プラスチック用語集 アニーリング アイゾット衝撃試験

プラスチック用語集
アウトサート成形
(1)プラスチック成形品 に金属製 ブッシュなどの 部品を圧入し一体化 さ
せること。成形後、金型外で金属部品を挿入することから名づけられた
和製用語である。
(2)金型中に金属部品を挿入して金属入り樹脂製品を成形する(インサ
ート成形)と区別して、それよりも 大型の金属板上に小さなプラスチッ
ク部品を成形する方法のことをいう場合もある。金属板は合わせ用のピ
ンで金型に保持され、樹脂は金属板にあらかじめ開けられた穴を通って
射出される。
アキュームレータ
射出成形機の油圧回路に窒素ガスボンベの圧力を利用し、蓄圧された高
(畜圧器)
圧大容量の油が、必要に応じて短時間に供給される構造をいう。構造に
よりピストン式、ダイヤフラム式、プラダ(気体袋 )式がある。ポンプの
みの回路に比べ、立ち上がり応答性のアップ及び高速、高圧射出が可能
となる。また、吹込み成形機などにおいては、溶融樹脂を蓄積する部分
をアキュームレータと呼ぶ。
アクチュエータ
油圧機器において、油がもっている 圧力や速度などの油圧エネルギー
を、機械的なエネルギーに変換して仕事をする機器を油圧アクチュエー
タと総称している。また広い意味で油圧モータともいう。すなわち、油
圧制御装置の最終目的は、油圧アクチュエータ を作動させることにあ
る。油圧アクチュエータ を分類すると 、次のようになる。1、油圧シリ
ンダ(直線往復運動) 2、揺動モータ(有限回転、往復反転、運動) 3、油
圧モータ(無限回転運動 )。射出成形機には、1 と 3 が使用されている。
アニーリング
成形品の熱や機械的 な応力でできた内部の残留歪を除去し、形態を安定さ
せるために熱処理を行うこと
アイゾット衝撃試験
試験片の一端を固定して、ハンマーで衝撃破壊したとき材料に吸収されたエ
ネルギー量を測定する試験。
圧縮空気圧成形
真空成形とならんで広く利用されている熱成形の一成形法で、加熱して
(圧空成形)
軟化させたプラスチックシートをクランプし、圧縮空気の力でシートを
(プレッシャ成形)
引き延ばして型に沿わせ、成形品を得る方法をいう。真空の力でシート
を引き延ばして成形する場合は真空成形という。
圧縮成形
成形材料を金型製品部に入れて、圧力と熱を加えて成形する方法。
熱硬化性樹脂の成形が多い。
圧縮比
スクリューの供給部の溝の一空間容積(V2)と計量部の溝の一空間容積
(V1)との比 V2/V1 を言う。
アフターベーキング
アフタベーキングは、熱硬化性樹脂を成形後、一定温度のもとに一定時
間加熱する操作をいう。アニーリング(熱処理)が残留応力の除去を主
目的としているのに対して、アフタベーキングは加熱によって樹脂の硬
化(キュア)状態をさらにすすめて、寸法安定性を向上することを主目
的としている。フェノール樹脂による電気機器(重電流遮断器など)の
ように比較的高温度に長期間さらされる製品などに応用されている。ア
フタベーキングの一般的な処理方法(条件)としては、120∼150℃で数
時間もしくは数十時間(多くの場合 48 時間以内)加熱をする。加熱時
間は製品の形状や肉厚に応じて加減をするが、加熱中の製品の変形を防
ぐために治具を使用する場合もある。
アンギュラピン
金型の開閉時 に、スライドコアを作動させるために、移動方向に対してある角
度を持たせた案内ピン。フィンガーピンとも言う。
安定剤
熱、光などによる外観の変化や物性低下を防止するために、成形材料に混
合する添加剤を言う。
アンダーカット
成形品を金型から取り出すのに、変形させるか、特殊な構造を使わなければ
成形品が抜けない部分のこと。
I
SO
International Organization for Standardization (国際標準化機構)
国際標準化機構
の略称で、1947 年 2 月 23 日に発足し、本部はスイスのジュネーブにあ
り、200 以上の審議会にて規格を考案し審議する機関で、会員は各国の
代表的標準化団体で、1 カ国 1 団体に限られる。日本では日本工業標準
調査会 (JISC)が会員になっている。
I
SO14000
ISO14000 とは環境問題の改善のために国際標準化機構(ISO)が定めた規
格のことで、ISO14001 シリーズでは環境改善のための省エネや社員教育
などを実行するようきめ 細かく定められている。国際標準化機構 (ISO)
は、持続可能に関する産業人会議(BCSD)の依頼を受け、IEC と共同でア
ドホックグループを 1991 年 7 月に設立し、環境に関する標準化につい
て検討を開始し、1997 年までに 6 種類の環境規格を作った。
I
SO9000
ISO9000 とは国際品質規格のことで、ISO9000 シリーズは、品質管理活
動の一般通則で供給者による内部品質管理を実施していく 上での基本
となる要素について規定した ISO9004(=JIS Z9904) 購入者に信頼感を与
えるための活動である外部品質保証 に係る品質システムの要求事項 を
対象範囲の広さ別に 3 つのモデルに分けて規定した ISO9001∼9003(=JIS
Z9901∼Z9903) そして ISO9001∼9004 の選択及び適用方法について述べ
た ISO9000(=JIS Z9900) の 5 規格で構成されている。
糸引き
成形品を取り出した時、スプール先端に樹脂が糸ひき状になって付いて
くる現象をいう。
インサート
予め金型にセットしておいて、成形時 に成形品 に埋め込まれる金属などの 部
品を言う。
インジェクション
射出成形
インジェクションブロー
射出成形により底のあるパリソンをつくり、その中に空気を吹き込んで、中空
成形
成形品を作る方法。射出ブロー成形とも言う。
インフレーション 成形
押出機でチューブ状に樹脂を押出し、中に空気を吹き込み膨らませてチュー
ブ状のフィルムを成形する方法。
インラインスクリュー
スクリューで成形材料を可塑化させるとともに スクリューがプランジ
式射出成形機
ャの作用もする形式の射出成形機をいう。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂 、
ゴム、発砲成形材料など各種成形材料の成形に利用されている。現状で
は、このタイプの射出成形機が主流になっている。
ウェルドライン
成形時、金型内で成形材料の二つ以上の流れが完全に融合しないで、接合
部に生じる線状のむらを言う。(不具合とされる場合が多い。)
永久ひずみ
材料に外力を加えて変形させる過程で、応力が弾性限度以内である間に
これを取去ればヒズミは完全に消失するが、弾性限度より大きい応力を
加えた後これを取去れば、もはやヒズミは完全には消失せず、その一部
分あるいは大部分が残る。これを永久ヒズミという。このヒズミが伸び
ヒズミの時は永久伸びという。
エジェクタ
成形品を金型から取り出すために、突き出す装置。
SPI
Society of The Plastics Industry Inc (アメリカプラスチック工業会 )
の略称。プラスチックに関する科学的、工業技術的及び一般的な情報の
収集と普及を目的とする団体で、アメリカ及びカナダ政府のプラスチッ
ク工業に関連ある諸機関及 び軍関係諸機関とも密接な連絡をとりなが
ら各種の活動を行っている。会員はプラスチックに関連のある企業、業
界団体、教育機関及び研究機関その他から構成され、本部はニューヨー
ク市におかれている
SPE
Society of Plastics Engineers Inc (プラスチック技術者協会)の略称。
アメリカのコネチカット州ブルックフィールド に本部をおく世界最大
のプラスチック技術者の集り。アメリカをはじめヨーロッパ、日本、イ
ンド、その他各地に支部組織を持つ。数多くのプラスチック関連出版物
や年次技術者会議、地域的技術者会議の開催を通じて、プラスチックに
関する科学的及び工学的知識の向上を目指して活動している。
エチレン
ポリプロピレンと並ぶ石油化学の基礎原料。ナフサ の熱分解 やエタンの脱水
素から得られる。重合すると代表的なプラスチックであるポリエチレンとなる。
エッチング
薬品により、金属、プラスチック等の表面を粗面にすること。金属表面のシボ
加工や、プラスチックのメッキを行うとき、素地とメッキ層の密着を良くするた
めに行う化学的処理も言う。
エマルジョン
互いに混ざり合わない2種の液体の内、どちらか一方が微粒子となり、他の
液体中に分散した状態を言う。
L/ D
エルバイディ
押出機 や射出成形機 のスクリューの有効長(L)を直径(D)
で割った値。大きい方が混練効果が大。
エンコーダー
アナログ量である機械的 な運動量 (変位量や速度など)をデジタル電気
信号に変換して検出するセンサのことをいう。ロータリエンコーダとリ
ニアエンコーダがある。射出成形機のスクリュ変位検出などに用いられ
るが、ポテンショメータと異なりデジタル方式であるため、コンピュー
タによる成形機制御に適している。検出方法の違いで光電式 、磁気式、
電磁誘導式などがある。
延伸ブロー成形
結晶性樹脂を融点以下の温度で機械的 に延伸し、延伸方向に沿って分子配
列を生じさせ、機械的強度を向上させるブロー成形法。
エンジ二アリングプラ 汎用プラスチックに対して、物性的に高機能 を持った成形材料を言う。ギヤ、
スチック
カムなどの機構部品に使われる場合が多い。目安として引張強さが500kgf
/c ㎡以上で、寸法安定性、衝撃強さ、疲労強さが要求を満たす材料を指す。
ポリアセタール、ナイロン、ポリカーボネート、PBT 、PPE(PPO とも言う)など
が該当する。
延長ノズル
射出成形機のノズルが金型キャビティのゲート 部まで延長されている
ノズル又はスプールの短縮化をはかるために延長されたノズルをいう。
LNG
液化天然ガスのこと。メタンが主成分 で、石油に代わる化学材料として用い
るC1 ケミカルの主原料である。
LPG
液化石油ガスのこと。プロパン、ブタンが主成分であり、石油精製などから得
られるガスを加熱冷却して得る。燃料(通称プロパンガス)や化学原料として
利用する。
黄変
プラスッチックが光、熱、薬品、空気中の酸素、オゾンなど作用により黄色に
変色すること。
オーバーキュア
熱硬化性樹脂の成形で金型温度が高すぎたり、硬化時間が長すぎたりした
時、材料が劣化することを言う。表面の光沢が失われたり、物性が低下した
りする。
オーバーパック
過剰充填。射出成形において、キャビディに成形材料が入りすぎることを言
う。
押出成形
プラスチックを加熱シリンダ内で軟化溶融させ、スクリューで押出して
断面の形状が一定の製品を連続的に成形する方法をいう。これに必要な
設備の基本要素は押出機、ダイ、引取装置の三者である。ダイの形状に
より、フィルム、シート、パイプ、プロフィル(異形材)などさまざまな
断面形状の製品を作ることが出来る。
オレフィン系樹脂
二重結合を 1 箇もった鎖状炭化水素の総称で、結晶高分子からなるため
結晶化度により物性が変化する。この系統の樹脂として、ポリエチレン 、
ポリプロピレンがある。オレフィン系樹脂は、一般的に比重が小さく、
耐薬品性が良く、射出流動性も優れているが、成形収縮率が大きく塗装、
接着、ホットスタンプなどの二次加工が劣る。
オレフィン系熱可塑性
熱可塑性エラストマーの一つで、ハードセグメントとしてポリプロピレン、ソフト
エラストマー
セグメントとしてエチレンプロピレンゴムからなり、単に機械的に混練ブレンド
したタイプと、ソフトセグメントのみを有機過酸化物で架橋したタイプに分類さ
れる。TPE の中で最も比重が小さく(0.88)、耐熱性、耐候性、耐オゾン性がす
ぐれ、電気特性も良好である。主な用途として、自動車のバンパー、防水シ
ート、各種パッキング、ホース、スポーツ用品などに使用されている。
カートリッジヒータ
石綿などでニクロム線を絶縁して、金属チューブに入れた電熱体をい
う。水分などにより、ニクロム線が腐食、汚染されないように保護され
ている。
カーリング
ブロー成形において、ダイから押出されたパリソンがダイリングの外側に付
着して、外方向にめくりあがる現象を言う。
改質剤
プラスチックやゴムの加工性、加硫性または硬化性、機械的性質、耐薬品性
などを改変するための物質を言う。
ガイドピン
金型のオス型とメス型の位置を正確に合わせるためのピン。
ガス抜き
成形工程において、金型内の空気、樹脂内 のガスなどが 成形品に悪影響 を
及ぼすために、それらを逃がすための 処置、細工。
可塑剤
プラスチックに配合して成形加工性や柔軟性を高めるために使用される。軟
質ポリ塩化ビニルには、およそ50%の可塑剤(DOP など)が用いられる。
型締め力
金型内に充填される樹脂の圧力に対抗して、金型を閉じておくための保持
力。一般的には、トン表現が多い。
回転成形
PVCペーストや粉末ポリエチレンを用いて、金型を加熱し回転させて、中空
成形品を作る成形方法
火炎処理
印刷インキ、塗料、接着剤などに対する密着性 を向上させるため、ポリエチレ
ンやポリプロピレンを短時間、火炎と接触させる処理方法。
かさ比重
物体の真の比重ではなく、見かけ比重のこと。たとえば樹脂(ペレット)などの
空隙を含む場合、樹脂の(ペレット)の重さ(g)を、そのかさ容積(cm 3)で除し
た数値を言う。
可塑化
プラスチックに可塑剤を加えて軟化すること。またプラスチックを加熱、混練し
て成形可能な状態にすること。
滑剤
熱可塑性樹脂を成形するときに、その流動性を改善して加工を容易にす
るため、あるいは成形品を金型から抜き取ることを容易にするために添
加をする薬剤をいう。
家庭用品品質表示法
品質表示の適正化による、消費者の利益保護を目的として制定された。
家庭用品のうち繊維製品、電気機械器具、雑貨工業品について、成分、
性能、用途、取扱い上の注意などの表示すべき事項と、表示をする上で
表示者が守らなければならない事項が品目ごとに定められている。
金型温度
金型の設定温度、もしくは実測温度をいう。金型温度は、熱硬化性樹脂
の場合、その溶融、硬化に与える影響は大きい。前者は金型キャビティ
への成形材料の充填に、後者は成形品品質、成形サイクルタイムを左右
する主要な条件因子となる。無論、熱可塑性樹脂においても金型温度は
成形品品質などを左右する重要なファクターである。金型の加熱方法と
しては、電気ヒータを金型の可動側、固定側、あるいはそれぞれの受板
に埋込んで、ヒータ通電により行う方法と加熱媒体に水または油を使用
する金型温度調節機を使用する方法が一般的である。成形時にゲート部
では、成形材料通過時の摩擦熱によって、温度上昇することもあり、肉
厚不均一成形品に対する温度分布を含め、精密成形品の成形やハイサイ
クル成形には、金型温度の制御に対して、細かい配慮が必要である。一
般的には、±2∼±3℃以内に管理することが望ましい。
金型温度調節機
加熱装置を備え、金型の温度を調整または保持することが出来る装置を
いう。媒体に水や油またはエチレングリコールを使用し、それを加熱し
てポンプで循環させ温度の調整または保持をする。
金型冷却機(チラー)
冷凍装置を備え、冷却水の温度を低くして循環させることが出来る装置
をいう。成形する樹脂の種類や製品形状、肉厚により、金型温度を特に
低くしたい場合に使用されている。
カレンダ成形
樹脂を熱ロールで圧延し、シート、フィルム、レザー、床材などを作る
方法をいう。主としてゴム、PVC 樹脂なとがカレンダ加工によりシート
やフィルムの量産に用いられる。
環境ホルモン
環境ホルモンとは、生物の内分泌機能に影響を及ぼす化学物質をいう。
環境中に放出された化学物質が、体の中に入り生物がもつホルモンと同
じような働きをしたり、ホルモンの働きをじゃましたりするものであ
る。現段階では、内分泌撹乱作用が疑われている化学物質は 70 種類く
らい知られているが、環境ホルモンは多種類あり、影響を及ぼす機構・
作用・体内蓄積度合い、分解されやすさ等は様々で、雄と雌で感受性に
違いがあるものもある。また、細胞レベルで観測した現象と実際の人間
への影響の関係、及び野生動物におこっ ている現象が同様に人間にも
おこるかどうかについても不明確な部分が多い。
官能検査
人間の感覚を用いて品質特性を評価し、判定基準と照合して判定を下す
検査をいう。ただし、ここでいう検査は試験のことを意味する場合もあ
る。官能検査は人の感覚(味覚、聴覚、視覚、嗅覚、触覚、皮膚感覚、
総合感覚 )を用いて評価・判定する方法であるが、品質特性そのものを
測定する分析型 (人が測定手段)と、人間の感覚状態を測定する嗜好型
(人が測定対象)の 2 タイプがある。
管理技術
品質・原価・納期などで、より効率的で効果的な仕組みを作る技術のこ
とをいう。直接生産に結び付かないもの、たとえば事務管理、人事管理
システム管理などをすべて管理技術という場合がある。
管理限界
見逃せない原因と偶然原因とを見分けるために、管理図に設けた限界。
平均値や不良率などの統計量 の平均を中心に、上方管理限界 (UCL)およ
び下方管理限界(LCL)が引かれる 。この間にランダムに打点されていれ
ば、工程は統計的に管理状態にあると考えられる。一般に管理限界は、
3 シグマ法に従って、工程平均を中心に標準備差の 3 倍の位置に引かれ
る。
管理サイクル
管理活動を四つのステップに分けたもので、仕事がうまくいくように管
理しようとすれば、必ずこの四つのステップを踏むことになる。1)目
的・方法を決める(plan)、2)1.に従って実施する、または実施させる
(do)、 3)そ の結果 が、計 画し た と お り に い っ た か ど う か を確か め る
(check)、4)結果から計画と実績の差異の原因を調べ処置をとる(act)
顔料
有色固体粉末で水や溶剤に溶けない着色剤の総称。無機質のものを無機顔
料、有機質のものを有機顔料と言う。
規格限界
品質特性について、許容できる限界値を規定するため、規格の中に与え
てある限界である。仕様の場合には仕様限界という。規格限界は、1)ユ
ーザの要求に合っていなければならない、2)工程能力に合っていなけれ
ばならない、3)コストに見合うものでなくてはならない、4)明確に示さ
れなければならない。
気泡
成形品の中にできる“す”のこと。空気、水分、揮発分 などが 混入して発生し
たあわ。
キャヴィティ
金型のオス型とメス型によってできる空間部分のことを言う。メス型の方を言
(キャビティ)
う場合もある。反対側をコアと言う。
QC
「Quality Control」の略。品質管理のこと。
吸水性(吸湿性)
成形加工に用いるポリマー、フィラーには水分を吸って成形性や製品の
性質に著しく影響するものがある。ナイロンは特に吸水性が高いことで
知られ、吸水率が 1.5%にも及ぶ。ナイロンでは絶乾時と吸湿時では力
学的性質が異なる。また、成形時に水分の影響を受けて分解するポリエ
ステルなどは、成形に先立って乾燥する必要がある。
吸水率
物体を一定温度において、一定時間蒸留水に浸漬したときの重量増加分
と原重量との比を百分率で表わしたものをいう。
鏡面仕上げ
金型やプラスチックなどの表面を研削、バフ、ラッピング、ホーニング、
(鏡面研磨)
ポリッシング、超仕上げなどによって、鏡のように平滑に、かつ光沢の
ある状態に仕上げることをいう。
銀条
成形品の表面、又は内部に、材料の流れ方向に銀白色の条痕が現れる現
象、すなわち銀状のすじ模様を言う。
クラック
内部の応力、または外部の衝撃などにより、プラスチック製品に生じた割れ
目のこと。目に見えないような、ひび割れもある。
クリープ
一定の応力を保った場合、時間とともに変形量が増す現象をいう。樹脂
特性のほか、温度などの外部環境に支配される。特に粘弾性体の場合に
は、この性質が強く、レオロジーモデルとしては機械ばね(弾性)とダッ
シュポット(粘性)を並列に組み合わせたフォークトモデル によって 表
すことができる。
クレージング
成形品の表面に細い線状のヒビが入ることをいう。
クロム処理
無水クロム酸、重クロム酸カリなどのクロム酸と硫酸系混合液で、化学
的に不活性なプラスチック表面を酸化処理することにより、メッキ、接
着、塗装、印刷性を向上させる処理をいう。
共重合体
二種類以上のモノマー(単量体)を混合して重合し、その反応で出来たものを
言う。
クッション量
射出したときスクリューが前進して材料を金型に送り込んだ位置でそのストロ
ークが数ミリ∼数10ミリ残るように設定する量をいう。ストロークが0まで完全
に押し切った場合、保圧中 にキャビティ内の溶融樹脂の冷却による収縮分 を
ノズルより送り込む樹脂が無くなってしまい、圧力が十分にきかなくなる。
クリープ
プラスチックに一定の荷重を加えて放置しておくと、時間とともに変形して行く
現象を言う。
クレーシング
成形品の表面に細かい多数のひび割れが生じ、曇った状態になる現象を言
う。内部応力のある成形品 が有機溶剤や、界面活性剤と接触すると起こりや
すい。
クロスヘッドダイ
ブロー成形における押出し用ダイがシリンダーの中心軸に対して、普通90度
の角度で押出される様になったダイのこと。
結晶性樹脂
線状高分子には、その化学構造によって分子の一部が規則的に集まるこ
(結晶性プラスチック)
とができるものがある。これを、結晶性樹脂という。
検査規格
製品の目標品質を達成するために、製造の各段階で行うべき検査の基準
を定めた標準。検査はすべて、定められた基準、すなわち定められた測
定方法や判定基準に基づいて行われることに意味があり、検査規格を定
めるに当たっては、検査対象、検査方法、検査条件、目標品質水準、判
定基準などを明確に盛り込むことが必要。検査規格には、検査をする対
象、場所などから、でき上がった製品に対する製品検査規格、原材料な
どの受入検査規格、製造中の工程における中間規格などがある。
検査ロット
検査の対象とするロット。ロット内の品質がなるべく均質となるなるよ
うに構成する。そのためには、異なった原料・部品で製造した品物は一
緒にしない、異なった製造機械、製造方法で製造した品物は一緒にしな
い、異なった日時または交替輪番などで製造した品物は一緒にしないこ
とが大切である。
ゲート
成形金型で溶融した成形材料がキャビティへ注入される注入口 を言う。
ゲートシール 時間
射出工程で金型(キャビティ )に溶融樹脂が充填されてから ゲートが固
化するまでの時間。
ゲートバランス
多数個取りの金型で成形材料が、各キャビティにバランスよく充填されるよう
に、キャビティやランナーの配置、ゲートの長さ、断面積などを調整すること。
ゲル
コロイド粒子や高分子溶質 が相互作用のために 独立した運動性を失っ
て集合した構造をもち、それが固化した状態をゲルと呼んでいる。ゲル
が分散媒を含んだままで固化したものをゼリーといい、狭義ではゲルは
ゼリーをさす。これに対してコロイド粒子が液体中に分散して流動性を
示す状態をゾルと呼び、ゾルが固化することをゲル化という 。
コア
成形品の内面を形成する金型の凸部分。オス型。
硬化度
熱硬化性樹脂を硬化させた場合の反応の進行度 を言う。
工程異常
工程が管理状態にないことをいう。工程の標準化を行い、管理図を用い
て工程を管理していれば、工程が見逃せない原因によって安定な状態で
なくなることを検出できる。ヒストグラムの姿を眺めることによっても
工程にどんな異常が起きているかを知ることができる。工程に異常が起
こった場合には、工程異常報告書を作成し、その原因を追究し、必要な
場合にはその再発防止を行う。
工程解析
工程における特性と要因との関係を明らかにすることである。工程解析
には、普通つぎのデータが用いられる。1)日常とられている過去のデー
タ、2)解析しやすいように、新たに日常作業から層別してとったデータ 、
3)新たに実験計画的にとったデータ、日常の作業のやり方を変えてとっ
たデータ。統計的方法としては QC 七つ道具、相関・回帰分札実験計画
法などが用いられる。工程の管理・改善に先立って十分行われるべきで
ある。
工程管理
通常、工程管理とは、決められた品質、納期、コストを実現できるよう
に工程の実力を維持・向上するために、工程を管理することをいう。工
程管理を実施していくうえで、よく管理図が利用される。生産管理の分
野ではつぎのことを意味する。「所定の品質、原価、数量の製品を所定
の納期に生産するために、工場内の生産資源を総合的に統制し、経済的
な生産を実施するための管理活動。
」
工程能力
安定した工程の持つ特定の成果に対する合理的 に達成可能 な能力の限
界。通常は品質を対象とし、工程が作り出す製品の品質特性値の分布が
正規分布の場合、平均値±3σ で表すことが多いが、6σ だけで表すこ
ともある(σ は品質特怯め分布の標準偏差)。また、ヒストグラム、グラ
フ、管理図などによって図示することもある。
工程能力調査
工程能力を調べること。工程改善計画の立案と改善の実施や、不合理な
規格・図面公差の変更などのために、工程能力を把握し、規格・図面公
差と比較・評価を行うこと。
高分子
ポリマー(polymer)ともいい、単量体(モノマー)が重合して得られる分子量が
およそ10,000を超える長い分子鎖からなる。C-C-C や C-O-C など繰り返
しで構成される有機高分子 が多いが、シリコーンポリマーのように 無機高分
子もある。
高周波接着
塩化ビニル樹脂のような、誘電損失の大きい熱可塑性プラスチックを、高周
波電界内に置くと、内部から発熱して軟化するので、この現象を利用して接
着を行う方法。
高周波加熱
成形材料の加熱方法で、高周波電場に成形材料を置くと、材料の誘電体損
により、内部から均一に発熱することを利用した加熱のこと。
剛性
こわさ、外力による変形に対する抵抗の大きさを言う。ねじりによる方法と曲
げによる方法で試験する。
コールドスラグ
射出成形でノズルを金型に密着させて成形していると、ノズルの先端が金型
に熱を奪われて、ノズル部にある樹脂は冷やされて固まりかける。この冷や
された樹脂をコールドスラグと言う。
コールドパリソン法
ブロー成形において、パリソンを作る工程とブローする工程とを、分けて成形
方法。二段ブロー成形とも言う。
コポリマー
共重合 によって生成した二種以上の構成単位 からなる重合体を言う。一種
の単量体の重合による単独重合体と対比している言葉。
コンパウンド
合成樹脂の材料に可塑剤、充填剤、着色剤、安定剤などを混ぜ合わせ押出
機で粒状にした成形材料を言う。
コロナ放電処理
ポリオレフィン のような無極性プラスチックの接着剤、インキ、塗料などに対す
る親和性を向上させるためコロナ放電によってその表面を処理することをい
う。
5W1H法
5W1H 法は、 1)な ぜ そ れ が必要 か(Why)、 2)ど こ で そ れ を な す べ き か
(Where)、3)いつなすべきか(When)、4)誰がなすべきか(Who)、5)何をな
すべきか (What)、6)いかにそれをなすべきか (How)の質問をして 、アイ
デアを引き出す方法である。
サーマルショック試
物体を高温から低温へ、または低温から高温へ短時間に移動させ、その
験
性能を調べる試験で、プラスチック製品のメッキの密着度の検査などに
よく用いられる。
サックバック
計量が終了したとき背圧がかかったままの状態ではノズル から溶融樹
脂がはなたれを起こすので、スクリューを少し後ろにバックさせること
により、シリンダー内の背圧を除去する操作をいう。
サイジング
押出成形品の寸法や形状を規制しながら冷却することをいう。種々のサイジ
ングシステムがあるが外径規制法と内径規制法がある。
作業標準
効率的な生産をするために決められた人の動き、作業手順などを現場で
正しく運営し、あわせて、安全・質・量・コストなども確保できるよう
に、各作業のやり方や条件について、工作図 、品質チェック標準、QC 工
程表などをベースとして標準化したものの総称。代表的なものとして、
作業要領書・作業指導書・品質チェック要領書などがある。
サブミクロン
一般的にサブミクロンというと、1 ミクロン(0.001mm)から 0.1 ミクロン
(0.0001mm)までを示す。
さめ肌
ブロー成形品の表面不良状態で、ダイの出口溶融樹脂の緩和効果によっ
てサメ革のような外観を呈している状態。
サンドブラスト
砂を圧縮空気とともに吹き付ける表面処理法、接着、塗装、メッキなど
の前処理として下地を粗面化するのに利用される。
残留応力
固体内部に蓄積された応力のことで形状変化やクラックの原因となる。
射出成形では分子配向、過充填、冷却速度の不均一など、熱硬化性樹脂 の
成形では、硬化度の部分的な違いや充填剤の配向による収縮の方向差など
で発生する。内部応力ともいう。
残量(クッション量) 通常、成形品を安定生産するために、射出工程で保圧をかける。保圧を
有効に効かすために射出時にスクリュ先端部の溶融樹脂を残す。その樹
脂量をいう。
シーケンス
各種油圧機器 または電気機器及びその 部品を定められた図や記号(シン
ボル)で表現をし、油圧的または電気的 つながりを実際の配置に関係な
く、単にその動作順序にしたがって描いた接続図または展開接続図をい
う。
ジェッティング
成形時において、成形材料がゲートから“ミミズ”のはったあとのような 線(模
様)になる現象を言う。
紫外線吸収剤
光化学的に有害な紫外線を吸収し、無害なエネルギー(大部分 は熱)として
放散させ、劣化を防ぐ物質を言う。
自己消火性プラスチ
炎と接触させたとき、炎の中では燃焼するが、炎を遠ざけると直ちに自ら炎を
ック
消すプラスチックを言う。可燃性プラスチックでも難燃剤を配合することにより
自消性にすることができる。
J
I
S
日本工業規格のこと。
Japanese Industrial
射出圧力
Standards
の略。
スクリューが前進して溶融材料をノズルから射出する際に材料に加えられる
圧力(実際にはスクリュー先端にかかる圧力)である。一般に射出一次圧とも
いう。
射出圧縮成形
射出成形において、わずかに開いた金型に成形材料を充填した後、金型を
閉じる方法を言う。内部応力や配向ひずみの少ない成形品が得られる。また
射出成形より低い型締力の成形機でも利用できる利点がある。
射出装置
射出成形機において、成形材料を可塑化させ射出する機構部分をいう。
射出ユニットともいう。
射出速度
スクリューが前進して溶融材料を金型に充填する時の速度をいう。
射出率
単位時間当りの成形材料の射出量をいい、cm 3/sec で表す。
射出容量
射出成形機が 1 回の射出工程で射出できる成形材料の容積または重量を
いう。
社内標準
企業の諸活動を適切かつ合理的に運営するため、会社の組織・製品・日
常業務などへの適用を目的として定めた標準。対象とする題目の内容に
より、1)会社規則、2)業務標準、3)技術標準に大別できる。社内標準は、
全社的な経済性の向上、製品の品質保証・販売拡充、情報伝達・意思伝
達の円滑化・確実化、従業員の作業安全確保などのためのものとされて
いる。
周辺機器
射出成形機に直接取り付けられたり、あるいは、その前後に設置される
(合理化機器)
などして、射出成形におけるいろいろな関連作業を自動化・省力化する
ために利用される機械装置をいう。
衝撃試験
材料のもろさ又は粘り強さを判定するための試験を言う。試験片を衝撃によ
って 1 回で破壊し、この時のエネルギーを求める方式が一般的である。
アイゾット式、シャルピー式、落錐式などがある。
ショートショット
成形のとき成形材料の不足、または射出圧力の不足による成形品 の一部の
欠陥状態を言う。充填不足とも言う。
ジャスト・イン・タ
トヨタ生産方式での用語。生産工程において、必要な原材料・部品を、
イム
必要なときに、必要な量だけ、生産したり運搬したりする仕組みとその
(トヨタ生産方式)
考え方をいう。在庫を最少にするための方法。生産の平準化を前提とし、
「1 個流し」
、
「 必要数でタクトを決める」、「後工程引取り」の三つを基
本原則としている。
重合
高分子化合物を生成する反応の総称で、ビニル重合、開環重合、重縮合 お
よび重付加などがある。
充填
金型キャビティ内に溶融樹脂を充満させることをいう。
触媒
自分は変化せずに、他の物質の化学変化の速さを促進する物質。
除湿乾燥機
普通の熱風式とは違い、導入する空気を冷凍機によって冷却するとか、
あるいは、化学吸着剤(乾燥剤 )などによる除湿装置を通過させるなどし
て、水分を除去した乾燥状態の空気を供給するようにした 乾燥機をい
う。このタイプは、PA 樹脂、PC 樹脂、PBT 樹脂、PMMA 樹脂など高度の
乾燥を必要とする成形材料の予備乾燥に使用される。
真空乾燥機
内部を高度の真空状態に保って加熱を行う電気定温乾燥機をいう。真空
中で加熱するので、比較的低温度のもとに、ごく微量の水分でも充分排
出することが出来る、外界と遮断して加熱するため、被加熱物の酸化を
防ぐことが出来るなどの利点がある。
真空蒸着
高真空室内でアルミなどの 金属を熱して蒸発させると飛散してプラスチックな
どの表面に付着し、金属の薄膜を形成する方法を言う。
真空成形
プラスチックのシートを加熱軟化させ、型とシートの間を真空にして、シートを
型に密着させて成形し、冷却後真空 を解除して成形品を取り出す方法を言
う。真空の代わりにシートの上から圧縮空気で軟化したシートを型に密着さ
せる方法を圧縮成形と言う。
スクリュー回転数
スクリュー回転は可塑化 を行い、次のショット分の溶融樹脂をシリンダー内に
送り込む時間で、この計量時間 は成形品の冷却時間以内に行なうことが 必
要であるが、それ以上に回転数をあげて早く計量する必要はない。
スチレン系樹脂
スチレン系樹脂 は射出成形用のプラスチック材料のうちでも主流を占
め、他の樹脂と比較して一般的に成形性が良く、主なものとして GPPS、
HIPS のポリスチレン、AS(SAN)、ABS などがある。
スチレン系熱可塑性
熱可塑性エラストマーの一つで、ハードセグメントとして ポリスチレ
エラストマー
ン、ソフトセグメントとしてポリブタジエンからなるブロック共重合体
である。ソフトセグメントとしてポリイソプレンも使用される。世界で
最も生産量が多い TPE。主な用途として、履物、接着剤、粘着剤、プラ
スチック改質剤、シーラントなどに使用されている。
ストービング
性樹脂の硬化を完全にするために、成形品を更に加熱炉で加熱処理をする
ことを言う。
ストリッパープレー
射出成形用金型 において、成形品の自動取出しに用いる金型部品をい
ト
う。突出しピンでは取出しの困難な成形品または成形品に突出しピンの
跡がつくのを嫌う場合に使用される取出し板をいい、金型が開くとき成
形品を自動的に突き出す。
ストレートダイ
パイプの押出成形において最も一般的に用いられるダイで、ダイの中心軸と
押出機バレルの中心軸が一致しているダイを言う。
スパッタリング
原子やイオン種が固体表面に衝突したとき、表面上の原子が叩きだされる現
象。またこの 現象を利用した薄膜成形技術 を言う。真空蒸着に比べて、高融
点金属や合金の薄膜など、多用な薄膜形成が可能である。
スプレーアップ法
強化プラスチック成形法の一種で、スプレーを使用して型の上に樹脂とガラ
ス繊維を同時に吹きつけて積層する方法を言う。
スラグウェル
金型内でコールドスラグがキャビティに入らないように取り除くため
に、スプール末端やランナーの末端などに設けた樹脂だまりのことを言
う。
スラッシュ成形
プラスチゾル(ペースト用塩化 ビニル樹脂等)を加熱した金型に注入し、余分
のゾルを流し出した後、型をさらに加熱して型の内部に付着したゾルをゲル
化(固化)させて成形する方法を言う。使用樹脂は塩化ビニル樹脂が主。
スリープレート金型
射出成形用金型において、主要部分が固定側と可動側との間にもう一枚
のランナー用プレートが挿入され 3 つの部分から成立っている金型をス
リープレート金型と呼ぶ。このタイプの金型は、型を彫る板が三面から
構成され、ゲートの位置を任意の位置にとることができること、ピンポ
イントゲートが採用できることなとが特徴である。
スリーブ突出し
射出成形用金型において 、成形品 を取出すのにエジェクタスリーブ(パ
イプ状突出しピン)により突き出す方法をいう。
成形サイクル
1 回の成形を完了するのに必要な一連の成形操作で、通常この操作に要
する時間をいうことが多い。
成形収縮
成形品を金型から取り出し、常温まで冷却されると収縮がおこる。24 時間以
内におこる収縮を成形収縮と言う。その後おこるアト収縮と区別している。
成形性
成形材料の成形加工性をいう。成形加工性は成形のしやすさをいう。次
の現象について、成形品 の量産が安定して実施できることをいう 。(1)
充填不良、フローマークなどの成形材料のフローに起因する成形不良が
発生しない。(2)バリの発生が少ない。(3)揮発分による不良が少ない。
(4)均一予熱ができ、硬化時間が短かくできる。(5)成形品、バリの離型
性がよい 。(6)成形条件の多少の外乱があっても 、良品が安定して生産
できる。以上のような現象に対して成形材料を共通の試験法により評価
することは、一般的に不可能である。実際に量産に使用する金型、もし
くは類似のテスト型を使用して評価するのが実際的である。
成形品安全率
成形品の強度計算において、基準強さに対する安全の度合いを定量した
値で、一般には 3、衝撃や振動が加わったり、耐久性を考慮した場合に
は 5∼10 の範囲にとることが多い。プラスチック成形品の安全率には、
まだ定まった方式ができていない。
成形品許容応力
成形品を設計する場合、外力が加わった状態で内部に発生する応力を算
定して寸法が決められる。その使用応力は材料の破壊応力の値よりも充
分に低く見積る必要がある 。対象となる応力には、引張り、圧縮、曲げ、
ねじれ、及びこれらの組合わせがあり、それぞれに対しての応力を安全
設計のために許容値が用いられる。プラスチック成形品では形状が複雑
であったりして、応力計算が困難な場合が多くあるが、一般の機械部品
と同じような手段を用いて計算することが望ましい。一般には次式によ
る。(許容応力=基準強 さ/安全率 ) 基準強 さは一般に破壊強さ、降状
強さ、疲れ強さなどがとられ、安全率には 3∼10 の範囲にとられること
が多い。
成形品の寸法精度
射出成形品の寸法精度を規定している。これには標準、成形品の寸法精
度についての表示法で、BS(イギリス規格)では、プラスチック精密、粗
の 3 段階の精度が定められている。最近の例では、CD(コンパクトディ
スク)のような超精密成形品 の転写精度としてサブミクロン 、一部の電
子機器部品で±3μm の公差が実現しているものもある。
製品規格
目的との合致性を確保するために、製品または製品群が満たされなけれ
ばならない要求事項について規定する規格。製品規格は、社内標準の中
核をなす規格で、原料受け入れから製品完成までの各段階における品質
確保のための標準は、すべてこの規格が基準となる。この規格に規定す
る項目は原則として 、1)適用範囲、2)種類および等級、3)構造、4)材料、
5)形状・寸法・外観、6)機能・性能・成分などの品質特性、7)試験・検
査項目および方法、8)包装、9)表示などが含まれる。
製造物責任(PL)
本制度は、製品の欠陥によって生命、身体または 財産に損害を負ったことを
制度
証明した場合に、被害者は製造業者などに対して損害賠償を求めることがで
きるという制度。
静電塗装
液状塗料のスプレー塗装で、被塗装物を接地し塗料粒子を負に帯電させて、
両者間の静電気引力によって被塗装物の表面に塗料を付着させる方法を言
う。
生分解性プラスチッ
プラスチックは一般的に金属などと比べて安く、丈夫で長持ち、軽量で
ク
加工が容易などその優れた特性ゆえに世界のあらゆる地域と分野で広
く利用されているが、短所である半永久的に分解しない点を改良したプ
ラスチックを生分解性プラスチックと呼んでいる。生分解性プラスチッ
クの定義は難しいが、一般的に使用中は従来のプラスチックと同程度の
機能を保ちながら、使用後は自然界の微生物によって低分子化合物に分
解され、最終的に無害な水や二酸化炭素などの無機物に分解される素材
をいう。現在では、ごく一部の樹脂メーカーで実用化され、限られた分
野で製品化されている。但し、現段階では廃プラスチックのリサイクル
を含む継続的な技術開発が不可欠の研究課題になっている プラスチッ
クでもある。
積層成形
紙、布などの 基材に液状熱硬化性樹脂を含浸させ、適当な枚数を重ね合わ
せ、加圧加熱して一体成形品を得る成形方法。
塑性変形
固体は外力の作用で変形し、ヒズミを生ずるが、外力の小さい間は外力を除
くとヒズミは消える(弾性変形)、しかし弾性限界を越えた外力を加えると破壊
することなしに連続的 に変形し、外力を除いても永久ヒズミが残る。これを塑
性変形と言う。
そり
成形品が成形後、ヒズミにより おう(凹)状または とつ(凸)状に変形する。
辺に平行方向の変形を そり といい、対角線方向 の変形を ねじれ と言
う。
ゾル
液体を分散媒とするコロイド分散系で、分散系全体が流動性をもつもの
をゾルという。これに対して、流動性を消失して固化したものをゲルと
呼んでいる。分散媒が水の場合をヒドロゾル、有機液体の場合をオルガ
ノゾルといっている。
耐アーク性
絶縁材料がアークによる劣化に耐える能力をいう。芳香環を含まず、炭
素主鎖の途中に N 、 O などが結合しているプラスチック(たとえば、ア
ミノ樹脂)は炭化しにくく耐アーク 性が良いが、フェノール 樹脂は耐ア
ーク性が劣る。
耐候性
プラスチックが屋外で使用される場合の日光、風雨、暑さ、寒さなど、天候条
件に対する抵抗性。
耐候性改質剤
プラスチックは光、熱、酸素、水、オゾン、微生物によって劣化し、外
観の変化、機械的、電気的性質の低下を生ずる。これらのすべてを改質
するものはないが、一例としてこれらの劣化を生ずる因子の中で光によ
る劣化が大きいことから、紫外線を吸収し、熱として放散し光による劣
化を出来るだけ少なくする副資剤としては、サルチレート、ベンゾフェ
ノン、ベンゾトリアゾール系のものがある。酸化反応の制御のためには、
プロピルガレード、ρ−ブチルアミノフェノールなどの酸化防止剤、分
散防止用安定剤としては、三塩基性硫酸鉛、有機スズ化合物などがある。
耐食性
化学薬品(広義には紫外線、風雨なども含める)の腐食に対する抵抗を言
う。
帯電防止剤
プラスチック、ゴム、繊維の表面の電気抵抗を小さくして、静電気の発
生による帯電を防止するために成形材料に添加したり、表面に塗布する
副資材をいう。界面活性剤、無機塩、多価アルコール、金属化合物、カ
ーボンなどがある。
耐トラッキング性
絶縁材料が高電圧のもとで 導電路が形成されて 破損に耐える能力をい
う。
耐熱性
材料の高温における安定性をいい、溶融、軟化、熱分解温度が高いこと 、
高温において酸素、オゾンその他の物質の影響を受けにくいこと、物性
が低下しないことなどが対象になる。
耐燃性
プラスチックが燃焼に耐える能力をいう。炎にさらされているときは燃
えるが、炎を取り去ると燃焼が続かず消える能力をいう。
タイバー
成形機においてダイプレートをささえかつ金型の開閉動作を案内し、ま
た型締中は型締力を受けとめる 2 本以上の支柱あるいは枠をいう。
タイバー間隔
成形機のタイバー間の内側寸法をいい、水平及び垂直の方向の寸法で表
す。
耐薬品性
プラスチックでは、金属のように水分などにより錆びる現象は少ない
が、有機溶剤や強酸、強アルカリに侵されるものがある。しかしフッ素
樹脂、PE、PP、POM などのように薬品に侵されにくいものも多く、特に
塩類にはほとんど侵されない。プラスチックの構造によって縮合などで
製造されたポリアミド、ポリエステルでは、強酸、アルカリによって加
水分解され、高温では水の存在下 で分子量 が小さくなる(強度が低下す
る)。ビニル重合したプラスチック は一般に極性基をもつため、溶剤に
弱く( 例 酢酸ビニル PMMA、PVC、CA など)、これに対し、炭素と水素か
らなる PE、PP などは耐薬品性が良く、逆にこれを溶かす溶媒がなく、
印刷適性も悪くなる。この水素をフッ素に変えたのがフッ素樹脂である
が、これはさらに耐薬品性がすぐれている。
耐油性
プラスチックが油類に対して膨潤、溶解せず、クラックの発生がなく、
外観、形状の変化または物性の低下に耐える能力をいう。
耐溶剤性
一般に極性のプラスチックは溶剤に対して侵されにくいものが多い。た
とえば PA66、アイオノマー、ポリウレタンなどは、水に弱いが耐溶剤性
はすぐれている 。またアクリロニトリル共重合体も耐油性 が良好であ
る。耐水性の悪いプラスチックは少ないが、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体はすぐれたバリヤープラスチックであるが、耐水性は良くな
い。逆にビニル系プラスチックは耐溶剤性が良くないが、耐水性は良好
である。(たとえば PS、PVC など)。耐薬品性にすぐれているフッ素樹脂 、
PP、PE、POM、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエー
テルケトンなどは、耐溶剤性もすぐれる。
滞留時間
成形材料が加熱シリンダに入ってから出てくるまでに要する時間。この
時間が長いと熱安定性に乏しい材料では、成形不良などのトラブルを起
こすことがある。
ダイライン
押出し成形で、ダイ内部に傷があったり、異物が付着したりしたために製品
の押出方向に生ずる条痕のこと。
多層押出成形
フィルム、シート、パイプ、異型などの 押出成形で、2 台以上の押出機で溶融
軟化させた異色又は異種のプラスチック材料を 1 個の共通ダイに送り込み、
色あるいは材料の異なった層からなる製品を得る方法を言う。
多層ブロー成形
2 種類又は 3 種類以上の特性の違う材料を2 層、3 層又は多層に重ねた壁
面を形成するブロー成形法。
タテ型射出成形機
型締機構、射出機構ともに垂直方向に作動するようになっている射出成
形機をいう。横型射出成形機と比較してインサートの保持が容易で、成
形機の床面積が少ないなどの特徴がある。
弾性変形
物体に外力を加えたときに起こる全変形のうち外力を取り除くと消える部分
のことを言う。
弾性率
弾性限度内において、材料が受けた引張り、曲げ、圧縮、せん断、ねじ
れなどの応力を材料に生じたひずみで割った値をいう 。Kgf/mm 2、N/mm2、
Pa の単位で示す。また弾性限度を超えた領域で、応力−ひずみ線図上の
任意の位置における応力とひずみとの比を見掛け弾性率という。
窒化
鋼材をアンモニア(NH3)ガスあるいは 窒素含有物質と反応させて 表面硬
度を高める処理法をいう。その処理温度は普通 500∼550℃で、加熱温度
が高いほど硬度は低くなるが、窒化深度は深くなる。この処理は、アル
ミニウム、クロムなどを含んだ窒化鋼に対してのみ有効である。
着色剤
プラスチック に色彩を与えるために用いる染料、顔料、および、これら
の各種助剤を添加したものの総称である。
注型
流動状態の樹脂又はモノマーを型に流し込んで固化させた後、型を外して製
品を得る方法を言う。
超音波洗浄
洗浄液に超音波振動を与えて液中の物体を物理的、化学的に洗浄する方
法。超音波振動により液中には微細な空洞が繰返し発生、消滅する。こ
れをキャビテーションというが、この空洞が破壊する際の機械的な力は
時には 1000 気圧にも達するほどで、それにより物体に付着した塵挨を
吸引、剥離し、また液中への油脂分の分散を促進するので、複雑な形状
のものでも短時間に洗浄することができる。
超音波溶着
超音波振動により発生する摩擦熱で行なう溶接を言う。比較的低融点で高い
剛性を有するプラスチックの溶接に適している。
振動は振動素子 によりホーン(振動伝達金具)を経て直接接合部に与え
られるか、ホーンから材料を通じて接合箇所に伝達される。普通、約 20
∼30kHz の振動が用いられる。またこの溶接によるシール(溶封)も行わ
れる。柔軟な材料の場合は振動の減衰が著しいのでホーンを接合部に接
触させないと溶接ができない。
溶接に要する時間は通常 2 秒以内である 。
溶剤、熱源、接着剤などが一切不要で火災や中毒の心配がなく、プラス
チック自体が超音波エネルギーを伝達するので 普通の方法では接合で
きないような部分の溶接も行われる。更に相溶性があれば異種材料間の
溶接もできる。熱可塑性樹脂フィルム、シート、繊維、発泡体、成形品
の加工に広く利用されている。
超音波インサート
超音波振動を利用してプラスチック製品に金属金具などを埋め込む方法を言
う。プラスチックが溶融して埋め込まれた金具周縁の溝にはまり込み、容易
に抜けないものとなる。
ツープレート金型
射出成形用金型において、主要部分が固定側と可動側との 2 つの部分か
ら成立っている金型をツープレート金型と呼ぶ。このタイプ の金型は、
ランナーやゲートが金型の固定側と可動側との分割面上にあることな
どが特徴である。
テーパー
先細の形状をいう。通常、射出成形用金型では成形品の取出しを容易に
するために金型に付ける抜き勾配を指す。
ディップ成形
PVC ペースト中に雄型を浸漬して引き上げ、雄型の表面に付着した薄膜を加
熱固化し、成形品 を型からはずして作る方法を言う。
添加剤
物性改善に用いる添加物 のことで、成形加工助剤・安定剤・可塑剤・帯電防
止剤・結晶核剤・強化剤・増量剤などがある。ゴムほど多種類ではないが、プ
ラスチックも高分子だけでなく、これらの添加剤でも物性が左右される。
電鋳金型
プラスチック、金属などでできた原型に適当な前処理 を施し、ニッケル、銅な
どの金属を厚付けメッキして複製型を作る方法を電気鋳造法(電鋳法 )とい
い、これを金型に利用したものを電鋳金型と言う。この方法は原型を忠実に
再現できるのが特徴である。
投影面積
成形品に型締め方向に平行光線を当てたときに生ずる影の面積を言う。これ
は成形時に要する樹脂圧力又は型締め力の算定基準となる。
透湿度
プラスチックフィルムおよび紙などの 水蒸気の透過性 をいい、フィルムを透過
して、塩化カルシュウムに吸収された水分の重量を測定して透過度を算出す
る。
導電性プラスチック
導電性を示すプラスチック。導電率 10 -5v/cm 以上の半導体領域以上の導
電性を示すものをいう。大別するとカーボンブラック、銀、銅などの導
電性微粒子との複合化により、電子ホッピングサイトの生成と、導電路
の形成により導電性にするものと、ポリマー自身に導電性をもたせるも
のがあり、後者の中には、π 電子共役系の形成によるもので、例えば、
ポリアセチレン、ポリ−ρ−フェニレン、ポリピロール、ポリチオフェ
ンなどであり、これにドーピングすることにより導電性が附与され、特
にポリアセチレン、ポリオキサジアゾールなどを熱縮合化して π 電子
共役系を大きくしたものは導電率が大きくなる。また電荷移動型錯体を
形成するポリビニルピリジン、ポリビニルカルバゾールなどへアクセプ
ターを導入することにより、導電性となる。
ドライカラーリング
熱可塑性プラスチックに着色剤を配合する技術の一つで、ペレットに粉末顔
料を混合し、タンブラー等で混合してペレットの表面に均一に顔料を付着さ
せ、そのまま成形機のホッパーに入れて着色成形品を得る方法を言う。
ドライブレンド
粉末または粒状のポリマーを溶融させずに、各種の添加物と単に混合して得
られる成形材料、又はその作り方を言う。熱安定性の乏しい PVC などに利用
される。
トラッキング
絶縁体表面に発生する高圧微小
電流アークや表面の湿潤汚染による絶縁物 の表面に導電路(トラッキングと
言う)が形成される現象を言う。
トランスファ成形
圧縮成形とともに広く用いられている熱硬化性樹脂の成形法で、1 回分の樹
脂を加熱室で可塑化させ、スプール、ランナー、ゲートなどから加熱したキャ
ビティ内に圧入して成形する方法を言う。
トリポリ
研磨剤 の一種。潜晶質ケイ酸に属し、北アフリカのトリポリに産出する鉱石
で、この名がある。油脂と混合して、市販されている。鉄、金属、プラスチック
の研磨に用いられる。白棒と呼ばれている。
ドルーリング
ノズルを金型から離すと、使用条件によりシリンダ内の樹脂がノズルか
(はなたれ)
ら鼻タレすることをいう。
ドローダウン
ブロー成形でパリソンを成形中、パリソンの自重により、たれさがる現象を言
う。
トンネルゲート
ランナの末端を金型のパーティングラインより沈めて、キャビティの側
壁から成形材料を充填する方式のゲートで、製品及びランナの突き出し
によって、ゲートが自動的に切断される。
ナフサ
石油精製で得られる沸点範囲30∼170℃の揮発油で粗製ガソリンとも呼ば
れる。揮発油 もこの範囲に入っており、製油所では粗製揮発油留分をナフサ
と呼んでいる。
軟化点
プラスチックを一定速度で加熱する時、変形し始める温度を言う。一般にプラ
スチックを加熱すると結晶体 のように明確な融点を示さず次第に軟化して溶
融するものが多い。
軟質プラスチック
プラスチックを硬質、半硬質、軟質と大きく分類したとき、軟質プラスチックと
は引っ張り又は曲げの弾性率が700kgf
/c㎡(10,000psi)より小さい材料
を言う。
二色成形機
二色または二種類の樹脂から成る一体の製品を成形するために、二組の
射出装置を備えた二色成形専用の射出成形機をいう。金型が反転する方
式が一般的であるが、金型のコアバック方式を採用する成形機もある。
二軸延伸
フィルムやシートを融点以下の温度で、縦方向(長さ方向)と横方向(軸方向)
に引き伸ばし、分子を二軸配向 させる操作を言う。この操作で引張り強さは
著しく増大し、強靭性が増す。
抜きこう配
成形品の取り出しを容易にするために、金型に付けるこう配(傾斜)のことを
言う。
抜取検査
検査ロットから、あらかじめ定められた抜取検査方式に従って、サンプ
ルを抜き取って試験し、その結果をロット判定基準と比較して、そのロ
ットの合格・不合格を判定する検査をいう。この場合、ロットの大きさ
とサンプルの大きさとの関係、サンプルの抜き取り方、ロット判定基準
などは、経済性も考慮して統計的方法によって決める必要がある。
ねじれ
成形品が成形後 ひずみによりおう(凹)状又はとつ(凸)状に変形する。辺に
平行方向の変形をそりといい、対角線方向の変形をねじれと言う。
ネッキング
材料を延伸したときに材料全体が均一に伸びず、試料のある部分でクビレが
生ずる現象を言う。
熱可塑性エラストマ
TPEと略記される。プラスチックの構造でゴム弾性を持つ一群の材料。分子
ー
鎖間の架橋はないが、ソフトセグメントとハードセグメントからなり、常温では
ゴム弾性を示し、高温では可塑化 して射出成形、押出成形など熱可塑性プラ
スチック用の成形法が適用されるため、大量生産に向く。
熱可塑性プラスチッ
プラスチックを二分すると、熱可塑性プラスチックと熱硬化性プラスチックにな
ク
る。鎖状の高分子からなり、加熱―軟化、冷却―硬化を可逆的に繰り返す
プラスチック。ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリ塩化ビニルなど汎用プラスチ
ックがこれに属し、量産成形に向き、再成形によるリサイクル も可能である。
熱硬化性プラスチッ
三次元に架橋した立体網目構造 を持ち、液状二成分の加熱により硬化反応
ク
を生じて固化する。再成形 によるリサイクル は困難である。フェノール樹脂、
ユリア樹脂、不飽和 ポリエステル樹脂など汎用材料やエポキシ樹脂、ポリウ
レタンなどがこれに属する。
熱成形
熱可塑性樹脂のシートを加熱軟化 させ、軟らかい間に形をととのえ、冷却し
て成形品を作ることを言う。真空成形、圧空成形はその代表的なもの。
熱伝導率
物質内で熱が伝わる速度を示す熱的特性値の一つで、単位時間、単位厚
さ、単位温度あたりの熱量で表し、kcal/mhr℃が用いられることが多い。
測定法には JIS A 1412 (平板比較法)、JIS A 1414 (平板直接法) があ
る。熱伝導率は、温度、圧力によって変化する。
熱板溶接
加熱した金属板 に、熱可塑性樹脂材料 の被接合部を直接接触加圧 し、溶融
した面を圧着することによって行なう溶接を言う。
熱変形温度
荷重たわみ温度。現在はあまり使用されていない。
燃焼試験
プラスチックの簡便な識別方法として用いられる試験方法 である。試料を炎
に近つけ、次に炎に入れ、最後に炎から取り出して、その間の試料の軟化の
有無、炎の色、煙の出ぐあい、燃焼性の難易、自消性の有無、消えた後の煙
のにおいなどを調べる方法を言う。
粘弾性
粘性と弾性を兼ね合わせた性質。例えばつきたての餅に徐々に力を加える
と粘性を示して流動し、急激な力を加えると弾性を示す。このように粘性と弾
性の両特徴を持った挙動をいう。ポリエチレンなども粘弾性をもつ。
粘度(粘性)
流動する物体の内部に生じる抵抗を粘度という。プラスチックで溶融粘
度が低いということは流動性が良いことを意味し、逆に粘度が高いとい
うことは流動性がわ るいことを意味する。
ノズル反復
1ショットごとにノズルを金型から離すことをノズル反復という。ノズル反復の
必要性はノズルが金型に常時接触していると金型に熱を奪われ、ノズル先端
にコールドスラグがたまったり、ノズル温度が変化したりするので、温度に敏
感な樹脂やスラグウェル の取りにくい 金型形状のときなどに使用する。
パージング
成形加工において、加熱シリンダー内に残留している材料を他の材料に交
換することを言う。パージとも言う。
背圧
スクリューが回転して材料の可塑化と混練を行い、スクリュー先端に材料を
送り込むが、この先端に送られる溶融材料によってスクリューが後退する。こ
の際スクリューの後退方向とは逆に、射出方向に働かせて樹脂を加圧する
圧がスクリュー背圧である。背圧をかけることによって材料の可塑化と混練
の効果を高め、計量の安定化、溶融の均一化、着色の均一化や材料中の空
気、ガスなどを排出することができる。
配向
線状高分子や繊維物質が、ある一定方向に並ぶ現象を言う。成形品 に分子
配向や充填剤 の配向が起こるとソリやクラックの原因となる。逆に配向を起こ
させて物性を改善することもある。
はく離
成形材料に異種材料が混入した場合、成形品は層状になり剥がれやすくな
る。この現象をはく離という。
白化
成形品の表面又 は内部に生じたごく細かい亀裂をいう。ただし、剛性のある
材料の場合は細かい亀裂のかわりに白っぽくなる。これを白化という。成形
品が内部の応力、外部の衝撃を受けて生じた亀裂をワレと言う。
発泡成形法
発泡体の成形品を得る方法で、金型内にガスを注入しながら成形したり、成
形材料(ペレットなど)にあらかじめ発泡剤(LPGや二酸化炭素など)を混合し
ておいて成形する。射出発泡成形や押出発泡成形 などがある。ポリスチレ
ン、ポリウレタン、ポリエチレン、フェノール樹脂、ポリカーボネートなどが対象
となる。
バフ仕上げ
バフを使用して成形品 の研磨やつやだしを行なうことを言う。荒磨きにはバフ
にエメリー粉や軽石粉、ケイ藻土などを水に練ったものをつける。つやだしに
はトリポリなどのコンパウンドを使用する。
バリ
成形材料が金型のすきまに流れでて固化した部分をいう。
パリソン
ブロー成形において、樹脂が溶けてふくらませる前のパイプ状のものをいう。
パリソンカール
ブロー成形において、ダイから垂直方向に押出されたパリソンが湾曲するこ
とを言う。これはパリソンの肉厚が不均一な場合や温度が不均一 なときにお
こる。
パリソンスウェル
ブロー成形において、パリソンがダイから押出された直後にパリソンの直径
がダイの有効直径より大きくなり、肉厚はダイリップの幅より厚くなる現象をい
う。
ハンドレイアップ法
強化プラスチックの成形法の一種で、必要とする枚数の補強材を1 枚ずつ樹
脂で含浸させながら所定の形と厚さに手作業で積み重ねて製品を作る方法
をいう。
汎用プラスチック
一般的には、価格が安く、加工容易な熱可塑性プラスチックで、広く工
(汎用樹脂)
業用から日用品雑貨に至るまで使われているプラスチックをいう。代表
的な汎用樹脂に、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル
樹脂、スチレン系樹脂、メタクリル酸樹脂などがある。
ヒートサイクル試験
物体をあらかじめ定められたプログラム により、高温→室温→低温(又はこ
の逆) と 加熱 冷却 を繰り返して性能を調べる試験法 をいう。
ヒーリング試験
接着剤又は溶着などにより接合した物体及びメッキや塗装の素地に対する
密着性の試験をいう。
引抜成形
強化プラスチックの連続成形法の一種。ロッド、アングル、チャンネルなどの
加工に利用される方法をいう。主にポリエステル樹脂やエポキシ樹脂が使わ
れる。
ひけ
金型内の成形材料が冷却固化するとき、成形品 の厚い部分の表面にクボミ
ができる欠陥をいう。
比重
ある物質の質量と、それと同体積の標準物質の質量との比をいう。固体、液
体の場合は標準物質として4℃の水を用い、気体の場合は標準状態(0℃1
気圧)の空気又は酸素、水素を用いる。
品質管理
買手の要求に合った品質の品物またはサービス を経済的に作り出すた
めの手段の体系・品質管理を略して QC ということがある。また、近代
的な品質管理は、統計的な手段を採用しているので、特に統計的品質管
理(Statistical Quality Control、略して SQC)ということがある。市場
調査、研究開発から始まり、販売、アフタサービスおよび人事など、全
社的に進める TQC が一般的になっている。
品質保証
消費者の要求する品質が十分に満たされていることを保証するために、
生産者が行う体系的活動。すなわち、消費者が安心して品物を買うこと
ができ、しかも十分に満足して使うことができることを保証する企業活
動のことで、そのためには、市場調査、企画、設計、製造、販売、アフ
タ・サービスなど企業活動すべてのステップで品質確保のための全社的
活動が必要である。
P− V− T 特性
熱可塑性樹脂 の固相から溶融相にいたる広い温度領域での圧力(P)−比
容(積) (V)−温度(T)の相互関係をいい 、その定量化 には状態方程式 が
用いられる。一般に溶融圧縮性は比較的に大きく、比容積は圧力と温度
に依存して変動する性質があり、これは成形収縮率、残留ひずみ(充填
ひずみ)に大きな影響を及ぼす。またこれらの関係をうまく利用するこ
とによって最適加工条件、最適成形品を知ることができるほか、射出圧
縮成形などにも利用されている。CAE 的な解析法では保圧、冷却のシミ
ュレーションに重要なデータベースの一つになっている。
ピンホール
薄いプラスチック製品、例えばプラスチックフィルムに存在する貫通した微細
な孔、又は塗装やライニング、メッキなどの 被膜に存在する微細な孔で素地
と外気との間に通じたものを言う。
プランジャー式射出
加熱シリンダ内で成形材料を可塑化させ、プランジャにより金型内に圧
成形機
入する射出成形機をいう。大型機では可塑化が不均一で、成形材料が熱
分解を受けやすいなどの欠点があり、現在ではほとんどスクリュ式のも
のに変わったが、小型機では成形機の駆動が速く、機構が簡単であると
いった利点が買われて、ごく一部限られた分野 で利用されている。
プランジャプりプラ
プランジャで充填する方式の射出成形機をいう。普通のプランジャプラ
式射出成形機
ンジャ式可塑化機構で成形材料を可塑化させ、別に設けた射出式射出成
形機に比べて、可塑化が均一になる、射出量が一定になる、圧力損失が
少ない、などの特徴があるが、スクリュプリプラ式やインラインスクリ
ュ式の射出成形機に比べると成形材料が残留しやすく、色換えや材料換
えも困難で、現在ではほとんど使用されていない。
ブロー成形
押出機から成形材料をチューブ状に押出し、ただちに金型で挟み込んで内
部に圧縮空気を吹き込んで中空品 を成形する方法をいう。吹込成形又は中
空成形ともいう。
ブロック共重合体
直線状に連結されたブロックから成り立つ分子の重合体で、2 種類以上の単
量体から誘導されるブロック重合体をいう。
ブリッジング
ホッパーの下部付近で、材料が橋かけ状態となって停滞し、成形機への円滑
な材料供給が困難になる現象をいう。ホッパー下部の形状、内部温度、材料
粒子の流動特性などがブリッジングの発生に影響を及ぼす。
プリミックス
強化プラスチックに用いる成形材料の一種で、樹脂に単繊維補強剤 、充填
剤、触媒、着色剤などを練り合わせて作った成形材料をいう。パテ状とペレッ
ト状がある。
ブルーイング
透明又は白色のプラスチック製品を得るために少量の青色着色剤 を配合す
ることをいう。AS樹脂などはその典型的な例。
ブルーミング
樹脂に加えられた可塑剤、安定剤のうち、相溶性の悪いものが表面に油状
又は白い粉末状になってしみ出すことをいう。
フローマーク
金型キャビティ内の、成形材料の流れの跡が、成形品に残って外観上の欠
陥となる模様をいう。(ゲートから年輪状のさざなみ模様が多い。)
フローモールディン
インラインスクリュー式射出成形機で、射出時スクリューの回転により可塑化
グ法
された材料をシリンダー内にためることなく、そのまま連続的にキャビティに
充填する成形法をいう。射出容量不足 の場合や肉厚製品の成形に利用され
る。原理的には射出容量に制限のない成形法である。
ブロッキング
プラスチックやゴムのフィルム又はシートを重ねておくと、互いに付着して簡
単に剥離できなくなる現象をいう。
ブレンダー
原料及び副材料等を配合したのち、均一に混合する機械をいう。ミキサーと
同義語である。
粉末成形
プラスチック粉末を金型の内壁又は外壁に接触させながら加熱溶融させ、離
形して成形品とする方法で、安価な金型を利用できること、大型品の少量生
産に適しているなどの特徴がある。回転成形もこれに属する。
変形
成形品が成形後 ひずみによりおう(凹)状又はとつ(凸)状に変形する。辺に
平行方向の変形をそりといい、対角線方向の変形をねじれと言う。
そり、ねじれ のことである。
ペレット
粒状化した成形材料をいう。
ベント
成形操作中に空気やガスをキャビティから放出するために作られている溝や
孔を言う。通気孔(air vent)ともいう。
ベント式射出成形機
成形材料の予備乾燥を省く目的で考案された成形機 で、シリンダーにあけら
れた孔(vent)より水分やガスを逃がす。又は孔(vent)から吸引する。
保圧切替
射出圧から保圧に切り替える時のタイミングで成形条件としては非常に重要
である。充填工程の速度制御から、保圧工程 の圧力制御 に切り替える重要
な制御で、充填速度の最終段階でのスクリュー位置により行なうことが 多く、
この切り替え位置を正確に行なうことにより、過度な充填を防止し、パッキン
グを適切に保つことが 出来る。キャビティ内に90∼95%位入った時点で切
り替えることが目安とされている。
保圧時間
保持圧力を保持している時間で、ゲートがシール(固化)するまでの時間かけ
ておく、保圧時間の長短は成形品 の収縮率 や残留応力、ボイド、ひけ、表面
光沢などに影響を与える。
放電加工
絶縁液中において母型と型材との間の微小間隔 に短時間の放電を繰り
返すことにより型材を母型に相似した複製型に加工する方法。
保持圧力
射出圧力によって金型のキャビティに溶融樹脂が一応充填された後、ゲート
が固化するまでかけておく圧力で、バリの発生やオーバーパックを防ぐととも
にキャビティ内の材料が冷却固化するにつれて発生する収縮に見合うように
溶融材料をノズルから補給して成形品のひけを防いだり、成形収縮率を調整
したりすることも、その役割である。一般的に保圧といい、射出二次圧力とも
いう。
ポアソン比
引張り試験片 に引張り応力を加えていくと、縦方向に伸びて縦ヒズミを、幅方
向に収縮して横ヒズミを生じ、弾性限度内では応力とヒズミの間にフックの法
則(応力とヒズミが比例する)が成立する。弾性限度内の横ヒズミと縦ヒズミ
の比をポアソン比という。
ボイド
成形材料が金型内で凝固するときに起こる密度の変化、又は凝固するときに
内部の材料はひきつけられて厚肉部 の体積が不足する場合、成形品の肉厚
部に球状の空所として生じる欠陥を言う。
ポックマーク
ブロー成形品 の表面に生じた凹凸の不良部分を言う。パリソンと金型表面と
の接触不十分のとき起こりやすい。
ホットカット
押出機を利用してペレットを製造するとき、押出された材料が冷えて固くなら
ない間に切断することを言う。
ホットスタンピング
金属蒸着又は着色剤塗布箔やフィルムから加熱加圧により文字や模様、絵
などを成形品やシートに転写する方法を言う。
ホモポリマー
単一の単量体(モノマー)の重合によって得られる付加重合体で、1 種類の繰
り返し単位だけからなっている。2 種類以上の単量体の重合によって得られ
る共重合体に対する言葉。
ポリマーアロイ
金属の合金(アロイ)にたとえられるように、二成分以上の高分子がミクロに
複合して、それぞれの特性を生かした 新材料となったもの。融点やニ次転移
点(Tg、ガラス転移点)などが両者の中間になる。相溶タイプとミクロ相分離タ
イプとがある。最近、新高分子の開発より、このポリマーアロイの開発に各社
の勢力が注がれている。
ポリマーブレンド
ポリマーアロイより先に発展し、異種の高分子同士 を混ぜ合わせて、同時に
成形した新材料である。融点や二次転移点は融合していないが、それぞれ
の長所を生かしている。ABS樹脂とポリカーボネートとのブレンドが有名であ
る。ポリマーアロイを包含してポリマーブレンドと呼ばれることもある。
マスターバッチ
成形するプラスチックと同種の材料に着色剤や添加剤を高濃度 に配合したも
のを言う。成形時にはマスターバッチとナチュラル樹脂を混合して使用する。
メタロセン触媒
シングルサイト型触媒とも呼ばれる新触媒 であり、平面体の間に金属原子を
含み、触媒活性点が一つであるため、特定のポリマーを選択的に合成でき
る。数年前から、ポリエチレン用に実用化された。
モールドベース
射出成形用金型 を構成するのに必要な部品を集めて組立てたものをい
う。簡単な形状の金型ではモールドベースを用いることにより、金型の
製作日数が短縮できる。
モノマー
高分子の基となる単量体のこと。ポリエチレンではエチレンのこと。
焼き入れ
鋼を高温に加熱し、急冷して硬度を高めるための熱処理の一種をいう。
その処理温度は普通 750∼800℃で、硬さや耐摩耗性などを必要とする部
品に適用される。
やけ
成形時、成形材料 が熱分解、又は残留空気 による焼けによって成形品に生
ずる変色および黒い線をいう。
UL 規格
Underwriters Laboratories Inc (保険業者研究所)の略。ラジオ、テレ
ビなどの電気製品をアメリカに輸出する場合 UL 規格に基いたプラスチックの
難燃化が必須となっている。
溶射
プラスチック粉末を火焔で溶融させながら吹きつける塗装法 をいう。ポリエチ
レン、ポリアミド、フッ素樹脂などが 使用される。
横型成形機
型締機構、射出機構ともに水平に配置され、両者の中心線が一直線上に
ある射出成形機をいう。現在、最も多く使われているタイプ である。
ラミネート法
フィルムを重ね合わせて、複合フィルムや多層フィルムを成形する方法の一
つで、Tダイからの 半溶融しているプラスチックフィルムを、加圧ロールで基材
の上に張り合わせる方法。
リブ
製品の肉厚を厚くしないで、剛性や強度を持たせ、また広い平面部のソ
リを防ぐために用いる補強部分を呼ぶ。
流動成形
粉体またはペースト状液体 の常温における流動性を利用し成形する方
法で、粉末成形、流動浸漬、ペースト成形などがある。
劣化
製品が熱や光によって、その化学的構造に有害な変化を起こすこと、及び特
に物理的性質に永久変化が起こって性質が低下することをいう。老化ともい
う。
ロケートリング
成形機のシリンダノズルとスプルブッシの入口及び、金型取り付け穴に
対する金型の位置関係を正確に保つために金型の中心部に取り付けて
あるリング状の物をいう。
※ すべての記載内容は情報提供であり、保証するものではありません。