世界のオストメイト実態調査報告書

世界のオストメイト実態調査報告書
( 第 6 回 AOA 国 際 会 議 を 通 じ た オ ス ト メ イ ト の 国 際 活 動 促 進 事 業 )
平成20年3月
社団法人 日本オストミー協会
Japan Ostomy Association, Inc.
ま
え
が
き
ア ジ ア オ ス ト ミ ー 協 会( A O A )は 、1993 年 の 香 港 大 会 の 時 に 、香
港、インド、マレーシア、タイ、中国・上海、それに国際オストミー
協会(IOA)設立に当初から携わった日本の 6 カ国が参加して、ア
ジア地域の連合組織として発足した。
AO A に 加 盟 し て い る ア ジ ア 地 域 の オ ス ト ミ ー 協 会 は 、 最 近 加 盟 し
た ネ パ ー ル を 加 え て 16 カ 国 と な っ た が 、そ の 多 く は I O A と A O A が
各国オストミー協会の設立に先導的役割を果たし、各国の医師及び看
護師と共にストーマリハビリテーションの促進に努めてきた。
しかしながら、今回の調査でも明らかになったとおり、ヨーロッパ
オ ス ト ミ ー 協 会( EOA)に お け る オ ス ト ミ ー 協 会 の 設 置 率 71% に 対 し
て 、低 水 準 に 位 置 す る A O A の 40% を ど の よ う に 引 き 上 げ て い く の か 、
A O A と し て 引 き 続 き 検 討 を 重 ね 、未 加 盟 国 24 カ 国 の 医 師 、看 護 師 及
びオストメイトとのコンタクトを更に強めていく必要がある。
AOAでは、3 年ごとにアジア地域大会を 5 回開催してきた。第 6
回大会は、社団法人日本オストミー協会(JOA)がホスト協会とな
り 、 2008 年 11 月 14 日 ∼ 16 日 の 3 日 間 、 東 京 大 会 と し て 開 催 す る 予
定となっている。
東京大会では、本調査報告書の内容がJOAより発表される予定で
ある。本調査報告書をもとに、大会プログラムの講演、報告、シンポ
ジウム及びフォーラムと合わせて、アジアにおけるオストメイトの現
状を考察し、オストメイトのQOL向上のために何をなすべきかにつ
いて、虚心坦懐にディスカッションを深めて頂きたい。
オストメイトが安心して暮らせる社会を目指して、困難な状況の下
で活動を続けているアジア地域の各国オストミー協会にとって、本ア
ンケートの調査結果及び東京大会への参加が真に意義あるものになる
ことを心から願っている。
アジア以外のオストミー協会においても、本調査報告書の内容を参
考 に し て 頂 け れ ば 幸 い で あ る 。ま た 、今 回 の「 オ ス ト メ イ ト 実 態 調 査 」
を参考にして、IOA及びAOAにおいてこの種アンケートの続行を
検討して頂きたい。
社団法人日本オストミー協会
会
長
新
井
貢
― 目
次 −
Ⅰ.
要約
1
Ⅱ.
調査方法
3
Ⅲ.
アンケートの調 査 結 果
Ⅳ.
アンケート調 査 結 果 の考 察
13
1.各 国 /地 域 のオストメイトの人 数
25
2.各 国 /地 域 オストメイトのストーマ種 別 割 合
25
3.各 国 /地 域 オストミー協 会 の会 費
28
4.オストミー医 療 機 関 とストーマケアについて
28
5.オストミービジターについて
29
6.オストメイト権 利 憲 章 の達 成 状 況
29
7.ストーマケア製 品 について
7.1 退 院 後 のストーマケア製 品 の選 定
30
7.2 ストーマケア製 品 の費 用 負 担
30
7.3 ストーマケア製 品 の補 助 ・還 付 限 度 額 (量 )
31
7.4 ストーマケア用 アクセサリーに対 する補 助 ・還 付
31
8.アジア諸 国 のオストミー協 会
32
9.アジア諸 国 の ET/WOC 認 定 看 護 師 数
32
Ⅴ.
終 わりに
34
Ⅵ.
謝辞
34
付
表
付 表 1. アンケート調 査 の回 答 結 果 の詳 細
省略
付 表 2. 国 際 オストミー協 会 に加 盟 している各 国 協 会
省略
Ⅰ.要
約
(社)日本オストミー協会(JOA)は、第 6 回AOA(アジアオストミー協会)大会
を日本で開催するに当たり、世界各国/地域 * (以下国と表わす)におけるオストミー
協会の現状及びオストメイトに関するリハビリテーションの実態を把握するため、I
OA(国際オストミー協会)加盟の各国オストミー協会に対してアンケートを実施した。
アンケートは、IOA加盟国の中から抽出した 53 カ国のオストミー協会を対象に実
施し、31 カ国(回収率 58%)から回答が得られた。そのうちアジア地域の回答は、16
カ国中 11 カ国で回収率は 69%であった。
JOAとしては、調査のデータを多数把握したいと思ったが、結果的には回収率を
伸ばすことができず努力が実らなかった。
調査の枠組みは4項目からなる。第1項目は、オストメイトのリハビリテーション
を支えるオストミー協会に関する事項で、会員数、オストメイト人口、年会費/助成
など資金に関する調査である。第2項目は、地域における医療支援、看護ケア、ピア
カウンセリングに関する事項で、ストーマ造設の手術病院の配置、ET/WOCNに
よるストーマケア、オストミービジター活動を内容としている。第3項目は、IOA
が定める『オストメイト権利憲章』の条項に関する達成度の自己評価で、憲章条項に
はオストメイトの自立の要件、及び訓練、指導、援助など社会復帰に必要とみなされ
る諸条件がおおむね網羅されているので、リハビリテーションや社会的支援等の評価
基準として用いることにした。条項は、①手術前のカウンセリング、②ストーマの位
置と形、③熟練専門家による医療支援と看護ケア、④家族/介護者/友人への支援と
情報提供、⑤ストーマケア製品の十分な情報提供、⑥ストーマケア製品の選定、⑦オ
ストミー協会や支援・サービス等の情報提供、⑧あらゆる差別からの保護の 8 項目か
らなっている。第4項目は、オストメイトに対する社会的な支援を確かめるため、ス
トーマケア製品の選定、ストーマケア製品の費用負担/助成についての調査である。
調査結果を検証してみると、次のようにアンケートの多くの項目において、アジア
諸国は西欧諸国に比較して改善の余地があることが判明した。
1.各国オストミー協会によるオストメイトの組織率は、アジア地域では日本、中国、
モンゴルが 10%未満である他は不明であるのに対して、オーストラリア、ニュージ
ランド、ブラジルなどでほぼ 100%であり、ヨーロッパ地域のオストミー協会では
2 桁台である。アジア地域のオストミー協会の組織力、発言力は、ヨーロッパ地域
などに比較して弱体であることは否めない。
* : 地 域 と は IOA 加 盟 協 会 が あ る 香 港 、 台 湾 を 指 す 。 本 稿 で は 国 ・ 地 域 を 国 と 表 わ す 。
- 1 -
2.オストミー協会の活動にとって重要な要素である資金調達面では、日本を除いて
はアジア地域のオストミー協会では、年会費の徴収が不十分であり、政府等の助
成も見るべきものがない。ヨーロッパ地域のオストミー協会に比べ、資金調達力
においても格段の差が生じている。
3.アジア諸国のET/WOCNの配置は、総数はもちろんオストメイト人口当たり
の数でもヨーロッパ諸国より圧倒的に少なく、しかも大都市に集中している傾向
にある。
したがって、専門看護師によるストーマケアは後れを取っており、ケア技術の
指導地域も限られている。果たして、オストメイトのリハビリテーション、とり
わけストーマのセルフケアは、どのような状況下におかれているのか懸念が生じ
る。
4.ヨーロッパ諸国では、オストミービジターの活動が浸透している。アジア地域な
どでもその活動は認知され、行われているが、活動に関する教育や訓練は低調で
ある。日本では、あまり活動していないが、病院側の理解不足が大きな原因と考
えられている。
5.ストーマケア製品(ストーマ装具のこと、以下同じ)については、日本以外のアジ
ア諸国では公的負担はなく、すべて個人負担となっている。国、地方、社会健康
保険等で何らかの費用負担が行われるヨーロッパ地域などに比べて、落差が大き
いと感じる。良質なストーマケア製品が入手できないと、オストメイトの社会復
帰は非常に困難なものになる。
6.8項目からなるオストメイト権利憲章の達成度を総合評価してみると、ヨーロッ
パ地域などのオストミー協会ではその 60%近くが良い評価をしているのに対して、
アジア地域は 40%程度に止り、未回答の開発途上を加えるとさらにその差が広が
ることは明白である。アジア諸国では、オストメイトのリハビリテーション、社
会的支援等の評価でも立ち遅れが目立っている。
今回調査の検証では、オストミー協会の組織率拡大及び資金調達力の強化、オスト
メイトのリハビリテーション促進、オストミービジター活動の検討、良質なストーマ
ケア製品の支給要請等が、アジア地域における各国オストミー協会の課題として明ら
かになった。
我々は、アジア地域のオストメイトがおかれている厳しい現状を直視し、今後の課
題にどのように取組んでいくのか改めて論議を深めていかなければならない。
- 2 -
Ⅱ.調査方法
IOA加盟 78 カ国より 53 カ国の 60 協会を対象に調査票によるアンケート調査を実施
した。調査票は国際スピード郵便(EMS)、普通航空便、Eメールを用いた。
調査内容は、JOA国際部が基本設計し、第 6 回AOA東京大会企画委員会の委員から
のアドバイスを加味して設計した。
また、日本ET/WOC協会の協力を得て、その国際組織を通してアンケートの回答数
を増加することができた。
調査対象オストミー協会及び所属国(表1)の世界地域別回答率は次の通りで、対象と
した 53 カ国のうち 31 カ国(58%)、60 協会のうち 34 協会(57%)より回答があった。
調査対象国数 *
回答国数
(調査対象協会数)
(回答協会数)
アジア地域 **
16(20)
11(12)
69 (60)
ヨーロッパ地域
24(27)
15(17)
63 (63)
南北アメリカ地域
11(11)
地
域
南太平洋地域
計
2(
2)
53(60)
回答率(%)
(協会回答率)
3(
3)
27 (27)
2(
2)
100(100)
31(34)
58(
57)
* 協会未設立国を含む
** 2007 年 8 月 IOA に加盟したネパールオストミー協会は調査対象としていない。
調査内容の検討は平成 19 年 4 月より開始した。質問票の設定を 7 月初旬に完了し、7 月
末から 8 月初旬にかけて、各国のオストミー協会に発送した。8 月にプエルト・リコで開
催された第 12 回IOA世界大会に参加した日本代表団が、各国代表に質問票に回答するよ
う協力を求めた。
各国からの回答の暫定的結果及び分析は、10 月に開催された第 2 回企画委員会に報告し
た。報告書の草案は、平成 20 年 1 月までに推敲し、最終草稿を企画委員会委員に送付した
後、2月に開催した第 3 回企画委員会で討議した上で、報告書の作成を完了した。
- 3 -
表2
アンケート調査票
項
項
目
ページ
1
オストミー協 会 の属 性
7
2
国 内 の病 院 、ET/WOC 看 護 師 、オストミービジターについて
8
3
オストメイト権 利 憲 章 の達 成 度 について
9
4
ストーマケア製 品 について
4.1 ストーマケア製 品 の選 定
11
4.2 ストーマケア製 品 にかかる補 助 等 費 用 の支 援 の有 無 と支 援 者
11
4.3 ストーマケア製 品 にかかる補 助 等 費 用 の支 払 い方 法
11
4.4 ストーマケア製 品 の補 助 等 支 援 費 用 の限 度 額
12
4.5 ストーマケア用 アクセサリーにかかる補 助 等 支 援 の有 無 と月 間 支 給 量
12
第 6 回アジアオストミー協会大会企画委員会名簿
氏 名 (敬 称 略 )
所
属
丸山
一郎
埼玉県立大学福祉学部教授
森
祐司
(社 福 )日 本 身 体 障 害 者 団 体 連 合 会 常 務 理 事
穴澤
貞夫
日 本 ストーマ・排 泄 リハビリテーション学 会 理 事 長 東 京 慈 恵 会 医 科 大 学 教 授
進藤
勝久
近畿大学教授
広瀬千也子
社団法人日本看護協会常任理事
溝上
祐子
日 本 ET/WOC 協 会 会 長 (社 )日 本 看 護 協 会 看 護 研 修 学 校 WOC 看 護 学 科
深井
照美
日 本 ET/WOC 協 会 国 際 委 員 長 (独 )国 立 病 院 機 構 大 阪 医 療 センター
鈴木
訓夫
日 本 ストーマ用 品 協 会 理 事 (株 )アルケア社 社 長
Dato John Cardosa
アジアオストミー協 会 会 長 (President Asian Ostomy Association)
(委 員 長 ) 稲 垣 豪 三
(社 )日 本 オストミー協 会 前 会 長
(副 委 員 長 ) 高 石 道 明
(社 )日 本 オストミー協 会 常 務 理 事
アジア・オストミー協 会 事 務 局 長
第 6 回アジアオストミー協会大会実行委員会名簿
和田
透
(社 )日 本 オストミー協 会 副 会 長 ・企 画 部 長
(委 員 長 )笹 岡
勁
(社 )日 本 オストミー協 会 常 務 理 事 ・国 際 部 長
高石 道明
(社 )日 本 オストミー協 会 常 務 理 事 ・国 際 部
稲垣 豪三
(社 )日 本 オストミー協 会 理 事 ・国 際 部 JOA 前 会 長
高 橋 のり子
(社 )日 本 オストミー協 会 理 事 ・国 際 部
山田 雄二
(社 )日 本 オストミー協 会 国 際 部
竹内 恒雄
(社 )日 本 オストミー協 会 専 務 理 事 ・事 務 局 長
山根 則子
(社 )日 本 オストミー協 会 常 務 理 事 ・事 務 局 次 長
- 6 -
1. オストミー協会の属性
Name of
Association / Group
Address
TEL
FAX
E-mail Address
( Mr. , Ms. )
Name of President
□ Ostomate □ Doctor □ ET/WOCN
□ Other (
)
□ Other (
)
( Mr. , Ms. )
Name of
Secretary General
□ Ostomate □ Doctor □ ET/WOCN
Association/Group
Country
Total Number
(
)
(
)
in
Colostomy
(
)
(
)
Your Association /
Ileostomy
(
)
(
)
Urostomy
(
)
(
)
(
)
(
)
(
)
(
)
Number of Ostomates
Group
and
Your Country
Colostomy &
Urostomy
Others
Membership Fee /
(Local currency
)
Year
(US$ equivalent
)
Annual Budget of
approximately ( Local currency
)
(US$ equivalent
)
( US$ equivalent
)
( Local currency
)
Association / Group
Amount
Subsidy
or
Donation,
if any
□ From Government or Administration
□ From Ostomy Appliance Manufacturing Company
□ From Charity Group
(
)
□ From Others
(
)
- 7 -
2. 国内の病院、ET/WOC 看護師、オストミービジターについて
Could ostomates receive ostomy operation in the domestic
□Yes
□No
throughout the country
□Yes
□No
only in major cities
□Yes
□No
□Yes
□No
hospital?
If Yes, where are the hospitals
they could receive ostomy
operation
Are there ET/WOC Nurses who are working for ostomy care
in your country?
How many ET/WOC Nurses are working in your country?
(
)
throughout the country
□Yes
□No
only in major cities
□Yes
□No
□Yes
□No
□Yes
□No
□Yes
□No
□Yes
□No
If Yes, where do they work?
Are there training schools for ET/WOC Nurses in your
country?
Do you know activities of Ostomy Visitor?
Do you have an Ostomy Visitor Program in your association
or group?
Do you have a Training Program for Ostomy Visitor?
- 8 -
3. オストメイト権利憲章の達成度について
The Charter of Ostomates' Rights presents the special needs of this particular group and the care
they require. They have to receive the information and care which will enable them to live a selfdetermined and independent life and to participate in all decision making processes.
It is the declared objective of the International Ostomy Association that this CHARTER shall be
realized in all Countries of the World
. (ISSUED BY THE IOA HOUSE OF DELEGATES, September 2004)
We would like to know how much degree The Charter of Ostomates’ Rights is
being realized in your country.
Please reply to each question of the followings by Yes or No.
Do the ostomates in your country receive pre-operative counseling to ensure
that they are fully aware of the benefits of the operation and the essential
□ Yes
□ No
facts about living with a stoma?
Medical Doctor
□ Yes
□ No
If Yes, from whom do they receive
ET/WOC Nurse
□ Yes
□ No
pre-operative counseling?
Ostomy Visitor
□ Yes
□ No
1
Others
(
)
Do the ostomates in your country have a well-constructed stoma placed at
2
an appropriate site, and with full and proper consideration to the comfort of
□ Yes
□ No
□ Yes
□ No
the patient?
Do the ostomates in your country receive experienced and professional
medical support, stoma nursing care and psychosocial support in the
pre-operative and post-operative period both in hospital and in their
3
community?
Medical Doctor
□ Yes
□ No
If Yes, from whom do they receive such
ET/WOC Nurse
□ Yes
□ No
support?
Ostomy Visitor
□ Yes
□ No
Others
(
)
Do the ostomates in your country receive support and information for the
benefit
of the family, personal carers and friends to increase their
understanding of the condition and adjustments which are necessary for
□ Yes
□ No
achieving a satisfactory standard of life with a stoma?
4
Medical Doctor
□ Yes
□ No
Nurse, ET/WOC Nurse
□ Yes
□ No
Government Officer
□ Yes
□ No
□Yes
□ No
Ostomy Association
□ Yes
□ No
Ostomy Visitor
□ Yes
□ No
If Yes, from whom do they receive such
Supplier
support and information?
Products
Others (
- 9 -
of
Ostomy
Care
)
Do the ostomates in your country receive full and impartial information about
□ Yes
□ No
Medical Doctor
□ Yes
□ No
Nurse, ET/WOC Nurse
□ Yes
□ No
Government Officer
□ Yes
□ No
Supplier of Ostomy Care Products
□ Yes
□ No
Ostomy Association
□ Yes
□ No
Ostomy Visitor
□ Yes
□ No
all relevant supplies and products available in your Country?
5
If Yes, from whom do they
receive such information?
Others
(
Do the ostomates in your country have unrestricted access to a variety of
affordable ostomy products?
6
If No, why they don’t access to
such information about ostomy
products in your country?
There is not Ostomy Association.
□ Yes
□ No
□ No
There is not any Ostomy Support Group.
□ Yes
□ No
(
Are the ostomates in your country given information about their Ostomy
□ No
□ Yes
□ No
Discrimination in daily life or in family
□ Yes
□ No
Discrimination in social community
□ Yes
□ No
Discrimination in workplace
□ Yes
□ No
Discrimination in the employment
□ Yes
□ No
Others
)
discrimination?
discriminated?
)
□ Yes
Association /Group and available services and supports?
If No, in which area are they
□ No
□ Yes
Are the ostomates in your country protected against all forms of
8
□ Yes
There is not any Ostomy Care Supplier.
Others
7
)
(
- 10 -
4. ストーマケア製品について
4-1
ストーマケア製品の選定
How do ostomates select Ostomy Care Products (Ostomy Appliance) after leaving hospital?
(Multiple answers are possible.)
They select under directions of their doctors.
□ Yes
□ No
They select under directions of their ET/WOC Nurses.
□ Yes
□ No
They select by consultations with their ET/WOC Nurses.
□ Yes
□ No
They select by consultations with their Ostomy Visitors.
□ Yes
□ No
□ Yes
□ No
□ Yes
□ No
□ Yes
□ No
□ Yes
□ No
□ Yes
□ No
□ Yes
□ No
They select by consultations with members of Ostomy
Association
They select by consultations with representative or salesperson of
Ostomy Care Products Companies.
They select by consultations with pharmacy.
They select by consultation with persons of social health
insurance.
They select by consultation with private health insurance
company
They select by information from exhibition or catalogs of ostomy
care products.
Others (
4.2
)
ストーマケア製品にかかる補助等費用の支援の有無と支援者
Is the cost for Ostomy Care Products (Ostomy Appliance)
□ Yes
□ No
National government
□ Yes
□ No
Local or District government
□ Yes
□ No
Social health insurance
□ Yes
□ No
Private health insurance
□ Yes
□ No
Supporting organization
□ Yes
□ No
to be paid by individual ostomates?
If No, Which agent pays for it?
(Organization name)
(
)
Others (
4.3
)
ストーマケア製品にかかる補助等費用の支払い方法
Cash
□ Yes
□ No
Check or Coupon Ticket
□ Yes
□ No
Refund
□ Yes
□ No
Subsidy
□ Yes
□ No
Actual article of Ostomy Care Products
□ Yes
□ No
- 11 -
4.4
ストーマケア製品の補助等支援費用の限度額
In case of Agent pays costs for Ostomy Care Products, how much is monthly
or annual limit of the costs or the quantity of Ostomy Care Products?
Colostomy
Ileostomy
Urostomy
4.5
Local currency
(
US$ equivalent
Monthly/Annual)
Local currency
(
Monthly/Annual)
US$ equivalent
Monthly/Annual)
Local currency
(
(
(
Monthly/Annual)
US$ equivalent
Monthly/Annual)
(
Monthly/Annual)
ストーマケア用アクセサリーにかかる補助等支援の有無と月間支給量
Name of Accessories
Quantity of Accessory/month
Adhesive Barriers
□ Yes / □ No
Ostomy Belts
□ Yes / □ No
Clamps / Clips
□ Yes / □ No
Cleansers or Solvents
□ Yes / □ No
Convex Inserts
□ Yes / □ No
Creams or Ointments
□ Yes / □ No
Deodorants
□ Yes / □ No
Hernia Support Belts & Garments
□ Yes / □ No
Night Drainages or Bags
□ Yes / □ No
Powder & Pastes
□ Yes / □ No
Protective Films
□ Yes / □ No
Seals
□ Yes / □ No
Irrigation Equipments
□ Yes / □ No
- 12 -
Ⅲ.アンケートの調査結果
アンケートの調査結果を下表に示す。
表3
各国のオストミー協会と役員
表4
各国のオストメイト数とその人口比、協会組織率、ストーマ種別割合
表5
各国のオストミー協会の会費及び助成状況
表6
各国のオストミー手術が可能な地域、及びET/WOC看護師による
ストーマケア事情
表7
各国のオストミービジターの活動状況
表8
各国のオストメイト権利憲章の達成状況
表9
退院後のストーマケア製品の選定
表 10
ストーマケア製品の費用負担
表 11
ス ト ー マ ケ ア 製 品 の 費 用 助 成 ・還 付 の 月 間 限 度 額 (円 相 当 額 )
表 12
ストーマケア用アクセサリーに対する補助・還付の有無
表 13
補助または還付されるストーマケア用アクセサリーの数量または金額
(月 間 )
- 13 -
Ⅳ.アンケート調査結果の考察
1.
各国のオストメイト人数
各国オストミー協会が、その国のオストメイト数を把握しているのは、ストーマケア製
品の支給など福祉制度が充実している国に限られる。所得水準が低い国の協会は全国的な
協会活動の展開は難しく、がんセンタ
図1 オストメイト人口比と1人当りGDP
ーなど大都市部にある病院の患者会が
70,000
主 体 と な っ て い る 。( 表 4)
会、医師・病院の水準や食事など生活
水準などに影響を受けると考えられる。
オストメイトの人口に占める割合は、
その国の市場為替レートベースによる
60,000
1人当りGDP(2005) US$
各国のオストメイト数は、受診の機
y = 205019x
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
一 人 当 た り GDP と の 間 に 相 関 性 が 認
0
0.000
め ら れ た 。 (図 1)
0.100
0.200
0.300
オストメイト人口比
得られた相関式を用い、各国オスト
メイトの潜在的人数を参考値として算
出 し た 。 (表 14)
2.
各国オストメイトのストーマ種別割合
各国のオストメイ
ト中のイレオストミー
の比率は、ヨーロッパ
図.2 ストーマの種別割合
スエーデン
諸国、南太平洋諸国に
フィリピン
おいて高く、スエーデ
ノルウエー
エジプト
ウクライナ
ンの数値が著しく大き
い 。( 表 4)
アジア地域ではモン
ゴ ル 、 中 国 (広 州 )が や
や大きいが、地域全体
ではその比率は低い。
ブラジルやイスラエル
イタリア
オーストラリア
スイス
オランダ
モンゴル
ロシア
台湾
フランス
中国 広州
イスラエル
マレーシア
ブラジル
中国 上海
もアジアに近い比率に
日本
香港
なっている。日本や香
0%
20%
港ではその比率は著し
40%
コロストミー
く 低 い 。 (図 2)
- 25 -
60%
ウロストミー
80%
イレオストミー
100%
表 14 − 1 各 国 オストメイト人 口 の潜 在 数 の推 定
人 口 (人 )
国
一 人 当 た り GD P
オ ス トメ イ ト 人 口 比
オ ス トメ イ ト 人 口
(推 定 値 )
(推 定 値 )
名
x 1,000
US$ GD P/c ap i ta
1
日本
127,333
37,566
0.183
233,300
2
中国
1,298,847
1,410
0.007
89,300
3
香港
6,855
24,626
0.120
8,200
4
インド
1,065,070
678
0.003
35,200
5
インドネシア
238,452
1,267
0.006
14,700
6
イラン
69,019
2,809
0.014
9,500
7
韓国
48,598
14,783
0.072
35,000
8
マレーシア
23,522
4,930
0.024
5,700
9
モンゴル
2,751
547
0.003
100
10
フィリピン
86,241
1,079
0.005
4,500
11
サウジアラビア
25,796
11,085
0.054
13,900
12
シンガポール
4,354
26,480
0.129
5,600
13
スリランカ
19,905
1,087
0.005
1,100
14
タイ
64,865
2,665
0.013
8,400
15
台湾
22,760
14,860
0.072
16,500
16
ベトナム
82,424
566
0.003
2,300
17
カナダ
32,508
34,028
0.166
53,900
18
アメリカ 合 衆 国
293,027
41,916
0.204
599,000
19
プエルトリコ
20
メキシコ
104,959
6,770
0.033
34,700
21
パナマ
3,000
4,627
0.023
700
22
オーストラリア
19,913
33,628
0.164
32,700
23
ニュージランド
3,994
26,291
0.128
5,100
24
クロアチア
4,497
7,800
0.038
1,700
25
チェコ
10,246
12,303
0.060
6,100
26
デンマーク
5,413
49,182
0.240
13,000
27
フィンランド
5,215
39,097
0.191
9,900
28
フランス
60,424
35,727
0.174
105,300
29
ギリシャ
10,648
21,016
0.102
10,900
30
ドイツ
82,424
35,075
0.171
141,000
3,898
?
- 26 -
表 14 − 2 各 国 オストメイト人 口 の潜 在 数 の推 定
国
名
人 口 (人 )
x 1, 00 0
31
イタリア
32
ラトビア
33
オランダ
34
一 人 当 た り GD P
オ ス トメ イ ト 人 口 比
オ ス トメ イ ト 人 口
US$ GD P/c ap i ta
(推 定 値 )
(推 定 値 )
58,057
31,873
0.155
90,200
2,306
6,559
0.032
700
16,318
38,319
0.187
30,500
ノルウエー
4,575
61,852
0.302
13,800
35
ポーランド
38,626
8,082
0.039
15,200
36
ポルトガル
3,897
18,100
0.088
3,400
37
ロシア
143,782
5,433
0.026
38,100
38
スペイン
40,280
27,074
0.132
53,200
39
スエーデン
8,986
42,391
0.207
18,600
40
スイス
7,451
52,879
0.258
19,200
41
ウクライナ
47,732
1,748
0.009
4,100
42
イギリス
60,270
38,097
0.186
112,000
43
アルゼンチン
39,144
4,380
0.021
8,400
44
コロンビア
42,310
2,358
0.011
4,900
45
ブラジル
184,101
4,124
0.020
37,000
46
ペルー
25,017
5,600
0.027
6,800
47
チリ
15,823
6,274
0.031
4,800
48
ベネズエラ
27,544
4,627
0.023
6,200
49
アルジェリア
32,930
2,971
0.014
4,800
50
エジプト
76,117
1,296
0.006
4,800
51
イスラエル
6,199
18,302
0.089
5,500
52
パレスチナ
1,325
53
レバノン
3,777
5,433
0.026
1,000
?
GDP/ Capit a :市 場 為 替 レート ベースによる 一 人 当 り GDP ( IMF Re po rt 2 00 5)
中 国 、イ ンド、ロ シア などは 実 態 よりかなり 低 い 推 定 値 になって いると考 えら れ る。
- 27 -
3.各国オストミー協会の会費
各 国 オ ス ト ミ ー 協 会 の 年 会 費 は 、オ ー ス ト ラ リ ア の 40US$を 最 高 と し て 20~30US$が 多
く 、 病 院 を 中 心 に 設 立 さ れ て い る 協 会 は 年 会 費 を 徴 収 し て い な い と こ ろ が 多 い 。( 表 5)
ヨ ー ロ ッ パ 諸 国 の 協 会 は 20US$以 上 の 年 会 費 を 集 め て い る が 、年 間 予 算 額 の 50%以 上 を
国 や 団 体 、 企 業 な ど か ら 補 助 や 助 成 を 得 て 活 動 し て い る 。( 図 3)
ア ジ ア 諸 国 で は 、 中 国 (広 州 )、 マ レ ー シ ア や 台 湾 の 協 会 が ス ト ー マ ケ ア 製 品 の メ ー カ ー
や慈善団体から寄付を受けているが、国から補助を受けているところは日本とモンゴルの
みである。
今 回 の 調 査 で 、 国 民 所 得 や GNP の 大 き な 国 々 の 協 会 は 、 会 員 か ら の 会 費 収 入 に 加 え て
国 の 福 祉 政 策 に 支 え ら れ 、 オ ス ト メ イ ト の QOL を 高 め て い る 。 一 方 、 国 民 所 得 の 低 い 国
では、会費収入や国の支援もない。医療機関、ストーマケア製品のメーカーや慈善団体の
支援を受けているところもあるが、予算規模が小さく全国的な活動を展開できないものと
考えられる。
図3 各国協会の年会費
会費 US$/年
50
40
30
20
10
チ
エ リ
ジ
プ
ト
オ
ー
ス
トラ
ノル リ ア
ウ
エ
ー
オ
ラ
ン
ダ
ス 日本
エ
ー
デ
ン
イ
タ
リア
イ
タ
リア
ス
イ
ス
イ
ギ
リス
モ
ン
ゴ
ル
台
ク
湾
ロ
ア
イ チア
ス
ラ
エ
ル
フ
ニ
ラ
ュ
ン
ー
ジ ス
ラ
ン
ド
チ
ェ
コ
香
マ
レ 港
ー
シ
フ ア
ィリ
ピ
ブ ン
ラ
ジ
中
国 ル
中 上海
国
広
イ
ン
ドネ 州
シ
ン シア
ガ
ポ
ー
ル
ロ
シ
ウ
ア
ク
ラ
イ
ナ
0
4.オストミー医療機関とストーマケアについて
オストミー手術については多くの国では国内で手術ができるとしている。しかし、ロシ
ア 、 ア ジ ア 諸 国 や 中 東 諸 国 は 大 都 市 部 の 医 療 機 関 に 限 る と し て い る 。( 表 6)
ET/WOC 看 護 師 に よ る ス ト ー マ ケ ア を 受 け る こ と が で き な い 国 は ア ジ ア に 多 い 。
ET/WOC 看 護 師 が い な い 国 は モ ン ゴ ル 、 ク ロ ア チ ア 、 パ レ ス チ ナ 、 10 名 以 下 の 国 は 、 サ
ウジアラビア、ギリシャ、エジプト、台湾、ベトナムがある。国の広さや人口によっても
異 な る が 、中 国 で は 広 州 や 上 海 で 約 100 名 が 養 成 さ れ て い る が 、国 全 体 で は 不 足 し て い る
ようである。
ET/WOC 看 護 師 養 成 学 校 は 、 現 在 10 名 以 下 の 国 で は 設 立 さ れ て い な い が 、 IOA か ら の
情報では中国、インド、イランなどは意欲的に養成を行っている。
- 28 -
日 本 に お い て は 、ET/WOC 認 定 看 護 師 の 数 は 570 名( 2007 年 12 月 現 在 )で 、9 箇 所 の
養 成 機 関 が あ る 。 さ ら に 、 平 成 21 年 度 ま で に 2 養 成 機 関 が 増 設 さ れ る 予 定 で 、 ET/WOC
認 定 看 護 師 の 総 数 は 約 1,000 名 に な る 見 込 み で あ る 。
5.オストミービジターについて
オストミービジターの活動の意義は広く理解されているが、その養成はアジアでは積極
的に行われていない。
主な活動は、手術前後におけるオストメイトによるピアカウンセリングのほか、サポー
トや情報提供などが主体で、多くの国々で実施されている。一部の国では、特別に養成や
教 育 を す る こ と な く 、一 般 の オ ス ト メ イ ト が そ の 活 動 を 担 っ て い る も の と 考 え ら れ る 。(表
7)
6.オストメイト権利憲章の達成状況
IOA で は 、 8 カ 条 か ら な る オ ス ト ミ ー 権 利 憲 章 を 定 め て い る が 、 28 カ 国 中 14 カ 国 が 全
条 項 を 達 成 し て い る と し て い る 。 1 条 項 の み 未 達 成 は 6 カ 国 で 、 こ れ を 加 え る と 70%以 上
の国でほぼ達成されていることになる。アジアでは全項目を実現しているのは4カ国、1
項目のみ未達成が3カ国である。回答がない国や協会が設立されていない国では達成度が
低 い と 考 え ら れ る 。( 表 8 、 図 4 )
項 目 別 に み る と 、 第 2 条 ( ス ト ー マ の 位 置 や 形 )、 第 6 条 ( ス ト ー マ ケ ア 製 品 の 制 約 な
い 入 手 )及 び 第 8 条( 差 別 か ら の 保 護 )の 未 達 成 が 25%と 最 も 多 く 、第 1 条( 手 術 前 の カ
ウ ン セ リ ン グ ) が 18%、 第 3 条 ( 医 療 ・ 心 理 的 ケ ア )、 第 4 条 ( 家 族 等 へ の 支 援 と 情 報 提
供 ) と 第 5 条 (ス ト ー マ ケ ア 製 品 の 情 報 提 供 )が 15%と な っ て い る 。 最 も 達 成 度 の 高 い 条 項
は 第 7 条 ( オ ス ト ミ ー 協 会 や 支 援 等 の 情 報 提 供 ) で 93%の 達 成 率 と な っ て い る 。
手 術 前 の カ ウ ン セ リ ン グ (第 1 条 )で は 、医 師 と 共 に ET/WOC 看 護 師 か ら カ ウ ン セ リ ン グ
を受けているが、オストミービジターからも受けている国も多く見られる。
医 療 ・ 心 理 的 ケ ア (第 3 条 )で は 、 第 1 条 と 同 様 、 医 師 ・ ET/WOC 看 護 師 か ら 受 け て い る
が、多数の国でオストミービジターからも受けている。アジアの諸国においても、オスト
メ イ ト の QOL 向 上 に オ ス ト ミ ー ビ ジ タ ー の 活 用 が 必 要 と さ れ る 。
オ ス ト メ イ ト の QOL を 高 め る た め の 家 族 や 介 護 者 な ど へ の 情 報 提 供 ( 第 4 条 ) 者 は 、
医 師 、ET/WOC 看 護 師 と 共 に オ ス ト ミ ー 協 会 が 最 も 多 く 、オ ス ト ミ ー ビ ジ タ ー や ス ト ー マ
ケア製品の供給者も行っている。行政関係者は殆ど関与していない。
ス ト ー マ ケ ア 製 品 に 関 す る 情 報 提 供 (第 5 条 )は 、 ET/WOC 看 護 師 、 オ ス ト ミ ー 協 会 や ス
トーマケア製品の供給者の役割が大きく、医師やオストミービジターも提供者となってい
る。アジアでは医師が大きな役割を担っている。
- 29 -
図4 オストメイト権利憲章の達成条項数
パ
レ
ス
チ
モ ナ
ン
ゴ
エ ル
ジ
べ プト
トナ
サ ウク ム
ウ ラ
ジ イナ
ア
ラ
ビ
ブ ア
ラ
ジ
ギ ル
イ リ
ン シ
ド ャ
ネ
ロ フ シア
シ ィ
ア リピ
(
シ 大都 ン
ン
ガ 市)
ポ
ー
ル
チ
ェ
コ
ノル チ
ウ リ
エ
ー
中
国
日
本
香
港
オ
ー 台
ニ スト 湾
ュ ラ
ー リア
ジ
ク ラン
ロ
ア ド
チ
フ ア
ラ
ン
イ ス
タ
リ
オ ア
ス ラン
エ ダ
ー
デ
ン
ス
イ
イ ス
ギ
イ リ
ス ス
ラ
マ エ
レ ル
ー
シ
ア
憲章条項数
8
7
6
5
4
3
2
1
0
7.
7.1
ストーマケア製品について
退院後のストーマケア製品の選定
オストメイトになって退院する時、または退院した後のストーマケア製品の選定は、一
部 の 国 を 除 い て 医 師 ま た は ET/WOC 看 護 師 (看 護 師 を 含 む )の 助 言 に 従 っ て い る 。
オストメイトは退院後に、試行錯誤を重ねながら自分に合うストーマケア製品を選定す
る の が 一 般 的 で あ る が 、 ET/WOC 看 護 師 数 が 充 足 し て い る 国 で は ET/WOC 看 護 師 に 相 談
している。オストミービジターやオストミー協会のメンバーも相談相手となっているが、
ET/WOC 看 護 師 の 少 な い ア ジ ア の 国 々 で は そ の 役 割 は 大 き い 。ET/WOC 看 護 師 数 が 充 足 し
ているヨーロッパ諸国では、一部を除いてオストミービジターや協会がその役割を担うこ
とは少ない。
薬局が相談を受けている国もある。社会健康保険や個人健康保険制度では、これらの製
品の選定には殆どの国で関与していない。ブラジルでは政府機関がこの役割を担っている
のは注目される
ストーマケア製品を選定するために、展示会やカタログが果たしている効果は世界的に
大 き い 。ET/WOC 看 護 師 が ス ト ー マ ケ ア 製 品 の 選 定 に 関 与 し 、医 療 制 度 に 恵 ま れ た 一 部 の
ヨ ー ロ ッ パ 諸 国 で は 、 展 示 会 な ど の 役 割 は 小 さ い 。 (表 9 )
7.2
ストーマケア製品の費用負担
ス ト ー マ ケ ア 製 品 の 費 用 負 担 に つ い て は 、30 カ 国 の う ち 国 ま た は 地 方 自 治 体 が 補 助 を し
て い る 国 は 9 カ 国 、 社 会 健 康 保 険 制 度 に よ っ て 費 用 負 担 さ れ る 国 が 10 カ 国 、 個 人 の 健 康
保 険 に よ る 費 用 負 担 が 6 カ 国 ( 一 部 重 複 )、 支 援 組 織 に よ る 費 用 負 担 が 4 カ 国 と な っ て い
る。
費 用 の 全 額 を 自 己 負 担 し て い る 国 は 13 カ 国 で 、 一 部 自 己 負 担 (10~20%)し て い る 国 は 日
本 、 イ ス ラ エ ル 、 ス エ ー デ ン の 3 カ 国 で あ り 、 全 額 公 費 補 助 ま た は 保 険 負 担 の 国 は 11 カ
国である。ロシアでは大都市のモスクワやセントペテルブルグの住民が優遇されている。
自己負担のない国は、殆どのヨーロッパ諸国、南太平洋諸国とブラジルであるが、パレ
- 30 -
スチナも国の補助、社会健康保険、個人健康保険その他を組み合わせてオストメイトを支
援 し て い る こ と が 注 目 さ れ る 。 (表 10)
7.3
ス ト ー マ ケ ア 製 品 の 補 助 ・ 還 付 限 度 額 (量 )
ストーマケア製品に対する補助や保険による費用負担額は、負担上限を設定していない
国がオーストラリア、ニュージランド、クロアチア、チェコ、フランス、オランダ、ノル
ウ エ ー 、ス エ ー デ ン の 8 カ 国 、ま た 公 的 補 助 金 額 が 日 本 の 約 3 倍 の イ タ リ ア 、保 険 還 付 金
額が 5 倍のスイスは実質上制約がないのに等しい。
一 方 、 ギ リ シ ャ で は 、 ス ト ー マ ケ ア 製 品 の 支 給 量 を 決 め て い る 。 中 国 (広 州 )で は 支 払 い
限 度 額 は 日 本 の 2∼ 6 割 程 度 で あ る が 、物 価 水 準 が か な り 異 な る の で 単 純 比 較 は で き な い 。
アジア諸国は福祉が遅れており、オストメイトは自らのストーマ装具の入手に困惑してい
る 様 子 が 伺 え る 。サ ウ ジ ア ラ ビ ア で は 退 院 後 3 カ 月 間 は ス ト ー マ ケ ア 製 品 が 支 給 さ れ る が 、
そ れ 以 降 は 自 己 負 担 と な っ て い る 。( 表 11)
7.4
ストーマケア用アクセサリーに対する補助・還付
ス ト ー マ ケ ア 用 ア ク セ サ リ ー (洗 腸 用 具 を 含 む )は 、 多 く の ヨ ー ロ ッ パ 諸 国 、 オ ー ス ト ラ
リア、日本、イスラエルで全品目を公的補助や還付の対象にしている。一部のヨーロッパ
諸 国 で は 8 ∼ 9 品 目 を 対 象 と し て い る 。 一 方 、 ア ジ ア で は 日 本 や 中 国 (広 州 )を 除 き 殆 ど の
国でアクセサリー類の支給は全く認められていない。インドネシア、ロシア、ブラジル、
パ レ ス チ ナ 、 エ ジ プ ト で は 種 類 は 少 な い が 対 象 と な っ て い る 。( 表 12)( 図 5)
補助または還付される数量(金額)は、数量または金額の上限を規定する国、補助また
は 保 険 の 還 付 上 限 金 額 の 範 囲 内 で 自 由 度 の あ る 国 な ど さ ま ざ ま で あ る 。( 表 13)
ニ ュ ー ジ ラ ン ド 、 チ リ 、 中 国 (上 海 )か ら は 回 答 が 得 ら れ な か っ た 。 ま た サ ウ ジ ア ラ ビ ア
で は 、 退 院 後 3 カ 月 間 は ク リ ー ナ ー や ク リ ー ム を 除 く 11 品 目 が 支 給 さ れ て い る 。
アクセサリーの種類数
図5 ストーマケア用アクセサリー補助・還付対象数
14
12
10
8
6
4
2
0
ル ム ル 港 湾 ア イナ プト く ) ナ ジル ワ) ア シャ ェコ ピン ア ンス 州 ー 本 リア リ ア ンダ ン イ ス リス ル
ゴ
広 ウエ 日 ト ラ タ ラ ー デ ス ギ ラ エ
ン べトナ ポ ー 香 台 ーシ クラ エジ を除 スチブラ スク ネ シ ギ リ チ ィリ アチ フ ラ
イ オ エ
イ ス
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モ
国
イ
ク
ノル
ン
(
マ
ス
パ
ー
ン
中
ア イ
スク
オ
シ
シ
(モ
ロ
ア
ロシ
- 31 -
8.
アジア諸国のオストミー協会
ア ジ ア 諸 国 に お け る オ ス ト ミ ー 協 会 の 設 立 の 有 無 や IOA へ の 加 盟 は 、地 域 に よ っ て 相 違
が 認 め ら れ る 。 東 ア ジ ア で は 7 カ 国 中 6 カ 国 、 東 南 ア ジ ア で 11 カ 国 中 6 カ 国 、 つ い で 南
ア ジ ア が 7 カ 国 中 3 カ 国 に 設 立 さ れ IOA に 加 盟 し て い る 。 中 東 ペ ル シ ャ 湾 岸 地 域 で は 、 9
カ 国 中 1 カ 国 が 設 立 、加 盟 し て い る 。中 央 ア ジ ア で は 6 カ 国 の 全 て に お い て 協 会 が 設 立 さ
れ て い な い 状 況 に あ る 。IOA で は 、中 東 地 域 の 中 で 地 中 海 や カ ス ピ 海 な ど に 面 す る 諸 国 は
ヨ ー ロ ッ パ 地 域 と し て い る が 、11 カ 国 中 5 カ 国 が ヨ ー ロ ッ パ オ ス ト ミ ー 協 会( EOA)に 加
盟している。
ア ジ ア オ ス ト ミ ー 協 会 ( AOA) 全 体 と し て は 40 カ 国 中 16 カ 国 (40%)、 ヨ ー ロ ッ パ オ ス
ト ミ ー 協 会( EOA)で は 49 カ 国 中 35 カ 国( 71%)が オ ス ト ミ ー 協 会 を 設 立 し て い る 。他
の 地 域 で は 北 米 、南 米 の 設 立 率 が 良 く 、一 方 、中 央 ア メ リ カ 、ア フ リ カ (地 中 海 沿 岸 を 除 く )
で は 設 立 率 は 低 い 。 (表 15)
9.
ア ジ ア 諸 国 の ET/WOC 認 定 看 護 師 数
ア ジ ア に お け る 人 口 100 万 人 当 り 及 び オ ス ト メ イ ト( 推 定 数 )1,000 人 当 り の ET/WOC
認定看護師数は、香港を除きヨーロッパ諸国やオーストラリア、ニュージランドに比べて
少ない。多くのアジア諸国ではこれらの認定看護師の養成が遅れているので、先進ヨーロ
ッ パ 諸 国 の 中 で イ タ リ ア や ス エ ー デ ン 並 み に 、人 口 100 万 人 当 り 7 人 以 上 、オ ス ト メ イ ト
1000 人 当 り 4 人 以 上 を 目 標 に 、 そ の 養 成 を 政 府 機 関 等 に ア ピ ー ル し て 行 く 必 要 が あ る 。
フ ィ リ ピ ン は 国 際 的 に 認 定 さ れ た 看 護 師 は 3 名 、 地 域 的 に 教 育 さ れ た 認 定 看 護 師 は 20
名としている。
なお、ヨーロッパにおいても、ギリシャやクロアチアに見られるようにその養成が遅れ
て い る 国 も あ る 。 (図 6)
図6 人口当たりのET/WOC看護師
(フィリピンは地域で教育された認定看護師を含む)
2 5 .0
2 0 .0
1 5 .0
1 0 .0
5 .0
中 本
中 国 国
中 香
国 港
中 広
国 州
上
台 海
フ 湾
ィリ
ピ
べ ン
イン トナ
サ ドネ ム
ウ
ジ シ
ア ア
ラ
モ ビア
ン
ゴ
オ ル
ラ
ン
ダ
チ
ノル ェコ
ウ
エ
フ ー
ラン
ス
ス
イス イス
ラエ
イタ ル
ス
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デ
ロシ ン
ギ ア
リ
ウ シャ
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ジ
クロ プ
ア ト
パ チ
レ
オ ス ア
ー チ
ニ スト ナ
ュー ラ
リ
ジ ア
ラン
ブ ド
ラ
ジ
ル
0 .0
日
ET /WOC看 護 師 数
3 0 .0
人口1 0 0 万人当り
オストメイト推定人口1 ,0 0 0 人当り
- 32 -
Ⅴ.終わりに
本 調 査 は 、 平 成 2 0 年 11 月 1 4 ∼ 1 6 日 に 開 催 を 予 定 し て い る 第 6 回 ア ジ ア オ ス ト
ミー協会大会(東京大会)において、アジアのオストメイトの生活の質(QOL)
の向上について討論するのに際し、より有意義な議論が行われるように世界のオス
トメイトの生活実態について調査を行ったものである。
3 1 カ 国 か ら 回 答 が 得 ら れ た が 、ア ジ ア 諸 国 な ど の 発 展 途 上 国 の オ ス ト ミ ー 協 会 か
らの回答数は少なかった。これらの国々のオストメイトは、経済面から見ても先進
国で使用している高品質のストーマケア製品の入手が困難なため、低水準の生活を
余儀なくされていると考えられる。世界にはこのような国々が多く、またオストミ
ー協会が設立されていない国も多い。
IOAやAOAは、これまで発展途上国にオストミー協会の設立支援、ストーマ
リハビリテーションの研修・普及、情報やストーマケア製品の提供などの活動を進
めてきた結果、78 カ国にオストミー協会が設立された。
今後ともこのような活動を進め、世界のオストメイト、ことにアジアのオストメ
イトのQOLの向上を目指さなければならない。
本アンケートの調査結果が、今後の活動に役立つものと確信するが、更に世界の
オストメイトの実態調査を継続し、充実させ、国際的な活動に役立てることが重要
である。
Ⅵ.謝辞
本 調 査 事 業 の 実 施 に は 、 独 立 行 政 法 人 福 祉 医 療 機 構 (W A M )の 助 成 並 び に 第 6 回
AOA東京大会企画委員会の委員各位の助言及び日本ET/WOC協会の協力を頂
いた。ここに、深甚の謝意を表するものである。
また、JOAのアンケートに協力を頂いた各国のオストミー協会及び未加盟にも
かかわらずアンケートに参加を頂いたサウジアラビアとギリシャの関係者に感謝申
し上げる。
- 34 -