信州カラマツ間伐材で製作する 木目が美しい接着重ね梁(ツイン・トリプルビーム) カラマツは信州の高山に生育する郷土種で、特に初期生長がよく、苗木づくりから植林・ 育成管理に係わるコストも安く、大面積にわたって造成されてきました。また、その材は、 強度の点で優れており、丸太で活用する土木用材や集成材用のラミナーとして広く活用され ております。 しかし、30~40年生程度の若い原木を、自然乾燥して柱や梁材に使用する場合は、 「捩 れ・反り・割れ・ヤニ」等の欠点が出やすいことから、住宅用の構造材等には、あまり利活 用されませんでしたが、平成12年に長野県林業総合センターの木材部で新しい乾燥手法 「高温セット乾燥」による新製品「芯持ち無背割り柱角材」が開発されました。 そこで、この新製品の生産と、この柱角材を2本または3本を重ね合わせて接着・加工す る「木目が美しい接着重ね梁」(ツイン・トリプルビーム)等の開発・商品化を目指し、平成 14年度に国の補助事業を導入して、蒸気式高温乾燥機を装備した「あづみカラマツ振興組 合」が設立されました。当組合は、松本市奈川地区の森林を守り育ててきた森林所有者から、 材を利活用する会社(土木・建設業)まで、幅広い関係者により運営されております。 カラマツのツイン・トリプルビーム 美しい木目を生かしたトリプルビームの住宅 カラマツ接着重ね梁(ツイン・トリプルビーム)製品の特性 背割りなしの芯持柱角材で製作したツインビームやトリプルビームには次のような特性があり ます。 *信州カラマツの年輪の美しさや重厚感があり、木造建築等の化粧梁として利用できる。 *曲げ強度にバラツキの多い間伐材でも、強い木と弱い木を組み合わせて貼り合わせることに より、安定した強度の梁材が得られる。 *集成材よりも、製品の加工・工程が少なく、加工が容易で装置も簡易のため設備投資が少な いので、少量の注文生産等でも採算が可能。また接着剤の使用量も少ない。 *カラマツ間伐中目材でも、 長伐期大径材から製作される梁材のように活用でき、 強度もある。 *大径材から製作される断面積の大きい梁材よりも、小断面の合わせ梁材の方が乾燥効率がよ いので、乾燥コストは安くできる。
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