いせはらシティセールス推進計画検討委員会 会議録

第1回(仮称)いせはらシティセールス推進計画検討委員会 会議録
[事務局]広報広聴課
[開催日時]平成 26 年 10 月 27 日(月) 午前 10 時~正午
[開催場所]伊勢原市役所議会全員協議会室
[出席者]
髙山市長
河井委員(委員長)
、宮川委員(副委員長)、横溝委員、鍛治委員、大谷委員、室橋委員、
西郷委員、杉下委員、柏木委員、數井委員、高田委員、葉月委員
鍛代企画部長、広報広聴課(辻課長、成田副主幹、坂間主査)
[公開の可否]公開可
[傍聴者人数]0人
<経過>
1 開
会
2 委嘱状交付
3 市長挨拶
4 議
題
(1)(仮称)いせはらシティセールス推進計画の策定方針について
…資料に基づき、事務局より説明
(2)学習会「シティプロモーション(シティセールス)とは何か」
…河井委員長(東海大学文学部広報メディア学科教授)による講義
(3)意見交換
①伊勢原市のセールスポイント(強み)について
…資料に基づき、事務局より説明
・伊勢原を代表する主な地域資源(歴史・文化資源、自然資源、景観、医療環境、祭り、観光
イベント等)について
・地域ブランド戦略サーベイ 2013 調査によると、伊勢原市の認知度が 531 市・特別区中 345
位(神奈川県内で 19 市中 16 位)に位置している旨などを説明
委員長 事務局として、資料の県内自治体ランキングから何を読み取りたいのですか。
順位が低い、という事だけですか。
事務局 一つは、市外、県外からの認知度が低いという点を押さえていただければと思います。
委員長 例えば、地域ブランドの魅力点というところで、
「自然保護の取り組みなど」については
きわめて高い順位になっている、あるいは「新しい試みにチャレンジしている」につい
ては上位 10%に入っている、神奈川自体が高いみたいですけど、高い評価を得ていると
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いう“強み”は、どうしてこのような評価になっているのかという分析をされないと、
あまり意味がない。そういう中で、ある意味結構凄い話だと思うんですよ。伊勢原って
いうのは、全国の中でチャレンジをしているまちだと思われているわけですよね。そう
いう点が実は、これから考えて行く時の我々のバトルフィールド、先ほど学習会で申し
上げたときの、核になっていく可能性があるかもしれない。だとしたら、ここからどう
して「チャレンジ」が読み取れるのかという話ですよね。伊勢原を代表する地域資源と
いうものの中に、資料だけみてもチャレンジは見えてこないんですよ。というのは、こ
れは個別の要素であって、物語化されていないからだと思います。それをこれからどの
ようにしていくのかという方法が、事務局で行いながら、あるいは委員の皆さんのご意
見をいただきながら、そういう必要性があると思っています。私の方から最初にちょっ
とご意見申し上げましたが、委員の皆さんからも、資料に関連してあるいはそれ以外に
私が申し上げたこと、あるいは戻って推進計画とはなんぞや、といった事でも良いと思
いますが、ご意見伺いたいと思います。
委 員 私は NPO で映像を使った地域活動をやっているのですが、フィルムコミッションをい
ろいろな地域で立ち上げていまして、今、大和市で副会長をさせていただいたり、全国
を回りながら、立ち上げの支援をしています。流山市も立ち上げの支援をしてきたのです
が、立ち上げる事が目的ではなくて、それをその後どう活用するのか、ツールとしてや
るのかというところで意味がある。フィルムコミッションというのは、地域にドラマな
どを誘致して、イメージアップとか、観光とかにつなげる一つのツールなんですが、資
料でいただいているような資源というのは私の視点からすると全く意味がない。既存の
場所に観光客とか人を集めるのではなくて、例えば市役所の前とか広場、普段観光客が
来ない、だけど、そこがドラマで二人が再会するシーンや印象的な出会いをすると、若
者が集まってくる。そういう視点からすると、市役所の前の広場などが、資産価値の高
い場所となる。伊勢原市すべてが観光資源となるのがフィルムコミッションの視点です。
そういう意味では、委員長がおっしゃったように、何を目的にして何を手段とするのか、
対象を絞られちゃうと「これを盛り上げて人を集める」というのが目的に見えてきてし
まうんですけれども、これはあくまでも参考例の一つとして捉えて、これ以外のところ
を逆に、シティプロモーションとして伊勢原の良さ、魅力を再認識・再発見して、市外、
時には世界に発信して多くの方に来てもらうというような議論が必要なのではないかと
感じております。
委員長 ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。既存のものだけではなくて、
新たな魅力をどんどん形成していく、という発想の中で、伊勢原って言うところを「選
ばれるまち」、あるいは逆に「伊勢原を選ばないといけない」、つまり常に選ばれる側に
なってどんな人に住んで欲しいのか「選べるまち」になっていくと素晴らしいと思いま
す。ありがとうございました。
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委 員 質問なんですけど、先ほどの学習会の中で、メディアの活用性のフローチャートが出て
きました。
「傾聴」という言葉が一番ベースにあるのですが、この「傾聴」についてもう
少し詳しく教えてください。
委員長 分かりました。
「傾聴」についての定義づけを先ほどは省略してしまいましたが、
「傾聴」
には二つ目的があります。この資料も傾聴の結果です。
「我々はどこにいるのか」という
のを、まずベース分析で明確にする。我々はどこにいるのか、バトルフィールドはどこ
にあるのか、それらには競合がいるのか、いないのか、常に考えることが大事です。端
的に言うと、このような紙資料も使いますし、ソーシャルメディア活動もおもしろいん
です。例えば、最近 Twitter では「伊勢原市」と一緒にどんな事がつぶやかれています
かね。
事務局 ちょうど「ゆるキャラグランプリ」が佳境を迎えていますので、
「クルリン」が非常に多
く出ています。
委員長 ありがとうございます。そういう形で、ソーシャルリスニング、という言い方をします
けれども、ソーシャルメディア上で、今伊勢原はどのように認知されているのか、
「伊勢
原」「クルリン」、できれば合わせてもう一つ欲しいところですね。どんな事を言ってい
るのか。
「クルリン」に対してプラス、マイナス、あるいはどのような意味を込めて「ク
ルリン」について語っているのかといった形のソーシャルリスニングというのもバトル
フィールドの分析としてあると思います。
今までも市民モニターとか市民アンケートをたくさんやられていると思いますので、今、
委員におっしゃっていただいたような視点で、あるいは最初に私が申し上げたように、
全体が 400 位なのではなく、
「なぜチャレンジが 40 位なのか」というところを分析しな
がら、というのが傾聴の一つ目です。
二つ目としては、「経過分析」と書いてありますが、これは、「認知獲得がどこまででき
ているのか」「関心惹起がどこまでできているのか」「着地点に人は来ているのか」をし
っかり分析しないと、最終的にうまくいきません。じゃあどうするか。
「もう一度新聞に
出せ」みたいな話になりますが、実は「認知獲得はできていて、単純に着地点がどこか
分からない。
」という状況だとすると、新聞へのパブリシティに力を入れるよりは、ウエ
ブサイトの QR コードを作った方が実は早い、ということになる。どこで引っかかって
いるのかを明らかにする、という形の傾聴。二つの傾聴が必要だと思います。そのため
には、アクセス分析もありますし、アンケートもありますし、今申し上げたソーシャル
メディアのリスニングもあります。あるいは、媒体資料の確認。そのメディアは誰に効
くのか分かって使っているかという話。これは民間の方にとっては、あまりにも当たり
前すぎることですけど、どんな雑誌にも媒体資料があります。つまり、我々は誰に向か
って喋っているのか。それをしっかり意識したメディア活用をしましょう、ということ
を含めて、ベース分析をしてください、というのが「傾聴」ということになります。
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委 員 ありがとうございました。
委員長 他になにか。
委 員 シティーセールスとして、伊勢原が既存のものをもっと活用しなくてはいけないのかな
と。今クルリンの話が出ましたが、クルリンは「ゆるキャラグランプリ」で上位を狙う
ことが目的ではなくて、目的は伊勢原市に人を連れてくることだと思うんですね。いつ
だったか忘れましたが、新聞に「クルリンを触ると幸せになれるという都市伝説がある」
という記事があったかと思うんです。あれをなんでもっと使わないのか。他のキャラク
ターも「そのキャラクターを身につけたら幸せになるよ」というのはあるかもしれない
んですけど、
「キャラクターを触ると幸せになる」というのはあまりない。クルリンに触
る、ということは、伊勢原に来ないと触れない訳です。クルリンのグッズを買ってくだ
さい、知ってください、というよりも「触ると幸せになれる」という新聞記事になって
いることで、
「幸せになれるなら伊勢原に行こうか」と、いかに、その町に来させるため
のツールを作るか。そのツールは、実際にできている訳です。なんで伊勢原市はそれを
もっと PR していかないのかな、と。そういうのが結構埋もれていて、伊勢原市民だと
身近過ぎて意外に気がつかないとか、埋もれているようなものがあると思うんですね。
そういうものは若い人の方が反応しやすいですから、フェイスブックのようなメディア、
SNS を使うことで一気に拡散していく。そうすると、若い人はクルリンを触ると、その
ことを撮影して自ら発信したくなる欲がありますから、自分のツイッターやフェイスブ
ックで発信していく。そうするとまたそれを見て、
「本当だ、伊勢原に行こうかな」と広
げるツールとなる。そういう人達が、次の広報マンや発信力の源になる。そういう人達
は、我々が発信するよりも生の声だから、可能性とか信憑性とかが高くなる。つながる
ようなシティセールスの仕組みづくり、戦略づくりが必要なのかなと。すぐ出来ること
もいっぱいあると思うので、そういうところの整理や見直し、そういった戦略なども一
緒に合わせて計画をした方が「戦略」につながってくるのではないかと思います。
委員長 素晴らしいご意見ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。
物語をしっかり仕込んでおくこと。クルリンの名前だけを知ってもらってもしかたがな
い。来年は忘れてしまう、そういう事ではなくて、そこに物語があれば、来たいと思う、
触りたいと思う。触った途端に写真を撮ります。必ずツイートします。情報共有支援と
いう言い方をしますけど、
「しゃべりたくなる仕組み」を用意出来ているということです
から、そのようなものを活用して、まず「なんか伊勢原おもしろい。今まで良く知らな
かったけど、伊勢原はクルリンでおもしろい」という状況で認知獲得も図れますし、場
合によっては最後の行動促進、あるいは情報共有、いろんな形でクルリンを使う。クル
リンがゆるキャラグランプリで何位になるか、ということが目標ではなく、それを「ど
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う使うのか」という発想だと思うので、それらも考えながら。役所って、このような「背
中を触ったらいいんですよ」とか言えるものなんですかね。
事務局 キャラクターイベントでは PR ステージがあるので、そのような時には「キキョウに触
ると良いことがある」と紹介しています。また、実際に触りに来た人には「イイコトが
あったらつぶやいてくださいね」というお願いもしています。
委員長 これは役所がやっちゃうと、意外とつまらなくて、むしろ民間、それこそ NPO でもい
いんだけど、そういういう人達が「実はキキョウを触るとヒドいことになったよ」とか
喋ってくれたり、
「だからダメなんだよ」というような会話で盛り上げる。役所が出来な
いこと、役所だと砕けきれない部分…「頭を触るととてもいいことがあります」くらい
しか言えないと思うので、役所で出来ないことを民の力だとか、メディアの方と連携を
しながらうまく伝えていくという発想ができると、委員が言ったようなことが広がって
いくのではないかと思います。
委 員 最終目的をどこに持っていくのか、というのが読めないので、よく分からないのですが、
私達は、去年「阿夫利の恵」という農産物のブランドを作りました。そのブランドを作
ったのは、やはり「伊勢原」というまちの知名度の低さと、農産物、JAを活性化して
いくための一つのアイテムとしてです。
「あふり」というのは伊勢原の清流米にも付けて
います。お米はそこである程度認知されてきた。今度、次に認知される対象として野菜・
農産物にしよう、と昨年の農業まつりでブランド名を公表しました。その目的というの
は、JAなので農産物の販売とはリンクしていて答えが出る訳です。今回のシティーセ
ールスというのは、最終的に何を目的として、シティセールスをするのか、係数で表せ
るものなのか、それとも、最後アンケートをした時に「これだけ伊勢原の事を知ってい
る人が増えましたよ」というものを着地として考えているのか。この検討委員会でどこ
までを検討するのか、というところが良く分からないんですけど、次回以降、事務局で
具体的な案が出されて、この会議の場でたたいていくのか。今日の段階では分からない
のですが、目的とその目的を評価する手段・方法を明確にしておかないと「何がシティ
セールスなのか」という形に終わってしまうのではないか心配です。
委員長 委員から2点ありましたが、まず1点。少なくとも、次回の委員会では目標設定につい
ての考え方は事務局から提出されるのか。もう1点については、提出されたものについ
て、評価の視点まで含めて議論をするのか。それは我々委員会の役目なのか、というこ
とについて、質問がありましたが、いかがでしょうか。
事務局 目的に関しましては、庁内ワーキングで検討を行いまして、次回原案という形でお示し
したいと思っています。目標の設定につきましては、シティセールスの成果を図る指標
として、見える形で指標は設定をしたいと思っております。ただ、行政だけではなく、
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民間の行動も取り入れた計画となりますので、数値目標の設定が出来るのか難しい面も
あろうかと思いますけれども、何らかの形で、成果指標を盛り込んでいきたいと考えて
います。
委員長
その案について、次回原案レベルで計上されるとすると、それについて委員の中で検討
をして、委員の意見もある程度あると思うんですけれども、委員の意見が反映されると
いう考え方でいいんですか。
事務局 そうです。たたき台という形の原案になりますので。
委員長
アウトカムとしてどこまで目的をやるのか、実際に「農産品が売れる」というのはどこ
に位置づけるのか。
「人が増える」というのはどこに位置づけるのか、
「知名度が上がる」
というのはどこに位置づけるのか。
「市民の推奨度」はどこに位置づけるのか。いろんな
形の定量化は可能ですけど、それをどう組み合わせると、最終的に、市民が幸せになっ
たと言えるのかという形での目標設定がおそらく必要になると思いますので、
「これです」
ではなく「なぜこれなのか」という構造化した形の提案をいただければと思います。
その他、なにかありますか。
委 員 私自身、新聞社に 30 年勤めていますけど、数年前に営業をやっていたことがありまして、
その当時、民間企業のメディアミックス…ネットをどんどん活用したり、もしくはコン
ビニでの接触度を非常に重視しておりまして、大手はありとあらゆるツールを使って消
費者へアクセスしていた。そこではエモーショナルな物語がひとつのカギというか、電
車広告から新聞広告、テレビ、いろいろなツールを使って接触度を高め、感情を揺さぶ
っていかに買ってもらうか、ということだったんですが、その当時、地方の新聞社とし
ては、まったく新聞を使ってもらえない時代になってしまっては困る、ということで、
広告を出していただくために勉強しました。そういった意味では、どれが絶対的なカン
フル剤、というのも無いというのが7~8年前に私自身が思ったことです。自治体と話
すときにはそういう部分を話すことが多いのですが、今日の委員長の学習会は非常に参
考になりまして、今や自治体も大変戦略的にやっておられるんだということが分かりま
した。メディアミックスの考え方も取り入れられていますし、自分たちのセールスポイ
ント、ブランド化ということを重視していることも分かります。ただ、自治体にとって、
難しいのが一点あると思っていて、そのブランドメッセージというものを本当に持てる
のかどうかということと、それを持つための盛り上がりが必要じゃないですか。みんな
が納得するものを上手に作るには、何でもいい、では求心力がないですよね。キャッチ
コピーって単純なようですごく考えられている。伊勢原のことをすごく考えたり、一緒
に楽しくなるように作らないと、ただのスローガンみたいになって滑る可能性が非常に
高い。今まででもいろんな市町村がブランドメッセージをつくっている訳ですが、ブラ
ンドメッセージをどう持てるか、というのが重要だと感じました。しかもどう持つのか
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というのが非常に難しくて、委員長からもご指摘がありましたけど、公平性を考えるあ
まり、コアなところに行けない。さっきのお話ですと、5人からスタートして、拡散し
て、いろんな事を考える。それで、だんだん盛り上がって、それでブランドメッセージ
にたどり着くとか、
「こうだよね」というところが、そもそも出来るのか。今までもたく
さん市民参加がありますが、目標に向かって、「人を増やす」とか、「企業を誘致する」
とか、
「物が売れる」とか、そういうことを含めた形で、少数の市民から盛り上げていく
ことが出来るのかというあたり、才覚が必要とされているという感想を持ちました。
委員長 ありがとうございました。他にありますか。
委 員 私は、
「恋するフォーチュンクッキー」を神奈川県が制作したと聞いて、すぐに伊勢原で
2人から立ち上げまして、1700 人まで集まったんです。また、伊勢原には無かった花火
大会を2人から立ち上げ、それが3人になり、20人になり、結果、北海道や九州から
伊勢原にお客さんが見に来るまでになりました。それは関東圏でしか見られない花火だ
からなんですけれども、その実行委員に携わっている経験からすると、伊勢原市はそれ
が出来ると思います。ただ、行政ですから、縦割り行政を横からズバっと串で刺してい
く必要がある。そのような行動をすれば、伊勢原市にはそれが出来ると僕は思います。
過去の経験から言って、十分行けると思います。
委員長
ありがとうございます。非常に心強いご意見でした。どのようにして横串を刺すのか。
実はここが大切だと思うんですね。この委員さん方が横串を刺す形になる可能性がある。
それぞれの組織があるわけですが、一つの考え方を持って横に刺していくという仕組み
を考えていくのも大事かなと。そういう意味では、今回のシティーセールスの策定方針
に「体制」ってありましたか。資料の「市民、事業者、行政等が一体となった推進体制」
では何も言ってないのと同じなんで、具体的にこれだ、ということが、おそらく計画の
中で明確にされていく。それが2回目か3回目になるのか分かりませんが、これは凄い
大事で、先ほど委員に言っていただいたように、それをどういう形で実現していくのか
という発想を持っていただかないとうまく回らないと思いますので、ぜひその辺りを含
めて、体制を「一体となった」という形で済ませず、具体的な形で横串を通すことがで
きる、皆が確かにそれならできると思わせる計画じゃないと、パブリックコメントを出
す気にもならないと思いますので、しっかりした計画作りをお願いしたいと思います。
委 員 私は、公募でここにいるんですが、80 年代にアメリカに企業進出の計画を立案して、実
際に5年以上おりました。やはり、その地域、都市を選定するときに、そこに訪れたい、
そこに住みたい、その選定基準は安全なのか、医療なのか、それとも瞬間的な固定資産
税のインセンティブを選ぶのか、となった時に、やはり永続的に「訪れたいまち」から
「住みたいまち」ということで考えていただきたい。そのために具体的に何をするのか。
伊勢原に現在あるものを有効活用する考え方と、これから新しい若い世代にマッチング
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させた新しい施策をするのか、というような二つの観点から考えていきたいと思うんで
す。その一つの提案として、今ある資源として、伊勢原には歴史と大山というものがあ
るので、ぜひミシュランガイドに登録を、という活動をしましょう。そのために市民が
出来るだけ参加できるような。例えば、伊勢原には産能大とか東海大とかの若い世代、
湘南ベルマーレのマネジメントにも関わっている人などもいるので、ぜひこの若い世代
を活用して盛り上げるのはどうか。それから新しい産業として、人口 10 万人位の都市で、
東海大学病院、伊勢原協同病院、二つの大病院を抱えている都市は日本でも無いと思う
んです。医療と若い人、子育てにも万全な保健体制が維持されていますよ、というよう
な具体的なところを訴えたい。委員長がおっしゃったように、
「大山ものがたり」にする
のか、それとも「太田道灌ものがたり」にするのか、それとも「子育てものがたり」に
するのか。そういう何かストーリーをちりばめて、市民から盛り上げて対外的に発信し
ていくということを考えていくといいのではないかと思います。
委員長
ありがとうございます。確かに、このまちが持っている医療という面は非常に強い力を
もっている。それをどのように示していくのか。おもしろいなと思ったのは、
「若者が参
画できる可能性がきわめて高い」。だとすると、「今がどうなのか」というところを事務
局としてはどう捉えているんですかね。学生が結構いたり、ベルマーレみたいなものに
対して関心が高かったり、若者の「まちに対する思い」が結構ありそうに思えるんです
けど。市民の方がまちに対してどう考えているのか、切り取られているデータはあるん
ですか。
事務局
今日、関係する委員もいらっしゃってますけど、市内の商店会の活性化として、産能大
学の学生とタイアップして、今年で3回目でしょうか。
「ちょい呑みフェスティバル」と
いうイベントの企画もやっておりますし、他にも研究事案としても地域といろいろと連
動しながらという動きは始まっているところであります。
委員長
他の委員がさきほどおっしゃったように、目標の設定が大事ということになると、現状
が分からなければ、目標の設定も出来ないでしょうから、それをどうするのか。もし「市
民の推奨度」を上げるとなったときに、今の市民の推奨度が0点~10点までのどのく
らいなのか。
「何を目標にするのか」という時には「現状はどうなのか」ということが常
に明確になっていないと。先ほどの委員が学生と一緒になってやられているイベントは
非常におもしろい、意味があると思える、そういう個別の要素を加えた上で、傾聴とい
う意味では「今、伊勢原ってどうなの」というのは、外から「何位です」というだけで
はなくて、それも大事ですけれども、
「今どこにいるのか」が分からなければ、どこに向
かって進んでいいのか分からないでしょうから、それを明確にするという発想が必要か
なと。その点も含めて考えていただければいいと思います。
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委
員 鉄道事業者というのは、このシティプロモーションと非常に繋がりがあると思うのです
が、定期の輸送力もそうですし、観光含めて定期外の輸送力といったところ、そこはお
互い持ちつ持たれつの関係ということで、非常に関心を高く持っております。我々もこ
れまでシティプロモーションだけではなくて、利用者を増やすという観点では、鉄道の
場合はダイヤが商品になりますので、そのダイヤを良くするということで複々線化を中
心としたスピードアップとか、輸送力の増強を一生懸命やっているところです。今回、
シティプロモーションといったところで、定住人口と交流人口の二つがある中で、最後
は両方伸ばして行きたい方向性かもしれないですが、目標を設定する中でどちらを先に
やっていくのかなと。観光の要素でも「住んで良し、訪れて良し」という言葉があるか
と思うのですが、個人的には、地域の方が自分のまちに魅力を感じて「住んでいい所だ」
というようなところこそ、文化、歴史、産業とかを観光の素材にしていこうとすると、そ
こは不可欠になっていくのかなと思います。市民の方が、たくさんの方が来訪してくれ
ることを喜ぶような地域は観光地としても成功している地域だと思いますので、ぜひ今
回の検討会を通じて、地域の方々の意識が高まるといいと思っております。
委員長 小田急さんにはお願いするところも多いかと思いますが、ぜひよろしくお願いします。
委 員 私は京都生まれ、育ちで、24 歳の時に伊勢原に来て、23 年間呉服商売をやっています。
最初来たとき、10 年間は完全にアウェーでした。隣近所とのつながりがなかなか取れな
かった。同業者が多かったこともありますけど。その中でどうしていこうか、というと
きに商店会に入り、つながりが出来てきた。一つ言いたかったのは、
「そうだ、京都へ行
こう」という文句。あれが大事なんですよ、あれをやらないと。
「そうだ、伊勢原へ行こ
う」じゃないけど。京都は、あの言葉の上に乗っかっている。あぐらをかいている。僕
は京都から出てきて、京都を見たときに、
「これじゃ京都はダメだ」と思った。ぜひ小田
急さんにもキャッチコピーを考えていただいて、それに対して「伊勢原ってどういうと
ころ?」ということを僕らは知りたい。例えばパワースポット。パワースポットって、
人がくっついたり別れたりしないとだめなんです。他の委員さんが言ったように、そこ
に映像があって、そこで出会いが発展してつきあった、というのがあれば、パワースポ
ットとなる。それにリンクしていただいて、
「そうだ、伊勢原に行こう」という流れに持
って行く。その中で「人」をフィーチャーしてくる。おもろいおっさんおるね、おっさ
んおるし、そこ行ってみよう、というのをもっと発信できたらと思います。
委 員 一点だけいいですか。たぶん我々も大山のPRの時に、信仰であったり、阿夫利神社で
あったりとメインのところを今まで宣伝してきて、ちょうどこれからは紅葉ですよね。
ただ、あまり鉄道事業者サイドがその地域の特徴のレッテルをつけ過ぎる、というのも
かえってそのイメージが先行してしまうということもあると思うのです。ぜひこういう
場を通じて、こういうところが魅力だ、というのを出したい。我々はプロモーションの
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チャンネルの一つとなっていくと思いますので、いい意味では使っていただいて。情報
発信で我々も協力していく、というスタンスが取れるといいのかなと思っています。
委 員 京都の町中に家があるんですが、どこ見ても観光客が来ているんです。5月、夏、秋、
どこ行っても車が渋滞していて、他県ナンバーが多い。僕らからしたらローカルな場所
まで観光客が来ていて、観光客が増えるのが良いのか悪いのかは考え物で。だけどそこ
まで来ているというのは、一般化されている所には行きたくないという思いがある。伊
勢原も知られていないスポットがいっぱいあると思うんですが、プロモーションとか発
信が出来ていないところが寂しいなと思います。僕が「樂市樂座」をやっていて、最初
は人の紹介だったんです。
「人」には物語がある。物語があるということをアップしてい
かないと。紙面、パンフレットだけでは見えないものがいっぱいある。それをどうやっ
て伝えていったらいいのかを皆さんで考えていきたい。僕は伊勢原が好きなんです。
委員長 非常に重要だと思います。パンフレットで伝わらないものをどうやって伝えるのか、と
いう発想はすごい大事なので、その仕組みをこの計画の中でもある程度考えていく。個
別の具体的なメディアをという話ではなくて、どういう風にしてそれを作っていこうと
思うかというところがこの計画の中に表れていく。委員がやってこられたことは、まさ
に物語を作ってきた訳で、そういうところを上手く活用させていただきながら、作って
いくことが大事です。ありがとうございました。
委 員 この中には日本文化を支えてきた委員などもいる訳で、若い人でも、そういった意識を
持っているんだ、というところも広めていきたい。
委員長 そうですね。あなたがこのまちにいること自体が魅力だ、ということも出来る。
副委員長 皆さんから話を聞いていて、いろんなイベントや催し物で外部の人を受け入れるとい
う、それは非常に結構だと思うんですけど。立場的に申し上げると、
「住んでみたいま
ち」とか、「住んで良かった」というまちにしたいという思いが一方であるわけです。
最終的に伊勢原に住んでもらうにはどうするか、そのための議論をしていただきたい
と思うんです。主な地域資源という資料がありますけど、今伊勢原市が向く方向とい
うか、そういうことを考えた時に、何を伊勢原市として重点的に、最重要課題として
取り上げてやっていくのかと。観光のまちなのか、商業のまちなのか、あるいは医療
のまちなのか、そういうものをある程度クローズアップする中で、
「住みたい」あるい
は「住んで良かった」というまちにすることをお願いしたい。そして一方で市民の意
識、受け入れ態勢というのが、外部の人を受け入れるには、意識改革をしていかない
といけない。
「おもてなし」の気持ちをもたないと、人はなかなか来ない。いろんなイ
ベントをやったとしても。そんな感じがしますね。
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委員長 ありがとうございました。みなさんの意見を聞くと、今、副委員長が言ったことに集約
されていたのかな、と思います。他になにかありますか。
委 員 このシティーセルス、プロモーションを進める中で、行政が今までの観点から脱却をし
なくては広がらないかなというのがあります。いろんなイベントとか集客というのは、
伊勢原に限らずどこでもやっていて、よく終わってから「知っていれば行ったのに」と
か「知ってれば協力したのに」
「協賛したのに」と良く言われる。なぜそうなるのか。行
政がどういう動きをしたかというと、通り一遍に言われるのが「広報いせはらに載せま
した」
「ホームページに載せました」
「広報は全市民にいっています」。それは手段であっ
て、それを通じて初めて人が来てくれて、その目的が達成されたことになる。委員長が
言ったように、広報いせはらに載せなくても、違うメディア関係で行政が発信すること
で人を集めれば、別に広報に頼る必要もない。これからシティーセールスを行う中でも、
推進体制を作るのが目的ではなくて、それがどうやって生きた形で動くのか。結果とし
てどう人を集めるのか、市民がより良い住みやすいまちに変わっていくのか、というと
ころが目的であって、その時にコストもかかる。そのコスト意識をもっていないといけ
ない。例えば、子どもを集めるイベントをしましょう、と言ったときにチラシを作る。
チラシももちろんコストです。チラシを1000枚作りました。それを実行委員が作っ
て地域の人達にポスティングしましょうと。ポスティングは目的じゃなくて、手段なん
ですね。ポスティングすることが目的と勘違いすると、人は集まらない。私がよく言う
のは、戸建に配付する時は、まず洗濯物と自転車と傘を見る。子どもを集めるのが目的
なので、子どもの洗濯物があったり自転車とか傘で子どもがいるかどうか分かる。それ
を分からないでポスティングしていくと、意味の無い所にもやってしまうわけです。直
接チラシをごみ箱に入れているようなものです。同じ集合住宅の場合、自転車置き場を
見て、子どもの自転車が多かったらそちらをやる。その方がヒット率が高い。それが戦
略なんです。ポスティングが目的ではなくて、チラシを見て反応して引っかかってくれ
る人がいるのかがコスト意識。民間では商品を買ってもらうのが目的であって、売上が
出て初めて広報のポスティングも意味があり、民間はそれを死活問題でやっている訳で
す。売上があってなんぼ。でも行政は違って、とりあえず周知徹底すればいい。そのバ
ランス感とか公平性が重要視される。だけどシティプロモーション、シティセールスと
言うならば、ときに差別化が出てくる。発信による偏りというのも現実問題あると思う
んです。それが出来るのが、この推進計画体制でいう「市民・事業者・行政」が三位一
体となってやっていく推進体制にあると思うんです。行政が出来ないところを民間でや
ったりとか。そういうことを目的に、どういう目標で、どういう時間軸でやっていくか
ということを整理することによって、来年度以降になると思いますが、その推進体制が
どう生きた形で、実効性のある形になっていくかにつながっていくと思うんです。行政
が自ら変わっていくきっかけ作りなんだということを意識しながら、コスト的意識、戦
略の中の目的・手段を整理しながら、つなげていけると良いのかなと思います。
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委員長 ありがとうございます。後1人ご意見があればいただいて、事務局にお返しします。
委 員 今の体制的な話ではないんですが、私は川崎から2月に小田原の担当になって、まだあ
まり伊勢原のことなどは紙面で見ているだけなのでよく分かっていないんですけど、や
はり伊勢原って、先ほども話があった、阿夫利神社、それからきている「あふり~な」
だとか、最近平塚の先生が石碑を調査して、国道 246 号線沿いをずっと調査してきたそ
の先生は、昔から大山って「神奈川県のすべての道は大山に通じていたから」というよ
うな事をおっしゃっていました。川崎の方からみると、246 沿いのイメージばっかりな
んですけど、確かに小田原も東海道をちょっと行ったりしても、大山街道へと向かう道
が全部あったりして、しかも埼玉県にも大山灯籠をたてる文化があったり、関東一円の
人達が農業の神様として、雨を降らせて欲しいと願いをかける場として大山を崇敬して
いた。ここに来てそれが良く分かるようになりました。それと、クルリンもそうなんで
すけど、なんで「こま」なんだろうっていうのがあったんですね。そういういろんなこ
とがつながるようになってきた。さっきの医療のお話も、10 年以上前から、東海大学病
院は、神奈川県下で最新鋭のドクターヘリを導入され、たくさんの人を助けてるんです
よね。今でこそ、
「72 時間」とか言いますけど、一刻も早く助けなくてはいけない人を
たくさん助けて、県下はもちろんですけど、結構離島なんかも行って助けたりしている。
他にも、川崎から来るときに最初に言われたのは「『贅沢プリン』というのがあるから、
ぜひ食べなさい」と。農家レストランみたいなことも、伊勢原はすごい積極的に取り組ん
でいるのかなと思っています。私などは完全にアウェーの人間ですけれど、そういう良
いところというか、委員さんがやっているプランとか、そういうものを集めて、みんな
が楽しくなるようなメッセージができるといいと思っています。
委員長 ありがとうございました。ご意見はまだあるかと思いますが、終わりの時間は明確にし
たいと思いますので、今回、各委員からいただいた意見を事務局の方でしっかり受け止
めて、計画に反映されること。それと言い足りなかったことなどありましたら、メール
などで事務局へ適宜送っていただければと思います。
それでは議題の4。その他。事務局からなにかありますか。
事務局 次回の会議ですが、すでにご通知させていただいておりますが、11 月 17 日の月曜日、
午後 7 時 30 分から、市役所 2C 会議室になります。今回いただいた意見を踏まえ、原案
という形で、計画を提示させていただきたいと思っております。
ご多忙の中恐縮ですが、ご出席いただきますようお願いします。
委員長 以上で、本日の議題をすべて終了といたします。ありがとうございました。
5 開
会
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