Coaching & Playing Volleyball 48 号 (2007 年 5/6 月号 ) Coaching & Playing Volleyball 48 号 (2007 年 5/6 月号 ) Special Topics - Errors in Volleyball Special Topics - Errors in Volleyball ミスの考え方 ッカーの責任であるが、私はブロック されてしまうのもアタッカーの責任が 大きいのではと感じている。という のも、腕の振りが悪かったり低かった Hugh McCutcheon 氏 アメリカ男子ナショナルチーム監督 り、ブロックに打ち込んだり、これら はスマートなプレーとはいえない。ブ ロック対アタックを考えると、相手ブ ロッカーのレベルやパス、レセプショ ンの質などの要素によっても左右され るが、明らかにアタッカー側が有利で ある。 サーブについて、まず私の中でのエ ラーの評価・区分であるが、アウトや ネットは、もちろん明らかなエラーで のではない。世界一を目指すチームでもミスは発生す ある。また、あまりにも弱いチャンス ーブで、他選手とのコミュニケーショ はセッターに大きな責任がかかる。な るものである。ミスをどの様に捉え、克服していくの サーブもエラーである。ジャンプサー ンの不足、間違った読みや判断などが ぜならアタッカーは素速い移動が第一 か。2005 年よりアメリカ男子ナショナルチームを率い ブの場合は、その弱さがトスアップの それに当たる。 になってしまい、他のことをあまり意 る McCutcheon 氏に聞いた。 悪さによって引き起こされることがあ その他のエラーとしては、レシーブ 識できなくなってしまうからである。 る。トスアップが悪かったのにコート したボールがネットに近すぎたりする にサーブを入れることができたら、私 場合である。ボールの落下点や軌道を エラーとリスク はそれを良いサーブと評価する。逆に 含めて、チームはどこから攻撃を展開 エラーというものは選手にとって、 写真提供／ FIVB 4 サーブレシーブはレシーバーが 100% コントロールできるものではない 初心者だから、選手のレベルが低いからミスをする エラーの定義 Error） 、フォースドエラー（Forced 来ればレシーブできずにエースをと トスアップが悪く、サーブもアウトに したいのかチーム内で確認が必要であ あるいはチームにとってその弱さを表 エラーは試合においては 1 点を失 Error）の二種類は、一般的に使われ られてもしかたがない。このような なった場合、エラーの中でもひときわ る。その共通認識ができれば、パスの に暴いてしまう厄介者である。しかし うか、チームを不利にする。バレー ている用語である。アンフォースド エラーはフォースドエラーである。 悪い評価を与える。これは、エラーを 基準が決定できるので、安定につなが 試合などでは、エラーのリスクを選択 ボールでは、あらゆる状況下で適切 エラーとは、例えばサーブアウトや 次に、あるプレーの選択が最善の 累積して考えるからである。 る。 することもある。例えばチームメイ な判断を下すことが頻繁に求められ ブロックも無い状態で、良いトスを 選択であったかどうか、またその選 その他のサーブにおけるエラーと トスのエラーは無くすことがとても トは必ずブロックカバーに入ってくれ る。そのため、エラーとミステイク アウトに打ってしまうなど、外的な 択したプレーを展開する能力があっ は、間違った選手にサーブを打つこと 難しい。セッターには攻撃における多 る、というのであれば、思い切って強 に関して明確な評価・区分、類別を 圧力のない状態でのエラーのことで たのか、といったエラーの評価・区 である。一般的に、試合では狙いたい くの責任が負わされている。ドリブル 打することもできるだろう。仮にブロ することが、コーチの立場に課され ある。もしブロックジャンプ時にタ 分をする。いずれにしても、全ての 選手をサーブのターゲットとする。し やホールディングは明らかなエラーで ックされても、彼らがカバーしてくれ た大きな役割である。 ッチネットをしたなら、それはアン プレーをエラーの類別という観点か かし、打ち誤ったサーブがリベロなど あるが、トスがネットから近い、短い、 る。チームが自分をどのようにサポー 英語におけるエラーとミステイク フォースドエラーということになる。 ら見る必要がある。 レシーブ力の高い選手にレシーブされ 高い、低い、あるいはテンポが違う トしてくれるのかを認識しながらプレ の違いは、コントロールが可能かど 技術的側面から考えると、エラーを ることがしばしば見受けられる。これ 等々、これらもセッターの責任である。 ーするのである。もちろんそれでもア うかにある。コントロールできるは した選手が、自らコントロールしよ エラーの分析 もエラーである。 さらにはトス選択の間違いもセッター ウトを打ったり、ブロックされたりと ずなのに失敗をしたものがエラーで、 うと思えばできるプレーである失敗 それぞれの技術におけるエラーの サーブレシーブでは、レシーブ技術 の責任である。これを克服するには、 いった結果になることもあり得る。し ミステイクはアクシデントで起こっ をすることである。 正体を突き止めることが、エラーを をレシーバーが 100% コントロールで 試合における統計を利用する。それよ かし、このエラーとなる危険をおかす た事に近い。 フォースドエラーとは、プレーを 減少させるためには必要である。 きるものではない、と考えている。も りも低いと弱いサーブになるし、高い のか、安全にプレーをするのか、その するのが困難な状況でのエラーであ 攻撃のエラーは、アウトを打った ちろんサービスエースを取られてしま と失点が失点が多くなりすぎる。それ バランスは各自で見つける必要があろ エラーの種類 る。起こってもしかたのないエラー り、ネットにかけてしまったり、ブ ったら、何らかの責任がレシーバーに によってセッターのトス配分などが瞬 う。 バレーボール以外のスポーツでも といいかえることもできる。例えば、 ロックされてしまうことがある。ア はある。時速 125km のサーブならば 時に理解できる。特に速い攻撃を展開 それは選手やチームの能力レベルに ア ン フ ォ ー ス ド エ ラ ー（Unforced 速いジャンプサーブがいいコースに ウトやネットというのは完全にアタ まだしも、何の変哲もないチャンスサ するチームの場合、トスの上がる位置 大きく左右される。例えば、私が大学 Coaching & Playing Volleyball 48 号 (2007 年 5/6 月号 ) Coaching & Playing Volleyball 48 号 (2007 年 5/6 月号 ) 5
© Copyright 2024 Paperzz
