財団法人 廃棄物研究財団 3R活動推進フォーラム

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廃棄物研究
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No.
79
2010年7月
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廃
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財
団
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活
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巻頭言 …………………………………………………徳田 博保 1
特集 1「廃棄物処理施設の長寿命化計画」
廃棄物処理施設の長寿命化計画作成の手引きについて……村山 浩稔 3
廃棄物処理施設の基幹的設備改良(ごみ焼却施設)……角田 芳忠 7
廃棄物処理施設の基幹的設備改良(し尿処理施設・汚泥再生処理センター編)
……………………………………森川 則三 12
廃棄物処理施設における長寿命化計画……………下村由次郎 17
ごみ焼却施設での長寿命化への取り組み…………亀尾 徹 22
特集 2「アジアの 3R」
アジアにおける3Rを通じた循環型社会の構築………新田 晃 27
JICA による廃棄物管理における国際協力の取り組み∼アジア3 R を中心として
……………………………………森 尚樹 31
ベトナム・ホイアン市の3Rの取り組み−草の根技術協力の成果
……………………………………山本 耕平 35
川崎発グリーンニューディール 川崎市における環境技術による国際貢献の取り組み
……………………………………福芝 康祐 39
自治体を訪ねて
川口市環境部廃棄物対策課 ………………………渡部 浩一 46
札幌市環境局環境事業部ごみ減量推進課…………石川 芽衣 49
環境省等国のうごき ……………………………………………… 53
財団のうごき ……………………………………………………… 75
3R活動推進フォーラムのうごき ………………………………100
全国を歩く(6)………………………………………八木 美雄111
帰ってきた「いつでも食べある記」∼東京、八重洲、丸の内(上級?!)編∼ ……町田 直美114
私の趣味(13)バイオリン …………………………藤井 重雄117
編集後記
大都市のごみ焼却施設 相模原市南清掃工場 表紙裏
財団法人 廃棄物研究財団
3R活動推進フォーラム
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
大都市の焼却施設
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
編集後記
相模原市南清掃工場
相模原市では、南清掃工場と北清掃工場の2工場体制でごみ処理を行っています。このうち昭和55年から稼動して
○関東地方も梅雨が明けました。熱い日が毎日続きます。我が家では、小さな庭で咲き始め
いた南清掃工場は、施設の老朽化やごみ質の変化への対応、環境への負荷の低減を図るため、平成18年9月より建替
た白いモクゲが暑さをしばし忘れさせてくれます。日本中を沸き立たせたサッカーのワー
工事を行い、平成22年3月に新工場が竣工し、本格稼動をしております。
ルドカップも、与野党がねじれてしまった参議院選挙も、もう随分前のでき事のような気
新工場は、ガス化溶融炉を採用してお
がします。それにしても暑さと不景気の暗雲を吹き飛ばしてくれる特効薬はないものでし
りますので、生成された溶融スラグを道
ょうか。
(藤本)
路用の資材等として再利用していく予定
であり、また、近隣にある本市の最終処
○家に帰ると、家の花壇には草花が熱くてぐったりしている。水をかけてひといき。家の前
分場の延命化に寄与するものとなります。
の道路に水をまく、涼しい感じが一瞬します。昔はよく夕方になると水をまいたものです。
発電能力は、旧工場の6倍以上の最大
そして、焼き鳥と一杯のビールですね。
10,000kWで、工場の稼動に必要な電力を
まかなうとともに、余剰電力を電力会社
○夏休みに入りました。夏はやっぱり、子供たち、家族一緒に、海、山、に行って鋭気を養
へ供給しています。ごみ処理過程で発生
うことが必要ですね。故郷がある人は、たまには帰るのもいいかもしれません。
した熱は、自工場内の冷暖房・給湯に利
用し、さらに隣接する健康文化センター
○2010年、3年ぶりに廃棄物処理法の改正がありました。詳細は今後の政省令を待たねばな
の温水プールや県立相模原公園内の温室
りませんが、建設業では元請けの一本化、優良業者制度では更新許可期限の延長、排出事
に利用しております。
業者の産業廃棄物の処理状況確認等、法の施行に向けての動きがより活発化する一年が想
また、太陽光・風力発電式外灯の設置
定されます。
などによる太陽光や雨水等の自然エネル
ギーの利用、節電や節水など省エネルギ
ー技術を導入しており、二酸化炭素の排
○第5回3R推進全国大会は、11月2日∼7日まで佐賀県佐賀市で行われます。3R活動推
南清掃工場全景
進フォーラムも主催者として環境省、佐賀県と一緒になって準備を進めているところであ
出削減を図っています。更に、排ガスに
りますが、3日から7日には、佐賀インターナショナルバルーンフェスティバル会場で、
ついても法令基準よりも厳しい独自の基
佐賀環境展が開催されます。大会の成功に向けてのご支援、ご協力をお願いします。
準を設定し、周辺環境に配慮した施設と
(藤波)
なっています。
【施設概要】 ■名 称
相模原市南清掃工場
■所 在 地
相模原市南区麻溝台1524番1
■竣工年月
平成22年3月15日
■建 設 費
約190億円
■建物概要
工場棟(管理諸室と一体型)
鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コン
クリート造
廃棄物研究
No.79(2010.7)
地上6階、
地下1階 延床面積 23,
643㎡
【設備概要】
■処理方式
流動床式ガス化溶融炉
■処理能力
525トン/日
(175トン/日×3炉)
■燃焼ガス冷却設備
廃熱ボイラ
■排ガス処理設備
バグフィルタ、
排ガス洗浄装置、
脱硝反応塔
■余熱利用
蒸気タービン発電(最大10,
000kW)、
場内・場外熱供給等
平成22年7月31日
発 行 人 杉戸 大作
発 行 所 財団法人 廃棄物研究財団
〒130-0026 東京都墨田区両国3-2
5-5 JEI両国ビル8階
TEL 03(5638)7161 FAX 03(5638)7164
印 刷
共立速記印刷株式会社
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廃棄物研究 財団だより(No.79 2010.7)
巻頭言
廃棄物研究・技術開発への期待
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部
廃棄物対策課長
徳田 博保
中国、インドをはじめとした途上国の人口は増加し続けています。中国の人口は13億人、インドが11億人と言われ、
この2カ国だけで我が国の20倍です。経済成長も著しく、中国のGDPは今年我が国を追い越すとも言われています。
当然、資源・エネルギーの枯渇や価格の高騰に備える必要があります。また、我が国のみならず途上国も含めた温暖
化対策が重要です。
こうした背景の下、生ごみの堆肥化、レアメタルの回収、廃プラスチックの再生利用、高効率廃棄物発電の推進な
ど循環型社会・低炭素社会の形成を目指した数多くの施策が進められてきています。
今回の廃棄物処理法の改正では、熱回収事業者の認定制度が盛り込まれました。我が国のごみ発電能力は160万キロ
ワットに達していますが、廃棄物のもつエネルギーの有効活用という点では、欧米諸国と比べて進んでいるとは言い
難い状況にあります。
たとえば、ドイツの廃棄物焼却量は我が国の約半分ですが、発電量はほぼ同じであり、さらに外部供給熱量が発電
量の2倍ほどあるため、おおざっぱに見れば熱利用効率は我が国の6倍であるとも言えます。ドイツは寒い土地柄で
あるため熱需要が多いことや、個々の施設が大きく効率的なエネルギー回収が可能であることなどがその理由として
考えられます。
様々な理由があるにせよ、廃棄物のエネルギー源としての可能性に鑑みれば、我が国においてもさらなる有効活用
を追求すべきでしょう。もちろん、貴重な資源が含まれている廃棄物をエネルギー源としてだけ利用するよりも再生
利用を優先すべきですが、その上で、残った廃棄物からのエネルギー回収を徹底すべきです。
このためには、効率的なエネルギー回収技術の開発のみでなく、回収エネルギーの需要の開拓を進める必要があり
ます。たとえば熱供給事業は都市開発時点で組み込むことが肝要ですが、我が国では一部地域を除いてそういう状況
にはないことなどから、低温廃熱の利用が進んでいません。現況をしっかりと把握した上で将来に向けて着実に進ん
でいくためにはどうしたらいいのか、需要面や制度面を含めた社会科学的研究も不可欠です。
また、熱回収に限らず、循環型社会、低炭素社会に貢献できる廃棄物処理施設は、成長が著しい途上国において遠
からず必要とされるものであり、低価格で高効率の処理技術の開発は、我が国の関連産業、静脈ビジネスの活性化を
もたらすと同時に、途上国の環境改善、ひいては地球環境の保全の観点からも望ましいことであり、これらに関する
研究・技術開発も欠かせません。
環境省は循環型社会形成推進科学研究費補助金等を通じ、こうした研究・技術開発の支援に力を注いでまいります。
1
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
特 集 1
「廃棄物処理施設の
長寿命化計画」
わが国の一般廃棄物処理施設の多くが更新時期を迎えつつあるところから、環境省では「廃棄物処
理施設長寿命化計画作成の手引」を取りまとめました。その概要ならびにし尿・ごみ処理施設におけ
る長寿命化技術について、ご寄稿いただきました。
廃棄物処理施設の長寿命化計画作成の手引きについて
…………………環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 廃棄物対策課 村山 浩稔 3
廃棄物処理施設の基幹的設備改良(ごみ焼却施設)
……………………………………………………(社)
日本環境衛生施設工業会 角田 芳忠 7
廃棄物処理施設の基幹的設備改良(し尿処理施設・汚泥再生処理センター編)
……………………………………………………(社)
日本環境衛生施設工業会 森川 則三 12
日本廃棄物コンサルタント協会 下村由次郎 17
廃棄物処理施設における長寿命化計画 ……(社)
ごみ焼却施設での長寿命化への取り組み …東京二十三区清掃一部事務組合
2
亀尾 徹 22
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
廃棄物処理施設の長寿命化計画作成の
手引きについて
環境省大臣官房 廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課
村山 浩稔
課長補佐 1.はじめに
既存の廃棄物処理施設を有効利用するため、施設の機
能を効率的に維持することが急務となっている。
こうした状況を踏まえ、環境省では、廃棄物処理施
設整備計画(平成20年3月25日閣議決定)により、廃
棄物処理施設の長寿命化を図り、そのライフサイクル
コストを低減することを通じ、効率的な更新整備や保
全管理を充実する「ストックマネジメント」の導入を
推進しているところであり、ストックマネジメントの
導入に向けて、廃棄物処理施設の機能保全を行うため
の統一的な仕組みや、廃棄物処理施設の長寿命化を進
める手引きの整備が急務であることから、「廃棄物処理
施設におけるストックマネジメント導入手法調査検討
会」を設置し、「廃棄物処理施設長寿命化計画作成の手
引き(ごみ焼却施設編)及び同(し尿処理施設・汚泥
再生処理センター)」を取りまとめたので、その概要を
以下に示す。
一般廃棄物処理施設は、ダイオキシン類対策等の環
境保全対策の強化など高度化が進み、その数も広域化
計画の進展と相まって統合されて減少しつつあるもの
の、「日本の廃棄物処理 平成19年度版」(環境省)に
よれば、その施設数は、ごみ焼却施設(熱回収施設)
1,285施設、し尿処理施設1,041施設となっており、膨
大な社会資本ストックを形成するに至っている。今日、
これらの一般廃棄物処理施設は、廃棄物の適正処理に
とどまらず、廃棄物の発生抑制、循環資源の再使用・
再生利用、熱回収の促進を図り、循環型社会の形成に
寄与するとともに、地球温暖化対策の一翼を担う使命
を持つ都市施設と位置付けられている。
しかしながら、これらの施設は他の都市施設と比較
すると施設全体として耐用年数が短く、ごみ焼却施設
についてみると、平成初頭以前に稼働を開始した施設
は、更新時期を迎えつつある状況(図1参照)にあり、
図1 ごみ焼却施設稼働年数別施設数
注:平成19年度時点で稼働している1,159施設を対象
出典:環境省一般廃棄物処理実態調査(平成19年度実績)をもとに作成(一部推計)
3
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
2.ストックマネジメントの必要性
施し、機能診断結果に基づく機能保全対策、延命化
対策の実施を通じて、既存施設の有効活用や長寿命
化を図り、併せてライフサイクルコストを低減する
ための技術体系及び管理手法である。
また、ストックマネジメントでは、図3に示すよ
うなPDCAサイクルの一連の流れで、施設の保全
計画、機能診断、評価と改善に、継続的に取り組ん
でいくことが必要となる。
廃棄物処理施設は、施設を構成する設備・機器や部
材が高温・多湿や腐食性雰囲気に暴露され、機械的な
運動により摩耗しやすい状況下において稼働すること
が多いため、他の都市施設と比較すると性能低下や摩
耗の進行が速く、施設全体としての耐用年数が短いと
見なされている。
例えばコンクリート系の建築物の耐用年数は、50年
(補助金等により取得した財産の処分制限期間を定める
告示の改正について(会発第247号平成12年3月30日
厚生省大臣官房会計課長通知)より)となっているに
もかかわらず、プラントの性能劣化を理由にして、ま
だ利用可能な建築物を含め20年程度で、施設全体を廃
止している例も見られることは、経済的観点から改善
の余地が大きいと言わざるを得ない。一方、大都市の
廃熱ボイラー付連続燃焼式ごみ焼却施設では、日常の
適正な運転管理と毎年の適切な定期点検整備や基幹的
設備の更新等の整備を適確に実施したことにより、30
年以上にわたり稼働できた実績もある。
このため、廃棄物処理施設において、ストックマネ
ジメントの考え方を導入し、日常の適正な運転管理と
毎年の適切な定期点検整備、適時の延命化対策を実施
することにより、施設の長寿命化を図ることが重要で
ある。
(2)廃棄物処理施設の長寿命化計画
廃棄物処理施設は、ごみ焼却施設に代表されるよ
うに、多くの設備・機器により複層的に構成される
ことで、施設としての処理性能を発揮しており、か
つその設置環境から劣化速度の速い設備・機器が多
い施設である。このような特徴をもつ廃棄物処理施
設のストックマネジメント(以下「長寿命化計画」と
いう。)においては、日常の保全を適切に行うことが
より重要である。個々の設備・機器を適正に保全し、
かつ機能診断、評価、改善することで設備・機器の
長寿命化を図り、同時に施設全体としての長寿命化
も図ることができる。また、個々の設備・機器を長
寿命化するだけでなく、適正な保全を行ってもなお
耐用に達した設備・機器を、適時、適切な方法で更
新することで施設全体を合理的に延命化することも
重要な要素である。
廃棄物処理施設の長寿命化計画は、施設保全計画
と延命化計画の二つを指すが、施設保全計画の適正
な実施・運用により、施設の機能低下速度が抑制さ
れ、長期にわたり適正な運転を維持することが期待
できるとともに、これに加えて、計画的に適時的確
な延命化対策を行うことにより、施設の長寿命化が
達成できる。
3.廃棄物処理施設のストックマネジメン
トの考え方
(1)ストックマネジメントの考え方
ストックマネジメントは、図2に示すように、施
設を長寿命化するため、日常的・定期的に適切に維
持管理しながら、施設の設備・機器に求められる性
能水準が管理水準以下に低下する前に機能診断を実
図2 性能劣化曲線と管理水準
4
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
図3 廃棄物処理施設のストックマネジメントにおけるPDCAサイクル
(3)長寿命化計画を進める上での基本的留意事項
長寿命化計画に基づく長寿命化は、大きな効果が
得られるものであるが、延命化対策費の増加を要す
るものであるため、延命化対策を実施するに当たっ
ては、対策の根拠、時期、範囲、効果等について、
廃棄物処理施設の建設及び運営管理に係るそれぞれ
の関与者に対して、その内容を具体的に示すことが
必要である。
具体的な内容を示すに当たっては、延命化計画に
先立って廃棄物処理施設の機能保全がストックマネ
ジメントの考え方により日頃から計画的、体系的に
なされていること、実施することにより各関与者に
恩恵がもたらされることの2点について明示する必
要がある。
廃棄物処理施設の長寿命化計画を実施するために
必要な機能保全の流れについては、図4に示すよう
に以下の手順となる。
① 一般廃棄物処理基本計画等の上位計画に基づき、
中長期施設整備計画との整合を図りつつ日常的な
管理を行う。
② 維持補修を適切に実施してもなお、避けがたい
突発的な故障が発生する場合があるが、そうした
個々の故障について発生部位、発生状況、原因、
対策について記録を作成し保管する。
③ 定期的に機能診断調査を実施し、施設の状態を
継続的に把握する。
④ 機能診断調査の結果を蓄積した事故・故障及び
整備履歴から得られた劣化の原因・パターンの解
析結果と照合し、各々の設備・機器の状況を評価
する。
⑤ 評価結果を踏まえて施設保全計画の見直し・改
善を行い、必要に応じて日常点検の方法、機器別
管理基準を改善する。
⑥ 延命化計画の検討に当たっては、複数のパター
ンについて解析することにより、ライフサイクル
コストの低減策について検討を加える。
⑦ 検討結果を踏まえて施設保全計画の見直し・改
善、延命化対策の立案・実施を行う。
これら一連のプロセスを効果的に実施するために
は、関係者が連携し、情報共有を図りつつ継続的に
実施することが必要である。また、実施に当たって
は、調査結果や対策の実施内容などの情報をデータ
ベースに蓄積し、整理・解析することを通じ、見直
し・改善を図ることが必要である。
4.おわりに
本稿は、「廃棄物処理施設長寿命化計画作成の手引き
(ごみ焼却施設編)」及び「同(し尿処理施設・汚泥再
生処理センター)(平成22年3月)」をもとに、廃棄物
処理施設におけるストックマネジメントの考え方につ
いて、概括的に紹介したものであるので、詳しい内容
については、手引き等の関係資料を参考にした上で、
ストックマネジメントに取り組んで頂けるようお願い
する。
国における地方公共団体に対する支援として、平成
21年度より長寿命化計画の策定のための必要な調査等
に対して支援するため交付金のメニューに廃棄物処理
施設における長寿命化策定支援事業(交付率1/3)
5
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
図4 廃棄物処理施設における機能保全の流れ
ので、これらのメニューを活用して頂ければ幸いであ
る。
末筆ながら、「廃棄物処理施設におけるストックマネ
ジメント導入手法調査検討会」の委員をはじめ関係各
位より貴重なご意見・情報をいただいたことに感謝申
し上げる。
が追加されているので、長寿命化計画を策定する際に
活用して頂くとともに、平成22年度から廃棄物処理施
設の基幹的設備改良事業に対する支援として、一般廃
棄物処理施設(ごみ焼却施設又はし尿処理施設)の基
幹的設備の改良によって施設の長寿命化(延命化)及
び温暖化対策を推進する市町村等に対して交付金(交
付率1/2又は1/3)を交付するメニューを追加した
6
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
廃棄物処理施設の基幹的設備改良
(ごみ焼却施設)
角田 芳忠
(社)日本環境衛生施設工業会 技術委員長 1.はじめに
1)長寿命化計画との関連
図1に示すように、基幹改良工事の着工以前に延命
化計画を策定し、改良工事が終了するまでに施設保全
計画を策定することが交付要件とされている。また、
本事業は、長寿命化計画と密接に関連し長期間にわた
る場合も想定されるため、他の循環交付金メニューと
異なり時限措置となっていないことも特徴である。
2)基幹改良CO2削減率
CO2削減率は、基幹改良工事前後のCO2排出量の削減
割合によって定義され、削減率の大小により交付率も
次のように2段階に設定されている。
CO2削減率 3%以上の場合:交付率1/3
CO2削減率20%以上の場合:交付率1/2
また、本指標は、対象となる処理施設の稼動に必要
なエネルギー消費に伴い排出されるCO 2 量をベース条
件としている。ごみ焼却施設とし尿処理施設で定義が
異なり、また、ごみ焼却由来分を考慮しないなど、そ
の定義において幾つか注意が必要である。詳細につい
ては、次項「3.基幹改良CO2削減率」にて述べる。
3)CO2削減対策と対象区分の限定
交付対象設備は、「施設の延命化のために更新等を行
う設備のうち、地球温暖化対策に資するものに限る」
とされている。マニュアル 2) には概略の交付対象区分
廃棄物処理施設における長寿命化および地球温暖化
対策の推進を目的として、基幹的設備改良(以下、基
幹改良という)事業に対する支援が、本年4月から循
環型社会形成推進交付金のメニューに新たに加えられ
た。
表1に示すように、ごみ焼却施設は、20年以上稼働
しているものが28.1%、15年以上の施設が47.3%にも
のぼっており、定期的な整備は実施しているものの、
設備・機器の老朽化がかなり進行しているのが現状で
ある。このような背景から既存施設に対する財政的支
援の要請が高まり、ストックマネジメントに係る社会
的関心の増加が相俟って、基幹改良事業に対する支援
制度が実現したものと思われる。
本稿では、「廃棄物処理施設の基幹的設備改良マニュ
アル」 2) をもとに、ごみ焼却施設における基幹改良事
業の要点を整理し、特に重要なポイントである「基幹
改良CO2削減率」、「CO2削減対策」および「CO2削減効
果の検証」について詳述する。
2.基幹的設備改良の主要ポイント
基幹改良の主たるポイントを以下に列記し、合わせ
てその内容に関して簡単に述べる。
表1 ごみ焼却施設の稼働年数別分布1)
7
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
図1 基幹改良事業に関する循環交付金利用の流れ
良工事に伴う排出削減量、つまり改良工事前後のCO 2
排出量の変化となる。
2)施設の稼動に必要なエネルギー消費相当分が基準
が、Q&A集 3 ) の付表には詳細な対策事例が示され、
対象および対象外となる設備・機器が区分されている。
これらの詳細については、「4.CO2削減対策と対象区
分」を参照されたい。
4)CO2削減効果の検証
CO 2 削減効果を評価するために、本事業では、原則
として設計値ではなく実測値を利用することが謳われ
ており、この点も大きな特徴の一つである。詳しくは、
「5.CO2削減効果の検証方法」において述べる。
5)全連続運転化
交付要件の中では、「基幹改良事業後は全連続運転を
行うこと」とされている。バッチ運転(8時間/日)
や准連続運転(16時間/日)施設を全連続化すること
により、毎日の焼却炉の立上下げ時に使用する化石燃
料に起因するCO 2 排出量を削減しようとするものであ
る。ただし、沖縄県、離島地域、奄美群島、豪雪地域、
半島地域、山村地域及び過疎地域は、対象外となって
いる。
図2 基幹改良CO2削減率の定義解説
定義の基本式を具体的に表現すると上記のようにな
る。
分母は電力消費相当分と化石燃料使用相当分の和、
つまり施設の稼動に必要なエネルギー消費に起因する
部分だけが含まれている。分子では、発電や熱供給に
よる削減量が考慮されていて、分母と分子で異なった
概念が適用されている点が特徴的である。
発電量が多い大型施設ではCO 2 排出量がマイナスと
なる場合もあり、施設規模や発電の有無によりCO 2 削
減率の式の分母が、マイナスからプラスまで幅広く変
動することになる。このような事態を避け、水噴射炉
や発電施設を同じ条件で評価するために、分母では発
電や熱供給による削減量を考慮しないものとして定義
された。
3)ごみ焼却由来分は考慮しない
ごみの焼却に由来するCO 2 排出量、つまり、ごみ中
のプラスチック類などの燃焼に伴い発生する部分は考
慮されていない。この部分は、ごみの排出抑制努力の
問題であり、基幹改良事業と直接関連するものではな
3.基幹改良CO2削減率
今回適用された「基幹改良CO 2 削減率」は、独特の
定義がなされている。以下に、その特徴的なポイント
を整理しながら説明する。
CO図1 基幹改良事業に関する循環交付金利用の流
れ削減率の定義の基本式は次のとおりである。
基幹改良CO2削減率[%]
1)改良前の施設全体のCO2排出量が基準
上式の分母に注目してほしい。削減率の基準は、
個々の設備や機器ではなく、基幹改良前の管理棟を含
む当該施設全体の年間CO 2 排出量である。分子は、改
8
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
いとして除外されている。
4)ごみ焼却施設では薬品使用によるCO 2 排出量は考
慮しない
ごみ焼却施設においては、運営のために必要な薬品
使用によるCO 2 排出量は、排出量全体に占める割合が
非常に小さいため考慮されていない。ただ、し尿処理
施設の場合は、その割合は決して小さくないため考慮
されている。その一方で、し尿処理施設では、発電や
熱供給による削減分は除外されている。このように、
ごみ焼却施設とし尿処理施設で異なった定義となって
いることも、大きな特徴の一つである。
もに示され、実施面で直接役立つように整理されてい
る。特に、表の最右欄の「対策の目的および効果」が、
CO 2 削減対策として有効か否かを判断する際に重要と
なってくる。
今回の基幹改良事業において、設備・機器が交付対
象となるか否かに係るキーワードは、次の3点である
ことに留意する必要がある。
① 地球温暖化対策に資するものに限る
② 機能向上、改良
③ 単純更新(交換)や改造は不可
表3において対象となっているものは、直接的また
は間接的に上記3つの条件を満たしているものである。
「同一機器への単純更新」は対象外である。また、土木
建築設備において、「太陽光発電の採用」や「風力発電
の採用」が除外されているのは、ごみ焼却施設の機能
として直接必要とされているものではないとの判断で
ある。
基幹改良事業は、施設や地域の事情により多様なも
のとなることが予想され、マニュアル2)やQ&A集3)に
示されている対策事例以外にも多くの方策が実施され
るものと思われる。エネルギー回収や省エネルギーに
関連する様々な方策の組み合わせと積み重ねにより、
CO2排出量の大幅な削減が期待される。
4.CO2削減対策と対象区分
ごみ焼却施設におけるCO 2 削減対策は、エネルギー
回収対策と省エネルギー対策に大別される。エネルギ
ー回収対策は、ごみの持つエネルギーを可能な限り回
収し、回収したエネルギーを効率的に発電等に有効利
用する方法である。また、省エネルギー対策は、施設
の機能を維持しつつ、燃料や電力の消費量を削減する
方策である。表2に、それぞれの対策に関する技術要
素、対策内容を整理して示している。
また、さらに具体的な対策事例が、Q&A集3)の付表Ⅰ
として示されている。表3は、その一部を抜粋したも
のである。これらは、交付対象か対象外かの区分とと
表2 CO2排出量削減対策に関する分類
9
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
表3 基幹改良事業に係る具体的な対策事例の一部
5.CO2削減効果の検証方法
③ 1日当たりのごみ処理量 [トン/日]
④ 1日当たりの消費電力量 [kWh/日]
⑤ 1日当たりの燃料使用量 [kL/日]
⑥ 1日当たりの発電量 [kWh/日]
⑦ 1日当たりの熱利用量 [kJ/日]
基幹改良工事前にこれらのデータを事前に準備し、
工事終了後の引渡し性能試験において、同じ項目のデ
ータを整理する。改良工事の前と後で、それぞれ単位
ごみトン当りのCO 2 排出量を算出して、次の段階で年
間量に換算し、これらの数値を用いて最終的に基幹改
良CO 2 削減率が計算されることになる。ここで、注意
しなければならないのは、改良工事の前後で運転方式
が変わった場合の年間値への換算方法である。運転方
式に変化がない場合は、年間運転日数を用いて換算す
る。間欠運転方式から全連続運転方式へ変更する場合
は、運転日数ではなく、年間の総ごみ焼却量を用いて
換算する必要がある。具体的な計算方法については、
マニュアル 2) の中で表計算を使用して詳しく説明され
ているので参照されたい。
今回の基幹改良事業では、実測値による削減効果の
検証が求められている点も大きな特徴の一つである。
改良事業によるCO2削減効果を大別すると、
① 機器や設備の性能向上に起因するもの
② 性能向上等に係る工事と炉数調整など年間運転方
法の工夫とを併せたもの
という2種類に分類できる。ほとんどの場合は①に
該当し、引渡し性能試験等の実証データを利用して検
証が可能となる。一方、②の場合は、性能向上に関す
る部分は性能試験による実証データを利用できるが、
その他の部分は長期間の確認作業が必要となるため、
早期の効果検証ができないことになる。このような場
合には、性能試験による実証データに加えて、設計値
を用いた運用想定計算にて代用することとされている。
図3にCO 2 削減効果の検証手順を示す。削減率の算
出には、次の7項目の実績値と関連するCO 2 換算係数
が必要となる。
① データ採取期間 [日]
② 1日当たりの連続運転時間 [時間/日]
10
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
図3 CO2削減効果の検証手順概要
6.おわりに
けて努力していく所存である。
以上、基幹的設備改良マニュアル をベースに、主
要ポイントを整理しながら、ごみ焼却施設における基
幹改良事業について解説してきた。前述したように、
基幹改良事業は、施設や地域の事情により多様なもの
となることが予想され、当初の考えを超える様々な問
題が発生する可能性を秘めている。環境プラントメー
カの集まりである当工業会ばかりでなく、環境省、自
治体、コンサルタント会社等、関連団体および関係各
位と協議を重ねつつ、今後ともより良い施設建設に向
2)
参考文献
1)
(財)日本環境衛生センター:平成21年度技術管理者
等スキルアップ研修会テキスト、p47、2009
2)環境省廃棄物対策課:廃棄物処理施設の基幹的設
備改良マニュアル、2010
3)環境省廃棄物対策課:廃棄物処理施設の基幹的設
備改良事業Q&A集、2010
11
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
廃棄物処理施設の基幹的設備改良
(し尿処理施設・汚泥再生処理センター編)
森川 則三
(社)日本環境衛生施設工業会 技術委員会副委員長 1.はじめに
型社会形成推進交付金」に加えられた。
し尿処理施設(汚泥再生処理センター含む、以下同
じ)において年次的な修繕補修が実施される中で、稼
働年数が経過するに従って修繕補修費は大幅に大きく
なる傾向がある。これは、運転当初まだ腐食や摩耗な
どが進んでいない時期と耐用年数を越え、腐食や摩耗
等により劣化が極度に進んだ時期では、修繕補修の内
容が異なることによる。すなわち修繕補修だけでは対
応できず、部分的な設備の更新をせざるを得ない状況
となることによる。
環境省は、長寿命化計画に従って延命化対策を実施
する際には、設備の交換等が伴うことから、効果的な
地球温暖化対策を講ずることが可能であり、そのよう
な基幹的設備改良(し尿処理施設を構成する重要な設
備や機器について、概ね10∼15年ごとに実施する大規
模な改良事業)を適正に進めることが、し尿処理施設
の長期的な保全を可能とする最善策であるとした。そ
れを支援する形で、平成22年度から一般廃棄物処理施
設(ごみ焼却施設又はし尿処理施設)の基幹的設備改
良事業に対し、交付率1/3又は1/2の措置が「循環
そこで本編では、基幹的設備改良が必要とされてい
るし尿処理施設の状況とし尿処理施設における主要な
設備(基幹的設備)ごとのCO 2 排出量、および基幹的
設備改良・改善技術によるCO 2 排出量の削減効果につ
いて記述する。
2.基幹的設備改良が必要とされるし尿処
理施設
環境省「廃棄物処理施設整備状況調査結果(H18年)」
から、し尿処理施設は1,051施設稼働していることが確
認できる。その中で、緊急に整備が必要と思われる15
年以上稼働している施設の中で1980年∼1995年に稼働
開始したし尿処理施設を処理方式別、施設規模別に図1に示す。
図-1 ’
80∼’
95年稼働を開始したし尿処理施設
12
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
めに、代替値(0.000561t-CO 2 /kWh)を使用するも
のとしている。
(2) 薬品に係るCO2排出係数
し尿処理施設では、多くの薬品を使用する。表-1
にそれら薬品に係わるCO 2 排出係数を示す。HAPの
リン回収の際には、苛性ソーダと塩化カルシウムを
使用する。また、MAPによるリン回収の際には、苛
性ソーダと水酸化マグネシウムを使用する。HAP、
MAPによるリン回収によって、工場にて生産する際
に発生するCO2排出量と等量のCO2排出量が回収でき
るとして、HAP、MAPに係わるCO2排出係数もリン
酸カルシウムからの換算値として加えている。
表-1 薬品に係るCO2排出係数
対象のし尿処理施設は全部で406施設である。これら
を施設規模で見ると20kL/d∼100kL/dに集中している
ことが見て取れる。また、し尿処理方式では、標準脱
窒素処理方式と高負荷脱窒素処理方式で占められてい
る。高負荷膜分離方式はまだ少ない状況である。
3.し尿処理施設における基幹的設備改良
事業とCO2排出量の試算
基幹的設備改良事業は、CO2削減率が3%以上のもの
には1/3の交付率を、また20%以上のものには1/2の
交付率としている。基幹改良CO2削減率の定義を示す。
1)基幹改良CO2削減率の定義
し尿処理施設における基幹改良事業に伴うCO 2 削減
率は下記のとおりである。
ここで、
*1)基幹改良前の施設全体のCO2排出量[t-CO2/年]
=電力使用によるCO 2 排出量[消費電力量kWh/
年×CO2排出係数t-CO2/kWh]
+化石燃料使用によるCO 2 排出量[化石燃料使用
量t,kL,m3/年×CO2排出係数t-CO2/t,kL,m3]
+薬品使用によるCO 2 排出量[薬品使用量kg,L/
年×CO2排出係数kg-CO2/kg,L]×10−3
*2)基幹改良事業に伴うCO2排出削減量[t-CO2/年]
=(改良前の消費電力量−改良後の消費電力量)
[kWh/年]×CO2排出係数[t-CO2/kWh]
+(改良前の化石燃料使用量−改良後の化石燃
料使用量)[t,kL/年]×CO2排出係数[t-CO2/t,kL]
+(改良前の薬品使用量−改良後の薬品使用量)
[kg,L/年]×CO2排出係数[kg-CO2/kg,L]×10−3
基幹改良CO 2 削減率は、し尿処理施設の運営に係る
基幹改良前後の電力、薬品および化石燃料の使用によ
るCO2排出量で評価する。また、そのCO2削減量は、年
間の削減量で評価するものとするとしている。また、
基幹改良工事でリン回収設備を増設する場合には、回
収されるリン化合物のCO2排出係数を用いて、CO2削減
量とすることができるとしている。
2)CO2排出係数
地球温暖化対策の推進に関する法律(以下「温対法」
という。)施行令および特定排出者の事業活動に伴う温
室効果ガスの排出量の算定に関する省令で規定される
係数とする。
(1)電力に係るCO2排出係数
電気に係わるCO 2 排出係数は、一般電気事業者の
実排出係数が0.000355t-CO 2 /kWh(関西電力)∼
0.000946 t-CO2/kWh(沖縄電力)と倍以上の差があ
るので基幹改良事業における地域間格差を無くすた
LCA実務入門編集委員会(1998)、LCA実務入門、
(社)産業環境管理協会より
*1(社)産業環境管理協会LCAデータベース
*2 リン回収により得られるHAP(Ca10(PO4)6(OH)2、
ヒドロキシアパタイト)とMAP(MgNH4PO4・6
H 2 O、リン酸マグネシウムアンモニウム)のCO 2
排出係数は、リン酸カルシウム(Ca 3 (PO 4 ) 2 )の
リン1kg当りのCO2排出係数よりHAP,MAP
それぞれに換算したCO2排出係数とする。
(3) 化石燃料に係るCO2排出係数
し尿処理施設で使用される燃料についてのCO 2 排
出係数を、表-2に示す。
表-2 燃料に係わるCO2排出係数
「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル」より抜
粋
*1:燃 料 の 使 用 に 関 す る 排 出 係 数 = 排 出 係 数 [ t C/GJ]×発熱量×44/12
13
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
表-3 し尿処理施設における設備ごとのCO2排出量例
*2:下線部数値は、地球温暖化対策の推進に関す
る法律施行令の改正に伴い変更(平成22年4
月1日より施行)
3)し尿処理施設におけるCO2排出量の試算
し尿処理施設における全体のCO 2 排出量の試算例を
表-3に示す。試算のし尿処理施設の規模は、し尿30k
L/d+浄化槽汚泥66kL/d=96kL/dである。し尿処理方
式は水処理が浄化槽汚泥対応高負荷膜分離脱窒素処理
方式、汚泥処理が汚泥乾燥焼却方式である。表-3に設
備ごとの電力量、薬品使用量および化石燃料使用量に
係わるCO2排出量を示す。
以上から、CO2排出量の合計は、2,334,293kg-CO2/
年(=2,334t-CO2/年)と算出された。電力量に係わる
ものが49.9%、薬品に係わるものが16.6%、化石燃料
に係わるものが33.5%を占めている。また、基幹的設
備ごとのCO2排出量の割合を円グラフで表したものが、
図-2である。CO2排出量の割合は、乾燥・焼却設備が
45%、硝化脱窒素処理設備が25%を占め、合わせて70%
を占めている。このことから、CO 2 排出量削減には、
上記基幹的設備に加えて12%を占める脱臭設備を含め
た基幹改良対策が有効であることが分かる。
このように、基幹的設備改良事業を進めるに当たっ
ては、これまでの施設の運転年報や精密機能検査報告
書などを参考にCO 2 排出量を試算することから作業開
始となる。
4.基幹的設備改良におけるCO2削減技術
2
し尿処理施設における基幹改良事業の交付対象は、
施設の延命化のために更新等を行う設備のうち、地球
温暖化対策(CO 2 削減対策)に資するものに限られて
いる。加えてこれら基幹改良工事に直接関連したもの
が含まれる。例えば、資源化設備であるリン回収設備、
助燃剤化設備等の増設、更新に伴う建屋の新設や必要
となる処理水槽の新設およびそれらに付随する配管設
備が含まれることになる。
具体的に交付対象設備となるための要件であるCO 2
排出量削減の中身である「電力使用量の削減」や「薬
品使用量の削減」および「化石燃料使用量の削減」技
術について説明する。
2
図-2 し尿処理施設の設備ごとのCO2排出量の割合
14
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
表-4 基幹的設備改良工事におけるCO2削減技術
15
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
5.基幹的設備改良工事によるCO2排出量
の削減率
削減率の検証は、あくまで引渡性能試験等の実証デー
タを利用して検証することになるので、留意する必要
がある。すなわち、引渡性能試験期間における消費電
力量と薬品使用量および化石燃料使用量をCO 2 排出量
に換算したもので評価することになる。
基幹改良事業において上記CO 2 排出量削減技術を適
用した場合の試算例を表-5に示す。
以上は適用試算例であるが、基幹改良事業によるCO2
表-5 基幹改良事業の適用試算例
16
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
廃棄物処理施設における長寿命化計画
下村由次郎
(社)日本廃棄物コンサルタント協会 はじめに
加など、予算上の厳しい制約
・職員数減少への対応や外部委託の増加など効率性の
追求
・納税者・利用者に対してアカウンタビリティや情報
公開の要求
この様な状況から、公的資産を戦略的・効率的にマ
ネジメントするアセットマネジメントが道路施設を始
めとして、様々な公共施設に導入されてきている。
この様な社会状況は廃棄物処理施設でも同様であり、
加えて廃棄物処理施設では市町村合併や広域化による
施設の大型化による建設費・維持管理費の大幅な増加
や、財政状況の問題から施設更新期間が15∼20年程度
であったものが20∼30年と長期化していることもある。
この様な状況の中、協会の廃棄物処理施設アセット
マネジメント検討専門委員会は、一般廃棄物処理施設
にアセットマネジメント導入の必要性があるかどうか、
そしてどの様な手法のマネジメントが効果があるかに
ついての検討を行ってきた。
一般廃棄物処理施設は、環境衛生上の廃棄物の適正
な処理だけでなく、廃棄物の発生抑制・資源の再利
用・再生利用・熱利用等を積極的に推進する中で、循
環型社会の形成と地球温暖化防止に貢献している。こ
れら一般廃棄物処理施設のうち、ごみ焼却炉はダイオ
キシン類対策等の環境保全対策の結果、高性能化が図
られ、施設数も広域化計画と市町村合併により大型化
と統合が進み、減少傾向にある。しかしながら「日本
の 廃 棄 物 処 理 平 成 1 8 年 度 版 」( 環 境 省 ) に よ れ ば
1,301施設、し尿処理施設1,051施設となっており、今
だに膨大な社会資本ストックを形成している。
一般廃棄物処理施設の特徴は、他の公共施設と比較
して耐用年数が短い上に、建設費・維持管理費も高い。
特にごみ焼却炉は、平成元年前後に稼動を開始した施
設が更新時期を迎えつつあり、その施設数も多い。一
方で、国及び地方の自治体の財政状況の厳しさはます
ます深刻化しており、既存の一般廃棄物処理施設を有
効活用するため、施設を効率的・戦略的に維持管理運
営する制度・手法の構築が急がれている。
2.一般廃棄物処理施設のストックの状況
平成18年度末現在でのごみ焼却炉は1,301施設であ
り、このうち停止した施設を除いたごみ焼却炉は1,174
施設ある。16年以上稼働している施設は555施設で全施
設の約50%、21年以上稼働している施設は330施設で全
施設の約30%となっている。基幹改造が必要となりつ
つある稼働後11∼20年経過した施設は511施設で全体施
設の44%と全体の半数近くとなっている。(図−1)全
連焼却炉では基幹改造が必要となりつつある11∼20年
経過した施設は、197施設と全施設の約33%である。
(図−2)
また、ごみ焼却炉の廃止時の供用年数と施設数は
図−3に示すとおりであるが、供用後20∼25年稼働し
廃止する場合が多い。これは他の公共施設が50∼100年
も供用するのに比べていちじるしく短い。
この様な状況から多くのごみ焼却炉に対し基幹改造
など早急な対応が必要な状況となっている。
1.一般廃棄物処理施設へのアセットマネ
ジメントの導入の必要性
従来、公的資産(インフラ、資金、人材)に対する
マネジメントでは、市民のサービス要求に対し、公的
信用力に基づく融資で予算化し、事業の実施(建設、
運営・維持管理)してきた。これに対し、公共事業サ
ービスを最大化するために関連する公的資産の戦略
的・効率的にマネジメント(管理、運営、新規投資)
することが社会から求められてきている。この背景に
ある社会状況として次のことが考えられる。
・公的施設の老朽化に伴い、計画的な運営・維持管理
の必要性の高まりと公共財・公的施設として計画的
機能・性能の維持管理の必要性
・厳しい財政状況による予算の制約、施設の老朽化、
施設の長期維持による運営維持管理費の増加やサー
ビス要求の多様化による新たなサービスへの予算増
17
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
3.廃棄物処理施設の運営・維持管理上の
特徴
廃棄物処理施設にアセットマネジメントの導入を検
討するうえで、留意すべき運営・維持管理上の特徴を
表−1に示す。ごみ焼却炉には多種多様の処理形態が
あること、多くの設備・機器で構成されること、多種
多様な故障が発生すること、メーカーへの技術依存度
が高い等、運営・維持管理上の特徴がある特殊な公共
施設である。
このため運営・維持管理を行う上で、豊富な知識と
経験が必要である施設とも言える。廃棄物処理施設に
アセットマネジメントを導入する上ではこの特徴を十
分に考慮する必要がある。
図−1 ごみ焼却施設稼働年数別施設数1)
4.廃棄物処理施設へのアセットマネジメ
ントの導入
一般廃棄物処理の事業内容、廃棄物処理施設の現状
と施設の運営維持管理上の特性を踏まえて、一般廃棄
物処理施設に導入して効果があるアセットマネジメン
トは何か検討を行った。対象としたアセットマネジメ
ントは、LCC型アセットマネジメント(ストックマネ
ジメント)、PPBS型(予算計画型)アセットマネジメ
ント、NPM型アセットマネジメントである。これらの
アセットマネジメントの概念を(図−4)に示す。
・LCC型(ストックマネジメント)アセットマネジメ
ント
社会資本の物理的な資産部分を対象とし て、新設コ
スト、維持コスト、更新コスト、拡張コストなどを合
計した生涯総費用に換算して、生涯総費用を最小化す
るための計画的な点検・管理・更新を行っていくもの
である。
日常の維持管理データから得られる劣化予測に基づ
いて、複数の対策案を計画し、LCCの最小化する手法
を選択する。
マネジメントの対象は同種の構造物で、維持管理の
合理性・必要性が説明できる。
・PPBS型(予算計画型)アセットマネジメント
予算配分を計画するシステムで、LCC型の発展型で
ある。異種の構造物で構成される構造物群がマネジメ
ント対象で、予算配分の合理性を説明するマネジメン
トである。
・NPM型アセットマネジメント
公共経営に民間的手法を取り入れる考え方の中で、
社会資本整備を投資として顧客に対する社会資本の価
値を最大化することを目指すマネジメントである。最
小の投資によって最大の価値を市民に提供することが
目的のため、施策や事業の調達方法の選択及びその実
行が重要視される。
これらのマネジメントについて目的、位置付け、対
象、マネジメント手法を(表−2)に整理する。
図−2 ごみ焼却施設稼働年数別施設数
(全連焼却施設)1)
図−3 廃止時の供用年数と施設数2)
導入が可能なマネジメントのうち、現時点では一般
廃棄物処理事業の状況、運営・維持管理上の特徴及び
環境省の廃棄物処理施設への長寿命化の推進のための
交付金制度による財政支援の導入状況から、廃棄物処
理施設に対しては維持管理の合理性の説明、予防保全、
長寿命化が期待できるストックマネジメントの導入を
図ることがまずは必要と考えられる。
5.廃棄物処理施設のストックマネジメント
ストックマネジメントは、ある特定の社会資本の物
理的な資産部分を対象とし、その新設リスト、維持コ
スト、更新コスト、拡張コストなどを合計したライフ
サイクルコストに換算して、生涯総費用を最小化する
方向で、計画的な点検・管理・更新を実現していくも
のである。
従来の保全計画では、基本計画の予算で中長期計画
18
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
表−1 廃棄物処理施設の維持管理上の特徴3)
図-4 社会資本アセットマネジメントの概念図4)
表-2 社会資本アセットマネジメントの類型5)
19
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
6.長寿命化計画
と整合を図りつつ日常点検・工事を行う。毎年予算を
設定し、管理を実行していくことになる。一方ストッ
クマネジメントでは、維持管理データの記録と保管と
定期的に機能診断の実施と施設状況の把握と記録を保
管し、その蓄積データと劣化原因の解析から設備・機
器の状況を評価する。評価結果から日常点検・機器別
管理基準等施設保全計画の見直しあるいは延命化計画
を策定する。全体の検討結果から延命化計画の策定と
改善対策の実行することになる。 (図-5)
廃棄物のストックマネジメントを実行性があり、ま
た効果的に行うためには長寿命化計画策定プロセスを
確実に実行することが重要である。
(図-7)
施設保全計画では、日常的な施設の運転・維持管理
は一般廃棄物処理計画等上位計画に基づいて措置され
た予算の中で、中長期施設整備計画との整合を図りつ
つ行う必要がある。
運転・維持管理を行う中でなお発生する突発的故障
について、発生部位、発生状況、原因、対策について
確実に記録・保管することとこれらデータをデータベ
ース化することが重要である。また、これらのデータ
に基づいて定期的に機能診断調査を実施することも必
要となる。
機能診断調査結果から蓄積した事故・故障及び整備
履歴から劣化原因・パターンの解析と照合し、各々の
設備・機器の状況を評価することになる。評価結果か
ら、施設保全計画の見直し・改善と日常点検方法、機
器別管理基準を適宜改善していくことが必要となる。
延命化計画の策定手順と検討内容を示す。
(図-8)
延命化計画では、維持補修計画・機能診断結果から
の耐用状況から機器の劣化予測を行い複数の整備スケ
ジュールを策定する。これらの複数の延命化計画につ
いてLCC解析を行い、コストの低減とCO 2 の低減策の
検討を行う。
劣化の予測は、周辺環境、使用環境、材料など複数
の要因が存在し定式化することが難しい。ごみ焼却施
設での劣化の予測は、ごみ焼却施設に設置されている
設備・機器の使用材質、保全方法、運転状況等により
施設毎に大きく異なるので、過去の補修・整備履歴や
故障の頻度などの実績データの蓄積から設備・機器毎
に劣化の予測を行うことになる。
運転管理における評価も含め、機器別管理基準に示
す診断頻度での評価を蓄積し充実させる中で劣化予測
図-5 機能保全プロセス2)
また廃棄物処理施設の長寿命化を図るために施設の
設備・機器の性能水準が管理水準以下に低下する前に
機能診断を実施し、機能保全対策を実施し、補強・機
能回復を図ることが重要である。
(図-6)
図-6 性能劣化曲線と管理水準2)
20
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
おわりに
の精度を高めることが必要である。
ごみ焼却施設でのLCC解析では複数の具体的整備計
画案によるLCC解析を行い最適な延命化計画を策定す
る必要がある。
劣化を予測して対策するのではなく、目標性能水準
を決定し、継続的に機能検査を行い劣化の状況を把握
してこまめな対策を行うことが必要である。
結果を踏まえて更に検討を行い、施設保全計画の見
直し・改善と延命化対策の立案・実施を行っていくこ
とが、廃棄物処理施設の長寿命化を進めるうえで大変
重要である。
廃棄物処理プラントを構成する設備機器や部材は、
一般に高温・多湿な状況に暴露されたり、汚染物質と
の接触により腐食しやすく、また機械的な運動により
磨耗しやすい状況下において稼働することが多いため、
廃棄物処理施設にストックマネジメントを導入して実
行性をあげるには、他の公共施設と異なり性能の低下
や磨耗の進行が早く、施設全体としての耐用年数が短
いという特性にどの様に対応してマネジメントを行う
かが重要である。
また、現在の廃棄物処理施設の状況を考えると、ス
トックマネジメントの導入が必要である。しかしなが
ら、廃棄物処理施設は他の都市施設と異なり、特殊機
能や設備といった多くの特殊な施設群で構成されてい
ることや、住民サービスの面で住民との接点が強いこ
とから、将来的には予防保全的なマネジメントから複
数の構造物に対する予算計画型マネジメント、あるい
は社会資本の優先順位、住民の視点に立った整備、情
報公開・説明責任を伴うなどのNPM型マネジメントに
展開していくことも必要である。
―参考文献―
1)
(財)廃棄物研究財団;廃棄物処理施設における
ストックマネジメント導入手法調査、平成21年12
月9日
2)環境省;「廃棄物処理施設長寿命化計画作成の手
引き(ごみ焼却施設)
」
(暫定版)平成21年6月
3)寺嶋均;「廃棄物処理プラントの維持管理技術の
現状と課題」、環境技術会誌No.131より抜粋引用
(2008)
4)
(社)土木学会編;「アセットマネジメント
導入への挑戦」
(2005年11月)
小澤一雅;「インフラ管理者の責任と課題」(河
川 2008-8月号)
中村裕司;「資産運用に着目した社会資本のア
セットマネジメント」
5)環境省;「廃棄物処理施設長寿命化計画作成
の手引き(ごみ焼却施設)」(暫定版)平成22
年3月
図-7 長寿命化計画策定プロセス
(施設保全計画・長寿命化計画)2)
図−8 延命化計画の策定に向けた基本的な流れ5)
21
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
ごみ焼却施設での長寿命化への取り組み
亀尾 徹
東京二十三区清掃一部事務組合施設管理部施設課長 1. 東京23区におけるごみ焼却施設の現状
増加したが、不燃ごみが64%減少し、ごみ総量では約
10%減少することとなった。また、この間、プラスチ
ック類の資源回収量は3倍以上に増加した。
このようなごみ処理の経緯をたどってきた東京であ
るが、大都市であることもあり、平成22年度において
も、約283万トンの可燃ごみを20のごみ焼却施設(表−
1参照)で処理することとしている。
東京23区部の可燃ごみ量は、経済成長や人口集中か
ら、平成元年まで増加の一途をたどってきた。そのた
め、平成元年からは、ごみ減量キャンペーンの展開、
平成3年から「ごみ減量化行動計画の策定」、平成9年
から「東京スリムプランによる東京ルール」」等の施
策を行い、可燃ごみの発生量を減少させてきた。しか
し、それでもごみ焼却処理能力が追いつかず、平成9
年までは、可燃ごみも一部を埋立処分しなければなら
ない状況が続いた。(図−1参照)
表−1 <清掃一組のごみ焼却施設一覧>
(注)二次処理量とは、不燃及び粗大ごみ処理から発生する可燃系残さ等を
含めて焼却処理した量を示す。
図−1 可燃ごみ発生量と焼却量の実績
平成12年度以降は、各区が一般廃棄物の収集・運搬
を行い、中間処理は、23区が共同で設置した東京二十
三区清掃一部事務組合(以下「清掃一組」という)で
処理することとなった。
各区は、東京都時代からの事業を引き継ぎながら、
更なるごみ減量化に取り組んできた。特に、平成13年
からは、国が制定した「循環型社会形成推進基本法」
に基づく施策を推進し、また、平成18年からは、埋立
処分場の延命化と資源有効活用の観点から、清掃一組
と共同して、従来、不燃ごみとしていた廃プラスチッ
ク類等を可燃ごみへ区分変更、いわゆる「廃プラスチッ
クのサーマルリサイクル」を実施した。その結果、平成
20年度には、平成17年度と比較して可燃ごみ量は7%
22
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
(1)時代の要請による改造での寿命
現在のごみ焼却施設の基礎が構築されたのは、昭和
39年に建設された大阪の西淀清掃工場とされている。
その後の焼却施設の維持管理をみると、他プラント
(化学プラント等)とは異なり、処理物(燃料)が変化
するため、燃焼管理や維持補修に多くの課題を抱えて
運転してきた。特に、環境意識の高まりに伴う社会的
な要請行動が起こり、設備の延命化対策にも影響した
時代があった。例えば、ダイオキシン類対策として
「高度の機能を有する排ガス処理設備の設置」の構造基
準強化を受けて、電気集じん器からろ過式集じん器へ
の設備変更を行った。その結果、電気集じん器は寿命
を待つことなく、役割を終えた。
表−2に時代の要請によって改造した主な設備を列
記した。
また、この間、ごみ焼却施設は、安全・安定運転の
継続と環境対策に重点を置き、施設を維持管理すると
ともに、長寿命化対策等も施してきた。その結果、過
去、最も長寿命化だったのは、旧世田谷清掃工場の約
34年(昭和44年∼平成14年)である。
2. ごみ焼却施設の寿命とは
ごみ焼却施設は、静脈産業の代表施設といえる。社
会が発展し、社会環境が変わると、その静脈に持ち込
まれる廃棄物も変化している。このため、プラントの
寿命決定にも様々なケースが発生することとなる。過
去における施設全体の経年的な故障停止度は、他のプ
ラントと同様に、図−2のようなバスダブ曲線となっ
ているが、各設備の寿命には、種々の条件が絡み合う
こととなる。
(2) ごみ質変化による寿命変更
ごみ焼却処理施設の近代化が始まった昭和40年代前
半は、厨芥ごみが中心で、ごみの低位発熱量は
5,000kJ/kg程度であった。その後、プラスチック類の増
加により発熱量が上昇し、焼却施設の耐火物や煙道等
が影響を受けたことから、プラスチックを不燃ごみと
して分別収集した(昭和48年度)。また、バブル景気時
代(昭和60年代)には、事務所等から出る紙類が目立
つようになり、ごみの低位発熱量も8,000kJ/kgを超える
ようになった。(図−3参照)
(備考)故障停止度=(Σ故障件数×休止週数)÷稼働工場数
図−2 ごみ焼却施設における稼働年数と故障停止度実績
表−2 時代の要請による改造
23
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
図−3 東京23区における可燃ごみの低位発熱量の推移
の耐用年数を一律に定めることが困難な状況があ
る。機器の耐用年数の決定には、過去の補修・整
備履歴等から予測しているが、使用条件等が大き
く変化するときは、常に見直していかなければな
らない。
(表−3参照)
表−3 各設備における更新実績
ごみの低位発熱量が急激に上昇すると、設計条件を
外れた焼却施設は、焼却量を下げざるを得なくなる。
このため、昭和40年代に建設したごみ処理施設は、プ
ラント全体の寿命に至らなくても、焼却能力を確保す
るために、建替えを余儀なくされることとなった。
(3)設計・施工不良による寿命
竣工から5年目位までは、設計・施工不良による故
障が発生し、設備の改造を余儀なくされることがある。
その対応としては、建設時の瑕疵項目を整理しながら、
補修・改造することとなるが、このような工事は、で
きる限り減らしていかなければならない。
瑕疵責任に関しては、建設メーカと発注者の間で意
見が相違する場合がある。ごみ焼却施設の発注者とし
ては、建設段階において「特記仕様書」に下記のよう
な項目を明記して建設時の責任を明確化している。
<プラント工事の瑕疵担保範囲>(参考)
ごみ焼却施設は、全体の寿命を25∼30年とした
とき、すべての設備・機器部品が25∼30年間連続
的に使用できる設備・機器はない。このため、各
設備・機器を設定した耐用年数まで機能を維持さ
せ、維持管理していくこととなる。
例えば、ごみ焼却施設では、竣工してから10年
位経過すると、多くの設備に腐食・磨耗等が進み、
設備機能が低下する。このため、各設備の機能を
見ながら、また、その時の機器状態と今後の状態
予測を加味しながら、交換工事を進めることとな
る。
電算機器などは、モデルチェンジが頻繁である
ため、使用部品の調達が難しくなる。このような
機器は、機器の推定寿命と保全コストを比較・検
(4)経年劣化による寿命
ごみ処理施設の経年劣化には、各設備の劣化と施設
全体の劣化がある。
① 各設備の経年劣化に対する対応
都市部におけるごみ焼却施設は、焼却に伴う環
境負荷を最大限に低減させる必要性があることと、
地域への熱供給及び発電によるエネルギー回収を
徹底しているため、ごみ焼却施設全体では機器点
数が多い施設となっている。また、各設備はごみ
質の変動の影響と高温かつ腐食環境へのばく露具
合の違いなど、使用条件に差違が出るため、機器
24
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
特集:廃棄物処理施設の長寿命化計画
頼性の確保を視野に入れた検討をしていくべきと考える。
そのための具体策としては、次のような改造項目が
挙げられる。
① ボイラの高温・高圧化に取り組むと同時に、ター
ビンの効率を高め、発電効率を向上させる。
② 排ガス量を低減させ、所内使用エネルギーの低減
を図る。
③ ボイラ蒸気熱においては、発電以外の熱利用を含
め、地域での効率的なエネルギー利用を推進する。
④ 高効率焼却に向けた、火格子及びボイラ水管等の
延命化技術の向上を進めながら改造する。
なお、これらの検討に対しても、総合的な費用対効
果を見定めていかなければならない。そのためには、
従来のライフサイクルコストがどの位かかるのかを把
握した上で、比較・検討しなければならない。
<清掃一組のライフサイクルコスト>
清掃一組では、定常的に実施する定期補修工事と各
設備の寿命にあわせて計画的に設備機器を交換する整
備工事がある。
定常的に実施する定期補修工事費用を経過年数別に
まとめると図−4のようになる。
討した上で、設備全体の更新を進めている。この
ように、設備の更新には種々の条件やパターンが
あるため、特定の設備だけを単純に機能向上させ
ても、施設全体の長寿命化には直接に繋がらない
ことがある。
維持管理の現場では、まず、予定される交換サ
イクル時期まで機能を維持させるための予防保全
に取り組むとともに、日常的な点検を含む運転管
理技術や補修技術の向上に努めているが、今後は、
長寿命化の視点を取り入れた維持管理も取組まな
ければならない。
② 施設全体での経年劣化に対する対応
ごみ焼却施設は前述したように各設備が組み込
まれた複合設備である。このため、各設備の耐用
年数を見極めて、各々に交換していくと、更なる
長寿命化が図れるようにも考えられる。清掃一組
では、ごみ処理施設をどこまで延命化できるか、
また、どの部分がプラント全体の寿命に影響する
かを調査したことがある。
その結果は以下のとおりであった。
(表−4参照)
表−4 ごみ焼却施設の劣化度調査
以上の調査結果から、材料学的には25∼30年の
使用では問題は起きないが、これを更に延命化す
るとなると、構造や総合機能上の劣化度が問題に
なる。このため、ごみ焼却施設においては25∼30
年程度が最適であると位置づけている。
なお、施設の経年劣化の進行状況は、竣工から
の維持管理の質に大きく左右される。大規模改修
を行うかどうかの判断は、能力回復の程度や設備
の陳腐化等(省力化、省エネ対応度等)を含めた
その後の維持管理費と、改修費のコスト比較が重
要となる。
(注)25年程度以上で工事費が低下しているのは、更新計画に伴い投資費
用を削減させることによる。
図−4 定期補修工事費の推移
定常的な工事費は、ごみ質や燃焼管理手法が変わる
と変動するものであり、これ以外にも「表−3」に記
載したような整備工事費が上乗せされる。なお、これ
らの経費は建設時の技術レベルや経験の違いなどでも
変わってくるため、各都市・各施設でデータ化し、運
用していくべきと考える。
4. おわりに
ごみ焼却施設は、都市の廃棄物を最も衛生的にかつ
効率的に処理する施設であり、区民にとっては共有の
財産である。この共有財産であるごみ処理施設を安全
で安定的に稼動させた上で、コストを考えた性能維持
を長期にわたり確保することが、清掃一組の使命であ
る。
今後、清掃一組は、ごみ焼却施設を計画的かつ効率
的に管理していくために、ごみ焼却施設の稼動状況及
び保全状況を的確に把握・評価するなどして、「ごみ焼
却施設の長寿命化への取組」を一層強化していく。
3. 長寿命化計画の策定
ごみ焼却施設の長寿命化には、劣化度の速い設備・
機器を改善する技術と、焼却施設全体の劣化度を改善
する総合対応技術(大規模改修等)が必要となる。劣
化度の速い設備に対する改善技術は、日常の適正維持
管理での対応で可能と考える。
大規模改修にあたっては、ただ単にプラントを延命
化するという視点ばかりでなく、今後は、温暖化対策
や低炭素社会の実現に配慮しながら、コストメリットや信
25
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
特 集 2
「アジアの3R」
わが国は、循環型社会を国際的に推進する「3Rイニシアティブ」の一環として、国連機関等と連携
し、アジア諸国における3R国家戦略の策定を支援しています。今回、各機関における、3Rを中心と
した支援状況について、ご寄稿いただきました。
アジアにおける3Rを通じた循環型社会の構築
…………………………………環境省地球環境局環境保全対策課 課長補佐 新田 晃 27
「JICAによる廃棄物管理における国際協力の取り組みアジア3Rを中心として」
………………………独立行政法人 国際協力機構(JICA)地球環境部次長 森 尚樹 31
ベトナム・ホイアン市の3Rの取り組み−草の根技術協力の成果
…………………………………株式会社ダイナックス都市環境研究所 所長 山本 耕平 35
「川崎発グリーンニューディール 川崎市における環境技術による国際貢献の取り組み」
………………………………………………川崎市環境局地球環境推進室 室長 福芝 康祐
26
39
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
アジアにおける3Rを通じた循環型
社会の構築
環境省地球環境局環境保全対策課
新田 晃
課長補佐 1.アジア3R推進フォーラム
(2)設立会合
環境省と国連地域開発センター(UNCRD)は、「ア
ジア3R推進フォーラム設立会合」を2009年11月に東京
で開催した。会合には、日本、バングラデシュ、ブル
ネイ、カンボジア、中国、インドネシア、ラオス、マ
レーシア、モンゴル、ミャンマー、フィリピン、韓国、
シンガポール、タイ、ベトナムのアジア15ヶ国から、
廃棄物及び3Rに関する関係省庁の大臣や担当者らが出
席した。また、3Rに関する取組や途上国の支援を進め
ている16の国際機関、援助機関及び研究機関等が参加
した。
会合では、アジアにおける3Rの課題と取組について、
各種の廃棄物管理の状況や課題、3R国家戦略の策定を
進めている国の状況、国際機関による途上国支援の取
組、研究者・産業界・地方自治体・NGO等の取り組み
について、参加者による活発な議論がなされ、大谷信
盛環境大臣政務官の全体議長の下で「アジア3R推進フ
ォーラムの設立についての東京3R宣言」が参加者によ
り合意された。東京3R宣言の主な内容は以下のとおり。
(1)経緯
アジアの途上国においては、人口増加、都市化の進
展、経済の急成長などにより、廃棄物の発生量が増大
するとともに、これまでの有機廃棄物中心のごみから
プラスチックが増加するなど廃棄物の質についても多
様化し、廃棄物の適正処理が困難な状況となっている。
また、資源の需要の増大に伴う環境負荷の低減に向け
て、生産・消費における資源の利用効率の向上や天然
資源の利用抑制のための廃棄物を循環資源として利用
することの拡大が求められている。
しかしながら、各国では、廃棄物の適正処理や3Rに
関する法制度が未整備で、中央・地方政府の組織・人
材等の体制・能力も十分でないことが、循環型社会の
構築に当たっての大きな課題となっている。こうした
状況においては、各国政府が、廃棄物の適正処理や3R
の概念と意義に係る国内の関係者の理解を促進し、国
ごとの事情に応じて段階的かつ効率的に循環型社会構
築に向けて取り組むための国としての戦略を策定する
ことが有効である。我が国は、循環型社会構築を国際
的に推進する「3Rイニシアティブ」の一環として、国
連機関等と連携し、アジア諸国における3R国家戦略の
策定を支援してきており、今後は各国における国家戦
略の着実な実施を支援・促進していくことが重要であ
る。また、戦略、制度の策定を踏まえて3Rの実践的行
動の実施が重要である。このためには、行政による適
切な政策推進と共に、3Rに関わる市民、民間などあら
ゆる主体の参加、協力が必要となっている。
こうしたことから、我が国は、アジアの途上国にお
ける廃棄物の適正処理や3Rの推進による循環型社会構
築に向けて、各国政府、国際機関、援助機関といった
多様な関係者が協調した取組を進めていくための基盤
となるものとして「アジア3R推進フォーラム」の設立
を、2008年10月にハノイで開催された東アジア環境大
臣会合において提案し、各国の賛同を得た。
【東京3R宣言のポイント】
アジア3R推進フォーラムの主な目的
・3Rに関するハイレベルによる政策対話の促進
・各国における3Rプロジェクト実施に向けた国際機関
との連携促進
・3R推進のための優良事例や手法、技術、政策手段の
共有
・多様な利害関係者のネットワークの発展
・3R国家戦略の普及
アジア3R推進フォーラムの長期及び短期の優先事項
・国家の発展・開発に関する議論において3Rを統合化
すること
・3R活動の実施のため、二国間・多国間援助機関と協
力して資金投入を確保すること
・廃棄物管理に関する人材を育成すること
27
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
を継続的に開催していきたいと考えている。
昨年11月の設立会合においてマレーシアのコン・チ
ョー・ハ住宅地方自治大臣から、次回会合をマレーシ
アで開催したいとの表明がなされ、参加者の賛同が得
られた。これを受けてアジア3R推進フォーラム第2回
会合は、2010年10月4∼6日にマレーシアのクアラル
ンプールで開催される予定となっており、日本国環境
省、マレーシア住宅地方自治省及びUNCRDにより開催
準備が進められている。
また、来年開催予定の第3回会合について、シンガ
ポールから開催したいとの希望が示されている。
3Rの実施にあたっては、適切な政策・制度の導入が
不可欠である。アジア各国における3R国家戦略の策定
とその実施を支援していくことが必要である。各国政
府における取組推進のため、各国間の政策対話やアジ
アにおける政府間会議においても3R推進に向けた政策
議論の進展が望まれる。
アジアへの3Rの普及推進のため、国政府のみならず、
地方自治体、民間事業者、NGO等幅広い主体によるフ
ォーラムへの参加拡大に取り組んでいくこととしてい
る。昨年11月の設立会合では、会合の前日にNGOによ
るアジア3R推進市民フォーラムが開催され、日本、中
国、韓国、インドネシアのNPO/NGO(16団体)が出席
し、NGOによる3Rの取組の紹介、今後の協力の進め方
等について議論された。その結果、「アジア3R推進市
民フォーラム」ステートメントを採択し、アジア3R推
進フォーラム設立会合において報告を行った。NGOに
加え、今後は民間事業者、地方自治体等が幅広く議論
に参加することができるようになっていくことが期待
される。
・コベネフィットを含む3Rの総合的な有益性の理解を
促進すること
・EPR(拡大生産者責任)といった効果的な政策メカ
ニズムを発展、実施すること
・エコタウンのような取組による適正なリサイクルの
ための産業の能力を育成すること
・廃棄物管理と3Rのための環境上適正な技術の開発と
移転を進めること
・3Rに関する情報共有と研究ネットワーク化を進める
こと
アジア3R推進フォーラムの下での当面の活動
・ハイレベルによる政策対話の定期的な開催
・援助機関との緊密な連携の下で、3Rに関するプロジ
ェクトの実施の促進
・既存の3R情報・研究ネットワークとの協力
・公的部門と民間双方の資金調達、参加を含む、3R事
業の導入可能性調査の推進
・アジアの適正な物質循環に関する先進的な政策連携
科学研究を国際的協力により実施
・3Rに焦点を当てた国際的な研修プログラムのような
手法による能力開発
その他
・他の国及び機関からのアジア3R推進フォーラムへの
参加の歓迎
・フォーラムの下に支援専門家グループを設け、政策
対話を支援
(3)今後の取り組み
東京3R宣言にあるように、アジア3R推進フォーラ
ムの下で、ハイレベルによる政策対話の定期的な開催
が求められていることから、アジア各地において会合
また、途上国における3Rの実践的行動を拡大するた
めには、まず、国際機関、援助機関による各国におけ
28
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
た地域的な取組の設立に期待を寄せているところであ
る。
る3Rプロジェクト実施の支援が必要である。アジア3
R推進フォーラムでは、参加各国における3R実施に向
けた課題と、国際機関・援助機関等による途上国支援
の取組について、相互に情報共有を行っており、フォ
ーラムにおける対話の機会等を通じ、具体的な支援プ
ロジェクトの実施につながることが期待される。
さらに、エコタウンの普及等による民間企業による
3R関連事業のアジアへの展開についても重要な課題で
ある。今後は民間企業の参加により、事業者との情報
の共有が進み、官民連携による3Rの実施が望まれる。
なお、こうした具体的な事業の実施にあたっては、
3Rと温暖化とのコベネフィットの展開が温暖化対策の
観点からも有効である。CDM等によるコベネフィット
の取り組みの事例や方法についてアジア3R推進フォー
ラムにおいて今後紹介されていくことが考えられる。
アジア3R推進フォーラムには、支援専門家グループ
が設けられ、フォーラムにおける政策対話を支援して
いくこととなっている。アジアにおいては3Rの政策導
入の基礎となる科学的知見がまだ十分ではなく、国際
的な共同研究による、アジアの課題、3Rの便益、3R
政策の導入手法等の実施が求められる。
このため、資源利用に伴う環境負荷の低減・有効利
用を促進する科学的知見を充実するため、アジア太平
洋地域における科学的能力の向上等を目的に設立され
た「アジア太平洋地球変動研究ネットワーク」(APN)
では、今年度から資源循環をテーマにした国際共同研
究への支援を行うこととなり、多数の研究グループか
ら研究公募への応募があったところである。
アジア3R推進フォーラムは、廃棄物・3Rの推進に
向けた地域的な取り組みとして世界で初めてのもので
ある。3Rの世界的な広まりにより、こうした各国が協
力した取組を支援する地域的な協力は有効なものと考
えられる。我が国は、アジア3R推進フォーラムの取組
を世界全体にアピールし、紹介することにより、アメ
リカやアフリカなど世界の他の地域においてもこうし
2.日中韓3ヵ国環境大臣会合
日本、中国、韓国の3ヵ国の環境大臣は、毎年環境
大臣会合を開催し、3ヵ国間の環境国際協力の推進に
ついて議論を進めるとともに、本会合の下での協力の
取り組みを進めている。
2010年5月に北海道で開催された第12回日中韓3ヵ
国環境大臣会合において、今後5ヵ年の3ヵ国の環境
協力について10の分野毎に目的と行動を示した「三ヵ
国共同行動計画」が策定された。共同行動計画は、同
月に行われた日中韓サミットに報告され、計画実現に
向けた協力推進が合意された。
共同行動計画において、3ヵ国は、環境にやさしい
社会/3R/循環型社会の形成に向けて政策形成及び技
術協力に関する協力を強化することを目的とし、日中
韓3Rセミナーによる政策協議や、日中韓3R 情報共有
システムの構築を引き続き推進し、3Rのベストプラク
ティスや知見を共有していくこととなった。
3.川崎市と瀋陽市の環境にやさしい都市
構築に向けた協力
2009年6月に両国の大臣(日本側・環境大臣、中国
側・環境保護部長)が川崎市と瀋陽市の間の循環経済
に係る協力を支援する覚書を締結した。この覚書の下
で、日本の廃棄物・リサイクル分野の法制度・政策、
エコタウンに関する知見や経験を提供する政策交流、
国立環境研究所の研究活動を通じた研究交流、資源循
環技術に関する情報の共有等による官民連携の促進な
どが進められることとされた。
これを受け手、本年3月に、日中関係者間の情報共
有、意見交換を行うためのワークショップを日本国環
29
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
(1)途上国、特に廃棄物処理を担っている市や町のレ
ベルにおいては、政策、制度の実施能力、財政、技術
面からの課題が多く挙げられる。このため国際社会と
して途上国の市や町の取組を支援するための新たなグ
ローバルパートナーシップを構築すべきである。また、
生産や消費段階における取り組みを進めることが廃棄
物発生時の対策につながることと同様に、廃棄物に対
する意識を変えることが必要となっている。
(2)廃棄物管理の体制を構築するためには、法制度の
整備など、政策面の強化が重要。
(3)資源と廃棄物両方の課題への対応のため、統合的
な廃棄物管理の推進が重要である。このため日本の循
環型社会づくりに向けた取り組みのように、国による
計画的な取り組みが必要である。
(4)日本のイニシアティブで進められているアジア3
R推進フォーラムのような地域レベルの取組は、南米等
他の地域においても進められる必要がある。
(5)本会合の結果が2010年5月に開催される国連持続
可能な開発委員会第18回会合に日本からインプットさ
れることを期待。また、日本が2011年のCSD第19回会
合へのインプットとなるような会合(国連持続可能な
廃棄物管理会合:予定)を2011年初めに開催すること
を計画していることが歓迎された。
議長サマリーはCSD18へ提出するとともに、CSD18
会合中に日本から紹介し、CSD18での廃棄物管理に関
する議論の進展に役立てられた。
さらに、来年のCSD19に向けた会期間会合として
2011年1月に閣僚級の参加も得て「国連持続可能な廃
棄物管理会議」を開催することとしており、アジアか
ら世界に向けた3Rの取組を発信していくとともに、
1992年の地球サミット後20年の取組について議論する
ため2012年にブラジルで開催される国連持続可能な開
発会議へつなげられることが期待される。
境省、中国環境保護部の共催で中国北京市及び瀋陽市
で開催するとともに、川崎市エコタウン事業の瀋陽市
への事業展開の実施可能性及び事業展開の検討の進め
方について検討し、中国側と情報を共有した。引き続
き、同覚書に基づく協力を推進していくこととしてい
る。
4.国連持続可能な開発委員会
地球サミットで採択された「アジェンダ21」の取組
状況を審査している国連持続可能な開発委員会(CSD)
では、2010年から2011年にかけて「廃棄物管理」をテ
ーマの一つに取り上げることとしている。本年5月に
ニューヨーク国連本部で開催されたCSD第18回会合
(CSD18)では、主に各国における取組の進捗状況の評
価が議論され、これを受けて、来年開催されるCSD第
19回会合(CSD19)では、今後の重点分野や政策の方
向が議論されることとなっている。
このため、環境省と国連経済社会局(UNDESA)及
び国連地域開発センター(UNCRD)は協力して、
CSD18に向けた会期間会合として2010年3月に専門家
レベルでの「国連持続可能な廃棄物管理会議準備会合」
を東京で開催した。
会合には、各国政府担当者、地方自治体、廃棄物関
係民間企業、地域コミュニティ、国際機関、専門家等
約90名程度が参加し、竹本地球環境審議官の全体議長
の下、世界各国各地における廃棄物管理の課題、廃棄
物管理における官民連携、統合的な廃棄物管理の推進
のための3R・資源循環の推進を含む革新的な取組の3
つの議題について議論され、結果文書として議長サマ
リーがとりまとめられた。
議長サマリーの主な内容は以下のとおり。
30
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
「JICAによる廃棄物管理における国際協力の取り組み
アジア3Rを中心として」
独立行政法人 国際協力機構(JICA)
森 尚樹
地球環境部次長 はじめに
③ 廃棄物の処理という側面のみならず、3Rの側面
も開発途上国の管理能力にあわせて支援を行い、
日本政府が主導している循環型社会の国際展開に
貢献する。
国際協力機構(JICA)は日本政府の政府開発援助
(ODA)担う機関として開発途上国のさまざまな開発ニ
ーズに対応して協力を行ってきている。廃棄物管理に
関しては1990年代末ころから協力を始めており、近年、
その支援ニーズが高まってきている。
2008年10月に新JICAが発足し、それまで実施してき
た技術協力とともに、無償および有償(円借款)によ
る資金協力も業務に統合された。廃棄物管理において
も、都市を対象としたマスタープランづくり、組織強
化そして最終処分場等の整備というかたちで、計画策
定、人材育成から施設整備までを包括的に支援する体
制を強化している。
本稿では、JICAの廃棄物管理の協力方針とともに、
廃棄物の減量化、再利用、リサイクル(3R)の国際協
力が具体的にどのように実施されているのかベトナム
の事例を紹介したい。
以上の方針に基づいて国際協力を実施するにあたり、
特に留意する事項として3点挙げたい。
第1点は、日本の経験や技術の適用である。例えば、
多様な利害関係者が連携・協力して実施している3R活
動、あるいは最終処分場における準好気性埋立の技術
は、日本において豊富な経験とノウハウがあり、これ
らを開発途上国の実情にあわせて導入していくことが
有益なものと考えられる。
第2点は、社会的弱者の配慮である。開発途上国で
は捨てられたごみから有価物を集め生計を立てる貧困
者(ウェイスト・ピッカー)が多く存在している。家
庭等において分別収集が進むことでウェイスト・ピッ
カーの生活の糧が奪われる側面もある。廃棄物管理プ
ロジェクトではこのような社会的側面にも配慮し、対
応策を検討しておく必要がある。
第3点は、温暖化ガス削減対策とのリンケージ強化
である。最終処分場からのメタンガスの利用あるいは
準好気性埋立等によるメタンガス発生量の削減などを
プロジェクトに組み込むことが考えられる。また、廃
棄物の発生量そのものをおさえることが温暖化ガスの
削減にもつながるところ、3R活動、とりわけReduce
が重要であり、そのための啓蒙活動をプロジェクトの
コンポーネントに含めることが重要である。
JICAが協力している廃棄物管理プロジェクトは、中
1.JICAの廃棄物管理に関する協力方針
廃棄物の問題は、公衆衛生、環境汚染、地球温暖化、
そして貧困の問題にも関わる開発課題であるため、こ
れに対処する行政部門も複数の部局にまたがり、一般
的にその責任分担や部局間調整が難しい。更に、急速
な経済成長を遂げつつある開発途上国では、廃棄物の
量が急増するのみならず、その質も大きく変化してき
ている。このため、開発途上国において廃棄物の適切
な処理・管理が追いつかない状況が顕在化しつつある。
JICAの廃棄物管理の協力方針は、以下3点に要約で
きる。
① 廃棄物問題に対応するためには行政部門のみなら
ず、廃棄物を排出する消費者、廃棄物を製造、販
売する業者など多くの利害関係者が参加し役割を
担う必要がある。よって、各利害関係者がそれぞ
れの役割を認識し、課題対処能力を向上させる支
援を行う。
② 廃棄物管理は、「収集・運搬」→「中間処理(減容
化、資源回収等)」→「最終処分」というプロセス
から成っている。それぞれのプロセスが適切に行
われるために必要となる制度、技術、人材育成等
を強化するための支援を行う。
写真1 インドのウェイスト・ピッカー(子供達)
31
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
とする3Rの取り組み準備を行うことを目的に、2006
年から2009年の3年間にわたる技術協力が行なわれ
た。
具体的には、①ハノイ市内の4地区(1万8,000世
帯)を対象に生ごみ分別収集・コンポスト化モデル
事業の実施、②分別収集と3Rに関する同地区住民・
ハノイ市民への環境教育・普及啓発の推進、③ハノ
イ市全域に分別収集を拡大する戦略ペーパー及び行
動計画の作成、から構成されている。
プロジェクトの目標はハノイ市において分別収集
を基調とする調和の取れた3Rの取り組みの準備が整
うことであり、上位の中長期的な目標はハノイ市に
おいて3Rが実施され、循環型社会が形成されること
を目指すものである。
この協力を実施するため日本側からの投入として
は、①専門家の派遣(循環型社会システム計画、固
形廃棄物管理計画、住民参加型環境活動計画、コン
ポスト需要拡大、分別収集・リサイクルモデル事業、
広報、財務分析など11分野)、②機材の供与(分別用
コンテナ、家庭用分別用容器など)、③累計20人以上
の研修員の受入(本邦研修2回、第三国(タイ)研
修1回)などが行なわれた。
プロジェクトの成果としては、以下が挙げられる。
最終処分場への家庭ごみ搬入量に対する減量率に
ついては、モデル事業4地区のうち2地区が目標値
の30%を超えてそれぞれ37%と32%に達している。ま
た、モデル地区住民の衛生状況改善に関する認識度
は、4地区とも目標値の50%を上回った。
モデル事業地区住民の事業に関する認知度では、
モデル事業4地区とも目標値の80%をほぼ達成してお
り、ごみ問題に関する意識の向上が著しい。また、
メディアによる本プロジェクトの報道回数は、目標
値の30回を大幅に上回る300回以上を記録し、3Rに
参加したボランティアや市民団体の活動回数は目標
値の10回を超え14回に達しており、積極的な広報戦
略と環境教育の効果が着実に現れた。
モデル事業や3Rの概念を普及させる目的で、プロ
ジェクトでは開始直後に有識者や政府・行政機関、
民間団体、企業、マスコミ、モデル事業地区の代表
などのメンバーからなる「3Rスターズ」が設立され
た。また、3R普及に関するワークショップや会議の
開催数と参加者数は、目標値の累計6回30人を大幅
に上回り6回500人だった。
ハノイ市全域に分別収集を拡大する戦略ペーパー
については、「3Rスターズ」等の参加のもと作成さ
れた。これらを踏まえ、ハノイ市政府は3Rを条例化
するため、現行のハノイ市廃棄物条例の改定を行っ
た。
モデル事業の成功により他都市からの高い関心・
注目を集め、ハノイ市のモデル事業の経験を学びた
国、モンゴル、アセアン各国、バングラデッシュ、ス
リランカなどのアジア諸国の他に、サモア、パラオ、
フィジーといった大洋州諸国、あるいは、ブラジル、
エルサルバドル、キューバなどの中南米諸国など多数
にのぼる。
次章では、これらのなかでも、特に3Rに焦点を当て
たベトナムのプロジェクトを紹介する。
2.ベトナム「循環型社会形成に向けての
ハノイ市3Rイニシアティブ活性化支援プ
ロジェクト」
(1)プロジェクトの背景
ベトナムでは、近年の急速な社会経済の発展や都
市化の進展に伴い環境汚染が顕在化している。首都
ハノイ市の都市ごみの発生率は1日1人あたり約750
グラム、回収率は約70%だが、公共道路上の未回収の
固形廃棄物や湖沼への不法投棄などにより、排水不
良や地下水の汚染を誘引している。
このような問題に対応するため、ハノイ市では
2020年までに廃棄物の30%を循環的に利用するという
国家環境戦略のもと、固形廃棄物のリサイクル運動
を推進しようとしているが、有価物の回収がインフ
ォーマルな廃品回収者などに限定されている現状で
ある。
ベトナム政府は、2020年までに工業国化・近代化
を確立するという国家戦略の中で環境保護政策の強
化を掲げ、その中で「3Rイニシアティブ」の理念が
同政策の中で重要課題の1つとして位置づけられて
いる。行政機構面については2002年に天然資源環境
省が設立されているが、地方自治体とともに環境対
策を推進するための技術や管理能力、行政能力とも
に不足するなど、多くの阻害要因があり十分な効果
は得られていない。このような状況からベトナム政
府は、国際的に「3Rイニシアティブ」を提唱し廃棄
物管理に対して豊富な技術と実績を持つ日本政府に
対して、2005年に技術協力の要請を行った。
写真2 ハノイ市の廃棄物最終処分場
(2)プロジェクトの概要と成果
本プロジェクトは、ハノイ市都市環境公社をカウ
ンターパート機関とし、ハノイ市で分別収集を中心
32
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
境保全宣言を打ち出し環境保護団体の代表として紹
介されるなど大きな関心を集めた。
また、3R推進のため関係組織や関係者がメンバー
なって創設された「3Rスターズ」は、3R推進のた
めの行動計画や戦略ペーパー、生ごみの分別収集実
施ための計画マニュアルを様々な角度から協議する
重要な場として機能した。さらに「3Rスターズ」は、
3R推進運動を支援する社会的意思として「3Rスタ
ーズ宣言」をハノイ市政府副議長の署名により採択
し、ひいてはハノイ市廃棄物条例の改正についても
活発な議論をし、3R推進に大きな役割を果たした。
「3Rスターズ」「3Rボランティアクラブ」「3R
サポーターズ」にみられるように、本プロジェクト
が開始当初から様々な関係者の参加やパートナーシ
ップの構築を重視した戦略をとった点がプロジェク
トの成果を高めた一因といえる。
(3)今後の課題と教訓
今後の課題についても触れておきたい。
ハノイ市において生ごみ分別収集を拡大していく場
合、コンポスト残渣の最終処分場までの輸送コストは
大幅に増加する可能性がある。すなわち、現在の日量
40∼50トンの受け入れ体制から、生ごみ分別収集の拡
大に伴い最大受け入れ量である日量210トンになった場
合のコスト増とコンポストの販売・利用の便益増など
も含め、コンポスト事業を総合的に分析する必要がある。
また、ハノイ市全体にモデル事業の展開を図る場合、
関係機関に散在している廃棄物管理に関するデータや
いとダナン市をはじめ視察団が数多く訪れている。
プロジェクトの関心はベトナム国内にとどまらず、
日本の国立環境研究所とベトナムの調査・研究機関
の間では、モデル事業に関する共同調査・研究を行
うことが予定されている。
この他、モデル事業の進展に伴いモデル地区住民
とごみ収集作業員の関係が改善し互いに協力的、友
好的になり、その結果として、差別的な扱いを受け
ることがあった収集作業員やプロジェクトのカウン
ターパートであるハノイ市都市環境公社の社会的認
知が進んだことも成果として挙げられる。
これらの成果が得られた理由は多様な要素が考え
られるが、そのなかでも、3R の推進役の存在がひ
とつの鍵であったと考えられる。具体的には以下の
とおりである。
生ごみの分別収集と環境教育のモデル事業実施の
際は、カウンターパートや収集作業員との密な連
携・調整はもちろんのこと、地区人民委員会や「3R
サポーターズ」とよばれる自治会長と女性連合や青
年同盟のメンバー、地区住民、環境教育のモデル校
教員、「3Rボランティアクラブ」の学生ら関係者と
の会合が頻繁に開催され、進捗や効果の確認や課題
について開かれた形で協議をしてきた。
特に、「3Rボランティアクラブ」は若者の3R推進
運動の牽引役となり、パイロット事業地区住民やハ
ノイ市住民の3Rに関する意識啓発や「もったいない
精神」の普及に貢献したほか、環境保護団体とのネ
ットワークを構築し、これらの団体とベトナムの環
写真3 モデル事業の実施前後のごみ廃棄の様子
(上段:事業前、下段:事業後)
写真4 ハノイ市3Rキャンペーン用に作成されたテレ
ビ・コマーシャル(上段)とPR商品(下段)
33
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
情報を集約し、ハノイ市全域の廃棄物フローの実態を
把握し、現状分析を行う必要がある。あわせて、官庁
のみならず民間企業やリサイクル産業を含むハノイ市
全体としての廃棄物処理のキャパシティを把握するこ
とが不可欠である。
更に、本プロジェクトが実施した生ごみ分別収集・
コンポスト化事業は、循環型社会実現のための1つの
コンポーネントにすぎず、有価物のリサイクルや発生
源のごみ減量など他のコンポーネントとの望ましい組
み合わせについても検討していく必要がある。
このため、中長期目標であるハノイ市全体で3Rの取
り組みが実施されるためには、全体の枠組み、羅針盤
となるハノイ市廃棄物管理に関するマスタープランの
策定が必要不可欠である。
本プロジェクトを通じての教訓としては以下が挙げ
られる。
モデル地区関係者を対象に頻繁な協議やモニタリン
グ活動、広報活動の実施を通じてモデル事業への積極
的な参加を促すと同時に、「3Rボランティアクラブ」
が、若年層の3Rや環境問題に関する関心や興味をひき
つけ、「3Rスターズ」がプロジェクトから明らかにな
った3R推進に必要な課題について幅広い関係者を動員
し層の厚い知見を集約して政策決定機関に提案する役
割を果たした。このような市民参加が促進された結果
として、様々なプロジェクトの効果やインパクトの発
現につながったと考えられる。また市民の関心や声が
大きくなるにつれて、政策決定者にとって決して無視
できない存在になりつつあることも事実である。これ
らプロジェクトの経験は、幅広い関係者の動員と参加
促進が3Rイニシアティブを効果的に実施するのに有効
なアプローチであることを示している。
一方で、本プロジェクトの生ごみ分別収集とコンポ
スト化事業方式の導入は、ベトナムでほとんど初の試
みであり、プロジェクトの試行錯誤の経験の検証には、
技術面や社会面はもちろんのこと、経済・財務面の観
点からの総合的な分析が必要不可欠である。プロジェ
クトの当初計画には、分別収集とコンポスト化事業の
経済・財務分析が含まれておらず、このことが、現実
的な内容の戦略ペーパーの作成により多くの時間を割
かざるを得ないことに影響したと推測される。すなわ
ち、戦略ペーパー等において3R導入にかかる経済・財
務的な分析結果が明瞭であれば、政策決定者の積極的
な関与を取り付けやすい。このように、3R推進の検討
には経済・財務的な視点が不可欠であることがプロジ
ェクトから導ける教訓といえる。
写真5「3Rボランティアクラブ」
らが主催した「もったいない
フェア」
(上段)
と
「3Rスターズ」によるワークショップ(下段)
要であるとの認識も広まりつつある。これは、環境省の
働きかけでアジアを中心として国際展開している3Rイニ
シティブの政策対話などが功を奏したものと言えよう。
JICAとしても、日本政府による3Rイニシアティブ
を国際協力プロジェクトのなかに具体的に取り込み、
実現していく努力を継続していくことになる。その際
には、ベトナムの事例にもあるように、モデル事業等
を通じて、行政が多様な分野からの参加を促し、彼ら
が協働し、かつ主体的に行動していくアプローチが重
要であると認識している。
一方で、3Rの導入のためには、それを支える基本的
なキャパシティ、具体的にはごみの収集・運搬、最終
処分場での処理などがある程度適切に実施できる体制
が存在していることが必要と考えられる。そのキャパ
シティなども踏まえて、当該国でどのような3R活動が
適切かを検討していくことが重要である。
また、モデル事業という限られた地域での成功が国
レベルまでに普及していくシステムも重要である。モ
デル事業の成功の要因を整理し共有できるものにする、
3Rのコスト便益分析を通じ3Rのメリットを定量的に
明らかにする、モデル事業の段階から中央政府が参加
する、などが考えられる。
しかし、理想的には、3Rを「健全な循環型社会を構
築する」うえでのひとつのアプローチであると捉え、
「循環型社会の構築」を国民運動として位置付け、これ
を行動に移していくという国家的意志が不可欠であろ
うと思われる。このために、JICAとしてもプロジェク
トを通じた経験を整理し、環境省が展開する政策対話
とも引き続き協力していきたい。
3. おわりに
開発途上国において廃棄物管理のニーズは益々高ま
ってきており、その際に、廃棄物は有用な資源である、
あるいは廃棄物の減量化を前提とした廃棄物管理が必
34
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
ベトナム・ホイアン市の3Rの取り組み−
草の根技術協力の成果
株式会社ダイナックス都市環境研究所
山本 耕平 所長 はじめに
政職員等の研修事業と専門家派遣による支援を行って
いる。
なお草の根技術協力事業とは、国内のNGOや大学、
地方自治体等がこれまでに培ってきた経験や技術を活
かして企画した、途上国への協力活動をJICAが支
援し、共同で実施する事業のことで、本件の場合はJ
ICA沖縄になる。
いずれの都市も人口増や大量消費型ライフスタイル
への移行、環境意識の低さ、廃棄物管理計画策定の遅
れなどから廃棄物問題が顕在化している。沖縄は観光
地であることや気候などの面でこれらの地域と共通点
が多い。那覇市に拠点を置く沖縄リサイクル運動市民
の会は、那覇市と連携して環境教育やレジ袋削減など
に多大な成果を上げてきていることに加えて、農家と
タイアップして生ごみ飼料化を事業化するなど長年に
わたって3R活動を先導する役割を果たしてきている 。
こうした官民協働の取り組みを「那覇モデル」と名付
けて、アジアの類似都市への技術協力に取り組むこと
になったものである。
具体的には、毎年それぞれの都市の行政やNGOス
タッフを沖縄で研修し、その成果の点検と助言のため
に専門家を派遣するという形で進めている。プログラ
ムには、沖縄のごみ処理や3Rの取り組みの実例を学
ぶほか、沖縄リサイクル運動市民の会が開発したごみ
教育プログラムである「買い物ゲーム」 のファシリテ
ーター研修、家庭での生ごみコンポストの実地研修な
どが組み込まれている。研修場所の沖縄国際センター
の片隅で、研修生が毎日食堂から生ごみをもらってき
て段ボールコンポスト(段ボール箱を利用した生ごみ
堆肥化)をつくるなど、NGOならではのユニークな
研修も好評である。
こうして沖縄で学んだことがどのように活かされて
いるのか。ホイアン市でみた成果を紹介しよう。
JICAがベトナムのハノイで展開している3Rプ
ロジェクトは、ベトナムの各都市がもっとも注目して
いる事業の一つである。経済成長著しいベトナムでは、
都市部の廃棄物の増加が国家的課題になっている。J
ICAの資料によると、2003年時点においてベトナム
全体で1年間に発生する廃棄物は1,500万トン、うち
1,280万トン以上がホーチミン市やハノイ市を含む都市
から発生している。これらの廃棄物は、約30%が回収
されずに道路上に放置されたり湖沼等に不法投棄され
たりして、環境汚染を招いているという。そのためベ
トナム政府は、廃棄物対策を重要課題と位置づけてい
る。
このような国家戦略に基づいてハノイ市は3Rの取
り組みをスタートさせており、JICAではこれを支
援するために2006年から生ごみ分別収集とコンポスト
化や環境教育の技術協力プロジェクトを実施している。
本稿で紹介するホイアン市の例は、実はハノイの事
例とは何の関係もない。廃棄物関係のODAのモデル
の一つとされているハノイに対して、ホイアンはNG
Oによる草の根技術協力の事例で、専門家が乗り込ん
で現地機関に技術と資金を提供して進める国際援助と
は異なり、現地機関の人材を養成して日本の経験やノ
ウハウを持ち帰ってもらい、地域の実情に応じた取り
組みを促すという取り組みだ。
筆者は、今年(2010年)の1月に実施主体である沖
縄のNGOのテクニカルアドバイザーとして現地を見
学し、当局の担当者や現地の住民の人たちと意見交換
をする機会を得たので、見聞したところを紹介したい。
1.固形廃棄物3R啓発推進プログラム(那
覇モデル)の概要
この事業は「固形廃棄物3R啓発推進プログラム」と
題され、JICAの「草の根技術協力事業」として
2008年から2011年までの3年間実施されている。実施
主体は沖縄リサイクル運動市民の会と那覇市で、ベト
ナム・ホイアン市とマレーシア・コタキナバル市の行
2.ホイアン市の概要
ホイアン(Hoi An)市はベトナム中部の港湾都市ダ
ナンの南30kmほどに位置する港町で、中国人街の古い
35
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
は有料で月に1万ドン(日本円で約50円)。担
当者が毎月、各家庭を回って集金している。
収集作業は「ホイアン公共事業会社」が行
っており、パッカー車8台と手押し車40台を
保有する。手押し車は旧市街地の車が入れな
いところでの収集を行うためのものである。
分別はほとんどされておらず、混合した状
態で排出される。容器も特に定められていな
い様子で、適当な容器や袋に入れて出されて
いる。観察したところ、ごみの中身はほとん
どが生ごみで、プラスチックの袋や包装材が
目立つ。PETボトルなどの容器類は資源回収
人に売却するか、ごみとして出されたものは
たいてい誰かが持ち去っている様子である。
収集したごみはそのまま郊外の埋立処分場
に搬入される。処分場は9,000カ所あるが、平
地にオープンダンプ方式で覆土はほとんど行
われていない。したがって堆積したごみの山
が7∼8mになっている。
処分場には途上国の例にもれず、資源物を回収する
人がいる。ただしホイアンの場合は、近郊の農家など
許可を得たものだけがアルバイト的に行っているとい
うことで、数名の人影が確認できただけであった。
ついでながら、中部の大都市ダナンは人口が約80万
人もいるだけあって、処分場はオーストラリアの援助
でつくられた汚水処理施設を備えた本格的なもので、
医療廃棄物と塗料などの有害廃棄物の焼却炉も2基あ
る。一般廃棄物は市内にコンテナが6,000個設置されて
いて、反転式のパッカー車で収集する。作業は公共事
業公社が行い、公社の従業員は1,000人もいるというか
ら、こちらは先進国並みだ。
これに対してホイアンは町が小さいために全体的に
ホイアン市のシンボル「日本橋」
建築が残り、その歴史的な町並みが1999年に世界遺産
に登録された。16世紀の阮朝の都・フエとの外港とし
て栄え、日本の朱印船が寄港した町である。当時、ホ
イアンには大規模な中国人街や日本人街が形成され、
ホイアン市のシンボルとして知られる屋根付き橋(来
遠橋)は日本人が建設したといわれ、日本橋とも呼ば
れている。郊外には日本人の墓地もあり、市の人民委
員会委員長によると未だに現地の住民によって祀られ
ているという。
人口は10万人に満たないが、100万人近い観光客が訪
れる。海辺のリゾートとしても知られている。市街地
はコンパクトで小さく、郊外は農業地域である。沖合
にはチャム島という3,000人くらいの人口の島がある。
廃棄物の担当は政策を担当する天然資源局と収集を
担当する土木公社である。ベトナムの行政組織は中央
政府の下にハノイ、ホーチミン、ダナンな
どの中央直轄市と省があり、中央直轄市や
省の下に郡、県、市があり、さらにその下
に町村がある。各地方行政単位には、地方
議会としての役割をもつ人民評議会
(People's Council)と地方行政機関としての
役割をもつ人民委員会(People's Committee)
が設置されている。天然資源局は人民委員
会の執行機関ということになり、市長に相
当するのが人民委員会委員長である。
3.ごみ処理の現状
ホイアン市ではほぼ毎日、家庭ごみの収
集が行われている。観光客が多い旧市街地
は1日3回収集している。市の説明による
とごみの排出量は日量45トンである。市街
での収集はパッカー車やトラックで行われ
ており、基本的に各戸収集である。ごみ収集
ホイアン市の埋立処分場
36
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
したごみを船で本土に運んで処理されている。ホイア
ンから船で1時間足らずの距離だが海が荒れることも
少なくないため、ごみ減量は大きな課題である。さら
にプラスチックバッグが海に流れて浜に打ち上げられ
たり、海洋生物の生態系にも影響が出かねないという
問題もあった。
沖縄県では沖縄リサイクル運動市民の会などの働き
かけもあって、全国でも早い時期からレジ袋削減に取
り組み、主要スーパーでは全県有料化を実施している。
このような沖縄の取り組みに啓発された研修員が、帰
国後すぐにチャム島でのレジ袋全廃に着手した。具体
的には2009年の5月に説明会を40回開催し、学生ボラ
ンティアを使って各家庭のごみの調査を実施するなど
の取り組みを通して住民の意識啓発を図った。その後、
各家庭には2個ずつ買い物かごを配布して、市場での
プラスチックの袋の利用を禁止した。現地では市場の
買い物には全員が赤い買い物かごを持ち、肉や魚を包
む包装材にはバナナの葉っぱなどの自然素材が使われ
ていた。
結果、島内ではプラスチック袋はほぼなくなり、海
岸に打ち上げられる袋がほとんどなくなったという。
またごみの量も大幅に削減されたと担当者は評価して
いる。
遅れている。処分場はほとんど「ごみ捨て場」で、汚
水処理もされていない。ごみの中身は生ごみとプラス
チックだ。古紙やペットボトル、缶、びんなどはほと
んど出ない。民間でリサイクルされているということ
だろう。目立つのは食品の袋などと生ごみである。フ
ランスの支援でコンポスト工場建設の計画があるとい
うことだが、生ごみとそれ以外のごみをどう分別する
かが課題である。焼却に対しては「環境を汚染する」
というイメージが強く、市として導入する考えはない
ということであった。
ホイアン市は2015年までにごみ量を30%削減する目
標を掲げている。また3R推進のために環境教育を推
進するとしており、施設や制度面は不十分でありなが
らも、3Rを政策の指針として掲げていることについ
ては感心した。
4.チャム島のプラスチック袋を使わない
プロジェクト
チャム島はホイアンから東へ約19kmの場所にあり、
総数8つの島からなるチャム諸島(Cu Lao Cham)で
最大の島である。最近まで軍の管理下におかれていた
ため、原生林が生い茂る豊かな自然が残されており、
最近ホイアンからチャム島を訪れるツアーが人気を集
めているという。
チャム島の人口は約3,000人で、主に漁業で生計を立
てている。チャム島周辺は海洋保護プロジェクトの保
護海域に指定されており、ごみ問題にも特に関心が高
い地区でもある。
ベトナムでも商品の包装にはプラスチック袋(いわ
ゆるレジ袋)が多用されており、この島でも市場で使
われるほか、観光客の持ち込みなどで処理に困ってい
た。ちなみにチャム島にはごみ処理施設はなく、収集
5.家庭でのコンポストの普及
ホ イ ア ン 市 の 職 員 の 説 明 の 中 で 、「 Before OKINAWA」「After OKINAWA」などと言う言葉がたび
たび出てくることに驚いた。沖縄研修の前と後という
意味である。「研修の前はこうだったが、研修で学んで
このように改善した」という意味で使われる。その
After OKINAWAのもう一つの例が、家庭での生ごみ
コンポスト化である。
沖縄の研修では沖縄国際センターに滞在中
に段ボールコンポストを実地に体験するとと
もに、那覇市の職員宅のコンポストなどを見
学するプログラムがある。段ボールコンポス
トではコンポスト化容器として段ボールを利
用する。容器代がかからないことと紙が水分
を吸って水分調整の役割も果たす。水分調整
材としてもみ殻を加えて毎日適度に攪拌する
と分解が促され、きれいな堆肥ができる。コ
ツさえつかめば簡単な方法で、研修生は一様
にこの方法に感激するという。日本には家庭
用のコンポスト容器があり、かなり普及して
いるということを学んで、ホイアン市ではモ
デル地区で実験を実施している。
モデル地区は2009年9月から60世帯でスタ
ートし、400世帯を目標とし、結果を見てさら
チャム島の市場の入り口にはプラスチック袋削減のスローガンが描い に拡大する計画になっている。バケツの底に
水抜きの穴を開けた特製の容器を各家庭に3
てある
37
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
ただそれをどうやって解決していくのか、その道筋
がみえない。海外の援助頼みという本音も見える。「ハ
ノイの次はぜひ我が町へ」という言葉をダナンでもホ
イアンでも聞かされた。ハノイの3R支援事業はベト
ナムの各都市にとって垂涎の的のようだ。
行政が下流の処理体制を整えることが重要であるこ
とは論を待たないが、施設が整備されると問題は解決
するという思い込みが大きな問題だ。
日本橋の下を流れる小さな川は白濁して異臭を放っ
ている。問題を指摘しても下水道が完備しないことが
原因だという。日本でも同様の経験をしてきたが、そ
の対策としてできるだけごみを排水に流さないように
することや、排水路をこまめに清掃することなど、家
庭や地域での取り組みも重要であることを知っている。
言い換えれば、市民の環境意識の向上と小さな行動の
積み重ねが大事であると言うことをわれわれは学んで
きた。こうした経験を伝えることも、国際協力にとっ
ては重要なことだ。
沖縄リサイクル運動市民の会が3Rの草の根技術協
力として行ってきたことは、まさにこのような視点と
ソフトな技術であり、短期間に目を見張るような成果
をあげている。今後の技術協力の一つのあり方として
評価できよう。
個ずつ配布し、家庭から発生する生ごみを堆肥化する。
人民委員会委員長も自宅で行っており、簡便でごみ減
量効果が高い方法だと手放しの評価だった。
大規模なコンポストプラントが建設される予定だが、
生ごみだけを分別する習慣をつけるという意味でも、
家庭でのコンポスト化は有効だというのが、当局の見
解である。技術系の職員がベトナムの気候にあった方
法を研究しており、マニュアル化して全市普及に努め
る方向だという。
6.エコシティ・ホイアンの課題
After OKINAWAとしてホイアン市が動き出そうと
しているのは、次は環境教育である。
「買い物ゲーム」のプログラムは、すでにマレーシア
版がつくられて現地のNGOなどが実施している。買
い物の仕方が日本とホイアンでは違うので、まだこの
プログラムは実践されていないが、2010年まで買い物
ゲームを含めた環境教育プログラムを作成して教師の
研修を行い、2011年から全校で実施する予定だ。
ホイアン市は2009年12月にエコシティを宣言して、
環境問題への取り組みを市政の重要課題として位置づ
けた。具体的な方策として、①天然資源と環境を大切
にする、②プラスチック袋の削減、③家庭での生ごみ
の堆肥化、④環境教育の推進、⑤事業ごみの適正処理、
⑥市民への3R意識の啓発などが提案されている。こ
れらの施策メニューは沖縄で学んだ成果だということ
だ。
ちなみに廃棄物関係以外では、⑦環境情報システム
の構築、⑧交通環境(特にばいじんなど)対策、⑨旧
市街地の騒音対策(カラオケ、車・バイクの騒音など)
、
⑩公害発生源となっている工場の郊外移転、⑪雨期の
浸水地区の対策、⑫緑地保全、⑬海岸の浸食対策、⑭
生活排水対策、があり、政策の柱として14項目があげ
られている。
i 沖縄リサイクル運動市民の会の活動および那覇市
の廃棄物政策との関係については、「日本の3R制
度・技術・経験の変遷に関する研究」(平成20年度廃
棄物処理等科学研究報告書)p105「4.3Rにおけ
る市民活動の変遷と政策形成における役割」を参照
されたい。
ii プログラムの詳細は「Eco・エコ 買い物ゲームム
ごみを減らす体験学習プログラム」(山本耕平、古
我知浩、福岡智子著、合同出版刊)を参照されたい。
8つの容器包装全てのリサイクルの疑問に答える
小冊子「リサイクルの基本」
3R推進団体連絡会・編
全21ページ
ガラスびん
PETボトル
● 紙製容器包装
● 飲料用容器(紙パック)
● 段ボール
● プラスチック
● スチール缶
● アルミ缶
● ● 下記のURLからダウンロードできます
http://www.3r-suishin.jp/kihon.html
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
「川崎発グリーンニューディール 川崎市に
おける環境技術による国際貢献の取り組み」
川崎市環境局地球環境推進室
福芝 康祐 室長 1. 川崎市の概要
といった情報通信大手企業の中核的研究施設をはじめ、
高度な環境保全技術を有するJFEスチールや調味料
の味の素、飲料製品のサントリーなど、世界的な事業
展開を行っている大企業が拠点を有している。また、
高い基盤技術力を持つ中小企業も集積しており、高度
な技術による部品の調達が容易となっている。
外資系企業は115社であり、そのうち、デル、トイザ
らスなど83社は本社機能を有しており、これは全国で
5番目の規模を誇っている。川崎の産業の大きな特徴
は、単なる工場群の集積ではなく、産業技術及び研究
開発機能が集積していることである。民間企業、大学
等の研究開発機関が200か所以上集積し、世界最先端の
研究開発機能集積都市として発展している。
また、市内従業者総数に対する学術研究開発機関に
働く人数の比率は日本一になっており、川崎は「日本
の頭脳が集う街」と言えるものと考えている。
川崎市は首都圏の中央に位置し、面積は144.35キロ
平方メートル、東京と横浜に隣接し2010年の羽田空港
再拡張・国際化により、アジアの人・もの・情報の交
流拠点を目指している。人口は142万人であり、人口増
加率と生産年齢人口比は大都市の中で最も高くなって
いる。市内総生産額は、約4兆6,500億円、国内総生産
の約1%を占めている。
市内の主要な産業は、鉄鋼、電子、機械、石油など
の製造業、情報・サービス業であり、製造業の割合は、
他の大都市に比べて圧倒的な割合で第一位となってお
り、川崎は「ものづくり」の技術に支えられた工業都
市ということができる。
2. 市内産業のポテンシャル
市内には、NEC、キヤノン、東芝、富士通、日立
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
3. カーボン・チャレンジ川崎エコ戦略
5. 川崎エコタウンの取組 2009年2月、川崎市は、企業、市民、行政など様々
な主体が一丸となって地球温暖化対策に取り組むため、
「カーボン・チャレンジ川崎エコ戦略」を発表した。こ
の戦略は、環境と経済の調和と好循環をめざした地球
温暖化対策を基本的な考え方とし、第一は、産業都市
川崎の特徴と強みを生かした環境対策の推進、第二は、
川崎に蓄積している環境技術による国際貢献の推進、
第三は、多様な主体の協働によるCO 2 削減の取り組み
の推進という3つを大きな柱としている。
とりわけ、川崎市が蓄積した優れた環境技術を国際
貢献に活用していくことが重要であると考えている。
川崎市では、環境調和型まちづくり基本構想、いわ
ゆるエコタウンプランを1996年に策定し、エコタウン
地域の第1号として当時の通産省から承認を得た。川
崎エコタウンは、京浜工業地帯として、従前から工業
が盛んな川崎の臨海部全体約2,800ヘクタールを対象エ
リアとしている。
川崎エコタウン事業は、川崎臨海部エリアに立地し
ていた既存の企業の生産活動を資源循環型に転換を進
めるとともに、新たに生産工程に組み込んだ先進的な
リサイクル施設の建設を促進し、両者の連携により、
川崎の臨海部地域を活発な産業活動を行いながら地域
全体として、最も省エネルギー型・省資源型の地域と
することを目指す事業である。
エコタウンプランは、多様な企業の厚みのある集積
という本市臨海部の特性を踏まえ、4つのステップで
の発展形態を描いている。
まず、第一に企業自身のエコ化を推進すること、第
二に、エコ化を進めている企業同士が連携し、地域の
エコ化を目指すこと、第三に、エコタウンをさらに発
展させるため、工場排熱の利用や資源循環型の生産活
動といった持続的発展に向けた研究を進めること、第
四に、企業や地区の成果を情報発信し、環境分野での
国際貢献を果たすことである。
4番目のステップでは、途上国等への成果の情報発
信に積極的に取り組むこととし、川崎の産業特性及び
環境技術の集積を活かし、中国・アジア地域の「低炭
素・資源エネルギーモデル産業都市」として、環境技
術の移転による国際社会への貢献により、市内産業の
活性化にもつなげていく取り組みを更に積極的に推進
していきたいと考えている。
4. 国際環境特別区構想
2001年11月、阿部市長が就任して以来、既存産業の
高度化・複合化と先端技術分野の産業・研究機関等の
集積を促進するとともに、環境技術のアジア地域など
への移転による国際貢献の実現を目指す「国際環境特
別区構想」を推進している。
この構想は、川崎臨海部は優れた環境技術やものづ
くり技術を保有する企業群が集積し、立地の優位性が
あるため、川崎のポテンシャルを活かし、環境対応型
産業の集積、国内外への情報発信、都市アメニティの
向上を目指す世界最先端の地域として、川崎臨海部を
発展させていこうとするものである。
次に述べる川崎エコタウンをはじめ、中国やアジア
から起業家を誘致し創業支援を行うアジア起業家村も
国際環境特別区構想の一環であり、この構想の実現に
資する様々な施策の実現を図っていこうとするもので
ある。
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
6. ゼロエミッション工業団地 太平洋地域の都市の担当者に川崎臨海部のエコタウン
の取組を紹介することにより、マレーシア・ペナン市、
インドネシア・バンドン市などでは、川崎で学んだこ
とをまちづくりに生かす計画が進んでいる。
なお、エコタウンプロジェクトの参加都市は、ペナ
ン市(マレーシア)・瀋陽市(中国)・バンドン市、
バンダアチェ市(インドネシア)・マタレ市(スリラ
ンカ)・セブ市(フィリピン)・ダナン市(ベトナ
ム)・プネー市、ムンバイ市、スラート市(インド)
などである。
2002年11月、廃棄物を資源として利用する循環型・
省資源型のゼロエミッション工業団地が稼動した。
工業団地内の企業は、個々の工場や事業所が排出物
抑制を行い、近隣の工場群を含めて異業種間で連携し
て、互いの排出物を原材料として再利用し、廃棄物ゼ
ロ化を目指している。
現在14社が団地内で事業を行っており、メッキ廃液
を場外に排出しないクローズドメッキの取組、団地内
で発生する紙類廃棄物の団地内でのリサイクル、焼却
灰のセメント原料としてのリサイクルなどに取り組ん
でいる。2005年3月には、団地全体としてISO14001
の認証を取得した。
エコタウンプランに基づき、この地域に立地した資
源リサイクル施設は、①廃プラスティック高炉原料化
施設、②家電リサイクル施設、③廃プラスティック製
コンクリート型枠用パネル製造施設、 ④難再生古紙リ
サイクル施設、⑤廃プラスティックアンモニア原料化
施設、⑥PET TO PETリサイクル施設である。
廃プラスティック高炉原料化施設は、市内で発生する
容器包装系のプラスティックを鉄鉱石の還元材として
高炉原料としている。家電リサイクル施設は、2001年
に施行された家電リサイクル法を受けて、鉄、非鉄、
プラスティックといった使用済み家電の主要構成素材
の再利用を行っている。
難再生古紙リサイクル施設は、従来、再資源化が困
難であった古紙すなわち紙容器やプラスティックが混
在した古紙から、トイレットペーパー等に再生してい
る。
8. 遼寧省瀋陽市との連携−循環経済協力
中国東北地方に位置する遼寧省の省都である瀋陽市
と川崎市は、1981年の姉妹都市締結を行って以来、文
化、経済、医療、教育、スポーツ等、幅広い分野で交
流を行ってきており、2011年で30周年を迎えることと
なった。
環境分野では、1997年から環境保護局の研修生受入
事業を開始し、これまでに30人近い職員が川崎の環境
行政を学ばれ、瀋陽市環境行政における要の人材とな
って活躍されている。
さらに、国連環境計画と連携して行っている「アジ
ア・太平洋エコビジネスフォーラム」への瀋陽市訪問
団の参加など、経済・環境分野での協力関係も深まっ
てきた。
2009年2月、これまでの両市の協力関係をより強固
なものにするため、「川崎市・瀋陽市循環経済発展協力
に関する協定」を締結した。同年6月には、日本の環
境省と中国の環境保護部により、瀋陽市と川崎市の環
境にやさしい都市構築への協力覚書が締結されるなど、
国家レベルでの応援も受けている。
これらの取組により、技術移転の促進や実効性のあ
る温室効果ガス削減施策が一層進展し、地球温暖化の
防止と持続可能な社会の構築に向け、ともに世界に寄
与できるものと期待している。
(1)川崎市・瀋陽市循環経済発展協力に関する協定 瀋陽市が現在力を入れている循環経済の促進に協力
するとともに、本市の公害克服に向け蓄積してきた環
境技術や、エコタウン等の取組を活用しながら、相互
の持つ、様々な研究機関や組織、またアジア各都市と
の連携を活かして、環境技術による国際貢献をより一
層推進することを目指し、2009年2月14日、川崎市に
おいて締結したものである。
協定に基づく新たな取組としては、①国際環境ワー
クショップの開催、②川崎市が有する環境技術シーズ
とのマッチング支援とともに、技術協力可能性に関す
る調査への協力、③国立環境研究所が川崎市をフィー
ルドして開発している「都市環境GISデータベース
(注)」の適用支援、④「CCかわさき」の取組と連携
した循環経済促進に資する研修の実施を行うことによ
7. エコタウンプロジェクト−国連環境計
画との連携
環境技術による国際貢献を進めるに当って、川崎市
では国際的なチャンネルとして、国連環境計画(UN
EP)との連携を推進している。本市に蓄積されてい
る環境技術や環境情報をもとに先進的な環境技術、戦
略情報の交換の場として過去四回にわたって「アジ
ア・太平洋エコビジネスフォーラム」をUNEPの協
力を得て開催している。このフォーラムには、中国、
韓国、インド、インドネシア、マレーシアをはじめ主
にアジア・太平洋地域から毎年多くの参加者がある。
このフォーラムを継続して開催していく中で、UN
EPは川崎臨海部のエコタウンに注目した。川崎臨海
部に立地している企業は、高度経済成長期の重厚長大
型の生産形態から、公害を克服して、石油危機の経験
を経て、省エネルギー・環境配慮型となっている。U
NEPは、川崎臨海部のこの特徴的なモデルを工業化
途上のアジア太平洋地域の都市に紹介する、UNEP
エコタウンプロジェクトを打ち出した。
川崎市はこのプロジェクトに全面協力し、アジア・
41
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
川崎市と瀋陽市との協定を契機として、JFEエン
ジニアリング(株)と瀋陽市との間での技術移転に関
する協議など、市内企業の環境技術と瀋陽市のニーズ
のマッチングが進む中で一定の方向性が合意されたこ
とを受けて、JFEエンジニアリング(株)と瀋陽市
との間で、2010年2月2日、日中低炭素生態工業園
(仮称)における協力に関する議定書を締結したもので
ある。
議定書の内容としては、①「日中低炭素生態工業園
(仮称)」プロジェクト第1号モデル事業実施に向けて
相互に全面的に協力、②第1号モデル事業を「ペット
ボトルリサイクル事業」とする。③両者はこの事業の
フィジビリティスタディを実施、④廃棄プラスティッ
ク、汚泥リサイクル、家電リサイクル等の瀋陽市にお
ける循環型社会、低炭素社会の実現に向けた協力を引
き続き実施するというものである。
今後は、この議定書に基づきペットボトルリサイク
ル事業のフィジビリティスタディを行うとともに、早
期の事業実施を目指していく。
り、瀋陽市の環境モデル都市の実現に向けて一層の連
携を図るものである。
(注)土地利用情報、都市基盤情報などの地域情報を
もとに、廃棄物・熱エネルギー・水環境などの分布・
移動特性を解析するGISデータベースのプロトタイ
プを、川崎市をフィールドとして開発しており、瀋陽
市との連携を進め、川崎市で蓄積してきた公害対策、
環境技術などを用いた持続可能な都市づくりへの情報
提供を進めるものである。
(2)川崎市及び瀋陽市の環境にやさしい都市の構築に
係る協力に関する覚書 2009年5月、北京で実施した日中廃棄物・リサイク
ル政策対話(環境省・環境保護部の部局長級会議)に
おいて、日本の環境省と中国の環境保護部が川崎市と
瀋陽市の協力を支持していく方針を確認し、双方で協
力内容を調整し、6月14日、覚書を締結したものであ
る。
主な内容としては、①川崎市及び瀋陽市において、
循環経済産業の発展を通じた環境にやさしい都市構築
のモデル事業を共同により推進、②資源節約及び回
収・リサイクルシステムの構築、廃棄物管理に関する
政策交流、研究、技術等の情報共有の実施、③学界、
産業界及び民間部門の積極的な参加の奨励などである。
今後は、環境省・川崎市・国立環境研究所が連携し、
瀋陽市における循環経済政策や技術システムの導入検
討を支援していくものである。
(3)日中低炭素生態工業園(仮称)における協力に関
する議定書
9. 上海市浦東新区との連携
川崎市と上海市浦東新区(注)とは、2004年に川崎
市と上海交通大学とで「環境保全技術に関する交流と
協力」や「国際シンポジウムなどの共同開催」などに
ついて覚書を締結したことを契機として、それまで上
海交通大学、上海市環境保護局、日中ベンチャー交流
促進センター(NPO法人アジア起業家村推進機構の
母体)の3者が主催してきた「上海環境会議」の第5
42
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
産業交流を進めていくものである。
回会議(2007年11月)において、日中それぞれの主催
者として加わったことから交流が始まった。
2008年度及び2009年度には、経済産業省が進める川
崎市と上海市との循環型都市協力の可能性を検討する
調査事業が実施され、2009年度のフィジビリティスタ
ディでは、上海市浦東新区で計画されている家電リサ
イクルプラント建設事業への協力可能性などを中心に、
川崎市からの具体的な環境技術移転について、検討を
進めた。
これらの動きを受けて、川崎市は、川崎の特徴や強
みを活かした環境対策と環境技術による国際貢献の推
進を具体的に進めるため、2010年2月4日、国際環境
技術展が開催された会場において、上海市浦東新区と、
環境と経済の調和による好循環を推進しながら持続可
能な社会を実現するための協力関係を確認し、「循環経
済発展に向けた相互協力に関する覚書」を締結した。
覚書の内容は、①上海市浦東新区におけるエコタウ
ン構築や家電リサイクルプラント建設などに関する環
境技術交流、②地球温暖化対策など一連の環境問題に
関する施策など、両者の独自の取組について意見交換、
③省エネ・環境ビジネスの発展に向けて、民間レベル
での産業交流を支援、④環境技術分野における展示会
などを通じて、人材交流を積極的に行うことである。
今後は、この協定のもと、中国における環境先進モ
デル都市を目指す上海市浦東新区が進めようとしてい
る循環経済社会の構築、低炭素化社会の実現に向けて、
本市の持てる環境技術やエコタウン等の取組を活用し
ながら国際貢献をより一層推進するとともに、中国で
最も活気のある地域の一つである上海市浦東新区との
(注)上海市浦東新区は、上海市東部に位置し、1990年から改革・開放
を象徴する地域として急速に発展し、浦東国際空港を始めとするインフラ
の整備、経済特区並みの外資優遇政策の実施や国家級開発区の設立による
外資導入により急速な発展を遂げており、現在は上海万博の会場となるな
ど、上海の発展を象徴する地域となっている。
10. 国際環境技術展 環境技術移転の具体化
「川崎国際環境技術展」は、これまでの川崎の環境へ
の取り組みや国内外の企業の有する優れた環境技術、
生産工程に組み込まれた環境技術等の情報を川崎の地
から広く国内外へ発信し、世界に誇れる環境技術・製
品等を有する企業と国内外の企業等とのビジネスマッ
チングの場を提供することで、環境分野での産業交流、
技術移転による国際貢献の推進を目的として開催する
ものである。
この技術展の特徴は、アジアの環境問題に即応する
43
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
アジア等海外からの来訪者が年々増加している。
2009年度の海外からの来訪者は1000人を越える規模
となり、国別では、中国582人、韓国154人、ベトナム
27人、タイほかアジア153人、エジプトほかアフリカ97
人、EUほか欧米80人、ペルーその他50人となってい
る。
川崎市は、他の先進国の工業地帯と異なり、日本の
高度成長を支えた鉄鋼、石油、化学工業が創業の地で
発展を遂げているとともに、蓄積された環境技術によ
るゼロミッションの企業間ネットワークの形成、200を
越える研究開発機関の集積があり、持続的な工業都市
としての発展と環境調和という「カワサキモデル」は、
これから工業化が進展するアジア諸国にとって大いに
参考となるものと受け止めている。
特に、中国では、急速な経済成長に伴う都市部の公
害問題の深刻化を受けて、循環経済促進法が2009年1
月から施行されたとともに、瀋陽市は、国家静脈類生
態工業園モデル都市への応募を行ったなど、環境問題
に対する取組が大きな転換期を迎えている。
2008年5月には、胡錦濤国家主席が川崎エコタウン
を訪問され、2009年4月には、李長春共産党中央委員
も同様の視察をされた。川崎市長と李長春委員の会談
の際には、「川崎市を手本として、瀋陽市を循環経済の
モデル都市としたい」旨の発言があり、瀋陽市に対し
川崎市の経験を全面的に学び、全国環境建設モデル都
市づくりを取り組むという重要な指示を出されたとこ
ろである。
環境技術から地球規模の環境問題を解決する最先端の
環境技術まで幅広く展示し、海外から環境分野の関係
者が結集する国際的なビジネスマッチングの場を設け
るとともに、知的財産の保護に配慮しつつ、環境技術
の海外への移転を促進するものである。
2009年2月の技術展では、117団体・199ブースが出
展し、8,000名の来場、海外からは150名近い参加があ
った。2010年2月の技術展では、124団体・211ブース
が出展し、15,000名の来場、海外からは、瀋陽市、上海
市、香港、韓国、ベトナムなど250名近い参加があった。
主な出展は、水や土壌汚染対策、プラスティックや
古紙などの廃棄物・リサイクル技術、新エネルギー・
省エネルギー関連などであり、上海市政府や企業によ
る「欲しい技術・ノウハウ」を訴える“逆見本市”も
行われた。
次回の国際環境技術展は2011年2月に開催を予定し
ており、さらなる展開のために、情報発信の強化とマ
ッチング機会の充実、「川崎に来れば、環境技術が見つ
かる」の定着化を図るとともに、環境技術のニーズ・
シーズフォローアップ調査の実施、目利きの専門家に
よる支援、関係団体と連携した海外ネットワークの構
築に取り組んでいくものである。
11. 海外からの来訪 「環境は川崎に学べ」
国連環境計画(UNEP)と連携したアジア・太平
洋エコビジネスフォーラムをはじめ、国際環境技術展
などを通じた海外への積極的な情報発信により、川崎
に集積する最先端の環境技術を学びたいという中国、
44
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
アジアの3R
12. これからの課題
開催され、香港当局との間で川崎と香港の産業交流に
関する宣言を行ったところである。
今後、アジア地域との経済交流が今まで以上に活発
化していく中で、川崎市が目指す優れた環境技術の移
転など、産業を通じた国際貢献を図っていくため、技
術移転の前提となる知的財産に対する共通認識をアジ
ア地域全体として醸成していくことが求められている。
(3)地球温暖化対策としての取り組み
今年4月から施行した「川崎市地球温暖化対策の推
進に関する条例」においては、環境技術による国際貢
献の節を設けて、地球全体での温室効果ガス排出量の
削減を目指し、事業者の製品の開発及び生産並びに技
術の開発を通じて、温室効果ガスの削減等に寄与する
よう定めたところである。
また、条例の規定を受けて策定中の地球温暖化対策
推進計画においては、循環型社会の形成として3Rの
推進とともに、環境技術における国際貢献の推進を基
本施策として柱立てし、地球全体での温室効果ガスの
削減、国際的な環境保全活動への支援・連携、環境技
術の海外移転の促進を取組の方向性として位置付けて、
地球温暖化対策の推進を図っていきたい。
(1)協働によるリイサクルの展開
瀋陽市や上海市浦東新区における政府間による循環
経済構築のためのプラットフォーム、あるいは、環境
省・経済産業省の支援を受けたフィジビリティスタデ
ィにより、具体的なプロジェクトが始動しようとして
いる。
リイサクルの適正な事業展開は、企業活動に委ねる
のではなく、国や地方政府がルールを作り、リイサク
ルのスキームを作ることが求められる。
また、企業、市民、行政の協働の仕組みによるリイ
サクルシステムが求められるところであり、これらの
ことは、2010年6月1日、瀋陽市において開催された
日中経済協力会議において、瀋陽市政府からも強く要
請された。リイサクルシステムの経験やノウハウ提供
は、日本の地方自治体が提供できる貴重な財産であり、
積極的な協力をしていきたい。
(2)知的財産戦略の取り組み
川崎市では、知的財産の創造・保護・活用の好循環
を目的として、川崎市知的財産戦略を策定し、「知的財
産戦略推進プログラム」の実行を図っている。その重
点事業であるアジア知的財産フォーラムは、環境技術
をはじめとする技術移転を行う前提として、交流活動
の過程で知的財産モラルの醸成を図るものであり、
2009年4月の第1回フォーラムでは、瀋陽市、韓国の
富川市、ベトナムのダナン市から知的財産の取組の報
告をいただくとともに、知的財産モラル先進都市宣言
を行った。2010年1月の第2回フォーラムは、香港で
川崎市としては、今後も、川崎の地から、優れた環
境技術・製品などの情報を中国やアジア諸国に発信す
るなど、「川崎発グリーンニューディール」として、環
境技術による国際貢献を積極的に行っていこうとする
ものである。
試験日 平成23年1月9日
(日) 部門 3R部門/低炭素社会部門
試験時間
○3R部門、低炭素社会部門のどちらか1部門を受験 13 時20 分から15 時30 分(制限時間120分)
○3R部門と低炭素社会部門2部門を受験 13 時20 分から17 時00 分(制限時間220分)
試験会場
東北会場:東北文化学園大学 東京会場:立正大学 大崎キャンパス
中部会場:名古屋国際会議場 北陸会場:エコネットさばえ
京都会場:キャンパスプラザ京都 大阪会場:大阪市立大学阿倍野キャンパス
兵庫会場:甲南大学 岡本キャンパス 福岡会場:福岡工業大学 (予定)
検定料
1部門 4,200円(税込) (第1回、第2回 3R検定合格者は3,150円(税込))
2部門 5,250円(税込)
受験申請
平成22年10月1日(金)22年11月30日(火)
詳細はホームページをご覧ください http://www.3r-teitanso.jp/
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
自治体を訪ねて
自治体を訪ねて
渡部 浩一
川口市環境部廃棄物対策課 課長補佐 1. はじめに
クルプラザを保有しています。
戸塚環境センターは、平成2年1月に竣工した施設
で、処理能力日量150トンのストーカ式焼却炉を2炉有
しています。竣工から20年が経過し、老朽化による処
理能力の低下が著しいことから、ストックマネジメン
トの導入による基幹的設備改修事業を今年度から3カ
年計画で実施することとしています。
朝日環境センターは、平成14年12月に竣工した流動
床式ガス化溶融炉で、処理能力は日量140トンが3炉と
なっています。同センターの特徴に、戸塚環境センタ
ーで発生する焼却灰も併せて溶融処理しており、これ
により当市の最終処分量は、同センターが竣工する前
年度の平成13年度には28,673トンであったものが、平成
22年度には7,047トンと大幅に減少しています。
リサイクルプラザは、朝日環境センターと同じ敷地
内に開設しています。地上5階、地下1階からなる施
設で、地下1階から地上2階が資源化施設、3階と4
階が環境学習・啓発施設、5階はサンアール朝日とい
う余熱利用施設になっています。このサンアール朝日
には浴室、露天風呂、プールなどがあり、平成21年度
の入場者数は11万人となっています。
川口市は、埼玉県の南端に位置する都市で、荒川を
隔てて東京都に接し、江戸時代から鋳物や植木などの
産業が発達してきました。近年は高層住宅の建設によ
る住宅都市化が進み、平成17年度には人口が50万人を
超え、現在でも増加しています。当市は、首都東京と
隣接しているという利便性を活かしながら、固有の伝
統ある“ものづくり”のまちとして、活力あるまちづ
くり・人づくりを目指しています。
2. 一般廃棄物の現状について
当市は、昭和50年代から自区域内に最終処分場を確
保できない状態が続いており、その当時から焼却処理
量の減量化が喫緊の課題でした。そこで、全国に先駆
け、集団資源回収やびん・かんの分別収集など、いわ
ゆる川口方式と呼ばれる資源リサイクルを推進してき
ました。その後、順次、分別品目を拡大し、平成14年
12月の朝日環境センター・リサイクルプラザの竣工に
合わせて容器包装リサイクル法対象の全品目の分別を
実施したことで、現在の分別区分は15品目となってい
ます。
さらに、平成22年3月からは、レアメタルの効果的
な回収方法を検討するため、使用済み携帯電話の拠点
方式によるモデル収集を始めています。
ごみの排出量は、平成17年度をピークに減少傾向が
続いており、平成21年度の1人1日当たりの排出量は
969グラムとなっており、これは昭和62年度レベルの排
出量となっています。
また、平成14年12月から、埼玉県ごみ処理広域化計
画に基づき、隣接する鳩ヶ谷市の可燃ごみを地方自治
法上の事務委託により受託し、処理していますが、平
成22年4月からは、当市で発生するし尿及び浄化槽汚
泥の処理を鳩ヶ谷市に委託処理するなど、一般廃棄物
の共同処理を進めています。
一般廃棄物処理施設については、焼却処理施設とし
ては戸塚環境センター(破砕処理施設を併設)と朝日
環境センターの2施設を、資源化施設としてはリサイ
図1 川口市朝日環境センター・リサイクルプラザ
3. 処理コストについて
平成19年6月に、環境省が市町村の一般廃棄物処理
事業の3R化のための支援ツールのひとつとして「一般
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
自治体を訪ねて
表1 環境省一般廃棄物会計基準に基づく部門別の処理原価
廃棄物会計基準」を公表しました。
この一般廃棄物基準が示される以前に、当市が市民
等に対して公表していた処理コストの算出方法は、ご
み処理事業に要した費用を積上げ、それを処理量、人
口又は世帯数でそれぞれ除すことによって得られた額
を、ごみ排出量1トンあたりの単価、市民1人あたり
の単価、そして1世帯あたりの単価とするものでした。
さらに、平成14年12月から隣接する鳩ヶ谷市の可燃
物を地方自治法の規定に基づき受託処理していますが、
この広域処理における受託手数料の算定根拠として、
焼却処理(最終処分を含む)費用のトン当たり単価に
ついて、両市の合意による方式に基づいて算出し、公
表していました。
しかしながら、この方法では他の市町村と比較がで
きないことから、一般廃棄物会計基準が示された以降
については、同基準に基づき原価計算書、行政コスト
計算書、資産・負債一覧を作成し公表をしています。
図2 PRESS530第73号
具体的な事例を挙げて紹介する記事を連載しています。
もう一つの取り組みは、市民(消費者)が自らの意
思で削減できる象徴的な容器包装であるレジ袋削減の
取り組みです。
当市では、市商店街連合会等と協働してマイバッグ
持参運動を展開してきましたが、平成19年11月に埼玉
県からレジ袋有料化実験モデル地区指定の打診を受け
たことを契機に、この取り組みをより深化させるため、
市民団体、百貨店、チェーンストア、ドラッグストア
などの事業者、商工会議所などの関係団体、そして埼
玉県及び本市で構成する川口市レジ袋削減会議を平成
20年3月に設置し、当市におけるレジ袋削減のあり方
について協議を進めたところ、市民団体・事業者・市
の3者の役割をそれぞれ規定した協定を締結し、市内
店舗で無料配布中止の取り組み(レジ袋有料化)を進
めていくことが望ましいとの結論に至りました。
そこで、平成20年7月30日に5市民団体、12事業者、
市の3者で「川口市におけるレジ袋の大幅削減に向け
た取り組みに関する協定」を締結し、同年11月10日
(川口の日)から、市内19店舗においてレジ袋無料配布
4. レジ袋削減の取り組み
容器包装リサイクル法の目的のひとつに、容器包装
廃棄物の排出抑制がありますが、大量生産・大量消
費・大量廃棄が大量リサイクルに換わっただけとの指
摘もなされています。そこで、市民の皆さんに容器包
装の削減に結び付くライフスタイルのあり方について
考えていただくため、2つの事業を展開しています。
ひとつが、事業者による容器包装減量化の取り組み
の紹介です。
これは、事業者が行っている容器包装の減量化(軽
量化・薄肉化・小型化・詰め替え化など)の取り組み
に関する情報を広く市民に提供することで、価格だけ
でなく、事業者の環境への取り組みについても、モノ
やサービスの購入の際の選択基準のひとつに加えても
らうことが重要との考えに基づき実施しているもので、
年4回発行している環境専門広報紙「PRESS530」に、
47
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
自治体を訪ねて
検討したところですが、事業者の経営上の利便性を考
慮し、先行自治体と同じ条件や目標値にすることにし
ましたが、昨今の景気状況に鑑み、目標達成期間を3
年にし、実効性の担保として過料を設定するなど、一
部、当市独自の規定も設けています。
中止の取り組みを埼玉県内自治体として初めて実施し
ました。
実施にあたっては、市民団体が中心となって「レジ
袋減らし隊」を組織し、実施日前後1週間にわたり店
頭でのキャンペーンを行うとともに、市でも新聞折り
込み広告など積極的な啓発活動を行った結果、それま
で当市ではレジ袋辞退率は20%にも満たないと言われ
ていましたが、実施初日から80%に達するという成果
を得ることができました。
しかしながら、百年に一度ともいわれる世界的な景
気の後退の影響や参加店舗の拡大が進まなかったこと
などの要因が重なり、レジ袋無料配布中止の取り組み
を一時中止する事業者が相次ぐという事態に陥りました。
そこで、改めて今後の方向性を模索するため、協定
締結事業者との協議や、川口市レジ袋削減会議を開催
し協議を行ったところ、業種業態を超えて足並みを揃
えてレジ袋削減に取り組むためには条例化が望ましい
との意見が大勢を占めたことから、検討を進め、「川口
市レジ袋の大幅な削減に向けた取組の推進に関する条
例」を制定、本年6月1日から施行しています。
条例の制定にあたっては、レジ袋削減計画書などの
提出を義務付けるレジ袋多量事業者の条件やレジ袋削
減目標等について、当市独自の基準を設定することも
5. おわりに
当市では、市総合計画の中で21世紀における地域社
会において常に前提とされる普遍的な価値として、「環
境との共生」を市政の基本理念のひとつに掲げ、その
将来都市像を「緑 うるおい 人 生き活き 新産業
文化都市 川口」と設定しています。
これを受け、環境基本計画及び一般廃棄物処理基本
計画では、当市の望ましい将来の環境像を「郷土とし
て愛着のもてる緑豊かな環境共生都市」と位置付け、
都市全体として、自然環境と調和した市民生活や産業
活動を目指して、市民、事業者行政の三者が協働して
3Rを推進することで、環境負荷の小さい資源循環型の
地域社会の形成を図ることとしています。
平成19年3月に策定した一般廃棄物処理基本計画
(ごみ処理編)では、計画の進捗状況を管理・評価する
ための計画指標として、平成28年度を最終目標年度と
して、1人1日当たりのごみ排出量やリサイクル率な
ど4項目を掲げていますが、幸いにしてリサイクル率
以外の目標については、目標数値以上の実績となって
います。
しかしながら、処理施設の老朽化による処理能力の
低下や、ごみの質的変化などにより市処理施設では処
理できない廃棄物の増加、さらには不法投棄やルール
違反の排出という不適正処理対策など、当市の一般廃
棄物処理事業を取り巻く状況は厳しさを増しています。
ごみ問題に限らず、地球高温化(当市では、過ごし
やすいイメージのある「温暖化」から、より危機感の
伝わる「高温化」に名称を変更し使用しています。)な
ど環境問題の解決するためには、行政だけの取り組み
では限界があり、市民、事業者、行政の三者がそれぞ
れの役割を認識し、今できることを確実に行うことが、
解決への早道だと、当市では考えています。
そのため、今後も市民及び事業者の理解と協力を得
ながら、3Rを推進することで、循環型社会の形成に努
めていきたいと考えています。
図3 レジ袋減らし隊の店頭キャンペーン
図5 ごみ減量キャラクター「ごみまる」
図4 新聞折り込み広告
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
自治体を訪ねて
自治体を訪ねて
石川 芽衣
札幌市環境局環境事業部ごみ減量推進課 はじめに
マイバッグを持参するか」という設問には、「持参して
いる」「時々持参する」を合わせて107人(54%)とい
う回答結果を得た。
平成19年度には、オリジナルマイバッグを作成。バ
ッグは「まずは、お気に入りのバッグをお買い物に持
っていってもらうことから始めよう」と、携帯タイプ
ではなく、普段使いも可能なしっかりした作りのもの
になっている。このバッグを販売するとともに、マイ
バッグ持参の普及活動を現在まで継続して行ってきて
いる。
札幌市では、循環型社会の実現と地域環境の保全を
図ることを目的に、ごみの発生・排出抑制の活動を進
めてきてきている。その中でもレジ袋の削減や容器包
装の簡素化に向けた取り組みについては、札幌市で実
施したもののほか、市民団体や事業者との連携で取り
組んでいる事例があり、それらについて、報告するこ
ととしたい。
1. さっぽろスリムネットの取り組み
札幌市では、ごみの排出前段階での取り組みとして、
自主的にごみ減量につながる具体的な行動を展開する
ことを目的に、市民・事業者・市の協働による、ごみ
減量実践活動ネットワーク(通称「さっぽろスリムネ
ット」)を平成16年度に設立し、様々な事業を行うこと
としている。さっぽろスリムネットでは、具体的な実
践活動を行うための機関として5つの分野のプロジェ
クトを設置。そのうちの一つである「容器包装プロジ
ェクト」の中で、市民や事業者、札幌市が協働しなが
ら、容器包装の削減に向けた活動を行ってきた。
容器包装プロジェクトでは、容器包装の減量につい
ての普及啓発活動を行い、レジ袋削減やマイバッグ利
用推進の市民意識の醸成を図ってきている。平成17年
度に市内スーパーマーケットにおいて行ったレジ袋に
関するアンケート(回答数200人)では、実施日のマイ
バッグ持参率は53人(27%)であり、「普段の買い物で
2. 子どもたちの目から見た3R
札幌市子ども議会は、市内の小学5年生から高校生
の子どもたちが、「子ども議員」として札幌市に対して
提案を行っている。子ども自身が「札幌のまちづくり」
について考えることで市政への参加と理解を進めると
ともに、「子どもの権利条約」や「札幌市子どもの最善
の利益を実現するための権利条例」にある「意見を表
明する権利」を体現する場となっている。
この子ども議会においても、レジ袋削減に関する提
案が行われ、市や事業者とともに活動を行った事例が
あり、以下に報告したい。
平成19年度札幌市子ども議会「地球環境を守ろ
う!!委員会」では、レジ袋を減らすための取り組み
として2件の提案がなされた。
まず、1件目は、「スーパー等のレジ袋対策を子ども
が調査し発表する『Refuse(リフューズ)調査団』を
作りたい」というものである。子どもたちは、まず、
自分たちで調べてみようと、委員会メンバーのうち小
学生5人、中学生3人、大学生サポーター2人が調査
団を結成。調査団は、先述したさっぽろスリムネット
の支援を受け、市内の4つのスーパーマーケットを訪
問し、調査活動を行った。
内容は、各店のレジ袋使用量のほか、レジ袋削減や
環境に対する意識啓発の取り組みを調べたり、買い物
客へマイバッグへの意見を聞いたりと、子どもたちの
目線で調査を行った。この調査結果は、子どもたち自
写真1「さっぽろスリムネットオリジナルバッグ」
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
自治体を訪ねて
を付け楽しみながらマイバッグを作ってもらうととも
に、マイバッグを使うきっかけとなるよう、マイバッ
グ持参意識の向上を図っているものである。
らがまとめ、フォーラムや後に述べるマイバッグ持参
キャンペーン展示で発表し、広く市民に知ってもらう
ことができた。
もう一つの提案は「レジ袋の浪費を抑えるために、
折りたためる等、利用しやすいエコバッグのデザイン
を考えたので作ってほしい」というものである。この
提案を受け、「さっぽろエコ市民運動」のサポーター企
業がマイバッグを作成。完成したバッグは、ペットボ
トルを再生した生地を使い折りたためるタイプのもの
であり、市民がエコ行動(環境に配慮した行動)を継
続して取り組む「エコライフレポート」参加者への配
布用として活用された。
4. 北海道ノーレジ袋運動を進める連絡会
さらに、市民団体や事業者との連携で取り組んだ事
例として、北海道ノーレジ袋運動を進める連絡会の活
動を報告したい。
札幌市だけではなく、北海道全体の活動として、毎
年、3R推進北海道大会を環境省や北海道等5つの行政
機関と共に開催している。
平成19年に行われた大会では、プレイベントとして
「もったいないバッグキャンペーン2007」が行われた。
これは、3R推進月間に合わせて、店頭にポスターやス
テッカーを掲示し、マイバッグ持参を呼び掛けるもの。
このキャンペーンの実施報告会上、「年に1回のキャン
ペーンだけのつながりでは、それこそもったいない」
との意見が出され、また、G8サミット開催を控え、環
境問題の高まりもあったことから、市民団体、事業者
及び札幌市を含む行政機関で組織する「北海道ノーレ
ジ袋運動を進める連絡会(以下、「連絡会」という。)」
が平成20年4月に設立された。
この連絡会は、循環型社会の実現と地域環境の保全
を図ることを目的に、参加団体が連携して、レジ袋の
使用削減及びマイバッグの持参率の向上を図る活動や、
地域での三者協定の実現を進めていくものである。連
絡会では、レジ袋削減についての意識調査として、市
民や事業者、自治体へのアンケート、実態調査を行う
とともに、それらの結果について情報提供を行ってき
た。
意識調査では、まず、北海道内全180市町村を対象に
した自治体アンケートを実施(回答数:104市町村、回
答率58%)。レジ袋の削減がごみ減量抑制に効果があり
進めていく必要があると答えた自治体数は79件(76%)
であり、レジ袋削減の効果的な方法として、回答自治
体の50%が「行政・事業者・消費者の連携」「店頭の声
かけ」をあげた。
3. マイバッグを持とう!
札幌市では、種々の機会を捉えてレジ袋の削減やマ
イバッグ持参の意識の向上を図ることが必要と考え、
イベント時におけるマイバッグの配布や普及啓発等を
行ってきている。その普及啓発の取り組みの一つとし
て、平成20年2月には、スーパーマーケット等で作
成・販売しているオリジナルマイバッグの掲示や、企
業や市民団体のマイバッグ持参及びレジ袋削減の取り
組みを紹介する「マイバッグ持参キャンペーン展示」
を市役所1階ロビーにて開催した。
市内のスーパーマーケットやデパートが製作、販売
するオリジナルマイバッグや市民団体が作成した古着
をリサイクルしたマイバッグ等、約40種類を展示。ま
た、1人が1年間に使用するといわれるレジ袋300枚分
を実際に掲示し、期間中会場を訪れた約1,000名の市民
に、より分かりやすい形でレジ袋削減やマイバッグ持
参の意識啓発を行った。また、これらの取り組みは、
一度の展示だけではなく、恒常的に市民に周知してい
くことが必要なことから、オリジナルマイバックや取
り組み内容のパネルを札幌駅北口地下通路のショーケ
ースに1年間を通して掲示した。
その他にも、イベント等では、関係団体と連携しな
がら、子どもたちを対象としたオリジナルマイバッグ
作りを開催している。これは、布バッグに自分で絵柄
写真2「マイバッグ持参キャンペーン展示」
写真3「オリジナルマイバッグ作り」
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
自治体を訪ねて
率向上に取り組むこと、市民団体はレジ袋削減を市民
に呼び掛けるとともに、参加する事業者を支援するこ
ととしている。行政は、事業者と市民団体と協働でレ
ジ袋削減を進め、市民や他の事業者の理解・協力を得
られるよう普及啓発を行っていくものである。
札幌市の呼びかけを受けて、平成20年5月に「札幌
東急ストア(株)(現:東光ストア)」及び「(社)札幌
消費者協会」と三者協定を締結し、同年6月から市内
1店舗でレジ袋有料化を試行開始。さらに、同年9月
には、10事業者(対象159店舗)と7つの市民団体、札
幌市で三者協定を締結し、レジ袋有料化によるレジ袋
削減の取り組みを行うこととなった。
その後も、レジ袋削減の取り組みみは機運の高まり
とともに、参加事業者や対象店舗が増加していき、平
成21年11月には、新たな業種として総合スポーツ店1
社と協定を締結した。平成22年6月現在、13事業者174
店舗が、協定に基づくレジ袋有料化により、レジ袋削
減の取り組みを行っている。
レジ袋削減の取り組み成果であるが、平成22年3月
末のマイバッグの持参率は平均で87%となっている。
また、取り組みが拡大した平成20年10月から22年3月
まで削減できたレジ袋は、有料化開始前と比較して、
レジ袋(LLサイズ)に換算するとおよそ1億6,000万
枚、削減できた二酸化炭素の量は、およそ7,461トンに
もなる。
(別表1 参照)
これらの実施結果のほかにも、札幌市が平成21年11
月に行った「ごみ減量・リサイクルに対する行動・意
識等」に関する市民意識調査(調査対象1,500名:回収
数1,270名、回収率84.7%)からも、市民のマイバッグ
また、道内25地域で、店頭やイベント会場において
一般市民向けのアンケートを行い、3,543人からの回答
を得た。その結果、マイバッグを持っている人は3,131
人(88%)であり、そのうち、「いつも持ち歩く人」が
2,226人(69%)、「ときどき持ち歩く人」は820人
(25%)で、多くの人は持ち歩いていることが分かった。
ま た 、「 レ ジ 袋 を 減 ら し た 方 が よ い 」 と す る 回 答 は
3,235人(94%)、「減らす必要はない」との回答は159
人(5%)となっており、レジ袋削減への理解が浸透
してきていることがわかる結果となっている。
事業者に対しても、65事業者に対しアンケートを実
施(回答数:37事業者、回答率57%)。その結果、レジ
袋無料配布中止(有料化)」を実施済みまたは予定と回
答した事業者は16件であり、回答事業者の半数近くが
取り組んでいることが分かった。
5. レジ袋削減に向けた取り組み
北海道内においては、平成21年12月までに市民団体
や事業者、行政がレジ袋削減に向けた協定を締結して
いる自治体は32市町村となっている。札幌市において
も「レジ袋削減に向けた取り組みに関する協定(以下、
「三者協定」という。)を締結しており、その経緯と実
施結果について簡単に報告したい。
札幌市では、レジ袋削減対策を検討するにあたり、
連絡会等各種の機会を捉えて、事業者等との意見交換
を重ねていった。また、市民団体と事業者との懇談会
も開催し、三者協定によるレジ袋無料配布中止(有料
化)の取り組みについても協力を求めていった。
この三者協定における各主体の役割は、事業者がレ
ジ袋の有料化によるレジ袋の削減・マイバッグの持参
(表)レジ袋削減に向けた取り組みに関する協定に基づく取組効果(平成20年10月∼平成22年3月)
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
自治体を訪ねて
また調査では、年齢が高くなるほど、買い物袋(マ
イバッグ)を持参し、レジ袋は使用しないという意識
は高くなる傾向が見られる。
(グラフ1、2参照)
持参についての意識の高まりがわかる結果となってい
る。
買い物時のごみ減量・リサイクル行動のうち、買い
物袋(マイバッグ)を持参し、レジ袋を使用しないこ
とについては、「いつもしている」「だいたいしている」
と回答した人が約80%となっている。調査規模が異な
るため比較にはならないが、平成17年度に行ったさっ
ぽろスリムネットのアンケート結果の数字から考えて
みると、マイバッグの持参については、多くの市民の
理解と協力が得られていることがわかる。
6. レジ袋から容器包装全体の取り組みへ
レジ袋削減の取り組みは、北海道内141市町村におい
てレジ袋の有料化が取り組まれるなどの成果を上げて
きた。これを受けて、先に述べた連絡会では、意識調
査の結果だけではなく、市民や事業者、行政が同じテ
ーブルにつき、お互いの価値観を共有しながら活動を
行ってきたことが成果につながったと考え、この活動
をレジ袋だけではなく容器包装全体に広げた活動に拡
大することとした。平成21年7月、連絡会を発展的改
組し、「北海道容器包装の簡素化を進める連絡会」を設
立した。
「北海道容器包装の簡素化を進める連絡会」では、容
器包装に関する調査や簡素化の方策を検証していくこ
ととしており、すでにアンケートやメーカーとの情報
交換を実施している。今後は展示活動等、容器包装の
簡素化に関する取り組みの情報発信を行っていく予定
である。
札幌市も、この一員として活動を続け、容器包装の
簡素化に取り組んでいくこととしている。そして、こ
れらの動きをより実効性の高いものとするためには、
何よりも市民、事業者、行政の三者の協働が必要であ
り、今後も共に循環型社会の実現に向けて取り組んで
いきたい。
52
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
環境省等国のうごき
HHHHHHHHHH
環境省等国のうごき
HHHHHHHHHH
H
HHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH H
HHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH
53
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
環境省等国のうごき
日(交付金の繰越があった場合は、当該繰越を
改正後全文
伴う変更により定められた完了予定期日とす
循環型社会形成推進交付金交付取扱要領
る。)後6箇月以内である場合は、この限りでは
1.循環型社会形成推進地域計画の提出について
ない。
(1)市町村(一部事務組合、広域連合及び特別区
(2)完了予定期日の変更を報告しようとする交付
を含む。以下同じ。)は、循環型社会形成推進地
対象事業者は「交付対象事業の完了予定期日変
域計画(以下「地域計画」という。)の作成に当
更報告書」を第2項の交付金の交付の申請の手
たり必要に応じて都道府県及び環境省と意見交
続きに準じて環境大臣に提出すること。
換を行うための会議を開催すること。
(3)前号にかかわらず、完了予定期日の変更が地
(2)市町村は、作成した地域計画を所管都道府県
域計画の内容の著しい変更に伴う場合は、交付
を経由して環境大臣に提出すること。
金の交付決定の変更の申請に含めて行うこと。
(3)提出された地域計画について、環境省は当該
5.申請等の様式について
地域計画の記載事項の内容や記載もれがないか
を確認する等の審査をした上で、速やかに承認
申請書等の様式は、次のとおりとする。
するものとする。
(1)交付金交付申請書 様式第1
(2)交付金交付申請報告書 様式第2
2.交付金の交付の申請について
(3)交付金交付決定変更申請書 様式第3
(1)交付対象事業者は、環境大臣あて交付申請す
(4)交付金交付決定変更申請報告書 様式第4
ることとし、「交付金交付申請書」を所管都道府
(5)交付対象事業の完了予定期日変更報告書 様式
県知事に提出(都道府県が実施する事業を除く。
)
第5
すること。
(6)交付金交付決定取消申請書 様式第6
(2)所管都道府県知事は、交付対象事業に係る交
(7)交付金事業実績報告書 様式第7
付金の交付が法令及び予算で定めるところに違
(8)循環型社会形成推進地域計画目標達成状況報
反しないかどうか、交付対象事業の目的及び内
告書 様式第8
容が適正であるかどうか、金額の算定に誤りが
ないかどうか、その記載事項に不備又は不適当
6.事業費の費目の内容及び算定方法について
なものがないかどうか等を審査し、交付金を交
付すべきものと認めたときは、「交付金交付申請
(1)交付金の交付の対象となる事業費(以下「交
報告書」を環境大臣に提出すること。
付対象事業費」という。)の区分及び各費目の内
容は、別表1 及び別表2の第Ⅰ欄及び第Ⅱ 欄並
3.交付金の交付決定変更の申請について
びに別表3及び別表4の第1欄及び第2欄に掲
(1)交付対象事業における交付金の事業間、費目
げるものとする。
間の調整は自由であるが、地域計画の内容の著
なお、様式第1 「交付金交付申請書」及び様
しい変更を伴うものは、「交付金交付決定変更申
式第3「交付金交付決定変更申請書」で定めて
請書」を第2項の交付金の交付の申請の手続き
いる「工事費」は、本工事費、付帯工事費、廃
に準じて提出すること。
焼却施設解体費、用地費及び補償費、調査費、
(2)所管都道府県知事は、「交付金交付決定変更申
工事雑費の総計とする。
請報告書」を第2項の交付金の交付の申請の手
(2)交付対象事業費の算定の要領及び基準につい
続きに準じて提出すること。
ては、別表1及び別表2の第Ⅰ欄に掲げる区分
につきそれぞれ同表の第Ⅳ欄に掲げる基準額並
4.交付対象事業の完了予定期日の変更について
びに別表3及び別表4の第1欄に掲げる区分に
(1)交付対象事業が予定の期間内に完了しないた
つきそれぞれ同表の第2欄に定める基準額と第
め、交付対象事業完了予定期日(以下「完了予
3欄に定める対象経費の実支出額を人槽区分ご
定期日」という。)を変更しようとする場合は、
とに比較して少ない方の額を選定し、掲げる基
環境大臣に報告するものとする。
準額の合計とする。
ただし、交付金の繰越を伴わない場合であり、
(3)設計単価及び歩掛の算出について、前号の定
かつ変更後の完了予定期日が当初の完了予定期
めにより難い特別な事情があるときは、諸要素
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
環境省等国のうごき
を勘案して適正な単価等を用いて算出し、その
年度の7月末までとする。
算出に用いた資料を提出すること。
(2)(1)の事後評価の結果、地域計画の目標が達
成されていないことが明らかとなった場合には、
7.交付金の交付決定の取消申請について
次に定めるところにより、目標達成に向けて改
交付金の交付の決定があった後、事情の変更等に
善を図るものとする。
より、特別な事由が生じたため、当該交付金の交付
ア.地域計画の目標が達成されていないことが
決定の取消しを申請しようとするときは、様式第6
明らかとなった市町村は、速やかに、その要
「交付金交付決定取消申請書」を第2項の交付金の交
因及び目標の達成に向けた方策等を内容とす
付の申請の手続に準じて提出すること。
る改善計画書を作成するものとする。
イ.市町村は、ア. に定める計画書を都道府県
8.交付金事業事務の標準的処理期間
知事に提出し、都道府県知事は当該計画書の
(1)交付金交付申請の受理後、交付を決定するま
内容を評価し、所見を付して環境大臣に提出
でに通常要すべき標準的な期間は30日とする。
するものとする。
(2)都道府県知事においては、交付金交付申請書
ウ.イ.により改善計画書の提出を受けた環境
の受理後、環境大臣に提出するまでに通常要す
大臣は、特に目標達成が見込まれない市町村
べき標準的な期間は30日とする。
に対しては、目標達成に向けた重点的な助言
その他必要な措置を行うものとする。
9.状況報告等
(3)事後評価を行った市町村は、その結果をイン
環境大臣は、必要と認めるときは、交付金の交付
ターネット又は広報誌への掲載等により公表す
の決定を受けた交付対象事業者に対して、経理状況
るものとする。また、(2)の規定による改善計
その他必要な事項について、報告をさせ又は検査を
画書を作成した場合、併せてこれも公表するも
行うことができるものとする。
のとする。
10.実績報告
12.その他
この交付金の事業実績報告は、事業の完了の日か
特別の事情により、1(2)、6及び10に定める算
ら起算して1か月を経過した日又は翌年度の4月10
定方法及び手続等によることができない場合には、
日のいずれか早い日までに様式第7「交付金事業実
あらかじめ環境大臣の承認を受けてその定めるとこ
績報告書」を都道府県知事に提出するものとする。
ろによるものとする。
ただし、都道府県が実施する事業の場合は、「都道府
13.交付の対象となる事業の細目基準
県知事」を「環境大臣」と読み替えるものとする。
交付金の交付の対象となる事業にあっては、別に
11.事後評価
定める廃棄物処理施設の性能指針等に適合している
(1)「循環型社会形成推進交付金交付要綱」(平成
こと。
17年4月11日付環廃対発第050411001号環境事務
14.交付対象事業の範囲
次官通知。以下「交付要綱」という。)第9第1
項の規定による事後評価は、次に定めるところ
交付対象事業は、次に掲げる事業であって、交付
により行うものとする。
対象事業者における交付対象事業費の合計が10,000
ア.事後評価は、地域計画の目標の達成状況等
千円以上となるものであること(ただし、浄化槽設
について行うものとする。
置整備事業、施設整備に関する計画支援事業及び廃
イ.事後評価の報告は、様式第8「循環型社会
棄物処理施設における長寿命化計画策定支援事業に
形成推進地域計画目標達成状況報告書」によ
ついてはこの限りではない。
)
。
るものとする。
(1)新設(更新を含む。以下同じ。
)に係る事業
ウ.市町村は、イ. に定める報告書を都道府県
新設に係る事業とは、廃棄物の処理に直接必
知事に提出し、都道府県知事は当該報告書の
要な設備及びこれを補完する設備から成る一体
内容を評価し、所見を付して環境大臣に報告
的な施設を建設するものであり、交付要綱別表
するものとする。
1 の第1項から第6項まで、第12項、第16項及
エ.ウ.に定める報告の期限は、目標年度の翌
び第17項の事業とし、廃焼却施設の跡地を利用
55
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
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して新たな廃棄物処理施設を整備する際の当該
ごみ焼却を行う施設(発電効率又は熱回収率
廃焼却施設の解体事業及び必要に応じ最小限度
が10%以上のものに限る。)と組み合わせた方
の用地の取得に係る事業を含むことができるも
式(メタンガス化施設の発電効率又は熱回収
のとする。
率が10%以上のものに限る。
)を含む。
ク.有機性廃棄物リサイクル推進施設において、
なお、以上のほか、各事業についての要件は
次のとおりである。
前処理設備として汚泥濃縮装置(移動式を含
ア.マテリアルリサイクル推進施設のうち、サ
む)を整備する場合は、廃棄物の処理に直接
テライトセンターについては、地域における
必要な設備及びこれを補完する設備から成る
ごみ処理の広域化・集約化に伴って、ごみ焼
一体的な整備事業であって、原則として、複
却施設の跡地を利用して整備するものに限る。
数の施設が共同して本装置を効率的に使用す
る計画に基づくものに限る。
イ.エネルギー回収推進施設のうち、ごみ焼却
ケ.可燃性廃棄物直接埋立施設及び焼却施設に
施設については、発電効率又は熱回収率が
ついては、交付要綱第3第1項の沖縄県、離
10%以上の施設を整備するものに限る。
島地域、奄美群島において整備するものに限
ウ.エネルギー回収推進施設のうち、ごみ固形
る。
燃料(RDF)化施設の整備については、発
電効率又は熱回収率が20%以上のごみ固形燃
(2)増設に係る事業
料(RDF)利用施設へ持ち込むものに限る。
増設に係る事業とは、既に設置されている廃棄
エ.ごみ固形燃料( RDF)発電等焼却施設及
物処理施設の処理能力を増強させるため、当該廃
びごみ固形燃料(RDF)化施設については、
「ごみ固形燃料の適正管理対策について」(平
棄物処理施設の一部を改造し、又は当該廃棄物処
成15年12月25日付環廃対発第031225004号)の
理施設の一部として廃棄物の処理に直接必要な設
「4.ごみ固形燃料の製造・利用に関するガイ
備を新たに整備するものであり、交付要綱別表1
ドライン」等に適合させるために、安全対策
の第1項から第8項まで、第12項、第16項、及び
上、必要な設備を追加して設置する事業を含
第17項の事業とする。
また、当該事業の実施にあたっては、14.(1)
む。
オ.マテリアルリサイクル推進施設及びエネル
エ及びオに定める事業、廃焼却施設の跡地を利用
ギー回収推進施設については、「石綿含有家庭
して新たな廃棄物処理施設を整備する際の当該廃
用品を処理する際の留意すべき事項について」
焼却施設の解体事業及び必要に応じ最小限度の用
(平成18年6月9日付環廃対発第060609002号)
地の取得に係る事業を含むことができるものとす
る。
等に適合させるために、安全対策上、必要な
なお、以上のほか、各事業についての要件は次
設備を追加して設置する事業を含む。
のとおりである。
カ.高効率ごみ発電施設については、発電効率
23%相当以上(規模により異なる。)の施設を
ア.最終処分場再生事業については、既に埋め
整備するものであり、施設の長寿命化のため
立てられている廃棄物を減容し埋立処分容量
の施設保全計画を策定し、原則として、ごみ
を増加する事業であって、その際に基準に適
処理の広域化・集約化に伴い、既存施設の削
合する最終処分場とするものに限る。なお、
減が見込まれること(焼却能力300t/日以上
埋立処分容量の増加による新たな埋立終期に
の施設についても更なる広域化を目指すこと
対応するために既存の水処理等の関連施設を
とするが、これ以上の広域化が困難な場合に
改修する場合は、再生事業終了後の跡地利用
ついてはこの限りではない。)及び別に定める
を含む期間の費用を積み立てる等の財源確保
「高効率ごみ発電施設整備マニュアル」に適合
措置を講じ、新たに最終処分場を整備する場
合より費用対効果が優れていることを確認し
するものに限る。
た上での総合的な計画である場合に限る。
キ.高効率原燃料回収施設については、メタン
回収ガス発生率が150Nm3/ごみトン以上で
イ.エネルギー回収能力増強事業については、
あり、かつ、メタン回収ガス発生量が
建設後15年以内の施設において、エネルギー
3,000Nm /日以上のメタンガス化施設を整備
回収能力を増強させるために必要な設備を追
するものに限り、メタン発酵残さとその他の
加して設置する事業であること。
3
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
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浄化槽に係る事業とは、市町村が浄化槽の計画
(3)改良・改造に係る事業改良・改造に係る事業
的な整備を図り、し尿と雑排水をあわせて処理す
とは、既に設置されている廃棄物処理施設の一
ることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向
部を改良・改造するものであり、交付要綱別表
上に寄与する事業であり、交付要綱別表1の第13
1の第9項、第10項、及び第15項の事業とする。
項及び第14項の事業とする。
なお、以上のほか、各事業についての要件は次
なお、以上のほか、各事業についての要件は次
のとおりである。
のとおりである。
ア.廃棄物処理施設の基幹的設備改良事業(交
ア.浄化槽設置整備事業は、平成6年10月20日
付率1/3)については、ごみ焼却施設又は
付け衛浄第65号環境省大臣官房廃棄物・リサ
し尿処理施設を対象とし、あらかじめ延命化
イクル対策部長通知別紙「浄化槽設置整備事
計画を策定して施設の基幹的設備を改良する
業実施要綱」による事業であること。
もので、当該改良を通じて施設の稼働に必要
イ.浄化槽市町村整備推進事業は、平成6年10
なエネルギーの消費に伴い排出される二酸化
月20日付け衛浄第67号環境省大臣官房廃棄
炭素の量が3%以上削減されるものであり、
物・リサイクル対策部長通知別紙「浄化槽市
事業実施後は全連続運転を行うものであって(
町村整備推進事業実施要綱」による事業であ
ただし、し尿処理施設及び交付要綱第3第1
ること。
項の沖縄県、離島地域、奄美群島、豪雪地域、
ウ.民間資金等の活用による公共施設等の整備
半島地域、山村地域、過疎地域についてはこ
等の促進に関する法律(平成11 年第117号。)
の限りではない。)、事業実施後の施設保全計
第2条第3項第4号に規定する事業としての、
画を策定するもの及び別に定める「廃棄物処
浄化槽市町村設置整備事業は、平成6年10月
理施設の基幹的設備改良マニュアル」に適合
20日付け衛浄第67号環境省大臣官房廃棄物・
するものに限る。ただし、延命化計画又は施
リサイクル対策部長通知別紙「浄化槽市町村
設保全計画の策定については、同様の内容を
整備推進事業実施要綱」による事業として、
含む他の計画を有する場合はこの限りではな
浄化槽施設を取得する事業であること。
い。
イ.廃棄物処理施設の基幹的設備改良事業(交
(6)施設整備に関する計画支援に係る事業
付率1/2)については、上記ア.の要件中
施設整備に関する計画支援に係る事業とは、交
「3%以上」とあるのを「20%以上」とし、こ
付対象事業である施設整備事業に必要な調査、計
れに適合するものに限る。
画、測量、設計、試験及び周辺環境調査等を行う
ウ.廃棄物処理施設基幹的設備改造については、
ものであり、交付要綱別表1 の第18項の事業とす
設置後原則として7年以上経過した機械及び
る。
装置等で老朽化その他やむを得ない事由によ
り損傷又はその機能が低下したものについて、
(7)廃棄物処理施設の長寿命化計画策定に係る事
原則として当初に計画した能力にまで回復さ
業
せる改造に係る事業であって、沖縄県におけ
廃棄物処理施設の長寿命化計画策定に係る事業
るものに限る。
とは、別に定める「廃棄物処理施設長寿命化計画
作成の手引き」に適合する廃棄物処理施設の長寿
(4)漂流・漂着ごみ処理施設に係る事業
命化計画を策定するために必要な調査等を行うも
漂流・漂着ごみ処理施設に係る事業とは、漂
のであり、交付要綱別表1の第19項の事業とする。
流・漂着ごみを円滑に処理するため、廃棄物の処
15.交付の対象となる廃棄物処理施設等の範囲
理に直接必要な設備を整備するものであり、交付
要綱別表1の第11項の事業とし、廃焼却施設の跡
交付金の交付の対象となる廃棄物処理施設等の範
地を利用して新たな廃棄物処理施設を整備する際
囲は、次のとおりである。
の当該廃焼却施設の解体事業を含むことができる
なお、用地取得に係る別表1第Ⅳ欄における別に
ものとする。
定める施設とは、エネルギー回収推進施設、有機性
廃棄物リサイクル推進施設及び最終処分場とする
(5)浄化槽に係る事業
(ただし、エネルギー回収推進施設及び有機性廃棄物
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
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リサイクル推進施設については、交付要綱第3第1
設、高効率原燃料回収施設
項の沖縄県、離島地域、奄美群島において整備され
ア.本事業の交付対象設備は、次に掲げるもの
る場合はこの限りでない)
。
であること。
(1)マテリアルリサイクル推進施設
①受入・供給設備(搬入・退出路を除く。
)
ア.本事業の交付対象設備は、次に掲げるもの
②前処理設備
であること。
③固形燃料化設備・メタン等発酵設備・その他
①受入・供給設備(搬入・退出路を除く。
)
ごみの燃料化に必要な設備
②破砕・破袋設備
④燃焼設備・乾燥設備・焼却残さ溶融設備・そ
③圧縮設備
の他ごみの焼却に必要な設備
④選別設備・梱包設備・その他ごみの資源化の
⑤燃焼ガス冷却設備
ための設備
⑥排ガス処理設備
⑤中古品・不用品の再生を行うための設備
⑦余熱利用設備・エネルギー回収設備(発生ガ
⑥再生利用に必要な保管のための設備
ス等の利用設備を含む。
)
⑦再生利用に必要な展示、交換のための設備
⑧通風設備
⑧分別収集回収拠点の整備
⑨灰出し設備(灰固形化設備を含む。)
⑨電動ごみ収集車及び分別ごみ収集車の整備
⑩残さ物等処理設備( 資源化設備を含む。
)
⑩その他、地域の実情に応じて、容器包装リサ
⑪ 搬出設備
イクルの推進に資する施設等の整備
⑫ 排水処理設備
⑪灰溶融設備・その他焼却残さ処理及び破砕残
⑬換気、除じん、脱臭等に必要な設備
さ溶融に必要な設備
⑭冷却、加温、洗浄、放流等に必要な設備
⑫燃焼ガス冷却設備
⑮前各号の設備の設置に必要な電気、ガス、水
⑬排ガス処理設備
道等の設備
⑭余熱利用設備(発生ガス等の利用設備を含む。
)
⑯前各号の設備の設置に必要な建築物
⑮通風設備
⑰搬入車両に係る洗車設備
⑯スラグ・メタル・残さ物等処理設備(資源化、
⑱電気、ガス、水道等の引込みに必要な設備
溶融飛灰処理設備を含む。
)
⑲前各号の設備の設置に必要な擁壁、護岸、防
⑰搬出設備
潮壁等
⑱排水処理設備
イ.本事業の交付対象とならない建築物等の設
⑲換気、除じん、脱臭等に必要な設備
備は、ア.⑯の建築物のうち、⑪ 、⑫、⑭及
⑳冷却、加温、洗浄、放流等に必要な設備
び⑮の設備に係るもの(これらの設備のため
澡前各号の設備の設置に必要な電気、ガス、水
の基礎及び杭の工事に係る部分を除く。
)。
道等の設備
澤前各号の設備の設置に必要な建築物
(3)有機性廃棄物リサイクル推進施設
澹管理棟
ア.本事業の交付対象設備は、次に掲げるもの
濆構内道路
であること。
澪構内排水設備
①受入・貯留・供給設備(搬入・退出路を除く。
)
濟搬入車両に係る洗車設備
②前処理設備(汚泥濃縮装置(移動式を含む)
)
濕構内照明設備
③発酵設備・その他有機性廃棄物のたい肥化、
濬門、囲障
飼料化等の資源化に必要な設備
濔搬入道路その他ごみ搬入に必要な設備
④嫌気性消化処理設備、好気性消化処理設備及
濘電気、ガス、水道等の引込みに必要な設備
び湿式酸化処理設備等し尿等の処理に必要な
濱前各号の設備の設置に必要な植樹、芝張、擁
設備
壁、護岸、防潮壁等
⑤活性汚泥法処理設備
イ.アの⑧、⑨、⑩の各設備を整備する場合は、
⑥排ガス処理設備
複数を互いに組み合わせるものであること。
⑦余熱利用設備(発生ガス等の利用設備を含む。
)
⑧残さ処理設備
(2)エネルギー回収推進施設、高効率ごみ発電施
⑨搬出設備
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⑩排水処理設備(消毒設備を含む。)
(5)最終処分場再生事業
⑪換気、除じん、脱臭等に必要な設備
ア.本事業の交付対象設備は、次に掲げるもの
⑫希釈、冷却、加温、洗浄、放流等に必要な設
であること。
備
①管理・計量設備
⑬前各号の設備の設置に必要な電気、ガス、水
②擁壁、堰堤その他廃棄物の流出防止に必要な
道等の設備
設備
⑭前各号の設備の設置に必要な建築物
③止水壁その他止水に必要な設備
⑮搬入車両に係る洗車設備
④覆蓋設備、雨水排除溝その他雨水及び表流水
⑯電気、ガス、水道等の引込みに必要な設備
の排除に必要な設備
⑰前各号の設備の設置に必要な擁壁、護岸、防
⑤浸出液集水管その他浸出液の集水に必要な設
潮壁等
備
イ.本事業の交付対象とならない建築物等の設
⑥沈でん槽その他浸出液の処理に必要な設備
備は、ア.⑭の建築物のうち、① 、②、⑥、
⑦飛散防止柵その他廃棄物の飛散防止に必要な
⑧、⑨、⑩、⑪、⑫及び⑬の設備に係るもの
設備
(これらの設備のための基礎及び杭の工事に係
⑧破砕設備その他埋立処分の前処理に必要な設
る部分を除く。)。
備
⑨消火設備その他火災防止に必要な設備
(4)最終処分場
⑩前各号の設備の設置に必要な電気、ガス、水
ア.本事業の交付対象設備は、次に掲げるもの
道等の設備
であること。
⑪前各号の設備の設置に必要な建築物
①管理・計量設備
⑫積出施設、揚陸施設等ごみの搬入に必要な設
②擁壁、堰堤その他廃棄物の流出防止に必要な
備
設備
⑬電気、ガス、水道等の引込みに必要な設備
③止水壁その他止水に必要な設備
⑭前各号の設備の設置に必要な擁壁、護岸、防
④覆蓋設備、雨水排除溝その他雨水及び表流水
潮壁等
の排除に必要な設備
イ.本事業の交付対象とならない建築物等の設
⑤浸出液集水管その他浸出液の集水に必要な設
備は、ア.⑪の建築物のうち、① 、⑥、⑧及
備
び⑩の設備に係るもの( これらの設備のため
⑥沈でん槽その他浸出液の処理に必要な設備
の基礎及び杭の工事に係る部分を除く。
)。
⑦飛散防止柵その他廃棄物の飛散防止に必要な
設備
(6)エネルギー回収能力増強事業
⑧破砕設備その他埋立処分の前処理に必要な設
ア.本事業の交付対象設備は、次に掲げるもの
備
であること。
⑨消火設備その他火災防止に必要な設備
①前処理設備
⑩前各号の設備の設置に必要な電気、ガス、水
②固形燃料化設備・メタン等発酵設備・その他
道等の設備
ごみの燃料化に必要な設備
⑪前各号の設備の設置に必要な建築物
③燃焼設備・乾燥設備・焼却残さ溶融設備・そ
⑫積出施設、揚陸施設等ごみの搬入に必要な設
の他ごみの焼却に必要な設備
備
④燃焼ガス冷却設備
⑬電気、ガス、水道等の引込みに必要な設備
⑤排ガス処理設備
⑭前各号の設備の設置に必要な擁壁、護岸、防
⑥余熱利用設備・エネルギー回収設備(発生ガ
潮壁等
ス等の利用設備を含む。
)
イ.本事業の交付対象とならない建築物等の設
⑦通風設備
備は、ア.⑪の建築物のうち、① 、⑥、⑧及
⑧残さ物等処理設備( 資源化設備を含む。)
び⑩の設備に係るもの( これらの設備のため
⑨冷却、加温、洗浄、放流等に必要な設備
の基礎及び杭の工事に係る部分を除く。
)
。
⑩前各号の設備の設置に必要な電気、ガス、水
道等の設備
59
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
環境省等国のうごき
⑪前各号の設備の設置に必要な建築物
(8)漂流・漂着ごみ処理施設
⑫電気、ガス、水道等の引込みに必要な設備
本事業の交付対象設備は、次に掲げるものであ
⑬前各号の設備の設置に必要な擁壁、護岸、防
ること。
潮壁等
①受入・供給設備(搬入・退出路を除く。
)
イ.本事業の交付対象とならない建築物等の設
②破砕・破袋設備
備は、ア.⑪の建築物のうち、⑨ 及び⑩の設
③圧縮設備
備に係るもの(これらの設備のための基礎及
④選別設備・梱包設備・その他ごみの資源化の
び杭の工事に係る部分を除く。
)。
ための設備
⑤除塩設備
(7)廃棄物処理施設の基幹的設備改良事業
⑥分別収集回収拠点の設備
本事業の交付対象設備は、次に掲げるものであ
⑦その他、地域の実情に応じて、漂流・漂着ご
ること。ただし、地球温暖化対策に資する設備改
みの処理の推進に資する設備
良に係るものに限る。
⑧前各号の設備の設置に必要な電気、ガス、水
ア.ごみ焼却施設
道等の設備
①受入設備
⑨前各号の設備の設置に必要な建築物
②燃焼(溶融)設備
⑩管理棟
③熱回収(排ガス冷却)設備
⑪構内道路
④排ガス処理設備
⑫構内排水設備
⑤余熱利用設備
⑬搬入車両に係る洗車設備
⑥通風設備
⑭構内照明設備
⑦灰出し設備
⑮門、囲障
⑧焼却残さ溶融設備
⑯積出施設、揚陸施設、搬入道路その他ごみの
⑨給水設備
搬入に必要な設備
⑩排水処理設備
⑰電気、ガス、水道等の引込みに必要な設備
⑪電気設備
⑱前各号の設備の設置に必要な植樹、芝張、擁
⑫計装設備
壁、護岸、防潮壁等
⑬前各号の設備の設置に必要な電気、ガス、水
道等の設備
(9)コミュニティ・プラント本事業の交付対象設
⑭前各号の設備の設置に必要な建築物
備は、次に掲げるものであること。
⑮電気、ガス、水道等の引込みに必要な設備
①スクリ−ン、脱水機、沈砂池、その他汚水の
イ.し尿処理施設
前処理に必要な設備
①機械・電気共通設備
②散水炉床法処理設備、活性汚泥法処理設備そ
②受入貯留・前処理設備
の他汚水の処理に必要な設備
③主処理設備
③消毒設備
④高度処理設備
④汚泥処理設備
⑤消毒・放流設備
⑤脱臭設備
⑥汚泥処理設備
⑥換気、除じん等に必要な設備
⑦資源化設備
⑦冷却、加温、洗浄、放流等に必要な設備
⑧脱臭処理設備
⑧幹線管渠(内径150m/m以上のものに限る。
)
⑨取排水設備
及びこれに付属する枡、取付管、マンホル等
⑩電気設備
の設備
⑪中央監視・計装設備
⑨管理・計量設備、ポンプ設備等の設備
⑫前各号の設備の設置に必要な電気、ガス、水
⑩前各号の設備の設置に必要な電気、ガス、水
道等の設備
道等の設備
⑬前各号の設備の設置に必要な建築物
⑪前各号の設備の設置に必要な建築物
⑭電気、ガス、水道等の引込みに必要な設備
⑫管理棟
⑬構内道路
60
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
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⑭構内排水設備
⑩換気、除じん、脱臭等に必要な設備
⑮搬入車両に係る洗車設備
⑪前各号の補完施設
⑯構内照明設備
⑰門、囲障
(12)可燃性廃棄物直接埋立施設
⑱搬入道路その他ごみ搬入に必要な設備
ア.本事業の交付対象設備は、次に掲げるもの
⑲電気、ガス、水道等の引込みに必要な設備
であること。
⑳前各号の設備の設置に必要な植樹、芝張、擁
①管理・計量設備
壁、護岸、防潮壁等
②擁壁、堰堤その他廃棄物の流出防止に必要な
設備
(10)浄化槽設置整備事業、浄化槽市町村整備推進
③止水壁その他止水に必要な設備
事業ア.本事業の交付対象設備は、次に掲げる
④覆蓋設備、雨水排除溝その他雨水及び表流水
ものであること。
の排除に必要な設備
①浄化槽
⑤浸出液集水管その他浸出液の集水に必要な設
②変則浄化槽
備
③窒素又は燐除去能力を有する高度処理型の浄
⑥沈でん槽その他浸出液の処理に必要な設備
化槽
⑦飛散防止柵その他廃棄物の飛散防止に必要な
④窒素又は燐除去能力を有する高度処理型の変
設備
則浄化槽
⑧破砕設備その他埋立処分の前処理に必要な設
⑤窒素及び燐除去能力を有する高度処理型の浄
備
化槽
⑨消火設備その他火災防止に必要な設備
⑥窒素及び燐除去能力を有する高度処理型の変
⑩前各号の設備の設置に必要な電気、ガス、水
則浄化槽
道等の設備
⑦BOD除去能力を有する高度処理型の浄化槽
⑪前各号の設備の設置に必要な建築物
⑧BOD除去能力を有する高度処理型の変則浄
⑫積出施設、揚陸施設等ごみの搬入に必要な設
化槽
備
イ.なお、既設の浄化槽の改築に係る交付対象
⑬電気、ガス、水道等の引込みに必要な設備
設備は、次に掲げるものであること(ただし、
⑭前各号の設備の設置に必要な擁壁、護岸、防
浄化槽設置整備事業に限る)
。
潮壁等
①スクリーン、脱水機、沈砂槽、その他汚水の
イ.本事業の交付対象とならない建築物等の設
前処理に必要な設備
備は、ア.⑪の建築物のうち、① 、⑥、⑧及
②その他の汚水処理設
び⑩の設備に係るもの( これらの設備のため
③消毒設備
の基礎及び杭の工事に係る部分を除く。
)。
④脱臭設備
⑤換気、除じん等に必要な設備
(13)焼却施設
ア.本事業の交付対象設備は、次に掲げるもの
(11)廃棄物処理施設基幹的設備改造本事業の交付
であること。
対象設備は、次に掲げるものであること。
①受入・供給設備(搬入・退出路を除く。
)
①受入・供給設備(搬入・退出路を除く。
)
②前処理設備
②燃焼設備・醗酵設備・焼却残さ溶融設備、そ
③燃焼設備・乾燥設備・焼却残さ溶融設備、そ
の他ごみの処理に必要な設備
の他ごみの焼却に必要な設備
③燃焼ガス冷却設備
④燃焼ガス冷却設備
④排ガス処理設備
⑤排ガス処理設備
⑤余熱利用設備
⑥余熱利用設備
⑥通風設備
⑦通風設備
⑦灰出し設備(灰固形化設備を含む。
)
⑧灰出し設備(灰固形化設備を含む。
)
⑧排水処理設備
⑨搬出設備
⑨不燃物処理・資源化設備
⑩排水処理設備
61
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
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⑪換気、除じん、脱臭等に必要な設備
整備事業は、平成25年度までの時限措置とする。
⑫冷却、加温、洗浄、放流等に必要な設備
⑬前各号の設備の設置に必要な電気、ガス、水
3.交付要綱別表1の第4項の高効率原燃料回収施設
道等の設備
の整備事業は、平成23年度までの時限措置とする。
⑭前各号の設備の設置に必要な建築物
⑮搬入車両に係る洗車設備
4.交付要綱別表1の第19項の廃棄物処理施設におけ
⑯電気、ガス、水道等の引込みに必要な設備
る長寿命化計画策定支援事業は、平成25年度までの
⑰前各号の設備の設置に必要な擁壁、護岸、防
時限措置とする。ただし、交付要綱第3 第1項の沖
潮壁等
縄県、離島地域、奄美群島、豪雪地域、半島地域、
イ.焼却施設に係る交付対象とならない建築物
山村地域及び過疎地域においては平成27年度までの
等の設備は、ア.⑭の建築物のうち、②、③、
時限措置とする。
④、⑤、⑥、⑧、⑨、⑫ 及び⑬の設備に係る
もの(これらの設備のための基礎及び杭の工
5.上記4の措置が終了する平成26年度(交付要綱第
事に係る部分を除く。
)。
3第1項の沖縄県、離島地域、奄美群島、豪雪地域、
半島地域、山村地域及び過疎地域においては平成28
附則
年度)以降に実施する、14.(2)及び(3)の交付
1.本要領は、平成22年4月1日に施行し、平成22年
対象事業は、策定された長寿命化計画に基づき予防
度予算にかかる交付金事業から適用する。
保全的な維持管理を行っていくものに限ることとす
る。
2.交付要綱別表1の第3項の高効率ごみ発電施設の
18
詰碁(黒先)
詰将棋 持駒:飛
9
8
7
6
5
4
3
2
1
一
二
三
四
五
六
七
八
九
解答は 87 頁
出題・杉戸大作 (財)廃棄物研究財団 理事長
62
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Ⅰ算定基準
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Ⅱ 費用の説明
をいう。
(イ)準備費 準 備 費 工 事 施 工 に 必 要 な 、
準備、跡片付け、調査、測
量、丁張り( 調査費に含ま
れるものを除く。)、伐開整
地及び除草等に要する費用
をいう。
(ウ)仮設費 機械設備の設置、撤去及び
仮道、仮橋現場補修、用水
並びに電力等の供給設備等
に要する費用をいう。
(エ)役務費 役務費仮設工事、材料置場
等の土地の借上げ及び電
力・用水等の基本料金等に
要する費用をいう。
(オ)技術管理費 技術管理費 品質管理のため
の試験、出来形管理のため
の測量及び技術管理上必要
な資材の作成に要する費用
をいう。
(カ)営繕損料 現場事務所、試験室、労務
者宿舎、倉庫及び材料保管
場等の営繕に要する費用を
いう。
(キ)労務者輸送費 労務者輸送に要する費用を
いう。
(ク)安 全 費
交通管理及び安全施設等に
要する費用をいう。
ウ.「現場管理費」とは、請負業者が工事を施工
するために必要な現場経費であって、労務管
理費、地代家賃、水道光熱費、運賃、消耗品
費、通信運搬費及びその他に要する費用をい
う。( 特殊製品については付表参照)
(4)「一般管理費」とは、請負業者が工事を施工す
るために必要な一般管理費及び利潤等であって、
諸給与、福利厚生費、事務用品費、通信運搬費、
保険料、公租公課、旅費及びその他に要する費
用をいう。
(5)「付帯工事費」とは、当該施設の工事施工に伴
い必要不可欠な付帯工事に要する経費をいう。
ア.地造成費は、施設設置に必要な最小限度の
用地造成に必要な工事費(準備工事費を含む。
)
をいう。
イ.搬入道路等工事費は、施設設置に必要な最
小限度の搬入道路及び構内道路等に必要な工
事費(準備工事費を含む。
)をいう。
ウ.門及び囲障等工事費は、敷地外周の門、囲
障等の整備及びその他の工事に必要な最小限
度の工事費をいう。
(6)「廃焼却施設解体費」とは、廃止された廃棄物
交付対象事業の経費(以下「事業費」という。)は、
工事費及び事務費に大別され、工事費は更に本工事費、
付帯工事費、廃焼却施設解体費、用地費及び補償費、
調査費及び工事雑費に、また事務費は、旅費及び庁費
に分けられるが各費目の内容は次の各号によるもので
ある。
1.
「本工事費」とは
(1)直接工事費、間接工事費及び一般管理費等を
いう。
(2)
「直接工事費」とは
直接工事費は、箇所又は工事種類により各工
事部門を工種、種別及び名称に区分し、それぞ
れの区分ごとに材料費、労務費及び直接経費の
三要素について積算するものをいう。
ア.材料費 工事を施工するに必要な材料の
費用で別に定める主要資材単価
表を標準とし、買入れに要する
費用及びこれに伴う運搬費及び
保管料の合計額をいう。
イ.労務費 直接工事費のうち、労務費につ
いては、別に定める職種別賃金
日額表及び工事設計標準歩掛表
の標準単価を標準とする。
ウ.直接経費 工事を施工するに直接必要とす
る経費でその算定は次によるも
のをいう。
(ア)特許使用料 契約に基づき使用する
特許の使用料及び派出
する技術者等に要する
費用の合計額をいう。
(イ)水道光熱電力料 水道光熱電力料工事を
施工するに必要な電力、
電灯使用料及び用水使
用料をいう。
(ウ)機械器具損料 機械器具損料工事を施
工するに必要な機械の
使用に要する経費(材
料費、労務費を除く。)
で別に定める「機械損
料表」による。
(3)
「間接工事費」とは
ア.間接工事費は、各工事部門共通の前号以外
の工事費及び経費とし、共通仮設費及び現場
管理費に分類するものをいう。
イ.「共通仮設費」とは、次に掲げるものについ
て積算するものとする。
(ア)運搬費 運搬費工 事 施 工 に 必 要 な 機
械器具等の運搬現場内の器
具等の移動等に要する費用
67
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工中の損失量を実状に即して加算するこ
とができること。
(イ)価格
価格は、別に定める主要資材単価表に基
づくものとするが、これがない場合には
原則として入札時における市場価格とす
るものとし、これに買入れに要する費用
及びこれに伴う運搬費及び保管料を加算
するものとすること。
イ.労務費は、次のものについて算定すること。
(ア)所要人員
所要人員は、原則として現場条件及び工
事規模を考慮して工事ごとに算定するが
一般に過去の実績及び検討により得られ
た標準的な歩掛りを使用するものであり、
別に定める工事標準歩掛表に基づいて算
定するものとすること。
(イ)労務賃金
労務賃金労務賃金は、労務者に支払われ
る賃金であって、基本給及び割増賃金を
いうものであること。
基本給は、別に定める職種別賃金日額
表を使用するものとすること。基本作業
外の作業及び特殊条件による作業に従事
した場合に支払われる賃金を割増賃金と
いい、割増賃金は従事した時間及び条件
によって加算することができること。
(3)特殊製品
特殊製品とは、管理された工場において、原
材料を混合及び成型または組立を行う等加工工
程を経て生産し、一般に市販されている製品等
であって、設計積算に当たって購入(特注を含
む。)の上使用することを予定しているものであ
ること。
特殊製品は、交付要綱別表2 の付表に掲げる
もののほか次のものが該当すること。
i.コンクリート製品
①ブロック(積、張、平、連節、根固、
消波、空胴、縁石、U型、L 型、枠、
境界、歩道)
②杭(境界、PC、RC)
③板(PC、RC)
④柱(PC、RC)
⑤矢板(PC、RC)
⑥管(ヒューム、PC、RC、無筋コン
クリート)
⑦集水枡、街蓋、方格材、R C桁、柵、
ボックスカルバート、組立擁壁
ii.鉄鋼及び金属製品
①桁(I形鋼、H形鋼、溝形鋼、山形鋼)
焼却施設の解体に要する費用をいう。
(7)用地費及び補償費」とは、工事の施工に必要
な最小限度の土地等の買収( 市街地再開発法第
91条に規定する補償金等)及び借料並びに工事
施工によって生じた家屋、立木、その他の財産
権の侵害による損失並びに物権の移転に伴う損
失に対する補償に要する費用(補償金に換え直
接施工する補償工事に要する経費及び代替用地
に対する差額補償費を含む。
) をいう。
(8)「工事雑費」とは、交付対象事業者が当該施設
の工事等の施工に付随して要する費用であって、
工事の現場事務に必要な備品費、消耗品費、賃
金、印刷製本費、光熱水料通信運搬費、雑役務
費、連絡旅費、及び工程に関係ある職員の給与
(退職手当金を除く。)並びにこの費目から賃金
又は給与が支弁される者に係る交付対象事業者
負担の労働者災害補償保険料等、その他に要す
る費用をいう。
2. 「事務費」とは、交付対象事業者が事業施工の
ために直接必要な事務に要する費用であって、旅
費及び庁費〔賃金(労働保険料を含む)、需用費
(消耗品費、燃料費、食糧費、印刷製本費、光熱水
料及び修繕費)、委託料、使用料、賃借料、通信運
搬費、監督料及び備品費等の人件費並びに物件費〕
をいう。
Ⅲ 交付対象事業費の算定要領
1.工事費について
(1)本工事費及び付帯工事費の区分
ア.本工事は、次のものについて算定すること。
(ア)廃棄物の処理に直接必要な設備の設置に
係る工事費
(イ)(ア)設備を補完する設備のうち、管理棟
の設置に係る工事費
イ.付帯工事費は、次のものについて算定するこ
と。
(ア)廃棄物の処理に直接必要な設備を補完す
る設備(管理棟を除く。)の設置に係る工事
費
(イ)施設の設置に必要な最小限度の用地の造
成に必要な工事費(準備工事費を含む。)
(ウ)電気、ガス、水道等の引込み工事に係る
負担金
(エ)前各号に掲げる工事等以外のものであっ
て、必要最小限度の付帯工事
(2)直接工事費
ア.材料費は、次のものについて算定すること。
(ア)数量
数量は、標準使用量に運搬、貯蔵及び施
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なお、建築物又は構内道路と一体となってい
るものについては、それぞれの工事費において
算定されるものであること。
(7)洗車設備に係る工事費
洗車設備に係る工事費は、搬入車輌の単位時
間当たりの台数に見合う必要最小限度の設備に
要する経費であること。
なお、洗車汚水の処理に係る設備については、
排水処理設備に係る工事費において算定される
ものであること。
(8)構内照明設備に係る工事費
構内照明設備に係る工事費は、施設の管理に
必要な照明設備(建築物と一体となっているも
のは除く。
)の整備に要する経費であること。
(9)門、囲障に係る工事費
門、囲障に係る工事費は、施設の管理に必要
なものであって施設外周の門、囲障の整備に必
要な最小限度の工事に要する経費であること。
(10)搬入道路等に係る工事費
搬入道路等に係る工事費は、主として廃棄物
の搬入、車輌の搬入・退出・焼却残さ等の搬出
等に必要な道路等の整備に要する経費であるこ
と。
(11)廃焼却炉の解体に係る工事費
廃焼却炉の解体に係る工事費は、廃焼却炉の
解体跡地の全部または一部を活用して新たな廃
棄物処理施設( 交付対象となる全ての廃棄物処
理施設)を整備する場合の当該廃焼却炉の解体
に要する経費であること。
また、当該廃焼却炉ダイオキシン濃度が3
ng/g以上の濃度の場合にあっては、解体後5
年以内(解体の翌年度から起算)に上記施設の
整備に着手すれば対象となること。
なお、解体撤去に係る費用が新たな施設の整
備に要する費用を上回る場合においても交付の
対象とすること。ただし、解体後、施設整備計
画に定めた期間内に新たな廃棄物処理施設の整
備に着手しない場合は、交付金の返還をするこ
と。
②杭(H形鋼、鋼管、簡易鋼)
③鋼柱(照明、標識)
④矢板(鋼、簡易鋼、鋼管)
⑤管(鋼、鋳鉄、コルゲート)
⑥支保工用H形鋼
⑦簡易組立式橋梁、組立式歩道、ライナ
ープレート、覆工板
⑧ガードレール、ガードロープ、フェン
ス、ガードパイプ、落石防止柵、道路
鋲、舗装用鉄鋼、鋼格子床板
iii.ゴム・合成樹脂製品
①合成樹脂管
②ドレンホース
③吸出防止材
iv.電気製品
電気材料及び機器
v.その他
①石綿管
②陶管
③視線誘導票、標識、カーブミラー、情
報板、吸防音壁、落石防止網、タイル、
消雪パイプ
④継手
vi.半製品
①生コンクリート
②生アスファルト合材
③凍結防止材
(4)管理棟に係る工事費
管理棟に係る工事費は、次に掲げるものにつ
いて算定すること。
①管理事務室、②管理制御室、③作業員控
室、④試験室、⑤宿直、⑥仮眠室、⑦浴室、
⑧更衣室、⑨湯沸室、⑩食堂、⑪洗面所、
⑫換気設備、⑬冷暖房設備、⑭通信設備、
⑮昇降機、⑯その他施工の管理に必要な設
備
(5)構内道路に係る工事費
構内道路に係る工事費は、廃棄物の搬入車輌
の搬入・退出・焼却残さ等の搬出及び施設の維
持管理に必要な車輌等の通行に必要な構内道路
及び必要最小限度の駐車場の整備に要する経費
であること。
(6)構内排水設備に係る工事費
構内排水に必要な設備に係る工事費は、雨水
の排除、場内清掃等に伴って生ずる汚水の排除
等に必要な設備に要する経費であること。
2.事務費
事務費のうち備品費は、原則として取得価格1品
目15万円未満のものについて算定するものとし、15
万円以上のものについては、あらかじめ環境大臣に
協議し、その承認を得たものに限って算定すること
ができること
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◆ 第45回理事会開催される。
(財)廃棄物研究財団の第45回理事会が平成22年3
月2日(火)(財)廃棄物研究財団会議室において開催
された。
理事会は、杉戸理事長の挨拶の後、会議の成立を確認、
議事録署名人を選出し、議事に入った。
財団のうごき
[会議の成立]
理事現在数 31名
出席者 11名
代理人による表決 20名
◆ 第37回評議員会開催される
(財)廃棄物研究財団の第37回評議員会が平成22年3
月2日(火)、(財)廃棄物研究財団会議室において開
催された。
評議員会は杉戸理事長の挨拶の後、議長に小林康彦
氏を選出し、会議の成立を確認、議事録署名人を選出
し、議事に入った。
[議事録署名人]
古市 圭治 氏
佐々木五郎 氏
[会議の成立]
評議員現在数 30名
出席者 9名
代理人による表決 21名
議事は次のとおりであった。
1.第1号議案 評議員の選任
2. 報告 平成21年度事業経過報告
3. 第2号議案 平成21年度収支予算の補正
4. 第3号議案 平成22年度事業計画及び収支予算
5. その他
【報告事項】
「平成21年度第一回企画委員会」に関する件
[議事録署名人]
水流 純男 氏
大森 重明 氏
議事は次のとおりであった。
1. 評議員の選任
2. 平成21年度事業経過報告
3. 平成21年度収支予算の補正
4. 平成22年度事業計画及び収支予算
5. その他
【報告事項】
「平成21年度第一回企画委員会」に関する件
議事1から議事4を事務局より説明し、理事より以
下の質問がなされた。
・一般会計と特別会計の違いについて
・公益法人制度改革について
質問に対して、事務局より各々説明がなされた。
その他の議事を含め、原案どおり議了した。
(平成21年度事業報告)
6月2日(水)第38回評議員会、第46回理事会資料
を参照下さい。
議事1から議事4を事務局より説明し、質疑がなさ
れた。
その他の議事を含め、原案どおり議了した。
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平成21年度 補正収支予算
自 平成21年4月1日
至 平成22年3月31日
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平成22年度事業計画
Ⅲ 情報収集、提供に関する事業
1情報提供活動 セミナーの開催
Ⅰ 受託調査研究等事業
昨年度に引き続き、以下の調査研究事業を実施する。
なお、環境省の予算の具体化に配慮し、新規テーマ
についても積極的に取組む。
また、自治体等からの受託事業にも積極的に取組む。
2図書の刊行
調査研究事業等の成果をもとにマニュアル等を積極
的に発行する。
1環境省からの受託事業
環境省の平成22年度予算の具体化を考慮し、廃棄
物・リサイクル対策関係予算概算要求の概要で示さ
れた重点施策である「3Rの戦略的高度化」、「安全・
安心な廃棄物処理・リサイクルの推進」等に係る調
査・研究業務の積極的な受注に努める。
Ⅳ 海外調査等に関する事業 本年度も海外調査等を実施する。
Ⅴ 広報活動他
1会員・一般向け広報活動
(1)財団の活動状況等を紹介するため「財団だより」
(79号、80号)の発行を予定
(2)ホームページ http://www.jwrf.or.jp/ の情報を適
宜更新し、運用する。
(3)メールマガジン「3R・廃棄物ニュース」の配信
2循環型社会形成推進科学研究費補助金事業
(1)アジア諸国等への日本の3R体験の移転促進に関
する研究(22)
(2)脱温暖化を目指した廃棄物・3R関連施設の最適
化に関する研究(22∼24)
(3)循環型社会ビジョン実現に向けた技術システムの
評価モデル構築と資源効率・環境効率の予測評価
(20∼22)
代表研究者:大迫政浩((独)国立環境研究所 循環
型社会・廃棄物研究センタ
ー循環技術システム研究室
室長)
2自治体審議会等への役職員の参画
(1)市川市廃棄物減量等推進審議会
(2)柏市廃棄物処理清掃審議会
(3)建築物環境衛生管理技術者試験委員(
(財)ビル管
理教育センター)
(4)一般社団法人廃棄物資源循環学会、(財)産業廃
棄物処理事業振興財団、(財)横浜市資源循環公
社の評議員会等にも役員等が参画
3自治体等受託事業
(1)環境保全対策調査:大阪湾広域臨海環境整備セン
ター(5∼)
(2) 廃棄物・海域水環境保全に係る調査研究費助成制
度運営業務:大阪湾広域臨海環境整備センター
(19∼)
(3) 廃棄物対応技術検討懇話会(頑張れ関西)
3 3R活動推進フォーラム関連事業
平成21年度に引き続き、3R活動推進フォーラム関連
事業の支援を行う。
(備考)
1 本事業計画は、一般会計に係る事業及び特別会計
に係る事業を合わせたものである。
2 受託等に係る事業は、未確定のものである。
Ⅱ 自主研究・活動等
1技術開発支援事業
今年度も引き続き募集を予定している。
2学会等への参画・協力
(一社)廃棄物資源循環学会及び(社)全国都市清掃
会議の研究発表会等への参画・協力
77
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
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平成22年度 収支予算
自 平成22年4月1日
至 平成23年3月31日
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
ター(5∼)
(2)神戸沖埋立処分場集排水システム検討調査:大阪
湾広域臨海環境整備センター
(3)廃棄物・海域水環境保全に係る調査研究費助成制
度運営業務:大阪湾広域臨海環境整備センター
(19∼)
(4)液状廃棄物研究:企業7社(17∼)
(5)残留性化学物質研究:企業15社(17∼)
(6)メタン発酵研究:企業11社(17∼)
(7)最終処分場跡地利用研究:企業11社(17∼)
(8)廃棄物対応技術検討懇話会(頑張れ関西)
平成21年度事業報告
Ⅰ 総務的事項
1会 員
当財団の会員は平成22年3月31日現在146会員であ
り、平成21年3月31日時点より5会員減である。
その内訳は、名誉会員が3会員、会員A(市町村等)が
52会員、会員B(出損企業)が55会員(4減)、会員C
(廃棄物処理と関連する法人)が16会員(2減)、会員D
(都道府県等)が20会員(1増)である。
2職 員
平成22年3月31日現在、8名の常勤職員が在籍して
いる。
出身別内訳は、プロパー5名、企業派遣3名(JF
E環境ソリューションズ(株)、日立造船㈱、㈱日水コ
ン)である。
また、この他に非常勤職員4名が在籍している。
Ⅲ 自主研究・活動等
1技術開発支援事業
今年度は実績なし。
2学会等への参画、協力
(1)
(一社)廃棄物資源循環学会研究発表会(企画セ
ッション:わが国の日本の3R経験を海外へいか
に伝えるか)
(2)
(社)全国都市清掃会議事例・研究発表 論文名
① 大阪湾広域臨海環境整備センター研究費助成制度
の紹介
② 3R活動の現状と課題について
③ 神戸沖埋立処分場集排水システムの検討
Ⅱ 受託調査研究等事業
1環境省からの受託事業
(1)平成21年度3R促進ポスターコンクール実施業務
(2)平成21年度「環境にやさしい買い物キャンペーン」
実施報告書作成等業務
(3)平成21年度一般廃棄物処理施設における溶融固化
の現状に関する調査業務
(社)日本産業機械工業会、パシフィックコンサ
ルタンツ(株)と協同で業務を受注
(4)平成21年度廃棄物処理施設におけるストックマネ
ジメント導入手法調査委託業務
(財)日本環境衛生センターと協同で業務を受注
(5)平成21年度廃棄物系バイオマス利活用等に係る海
外廃棄物処理技術情報調査及び評価検討委託業務
(株)日水コン、(株)アーシンと協同で業務を受
注
3設立20周年記念誌の発行及び記念式典
財団が平成元年8月1日に設立されたことから、「財
団20年史」を作成するとともに設立20周年記念パーテ
ィーを開催(平成21年6月2日:霞が関ビル東海大学
校友会館、平成21年6月11日:メルパルク大阪)
Ⅳ 情報収集、提供に関する事業
1情報提供活動 セミナーの開催 2循環型社会形成推進科学研究費補助金事業
(1)日本の3R制度・技術・経験の変遷に関する研究
(20∼21)
(2)循環型社会ビジョン実現に向けた技術システムの
評価モデル構築と資源効率・環境効率の予測評価
(20∼22)
代表研究者:大迫政浩(( 独 ) 国 立 環 境 研 究 所
循環型社会・廃棄物研究
センター 循環技術シス
テム研究室 室長)
注)財団職員が代表または共同研究者
*1 Ⅱ受託調査研究事業 2(2): 循環型社会ビジョン実現に向けた技術システムの評価モデル
構築と資源効率・環境効率の予測評価(20∼22)
*2 (社)日本廃棄物コンサルタント協会と共催
2図書等の刊行
(1)
「循環型社会形成に向けてのごみ焼却施設のリニ
ューアルモデル構築に関する資料集」
(平成21年10月)
3自治体等受託事業
(1)環境保全対策調査:大阪湾広域臨海環境整備セン
79
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
クールの実施
(公募:平成21年4月4日∼9月14日、第一次審査
9月18日、第二次審査9月24日)
② 「環境にやさしい買い物キャンペーン」を環境省、
経済産業省と実施
(期間:平成21年10月1日∼31日)
③ 第4回3R推進全国大会の開催(平成201年10月16
日∼10月18日に千葉市で開催)
④ 3Rフォーラム「3R制度セミナー∼日本からアジ
アへ∼」を開催
(開催日:平成22年1月1月21日、会場:主婦会館
プラザエフ)
⑤ 展示会への出展((財)廃棄物研究財団と3R活動
推進フォーラムの共同出展)
・エコライフフェアー2009 平成21年6月6日
(土)∼7日(日)
・環境広場札幌2009 平成21年7月31日(金)∼
8月2日(日)
・ちばし環境展 平成21年10月16日(金)∼18
(日)
・エコプロダクツ2009 平成21年12月10日(木)
∼12(土)
⑥ そのほかの主な事業
・循環型社会形成推進功労者等環境大臣表彰の推
薦
・食品リサイクル推進環境大臣賞の推薦
・平成21年度東海3県1市グリーン購入キャンペ
ーンへの協賛
・3R検定への協力
Ⅴ 海外調査等事業
今年度は実績なし。
Ⅵ 広報活動他
1会員・一般向け広報活動
(1)財団の活動状況等を紹介するため 「財団だより」
(77号、特集号、78号)の発行
(2)メールマガジン「3R・廃棄物ニュース」の配信
(約6,000件)、またホームページでの調査・研
究やセミー等の事業内容の広報
(3)ホームページ http://www.jwrf.or.jp/ による情報
提供
2自治体審議会等への役職員の参画
(1)市川市廃棄物減量等推進審議会
(2)柏市廃棄物処理清掃審議会
(3)建築物環境衛生管理技術者試験委員(
(財)ビル管
理教育センター)
(4)一般社団法人廃棄物資源循環学会、(財)産業廃
棄物処理事業振興財団、(財)横浜市資源循環公
社の評議員会等にも役員等が参画している。
3その他
(1)環境衛生週間(環境省)、第53回生活と環境全国
大会((財)日本環境衛生センター)、シンポジウ
ム「低炭素社会への実現に向けて∼廃棄物処理に
おけるエネルギー回収」(鳥取環境大学)、第19回
環境工学総合シンポジウム2009((社)日本機械
学会)
、NEW環境展2009等に協賛した
(備 考)
1 下線表示は新規事業を示す。
(2)3R活動推進フォーラム関連事業(以下の事業に
ついて支援を行った。
)
① 小中学生を対象とした3Rに関するポスターコン
80
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
平成21年度 収支計算書総括表
自 平成21年4月1日
至 平成22年3月31日
Ⅰ
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
①
②
③
Ⅱ
81
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
◆ 第46回理事会開催される。
(財)廃棄物研究財団の第46回理事会が平成22年6月
2日(水)(財)廃棄物研究財団会議室において開催さ
れた。
理事会は、杉戸理事長の挨拶の後、会議の成立を確
認、議事録署名人を選出し、議事に入った。
◆ 第38回評議員会開催される
(財)廃棄物研究財団の第38回評議員会が平成22年6
月2日(水)、(財)廃棄物研究財団会議室において開
催された。
評議員会は杉戸理事長の挨拶の後、議長に加藤三郎
氏を選出し、会議の成立を確認、議事録署名人を選出
し、議事に入った。
[会議の成立]
理事現在数 31名
出席者 15名
代理人による表決 16名
[会議の成立]
評議員現在数 30名
出席者 8名
代理人による表決 19名
[議事録署名人]
木下 正明 氏
宇佐見貞彦 氏
[議事録署名人]
岡村 徹 氏
柴田 宗孝 氏
議事は次のとおりであった。
1. 報告 役員の選任
2. 第1号議案 評議員の選任
3. 第2号議案 平成21年度事業報告及び収支決算
議事は次のとおりであった。
1. 議案 役員の選任
2. 評議員の選任
3. 平成21年度事業報告及び収支決算
以上の議事について、原案どおり議了した。
以上の議事について、原案どおり議了した。
なお、議事3を事務局より説明し、評議員から以下の
質問がなされた。
・今後の事業展開について
質問に対して、事務局より説明がなされた。
(役員名簿及び評議員名簿は別掲)
評議員会
理事会
82
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
役 員 名 簿
(五十音順)
理 事 長
杉 戸 大 作
財団法人廃棄物研究財団 理事長
専務理事
八 木 美 雄
財団法人廃棄物研究財団 専務理事
理 事
飯 島 孝
財団法人産業廃棄物処理事業振興財団 専務理事
〃 井 戸 秀 寿
東京都環境局廃棄物対策部長
〃 宇佐見 貞 彦
廃棄物研究コンサルタント協議会 代表幹事
〃 加 藤 精 治
財団法人廃棄物研究財団 理事
〃 萱 場 道 夫
仙台市 環境局長 〃 河 井 正 和
神戸市 環境局長
〃 木 下 正 明
社団法人 日本環境衛生施設工業会 専務理事
〃 佐々木 五 郎
社団法人全国都市清掃会議 専務理事
〃 佐 藤 惠 和
北九州市 環境局長
〃 佐 藤 敏 郎
一般社団法人 環境衛生施設維持管理業協会 会長
〃 芝 川 重 博
株式会社 タクマ 常務執行役員 エンジニアリング統轄本部長
〃 代 田 龍 乗
さいたま市 環境局長
〃 鈴 木 基 之
放送大学 教授 国際連合大学 特別学術顧問
〃 田 中 勝
鳥取環境大学サスティナビリティ研究所長
環境マネジメント学科教授 〃 玉 井 得 雄
大阪市 環境局長
〃 坪 内 俊 明
京都市 環境政策局長
〃 寺 岡 章 二
川崎市 環境局長
〃 寺 島 泰
京都大学名誉教授 京都府環境専門役
〃 中 村 敬 臣
札幌市 環境局長
〃 長谷川 和 司
名古屋市 環境局長
〃 花 嶋 正 孝
福岡大学名誉教授 財団法人福岡県リサイクル総合研究センター長
〃 早 渕 直 樹
横浜市 資源循環局長
〃 藤 田 賢 二
東京大学名誉教授 財団法人水道技術研究センター会長
NPO法人環境創造研究機構(NPO ECO)理事長
財団法人給水工事技術振興財団 理事長
〃 古 市 圭 治
財団法人日本産業廃棄物処理振興センター 理事長
〃 堀 内 雅 晴
広島市 環境局長
〃 眞 柄 泰 基
学校法人 トキワ松学園 理事長
〃 村 川 忠 夫
日立造船株式会社 顧問
〃 山 下 俊 一
三井造船株式会社 取締役 環境・プラント事業本部 事業本部長
〃 横 山 隆
JFEエンジニアリング株式会社 都市環境本部 O&M事業部長
監 事
大 野 義 規
千葉市 環境局長
〃 森 川 則 三
株式会社 西原環境テクノロジー事業統括本部理事 (注) 所属の役職名は平成22年6月2日現在
83
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
評 議 員 名 簿
(五十音順)
荒 瀬 泰 子
福岡市 環境局長
息 田 恭 昌
奈良市 環境清美部長 石 渡 和 夫
一般社団法人 廃棄物資源循環学会 事務局長
泉 和 久
新潟市 環境部長
井 上 雄 三
有限責任事業組合持続性社会研究所 代表
独立行政法人国立環境研究所特別客員研究員
植 田 和 弘
京都大学大学院 経済学研究科教授 ダブリン大学客員教授
江 戸 通 敏
松山市 環境部長
大 森 重 明
三機工業株式会社 環境システム事業部 次長
岡 村 徹
一般社団法人 環境衛生維持管理業協会 副会長
奥 村 知 一
財団法人 日本環境整備教育センター常任理事
小山内 勉
青森市 環境部長
樫 山 敏 徳
長崎市 環境局長
加 藤 三 郎
株式会社環境文明研究所 代表取締役・所長 NPO法人環境文明21代表理事
河 村 清 史
埼玉大学大学院 理工学研究科 教授
小 林 康 彦
財団法人日本環境衛生センター 会長
小 林 豊 江戸川区 環境部長
柴 田 宗 孝
水道機工株式会社 公共事業本部技術部 環境資源推進室長
関 清 司
静岡市 環境局長
関 口 准 司
株式会社川崎技研 技術本部 技監
武 田 信 生
立命館大学総合理工学研究機構客員教授 立命館大学エコ・テクノロジー研究センター長 京都大学名誉教授
津 田 昌 利
宇都宮市 環境部長
水 流 純 男
廃棄物研究コンサルタント協議会 副代表幹事
中 沢 良 博
株式会社神鋼環境ソリューション 技監
中 田 康 介
アタカ大機株式会社 執行役員 環境プラント事業本部技術本部長
長谷川 公 三
新明和工業株式会社 環境システム事業部 営業部 部長
藤 原 正 弘
財団法人水道技術研究センター 理事長
松 田 隆 之
岡山市 環境局長
松 藤 康 司
福岡大学 工学部社会デザイン工学科 教授
中国環境保護局分析計測研究センター招聘教授
山 田 良 介
新日鉄エンジニアリング株式会社 執行役員 環境ソリューション事業部長
山 野 努
堺市 環境局環境事業部長
(注)所属の役職名は平成22年6月2日現在
84
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
委員会のうごき
○「環境保全対策調査第19回委員会」
日時 平成22年3月26日 場所 タイリンビルAAホール会議室
○「循環型社会ビジョン実現に向けた技術システムの
評価モデル構築と資源効率・環境効率の予測評価」
第3回 WG
日時 平成22年1月15日(金)
場所 (財)廃棄物研究財団会議室
○「廃棄物系バイオマス利活用に係る評価検討委員会」
日時 平成22年3月8日(月)10:00∼12:00
場所 (財)廃棄物研究財団会議室
第4回 WG
日時 平成22年3月11日(木)
場所 (財)廃棄物研究財団会議室
○「廃棄物・海域水環境保全に係る調査研究費助成制
度審査委員会」
○日本の3R制度・技術・経験の変遷に関する研究第5
回研究委員会
日時 平成22年6月29日(金)9:30∼14:00
場所 大阪湾広域臨海環境整備センター会議室
日時 平成22年1月28日(木)
場所 (財)廃棄物研究財団会議室
詰碁 解答:黒先活
41
2
詰将棋解答
5
3
1二
2四
同
1三
1四
(5手詰)
87
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
88
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
「環境資源ギャラリー(掛川市・菊川市衛生施設組合)」
・
「浜松市西部清掃工場」現地踏査報告
1.「環境資源ギャラリー(掛川市・菊川
市衛生施設組合)」
「頑張れ関西」のワーキンググループ活動において、
「第5回現地踏査」を行った。「現地踏査ワーキング」
では、若手技術者の技術力向上を目的の1つとしてお
り、頑張れ関西参加企業が建設した施設を見学する際
には、建設に携わった現場に詳しい若手の技術者2∼
3名による現場案内がある。そして、炉室内で専門的
な質疑応答ができるのが、本ワーキングの特徴である。
今回の踏査先は、「環境資源ギャラリー(掛川市・菊川
市衛生施設組合)」及び「浜松市西部清掃工場」である。
踏査報告を以下に記す。
本施設は、頑張れ関西参加企業である株式会社タク
マの建設である。そのため、同社技術者2名による、
炉室内の案内及び専門的な質疑応答が行われた。
1-1)施設概要
本施設は、掛川市・菊川市の2市で構成されている
「掛川市・菊川市衛生施設組合」が建設・運営を行って
いる。施設は、可燃ごみを処理する「ガス化溶融施設」
と粗大ごみ及び不燃ごみを処理する「リサイクルプラ
ザ施設」及び「容器包装博物館」で構成されている。
施設概要を表-1-1に示す。
●見学会日時:
「環境資源ギャラリー(掛川市・菊川市衛生施設組合)」
2010年4月22日(木)9:15∼12:10
「浜松市西部清掃工場」
2010年4月22日(木)14:00∼16:00
表-1-1 施設概要
●見学者数:
施設外観
89
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
1-2)設備概要
【ガス化溶融施設】
(設備概要:表-1-2、ごみ処理の流れ:図-1-1)
表-1-2 設備概要(ガス化溶融施設)
図-1-1 ごみ処理の流れ(ガス化溶融施設)
90
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
【リサイクルプラザ施設】
(設備概要:表-1-3、ごみ処理の流れ:図-1-2)
表-1-3 設備概要(リサイクルプラザ施設)
図-1-2 ごみ処理の流れ(リサイクルプラザ施設)
91
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
1-3)施設見学説明・ヒヤリング内容
る。また、スラグの有効利用に配慮し、品質確保の阻
害要因となるもの(小型家電等)についても極力取り
除いている。
設備としては、ごみ投入ホッパ下部に二軸破砕機を
設け、150mm以下に破砕している。
<ごみ処理概要>
平成21年度:2 9 7 5 5 . 1 t 処 理 ( 平 成 2 0 年 度 : 3 0 7 1 3 . 4 t
1年間で約1,000tの減少)
計画ごみ質:低位発熱量 6,280kJ/kg(基準ごみ、汚泥
及び破砕選別残渣含む)
水分:52.5%、灰分:9.6%、可燃分:
37.9%
<ごみの分別・前処理について>
資源物をできる限り回収するため、分別可能なもの
は処理設備への投入前にコンテナ(プラットホーム、
ストックヤードや敷地の随所に設置)で仕分けしてい
<ガス化炉(熱分解ドラム)について>
ドラム加熱ガスを循環し続けると、ばいじんやHClが
濃縮されて、キルン加熱管の閉塞や高温腐食が発生す
る。これらを防止する為に、セラミック焼結フィルタに
よる集じん器を設置している。また、加燃ガスは熱分
解ドラムで発生した熱分解ガスを燃焼させた燃焼排ガ
スを熱源として投入しているため、投入した熱分解ガ
ス分を集じん器の上流側から溶融炉へ引き抜いている。
プラットホーム
ガス化炉(熱分解ドラム)
展示写真より
92
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
<白煙防止装置停止について>
広報誌等に、排気筒からの白
煙は蒸気であることなどを掲載
し、組合側が中心となって積極
的に住民への啓発を行った。
<飛灰の再溶融について>
2段目はほとんどが薬剤反応
物であり、再溶融しても酸性ガ
スが再揮散するだけなので、溶
融対象にはしていない。飛灰の
再溶融量は、スラグの有効利用
に配慮し、調整を図っている。
スラグの鉛含有量は150mg/kg
(=JIS基準値)を下回った値で
落ち着いている。
<余熱利用について>
衢.ボイラ
・蒸気発生量:5.0∼7.7t/h
(蒸気温度:高質ごみ時:300℃、基準・低質ごみ
時:成り行き)
・高圧蒸気:バーナ用スートブロワ(ボイラはハンマ
リング装置)
・低圧蒸気:場内給湯に利用。
衫.タービン・発電機
・蒸気タービン発電機定格 1,700kW
・発電量 1炉運転時:700∼800kW
2炉運転時:1,500∼1,600kW
・逆潮流なしのため売電は行っていない。
ボイラドラム
<溶融炉・ボイラ・減温塔について>
・炉内のスラグ堆積の予防保全として、スラグホール
バーナを稼動させており、堆積によるトラブルはこ
れまで発生していない。
・ボイラ内のダスト付着は、溶融炉の温度制御が正常
なら、不具合に発展することはない。
・ボイラ入口温度は、スラグホール1,300℃からの成り
行きで特に制御していない。
・当初減温塔におけるダスト付着量が多かったが、整
流板の改造等により、付着量を軽
減することができた。
<排ガス処理について>
Na系排ガス処理薬剤を使用して
いる。そのメリットとしては、
①140∼300℃の幅広い温度域で高い
反応率を示す。
②少ない当量比で高い除去率。(当
量比1.3でHCl:98%、SOx:88%)
以上から、集じん器の排ガス温度
が高く設定でき、減温塔噴霧水の低
減やガス再加熱器の蒸気量低減につ
ながる。また、減温塔噴霧水量が減
れば、白煙防止用蒸気も低減され、
最終的には発電量の増加につなが
る。
1,700kW蒸気タービン発電機
93
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
<排水処理について>
生活排水は、合併浄化槽処理後放流としている。
プラント排水は排水処理設備で処理され、全量工場
内で再利用されている。
処理は逆浸透膜(MF膜)によるものとしているが、
膜の閉塞等の問題は発生していない。再利用水は減温
塔噴霧水のほかに、床洗浄用水、洗車用水、混練用水、
スラグ水冷水、リサイクルプラザの粉じん防止用水な
どに使用している。
<その他質疑応答について>
Q1:ごみ質によって溶融炉内の燃焼位置に変化はあ
るか。
A1:覗窓から(肉眼)では、燃焼溶融帯を確認する
ことができないが、運転制御上は、特に大きな
変化が認められない。
<溶融スラグについて>
スラグ処理のフローとしては、粉砕機を設置してい
る。性質基準はJISを目安に管理している。
スラグヤードは敷地内にあり、
4山にて貯留している。
Q2:熱分解ガスダクト内の清掃はどのようにされて
いるか。
A2:清掃するほどダストの堆積・付着は見られない
ので、定修時の清掃は行なっていない。
<ユーティリティーについて>
・灯油使用量 通常運転時:約10L/h・炉(スラグホー
ルバーナ(閉塞等の予防保全)
)
・上水、排水量 上水:90∼100t/日、
排水:20∼30t/日
・買電量 1炉運転時:600∼800kW程度、
2炉運転時:300kW程度
Q3:Na系薬剤のラインに粉砕設備は設けているのか。
A3:薬剤の吹き込みラインに薬剤粉砕装置を設けて
いる。
結果として、最近では使用数量が大幅に減少してい
る。
Q4:熱分解残渣のうち砂などの非金属はどうしてい
るか。
A4:粉砕機にかけて、大きいものは不燃物として場
外へ、小さいものはカーボンとともに溶融炉へ
戻している。
なお、買電量にはリサイクルプラザ施設分も含まれ
ている。
Q5:熱分解ガスダクトの材質は何を使用しているか。
A5:低合金鋼を使用している。なお、熱分解ドラム
の熱源となる循環ガスダクトの材質は、熱分解
ドラム入口側(ガス温度530℃)はS-TEN2を使
用し、熱分解ドラム出口側(ガス温度300℃)は
SSとしている。
<設備のメンテナンス関係について>
・ろ布および触媒は、毎年サンプリング分析をしてお
り、これまで交換はしていない。
・破砕機刃の交換頻度は、投入されるごみ質により大
きく異なり、操業当初は、1年間で消耗品を全数近
く使用していたが、分別及び手選別を進めていった
スラグヤード
94
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
2.「浜松市西部清掃工場」
2-1)施設概要
本施設は、静岡県浜松市内を5つの処理区に分けた
内の浜松処理区及び引佐処理区の一般廃棄物と市の下
水処理場で発生する汚泥を処理している施設の1つで
ある。今回は、本施設のガス化溶融施設を踏査した。
施設概要を表-2-1に示す。
表-2-1 施設概要
2-2)設備概要
【ガス化溶融施設】
(設備概要:表-2-2、ごみ処理の流れ:図-2-1)
表-2-2 設備概要(ガス化溶融施設)
95
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
図-2-1 ごみ処理の流れ(ガス化溶融施設)
2-3)施設見学説明・ヒヤリング内容
<ごみ処理概要>
・計画ごみ質:低位発熱量:4,180∼6,270kJ/kg、
ごみの比重:0.2t/裙
水分:40∼50%、灰分:5∼10%、
可燃分:40∼50%
・処理対象物:一般収集可燃ごみ、汚泥、他工場灰、
破砕可燃残渣
・組成:厨芥類が数十%、紙類が数十%等
・処理量150t/日の内、可燃ごみが120∼130t、残り20∼
30tが灰+汚泥
・年間約200日は3炉運転、約150日は2炉運転。1炉
運転では水泳場に熱供給できないので1炉運転は行
なっていない。
・他工場灰は搬出元で主灰と飛灰が混合貯留されてい
るので、混合灰として搬入される。飛灰はキレート
処理されたものが搬入されている。
<排ガス処理について>
2段目の脱塩バグフィルタには重曹系脱塩剤(ソル
ティクル)を吹き込んでいる。この反応生成物は塩化
ナトリウムが主成分であり、これら反応生成物は全て
工業用塩(軟水装置用塩)や造粒塩(道路凍結防止剤)
に再利用されている。ソルティクルのメリットは、以
下のとおりである。
① 重曹(NaHCO3)なので、消石灰に比べて人的悪影
響が少ない
② 少ない当量比で高い除去率(消石灰:3に対して
ソルティクル:1.3程度)
ごみピット(クレーン2基使用)
脱塩残渣の有効利用
96
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
<飛灰の再溶融について>
カーボンと飛灰を混合している。それは、混合する
ことで安定した処理ができるからである。バグフィル
タ2段目の飛灰はほとんどが薬剤反応物なので再溶融
しない。
袁.タービン・発電機
・蒸気タービン発電機定格 9,600kW
・発電量 1炉運転時:約2,000kW
2炉運転時:約4,000kW
3炉運転時:8,200∼8,300kW
・3炉運転時は売電を維持できるが、2炉運転時は昼
間買電、夜間売電
<余熱利用について>
衢.ボイラ
・蒸気発生量:50t/h(3炉定格時)
<排水処理について>
・処理方法は生物処理+凝集沈殿+砂ろ過
・減温塔噴霧水の基準はpH管理のみ
衫.場外熱供給
水泳場への蒸気供給がメインの施設である。(残った
蒸気で発電)
水泳場蒸気供給量:1.5t/h(水泳場運営時間)
余熱利用供給状況(見学者通路に設置の画面より)
9,600kW蒸気タービン発電機
97
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
<溶融スラグについて>
溶融スラグ後処理としては、摩砕機を設置している。
スラグ品質はJISの道路用(JIS A 5032)およびコンク
リート骨材用(JIS A 5031)の両方を満たしている。約
1か月分を1ロットとして管理し、発生量は900∼
1,000t/月である。スラグ貯留場は、工場近郊にあり、
スラグは全て販売している。これまでは全て民間へ販
売していたが、今年度からは浜松市発注の公共工事に
使用する予定である。
等、浜松市消費者団体連絡会と、浜松市の間で「レジ袋
削減に向けた取り組みに関する協定」を結んでおり、レ
ジ袋の消費自体がかなり減っていた。なお、不要になっ
た浜松処理区のレジ袋は、容器包装プラスチックとし
て扱い、浜松市内「平和破砕処理センター」で圧縮減
容し、再商品化事業者が運搬し、再商品化されている。
<改正省エネ法への対応について>
浜松市全体で取り組む。CO2削減のために灯油量を減
らすことを考えている。具体的には、立上げ下げの回
数の削減やトラブル減少によるバーナ焚きの保温運転
削減など。
<ユーティリティーについて>
・灯油使用量:0∼5kL/日
・上水:300裙/日(生活用水のみ)
、工水:10,000裙/日
・消費電力量:3,000∼3,500kW(3炉運転時)
・買電量:(計画)3GWh/年、
(実績)計画より若干多い。
・売電量:(計画)9GWh/年、
(実績)計画より若干少ない。
・水泳場への電気供給 昼間:800kW、
夜間:200∼300kW
<その他質疑応答について>
Q1:2段目バグフィルタの薬剤反応生成物の排出量
はどのくらいか。
A1:薬剤反応生成物は700t/年(50∼60t/月)。
Q2:スラグの単価はどのくらいで販売されているか。
A2:販売ルートとしては、浜松市からSPCが買い取り、
それをさらに三井造船(株)で買い取った後、
業者に販売している。単価は200円/tからで、業
者が工場または貯留場に取りに来るかで単価が
異なる。
<浜松市で取り組んでいる「レジ袋のごみ袋への使用
禁止」について>
「浜松市のごみ袋の統一化」の流れとレジ袋削減の
ため、ごみ袋にレジ袋を使用しないよう啓発してきた。
平成22年4月1日からは原則として、ごみ袋および内
袋も含めてレジ袋を使用することを禁止している。
元々、平成21年7月から浜松市内のスーパー事業者
Q3:今年からスラグを公共工事に使用するとのこと
だが、ガイドライン等は整備されているのか。
A3:浜松市で「溶融スラグ有効利用ガイドライン」
を作成している。
Q4:高温空気加熱器出入口の排
ガス温度はどのくらいか。
A4:溶融炉:1,300℃→(溶融
炉出口で排ガス循環吹込み
により温度を下げる)→高
温空気加熱器入口:950℃
→高温空気加熱器出口:
650℃→ボイラへ
Q5:高温空気加熱器入口温度は
高いようですが、現在問題
点等はないか。
A5:連続数ヶ月運転すると少々
の灰の付着があるが、トラ
ブルはない。
Q6:カーボンの溶融炉への投入
はどのようにしているか。
A6:空気圧送により投入してい
る。
出滓の状況(展示写真より)
98
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
財団のうごき
見学者集合写真
ボイラの高温・高圧化や使用燃料の削減等が特に取り
上げられているが、薬剤変更における対策も可能であ
ることを今回の踏査により再認識させられた。
● 所 感
今回踏査した2施設とも排ガスの有害物質処理にNa
系反応剤を使用していた。排ガス処理に触媒脱硝法を
設置している場合は、バグフィルタから出た排ガスを
再加熱する方式が一般的である。Na系反応剤は、140℃
∼300℃の比較的幅広い温度域で反応するため、バグフ
ィルタ出口排ガス温度を高めにすることができる。そ
のため、排ガス再加熱に使用する蒸気を低減、さらに
は白煙防止のための蒸気も低減ができるということで、
そこで削減した蒸気を発電に使用することにより、温
室効果ガス排出抑制を図ることができている。ごみ焼
却工場における温室効果ガス排出抑制対策としては、
今回の報告書作成にあたり、「頑張れ関西」現地踏査
グループメンバーのクボタ:鎌田様、神鋼環境ソリュ
ーション:藤田様、タクマ:戸崎様、日立造船:酒井
様、アーシン:吉川様のお力添えをいただきました。
ありがとうございました。
(企画部 主任研究員 西田卓史 記)
99
廃棄物研究 財団・3Rだより
(No.79 2010.7)
3R活動推進フォーラムのうごき
3R活動推進フォーラムのうごき
エコライフ・フェアー2010に出展
団体、企業及びNPOが連携して実施しています。来場
者は、2日間で69,892人(5日:19,954人 6日:
39,938人)でした。
当フォーラムのブースでは、3Rを推進する解説パ
ネルの展示や環境漫画家・高月紘(ハイムーン)氏の
作品紹介を行い、リーフレット、各種報告書、クリア
ファイルなどの配布に加え3Rクイズを実施しました。
パネルを見ながら回答を探している参加者の皆さんも
多く、クイズ参加者は、600人強(5日:255人6日:
245人)の参加を頂きました。また、3Rやごみ処理の
資料を収集するためにブースを訪れた学生、NGO/NPO
と最近のごみ事情を話し合う場面もありました。
今年度も3R活動推進フォーラムは(財)廃棄物研
究財団とともに、6月5日(土)と6日(日)の両日、
都立代々木公園ケヤキ並木及びイベント広場で開催さ
れた環境省主催の「エコライフ・フェアー2010」に出
展し、3R活動をPRしました。
毎年6月の環境月間に開催されるこのフェアーは、
循環、低炭素や生物多様性など環境問題に対して、
人々の理解・意識の段階から実際の行動へと導く切っ
掛けとなる場を提供し、我々の生活様式及び経済社会
活動を環境にやさしいものとすることを目指して開催
するもので、環境省、関係地方団体、関連法人、業界
当フォーラムのブースの様子
100
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
3R活動推進フォーラムのうごき
平成22年度理事会・総会開催
会長に武内和彦東大大学院教授を選出
◇議長の選出 杉戸大作副会長を互選
◇議事の経過及び結果
(1)第1号議案 規約の一部改正
事務局より説明し、満場一致で了承された。
(2)第2号議案 平成21年度事業報告及び収支決
算
事務局より報告するとともに、監事を代表して
スチール缶リサイクル協会の酒巻弘三専務理事よ
り監査報告が行われ、満場一致で了承された。
(3)第3号議案 平成22年度事業計画及び収支予
算
事務局より説明し、満場一致で了承された。満
場一致で了承された。
(4)第4号議案 役員改選
事務局より説明し、満場一致で了承された。
3R活動推進フォーラム(以下、3Rフォーラム)
の平成22年度理事会及び総会が、4月28日に東京都千
代田区霞が関の法曹会館で開催され、規約の一部改正、
平成21年度事業報告及び収支決算、平成22年度事業計
画及び収支予算、役員改選についての議案がすべて承
認された。規約の改正は、自治体会員を増やして事業
を活性化するため、自治体会員の会費を免除するもの。
また、役員改選では、小宮山宏会長の辞任に伴い、副会
長の武内和彦東京大学大学院教授が会長に選任された。
■理事会
◇開会挨拶 杉戸大作副会長
・3Rフォーラムも発足して5年目を迎えた。事務
局が廃棄物研究財団に移って3年が経過して、事
務局の体制もやっと安定し事業も活発に展開して
いる。
・低炭素社会に向けて新たな枠組み作りがスタート
して、循環と低炭素社会の融合も課題となってお
り、循環型社会の構築に向けて設置された3Rフ
ォーラムとしても今後積極的に事業を展開して参
りたい。
・自治体財政の悪化に伴って都道府県会員が14団体
まで減少している状況であり、このままではさら
に減少することは避けられない。そこで、フォー
ラムの趣旨である連携・協働による3Rの推進の
ため、自治体会員の会費を無料にして増強を図る
べく規約の改正をお願いしたい。
・自治体会員の収入の減少については、環境省の事
業の受託、民間基金活用などを積極的に推進して
いく。
◇来賓挨拶 大森恵子環境省大臣官房廃棄物・リサ
イクル対策部企画課循環型社会推進室長
・3R活動推進フォーラムの運営に理事の皆様のご
支援をいただいており、ありがとうございます。
・循環型社会づくりは環境政策の重要な柱となって
いる。事業者、NGO、自治体の方々と連携して、
地域の特性を生かした地域循環圏をつくっていく
等、地域の活性化に役立つ施策を進めて参りたい。
・3Rフォーラムでは、運営について改善努力をし
ており、引き続きご支援、ご協力をお願いする。
◇その他の来賓紹介
・鳥毛暢茂環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策
部企画課循環型社会推進室室長補佐
・相澤和春臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課
循環型社会推進室企画係長
◇出席者 理事22年度名のうち、代理を含めて11名
が出席、委任状11名
【質疑応答】
(質問)自治体の会費無料化で会費収入は減るのか。
(回答)収入は減少するが、自治体受託事業や民間の助
成金を活用していきたいと考えている。
(質問)自治体の無料によって参加意識が落ちるのでは
ないか。
(回答)自治体の会費無料については、関係団体との検
討会や企画運営委員会で検討してきた。地方自
治体の負担金は予算上一律カットのためどうに
もならないとのことである。また、3Rフォー
ラムに自治体が入らないと国民・事業者・自治
体等が一体となって循環型社会づくりを推進す
るという目的に齟齬を来たすことになる。自治
体会員の充実とともに連携事業を積極的に展開
して参りたい。
(質問)決算額が赤字である理由について
(回答)3R推進全国大会の入札で事業受託ができなか
ったため。
(質問)環境省以外の受託事業を考えているか。
(回答)自治体からの受託や民間基金の活用に努力をし
ていく。
(質問)事業を受託して始めて活動が出来るのではない
か。
(回答)22年度は事業受託に向けて頑張って参りたい。
101
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
3R活動推進フォーラムのうごき
■総会
◇開会挨拶 武内和彦副会長
・日本は、アジアなど国際社会を3Rという分野で
支えようとしており、3Rはますます大事になっ
ている。
・3Rを取り巻く社会状況は大変で、環境省の廃棄
物関係予算は幸い少額の減額で済んだ。民間企業
もこの景気状況の中で、地道に取り組んでいると
承っている。
・3Rフォーラムでは、自治体の財政が逼迫して退
会せざるを得ない状況もあることから、会費を無
料にして自治体の方にご参加いただくことにして
おり、ご理解、ご協力いただきたい。
・会費収入減少への対応として、民間基金の受託な
どで資金の獲得に努めていきたい。
◇来賓挨拶 谷津龍太郎環境省大臣官房廃棄物・リ
サイクル対策部長
・私ども循環型社会づくりに取り組んでいるが、鳩
山政権になって温暖化効果ガスの25%削減が注目
されている。私どもも、エネルギー、資源の観点
から持っている技術をつなげていくのが大事であ
る。
・アジア3R推進フォーラムを16カ国の参加を得て
発足した。国内同様の事業を想定しており、具体
的なプロジェクトを各国で展開する。
・第2回を10月上旬にマレーシアで開催し、今後持
ち回りで開催していく。
・国内の3R活動推進フォーラムとアジア3R推進
フォーラムの連携を、環境省としても積極的に展
開していきたい。
◇その他の来賓紹介
・大森恵子環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策
部企画課循環型社会推進室長 ・鳥毛暢茂環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策
部企画課循環型社会推進室室長補佐
・相澤和春臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課
循環型社会推進室企画係長
・東川道正国土交通省事業統括調整官室建設副産物
企画官
・新山宏行農林水産省大臣官房環境バイオマス政策
課バイオマス推進室環境企画官
・澤井弘行農林水産省総合食料局食品環境対策室環
境企画班 課長補佐
◇出席者 80会員のうち出席39会員、委任状41会員
◇議長の選出 武内和彦副会長を互選
◇議事の経過及び結果
(1)第1号議案 規約の一部改正
事務局より説明し、満場一致で了承された。
(2)第2号議案 平成21年度事業報告及び収支決
算
事務局より報告するとともに、監事を代表して
スチール缶リサイクル協会の酒巻弘三専務理事よ
り監査報告が行われ、満場一致で了承された。
(3)第3号議案 平成22年度事業計画及び収支予
算
事務局より説明し、満場一致で了承された。満
場一致で了承された。
(4)第4号議案 役員改選
事務局より説明し、満場一致で了承された。
【質疑応答】
(質問)今年度の3R全国大会の日程について
(回答)大会は11月2日から7日に実施する。
(質問)3R推進全国大会について、昨年同様今年度も
落札できない場合の対応について
(回答)環境省からの受託に加え、自治体からの受託、
民間基金の活用などに努めて参りたい。
このほか、参加者から廃棄物処理法の改正などにつ
いて質問があり、環境省の谷津部長より今回の改正の
骨子についてご説明いただいた。
■理事会・総会資料
●規約改正について
1.改正の内容
「第3章会員」の「負担金」について定めた第7
条に「2 自治体会員は負担金を免除する。
」を追加す
る。
2.改正の趣旨
近年、自治体財政の逼迫に伴い都道府県会員の減
少化傾向が続いており、このまま推移すると3R活
動推進フォーラムの「国民、事業者、行政(・・)、
研究機関等が一体となって・・・3Rによる循環型
社会づくりを推進する」との目的の達成が図れなく
なる。そのため、都道府県会員の会費を無料化して、
自治体会員の参加を促進する。
●平成21年度 3R活動推進フォーラム事業報告
Ⅰ 組織運営
1.理事会・総会
理事会・総会を平成21年5月12日(火)に法曹会館
(東京都千代田区霞が関1-1-1)で開催し、①平成20
102
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
3R活動推進フォーラムのうごき
促進ポスターコンクールの実施状況は以下のとおり。
□募集期間 平成21年4月4日(水)∼9月14日(月)
□応募数 小学校低学年の部 1,770点
小学校高学年の部 4,266点
中学校の部 3,236点
合 計 9,272点 □選考 ・第一次審査委員会 平成21年9月18日(財)廃棄
物研究財団会議室
・第二次審査委員会 平成21年9月24日(木)法曹
会館寿の間
□入賞 各部門で最優秀賞1点、優秀賞5点、佳作15点、計
63点を選定
□表彰
平成21年10月16日開催の第4回3R推進全国大会式
典で表彰。入賞者に各自の入賞作品を印刷した表彰状
を授与
年度事業報告及び収支決算②平成21年度事業計画及び
収支予算③規約の一部改正及び企画委員会運営要領策
定について議決した。
2.企画・運営委員会
企画・運営委員会を平成22年3月3日(水)に法曹会
館(東京都千代田区霞が関1-1-1)で開催し、平成21
年度事業報告(案)及び平成22年度事業計画(案)等につ
いて検討した。
3.3R活動推進フォーラムあり方検討会
3R活動推進フォーラムあり方検討会を平成21年12
月14日(月)に(財)廃棄物研究財団会議室(東京都墨田
区両国3-25-5)で開催し、3Rフォーラムの課題と今
後の対応について検討した。
Ⅱ 3R推進全国大会関連事業
1.第4回3R推進全国大会の開催
「第4回3R推進全国大会(以下「3R全国大会」
という。)」を平成21年10月16日∼18日(日)に千葉市
の千葉ポートアリーナ及び・ホテルグリーンタワー千
葉で開催した。開催に当たっては、環境省と開催地の
千葉市、関東地方環境事務所、開催地関係団体及び3
Rフォーラム等で構成する実行委員会において具体的
な企画・運営を行った。
(1)大会式典
□開催日:平成21年10月16日(金)
□会場:ホテルグリ−ンタワー千葉 シンフォニア
□入場者数:570名
□プログラム
・挨拶 大谷信盛環境大臣政務官、熊谷俊人千葉市長、
ほか
・表彰式 循環型社会形成推進功労者等環境大臣表彰 38名
3R促進ポスターコンクール表彰最優秀作品 3点
・特別講演 安井至独立行政法人製品評価技術基盤機
構理事長(東京大学名誉教授)
・大会宣言等
(2)ちばし環境展
3Rフォーラムは、(財)廃棄物研究財団と共同でブ
ース出展するとともに会場入り口に3R促進ポスター
コンクール入賞作品のパネル展示を行った。
□開催日:平成21年10月16日(金)13:30∼17:00
10月17日(土)・18日(日)10:00∼17:00
□会場:千葉ポートアリーナ
□入場者数:9,584名
(3)その他大会イベント
ヤッターマンキャラクターショー、ECOクイズ大会、
環境戦隊ステレンジャーショー、県民環境講座、ベイ
エフエム公開録音、ほか
3.循環型社会形成推進功労者等環境大臣表彰の推薦
平成18年度より行っている循環型社会形成推進功労
者等環境大臣表彰の推薦者として、会員における循環
型社会の形成について顕著な成果を上げている個人、
企業又は団体について、フォーラムから循環型社会形
成推進功労表彰の対象者として環境省に対して推薦を
行った。
平成21年度の3Rフォーラムからの推薦数は、個人
3件、企業10件、合計13件で、企業1件を除き、いず
れも受賞となった。
表彰式は、第4回3R推進全国大会式典の席で行わ
れ、21企業、12団体、5個人が受賞した。
【3Rフォーラム推薦の受賞者】
<企業>キンキサイン株式会社、森永乳業株式会社
東京多摩工場、光アスコン株式会社、泉興業株式会社、
東レ株式会社機能製品・縫製品事業部門機能製品事業
部、日新工業株式会社、株式会社長谷工コーポレーシ
ョン、株式会社大林組、倉吉環境事業株式会社
<個人>岡本靖磨呂(岡山県)、三上秀行(広島県)
占部敏治(福島県)
Ⅲ 第二次循環型社会形成推進基本計画推進関連事業
1.食品リサイクル推進環境大臣表彰の推薦
平成20年度から環境省では、食品リサイクルに関係
する食品関連事業者、再生事業者、再生品の利用者、
NPO、市民団体及び地方自治体当の者が行う取組で、
食品リサイクル法にのっとり食品リサイクルの推進、
循環型の形成に貢献している活動を表彰しており、3
Rフォーラムから平成21年度は3件推薦し、静岡油化
工業(株)が優秀賞(再生利用部門)、バイオネナジー
(株)と(有)三功が奨励賞を受賞した。授賞式は平成
2.3R促進ポスターコンクールの実施
環境省と3Rフォーラムが実施した平成21年度3R
103
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
3R活動推進フォーラムのうごき
(日) 大阪市
(6)3R推進中部・四国大会 ・平成21年10月11日(日) 倉敷市
・平成21年10月21日(水) 11月7日(土)∼8日
(日) 岡山市
・平成21年10月11日(日) 広島市
・平成21年11月15日(日) 高松市
(7)3R推進九州大会 平成21年10月27日(火)
福岡市
22年3月15日に東海大学校友会館(東京都千代田区)
で行われ、最優秀賞1件、優秀賞2件、奨励賞5件が
表彰された。
2.
「環境にやさしい買い物キャンペーン」の実施
消費者、事業者(主として流通業)、行政、消費者団
体、NPO等の連携による地域活動を推進し、国民に環
境に配慮した消費行動を促すことにより、地域レベル
での循環型社会の形成を図ることを目的に、環境省、
経済産業省と連携し都道府県、流通事業者等の参加を
得て、全国で消費者に買い物袋の持参、環境配慮型商
品の購入等を呼びかけた。実施後、各都道府県及び流
通事業者から提出されて報告書を「平成21年度環境に
やさしい買い物キャンペーン実施報告書」としてまと
め、関係者に配布した。
□参加自治体 : 45都道府県
□参加流通事業者: 87社46,663店舗
2.フォーラム会員団体等との協働・連携強化
ごみ減量・リサイクル推進に加え2Rをさらに推進
するため、NPO団体,リサイクル関連団体、自治体
などフォーラム会員団体との諸事業との共同開催や協
力・後援等による連携・コミュニケーションの活性化
を図った。
【後援】
(1)建設副産物リサイクル広報ポスター
建設副産物リサイクル広報推進会議主催 平成21年
10月1日∼平成22年9月30日
(2)第4回容器包装3R推進フォーラム
3R推進団体連絡会主催 平成21年10月22日(木)
∼23日(金)
京都市男女共同参画センター ウイングス京都
(3)2009建設リサイクル技術発表会・技術展示会
建設副産物リサイクル広報推進会議主催 平成21年
10月27日(火)
札幌コンベンションセンター
(4)第8回「産業廃棄物と環境を考える全国大会」
(社)全国産業廃棄物連合会・(財)日本産業廃棄
物処理振興センター・(財)産業廃棄物処理事業振興
財団主催 平成21年11月6日(金) ホテルクレメント
徳島(徳島市)
(5)第7回全国大学生環境活動コンテスト
全国大学生環境活動コンテスト実行委員会主催 平成21年12月26日(土)∼27日(日) 立正大学大
崎キャンパス(東京都品川区)
(6)第2回3R検定
3R検定実行委員会主催 平成22年1月10日 東
京・神奈川・京都・大阪・神戸・福岡
(7)容器包装3R連携 市民セミナー in 仙台
3R推進団体連絡会主催 平成22年2月2日 せん
だいメディアテーク
【協賛】
(1)平成21年度「環境衛生週間」
環境省、都道府県及び市町村主唱 平成21年9月24日∼10月1日 9月24日「清掃の日」、
10月1日「浄化槽の日」
(2)平成21年度東海三県一市グリーン購入キャンペー
3.3Rフォーラムの開催
□テーマ 3R制度セミナー∼日本からアジアへ∼
□開催日 平成22年1月21日(木)
□会 場 主婦会館プラザエフ8階 スイセン(東京
都千代田区六番町15番地)
□講 師 ・環境省廃棄物・リサイクル対策部循環型社会推進室
室長 大森恵子氏
・NPO法人持続可能な社会をつくる元気ネット事務局
長 鬼沢良子氏
・ダイナックス都市環境研究所所長 山本 耕平氏
・独立行政法人国際協力機構地球環境部次長 森尚樹氏
□研究報告(財)廃棄物研究財団専務理事 八木美雄
氏
□参加者 83名
Ⅳ 連携・協働事業
1.3R推進地方大会への協力
地方環境事務所が中心となって開催する3R推進地
方大会に対して後援等の協力を行うとともに、積極的
にPRした。
(1)3R推進北海道大会2009 平成21年10月18日(日)
札幌市
(2)3R推進秋田大会 平成21年9月5日(土) 秋
田市 (3)第4回3R推進関東大会in千葉 平成21年10月16
日(金)∼18日(日)千葉市 (4)3R推進中部大会
・平成21年9月30日(水)∼10月4日(日) 長野市
・平成21年10月16日(金) 福井市
(5)3R推進近畿ブロック大会 平成21年9月20日
104
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
3R活動推進フォーラムのうごき
した。また、来場者にブースへ来てもらうためにクイ
ズへの参加を呼びかけ、参加者に下敷きなどの記念品
を贈呈した。
①エコライフ・フェア2009
開催日:平成21年6月6日(土)∼7日(日)
会 場:都立代々木公園
クイズ参加者:377人
②環境広場札幌2009
開催日:平成21年7月31日(金)∼8月2日(日)
会 場:アクセスサッポロ
クイズ参加者:941人
③ちばし環境展
開催日:平成21年10月16日(金)∼18日(日)
会 場:千葉ポートアリーナ
クイズ参加者:450人
④エコプロダクツ2009
開催日:平成21年12月10日(木)∼12日(土)
会 場:東京ビッグサイト
クイズ参加者:821人
(2)2009年次報告書作成
3R活動推進フォーラムの平成20年度の事業を中心
に報告書を作成し、会員、都道府県等関係先に配布し
た。
(3)メルマガ「3R・廃棄物ニュース」の配信
関係省庁、都道府県、政令指定都市、会員団体等の
情報を月3回配信した。
(4)「財団・3Rだより」の会員特集号と1月号の発
行
(財)廃棄物研究財団が年2回発行していた「財団
だより」が「財団・3Rだより」と改題され、3R活動
推進フォーラムの会誌としても活用できることになり、
12月にその「会員特集号」を発行、無料の会員広告を
掲載した。また、2月には第78号を発行、3R推進全
国大会・地方大会の記事を掲載した。
(5)3R制度セミナーの開催(前掲)
(6)3R先進事例集∼平成21年度循環型社会形成推進
功労者等環境大臣表彰受賞者の取組み∼作成(予定)
(7)マスコミへの記事掲載等協力依頼
関連専門紙・誌に第4回3R推進全国大会などの情
報提供を行い、記事掲載等の協力を依頼した。
ン
東海三県一市グリーン購入キャンペーン実行委員会
主催 平成22年1月16日(土)∼2月15日(月)
【協力】
平成21年度「全国ごみ不法投棄監視ウィーク」
実施主体:環境省、内閣府、総務省、農林水産省、
経済産業省、国土交通省他関係省庁、都
道府県、市町村 等 平成21年5月30日
(土)∼6月5日(金)
【講師等派遣】
(1)平成21年度廃棄物研究財団年次報告会
(財)廃棄物研究財団主催 平成21年10月27日(火)
江戸博物館
(2)3R検定講習会
3R検定実行委員会主催 平成21年11月14日・15日、
12月3日・4日 TEPCO 銀座館
(3)第31回全国都市清掃研究・事例発表会
(社)全国都市清掃会議主催 平成21年1月28∼29
日 愛媛県民会館
(4)平成21年度東海3県1市グリーン購入キャンペー
ン説明会
東海3県1市グリーン購入キャンペーン実行委員会
主催 平成21年12月15日 愛知県三の丸庁舎
(5)3R検定試験(役員)
3R検定実行委員会主催 平成21年1月10日 上智
大学
Ⅴ 広報普及活動
1.3R推進キャンペーンの実施
(1)マイ・バッグ・キャンペーンの実施
10月の3R推進月間に3Rフォーラムとして環境省、
経済産業省と実施した「環境にやさしい買い物キャン
ペーン」に併せて、全国の都道府県や会員にマイ・バ
ッグの持参を呼びかけるキャンペーンを実施した。キ
ャンペーンに印刷して使用するポスターデータ3種類
のデータも作成、48件の利用希望者にデータを提供し
た。
(2)展示用3Rパネルデータの提供
印刷して使用できる3Rの啓発用パネル5種類のデ
ータを作成して、53件の利用希望者にデータを提供し
た。
(3)グッズの制作、提供
ハイムーンの漫画入り下敷、パンフレット「3Rを
推進しましょう」、3R促進ポスターコンクール入賞作
品を使った卓上カレンダー、などを制作し、配布した。
3.ガイドラインに沿ったRマーク表示の普及推進
3R活動推進フォーラムでは、前身のごみ減量化推
進国民会議が平成7年6月設定した再生紙使用マーク
(Rマーク)について、平成20年1月に環境省が策定し
た環境表示ガイドラインに則った適正なRマークの表
示方法等の周知を図った。
2.情報発信の強化
(1)展示会への出展
展示会用に3Rを啓発するパネルを制作し展示する
とともに、パンフレット、クリアファイルなどを配布
Ⅵ 会員サービスの充実
1.会員情報の共有化
105
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
3R活動推進フォーラムのうごき
3.3Rグッズ等の配布
3R促進ポスターコンクール入賞作品をデザインし
た2010年のカレンダー(A1判)の無料配布するととも
に、3R促進ポスターコンクール入賞作品をデザイン
した卓上カレンダー及びクリアファイル、漫画入り下
敷き等3Rグッズを希望者に有料頒布した。
(1)
「財団・3Rだより 会員特集号」の発行(前掲)
会員特集号を12月に発行し、会員の紹介広告を無料
掲載した。
(2)メルマガ「3R・廃棄物ニュース」に会員団体の
イベント情報等を毎回掲載した。
2.会員への「財団・3Rだより」の配布(前掲)
(財)廃棄物研究財団が年2回発行していた「財団
だより」が「財団・3Rだより」と改題され、3R活動
推進フォーラムの会誌としても活用することになり、
平成21年12月に会員特集号、平成22年2月に第78号を
発行、会員に配布した。
Ⅶ 調査研究の実施
3R活動推進フォーラムの今後の活動の充実を図る
ため、自治体、会員団体、地方環境事務所などに対し
て当フォーラムの活動や組織のあり方に対する意見・
要望等についてヒアリングを実施した。
●平成20年度 収支決算(平成21年4月1日∼平成22
年3月31日)
●平成21年度 貸借対照表(平成21年3月31日)
106
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
3R活動推進フォーラムのうごき
●平成22年度事業計画
第二次循環型社会形成推進基本計画が策定され、環
境保全を前提とした循環型社会形成、循環型社会と低
炭素社会・自然共生社会への取組の統合、地域循環圏
の構築、各主体が連携・協働した3R活動など幅広い取
組が求められている。
そこで、3R活動推進フォーラム(以下「3Rフォ
ーラム」という。)においては、平成21年度、毎年開催
している3R推進全国大会などへの取り組みに加え、
新循環型社会形成推進基本計画サポート事業、連携・
協働事業、広報普及活動、会員サービスの充実を図る
ため、以下の事業を実施することとする。
創設を検討する。
Ⅲ 3R推進全国大会関連事業
今年度は、第5回3R推進全国大会を佐賀県で開催
するとともに、大会式典で表彰する3R促進ポスター
コンクールを実施する。
1.3R推進全国大会の開催
「第5回3R推進全国大会(以下「3R全国大会」
という。)」を3R活動推進フォーラムにおける最大の
情報発信の場とし、関係機関とともに、今年度開催地
の佐賀県と具体的な企画・運営を行う。
1) 開催期日 平成22年11月2日(火)∼7日(日)
2) 開催場所 佐賀県佐賀市(詳細は検討中)
Ⅰ 組織運営
3Rフォーラムの円滑な運営を図るため、理事会、
総会を開催し、事業計画や予算等を決定するほか、関
係省庁、学識者、関係団体等で構成する企画運営委員
会を開催し、事業についてご意見等を頂く。個別のテ
ーマについて必要に応じてワーキンググループを設け、
検討する。
2.3R促進ポスターコンクールの実施
3R促進ポスターコンクールは環境省と毎年実施し
ているもので、小学生、中学生を対象に3Rを通じて
循環型社会の構築を推進することをテーマとしたポス
ターを募集し、優秀作品に選定された方々を表彰する
とともに、優秀作品を全国の3R活動推進に活用する。
1.理事会
開催日時:平成22年4月28日14:30∼15:30
会場:法曹会館
議題:平成22年度事業計画及び予算について
3.環境大臣表彰の推薦
(1)循環型社会形成推進功労者等環境大臣表彰の推薦
平成18年度より行っている循環型社会形成推進功労
者等環境大臣表彰の推薦者として、会員における循環
型社会の形成について顕著な成果を上げている個人、
企業又は団体について、フォーラムから循環型社会形
成推進功労表彰の対象者として環境省に対して推薦を
引き続き行う。
(2)食品リサイクル推進環境大臣表彰の推薦
食品リサイクル法にのっとり食品リサイクルの推進、
循環型社会の形成に貢献している活動に対して、環境
省が毎年、発生抑制、リサイクルループ、再生利用の
各部門別に最優秀賞、優秀賞、奨励賞を選定する食品
リサイクル推進環境大臣表彰に当フォーラム会員から
推薦を行う。
2.総会
開催日時:平成22年4月28日15:45∼16:45
会場:法曹会館
議題:平成22年度事業計画及び予算について
3.企画・運営委員会
開催時期:平成23年3月
議題:平成23年度事業等について
Ⅱ 会員の強化・拡充
前年度「会員のあり方検討会」でいただいたご意見
をもとに、会員の強化・拡充を推進する。
Ⅳ 第二次循環型社会形成推進基本計画推進関連事業
循環型社会形成推進を推進に向けて、3Rフォーラ
ムを開催するとともに、地域循環圏づくりや3Rを推
進するための調査、研究を行う。
1.自治体会員
前年度に「会員のあり方検討会」でいただいたご意見
をもとに、会費を無料化し、都道府県会員の増強及び
政令指定都市等の入会を推進する。
1.3Rフォーラムの開催
第二次循環型社会形成推進基本計画の推進に考慮し
つつ、企業、市民・NPO、行政(国・地方自治体)、
学会等の連携を強めるとともに、3R推進、地域循環
活動に関する情報提供を目的として、3Rフォーラム
を2か所程度開催する。
2.団体会員
団体会員への情報提供、連携強化を推進し、会員の
入会促進を図る。
3.その他
3R活動の強化を図るため、新たに企業会員制度の
107
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
3R活動推進フォーラムのうごき
2.地域循環圏推進事業
今後の政策展開に資するため、各地における様々な
地域循環圏づくりへの取組について、実地調査等に努
める。
きるよう情報ネットワークの充実に努める。
④エコライフ・フェアなど各種展示会等への出展を通
して、3Rの啓発・普及を推進するとともに、当フ
ォーラムの活動を紹介するなど情報発信の場として
活用する。
・エコライフ・フェア2010
開催日:平成22年6月 会場:都立代々木公園
⑤3Rに関するわかりやすいパンフレットの作成、3
R技術の紹介、パネル等の3R広報ツールの提供な
ど、一般の人向けの広報活動を強化拡充する。
Ⅴ 連携・協働事業
行政、民間団体、企業、NPO等と連携・協働して3
R活動を推進する。
1.3R推進地方大会への協力
地方環境事務所が中心となって開催する3R推進地
方大会に対して後援等の協力を行うとともに、積極的
にPRし、地方の場における3R活動の活性化に努める。
3.3R活動推進功労者環境大臣表彰受賞者等取組事
例の集積と活用
環境省が毎年行っている循環型社会形成推進功労者
等環境大臣表彰の受賞者の取組を中心に3Rに関する先
進的取組事例集を作成し、3Rの啓発・普及を推進する。
2.フォーラム会員団体等との協働・連携強化
①フォーラム会員団体などの諸事業とのセミナー開催
などコラボレーションを推進する。
・NPO法人持続可能な社会を作る元気ネット共催
「地域連携リユースセミナー∼全国の地域リユー
ス先進事例に学ぶ∼」 7月5日(月)13:00∼
17:00 千代田区立内幸町ホール ②フォーラム会員団体や関連団体など諸事業への協
力・後援等による連携を強化する。
ちなみに平成21年度は、3R推進地方大会への後
援以外に、後援7件、協賛2件、協力1件を行った。
Ⅶ 会員サービスの充実
組織の強化・拡充と相俟って、会員サービスの充実
を図る。
1.会員情報の共有化
3R活動の推進のために会員の情報の共有化が不可
欠となっている。平成21年度は、当フォーラムホーム
ページの参加団体(会員)ページから各ホームページ
にリンクするなど情報の共有化を推進してきたが、引
き続き今年度もホームページの充実に努めるとともに、
新たに会員便覧を発行して会員情報の共有化をさらに
推進する。
Ⅵ 広報普及活動
3Rの啓発普及のために、「環境にやさしい買い物キ
ャンペーン」の実施、関連展示会への出展、メルマガ
の発信、各種出版物の発行などを行う。
2.会員への情報提供の拡充
都道府県、政令指定都市、3Rフォーラム会員団体、
環境省地方環境事務所などとの連携を強化し、幅広い
情報収集を行うとともに、会員への適切な情報提供を
推進する。
1.
「環境にやさしい買い物キャンペーン」の実施
3R推進月間である10月に環境省、経済産業省とと
もに「環境にやさしい買い物キャンペーン」の実施を
都道府県、流通事業者に呼びかける。同キャンペーン
に併せて従来実施してきたマイ・バッグ・キャンペー
ンは、今年度から「環境にやさしい買い物キャンペー
ン」の中に位置づけて推進する。
Ⅷ 調査研究の実施
環境省委託業務、民間基金等を活用して、3R活動の
推進に係る各種調査研究の実施に努める。
2.情報発信の強化
①我が国の3R技術について幅広く情報収集に努める
とともに、地域での3Rの先進的な取組についても、
3Rフォーラムの場などで幅広く紹介し、関連情報
の発信に努める。
②3Rフォーラムの活動状況を事業年報などにとりま
とめ広報に努める。
③3Rニュースの配信を引き続き行うとともに、会員
団体その他関係者が求める3R活動に係る各方面の
動静、イベント等についての情報を収集し、会員及
び各会員傘下の事業者、各種団体等へ情報が配信で
●平成22年度収支予算(平成22年4月1日∼平成23年
3月31日)
108
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
3R活動推進フォーラムのうごき
企画・運営委員会の開催
平成22年3月3日(月)に法曹会館(東京都千代田
区霞が関1-1-1)で平成21年度企画・運営委員会を開
催した。冒頭、杉戸大作副会長、大森恵子環境省廃棄
物・リサイクル対策部循環型社会推進室長の挨拶があ
り、委員長に杉戸大作副会長を選出。引き続き、平成
21年度事業報告(案)、平成22年度事業計画(案)、規
約改正及び役員改選について事務局から説明を行い、
意見交換を行った。
・開会挨拶:杉戸大作副会長
<出席者> ◇企画運営委員
大森 恵子 環境省廃棄物・リサイクル対策部
企画課循環型社会推進室長
東川 直行 国土交通省 総合政策局事業総括調
整官室 建設副産物企画官
新山 宏行 農林水産省バイオマス推進室環境
企画官
宮川 美幸 農林水産省祝品環境対策室
瀬山 康昭 (財)家電製品協会 環境部次長
加納 敏之 建設副産物リサイクル広報推進会
議 幹事会幹事長
鵜沢 政晴 (社)日本鉄鋼連盟 技術環境本部長
伊藤 一秀 (財)産業廃棄物処理振興財団 常務
□理事
浅井 宏 日本鉱業協会 技術部次長
石渡 和夫 (一社)廃棄物資源循環学会
◇環境省
岩山 政史 廃棄物・リサイクル対策部 企画課
循環型社会推進室 室長補佐
相澤 和春 廃棄物・リサイクル対策部 企画課
循環企画係長
◇事務局
八木 美雄 3R活動推進フォーラム 専任理事
藤本 正 3R活動推進フォーラム 事務局長
藤波 博 3R活動推進フォーラム 調査部長
●役員改選
新役員は以下の通り。(平成22年5月31日現在)
会 長 武内 和彦
東京大学大学院教授
副会長 杉戸 大作 (財)廃棄物研究財団理事長
理 事 宇田川 育男 日本環境保全協会 会長
理 事 片山 幹雄 (財)家電製品協会理事長
(シャープ㈱ 代表取締役社長)
理 事 國中 賢吉 (社)全国産業廃棄物連合会
会長
理 事 西藤 久三 (財)食品産業センター理事長
理 事 酒井 伸一
一般社団法人廃棄物資源循環
学会会長
理 事 崎田 裕子
NPO法人持続可能な社会をつく
る元気ネット理事長
理 事 末吉 興一
国際東アジア研究センター
理事長
理 事 林 文子
(社)全国都市清掃会議 会長
理 事 藤村 コノヱ (有)エコ企画 代表取締役
理 事 三谷 浩
建設副産物リサイクル広報推進
会議会長
理 事 三井 崇裕
一般社団法人全国清掃事業連合
会会長
理 事 森 詳介
電気事業連合会会長
(関西電力㈱ 社長)
理 事 吉川 廣和 (社)日本経済団体連合会環境
安全委員会廃棄物・リサイクル
部会長(DOWAホールディング
ス㈱ 代表取締役会長CEO)
理 事 八木 美雄
専任
(財)廃棄物研究財団専務理事
監 事 酒巻 弘三
スチール缶リサイクル協会
専務理事
監 事 佐々木 五郎 (社)全国都市清掃会議
専務理事
顧 問 愛知 和男 (社)全国地区衛生組織連合会
会長
顧 問 加藤 三郎 (株)環境文明研究所
代表取締役・所長
顧 問 庄子 幹雄
特定非営利活動法人環境立国 理
事長
顧 問 細田 衛士
慶應義塾大学 経済学部教授
(役職毎 50音順)
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
3R活動推進フォーラムのうごき
第5回3R推進全国大会
◆第二部 活動報告
【報告1】
「びんの回収システム宮城方式の構築」
東北びん商連合会専務理事 大日方輝育氏
【報告2】
「日本におけるリユースカップの取り組み」
財団法人 地球・人間環境フォーラム
平野喬氏
【報告3】
「衣類のリメイク」
特定非営利法人WE21ジャパン 郡司真弓氏
【報告4】
「マイボトルへの飲料充填販売拠点の整備」
地域環境デザイン研究所ecotone
太田航平氏
【報告5】
「九都県市マイボトルキャンペーン」
東京都環境局廃棄物対策部資源循環推進課 榊
原元秋氏
◆第三部 パネルディスカッション(参加者との意見
交換)
コーディネーター 持続可能な社会をつくる元気ネ
ット理事長 崎田裕子
パネリスト 報告者の皆さん
◆閉会挨拶 3R活動推進フォーラム専任理事 八木 美雄
11月2日(火)∼7日(日)に佐賀市内で開催
毎年3R推進によりごみゼロ社会の実現や循環型社会
の形成を目指して開催される3R推進全国大会は、今年
第5回目を迎えるが、11月2日(火)∼7日(日)に
佐賀市内で開催されることになった。
主催するのは佐賀県、佐賀市、環境省、環境省九州
地方事務所、3R活動推進フォーラムなどで構成される
第5回3R推進全国大会実行委員会。佐賀インターナシ
ョナルバルーンフェスタの開催に合わせて、11月2日
(火)に大会式典をホテルグランデはがくれ (佐賀市天
神2丁目1番36号)で、
「さが環境展」を11月3日(水)
∼7日(日)に嘉瀬川河川敷の佐賀インターナショナ
ルバルーンフェスタ会場内で開催する。また、中央環
境審議会循環型社会計画部会地域ブロックヒアリング
が11月3日(水)午後アバンセ(佐賀県佐賀市天神三
丁目2-11)で開催され、地域における循環型社会づく
りの先進的な取組事例を発信する。
シンボルキャラクターには環境新世紀「エコ・ミレ
ニアム」キャンペーンキャラクター「ピコピコ」が使
用される。
このほかのイベント等詳細は現在、実行委員会で内
容を検討中。
■雑感
この事業は、事業の企画から運営のすべてを1/2に
分担し、お互いの得意な面を活かしつつ、会員とのコ
ラボレーション強化を目的として実施しました。セミ
ナーには100名の皆さんの参加があり、パネルディスカッ
ションでは会場から様々な意見が飛び出し活発に議論が
行われるなど、
成功裏のうちに終了することが出来ました。
今後もフォーラム事務局では、連携事業を積極的に
推進するなどして、会員相互の交流をさらに深めてい
きたいと考えております。
地域連携リユースセミナーを開催
3R活動推進フォーラムは、当フォーラムの会員で
ある「NPO法人持続可能な社会をつくる元気ネット」
と連携して、7月5日(月)、千代田区立内幸町ホール
において、∼全国の地域リユース先進事例に学ぶ∼と
題して、地域連携リユースセミナーを開催しました。
【プログラム】
◆開会挨拶 NPO法人持続可能な社会をつくる元気
ネット理事長 崎田裕子
◆第一部 基調講演
「循環型社会とリユース政策」
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部リサイ
クル推進室長 上田康冶氏
基調講演をする環境省の上田康治氏
パネルディスカッションのもよう
110
廃棄物研究 財団・3Rだより
(No.79 2010.7)
全国を歩く
全国を歩く(6)
「高尾山を登る」
財団法人廃棄物研究財団 専務理事
3R活動推進フォーラム 専任理事
八木 美雄
ミシュランの三ツ星になったとかで、高尾山は、押
すな押すなの大盛況のようです。
ということで、新宿を出て、混雑がなければ、2時
間弱で自然豊かな高尾山頂に到着できます。
1.ミシュラン三つ星・高尾山
さて、この高尾山ですが、昭和2年(1927)に日本
百景に選定され、平成19年(2007)からは、ミシュラ
ン・ガイドで三つ星観光地に選ばれています。「大都市
近郊にもかかわらず豊かな自然に溢れている」というの
が、選定理由です。
高尾山は、東京中心部から、西へ50kmほどの所に位
置しています。
京王電鉄本線を使えば、新宿駅から高尾山口駅まで
準特急で50分。そこから、ケーブル・カーを使って登
れば1時間ほどで高尾山頂。
もっとも、ミシュランの三つ星のお墨付き
以来、年間250万人とも云われる来訪者は、ウ
ナギ昇りに増えているようです。
特に、五月の連休、紅葉シーズンは、原宿
並という形容も大げさでないほどに混雑し、
ケーブルは1時間以上待たされ、狭い登山道
では一方通行にもなります。さらに、山中に
は、トイレが限られますので、その面での苦
労もあります。登山客が少なかったその昔は、
男性は“キジ撃ち”、女性は“花摘み”が可能
でしたが、それも過去となりました。
2.高尾山について
ここで、改めて、高尾山に触れることにし
ましょう。
標高600m(正確には599m)の山中には、
いづなだいごんげん
やくおういん
山岳信仰の飯縄大権現 を奉る薬王院 の諸堂が
点在し、江戸時代から信仰の霊山として、ま
た都民、近県の行楽地として広く知られた都
会のオアシス的存在でした。
この高尾山は、また、紅葉の山、杉の山と
して親しまれ、鳥や草木の種類が豊富なこと
で、大自然の宝庫といわれています。
このように豊かな自然に恵まれ動植物の宝
庫となっているのは、高尾山が、暖帯系の常
緑広葉樹林帯と温帯系の落葉広葉樹林帯の境
目に位置しているからです。さらに、あらゆ
る殺生を厳しく戒めるなど宗教的に保護され
図1 登山コース
111
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
全国を歩く
「稲荷山コース」の場合、距離3.1kmで山頂まで、90分
ほどかかります。
た他、戦国時代には甲斐の武田氏への防衛上から小田
原北条氏、そして江戸時代は徳川幕府によって手厚く
保護されてきました。
明治時代になると御料林、戦後は国有林となり、明
治の森高尾国定公園に指定されるなど、歴史的に見る
と、時の権力者や政府によってさまざまに管理・保護
されてきました。
ところで、今年2月の週末、高尾山親子観察会の一
環で、山登り初めての下町からやって来た10歳と8歳
の兄弟、17歳の女子高校生とその保護者、計5名ほど
を引率して、高尾山に登りました。雪が所々に残り登
山道は滑り易く、最悪のコンディションでしたが、全
員元気で、無事登頂できました。
標高201mのケーブル駅から高尾山頂標高599mまで、
398m登ることになります。
出発前に、その標高差を、図2∼5を見せながら、
3.高尾山を登る
高尾山には、ケーブル・リフト利用の他、図1に示
すように様々な登山コースが設定されています。
例えば、四季折々の花や若葉・紅葉などが楽しめる
図2 東京タワー(333m)
、1958年10月竣工
図3東京スカイツリー(634m)
、2011年12月完成予定
図4六本木ヒルズ(54階、238m)
、2003.4オープン
112
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
全国を歩く
比べが、そのアイス・ブレーキングの役割を十分に果
たしたわけです。
なお、注意事項として、ゴミは持ち帰ろう、狭い道
では譲り合おう、動植物は取ったりしないことを徹底
させました。
東京タワー、東京スカイツリーそして六本木ヒルズと
比べてイメージしてもらいました。すると、お腹が空
いたとかぐずっていた兄弟が急に大人しくなって、「僕
たちは東京タワーよりも高いところまで登るんだ」と
すっかり元気になってきました。そして、親の方が音
を上げるほどのペースで黙々と登り始め、予定通り山
頂に着くことができました。
最後に、高尾山は、山容が想像以上に大きく侮れな
いことに注意すべきです。道に迷い救助を求めるハイ
カーが後を絶たない、ある面では、危険と隣り合わせ
の山でもあるのです。ケーブル・カー利用であっても、
革靴・ハイヒールは厳禁。
高尾山を楽しみたいのなら、足元をしっかりとさせ、
コースを確認してから登山するくらいの気持ちを持っ
た方が良いでしょう。
・・・・・・・・・・・・・・
次回は、佐賀市を歩きましょう。
山登りは、登頂後の達成感は素晴らしいですが、途
中は、苦しく退屈なものです。しかし、山に登ったこ
とのない下町少年にとって、学校で、東京タワーのて
っぺんよりも高い高尾山に登ったんだぞと、胸を張れ
るということは、幼い功名心を掻き立てたのでしょう。
イベントを始める前、参加者の心をほぐしヤル気を
起こさせることを、アイス・ブレーキングといいます。
東京タワーや東京スカイツリーと高尾山登山との高さ
図5 高さ比べ
113
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
いつでも食べある記
食いしん坊M田の
帰ってきた「いつでも食べある記」
∼東京、八重洲、丸の内(上級?!)編∼
町田 直美 株式会社日水コン 東部下水道事業部計画管路部第2課 はここにかなりの点をつける。
旬野菜のせいろ蒸し(1,2人前1,500円)や蒸した出
汁巻きたまご(850円)もいいが、個人的には小鉢のご
っつぉうの盛り合わせ(1,600円)がいい。全国各地の
ごっつぉうが数種類味わえ、新しい味に出会えるのが
また楽しい。
しかし、小鉢4品でこの値段に納得がいかない人は
多いかもしれない・・・。美味しいんだけど。
前回、涙の最終回?!のご挨拶をさせていただいたとこ
ろだが、財団編集部のご厚意により、連載させていた
だけることとなった。関係の皆様、読者の皆様に感謝
の意を表するとともに、今後のご愛読をお願いします。
さて、復帰第一弾、帰ってきた「いつでも食べある
記」は、前号に引き続き東京、八重洲、丸の内編とす
る。今回は、前回の「初級編」の対として「上級編」
としているが、何をもって「上級」とするかは難しい。
ここは、財団・3Rだより読者が、彼女や奥様・お嬢
さん、上司あるいは若手職員を誘って一目置かれる?!店、
を選ばせていただくことにする。
今回は多少単価が高くなるが、そこはどうかご容赦
願いたい。「ふうーん」と読んでおいて頂いて、何かの
時にお役に立てば幸いである。
1. 女性目線でヘルシー蒸料理とスペインバ
ル
丸の内といえば丸ビル。その35階、36階のレストラ
ンフロアは、眺望がよいがお値段も高い。ランチに
2,000円出してもいいからリラックスしたい!という時
や、記念日デートなどで特別な時間を過ごしたいとい
う時限定でお勧めである。
お店に入らなくても、35階の休憩スペースからは東
京タワーや皇居が見えるので、一度行く価値はあるか
もしれない。
さて、高層階よりももう少しリーズナブルな飲食店
が丸ビルと新丸ビルの5∼7階あたりに並んでいる。
今回は、なかなか女性目線にはなりにくいと思われ
る読者の方々にご提案の一例として、筆者のお気に入
り店を二つ紹介する。
野菜中心の「ごっつぉうの盛り合わせ」
。
この日は写真に撮れなかったが、鶏シュウマイ(980
円)もぜひ頼んで欲しい。店員からも薦められるだろ
うが、食べて損はない。直径10cm程の大きさで、白く
美しい姿。低カロリーながら食べ応えのある一品だ。
時価になるが、お勧めの蒸し魚や煮魚もいい。
一つ目は、名前だけは前回の記事でも触れていた新
丸ビル7階の蒸し料理の店①「MUSMUS」である。店
の前に置いてあるたくさんの野菜をみると八百屋?!
と思うが、そうではない。全国各地の個人生産者から
旬の野菜や乾燥野菜、発酵食品などを仕入れていて、
それをディスプレイしているのである。
「体によさそう」
という感覚は、男性にとっては全く魅力がないかもし
れないが、たいていの女性、特にアラサー以上の女性
コースターのロゴも程よく可愛い
114
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
いつでも食べある記
(のは私だけか?多分違う。新幹線も見えるし。)パエ
ジャを頼んで長居してもいいし、カウンターで待ち合
わせだけに使ってもいいかもしれない。
また、スペイン料理がちゃんと一通りあり、名物料
理が美味しいことから、スペイン入門の店としても使
えるだろうか。
生ハムは、最高峰と名高い(とスタッフが言う)ス
ペインのホセリート社のものらしい。確かに、筆者が
日本で食べた生ハムの中で一番美味しい。ぜひ、4種
類の盛り合わせ(3,180円)を頼んで数種類の味を比べ
てほしい。
煮魚も種類が選べる。大きさも十分。
(時価)
ほかにピンチョス(一口おつまみ)やアヒージョ
(ニンニクとオリーブオイルソースの料理)がスペイン
らしい。この日食べたマッシュルームのアヒージョ
(1,100円)は、必ずバケットと白ワインとセットで食
べてほしい。
パエジャは時間がかかるので、それを待つ間に多少
しっかりした料理が欲しいときは、卵料理がいいだろ
う。ジャガイモ入りのトルティージャ(920円)が一般
そして、ここの「おむすび(1個250円)」はかなり
優秀だ。お米の味は勿論のこと、握り方が素晴らしい。
最近、駅構内でちょっとしたおかずとおにぎりを出す
店が増えているが、あそこのコストパフォーマンスと
比べると、称賛に値する。
この店は、単品で頼むと組み合わせによっては腹も
ちの割に高く感じるかもしれないが、3,500円からコー
スも設定されている。内容を見ると、至ってリーズナ
ブルだ。
日本酒に限らず、焼酎、国産ワインもいいものを置
いている。お酒の値段がやや高めなので飲みすぎに要
注意だが、気持ちのよい時間が過ごせる店としてお勧
めである。お酒にも詳しく、産地に通って畑仕事の楽
しさまで語る店員さんと、適度な距離感がわかる大人
のおしゃべりも楽しめる。
平日は11:00∼28:00、日祝も11:00∼23:00と嬉
しい営業時間である。
もう一つは、八重洲側のTOKIAビルの2階②「バ
ル・デ・エスパーニャ・ムイ」である。
まず、長いバーカウンターとテラス席がいい。梅雨
の晴れ間、あるいは梅雨明けにテラスでスペイン産の
ワインを飲む・・・想像しただけで気分がよくなる。
マッシュルームのアヒージョ。バケットは必須。
今まで食べた中でベストの生ハム。
奥の皿はオレンジのサラダ。生ハムとよく合う。
ムルシア風トルティージャ。奥のワインは美味しかっ
たがあまりに高いので、お勧めできない。
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
いつでも食べある記
そんなとき、気軽に職場仲間を誘う店として、東京
駅のガード下という立地から、④「鍛冶屋文蔵(丸の
内店)」はどうだろう。チェーン展開の店ながら、料理
が全品高レベルである。
サラダは数種類あるし、シンプルに厚揚げ(350円)
などもいいが、からすみせんべいピザ(480円)は予想
を上回る美味しさ。こ奇麗さと立地の良さと日曜日の
営業という条件から、逆に何となく味のレベルを想定
していたら、眼が覚める思いがした。食感は適度にパ
リパリで、からすみのかかり具合がケチでない。ビー
ル、焼酎、日本酒、白ワインと幅広いお酒に合う料理
だった。
他に、いか一夜干し、キャベツ味噌など、読者の
方々になじみ深いメニューもちゃんとある。
的だが、ズッキーニ、玉葱、ナスなどがたっぷり入っ
たムルシア風トルティージャ(1,050円)の方がバラン
スがいい。
同じビルにライブレストラン③「COTTON CLUB」
とあわせ、気軽に行ける非日常空間、といったところ
か。
ランチ営業ありで、平日は23時まで営業している
(木金のみ24時まで)。日曜日は22時までだが、比較的
空いているとのことである。
2. 東京駅のガード下でさりげなく店選びし
た後は、多彩なメニューからタイミング
よくチョイス・・・
とっておきの食事や雰囲気を用意したり、珍しい体
験をアレンジしたりするもてなしは、特別な思い出と
して記憶に残るだろう。
しかし、相手の心地よさに心を配る「普段の」もて
なしに急に気づいたとき、ある意味「特別な」思い出
につながることもあるのではないか。要するに、主賓
が好きそうなメニューをいいタイミングで勧める、あ
るいはオーダーする、という、心配りのもてなしだ。
筆者が新入社員の頃は、人集めも含めた飲み会の段
取りから当日の仕切りまで、飲み会幹事の力量で仕事
の力量が推し量れると脅された。今そんなことを言わ
れても、真面目に聞く新人はいないだろうし、職場飲
み会の意味あいが問題視されてから久しい。
しかし、普段から昼食や軽い飲み会でコミュニケー
ションをとり、お酒や料理やご飯の固さの好み、ペー
ス、量などを把握していたために、同僚や上司の些細
な変化(予兆?)に気づいてその後の対応が迅速にで
きたり、意志疎通が飛躍的にスムーズになった経験を
経ると、もう少し職場飲み会が見直されてもいいので
は、という気がする。
品数豊富。ヘルシーからがっつりまで。
他にも、新橋∼有楽町間のガード下の「いづも」な
ど、だん家というグループの系列店があるらしい。
あるブログでは、この店について「この手の店は
色々行ったが、結局ここに落ち着いた」という書き込
みもあったが、なるほどと思う。立地と料理とお酒、
総合点でトップ死守か。営業時間も、年中無休で16:00
∼23:30だし。
皇居外苑
馬
場
先
通
り
「MUSMUS」
行
幸
通
り
丸の内
MY PLAZA
丸の内仲通り
丸の内仲通
内仲通り
新東京
ビル
丸ビル
①
新丸ビル
永
代
通
り
UFJ
大名小路
UFJ本店
東京国際
フォーラム
丸の内
オアゾ
東京ビルTOKIA
②
「バル・デ・エスパーニャ・ムイ」
③
「COTTON CLUB」
④
JR 東京駅
TOKYO STATION
「鍛冶屋文蔵(丸の内店)」
外堀通り
116
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
私の趣味
私の趣味(13) バイオリン
(財)
廃棄物研究財団 技術部長 藤井 重雄
バイオリンとの出会い
愛の歌(シュトラウス)、愛の語らい(ランナー)、ボ
エム(ショーソン)、ロマンス(ベートベン)、夢のあ
とに(フォーレ)等々、大抵の人が青春時代にこれら
の効果音の恩恵にあずかっているはずである。オーケ
ストラではTuttiと称するみんなで同じ旋律を刻み合奏
する箇所が多くあるが、これなどもきれいに合えば、
何にも例え難い一心同体の醍醐味が味わえて素人なり
に気持ちが良い。
1960年頃全盛期にあった旧ソ連の天才バイオリスト、
ダビィッド・オイストラフが來日、同時にLPでベート
ベンのスプリングソナタとクロイツェルソナタが売り
出された。当時は多感な高校生であり、オボーリンと
組んだ、この名演奏が琴線に触れ、直ちに行動に移り
大胆にも親類にあった古いバイオリンを貰い受け、こ
の大家のような音を出そうと挑戦し始めたのが出会い
の発端である。興味あるものは何でも挑戦してみたく
なるのは、家系でもあるが、近くに学生音楽コンクー
ルに優勝したフルートの同年代の天才がいたことも影
響して、天才を身近に感じられたことも動機づけとな
った。ちなみに彼は後に放送局のオーケストラに就職
しプロになった。
これから始めようとする人へのアドバイス
よく質問されることにバイオリン属の楽器は大人に
なって習う楽器ではないのでは?という説があるが、
別にプロを目指すわけではないため心配はない。歌が
歌える人は誰でも練習でかなりのところまで上達する。
ただバイオリンは、音程を耳で作る必要があるため、
歌が上手な人は上達が早いし、高温部(High position)
の音の取り方がうまい。どの楽器でもそうだが、こと
に、運指、運弓に要する運動神経の細やかさは、高齢
化現象を抑制する効果も期待できるという説がある。
壮年の皆さんには若いお嬢さんにからの手ほどきを、
或いは夫婦での手習いを推奨する。
面白味とは
趣味としてのスポーツや器楽演奏の醍醐味は、自己
満足でき陶酔できることであろう。別にコンクールを
受けるわけでもなし、他人に披露するリサイタルがあ
るわけでもない。また職業ではないため、収入のため
に嫌いな曲を弾くこともない。このことは、アマの器
楽奏者が自分が天狗になれる環境を求めてアマオケの
渡り歩きをする自己チュウ人が多いことでもわかる。
また音楽は物理的には何も残らないし、楽音か騒音か
は聞き手の主観的なものなので素人には都合がよい。
憧れる人が奏でる音は全て愛の調べとなるが、ゴミ出
しで一言多い御隣の叔母さんの叩くピアノは、たとえ
妙なるショパンでも嫌騒音となり胃に悪い。バイオリ
ンという楽器は、巷で鋸の目立てに例えられるように、
聞くに堪えない音色から、妙なる愛の調べ、官能をく
すぐる音色まで巾広い。物理的には振動数が440で同じ
でも、みどりさんと太郎さんではピッチが同じでもニ
ュアンスは大きく異なる。女性の肉声に似ていること
から愛の表現に利するとも言われる。実際、人生の契
機となる愛にまつわる小品は 愛の挨拶(エルガー)、
愛のささやき・愛の喜び・愛の悲しみ(クライスラー)
、
目標
この楽器で達成感を味わうとするなら、挑戦するだ
け無駄で、手にするのをやめた方が良い。際限なき挑
戦となる。私の場合も曲を全部さらったとか、トリオ
が組めたとかのささやかな目的で満足している。最近
は老化防止と下手な同人との一杯が主な目的となって
いる。
思い出
若い時はプラント・エンジニアとして、3∼5月間、
海外のサイトに常駐する機会を多く経験した。オイル
パームミルや原糖工場は人里離れたジャングルを開墾
した僻地や、ジープで何時間も草原を走ったプランテ
ーションの中にあるため、大抵のスーパバイザーは麻
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
私の趣味
際、南欧某国ではこの輩が多いと聞く。先般成田で偶
然見かけたウイーン響楽員の通関はさすがフリーパス
であったが、開発途上国では、我々はウイーンの連中
とは、風体、挙動が似ても似つかわしくないのか、「ど
こから乗ったの」「これからどちらに」「この国で知り
合いは」と、入国カードを見れば一目瞭然なことを聞
かれる。そのうえでケースを開けろ、開ければ脂手で
触りf字穴から中を覗いたりと、それに費やす通関時間
は課税品持込みの倍以上費やす。
雀牌やギターなど趣味の機材を輸出梱包に含めたもの
だが、筆者の場合バイオリンを持参した。
ノンヤイNonyaiでの思い出
タイ国南東部のNonyai Sugar Ind.のバガス発電所
の試運転助勢で滞在した時は、プラントにトラブルが
なければ気楽な身ゆえ、暇があれば先輩やチーフエン
ジニアの目を盗み、近くの少学校に行きサッカーに興
じたり、24の瞳(現代では理解できない歴史上の物
語?)ならぬ円らな瞳の少年少女を相手に、当時憧れ
た江藤俊哉やコーガンなったつもりで、日本の民謡や
荒城の月等を弾いた。相手が分かろうが分かるまいが
人前で弾く味は格別で、蚊の刺されるのも厭わずフラ
ンクのソナタとか、チゴイネルワイゼンのさわりを披
露して煙にまいた思い出がある。今思えば子供の興味
は珍しいものを持ったおじさんが毎日懲りもせず何を
しているのかで、あったであろう。この子供達も今は
我児を抱いて子守唄を口ずさんでいると思うと熱いも
のがある。
リンツLinzでの思い出
西オーストリアの大都市リンツは、製鉄業などの工
業都市であるが、日本の年配のオペラ愛好家には、往
年のバリトン歌手故大橋国一が活躍した都市として記
憶されている。各国のプラント関係者は中近東やアジ
アの案件について、よくこの地に集まりエンジニアリ
ングの打合せをした。リンツのコーヒー店等では、バ
イオリン、チター、コントラバスなどで編成するトリ
オやカルテットでワルツなど弾きアルバイトしている
風景を良く見かける。ある日ワインの勢いで指揮の動
作をして体をゆすっていたら、何か弾けるかと、そこ
で飛び入りで、皇帝円舞曲を弾かせてもらったことで
ある。もちろんチップは貰う方ではなくコイン数枚を
叩いた。チップの効果はてきめんでスコアもいらない
合いの手という「うん、チャ、チャ」のチャ・チャを
数曲弾かせてもらい、一生の思い出となった。
チャンギChangiでの通関
1980年頃、マレーシアのジョホール州アイルタワの
サイトに行くには、出入国をシンガポールの現在の空
港があるチャンギポイントからスピードボートでマレ
イ半島最南端のペンゲランに渡っていた。一応出入国
時パスポートチェックを受けるのだが、ある夜、通関
で持参している楽器にクレームがついて延々1時間ぐ
らい迎えの車を待たせた。いくら安物の楽器でも、弾
き手同様に環境にはSENSIBLEなので、港の潮風には
曝したくないから、片言マレイ語でケースを開けろ、
開けないの押し問答である。たばこも吸わず、麻薬や
金の指輪など縁のない人間ぐらい通関のプロなら持ち
主の顔や挙動を見れば分かるはずだ。バイオリンのよ
うな楽器はいくら値打ちのない安物でも、持ち主にと
っては全てステラディバリウスやアマティと同じ愛器
で、旅行中は通常弦を少し緩め、飛行機では機内持込
み手荷物で、自動車ではなるべく振動を受けないよう
に座席に持ち込む。海外旅行中の最大の障害は器内に
麻薬などを隠しているものと疑われることである。実
室内楽の楽しみと苦しみ
少しそれらしくサードポジションぐらいが自由に弾
けるようになると、アマ(甘に通じる)はすぐ仲間と
トリオやカルテットに挑む。美人のピアニストが手配
できれば「鱒」だ、ハイドンに挑戦となる。大抵がピ
アニストに見捨てられる運命となるが、その場合同僚
の娘さんや奥方を引っ張り出す。こちらは依頼である
から無報酬というわけにはいかず、まさか餃子や焼肉
というわけにもいかず、今日は河原町のどことか三の
宮の○とかになる。要は極上ニンジンが必要なみじめ
な楽士となる。しかし、下手は下手なりにたとえ数小節で
もアンサンブルがあったときの満足感は格別なのである。
アマチャオケでの練習風景1980年代
ピアノ5重奏に挑戦中の青春時代
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
水郷を行く
-
7777777777777777777777777777777777777777777777777777
水郷を行く
写真なら観光船より徒歩という案内書の勧めに従って、あやめの季
節も過ぎてやや閑散とした水郷を行く。歩き疲れ、汗を拭きながら釣
り人に見とれていたら、紺がすりにポッチ傘の娘船頭が操るサッパ船
が通りかかる。船足は以外に早く、期待した風情は十分には捉えられ
ず、またサッパ船にも乗れなかった悔いが残っている。(潮来水郷)
撮影・山村勝美 (財)廃棄物研究財団 顧問
777777777777777777777777777777777777777777777777777
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
販売図書のご案内
販売図書のご案内
◇ごみ焼却施設台帳
[全連続燃焼方式](対象施設635カ所)
CD-ROM 発行年月:平成20年2月 定価(消費税込)
:CD-ROM25,
000円(会員価格20,
000円)
簡易印刷版 15,
000円(会員価格12,
000円)簡易印刷版のみの販売は致しません
[准連続燃焼方式](対象施設224カ所)
CD-ROM 発行年月:平成20年2月 定価(消費税込)
:CD-ROM10,
000円(会員価格8,
000円)
簡易印刷版 6,
000円(会員価格4,
800円)簡易印刷版のみの販売は致しません
◇ブック財団09 01
「循環型社会形成に向けてのごみ焼却施設のリニューアルモデル構築に関する資料集」
A4版:本編37ページ+付属資料138ページ発行年月:平成21年10月定価(消費税込)
:2,
000円(会員価格1,
000円)
◇ブック財団08 02「エネルギー回収能力増強化のための施設整備マニュアル」について
A4版:125ページ 発行年月:平成20年8月 定価(消費税込)
:2,
000円(会員価格1,
000円)
◇ブック財団08 01「メタンガス化(生ごみメタン)施設整備マニュアル」及び「平成19年度
メタン発酵研究会活動報告」
(メタン発酵情報資料集2008)
A4版:207ページ 発行年月:平成20年7月 定価(消費税込)
:2,
000円(会員価格1,
000円)
◇ブック財団07 02メタン発酵情報資料集2007
A4版:
87ページ 発行年月:平成19年6月 定価(消費税込)
:
1,
000円 ◇ブック財団07 01廃棄物処理施設解体時等の石綿飛散防止対策マニュアル
(改訂版)
について
A4版:129ページ 発行年月:平成19年3月 定価(消費税込)
:
1,
000円
◇ブック財団06 04廃棄物情報の提供に関するガイドライン
(WDSガイドライン)
について
A4版:60ページ 発行年月:平成18年12月 定価(消費税込)
:500円
◇ブック財団06 03残留性化学物質資料集2006
A4版:66ページ 発行年月:平成18年9月 定価(消費税込)
:500円
◇ブック財団06 02加熱を伴う業務用生ごみ処理機の安全対策について
A4版:67ページ発行年月:平成18年7月 定価(消費税込)
:500円
◇ブック財団06 01メタン発酵情報資料集2006
A4版:134ページ 発行年月:平成18年7月 定価(消費税込)
:1,
000円
◇廃棄物・リサイクル関連法の概要
A4版:97ページ 発行年月:平成17年5月 定価(消費税込)
:
500円
◇廃棄物最終処分場とダイオキシン対策の実務∼ダイオキシン対策の計画・実施・管理∼
B5版:211ページ 発行年月:平成16年5月 定価(消費税込)
:
2,
100円
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廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
大都市の焼却施設
廃棄物研究 財団・3Rだより(No.79 2010.7)
編集後記
相模原市南清掃工場
相模原市では、南清掃工場と北清掃工場の2工場体制でごみ処理を行っています。このうち昭和55年から稼動して
○関東地方も梅雨が明けました。熱い日が毎日続きます。我が家では、小さな庭で咲き始め
いた南清掃工場は、施設の老朽化やごみ質の変化への対応、環境への負荷の低減を図るため、平成18年9月より建替
た白いモクゲが暑さをしばし忘れさせてくれます。日本中を沸き立たせたサッカーのワー
工事を行い、平成22年3月に新工場が竣工し、本格稼動をしております。
ルドカップも、与野党がねじれてしまった参議院選挙も、もう随分前のでき事のような気
新工場は、ガス化溶融炉を採用してお
がします。それにしても暑さと不景気の暗雲を吹き飛ばしてくれる特効薬はないものでし
りますので、生成された溶融スラグを道
ょうか。
(藤本)
路用の資材等として再利用していく予定
であり、また、近隣にある本市の最終処
○家に帰ると、家の花壇には草花が熱くてぐったりしている。水をかけてひといき。家の前
分場の延命化に寄与するものとなります。
の道路に水をまく、涼しい感じが一瞬します。昔はよく夕方になると水をまいたものです。
発電能力は、旧工場の6倍以上の最大
そして、焼き鳥と一杯のビールですね。
10,000kWで、工場の稼動に必要な電力を
まかなうとともに、余剰電力を電力会社
○夏休みに入りました。夏はやっぱり、子供たち、家族一緒に、海、山、に行って鋭気を養
へ供給しています。ごみ処理過程で発生
うことが必要ですね。故郷がある人は、たまには帰るのもいいかもしれません。
した熱は、自工場内の冷暖房・給湯に利
用し、さらに隣接する健康文化センター
○2010年、3年ぶりに廃棄物処理法の改正がありました。詳細は今後の政省令を待たねばな
の温水プールや県立相模原公園内の温室
りませんが、建設業では元請けの一本化、優良業者制度では更新許可期限の延長、排出事
に利用しております。
業者の産業廃棄物の処理状況確認等、法の施行に向けての動きがより活発化する一年が想
また、太陽光・風力発電式外灯の設置
定されます。
などによる太陽光や雨水等の自然エネル
ギーの利用、節電や節水など省エネルギ
ー技術を導入しており、二酸化炭素の排
○第5回3R推進全国大会は、11月2日∼7日まで佐賀県佐賀市で行われます。3R活動推
南清掃工場全景
進フォーラムも主催者として環境省、佐賀県と一緒になって準備を進めているところであ
出削減を図っています。更に、排ガスに
りますが、3日から7日には、佐賀インターナショナルバルーンフェスティバル会場で、
ついても法令基準よりも厳しい独自の基
佐賀環境展が開催されます。大会の成功に向けてのご支援、ご協力をお願いします。
準を設定し、周辺環境に配慮した施設と
(藤波)
なっています。
【施設概要】 ■名 称
相模原市南清掃工場
■所 在 地
相模原市南区麻溝台1524番1
■竣工年月
平成22年3月15日
■建 設 費
約190億円
■建物概要
工場棟(管理諸室と一体型)
鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コン
クリート造
廃棄物研究
No.79(2010.7)
地上6階、
地下1階 延床面積 23,
643㎡
【設備概要】
■処理方式
流動床式ガス化溶融炉
■処理能力
525トン/日
(175トン/日×3炉)
■燃焼ガス冷却設備
廃熱ボイラ
■排ガス処理設備
バグフィルタ、
排ガス洗浄装置、
脱硝反応塔
■余熱利用
蒸気タービン発電(最大10,
000kW)、
場内・場外熱供給等
平成22年7月31日
発 行 人 杉戸 大作
発 行 所 財団法人 廃棄物研究財団
〒130-0026 東京都墨田区両国3-2
5-5 JEI両国ビル8階
TEL 03(5638)7161 FAX 03(5638)7164
印 刷
共立速記印刷株式会社
http://www.jwrf.or.jp/
あなたです!
きれいな街をつくるのは
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旧
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両国中学校
地
下
両 鉄
清
国 大
日大第一中・高校
日大第一中・高校 澄
通
駅
国技館
り 江
国技館
戸
線
←お
茶の
水
ライオン
JEI両国ビル
←東京
江戸東京
両国パールホテル
錦糸町→
清
澄
通
り
みずほ銀行
錦○町→
錦糸
本所警察署
京葉道路
廃
棄
物
研
究
財
団
・
3
R
だ
よ
り
JAPAN WASTE RESEARCH FOUNDATION
3Rs Promotion Forum
廃棄物研究
NO.79
隅
JR総武線
博物館
田
川隅
両国駅
田 首
首
川 都
都
田島病院
高
高
速
速
両国
ステーションプラザ両国
6
6
号
号
リバーホテル
平
成
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79
2010年7月
NO.79
両国橋
財団法人 廃棄物研究財団
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関港
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丹乗
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〒130-0026 東京都墨田区両国3-25-5
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巻頭言 …………………………………………………徳田 博保 1
特集 1「廃棄物処理施設の長寿命化計画」
廃棄物処理施設の長寿命化計画作成の手引きについて……村山 浩稔 3
廃棄物処理施設の基幹的設備改良(ごみ焼却施設)……角田 芳忠 7
廃棄物処理施設の基幹的設備改良(し尿処理施設・汚泥再生処理センター編)
……………………………………森川 則三 12
廃棄物処理施設における長寿命化計画……………下村由次郎 17
ごみ焼却施設での長寿命化への取り組み…………亀尾 徹 22
特集 2「アジアの 3R」
アジアにおける3Rを通じた循環型社会の構築………新田 晃 27
JICA による廃棄物管理における国際協力の取り組み∼アジア3 R を中心として
……………………………………森 尚樹 31
ベトナム・ホイアン市の3Rの取り組み−草の根技術協力の成果
……………………………………山本 耕平 35
川崎発グリーンニューディール 川崎市における環境技術による国際貢献の取り組み
……………………………………福芝 康祐 39
自治体を訪ねて
川口市環境部廃棄物対策課 ………………………渡部 浩一 46
札幌市環境局環境事業部ごみ減量推進課…………石川 芽衣 49
環境省等国のうごき ……………………………………………… 53
財団のうごき ……………………………………………………… 75
3R活動推進フォーラムのうごき ………………………………100
全国を歩く(6)………………………………………八木 美雄111
帰ってきた「いつでも食べある記」∼東京、八重洲、丸の内(上級?!)編∼ ……町田 直美114
私の趣味(13)バイオリン …………………………藤井 重雄117
編集後記
大都市のごみ焼却施設 相模原市南清掃工場 表紙裏
財団法人 廃棄物研究財団
3R活動推進フォーラム