埼玉県内企業 2016 年度冬季ボーナス支給予定調査

埼玉県内企業 2016 年度冬季ボーナス支給予定調査
調査対象:県内企業 567 社
調査方法:アンケート方式 (11 月上旬郵送回収)
有効回答企業:168 社(回答率 29.6%)
業種別内訳:製造業 102 社
非製造業 66 社
要旨
○2016 年度の冬季ボーナス支給方針は、全産業でみると、
「昨冬とほぼ変わらず」とする回答
が前年度比 3 ㌽減の 50%と半数を占める結果となっている。
「昨冬より増加」は 19%と前年
度比横ばいとなる一方で、
「昨冬より減少」は 12%と同比 2 ㌽、
「支給しない」は 6%と同比 1
㌽各々増加し、僅かに消極的な姿勢の広がりも窺われる。
○支給予定額を回答している企業について集計した結果、従業員数により加重平均した一人
当たり平均支給予定額(平均年齢 41.3 歳)は、全産業では 413,522 円、前年度比 1.7%増と若
干増加している。また、一人当たり平均支給予定月数は、1.78 か月と同比 0.03 か月増とほぼ
横這いとなっている。
1.冬季ボーナスの支給方針
今年度の冬季ボーナス支給方針は、全産業でみると、「昨冬とほぼ変わらず」とする回答
が前年度比 3 ㌽減の 50%と半数を占める結果となっている。
「昨冬より増加」は 19%と前年
度比横ばいとなる一方で、
「昨冬より減少」は 12%と同比 2 ㌽、
「支給しない」は 6%と同比
1 ㌽各々増加し、僅かに消極的な姿勢の広がりも窺われる。これは、国内景気の足踏み状態
が続く中で、円高や新興国経済の減速の影響などを受けているためとみられる。
(図表1-1)
業種別に前年度からの変化をみると、製造業では、
「昨冬より増加」は前年度比 2 ㌽増の
22%となっているものの、
「昨冬とほぼ変わらず」は同比 4 ㌽減の 45%と最も多く、
「昨冬よ
り減少」は同比 2 ㌽増の 15%と、やや消極的な取組姿勢も見受けられている。一方、非製造
図表1-1. 冬季ボーナスの支給方針(全産業)
今年度・2016年度
19
2015年度
19
53
2014年度
20
51
2013年度
19
50
0%
昨冬より増加
10
6
51
14
2012年度
12
8
51
20%
昨冬とほぼ変わらず
40%
昨冬より減少
-1-
支給しない
13
5
13
16
7
10
16
60%
6
8
80%
12
11
100%
支給方針未定
業では、
「昨冬とほぼ変わらず」は同比 1 ㌽減少の 58%と過半を占めているが、
「昨冬より増
加」は同比 4 ㌽減少し 15%、
「昨冬より減少」は同比 2 ㌽増の 8%、「支給しない」は同比 3
㌽増の 9%となるなど、製造業よりも慎重な取組姿勢となっていることが窺われる。
こうした一部の消極的な取組姿勢には、製造業は、外需依存度が大きく、円高や新興国経
済の減速等の影響を受け業績の回復が遅れているとみられ、非製造業は内需を中心とし、個
人消費の停滞の影響を受けていることが背景にあるとみられる。
(図表1-2、1-3)
図表1-2. 冬季ボーナスの支給方針(製造業)
今年度・2016年度
22
45
20
2015年度
2013年度
18
2012年度
17
0%
13
44
9
48
20%
30%
昨冬とほぼ変わらず
3
15
3
15
17
6
11
44
10%
昨冬より増加
15
49
24
2014年度
(単位:%)
15
8
22
40%
50%
昨冬より減少
60%
12
5
70%
80%
支給しない
90%
支給方針未定
図表1-3. 冬季ボーナスの支給方針(非製造業)
今年度・2016年度
15
9
2012年度
0%
昨冬より増加
3
55
10%
20%
昨冬とほぼ変わらず
30%
40%
昨冬より減少
60%
70%
支給しない
13
9
12
9
50%
10
6
9
4
60
10
9
6
60
20
2013年度
8
59
15
2014年度
(単位:%)
58
19
2015年度
100%
10
12
80%
90%
100%
支給方針未定
2.支給予定額決定の参考項目
冬季ボーナスの支給方針やボーナス支給額を決定する際に参考にする事項(3 項目以内複
数回答)についてみると、全産業では、
「自社の業績」が 94%と最も多く、次いで「昨冬の支
給実績」が 53%、
「同業他社との比較」が 8%の順で、これら 3 項目の順位と割合は変わっ
ていない。
業種別では、前年度と比べ「自社の業績」は製造業が同比 4 ㌽増加したのに対して、非製
造業が横這いとなっている。また、
「同業他社との比較」は、製造業が 2 ㌽減少しているの
に対し、非製造業が同比 2 ㌽増加している。
-2-
ボーナス支給の可否や支給額を決定する要因として、
「自社の業績」と「昨冬の支給実績」
を重視する傾向が続いている。
(図表2)
図表2.冬季ボーナス支給額決定の参考項目
(単位%)
全産業・2016年度
94
53
8
2015年度
92
54
9
製造業・2016年度
97
93
2015年度
5
49
7
50
非製造業・2016年度
89
59
14
2015年度
89
60
12
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
自社の業績
昨冬の支給実績
同業他社との比較
同規模企業との比較
国内の平均支給額
県内の平均支給額
政府による賃上げ要請
その他
200
(注)複数回答のため合計は100%にならない。
3.従業員一人当たり平均支給予定額及び平均支給予定月数(注)
(1)一人当たり平均支給予定額
支給予定額を回答した企業について集計した結果、従業員数により加重平均した一人当た
り平均支給予定額(平均年齢 41.3 歳、以下、「支給予定額」という。)は、全産業で 413,522
円と前年度比 1.7%増と若干増加している。
業種別にみると、製造業は 393,673 円、3.0%増、非製造業は 428,924 円、0.7%増と、支
給額予定額では、製造業は非製造業を下回っている。こうした背景には、国内景気が足踏み
する中で、先行きの業績も不透明感が増しているため、素材型と生活関連型・その他が支給
額を押し下げている。一方、非製造業では、人手不足を背景に人材確保のための処遇改善な
どに取り組む小売、卸売のほか、業績が回復してきている住宅建設などが支給額を押し上げ
ている。
規模別にみると、規模の大きい企業(パート・アルバイトを含む従業員 100 人以上の企業)
の 416,841 円、1.5%増に対して、規模の小さい企業(パート・アルバイトを含む従業員 100
人未満の企業)は 396,028 円、2.6%増となっている。規模の大きい企業は、規模の小さい企
業よりも支給予定額で約 2.1 万円上回るなど規模による格差が窺われるが、前年度の約 2.5
万円よりはやや縮小している。
(図表3、5、6)
(注)本節の「従業員一人当たり平均支給予定額及び平均支給予定月数」の集計企業は、前述の「1.冬季ボ
ーナスの支給方針」及び「2.支給予定額決定の参考項目」の回答企業のうち、支給予定額と支給予定月数
を回答した企業であり、回答数が異なる。
-3-
図表3.一人当たり平均支給予定額(従業員数による加重平均)
(単位:円)
413,522
全産業合計
396,028
100人未満
416,841
100人以上
393,673
製造業合計
素
材
357,614
型
432,546
加工組立型
362,340
生活関連型
・その他
428,924
非製造業合計
建
443,991
設
529,442
住宅建設
卸
売
小
売
565,490
569,760
250,202
運輸・倉庫、不動産
その他
非製造業
205,355
0
100,000
200,000
300,000
2016年度支給予定額
400,000
500,000
600,000
2015年度実績額
(2)一人当たり平均支給予定月数
従業員数により加重平均した一人当たり平均支給予定月数(以下、「支給予定月数」とい
う。)は、全産業では 1.78 か月で、前年度比 0.03 か月増とほぼ横ばいとなっている。
これは、自社の業績などを踏まえながら、人材確保や従業員の処遇改善にも配慮しようと
努めた結果と推察される。
業種別にみると、製造業は 1.64 か月、同比 0.05 か月増、非製造業は 1.90 か月で同比 0.02
か月増と、非製造業が製造業を 0.26 か月上回っている。
規模別にみると、規模の大きい企業は 1.83 か月と、規模の小さい企業の 1.53 か月を 0.30
か月上回り、規模の格差が窺われる。
(図表4、6)
図表4.一人当たり平均支給予定月数(従業員数による加重平均)
(単位:か月)
1.78
全産業合計
1.53
100人未満
1.83
100人以上
1.64
製造業合計
素
材
1.49
型
1.71
加工組立型
生活関連型
・その他
1.72
1.90
非製造業合計
建
1.48
設
1.87
住宅建設
卸
売
小
売
1.97
2.07
2.02
運輸・倉庫、不動産
その他
非製造業
0.00
1.14
0.50
1.00
2016年度支給予定月数
-4-
1.50
2015年度実績月数
2.00
2.50
図表5.年度別一人当たり平均支給予定額の比較(業種別)
(単位:円)
550,000
500,000
450,000
474,546
437,553
440,577 441,502
全産業
製造業
非製造業
474,375
442,836
425,920
406,518
428,924
413,522
400,000
350,000
434,698
401,160
382,259
402,886
393,673
300,000
250,000
2012
13
14
15(注2)
16
(年度)
(注1)従業員数による加重平均により算出している。
(注2)2015年度の数値は、2016年度調査当該企業の支給額である。
図表6.一人当たり平均支給予定額及び支給予定月数(従業員数による加重平均) 区 分
全産業(平均年齢 41.3歳)
100人未満
100人以上
製造業(平均年齢40.7歳) (注)
素材型
加工組立型
生活関連型・その他
非製造業(平均年齢 42.3歳)
建設
住宅建設
卸売
小売
運輸・倉庫、不動産
その他非製造業
(単位:円、か月)
2016年度 2015年度 前年度比 2016年度 2015年度
支給予定額
増減率(%) 支給予定月数 支給月数 前年度差
支給額
1.7
0.03
413,522 406,518
1.78
1.75
2.6
0.02
396,028 385,865
1.53
1.51
1.5
0.03
416,841 410,526
1.83
1.80
3.0
0.05
393,673 382,259
1.64
1.59
1.5
0.01
357,614 352,273
1.49
1.48
4.3
0.08
432,546 414,690
1.71
1.63
2.2
0.03
362,340 354,552
1.72
1.69
0.7
0.02
428,924 425,920
1.90
1.88
1.1
0.01
443,991 439,252
1.48
1.47
3.3
0.06
529,442 512,466
1.87
1.81
4.8
-0.01
565,490 539,504
1.97
1.98
3.8
0.02
569,760 548,900
2.07
2.05
0.3
-0.01
250,202 249,481
2.02
2.03
-1.3
0.00
205,355 207,961
1.14
1.14
(注)製造業については、業種ごとの回答数にばらつきがあるため、下記の業種分類で集計した。
素材型:繊維・衣服・その他の繊維、木材・木製品・家具、パルプ・紙・紙加工品、化学・石油
製品・プラスチック・ゴム製品、窯業・土石、鉄鋼・非鉄金属、金属製品
加工組立型:一般機械器具、電気・情報通信機械器具、電子部品・デバイス、輸送用機械、精密
機械
生活関連型・その他:飲・食料品、印刷・同関連業、その他製造業
-5-