算数 第2回 問題解説 洗足学園中学校 算数は計算問題、一行題、そして図形や関数などの大問から構成されています。配点は計算問題が5点 が2問、一行題は5点が4問、7点が2問、8点が2問、大問は6点が4問、8点が2問となります。 また記述式の問題を4問出題しています。その記述式の問題の採点では、まず答えがあっているかを見 ます。答えがあっていない場合のみ、途中の考え方を見て、部分点を加えています。 1 基本的な計算問題です。 (1)計算の順序を的確に行えるかを見る問題です。答えは218です。 (2)小数と分数が入っているので、このような問題では分数に統一して計算します。答えは 2 5 です。 9 一行題(標準)です。 (1)分配算、 (2)還元算、 (3)面図形の問題、 (4)消去算です。 各問いの正答例は、 (1)は6個、 (2)は24分、 (3)は12cm2、 (4)は430円です。 3 一行題(応用)です。 (1)公倍数に関する問題、 (2)時計に関する割合の問題、(3)立体の体積の問題、(4)平均点に 関する問題です。 各問いの正答例は、 (1)は988、 (2)は午後3時1分36秒、 (3)は8.4cm、 (4)は97点 です。 この中から(3)と(4)について解説いたします。 (3)立体の体積の問題です。 図2と図3を比較します。このような問 題では、おもりの位置を端に移動させる と、見易くなります。 容器に入っている水と直方体のおもり の体積の合計は等しいので、図3の水面より上に出ているおもりの体積が、青の線で囲った部分の体 積と等しくなります。8×8×(14-7)=(容器の底面積)×(8-7)より、容器の底面積は 448cm2 となります。 図3より、容器に入っている水の体積は、 (448-8×8)×7=2688 よって、2688cm3 です。 おもりを2本入れると、図4より、 2688÷(448-8×8×2)=8.4 よって、求める水の深さは 8.4cm です。 (4)算数のテストの平均点の問題です。 最高点の生徒2人を除くと平均が73点でした。 全生徒の得点の合計は変わらないので 2人×(最高点-75点)=2点×(生徒数-2人) となり、 (最高点-75)は(生徒数-2)と等しくな ります。 また、最低点の生徒1人を除くと平均が76点になり ました。全生徒の得点の合計は変わらないので 1点×(生徒数-1人)=1人×(75点-最低点) となり、 (75-最低点)は(生徒数-1)と等しくな ります。 最高点と最低点の差が45点なので、 (生徒数-2)+(生徒数-1)=45 このことから、生徒数は24人となります。 よって、最高点は75点に(24-2)点を加えて 答えは、97点です。 4 グラフに関する問題です。 図2を参考にしながら、図1に弟の家か らの距離を表すグラフを書き足してみ ると、2人の動きがよくわかります。図 2より7分後、兄は忘れ物に気付いて家 に戻りますが、途中で弟と出会い、弟と の距離を広げていき、その後、2人の距 離が縮まるのは、兄の進む方向が変わる からであり、すなわち、兄が家についた時刻が12分後ということになります。また、その後、兄が 弟に追いついた時刻が○ う ということになります。また、兄が駅についた時刻○ あ のとき、弟との距離 い は、弟が駅から何mのところにいるかを表しています。以上、青い線が弟の動きになります。 ○ (1)は、兄が家に戻るときの速さを求める問題です。兄は1050mの距離を7分後から12分後の 5分間で戻っていますので、 (1050)÷(12-7)=210より、答えは毎分210mです。 (2)は、グラフの○ い に当てはまる 数を求める問題です。図1の○ あと 図2の○ あ には同じ数が入るので、 図1より、時間○ あ は、兄が家から 1800m離れた駅に到着した時 間であり、○ い はその時の弟との距 離ですから、 弟が駅の手前何mまで 来ているかを考えればよいことに なります。 まず、弟の歩く速さを求めます。7分間で、弟は兄より630m少なく進んでいますから、 (1050-630)÷7=60より、毎分60mの速さです。 兄が駅に向かうのは、毎分150mで進みますので、1800÷150=12より、12分かかりま す。すなわち、グラフの○ あ に入る数は24です。 兄が駅に到着するまでに、弟は毎分60mで24分歩きますので、60×24=1440より、家か ら1440mのところにいます。○ い は、このときの兄との距離ですから○ い に当てはまる数は360 となります。 よって答えは、360です。 (3)は、グラフの○ う に当てはまる数を求めます。○ う は、弟に 兄が追いつく時間のことになります。 このときの、兄と弟がそれぞれ家から進んだ距離は等しいので、 かかる時間の比は、速さの逆比になります。弟と兄の速さの比は 2:5ですから、かかった時間は5:2となります。 12 5 20 52 う に当てはまる数は20となります。 ○ よって答えは、20です。 5 図形の問題です。 直線上を移動する直角三角形 ABC において、同時にその辺上を動く点 P の動きを考える問題です。 点 P の直角三角形の辺上を動く速さは、毎秒 1cm です。 (1)は直角三角形が直線上を毎秒 1cm の速さで動き、点 P は A を出発して B を通り、C まで動きま す。このとき、点 P が動いたあとにできる線と直線で囲まれた部分の面積を求める問題です。 AB の長さが 3cm なので、点 P が A から B まで動く 3 秒間の 動きを考えます。点 P は一定の速さで上に 3cm 左に 3cm 動く ので、動いた後にできる線は斜めの直線になります。 同様に考えて、BC の長さは 5cm なので、次の 5 秒間の動きを考えると、直角三角形が左に動 いた 5cm と、 AC の長さの 4cm だけ左に移動し、 同時に下に 3cm 移動しています。よって、点 P が動いたあとにできる線と直線で囲まれた図形 は三角形であり、 その面積は(3+5+4)×3÷2=18 より、答えは 18cm2 です。 (2)は点 P がCを出発して B を通り、A まで動きます。このとき、点 P が動いたあとにできる線と 直線で囲まれた部分の面積を求める問題です。CB の長さが 5cm なので、最初の 5 秒間の動きは 上に 3cm、左には、三角形が 5cm 動きましたが、点 P は AC の長さの 4cm だけ右に戻るので、図の ような斜めの直線になります。 また、BA の長さは 3cm なので、次の 3 秒間 の動きを考えると、 三角形が左に 3cm 動き、 下に 3cm 動きました。よって、求める図形 は三角形であり、 その面積は(5-4+3)×3÷2=6 より、 答えは 6cm2 です。 (3)直角三角形の動く速さを求める問題です。 点 P は、変わらず毎秒 1cm で、C から A を通り B まで動き、このとき、点 P が動いたあとにできる 線と直線で囲まれた部分の面積が、12cm2 であることから求めます。 点 P が動いたあとにできる線と直線で囲まれた部分は三角形になります。 まず、この三角形の高さを求めます。 三角形 ABC の面積は 3 4 2 6 より、6 cm2 ですから、 6 2 5 12 12 より、求める高さは cm になり 5 5 ます。 ま た 、 三 角 形 の 面 積 が 12cm2 で す か ら 、 12 2 12 10 より、底辺の長さは 10cm とな 5 ります。 これは、点 P が CA 間を進むのにかかった 4 秒と、AB 間を進むのにかかった 3 秒で、合わせて 7 秒 間に進んだ長さということになります。点 P が左に 10cm 移動したのは、BC の長さの 5cm と、7 秒 間に直角三角形が直線上を進んだ長さとの合計になります。よって、 10 5 5 より、直角三角形は 直線上を 5cm 進んだことがわかります。 7 秒間で 5cm 進んだのですから、求める速さは 57 5 5 より、答えは、毎秒 cm です。 7 7 解説は以上です。
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