平成 26 年度 事業報告書概要 1.はじめに 平成26年度の我が国経済は、年度当初の消費税率8%への引き上げ、年度後半の急激な円安 の展開や原油価格の下落があったものの、全体としては大手企業を中心とする収益の改善、設備 投資の増加などを柱に緩やかな回復基調となった。 一方、世界経済は米国経済の回復があり、ユーロ圏経済の減速傾向や中国経済の成長率の低下 などがあったものの、緩やかに回復した。 こうした中で平成26年度の当工業会の事業としては、1)JIAM2016の取り組み(国 際展示会の開催に関する事業) 、2)家庭用ミシンを使ったモノづくりの普及促進(家庭用ミシン 事業) 、3)知的財産権保護対策の推進(使用技術の普及及び啓発に関する事業) 、4)工業会の 収支バランスの回復に向けた対応(工業会活動の効率化及び推進)等を行うとともに、業界の発 展に係わる諸課題の克服に向け会員への支援に取り組んだ。 2.活動概要 1)国際展示会の開催に関する事業 国際アパレル機器&繊維産業見本市(JIAM2016 OSAKA)の企画運営業務を推進させるため、 以下の事業を実施した。 (1)委員会活動について JIAM2016 実行委員会は 2 回、同実行委員会 WG(ワーキンググループ)は 12 回、更に SWG (サブワーキンググループ)を 5 回開催した。 (2)運営業務事業者について 運営業務は㈱メサゴ・メッセフランクフルトを選定した。 (3)プロモーション活動について ①繊維関係3団体(日本繊維産業連盟、日本繊維輸入組合、日本化学繊維協会)への趣旨説 明、協力要請 ②記者発表会の開催 第1回(平成 26 年 8 月 8 日(金) 、14:30~、東海大学校友会館) 第2回(平成 26 年 10 月 10 日(金) 、16:00~、ホテルグランヴィア大阪) 第3回(平成 27 年 3 月 27 日(金) 、11:30~、リーガル・パレスホテル(中国・東莞) ) ③国内ミシンショーへの出展 a)第 52 回東京ファッション産業機器展(52st FISMA TOKYO)への出展 会期:平成 26 年 9 月 25 日(木)~26 日(金) 会場:東京ビッグサイト 内容:JIAM 2016 OSAKA のPR活動他 b)第 48 回大阪ミシンショー&ハンズフェスティバルへの出展 会期:平成 27 年 2 月 20 日(金)~21 日(土) 会場:インテックス大阪 内容:JIAM 2016 OSAKA の PR 活動他 1 ④宣材物等の作成 キービジュアル、出展案内パンフレット、出展勧誘及び来場誘致に関するツール等 ⑤ニュースリリースの配布 平成 27 年 1 月 15 日(木) 、当工業会の新年賀詞交歓会会場での配布 ⑥JIAM2016 ウェブサイト 平成 27 年 1 月 15 日(木)にウェブサイトによる広報活動を開始、英語・国語版は平成 27 年 2 月 1 日(日)に公開 ⑦ビジネスフォーラム(出展概要説明会・平成 27 年 5 月)開催の検討 ⑧海外でのプロモーション活動 a)アジア地域展示会でのPR ・DTG 2015(平成 27 年 2 月 4 日~7 日、バングラデシュ・ダッカ) ・DTC 2015(平成 27 年 3 月 26 日~29 日、中国・東莞) b)欧州地域 ドイツ・VDMA 総会(平成 27 年 10 月 15 日)での JIAM 2016 への協力を要請 (4)併催展について 「ファッションビジネス・ソリューション・フェア(FBS) in JIAM」及び「国際副資材総 合展」を併催することとした。 (5)主催者企画特別企画事業(従来名称:特別出展事業)について 世界の縫製関連産業の先端・革新技術の動向等を周知する内容を検討した。 2)家庭用ミシン事業 ユーザーニーズが「画一性から個性化へ」と移行しつつある環境に応え、ホームソーイング への親しみの場を設け、家庭用ミシン市場の活性化に努めるとともに、健全な市場の拡大を図 るため以下の事業を実施した。 (1)ソーイングの普及促進について ①第35回ホームソーイング小・中・高校生作品コンクール 次世代を担う若い世代に、家庭用ミシンを使って、創造性豊かな作品を作る機会を提供し、 「手作りの喜び」 「ソーイングの楽しさ」を体験する中で、ホームソーイングの利用拡大に 努めることを目的とし、第35回ホームソーイング小・中・高校生作品コンクールを実施 した。 a)作品の応募状況(応募作品点数 4,233 点、応募校数 526 校) b)審査経過 ○第一次審査 平成 26 年 12 月 8 日(月) 、9 日(火) ○第二次審査 平成 26 年 12 月 20 日(土) c)審査結果 作品賞、学校賞、入選作品一覧はJASMAホームページ(家庭用ミシン・作品コンクー ル)へ掲載。 d)表彰式等 結果発表は平成 27 年 2 月 26 日(木)に報道機関へニュースリリースを発表し、入選作 品表彰式及び受賞者交流会は、平成 27 年 3 月 7 日(土)の午後、日本工業倶楽部(東京) 2 で行った。 ②「ミシンの日」の事業 平成26年度以降のミシンの日のPRに関する事業等について、 「リクチュール」関係者と 意見交換を行った。 ③2014 日本ホビーショーへの出展 会期:平成 26 年 4 月 24 日(木)~26 日(土) 会場:東京ビッグサイト 内容:第 34 回ホームソーイング小・中・高校生作品コンクール優秀作品の展示及び会員メー カー6社によるソーイング体験コーナーの実施等 (2)市場の活性化について ①流通の適性化を図るため、 毎年4月1日現在及び10月1日現在の現行販売機種、 新機種、 廃機種を一覧表にまとめ流通団体等に通知した。 ②市場ニーズに的確に対処するため、平成26年1月~3月分及び4月~6月分、7月~9 月分、10月~12月分の国内販売機種の価格帯別流通調査を実施した。 ③家庭用ミシン流通市場の問題点、課題等について、全国ミシン商工業協同組合連合会と意 見交換を行った。 ④消費者及び地方公共団体、消費生活センター等からの問い合わせ、ミシンに関する各種の 相談、照会に対処した。 3)使用技術の普及及び啓発に関する事業 (1)知的財産権保護対策について ①日本貿易振興機構(北京センター、上海センター、ソウルセンター)等の情報を入手し、 会員企業へ提供した。 ②海外製品による模倣品の定期的模倣実態調査を行った。 a)模倣企業数 19 社 b)権利別侵害数(のべ数) 商標 18 件、特許 1 件、意匠 2 件 c)発見国別件数 中国 18 件、ドバイ(UAE)1 件、タイ 1 件、不明 1 件 ③中国における知的財産権侵害行為に対して、日本貿易振興機構(北京センター、上海セン ター)と連携を図った。 ④「国際知的財産保護フォーラム・第3プロジェクト」へ参加し、関係団体等と情報を交換 した。 (2)外部の技術視察について 平成 27 年 2 月 25 日(木)に(一社)機械振興協会技術研究所(東京都東久留米市)の技 術視察(技術第一及び第二委員会)を実施した。 (3)電気用品安全法の技術基準体系の見直しに対応するため、他団体の分科会に参加し情報を 収集した。 (4)内外の環境規制に関する情報を収集した。 4)工業会活動の効率化及び推進(工業会の収支バランスの回復に向けた対応) (1)工業会活動の改革・見直しについて 3 工業会の活動が業界の発展と会員への支援に直結したものとするため、会員企業から個別 に意見聴取した。工業会事務局の業務分担の見直しを行うとともに、平成 26 年 4 月 30 日に 事務所を移転し、書類等の整理、事務所環境の改善、賃料等経費の削減を行い、更に会員へ の連絡は郵送からEメールへ変更し通信費を削減するなど、事務局の効率化を図った。 (2)会員の負担軽減の検討について 工業会事業に見合った会費額を検討するため、本年度より毎年会社概要調査を行うことと した。また、委員会によって工業会ホームページ及びEメールを活用した効率的な会議運営 を実施した。 (3)公益法人制度改革への対応等について 平成25年度公益目的支出計画実施報告書を内閣府へ提出するとともに、平成26年度公 益目的支出計画の継続3事業(家庭用ミシン事業、統計・調査事業、特別出展事業)の内容 について検討した。 (4)生産性向上設備投資促進税制について 平成26年度は縫製機械等を対象とした証明書を 280 件発行した。 (5)地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金について 平成26年度補正予算事業として、省エネルギー投資を緊急的に重点支援する補助金等の 証明書発行団体に登録し、補助金申請業務等の準備を進めた。 5)内外関係機関等との交流及び協力に関する事業 (1)関係機関・団体との連絡協調について 経済産業省並びに関係官公庁からの依頼による調査、資料作成及び情報を提供するととも に、関係団体との密接な連絡、情報・資料の交換等を実施し連携を深めた。また、当工業会 が会員として加入している関係団体等に役員又は委員等として参画し、縫製機械業界の意見 反映等に努め協力関係の継続を図った。 (2)軽機械センターの運営に関する協力について 海外との交流、市場動向フォロー等の事業を進めるため、軽機械センター(ベルギー・ブ リュッセルセンター及び中国・北京センター)の運営に協力するとともに、技術動向等に関 する情報を収集した。 (3)海外関係機関との交流及び協力について ①国際連絡会議(Texprocess Americas 2014 International Liaison Conference) 日時:平成 26 年 5 月 15 日(木) 8:30~9:30 場所:Omni Hotel CNN Center 内容:日本、ドイツ、米国、中国の縫製機械業界団体から市場の状況と主催する見本市に ついて説明が行われた。 ②中国縫製機械協会(CSMA)30周年記念式典への参加 日時:平成 26 年 10 月 16 日(木) 19:00~21:00 場所:北京インターナショナルホテル 内容:JASMA 副会長他、工業会関係者が式典へ参加した。 ③Sewn Products Equipment & Suppliers of the Americas(SPESA)新会長の来日 日時:平成 27 年 3 月 26 日(木)~31 日(火) 4 内容:SPESA 新会長の Mel Berzack 氏他が JASMA 会長及び会員企業を訪問した。 6)生産、流通等に係る調査及び企画の立案・推進に関する事業 (1)調査事業について ①海外調査 内外関係機関との連携を図り、主要国の需要動向、経済動向等について情報収集し、会員 へ提供した。 ②国内調査 官庁、関係団体等が公表する資料、統計等を収集整理分析し、会員へ提供した。 (2)統計事業について 平成26年度公益目的支出計画の継続事業(統計・調査事業)として、ミシンに関する経 済産業省の生産動態統計及び財務省貿易統計を毎月入手し、整理・分析を行い、定期的に会 員へ提供するとともに、一般に対してホームページで公表した。更に、家庭用ミシン、工業 用ミシン及び部品について、生産、輸出入に関する工業会統計を作成した(四半期・半期) 。 また、生産基地の海外移転の進展を踏まえて、家庭用ミシン及び工業用ミシンについて海外 生産統計を整備し会員へ提供した。 (3)需要見通しの策定について 内外の経済動向、市場環境、在庫等を勘案し、平成27年(1月~12月)の需要見通し を策定した。 (4)工業用ミシン・部品・関連機器事業について 情報社会、環境社会及びグローバリゼーションの進展に対し的確に対応し、市場の活性化 に努め、業界の健全な発展を図るため、以下の事業を実施した。 ①内外市場について、日本機械工業連合会から週報等を定期的に収集するとともに、日本貿 易振興機構及び軽機械センター(ブリュッセル、北京)から海外情報を収集し、定期的に 会員へ提供した。 ②グローバリゼーション化に伴い国際化に向けて対応するため、日本機械工業連合会の機械 安全標準化に関する国際規格等、日本機械輸出組合のWTO、貿易協定等の情報収集を行 うとともに、国際連絡会議等で収集した欧米及びアジア地域の関連業界の情報について会 員へ提供した。 7)標準化の推進に関する事業 (1)国内規格(JIS 規格等)について ①「JIS B 9960-31(機械類の安全性-機械の電気装置-第 31 部:縫製機械、縫製ユニット 及び縫製システムの安全性とEMCに対する要求事項) 」の改正原案の作成を検討した。ま た、電気用品安全法の技術基準体系等の見直しに関して、 「JIS C 9335-2-28(家庭用及び これに類する電気機器の安全性-第 2-28 部:ミシンの個別要求事項)について、改正原案 の作成を検討した。 ②関連団体との交流を図り、規格に関する情報収集を行い会員へ提供した。 (2)国際規格(ISO/IEC規格等)について ①国際規格活動(ISO/TC148・ミシン)を行うとともに、工業用ミシンの国際規格(ISO 10821) の情報収集を行った。 5 ②国際標準化協議会及び日本機械工業連合会との交流を図り、機械安全(IEC/TC44)に関す る会合へ当業界の専門家が参加し国際規格等の情報収集を行った。 8)その他、本会の目的を達成するために必要な事業 (1)広報活動について ①政府が公表する各種統計及び関係諸機関並びに公共団体等が公表する調査結果等を収集し、 会員へ提供するとともに、工業会の事業活動、関係諸機関の動向を取りまとめた会員向け ニュースレターを毎月1回発行した。また、外部に対して JASMA 会報を年 4 回発行し、工 業会の活動についての広報に努めた。 ②インターネットホームページの更新・充実に努め、 工業会の事業活動等について広報を行っ た。 (2)労働力の確保に関する事業 業界全般の労務状況について意見交換を行った。 (3)PL対策 損害保険会社と団体PL保険契約を締結し対応した。 6
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