自律型ロボットで実現するグリーン物流

図 1:完全自律型ロボット YLOG
© 2012 YLOG
自律型ロボットで実現するグリーン物流
新興企業 YLOG は物流会社の小型コンテナ運搬用の自律型ロボットを製造しています。「自律インテ
リジェント走行車」(AiV) の導入は電気代を節約し、倉庫の空間利用をはるかに効率的にしました。内
蔵のマクソン駆動装置によって自由走行式の AiV は正確に動きます。
2007 年オーストリアでは、ハインリヒ・アミンガー氏とマーティン・トゥルマー氏の 2 人が、物流・
倉庫業界に革命を起こそうと考えていました。かくして、グラーツ近郊ドーブルに拠点を持つ YLOG 社
は年々新規顧客を獲得するに至りましたが、その支えとなったのは、インテリジェントでエコロジカル
な物流システムと自動化された小型商品倉庫の開発です。YLOG 社の倉庫物流の原理は実にシンプルで
す。テクノロジーの基盤をなすのは自由走行式の各 AiV で、これらが相互に認識し、優先ルールや一方
通行を守り、自分たちのタスクを完全に自律的に、つまり中央のコンピュータからの介入や調整を受け
ずにこなします。新しいテクノロジーを使うことで合理化の可能性が明らかになり、コストが削減され
ました。コストパフォーマンスにおいてもエネルギー消費においても、このロボットは既存のシステム
をはるかに凌ぎます。今日、既存の最新型システムでは大抵、棚と平行して両方向に走行する搬送車が
商品の出し入れをしています。YLOG 社のソリューションによって、自由走行式の輸送システムは、小
型商品倉庫の小型コンテナ物流に初めて組み合わせられました。この倉庫方式は世界中の倉庫の約 95
パーセントに相当しています。
YLOG 社は倉庫・運輸業の両方で同等に活用できるよう、方向転換可能な車輪のついたシャトルをさま
ざまなサイズで製造しました。ルートを記憶した内蔵ナビゲーションシステムによって AiV は簡単な走
行タスクを算出し、棚の間に進路を見つけ出します。インテリジェント物流システムはさらに進化し、
搬送車は作動中の電流で充電できるようになりました。
文章:アンニャ・シュッツ © maxon motor ag 2012
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アプリケーション事例 FA 機器分野:物流システム
2012 年 9 月 3 日
これが可能になったのも、重さ約 50 キロのシャトルが操作にごくわずかな場所しか必要としないため
です。輸送車の出力はわずか 100 W なので、バッテリの代わりにいわゆる超コンデンサが使われていま
す。このコンデンサの大きな利点は充電に数秒しかかからないことですが、コンデンサはバッテリほど
のエネルギーを蓄えることはできません。電力消費が少ないおかげで、従来の搬送車が消費するのと同
じ、1 台あたり平均約 20,000 W というエネルギー量で、約 200 台のロボットシャトルを動かすことが
できます。しかし、物流システムで真に決定的要素となるのは制御です。シャトルには中央ユニットか
ら、特定のコンテナを棚から取り出す、あるいは置くという指示が与えられますが、運行規則がプログ
ラミングされているため、自分で制御を行うことができます。それによって 500 台もの搬送車が分散型
の処理で 1 つの倉庫内を走行することが可能となるのです。
マクソンモータで操縦も正確に
自律搬送車で使用されるマクソンのモータとギアヘッドは、さまざ
まな役割を果たします。AiV の 11 本の軸のうち 9 本がマクソンモ
ータで動いていますが、これらのモータは車輪の操縦、コンテナの
受け渡しの仕事を担います。使用されるモータおよびギアヘッドに
は、カスタマ仕様でさまざまな種類のものが用意されます。シャト
ル 1 台につき計 9 個のモータが搭載され、例えばマクソンモータ
EC-max 30 は、ロボット搬送車用のステアリングモータとして 4
個使われています。搬送車の車輪は方向転換可能で、モータによっ
て正確な位置に動かされます。電子整流(ブラシレス)の EC モー
タは、優れたトルク特性、高出力、非常に広い回転数範囲はもちろ
ん、寿命の長さをも特徴とします。ギアヘッドにはセラミック仕様
のマクソンプラネタリギアヘッドが使用されています。セラミック
製部品をギアヘッドに用いることで重要なコンポーネントの摩耗が
大幅に軽減されます。その結果ギアヘッドの寿命が延び、最大連続
トルクおよび最大断続トルクが高くなり、より高い入力回転数が可
能になるというメリットが得られます。
さまざまなサイズのドライブ・システムを持ち、正しい減速比のギ
アヘッドと組み合わせることができるという点で、マクソンモータ
は YLOG 社が必要とする全条件を理想的に満たしていました。例
えばステアリングモータ用のような顧客専用の特別仕様のモータ組
合せもが対応可能な点も、YLOG 社がマクソンモータを選んだ決定
的な理由となりました。これまでに YLOG 社は 9 カ所の倉庫に独自の搬送システムを装備するに至り、
これまでの最大級となるガラス建築の倉庫が現在ドイツに建設中です。そこでは 52 台の AiV が合計
468 個のマクソンモータを用いて毎日何千もの荷物を搬送しています。
図 2:重さ約 50 キロのシャトルは操作
に場所をとりません。
© 2012 YLOG
文章:アンニャ・シュッツ(maxon motor ag 編集部)
Applikationsbericht: 2301 Zeichen, 1992 Wörter, 6 Abbildungen
文章:アンニャ・シュッツ © maxon motor ag 2012
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アプリケーション事例 FA 機器分野:物流システム
2012 年 9 月 3 日
図 4:マクソンモータの心臓部にあたるのは
国際特許取得のコアレス巻線 System maxon
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図 3:YLOG 社のロボットでは、マクソン EC-max
30 は AiV の方向転換可能な車輪に用いられます。
© 2012 maxon motor
図 5:自動化した棚システムが有意義なものとなるには 1000 以上
の置き場所が必要です。 その際、棚は従来のパレットラックに基
づいてモジュールシステムで作られます。
© 2012 YLOG
図 6:1 つの倉庫の中で最高 500 台の搬
送車が走行可能です。
© 2012 YLOG
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Brünigstrasse 220
Postfach 263
CH-6072 Sachseln, Switzerland
YLOG GmbH
Liebochstrasse 9
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