事業報告 - 徳島経済研究所

第31期事業報告書
(平成27年4月1日から平成28年3月31日まで)
当期のわが国経済をみますと、新興国経済が次第に減速してきたことにより、
輸出や生産などにおいて弱さも見られるようになってきましたが、全般的に見れ
ば緩やかな回復基調が続きました。一方、県内経済は雇用情勢が堅調で、個人消
費も比較的底堅い動きが続いてきたものの、生産が秋口から下降気味となったこ
とから、年度末に向けて全体としてみれば一服感が見られる状況になってきまし
た。
ところで、政府は観光立国の推進を図ろうと訪日外国人観光客の誘致に注力し
て お り 、 2015年 に 1,974万 人 と な っ た こ と か ら 2020年 の 目 標 を 当 面 の 2,000万 人 か
ら 4,000万 人 に 引 き 上 げ ま し た 。 徳 島 県 内 の 2015年 の 宿 泊 者 の 動 向 は 、 外 国 人 の
延べ宿泊者数は過去最高を更新し前年の6割増の5万8千人となったものの、全
国 的 に 見 れ ば 最 下 位 レ ベ ル で あ る う え 、 全 体 の 宿 泊 者 数 は 2 割 (63万 人 )減 少 し て
223万 5 千 人 と な り 、 2 年 ぶ り に 全 国 最 下 位 に 戻 り ま し た 。
こ う し た 環 境 の な か で 、 県 内 の 観 光 活 性 化 の 気 運 を 高 め る た め 、 当 研 究 所 は 20
15年 6 月 に シ ン ポ ジ ウ ム を 開 催 し 「 徳 島 県 の 観 光 ビ ジ ネ ス 活 性 化 構 想 」 を 発 表 す
る と と も に 、 10月 に は 観 光 関 連 業 者 ・ 団 体 を 中 心 と し た 「 徳 島 観 光 ビ ジ ネ ス 推 進
研究会」を立ち上げ、構想の具現化に向けた活動を進めています。
さらに地域経済の振興・発展に資するべく、当期は、経済センサスから産業の
すがたを俯瞰するとともに、省エネ政策や6次産業化、空き家問題、産学金連携
の動向などの調査・研究活動に取り組み、その成果については、刊行物や講演活
動、マスメディアなどを通じて広く各方面へ提供してきました。また、徳島県を
はじめとする種々の委員会等への委員派遣要請にも前向きに対応し、情報収集と
同時に研究成果を活かした地域への提言とその実現に努力してきました。
今後とも、幅広い視野を持って地域経済の調査研究活動を行うとともに、その
成果が地域で生かされ、地域の役に立つ研究所を目指して参りますので、なお一
層のご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
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Ⅰ.調査・研究事業
1.主要な調査・研究事業
(1)徳島県の観光ビジネス活性化構想
2014年5月から9回にわたる「徳島観光ビジネス活性化研究会」での議論を踏まえ
て、観光まちづくりの推進体制や人材育成、阿波おどりの再興など、5構想・27項
目の具体策を盛り込んだ「徳島県の観光ビジネス活性化構想」を作成し、「徳島県の
観光ビジネス活性化シンポジウム」で発表した。
構想1
「徳島観光まちづくり」の推進~新たな推進体制の形成
構想2
徳島観光の人材育成~一人一人が語り部に
構想3
新たな着地型旅行商品づくり
構想4
阿波おどりの再興
構想5
徳島風情の醸成
(2)徳島観光ビジネス活性化研究会のレポート(Ⅲ)
徳島観光ビジネス活性化研究会において、観光分野で全国的に活躍している講師を
招き、勉強会や先進地事例の研究を重ねてきた。「徳島経済」Vol.94・Vol.95 に続き、
第6回から第9回まで4回の研究会の内容をVol.96で詳細にレポートした。テーマと
講師は次のとおり。
第6回(2014.11.28) 元気な温泉地、観光地。共通の源とは
株式会社トラベルニュース社 代表取締役 奥坊一広氏
第7回(2015.1.19) -VCS式-価値創造による観光地域づくり
株式会社バリュー・クリエーション・サービス 代表取締役 佐藤真一氏
第8回(2015.2.16) インバウンド市場の動向と業界の全体像
株式会社やまとごころ 代表取締役 村山慶輔氏
第9回(2015.3.11) 世界に通用する観光地
大歩危・祖谷いってみる会会長、ホテル祖谷温泉代表 植田佳宏氏
(第5回は、研究会委員の意見交換会。第3回研究会の講師であった沢登次彦氏が
アドバイザーで出席。レポートは機関誌に未掲載。)
(3)省エネ政策の動向と県内企業の取り組みについて
「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)」から、今後かなり厳しい地球温暖
化対策を行わなければ気温は1861~80年に比べ4℃上昇し、社会生活のみならず、人
類の生存にまで脅威が及ぶことが指摘されている。こうしたことから、2015年12月に
開催される「COP(国連気候変動枠組条約)21」に向け、各国からかなり高い温室
効果ガス排出削減目標が提示されている。
国や地方自治体では企業などに対し、省エネへの取り組みについての計画や実績な
どを求める措置を取っており、県内においても、省エネなど環境保護に積極的に取り
組む企業が多く見られる。省エネに関して規制を強化する動きも見られ、企業等は真
剣に取り組むことが求められている。
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(4)経済センサスからみた徳島県の産業のすがた
2009年~2014年の5年間の事業所数減少率は9.0%と全国平均を大きく上回り全国
ワースト10位だが、従業者数の減少率は0.6%に留まり全国平均を下回っている。県
内の産業構造の変化は地域全体の雇用をある程度維持する方向に進んだようだ。
ところが、従業者数の増加は「社会保険・社会福祉・介護事業」が突出して多く全
体の3割を占めており、増加数2,000人超の業種が5業種見られ、それらの合計が全
体の8割近くを占めている。従業者数の増加は特定の業種に集中する傾向がみられ地
域産業の裾野は狭まってきている。
(5)空き家問題の現状と課題
空き家対策特別措置法が施行され、倒壊等著しく保安上危険で衛生上有害となるお
それのある老朽危険空き家については、除却、修繕等の措置を市町村が助言または指
導、勧告、命令でき、さらに行政代執行が可能となった。
しかしながら、老朽危険空き家にならないよう適正な管理が行われる仕組みについ
てはあまり用意されていない。所有者による自主管理をサポートするほか、空き家管
理を行う事業者やNPOを育成することで、空き家の中から老朽危険空き家へ移る件
数をコントロールしていく仕組みが必要である。
(6)産学金連携の新たな動きについて
2014年度における德島大学の実績をみると、特許権実施等収入額が全大学中第11位、
保有特許権のうちの実施許諾中特許件数の割合が第2位、民間企業との共同研究実施
件数が第25位、同受入額が第20位となっており、旧帝国大学や有名私大などと肩を並
べる成果を上げている。これは、大学の技術移転機関である四国TLOにおける業務
の刷新によるところが大きい。
阿波銀行の取引先と徳島大学(四国TLO)の産学連携部門・研究者にマッチング
させる活動が積み重ねられた結果、共同研究や市場化(新製品開発・技術革新等)な
どにつながる事例が現れている。「産」、「学」、「金」の連携による新たなビジネスが
まさに創出されようとしている段階にある。
(7)付加価値を高める6次産業化への取り組み~食品への高圧技術の活用~
TPP交渉が大筋合意に至り、農業への注目が高まっているが、国際競争に巻き込
まれないためにも、付加価値を高めることが不可欠である。その方法のひとつとして
食品への高圧技術の活用が注目されており、微生物制御や酵素による分解の促進、機
能性成分の増強など、工夫次第では加熱処理には見られない様なさまざまな可能性が
見込める。
鹿児島県は、新技術の導入に熱心で高圧処理装置の導入が決まっており、農産物の
加工については「鹿児島県大隅加工技術研究センター」を中心に研究開発や事業者等
への支援、人材育成に取り組んでいる。徳島県でも、本県ならではの支援方法を模索
していくことが、競争力を高める上で必要不可欠であろう。
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(8)対談
地球社会の課題に応えるイノベーション事業の展開!
株式会社日立製作所 執行役社長兼COO
東原 敏昭氏
小松島市出身で、徳島大学工学部卒業後日立製作所に入社し、2014年4月より執行
役社長COOである東原敏昭氏との対談。
日立製作所の創業は、今から105年前の1910年にさかのぼる。創業者の小平浪平は、
輸入品や外国企業に頼るのではなく、「自らの力で電気機械を製作したい。それでな
くては日本の産業発展の本当の目的は達せられない」という強い使命感の下、志を同
じくする数名の仲間で5馬力のモーターを完成させる。彼らの思いは、「優れた自主
技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という日立の企業理念の源となり、長い
歴史の中で社員たちに培われたものが、日立創業の精神「和」「誠」「開拓者精神」
であり、日立グループの社員に大切に受け継がれている。
105年の歴史の中で、日立が活躍する舞台は、日本から日本を含むグローバルに大
きく飛躍し、海外の割合は、売上9兆7,619億円のうち47%の4兆5,895億円、従業員
数も33万人のうち14万人(42%)を占めるまでになった(2014年度実績)。グローバル
な競争に勝つために、2015年4月には米州、アジア・パシフィック、中国、欧州・ロ
シア・中東(EMEA-CIS)の4つの地域に総代表を任命し、それぞれの地域に密着した
社会イノベーション事業を創出していく体制に改めるなど、日立が目指す「自律分散
型グローバル経営」を一層強化している。
現在日立がグローバルに展開している「社会イノベーション事業」では、その特長
を生かして、鉄道、水処理、エネルギーなどの社会インフラ技術にITを有機的に組
み合わせて、より高度な製品・サービスを提供している。社会イノベーション事業を
通じて、日立がめざすものは、世界中の人々が安全・安心・快適に暮らせる社会づく
りである。
(9)対談
里山資本を活かした上勝からの新たな挑戦
株式会社いろどり代表取締役社長
横石知二氏
葉っぱビジネス「彩」で全国的に有名になった、上勝町の株式会社いろどりの社長
である横石知二氏との対談。
「彩」事業は2016年でちょうど30年、現在「彩」の葉っぱは、上勝のゆずや他の徳
島県の特産品とともに海外へも輸出されている。今後は、新鮮なものを確実に海外へ
届けられる流通の仕組みづくりが重要なポイントとなってくる。
また、いろどりの事業を支えるものとして、情報発信は欠かせない。ホームページ
やフェイスブックといった外部への発信だけでなく、上勝の葉っぱビジネスの農家へ
の情報も非常にこまめに発信している。おばあちゃんはタブレットを上手に使ってそ
の情報を受け取り、その情報共有が信頼関係につながっている。
これからの課題として、一つは、海外とのつながりをどれだけ深く作れるかという
こと。海外へ出した農産物のブーメラン効果で国内需要の活性化を図り、さらに、海
外に拠点ができれば、そこから研修などを通してビジネスや観光の交流などの密度を
上げていく。二つめは、若い人をいかに呼び込めるかということ。現在インターン制
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度で上勝へ来ているのは年間約100名。彼らと町のやっていることをうまく結びつけ、
さらには定住を促進できるような仕組みをしっかりと作っていきたい。
「彩山構想」も実現へ向けて動き出そうとしている。山が荒れて災害が起きる可能
性が高くなっているし、彩の町として世界に知られてきているのに、杉林しか見えな
い。杉を間引いて花桃や桜、もみじを植えると「彩山」として生き返り、自然災害も
減るうえに産業にも観光にも資源になるのだ。
(10)特別寄稿
ロボット革命は地域発展の機会~暗黙知を形式知へ~
技術顧問・工学博士
西池氏裕氏
ロボット革命の技術的困難さは、多くの場合人間が暗黙知として、その場その場で
人間が行っている判断(個々の人のスキル)を、誰もが分かる知識(形式知)に変換
することにある。言い換えれば、社会が有する無数の暗黙知を形式知或いは新しい「A
Iの暗黙知」に移行していくことの積み重ねとその経験の共有が、ロボット革命を進
行するための要件になるであろう。
その際認識しておかなければならない最も重要なことは、そのノウハウを有してい
るのは無数の現場の実態を知っている人であるということであり、その人達との共同
作業がなければロボット革命は進まない。それゆえロボット開発は、想像以上の「も
のを作る人」の参加が必要であり、地域の「ものを作る人」の結集が必須になる。
ロボット革命を駆動する要素技術の基本的な部分は用意されたと思って良い。新し
い技術分野への進出は、中小企業にとっては躍進の機会である。歴史の語るところは、
中小企業は技術革新のうねりが大きくなったときに躍進し、グローバル化する。今回
のロボット革命はまさにその機会である。
(11)特別寄稿
地域とは・文化とは~地域論を中心とした読書案内~
技術顧問・工学博士
西池氏裕氏
かつて、地域と都市との関係が人類全体の課題になった時代があった。工業社会の
誕生の条件となった資本主義社会生成期である。農民は土地から解放され、都市は労
働力を集約する必要からどん欲に吸収し肥大化した。そのプロセスは、国家というシ
ステムが中央集権的に肥大化するプロセスと一致していた。
現代は、新たなる「囲い込み運動」のもとに「地域」が消滅するべき時代なのか、
あるいは都市と地域の関係を今までにはないネットワーク的発想で捉えるのか、私に
はその両者の視座がしのぎを削っている時代と映る。ただし、過去と最も顕著な相違
点の一つは情報の流れであり、社会の仕組みを根本から変革させる力を有している。
工業社会の原理がこれからも続くと仮定すれば、「地方消滅」は歴史の流れの必然
的方向ということにもなりかねないが、来るべき社会においては、今までのように都
市に人口を集中する必要性があるのか、我々は考えていく必要がある。
現在の「地域」にまつわる問題は、社会構造の変化によって生じる矛盾が最も典型
的に現われたものである。「地域」にまつわる問題は、今後の日本社会が発展する上
で、種々の考え方がぶつかり合う結節点になるであろうと考えている。そこで、「地
域」の問題を考える視座を形成することに有効と思われる著作を紹介する。
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2.定例調査活動
(1)徳島県の経済と産業-2016年版-(発行:2016年5月予定)
近年の徳島県の実情と変化を、自然環境や社会環境、経済・産業の構造や特色、さ
らには県民の暮らしなども含めて、最新の各種統計データやトピックスを織り込み、
取りまとめている。
2016年版は、
「県勢」
「産業」
「暮らし」の3分野から計31項目のテーマを掲載する。
なお、今回の表紙は、神山町の棚田をイメージしたデザインを用いた。
(2)県内景況調査( 毎月 )
県内における最新の経済・産業動向について、各種経済指標の観察に加え、企業経
営者や業界関係者等との定例的な面談により把握し、その結果を「徳島経済レポート」
の形で公表した。
(3)アンケート調査、その他特別調査
①企業経営動向調査
県内企業(対象約320社、回答約200社)における「売上げ、収益、設備投資等」の
動向を、四半期ごとに継続調査し、時系列分析等を行ったうえで「企業経営動向調査」
として公表した。
BSIは2015年4~6期、7~9期は前年同期より若干改善されたが、10~12月期
はプラスとなったものの前年同期より2ポイント低かった。
②ボーナス支給動向調査(7月、12月)
県内企業における「夏季」と「冬季」のボーナス支給状況について、半年ごとに継
続調査を実施しており「経済トピックス」として公表した。
2015年夏季ボーナスは、平均支給額388.3千円、前年同期比+8.6千円(+2.3%)
で、6年連続の増加となった。
また同年冬季ボーナスも、平均支給額が403.2千円、前年同期比+11.4千円(+2.9
%)で、伸び率は昨年冬季を下回ったものの6年連続でプラスとなった。ただし、業
種別でみると、製造業は夏季冬季とも前年同期比マイナスに転じた。
③賃上げ・初任給動向(12月)、採用動向(3月)
県内企業における賃上げと採用の動向を、アンケート調査実施によりとりまとめ、
「経済トピックス」として公表した。
2015年度の賃上げ額(定昇込み、加重平均)は5,600円で、前年調査(5,600円)と同額、
賃上げ率は前年(2.2%)より0.1ポイント低い2.1%となった。業種別に見ると、製造業
が、賃上げ額、賃上げ率とも昨年に引き続き非製造業を上回った。
2016年春の新卒者採用計画数は+17.3%で、前年調査(+23.8%)を6.5ポイント
下回ったものの3年連続してプラスとなった。業種別に見ると、製造業の+5.7%
に対し非製造業は+51.9%と採用意欲が高く、全体を押し上げた。
④その他の特別調査
「賃上げなどに関する調査」として、賃上げ、ボーナス支給について、予定等をア
ンケートにより調査した。
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3.情報提供活動
(1)各種委員会等への委員の派遣
徳島県、徳島市等が設置する審議会や委員会など
合計64件
(2)外部からの照会・取材
①マスコミ
新聞32回
②その他資料提供
50回
テレビ4回
(3)情報交換会への参加
①地銀経済研究機関情報連絡協議会
(地銀系財団法人形態シンクタンクの情報交換会)
4回
②四国内地銀系シンクタンク等情報交換会(四国電力主催)
1回
③地方シンクタンク協議会経営者会議
1回
4.徳島経済調査協議会の開催
(1)概要
○当協議会は平成4年7月設立。毎年2回程度開催。
○構成メンバーは、徳島県内における主要18機関。
○当面の県内経済動向を幅広い角度から分析するとともに、地域開発情報や長期的
展望についても、率直な意見交換を行うことにより、各機関での事業・施策に有
効活用することを目指している。
(2) 当期開催実績
第59回
平成27年
7月21日(火)
第60回
平成27年12月18日(金)
Ⅱ.研修事業
1.徳島県の観光ビジネス活性化シンポジウムの開催(2015年6月2日)
(1)基調講演「美しき日本を求めて」東洋文化研究者
アレックス・カー氏
三好市東祖谷で古民家再生に取り組み、茅葺屋根の「篪庵」にて古民家ステイの魅
力を全世界に発信するなど、徳島と大変関わりの深い東洋文化研究者アレックス・カ
ー氏が基調講演。美観を意識した観光まちづくりを進めるよう具体的な事例を挙げ、
「観光客を引きつけるのは景観」と指摘した。さらに、徳島の観光についても具体的
な提案がなされた。
(2)パネルディスカッション「徳島県の観光ビジネス活性化構想」について
○パネリスト
飯泉嘉門
徳島県知事
奥坊一広
株式会社トラベルニュース社 代表取締役
沢登次彦
株式会社リクルートライフスタイル事業創造部部長
じゃらんリサーチセンターセンター長
岩井敏久
観光コンサルタント、ティ アンド アイ 代表
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○コーディネーター
田村耕一
当研究所専務理事
○発言要旨等
「徳島県の観光ビジネス活性化構想」を田村専務理事が発表し、この構想について
パネルディスカッションを行った。
沢登氏から、これからは従来の観光振興の延長線上では考えられない領域に入って
いき、観光という手段を使っての地域ぐるみの経営体制が必要になるという発言があ
り、奥坊氏は、地域づくりやまちづくりをしていく中で、結果として観光客が来ると
いう流れが大事で、しっかりと取り組めば徳島も多くの人が訪れる観光地になる可能
性があると指摘した。また岩井氏は、徳島には素晴らしい観光素材が眠っているので
着地型観光を進めればビジネスチャンスが拓けると延べ、さらに成果を出すためには
ワンストップサービスの仕組みが重要であるとした。飯泉知事からは、県が進めてき
た施策や今後の方向性についての説明がなされた。
2.徳島観光ビジネス推進研究会
徳島県の観光ビジネス活性化シンポジウムでの議論を受け、観光関連業者を中心に
県内の観光への取り組みを推進する気運を高めるため研究会を発足、今年度は研究会
を10月から3月にかけて5回、セミナーを1回(12月)開催した。
セミナー(2015年12月1日)
テーマ
地域に眠る力を引き出し、自走型地域を実現する
「地域コ・クリエーション(共創)」
講
師
じゃらんリサーチセンター 研究員 三田 愛氏
3.講演会・研修会等への講師派遣
26回、参加人員
延べ約3,000人
4.インターンシップの受け入れ
徳島大学インターンシップ協力企業に登録(14年4月~毎年登録)。
今年度は受け入れなし
Ⅲ.出版事業
各種調査・研究成果等を「出版物」として発刊。
(1)「徳島経済」
( №96~97)
年2回
(2)「徳島経済レポート」
( №369~№380)
月刊
(3)「企業経営動向調査」
( №121~№124)
季刊
(4)「経済トピックス」
( №122~№125)
随時
(5)「徳島県の経済と産業」
( 2015年版)
年刊
(6)特別アンケート : 賃上げ等
1回実施
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Ⅳ.総務事項
1.理事会の開催
(1)平成27年5月12日
会場
パークウエストン3階会議室
議案
第30期事業報告等承認に関する件
社宅使用料に関する件
定時評議員会の招集に関する件
報告
職務執行状況について
財務に関する報告
(2)平成27年8月31日(決議の省略の方法)
議案
退職慰労金支給の件
(3)平成28年3月22日
会場
阿波銀行5階会議室
議案
第32期事業計画案および同予算案承認の件
報告
職務執行状況について
2.評議員会の開催
平成27年5月27日
会場
ホテルクレメント徳島18階
銀河の間
議案
第30期事業報告等承認に関する件
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