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こちら - 公益財団法人食品農医薬品安全性評価センター

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l
研 究 所 報
V
o
l
.20,
2010
│
巻頭百
センター長(副理事長)
林 真
私たちは,
レギュラトリーサイエンスの専門家集団としての自覚と責任を持ち,ニーズが
高くかっ安全な製品を迅速に上市できるよう
開発者と共に取り組める事業体制を目指して
おります. レギュラトリ←サイエンスとは,国民の安全性を保証するための学問であり,我々
は,国の調査会をはじめとする評価者が,適切に,効率よく,正確に判断するための情報を
供給する責任があります.それを達成するため,その物質の特性,使用目的,使用方法に応じ,
必要な情報を効率よく提供することに努めなければなりません.寺田寅彦先生の言葉にあり
ますように,怖がりすぎでもなく,怖がらなさすぎでもなく,正当に怖がるための,正確な
情報を提供する専門家になる必要があります.
GLPやガイドラインは最低ラインの要求事
項であり,科学的な裏付けがあってこそ,信頼される情報を提供できるものと考えております
2
0
0
9
年3
月5
日に財団法人ヒューマンサイエンス振興財団による動物実験実施施設認証にお
0月 1
5日には農薬 GLP基準適合確認を受けました.さらに,
いて適合との評価を,また,同年 1
2月7日から 1
4日にわたり ,医薬品 GLP適合確認のための調査を受け,無事大過なく
昨年 1
月に A評価が確定しましたまた, 2
0
1
0
年に入ってからは化審
終了することが出来,本年3
LPおよび安衛法 GLPでも「可」の認定を頂きましたこのように,受託試験を適確に実
法G
度にわたる組織改革も行い,小さな組
施するための条件は整っております.また,昨年は 2
織ではありますが,透明性とパフォーマンスの高い組織にしていきたいと考えております
昨年度から,榎本先生,前川先生,今井先生,奈良問先生,三森先生と言った最高峰の病
理学者を当センターの技術顧問としてお迎えし
期し,教育訓練をお願いして来ました
を仰ぐため,
組織病理学分野のさらなるレベルアップを
また,インターネットを経由して病理診断のご指導
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)を構築し運用を開始しておりま
す.将来的には当センターの職員を中心に
顧客
技術顧問問でリアルタイムのやりとりが
可能なシステムへと進化 させていきたいと思っています
食品安全委員会農薬専門調査会座長であった鈴木先生
生
,
また,新たに技術顧問として,前
生殖発生毒性がご専門である江馬先
SASの専門家でおられる佐野先生にお願いし,農薬に関する案件,生殖発生毒性,お
よび統計を主体としたデータ処理に関する事項にもさらに高度に対応して参る所存です.さ
月より,毒性試験結果の評価と解釈ならびに統計学的なサポートを,
らに,松本理事には本年8
また,奈良間理事には来年度より常勤理事としてお迎えする予定であり,いっそうのレベル
の向上を図ります
クライアントの皆様方とは,お互いに尊重し合い,安全性の本質を確かめるべく,お互い
の持てる知識,経験,情報,技術を出来る限り共有させていただき,安心していただける安
全性データの提供を心がけております.本年の残暑のように,
BSRCもまだまだ厳しい状況
が続きそうです.関係各位の暖かいご理解,ご支援,ご鞭撞を心よりお願い申し上げます.
2
0
1
0
年1
0月吉日
百次
巻頭言
真
センタ ー長(副理事長)林
1
. (財)食品農医薬品安全性評価センター
第 17回学術講演会
講演
1
. 安 全 性 評 価 に お け る 遺 伝 毒 性 -ICHS2(R1)の最近の動きー...・ ・
.
.
.
.
・ ・
H
H
財 団法 人 食 品 農 医 薬 品安全性評価 センタ ー セ ン タ ー 長 林
真
2
. 残留農薬の評価についての現状および農薬のリスクアセスメントと
毒作用メカニズム研究....・ ・
.
.
..
・.
・.
.
.
.
.
.
・. ・
.
.
・ ・
.
.
…
.
.
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.
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.
・ ・
.
.
.
.
.
・ ・
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.
.
.
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.
.
.
・ ・
.
.
.
.
・ ・
.
..2
6
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H
H
H
H
日本 獣 医 生 命科 学大学教授注)食品安全委員会農薬専 門調査会座長
H
鈴 木 勝士
3
. 化学物質のリスクアセスメントからリスクマネージメントまで…..............
.
・ ・
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.7
2
H
経 済 産 業 省 製 造 産 業 局 化学物質管理課 化学 物 質 安 全 室 長 賓 園 慎 一
l.論 文 発 表 … … 一 -….
.
.
.
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.
.
.
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・ ・
… ・・
…
.
.
.
・ ・
.
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.
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.
.
・ ・
.
.
.
.
.
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7
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1
I
I
. 学 会 ・ 研 究 会 発 表 … … …一
一 一……一… ・・
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.
.
.
.
.
.
.
.
.
・ ・
.
.
… ・・
.
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1
0
7
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N. 望月喜多司記念賞...・ .
・.
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・ ・
…
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.
.
…
・
.
.
.
..
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.
.
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・
.
. ・
.
.
.
・ ・
…
.
.
.
.
.
.
.
.
.
..
.
.
.
.
.
・ ・
….1
21
H
H
H
v
.公益法人としての実施試験および委員会活動...・
H
H
H
H
・
-…………………….
・
.
.・
.
.
.
..
.
.
..
.
・ ・・・
.
125
H
H
H
H
Vl.公的研究……・一
一
…
・
…
.
.
.
・ ・
.
.
.
…
.
.
.
.
・ ・
.
.
.
..
・. ・
.
..
.
・. ・-…・…ー………………………………… .
1
26
H
H
H
H
四 . 平 成2
1年度における海外出張・講師派遣及び見学・研修の記録....
・. .
・.
・ ・
.
..
.………… .
.
127
H
H
唖 .動物実験倫理委員会規程および動物実験に関する指針
1
3
0
動物実 験 に関する 指針 (
G
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) ……ー………………・………. 1
3
3
・… …・
・…
・・
…・…
動物 実 験倫理委員会規程……・・……・・…・…… ・ …… ・
・
…・
…
・
・ ……・
注)現在、日本獣医生命科学大学
名誉教授
(財)安評センター研究所報第2
0
巻
2
0
1
0
1.(財)食品農医薬品安全性評価センター第 1
7回学術講演会
講演
「安全性評価における遺伝毒性-I
C
HS
2
(
R
l
) の最近の動き
J
林 真
財団法人食品農医薬品安全性評価センター
センター長
私がセンター長を務めさせて頂いてから実施する最初の学術講演会で,自分で トップバッ
ターを務めるというのは“よほど人脈がなくて人を選んで、こられなかったのか"というふうに
思われるかもしれませんが 医薬品の分野での国際ハ ーモ ナイゼーションである ICHの遺伝毒
性の分野で,これまで ICHの歴史の中で起こったことがないようなとんでもないことがいま起
こっております.その一番新しい情報をお伝えできる機会だと捉えて今日話をさせていただく
ことにしました.
ものを怖がらなさ過ぎたり,
怖がりすぎるのはやさしいが,
正当に怖がることはなかなかむつかしい.
寺田寅彦(近藤宗平)
S
l
i
d
e1
まず,いつも講演の最後に使うスライドで,寺 田寅彦先生の「ものを怖がらなさ過ぎたり,
J という言葉です
怖がりすぎるのは やさしいが 正当に怖がることはなかなかむつかしい .
なぜこの言葉が好きかと言いますとレギュラトリーサイエンスというのを一番物語っている言
葉ではないかと考えるからです
安全性評価における遺伝毒性
ICHS
2
(
R
l
) の最近の動き
この原典は,岩波書庖から出版されています寺田寅彦全集の第 1
0
巻の中の小爆発二件という
タイ トルのエ ッセイになりま す.少し紹介させていただきますと『学生はもう小浅間のふもと
までおりていたからなんのこともなかったそうである.その時別に四人連れの登山者が登山道
を上りかけていたが,爆発しでも平気でのぼって行ったそうである.
i
なになんでもないです
よ大丈夫ですよ」と学生がさも請け合ったように言ったのに対して ,駅員は急におごそかな
表情をして,静かに首を左右にふりながら「いや,そうでないで、す,そうでないです. ーいや
どうもありがとう」と言いながら何か書き留めていた手帳をかくしに収めた..1という文章の
続きにこの言葉が出てきます[ものをこわがらなさ過ぎたり , こわがり過ぎたりするのはや
の0000に対
さしいが,正当にこわがることはなかなかむつかしいことだと思われた .00
するのでもムムのムムムムに対するのでも,やはりそんな気がする J要するにこの 0 0
のとこ
ろに,農薬の安全性に対するのでも 化学物質の安全性に対するのでも,同じような気がすると
いうようなことが書かれているわけです
我々が行っているレギュラトリーサイエンスは,こ
の正当にこわがることを考えるサイエンスだと私は考えています.また
いろいろなものを評
価するときに “
と にかく安全サイドに立って物事を考えましょう"ということが, よく言われ
ていますが,安全サイドに立ち過ぎてもいけないし,逆に忘れてもいけない,いかにバランス
をとって正当に怖がるか,要するに正当に怖がるための情報を適切に提供するということが,
レギュラトリーサイエンスの真髄の一つではないかというふうに考えています
“安全性評価における遺伝毒性 -ICHS2(Rl)の最近の動き 一"というタイトルで今日は
お話をさせていただきます. この会場の中には,遺伝毒性の専門でない方もたくさんいらっ
しゃると 思いますので
遺伝毒性について,それから ICHについても少し解説的な話をさせて
いただきたいと考えています.そのため
遺伝毒性の専門の方々には少し退屈な話が出てくる
かもしれませんがご了解いただきたいと思います
今日お話しする トピックスです.はじめに“レギ、ユラトリーサイエンスとは"というもので
すが,これはいまお話させていただきました
次に,“安全性評価における遺伝毒性"要する
に遺伝毒性のイントロダクション,それから遺伝毒性の特徴的なところ,どうして遺伝毒性と
いうのがレギ、ユラトリーサイエンスにおいて難しいのかということをお話させていただきます
それから,本 日一番ホットな話題 "
ICHS2(Rl)の最新の動き"をお話させていただきます
人が使用する医薬品を承認する過程における動きをできるだけスムーズに国際的なハーモナ
イズをして重複するようなことはやらないで,できるだけ早く上市しようという動きの一環と
して. ICH
があります.
最後に
このハザザ、一ド, リスクというのが私を含めて 3名の演者の共通のキーワードとなっています.
従いまして,そのイントロダクション的な話を少しだけさせていただきたいと思っています.
このレギュラトリーサイエンスについては
述べさせていただきましたので
す
2
私の考えていることを
寺田寅彦先生の言葉で
次の安全性評価 における遺伝毒性の話に入らせていただきま
(
財)安 評 セ ン タ ー 研 究 所 報 第2
0
巻
2
0
1
0
代表的な遺伝毒性試験
・遺伝子に傷を付ける (DNA
鎖切断,付加体形成)
単細胞ゲル電気泳動法,アルカリ溶出法
・修復(除去修復)
不定期 DNA
合成試験(UDS)
・遺伝子突然変異(塩基対置換,フレームシフト)
Ames試 験,MLA
・染色体異常(構造異常,数的異常)
ほ乳類培養細胞, MLA
,小核試験
S
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e2
遺伝毒性は,変異原性という言葉とほぼ同意的に使われていますが,遺伝毒性のほうが変異
原性より意味するところの範囲が広いとお考えいただければよいかと思います それでスライ
ドにありますようにいろいろな試験方法が考案されており,これが実際に行われ評価の場面で
出てきます.この遺伝毒性というのは 医薬品,農薬,化学物質について安全性の評価の一部
としてガイドライン等でも規定されており,現在これらの試験法なくしては,すべての安全性
を語ることはできないという状況になっています.いろいろな指標がありますが,遺伝子に傷
をつける, DNA
の鎖が切れる ,付加体が形成されるというようなエンドポイントを見るため
には,コメット法という名前でよく知られている単細胞ゲル電気泳動法や,アルカ リ溶出法と
いう方法があります.また ,遺伝子についた傷を修復する過程をみて,傷がついたことを証明
する方法として,不定期 DNA
合成試験 (
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) という試験があ
ります.それから ,遺伝子突然変異,我々がよく使う突然変異というのがほとんどこれにあた
りますが,遺伝子突然変異をみる方法として Ames
試験や mo
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el
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mpho
ma
細胞を使う試験
(MLA)があります.最後に遺伝子の担い手である染色体の傷をみる試験があり,構造的な異
常と数の異常が培養細胞やげっ歯類等を使って調べられています
3
安全性評価における遺伝毒性
ICHS
2
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) の最近の動き一
遺伝毒性試験
DNA
傷害性
遺伝子突然変異
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アッセイ,
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験験,
Ames説 験
MLA
染色誘体発異性常
CHL.
ヒト末梢血,
MLA
トランスジヱニッ げっ歯類を用いる
小核諒験
ク動物試験
メット試験,
mVlvoコ
UDS訴 験
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e3
試験方法を分類すると,このように大きく分けることができ,指標で DNA
の損傷性,遺伝
子突然変異,それから染色体異常に分けることができます.また,試験管内で見るか動物個体
を使うかということでさらに分けることができます. このようにいろいろな試験系があり,通
常は,これらを組み合わせて使う,バッテリ ーという評価方法がとられています
ガイドライン
-微生物を用いる復帰突然変異試験
・ほ乳類培養細胞を用いる染色体異常試験
ーマウスリンフオーマTK
試験
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o小核試験
・げっ歯類を用いる小核試験
S
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e4
日本では,数多くのガイドラインがありますが,その中にこれらの試験法が規定されており,
そのデータの提出が要求されている状況です
4
(財)安評センター研究所報第 2
0
巻
2
01
0
遺伝毒性の特徴
・闇値がない
ある一定の線量以下では,注目している生物反応が起
こらないとき,その値を"しきい値"という個体の致死で
は明らかにそのような値が存在する
ーーしかし,突
然変異のように,生きている個体に確率的に発生する
障害では,線量を下げてもその頻度が下がるだけで,
同種の傷害が依然として起こる
近旗宗平著「
分子放射線生物学』
S
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e5
遺伝毒性の特徴,特にレギ、ユラトリーサイエンスにおける特徴のーっとして,遺伝毒性には
閲値がないことが挙げられます.近藤宗平先生の書かれた「分子放射線生物学」の中に次のよ
r
うに書かれています. ある一定の線量以下では,注目している生物反応が起こらないときそ
の値をしきい値という.個体の致死では明らかにそのような値が存在する
しかし突然変異
のように,生きている個体に確率的に発生する障害では,線量を下げてもその頻度が下がるだ
けで,同種の障害が依然として起こる..1これが遺伝毒性の特徴とされています.従いまして,
安全性評価の場面でよく経験されると思いますが,動物でがん原性が見つかり,その発がんの
メカニズ、ムが遺伝毒性である場合,いわゆる遺伝毒性発がん性物質には関値がないということ
で,食品関連物質でも一日摂取許容量 (ADI) が設定できないというレッテルが貼られてしま
います.そのため,遺伝毒性にしきい値がないということは,かなり大きなことでレギュラト
リーサ イエンスの中でもこれをどうのように扱っていくかということが今なお議論され続けて
います.最近の傾向は“遺伝毒性にも実質的な関値を認めてもいいのではないか"というこ
とがかなり広まってきています
5
安全性評価に おける遺伝毒性
一I
CHS
2
(Rl)の最近の動き ー
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D ose mg/kg
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これは小核試験という染色体異常を見る試験のデー タ (複 数の試験結果を組み合わせて
ある)ですが,非常に用量の範囲を広げて低用量まで行 った場合
すなわちマイ トマイ
シン C (MMC) という非常に強烈な染色体異常誘発剤においても低用 量 では,ほ とんど
コン トロ ールのレベルに落ち着いています.また
小核 を非常に効率 よ く誘発す るAraC
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ne)でも 同様に低用量では,コントロールと 変わりません. また
,
数の異常を誘発するコルヒチ ンにいた っては,少し下に凸の用量反応関係を示しています
“
感度が足りないから こういうふうに見えるだけだろう"ということがよ くしきい値の議論の
ときに言われ ますが,最近フロ ーサイ トメ トリー という手法を使うことができるようになり,
観察数を増やして試験の感度を上げることができるようにな りました.
MouseM Nassay
005e m g/kg
島 田 oe
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0
06
)
Dose m g/kg
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これは , 1個体当たり千個, 1万個 ,1
0万個 さらに 1
0
0
万個まで観察した場合に結果が変わ
るか見たデータですが,ぱらつきは減ってくる傾向にありますが,そのパ ターンは,この 3種
6
(財)安評セン ター研究所報
第 20巻
類の化学物質については,ほとんど変わらないことが見て取ることができる と思い ます
2010
従い
まして,少なくとも見かけ上,生物学的なしきい値を仮定してもいいのではないかと思います.
Recassay
H17(Rec
+
)
8
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これは,今まで農薬の分野でよく使われてきた Reca
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yという試験です.この試験は,
きい値をうまく利用した方法で
し
DNAについた傷を修復できるものとできないものを 組み合
わせてどれだけの阻止円 ができるかということを見ています.すなわち M45(Red の左の部
7(Rec+
) では菌が生きて増殖 しています.そ
分では,菌が死んでいますが,修復できる菌 H1
のため,修復できない菌 M4
5(Red では,暴露があったということは ,明 らかですが,ある
ところで DNA
損傷を修復できないカ ッ トオフ値が存在します.すなわち,これは,
しきい値
があるということを証明 しているものと考えてい ます.
Amesassay
MNNG(
5
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同じ ように Amesの菌株で、も突然変異がほとんど起 こっていない領域があり, DNAについた
7
安全性評価における遺伝毒性
-ICHS2(Rl
)の最近の動きー
傷を治す こと ができない菌株ではきちんとレスポンスがあります.すなわち,低用量域で は,
物質に暴露されているが突然変異が全く起こっていないことから実質的なしきい値があるとい
うこと が分かります
SCE& CAassay
企 NιMTMC:N
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か 静 岡I
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Concentrationμ
(g/mL)
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e10
突然変異だけでなく染色体異常でも同様なことが言えます
染色分体交換試験を 比較しているグラフですが
これは,染色体異常試験と姉妹
同 じ物質を同じように処理しています.低用
量で は,染色体異常が起こらないが, 同じ用量で姉妹染色分体交換が誘発されていますその
ため,この用量で物質に暴露されているのは確かだが,染色体異常を誘発しないことから ,染
色体異常でもしきい値があると考えられるわけです.
これは, V
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tというエイズ、の薬で起こった事故で e
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e(EMS) という
遺伝子突然変異試験で陽性対照に使われる物質の コンタミが起き
このコンタミしたものが実
際に患者に投与されたというものです.こ の点についてどの程度の危険があるのかというリス
クアセスメン トをメイカーはしっかり行っているので,この点について少し紹介させていただ
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oの遺伝子突然変異試験を行い, EMSとe
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a(ENU) の 2つの物質
,
を比較 した結果, ENUは,用量を下げてもだらだらと直線的に下がるだけですが, EMSは
きます •
ガクンと減少する値がありしきい値が想定できるのではないのかということをデータとして示
しています.さらに
i
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v
oの染色体異常をみたデ←タでも ENUはま っすぐ直線的に増加し
ていますが, EMSの場合は,低用量域で無作用量のようなものが見つかっていることから,
その暴露量を考慮すると,実際にコンタミした薬を投与された患者の生涯リスクはほとんど問
題にするほどのことはないと結論づけています
8
(財)安評センター研究所報
第2
0巻 2
0
1
0
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Doseo
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.Fukust
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S
l
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e1
1
これは,福島先生からお借りしてきたスライドですが,MeIQx
で、の肝臓がんが出てくる用
o
s
i
t
i
v
ef
o
ci
が出てくる用量,突然変異や酸化的損傷が起こる用量および、a
d
d
u
c
t
量
, GST-PのP
ができる用量とそれぞ、れの活性との相闘が示されています.このスライドで,がんについてみ
ると十分に暴露はされているが,有意ながんは出てこない用量があります 同様に GST
Pの
P
o
s
i
t
i
v
ef
o
c
iについても同じことが言えます.さらに突然変異についても同様なことが言えま
す.そのため,実際に DNAに直接アタックするような物質でも,少なくとも p
r
a
c
t
i
c
a
l(現実
的)なしきい値を想定することができると考えています.
次に ICHの最新の話をさせていただきます
ICHS2(R1)
遺伝毒性改訂
GuidanceonGenotoxicity
TestingandData
I
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nf
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PharmaceuticalsIntended
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o
rHumanUse
S
l
i
d
e12
ICHは,先ほども話し ましたように国際的なハーモナイゼー ションを する場であり, 日本,
アメリカおよびヨーロッパの官と産業界の 6極が集まって話し合いをして一つのガイドライン
2は,遺伝毒性の部分で,今回
(ガイダンス)を作り 上げてい く活動をしています. また, S
9
安全性評価における遺伝毒性
ICHS2(Rl)の最近の動きー
は現存のものの改定になります
これは,S2
(R1)のタ イトルですが,“G
u
i
d
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" ということで,要するに人が使う医薬品に特
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ngについて,それから d
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i
o
nについてのガイドラインに
化 した ge
なっています
S2(R1)EWGMembers
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PhRMA
PeterKasper
JanWillemvanderLaan
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S
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e13
これは ,そのメンバーですが, 日本の厚生労働省代表として私と国立衛研の本問先生,それ
から PMDAの吉富さんが登録されています.ま た
, JP
M Aからは,若田さんと津田さんがメン
h
a
i
rをさせていただいています
バーとして登録されています さらに私がこのグルーフ。の c
5
2の改訂を行う動機
‘ほ乳類培養細胞を黒いる試験系において,
ヒトのリスクを考える場合に意味がないかも
しれない陽性が多すぎる
‘試験の科学的な価値およびヒトのリスク評
価の髄値が損なわれない範留において,可
能なときには3Rの考えを遺伝毒性試験に
取り入れるよう考慮する
S
l
i
d
e14
それで、どうして このS2の改定を行うことになったかですが,現在S2
A
, S2Bという二つのガ
0年も経っ ているため
イダンスがあり, これらはできてから 1
1
0
すこし古くなってきており見直
(財)安評 セ ン タ ー 研 究 所 報 第2
0
巻 2
0
1
0
す時期にきていることがあります.直接的な動機としては,ほ乳類培養細胞を用いる試験系に
おいてヒ トのリスクを考える場合に「意味がないかもしれない陽性」が多すぎる,要するに
i
r
r
e
l
e
v
a
n
tp
o
s
i
t
i
v
eが多すぎるということがあります.我々も一般工業化学物質について論文
1
3
.3
0数パ ーセ ン トがポジテイブ
を書いたことがありますが, 申請 される 化学物質の 内の約 1
でした .そのため,実際に生産者の i
nhouseデータでは, もっと高い値になっているだろうと
nv
i
t
r
oの染色体異常
思われます. さらに,海外でも論文が出されています.皆さんの中にも i
試験だけでポジティブになったというような経験をお持ちの方も多いと思いますが,これが本
当に意味のあるポジティブなのかどうかをきっちりさせ ようと いうのも動機の一つです.さら
3R 動物愛護 ・動物福祉に対する取
り組みが非常に厳しさを増してきています.特にヨーロッパでは,厳しい話になっています.
それため, 3Rの概念を s
h
o
r
tterma
s
s
a
yといわれる遺伝毒性試験の中にも取り入れるべきだと
に
, 日本にいるとあまりその風の強さを感じませんが
いう動きが強くなってきており,試験の科学的な解釈およびヒ トの リスク評価の価値が損 なわ
れない範囲において, という条件はっきますが可能な場合には, 3Rをもっと考慮するように
ということがこの改定を行う動機になっています
現行の標準バッテリー
i
)紐菌を用いる遺伝子突然変異試験
i
i
)ほ乳類細櫨を用いて染色体損傷を紐櫨遺伝学的に
評価する i
nv
i
t
r
o試験,あるいは i
nv
i
t
r
oマウスリン
フオーすTK
試験
i
i
i
)/ずつ歯類造血細胞を用いる染色体損傷検出のため
のi
nv
i
v
o試 験
なお~
i
nv
i
t
r
o試験で陽性になった場合にはフォロー
アップの i
nv
i
v
。試験が必要
S
l
i
d
e15
これは,現行の医薬品のための標準的な試験のバ ッテリーです.細菌を用いる遺伝子突然変
異試験,ほ乳類培養細胞を用いて染色体損傷を見る試験もしくはその代替としてのマウスリン
フォーマ TK試験という i
nv
i
t
r
oの試験,それにげっ歯類造血細胞 を用いる染色体損傷検出のた
めの i
nv
i
v
o試験,この 3つをバッ テリーとしています.そして i
nv
i
t
r
o
試験のどれかで陽性の場
nv
i
v
o試 験を追加実施しなければならない, という
合には,そのフォローアップとしてさらに i
j
のが現行のガイドラインで規定されているものです
今度の改定では,ガイドラインにもっとフレキシピリティーを持たせるためにオプションを
2つ用意してどちらも同等に受け入れ可能としました
1
1
安全性評価における遺伝毒性
一ICHS2(Rl)の最近の動きー
/ f'"
S
l
i
d
e16
これが,その流れを示したものです.最初のバクテ リアの試験は共通です.オプション 1は
,
i
nv
i
t
r
oのほ乳類の培養細胞 を使った試験を実施し,結果がネガティブの時には, 小核試験を
nv
i
t
r
oのmamma
l
i
a
nc
elt
e
st
、
で
実施すると い うこれまでの流れ と同 じです.今でも最終的に i
ポジテイブになっても i
nv
i
v
o
の同じ指標を持つ試験系でネガテイブであればその最終的には
陰性と評価 していますので 新しく付け加 わったオプション 2では , i
nv
i
t
r
oのmamma
l
ian
nv
i
v
oの試験を 2つ実施して評価 しようとするものです.
c
e
lt
e
s
tをス キ ップしていきなり i
意味があると考えられる遺伝毒性を
検出するための標準バッテリー
OPTION1
i
)線葱を用いる復帰突然変異試厳
i
i
)ほ乳類絡胞を厚いて染色体損傷を細胞遺伝学的に評価すl
)
i
n
v
i
t
r
o試 験(inv
i
t
r
o小核訴訟を含む)
, あるいは
マウスリンフォーマTK
試霊長
a
)も
しi
i
)が絵性または意味がないと考えられる陽性 (
e
.
g.
,
WOE/.
こ基づQの場合は一般毒性誌験j
こ絡み込まれた:
i
nv
i
vo
小核試量産
b) もし ii) が属性であり, 意味があると考えられた場合には~ 4、
核獄量産{最高用量が妥当と考えられた場合にはー鍛毒性鼠験に
nv
i
vo
鼠量産{
可
組み込み可)および第2の指標/組織を用いた i
能な場合には一般毒性試践に組み込み 苛)
S
l
i
d
e17
オプション lは,先ほど話し ましたように細菌を用いる復帰突然変異試験,
2番目にほ乳類
nv
i
t
r
oの試験,これには , i
nv
i
t
r
oの小核
細胞を用いて染色体損傷を細胞遺伝学的に評価する i
試験あるいは,マウス リンフォ ーマTK試験を代替として含みます.これらを実施し,もしほ
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eo
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i
o
nとweig
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to
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v
i
d
e
nc
eを考慮して意味がな
乳類細胞を使う試験系で陰性または mo
nv
i
v
o
の小核試験で、評価することが
いと考えられる陽性の場合は,一般毒性試験に組み込んだ、i
1
2
(財)安評センター研究所報第2
0
巻
2
0
1
0
推奨されています.ほ乳類細胞を使う試験系でもし,意味があると考えられる陽性になった場
合は,先ほどのオプション 2と同じように小核試験(最高用量が妥当と考えられた場合には一
nv
i
v
o試験(可能な場合には一般
般毒性試験に組み込み可)および第 2の指標/組織を用いた i
毒性試験に組み込み可)の実施が必要になります
意味があると考えられる遺伝毒性を
検出するための標準バッテリー
OPTION2
込締菌を用いる復帰突然変異詰験
治}小核試験{最高用量が妥当と考えられた場合には一般
毒性試験に組み込み可,その他の場合には高用量まで
行う主義富投与鼠験に組み込むことが推奨される)
i
nv
i
v
o
試験{可能な場合
i
i
i
)第2の指標/経織を用いた:
には一般毒性試墜に組み込み胃)
S
l
i
d
e18
オプション 2は,まず細菌を用いる復帰突然変異試験. 2番目として小核試験,これも先ほ
どと同じで一般毒性試験に組み込むことが可能です. しかしその場合には,最高用量が保証
されていないといけないという条件があります. 3番目として第 2の指標/組織(異なる組織
を使うのが一般的な解釈)を用いた i
nv
i
v
o
試験を行います.この場合にも,可能な場合には,
一般毒性試験に組み込むことができます.オプション 2では,これらの 3つの試験を最初から
バッテ リーとして実施するというのが今回のプロポーザルです
意味がないと考えられる陽性結果を
減らすために
。
制
‘ほ乳類培養組砲を用いる詰験の最高濃度
一現行の 1
0
1
1
;
mlf
l
1
u
)を1m M(
0
.
5mg/;凶~/.こ
ー複数濃度における可視約析出の要求を綴廃
・最高遣度を最低折衝進室とすることができる
一磁界毒性
・ほ乳類培養縞胞を用いる染色体異常試験において絡胞毒性が
50%以上の頭蓋について試載する必要はない
K
.
誌裁においてi
お 0・9
0%
・マウスリンフォーマT
S
l
i
d
e19
1
3
安全性評価における遺伝毒性
一ICHS2(Rl
)の最近の動き
意味がないと考えられる陽性結果を減らすためにはどうすればいいのか. まずほ乳類の培養
細胞 を用 いる試験の最高濃度を現行の 1
0mM もしくは 5mg/mLから 1
11
0に下げることがプロ
ポーズされてい ます. これは ,単に陽性が多いから,最高濃度を下げるということではなく工
業会での大々的なアンケート調査において,最高濃度をこ こまで下げても,少なくとも i
nv
i
v
o
で陽性 となるような染色体異常等を見逃すことはないだろうというデータに基づいてプ ロポー
ズされたものです
それから
もう少し技術的なことですが最高濃度の規定として析出の問題
が変更されてい ます.また,毒性をどこまで見るかということについてもかなり書き方が変
わっています.これまでは
50%以上の細胞毒性を示すところまで試験しないといけなかった
のですが,今回のプロポーズでは逆に 5
0%以上の細胞毒性を示す用量について試験をする 必要
はない ということが明記されることになっています.ただし
マウスリンフォーマ TK試験に
ついては,これまで通りです
動物福祉に関する改良点
.I
nv
i
v
o遺伝毒性試験における同時陽性対需要
・
求の撤痩
/
j、核試験並びに他のi
nv
i
v
o遺 伝 毒 性 試験 のー
般 毒性試草食への組み込み
一個別の m汎w 遺伝毒性試験実施の減少
M
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o試験 の推奨
一小技試験+コメットアッセイ
‘意 味 がないと考えられるi
i
nv
i
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r
o試験陽性結果を
減 らすことにより,i
nv
i
v
oフォローアップ遺伝毒
性試験変減らすことが可能
・
S
l
i
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e20
動物福祉に関してオプシ ョン 2は, i
nv
i
t
r
oの試験系を実施せずいきなり i
nv
i
v
oの試験系を 2
つ実施することになっており 3Rの考えに逆行するのではないかと思われがちですが,その点
についてもいろいろと考慮されてい ま す •
I
nv
i
v
o
遺伝毒性試験における同時陽性対照の撤廃,
要するに常に 同時陽性対照群をお く必要はないという ことです.これもいろいろ条件があ って
その試験が,そのラボで日常的に行われており ,常に安定したデータが出ている場合に限られ
ますが,その ような場合は,陽性対照をおかなくてもいいということで,動物数を減らすこと
につながります. さらに,先ほどから何度か話していますが,小核試験のような遺伝毒性試験
を一般毒性試験に組み込んで実施しでも良いということがあります.今まで、
は単独で、
i
nv
i
v
oの
試験が行われてい ましたが,一般毒性試験や他の動物を用いた試験が行われることから ,単独
で行う遺伝毒性試験はやめて ,それらの指標 に関する情報を一般毒性試験でとってしまおうと
lt
i
pl
ee
ndpoi
nti
nv
i
v
o試験の推奨があります今までは,小核試験な
い う こ と で す さ ら に mu
ら小核試験だけ, コメットアッセイなら コメッ トアッセイだけということで試験を実施してい
たわけですが,それを mu
l
t
i
p
leendpoi
n
tとして 1つの試験で小核試験とコメッ トアッセイを一
挙にやってし まおうというものです
1
4
そうすると少なくとも動物数は半分になります.このよ
(財)安評センター研究所報
第2
0巻
2
0
1
0
うにできる限り動物数を減らす (
r
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uc
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o
n)ことを試みていこうという提案です.最後に l
番大きなものとして考えられるのが, i
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tなi
nv
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oの陽性結果を減らすことです.そう
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v
o試験がいらなくなるため,動物を使用する試験自体を減らすことがで
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Step4wasready
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S
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e2
1
今回の改定は, 2
0
0
6年の 6月に横浜で提案され,その時のステア リングコミッティ ーで改定
の実施が決まりました
0月にアメリカのシカゴで実際の作業が始まりました 2
0
0
7
同じ年の 1
年の 5月のブリユツセルを経て, 2
0
0
7
年の 1
0
月の横浜会議で、 s
t
e
p2という 6極が新しい改変に
FDAからの合意が得られなくて延期されました結局,翌年の 2
0
0
8
年の 2月に電子メイルで、 s
t
e
p
2のサインアップをいたしました s
t
e
p2をクリアしますと後は,
の場合には,
パブリックコメントを求めて そのパブリックコメントを取り込み さらに FDA
法律家による文章チェックが入り, s
t
e
p4に上がります. S
t
e
p
4に上がると,後はそれぞれの
t
e
p
5になります これま
行政サイドがそれをガイドライン化するなり実効に移すというのがs
t
e
p2をクリアした後は,順調に流れていました 我々も 2
0
0
8
年の 6月にポー トランドで行
、
でs
合意する予定でしたが
われたときにパブリックコメントを十分取り込んだ版を作り
要求のあった共同研究の結果を
f
寺って, 2
0
0
9
年の 6月横浜で、s
t
e
p
4のサインオフをする運びになっていました
2
0
0
9年 6月 1
0日,横浜での会議終了後に,これで明 日サインオフだということで,焼き鳥屋
にいってみんなで乾杯しました
1
5
安全性評価における遺伝毒性
ICHS
2
(
R
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) の最近の動き
(~
~)
副
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n
9
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・ 0
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刊
bHnvElu
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In
('一、。)
S
l
i
d
e22
翌朝になって,天国から 地獄というような事態が発生しました何が起こったかといいます
とFDAの上層部から指令がでま してサインオフするなということになりました 目理由はいろ
いろあると思いますが,ステアリングコミッティーで説明された理由は,この S2,要するに
遺伝毒性というのは安全性評価 において非常に重要な課題であることから, FDA内部での十
分な調整等が必要で、あるので今回はサインオフを見送る
というようなものでした. FDAの
nv
it
r
oの試験系を除いてし
中で反対した人(反対派)の意見では,オプション 2のように i
a
nt
r
ia
l
のときに被験者の安全性を保証できない, ということが一つ大きな課題
まっては hum
として上がってきたこ とが解りました
その後
January25,
2010
CDERWorkshop
January26,
2010
InformalEWG
S
l
i
d
e23
その後の話ですが, 201
0
年の l月25日にワシントン DCでFDAが各国から著名な専門家を呼
orkshop). 1日かけいろい
ぴ集め ,彼等の意見を聞くための公聴会を聞きました (CDERW
ろな議論がなされました .我々も出席を許されましたので EWG
のメンバーも参加し発言も
1
6
(財)安評セン ター研究所報
第2
0
巻 2
01
0
させていただきました.さらに翌 日.EWG
のメンバーが集まって善後策を検討いた しました
CDERWorkshop
Panelmembers
DAVI
DA EASTMOND
,PhD,Co
-Chai
,r UniversilyofCalifomia
SANDRAKνVEDER,Co
-Chai
,r DeputyDi
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CHARDJ.ALBERT
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GEORGER OOUGLAS
.PhD,Hea肋 Canada
B.BHASKARG OLLAPUDI
,PhD,Di用 ctorofMam.Toxicol.,The白 '
W Chem
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fCo
JOSEPH EUGENE LeCLERC,PhD,CenterforFoodSa白神&Appli副 Nuuition,FDA
JAMEST.Ma
cGREGOR,PhD,DAB,
T Con
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lANPRESTON,PhD,AssocDirectorforHea肋" Nat
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TASCHOENY,PhD,Q前 四 of胤 '
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T,PhD,Uniν'
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m,Germany
RAYMONDR
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,PhD,Chie,f BiomolBCularScr壱eningB眉 nc伐 NTP,NIEHS
DAVID TVVEATS,PhD,Consultant
S
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e24
こちらは. Workshopに呼ばれたパネルのメンバーで、
す
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s
-改訂反対派は臨床試験における被験者の安全
性を危倶し,改訂すべきでないと主張
・この点を危倶するパネラーはいなかった
• I
nv
i
t
r
oデータ vsi
nvivoデータ.e
.
g
.,l
i
v
e
r
MoAI
こ麗しては記載済みであり.必要と認めら
れる場 合!こは規制当局はデータの畢侠を要求す
ることが 可能
S
l
i
d
e25
ここからは 実際,反対派が懸念している点を書き並べました
この辺の文章については,
FDAのホームページか らもダウンロードするこ とができますので,そちらを見ていただけれ
ばも っと正確なことが分かると思います.改定反対派は,臨床試験における被験者の安全性を
危倶して改定すべきでないと主張していましたが,先ほどのパネラ ーたちはそのようなことを
からの
危倶するという発言 は 一 切 あ り ま せ ん で し た 下 に 斜 体 で書 いてあるのは,我々 EWG
odeo
fa
c
t
i
o
nに関しては記載済みであり必要 と認められる場合,規制当局は
レスポンスで. m
デー タの提供を要求することが可能であるため ,細かいことを全て決めることはないというも
のです
1
7
安全性評価における遺伝毒性
I
CHS
2
(
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) の最近の動き ー
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gguidances
amongFDAcentersandother
governmentagencies
.FDA内の他局または他機関におけるガイドライ
ンとの不整合
・すでに規制対象物の特質に基づき,違いは存在
医療器異はそもそも生物学的に不活性なもので
i
e
r1で
あり,抽出されるものを対象とし,EPAのt
は現行のI/CH
と相違
米国の替殊事情ではない
S
l
i
d
e26
また, FDA内 の 他 局 そ れ か ら 他 の エ ー ジ ェ ン ト に よ っ て ガ イ ド ラ イ ン が 違 う , そ の 整 合 性
がとれないという よ うなことが上げられましたが,これは現在でも FDAとEPAで違うことを
要求していますし何も今始まったことではありません
Whydrugsa
r
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i
f
f
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r
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n
t
-医薬品は特定の組織で薬効を示す
・特殊な毒性を避けるための広範な試験がなされ
ている→他の対象物質との相違
・がん原性は重要な指標であり,遺伝毒性の重要
性は臨床試験における被験者の安全を守るため
圃一般工業化学物質についてはがん原性試験や,
長期毒性試験は行われておらず,短期試験から
の予測が必須
S
l
i
d
e27
あと,医薬品は, 他 のものとは違うということがここでもデイスカッションされ,医薬品の
特徴というものを十分に考えて話をしないといけないということでしたが,それを十分考えて,
改定したのが今回我々の提案です
1
8
(財)安評センター研究所報第 2
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2
01
0
Hazardidentificationversusrisk
assess町lent
=
• Riskassessment
hazardi
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1
) hazardi
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panelwashigh
砂 supportiveoft
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n
・
Slide28
今回の改訂では, datainterpretationの部分で、
このリスクのアセスメントをかなり重要視し
て考えましたが,この辺が反対派にはヲ │
っかかったというところがあり ま す こ れ も 今 日 の 大
きなテーマであると考えてい ます
L
imitdoseconcentration
・多くのパネルメンバーは限界用量を 10mMから下
げることは正当と考えた
・ただしどこまで下げるかの明確なコンセンサスは
得られなかった
・低分子物質 (egethanol:46)1m Mでは不足
・ただし低分子医薬品の平均分子量は約400
・IWGT(Basel,2009)限界用量を下げることは同意
M
a
j
o
r
i
t
yacceptedt
h
eproposalo
f1mM
すでに唱 m M以上を考慮の必要性を甥記 (
n
o
t
e7
)
Slide29
これは重要な点で、
limit doseをどうするかということ,要するに今の我々の提案では,
lOmMから l m Mに下げようというものでパネラ ーも限界用量を下げることは正当だと発言し
ていましたが, どこまで下げるかという明確なコンセンサスは得られませんでした.特に低分
子物質をどうするかという話があり,この辺のことについて考えようということです.すでに
我々の改訂版の中には
note7としてそうような懸念についても書き込まれています.
1
9
安全性評価における遺伝毒性
ICHS
2
(
R
l
) の最近の動きー
Options1and2
E 大多数のパネルメンバーは2
つのオプションの選択を
正当と考えた
0・1:
veryhighsensit
i
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ybutlows
p
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→“f
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s
改訂ガイドラインには~ i
nv
i
v
o試験において暴露が 不
完全な毒合の限界について言及されている
ー
また, 0・
2における;
/
i
verを標的とした試験が評価され
るべき
S
l
i
d
e30
オプション 1. オプション 2について,大多数のパネルメンバーは , 2つ の オ プ シ ョ ン の 選
択 は 正 当 と 考 え て い ま し た が , ま だFDA
がどのように話すかはわかっていません.
The“
comet"assay-1
・0・2のバッテリー I
こc
omet
を組み込むのは時期
尚早パリデートが未完,国際的統一ブロトコール
が未整備
・パネリストは全体として適切と考えた
多くの文献が公表,すでに GLP試験として一般
も試験を要求し受け入れている
化,CDER
.IWGT(
Basel,
2009)
でゑ認 =MNTと相補する
試験,反復投与試験への組込可能
・パネルは MNの相補試験として,また,肝以外の
組織の使用について方向性を示すべきとした
S
l
i
d
e31
コメットアッセイについて反対派は ,十分バリデー シ ョンができていないし,国際的なプロ
トコールも無いため , まだ早いのではないかということを言 って い ま し た が,パネ リストは全
I
nt
ernati
onalWorkshop on Genotoxi
ci
tyTe
s
t
s
)
体的に正当だと考えていましたし, IWGT(
というグループでの会合でもコメ ッ トアッセイを使おうとい う方 向 性 は 出 て い ま す.パネラー
たちは,肝臓以外の組織の使用について,
とを述べていました
2
0
もう少しきちっとした方向性を示すべきだというこ
(財)安評センター研究所報第 2
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01
0
T
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e“
c
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"a
s
s
a
y
2
.NTPは1
9
8
0年代にほ乳類繕養細胞を用いる試
験を中止.Comet
を将来の9
0日試験への追加
指標として検討中
MLA陽性(太きなコロニー),染全体異常陰性の
場 合i
ま
':TG>cometを蹄注に追記予定
UDSI
;
t
Ames陽性およびD
u
l
k
yadductsを作る
ようなものを検出するのに有効であることを追記
肝臓以外の標的臓器に罷しては窓逮
S
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i
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e3
2
我々と しては,そういう ことを考慮 して少し脚注を付け加 えてい ます.
T
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3
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n
t1
圃
-本課題の意味合いがパネルメンバーに十分理解
されていなかった.
・一般毒性試験への組み込みに関しても同様
1
. 属性対照
2.組み込み
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n
3
. 組み合わせ c
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. 偽陽性の低減→ f
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pの低減
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3
21
安全性評価における遺伝毒性
ICHS
2
(
R
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) の最近の動き
The“
3Rs",
reduction,
refinement
andreplacement-2
• CDERc
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fsigninga
memorandumo
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htheEPA,
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toxicologys
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e34
Summary
ワークショッブは成功
臨床試験の被験者への懸念を示すパネリストは皆無
Hazardi
d
からr
i
s
kcharacterへの移宥は合童
CDERはさらに毒性機序の理解に向かうべき
ガイドラインの一部の記載を明確にする必要あり
eg どのような場合i 1が好ましいのか
1mM
以上が必要な状混は
Cometの限界
.
I
まパネルの意見並びにガイドライン案の明確
EWG
化を基i
こ:CDER
は早急に改訂ガイドラインを承認す
ることを強〈要求する
。
こ
S
l
i
d
e35
3Rについて,この課題の意味がパネラーには十分に理解されていなかったみたいですが,
先ほど話しましたように陽性対照をやめるとか,一般毒性試験に組み込むとか, コンビネー
ションするとか,偽陽性を低減させるというようなことを考えているため,我々としては,十
分に 3Rを考えていると確信しています
サマリーとして,我々は,このワークショップは成功であり
エキスパートたちもこの改定
を支持する方向に向かつて発言をしてくれたと考えています. EWGとして最後に発言をさせ
ていただきまして "CDERは,とにかく早く結論を出してください"ということをお願いしま
した昨日
(
2
01
0
1
0
2
/
2
5
) までが公聴会に参加 した人からの意見聴取の期限で,それを基にで
きるだけ早く FDAは結論を出してくれる予定です
従いまして,我々としては,回答が返っ
寺っています.
てくることを信じて f
しかし,その後のその後ということで,今いろいろメイルが飛び交っていまして“いやあそ
んな甘いものじゃないよ"という話が聞こえてきています.だから
22
私の結論として申し訳あ
(
財)
安評セン ター研究所報
りませんが,
ません
第2
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1
0
どうなるか予測できません.本当に これだけは, 何が起こっても不思議ではあり
だから 6月にエストニアでI
CHの会合がもたれますが
そこでサインオフできること
を望むばかりですとしか今は申し上げられません(その後連絡があり ,エス トニアで我々の専
門家会議が聞かれることはなくなりま した)
Hazardvsr
i
s
k
進
努
S
l
i
d
e36
最後に少しハザードから リスクへということを述べさせていただきます. このハザー ドとリ
スクというのは,我々にはなかなかなじみにくい言葉だと思いますしなかなか理解されてい
ないことではないかと思います. 例 えば,タバコは確かに ha
z
a
r
d
o
us
なものです. しか し こ
れ自身にリスクはありません.人がタバコに火を点けて吸うことによ って初めて リスクが生じ
x
p
o
s
ur
eがないかぎり リスクはなく, リスクというのはどれだけha
z
a
r
do
u
s
るわけです要するに e
なものなのかということと, と令れだけ人がe
xpo
s
eされるかという ことの,単純 に言えば掛 け
算になるというように覚えておいていただきたいと思います.
(邑盟国暢婦が同枠制経団叫品品川畑蝋
100
80
60
40
20
。
20
40
60
80
100
酸 素 濃 度 (%)
・
・・
・
J
.
E
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ka
ndJ
.
F.
Nunn(
19
7
8
):Chromosomaldamageandmut
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u
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Chl
ns hamst rceUltohl
ghconc n
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ionsofoxvgen Mu
la
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tRes.57 2
7
ξ悶
,
,,
S
l
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e37
2
3
安全性評価における 遺伝毒性
ICHS2(Rl)の最近の動き
これは,良く例に使うのですが,ある物質について染色体異常を有する細胞の頻度が用量に
従ってどんどん上がって くる と“この物質は危険ですね"という話です.実は,この物質は酸
素で,酸素でもこのように用量によっては,遺伝毒性を示します.だから と言 って,“じゃあ
xposureとの関係を十分う
明日から酸素をやめますか"というわけにはいきませんこれも e
まく考えながらやっていかざるをえないというところでハザー ドとリスクの違いが出てきます
Do
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e38
染色体異常誘発性の各物質の用量相関関係を見ま しでも化合物によって強さは,大きく異な
の細胞に染色体異常を誘発する濃度 (
D20) で強さを 比較することが、我が国で
ります 20%
は良 く行われます
Di
s
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1
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0
0
D2
0(mg/mL)
Si
l
de39
これまでの経験から ,
だいたい 1 0 の 6~7 乗倍もの違いがあります.従って,そのようなも
の全てを同じレベルで評価できるわけがないと考えます.また
2
4
この辺もハザードとリスクを
(財)安評センター研究所報
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01
0
考える上で大切な要因だと思います
Human
Anyu
s
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linformation
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実際に人の リスクを評価するには,いろんな情報を使って doser
e
sponseやexposureanal
ysi
s
をしっかり行い, assess,charact
er
izat
ionをやっていかないとい けない というのが私の結論で
す
ものを怖がらなさ過ぎたり,
怖がりすぎるのはやさしいが,
正当に怖がることはなかなかむつかしい.
寺困寅 彦(近疎宗平)
I
ti
sveryeasyt
oover-orunderestimateo
fr
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sl
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edbySoheiKond
o
S
l
i
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e41
これは最初に示した言葉ですが,“正当に怖がることはなかなかむつかしい" リスクという
ものを 十分に理解してそれを評価に持ち込む必要があります
我々のレギュラ トリー サイ エ ン
スというのは,まだまだ若いサイエンスだと思います.だからそれを国際的に通用するものに
していかないといけないと考えております.
2
5
残留農薬の評価についての現状
講演
「
残留農薬の評価に ついての現状」
鈴木勝士
日本獣医生命科学大学獣医生理学教授
農学博士
S
l
i
d
e1
今日の話は , うまくまとめることができない部分がありますが,抄録に書きましたように,
3つのテーマをお話したいと思います.一つは, リスク評価の原則に関わる問題を,農薬を題
材にしてお話したいと考えています. もう一つは
ご存知の通り農薬の世界はポジティブリス
トができて,安全性がよく担保されるようになったと一般には思われていますが,実際は本当
にそうなのだろうか,その功罪や知何にという話を,幾っか解説をしたいと考えています
ま
た,私はよく「農薬はリスクアセスメントの優等生」と言っていますが,それは,ガイドライ
ンもきちんと整備されているし
しっかりとしたデータも取られているからです. しかしメカ
ニズム試験等をコメン トとして要求することもしばしばありますが
ガイドラインに載っても
いないのに何故それが必要なのか,なかなか理解されていない. したがって,最後のーっとし
ては,その辺りについて,約 2
0
0
剤ほどについて仕事をしてきた食品安全委員会での経験から,
どんなことが問題なのか話をしたいと考えています.
2
6
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0
1
0
l
演者背景
(基礎) 獣医生理学教授:デュークスの生理学、晴乳類と 1
烏類の生理学(翻訳)議議実習担当
E
(臨床) 遺伝病獣医遺伝学入門(翻訳)獣医臨床遺伝研.
究会前会長日獣大、北皇大講義担当
.
(応用) 公衆衛生学 :
食品の安全性評価と確認(共著)食品 E
安全委員会農薬専門調査会座長 :
毒性学講義担当、東大主主』
『司・ーーーーー衆衛生学講蓑一部担当
・・・・ 要 は~皇制~ぷ子1 ・・
・共通項 実験動物 : ウィスヲー今道ラット亦ら派生したミC:J_タントラットの育成と原因遺伝子特定の研究/発生過程の造 E
伝子と環境による制御の研究
E
S
l
i
d
e2
最初に私の背景を紹介します 今の時代,学生さんが入学してくると,大抵「動物の命を救
いたいんで、す Jと言って小動物を志向する人が多いんでLすけども 果たしてそれでよいのかと
いう疑問が根本にあります.私自身は,獣医学部が 6年制になるときに,先代の今道先生から,
「毒性の教育が新しく必要になるので,戻ってきてその礎になって欲しい」という話を受けま
したただし私には基礎研究の経験が乏しいからしばらく生理学をやるようにという話をさ
れましたが,当時,教科書すらありませんでした
それで先生方の勉強のために,デュークス
の生理学,獣医の世界では世界的に使われている教科書ですが
それを翻訳するところから仕
事をせざるを得ませんでしたそれが続いていて,獣医の生理学の領域では,多少は仕事がで
きているのかなと考えています
生理学らしい仕事といえば,脳波の原理的な研究,例えば何
故脳波がとれるのか電流説ではなくて電場説に基づいて説明をしようとして,かなり苦労をし
た覚えがあります. もっともその仕事は,工学院大学の学生のドクター論文の指導をした仕事
にもなっています
基礎だけではなく,臨床にも駆り出されました.様々な話がありまして,獣医臨床遺伝研究
会の会長を 2
0
年近くやっております
これについては, 日獣大や北里大で講義をさせてもらっ
ています
今回のお話で大切な毒性の領域の仕事は
外部でやらざるを得ませんでした
大学にはキチ
ンとした動物飼育施設もないし, R
Iの施設もな く,その環境があり ませんでしたそこで,
環境の整っているメーカーさんから学位を取りにくる形で
人育てに一役買っています.今日
お話しするところは,一応先ほど紹介がありました食品安全委員会農薬専門調査会座長,現実
にはパー トタイムでやっていである意味で問題はありますが
これをこれからも続けられると
いう前提で書いております. しかし先程林先生も言っておられたように,何が起こっても不
思議はないという状況ですから
これ以降の話は必ずしも保証されたものではありません.実
際には,現状についての話と御理解をいただいて,今回する先行きの話については,現時点で
の私の予測に過ぎないと考えていただきたいと思います.
獣医学というのは未分化なところもありまして
研究面では
ウイスター
今道ラットから
派生したミュータントラットを用いて,その原因遺伝子の特定とか,発生過程の遺伝子と環境
2
7
残留農薬の評価についての現状
による制御の研究といったところが全てのテーマに共通した話になります
最近学生に話していること
-公衆衛生学農薬を例とした化学物質のリスクアセス1
メント(東大、公衆衛生学)
1
・公衆衛生学の定義と獣医学の理念
.食の安全 :
獣医学はほうれん草の安全性を担保すベ 1
1
l
1
1
きか
・ハザードとリスク
・化学物質のリスクアセスメント
・食品安全委員会と関違法規・・・など
学生の頃には教えてもらわなかった様な気 │
S
l
i
d
e3
獣医という話をものすごく強調しております.この仕事をしておりますと,獣医というのは
非常に肩身が狭いと感じられます.医者に比べたら知識が乏しいとか,他にも例えば化学に非
常に弱いとか,
r
我々がこういうことをやっていること自体がいかんのだ」という攻撃が色々
な形でありますが,本当はそうじゃないという話を半分は理解していただきたくて,獣医とい
う話を多くしております.鼻につくかもしれませんが,あらかじめおことわりしておきます
それでは本題に移ります.これも,その獣医についての話ですけども,小動物の獣医さん,
すなわち命を救う獣医というのは,学生にとっては格好がいいようです
じゃないんで、す.獣医の理念というのは
ところが実際はそう
実は「ヒトと動物の福祉の向上に資する」と光岡先
生が定義されて,大学基準協会で認められていますが,これがなかなか理解されていない
「
ヒ トの福祉と動物の福祉の向上」という風に読む人もいますが,
r
いや,
3
R,すなわち動物
の福祉の方が大切なんだ」と偏った話をする先生方がほとんどです.それに対して私は非常に
疑問を感じています.何故かというと
r
獣医の仕事は
基本的には人間に安全な食品を供給す
ることなんです. 良好な動物性の食品を安全に食べさせること」を保証しているのが獣医学
なんです.後程また出てきますが,それには非常に長い歴史があります
公衆衛生学にしても,
ヒトの学問ですが,何故獣医が勉強しなければいけないのかという話を学生にしています
そ
の中の食の安全についても,何故獣医がホウレンソウの安全性を担保しなければならないのか
と公衆衛生学の先生に聞いても,大抵の先生は答えられない.これは,基本的には,現在生で
食べられるホウレンソウも,農薬が残っているからというところに行き着きます.農薬だとい
きなり人間で実験できません動物を使って実験をせざるを得ない.医薬だとヒトで臨床実験
をすることもあるけども,それにしても 3Rが前提にあって,その前の経緯を紐解くと,ヘル
シンキ宣言に行きつきます.つまり,ヘルシンキ宣言では,
r
十分な動物のデータがない限り,
いきなり人間に実験を施してはならない」 という原則が書かれています.何故そういう原則が
生じたかというと,戦争中に人体実験をやったからです.そして,それは止めましようという
流れになりました.だから,動物実験を無くしてこういう類の話はできないんです.そこのと
2
8
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1
0
ころに獣医師が自信を持てないんです.現在はそういう状況です. しかし,それでも 3Rと言
えばその方が格好いいから,実験動物の先生は盛んに 3Rを主張します
ですが,そんなこと
を言ったら安全性を担保できないんで、す.あるいはハザー ドとリスクの区別については,学生
にももちろん話しますが,我々の農薬専門調査会の専門委員の中にも,このあたりをキチンと
理解していない人が相当数います.これは困ったことです
がどういう風に広まっていくか興味があります
の時に聞いた覚えがない
そのあたりについても,今日の話
いずれにしても,このような話を,私は学生
だから「先生方に質問しでも答えられるわけがない
しょうがない.
そんなこと考えてる人もいないし,教わったことも無いのだから.だから,君達(学生)は考
えなければいけないよ」と言っています."
[
獣医の仕事は,動物の命を救うだけじゃなくて,
殺す仕事が半分以上だからね.その仕事に誇りをもてなければ獣医なんてやめたほうがいいで
すよ」と言っています.
S
l
i
d
e4
先程の話の続きですが
公衆衛生を何故獣医がやるのかという話です.
先程言ったように,動物の話が絡むからだということで,最初のうちは,医学でも感染の制
御という領域が先行していきました.パスツール,コッホ,北里先生あたりの時代には,ウマ
を使って血清をとらなくてはいけなかったし獣医学出身の梅野先生あたりの時代には,非常
に獣医学が重要視されて,この辺りが北里大学の礎になっています.最近では,光岡先生とい
う非常に傑出した先生がヒトの腸内細菌の仕事をしましたが,実は正しい流れです.
一方,化学物質の話になってくると,日本の獣医は物理化学的な領域で極めて立ち遅れてし
まいました.いずれにしても,化学的な要因で癌を発見したのは,実は日本の場合は獣医です
この歴史は正しく伝わってきませんでした.様々な事情があると思いますが,世界ではここの
領域の話は獣医の仕事というコンセンサスがあります
何故かというと, ["動物実験を必要と
するから」という所に全て行き着きます
2
9
残留農薬の評価についての現状
化学物質のリスク評価
l
l
l
-化学物質の区分
天然物、合成物
l
経 参 食品添加物、動物用医薬品、器具
容器包装、化学物質、汚梁物質、医薬l
品 ・・・等
l
-それぞれに関係する法律がある(多面的)
S
l
i
d
e5
本題にいきますと,化学物質のリスク評価の中で特に今日の話は農薬ですけども,幾つか区
分がありまして,それぞれに関係する法律が一応あって,それによって仕事がされています.
S
l
i
d
e6
食の衛生や安全という領域での獣医の役割を考えると,当然農薬の話も入ってきますが,第
一義的には動物性食品の安全性を担保する,つまり微生物に起因する食中毒等を防止すること
が非常に大きな仕事になっています. この領域については,自然毒とかカピ毒とか,その他の
問題と併せて,伝統的な地位が獣医に確保されています. ところが,残留農薬や食品添加物と
いった領域では,まだ白い目で見られていますし獣医師の数もそれ程多くはありません.先
程から申しておりますように,実験動物を使って安全性のデータをとって,それを人に当ては
めるといった過程で,実験動物レベルでの専門性は非常に重要なんです.これを扱うと,やは
I
食」とい
I
A
5の素晴らしい牛肉が買えます J, Iト
り3Rはおかしいことになってしまうんです.この辺りは正しく考えていかないと,
うものがおかしくなってしまう.スーパーに行って
3
0
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1
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レーサピリティーというのがあって,農家のおじさんの顔も見えます Jと言っても,屠場でど
うだ、ったのか,誰がどうやって殺したのか,どのように放血して解体して検査をしたのか, と
いう過程はどこにも全く出てこないんです.そういうのは残酷だからと言っても,この過程を
無くしてどうしますか?事実をきちんと見なくちゃいけません
S
l
i
d
e7
その他にも食品だけでなくて
環境に関する問題というのも 同 じようにあります.エコ トキ
シコロジーの中でも食物連鎖関係の話は
我々が正当に動物を食べていいんだという話に繋が
ります.食べる者と食べられる者という形の地球上での根本原理がある以上,連鎖を崩さない
形で,知恵を使って生活をしていいんです.いずれにしても,このように 幅広い動植物に対し
ての影響を,理解していかなくてはなりません
農薬に関する法律 l
農薬
農薬取締法(農水省)・・登録保留基準(環境省)
食品衛生法(厚生労働省)
環境基本法(環境省)
化学物質審査規制法
(経済産業省他)
劇毒物取締法(厚生労働省)
水質汚濁防止法/大気汚染防止法(環境省)
水道法(厚労省)
その他
暴露される局面によって法規制の根本的コンセプトが
決まる
S
l
i
d
e8
農薬に関しては,様々な法律があります.食品安全委員会のホームページを見ますと,農薬
3
1
残留農薬の評価についての現状
に係わるのは,食品衛生法と水道法で、す.ただ実際は,それだけではなくて,農薬取締法,登
録保留基準,食品衛生法などがありますし食品安全委員会は食品安全基本法に基づいて組織
されているし環境基本法,化学物質審査規制法,劇毒物取締法,水質汚濁防止法,大気汚染
防止法,水道法等,その他 まだあると思います.いずれにしても,これらは暴露される局面に
よって法規制の根本的なコンセプ トが決まっているだけで,全体として考える場合には,これ
らを熟知していないと片手落ちになってしまいます.最後のスライドで, リスクアセスメント
をするのにスペシャ リス トじゃ駄目で,ジ、エネラ リストじゃないとバランスのとれたリスクア
セスメントはできないという話が出てきます.こういう法律の話をすると頭が痛くなってしま
いますが,知っていなければどうにもならない部分があるんです.
4主 食
一
本
法
立 昨
│
.
.
.
I正食品衛生 t
公布CIf!ll:珂園面・
食品安全委員会成立
~;II."..l
l
l
唱 ,
園 田
一ー
一理主主~~
-ポジティフリスト~;((:,,"l!l 施行)
S
li
de9
食品安全基本法について,過去,現在,未来についてお話します
後程触れますが,過去はあまり褒められる状況ではなかったのでしょう.法律の成立が平成
1
5
年で,安全委員会も 同年夏にできて,ポジテイブリス トが平成 1
8年 に 施 行 さ れ ま し た だ か
ら,現在はかなり良好な状況になったのでしょう.何故かというと,基本的にリスクアセスメ
ントに基づいて リスクマネジメン トを行うという原則的な路線が確認されて,法的にも根拠を
もったからです
しか し果たしてそれは本当なんでしょうか?これまで私達が何をしてきたの
か,これ以前の(過去の)状態は一体何だ、ったんでしょうか?本当に褒められる状況ではな
かったのでしょうか?
ここでポジテイブリス トというのは非常に大きな区分けの線になっていますが,本当にこれ
がネガテイブリストよりも優れているものだろうか, ということを考えていきましょう
3
2
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リスクアセスメントの 3 原貝~. .
..
-独立 :リスクマネジメントの機聞から独立
│
してリスクアセスメン卜を行う
(公 正 中 部
│
・科学主義 証拠に基づいてリスクアセスメ
│
ントを実施
(到達水準の 科学的知 見 ・公開:リスクアセスメントの過程を透明化
│
(評価書・議事録・農薬抄録~誰でも資
│
料にアクセスできるし[GJ]]、参加もでき
│
る(傍聴、目安箱、パブコメ I
透明性
S
l
i
d
e10
食品安全基本法・食品安全委員会のリスクアセスメントの三原則は,私の言葉でいえば,
r
r
「独立 j, 科学主義 j, 公開」です
「独立 Jというのは法律上では
「公正中立」という言葉で書いてありますし,
r
科学主
義Jは「現在到達した水準で、の科学的知見に基づく」と書いてありますし「公開 」 は「透明
性」という言葉で食品安全基本法の 1
1条 3項あるいは 1
3条に規定が書かれています
いずれにしても,過去は, リスクマネージメ ン トの機関がリスクアセスメ ン トを行うという
非常に不透明なところがあって,中立かどうか疑わしいから「独立」させようという流れにな
りました
「科学主義Jということを誼ったのは
これが初めての法律かもしれません当初,初代食
安委委員長の寺田先生は,法律や行政の分野で科学主義は馴染まないと仰っていました
し
,
5週年の記念行事の打ち上げ懇親会の席で寺田先生が挨拶をされた時には,
しか
r
この 5年間
非常によくやってくれた」と言っておられました実際には科学主義が法律や行政の分野に馴
染まないという側面は確かにあるんだと思います.この部分が,ハザードとリスクの関係に非
常に大きく影響しています.だから,科学主義をうまく使って,ハザードアイデンテイフケー
シ ョンから始まり リスクアセスメン トに行 くという流れが進むのを願っ ている次第です
「公開 j,すなわち透明でなければな らないというところは,非常に大きく進歩したところ
だと思います.評価書
議事録,農薬抄録にホームページでアクセスできますし,会議に参加
することもできます.傍聴が許されている部分もありますし
目安箱というシステムもありま
す.あるいはパブリックコメントというのもきちんとなされていて,非常に大きな前進があっ
たと思います
この流れの中で,一般の方たちが,
r
農薬って意外にキチンとデータ取ってる
んだ」と思い始めていることを, しばしば感じることがあります.言っておかなければいけな
いことは,議事録まで含めて公開しているのは日本だけということです.これをデータベース
にして参考にしてくれているメーカーもあるという話を聞いていますしそれは非常に良い話
だと考えています
3
3
残留農薬の評価についての現状
過去のフローチャー卜E
目
-農水省(農薬検査所)
l
.安全性評価委員会(厚労省基準課長私的諮問機聞)咽目
一次肝デ一タ審諾、コメント
kJ
、ι
仙
D
A附
.薬事食品衛生審議会食品衛生分科会(厚労省)
毒性部会. ..A
D
I
残留部会・・.M
R
L
目
S
l
i
d
e1
1
過去,一体農薬はどうだったのか.安全性評価委員会(略して安評)という悪名高かった委
員会がありまして,結構重要な仕事をしている部分もありました.私も途中からその一員でし
た
この安評ですが,私は非常に重要な仕事だと思っていましたが,よく聞いてみると厚労省
基準課の課長の私的諮問機関ということが分かり,驚いた次第です.私的諮問機関ですから,
辞令ももらっていないんです.その仕事は何かというと
一次データの審議です.この審議の
所で評価書の原案というのはありませんでした.全て担当の分野の先生方が概要を話し,関係
の役人さん達は一生懸命ノ ート を取っていたんです
説明をしていました.その挙句,
そのように,一応フリーな形で専門家が
r
これは評価できない J
,r
こういうデータが追加で必要だ」
ということになると,コメントを出して,データ要求をして,メーカーに対応してもらって,
さらに審議をしていました.ここには候補と書いてありますが
その時僕は ADIを決めている
んだと思っていました. ところが実情は違いました ,決めていたのは,薬事食品衛生審議会食
品衛生分科会,すなわち薬食審だったんです.この薬食審には毒性部会と残留部会があって,
私も時々臨時委員として呼ばれることがあったんですけど,ここに行くと,驚いたことにほと
んど発言する人がいませんでした 一番偉い先生が何かをさ、、っと説明して, この剤について
r
は,安評からの話はあるけども,安全係数3
0
0にする.いいですね」といきなり (ADIが)決
まってしまう
後で理由はなんだと思っても,議事録がないんです.変な話ですよね?いずれ
にしても,発がんの問題だとか,何か理由があって権威のある偉い先生が判断して ADIを決め
ていました
安全係数を高くとれば安全は担保できるはずで、はありますが,何となく腹の虫が
収まらないという状況が過去の段階であったわけです.今もそうですけども,その時には農薬
ADIを作っていました.
検査所が窓口になっておりまして,こういう形で、
作っているんだと思っていましたが,
この安全性評価委員会の委員の時には,自発的に ADI
私は最初繁殖の関係で呼ばれて,
r
繁殖は全ての部分が絡むから,代謝の部分も含めて分から
ない所があったら質問します」と言ったら,皆に怪詩な顔をされたんです
り得ないと言われました.そして実際質問したら,
質問するなんてあ
r
鈴木は何者だ?Jという話が持ち上がっ
たんです.それを救ってくれたのは衛研の F薬理部長でした.実際は読んで、いませんでしたが,
「もしかして鈴木は EPAのモノグラフを読んだのか」と言われました.私の感覚がEPAの感
3
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覚とほぼ同じだ、ったというだけですが,それで、命拾いをして今に至っているという状況です.
S
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現在は, どうなったかと言いますと,圏内で使う農薬については農水省が窓 口で,厚労省を
経て,我々食品安全委員会農薬専門調査会のところに諮問が来ています.他には,インポー ト
トレランスに関して申請者がいない場合は,厚労省からその まま来ます
審議をして ADIを決
めるわけですけども,パブコメも行った後,本委員会で最終決定されて,厚労省に行きます.
厚労省は,薬食審で MRL (残留基準)を決めるの と同時に市場の監視をします.農水省は農
家の指導をす る.環境への影響については
環境省が登録保留基準について責任を負うという
形になっています.
農薬専門調査会としては,安評の時代からすると,二階級特進したんです.なぜなら総理大
臣から辞令をもらうんですもの.最初の会議の議事録を読んでいただくと,私がそういう発言
をしているので,確認していただけると思います.事実そうなっていました
このような体制でやってきましたが,最近になって消費者庁が出てきて,これが一体何者だ
か私にはよく分からないんです.何か屋上屋を重ねたような気がしてならない.実際, リスク
アセス メン トはし っかりとやっているのに,一体何をやろうというのか,非常に問題だと思っ
ています.今日は,農薬専門調査会の座長としての立場ではなくて,私個人の意見として聞い
てください.
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5
残留農薬の評価についての現状
S
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審議のフ ローとしては,厚労省から食安委に来て, ADIを作った後,パブコメもして,それ
が作られます
を厚労省に戻すと MRL
ここでのパブコメと同時に,うまくいくと我々のとこ
ろに報告がきて,意見を戻しますと, WTOに通報をして
告示をしていくという形になりま
す.
ここまで行き着くのに,一年以上もめました多分御存知だと思いますが,私は, ADIの設
定,すなわち リスクアセスメン トをするということに関して,暴露レベルの評価 をしなくては
駄目だと主張したんです.そうしたら,厚労省からは
私がMRLを作ろうとしてると言われ
たんです.そんなこと言つてないんです. MRLは,それを作る機関があるのなら,そこで
作ってくれればいいんです. MRLを作ること自体はデータさえあればそんなに難しいことで
はありません.そこまでの作業を我々はしたいと思っていなか ったので,厚労省が MRLを
作ってくれればよかったんです.ただ,リスクアセスメントをする際に ,暴露の話をキチンと
しなくてはいけないんです.暴露レベルは一体どれだけなのかという話をしなくてはいけない
し暴露の確認の時に,何をもって評価するか,すなわち評価の対象物質を決めなければいけ
ない.少なくても量的な部分をしっかりと評価したいという話で一年以上もめて,やっと分
かつてもらって,一回 MRLを決めたら食品安全委員会に報告するという話で決着しました
最近では ,こ のレベルの報告が,親委員会止まりになっているような例もあって,これはまた
問題だと考えています.後程述べますが,暴露評価対象物質を決めるのが我々の義務であると
いうことが,食品安全委員会の中で合意がとれていなかったことも,幹事会の議事録を注意深
く読んで、いただくと分かると思います
3
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住み分け
と
l
l
コンセンサスl
2
0
1
0
法律発効に際し、暫定的 l
こMRL
が・
決められ、 ADI設定が追随
.
ri.'IIJlと~ハザードキャラク9ラ .
イゼーションと曝露評価
.
リスク評価における曝露評価
.
畷 露 レ ベ ル の 検 匝 実 効 的 なE
r.:.rnJ設定に不可欠
薬食審
・
曝露評価対象化合物の選定
リ ス ク マ ネ ー ジ メ ン ト の 担 当・
者が勝手には設定できない
と
食安委
S
l
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e14
いずれにしても,厚労省と内閣府には「住み分け」があって,そこで何 をやるかという「コ
ンセンサス 」 もあります
先程から言っているように
リスク評価をするためにしっかりとした暴露評価 をしな ければ
いけない.我々が リスク評価ですべき暴露評価 というのは,暴露 レベルをしっかりと検証して,
実際に効力のある ADIを設定するという点で絶対必要なんです.評価対象化合物を何 にするか
決めることも ,薬食審だと独立性が損なわれるわけだから,我々食品安全委員会が決めた上で¥
薬食審側は若干モディフィケーションするくらいがよい.我々が評価対象化合物を決めなくて
は
, リスク評価を独立的にやったことにはなりません
全体として,最初に AD
I
が設定されて MR
Lが決められるというのが原則 なんです け ども,
ポジテイブリス トの移行の際に暫定的に MRLを決めることになってしまった.この決め方が
また笑うしかないような決め方をしていて
例えばアメリカとオーストラ リアの基準を足して
2で、割ったとか,それで本当にいいのかと思いますが, ADIが無いので,なるべく早くにこの
が合理的なものか決めてくれと,そういう過程が法律に書いてあります . この法
暫定 MRL
律っていったい何なんだと思いますけど, リスクマネージメン トする 側からすれば,この基準
がなければマネージメントできないわけですから, 何 とかしてやらざるを得ない.ですから,
急いで、 ADIを作らなきゃいけないというのは甘んじて受けています
3
7
残留農薬の評価についての現状
S
l
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e15
皆さんご存じだと思いますが,食品安全委員会の下で評価チームは三つの系統に分かれてい
て,化学物質,生物系,新食品等という形になっています.我々は化学物質系評価グループの
中の農薬のグループになります
今
, 3
8人の専門委員がいまして,事務局も他の部分に比べる
と非常に多くの人を抱えていて,実際に評価している剤の数も多いと思います.いずれにして
も全体の約 1/
4
が獣医師です.これは結果的に世界のコンセンサスに近づいたことになると思
います
正直言いますと,まだ獣医師の力が足らない.実際に教育体制ができてないから経験
者も少ないしこの中で徐々に力をつけているという所です.獣医分野では,この仕事はそん
なに評価されるわけではないんです.大学でこういうことをしっかりやろうという流れは,ま
だ動き出したばかりです. コアカリキュラムを変えようという話が今やっと出てきているぐら
いです. コアカリキユラムができたとして
実質的に付帯的な施設はどうなるんでしょう.座
学はいいけども実習はどうしようという大変寂しい状況です
リスクアセスメントの原則とプロセス
-ハザードアイデンティフィケーション
高濃度でのハザード
・ハザードキャラクタライゼーシヨン
・.
.
4
a
島河._ 1
1
竺とここEJ
、~
用量反応関係、闇値
・リスクアセスメント
~ ・
主
・
・
評価対象化合物、人へのヲト掃、 SF、
r
l
U
J、aRf
D
・リスクマネジメント
MRL、一律基準
一一一一一一一一
,
f
;I
J
.リスクコミュニケーション圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃
S
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3
8
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今度はリスクアセスメントの原則の話をします
これは本来皆が理解しているはずですが,ハザードアイデンテイフケーションをして,それ
のキャラクタライゼーションをして, リスクアセスメントをして,基準ができたら,それに基
づいて リスクマネージメントをして, リスクコミュニケーションというものを国民も含めて関
係者全体で、やってい くという流れが原則です. しかし このハザードアイデンティフケーショ
ンとキャラクタライゼーションはどう違うのかとか,どこまでやることを言うのかとか,この
「ノ¥ザード」という言葉が付いてる段階は,完壁に動物のデータを扱っているんです. リスク
アセスメントになると, ヒトに対する外挿のところをやります.その辺が全然わかつてない人
が多い.
何故ハザードを見なければいけないかというと,あり得ないような高濃度でハザードを掴ん
だ上で,用量相関反応があるか,関値があるかを確認する.闘値以下であれば,悪影響も影響
も無いはずだ、というのは大前提なんです.それに対して, よく調べてみると,同じ晴乳類でも
感受性が違うことは結構あって,その中で感受性が高いものを調べて,なおかつヒトが一番感
S
F
) は,種差 1
0,個体差 1
0と考えて大体 1
0
0ですが,一番感
受性が高いと考えて,安全係数 (
F= 1
0
0で、割って, ADIあるいは aR
f
D
注 1) を決めていま
受性が高かった動物の無毒性量の値を S
す. ヒトにあてはめる過程がリスクアセスメントで,端的に言うとこの SFを決める過程がリ
スクアセスメントです.その意味で
評価対象化合物というのがもう一つ重要です.暴露を考
えないリスクアセスメントというのはあり得ないわけです. どうも委員の中にはここの諸事情
がよく理解できていない人がいて,後程詳しく話をしますけど,ハザードの方に振られて議論
をする人がいて非常に困っています.
脇にベストサイエンスとポリシーと書きました.動物実験ではハザードの関係でどこまでの
評価をするかというと
て評価します
「現代の最善の科学的知見」という意味でのベストサイエンスを用い
データが足りない場合等には,
r
ポリシー」を用いて安全の側に立った判断を
します.実際には,その聞にデータギャップを埋めるような努力をはじめ,様々なことをしな
くてはいけないと思います.いずれにしても,ここで SFということを考えると,必ずポリ
シーの匂いがすることになります
これについても,後程話をしますから,是非帰ってからよ
く考えていただきたいと思います.ここの問題では
ポジティブリストになったために一律基
準というややこしい問題が生じています.これについても実は非常に大きな問題点があります.
誤解なのか日本の法制上やむを得ない話なのか,いずれにしても海外のコンセンサスとは非常
に大きな隔たりがある部分があります
そのために,シジミの問題とか飼料米の問題とか複雑
な問題が起きていることは事実です
※講演当日の時間の都合上、 S
l
i
d
e
1
7以降の講演内容については概略のみの説明となった。
後日開催された安評センター内講演会における詳細な講演内容を次頁以下に追加す る
。
3
9
農薬のリスクアセスメントと毒作用メカニズム研究
講演
「農薬のリスクアセスメントと毒作用メカニズム研究」
鈴木勝士
日本獣医生命科学大学獣医生理学名誉教授
農学博士
S
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e1
第1
7回安評センター学術講演会では 3つの大きなテーマのうち、公衆衛生と獣医の話に力を
入れすぎて後の 2つの話を飛ばしてしまいましたので
今日は、後半の話をさせていただきま
す.
リスクアセスメントの原則とプロセス
ハザードアイデンティフィケーション
高濃度でのハザード
t
.
s,
M
f
tjJu
評価対象化合物、人への外挿、 SF、
リスクマネジメント
・
・
ポリシー -
i'il:l1、一律基準
1
リスクコミュニケーション
S
l
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.
ー一一一一一ー ・
用量反応関係、闇値
40
h
ベス 円圃圃且 .
~サマ ェ フ ス 1
ハザードキャラクタライゼーション
リスクアセスメント
・ ・
1
可
・
・v ・
4
・
・
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1
6
番目まで飛ばして下さい.ここには
リスクアセスメントの原則とそのプロセスについて
の原則的な内容が書かれておりますが,ここをあまり詳しく話しても仕方がないと思います
しかし前回の学術講演会に参加されていなかった方々もいらっしゃると聞いておりますので,
若干触れておきたいと思います
手順としてまず,ハザードとリスクをきっちりと区別しなけ
ればならないということがあります.リスクアセスメントというのは
何をその評価の対象と
するか,例えば親化合物とその代謝物というような話ですが,何を対象とするかを明確に決め
て,それをヒトに外挿していくのが原則となります.その際に安全係数
(
S
F
),安全基準とし
て一日摂取許容量 (ADI),これは慢性影響の話で,急性の場合は急性参照用量 (
aR
f
D
)
注1) 等
の基準を決めることです. リスクアセスメントをどういう手順で実施するかというと,まず,
非常に高用量でハザードとして起こりうる危険をとらえなければならず,それを同定あるいは
確認する作業が最初にあり,その用量を変えていった場合に,徐々に反応が低下して,やがて
は闘値に達するということを確認します. この過程がキャラクタライゼーションで,それに基
づいてリスクアセスメントを行います.物質によって非常に様々な実験が数多く実施され,そ
の中で最も低い闇値を基にしてヒトに外挿するということになります.その基準を基に,農薬
の場合ですと残留基準 (MRL) が決まってまいります
リスクマネージメントのところでは,
残留レベルを監視する等の様々な仕事が出てくるわけで, リスクアセスメントの基準を作る際
に最も重要なのはハザードアイデンテイフィケーションの過程で,ここでは実際に動物実験に
よりデータを採るということになります. これらの過程には,様々な人が関与するわけでア
セスメントをする人,マネージメントをする人,消費者を含めて一緒にコミュニケーションを
しないとリスクに対して充分な対応ができないということにもなります.基準を決める際には,
後にも出てきますが,当代の最善の科学的な知見に基づいて仕事をすることになっております
が,これがなかなか難しい問題です
時には決着がつかない場合が出てきます.そのような場
合には,ある程度ポリシーに基づいて判断がされます
一応このような原則であることは皆様もご存知だと思いますが,具体的に,例えばハザード
キャラクターライゼーションはどのようなことを行うかという話になると,専門家の方々が,
意外に理解していなくて
時折混乱を生ずることがあります.
S
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4
1
農薬のリスクアセスメントと毒作用メカニズム研究
関値の話のところで結構問題があるかも知れません闇値の話は,パラケルススが提唱して
以来,この分野での金科玉条となっております.毒は最初から毒だと決まっているわけで、はな
,
く どんなに毒作用を示すものも,非常に濃度を薄くしていけば毒作用は示さなくなるという
ことで,要するに服用量によって作用が分かれるということです.これは当たり前のことと思
われますが,なかなか理解されておらず,非常に強い毒性が,非常に高い濃度で現れた場合に
も,ヒトに投与するとあたかも全て強い毒性が生ずるかのように一部マスコミや一部学者が宣
伝するものですから困ったものだと思います.一方で、,ビタミン A等では最適用量があり,不
足しでも過剰になっても異常が現れるようなケースもあり
そう簡単な話ではありません
i
リスクアセッサーの責任
・ハザードアイデンティフィケーション/キャラクタライ
ゼーション
当代の最善の科学的知見に基づく判断
・判断不能の場合のリスクアセスメント
安全サイドから判断というポリシー
・判断の過誤が後に判明した場合
ベストサイエンスでの判断であれば
│
l
│
│
l
l
l
S
l
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これも割りとわかっていないヒトが多く問題ですが,ベストサイエンスとはいったい何か?
t
a
t
eo
ft
h
ea
r
to
ft
h
es
c
i
e
nc
e
J 最先端の科学がベス トサ イエンスだと
ということです. IThes
勘違いされているヒトがおられます.環境ホルモンを研究しておられるヒトの中に時々見られ
ます.ベストサイエンスとは
再現性が問題なく確認される部分のサイエンスをいいます.当
代の最善の科学的知見とは そういう意味です .それを行うのは動物実験のところですし,ハ
ザードアイデンテイフィケーションの話です.決着がつかない場合,判断がつかない場合に,
初めてポリシーが入り,安全サイドに立って判断をすることになります.これは, リスクがあ
ると結論された場合に問題を放置するわけには行かないからです.実際上は,その後に判断が
間違っていたことが明らかになった場合にも
リスクアセッサーの責任は間われないことに
なっています.当たり前ですね.ただしこれには条件があります
したのであればという条件です.責任を問われるようであれば
ベストサイエンスで判断
誰がリスクアセスメントを行
うでしょう?ということになりますしもう一つは安全サイドに立って判断し ているので,お
そらくは問題は起こらないという考え方があります. しかしリスクアセッサ}の責任が問わ
れないことをわからずに, リスクアセッサーをやっている方が私たちの身の回りに結構おり,
ピピって私は判断ができないという方がおりますが
て欲しいと思います
4
2
そういう方にはリスクアセッサーを止め
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S
l
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皆さんはおそらく医薬も扱っておられるし,農薬も扱っておられるということですが, リス
クアセスメン トは このカテゴ リー によって若干違いますという話です.それは,どういう暴露
条件で リスクを考えるかによって違ってき ます.医薬の場合は
題の解決について,医師が責任を持って処方するという点で
特定のヒ トの病気等の健康問
たとえ副作用があったとしても
医師が正しく対応できるということです.病気が治るというメリットに比べればデメリットが
多少あったとしても,やはりメ リッ トをとるべきだという考え方があり ますので,ザックパラ
ンに 申し上げて医薬のハザー ドアイデンテイフィケーションは
農薬に比べると甘いといえま
す.メカニズムで補うという考え方がありますが,その説明にもしかすると間違いがあるかも
知れません
農薬は,不特定多数が非意図的な,非選択的な暴露を受ける
摂りたいと思っているわけではないが
要するに自分では
農薬の暴露を受けていない食品を選ぶことが不可能な
状況で,低濃度長期間暴露を受けるということですこういう状況ですから,考えられるあり
とあらゆることについてハザー ドアイデンティフィケーションから始めて リスクアセスメント
をやらざるを得ないということで,先程の原則 に則 ったガイドラインができております.その
意味で農薬は, リスクアセスメン トの優等生と言えます. したがって ,農薬あるいは食品添加
物があたかも毒であるようなマスコミからの攻勢を受けたり
種々の団体からの誤った情報が
流れるのは残念な ことです.特に農薬の開発やデータを作成しておられる方には是非確信を
持っていただいて ,誇りを持って仕事をしていただきたいと願っております
4
3
農薬のリスクアセスメントと毒作用メカニズム研究
農薬評価の内容 l
圃
多
面
的
評
価・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・.
. 物化性・代謝動物・植物
. 毒性 :
短期(刺激性、感作性)・長期・発癌・
.
変異原性・世代試験・発生毒性・神経毒性・
.
環鏡毒性・一般薬理・・・多種の動物
. 環境影響土壌・水中・光分解・残留性・生物濃縮・
・
.
.
.
.
野生/有用生物
.
.ガイドラインの特徴 .ハザードを示す用 量 と闘用 量 .
~II"""""""""""".
安全係数
.
評
価
対
象
化
合
物
、
r
.
i
m
m
町
[
!
)
]
、 aRfD
S
l
i
d
e20
農薬では非常に多面的な評価が行われています
物化性から始まって,代謝,短期・長期毒
性,発がん性,それから,日本では一般薬理試験も行われており,使用する動物も 1種ではな
く通常複数の動物が使用されています
ています
環境影響についても調べなければならないことになっ
一番大きな 問題は,ハザー ドを示す用量と闘用量が,両方きちっとデー タとして示
されることがガ イド ラインの中に条件として記載されています
安全係数は,通常 1
0
0となっ
ていますが,これだ、け多種の試験を行っていますので,全て試験データが揃っていれば,追加
の安全係数を掛ける必要はないといえるでしょう.実際上は, リスクアセスメン トの中で評価
対象化合物 を決定することも,実は重要な ことです食品安全基本法では,基準を定めること
になっておりますが. ADIとも. aR
fDとも言及していないため ,二っとも決定してよいこと
になります. し か し 急性参照用量は今まであ まり経験がないので,物議をかもし出す可能性
はあります
S
l
i
d
e2
1
4
4
(財)安評センター研究所報第2
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0
1
0
一般のヒトによく理解されず,また,専門家があまりよく理解していない話が,この図の話
です.この S字状カーブが毒性試験によって 何種類もデータが得られ,それから無毒性量
(NOAEL) が必ず求めることになっております 一番強い毒性が現れるのは,この図では
1
0.
0
0
0ppmで,混餌経口投与していますから,薬物摂取量としてほぼ 1
.000mg/kgl日となり
が3
0
0ppm だとすると,薬物摂取量は 30mg/
kgl日となり,こ
ます この場合仮に .NOAEL
れより低い濃度では,全く影響がないという話です これが,様々な試験データの中で最も低
い値だったとすれば,十分な知見が得られているとして安全係数 1
0
0を採用すると ADIは0.
3
mg/kgl日と計算できます.今,体重 50kgのヒトが 2kgのごはんやおかずを摂ったと仮定し
.
3mg
/
kg
l日から計算すると. 7
5ppmとなります.実際はこ
て,実際上の食物中濃度を ADI 0
ELを比較しても 4倍ぐらいで問題ないし. LOAELであ
れが摂取許容量です.この値と NOA
ればさらに安全ということになります.動物で、影響がで、
なかったのであれば, ヒトでも同様の
話で影響がないのは当然だということです.実際の残留基準 (MR
L)はフードファクターを
掛けるので,さらに低く 5ppm
前後となり. ADIよりも現実の暴露はさらに低いはずです 一
.0
1ppmで、
すが,実際の暴露はさらにもっと低いことになりますので, もし仮にこれ
律基準は 0
らの基準が決められていれば,この基準を多少超えたとしてもほとんど問題ないということで
す.一律基準は 0.
0
1ppmで、
すから体重あたりの薬物摂取量は 4μg/
kgl日となり,この値を
NOAELと比較するととんでもな く大きな聞きがあることがおわかりいただけると思います
大抵は,具体的な数値のない図で説明される方が多いので,具体的にどうなのかがわかり難い
のですが,このように数値を入れると良くおわかりいただけると思います.いかに安全なレベ
Lは生物学的反応でいうと閲値と いえます その闘
ルにあるかということです.また NOAE
値以下で何かの影響が起こることはありえないという考え方に従って我々は仕事をしています
S
l
i
d
e22
安全係数には何故 1
0
0かという話がついて 回 ります
一応様々なデータがある場合 に
, これ
0として,それを掛け合わ
でヒトに外挿すれば大丈夫ということですが種差lOおよび個体差 1
0
0としています.最小の NOAELに1
/1
0
0を掛けて慢性の参照量 ADIを求めます.充分な
せて 1
データがあれば,基本的には追加の安全係数は必要ありません
しっかり闇値が確認されてい
4
5
農薬のリスクアセスメントと毒作用メカニズム研究
れば,追加の安全係数は必要ないのですが,種々のところで¥がんとかハザードの程度を勘案
して,
2~ 1O倍の追加の安全係数を掛けるといわれてい ま すが,ある意味非常にナンセンスな
部分があり ます.今後の科学の進歩等により 正 していかなければならないところだと思います
良く言われているのは,がんの問題や不可逆的な影響すなわち奇形や生殖影響です.生殖影響
に関し,今アメ リカでは I
d
e
v
el
o
pme
n
t
a
ln
eu
ro
t
o
x
i
c
i
t
yJ発達神経毒性が問題となっています
Fo
odQua
l
i
t
yPr
o
t
e
c
t
i
onA
c
t
J という法律上の問題で,科学的な根拠はあまりあ
が,これは, I
りません. これらをあまり大々的に取り上げて仕事をすると,後の世の中で全く役に立たな
かった という ことが,まま起きるのではないかと思われます
S
l
i
d
e23
ダイオキシンに関する基準の話です.動物実験を種々行った結果,死亡の面からモルモット
/1
0
0を掛けて環境中の基準は,体
が最も感受性が高いことが明らかになり,それを基に SF1
内負荷の基準約 1
0
ng/kgに関連した値になります. これを環境中濃度と 比較すると環境中濃度
の方が高くなって,あたかも健康影響がでるのではという心配がでできます. し か し 現 実 に
はヒトに対してダイオキシンによる影響があったという事例はなく,これをダイオキシンパラ
ドックスと 呼んでいます.実質的には生死あるいは繁殖に関する問題で多少違いますが,感受
性の差が動物種ごとにスライドに示したように大きな差があります.モルモットとラットで約
1
0
0
倍,ラッ トとハムスターで約 1
0
0
倍,ハムスターとヒ トで約 1
0
0
倍,つまり, ヒ トではモル
0
0
万倍感受性が鈍いのです.鈍いヒ トへの影響を評価するのに, 一番
モットに比較すると約 1
0
0を掛けて計算すれば矛盾の起きるのは当然のこ
感受性の高い動物の数値を使ってさらに1/1
とです. ダイオキシンの特異的受容体 (Ah受容体)の遺伝子解析により, ヒ トでは 3
'末端が
壊れていてうまく作動せず、その結果感受性が低いことが説明されています.それからすると
ダイオキシンは猛毒であるという考え方をどこかで正していかないと経済的に非常に損失を被
ることになります.いずれにしても,ダイオキシンの受容体が現実に遺伝子の中にあるという
ことなので,何かヒ トが作った最高の毒物という考え方は、進化史の中で人類が出てきた後に
受容体ができたわけで、はないことからすると,話が合わないのです.ダイオキシンは天然にい
くらでもあったのです. これが薬物代謝の中で重要な役割を,進化の中で重要な役割を果たし
4
6
(財)安評センター研究所報
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1
0
ていました .受容体はシロイヌナズナという植物からほとんど全ての動物にありました.ダイ
オキシンに関する猛毒説、何かこれ間違っていますねこの話が,早く市民権を得て欲しいと
思います
安全係数 (SF)2
生理的条件(年齢、性、生殖ステジ)以外
-感受性の差
高感受性の個体(発現頻度による)
多数派での一般基準
少数派にリスクの周知・・・個人の責任でリ
スクを回避
-遺伝的背景
~糖タンパク /MDRl など
S
l
i
d
e24
安全性を考える上で,こんなことも考える必要があるということです
いわゆる生理的条件
の他 に非常に感受性差がある場合をどう扱うかですが,少数派のヒトたちを基準にリスクを取
り扱う形にすると経済が成り立たない場合が多いので,少数派の人々にリスクを周知徹底させ
て,申し訳ないが個人の責任でリスク回避できるようにしていきましようと周知徹底させるの
が非常に重要な話です.感受性に関連して遺伝的背景というものがあって
ABCp
糖タンパ
受容体キャリアータンパク質等に種差,個体差があるということで感受性が非常
ク質 /MDRl
に高くなることが知られており, リスクアセスメント 上重要な話です
S
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e25
4
7
農薬のリスクアセスメントと毒作用メカニズム研究
トキシコダイナミクス (TD) と トキシコキネテイクス (
TK) をイ吏って SFを割り振ろうと
いう考え方がFAO/W
HO合同残留農薬専門家会議(JMPR) で提唱されており,食品安全委員
会(食安委)でもその話で、緊急に報告書が上がってきています.代謝のデータが種差や個体差
を一般化できるだけ充分あるわけで、はなく,毒性データに関してもデータギャップがかなりの
問題であります.農薬といえどもこの話を裏付けるだけ充分なデータがありません.ですから
この振り分けの考え方は非常に観念的な考え方で
科学的な証拠はあまりないような考えです.
その他に,構造活性相関による裏づけみたいなものも必要ですし現状では日本の場合この辺
の指針ができる話にはならないと思います
ポジティブリスト制への移行
安全性の担保はポジティブリスト制の方が高い?
全ての農薬の基準があるから?
落とし穴・・・作物ごとの登録、適用作物以外の
作物での汚染
食物以外の曝露起源
ポジティブ、
リスト制の国.
S
l
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d
e26
ポジテイブリスト制に変わったので
いろいろな問題が起こっています
ポジティブリスト
大歓迎という話がありますが,それは安全性の担保が高いからということです.全ての農薬に
ついて基準があるからということですが,果たしてそうでしょうか?
S
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e27
4
8
(
財)
安評セ ンタ ー研究所報
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1
0
従来(ネガテイブ リス ト制)は,基準のある農薬が少なく,基準を超えたら流通・販売禁止
ですが,基準のないものは全てスルーされてい ました.ポジテイブリス ト制にすると,全ての
ものについて リス ト化 し,基準を作る ことになり ます
一律基準として決めなければいけない
ものもあるし,毒性の恐れのないものについては基準がないのですが 一応全て リス トに挙げ
られます.基準以下であれば認めるということで 数からみても圧倒的に安全だ、ろうというこ
とです
S
l
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d
e28
私は,この話があった時,ほとんどの先進国がポジテイブ リスト制だろうと勘違いしていま
7年に厚生労働省の関係者が食安委で説明された表ですので,現実には大分
し た こ れ は 平 成1
違うところがあるとは思います.韓国,台湾辺りがポジティブ リスト 化 されていると思います
が,これにはいくつかうそがある.アメリカの話が載っていますが,一律基準を見た時,何故
だかわかりませんが, 0
.
01~O.1 ppmという幅があるので,エ ッと思いました.後で確かめて
みたら ,アメリカは制度上はネガティブ リス ト制 で
, 0.
0
1とか 0.
1ppmというのは実は ,農薬
が使われていないのに検出された場合の基準であって
0.
1ppmは農薬が使われて ADIが決め
られている場合の数値であったようです.ポジテイブリスト制が使用されているのは 3カ国程
度しかなかったということです
ネガテイブリス ト制でも実は安全性が担保されていたという
ことで,それでは何故ポジテイブリス ト制にしないといけないのつ一律基準はそもそも何な
の?ということが充分見えないままポジテイブ リス ト制が導入されたということです.
4
9
農薬のリ スクアセスメントと毒作用 メカニ ズム研究
ポジティブリスト・・-ああかんちがいl
-欧米先進諸国は皆ポジティブリスト制を施行
3カ国のみ ー
米国はネガティブリスト市
1
.適用作物以外の作物(食品)での検出/安全性を一律 1
基準で規定
l
GAPからの逸脱の指標・・・イエローカード
安全性の指標ではない
・安全性については急性参照量との比較が合理的
・ネガティブリスト制での残留農薬の事故は皆無
・シジミ問題、飼料作物問題
1
1
l
1
1
S
l
i
d
e29
一律基準は,実は農業生産工程管理 (
G
o
o
dAgr
i
c
u
l
t
u
r
a
lP
r
a
c
t
i
c
e,GAP) からの逸脱した
指標でしかなかったのです.この基準を超えたからといって危険である
という指標ではありませんでした.従って,
安全性が保たれない
ドイツではイエローカードしか発行していないし,
作物毎に安全かどうかを考えて流通させています
日本は食品衛生法によって対処しており,
基準を超えると危険であるということになります.これは間違いです.論理的に正しいのは,
急性参照量と 比較することで
慢性参照量と比較してはいけませんいずれにしても過去の例
をみると,ネガティブリスト制で残留農薬の事故は l件もありません.シジミ問題や飼料作物
の問題等はこのように考えていくと一気に解決できる問題です.法律自体に矛盾があるのです
Sl
i
de30
シジミ問題でいろいろ言われていますが
シジミに農薬を蒔 く話ではないので考える必要は
なかったのです.ポジティブリスト制にしたために問題となって困った事例です
5
0
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1
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S
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e31
シジミから農薬が検出されたいくつかの事例と新聞報道です
魚介類における残留農薬基準 l
魚介類における最大推定残留値=
環境中の予測濃度lI!l生物濃縮係数勺~種差)
叫ー農薬取締法に基づく水産勤植物の被害防止に係る農薬登録
保留基準の設定における規定に準拠
*2ー生物濃縮係数は原買1として実測値を用いる 。
実測値がない場合は次式で算出
W ttM
i
t
l*l.';
日
・
・
・
.
I
"
f
4
.
.
平成 1
9年度厚生労倒科学研究
f魚介類への桟留基準の設定法 j
.
.
.
より に.
S
l
i
d
e32
データがなかったので
どうやって評価し ょうかということになって
厚労省の科研費を立
てて研究し魚介類における最大推定残留値を求めるこの公式を提唱しこれに則って評価し
ましようということですが どこまで本当で、しょうか?よくわかりません しかし,一応基準
だということにしてあります.全体的にいうと脂溶性の高いものはやはり生物濃縮係数や土壌
残留も高くなりますという一般原則はあります.このように大変なことをしなければ, 上手く
いかないということです.
5
1
農薬のリスクアセスメントと毒作用メカニズム研究
S
l
i
d
e33
飼料米の問題が現在浮上しています.我々が食べているのは可食部ですが,これを牛に食べ
させて,その肉をヒトが食べます.葉なと守の非食用部に残っている残留物や代謝物がどういう
毒性を持つのかは,今まで全くデータがないので,これを考えていかなければならないという
ことです.これはなかなか難しい問題で¥一応我々も葉を食べるということであれば,親化合
以上の代謝物が残留する場合には評価対象としなければならないということができる
物の 10%
のですが-s_牛を経由するとなるとややこしいことになり
今いろいろと問題が出始めてい
ます
一律基準 O.01ppm
-ポジティブリスト制では不可避的な基準
.
・リスト掲載→残留レベルの検査は義務 (
全食品 )
・非適用作物 (
食物)で検出された場合
.
→違法使用
.
→ドリフト→一律基準 (
適用作物より低濃度のはず)
シジミ (
水産 物の代表)水産 I:l;[ii]、生物濃縮
.
飼料作物 (
穀粒と稲わら)ー
代謝物の相違→動物残留.
→評価対象化合物
.
・基準越え/食品衛生法の適用→安全性の基準
.
移動、保存、流通禁止→廃棄
.
S
l
i
d
e34
いずれにしてもこういう様々な問題が生じていますが,最初理解できなくて,一律基準とい
う形で,要するに作物毎に基準を作られていますので,例えばドリフトのような場合に検出さ
れるそばから,即廃棄ということになるので,
しょうがないということです.予想していな
かったシジミだとか飼料作物だとかの話になってきます.動物残留を考えた場合にも,代謝の
5
2
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1
0
データや仮に大量に残留するような場合には毒性データが必要となり,非常に煩雑にな りつつ
あります.現実には,法律を改正しなければ困る問題もあります.今基準を超えると,食品衛
生法の適用を受けることになり,これは安全性の基準ですから,超えた場合に,食用としては
移動も,保存も,流通も全部禁止して廃棄しかできないことになります 一律基準は安全性の
基準ではないということを明確にすべく法を改正しないと対応できません
一律基準越えの安全性 目
ド
安全性は安全基準と比較すべき
正 し 吋 … 幽 国
一律基準そのものが安全性の基準ではない
1
農薬ごとにr.:.
m を設定している
1
→適用作物の l ~td;l . 'I.lig!JIiW通常の場合 )
比較すべきa町Dが設定されていれば
1
一律基準WiT!l叩でも安全性は担保可能
l
法改正が必要
l
一律基準越えの安全性を担保するには aRIDの設定が1
不可欠である→廃棄は不必要
1
S
l
i
d
e35
これは繰り返しになりますが 最終的に急性参照量を設定した上で対応できるという話です
後でまた出てきます.この辺りは詳しくお話しませんが,少なくとも一律基準は,各国が言っ
ているように, GAPを逸脱したかどうかの基準であって,安全性の基準ではない ということ
をまず全体的に理解することが重要です
S
l
i
d
e36
5
3
農薬の リス クアセス メン トと 毒作用 メカニ ズム研究
農薬産業界では,全体で 3
6
0
剤を 5年間で評価しなければならないのですが, 2
0
0
7あるいは
2
0
0
8
年からポジテイブ リス トが導入されて以来, 多 くの剤が評価 されていますが,現在 トー タ
20
剤 ぐらい評価できました しかし 3
6
0と比べるとまだまだたくさん残っています
ルで2
S
l
i
d
e37
ADIの設定根拠となったのは ,慢性毒性試験ばかりではな く,様 々な毒性試験が根拠とな っ
ています.イヌの慢性毒性試験やマウスの発がん性試験とかは,世界的にも動物保護の観点か
ら不必要だというヒ トがいますが,この ように実際根拠として使われているので,簡単にこれ
らの試験が必要ないとは言 えないというのが私たちの見解です
拠
﹂
ル 一
一
一
一
罰鼠一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
│2試 験 1
"ピヲロ
ク ストロ""1
│2試 験炉 ピフヱナゼー ト│
│2試 験料 ペノキススラム│
│2試験│刷 シヱノピラ
フ xン│
フ zン│
│3試 験 141 キノキシ
帯軍一
血
恒
一
た一
司.一
品弘一
申庄一
根一
の一
Am-
験一
e
試一
AM
一
一
也候一
品銀一
一
一
一
一
JE
n
u-- 一
-
r
l
i
l設定根拠になった試験
2
0 クロ
ルピリホ
ス│
│4試 段 1
S
l
i
d
e38
二つ以上の試験がADI設定の根拠となっている場合もかなりあります.一つだけではな く,
同じ NOAELが別の試験でも得られているということです.
5
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0
.
l
孝
ーョ
一・
・
・
・
一一 二
同 酌百
樋 l'ItJ~1;・宣
E明白~I,
長 ヨ・・・
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rb 言一ー・・・・
農薬名
ISF 1
│ジクロトホス
I3
0
0
1
インドキサカルブ│
I2
0
0
1
ジクロルミド
│
13
0
0
1
│ヨウ化メチ)(.,
1
1
0
0
0
1
S
l
i
d
e39
SFについて,農薬の場合はほとんどデータがあるから 1
0
0でいいということになりますが,
実際にはデータギャップがあって, ヨウ化メチルは基本的に気体で,これを農薬的にどう評価
するのということです.データが全く不足しているので. 1
0
0
0をSFとしています.私たちは
そこまで見ている証拠です
S
l
i
d
e40
急性参照量です.メタミドホスという中国ギョーザ事件が契機でした
幹事会の議事録を見
ていただくと非常に興味深い議論がなされているのが確認できると思います. もう一つは,ネ
オニコチノイド系のアセタミプリドですが
群馬の青山先生という女医さんが騒いだために近
隣のヒトたちが迷惑をしているというので,代議士が君たちはこういう問題があるというのに
何 もしないのかと抗議に来られましたその後答 申がきて検討を行ったのですが,青 山先生と
は当時の補佐が良い関係を築いていて,先生が急性参照量ではなく,慢性参照量で比較してい
ろいろとご意見を述べられていたので.
I
それは違います.この場合には急性参照量で評価し
5
5
農薬のリスクアセスメン トと毒作用メカニズム研究
なければなりません」と説得してくれました
二つ目の急性参照量を設定した例です
すので問題はないのですが
メタミドホスは,アセフェートという剤の代謝物で
アセタミプリドについては非常に危慎をしておりました.なぜな
ら,急性参照量は慢性参照量と違つである特定の作物について基準が設定されます.これが適
用されて残留量がどの位といった形で評価します.その場合に非常にた くさん食べる場合と少
ない場合があり,たくさん食べた場合にどの位になるという形で基準を設定するわけですが,
そのデータに,慢性参照量 ADIを設定した時のデータベースが含まれているかどうか不安だ、っ
たので,設定したのはいいけれど実効性がないと困ると思っていました.これもやはり,厚生
省の科研費で研究班を作り
実際には人について個別の摂食量のデータがあるということに
なったので,急性参照量を設定しでも大丈夫ということになってほっとしました.これについ
ては,一律基準と食品衛生法の関係を変えないといけないといえます.ただ, 日本ではこの二
つだけに設定されているのみですが,世界各国では全ての剤について急性参照量を設定するこ
とを必要としていて,必要のないものについて除外するやり方で対応しております
S
l
i
d
e41
当時座長だ、った関係で,農薬専門調査会の最終目標をコメントしたものです.様々な議論が
あって,内部でその考え方は変じゃないかというような議論もしてきました.暴露評価につい
て,これはリスクアセスメントの範障から外れることであると堂々とおっしゃるヒトがいて,
そんな ことはない,世界的に暴露評価はリスクアセ スメン トを行 うヒトた ちが責任をもってや
る仕事ということになりました
5
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e42
何故メカニズム問題が大切なのかを話していきたいと思います.いろいろな経験,様々な農
薬においてどういうメカニズ、ムの問題があって,それがいったいリスクアセスメン トの上でど
ういう意味を持ったかですが,農薬の場合は,医薬と違ってメカニズムを解明しなければなら
ないとはガイドラインには書かれていません. しかし 農薬専 門調査会がガイドラインから 外
れてメカニズムを要求することは結構あります.そこを誤解されるとよくないので,どういう
場合に必要となり,どういう場合に役に立っかを明らかにしなければなり ません.結論から申
し上げると,闘値が存在することが,ガイドライン上の試験全部については当ては まらず,必
ずしも NOAELが全て求められているとは限りません.ある試験,
しかも長期の試験で
NOAELが求められていない場合 それが最も 小 さい NOAELを生ずる可能性があるとすると,
この長期試験はどうしますか?もう一度やり直しますか?ということになりかねないという話
で¥闘値を確認する場合が一つ
, もう一つは,最終的にリスクアセスメン トの仕事はヒ トに対
して当てはめた場合に安全かどうかを明らかにすることですから,実験データの 中で ラッ ト,
マウス,イヌ,その他の動物により感受性差が大きい場合に最も感受性の高い動物のデータを
使いますが, ヒ トは どの位の感受性かを考えた場合に,あまりにも感受性の高い動物のデータ
を用いても迷惑だという話があります.この辺りをよく見た上で,リスクアセスメントに反映
させましょう .この二つがポイントです
5
7
農薬のリスクアセスメントと毒作用メカニズム研究
係争事項/懸案事項 l
種差関係ベロキシソムプロリフγト 知
l
t
f
f
l
I
白
血
病
高チロシン血症
スキーム関係
r.:,n1l1~阻害
日I~J']
間~
日仲
真由~阻害
安全係数
エンドポイント
力
l
I
!
l
パ
マート
TK-TDへの振り分け
肝細胞肥末
αP1!Iグロブリン腎症
追加係数
肝醇素低下
ヱンドクリン問題極低用量認で~
鉱張Z
世代
法整備/法 改 正
一律基準
M 再評価
国際情勢
[
;
l
I
J
のハザドベスの収ヴ評価
~ジョイントレビュ ー
S
l
i
d
e43
係争というのは大げさなので,懸案事項と書き直しています
様々な過程があって,例えば
種差に関する問題では,ペルオキシゾーム増殖剤で大きな種差があることが知られております.
ラット等でこれを介した毒性が現れた場合には,ヒトには当てはまりません
ン腎症も雄ラット特有で、,
α2uグロプリ
LGL白血病は同じ名前でヒトにもあるが,ラットの中の特定の系統
で現れるものです.高チロシン血症は
4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ
(
4
H
P
P
D
) 阻害で発症します.動物の中でラットは非常に感受性が高く,低い濃度で白内障
等の影響が現れたりしますが,ヒ トでは感受性が高くありません.そのような状況の中で, ど
の程度リスクアセスメントに取り入れるかは外国と日本では大分違うという例です
スキーム関係では,
NOAELしか見つかっていなかった場合に ,ベンチマークドーズ注2) を
OAELを設定する例です. 日本の農薬ではまだその例はありません.一度使おうと
想定して N
したことはありましたが
クレームがついて話を濁したことがあり
まさしく係争中の問題で
す.がんの問題として Ql*という係数をアメリカで、使っていますが, 日本ではこの辺りが違い
ます. F
QPAは先程話しましたが,発達神経毒性に関係する話があります.これは法律ですが,
日本にはそんな法律がありません
これが必要かどうかという問い合わせをよく受けるのです
が,日本で登録する場合はこの試験が無くても全然問題ありません.アメリカに出して法律に
則ってデータを作成しであるというのであれば,提出していただければ私たちも評価しますが,
義務ではありません.ま た,法律にからんで
こんな問題があります.有機リンとかカーパ
メート剤で、 AchEの阻害に関連してカーパメート剤をどう考えるかというのがよく議論になり
ます
SFについては,先程お話したように, TKや TDへの振り分けの問題で,これが直ぐにでき
るかのような話がよくでます.その駆け引きのところでも,全ての化合物についてという話で
はな く,農薬で検証するということになるのですが,本当に検証したのかどうか疑問だという
話になるのですが,私がいなくなったのでその後どうなったのか,少し興味があります.追加
の係数に関して,ハザードの程度によって追加の係数を掛けなければいけないというのは誤っ
た考え方で,闇値があるかどうか,データギャップがあるかどうかというところにスタンデイ
ングポイントを置かないといけないと思います
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8
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1
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毒性のエンドポイントで,結構議論となる部分があります.私たちとしても最も悩ましいの
が,肝細胞肥大,肝重量増加が毒性なのか適応なのかということです.また,血清の酵素をみ
た時に,肝酵素が低下した場合に悪影響とみるのかどうかが結構議論となることがあります
農薬専門調査会ではあまり問題にならなかったのですが
ピスフェノール Aの例では内分泌撹
乱問題があり,結構悩ましい思いをしております.先程お話した最先端の科学を主張するヒト
たちの聞では極低用量影響といって,関値以下で悪影響があるかのような話をするヒトがいま
すこれが問題になって,発達神経毒性とか拡張 2世代の話とかになって,こういうデータが必
要だ,いやそうではないという議論が世界的に行われて,まだ最終的な結論がでておりません
法整備の問題も先程お話したように一律基準の問題があることは事実です.農薬の場合, 日
本では少し遅れている部分がありまして原体 AIの再評価が行われていません今,ポジテイ
ブリストがあって,再評価されており
日本の農薬行政の中で初めて再評価されています.こ
れが済むと原体は二度と評価されないかも知れず,これはまずいことです.世界各国では例え
0
年毎に見直されています.これでも決して充分とはいえない部分があって,学問の進歩を
ば1
考えると絶対再評価すべきです
そうすることが,実は皆さんの仕事の確保にもつながります
年毎に必ず見直すことになると,試験をやり直す部分がでてくるわけで,それ
当然ですが .10
は単に儲けの話ではなく,国民の安全性を担保するために絶対必要で,農水の対応を変更する,
法律を変える必要があると思います.今は,製剤の再評価を行っていますが,製剤を再評価し
ても仕方が無いと思います.原体では一度登録すると
もうその必要がないという考え方です
が,それはないと思います
次に国際情勢の中で非常に悩ましいことが二つあります.一つはヨーロッパ,特にドイツの
グリーンピースのヒトたちが言いたい放題言って現実に書いていますが, リスクアセスメント
はリスクアセスメントで,ハザードベースで彼らはリスクアセスメントを行うということです
高濃度で発がん性があればその旨記載しなさい,催奇形性があればその旨ラベルに書きなさい
そこのところで,安全基準はどうなりますか?という話があって,何かをやったとしても,一
般使用者が使わなくなって
スでリスク評価を行う場合に
意図的に使える農薬を減らそうとしています.このハザードベー
用量の問題をキチンとしないと話にならないということが理解
されていないと困ります.こういう考え方を消費者運動を行っているヒ トやいろいろなところ
が逆輸入して, 日本の農薬の評価は非常に甘いという議論を平気で、しています.その辺り非常
に大きな問題になると思われます.水面下で、聞いた話で、すと,イタリアではすでにダニ剤が払
底しています.種類が足りなくなり
とです.今年の夏には
関
抵抗性のダニが出てきてしまって効く剤がないというこ
作物に大被害がでると予想されているようです.国際連合食料農業機
(
F
A
O
) では勧告したということですが,無視されているようです.こういう話は,いず
れかの所で問題が起きて決着が着くとは思いますが,あらかじめ私たちも監視しないといけな
いと思います
OECDでグローバルな登録を推進しようとして,ジョイントレビューが行われており,私た
ちも少し関与しているのですが,おそらく 1回関与しただけで. 2
. 3回目には参加できない
かもしれません.この話では 世界的な問題 話し出すとややこしい問題をたくさん含んで、い
ますが,日本は少し遅れをとっているということです.細かい話に興味がある方がいればまた,
別の機会に話をしたいと思います.いずれにしても様々なカテゴリーに具体的な問題がたくさ
んあります
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農薬のリスクアセスメントと毒作用メカニズム研究
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メカニズ、ムは何故必要か?そもそもメカニズムって何かというところで,スキームを作って
みましたが,意外に今までこういう話がなかったみたいで,大事なお話です.因果関係という
言葉がいろいろなところで出てきます.まず
因果関係については
ハザードが剤によって生
ずることを証明しなければなりません証明法は科学論的にいうと相関の法則を使います.用
量反応相聞があれば因果関係があるということですが,これはあまりにも心もとなくて,最近
では,遺伝子ノックアウト動物で機能が消失します.消えたものがノックアウ トした遺伝子の
機能で,機能消失の証拠です.次に,その動物に消失した遺伝子をもう一度ノックインしてト
ランスジ、
エ ニ ックを作ると機能を新たに獲得します.獲得されたものは
確かに導入したもの
の結果です.相関,機能消失,機能獲得,この順番で証拠能力が高いといわれています.今,
私たちがやっているのは
まだ相関のレベルの話だということです
何故因果関係が問題かというと,因果関係があれば再現性があるという話になるからです
また,因果関係があれば必ず原因があるということですが,これは少しややこし くて, 因果関
係なのに確率が関与する場合があります.つまり, 50%の確率で起こる ,25%の確率で起こる
という話が何故か因果関係はあったとしでもあるということになります. これは遺伝の話を考
えていただくとよくわかると思います. これをある条件で考えますと,実際に起こった現象が
薬物に誘発されて起こったのか, もともとあった突然変異の自然発生で起こったのかを解決し
なければ答えがでません.それを想定すると,相関証明法以外のもう一つの方法として,帰納
法という洗いざらい, とにかくしらみつぶしにデータを調べていって例外がないから法則であ
り,因果関係があるという考え方と演鐸法といって原理があり,それに基づくと法則に合わな
いから例外といういわゆる賢いヒトの考え方の二つがあって,誘発か自然発生かの問題にまず
対応しようとします.この中で一番難しいのが遺伝毒性発がん物質に闘値がないという仮説で
す
本当かどうかということで,ここは演鐸法を用いて検討しました
帰納法で検討すると,
多分どこかで外れてしまいます.これを解決するためには,発がん遺伝子と抑制遺伝子の関係
であるとか, 1
0
8
8o
fhe
t
e
r
o
z
y
g
0
8i
t
y(
LOH)
注3
) といってがん抑制遺伝子の中の多型が崩れると
がんになるとか, ヒ ト化実験動物を使ってヒトの反応を推測する等の手法が有効といわれてい
ます.本当に本当?帰納法的な問題とかあるいは確率論的な問題とかをよく考えてみないとい
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けません 誘発か自然発生かの問題はがんばかりではなく,奇形の場合にもいえることで,こ
の場合にはハーデイワインパーグの法則注4) とリッター効果ということで,確率論的に見分け
る方法を編み出してあります.おそらく,がんの話でも,がんに遺伝的背景があり, 自然発生
と誘発性のものが見分けられるという話がやがては出てくると思います
実際上リスクの話というのは,関値がある場合に
これを下回れば安全だという考え方です
が,ここには様々な雑音が入っておりまして,例えば,奇形は不可逆的な変化だからもともと関
値がなく,従って,起こったら元にはもどらないのではという考え方ですが,これも発生過程を
考えれば闘値はあるという考え方が結構あります.また,子供の感受性が高いのではという話
がまことしやかに言われる場合があり,繁殖試験において親の一般毒性より低い用量で子供に
影響がでるというのですが,実は子供がどの位薬物を摂取しているかが測定されていないので,
まやかしの部分が結構あります.そこから実際に計算してみると子供の感受性が高いとばかり
いえないという事例がでてきます.動物実験からヒトへの外挿のところで¥先程お話したダイ
オキシンパラドックスの問題や PPARα 等の問題で
実験動物の感受性が高す ぎてヒトに外挿
するには不適切だという場合に一律に S
FIOOを掛けるより,かえって,
もっと小さな係数を適
用した方が良いということも含めて,もう一度考え直した方がよいのではという全体像です
S
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メカニズ、ムの中でいろいろなレベルの実験が行われており,ポピュレーションで考える,個
体,器官あるいは細胞,最終的にはインシリコの例まで含めて,メカニズムを解明する場合に
この図の上から下への流れの中であれば
単純化する方向になるので極正当な合理的な考え方
ですが,今は,例えば再構成系のところで得られたデータを基に安全性を評価すると主張され
るヒ トがいます.これはある意味ありえない話で,おそらく発がんのところで,がん化し た細
胞が l個あったとしても
それが途中で様々な免疫的な攻撃を受けたり 何なりし,最終的に個
体のところでは影響がみられないということがあるはずですから,この部分で直ちに上の個体
レベルあるいはポピュレーションに反映するというのはありえないことです.従って,単純に
細かい最先端の科学的データを当てはめてメカニズムを論ずるということはしない方が良いし
それはそれとして,個体から下を考えてメカニズムを論じるというのが原則です
6
1
農薬のリスクアセスメントと毒作用メカニズム研究
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de46
これから先は少し経験的なメカニズムの事例をお話していきます
プ ロトポルフィリノーゲンオキ シダーゼ、)注5) という
プロトックス阻害剤です.これは PPO (
ポルフィリン代謝に係る酵素の阻害が起こります.植物の場合,最終的に葉緑素の合成が阻害
されますので除草剤として使われます
ーっの大きなカテゴリーの剤です.葉緑素と へムの構
造はよく似ており,ポルフイリン環の中心にマグネシウムが入ると葉緑素となりますし鉄が
入るとへム環になります.ヘム環はヘモグロビンだけではなく,チトクローム系等様々な呼吸
系酵素の中で使われており, ミオグロビンもこの構造を有しています.ヘム合成が阻害される
と貧血が起きて,非常に明確な毒性が現れます.この剤では胎児のヘモグロビンの合成低下が
起こることから,実際は心中隔欠損,室問孔閉鎖不全ですが,これが起きることが知られてお
ります
ヘモグロビ ンの低下と心臓拡張の話と機能的な問題も含めて住友さんでキ ッチ リした
仕事がな され,テラ トロジーという権威ある科学誌に報告されています
ところが,単なる閉
鎖不全の場合は生後回復し, もちろん閲値もあるので問題はないのですが,心中隔欠損は非常
に重篤な奇形であり,このような明らかな毒性は問題ではとコメントしたところ,非常に明確
なデータを提出していただきました.その上で,明らかな用量相闘があり,闘値が存在すると,
機能的な変化の他に電子顕微鏡所見を提出され,実際上は、病変がミトコンドリアの障害では
なく,代償性の肥大であると結論付けています.実際,プロトックス阻害剤についてこのこ
とを知っている会社の中には,非常に高用量の実験をして影響はなかったが,心臓については
非常に慎重に検査をして影響はなかったという報告を別につけてくる会社があります.これは
一つの確定された知見としてプロト ックス 阻害剤での奇形を考える場合には心臓への影響をキ
チンと調べるとょいということです.流れとしては. PPO酵素の阻害ですから反応に閲値が
0
0でよいというメカニズム解明の話の中で
あることが予想され,奇形があったとしても SFは1
の一つの事例だと思います
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mm 品 山
│
吃
古
川│
間皮肺
円上輸湾
}部(腫
ほ同激な
害 )体 ↓ 刺 線 の メ
限 量担 化 系 向 性 化
捌用収性殖一能性
組高吸下活増ス可活
川町肌鉄低的胞ウい
ニ貧の鉄償細マな系
ラ性部清 代 わ 朴 い 殖
メ日収血が泊じアて増
闘知竪鶴男怒航
馴一畑 円
静物功一醐 一
、
イ 勤 十 機 鉄 の 明m
.可 が 拭
..........
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..........
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..........
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..........
..
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w
..........
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..........
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..........
..腫 が Um全 ま
..........
. で量 制完以
..........
.剤 用 剤 は ズ
..........
..
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..........
.類 最 あ 機 カ
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・ る
瞳
ピ
・
・
--nHE
ストロビルリン系化合物による鉄欠乏 E
と十二指腸腫嬉
E
43
臨
a
闘
↓
序
機
右
揃
性
毒
伝
暗
S
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e47
ストロピルリン系,これもたくさん剤があります.十二指腸に腫蕩が発生する,また,明ら
かな貧血が発生するとの話があり,何故発生するのかメカニズムを解明するようコメントを 出
しました
私は胃からでる内因子が傷害されているのではと予想して,ビタミン B12が関与す
るメカニズムを考えていたのですが,当らなくて解明に結構時聞がかかりました 目結局は,
十二指腸の鉄吸収担体 (DMTl)注6)の機能障害により血清鉄が低下するところから反応が始ま
ることが明らかになりました.まだ
能が代償的に活性化され
話です
上皮の表面積が増加し細胞増殖系が刺激されて腫蕩化するという
DMTlノックアウトマウスで
での話です
この後はよくわからないところはありますが,鉄吸収機
たまたま腫揚が発生したことから合わせて考察した中
細胞増殖に関わる遺伝子がどういう機序で活性化したのか,まだ不明ですが,い
ずれにしてもかなり明確な形でこういう話がでてきたので,認めました.実は,その剤で初め
て気づいたのですが,過去の剤をいろいろ調べてみると,十二指腸に腫蕩がある剤とない剤が
あり,あってもかなり見過ごされてきたという経緯がありました.この機序について,他の
メーカーに対して敵に塩を贈る感がありますが
この仕事を利用できるようにレフリージャー
ナルに投稿するよう依頼し,快諾されたので非常に助かった覚えがあります.従って,この話
を引用すればストロピルリン系の十二指腸腫蕩については,機序が考察できることになります
刺激によりどのような変化が起きるかについては今後の研究に待たなければなりませんが,遺
伝子に突然変異があってがんが生じたわけではなく,関値があるだろうと 判断できた事例です
ここは重要な話です.これとは少し異なりますが,消化ホルモンが関与した十二指腸あるいは
胃の増殖性変化の例が医薬ではたくさんあります
6
3
農薬のリスクアセスメントと毒作用メカニズム研究
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トリアゾール系のシメコナゾールという剤で,
(RAAS) 阻害があり,胎児
レニンアンジオテンシンアルドステロン系
p
甫育児の腎発生異常が現れます
により殺菌作用があります.ステロールですから,
エルゴステロール系合成阻害
トリアゾール系に内分泌撹乱作用があるの
ではといわれていましたが,この剤は明確に血圧調整に効いており RAAS
系内構成要素に影響
する剤です.これは,一般薬理試験で見出されました. RAAS
系阻害作用があると晴育児の腎
発生異常が認められることは医薬の血圧降下剤ではよく知られており
これでは測定していな
かったのですが,一般薬理で、血圧が下がったから見つけられたという話です.これは食安委で
はなく,残留農薬安全性評価委員会(安評)の時代の話ですが,そんなに高用量の話を引用す
るのはおかしいという話がありましたが,いずれにしても最終的には実験をしてもらい,器官
形成期投与で明らかに出生後の奇形が生ずるというので
RAAS
系
つまりプロレニンからレ
ニンが生じ,アンジオテンシンノーゲンを切ってアンジオテンシン Iにして,アンジオテンシ
ン変換酵素を作用させてアンジオテンシン Eを生成し,アンジオテンシン Eを受容体 (AJ
I
R) に結合するこの系で,プロレニン,アンジオテンシンノーゲン,アンジオテンシン変換酵
素
, AJ
IRまでを含めていずれかをノックアウ トすると類似の腎発生異常が生ずることが知ら
れています.これは医薬の方で
レニンアンジオテンシンの測定ができるという会社の話でし
たが,医薬の方が測定してくれなかったために,自分たちでプリミテイブな方法で測定したの
で,最近になって薬食審でクレームがつきましたが,何んとか認められました.奇形といえど
も閲値があることでクリアーした例です.一応
文献を渡して
その会社のヒトが文献考察を
して安評に上げてきた時に,安評の先生方はデータがおかしいとクレームを付けていたことを
忘れて,文献があるからいいとおっしゃるので
奇形があるのに SF
I
O
Oでいいのとコメントし
たらその方達は返す言葉がありませんでした.だから実験をして闘値が確認されたために
SFは1
0
0でよいとなった例です
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0巻 2
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00 メクチンの~経由の排池と l
ラット晴育児の高感受性
σy;ぐV~
l
マクロライド骨格 :
殺虫剤、殺ダニ剤、
殺線虫剤
~1:h.1アゴニスト→神経系(昆虫~
チャネル→沈静化、致死
Mdrl(
ABCPgp)
を介して排池
イベルメクチン CF1マウスの Mdrl変異体→感受性
fヒ卜への外挿不可 ・
アパメクチン繁殖試験日高乳児lIi'IImの高感受性 1"
,
r
:
1
l
I
1
遺伝子発現なし、.
悶値あり
.
ヒト、猿では胎生期から遺伝子発現ーヒトへの外挿不可
.
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アパメクチン .00メクチンという名前のマクロライド系骨格を有する剤で,殺虫剤等に使
われるので動物薬としても使われています. MDR1 (マルチドラッグレジスタント 1)は,今
は名前が違っていますが
キャリアー蛋白です.この動物薬を CF1マウスの Mdrl欠損体を用
いて実験したところ非常に感受性が高く,これをヒトに外挿したら問題になるという話でした
この状況を知っていたため, ヒトにはあてはまらないと議論をしていたところで,これ以外に
ショックな話があり,皆が見落としていたのですが,そういえば繁殖試験(二世代)の中で親
と比べて晴育児の感受性が高く
死亡が出るという話になりました
いるので,そのデータを基に ADIを決めていました
ために遺伝子発現をいろいろと検討して
基本的には闘値がとれて
そこに,ある会社がメカニズ、ムを調べる
ゲッ歯類では
4日まで、 Mdr1遺伝子の発現が
晴育 1
ないために .00メクチンを外に排出できずに細胞内に 蓄積して毒性が強く現れることを明ら
かにしました. ヒトやサルはすでに胎生期から遺伝子が発現しているので,ヒトに対しては感
受性の高い動物の話を導入する必要はないという話になりました.非常にショッキングな話
だ‘ったので,懇意にしている繁殖毒性関係者に話したところ,誰ひとり知りませんでした.こ
ういうことに実際出会うことがあり,これはというメカニズ、ムが明らかになると,動物のデー
タをヒトに外挿しなくても良いという根拠となりえるということです.実際には,開発してい
るメーカーの方々との話し合いになりますが毒性試験を行っている方々が,こういう事実を
知っていることが大事だ、と思います.
6
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農薬のリスクアセスメントと毒作用メカニズム研究
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先程お話した 4HPPD (
4ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ)阻害剤です
4-HPPD阻害剤はフェニルアラニンからチロシンへの合成経路が聞害され,チロシンからの経
路はこのように分かれています.最終的にはメラニンが合成される経路です.ここに示したの
はメソトリオンという剤で非常に有名です.イモチ病菌等の菌類の感染過程で植物の接触部位
にメラニンが必要であり
です
それがないと感染が成立しないということで,割と使われている剤
晴乳類でもこの代謝を止めると血中のチロシン濃度が高くなり,高チロシン血症ゆえに,
角膜,肝,腎神経に異常が現れます
ヒトの場合に,先天的なアミノ酸代謝異常により高チ
ロシン血症になる病気にいくつかのタイプが知られており,そのような状況の中で,実はこ の
薬が改善薬として使用されていた時代があったのですが,このことをよく理解していないヒト
たちから,アミノ酸代謝異常のヒトたちに使用すれば感受性が高まるのではという疑問が出さ
れ,そのようなことはないと説明するのにかなり時間を要しました.この原因はラットとマウ
スで種差が非常に大きく,それは代謝酵素に少し違いがあり (7のところだと思います).ヒ
トはマウス型あるいはマウスよりさらに感受性が低いことが知られているので,外国では感受
性の高いラッ トをヒトへの外挿に使用していません.大体マウスを使っていますが,充分な議
論ができなかったあるいは充分な理解ができなかったために,角膜は免疫反応だけど,肝その
他では必ずしも証明されてい るわけではなかったためにラットのデータを使って ADIを設定し
てしまいました
6
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少し議論が足りなかった例です
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1
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リアノジンリセプターアゴニストの.
。
戸
目
・・・・・選択毒性
。
~と類似リガンド依存性に
Ca
'
"を小胞体から細胞質へ放出
昆虫のサブ告イプと親和位、日甫乳類の
とは結合しない→選択毒性
w
リアノジンーフルベンジアミド→クロラ
)プロール
ントラ二 1
w
ブ告の
変異悪性高熱症候群(ハ
ロセン感受性)→蒸れ肉
クロラントラニリプロール .
ほとんどの毒性試験で毒性は発現していない
日本はマウスの肝臓の病変(好酸性増殖巣)
から
・
1 ~I.t'33 IE1 tÀ.!trmtttJ~外国は 毒性としていない )
S
l
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1
(
R
y
R
)注 7) で,結構新しい話です
PAで農薬登録があった時
程時聞が経っておりません. E
リアノジンレセプター
生理学の中で、 R
yR
が出てきてそれ
リアノジンという植物アルカロイ
ドで農薬登録がありましたが,登録後直ちに取り消されました.それは,見虫だけではなく,
晴乳類にも効いてしまったためで
幻の農薬といわれておりました.この系はどこかで復活す
るだろう ,開発されるだろうと 山本出先生は予言しておられたのですが,実際に, 日本農薬が
yRのアゴニストで,それを基にこのクロラン トラ
開発したフルベンジアミドという剤が偶然 R
ニリプロールが開発されましたこれは本当に選択性が非常に高く,昆虫では効くが, P
甫乳類
のR
yRには全く効果がないというすばらしい薬を開発してくれました.この時の話も衝撃でし
たが,外国では 1
0,
0
0
0ppmで、
全 く影響が発現しないといわれていました
ただ,マウスでは
1
,
2
0
0ppm位で、
肝臓に好酸性増殖巣が出るとの話があり,これはそう問題にする必要はないだ
ろうと主張しましたが, もちろん外国では普通は毒性としていないのですが, 日本では肝臓の
病変について神経質なので
これを毒性ととらざるを得ないということで,各国と比べかなり
低い ADIとなっています.この剤は,世界を席巻するような勢いで売られていると思います.
このような選択毒性の話を比べると,非常に受性の高いものがいて,遺伝子の診断ができる状
況にあることを知っていたので¥植物を研究しているヒトたちに話したところ随分驚かれたこ
とがあります.いずれにしても
この辺も一つのメカニズムを考える上では公知にしておかな
ければなりません
6
7
農薬のリスクアセスメントと毒作用メカニズム研究
肝 細 胞 肥 大目
・
・
・
-毒性か適応反応(機能克進)か
.評価時点での有害影響の根拠は何か(肝.
機能障害の程度の評価)
・回復性は良性反応の証拠か
・発癌との関係はあるのか
・剤固有の反応と一般化
.
USNTP 帰納法的アプローチ .
S
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最後に肝肥大の話ですが毒性か適応反応かが,現時点において日本では決着がついていま
せん.食安委で科研費をもらって仕事をしていますが,おそらく何もでてきません
その中で
も,有害影響の根拠は何かという点で決着が着かない話がいくつかあります.回復すれば,反
応としては悪性ではなく良性の証拠では
そんなことはないだろうということで混乱しており
ます.これが,発がんと何か関係があるのかどうかあるいは剤固有の反応だけであり ,肝肥大
があれば必ずこうなるというように一般化ができるのか等いろいろあります.実際は,昨年の
残研セミナーの時に USNTPから研究者が来られて明快なプレゼンテーションをしていただい
たのが印象に残っております.彼らは非常に明快な帰納法的なアプローチで,多用量を使って,
回復も何段階もの時点で回復させて検討し,極めて明快な結論を出しておりました
S
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私のドクター論文です
エジフェンホス (EDDP
) です.これはオキソン体です.従って,
体の中に入ってそれ以上に強い毒性のものが出てくるわけで、はありません.大体 LD 50 で 1 40~
6
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0
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0mg/kgで、す.私が,一番最初に実施した毒性試験でしたので,最高用量をどう設定してよ
いかわからず,摂餌量と体重から逆算し 1
,
0
0
0ppmが 1
2
0mg/kg
相当になるので,おそらく数
日のうちに死ぬだろうと予想して最高用量を設定し, 7段階位を設定しました 最小用量がお
位だ、ったと思います.その結果, 1
,
0
0
0ppmで死ななかったのです 最初のうち
そらく 3ppm
数日は,神経症状が現れましたが,
1週間経ったところで消失し,餌も食べるようになり,体
重も徐々に回復してきました.体重抑制は 極めて明確でしたが 3ヶ月生き延びました
3ヶ月後に開腹すると, 肝臓が黄色く退色し,非常に肥大しており,今でいう代謝酵素誘導時
の典型的な像を示していました 3
0年以上も前の話ですから,そのようなことが書かれた本も
論文もなく,まして有機リン剤なので考えもしていませんでした 今になってわかったことで
すが, EDDPは,有機リン剤の中で唯一解毒系の酵素誘導のある剤だ、ったのです.そうとは知
らず,電子顕微鏡で観察すると,
3ヶ月時には細胞内に渦巻き状の滑面小胞体 (
S
E
R
) があり,
中に中性脂肪を含んでいました.細胞小器官が増生し,ただライソゾームには増生がなく,ア
ニリンハイドロキシラーゼが非常に上昇しておりました.フェノパルピタールを処理して似た
ような状況にしておき,急性毒性をみると, LDωが 180~200 mg/kg
位に高くなったので¥こ
の状況は,おそらく薬物代謝酵素が尤進して分解系が進んでいると考察されました しかし,
このように肥大したものが,どのような悪影響を持つのかが不明で、あったので, 1ヶ月間回復
性を見たところ,驚くべきことに S
ERの増生した部分が消失し渦巻き状の構造物も消え,中
性脂肪のみが残って脂肪変性像を呈しておりましたさらに良く観察すると,ここにライソ
ゾームが中に種々の壊れたと思われるものを含み,細胞外に放出して,その脇にクッパー細胞
が存在しこの状況からライソゾームを貧食しているのだろうという像が取れましたこうい
う話がすでに 3
0
年前にわかっていたのですが,私のせいかどうかは不明ですが,データに若干
不備があり,
ドクタ一審査してくださった先生が獣医学雑誌に投稿してもリジ、エクトすると言
われたので,私は私費出版しました.そのためほとんど誰の眼にも触れなかったところ,つい
最近になって日本特殊農薬,今のバイエル系の会社の方と話した時に,鈴木さんは電子顕微鏡
を使って肝臓の酵素誘導を初めて見つけた方だと聞いておりますと言われて驚きました よく
考えてみるとこのような話を含めて,何か本当は現代的な意味がありそうに思います.いずれ
にしても,この話に決着をつけるためにはもう少しキチンとした実験を行わなければなりませ
んし,おそらくは各剤によって異なる状況が出てくるように思います.このような状況におい
て,動物は本当に健康被害があるか否かを様々な臨床検査,肝機能検査,腎機能検査,神経検
査,免疫検査等を行い,悪影響があったということになれば問題だといえるのでしょうが,そ
ういうことも含め,この時点で中毒を起こしているという話にもっていかないと決着はっきそ
うもありません. しかしまだ誰も気がついていないことですから今後の話です.ちなみに,
この時点で,体重は増加抑制が見られ,対照群とは明らかな有意差がありましたので,現在の
判断基準からすると,肝機能はどうか不明ですが,中毒量ということにはなります.本当のと
ころはわかりませんが
以上でメカニズムの話は終わります.
6
9
農薬のリスクアセスメントと毒作用メカニズム研究
ジェネラリストとスペシャリスト
│
・スペシャリストの糾合だけではリスクアセスメント
はできない
・ジェネラリストとして各専門分野の知見を統合す
る知恵が必要
・そのようなリーダーが不可欠
・スペシャリストがジェネラリストを目指す努力が
│
│
│
│
│
l
S
l
i
d
e54
レギュラトリーサイエ ンスというカ テゴリーに私たちの行 っている 仕事は入ると思うのです
が,私は病理の専門家だから病理のことだけわかっていればいいとか,私は血液の専門家です
という方々を糾合してリスクアセスメントに関わる全ての分野をカバーしたからリスクアセス
メン トができるかというとできないのです.ここのところが非常に重要です.私が留学してい
た時にアメリカでは,共 同研究において非常に成果をあげる場合とあげない場合がありました
いずれもそれなりの専門家がいるのにどこが違うのでしょうか?リーダーの資質にあるのです
リーダーとして少なくともジェネラリストがいて
導していないと成果はあがりません
各専門家の領域を横断的にわかるヒトが指
そういう意味です
やはり,少なくとも誰かがあるいは
複数のヒトが各専門分野を統合する知恵がないとレギユラトリーサイエンスが花開くことには
なりません
少なくともリーダーはその資質がないといけません.実際よく言いますが,農薬
専門調査会においても
評価書案を作成するのは参与の方々です.専門家ではありません.参
与の方々が農薬抄録をすべて読みこなして
代謝と毒性の話を組踊がない形でまとめています
参与の方々にできるのに何故専門家にできないのでしょうか?専門家がただ、単にサボっている
だけではないでしょうか?どこかに敗者と勝者の話がありましたが,専門家が敗者になってい
ませんか?誰でもジェネラリストになれます.時間はかかるかもしれませんが.それを皆さん
にも目指していただかないと
国民の安全は担保できません.そういう考え方で皆さんにも頑
張っていただきたいとのエールを贈って終わらせていただきます
注 1)急性参照用量 (
AcuteR
e
f
e
r
e
n
c
eD
o
s
e
) 急J性影響の指標で,I
ヒトが2
4時間またはそれ
より短時間の経口摂取によって ,健康に悪影響を及ぼさないと推定される量」を示す
通
常,急性参照用量は,単回投与から概ね 1ヶ月以内の短期の毒性試験で,有害な影響のな
い量を安全係数で、割 って算出する
注 2) ベンチマークドーズ (BMD) :限られた数の毒性実験データから,最小の毒性投与量を
9
8
4)
.低用量外挿は,毒性実験の量一作用
算出する低用量外挿の方法の一つ(K.Crump,1
関係のグラフを低用量まで仮想的に伸ばし,最低毒性発現量を推定する.化学物質のリス
Jの算
ク評価の途上で必要とされる「最低毒性量 (LOAEL)Jや「無毒性量 (NOAEL)
7
0
(財)安評センター研究所報
出のために行なわれる
第2
0
巻 2
0
1
0
通常,動物を使った毒性実験は,影響が現れる量から徐々に小さ
い量へと段階的な投与量を設定するが,それで、も最低レベルが見つからない場合は,デー
タから数学的に最低レベルを推定する.厳密には. NOAELや LOAELを直接算出するの
ではなく,“ リスクを 1%増加させる暴露量"などの現状か らの変化の目印となる値(ベ
ンチマーク)を計算するものである
注 3) LOH:常染色体優性のがん感受性疾患が遺伝した際にみられるように,ある特定の遺
伝子座に正常アレルと異常アレルが 1つずつ存在している場合
遺伝子座における正常機能の完全な喪失を意味する
正常アレルの消失はその
このヘテロ接合性の消失が正常アレ
ルに起こるとき,変異した遺伝子が腫蕩抑制遺伝子ならば,高率に悪性化を示す細胞を創
り出すことにつながる
注4
) ハーデイー・ワインベルクの法則
(
H
a
r
d
y
-W
e
i
n
b
e
r
gp
r
i
n
c
i
p
l
e
) は,集団遺伝学の基礎
をなす遺伝の法則である.ある生物種の個体群における対立遺伝子の遺伝子頻度は世代が
移り変わっても変化しないことを前提にして
個体群内の遺伝子型の構成について説明す
る法則である
注 5) PPO (プロトポルフイリノーゲンオキシダーゼ) :クロロフィルの生合成に関与する酵
素で,プロトポルフィリノーゲン IXをプロトポルフイ リンへと酸化する.この酵素が阻
害をうけるとプロトポルフィリノーゲン I
Xが蓄積し細胞質へ漏出したのち,細胞質内で
プロトポルフイリンへ酸化され,光を受けたプロトポルフィ リンが光増感反応により活性
酸素を産生する.ジフェニルエーテル系などがある
注6
)DMT1・鉄はトランスフェリンおよびトランスフェリン受容体によるエンドサイトーシ
スによって細胞内へ輸送されると考えられてきたが
ターが重要な役割を演ずることが明らかになり
消化管吸収においてはトランスポー
1
9
9
7年に Feの消化管上皮への取り込み
を担う鉄トランスポーター DMT
1
が単離された DMT
1
は1
2回膜貫通型の膜タンパクで,
Hとの共輸送により Feを細胞内に取り込む. Feの他に. Z
n
.M
n
.C
u
.C
oのような 2価
陽イオンも輸送し,こうした金属イオンの消化管吸収の共通の経路となっている可能性が
あり,ヒトにおける鉄過剰症とも関連している. DMT1は消化管での鉄の吸収機能以外に
も鉄代謝と密接な関連をもち
エンドソームからの Feの排出を行っていると考えられて
いる.脳にも発現しており,神経変性疾患(パーキンソン病)での黒質への鉄の過剰蓄積
にも関与している可能性がある
過剰な鉄は活性酸素の産生を促進し,組織障害性をもっ.
2
注 7) RyR:細胞内小器官の一つである小胞体は C
a
+を貯蔵する役割を有 しており,小胞体膜
i
+
の放出に寄与する分子としてリアノジン受容体が挙げられる. リア ノジ
上に存在して c
a2+チャネルとして働くことが知られており,骨格筋の筋小胞体に存在するリ
ン受容体は C
a2+に対するセンサ ーとして働 くジヒド ロピリ ジン受容体と共
アノジン受容体は細胞外の C
役していることが知られている ジヒドロビリジン受容体により細胞内に取り込まれた
2
2
Ca2+が リアノジ ン受容体 に結合すると 細胞質の Ca
+濃度依存的に小胞体内の C
a
+を放出
する
7
1
化学物質のリスクアセスメ ン トからリス クマネ ージメントまで
講演
「
化学物質のリスクアセスメントからリスクマネージメントまで」
賓園慎一
経済産業省製造産業局化学物質安全室室長
p
t総 騨
化学物質のリスクアセスメントから
リスクマネージメントまで
平成 22年2月 26日
経済産業省製造産業局
化学物質安全室長
貰園慎一
S
l
i
d
e表紙
ご紹介頂きました経済産業省の賓園です.一言だけ自己紹介させていただきます.私が所属
する化学物質安全室は,化学物質審査規制法(以下「化審法」という)の執行を担当する部
署です. したがって,私は,運用・執行面の責任者になります
今回,“化学物質のリスクアセスメントからリスクマネージメントまで"との題を頂いたと
き
, リスクアセスメン トに ついてはなじみがありましたが,リスクマネージメントという言葉
にはなじみがなかったので
これは何かと考え込んでしまいました.これからご紹介する化審
法や PRTR法といった法体系を考えていくうちに ,化審法という法律自体が一つのリスクマネ
ージメントシステムになっているのではないかとの結論に達しました.本講演では,私が思考
してきた順番に沿ってご説明いたします.なお,予めお断りさせていただきますが,本講演は,
昨年 5月に大きな改正が行われた化審法の改正内容を詳細に紹介するものではなく,その改正
により導入される リスクアセスメン トと いうツールの詳細を紹介するものでもありません.ま
た,役人でありますので,国の方針にかかわる部分については述べませんが,個人的な意見に
7
2
(財)安評センター研究所報第2
0巻
2
0
1
0
ついて は ところど ころ述べさ せて頂きますので,後でご意見をいただければと思 っておりま す.
園畠恩義組画齢制瓜 i
本日の内容
1.化審法における化学物質のリスクマネージメント
2.化審法における化学物質のリスクアセスメント
3
. PRTR法における化学物質のリスクアセスメント
とリスクマネージメント
4.化学物質の管理
S
l
i
d
e1
本 日は
,
1
. 化審法における 化学物質のリスクマネージメン ト
2.化審法における化学物質の リスクアセスメン ト
3.PRTR
i
法にお ける化学物質の リスクアセスメン トとリスクマネ ージメン ト
4
. 化学物質の管理
の 4本のテーマについてご説明いたします.最初に
“
化審法における 化学物質の リスクマネ
ージメント"について説明しますが,この順番は,化審法の 中でリスクア セスメン ト及び リス
クマネージメン トの関係を考えてみたところ, リスクマネ ージメン トから 説明する方がはま り
がよいとの結論に至った結果です.今回
化審法について リスクマネ ージメン トという言葉を
使って説明することは,はじめてのことかも しれ ません
1
.化審法における化学物質の
リスクマネージメント
S
l
i
d
e2
7
3
化学物質のリスクアセスメントからリスクマネージメントまで
早速,化審法におけるリスクマネージメントとは何か
について話を始めます.
1 化審 j
去における化学物質のリスクマネージメン ト
(1)化審法制定の背景と目的
(2)改正化審 j
去における目的
(
3)規制の概要
①現行化審法の規制体系
②改正化審法の規制体系
③改正化審 j
去のポイント
S
l
i
d
e3
5月に改正された化審法では目的がどう変わったの
まず,化審法制定の背景と目的,また.
かといった点から説明します
明します
続いて,現行化審法及び改正化審法それぞれの規制の概要を説
この規制がリスクマネージメントの具体的手法となります
(1)化審法制定の背景と目的
[法律制定の背景]
昭和 43
年に発生したカネミ油症事件。食用油 l
ニPCBが混入 し、この食用油を綾取した
と類似の毒性を有する化学物質を規制
人々に色素沈着、肝機能障害などが発症。 PCB
する必要性の高まり。
[
法律の目的]
①雛分解性の性状を有し、かつ、人の健康を損なうおそれ文は動植物の生息若しくは生
育に支障を及 I
ますおそれがある化学物質による環境の汚染音防止する ζ と
(
→ リスヲマネージメントの最終ゴレ)
)
②そのため、新規の化学物質の製造又は輸入に際し、事前にその化学物質が鍛分解性
等の性状を有するかどうかを審査する制度を設けること
(
→リスクアセスメントの制度)
③また、その有する性状等に応じ、化学物質の製造、輸入、使用等について必要な規制
を行うこと
(→リスクマネージメントの方策)
S
l
i
d
e4
化審法制定の背景は,昭和 4
3年に発生したカネミ油症事件が契機となり,その原因である
PCBと類似毒性を有する化学物質を規制する必要が高まったことにあります よって,化審法
の目的は. PCBと類似毒性を有する化学物質を規制することにあり,これがこの法律に基づく
類似の危ない化学物質を市場に出
施策のゴールになったわけです.この規制については. PCB
さない,作らせない,海外からも入れないというマネージメントが前提にな っていると考えら
れます. したがって,この法律は,まず,この様なあるべきマネージメントがあり ,続いてこ
7
4
(財)安評センタ ー研究所報
第2
0巻 2
01
0
のマネージメントを達成するためのアセスメントがあったと考えられます
さて,ここに この法律の目的を分解して示しました “難分解性の性状を有し,かつ,人の
健康を損なうおそれ又は動植物の生息若しくは生育に支障を及ぼすおそれがある 化学物質に よ
る環境の汚染を防止す ること"が,化審法をひ とつの リスクマネージメン トシステムと捉えた
場合の最終ゴールとなると思われます
“そのため,新規の化学物質の製造又は輸入に際し事前にその化学物質が難分解性等の性
状を有するかどうかを審査する制度を設けること"は,事前に新規の化学物質のアセスメント
をする制度を法律に導入することになります
そして,アセスメントをした上で J‘また,その有する性状等に応じ, 化学物質の製造,輸
入,使用等について必要な規制を行うこと"が, リスクマネージ メン トについての方策を示し
ていることになります
化審法の目的を分解すると,今述べたようなことを想定していたのではないかと考えられます.
(
参考)現行化審法の概要
主主主直室1
・新規化学物質(昭和 48
年以降、新たに製造・
輸入された物質で審査を受けていないも
の)の製造・輸入前の届出 ・
審査。
・ただし、少量(全国総量 1トン以下〉
、 もしくは、中間物 (体)、閉鎖系等であれば、国が確
認の上 、 届出 ・
審査は不要となり、製造・
輸入可能
。
また、審査で、難分解性かつ低蓄積性が確認されれば、毒性の審査を実施せずに、 10
トン以下(低生産)まで、製造・輸入可能。
・
既存化学物質(昭和 4
8年以前に既に製造・輸入されていた物質)については、国が調
査し審査。
審査の結果、化学物質の性状に応じて規制 (製造 ・
輸入量の届 出、製造・
輸入 ・使用の
制限等)
。
S
l
i
d
e5
現行化審法の主な 内容ですが,新規化学物質の事前審査が主であります
新規化学物質の中
でも,数量が少ないもの,合成の過程で全量が別の化学物質に変換されるもの(中間体),あ
るいは環境に放出されないとこ ろで使われるものについては,届出 ・審査は不要となっていま
す.ここでは,後ほど触れますが, リスクアセスメントを 要する規制の中で,例外的にアセス
メン ト不要といった概念を入れています
また, PCBの様な化学物質は,難分解性で生体内に蓄積すると言われておりますが,難分解
性でも低蓄積性が確認されれば,毒性の審査を実施せずに, 1
0トン以下まで製造・輸入が可能
という制度になっています.
ここまでが,新規化学物質についての規制ですが,昭和 4
8
年以前に既に製造 ・輸入されてい
た化学物質については,国が調査し審査することになっています. しかし,既存化学物質の数
は多く,この取り組みはこれまで国だけではなかなか進んで、こなかったと ころです.これをど
うするのかという方策を導入したのが
この後ご紹介する改正化審法です
化審法では,こうした審査の結果,化学物質の性状に応じて規制することになります
7
5
化学物質のリスクアセスメントからリ スクマ ネージ メン トまで
(2)改正化審法における目的
【
法律の主な変更点]
-規制対象物質の範囲を鍛分解性以外のものまで拡大
.
既存化学物質についての届出義務付け
【改正後の法律の目的]
①人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息若しくは生育に支障を及ぼすおそれ
がある化学物質による環境の汚染を防止すること
②そのため、新規の化学物質の製造文は輸入に際し、事前にその化学物質の性状
に関して審査する制度を設けること
③また、その有する性状等に応じ、 化学物質の製造、輸入、使用等について必要な
規制を行うこと
S
l
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d
e6
改正化審法で法律の目的がどう変わったかを簡単にご説明いたします.
法律の主な変更点のひとつは
です
規制対象物質の範囲を難分解性以外のものまで拡大したこと
類似物質を規制するという発想から規定されま
もともと難分解性といった要件 は,PCB
したが,その後PRTR法でもそうですが,難分解性以外のものでも環境経由の暴露があり得る
ため,難分解性以外のものについても規制の対象にしました
ふたつ目は,既存化学物質につ
いての届 出を義務付 けました
現行化審法と改正化審法の 目的の違いですが, まず,現行法の目的には“難分解性の性状を
有する"と書かれています.一方,改正化審法では,この言葉が除かれています.これによっ
て,規制対象となる 化学物質の範囲が広がったことになります.この様に,法律内容の変更に
伴って ,若干法律の目的も変わりました
し か し ① リスクマネージメン トの最終ゴール,
② リスクアセスメントの制度,
③ リスクマネージメントの方策
という基本的なコンセプトに変更はありません
したがって,学術的な整理学でいうと , リスクマネージメントの観点からは大きく変更はな
いと言えます
7
6
(財)安評セン タ ー 研 究 所 報 第 2
0
巻
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0
、 化学物膚に吋する間乙 の増大〈国民の安心 安 卦
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虫 の 健 康 や │刷
環境への'揮を最長判じ由自2年環境ザミフト合煙防
一欧州では、新規彬 (AAC刊かroJ71
手に施行.
O 化審法 (
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9
7
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についてすべて事前審査を実凪
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0 現行各で手例外使用の規定が刷帥守であ弘裁が
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e7
今回の化審法改正は,既存化学物質対策と国際的整合性の確保の動きに合わせたものです
(参考)改正化審 j
去の ポイント
イ,"茎 tJ: ~J-当'U同省"ド .,会"" 子宮H~(J勺管長 歪I!ltIllぎIf)週車 λ
① 既 存 化学 物 質を含むすべての化学物質について、川トン /
年〉以上の躍進輯入を行った事章者に対し
て毎年度その数量等を届け出る義輯を躍す.
φ
上記届出の内容や有害性に係る既知見等を踏ま え、置先的に安全性評 価を行う必軍がある 化学物質
を『置 先評価化学物質白に指定する.
由 必 要 に 限 二 て 置 先 評 価化 宇 物質 の 盟 韮・繍入事草者に有害性情報由置出を求めるとともに阻蝿事
業者にも匝用用途の報告を求める.
骨 優 先 評 価化学物質に係る情報収集及び安全性評価在段階的に遭めた結果人又回動植物への悪.,.
が 思tされる物質については、現行法と同欄こ「特定化学物質』として製造慣用埠制噂の封象とする.
化学物質むに加え .
r環境中で分解しやすい 化学
@二れまで組制の対象としていた f理場中で分解しにくL、
物 質』についても対象とする.
f
同2
奇禍過程におけろ溝切な什掌物 省管理の婁臓
特 定 化 学 物 質 &U当額物質が世用された製品による環凌汚染を防止するため取盟事業者に到して一
定 の 取 担基惜の畳守を求めるとともに取引に障して必要伝表 示を行う線輯を毘す.
fR】田陣的軌由容踏ヨf ;雪 作事審奮ー額制体系出 合建 {~
今後ストックホ ルム条約の現制対象となる物質について条約で許容される倒外的世悶を厳絡む管理の下
で詔めるため繁一種特定 化学 物 質に 係る規制の見直しを 行 う 等 規制の 国 眠 盤台 北を行う
s
S
l
i
d
e8
改正化審法の主なポイントは,
3点です.一点目は既存化学物質も含めた包括的管理制度の
導入,二点目は製造者だけではな くサプライチェーンも含めた流通過程における適切な化学物
質管理の実施,三点目は国際的動向を踏まえた審査・規制体系の合理化 になります.次に,法
律は改正されましたが,リスクマネージメントにおける整理学は変わっていないという点につ
いて詳細にご説明いたします.
7
7
化学物質のリ スクアセスメントからリスクマネ ージ メン トまで
S
l
i
d
e9
化審法の物質には ,大 きく分けて,新規化学物質と既存化学物質の二つがあります.また,
化学物質を評価した結果,その性状や毒性に応じて,最終的には,第一種特定化学物質及び第
二種特定化学物質といったふたつのカテゴ リー に分類され規制されるか,あるいはこれらのカ
テゴリーに入らない物質は規制の対象となりません.新規化学物質が,審査の結果,第一種特
定化学物質,すなわち難分解性及び高蓄積性で,人への長期毒性がある物質と判定された場合
には,製造・輸入の許可といった化審法のマネージメント体系に入ることになります.なお,
第一種特定化学物質で,これまで製造・輸入の許可を受けた物質はありませんつまり,この
ような P
CB
類似物質については事実上の製造・輸入禁止とな っています.また,指定用途(指
定範囲は極めて狭い)以外の使用も禁止されています
このように
第一種特定化学物質とい
った危ない物質は,出きない,作らせない,入れない,といった厳しいマネージメントが行わ
れます
次に,第二種特定化学物質については,難分解性ではありますが生体内への蓄積性は高くな
い物質であって,環境に溜まって暴露量が大きくなると健康被害が生じる物質を指定していま
す.第二種特定化学物質は, リスクマネージメントの面から見ると ,製造は許可 されますが,
製造 ・輸入の予定数量及び実績数量の届出義務が生じますまた,製造・輸入数量が増え,環
境からの暴露量が増えるおそれがある場合には,製造 ・輸入予定数量の変更命令が行われます.
つまり暴露限界以上のものを作るなといったリスクマネージメントが行われることになります
しかし ,第一種特定化学物質に比べて,製造 ・輸入は禁止していません
さらに,予備軍がいます.第一種特定化学物質の候補として
難分解性・高蓄積性であるけ
れど毒性が不明な第一種監視化学物質.また,第二種特定化学物質の候補として,毒性の疑い
があるものが第二種監視化学物質又は第三種監視化学物質に指定されますこれらの監視化学
物質は,特定化学物質の予備軍として管理ではな く監視される ことになります.また,何ら 義
務を負うことなく,全くフ リー に作れるわけではなく,数量と用途の届出が義務付けられてい
ます
以上述べた ことが,化審法の中のリスクマネー ジメン トの体系となります
7
8
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化審法におけるリスクマネージメントを再整理すると,第一種特定化学物質は,ある意味リ
スク確率論的な概念から見ると Oか 1かの世界での規制といえます.第二種特定化学物質は,
一定数量未満であれば製造可能となっていることから. 0から lまでの世界で数量管理してい
る規制 といえます.監視化学物質は,これら二つとは異なり,厳密な数量管理ではなく,監視
を行うという緩やかな規制です
リスクマネー ジメン トとしては
以上の 3段階の規制をして
いるのが現状です.毎年,経済産業省,環境省及び厚生労働省に申請される新規化学物質は数
百物質になります.そのような状況の中
化審法が制定された時点で通商産業省が作成した リ
ス トに記載されている約 2万の化学物質については
評価が進んで、いませんでした.このこと
が改正化審法の話につながります
(
3)
①現行化審法の規制体系
O化'法では、化学物質の有する f分解性J
.
r嘗積性 J
r人への長期毒性』又は『動植物への毒
一一一一
性』といった性状や環境中での残留状況に着目して、規制区分や措置内容を規定。
静 唱 者 閣 時 物 質 抗 措 1待相。
岨逮輸入の許可縄南よ泉止}
驚分銀色高百m及"長鍛酎担!:Ij1(~次播食動骨明個室酎宝
を宥す剖巳学物質
特定の周造以外での使用の蜘止
・
政令憎定製品の繍入晶止
・回収軍事情置命令神貨制&制蹟冒春、法令温反
m
a二組摘掴む掌増幅〈ドJクロロヱチレン寄"物E
製遭 I
l
入の予定ゾ割醐喧、周途等'"届出
随分解性であり長期奪性又は生活環後酬直骨明慣性酎世有す必要に血ス製遭納入予定裁量専の変更命令
る担割努質
咽臨、に係る後衛よの閣情公表勧告
・表示の義務・勧告
第ー纏霊園む掌物質'"クロドデ恕ノ宅事泌物質〉
総分解栓を有しかっ高蓄積怪があると潮岬Jこ既存j~珍物質
製遺憾入実積綾量周造等の尼出
合計 1
トン以ょに1 、て物市の名肱届温故量の公表
宿場動冨岬境汚録院止のため必要'.iII含〉
必要に血J
て有害性仏旦"省次捕食貨""^咽長期劃お調査の1
跨示
第二種霊園じ学物質G田ロホルム等知2
物I
V
高 - , 摘 さ ずA 制 、灘分解憶であり、長織毒惜の凪唱ある化
掌物質
'
1
1
這・
輸入実級金量、用途等の届出
・
合計 1
0
0
トム岨上(;:-:::11.、て稔蝿の名紘庖出獄量の公表
て有吉性心人《崎長期響曲鍵査の箔示
・
必要に凪J
第三種監視イ出物質 帽酌間同等,,~欄)
拙叫入調闘賞馬輔の勘
合計 1
時ン以よ£ス、て物質の名除庫出霞震の公表
1
0
-必要に凪て有冒空位選磯崎掛壷梅《岬長期酎由契萱制官、
驚分解往0'8>り鰍抽裕ー婦への憲性佳鐙酎匂のある巾学物質
S
l
i
d
e10
第一種特定化学物質は,化審法によるハザード評価の典型となります. しかし, 一切国内で
取り扱えないわけではなく例外が存在します.まず,試験研究用途のものは取扱いが認められ
ています
また ,ある製品の副生物として意図せず含まれる場合は,国際的な概念としてその
時点での最新の技術・知見で設定される最少の含有率まで制御できるのであれば使用は認めら
れています
こうした例外を踏まえると,第一種特定化学物質はハザードのみで評価されてい
るのか,それとも実はリスクを見て評価しているのか,わからなくなることがあります
ハザードのみを考慮するのであれば,用途が何であれ,毒性が強いという一点において例外
があってはならない筈です. しかし例外がある時点で,第一種特定化学物質は リスクアセスメ
ン ト的な発想を内包してい ると思われます.ただしこれはオフィシャルな立場での見解では
ありません
我々もア ナウンスをしていますが
ハザー ドから リスクへと化学物質の管理体制は変わ って
きています. しかし現行法でも,暴露による健康被害があるかどうかを判断して第二種特定
化学物質が指定されることになっています.また,監視化学物質については, 取 り扱い数量が
増加して健康被害が発生するおそれがあると見込まれるなら速やかに有害性を調査するという
プロセスが規定されており
こちらも リスクという概念が内包されています.第一種特定化学
物質とは,純粋にハザード評価ではなく, リスクアセスメントにおいて無影響値N
OELが限り
7
9
化学物質のリスクアセスメントからリスクマネージメントまで
なくゼロに近い物質であると捉えると,これも リスク評価しているのではないか, と考えるこ
とができます.以上から,実は,現在の化審法でもハザード をベースとした リスクアセスメン
ト,そしてそれを基にしたマネージメン トをしていたのではないかと個人的には理解しています
( 3 ) ②改正化審法の規制体系 ( 第一段階平成 22 年 4 月 1 日~ )
軍一 橿 特 定 肥 孝 鞠 賀
川 分 解 高 軒 膏 人への長期酎担陥商次・H 酎
V岨 長...性窃り】
製 造 繍λの野可制得層之上議止j
政令間百世加輸入動止
政令 I
t
定用途開1f怖の雇障整会代9
以外での使用の議止
物質及び政令1
芯包拠品(物園使"
'
1
1
品}の11<級基準適合 表方事野事
回収等地置命令
1 1絢貫及び政令指定"'"倫貧f
f,
" .a
l
の耳障扱律相同同公壊
I
I
11散令指定観昼の表示・楊
S
l
i
d
e1
1
( 3 ) ②改正化審法の規制体系 ( 第二段階。平成 23 年 4 月 1 日~ )
既存住'"舗慣{曲20.制国.寓』
S
l
i
d
e12
改正化審法で対象物質の範囲は広がり ますが,マネージメントは変わりません
というのも,
第一種及び第二種特定化学物質のカテゴ リーは基本的に変わりません.マネ ージメントの観点
から変わったと言えるのは,難分解でなくても第二種特定化学物質の規制対象になる点のみで
あり,規制体系そのものが変わったわ けではあり ません
8
0
(財)安評センター研究所報第2
0巻 2
0
1
0
(3)
②改正化審法の規制体系
一一一酷ー
-製造・Il入の許可伺硯よ凝血
特定め用途以外での使用の馳止
絞令 1
;
定飼&の組入劃止
白眼輔置命令。欄制品の慣習春、肺 違 反 略
・
製造繍入の予定/開翼政調t周途寄の届出
;
c
.
必要に凪
製造愉入予定震量等の変更命令
取凪、に係る役術ょの 18
すの公表勧管
表示の舞務‘暗
製這 0
・入掃員殺..周途等の届出
トン以上に1 、て物閣の名民忠也鍛震の公表
合計1
応寺孫閉止のため必要"rJ.・釦
憎 ' 助 書 棚J
て有蓄性仏-""高次補食醐毎への長期毒間賃査の箔示
必要に凪J
aニ縫監園出向欄〈知 ロホルム等姐物骨
・製造組入閣融危周造簿の届出
高膏
学物質
合計 E
時 ノ以よ!こ1 、て税掴の名係局総数量の公表
・必要に血J
て有吉?金五人《岬長期帯地調査の俗示
1
m
'
摘 さf
.
i
l
.'
l
炉建伶解役でa
ちり長期酎丞の凪唱あ剖ヒ
- 〆 底 止(
-g
側革、優 先 評 価
匹底朝団物質 碑
.
,_
_
_
,
.
.
--i!;.
主笠匙挫ー 臨
縫分解性があり、厳 帽 静 咽への憲性佳鎗酎おの怠る仕洋物質
e
臥 劃 G J t." 脚 噛
・合計 1
時 ノ以ょに1 、て物膚の名肱庖出窓量の1)喧
て有害性産活環2
兎掛蓋物への長銀閣柏探査明書示
必要に凪J
-聞開封帳酬明棚田
S
l
i
de13
監視化学物質は,現行法の第一種監視化学物質に該当し,改正法では「第一種Jという言葉
が取れただけです第二種特定化学物質に指定される 前段階の物質として優先評価化学物質が
ありますが,これも現行法の第二種又は第三種監視化学物質と位置付 けは大きく変わっていま
せん.現行法と違うのは,監視したうえで優先的に評価するという点です
この様に,マネー
ジメン トの体系としては大きく変わっていないこととなります
唯一の変更点は,現行法では監視に続くアクションがありませんでしたが,改正法ではその
アクションを法律で位置付けたことです
リスクマネ ージメントという観点からは現行化審法
も改正化審法もあまり違いがないというのが私の結論です.
(
3)
③改E 化審法のポイント(
第一種特定化学物質に係る措置)
0徳一種 特定化学物質が代省困健であり、人の健 康又は環境への徳 容が生じなド場
合には、ヱッセンシャルユースとしてその使用が鰻められる{
要件緩 和).
。第一櫨特定化掌柏置及びその含有製 品について.ラベル等による表示及び基準適
合穫 務が隈せられる{
管理河口強化,
).
く政令の概要〉
ピ フオス)等の 12物質を第一種
・09年5月にストッウホルム条約の対象となった PFOS(
特定化学物質に指定。
PFOSと呼ばれる化学物質について、半導体用のエッチング剤 ・レジストの製造、業務用写真
フ
ィルムの製造用の用途を使用を認める用途として指定(エッセンシャルユースとして指定).
が使用されている半導体用のエッチンゲ剤 ー
レジスト、
環境の汚染の防止を目的として、 PFOS
業務用写真フィルム及び泡消火薬剤等について‘取扱事業者に取扱上の基準適合義務及
び表示義務を課す製品として指定。
上位の 12物質が含有されている製品について、鎗入禁立製品として指定(メッキの表厚処
理青 J
Iの添加剤、航空機周作動油等)。
S
l
i
d
e14
8
1
化学物質のリスクアセスメントからリスクマネージメントまで
(
3)
③ 改 正 化審 j
去 の ポ イ ン ト (第 二 種 特 定 化 学 物 質 に 係 る 措 置 )
0従来、第二種特定化学物質について環噴汚按を防止するための綾術上の指針の
公表を行うこととしていたところ、今後は、政令で指定された第二種特定化掌物質が
使用されている製品についても、銭術上の指針の公豪華行うこととした
。従来.政令で指定された製品で第二種特定化学物質が使用された製品については
第二種特定化学物質の取偉事業者に表示の鑓績がかかっていたところ.今後は.
第二樋特定化学物質が使用されている製品の取級事業者にも表示の穫畿をかけ
ることとした.
S
l
i
d
e15
第一種特定化学物質については,エッセンシャルユ ースとして使用を例外的に認めるという
規定が法律上入りました.例外的に認められる条件は,代替困難な物質であり,暴露による被
害が生じないこととなっています. しかしこの例外規定を入れたことにより,第一種特定化
学物質はハザードで禁止しているのかどうかがわかりにくくなりました.例外を認めた時点で
第一種特定化学物質はハザードオンリーでの評価から リスクアセスメントを事実上取り込んだ
評価に変わっていると言えるかもしれません.
(
3)
③ 改正 化審 法 の ポ イント (優先 評 価 化 学物 質
(新 設 ))
。届出対象絢貨からリスウが高いと評価された化学物質を優先評価化学物質に指定する
01トン以上の優先醇価化学物置を製造繍入する者I
主、毎年度、 製造繍入数量・
用途簿
について届出豊行う.
。詳細なリスヲ評価を段階的に行い、必要に応じて、第二祖特定化学物質に指定する.
。公知でない有害性情帽を得た場合に,~.三省斤に届け出る{揖カ‘積).
。①
優銀
先
造
静
・
値
嶋
化
入
学
事
物
業質
者
問
に
対
主
下
し
て
毘の麓湧等が.せられる.
・
製
サ
造
プ
ラ
輸
イ
入
千
数
z量
ー
及
ン
び
に
お
用
け
途
る
の
情
膚
報
出伝遣の努力‘務
園による簡易毒性鼠険実施の求め
固による有害性情報実施の指示
②使用事業者に対して
-情報伝遣の努力‘'
固による取像状混報告の求め
S
l
i
d
e16
優先評価化学物質は, リスクマネージメン トの一つの方策である一方, リスクアセスメント
のープロセスとしても位置付けることができます
すなわち,
質」と位置付けられる一方,未来永劫溜まるのではなく
r
優先的にリスク評価をする物
どんどん評価されていかなければな
らないものであるため,マネージメン トの概念にも入るものであり,また,アセスメン トの一
環としても捉えられます
8
2
(財)安評センター研究所報
第2
0巻
2
01
0
(
3
)③改正化審 j
去のポイント (
監視化学物質の扱いについて)
0第二種監複化学物質及ぴ第三種監視化学物質l
主、優先評価化学物質の新段によ
り
‘E
匝止する.
0第一種監視化学物質は、『監観化学帽賞』と名称を変更し、存続する.
-第二種監視化学物質は、人の健康を損なうおそれがある化学物質を指定し、その製
造輸入数量の届出を求める制度である。
・第三種監視化学物質は、動植物の生息又は生育に支障を及ぽすおそれがある化学
物質を指定し、その製造輸入数量の届出を求める制度である。
・改正法において、人の健康及ぴ動植物に対する毒性を評価する優先評価化学物質
が新設されたことを受けて、第二種及び第三種監視化学物質は廃止する。
・第一種監視化学物質は、第 種特定化学物質の「予備軍」であるため、引き続き、
名称を「監視化学物質」として存続する。
S
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e1
7
(
3
)③改正化審 j
去のポイント (
サプライチェーンに係る情報伝達)
0第一種監視化学絢貨を事業者間で自由渡する相合には.相手方事業者に対して化学
物質が.一種監視化学物質であること等を伝遣する努力‘績を思す.
0第二種特定化掌物質等及び徳一橿監視化学物質について、三省及び所管文匡は
叫'ー'血"'''揖l¥l1l挫:2<7li
l
l
品 多 量 晶 晶 こJ
-剖
F
ザブ弓イ司f'...._'
.
,
/中
仁函豆ヨヨ
心
│
'M当陸蝋...警 護
![函日
化 学 棚 ・剛
原材料
│
一次加工
メーカー
l
メーカー
1M
品
l〆ーカー l
.帥.1jI入
υ
{婚置の例)
(管理の例)
'1
1
噛 ー納入の繁止・使開・用途の制限
1
1
晴 ・愉入の制限 ・綬舗の改造4
こよる使用震削幡
製途般舗の改善に・晶要性や過剣使用の見直し
よる緋出軍削減
・回収寧の向上再利用の
・中間噛の管理
徴慮、取緩いよの対策
代有毒物質への転績
18
S
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e1
8
2
.化審法における化学物質の
リスクアセスメント
S
l
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e1
9
8
3
化学物質のリ スクアセスメントから リスク マネ ージメン トまで
2 化審法における化学物質のリ スクアセスメント
(1)
現 行 化審 法 に お けるリスクアセスメント
(
2)改 正 化審 法 におけるリスクアセスメント
S
l
i
d
e20
(
参考 )リスクベース管 理 へ の移 行
0近年の世界の化学絢質管理a
債の斑れは‘化学物質固有の有害性のみに着目した
ハザードベース管理から、環境への按出量{晦露量)も踏まえたリスヲベ{ス管理ヘ
シフト。
E玉 己 .I
t
,
t1I.
I
守
2
2
2
F
│
有害性化学物質が人や環境中の動植物に珂してどのよう右望ましくない影響を及ぼす可能性があるか
嘩1
1
量人や動範鞠がどのくらいの量 G
I
I
O
Oの化学物質にさらされているか
G
S
l
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e21
次に,化審法のリスクアセスメントについてお話します
まず
リスクとは何か目 リスクと
はハザード×暴露量であるといいますが,この掛け算という概念がわかりにくいのです.そも
そも有害性に排出量を乗じたらどのような単位になるのかいつも不思議に思っています. とは
いえ,皆さんも,この式を見せながら,有害性の評価値より暴露量が大きければリスクが大き
い,有害性評価値よりも暴露量が小さければリスクが小さい,と説明されているのではないで
しょうか.
ハザードベース管理からリスクベース管理へシフトとオフィシャルには言っていますが,現
行化審法の概念も知らず知らずのうちに リスクという概念を入れているのではないかと思いま
す.ただし,実際に リスク管理をやっているかどうかは別です
8
4
(
財)安評セン ター研究所報
第2
0巻 2
0
1
0
(
参 考)改正化審法
・
唱瞳 岨,..
温-
S靖国@傭稽伝釜益遺書
哩 晶,
、a
曜周醐・l
C!陣頭象.恒餓掛醐跡。'>>"'", 4
E
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e22
(1)
現行化審法におけるリスクアセスメント
【細分解鑑司町時 人への 侵.. .怪ヌ"重~8 ・境働機いの"...岱あり】
民逮組入(予定および実刻U
鍍盆 周逮等の盾也
必要に四J
て拠逮愉入予定敏量停の変更命令
物質の取級技術 n
l
l
t
の公表
訟判
製品のき提矛、義務
m
副
S
l
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e23
現行化審法では,まず,新規化学物質の評価 をする部分が リスクアセスメン トになります
物質の性状,分解性,蓄積性及びハザードの評価をして物質を分類します.その上で暴露等の
懸念がある場合は リスク評価をします
その結果暴露のリスクが高いという評価 になれば第
二種特定化学物質となります
難分解かっ高蓄積であれば,一気に ,禁止物質である
一方で
第一種特定化学物質指定につながるプロセスに振り分けられます.この場合は, リスク評価 と
いうより毒性評価 をしっかり実施し,毒性があると 判断 されれば禁止扱いになります.現行の
化審法では,最初にハザードの評価を行い,第二種及び第三種監視化学物質になるとリスクア
セスメントをするということになっていると整理できますが,実態としては監視から二特指定
への過程があまり動いておりません
り着いておりません
つまり,監視は沢 山 していますが具体的な管理にまで辿
この様な問題点の解消を意図したのが改正化審法のア セスメン トとな
ります
8
5
化学物質のリ スクア セスメン トからリ スクマネ ージメントまで
( 2 ) 改正化審 j去における リス クアセ ス メント ( 第一段階平成 22 年 4 月 1 日~ )
曹三割特定化学鞠買
薗ー慣輔定他唱隣輔質
【
縄 分 絹 高 寄 情 人への長..・篭叉"高次鑓貧動舗"".恩恵怯")
】
w
目
製 造・
Il
λの持司.
.・
哩土策1l:l
'政令
製品の 入録止
・政令彼定周途留湯符の臨誼・,,
1
:
)以外での使用の抽止
J
宗軍治
・物貧血 融 制 問 拠 畠 { 物 質 使 用 網 島の取後益準適合 S
.回収奇術置命令
1m 1
.
【
格分...億冨横人,、の長期審也又拡重層環...舗への奈 1
1・後M 】
a
a
銅趨繍入《予定および実績lI
U量.用 ・の届出
"震に応じて 1
1
遺 繍λ予定鎗.."の J
U
!命令
物質 ぴ
費量 1
1柵'"・ ・t
鞠貧使用・ ・}の取 1
1
1
:
左側楢併の公事際
提示続務
2
4
政令指定"..の 4
a
a
S
l
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d
e24
( 2 ) 改正化 審 法 ( 平成 22 年 4 月 1 日~ ) における リ スクア セ スメン ト
① 良分解物 質を対象化
0現行法において、健分解怯を有する化学物質のみが対象となっていた鎗ニ積特定
化学物質、館ニ橿監視化学物責及び第三種監視化学物質について、良分解物質も
その対象とする。
-雛分解性でない化学物質であっても、その分解量を超える量が環境中に放出され
ること により、人文は動植物への被害が懸念されるため、製造 ・輸入数量の管理
を厳格化することが必要となる 。
'W S S D 2 0 2 0年目標では、我が国 に流通するすべての化学物質を対象に、
安全性評価を段階的に進める体系を構築する ことが求められている。
-欧州、米国をはじめ、国際的にも、難分解性の化学物質に限定して規制しておら
ず、その有害性や環境中への放出状況により、製造 ・輸入などの規制等の措置に
より、安全性の確保を図っている 。
S
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d
e25
② 低懸念ポリマーの確認制度の導入
0低懸念ポリマーについては、新規化学物賓の製造・鎗入居け出を要せず、既知見に
よる判断を特う祖I!O)対象とする.
・ 定の基準を満たすポ リマー(多数の低分子化合物が結合 してできる高分子化合
物)は分子量が大き〈細胞膜を透過 しないことから人の健康や動植物の生育に与
える影響は少なく、 国際的に も確認さ れてき てい る。
・こ うした動向を踏まえ、新規化学物質を製造 ・輸入 しようとする場合、高分子化
合物であって人の健康又は生活環境動植物の生息等に被害を生じるおそれがない
「
低懸念ポリ マー」の基準に該当する 旨の三大臣の確認を受けて新規化学物質を
製造 ・輸入するときは、化審法の届 出を不要とする 。
・低懸念ポ リマ の確認を受けた者は、報告徴収及び立入検査の対象となる。
S
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e26
8
6
(財)安評センター研究所報第2
0
巻
2
0
1
0
(2)改 正 化 審j
去におけるリスクアセスメント(第二段階平成 23年4月 1日 -)
ヨ_
.
.
.
.
.
.
.
.竺T 一 『
S
l
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e27
改正化審法では,新規化学物質については,審査段階でハザードを評価した後,優先的に評
価すべき物質かどうかについて簡単なアセスメント,すなわち,数量が多いか,開放系で大量
に使われているかという情報とハザードデータを組み合わせて評価を行い, リスクが低くない
と判断されれば優先評価化学物質に指定することになります.また,既存の化学物質に対しで
も同じ手順となります.既存化学物質の中から,数量 1 t以上である一般化学物質に着目し,
監視前対象として評価することになります.製造数量や用途情報を元に評価した結果,
リスク
が低くないものを優先評価化学物質に選びます.評価の途中で難分解かつ高蓄積の性状に該当
することが明らかになったものは,優先評価化学物質として見るのではなく,監視化学物質
(現行法における第一種監視化学物質)として監視し必要に応じて有害性調査を行うという
プロセスを採ります.優先評価化学物質は,現行法における第二種及び第三種監視化学物質に
当たるようなものですが,この優先評価化学物質が第二種特定化学物質に該当するかどうかを
判断するために,詳細なリスクアセスメントをすることになります.この手続きが,改正化審
法では法律上明記されています.今まで監視段階で止まっていた化学物質が第二種特定化学物
質まで手続上流れることになり, リスクマネージメントの点から 言うと管理すべき物質に仕分
けされていくことになります.ここが改正化審法で少し変更になった部分です
この改正によ
り,アセスメントのツールの部分が動くようになりました
8
7
化 学 物 質 の リ ス ク ア セ ス メ ン ト か ら リス ク マ ネ ー ジ メ ン トまで
(
2)改正化審法 (
平成 23年 4月 1日)
におけるリスクアセスメント
① 一 般 化 学 物 質 の 製 造 ・ 輸 入 量 等 の届 出
01トン以上の化学物質を創造幡入する者i
草、毎年度、製造・繍入置や用途等につい
て届出を行う.
0届出がなされた化学物質のリスヲ評価を行い、必要に応じて、優先醇価化学相買に
指定する.
α
-届出対象物質から除外される物質は、 獄 験研究用途、② 1 トンに満たない化学
物質及び③リスクが少ないと認められる化学物質 {
水
、 二酸化炭素等)に限定。
・届出対象物質について、公知でない有害性情報を得た場合には、三省庁(経産、
厚労、環境)に届け出 る
0
・特定化学物質、優先評価化学物質及び監視化学物質については、それぞれの規定
で届出を行 ってい るため、本規定に おける届出は不要。
S
l
i
d
e28
② 優 先 評 価 化 学 物 質 (新 設)
。届出対象物質からリスヲが高いと僻価された化学物質を優先静価化学物質に指定する
01トン以上の優先解価化学物質を製造輸入する者は、毎年度、創造愉入数量・用途等
について届出を行う.
。鮮細なリスヲE
平価を段階的に行い‘必要に応じて、第二祖特定化学物質に指定する。
。公知で怠い有害性情報告得た糧舎には、三省庁に届け出る(努力
a務).
0①優創先造僻・価鎗化入学事物業質者にには対下して
包の‘楊等が.せられる。
・
製
サ
ー
プ
造
に
ラ
よ
愉
イ
る
入
チ
簡
微
ェ
易
量
ー
毒
及
ン
性
び
に
鼠
お
用
取
け
途
実
る
の
情
絡
届
の
報
出伝
求
め
遣の努力‘務
②
使
・
情
園
用
報
に
事
よ
伝
象
る
遣
者
有
の
に
害
努
対
性
力
し
情
て
‘
報
積実施の指示
-聞による取縁状混暢告の求め
1
9
S
l
i
d
e29
1 t以上の一般化学物質については,製造・輸入事業者が届け出た後,行
政が簡単なリスク評価を行い 必要に応じて 優先評価化学物質に指定するという流れになっ
先述したとおり,
ています
優先評価化学物質の位置付けは, リスクマネージメ ン トの一手法であるとともに, リスクア
セスメントのプロセスの一段階であるともいえます
及びリスクアセスメントについての話です
8
8
以上が化審法のリスクマネー ジメン ト
(
財)安評センタ ー研究所報
③監視化学物質の扱いにつ叫い、吋て
1
:
m
一第紅ニ噌艦杭…学鞠畑物欄賞
…
M
及掬…
一
仏
り
、 鹿 止する.
第2
0
巻
2
0
1
0
E園 担s
週踊酪溢組J
広J
鞠叩叩釦耐
I
一ま
は
。第一樋J,i視化学物質 l
ま
、r
J
,
i
視化学物質 J
と名称を変更し、存続する。
-第二種監視化学物質は、人の健康を損なうおそれがある化学物質を指定し、その製
1
度 である。
造輸入数量の届出を求める告)
-第三種監視化学物質は、動植物の生息又は生育に支障を及ぼすおそれがある化学
物質を指定し、その製造輸入数量の届出を求める制度である。
-改正法において、人の健康及び動植物に対する毒性を評価する優先評価化学物質
が新設されたことを受けて、第二種及び第三種 監視化学物質は廃止する。
・第一種監視化学物質は、第一種 特定化学物質の「予備軍」であるため、引き続き、
名称を『
監 視化学物質」と Lて存続する。
S
l
i
d
e30
3
. PRTR法における化学物質のリスク
アセスメントとリスクマネージメン卜
S
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1
3
. PRTRl
去における化学物質のリスクアセスメントとリスク
マネージメント
(1)PRTR;
去の概要
(
2)PRTR法における化学物質のリスクアセスメント
(3)PRTRI
去における化学物質のリスクマネージメント
S
I
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3
2
8
9
化学物質のリスクアセスメントからリスクマネージメントまで
次に .PRTRi
法における化学物質のリスクアセスメントとマネージメントについて簡単に紹
介します
(1) PRTR ~去の概要
【法律の目的】
事業者及び国民の理解の下に、
①特定の化学物 質の環境への排 出量等の把握に関する指置
を講ずること
また、
②事業者による特定の化学物質の性状及び取扱いに関する
情報の提供に関する措置等を講ずること
③(上記①及び②を通じて)
事業者による化学物質の皇主血
主萱里の改善を促進し、環境の保全よの支障を丞盤 監正す
ること
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e33
(1)PRTR;
去の概要
【制度の概要】
OPRTR制度と MSDS帝
J
I
度の 2制度を規定 。
'PRTR制度排出量、移動量の把握、行政への届出
'MSDS制度化学物質の性状、取扱に関する情報提供
0第一種指定化学物質は、 PRTR制度と MSDS制度の対象
0第二種指定化学物質は、
MSDS制度のみ対象
S
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e34
PRTR法の目的には. I
特定の化学物質の環境への排出量等の把握に関する措置並びに事業者
による特定の化学物質の性状及び取扱いに関する情報の提供に関する措置等を講ずることによ
り,事業者 によ る自主的な管理の改善を促進し環境の保全上の支障を未然に防止すること J
とあります.この目的からわかるように,国が規制する化審法と異なり. PRTR
法は,事業者
の自主管理を促すという点が特徴です. PRTR法が定める事業者の自主管理制度は 2つありま
す.PRTR制度と MSDS制度です
PRTR制度では,事業者が排出量・移動量を把握し行政
に届け出ることになります
一方. MSDS制度では,事業者間での取引において,化学物質の性状や取扱いに関する情報
提供を義務付けています
9
0
(財)安評センター研究所報第 2
0
巻
PRTR法の規制対象物質には,第一種指定化学物質及び第二種指定化学物質があります
2
0
1
0
有
害性があかかっ環境中相当広範囲に存在する(暴露の量が多いと想定される)物質は,第一
種指定化学物質として指定されます.ま た,第二種指定化学物質は,有害性については第一種
と同程度だが,暴露については将来的に第一種相当になると考えられるものです
RTR制度と MSDS制度の対象ですが,第二種指定化学物質は.
化学物質は .P
第一種指定
MSDS制度のみ
対象となっています
(
2
)PRTR
;
;
去における化学物質のリスクアセスメン ト
対象となる化学物質(指定化学物質)を選定するための要件
① 化学物質の有害性評価
有 害 性 発 が ん 性、変 異原性、経 口慢性毒性、
吸入慢性毒性、生殖発生毒性、感作性、
生態毒性、オゾン層破壊性
②相当広範囲の環境での存在
一般環境中での検出又は製造・輸入数量を 用いて判断
S
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e35
ここで,事業者の自主管理はリスクマネージメントになっているのかという疑問が出てきま
すが,そもそも自主管理対象となる 化学物質は,行政が リスク評価を行い,決めています.す
なわち P
RTR法におけるリスクアセスメントは
要件は 2つあります
実は行政が行っています.対象物質を決める
1つは化学物質の有害性です.有害性評価に当たっては,発がん性,変
異原性,経口慢性毒性,吸入慢性毒性,生殖発生毒性,感作性,生態毒性及びオゾン層破壊性
がエンドポイントとなります
2つめは相当広範囲の環境での存在の有無であり,これについ
ては, 一般環境中での検出又は製造/輸入数量を用いて判断します
91
化学物質のリスクアセスメントからリスクマネージメントまで
(
3)
PRTR法における化学物質 のリスクマネージメント
0事業者による排出量
、 移動量の把握。行政による公表 。
0把握した情報をどのように取り扱うかは、事業者次第。
(
事業者による自主的な管理)
0行政が対象物質と数量を公表するため、排出 量や移動量
の抑制効果が期待。
S
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e36
PRTR法では,行政が対象物質を指定し,公表し ますが,実はここがきわめて重要と考えま
す.PRTR法上管理対象として指定されている物質
つまり一定量の有害性があり一定量の暴
露があり得るという物質が使用されているという事実を(個別事業者名こそ出ないが)行政が
公表する事に よって ,事業者には,危険な物質を使っていることについて社会からいつ何時指
摘を受けるかもしれないというリスクが発生します
これを考慮すると,事業者の自主管理に
任せてはい ますが,対象物質の名称と 数量を公表している以上,事業者が自ら 排 出量や移動量
の抑制 に取 り組むという効果が期待されます
以上 を踏 まえると. PRTR法は, 化学物質管理の方向性を管理, 制限し ている法律ともいえ
ます.
4
.化学物質の管理
S
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9
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第2
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1
0
4 化学物質の管理
(1)
化学物質管理の共通目標は?
(2)国 (
行政)の 役 割 は ?
化審法や PRT尺j
去を例に。
(
3)
事業者の役割はつ
化審法や PRTR法を例に。
(
4)使用者の立場はつ
(
5)諜題は ?
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e38
では,化学物質の管理はどうするべきなのか?私は,化学物質管理には共通の目標があると
考えています.また,関与するそれぞれの立場の方々は何をすべきか,私なりの考えを紹介します
(
1)
化学物質管理の共通目標はつ
0リスクに応じた化学物質の取扱
そのための共通基盤として、
-比較可能な共通の基準の存在、
.わかりやすい情報の開示
S
l
i
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e39
先程の林先生の講義の中で,寺田寅彦さんの「正当に怖がる事はなかなか難しい Jという言
葉について紹介がありました. まさにそのとおりだと思います.そして,共通の目標とは,化
学物質についてリスクに応じた取扱いをすることではないかと私は考えています
つまり,怖
がりすぎず怖がらなさ過ぎず,適度に物質の怖さを評価したうえで取り扱うということです
ある物質はエンドポイントを発がん性で評価しました ,別 の物質は変異原性で評価しました,
と物質毎に評価 されても共通認識を得るのは難しいと思います.共通認識を得るためには,こ
うした評価を横串で挿したもの,すなわち, リスクアセスメントを解釈する共通の基準を用意
することが必要です.また, リス クア セス メン トの結果やハザードデータを 一般の方へわかり
やすい形で開示することも必要となってきます
9
3
化学物質の リスクア セス メン トから リスクマネ ージメン トま で
(
2)国(
行政)の 役 割 は ?
⑦化審法の場合
製造・輸入の管理。
→ 性 状、有害性に応じて、監視から許可まで。
② PRTR~去の場合
有害性があり、かつ、ぱく露量が多い物質名の公表。
→社会各層に各種きっかけを提供。
S
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e40
国の役割には色々あると考えます.今回紹介したのは化審法と PR
TR,法ですが,それ以外に
も色 々と法律があります.法律に応じて役割は異なり ますが, 例 えば化審法の場合,国の役割
は,毒性 を有するものが市場 に出 回らないように製造/輸入を管理,あるいは毒性の程度に応
じて監視することです.一方
PRTR法では,取り組み自体は事業者の自主性に任せています
が,有害性を有する物質名を公表し社会各層へ機会を提供する のは行政の役割 になっていま
す
(
3)
事業者の役割は?
①化審法の場合
数量等の届出 、有害性情報の提供
→ 化 学 物 質 の 最終的な取扱は園 (
行政)の判断
② PRTR
法の場合
排出量、移動量の把握、有害性情報の提供
→化学物質の最終的な取扱は事業者の判断
(
事業者の自主 管理)
S
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e41
製造・輸入事業者の役割はどうでしょうか 化審法では, 化学物質に関する各種データを提
出するのは事業者ですが, どう取り扱うか最後に決めるのは行政になります.一方, PRTR
l
法
oBの間で提供され,最終的な取扱いは事業者が判断することに
では,排 出量などの情報がB t
なります
9
4
つまり,法律に よって事業者に求められ る役割は異なっています
(
財)安評セン ター 研 究 所 報 第 2
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2
0
1
0
(4)使用者の立場はつ
0適切な管理や情報開示が行われていることを前提として、
初めて取扱いの判断が可能。
→各種データや公表資料の充実、
わかりやすい情報提供が必要。
S
l
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一方,使用者,いわゆる 川下にいる方には,これまできちんとした情報が届いていなか った
のではないかと考えます.使用者にとっては,適切な管理や情報開示があって初めてその物質
の扱い方を判断することが可能になります
そのため,一般の方にもわかりやすい各種情報の
提供が必要となります
(
5)課題は つ
0コストベネフィッ トの議論
0予防的指置のあり方
など
S
l
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e43
リスクマネージメ ン トという観点から,我々はコストベネフィットの議論を避けて通れませ
ん 例えば,すでに出回っている物質がある日化審法の第一種特定化学物質に該当すると判明
した場合,翌日からその物質の使用を一切停止できるのか.物質や物質含有製品を隔離できる
なら 別ですが,身のまわりに入り込んで、いるものを 回収できるのか.これを考える際には,コ
ストと ベネフィ ッ トをきちんと議論しなければいけません
またリスクアセスメントする前に,危ないものについては予防的措置を取れればいいのです
が,その予防的措置の概念がありません予防的措置のあり方について議論が行われ,アセス
9
5
化学物質のリスクアセスメントからリス クマネ ージ メン トまで
メントをする前の事業者の判断材料として活用することができれば,ビジネス上の有効な措置
となるはずですー以上のような課題があります
置臨担当i
掴園陸 謡史J
ご清聴ありがとうございました。
S
l
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行政と事業者だけでなく,事業者の下にいるいろいろな方も含めて,どのような管理をする
のかを局面ごとに考えることが重要となっています.
本日はご清聴ありがとうございました
9
6
(財)安評センター研究所報第2
0巻
2
0
1
0
I
I
.論文発表
原著論文
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9(
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9
)から要約転載
安全性に関するトピックの動向-52(
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) :遺伝毒性(見直し)
林 真
財団法人
食品農医薬品安全性評価センター
S
2遺伝毒性のガイドラインについて報告します. S
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グjレープのガイドラインを見直す必
要が出てきたのには,いくつかの要因があります.まず,制定後 1
0
年がたって多くの科学的進
歩があり,見直す時期であると, S
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2Bと分かれ使いづらいため, S2(Rl)に集約しよう
ということ, また, 1
0年間でデータベースが整備されて , i
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システムで陽性が非常に多いことが,このガイドラインを見直す大きな動機です. もう一点は,
特に ヨーロ ッパで、の動物福祉の問題で、
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は戦略的 な要素が含まれていま した ので,多数の意
見が提出されましたその意見に対応するために国際共同研究を行っていますので,少し時聞
がかかっています
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原著論文
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9)か ら 要 約 転 載
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*.安評センター職員
9
8
(財)安評センター研究所報第2
0巻
原著論文
2
0
1
0
実験病理技術研究会会 誌 Vo
.
l1
8
:459(
2
0
0
9
)を全文転載 (
転載許諾済み)
固定前・固定後における器官重量測定値の比較検討
宇野冬美・山本都夫・萩原
財団法人食品農医薬品安全性評価センター
孝
病理部病理検査室
干4
3
7-1213 静岡県磐田市塩新田 5
8
2
2
Keywords:固定前,固定後,器官重量,ラット,毒性試験
[目的]
一般毒性試験において,器官重量測定は必須項目である.通常,測定は固定前に行なわれる
が,組織の挫滅などを考慮して , しばしば,甲状腺・下垂体・精嚢・前立腺などを固定後(翌
日など)に測定する場合もある . しかしながら ,固定前および固定後における器官重量値の変
動についての報告はほとんどない.
今回,我々は固定前および、
固定後の器官重量測定値の変動について比較検討を行なった
[材料および方法]
l 材料.
1
1 動物および器官: 1
3週齢W
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rHannoverラット雌雄各 5匹 を 使 用 し た 測 定 器 官 は
毒性試験で広 く測定対象となる,心臓,腎臓,肺,肝臓,牌臓,脳,精巣,精巣上体,
前立腺,副腎,甲状腺,精嚢,胸腺,下垂体を選択した
1
2.天秤:メトラー・トレド社製上皿電子天秤 (XS603S) を使用した
13 固定液: 10%中性緩衝ホルマリ ン液(和光純薬工業株式会社)350mLを500mL
容フ。
・
ラスチ ック固定容器に入れ
一個体分の器官の固定に使用した.
2.方法
21.採材 :動物をエーテル麻酔下で,腹部大動脈より放血安楽死させ,器官の採材を行な
った 器官の採材は,通常の毒性試験の計画解剖と
同様の手順で解剖を行な った
精嚢については,内容物が漏れないように,根元
を糸で縛り採材した
肝臓については ,ホルマリン
の浸透を良 くするため,各葉を切り離し,割を入れ
た.牌臓についても ,割を入れた(写真1).
(写真1)
99
(財)安評センター研究所報
第2
0巻
2
0
1
0
[結果1
1 各器官において,ラット雌雄各5匹分の固定前および固定後器官重量の平均値を求めた.
雌雄とも肺重量が固定後2
2時間に増加傾向を示した(図 l 図2
).図 1~ 図4 の Oh は固定前を
指している
また,甲状腺, 下垂体, 副腎および卵巣については値が小さいため, 別グラフで表示した
(
図3
)
ー← 甲状腺♂ 吋ト 甲状腺♀ー← 下霊体♂
T
30090
ー下垂 体♀
リ冒♂
→-1
4
一副首♀ せー 卵 巣
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図 3 甲状腺,下垂体, 副腎, 卵巣重量平均値
肝臓については測定値が他器官より大きいため, 別グラフで表示した(図4
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図 4 肝臓重量平均値
固定後/固定前)
2 固定後と固定前重量の相対値 (
今回検討した器官には,肝臓のような大きな
1
.
8
ものと下垂体のような小さいものとがあり,絶
1
.
6
対重量値では比較しに くいため,相対値での比
1
.
4
較も行な った
相対値は固定後重量値を固定前
1
.
2
重量値で、
割 ったものであり,固定前重量を 1とし
た場合の固定後重量の比であ る
1
.
0
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.
8
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図 5 肺固定後と固定前重量の相対値
1
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肺については,雄で固定後 1
時間で統計学的に有意な低値を示し ,固定後22時間以降では
有意に高値を示した.雌では,固定後22時間以降で有意に高値を示した(図 5
)
下垂体については,雄では固定後 70時間以降で有意に低値を示した.雌では有意差は認
められなかったが,固定後46および70時間で減少傾向を示した.他器官については有意差
は認められなかった(図 6
).有意差の認められた肺および下垂体については. p値を表 lに
まとめた
1
.
2
甲状腺
1
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下垂体
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(財)安評センター研究所報
第2
0
巻
2
0
1
0
表1
. 統計結果(有意差が認められた P値)
固定時間
2
2
4
6
7
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6
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7
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器官
肺(♂)
肺 (♀)
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3
3
8
注: ーは有意差が認められなかったことを指す
[考察]
今回検討した器官の内,肺および下垂体以外は,固定前と固定後の重量に差は認められなか
った
肺については,雌雄ともに重量の増加が認められた
これは気管支や肺胞腔内に固定液が
時間に雄では有意に低値を示したが,それは I
個
徐々に貯留したためと考えられた.固定後 1
体の値のみ低値を示したためであり, 他の値はほぼ変動していない.その他,固定後6
時間ま
ではほぼ一定の値を示しており
時間以内 での測定が可能であると示唆された. 但し ,
固定後6
固定前に測定することを推奨する
下垂体については,固定後4
6時間から 70時間 で重量の減少が認められ,固定後24時間以内
に測定する必要があると示唆されたが
減少の原因については不明であった.
前立腺については,有意差が認められなかったが,相対値の変動があった本来,固定前に
重量測定を行なった方がより正確な重量値が得られると考えられる
しかし,採材時の手技が
難しく,隣接する精嚢が破れ,内容物が漏れる恐れが考えられることから,固定後に測定を行
なうことは精嚢の重量の正確性,精嚢の病理組織学検査の正確性を確保するために,やむを得
ないことと考えられる
下垂体および甲状腺の有意差が認められなかった部分についても,相対値の変動が多少あっ
たしかし固定前に測定する場合,採材時に組織の挫滅が考えられることから,病理組織学
検査を確実に行なうために,固定後の測定を推奨する
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9)から要約転載
視覚喪失 したビーグル犬にみられた肉芽腫性髄膜脳脊髄炎
岡村孝之,植田芳英,田中朔,佐伯雄輔,坪井優
財団法人
食品農医薬品安全性評価センター
9歳 9ヶ月齢時に視覚障害が疑われたため,眼科学検査を含む経
0歳4ヶ月齢時に四肢不全麻庫が発症し,予後不良と判断さ
過観察を実施したその経過中, 1
雄のピーグル犬において
れたため,安楽死の後,病理学検査を実施した
眼科学検査では,両眼ともに散瞳し,視覚に関する反射反応を消失していたことから,視覚
喪失と診断された眼底検査では,視神経乳頭周囲の黄色化像が認められた病理学検査では,
視神経乳頭の陥 凹ならびに乳頭周囲の網脈絡膜萎縮が認められ,左右の視神経で,
リンパ球,
形質細胞およびマクロファー ジの浸潤,視神経線維の変性・萎縮が顕著に認められたまた,
脳および脊髄においても,囲管性細胞浸潤が広範囲に認められ,第5
胸髄では,顕著な肉芽腫
性炎症が認められた
これらの結果から,本症例は,眼型の肉芽腫性髄膜脳脊髄炎 (
GME) として発症し,これ
により視神経が著しく障害され,視覚を喪失したものと考えられた最終的には,脳・脊髄に
も病変が及ぶ播種型 GMEに移行し
1
0
4
これにより四肢の不全麻療が生じたものと考えた
(財)安評センタ ー研究 所 報 第2
0
巻 2
01
0
その他の論文発表
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(財)安評セン ター 研 究 所 報 第 2
0巻
2
01
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1
0
9
日本環境変異原学会第 3
8回大会(静岡)プログラム・要旨集 (
2
0
0
9
) P1
0
5,PO
I
Oから転載(一部編集)
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aを処理したトランスジェニックラットを用いる
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I
I
遺伝子突然変異試験およびP
i
g
A遺伝子突然変異試験
0田 中 仁, 向 井 大 輔 , 夏 目 匡 克 , 赤 堀 文 香 , 中 嶋 固 林
財団法人
真
食品農医薬品安全性評価センター
{要旨]
トランスジェニック動物を用いて外来遺伝子 (
c
I
I
) への遺伝子突然変異誘発能と内因
P
i
g
A
) への遺伝子突然変異誘発能が同様に検出できるかN
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lN性レポーター遺伝子 (
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u
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ENU)を用いて検討した .ENUをラ ッ トに 1日 l回.2
4時間間隔で3日間連続経
5
.3
0および4
5日後に尾静脈から末梢血を採取し,マウス抗
口 投 与 し た 初 回 投 与 前 日 投与 1
抗体と反応させた後 GPIアンカー欠損赤血球数 (
CD59陰性赤血球)をフローサ
ラット CD59
イトメーターを用いて計測したまた 投与4
5日後に 大腿骨および肝臓を摘出した各臓器
から DNA を抽出し • c
I
Iアッセイを行い突然変異頻度を算 出した. その結果,経時的に GPI
ア
I
I
ンカータンパク欠損細胞の出現頻度の増加が認められた また,骨髄および肝臓において c
遺伝子の突然変異の増加が認められた
[結果・結論]
ENUを処理したトラ ンスジェニックラッ トでは,経時的に P
i
g
A遺伝子の突然変異頻度の増
I
I
遺伝子の突然変異頻度の増加
加が認められたまた,同ラットの骨髄および肝臓において c
i
g
Aおよ 、
びc
I
I
遺伝子(骨髄)
も認められた. ENUを処理したトラ ンスジェニックラッ トでの P
2
の突然変異頻度増加には 良好な相関性 (
R=0
.
7
2
7
5
) が認められた
ENUによ って誘発された P
i
g
A遺伝子の突然変異頻度が投与後約 4
5日まで経時的に増加して
陰性赤血球の蓄積が示唆された
いくことから. CD59
P
i
g
Aおよび、
c
I
I
遺伝子の突然変異頻度の増加に良好な相関関係が認められていることから,
Pig-A 遺伝子の変異を指標とした試験系は ,血 液においては • c
I
I
遺伝子を指標とした試験系と
同等の検出力があると考えられた
ねて検証することが必要と考える
1
1
0
ただし
1化合物のみの結果であるため,さらに例数を重
(財)安評センター研究所報第 2
0
巻
2
01
0
日本環境変異原学会第38回大会(静岡)プログラム・要旨集 (
2
0
0
9
) P108,P
0
1
5から転載
フローサイトメトリーを用いるラ ット末梢血液中の小核赤血球の測定:
施設聞による影響評価
0益森勝志
1
)
笠本佐和子1)鈴木健一郎 1
) 古屋有佳子 1
) 上田摩弥 1
) 向井大輔 1
)
中嶋園
1
)
1
)
林
財団法人
真
1
)
Tor
o
usDK2), D
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食品農医薬品安全性評価センター
2
)
L
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nLab
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i
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牌臓による末梢循環からの小核を有する赤血球の選択的な除去を考慮すると,ラットを用い
る小核試験において末梢血液を用いた評価に限界がある. フローサイトメトリー法について幼
若赤血球の計数に焦点をあわせて,十分な細胞数を計数すれば,事実上ラッ ト末梢血 での測定
値に信頼性が得られることが報告されている. BSRCとL
i
t
r
o
nにおいて 同一サンプルを 測定し
た場合,測定結果が異なるか,あるいは同等かどうか調査するために施設問研究を実施した
Sprague-Daw
l
ey ラットにシクロフォスフアミド(用量:5,1
0および1
5mg
/
k
g
/
d
a
y
) を単回
L
U
sキ ッ
8時間に採取した サンプルは .RatMicroFlowP
経 口投 与 し 血 液 サ ン プ ル を 投 与 後4
サンプルにつき 2
サ ン プ ル 調 製 し 両施設においてそれぞれ 1
サ ンプルずつ 測 定した.
トを用い l
r2 =
測定装置は施設問で異な っていたが,フ ローサイトの施設問のデータには,良い相関性 (
0
.
9
7
) が認められた加えて,アクリジンオレンジ、超生体染色を実施し,顕微鏡を用いた末梢
血液から得られたデー タもフ ローサイトのデータと同様な結果を示していた.以上の結果から,
マラ リア標準品で標準化 されたフローサイト測定機器を使用した場合,異なった研究施設にお
いても問題なく末梢血サンプルを測定できる
1
1
1
日本環境変異原学会第 3
8回大会(静岡)プログラム・要旨集 (
2
0
0
9
)P
1
0
8
.P
0
1
6か ら 転 載
コメットアッセイおよび、小核試験の一般毒性試験への併合の検討
-採血による試験結果への影響0上田摩弥,笠本佐和子,田中仁,向井大輔,岩倉佳奈子,中嶋園,林
財団法人
真
食品農医薬品安全性評価センター
試験動物数の削減策として,一般毒性試験に TK
群が設置しである場合に,
TK採血後の動
物を使用してコメットアッセイおよび小核試験を実施し遺伝毒性を評価する方法を検討して
いる
今回は,本試験系における採血の試験結果への影響を検証する
2
,
6
D
i
a
m
i
n
o
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o
l
u
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n
eをC
r
l:
CD雄ラットに 1
5,3
0および6
0mg/kgの用量で 1日l回
, 2
8日間反
擬似TK
採血を実施した群は陰性対照および6
0mg/kgのみとし採血を実施しな
a
i
lDNA
い群と比較した.コメットアッセイは肝臓および胃を対象器官とし 評価指標は%t
復投与した
とした
小核試験は骨髄に加えて末梢血についても検査対象としたその結果,肝臓を用いた
採血群のいずれも,
コメットアッセイにおいて,通常投与群および擬似TK
6
0mg
/
k
g
群で、陰性
対照群値と比較して有意な増加が認められた胃を用いたコメットアッセイならびに骨髄小核
および末梢血小核試験においては
1
1
2
陰性結果が得られた
(財)安評センター研究所報第2
0
巻
2
0
1
0
日本環境変異原学会第 3
8回大会(静岡)プログラム・要旨集 (
2
0
0
9
) W-6, p
.
9
8から転載
コメットアッセイの国際バリデーション
中嶋園
1
)
1
)
小島肇
財団法人
2
)
2
)
宇野芳文
3
)
本 間正充
2
)
林
真
1
)
食品農医薬品安全性評価センター
国立医薬品食品衛生研究所
3
)
田辺三菱製薬
コメットアッセイ(単細胞ゲル電気泳動法)は, DNA損傷の検出法として i
nv
i
v
oおよび
i
nv
i
t
r
oのいず、れにおいても広く利用されている
しかしこれまで、正式なバリデーションを
実施していなかったことから,現在,日本代替法評価研究センター(JaCVAM) の主導で
国際バリデーション試験を実施している.バリデーション試験は,当初,
日本環境変異原学
研究会の共同研究として開始されたが, 2
0
0
6年に“J
aCVA Mi
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会・ MMS
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ocometa
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" というタイトルで、JaCVAMのテーマとして採
v
a
l
i
d
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i
o
noni
択された.その結果,国際規模の試験となり,バリデーション・マ不一ジメントチームには
NIEHS,OECD,ECVAMおよびICCVAM/NICEAT Mの専門家も加わることとなった
本研究の目的は,コメットアッセイで発がん性を予測することが可能か否かを確認すること
i
nv
i
v
oコメットアッセイにおいては,安全性試験で広く使用されているげっ歯類を
nv
i
v
oUDS試験の代替試験となりえるかを検証することにある.現在では i
nv
i
v
o試
用いる i
hase4の , i
nv
i
t
r
o試験がPhase2の試験を実施している段階である.今回は,これまでの
験 がP
haseを進めていく上で,コメット
研究成果を時系列で紹介する さらに,バリデーションの P
に加えて
像の選択の際の標準化が不十分であることから,アポトーシスあるいはネクローシス様の像
像)も観察対象としている研究機関があることが判明した各研究機関
(いわゆる hedgehog
A
t
l
a
so
fComet"を準備中であるので,その
のコメット像選択の標準化を図る一方策として "
一端を紹介する予定である
1
1
3
実験病理組織技術研究会
第1
6回 総会 ・学術集会(大阪)
講演要旨集
(
2
0
0
9
) p.
l8
から転載
イオン交換樹脂を用いた脱灰法の検討
0宇野冬美,
財団法人
山本 郁 夫 , 萩 原 孝
食品農医薬品安全性評価センタ ー
[目的]
各種毒性試験では,大腿骨(骨髄を含む)や鼻腔などの骨組織の病理組織学的評価が求めら
れることが多いが,その標本作製過程に脱灰工程が含まれるため,標本作製期聞が長くなり ,
短期 間での病理組織学検査が困難となる.当施設では
標本作製期間の短縮が検討課題となっ
ており,イオン交換樹脂を用いることにより,脱灰期聞が短縮できるとの情報を得て,イオン
交換樹脂を用いた脱灰法の導入検討を目的として
従来の脱灰法との比較検討を行なった
[材料および方法]
l
. 脱灰器官
CD (
S
D) ラッ ト6週 齢 大 腿 骨 , 胸 骨 , 気 管
ピーグ jレ犬6ヶ月齢 胸骨,大腿骨
2
. イオン交換樹脂
アンバーライ ト
1
8週 齢 大 腿 骨,鼻腔
(
I
R1
2
0
BNA)オルガノ株式会社
3.方法
イオン交換樹脂をメッシュ袋に詰めて
脱灰液 (
10%ギ酸ホルマリン液)を入れた容器
底部に沈めておいた。脱灰器官は常法に従って脱脂し ,イオン交換樹脂の入 った脱灰液に
入れ脱灰を実施した。脱灰時間は器官によって 1日 2日 3日に設定し、 トリ ミングは脱
灰終了日の前 日午前に行なった。脱灰後の処理として従来の中和作業と流水水洗のみとの
比較検討も行なった。
[結果]
イオン交換樹脂を用いた脱灰法では脱灰時聞が従来法より大幅に短縮され,作製された標本
も従来の脱灰法で作製されたものと 同程度に良好で、あった.また,脱灰後の中和作業をせてその
まま流水水洗に進む方法で、作製された標本も,中和作業を実施したものと 同程度に良好で、
あった
[考察]
今回の検討では,イオン交換樹脂を用いることで骨組織の脱灰時間を大幅に短縮でき,作製
された標本の質も鏡検に適しており,イオ ン交換樹脂脱灰法がルーチ ンに適用可能であること
が確認できた
また,その他のメリッ トとして
ギ酸ホルマリン液の使用量も大幅に減らせる
ことから,コス ト削減や作業者へのギ酸ホルマ リンの暴露も減らせることが考えられる.
1
1
4
(財)安評センター研究所報
第2
9回
第2
0
巻
2
01
0
比較眼科学会年次大会講演要旨集 (
2
0
0
9
)p
.
5
4から転載(一部編集)
視覚喪失したビ}グル犬についての眼科学および病理学的考察
岡村孝之,溝口真和,三木雅代,植田芳英,豊田和弘,水橋福太郎
財団法人
食品農医薬品安全性評価センタ ー
1
9
9
9
年5
月に約 6
ヶ月齢で当セ ンタ ーへ搬入されたピー グル犬の雄 l
例に,眼科学検査で網膜
裂孔(円孔)を右眼に 2
箇所認め,単発光刺激による ERG
検査の反応が正常であったことを,
第4回比較眼科基礎部会病変検討会において報告した今回は
その後の経過について報告す
る
経過観察中,網膜裂孔の進行は認め られなかったが,
2
0
0
8年8月に物の動きに反応しない等
の行動異常が認められ,視覚喪失が疑われたため,状態把握と原因調査を目的として眼科学検
査を実施した
その結果,両眼の瞳孔は散大しており,驚│号反応,綿球落下試験,踏み直り反
射および対光反射(瞳孔反射)の消失が認められたスリットランプおよび双眼倒像検眼鏡を
用いた検査では,右眼においてタペタム領域の反射充進,
周辺の黄褐色化が観察された.左眼では角膜に血管新生
2ヶ所の網膜裂孔の癒合および乳頭
色素沈着および重度の混濁が認めら
検査では,右眼に正常な反応が認め
れ,中間透光体以後は観察不能で、あった. しかし ERG
られ,眼圧は両眼ともに正常範囲内であった
剖検時の肉眼的観察では,左右視神経の肥大(直径7mm),大脳における局所的な髄膜の白
色化が脳溝に一致してみられたが,明らかな結節性病変は認められなかったまた,脊髄分節
T4~T6付近において脊髄の腫張と部分的な褐色化が認められた
病理組織学検査では,視神経乳頭の陥凹ならびに乳頭周囲の綱脈絡膜萎縮が認められ,左右
の視神経で,
リンパ球,形質細胞お よびマ クロファージの浸潤,視神経線維の変性 ・萎縮が顕
著に認められた
また
脳および脊髄においても
囲管性細胞浸潤が広範囲に認められ、第5
胸髄では,顕著な肉芽腫性炎症が認められた
以上より本例は,眼型の肉芽腫性髄膜脳脊髄炎 (GME) として発症しこれにより視神経
が著しく障害され,視覚を喪失したものと考えられた。最終的には、脳・脊髄にも病変が及ぶ
播種型 GMEに移行しこれにより四肢の不全麻庫が生じたものと考えた
1
1
5
第2
6回日本毒性病理学会講演要旨集
(
2
0
1
0
)P
8
5, p
J
0
3から転載(一部編集)
低用量のエストロジ、ェン様作用物質による遅発効果における
ラット下垂体の病理学的検討
0植 田 芳 英 , 今 井 清
財団法人
食品農医薬品安全性評価センター
雌ラットでは,胎生期あるいは新生児期のある一定時期(臨界期)に生理的な範囲を超え
た大量のエストロジェン様作用物質である e
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ると a
害,特に発情周期の異常が現れること(遅発効果:d
el
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) が知られている.その発
現機序としては,エストロジェン様作用物質の生殖器官への直接作用ではなく中枢神経系を介
した作用である事が示唆されている .そこで雌における低用量のエストロジェン様作用物質
の遅発効果をより詳細に検討する目的で,親動物に妊娠6日から晴育2
0日まで、 d
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経口投与し経胎盤および経乳的に少量の DESに暴
露された雌ラットの下垂体を生後2
9週目に採取して, ERα ,FSHおよび、p
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nを免疫組織
化学的に染色し病理形態学的に検討したその結果
の好塩基性細胞には,大型で、円形の核が偏在し
性腺刺激ホルモ ンを産生する下垂体前葉
一部には豊富な細胞質の中に周囲にハローを
有する封入体構造を有する細胞(I型細胞)と,円形の核が細胞質の中心に位置し卵円形でや
や小型の細胞 (
I
I型細胞)の 2
種類があるが,発情周期の変化に伴って,
1型細胞と E型細胞
の比率に変化がみられ,発情休止期あるいは発情後期に比較すると発情前期から発情期では I
型細胞が減少し , より多 くの E型細胞が観察された .E
Rα は I型細胞および E型細胞の核に
陽性を示したが,発情後期から発情休止期では I型細胞, I
I型細胞とも核がERα に強陽性に
染色された細胞が散見され,発情前期から発情期にかけては強陽性に染色された細胞は観察さ
れなかった経胎盤・経乳汁的に DESを暴露された群で持続発情あるいは発情休止期が持続し
ていた例では, HE染色で I型細胞の減少が観察され
これに伴 って
I型細胞と E型細胞の
中間型と考えられる,やや大型で,細胞質の一部に好酸性染色領域を有する卵円形ないし多型
性細胞の増加が認められた.これとともに I型細胞
E型細胞ともに ERα およびFSHの染色
性 が 低 下 し た ラ ッ トの下垂体前葉では, FSHとLHが同一細胞により産生されることが明ら
かにされている.今回,持続性の発情周期の異常が観察された動物では I型細胞の減少が認め
Rα も減少していることから,これらの動物ではエストロジェンに対する反応
られ,同時に E
サージの消失によりネガテ イブフィ ードパ ック機構が障害されたことにより,
性の低下と FSH
持続的な発情周期の異常を来たしたものと考えられた.また
観察期間途中で一時的に発情周
期の乱れを生じたものの,剖検時には正常の発情周期が観察された例では,下垂体に形態学的
変化が認められなかったことから,今回持続的な発情周期の異常を来たした例に観察された下
垂体の変化は、回復性の変化と考えられた。さらに、各例いず、れにも下垂体の性腺刺激ホルモ
1
1
6
(財)安評センター研究所報
第2
0巻
2
0
1
0
ン産生細胞に変性・壊死などの退行性変化は認められなかったことから,発情周期の異常は下
垂体に原因があるのではなく上位の制御機構の変調に起因した変化であることが示唆された
現在,より上位の中枢神経系、特に視床下部 一下垂体系への影響について検索中である
なお,本研究は平成 2
0
年度厚生労働科学研究費補助金 高感受性集団に於ける化学物質の有
害性発現メカニズムの解明及び評価法開発にかかる総合研究の一環として実施された
1
1
7
第2
6回日本毒性病理学会 (
金沢)講演要旨集
(
2
0
1
0
)P
3
3, p.7
7から転載(一部編集)
F
3
4
4ラットにおける塩化マグネシウムの慢性毒性・発がん性の検討
0高見成昭
1
)
1
)
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曹 永 晩 1 ) 小川久美子
1
)
西川秋佳1)
国立医薬品食品衛生研究所病理部
[目的]
塩化マグネシウム (MgC1
2) はニガリの主成分であり,主に豆腐用凝固剤として使用されて
いる MgC
1
2の使用基準及び、対象食品の制限はなく ,一日許容摂取量も制限しないとされてい
るが,ラットにおける長期投与毒性に関する報告はない.今回,既存食品添加物安全性再評価
生毒性・発がん性併合試験を行なった
の一環として MgC
1
2の慢↑
[方法1
週齢の F
3
4
4ラットを用いて,慢性毒性試験として MgC12を0,0
.
2
5,0
.
8,2
.
5あるいは 5
.
0%
濃
6
度で添加した混合飼料を雌雄各群 1
0匹に 5
2
週間,発がん性試験として MgC1
,1
.2
5あるいは
2を0
2
.
5
%濃度で添加し た混合飼料を雌雄各群5
0匹に 1
0
4週間自由摂取させた
[結果]
慢性毒性試験では,雌雄の 2
.
5
%以上の群で便の軟化及び摂水量の増加が,雄の 5
.
0
%
群で摂餌
量の減少及び体重の増加抑制がみられた 血液学的検査では,雄の 2
.
5
%以上の群で白血球数の
.
0
%
群で赤血球数,ヘモグロビン量及びヘマトクリット値の増加がみられた血清
減少,雌の 5
.
0
%群で総コレステロ ール及びトリグリセリドの減少あるいは減
生化学的検査では,雌雄の 5
少傾向,雄の 5
.
0
%群及び雌の 2
.
5
%以上の群でマグネシウムの増加,雄の 2
.
5
%以上の群及び雌の
5
.
0
%
群で無機リンの増加がみられた病理組織学的検査では被験物質投与に関連した変化はみ
られなかった発がん性試験では, 0
,1
.2
5及び2
.
5
%群の各群で,雄群では 1
2,1
1,1
0
例及び
,7
,1
4
例が死亡あるいは切迫屠殺された雌雄の 2
.
5%群で 1
0週固ま で下痢が観察さ
雌群では 6
れた雌雄の投与群で、摂水量の増加がみられたが,体重及び摂餌量には明らかな影響はみられ
な か っ た 病 理 組 織 学的検査では,雌雄ともに増殖性及び腫傷性病変の発生頻度に被験物質投
与による影響はみられなかった.
[結論]
F344ラットを用いた MgC12の慢性毒性試験における無毒性量は,雌雄とも 0
.
8
%(
雄 :3
6
8
mg/kg
体重/日,雌:4
3
9mg/
kg
体重/日)と 判断 された MgC1
は
1
0
4
週間の反復投与により
2
ラッ トに おいて発がん性を示さないと考えられた
#現安評センタ ー
1
1
8
(財)安評センター研究所報
第2
0
巻 2
01
0
その他の学会・研究会発表
1)浜 田修一,石井宏幸,小谷百合,高津博修, 成見香瑞範,川端政義,箕輪茂徳,中川宗洋,
林 真 3回投与による小核試験とコメットアッセイのコンビネーション試験法に関する
検 討 , 第3
6回日本トキシコロジー学会
2) 山 田 隆 志 , 張 慧 瑛 , 田 中 雄 四 郎 , 山 田 隼 , 前川昭 彦
, 林 真 反 復 投 与 毒 性 のi
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毒性作用機序に基づいたメトヘモグロビン血症/溶血誘導物質のカテゴリー
化一 , 第 3
6
回日本トキ シコロ ジー学会
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7)安井学,小山直己,高島良生,林 真,杉本憲治,本間正充.共焦点ライブセルイメ ー
8回大会
ジング によって明らかとな った小核のライフサイ クル 日本環境変 異 原 学 会 第 3
(静岡)
1
8
)鈴木孝昌小原有弘,ラマダンアリ,菊池裕,本間正充,林真.バルカン腎症の原
因物質としてのアリストロキア酸およびオクラトキシン A 日本環境変異原学会第 3
8回
大会(静岡)
1
9
) 浜田修一,中嶋
固宇野芳文,本間正充.遺伝毒性試験の一般毒性試験への組み込み
8回大会 (
静岡)
(
現状と展望), 日本環境変異原学会第 3
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) 田中 期,岡村孝之,植田芳英,溝口真和
, 三木雅代,佐伯雄輔,坪井優, 豊田和弘
水橋福太郎,肉芽腫性髄膜脳脊髄炎により視覚喪失したピーグル犬の一例,第 3
7回静岡実
験動物研究会
下線.安評セ ンタ ー職員
1
20
(財)安評センター研究所報第 2
0
巻
2
0
1
0
N. 望月喜多司記念賞
1.平成2
1年度(第 24回)受賞者
1
)
食品・農薬・医薬品等の安全性の分野
該 当者なし
2
) 農薬の分野
功労賞
うえの
たみお
上野民夫
所属機関
研究題目
業績の大要
大日本除虫菊株式会社 中央研究所 顧問
植物病原菌のライフサイクルと 二次代謝に関する生物有機化学的研究
植物感染病の 80%以上が糸状菌の寄生に起因する .その寄生は,植物表面
に伝搬された休眠胞子の発芽 に続く,宿主の認識,菌糸の侵入,定着と拡
大・蔓延を経て発病への経過 をたどる したがって, 植物病原糸状菌のライ
フサイクル制御機構の研究は,菌類生理 ・生態学 と植物保護学に新 しい成果
を提供するだ けでなく, 休眠の覚醒 と病原性の獲得 という生命科学の基本的
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命題の解 明 とも深い関わりがある.上野氏が本研究 を開始 した当初は. 多
くの病原菌はなぜ特定の植物だけに寄生するのかけ という 植物病原菌の宿
主選択性と病原性の獲得に関する分子機構は全く未開拓の 分 野 で あ っ た こ
の課題を解明するべく,氏は植物病原菌のライフサイクルを念頭において,
①休眠胞子の覚醒と発芽,②病原菌による宿主の認識と定着,③植物による
非病原菌の排除の 3課題に焦点を絞り,果敢にそれぞれに関与する二次代謝
物質を探索して,それらを単離して構造を決定し,さらに系統的な合成展開
を行うことによってそれら 活性物質の植物病害の成立 におけ る生物学的意義
を明確に位置付 けた 本研究の成果は,植物病害生理の解明に新 しい視点と
領域を提供したばかりか, 見出 された新規活性化合物 は新規殺菌剤や選択的
除草剤に開発にも新しいタ ーゲットとして幾多の知見を提供 した.多方面に
及ぶ氏の研究の中でも独創的な本研究は高く評価される
また, 日本農薬学会の評議員を長期に渡って務め,現在は 同学会顧問およ
び日本学術会議連携会員として学会運営を支えている
功労賞
みつい
たかし
満井
喬
所属機関
独立行政法人理化学研究所名誉研究員
研究題目
害虫の生理 ・生化学的特性と制虫剤の作用に関する研究
1
21
業績の大要
満井氏は害虫の生理・生化学的特性と制虫剤の作用に関する研究で大きな
成果を挙げた.特にキチン生合成問害剤の作用機序の研究は高く評価され,
日本農薬学会業績賞, 日本農学賞(読売農学賞受賞)を受賞している.ま
た
,
日本農薬学会評議員 (1979~ 1
9
8
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年).同常任評議員 (1985~ 1
9
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年)•
同副会長 (1989~ 1
9
9
1年)副会長,同会長(19
9
1~ 1
9
9
3
年)など長く役職を
務め,学会の発展に大きく貢献した
功労賞
やまぐち
いさむ
山口勇
所属機関
東京農業大学客員教授
研究題目
植物病害制御剤の薬理と代謝に関する研究
業績の大要
山口氏は長年に渡り
微生物源農薬ブラストサイジン Sの環境中における
代謝分解研究および非殺菌性病害防除剤の薬理機構に関する研究を展開し,
数々の業績を挙げた.また,病害抵抗性組換え植物の開発,土壌病害の免疫
学的検診法の確立,カピ毒の生合成と代謝分解研究,環境汚染物質のレメ
デイエーションの研究では指導的役割を果たした.これらの成果により,科
学技術庁長官賞 (
1
9
9
8年)• 日本農学賞 (
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4年度). ACSI
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6年度)などを受賞している
また, 日本農薬学会長 (1999~2001 年) .第 2回環太平洋農薬科学会議開催
9
9年ホノルル).第 1
0回国際農薬化学会議セッションオーガナ
委員長(19
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2年パーゼル). P
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y編集委員
イザー (
(1993~2008年)を歴任し学会の発展に大きく貢献したさらに,農薬行
政でも(独)農薬検査所
技術センタ一
理事長 (2005~2007年). (独)農林水産消費安全
理事長 (2007~2008年)を勤めた
業績賞
ふじむら
まこと
藤村真
所属機関
東洋大学生命科学部教授
研究題目
ストレス応答シグナル伝達経路に作用する殺菌剤に関する研究
業績の大要
アカバンカピを植物病原菌のモデル糸状菌として位置づけ,殺菌剤の作用
機構および耐性機構の分子生物学的に解明することに取り組み,大きな成果
を上げている.特に,長年にわたり作用機構が不明で、あったジカ jレボキシイ
ミド系殺菌剤およびフェニルピロール系殺菌剤が,浸透圧シグナル伝達経路
に作用することを明らかにした藤村氏の研究は,ー殺菌剤の作用機構の解
明にとどまらず,ストレス応答シグナル経路の全容の解明につながり,植物
病原菌,麹かぴおよび医真菌などの糸状菌のシグナル伝達研究を先導する研
究となっている.また,圃場で問題となっているジカルボキシイミド耐性灰
色かび病菌の耐性遺伝子とその変異をアカバンカピの知見をもとに,見事に
1
2
2
(財)安評センター研究所報第 2
0巻 2
0
1
0
同定した.さ らに,蛍光プ ロー ブを用いた新しい耐性変異診断法を 構築し
て,ジカルボキシイミド耐性菌 の圃場の分布解析へも展開してい る
業績賞
よねやま
こういち
米山弘一
所属機関
宇都宮大学雑草科学研究センター教授
研究題目
根寄生植物の宿主認識に関する研究
業績の大要
農作物の根に寄生する根寄生植物は, 世界の農業生産に大きな被害を与え
ている.寄生部位が地下であるため防除が困難であり,有効な防除策は確立
されていない.米山氏は,根寄生植物の宿主認識の最初の過程である種子発
芽が,宿主の根から極微量分泌される発芽刺激物質によって誘導されること
に注目し,発芽刺激物質の単離と構造解析 発芽刺激物質の生合成・分泌の
制御機構に関する多くの成果を挙げている .その成果は,作物 一雑草間の化
学交信や植物の環境応答についての新しい知見 を提供するだけではな ,
く 世
界の重要難防除雑草である 根寄生植物の新しい制御手法の開発へと繋がるも
のと期待されている.以上のょっに氏の研究は,作物保護の基盤研究として
高く評価される
奨励賞
けんじろう
ふるた
古田賢次郎
所属機関
研究題目
業績の大要
農業生物資源研究所特別研究員
新規抗幼若ホルモン活性物質の合成探索と作用特性に関する研究
幼若ホルモン(JH) が多様な生理作用を有することから,抗JH活性物質
はJH
作用機構の解明に不可欠な分子プローブとして,また,新規昆虫成育
制御剤として期待 されてきたが
実用 的な化合物は未だ に開発されてい な
い 古田氏は独自の視点から合成探索を行い,これまでに新規抗JH活性物
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を見出した. また, KF-13およびKF-38を局所施用したカイコ幼虫では,体
液中の JH1
が消失するこ とを明らかにしてい るこ とから,今後の発展が大い
に期待できる.
奨励賞
みやした
まさひろ
宮下正弘
所属機関
京都大学大学院農学研究科助教
研究題目
植物およぴ昆虫生理活性を有するペプチド類の生物有機化学的研究
1
2
3
業績の大要
新規で高活性な生理活性物質の探索は,次代の農薬開発につながる重要な
研究である
宮下氏は,生理活性ペプチドを対象として,新規活性化合物の
探索手法および構造解析手法に関する新しい技術の開発に取り組むととも
に,これまで、研究例の少なかったサソリペプチド毒素の構造と機能に関する
生物有機化学的研究を展開してきたすなわち植物に病害抵抗性を誘導する
エリシターペプチドの活性発現に必須の構造を,独自の活性試験とコンビナ
トリアルケミストリを併用して解明した. また, 日本産のサソリから新奇で
高活性な殺虫性ペプチドを精製し,その構造を解明したさらに
14Cと質
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omolレベルという超高感度のペプチドの構造解析
量分析装置を用いて. a
技術を開発し ,農薬分野のみならず医薬分野に対しても多大に寄与する業績
を上げた
論文賞
よしだ
たかのぷ
吉田隆延
所属機関
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
生物系特定産業技術研究支援センタ一
生育管理システム研究
研究題目
業績の大要
生産システム研究部
主任研究員
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本報文は,土壌伝染性のキャベツ萎黄病菌であるフザリウム菌 Fusarium
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n (REMI)法を用いて病原性欠損変異株を作成し病原
性欠損変異株が,キャベツ萎黄病に対するバイオコントロール活性を持つこ
ととともに. GFP
蛍光タンパク質を用いた可視化技術によって内皮への進入
能力が不全となっていることを組織学的に明らかにしたさらに,病原性欠
損変異株の分子生物学的解析を行って,破壊された遺伝子satlを特定し,こ
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eをコードしていることを明らかにした.著者らが病
原性欠損変異株を用いて糸状菌の措抗性と病原性について掘り下げようとし
た一連のアプローチは
生物防除理解の新展開として高く評価できる
このように,本論文は 1)病原性欠損株の作出. 2) 非病原性の要因解
明,および. 3) 当該株を利用した,寵病の抑制まで,幅広く取り組んだもの
であり,葉根野菜類の萎黄病やつる割病などの病理発生機序の解明および予
防・治療法の開発にむけた基礎的知見や手法を提供するもので意義深い.
1
2
4
(財)安評センター研究所報第 2
0
巻 2
0
1
0
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.公益法人としての実施試験および委員会活動
(1)国立医薬品食品衛生研究所
-食品・添加物等規格基準に関する試験研究
(
2)厚生労働科学研究費補助金事業
-化学物質リスク研究事業・高感受性集団に於ける化学物質の有害性発現メカニズムの解
明及び評価手法開発にかかる総合研究(小野班)研究分担者
-医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業:国際的整合性を目指す医
薬品等の品質,有効性及び安全性に関する研究(井上班)研究分担者
-化学物質リスク研究事業:化学物質リスク評価における(定量的)構造活性相関((Q)
SAR) およびカテゴリーアプローチの実用化に関する研究(本間班)研究分担者
-化学物質リスク研究事業:国際協調により公的な試験法を確立するための手順に関する
研究(大野班)研究分担者
(3)内閣府
・食品安全委員会農薬専門調査会
座長代理
.食品安全委員会添加物専門調査会専門委員
(4)厚生労働省
.ICHS2(R1
) (医薬品申請のための国際調和,遺伝毒性改訂)の専門家作業部会
座長
(5)経済産業省
-産業構造審議会
臨時委員
(6)環境省
・中央環境審議会 専門委員
(7) (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO)
-構造活性相関手法による有害性評価手法開発プロジェクト
プロジェクトリーダー
(8) (独)医薬品医療機器総合機構
-専門委員
(
9) (独)医薬基盤研究所
-基盤的研究等外部評価委員会
委員
(
1
0
) (独)製品評価技術基盤機構
-化学物質管理センター技術専門職員
(
1
1
) IAEMS (国際環境変異原連合)
-遺伝毒性試験のための国際ワークショップ(IWGT) 組織員
(
12
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aCVA M (日本代替法評価センター)
-単細胞ゲル電気泳動試験国際バリデーション委員会
議長
(
13
) 日本動物実験代替法学会
.LLNA-DA法バリデーション研究実行委員会(委員長吉村)実行委員
・LLNA-BrdU法バリデーション研究実行委員会(委員長小島)実行委員
1
2
5
羽.公的研究
1)厚生労働科学研究費補助金(化学物質リスク研究事業)
「
高感受性集団に於ける化学物質の有害性発現メカニズ、ムの解明及び
評価手法開発にかかる総合研究」
分担研究者:今井清(財団法人食品農医薬品安全性評価センター
技術顧問)
分担する研究項目:新生児脳の性分化への化学物質高感受性影響に関する研究,低
用量エストロジ、ェンの視床下部前腹側室周囲核の発達・分化へ
の影響に関する研究
2) 厚生労働科学研究費補助金(医薬品・医療機器等レギュラトリ ーサイエンス総合研究事業)
「国際的整合性を目指す医薬品等の品質、有効性及ぴ安全性に関する研究」
分担研究者:林真(財団法人食品農医薬品安全性評価センター)
分担する研究項目:安全性関連分野の総括および遺伝毒性の国際動向調査
3) 厚生労働科学研究費補助金(化学物質リスク研究事業)
「化学物質 リスク評価における(定量的)構造活性相関((
Q
)
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) および
カテゴリ ーアプローチの実用化に関する研究」
分 担 研 究 者 ・林真(財団法人食品農医薬品安全性評価センター)
分担する研究項目.化学物質の安全性審査における構造活性相関モデルの利用に関する調査
研究
4
)厚生労働科学研究費補助金(化学物質リスク研究事業)
「国際協調により公的な試験法を確立するための手順に関する研究 J
分担研究者:鈴木雅也(財団法人食品農医薬品安全性評価センター)
分担する研究項目:遺伝毒性試験法の統計解析
1
2
6
(財)安評センター研究所報第2
0
巻
2
0
1
0
四. 平
成2
1年度における海外出張・講師派遣及び見学・研修の記録
1)海外出張
(1)センター長林
真(平成 21 年 5 月 9 日 ~5 月 11 日)
目 的・ I
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X (国際薬物動態学会) 3
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)セ ン タ ー 長 林
真(平成 21 年 7 月 10 日 ~7 月 17 日 )
目 的:第 9回国際染色体異常シンポジウム
開催地:C
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3) セ ン タ ー 長 林
真(平成 2 1 年 8 月 17 日 ~8 月 2 1 日 )
目 的:第 5回国際遺伝毒性試験に関するワークショップ
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0回国際環境変異原会議
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4)試験部次長中嶋園(平成2 1 年 8 月 17 日 ~8 月 19 日)
目
的:第 5回国際遺伝毒性試験に関するワークショップ
開催地・ B
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(5) 遺伝毒性試験室長益森勝志(平成 21 年 8 月 20 日 ~8 月 31 日)
目 的:第 1
0回国際環境変異原会議
第 8回コメッ トアッセイに関するワークショップ
開催地:F
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(6) 試験部次長中嶋園(平成 21 年 8 月 2 1 日 ~8 月 25 日)
目
的:第 1
0回国際環境変異原会議
開催地:F
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真(平成 2 1 年 8 月 29 日 ~9 月
(
7) セ ン タ ー 長 林
目 的:第 9回国際代替法会議
開催地:R
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5 日)
(8) セ ン タ ー 長 林
真(平成 2 1 年 10 月 19 日 ~ 10 月 23 日)
目 的:NDA
結合性に関する評価会議, OECDA
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9) セ ン タ ー 長 林
真(平成 22年 1 月 24 日 ~1 月 26 日)
目 的 :FDA
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(
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)セ ン タ ー 長 林
真(平成 22年 3 月 3 日 ~3 月 6 日)
目 的 :ECV
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1)セ ン タ ー 長 林
真(平成 22年 3 月 11 日 ~3 月 14 日 )
目 的:コメット試験に関する国際バリデーション研究:マネージ、メント会議および全体会議
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1
2
7
2) 講師派遣
(1) セ ン タ ー 長 林
内
真(平成 2
1
年 4月 1
7日)
容 :講演 「
コ メットアッセイの国際バリデーション研究」
場 所 : 東 京 用 賀 (JaCVAM第 2回ワークショップ)
(2) セ ン タ ー 長 林
真(平成 2
1年 5月 9日)
内 容 : 講 演 iTheICHS
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(3) セ ン タ ー 長 林
真(平成 2
1
年 6月1
2日)
内容:講演 i
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場所:東京船堀 (
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(4)セ ンタ ー 長 林
真(平成 2
1年 7月 7日)
内
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o手法による化学物質のヒト健康影響の評価 シンポジウム
5:
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o手法による化学物質の有害性評価の試み」
容 .講演
場 所 : 岩 手 盛 岡 ( 第3
6回日本トキシコロジー学会)
(5) セ ン タ ー 長 林
真(平成2
1年 7月 1
9日)
内容.講演 i
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(6) セ ン タ ー 長 林
真(平成 2
1
年 8月 1
7日)
内容:講演 i
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場 所 :B
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(7)センタ ー長 林
真(平成 2
1年 1
0月1
6日)
内 容.講演 i
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o遺伝毒'性試験 -ICHの動きと課題」
1年度大会)
場 所 : 静 岡 掛 川 ( 静 岡 実 験 動 物 研 究 会 平 成2
(
8) セ ン タ ー 長 林
真(平成 2
1年 1
0月2
0日)
内容講演 i
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(9) セ ン タ ー 長 林
真(平成 2
1年 1
0月2
2日)
内容:講演 i
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)
(
10
)センター長林
真(平成 2
1年 1
1月 1
1日)
内
容:講演「環境変異原学と放射線影響学の接点一化学物質のハザードとリスクー」
2回大会)
場 所 : 広 島 ( 日 本 放 射 線 影 響 学 会 第5
1
28
(財)安評センター研究所報第2
0巻
真(平成 21
年1
2月 1
6日)
(
1
1)セ ン タ ー 長 林
内
2
0
1
0
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容-講演「化学物質の安全性評価におけるカテゴリーアブローチおよび i
評価支援システムの開発J
場所・東京
震が関(内閣府総合技術会議の化学物質連係施策群に関するシンポ
ジウム)
(
1
2
)センター長林
内
真(平成 21
年1
2月2
4日)
容.講演「反復投与毒性による化学物質の安全性評価
エキスパー トジヤツ
ジを支援するためのデータベース及びユーザーインターフェースの構
築-J
場所:東京茅場町(日本化学工業協会ケミカルリスクフォーラム)
(
13
)試 験 部 安 全 性 試 験 室 大 石 勝 章 病 理 臨 床 検 査 室 萩 原 孝
(平成 2
1年 5月1
4日
, 6月1
0日
, 1
2月21日,平成 22
年 1月1
2日)
内 容 : ラ ッ ト・マウス投与及び採血採尿解剖に関する技術指導
場所:全薬工業株式会社
(
14
) 試験部遺伝毒性試験室リーダー
内
田 中 仁 ( 平 成21
年 6月1
0日)
容細菌を用いる復帰突然変異試験研修指導
場所:旭化成ファーマ株式会社
(
1
5
) 試 験 部 安 全 性 試 験 室 リーダー
伊藤圭一
(平成 2
1年 1
1月 9日
, 1
1月1
9日
, 1
2月1
8日,平成 22
年 1月1
5日)
内
容・生殖試験における胎児内臓検査技術指導
場所.杏林製薬株式会社
3) 見学・研修
(1)国内外試験研究機関,製薬・農薬会社,各種団体等の見学
(7件
, 7
2名)
(
2)ラット小核試験における標本作製及び鏡検技術に関する外部からの研修生
(1件,
1名)
1
2
9
四.財団法人食品農医薬品安全性評価センター
動物実験倫理委員会規程および動物実験に
関する指針
施行
改定
改定
改定
改定
2
0
0
3年1
2月 1日
2
0
0
5年 4月 1日
2
0
0
7年 5月 l日
2008
年1
1月 5日
2
0
0
9年 3月 4日
動物実験倫理委員会規程
(目的)
第 l条
財団法人食品農医薬品安全性評価センター(以下,センターという)における実験動物
(日甫乳類,鳥類および腿虫類に属する動物をいう)を用いて実施する全ての試験・研究
(以下,動物実験という)計画について,動物実験等に関する法令,センターの動物実
験に関する指針および省庁等の定める指針に適合しているか否か等,動物愛護および
科学的観点からその実施の可否の審査を行なうためセンター長の諮問機関として,動
物実験倫理委員会(以下,委員会という)を置く.センター長は委員会の答申に基づき
当該動物実験実施の可否を決定する.
(定義)
第 2条
この規程において「動物実験」とは,実験動物を用いて実施する全ての試験・研究を意
味する.
(業務)
第 3条
本委員会は,別途定める手続きにより申請(様式 1)のあった動物実験の実施に際し,
別に定める「財団法人食品農医薬品安全性評価センター動物実験に関する指針」並びに
関連法令や省庁等の指針を参考に,動物愛護および科学的観点からその実施の可否に
つき審査を行ない,センター長に答申書(様式 2)を提出する.センター長が承認した
場合は,申請者に承認書(様式 3)を発行する
承認しない場合は,答申書の写しを申
請者に渡す
(組織)
第 4条
本委員会は,委員長 l名,副委員長 l名および動物実験に直接関与しない委員を含む
若干名を以って構成する
2 委員の任期は 2年とし,再任を妨げない
3 委員に欠員が生じたときは,必要に応じて後任を選任する.後任者の任期は,退任し
た委員の任期の残存期間とする.
4 委員は,センタ ー長が任命する
1
3
0
(財)安評センター研究所報
第2
0
巻
2
0
1
0
5 委員長は,委員の互選により選出する
6 副委員長は,委員長が指名する
(職務)
第 5条 委 員 長 は 会 務 を 統 括 す る
2 副委員長は,委員長を補佐し委員長に事故ある時はこれを代行する
3 委員は ,委員長の指揮を受け,本委員会の要務に参画する
(召集)
第 6条
委員長は,必要に応じて委員会を召集する.ただし委員長が緊急性,審査目的など
を考慮し,適当と認めた場合には
書面による審査に代えることができる.
2 委員長は,必要に応じて関係職制の本委員会への出席を求めることができる
(開会定足数)
第 7条
本委員会は ,委員の過半数の出席がなければ開会することができない
(審査)
第 8条
本委員会を開催し,審査対象の試験・研究計画実施の可否を判定する場合は,出席委
員 4分の 3以上の合意を要する
2 申請者が当該委員である場合は,審査の判定に加わることはできない
3 前 l項 お よ び 2項の定めにかかわらず,第 6条の規定に従って,次の場合は委員長の
判断により申請書および試験計画書を各委員または委員長が指名する委員に回覧して
審査し,審査結果をセンター長に答申する
(1) 動物実験の試験方法がすでに確立されており,倫理的に問題がないことが明らか
である場合
(2) 本委員会において既に承認された試験・研究内容と方法が同等であり,かつ,試
験・研究目的に関して倫理的に問題がない場合
(3) 国内外で承認されたガイドラインにしたがって実施される定型的な毒性試験
(報告)
第 9条
動物実験責任者は,承認された動物実験が終了した場合は,速やかに動物実験終了報
告書をセンター長に提出する(様式 4)
(記録の管理)
第1
0条
本委員会に関連する資料等は,事務局において保管,管理する
本委員会に関連する資料等で公開すべきものについては,センター長がこれを公開す
る
(事務局)
第1
1条
本委員会の運営管理に関する事務を処理するため,事務局を設置する
1
3
1
2 事務局は,本委員会を円滑に運営するための必要な諸事項の準備を行なう
(規程の改定等)
第1
2
条
本規程の改定等については,委員会の議を経て経営会議の承認を得るものとする
(細則)
本規程に定めるほか,本委員会の運営に関する要領,細則等は,本委員会において定
第1
3
条
める
付則
この規程は. 2
0
0
9
年 3月 4日より改定施行する
1
3
2
(財)安評センター研究所報第2
0巻 2
0
1
0
施行
改定
財団法人
2
0
0
7
年 5月 l日
2
0
0
8
年1
1月 5日
食品農医薬品安全性評価センター
動物実験に関する指針
(
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2
0
0
8年 1
1月 5日改 定
財団法人
食品農医薬品安全性評価センター
動物実験倫理委員会
1
3
3
財団法人
食品農医薬品安全性評価センター
動物実験に関する指針
(
G
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)
目次
財団法人
1
3
4
食品農医薬品安全性評価センター動物実験に関する指針
別紙
l 動物を用いる生物医学研究のための国際指導原則
別紙
2 財団法人
食品農医薬品安全性評価センタ一実験動物取り扱い規程
(財)安評センター研究所報
財団法人
第2
0
巻
2
0
1
0
食品農医薬品安全性評価センター
動物実験に関する指針
(
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この指針は,
I
動物の愛護及び管理に関する法律(平成 1
7年 6月2
2日)J
,I
実験動物の飼育及
8
年 4月2
8日,環境省告示 8
8
号)
JI
厚生労働省の所
び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(平成 1
管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針(平成 1
8年 6月 1日,科発 0
6
01
0
0
5
号)J
,I
農林水産省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針(平成 1
8
年
6月 l日,1
8
農会第 3
0
7
号)J
および「動物実験の適正な実施に向けたガイドライン(平成 1
8年 6
月 l日
, 日本学術会議)
Jの主旨にのっとり,試験及び研究を目的として行われる動物実験を計
画し実施するに際し,遵守すべき事項を示すものである.
試験・研究責任者及び実験担当者は,実験にあたって
国際医科学関係組織協議会が発表し
(
注 1)を十分に考慮すること
ている「動物を用いる生物医学研究のための国際指導原則 J
1
. 目的
財団法人食品農医薬品安全性評価センター(以下安評センター)において,実験動物(晴乳
類,鳥類および周虫類に属する動物をいう)を使用する全ての動物実験(以下
に関し遵守すべき事項を定め
科学的及び動物福祉の観点から
動物実験と略)
適正な動物実験の実施を図
ることを目的とする
2
. 適用範囲
この指針は ,安評センターにおいて行われる全ての動物実験に対して適用される
3
. 施設,設備,組織の整備
センター長は,動物実験を適性且つ円滑に実施するために ,専用区域を含む必要な施設及
び設備を整備するとともにその管理・運営に必要な組織体形の整備に努めなければならない
4
. 実験計画の立案及び動物実験の実施
試験・研究責任者は,実験動物を供しない方法が利用できる場合は当該方法を提案するな
ど,できる限り実験動物を供する方法に代り得る方法を利用することに配慮する
実験動物
を使用する場合はできる限り動物数を実験目的に必要な最小限にとどめるため,別紙 2の規
定に従って適正な供試動物の選択,実験方法の検討を行うと同時に,適正な動物実験に必要
な飼育環境等の条件を確保しなければならない.なお,動物実験の実施に際しては,全ての
動物実験について動物実験倫理委員会の審査を受け,センター長の承認を得なければならな
し
、
5 動物の検収と検疫
試験・研究責任者は,検収にあたって,動物の発注条件,異常・死亡の有無,一般状態,
輸送方法及びその状態等を確認し異常を発見した場合は速やかに動物の苦痛を取り除く処
1
3
5
置を講じなければならない
また,実験動物の検疫(注 2)の 実 施 を 指 示 し 感 染 症 , 非 感 染
症の違いを問わず健康状態が不良で動物実験への供試に不適切な動物の使用の防止,感染性
疾患の蔓延の予防に努めなければならない
6 実験動物の飼育管理・実験操作
試験・研究責任者及び施設管理者(注 3)は,協力して適切な施設・設備の管理に務め,適
切な飼育管理を行わなければならない.また実験担当者は
実験中の動物については勿論の
こと,動物の施設内への搬入時から施設外への搬出時に至る全ての期間に亘って,動物の状
態を詳細に観察し,必要に応じて苦痛を和らげる適切な処置を講じなければならない.さら
に,実験担当者は,動物に対し無用な苦痛を与えないよう配慮しなければならない .
なお,試験・研究責任者は微生物統御の状態が不明の動物(非
SPF動物)を導入しようと
する場合には,センター長に届け出て,動物管理室の指示により所定の動物管理施設内で適
正な管理を行わなければならない
7
. 実験終了後の処置
試験・研究責任者は,実験が終了した時は,
I
財団法人食品農医薬品安全性評価センタ一
実験動物取り扱い規定」に従って適切に処分することにより,速やかに動物を不必要な苦痛
から開放しなければならない.また
実験担当者は
実験動物の死体が原因で生じる人の健
康障害及び環境汚染の防止に努めなければならない
さらに,試験・研究責任者は実験の終
了後,センター長に実施結果について報告する
8
. 安全管理等に特に注意を払う必要のある動物実験
物理的,化学的,生物学的に危険な物質(放射性物資,放射線,病原体,
DNA組換え体,
発癌物質,変異原物質,その他安全性未確認物質など)を扱う動物実験においては,人の安
全を確保することはもとより,飼育環境の汚染によって動物が障害を受けたり,実験データ
の信頼性が損なわれることのないよう,十分に配膚しなければならない
9
. 付則
1) 指針の改定等
この指針を改定する場合には
動物実験倫理委員会の議を経て
経営会議の承認を得る
ものとする
2) 指針の施行
1月 5日より改定施行する.
この指針は, 2008年 1
(
注 1) 国際指導原則(別紙 l参照):WHO.C
hroni
c
l
e.
3
9
(
2
)
:
5
1
5
6(
1
9
8
5
)
(
注 2) 検疫・実験動物学の分野における「検疫」とは,広い意味に使われ,病気の診断,発病個体の淘汰,
治療ばかりなく新しい環境への馴化という意味も含まれ,具体的には動物の健康状態が判明しさらに動
物実験に使用できる状態であることが明らかになるまで既存の動物から隔離しておくことを指す
(
注 3) 施設管理者・総務部施設管理担当者
1
3
6
(
財)
安評センター研究所報
別紙
第2
0
巻
2
0
1
0
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WHO(WorldH
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n 世界保健機構)の医学研究諮問機関の勧告に基づき,
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e 国際医科学関係
組織協議会)は「動物を用いる生物医学研究のための国際指導原則(I
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s)
その基本原則は 1から 1
1まであり 内容は以下の通りである
l 生物学の進歩及びヒトや動物の保護・福祉の発達は各種の生きた動物を利用する実験に依
存している
2
実験目的にかなうなら,数学的モデル,コンピュータ・シミュレーション •
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oの実
験系などの方法を用いるべきである.
3 ヒトあるいは動物の福祉との関連あるいは生物学への貢献度などをよく考慮した上でのみ,
動物実験を行うべきである
4
. 実験に用いる動物は
科学的に合理的な結果を得るのに適切な品質の動物種を選択し動
物数は必要最小限度とすべきである
5 動物は感覚のあるものであるから,研究者はその取り扱いを決して誤ってはならない.そ
して,それらの管理および取り扱いは適切なものとし倫理上からは,動物の不安や苦痛
をなくすか,あるいは最小にするよう努めなければならない.
6
. 研究者は, ヒトに苦痛を起こすような手技は,他の脊椎動物にも苦痛を与えることを良く
長日っておくべきである.動物の痛覚についてさらによく研究する必要がある
7
. 痔痛や不安を起こすような手段を用いるときは,獣医学的手法により沈静,鎮痛あるいは
麻酔等の適切な処置を施すべきである.化学物質により障害に陥った動物に無麻酔で外科
的あるいは苦痛を伴う処置を施してはならない.
8 第 7項の規定を破らなければならないような時,その決定は実験に直接関与する研究者が
単独で、
してはならない.その決定は第 4.5.6項の規定に関連して適切な審査組織によっ
てなされるべきである.教育や公開の目的でのみ第 7項の規定を破ってはならない.
9
. 実験終了時あるいは途中において回復の見込みのない重篤または慢性的な癖痛,不安ある
いは障害に陥った動物は,無痛の状態で屠殺すべきである
1
0 実験動物はできる限り 最良の条件下で飼育維持されるべきである.通常,動物の管理は
実験動物学に造詣のある獣医師の監督下でなされなければならない. どんな場合でも,必
要に応じて獣医学的処置をとらなければならない.
1
l.研究者に動物の管理法について適切な資格や経験をもたせることは,動物を利用する研究
所か研究室の監督者の責任である.また,適切かっ人道的な意味も含めて動物の管理につ
いて,適宜職員の教育を行うべきである
1
3
7
別紙
2
財団法人
食品農医薬品安全性評価センター
実験動物取り扱い規程
I
動物の愛護及び管理に関する法律(平成 1
7
年 6月2
2日)j, I
実験動物の飼養及び
保管並びに苦痛の軽減に関する基準(平成 1
8
年 4月2
2日,環境省告示 8
8
号)j, I
厚生労働省の所
本規程は,
管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針(平成 1
8年 6月 1日,科発0
6
0
1
0
0
5
号)j, I
農林水産省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針(平成 1
8
年
6月 1日
, 1
8
農会第 3
0
7
号)
jお よ び「動物実験の適正な実施に向けたガイドライン(平成 1
8
年6
月 1日
, 日本学術会議 )
jに示された動物愛護の精神に則り,実験動物(晴乳類,鳥類および腿
虫類に属する動物をいう)を人道的かつ適正に取り扱うと共に,試験,研究の的確な成果獲得
に資することを目的にしたものである
第 l条:適正な動物実験等の方法を選択すること
科学上の利用の目的を達することができる範囲において
できる場合は当該方法を提案するなど
利用すること.さらに
実験動物を供しない方法が利用
できる限り実験動物を供する方法に代り得るものを
供される実験動物の数をできる限り少なくすること等により実験動
物を適切に利用することに配慮すること
第 2条・実験動物を適正に飼育管理すること
実験動物の健康と安全の保持に努め
して必要な量の給水,給餌を行い
動物種や発育状態に応じて適切な飼育ケー ジに収容
汚物を適正に処理し
微生物による環境汚染を防止する
など,常に施設を清潔に保つように努めなければならない. もし,実験中に動物が著しい健
康状態の悪化など不適切な状態に陥った場合には,速やかに苦痛から解放する為に処分を行
い,状況に応じては実験中止などの処置を行わなければならない.
第 3条.実験動物に苦痛を与えないこと
あらかじめ,動物実験倫理委員会の承認を受けた実験計画に従って,実験動物をみだりに
殺し,傷つけ,または苦しめることがないよう , その習性,生態,生理を考慮して適正に取
り扱わなければならない.
実験中,実験終了後または実験を中断した場合,不要となった実験動物を処分するにあたっ
ては,常に安楽死させるよう以下に示すような手段を選ばなければならない
処分後は,動
物の死亡を必ず確認すること
1)麻酔薬による実験処置および処分
手術などの実験処置の場合原則として,マウス,ラ ッ トはエチルエーテルの吸入あるい
はペントパルピタールなどの静脈内あるいは腹腔内投与
ウサギはペントパルピタールの
静脈内あるいは腹腔内投与,イヌ,サルは, ペ ントパルピタールの静脈内投与あるいはケ
タミンの皮下投与により麻酔を行う.安楽死させる場合は ,致死量を超える麻酔薬(通常
麻酔量の 2~3倍量)を投与して短時間のうちに致死させる .
実験の目的により,屠殺時
に採血することがあるが, この場合には深麻酔下,頚動脈のカニユレーションによる採血
または注射筒による腹大動静脈からの採血後,十分な放血を行い致死させる.その他,屠
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(財)安評センター研究所報第2
0巻 2
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殺時に頚動脈切断による採血,心臓穿刺による採血 などを行うことがあるが,できる限り
動物に苦痛を与えないよう配慮すること
2) 炭酸ガスによる処分
実験動物を密閉可能な容器に収容し容器内に炭酸ガスを吹き込んで致死させる
3) 頚椎脱臼による処分
この方法は,小動物に適用可能な殺処分法であるが,できる限り頚椎脱臼による処分は
避けるべきである
第 4条.死体の処理は適切に行うこと
実験動物の死体については,実験計画に従って適切に処理し,
目的とする処理が行われた
後は,指定の処理業者に委託して焼却処分する.処理業者にヲ │
き渡すまでは,死体をビニー
ル袋に入れ, ダンボール箱に収めて密封し指定された冷凍庫内に保管して悪臭の発生,環境
汚染などの防止 に努め
また感染が疑われる場合は
別に定められた手順にしたがって感染
の蔓延の予防処置をとらなければならない
付則
災害時における実験動物の保護および管理に関する規定
目的:
この取り決めは,動物福祉の一環として,
r
動物の愛護及び管理に関する法律」に基づいて,
災害時における実験動物の取り扱いについて定めたものである
基本原則マニュ
財団法人食品農医薬品安全性評価センタ一安全衛生委員会の定める地震『初動対応J
アル(以下,対応マニュアルと略)に従って ,災害時において人の安全を第 lとするが,動物
の逃亡を防止するとともに,動物をみだりに殺したり,傷つけ,苦しませないよう適性に取
り扱うように努めなければならない
災害時の動物の取り扱い
1
. 地震などの警戒宣言が発令された時
(1)人命確保が第一に図られるべきであるが, もし時間的な余裕があると 判断された場合
には,動物への充分な給餌,給水等,動物にできる限り苦痛を与えない処置を講じなけ
ればならない
2
. 火災,地震など緊急事態が発生した場合
(1)火災が発生した場合は,動物管理区域への延焼を最大限防止するよう努力をする
(2)可能な限 j 動物の逃亡の防止に努める
(3)その後の取り扱いは,災害対策本部と協議して,法に沿った措置をとる.
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編集後記
今年は例年以上に厳しい夏となりましたが,ょうやく暑さも和らぎ
過ごしやすい季節となりました
今年も無事,研究所報を発行することができ,大変うれしく思いま
す.
さて,本年度の研究所報は,昨年度の学術講演会における鈴木勝士
先生,賓園慎一先生および弊センター林の講演を中心に,弊センター
における 1年間の活動成果をご紹介しております
お忙しい中,学術講演会でのご講演,また原稿のご確認も快くお引
き受けくださいました鈴木,賓園両先生にはこの場をかりてお礼申し
上げます.
弊センターは,これからも皆様の信頼にお応えできるよう,
術力と評価能力の向上に努力して参ります
今後ともご支援,ご鞭捷の程,宜しくお願い致します
編集委員長
林
編集委員
大橋信之
真
水橋福太郎
中嶋
国
庄 子 -明 徳
北島省吾
田中亮太
柴田典昭
志賀敦史
益森勝志
藤原正孝
坪井
優
牧野貴博
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日々技
一次巻の予定一
安評セ ンタ ー 第 18回 学 術講演会よ り
最新のレギュラトリーサイエ ンスの紹介
〈
第 18
回学術講演会)
開催日程
開催場所
財団法人
平 成 23
年 2月 18日(
金)
午後
東京都千代田区大手町 2丁目 6番 1号
朝日生命大手町ピル
大手町サ ンスカイルーム
食品農医薬品安全性評価センター研究所報
第2
0巻 (
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年度)
発 行 ・平成 22 年
1
0月
発行者.加藤隆一
印刷:松本印刷株式会社
電話 (
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附
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財団法人
食品農医薬晶安全性評価センター
略称安評センター (BSRC)
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3 静岡県磐田市塩新田5
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附
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