パルス波地動を受けるせん断弾性棒の応答特性評価 - 林康裕

パルス波地動を受けるせん断弾性棒の応答特性評価
RESPONSE CHARACTERISTICS EVALUATION OF ELASTIC SHEAR BEAM FOR PULSE WAVES
南 博 之 *, 林 康 裕 **
Hiroyuki MINAMI and Yasuhiro HAYASHI
The objects of this paper is to comprehend the response characteristics of buildings and subsurface ground for pulse-like ground motions,
and to clarify the generating mechanism of the distinctive responses. To achive the objects, we analyze the responses of uniform elastic
shear beam for simple pulse waves (sinusoidal pulse and Ricker wavelet), with modal analysis and wave propagation theory. Especially, we
focus on the time, the position and the amount of the maximum response, and on the contributing ratio of each natural mode for the
maximum response. Additionally, we refer to damage concentration characteristics qualitatively.
Keywords: Sinusoidal Pulse, Ricker Wavelet, Elastic Shear Beam,
Modal analysis, Wave Propagation, Damage Concentration
正弦波パルス,Ricker Wavelet,せん断弾性棒,モード解析,波動伝播,損傷集中
1 .はじめに
中が発生するメカニズムや損傷集中層の振幅依存性に関する理論的
1995 年兵庫県南部地震や 2004 年新潟県中越地震に代表される内陸
な解釈については言及されていない.
地殻内地震の断層近傍において,顕著なパルス状の速度波形を含む
また,地盤に関する研究としては,等価液状化解析を用いてパル
地震動 ( パルス性地震動) が頻繁に観測されている.近年の研究に
ス性地震動に対する表層地盤の増幅特性を評価し,工学的基盤位置
より,パルス性地震動が建物被害に及ぼす影響が大きいことが指摘
の設定が評価結果に大きく影響する可能性を指摘した研究 1 1 ) などが
されるとともに,パルス性地震動の生成主要因も理論的に解明され
あるが,その原因などについては分析されていない.
てきている例えば 1).
そこで,本論文では,パルス性地震動に対する建物や地盤の応答
一方,大阪府域の建物安全性に大きな影響を及ぼすとされる上町
特性を把握するとともに,その特徴的な応答の発生メカニズムを理
断層帯地震については,様々な機関によって予測地震動が作成され
論的に解明することを主な目的とする.その目的を達成するために,
ている
.その予測地震動の中には,現行の告示による設計用地
パルス性地震動および建物 (地盤) のモデル化を単純化して行い,複
震動レベルを大幅に上回るような,大振幅のパルス波形を含むもの
数の分析手法を用いて応答特性の評価を行う.具体的には,パルス
2),3),4)
も見られる.以上より,パルス性地震動に対する建物応答特性の解
性地震動を単純なパルス波 (正弦波パルス,Ricker Wavelet) で表現し,
明や,建物被害を低減するための効果的な対策などが望まれている.
建物 ( 地盤) を一様なせん断弾性棒でモデル化し,主に非減衰の線
パルス性地震動に対する建物応答特性に関する研究としては,観
形応答について,モード解析を用いた分析と波動伝播の概念に基づ
測地震動記録からパルス波の周期と振幅を抽出して,観測地震動の
く分析を行う.さらに,線形応答において得られた知見を用いて,非
波形や応答スペクトルをパルス波を用いて近似する研究 や,正弦波
線形化に伴う損傷集中特性に関する考察を行う.
5)
パルスに対する 1 自由度系の応答理論解を求めたもの 6 ) , 7 ) ,その理論
解を利用したモード解析により多自由度系の最大層間変形角を簡易
2 .入力パルス波
予測する手法を提案した研究 8 ) などがある.しかし,多自由度系の最
パルス性地震動を簡単な数学的モデルで特性化できるものとして
大応答特性に関する理論的な評価に関しては,最大応答が発生する
, 本論文では図 1 に示す 2 種類のパルス波 ( 正弦波パルス,R i c k e r
高さや最大層間変形角の地震動卓越周期,建物固有周期や減衰への
Wavelet) を用いる.パルス性地震動を特徴づける 2 つの値 (パルス特
依存性など,研究の余地が多く残されていると考えられる.
性値) であるパルス周期 Tp [s] とパルス速度振幅 Vp [m/s] を想定されう
非線形応答特性に関する研究としては,極大振幅のパルス波に対
る値に設定したパルス波入力に対して,現行の告示レベルを大幅に
する応答の特徴である損傷集中を軽減するための対策として,ダン
上回る加速度応答スペクトルを示すことがわかる (図 2(a)) .
パーやストッパーの有効性について検討したもの 9 ) や,損傷集中層が
入力波形における両パルス波の主な相違は永久変位の有無にあり,
地震動の卓越周期や位相特性だけでなく振幅にも依存することを明
その違いは,速度波形では,正弦波パルス ( 永久変位有) が片振幅
らかにしたもの 1 0 ) などがある.ところが,これらの中では,損傷集
であるのに対して,Ricker Wavelet (永久変位無) が両振幅であるとこ
* 京都大学大学院工学研究科建築学専攻 修士課程
* * 京都大学大学院工学研究科建築学専攻 教授 工博
Graduate Student, Dept. of Architecture and Architectural Eng., Kyoto Univ.
Prof., Dept. of Architecture and Architectural Eng., Kyoto Univ., Dr. Eng.
1
ろに現れる.また,パルス変位振幅 D p [m]と 2 つのパルス特性値との
3. 建物 ( 地盤) モデル
関係はパルス波の種類により定まり,次式により表される.
建物と地盤の両方に対して同一の取り扱いが可能なモデルとして,
α = D p /(T p ⋅V p )
(1)
せん断弾性棒を用いる.本論文で想定する鋼構造建物及び工学的基
D p で基準化した変位応答スペクトル (図 2(b))で比較すると,固有
盤以浅の表層地盤のモデルの 1 次固有周期 1 T [s] と高さ(深さ)H[m]の
周期とパルス周期の比 T/T p =1 近傍において,顕著な差が現れること
関係を図 3 に例示する.ここで,1 T と H の比を γ [s/m]で表す .
γ =1T / H
が分かる.また,T/T p ≧ 4 では,いずれのパルス波に対しても,建物
(11)
には地動変位 D p に相当する変位が生じ,逆に,T/T p ≪ 1 では,応答が
さらに,表 1 に示す近年のパルス性地震動の観測記録においては,擬
急激に減少する傾向が理解できる.
似速度応答スペクトルのピーク周期から求めた Tp13)の範囲が 0.7~3.1[s]
2 .1 正弦波パルス
であるので,この T p と 1 T から建物及び地盤の弾性時の 1 次固有周期
正弦波パルスの加速度は,時刻 t =0~T p [s ] の間だけ式(2 )を満たし,
比 1 τ = 1 T/Tp の想定範囲が算出できる.
それ以外の時刻では零であるような時間関数として定義する.
本論文では,簡単のため,せん断波速度 v s [ m/ s] が一様なせん断弾
&y&0 (t ) = Ap sin(ω p t )
(2)
ここで,A p[m/s2]はパルス加速度振幅,ω p[rad/s]はパルス角振動数であ
性棒を用いる.非減衰の場合,地動に対する波動方程式は次式によ
り表される.
る.時刻 t=0~T p [s]における速度と変位の時間関数は
y& 0 (t ) =
Vp
2
{1 − cos(ω t )}
(3)
p
 t
1

y0 (t ) = D p  −
sin(ω p t )
(4)
 T p 2 π

なお,A p ,α ,ω p は,V p ,T p を用いて以下の式により表される.
Ap = πV p / T p ,
α = 0.5 ,
ω p = 2 π / T p
2
∂ 2 u ( x, t )
2 ∂ u ( x, t )
− vs
= − &y&0 (t )
2
∂t
∂x 2
(12)
vs = G / ρ = 4 / γ
(13)
ここで,G はせん断弾性係数,ρ は密度を表す.s 次の固有周期 sT,モー
ド分布 s φ (x)および刺激係数 s β は理論的に導出でき,下式で表される.
1T = 4 H / vs
T =1T /( 2s − 1) ,
(14)
s
s φ ( x ) = sin(( 2 s − 1) πx / 2 H )
(5)
2.2 Ricker Wavelet
s
(15)
β = 4 /( 2s − 1) π
(16)
Ricker Wavelet は,1/T p [Hz]が周波数領域でのピークとなるように
本論文で扱う剛性分布 (一様分布) と,一般的な建物の剛性分布 (
Ricker の基本 Wavelet をスケーリングし,時間領域で − 2π ≤ t ≤ 2π
頂部と最下部の剛性比が 1 :3 の台形分布) のモード層間変形角係数 8 )
の範囲に偏在していると考えて,入力開始が時刻 t=0 になるよう平行
を比較して図 5 に示す.ここでは,両者の 1 次固有周期が一致する
移動したものである 1 2 ) .正弦波パルスの場合と同様に,加速度,速
ように設定しており,2 次および 3 次固有周期は台形分布の方が 1 割
度,変位それぞれの時間関数を以下に示す.
程度大きくなる.一様分布の場合に比べて台形分布の場合は,最下
&y&0 (t ) = Ap (τ R 2 − 1) exp(−τ R 2 / 2)
(6)
部付近で小さな値となるのに対して,上部で大きな値となり,また,
y& 0 (t ) = − e τ RV p exp(−τ R / 2)
(7)
そのピーク高さが高い傾向にあることがわかる.
y0 (t ) = D p exp(−τ R / 2)
(8)
減衰は建物 ( 地盤) の内部粘性減衰および粘性系ダンパーの粘性
2
2
ωp
減衰を想定して,剛性比例型粘性減衰とする.すると,s 次減衰定数
Dp
永久変位
0
s
h は 1 次減衰定数 1 h を用いて次式で表される.
(10)
s
0
-Vp
Dp
0
Tp
2Tp
Time [s]
( b ) Ricker Wavelet
0
Tp
Time [s]
( a ) 正弦波パルス
0
10
0
0.1
x=H
3
γ =0.04
1
00
地震名
地盤
2
1995年兵庫県南部地震
2000年鳥取県西部地震
γ =0.016
50
100
H [m]
2004年新潟中越地震
150
200
図 3 建物 (地盤) モデルの範囲
2007年新潟中越沖地震
2
4
T/Tp
6
8
10
( b ) 基準化変位応答スペクトル (非減衰)
1
観測点
PGV[m/s] T p [s]
葺合
1.28
1.2
JMA神戸
0.87
0.9
KNET日野町
1.17
0.7
JMA川口
1.44
1.3
KNET小千谷
1.31
0.7
JMA刈羽
1.22
3.1
KNET柏崎
1.24
2.4
①
1
2次 3次
1次
G
x
0
x/H
[s]
1T
γ =0.03
1
2次
表 1 国内における近年の
主なパルス性地震動の観測記録
4
正弦波パルス
Ricker Wavelet
図 2 パルス波の応答スペクトル
6
建物
2
0
0
1
10
Period [s]
( a ) 加速度応答スペクトル (h=0.05)
図 1 パルス波の時刻歴波形
5
(17)
告示(工学的基盤面)
正弦波パルス(Vp=1m/s,Tp=1s)
Ricker Wavelet (Vp=1m/s,Tp=1s)
Ricker Wavelet (Vp=1m/s,Tp=2s)
20
0
-Ap
Vp
h = (2 s − 1)1 h
Sd / Dp
0
(9)
Sa [m/s2]
Vel.[m/s] Acc.[m/s2]
Ap
0
-Ap
Vp
Dis.[m]
Dis.[m]
Vel.[m/s] Acc.[m/s2]
(t − Tp )
2
1 e
1 Vp
Ap =
⋅ ,
α = π 2 ≈ 0.37
2e π T p
0.5
1次
1次
2次 3次
一様
台形
x/H
τR =
G
0.5
3次
0 -0.5 0 0.5
-0.5 0 0.5
sφ (x)
sψ (x)
図 4 せん断弾性棒と
モード分布形状 (1-3 次)
0
-1 0 1
1γ (x)
-1 0 1
2γ (x)
-1 0 1
3γ (x)
③
図 5 剛性分布の違いによる
モード層間変形角係数の違い
2
4 . モード解析を用いた評価
4 .2 最大応答変形
本章では,パルス波に対するせん断弾性棒の応答を,各固有モー
実際の建物応答評価において最も重要となるのは,最大応答変形
ドの応答に分解して分析する.まず,各固有モードの応答の最大応
(式(23)) の高さ方向の最大値 max R max である.
答への寄与率を定式化する.次に,各固有モードの時刻歴応答の総
smax
Rmax ( x) = max ∑ s β ⋅
和をせん断弾性棒の時刻歴応答とし,最大応答変形についてや減衰
t
s =1
d sφ ( x )
⋅s q(t )
dx
(23)
による応答低減効果について分析する.その後,モード解析におい
ここで,s q(t)は s 次モードの 1 自由度応答を表す.maxR max を γ V p で基準
て考慮する最大次数について言及する.なお,1 自由度系の時刻歴応
化したスペクトルを図 8(a)に示す.また,最大応答発生高さ max x を H
答解析には直接積分法 (Nigam 法)
で基準化したスペクトルを図 8(b)に,最大応答発生時刻 maxt max を T p で
14)
を用い,解析時間刻みを 0.01[s],
解析時間を 20[ s] とする.また,解析高さ方向分割数は 1 00 とする.
基準化したスペクトルを図 8(c)に示す.ただし,max R max が複数回発生
4 .1 各 固 有 モ ード の 最 大 応答 へ の 寄 与 率
する場合は,最初に発生する高さおよび時刻を採用している.最大
s 次モードの応答スペクトル S d ( s τ )を用いて,s 次モードの最大応答
応答変形は,1 τ ≧ 2 のときにはパルス波の種類に依らず一定値 (maxR max/
変位 s D max (x)や最大応答変形 s R max (x)は以下のように展開される.
γ V p =0.5) を示すことが分かる.また,最大応答発生高さは,正弦波パ
ルスの場合には 1 τ に依らず最下部であるのに対して,Ricker Wavelet
 s Dmax ( x)= s β ⋅s φ ( x) ⋅ S d ( sτ )

 s Rmax ( x)= s β ⋅ (d sφ ( x) / dx) ⋅ S d ( sτ )
(18)
変形モード分布 s ψ ( x ) を式( 1 9 ) で定義すると,s 次モードの最大応答
(sDmax(x),sR max(x)) はモード寄与率スペクトル (sDeff,sReff) とモード分布
(sφ(x),sψ (x)) の積によって表される.
ψ ( x) = cos((2s − 1) πx / 2 H )
(19)
 s Dmax ( x) = s Deff ⋅s φ ( x)

 s Rmax ( x)= s Reff ⋅s ψ ( x)
(20)
s
ここで,モード分布 (sφ(x),sψ (x)) の高さ方向の最大値は,モード次数
s に依らず 1 であるので,モード寄与率スペクトル ( sD eff,sR eff) は,各
の場合には 1 τ が大きいほど基準化高さが高くなる傾向がある.最大
応答発生時刻は,正弦波パルスの場合 は 1τ ≧ 1 において傾き 1/2 の直
線で表されるのに対して,Ricker Wavele の場合は 1 τ ≧ 2 において傾き
1/4 の直線となる.
以上のような最大応答に関する基本的な性質の解釈について,1 τ
が大きい場合は次章 ( 波動伝播の概念に基づく評価) に譲ることと
し,1 τ が小さい場合を以下に記す.図 7 より,1 τ が小さい場合の応答
は 1 次モードの応答で近似でき,max R max は下式により概算できると考
えられる.なお,maxR max は 1 ψ (x)が最大となる最下部において発生する.
固有モードの応答の最大応答への寄与率を表す良い指標になると考
えられる.
max
Rmax
γV p
= 2α ⋅
S d (1τ ) / D p
(24)
τ
1
このように,1 τ が小さい場合の応答は 1 自由度系の応答に帰着される
 s Deff = 4S d ( sτ ) /(2s − 1) π

 s Reff = 2S d ( sτ ) / H
(21)
ため,応答特性の評価については文献 6 ) , 7 ) を参考にされたい.なお,
文献 6 ) , 7 ) では正弦波パルスに対する応答特性を対象としているが,
さらに,パルス波の種類によりスペクトル形状が決定するように,
( γ V p )で基準化す
モード寄与率スペクトル ( sD eff,s R eff) はそれぞれ D p ,
ることが可能である.
Ricker Wavelet は入力時間差を有する正弦波パルス 2 波と見なせるた
め (図 9),Ricker Wavelet に対する応答特性も文献 6),7)の理論式により
概ね評価可能であると考えられる.
4
S d ( sτ )
 s Deff
 D = (2s − 1) π ⋅ D
 p
p
 R
S d ( sτ ) / D p
s
eff

= 2α ⋅
1τ
 γ V p
4 .3 減衰による影響
(22)
非減衰の場合について,1 次から 1 0 次までの基準化モード寄与率ス
ペクトルを図 6 に示す.非減衰であるにも拘らず,正弦波パルス,
Ricker Wavelet 共に,1 τ に依らず高次モードの寄与率が小さいことが
分かる.これに対して,建物応答の重要な指標である基準化変形
モード寄与率スペクトル (図 7) では,1 τ が大きくなるほど高次モー
ドの寄与率が大きくなり,特に,Ricker Wavelet の場合にその傾向が
1 h を変化させたときの,基準化最大応答変形スペクトルを図 10 に,
基準化最大応答発生時刻スペクトルを図 1 1 に,基準化最大応答発生
高さスペクトルを図 1 2 に示す.ここで,正弦波パルスに対する最大
応答発生高さについては,1τ と 1h に依らず最下部 ( maxx=0) となるため
図示しない.図 1 0 より,パルス波の種類に依らず,1 h が大きいほど
応答が低減していることが読み取れる.しかし,ここで注目したい
のは,1 τ が大きい場合の 1 h=0 と 1 h=0.02 の maxR max の顕著な差異である.
また,図 11 より,例えば 1h=0.05 の場合に 1τ=4.0 付近において maxtmax が
急変するように,減衰がある場合には,max t max が急変する 1 τ が存在し,
顕著であることが分かる.
2
2
1
1
2次
2次
0
0
2
4
1
τ
6
( a ) 正弦波パルス
8
10
/ (γ Vp)
0.5
1次
0.5
sReff
1
/ (γ Vp)
1次
sReff
/ Dp
1
sDeff
sDeff
/ Dp
1次
1次
2次
2次
0
0
2
4
1
τ
6
8
( b ) Ricker Wavelet
図 6 基準化モード寄与率スペクトル ( 非減衰,1 - 1 0 次)
10
00
2
4
1
τ
6
8
( a ) 正弦波パルス
10
00
2
4
1
τ
6
8
10
( b ) Ricker Wavelet
図 7 基準化変形モード寄与率スペクトル ( 非減衰,1 -1 0 次)
3
Tp
0.5
正弦波パルス
Ricker Wavelet
式(34)
2
4
1
6
τ
8
正弦波パルス
Ricker Wavelet
4
式(35)
2
式(36)
0
0
10
2
4
1
( a ) 基準化最大応答変形
6
τ
8
10
0
0
2
4
1
( b ) 基準化最大応答発生高さ
6
τ
8
10
( c ) 基準化最大応答発生時刻
Vel.[m/s]
0
0
max t max /
/H
0.5
Vel.[m/s]
6
式(36)
Vel.[m/s]
1
正弦波パルス
Ricker Wavelet
max x
maxRmax
/ (γ Vp)
1
図 8 最大応答変形に関するスペクトル (非減衰,s max =1 0)
1h=0
1h=0.02
1h=0.05
1h=0.1
1
1
1h=0.2
1h=0
1h=0.05
1h=0.02
1h=0.1
2
4
1
6
τ
8
0
0
10
2
4
1
( a ) 正弦波パルス
6
τ
8
10
( b ) Ricker Wavelet
1h=0.02
1h=0.05
/ Tp
4
Vp
0
正弦波パルス
正弦波パルス
0
-Vp
0
0
0
2
4
τ
6
8
3Tp/4 5Tp/4
Time [s]
図 9 入力時間差のある
正弦波パルス 2 波による
Ricker Wavelet の近似
10
図 1 2 基準化最大応答発生高さ
スペクトル (Ricker Wavelet,smax=10)
1h=0.2
2
0
0
2
4
1
τ
6
8
結果,最大応答は第一応答極値 ( 加振中) にて発生していることが
4
わかる.このように,自由振動中の応答低減効果は非常に大きいた
maxtmax
/ Tp
0
-Vp
6
6
maxtmax
1h=0.1
Vp
0.5
1
図 10 基準化最大応答変形スペクトル (s max =10)
1h=0
Vel.[m/s]
max x / H
/ (γ Vp)
maxRmax
/ ( γ V p)
maxRmax
0
0
0.5
Ricker Wavelet
0
-Vp
1h=0.2
1
0.5
Vp
め,非減衰時に最大応答が自由振動中に発生するような 1 τ の範囲で
2
0
0
10
は,減衰の有無による max R max の違いが顕著になったものと考えられ
2
4
1
( a ) 正弦波パルス
τ
6
8
10
( b ) Ricker Wavelet
図 11 基準化最大応答発生時刻スペクトル (s max =10)
る.なお,自由振動中の ∆ t 秒間における,減衰による s 次モードの
応答低減率は exp{−(2s − 1) 2 ⋅1 h⋅1 ω ⋅ ∆t} により表され,例えば,2 次は
1 次よりも exp(9) ≈ 8103 倍ほど応答低減率が大きくなるように,高次
モードほど減衰による応答低減効果が大きいことが定量的に確認で
1
τ がそれより大きい場合には加振中に最大応答が発生するようにな
きる.
る.また,この maxt max が急変する 1 τ において,図 10 の maxR max 応答スペ
次に,パルス性地震動に対する応答に関してモード解析を行う場
クトルの勾配が変化し,図 1 2 の最大応答発生高さが中間部から最下
合に,考慮すべき最大次数について考える.変形モード寄与率の最
部へと急変していることがわかる.
大値 maxR eff の 2 割以上の s R eff となるモード (式(25)) をモード解析にお
以上の特性を理解するために,例として 1 τ =5.0 の場合の正弦波パル
いて考慮すべきモードであると定義し,その最大次数を s ma x とする
スに対する最下部 ( 最大応答発生高さ) における応答変形の時刻歴
と,smax と 1τ の関係 (1h=0.05) は図 14 のようになる.
を図 13 に示す.上段には 1~3 次モードそれぞれの応答を,下段には
s
Reff / max Reff ≥ 0.2
(25)
では非減衰ではなく応答スペクトルにおいて一般によく用いられる
応答が発生しており,このとき 1 ~ 3 次モードの応答も同位相で最大
1
応答を示している.これに対して,1 h=0.05 の場合には,t/T p =3.0 付近
より求めた maxR max は,全モードを考慮した maxR max と比較して 3% 程度
の応答は 1 次モードの応答を除いて極めて小さくなっており,その
の差 ( 1 τ ≦ 10 の平均) に抑えられることを確認している.
3次
最大応答
1-10次
加振
2
4
6
t / Tp
( a ) 1h=0
8
10
12
0.4
0.2
0
-0.2
-0.4
0.4
0.2
0
-0.2
-0.4
h=0.05 の場合を図示する.なお,この s max (図 14) を用いて式(23)に
1次
2次
3次
1-10次
最大応答
2
加振
4
6
t / Tp
( b ) 1h=0.05
8
10
12
図 1 3 最大応答発生高さ (最下部) における基準化応答変形の時刻歴波形 (正弦波パルス,1 τ =5 .0 )
10
smax
2次
sR
1次
R / (γ Vp)
sR
R / (γ Vp)
0.4
0.2
0
-0.2
-0.4
0.4
0.2
0
-0.2
-0.4
/ (γ Vp)
減衰の有無による max R max の差異が顕著であることを考慮して,ここ
答を示している.非減衰の場合は,基準化時刻 t/T p =3.0 において最大
/ ( γ V p)
せん断弾性棒の応答の近似として 1 0 次以下のモードの重ね合わせ応
正弦波パルス
Ricker Wavelet
5
00
2
4
1
τ
6
8
10
図 1 4 モード解析における
最大考慮次数 smax (1 h=0.05)
4
5 . 波動伝播に基づく評価
n となることが,応答変位の場合の n max や n min と異なる.
本章では,パルス波に対する非減衰時の応答を波動伝播の概念に
以上より,非減衰の場合の応答に関するパルス波伝播の基本式を
基づいて定式化し,1 τ が大きい場合の最大応答が生じる高さ,時刻お
定めることができた.一例として,パルス波伝播の基本式に基づい
よび変形量を定量的に評価することにより,最大応答の発生メカニ
て応答変形を求めるための模式図を図 1 6 に示す.ここでは,正弦波
ズムを解明する.なお,本章以降では,4 0 分割したせん断棒とほぼ
パルスに対する 40 階建モデル (1τ=1.0,1h=0) の t/Tp=1.0 における応答
等価な 40 質点系せん断型モデル (40 階建モデル) を用いて,Wilson-θ
変形を例に挙げる ( nmin = 1 ,nmax = 4 ) .
法 (θ =1.4,解析時間刻み 0.005[s]) による時刻歴応答解析を行う.
5 .2 最大応答変形
図 15 に例示する正弦波パルスに対する 40 階建モデル (1τ=8.0,1h=0)
パルス波 (正弦波パルスと Ricker Wavelet) の速度波形の相違に留意
の基準化応答変形の時刻歴波形ならびに t/Tp=1.0,1.5,2.0 のときの高
して,それぞれに対する最大応答発生高さ,時刻および変形量を定
さ方向分布から,建物モデル内をパルス波が伝播する現象を視認す
量的に評価する.
ることができる.このように,1 τ が大きい場合には,H に対するパル
まず,正弦波パルスの場合の最大応答変形は,図 1 7 に例示するよ
ス波長 λ p [m] (式(26)) が小さくなるため,パルス波が建物内部を伝播
うに,同位相反射する最下部において発生し ( maxx=0) ,maxR max は
する現象として応答を捉えやすい.
λp
H
= 4⋅
tdur  4/ 1τ
=
1T
 8/1τ
(正弦波パルス)
(Ricker Wavelet)
max
Rmax = 2 R0 max = 0.5γV p
(34)
となる.max R max が最初に発生するのは,R 0 の座標系で R 0max が高さ 2H
(26)
ここで,t dur [s]は入力継続時間を表す.
に到達した瞬間であり,max t max は次式で表される.
t
max max
/ T p = (1+1τ ) / 2
(35)
5 .1 パルス 波伝播 の基本式
ここで,以上の関係が適用可能な 1 τ の範囲について簡単に考察す
静止状態から時刻 t=0 のときに高さ x=0 にパルス波を入力したとき
る.1 τ =1 の最大応答発生時刻におけるパルス波伝播に基づく応答変形
の,正方向に無限の高さを持つせん断弾性棒の応答変位 u 0 (x,t) (仮想
の高さ方向分布を図 16 に示しているが,このとき,R 2 と R 3 が最下部
応答変位) は,入力変位の時間関数 y 0 (t )を用いて次式で表される.
において最大応答を形成しているのに対して,R 1 と R 4 の最下部にお
u0 ( x, t ) = y0 (t − x / vs )
(27)
ける応答は零である.もし,これよりも 1 τ が小さくなると,パルス
実際には,高さは H までしか存在しないので,それより高い領域 (架
波長 λ p が大きくなるので R 1 と R 4 の最下部における応答は非零になり,
空領域) にある波は反射を繰り返して,x=0~H の領域 (実体領域) に
最大応答に干渉するため,ma x R ma x は式(3 4 )より小さくなる.よって,
おける応答に変換される.仮想応答を H 刻みで分割し,下から順に,
式(3 4)の適用範囲は,1 τ ≧ 1 である.
実体領域での応答 u 1(x,t),u2(x,t),… (各区間の応答変位 u n(x,t)) に変換
次に,Ricker Wavelet の場合の最大応答変形について考える.式(7)
し,それらを重ね合わせることにより応答変位 u (x , t )は求められる.
や図 9 より,Ricker Wavelet の入力速度波形には 2 箇所の極値 (t/Tp=0.75,
u ( x, t ) =
1.25) があることから,伝播するパルス波の極値も 2 箇所存在するこ
nmax
∑u
n
( x, t )
n = nmin
(28)
とが分かる.この伝播する極値の時刻と高さの関係を直線で表すと
ここで,n の上限値 n max は n ≥ vs ⋅ t / H を満たす最小の n である.また,
図 1 8 のようになり,2 直線の交点座標や反射時刻を容易に計算でき
n の下限値 n min は,正弦波パルスの場合は n min=1 であり,Ricker Wave-
る.図中に示す状態 A と状態 B における変形分布を図 19 に例示する
let の場合は n ≥ vs (t − 2T p ) / H を満たす最小の n となる.また,応答変
が,どちらの状態においても max R max を呈することがわかる.max R max は
位の場合,波は自由境界において同位相反射し,固定境界において
式(34)で表され,それぞれの状態における max x と max t max は下式のよう
逆位相反射するので,n が奇数 (2k-1) の場合と偶数 (2k) の場合に分類
になる.
して,次式で表すことが出来る.
u2 k −1 ( x, t ) = (−1) k −1 ⋅ u0 ( x + 2(k − 1) H , t )
u2 k ( x, t ) = (−1) k −1 ⋅ u0 (− x + (2k − 1) H , t )
(29)
max
x / H = 1 − 1/1τ ,
max
x / H = 0,
t
max max
t
max max
/ T p =1τ / 4 + 1 [ 状態 A]
/ T p =1τ / 2 + 3 / 4
[状態 B ]
(36)
(37)
ところで,最初に ma x R ma x が発生するのは状態 A においてであり,減
次に,応答変形について考えると,変形は変位を x で微分したもの
衰がある場合は状態 B において maxR max は決して生じない.なお,Ricker
であることから,仮想応答変形 R 0 (x,t)とその最大値 R 0max は,
Wavelet の場合,以上の関係が適用できる範囲は 1 τ ≧ 2 となる.
∂u
1 ∂u
1
R0 ( x, t ) = 0 = − ⋅ 0 = − ⋅ y& 0 (t − x / vs )
∂x
vs ∂t
vs
(30)
R0 max = V p / vs = (γ ⋅ V p ) / 4
(31)
6 .非線形化に伴う損傷集中に関する考察
本章では,入力レベルが大きく,応答が非線形領域に入るような
となり,入力速度の時間関数 y& 0 (t ) やパルス速度振幅 V p および γ を用
場合を考える.なお,非線形応答解析には 40 階建モデル ( γ =0.03) を
いて表現できることがわかる.
用い,各階の復元力特性は Bi-Linear 型で表現し,降伏変形角を R y=1/
応答変形の場合,波は自由境界において逆位相反射し,固定境界
において同位相反射し,応答変形 R (x , t )は以下により表される.
R ( x, t ) =
nmax
∑ R ( x, t )
n
n = nmin
R2 k −1 ( x, t ) = (−1) k −1 ⋅ R0 (x + 2( k − 1) H , t )
R2 k ( x, t ) = (−1) k ⋅ R0 (− x + (2k − 1) H , t )
150[rad],弾性剛性に対する降伏後の剛性比を 0.01 とする.
1τ =2.0,1h=0.02 で Vp を 0.5[m/s]から 3.0[m/s]まで 0.5[m/s]刻みで変化
(32)
させたときの,Ricker Wavelet に対する非線形応答の最大応答変形の
(33)
傷が集中するのに対して,V p =2.0[m/s]のときには中間層よりも最下層
高さ方向分布を図 20 に示す.V p =1.0[m/s]のときには中間層おいて損
ここで,正弦波パルスの場合の n min が n ≥ vs (t − T p ) / H を満たす最小の
において損傷集中が激しいことが分かる.このように,Ricker Wavelet
5
に対する非線形応答では,入力振幅レベルに依存して損傷集中が最
ときには式(35)の最大応答発生時刻付近において損傷集中するが,V p
も激しくなる高さ ( 損傷集中高さ) が変化する現象が見られる.
が大きくなると,やがて 1F R 1ext 発生時刻付近における損傷集中の方が
この現象が発生するメカニズムについて,パルス波伝播の考え方
激しくなるので,V p によって最大応答発生時刻は変化する.以上よ
に基づいて考察する.1τ =2.0,1h=0 の場合の Ricker Wavelet 入力に対す
り,入力振幅レベルに依存して損傷集中高さや最大応答発生時刻が
る,弾性線形領域における応答変形の時刻歴を図 2 1 に示す.最下層
変化する現象を定性的に明らかにできたと考える.
の第一応答極値 R1ext ならびに,最初に maxRmax が発生する 20F (x/H=0.5)
1F
における最大応答値 2 0F R max は下式により表される.
1F
7 .まとめ
R1ext = R0 max = 0.25γV p
20 F
Rmax = max Rmax = 0.5γV p
(38)
本論文では,建物および地盤を一様なせん断棒で単純化してモデ
(39)
ル化し,パルス波 (正弦波パルス,Ricker Wavelet) 入力時の応答特性
Vp を次第に大きくして行くと,Vp = 4/9[m/s]の時に R max = Ry とな
について,モード解析を行うとともに,建物 ( 地盤) 内をパルス波
り,V p の増大とともに中間層において塑性化が進展する.しかし,V p
がどのように伝播するかを分析した.得られた知見を以下に示す.
をさらに大きくすると,V p = 8/9[m/s]の時に R 1ext = Ry となり,最下層
1) 各固有モードの応答の最大応答への寄与率を定式化し (式(22)),
20F
1F
の第一応答極値付近でも塑性化する.以上より,4/9[m/s]<V p < 8/9[m/
それを基にしてモード解析において考慮する最大次数の目安を
s ] の時は最初に塑性化を経験する中間層において損傷集中が発生す
示した (図 14).
ると考えられる.ここで,非線形応答の結果と比較すると,V p =1 .0 ,
2) 固有周期比 1 τ (= 1 T/T p ) が小さい場合の応答は 1 次モードの応答で
1.5[m/s]の場合にも,最下層よりも中間層における損傷集中が激しい
近似でき,最大応答変形は最下部において発生し,最大応答変
ことから,必ずしも最初に塑性化する層付近において損傷集中が最
形量は式( 2 4 ) により概算できる.
も激しくなるわけではないことが分かる.さらに,V p =2.0[m/s]のとき
3 ) 波動伝播の概念を用いて非減衰時の応答を定式化し,固有周期
には,最初に塑性化する最下部において最も激しく損傷集中してお
比 1 τ が大きい場合の最大応答が生ずる高さ,時刻および変形量
り,塑性化の順序と程度により損傷集中高さが決定していると考え
を定量的に明らかにした (式(34)~ 式(37)).
られる.また,このように損傷集中高さが変化したときには,最大
4 ) 非線形化に伴う損傷集中高さや最大応答発生時刻が入力レベル
応答発生時刻も変化している.
に依存する現象を,波動伝播の概念を用いた考察より,定性的
このような損傷集中高さが V p に依存する現象は,特定の 1 次固有
に明らかにした.
周期比 1 τ と 1 次減衰定数 1 h の範囲においてのみ発生すると考えられ
る.それは,図 22 に示す Ricker Wavelet に対する基準化最大応答発生
高さの分布 ( 線形応答) から推測できる.つまり,黒色で示された
max
x/H=0 となる領域では,損傷集中高さが V p に依存しないと考えられ
参考文献
1 ) 釜江克宏, 入倉孝次郎:震源近傍域での強振動パルスの特性と断層破壊の過
程の関係, 第3回都市直下地震災害総合シンポジウム論文集, pp.75-78, 1998
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る.また,正弦波パルスのような速度波形が片振幅のパルス波入力
近畿支部耐震構造部会主催シンポジウム「上町断層帯による想定地震動に対
の場合も同様に,損傷集中高さは最下部である.なお,V p が小さい
する建物の耐震設計を考える」, pp17-24, 2009.1
-0.5
40
R / ( γ Vp)
0
0.5
4H
160
R4 ( x, t ) = R0 (− x + 3H , t )
λp
30
140
3H
R3 ( x, t ) = − R0 ( x + 2 H , t )
20
100
Floor Level
Floor Level
120
10
2H
80
4
0
R( x, t ) = ∑ Rn ( x, t )
R2 ( x, t ) = − R0 (− x + H , t )
n =1
60
H
40
1.0 1.5 2.0
t / Tp
( b ) 高さ方向分布 (t/Tp=1.0,1.5,2.0)
図 15 40 階建モデルの基準化応答変形 (正弦波パルス,1 τ =8.0,1 h=0)
-0.5
R / (γ Vp)
0
0.5
実体 20
領域
0
( a ) 時刻歴波形
λ p = 4 H / 1τ = 4 H
R0
R1 + R 2 + R 3 + R 4 = R
図 1 6 パルス波伝播に基づく応答変形算出の考え方
(正弦波パルス,1 τ =1.0,1 h=0,t/Tp =1.0)
6
3 ) 産業技術総合研究所活断層研究センター:大阪府周辺地域の地震動地図地
9 ) 南博之, 鈴木恭平, 多幾山法子, 大西良広, 林 康裕:パルス性地震動に対する変
震動予測研究報告 暫定版, 2005
形制御機構の効果に関する研究, 日本建築学会技術報告集, 第18巻, 第39号,
4 ) 中央防災会議:東南海、南海地震等に関する専門委員会, 中部圏・近畿圏直
pp.471-476, 2012.6
下地震対策 , http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/nankai/index_chukin.html.
10) 田中和樹, 熊谷由章, 大西良広, 森井雄史, 林康裕:上町断層帯の予測地震動
2012.6.20参照
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11) 林康裕, 多幾山法子, 新井洋:パルス性地震動に対する表層地盤の増幅特性,
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日本建築学会学術講演梗概集 (構造Ⅱ) , pp.751-752, 2010.9
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12) 大崎順:建築振動理論, 彰国社, 1996
Engng Struct. Dyn., 33, pp.1023-1049, 2004
6 ) 鈴木恭平, 川辺秀憲, 山田真澄, 林康裕: 断層近傍のパルス地震動特性を考慮
13) G. P. Mavroeidis, A. S. Papageorgiou:A Mathematical Representation of Near-fault
した設計用応答スペクトル, 日本建築学会構造系論文集, No.647, pp.49-56, 2010.1
Ground Motions, Bulletin of the Seismological Society of America, Vol. 93, No. 3, pp.
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pp.731-740, 2010.4
8 ) 亀井功, 佐藤浩太郎, 林康裕:モーダル解析によるパルス波地動に対する多自
由度系の層間変形角応答特性, 日本建築学会構造系論文集, No.649, pp.567-575,
2010.3
1
1-1/1τ
x/H
状態A
20F
R (x, maxtmax)
-R0 (H-x, maxtmax)
Rmax
Vel.[m/s]
状態B
maxRmax=2R0max
0
Vp
0
-Vp
0
3/4 5/4
1
τ /4+1
1
τ /2+3/4 1τ /2+5/4
t / Tp
図 1 7 正弦波パルスに対する最大応答
発生時の変形分布 R ( 1 τ=8.0,1 h=0)
1F
R1ext
図 18 Ricker Wavelet に対する
応答極値伝播線図 ( 1 h=0)
40
R (x, maxtmax)
R0 (x, maxtmax)
R (x, maxtmax)
-R0 (H-x, maxtmax)
Floor Level
30
図 21 Ricker Wavelet に対する応答変形の時刻歴
(線形応答,1 τ =2.0,1 h=0)
20
10
maxRmax=2R0max
( a ) 状態 A
maxRmax=2R0max
( b ) 状態 B
図 19 Ricker Wavelet に対する最大応答
発生時の変形分布 R ( 1 τ=8.0,1 h=0)
0
0
0.04
Rmax
0.08
図 20 Ricker Wavelet に対する
最大応答変形の高さ方向分布
(非線形応答,1 τ =2.0,
h=0.02,V
1
p=0.5-3.0[m/s])
図 22 Ricker Wavelet に対する
基準化最大応答発生高さの分布
7