Hey Jude / the Beatles

Hey Jude / the Beatles (Lennon / McCartney)
訳:上田 慎一
編集:山崎 忍
<英語 歌詞>
<直訳してみると>
<ちょっと解り易く訳してみると>
<歌えるように訳してみると=余興>
3 段階くれたのでまとめてみました。解釈が変わっていくのが面白いかなぁと・・・直訳→解り易く→歌用に と見てみて下さい
Hey Jude, don't make it bad
ヘイ・ジュード※1 それ※2 を悪いものにするな
ヘイ・ジュード、落ち込むな
そうだ※5 悔やむな
※1: 「Jude」とは、この曲が作られた状況を踏まえると、ジョン・レノンの長男ジュリアン・レノンのことらしいのです
が、「Jude」は「Judith」(普通女性名)の愛称でもあるためにそれ以外の解釈や深読みも可能ですし、リスナ
ー、もっと言えば人一般と取ることも不可能ではないです(「ナオミの恋」の「ナオミ」、「いとしのエリー」の「エリー」等と
同様)。ただし「暗にユダヤ人のことを指している」というのは後からのこじつけで実質的な作者ポール・マッカートニ
ーにはそんな意図は毛頭なかったらしいです。
※2: この曲の歌詞を訳す人間を苦しめる一つの要素がこの「it」の多用で、
「具体的に何か特定の
ものを指している『まさにそれ』という it」
「漠然と状況や物事を指す it」
「いわゆる形式主語を
含め、既出の語を置き換えだけ等の文法的な指示しかもたない it」
「そんなものですらなく単にイ
ディオムの一部として使われているに過ぎないほぼ何も指していない it」がはっきり分けられな
いままごっちゃに用いられています。もちろんその「ぼやけ」がこの歌詞の「深み」に貢献して
いたりもしますし、音的にも「ゥイッ」という音が繰り返されることでアクセントになっていま
す(だからおろそかに歌ってはいけないはずです)
※5: 「こういう営み」をする時はできるだけカタカナを残さないことをポリシーにしてるので、
もちろん「ヘイジュード」で全然かまいません。
Take a sad song and make it better
悲しい歌を取って、それをより良くしろよ
Remember to let her into your heart
忘れずに彼女※3 をお前の心に受け容れてやれよ
悲しい歌だって楽しく歌えるさ
悲しい歌を前向きに
いいか、心の中に受け容れれば
胸にしまい込んだら
※3: この曲の歌詞を訳す人間を悩ませるもう一つの要素がこの「her」で、
「Jude」と同様に「背景」
からすると、この「彼女」とは当時ビートルズのメンバーが関係に悩んでいた女性のこと(これをジョ
ン・レノンの当時の配偶者(つまりシンシア(=ジュリアンの母親))とする解釈が一般的ですが事はそう
単純ではないらしい…)を強く示唆するものの、この歌詞を英文として読めば「a sad song」のことだ
と理解することも十分自然です(ある種の名詞(国家・船舶・猫など)を「she」で受けることは現代
英語でも一般的)
。こういう点もこの歌詞の「広がり」につながっています。なお「you」も同様に誰か
特定の人でも、
「人一般」
「誰でもない you」でもあり得ます。
Then you can start to make it better
そうすればお前はそれをより良くし始められる
もっといいものにしていけるはずさ
明るい歌に変えていこう
1
<Hey Jude>
Hey Jude, don't be afraid
ヘイ・ジュード 怖がるな
You were made to go out and get her
お前は外に出て行って彼女を捕えるようにできている
The minute you let her under your skin
お前が彼女をお前の皮膚の下に受け容れた刹那
ヘイ・ジュード、怖がるな
そうだ 怖がるな
こういうことは、むしろ自分から出て行って捕まえてやるもんだろ
捕まえに行ってやろうよ
つらいことでも、自分の体に受け容れ取り入れたなら
腕に抱きしめられたら
Then you begin to make it better
それはもういい方向に進んでるってことだよ
その時お前はそれをより良く変え始めている
前に歩いて行けるはず
And anytime you feel the pain, hey Jude, refrain 辛い時にはいつも、ヘイ・ジュード、ちょっと立ち止まろうか
それから、お前が苦痛を感じる時はいつでも、ヘイ・ジュード、思い止まれ
辛い時には そうだ 待とう
Don't carry the world upon your shoulders 全世界を肩に背負うことはないんだ
世界をお前の両肩に背負うな
何もかも 背負うことはないさ
For well you know that it's a fool who plays it cool 分かってるだろうけど、そんななのに冷静を装うなんてバカだ
というのも、お前はよく分かっている、それをクールにプレイするのは馬鹿野郎だってことを 馬鹿げてるよね 平気な 振りして
By making his world a little colder
彼の世界をちょっと冷たくすることによって
Hey Jude, don't let me down
ヘイ・ジュード、オレをまいらせないでよ
You have found her, now go and get her
お前はもう彼女を見つけた、さぁ言って彼女を捕まえろ
Remember to let her into your heart
忘れずに彼女をお前の心に受け容れろ
Then you can start to make it better
そうすれば、お前はそれをより良くし始められる
敢えてちょっと冷たい雰囲気を作ってみたりしてさ
冷たい世界を作っちゃうんだからさ
ヘイ・ジュード、じれったい奴だな
そうだ しっかりしな
分かってんだろ、グズグズしないで自分から捕まえに行くんだ
そら 捕まえに行くなら 今だよ
いいか、心で受け止めるんだよ
心から抱きしめられたら
そうすれば、前向きにもっていけるはずさ
もう前に進めるはず
So let it out and let it in※4, hey Jude, begin 吐き出すものは吐き出して、受け入れるものは受け入れる そこから始まるんだ
そうしてそれを出させそれを入れさせる、ヘイ・ジュード、始めろ
切れないものは そうだ いいさ
※4: この種の、比較的短い単語を積み重ねるタイプのイディオムはどうしても意味が「ぼやける」
反面、スピード感では勝っていますので(英作文・会話等では必ず学ぶことですが)
、我々が歌う場
合もそのスピード感を意識するべきかもしれません。
(例えばここを「discharge and assimilate」
などと言ってもいいかもしれませんが、意味はより具体的になるものの何となく難しくて面倒臭い
雰囲気になってスピード感も劣ります)
You're waiting for someone to perform with 誰か助けてくれないかなって待ってんのかもしれないけど
お前は一緒に物事を演じる誰かを待っている
人任せにするんじゃないよ
2
<Hey Jude>
And don't you know that it's just you, hey Jude, you'll do なあ、大事なのはお前自身だよ、ヘイ・ジュード、「お前が」やるんだよ
でも分かっているはずだ、それはお前なんだ、ヘイ・ジュード、お前がやるんだ
お前自身が そうだ さぁ
The movement you need is on your shoulder やんなきゃいけないことは、それこそが他でもないお前の肩にあるんだよ
お前が必要としている動きはお前の肩にある
動き出せば 始まるんだ
Hey Jude, don't make it bad
ヘイ・ジュード、それを悪くするな
Take a sad song and make it better
悲しい歌を取り上げて、それをより良くしろよ
Remember to let her under your skin
忘れずに彼女をお前の皮膚の下に受け容れろ
Then you'll begin to make it
そうすればお前はそれを
ヘイ・ジュード、落ち込むな
そうだ もういいだろ
悲しい歌もやりようでは楽しくなるもんさ
悲しい歌は卒業
忘れるより体の中に受け容れるんだ
胸にしまい込んだら
まずそうすれば
明るい歌にしていこう
Better better better better better better, oh もっともっともっと良くしていけるよ
ずっとずっとずっと良くできるんだ
もっともっともっともっともっともっとさぁ
3
<Hey Jude>