July 23, 2004 JAWIC 財団法人 日本木材総合情報センターシアトル事務所 Japan Wood-Products Information and Research Center Seattle Office Phone: +1(425)392-6003 Fax +1(425)391-3532 4327 246th Pl SE, Issaquah, WA 98029, USA ワシントン州、オレゴン州でファイヤークロージャー開始 ワシントン州、オレゴン州は 7 月 23 日、州内の一部林区の山林火災警 戒水準を「レベルⅢ」にまで引き上げた。 「レベルⅢ」に警戒体制が引き 上げられた地域は、ワシントン州沿岸南部の 602、659S、660、660S の4 林区と、オレゴン州セントラルオレゴンの MH-1、MH-4 の2林区。これら 6林区では、チェーンソーと機械動力を要する集材機の使用が禁止され る。また操業時間については、禁止対象となっていない作業も、午後1 時から午後8時までの間は規制される。 ワシントン州の山火事警戒水準(7月 23 日) ワシントン州資料から転載 1 July 23, 2004 JAWIC レベルⅢとなった林 区 が含 ま れるセントラルオレゴン地域 オレゴン州資料より転載 憂慮されはじめた山岳部の大気汚染 太平洋沿岸北西部の夏は乾 燥し、雲一つない真っ青な空が 広がる。しかしその青空がやや 茶色くなってきており、大気汚 染が山岳地でもみられると専 門家が警鐘を鳴らしている。 ワシントン州南部のレニア 山国立公園の生態学の専門家 は、海抜 4,400mのレニア山山 頂からは、盛夏においてスモッ グがしばしば観察されており、 7月初旬のレニア山。日系人からは「タコマ富士」の愛称で親 そ の 原 因 が デ ィ ー ゼ ル ガ ス や しまれている。 工場排煙から生じたスモッグ であることは明らかだと語っている。 大気汚染の防止と、土壌を含む環境の保護を目的として、米国連邦山 2 July 23, 2004 JAWIC 林局は、7 月 7 日、OHV(オフハイウェー車輛)の連邦有の森林と草地 への乗り入れ規制案を発表している。オフハイウェー車輛には、ジープ のようなオフロードカーの他、ミニバイク、軍事車輛、スノーモービル、 オートバイ、ゴーカート、モーターバギー等が含まれる。 米国では OHV ユーザーが増加しており、ユーザー数は 1972 年の 500 万人から、2000 年には 3,600 万人に達している。米国山林局によれば、 2002 年の連邦有林・草地の利用者は延べ2億 1,400 万人で、OHV 利用 者数は利用者全体の5%と発表している。 現在 155 の連邦有林と 21 の連邦有草地では、スノーモービルを含むオ フロードモータースポーツが可能なエリアやルートを指定して、指定箇 所以外での OHV の使用を禁止している。しかしその他の連邦有地では 規制が行われていない。また OHV の使用を制限しているエリアやコー スの設定も、個々の連邦有地で内容が異なる。このため今回山林局は、 統一した規制内容の作成を提案しており、2年間の作業期間中において、 段階的に規制を実施する。 ウェストフレイザーティンバー社 ウェルドウッドカナダ社工場を買収 −カナダ最大のインテグレーション林産企業へ− ウェストフレイザーティンバー社(本社バンクーバー)は7月 21 日、 インターナショナルペーパー社が買収していたウェルドウッドカナダ社 を、インターナショナルペーパー社から 12 億 6,000 万 CanD で買収する 契約書にサインを交わしたと発表した。両社の契約内容の主な点は以下。 ① ウェルドウッド社が所有する4つの製材工場の内、1工場はウェ ルドウッド社が 50%を所有し、その他の2工場については、両社 がジョイントベンチャー方式で経営にあたる。 ② 2つの合板工場、LVL 工場(1工場)をウェストフレイザーティン バー社の所有とする。 ③ アルバータ州ヒルトンの NBSK (Northern Bleached Softwood Kraft) パルプ工場の全てと、BC 州のクエンスネルの NBSK パルプ工場 の 50%をウェストフレイザーティンバー社の所有とする。 ④ アルバータ州と BC 州の年間許容伐採量 500 万㎥の伐採ライセン スをウェストフレイザーティンバー社の所有とする。 ウェルドウッド社の現在の年間生産可能量は、製材品が2シフトベー スで 13 億 BF、NBSK パルプは 60 万 t、合板は4億 9,500 万 ft2 、LVL は 300 万 ft3 。また同社が所有する伐採権の年間許容伐採量の内、約 61% はアルバータ州、残りは BC 州にある。 3 July 23, 2004 JAWIC またこの契約の一部には、10 年間に渡ってインターナショナルペーパ ー社が、年間 20 万 t の NBSK パルプをウェストフレイザーティンバー 社から買い取る合意内容が含まれている。 ウェアハウザー社 第2四半期利益前年同期比倍増 ウェアハウザー社(本社フェデラルウェー)は 7 月 23 日、今年第2四半 期の収益が、前年同期の1億 5,700 万 USD から 2.35 倍増加して、3億 6,900 万 USD に達したと発表した。販売額も前期の 49 億 3,000 万 BF か ら 58 億 9,000BF に増加している。ロジェール社長は、増収となった背景 の一つとして、好調な木材製品市況をあげている。また第3四半期も市 況は好調であろうが、製材品と構造用木質ボードの価格は低下するとの 見通しをたてている。 アビチビコンソリデーテッド社 7,900 万 CanD の減収 大手新聞用紙メーカーのアビチビコンソリデーテッド社(本社モント リオール)は 7 月 22 日、第2四半期の決算を、前期比 7,900 万 CanD の 減収で終えたと発表した。同社の今年第 1 四半期の純収益は1億 4,600 万 CanD であった。 同社の今年第2四半期の販売額は、14 億 4,000 万 CanD と前期の 13 億 9,000 万 USD から上昇している。しかし米国向け販売を主体として発生 した 6,800 万 CanD の為替差損が減収の大きな要因となった。また売却し た OSB 工場の売却収入に課せられた税金が 1,900 万 CanD にも達したこと も減収の原因である。 なおアジア地域のジョイントベンチャー企業の同期の販売額は2億 5,100 万 USD、収益は 700 万 USD であった。現在同社は、中国の河北省で も新聞用紙製造工場を建設中である。 アビチビコンソリデーテッド社は新聞紙、紙、製材品を生産しており、 2003 年の販売額は 54 億 CanD。アジア地域のジョイントベンチャー企業 を除くと、1万 5,000 人の雇用者を抱え、70 カ国で操業している。 キャンフォー社 前年同期比 110 万 CanD の減収 キャンフォー社(本社バンクーバー)は7月 22 日、今年第2四半期の 決算結果を発表した。同社の第2四半期の収入は1億 4,630 万 CanD で、 前年同期比 110 万 CanD の減収となった。ただし販売額は 12 億 7,750 万 CanD で、第 1 四半期の6億 8,560CanD から 85%増、前年同期の6億 3,940 万 CanD からはほぼ倍増している。 4 July 23, 2004 JAWIC 今回の減収について同社は、4月1日に買収したスローカン社の買収 と、非効率的な工場を閉鎖・改良する等のリストラのための出資が、今 回の決算結果をもたらしているが、2005 年中頃までには工場のリストラ も終了するので、強い競争力をもって操業できるとコメントしている。 なおキャンフォー社は第2四半期に 1 億 20 万 CanD を、米国の針葉樹 製材品報復関税として納めている。 再建中のドーマン社は 2,910 万 CanD の減収 再建中であるドーマン社(本社ダンカン)は 7 月 23 日、第2四半期の 決算結果を発表した。同社の第2四半期の販売額は、2億 2,750 万 CanD と前年同期の1億 4,950 万 CanD から増加しているものの、決算額は前年 同期比 2,910 万 CanD の減収となった。この減収分の内の 1,510 万 CanD は、USD との為替差損によって生じている。 BC 州森林火災危険度 コースタルでは低下、インテリアでは上昇 BC 州のコースタル地区では、気温が低下して湿度も上昇している。し かし逆にインテリア地区では、気温が上昇して湿度も低下しており、よ り火災が発生しやすい気象条件になっているため、BC 州山林局は広く山 林火災予防を呼びかけている。 BC州の森林火災発生状況 火災件数 落雷による 新規火災 人為による 新規火災 延焼中件 数(落雷) 延焼中件 数(人為) 火災延べ 件数 火災延べ 面積(ha) BC州合計 256 (2004年7月22日) コースタル ノースウエスト プリンスジョージ カムループス サウスイースト 18 83 41 59 26 カリブー 29 5 0 0 1 1 3 0 2 1 0 0 1 0 0 226 10 80 36 47 25 28 29 8 3 5 12 1 0 1,318 163 170 255 353 127 250 146,760 654 90,451 43,941 4,564 283 6,867 注1: 火災件数には初期火災、延焼中火災、警戒箇所、巡視箇所、最終鎮火作業件数を含む。 注2: 新規火災は前日の件数。 注3: 火災延べ件数、火災延べ面積は4月1日からの累積値。 資料: BC州ウェブサイト 5 July 23, 2004 JAWIC 森林に対する各種の規制状況 裸火の使用 キャンプファイ ヤー 森林への立ち入り 旅行・通過 コースタル × × 〇 〇 (2004年7月22日) ノースウエスト プリンスジョー カムループス サウスイースト 〇 〇 × × 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 カリブー × 〇 × 〇 注: 〇は規制なし、×は規制 資料: BC州ウェブサイト 警戒水準 降水量 湿 度 風 力 いずれの図も BC 州森林省ウェブサイトから転載。7月 23 日午後1時の状況 6
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