国語科教育に関する研究Ⅲ 「伝統的な言語文化」に親しむ導入期の古典指導 -身近な文語教材を用いた授業実践- 研究員 ◆ 研究にあたって 1 古典教育の課題 藤岡 文彦 基礎となる力が身に付く! 興味・関心・意欲が高まる! (生 徒 の声 ・ 各種 調 査結 果 ) 伝統的な言語文化を尊重し、親しむ態度を育 てることの重要性 (学習指導要領) 2 研究の目標 高校古典学習の導入期に、身近な文語教材「こ とのはベーシック(古典編)」(以下、「ことのは」 という)を用いた授業を行い、古典に対する興 味・関心・意欲や基礎となる力を高めることに より、生徒の日常生活とつながる伝統的な言語 文化に親しむ態度を育てる。 ◆◆ 1 研究の内容 「ことのは」の概要 古典が分かる! 古典を好きになる! 2 「ことのは」の二つのシリーズ 第一次 「有名な文語表現」シリーズ □誰もが知っている文語表現を五つに分類 ◇琵琶湖周航の歌 易 ◇ことわざ・故事成語 ◇童謡・唱歌・詩 ◇和歌・俳句 難 ◇その他 滋賀県総合教育センター研究紀要 第53集 要旨集(2010) 第二次 「近江の古典」シリーズ 4 生徒の変容-事前調査と事後調査の結果- 古典の勉強が 楽しい! 好きになった! □滋賀県の郷土作品を四つの地域に分類 ◇湖東 ◇湖西 ◇湖南 ◇湖北 ☆「ことのは」を使った学習を通して、古典に 対する苦手意識が軽減し、古典学習を好き、 分かる、役に立つと答える生徒が増えた。 3 「ことのは」による学習の積み上げの成果 身近な場所を題材に 文語で和歌・俳句等を創作できた! 5 他教科や日常生活などへの広がり 伝統的美意識や 豊かな情緒、感性が磨かれた! ☆「ことのは」 文語の 日記 を使った学習 を通して、地域の歴史 に気付き、その感動を 文語で表現した。文語 表現の学習が、生徒の 伝統的美意識や情緒、 感性を育んでいった。 ◆◆◆ 成果と課題 1 成果 ○「ことのは」を使った学習活動を積み重ねるこ とにより、古典に対する興味・関心・意欲や 基礎となる力を高めることができた。 ○「ことのは」を使った学習活動を積み重ねるこ とにより、伝統的な言語文化に親しむ態度を 育てることができた。 ☆生徒は、興味・関心・意欲や基礎となる力を 高め、文語で和歌・俳句等を創作できた。 2 課題 ○本研究に基づいて、他学年や他校種において、 伝統的な言語文化に親しむ態度を育てる学習 活動の在り方を探る研究が必要である。
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