学校だより 平成24年度 第5号(95号) 発行日 平成24年9月3日 東京都立立川ろう学校 校長 信方 壽幸 〒190-0003 東京都立川市栄町1-15-7 ℡ 042-523-1358 Fax 042-523-6421 夏休みの貴重な経験を活かし、2学期も頑張りましょう ! 校長 のぶかた としゆき 信方 壽幸 長い夏休みも終わり、2学期が始まりました。この夏休みは、先生方も、それぞれ専門性を高めるため、 さまざまな場所で研修を積んできました。私も、海外美術体験プログラムで中国の西安に行き、都内ろう学 校の中学部生徒10名(うち4名が立川校)と兵馬俑などの世界遺産に触れ、見聞を広めてきました。 この夏、部活動は、高等部が、ろう学校の関東大会で素晴らしい成績を収めました。バレー部は38年ぶ りの準優勝。野球部は2年ぶりの優勝。卓球部は普通科2年男子が個人戦3位となり、11月に行われる全 国大会への出場が決定。男子団体も敗者復活戦で葛飾ろう学校に勝ち、10年以上ぶりの全国大会切符をゲ ット。たくさんの感動をもらいました。それぞれの夏休みの貴重な経験を活かし、2学期も頑張りましょう。 ろう学校における指導の工夫(続き) 7月号の続きです。この内容は、夏休みの先生方の校内研修でも話しました。 過去の実践から 私は、小学部の教員であったため、小学校の教育実践から多くのことを学びま した。その中から、特に印象に残っている国語の実践を紹介します。 (1)登場人物の心情に迫る発問づくり 物語文の人物の心情に迫りたいとするとき、私たち教員は、 「○○は、どんな気持ちですか。」というよ うな発問をしたくなります。しかし、これでは、語い量が不足する子供が多数在籍するろう学校の授業は うまく展開できません。私は、小学校の実践から、五感に訴える発問について学び、実践しました。 例えば、小学校4年生の国語の教科書にある物語文「一つの花」で、「そんなとき、おとうさんは、決 まってゆみ子をめちゃくちゃに高い高いするのでした。」という文があります。この文から、お父さんの 心情を考えさせる発問も、五感に訴える発問とし、 「めちゃくちゃに高い高いをしている時、お父さんは、 ゆみ子のどこを見ていますか。 」 、 「この時、お父さんはどれくらい力を入れていますか。」としました。こ の発問で、子供たちは「お父さんになってみる」ことによって、お父さんの心情を間接的ですが仮想体験 し、お父さんの戦争に対するどうしようもない憤りと家族と別れる悲しみを感じ取ることができました。 (2)想像力豊かに読ませる「ふきだし法」 読む活動では、場面の様子や心情を想像力豊かに読ませるために、動作化がありますが、これに加えて、 登場人物の気持ちや会話を考えて、ふきだしに書かせる「ふきだし法」も実践しました。教科書の挿絵と 同じ絵を大きな画用紙に描いて、黒板に貼り、登場人物の絵に、子供たちが考えた気持ちや会話のふきだ しを付け加えていきます。すると、子供たちは、ふきだしをたくさん増やそうと頑張って考えるのです。 (3)発想を変えた感想文の書かせ方 物語文や説明文を読み終わった後、よく子供たちに感想文を書かせます。しかし、この感想文を書かせ るのは、ろう学校では大変時間がかかり、悩みの多い指導の一つです。そこで、私は、小学校の実践を参 考に、感想を作文形式だけではなく、詩にしたり、4コマ漫画にしたりすることも感想文の仲間として実 践しました。作文が苦手でも、漫画を描くことが大好きな子供は、楽しそうに4コマ漫画を仕上げました。 結果的に、語い量が豊富で文を書くことが得意な子供より、4コマ漫画の作品のほうが、要点を得たすば らしい感想文になりました。感想文を書くことが国語の授業を嫌いにする要因の一つであるならば、こう した発想を変えた感想文の書かせ方も、とてもおもしろい指導の工夫です。まとめの学習として、それぞ れの作品を合体して「新聞」にし、各学年や保護者に配布しました。 現在は、パソコンによるパワーポイントでのプレゼンテーションや、電子黒板や ipadを活用した指 導等、指導の工夫の範囲も拡大してきました。しかし、どんなに機器が充実しても、ろう学校で最大の目 標にしなければならないのは、日本語で読み書きし考えることのできる子供の育成です。そのためには教 材研究をしっかりと行ってほしいと思います。教材研究は教員としての成長につながります。未来のろう 教育を担う後輩たちには、聴覚障害のある子供たち一人一人のために、今より一層の努力を期待します。 4 幼 稚 部 夏は何といってもプール!みんな大好きな活動です。 1年生のちびっこは、水鉄砲が大好き。お互いに水をかけあい、楽し そうです。そんな遊びをとおして、ずいぶん水に慣れてきました。ワ ニ歩きも上手にできるようになりました。 2・3年生のお兄さん・お姉さんは、泳ぐのが上手になりました。顔をつけられなかった子も、顔洗い したり、口と鼻までつけたり、と、尐しずつ練習をしてい ます。そして、一番のお楽しみは、自由時間。ヘルパーを つけて泳いだりたり、ボール拾いをしたりして、思い思い に水遊びを満喫しています。まだまだ暑い日の続く9月、 大好きなプールは9月12日までです。 小 学 部 小低部 読書集会 小低部では、年に4回、教員による読み聞かせを実施しています。 第1回目の読書集会を7月10日に行いました。 司会進行は、3年生が担当してくれています。 「座ってください。」 「見てください。」と3年生たちは、1~2年生をしっかりリード して会を進めてくれました。 第1回目は、 「せんたくかあちゃん」の読み聞かせでした。絵本 を見ると、 「ああ、知ってる、知ってる。 」という声もたくさんあり ましたが、子どもたちは、読み聞かせが始まると真剣に見入ってい ました。 最後に、各学年から、お薦めの本の紹介をしています。今回は、 2年生の担当です。一人一人順番に、お薦めの本を堂々と発表して いました。 中 学 部 3年生・修学旅行 6/27~6/29 in 京都・奈良 ne 1日目、2日目は曇りで、過ごしやすく、3日目も気持ちよく 晴れた修学旅行となりました。奈良では多くの鹿に驚き、京都で は清水寺の荘厳な舞台に圧倒されました。和菓子作り体験では、 職人さんに丁寧に教わりながら、3種類の和菓子を完成させるこ とができました。夜のレク大会では大いに盛り上がり、2泊3日 共に過ごした全員が絆をさらに深められたと思います。 高 等 部 8月22日~24日の3日間、第61回関東聾学校卓球大会が本校主管で行われました。駒沢オリンピック 公園で、関東地区ろう学校 17 校・222 名が参加し、熱戦が繰り広げられました。 高等部の全生徒・教員・保護者で大会準備・運営・応援にあたりました。結果は 男子個人・団体で入賞し、全国大会の出場権を獲得することができました。 皆様ご声援、ご協力ありがとうございました。 関東聾大会結果報告 卓球部 エキシビション男子シングルス メダル獲得 陸上部 1部女子 やり投 優勝(全国大会出場) 男子個人3位(全国大会出場) 2部男子 やり投 優勝(全国大会出場) 男子団体入賞(全国大会出場) 1部女子 100m 2位(全国大会出場) バレー部 準優勝(38年ぶり!) 1部男子 400m 5位(全国大会出場) 野球部 1部男子 800m 2位(全国大会出場) 優勝(2年ぶり7回目) 乳幼児教育相談 ひよこぐみ 7 月20日、ひよこぐみの「おたのしみ会」をしました。集まったのは、 0 歳~2 歳のお友達とお母さん、兄弟さんの30名。はじめは、毎年恒例の 教員の劇(今年は「3 匹のこぶた」 ) 、校長先生のお兄さんぶた、副校長先生の お母さんぶたも登場、こわーいおおかみが現れるとお母さんの後ろに隠れたり 泣き出したお友達も…。でも最後にはおおかみも一緒にみんなでニコニコと ダンスをしました。次は「スイカわり」です。0 歳さんはお母さんと一緒に 挑戦、2 歳さんはひとりで棒を握って…、けれどもなかなか割れません。 最後はおかあさんの一撃で。みんなでおいしいスイカをほおばりました。 8 月 2 日は、登校日でした。夏休み中なので兄弟さんも参加でにぎやかな 登校日になりました。水遊びを楽しんだ後、みんなで「そうめん」を食べて 楽しい 1 日を過ごしました。
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