファイルや .dbf ファイルに保存することができます。
ENVI 属性情報テーブル(Attributes table )ではポイント&クリックによる空
間クエリがサポートされているため、イメージウィンドウやベクタウィンドウの
特徴のある場所を調べることができます。特定のレコードを選択するには、テー
ブルの特定の行の左端のラベルをクリックします。この操作で、イメージウィン
ドウやベクタウィンドウ内の対応するベクタが、コントラストの強い色でハイラ
イト表示されます。Ctrl ボタンを押しながら行ラベルをクリックすると、隣接し
ていないレコードを含む複数のレコードを選択することができます。
9
第 1 部:ベクタ GIS
第 1 部では、GIS デー タのベクタ処理や解析を行う簡単な方法を説明します。
Resource DVD にある The ESRI Da ta and Maps 1 CD -ROM データを使用
します。
ENVI の起動
プログラムを起動する前に、インストールガイドの指示通り ENVI が正しくイン
ストールされていることを確認してください

UNIX もしくは Macintosh OS X で ENVI を起動するには、UNIX のコ
マンドラインに envi と入力してください。

Windows システムで ENVI を起動するには、ENVI アイコンをダブルク
リックしてください。
プログラムが正常にロードされ実行されると、ENVI メインメニューが表示され
ます。
シェープファイルを開く
ベクタファイルを開くには、以下のように実行してください。
1.
File -> Open Vector File を選択してください。Select Vector
Filenames ダイアログが表示されます。
2.
他のアプリケーションを使用するときと同様に、Resource DVD の Data
ディレクトリの esri_gis サブディレクトリに移動し、ファイル
cities.shp を選択してください。
Import Vector Files Parameters ダイアロ グが画面に表示されます。こ
のダイアログでは、ファイルまたはメモリのいずれに出力するかを選択し、
ENVI の .evf ファイル用の出力ファイル名を入力してください。ENVI
が地図投影情報を自動的に検索できない場合は、地図投影情報を入力して
ください。
3.
Memory への出力を選択して、デフォルト値のままで OK をクリックして
ください。読み込み中のベクタのポイントの数を示すステータスウィンド
ウが表示され、データの変換が終わると Available Vectors List ダ イア
ログにリスト表示されます。
4.
Available Vectors Li st ダイアログの cities .shp という項目を選択し、
読み込むベクタレイヤーを選択して、 Load Selected をクリックしてくだ
さい。米国の都市がプロットされた Vector Window #1 ダイアロ グが表
示されます。デフォルトモードは、Cursor Query です。ウィンドウのモ
ードが、タイトルバーもしくはダイアログの右下コーナーに表示されます。
10
ベクタポイントデータに関する操作
1.
Vector Window #1 で ウィンドウ内をマウスの左ボタンでクリックし、ボ
タンを押したままカーソルをドラッグして、ダイアログの左下コーナーに
表示された緯度と経度を確認してください。
2.
北西部に位置するワシントン州にカーソルを配置し、マウスの中央ボタン
をクリック&ドラッグして、任意の地域をカバーするボックスを定義する
と、48 州上で拡大表示することができます。マウスボタンを放すと選択す
る領域の右下コーナーが定義され、その領域だけが拡大されます。倍率は
複数の中から選択できます。Shift キーを押 しながら表示内のどこかをマ
ウスの中央ボタンでクリックすると、マウスの位置を中心に倍率が 1 段階
小さくなります。マウスの右ボタンをクリックしてショートカットメニュ
ーから Previous Range を選択すると、直前の倍率で表示されます。ショ
ートカットメニューから Reset Range を選 択するかもしくはマウスの中
央ボタンをクリックすると、表示倍率がリセットされ、ベクタウィンドウ
が表示された最初の倍率で表示されます。
3.
都市のマークに使用する記号を変更するには、Vector Window #1 プルダ
ウ ンメニューから Edit -> Edit Layer Prop erties をクリックしてくだ
さい。 Point Symbol ボタンメニューから Flag を選択し、OK をクリッ
クしてください。
<注>
ユーザ独自の記号を追加するには、ENVI がインストールされている menu
ディレクトリのファイル usersym.txt の中で記号を定義してください。
4.
また、その他のベクタ表示のパラメータも変更してみてください。Edit ->
Edit Layer Propertie s を選択して Edit Vector Laye rs ダイアログで任
意の特性(色、記号、サイズ)を変更できます。変更した設定がどのよう
に 適用 され るか を表 示す るに は、 Preview ボ タ ンを クリ ック して ください。
11
IDL 地図セットを使用した米国の州の境界作成
1.
Available Vectors Li st ダイアログで Optio ns -> Create World
Boundaries を選択してください。 Create Boundaries ダイアログが表
示されます。
2.
USA States のチェックボックスをクリックし、Memory ラジオボタンを
選択してください。OK をクリックし、米国の州の境界を作成して
Available Vectors Li st ダイアログに読み込んでください。
3.
Available Vectors Li st で、USA States [F ull Range] をハイライト表
示させ、Load Selecte d ボタンをクリックしてください。Load Vector
ダイアログで Vector Window #1 を選択し 、ベクタを 読み込んでくださ
い。
4.
前に選択した都市と州の境界の両方が、ベクタウィンドウに表示されます。
この場合、州の境界はポリラインであり、ポリゴンではありません。
 色を変更するには、変更したい色が表示されるまでカラーボック
スをクリックしてください。もしくは、カラーボックスでマウス
の右ボタンをクリックし表示されるメニューから色を選択してく
ださい。
5.
Edit -> Edit Layer P roperties を選択してください。Edit Vecto r
Layers ダイアログで USA States [Full Range] をクリックし、色、線
のスタイル、太さなど、州の境界用のパラメータを変更してください。
6.
変更後 OK をクリックしてください。
7.
Available Vectors Li st 内の USA Sta tes (full range) をクリックし、
続 い て Remove Selec ted を ク リ ッ クし て 州の 境 界を ク リア し てくだ さい。
ベクタポリゴンデータに関する操作
1.
Vector Window #1 ダ イアログで File -> Op en Vector File を選択して
ください。
2.
Select Vector Filenames ダイアログで Files of type : ドロップダ ウン
リストを使用して、シェープファイルを選んでください。シェープファイ
ル states .shp を選択して、Open をクリックしてください。
3.
Import Vector Files Parameters ダイアロ グで Memory ラジオボタン
をクリックし、デフォルト値のままで OK を クリックしてください。
4.
読み込み中のベクタのポイントの数を示すステータスウィンドウが表示さ
12
れ、データの変換が終わると Available Vectors List ダイアログが表示
されます。この操作で、states.shp が Avail able Vectors List ダ イアロ
グ に 読 み 込 ま れ 、 既 存 の ベ ク タ ウ ィ ン ド ウ に states .shp が 表 示 さ れ ま す 。
5.
Edit -> Edit Layer P roperties を選択してください。Edit Vector
Layers ダイアログで Layer: states .shp をクリックし、色を緑に変更し
てください。 Polygon Fill ボタンメニューから Line を選択し OK をク
リックしてください。
ベクタ情報と属性情報の取得
1.
Vector Window #1 ダ イアログで、マウスの右ボタンをクリックしてショ
ートカットメニューを表示し、Select Active Layer -> Layer:
cities.shp を選択してください。Options -> Vector Info rmation を選
択して Vector Information ウィンドウを起動してください。ベクタウィ
ンドウに表示されている都市のフラグをマウスの左ボタンでクリックしド
ラッグすると、シェープファイルの .dbf ファイルにある基本属性情報が
Vector Info rmation ウィンドウに表示されます。
2.
次に、Vector Informa tion ウィンドウで AREANAME の属性情報を見
て、ホームタウンや最も近い都市などを検索してください。そして Vector
Window #1 ダイアロ グ下部で緯度と経度を調べてみてください。
属性情報の表示とポイントアンドクリックによるクエリ
1.
cities.shp がアクティブレイヤーであることを確認し、Mode -> C ursor
Query を選択してください。Vector Window #1 ダイアログで Edit ->
View/Edit/Query Attributes を選択し、Layer Attributes テーブ ルを
起動してください。このテーブルは、選択されたレイヤーの属性情報に関
する編集機能を持つテーブルです。
2.
左側の行をクリックし、選択した都市に関する空間クエリを行ってくださ
い。ベクタウィンドウ内の対応する都市のフラグがハイライト表示になり
ます。必要であれば、マウスの中央ボタンをクリック、ドラッグして、ハ
イライト表示の都市の周囲にボックスを描画し、選択した特定の都市を拡
大してください。縮小して元に戻すには、ウィンドウ内でマウスの中央ボ
タンをクリックしてください。
3.
都市のフラグをマウスの左ボタンでクリックして Vector In formation ウ
ィンドウで属性情報を確認し、正しい都市が選択されたか確認してくださ
い。
4.
AREALAND 列が表示されるまで属性 情報ウィンドウを右にスクロールし
て、選択された都市の範囲の値を編集してください。AREALAND テーブ
ルの対応するセルをマウスの左ボタンでダブルクリックし、新しい値を入
力してリターン(Enter)キーを押すと値が変更されます。
13
5.
次に、都市のフラグをクリックして ENVI 属性情報テーブルの対応するレ
コードがハイライト表示になっているか確認し、地図ベースのクエリを行
います。国内のさまざまな都市のフラグにベクタカーソルをドラッグし、
選択された都市に合わせて ENVI 属性情報テーブルがスクロールする様子
を確認してください。
属性情報のクエリ
1.
cities.shp がアクティブレイヤーであることを確認し、Edit -> Qu ery
Attributes を選択してください。生成するレイヤーの名前を Query
Layer Name テキスト ボックスに入力してください。例えば、 Where
State ==California と 入力し、Start ボタン をクリックしてください。
Query Condition ダイ アログが表示されます。
2.
AREANAME ボタンをクリックし、プルダウンメニューから ST を選択し
てください。ダイアログ中央にある ">" とい うマークが表記されているボ
タンをクリックし、オプションリストから演算子 "== " を選択して くださ
い。String Value テ キストボックスに CA という文字列を入力して(こ
の 場 合 は 必 ず こ の 文 字 列 に し て く だ さ い ) 、 OK を ク リ ッ ク し て く だ さ い 。
ENVI は、クエリ結果に基づいて新しいベクタレイヤーとこれに対応す
る .dbf ファイルを生成し、Available Vector List に新しいレイヤーリ
ストが表示され、Vector Window #1 に新し いレイヤーが 読み込まれます。
3.
マウスの中央ボタンをドラッグしてカリフォルニア州を囲むボックスを描
画し、選択されたベクタを拡大してください。
4.
Vector Window #1 ダ イアログで、マウスの右ボタンをクリックしてショ
ートカットメニューを表示し、Select Active Layer -> Layer: Wh ere
State ==California を 選択してください。Edit -> View/Edit/Query
Attributes を選択して、新しい .dbf ファイル を開きます。 ENVI 属性情
報テーブルが表示されますので、前述のようなポイント&クリックによる
クエリ操作を何回か行ってみて、選択した都市とベクタウィンドウ内のそ
の都市の位置関係を確認してください。Ctrl キーを押しながらテーブルの
左側にあるレコードラベルをクリックすると、属性情報テーブルから複数
の都市を選択することができます。
5.
ENVI 属性情報テーブルの AREANAME 列の最上部をクリックし、その
属性情報セット全体をハイライト表示にします。 Options -> So rt by
selected column for ward を選択して列をアルファベット順にソートして
ください。次に、この列を下にスクロールして Sacramento をクリ ックす
ると、カリフォルニア州の首都の位置がベクタウィンドウ内で異なる色で
ハイライト表示されます。
ベクタウィンドウ内の注釈地図記号
ENVI には、Vector Window ダイアログにベクタ地図を生成するツールが用意
されています。これらは、画像やプロット注釈用の注釈ツールと同じですので、
14
ここでは詳しい説明は省き、注釈ウィンドウに地図記号を配置する方法を説明し
ます。
1.
Vector Windows #1 ダイアログから Options -> Annotate Plo t を選択
してください。
2.
Annotation ダイアログで、Object -> Map Key を選択すると、ベクタレ
イヤー用の地図記号が自動的に作成されます。注釈を配置したり移動する
には、Vector Window #1 ダイアログ内でマウスの左ボタンをクリックし
てください。
 地図記号の特性を変更するには、Annotation ダイアログ内で
Edit Map Key Items ボタンをクリックし、Map Key Obje ct
Definition ダイアログ で設定を変更してください。
3.
地図記号の配置を確定するには、Vector Windows #1 ダイアログ内でマ
ウスの右ボタンをクリックしてください。ベクタウィンドウ内の注釈はす
べて、ENVI ディスプレイウィンドウ内の注釈と同じように動作します。
すべてのウィンドウとファイルを閉じる
1.
Available Vectors Li st ダイアログで Select All Layers 、Remove
Selected の順にクリックしてください。File -> Cancel を選択して
Available Vectors Li st ダイアログを閉じてください。
2.
Vector Window #1 ダ イアログから File -> Cancel を選択して、ベクタ
ウィンドウと、これに関連するすべてのダイアログやテーブルを閉じてく
ださい。これで演習第 1 部を終わります。
15
第 2 部:ラスタ / ベクタ処理
第 2 部では、ベクタオーバーレイを使用して、ラスタ画像に GIS デ ータと属性
情報を結合させる方法を説明します。 Space Imaging EOSAT 社か らのデータ
を使用します。
画像データを読み込み画像 / ベクタ表示を重ね合わせる
ベクタレイヤー用の背景として使用する画像ファイルを開くには、以下のように
実行します。
1.
ENVI メインメニューから File -> Open Image File を選択してくださ
い。Enter Data Filenames という名前のファイル選択ダイアログが表示
されます。
2.
他の章と同様に、Resource DV D の Data ディレクトリの si_eosat サブ
ディレクトリに移動し、ファイル 0826_ms.img を選択してください。
Available Bands List ダイアログが画面に表示され、4 つのスペクトル
バンドがリストされます。これらのデータは、Space Imaging EOSAT
社の 4m 解像度のマルチスペクトルデータのシミュレーションデータであ
り、スペクトルバンドの範囲は Landsat Thematic Mapper データ の最
初の 4 つのスペクトルバンドと近似しています。
カラー合成に読み込むバンドは、ENVI ヘッダファイルの中にある、
ENVI のデフォルトバンドオプションを使用してすでに選択されているた
め、トゥルーカラー画像が自動的に新しいイメージウィンドウに 読み込ま
れます。
ベクタレイヤーを開いてイメージウィンドウに読み込む
1.
イメージウィンドウから Ove rlay -> Vectors を選択すると Vector
Parameters ダイアロ グが起動されます。
<注>
また ENVI メインメニューから File -> Open Vector File を使用する方法で
同じ操作を行うこともできます。ENVI には、ベクタオーバーレイを行う方
法がいくつか用意されています。ユーザごとに、ご使用のアプリケーション
や解析手法に最も適した方法を選択して処理を行ってください。
16
2.
Vector Parame ters ダイアログのメニューバーから File -> Open
Vector File を選択し てください。
3.
Select Vector Filenames ダイアログで、Files of type : ドロップ ダウン
リストを使用してシェープファイルを選択してください。リストからベク
タファイル vectors .shp を選択してください。
<注>
ENVI は、このシェープファイルに関連する .prj ファイルを検索することが
可能な場合、手動で地図投影のファイルを入力することができます。
4.
Import Vector Files Parameters ダイアロ グが画面に表示されます。こ
の ダ イ ア ロ グ では 、 File ま た は Memory の い ず れ に 出 力 する か を選 択 し 、
ENVI の .evf ファイル用の出力ファイル名を入力したり、データの地図投
影法を選択することができます。
5.
Import Vector Files Parameters ダイアロ グで、Native Projecti on と
して Sta te Plane (NAD 83)をクリックしてください。 Set Zone ボタ
ンをクリックし て、Select State Plane Zon e ダイアログのリストから、
(404、3351) Californ ia IV を選択してください。Import Vector Files
Parameters ダイアロ グで Memory への出力を選択して、OK をクリッ
クすると投影法の選択が完了します。読み込み中のベクタのポイントの数
を示すステータスウィンドウが表示されます。データの変換が終わると、
Vector Parame ters ダイアログに自動的に読み込まれ、画像上に白で表
示されます。
6.
Vector Parame ters ダイアログで vectors.shp レイヤー名をクリックし
ハイライト表示させます。
7.
Current Layer カラーボックスをクリックして、ベクタレイヤーの色をよ
り見やすいように選択してください。もしくはボックス上でマウスの右ボ
タンをクリックしメニューから選択してください。 Apply をクリックする
と、ベクタの色が更新されます。
カーソルを使用した属性情報調査
1.
Vector Parame ters ダイアログで Options -> Vector Informa tio n を
選択して Vector Info r mation ウィンドウを起動し、画像内でマウスの左
ボタンをクリック、ドラッグして、ベクタの属性情報を確認してください。
また、Vector Parame ters ダイアログにリスト表示される緯度と経度も
確認してください。Vector Parameters ダイアログで、Scroll と Z oom
ラジオボタンを選択すると、対応するウィンドウでベクタ情報を調べるこ
とができます。 Off ラジオボタンを選択すると、スクロールウィンドウと
イメージウィンドウで通常のスクロール操作を、ズームウィンドウでズー
17
ム操作を行えます。ズームウィンドウで倍率を変えて、ベクタの精度を評
価してください。
2.
Vector Parame ter ダ イアログの Mode メニューから Cursor Query モ
ードを選択して、必ず、Cursor Query モードに設定してください。
3.
Vector Parame ters ダイアログから Edit -> View/Edit/Query
Attributes を選択し、今回のデータに対応する ENVI 属性情報テーブル
を読み込んでください。この章の第一部で説明しているように、 属性情報
テーブルの左の(番号の付いた)行をクリックして、ポイント&クリック
操作によるクエリで画像上の特定のポリゴンを検索してハイライト表示に
します。
より明確に表示できるよう、Vector Parame ter s ダイアログで Current
Highlight カラーを変更することもできます。
画面上でのデジタイズ
ENVI には、既存のベクタレイヤーにユーザ独自のベクタを追加したり、新しい
ベクタレイヤーを作成するためのベクタ編集機能が用意されています。これらの
機能は、ENVI の注釈ポリゴン、ポリライン、ポイントと同様です。 ENVI のデ
ジタイズ機能を使用すると、新しいポリゴン、ポリライン、ポイント、四角形、
楕円などを作成することができます。
1.
新しいベクタレイヤーを作成するため、Vector Paramete rs ダイア ログ
から File -> Create N ew Layer を選択してください。New Vector
Layer Paramete rs ダ イアログで新しいレイヤー名を入力し、 Memory
ラジオボタンを選択して OK をクリックしてください。
2.
Vector Parame ters ダイアログで新しいレイヤー名をクリックすると、
新しい .dbf ファイルが初期化されます。
3.
Mode -> Add New Ve ctors を選択してください。
4.
この演習では、ポリゴンベクタを作成してください。Mode -> Polygon
を選択してください。
 マウスの左ボタンをクリックして、ポリゴンセグメントを描画し
てください。
 マウスの中央ボタンをクリックして、ポリゴンセグメントを消去
してください。
 マウスの右ボタンをクリックしてポリゴンを調整し、再度右ボタ
ンをクリックしてショートカットメニューを表示して、Accept
New Polygon を選択してポリゴンを確定してください。
18
<注>
新しいベクタレイヤーカラーが白の場合、新しいポリゴンを作成する前によ
り見やすい他の色に変更することができます。
5.
イメージウィンドウ(あるいは Vector Para meters ダイアログで
Window ラジオボタンを使用して選択されているスクロールウィンドウや
ズームウィンドウ)で、マウスを使用して新しいポリゴンの範囲を以下の
手順で定義してください。
6.
ガイドに従いフィールドアウトラインを使用して画像上にポリゴンをいく
つか作成してください。
7.
新しく作成されたポリゴンに属性情報を追加するには、Vector
Parameters ダイアロ グから Edit -> Add Attributes を選択してくださ
い。Attribute Initial ization ダイアログの Name フィールドに
Field_ID と入力し、Type ボタンメニューをクリックし、Character を
選択してください。ダイアログ下部の Add Field ボタンをクリックし、
Name フィールドに Field Area (フィールド領域)と呼ばれる第 2 属性
情報を入力し、Type を Numeric に変更してください。OK をクリックす
ると属性情報テーブルが作成されます。
8.
次に、この章の第 1 部で説明しているように属性情報テーブルを編集して
ください。編集するフィールドをダブルクリックして値を入力し、リター
ン(Enter)キーを押してください。どの行がどのフィールドと関連する
かを確認するために、Vector Parame ters ダイアログから Mode ->
Cursor Query を 選 択 し 、 各 行 ラ ベル で ポ イン ト & ク リ ック し て くだ さい。
9.
テーブル最上部のメニューバーから File -> Cancel を選択して属性情報
テーブルを閉じてください。
ベクタレイヤーの編集
1.
Vector Parame ters ダイアログで、作成した新しいベクタレイヤーをク
リックして Mode -> Edit Existing Vecto rs を選択してください。
2.
イメージウィンドウで、前に作成したいずれかのポリゴンをクリックして
ください。ポリゴンがハイライト表示になり、ポリゴンのノードに菱形の
マークが付けられます。ベクタが選択されている際に、以下の手順で変更
することができます。
 マウスの右ボタンをクリックしてショートカットメニューを表示
し、Delete Selected Vector を選択して、ポリゴン全体を削除
してください。
 ノードを移動するには、ノードをクリックし新しい位置にドラッ
グしてください。
19
 マウスの右ボタンをクリックし Accept Changes を選択して、
変更操作を終了してポリゴンを再描画してください。
 マウスの中央ボタンをクリックすると、一切の変更を行わずに編
集機能を終了します。もしくは、マウスの右ボタンをクリックし
て、ショートカットメニューから Clear Sele ction を選択して
ください。
 ポリゴンからノードの追加と削除を行うには、マウスの右ボタン
をクリックしてショートカットメニューを表示し、以下のいずれ
かを選択してください。
 ノードを追加するには、マウスの右ボタンをクリックし Add
Node を選択してください。その後ノードを新しい位置までドラ
ッグしてください。
 ノードを削除するには、削除したいノード上でマウスの右ボタン
をクリックし、表示されるショートカットメニューから Delete
Node を選択してください。
 一度に複数のノード数を変更するには、マウスの右ボタンをクリ
ックし Number of No des to Add を選択してください。ダイア
ログで、ノードの数を入力します。
 ある範囲のノードを削除するには、範囲内にある最初のノード上
でマウスの右ボタンをクリックし Mark Node を選択してくださ
い。範囲内にある最後のノード上でマウスの右ボタンをクリック
し、再度 Mark Node を選択してください。最後に、マウスの右
ボタンをクリックし、Delete Marked Node s を選択してくださ
い。
3.
最後に、ENVI メインメニューから Window -> Available Vectors List
を選択 し、Available Vectors List ダイアロ グを表示してください。
Available Vectors Li st ダイアログで、作成した新しいレイヤーを選択し
て Remove Selected をクリックし、これらのレイヤーを削除してくださ
い。vectors.shp レイ ヤーは削除しないでください。
クエリ操作
1.
Vector Parame ters ダイアログで、Mode -> Cursor Query を選択して
ください。
2.
Vector Parame ters ダイアログで、レイヤー名 vecto rs.shp をク リック
してください。Edit -> View/Edit/Query Attributes を選択して属性情
報テーブルを起動してください。
3.
RANCH 属性情報を確認し、3 人のオーナー igloriai 、ilaninii 、
isharpei による保有状況を確認してください。 File -> Cancel を選択し
て属性情報テーブルを閉じてください。
20
4.
Vector Parame ters ダイアログから Edit -> Que ry Attributes を選択
してください。Layer Attribute Query ダイアログで Query La yer
Name に Glo ria Ranc h と入力して Start ボ タンをクリックしてくださ
い。
5.
Query Condition ダイ アログから、AREA ボタンをクリックしプルダウ
ンメニューから RANCH を選択してください。> ボタンをクリックし条件
を "==" にセットして、文字列値として gloria と入力してください(属性
情報テーブルに表示される状態と一致させてください)。 Memory ラジオ
ボタンを選択し、OK をクリックしてください。クエリによって生成され
た新しいレイヤーが Vector Parameters ダイアログにリスト表示されま
す。
6.
同ダイアログでレイヤー名をクリックし、Edit -> Edit Layer
Properties ボタンを選択してレイヤーパラメータを変更してください。
Polygon Fill ボタ ン をクリックし、プルダウンメニューから Line を選
択して、OK をクリックしてください。Gloria Ranch の保有地が新しい
レイヤーとしてハイライト表示されます。
7.
Vector Parame ters ダイアログでレイヤー名を選択し、Edit ->
View/Edit/Query Attributes を選択してこのレイヤーの属性情報を確認
してください。クエリの結果を確認してください。
8.
属性情報テーブルを閉じ、lanini と sharp の保有地についても、別の色
とパターンによるハイライト表示を使用しながら同様にクエリ操作を繰り
返してください。
9.
Layer Attribute Query ダイアログで、いずれかの論理演算子を選択し
て、さまざまな属性情報の重ね合わせを使用してその他のクエリを行って
みてください。
ベクタから関心領域への変換
1.
ENVI には、ベクタ解析とラスタ画像処理を関連付けるいくつかの重要な
機能があります。ここでは、ベクタ処理結果を取り込んで、画像に対して
使用する関心領域を作成し、領域の統計量を求める方法を説明します。
2.
イメージウィンドウから Ove rlay -> Region of Interes t を選択し 、ROI
Tool ダイアログを開いてください。
3.
Vector Parame ters ダイアログで、ROI にエクスポートするレイヤーの
名前をクリックしてください。
4.
Vector Parame ters ダイアログで、File -> Export Acti ve Layer to
ROIs を選択してください。作 成した複数のレイヤーに対しこの処理を行
う場合、上記のクエリ操作を使用してください。ROI Tool ダイアログに
レイヤーがリスト表示されます。
21
5.
ROI Tool ダ イ ア ロ グ で そ の 行 列 の 左 端 を ク リ ッ ク し て 関 心 領 域 を 選 択 し 、
Stats ボタンをクリックすると、マルチスペクトルデータ内の Gloria の
保有地のポリゴンに関する画像統計量が得られます。ベクタ解析で生成し
た他のクエリに関しても同じ操作を行って、面積と統計量を比較してくだ
さい。この時点で、これらのベクタポリゴンは ENVI で設定した関心領域
になっていますので、マスク、統計、コントラストストレッチング、教師
付き分類など、ラスタ処理機能に関する ENVI のあらゆる機能を使用して
関心領域の画像データを解析することができます。
地図画像の出力
ENVI には、イメージウィンドウでラスタ / ベクタの重ね合わせデータから地図
画像を作成するためのツールが用意されています。これらのツールは、メニュー
の File -> QuickMap から使用できる QuickMap ツールと同様に、ENVI の画
像やプロットの注釈で使用される注釈ツールを含みます。ここでは詳しい説明を
省き、イメージウィンドウで地図記号を配置する方法を説明します。
1.
ENVI の地図画像作成機能を使用してベクタ地図記号が描画された地図出
力画像を生成します。イメージウィンドウのメニューバーから Overlay ->
Annotation を選択してください。
2.
Object - > Map Key を選択してください。Annotation: Map Ke y ダイ
アログが表示されます。
3.
イメージウィンドウでマウスの左ボタンをクリックして、注釈の配置や移
動を行います。
4.
地図記号の特性を変更するには、Edit Map Key I tems ボタンをクリック
して任意の変更内容を選択してください。注釈の配置操作に戻るには OK
をクリックしてください。
5.
イメージウィンドウでマウスの右ボタンをクリックし、地図記号の配置を
終了してください。
ラスタ画像に重ねられた GIS ベクタの結果は以下の図のようになります。
22
図 5:ラスタ画像に GIS ベクタを重ね合わせした結果
すべてのウィンドウとファイルを閉じる
1.
Available Vectors Li st ダイアログで Select All Layers 、Remove
Selected の順にクリックしてください。File -> Cancel を選択して
Available Vectors Li st ダイアログを閉じます。
2.
ENVI メインメニューから File -> Close All Files を選択し、イメージ
ウィンドウと、これに関連するすべてのダイアログやテーブルを閉じてく
ださい。
ラスタからベクタへの変換
ENVI では、ENVI のベクタ処理や解析処理、および ArcView や ArcInfo など
の外部 GIS システムへのエクスポート処理用に、ラスタ処理結果を容易に変換で
きます。ここでは、ラスタ情報をベクタ GIS にエクスポートする方法を説明しま
す。
関心領域のベクタレイヤーへのエクスポート
ENVI のどの標準的な方法で定義された関心領域でも、エクスポートして 1 つま
たは複数のベクタレイヤーにすることができます。
23
画像データのイメージウィンドウへの読み込み
画像ファイルを開き、関心領域を定義する際の背景に使用して関心領域をベクタ
にエクスポートします。
1.
ENVI メインメニューから File -> Open Image File を選択してくださ
い。Enter Data Filenames という名前のファイル選択ダイアログが表示
されます。
2.
他の章と同様に、Resource DV D の Data デ ィレクトリの can_tm サブ
ディレクトリに移動し、ファイル can_tmr.i mg を選択してください。
3.
Available Bands List ダイアログの Gray Scale トグルボタンをクリッ
クし、リストから Band 4 を選択して Load Band をクリックすると、
TM バンドのグレースケール画像が新しいイメージウィンドウに読み込ま
れます。
あらかじめ定義済みの関心領域の読み込み
ENVI の対話的な関心領域定義ツールを使用して、いくつかの関心領域があらか
じめ定義されています。
1.
イメージウィンドウで、Overlay -> Region of Inte rest を選択すると
ROI Tool ダイアログが起動されます。ROI Tool ダイアログで File ->
Restore ROIs を選択 し、関心領域ファイル can_tm1.roi を選択してくだ
さい。ENVI Message ダイアログに、復元された領域が表示されます。
OK をクリックしてください。あらかじめ定義済みの関心領域が ROI
Tool ダイアログに読み込まれ、画像上にプロットされます。
2.
ファイル can_tm2.r oi に対しても上記の操作を繰り返してください。
結果として、TM データ上に 2 つの関心領域が重ね合わせされます。
関心領域のベクタへの変換
1.
これらの関心領域をベクタポリゴンに変換するには、ROI Tool ダイアロ
グ で File -> Export ROIs to EVF を選択してください。Export
Region to EVF ダイアログが表示されます。
2.
領域名をハイライト表示して、いずれかの領域を選択してください。All
points as one record ラジオボタンオプションを選択し、対応するテキス
トボックスにレイヤー名を入力し、Memory ラジオボタンを選択し、OK
とクリックしてください。最初の関心領域が変換されます。第 2 の関心領
域に対してもこの操作を繰り返してください。Available Vectors List に
レイヤーがリスト表示されます。
3.
Available Vectors Li st ダイアログで Select All Layers 、Load
Selected ボタンを順にクリックしてください。
24
4.
Load Vector ダイアログで、New Vector Wi ndow を選択し、新しいベ
クタウィンドウを起動してください。ベクタはポリゴンとして Vector
Window #1 ダイアロ グに読み込まれます。
5.
Vector Window #1 ダ イアログで、Edit -> Add Attributes を選択して
ポリゴンに属性情報を追加してください。
6.
18ページの演習で説明しているように属性情報が追加されます。こうして
おけば、他のベクタデータに関するクエリや GIS 解析でこれらを使用した
り、Vector Window P arameters ダイアログから File -> Export
Layer to Shapefile を 選択してシェープファイルにエクスポートすること
ができます。
すべてのウィンドウとファイルを閉じる
1.
Available Vectors Li st ダイアログで Select All Layers 、Remove
Selected の順にクリックし、File -> Cancel を選択して Available
Vectors List ダイアロ グを閉じてください。
2.
Vector Window #1 ダ イアログで File -> Cancel を選択して、ベクタウ
ィンドウを閉じてください。
3.
ENVI メインメニューから File -> Close All Files を選択し、イメージ
ウィンドウと、これに関連するすべてのダイアログやテーブルを閉じてく
ださい。
分類画像のベクタポリゴンへのエクスポート
ENVI の分類法で定義されたクラスは、エクスポートして 1 つまたは複数のベク
タレイヤーにすることができます。また、ENVI では個々の画像輝度レベルを選
択して 1 つのベクタレイヤーとしてエクスポートすることもできます。
分類画像を読み込み表示する
関心領域定義用の背景として使用する画像ファイルを開いてベクタにエクスポー
トするには、以下のように実行します。
1.
ENVI メインメニューから File -> Open Image File を選択してくださ
い。 Enter Da ta File names という名前のファイル選択ダイアログが表
示されます。
2.
Resource DVD の Data ディレクトリの can_tm サブディレクトリに移
動し、can_pcls.img を選択してください。これは、Canon City の TM
データを 3 つのクラスで平行 6 面体分類したものです。
3.
Available Bands List ダイアログでバンド名をダブルクリックして、こ
の画像をグレースケール画像に読み込んでください。
25
分類画像のノイズ処理
ラスタからベクタへの変換をうまく行うためには、通常、ラスタ処理結果をノイ
ズ処理する必要があります。 ノイズ処理を行わないと、個々のピクセル の周囲に
小さいベクタポリゴンができてしまいます。
分類画像のノイズ処理の結果を見るため、5 ピクセルの選別処理と 5 × 5 のクラ
スの凝集処理を行った結果を読み込み、表示してください。
1.
Display #1 で 、 選 別 結 果 で あ る can_sv.img を 開 き 、 表 示 し て くだ さ い。
2.
次に Display #1 で、クラスの凝集結果である can_clmp.img を表 示して
ください。
<ヒント>
どちらのファイルも、Resource DVD の Data ディレクトリの can_tm サブデ
ィレクトリにあります。
ノイズ除去された分類画像のベクタポリゴンへの変換
1.
ENVI メインメニューから、 Classification -> Pos t Classificatio n ->
Classification to Vec tor を選択してください。
2.
Raster To Vecto r Inp ut Band ダイアログで、画像名をクリックし OK
ボタンをクリックしてください。can_clmp.img 分類を選択して処理を行
います。Raster to Ve ctor Parameters ダイアログが表示されます。
3.
Raster to Vector Par ameters ダイアログで、Shift キーを押しながら
Region#1 と Region # 2 をクリックし、ハイライト表示させます。
4.
Output 矢印トグルボタンをクリックし、One Layer per Class を 選択し
てください。Memory 出力を選択して OK を クリックしてください。ベク
タ化の処理中はステータスダイアログが表示され、新しいベクタレイヤー
が Available Vectors List ダイアログに表示されます。
5.
Shift キーを押しながらベクタ名をクリックし、2 つのレイヤーを選択し
てください。そして、Load Selected をクリ ックし、Display Window
#1 を選択してください。または、Load Vector ダイアログで New
Vector Window を選択し、ENVI ベクタウィンドウに表示することもで
きます。
6.
レイヤー特性を変更して表示するには、レイヤー名をハイライト表示させ
Edit -> Edit Layer P roperties を選択してください。
 最初のレイヤーの色を white に、Polygon Fill を Line に設定
してください。
 2 つ目のレイヤーの色を yellow に、Polygo n Fil l を Line に設
26
定してください。OK をクリックしてください。
ベクタレイヤーとラスタ分類画像の結果を確認してください。
また、必要に応じ can_tmr バンド 3 のグレー スケール画像上に重ね合わせるこ
ともできます。
1.
Available Bands List ダイアログの can_tmr バンド 3 をグレースケール
で開いてください。
2.
Available Vector Layers ダイアログ Shift キーを押しながら Region#1
と Region #2 をクリックし、ハイライト表示させます。
3.
Load Selec ted をクリックし Load Vector ダイアログから can_tmr バ
ンド 3 をグレースケールで開いているウィンドウを選択し、OK をクリッ
クしてください。グレースケール画像上にベクタレイヤーが重なり表示さ
れます。
4.
Vector
Parameters ダ イ ア ログ で 色な どを変 更 し 見や す くし てくだ さ い。
図 6:分類をラスタ・ベクタ変換した結果をラスタ画像上に重ね合わせた結果
ENVI セッションの終了
ENVI を終了するには、ENVI メインメニューから File -> Exit( UNIX では
Quit)を選択してください。”Terminate thi s ENVI Session? ”というプロンプ
トが表示されますので”はい (Y) ”(UNIX では Yes)をクリックしてください。
すべてのファイルが自動的に終了します。
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