• 患者の安全のための第一歩 • なぜオーラルケアなのか? • オーラルケア

5/12/2009
Kathleen M. Vollman
Kathleen M. Vollman
MSN, RN, CCNS, FCCM
Clinical Nurse Specialist / Educator /Consultant
ADVANCING NURSING
Northville, Michigan
www.vollman.com
© Vollman 2009
•
患者の安全のための第一歩
•
なぜオーラルケアなのか?
•
オーラルケアの種類と有用性に関するエビデンス
•
オーラルケア単独および他のVAP防止対策との併
用による効果
•
実行し評価するための戦略
1
5/12/2009
患者の安全
•
科学的要因
•
経済的&社会的要因
• 根拠に基づいた実践
• Institute of Medicine(医学研究所)/医療ミス
• 品質/安全機構
• Japanese Society for safety and Quality in Health Care (JSQSH)
• Patient Safety First Campaign/NPSA/NICE/UK
• Safer Health Care Now/Canada
/
,
p g /5
p g
• IHI/VHA:100,000 lives campaign /5 million lives campaign
• 認定機関
•
専門的要因: 基本へ戻る
Vollman KM. Crit Care Nurs Clin N Am, 2006; 18:453-467
http://www.saferhealthcarenow.ca/
http://healthcaregovernancereview.wordpress.com/2008/08/11/buildi
ng-a-ulture-of-patint-safety-through-effective-governance-in-ireland//
http://www.npsa.nhs.uk/
入念に, 明確に, そして分別を持って,
入念に,
明確に, そして分別を持 て,
以下の点を勘案する
• 系統的な研究による最も優れたエビ
デンスの利用
• 個々の臨床の専門的技術
• 患者の好み
ベッドサイドで実践するケアの選択する際
に
2
5/12/2009
ケアにおいて
質の高い結果を達成する能力に
影響する要因
Value
価値
姿勢と責任
結果
指標
“変なことを言うように思うかもしれない
変
が,病院でもっとも大切なことは病人に
危害を加えないことである”
ンゲール
‐フローレンス
フロ レンス
ナイチ
目標…..基本的な衛生の重要性を再考 。
3
5/12/2009
患者の衛生面への介入を実行
ƒ
ƒ
衛生...
健康を確立し維持するための科学と実践
患者衛生への介入...
看護行動計画は,根拠に基づいた衛生ケ
アの方法を先見的に取り入れることで,
患者 宿 防御能 強化に重点を置 た
患者の宿主防御能の強化に重点を置いた.
失禁関連皮膚炎の予防プログラム
4
5/12/2009
VAP
口腔ケア/
移動(mobility)
y
手指衛生
患者
スキンケア/ 入浴/
移動(mobility)
カテーテルケア
カテーテル関連
尿路感染
カテーレル関連
血流感染
手術創感染
院内皮膚損傷
証拠に基づく実践介入
測定結果
プロトコール参照推奨例
手洗い
手衛衛生遵守率
WHO hand hygiene
CDC hand hygiene
McGuckin M., et al
口腔ケア/移動
人工呼吸器関連肺炎
(VAP)
CDC guidelines
NICE VAP guidelines
Muscedere J., et al.
VHA Bundle
Garcia et al
Goldhill DR., et al.
カテーテルケア
血液/皮膚感染症
CDC guidelines
IHI bundle
Bleasdale SC., et al
スキンケア/移動
手術創感染、
尿路感染症、
院内皮膚損傷
(褥瘡&失禁性皮膚炎)
CDC guidelines
AHRQ
Maki et al
Vernon et al
Milstone AM., et al.
IHI-SSI
IHI-pressure ulcers
McGuckin, M. et al. Am J Infect Control, 2008;36:59‐62 5
5/12/2009
明らかになったIPHの要因
IPH 要因
考慮された割合
手指衛生
98.7%
口腔衛生
94.7%
手術前の早期皮膚処置
(前夜または手術の朝)
69.9%
入浴/皮膚の評価
93.5%
失禁ケア
92.4%
McGuckin, M. et al. Am J Infect Control, 2008;36:59‐62 IPHに関連する要因ランキング
因子
とても重要
やや重要
適切な経費
94%
4%
(supplies)
適切な時間
90%
7%
%
86%
11%
%
73%
25%
プ ト
プロトコールの
ル
標準化
モニター用の
書き込み用紙
McGuckin, M. et al. Am J Infect Control, 2008;36:59‐62 6
5/12/2009
“昔、薬とはシンプルかつ効果もなく比較
的安全だった ”
的安全だった。
“今では複雑で効果的、時に危険なことも
ある。”
Sir Cyril Chantler
Courtesy: Phillip M. Kibort, MD,MBA,CMO
Children’s Hospital of Minnesota
アメリカ
ヨーロッパ
日本
インド
院内感染
発生率
年間
200万人
年間
500万人
MRSA
検出率
40%‐80%
10 30%
10-30%
致死
80,000
50,000
院内感染による
超過費用
アメリカ
イギリス
フランス
日本
本
45-57 億ドル
10億ポンド
24-60億ユー
ロ
35,000 円/例
http://www.biomerieux.com/servlet/srt/bio/portail/dynPage?doc=PRT_NWS_EVT_G_EVT_51
7
5/12/2009
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
VAPの粗死亡率 約10 〜 40 %
院内肺炎の粗死亡率 15~18%
USAの平均 2.8~12.3/呼吸器使用1000日
2 8~12 3/呼吸器使用1000日
アジア10か国の平均 3.5~28.3 /呼吸器使用1000日 &
(VAP発生率) 2%-55%
USAの院内肺炎発生率 5~15/入院1000日
アジア10か国の院内肺炎発生率 6~21/入院1000日
関連費用 VAP1件あたり $3万-$4万
入院増加日数 4~14日
年間コスト$20億
Chawla R. Am J Infec control, 2008;36:S93‐100.
Edwards JR, et al. Am J of Infect Control, 2007;35:290‐301
Kollef MH, et al. Chest, 2005:128:3854‐3862
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
Collard HR. Ann Intern Med. 2003;138:494‐501
Rello J. Chest. 2002;12:2115‐2121
ATS Guidelines for HealthCare Acquired Pneumonia 2006
Coffin SE, et al. Infection Control & Hosp Epid, 2008;29(1):S31‐S
日本の病院(ベッド数 > 20
0個)
28 ICU
患者数21,909 人
2002年6月から2004年6月の
間にICUに入院していた16歳以
上の患者
ICUの在室日数
24時間~1000時間
VAP発症
発症
平均 12.6/呼吸器使用1000
日
在室日数増加
平均15.2 日 (薬剤感受性あり)
17.8 日 (薬剤感受性な
Suka M, et al. Infect Control Hosp Epidemiol, 2007;28:307‐313
し)
71.8 %が晩期VAP
8
5/12/2009
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
日本の病院(ベッド数 > 20
0個)
28 ICU
患者数21,909 人
2002年6月から2004年6月の
VAP 単独で病院内の死亡率を増加させてい
間にICUに入院していた16歳以
る (オッズ比 2.20; 95%信頼区間 1.10‐4.39; 上の患者
p=0.03)
ICUの在室日数
24時間~1000時間
Uno H. et al. Nagoya J Med Sci, 2007;69:29‐36
VAP発症
発症
平均 12.6/呼吸器使用1000
日
在室日数増加
平均15.2 日 (薬剤感受性あり)
17.8 日 (薬剤感受性な
Suka M, et al. Infect Control Hosp Epidemiol, 2007;28:307‐313
し)
71.8 %が晩期VAP
•
•
根拠に基づいた実践への適応
常時5つの取り組みを実施すると減少するのは,
,
•
•
•
•
人工呼吸器関連肺炎(VAP)
入院期間(LOS)
人工呼吸器装着時間
費用
ベッド頭部(HOB)を30度上げる
消化性潰瘍(PUD)の予防
深部静脈血栓症(DVT)の予防
鎮静の中断
自発呼吸訓練(SBT)に対する毎日の評価。
改訂
ƒ オーラルケア & 体位変換(mobility)
ƒ EVAC チューブ
(カフ上吸引可能な気管
チューブ)
ƒ 経口胃管(OG) vs.経鼻胃管(NG)チューブ
•
•
•
•
•
9
5/12/2009
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
•
細菌の量あるいは定着
細菌
着
の増加
•
誤嚥リスクの増加
新生児や高齢,重篤な基礎
疾患/免疫抑制
抗生物質の投与
胃のpHを上昇させる薬剤
胃への栄養注入の中止
人工呼吸
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
口腔衛生の欠如あるいは
効果的にされていない
不十分な感染対策の実践
呼吸器の汚染/汚染した結
露
生理食塩水の投与
動かさない
(immobility)
10
5/12/2009
方法::
方法
•
•
ƒ
89 例の重症患者を対象
8
例の重症患者を対象
ICUに入室期間中,口腔咽頭部への細菌の定着を調
査
パルスフィールドゲル電気泳動法を用いて
染色体DNAを比較
(訳者注:口腔咽頭の細菌と肺炎の原因菌)
結果::
結果
• 31例の肺炎を確認
• DNAの解析において、
31例のうち28例で,VAPの原因菌と(口腔咽頭部の細菌が)一致した.
Garrouste-Orgeas et. al. Am J Respir Crit Care Med. 1997;156:1647-1655
方法:
ƒ
ƒ
ƒ
病院へ入院となった49名の高齢者施設
の居住者を対象
入院時の歯垢の付着度(プラークスコ
ア)と歯垢中の細菌を調査
パルスフィールドゲル電気泳動法を用い
て,染色体DNAを比較
結果
• 49例中14例が肺炎を発症.
• 14例の肺炎のうち10例で,DNA解析において肺炎の原因菌と
(歯垢中の細菌が)一致.
El-Solh AA. Chest. 2004;126:1575-1582
11
5/12/2009
™ 食事の介助を要する
™ オーラルケアの介助を要す
オ ラルケアの介助を要す
る
™ むし歯の数(が多い)
™ チューブ栄養
™ 多数の疾患の合併
™ 投与薬剤の数(が多い)
™ 口腔乾燥
™ 喫煙
Langmore SE. et al. Dysphagia 1998;13:69-81
ƒ
ƒ
ƒ
歯垢と微生物を物理的に除
去する役割
先天的&特異的免疫成分
(IgA、コルチゾール、ラ
クトフェリン)
人工呼吸器を装着している
患者には口腔乾燥があり,
歯垢が蓄積しやすく,唾液
中の免疫成分が拡散しにく
い.
Munro CL & Grap MJ. AJCC. 2004;13:25-34
12
5/12/2009
ƒ
ƒ
副鼻腔炎は院内肺炎のリスクが3倍高い
副鼻
院 肺
倍高
危険因子とは:
経鼻挿管,経鼻胃管(口腔と比較して)
気管内挿管や胃管留置の期間(が長い)
頭部外傷
Holzapfel l. et al Crit Care Med, 1993;21(8):1132-8
Bert F. et al Eur J Clin Microbiol Infect Dis, 1996;15(7):533-44
Davis KA. J Intensive care Med, 2006;21(4):211-226
Rouby JJ et al. Am J Respir Crit Care Med, 1994;150(3):776-783
Muscedere J & Canadian Trails Group. J of Crit Care, 2008;23:126-137
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
過酸化水素水を水で2倍に希釈
し,口内洗浄液を少し添加して
(洗浄)
硬いブラシに歯みがき剤をつけ
る
トゥースエッテ(スポンジブラ
シ)に水あるいは口腔洗浄液を
つけて清拭
再使用可能なカテーテルで吸引
/ ヤンカーカテーテルで吸引
口腔ケアをしない
私たちのやり方は
違います!!!
違います
!!!
13
5/12/2009
ƒ
病院内の水道水は医療関連に病原体の中で
最も見過ごされやすいものである
ƒ
29の根拠に基づいた研究において,医療
関連の水系感染症が明らかになっている
ƒ
伝播は、水道水を飲用、入浴、水道水での
食器などの洗浄,そして汚染された表面を
介して生じる
Anaissie E. et. al. Arch Int Med. 2002; 162:1483‐92
14
5/12/2009
ƒ
ƒ
ƒ
控えめな評価でも,水系病原体による明ら
かな罹病と死亡が示唆される
易感染性の患者ではリスクが最大
推奨:病院内の水道水への曝露を最小限に
ƒ
ビン入りの水を飲む
ƒ
パックされたディスポの入浴用スポンジを
使う
Anaissie E. et. al. Arch Int Med. 2002; 162:1483‐92
Sole M.L. Am J of Crit Care. 2003;12(3):220‐230
Cason Cl, et al. Am J of Crit Care. 2007;16(1):28‐36
15
5/12/2009
口腔ケアの方法は変わりつつある
Sole M.L. Am J of Crit Care. 2003;12(3):220‐230
Cason Cl, et al. Am J of Crit Care. 2007;16(1):28‐36
上記のすべて
16
5/12/2009
歯ブラシの方が歯間部が77%きれい
歯ブラシの方が歯肉溝部が44%きれい
ƒ ブラッシングの恩恵は,テクニックと直接関連
している
ƒ スポンジ(ブラシによる清拭)では,ブラシが
届きにくい部分や歯間部の歯垢を除去できない
ƒ
ƒ
Pearson LS. et. al. J of Adv Nursing. 2002;39(5):480-489
歯ブラシ; grade D, (スポンジなどによる)清拭; 未解決, 口腔清掃後に
やわらかい吸引カテーテルを使用; Grade D (Berry AM et al. AJCC, 2007;16:552‐563)
方法
¾
¾
¾
¾
結果
日本の11の高齢者施設で2年間実施
417名が登録/366名を解析の対象(他の原因で死亡のた
め)
184名が口腔ケアプログラムを実施/182名は実施せず
毎食後に歯や義歯のブラッシング&
1週間に1回、歯科医もしくは歯科衛生士による介入
ケア無
口腔ケア有 p value
発熱
29%
15%
p<.01
p< 01
肺炎
19%
11%
p<.05
死亡率
16%
7%
p<.01
改善
p<.05
MMSE
(認知機能検
査)
Yoneyama et al. JAGS. 2002;50:430-433
17
5/12/2009
グルコン酸コロルヘキシジン; grade B evidence, 重曹; 未解決, 過酸化水素; 未解決, 食塩水; 未解決; 水道水; 推奨しない,
滅菌水; 未解決.
;
(Berry AM et al. AJCC, 2007;16:552‐563)
歯科関連の文献は含まれていません
過酸化水素
•
•
•
1%未満では歯垢除去できず、3%を超えると有害かもしれない(1%~3%が
適切)。
適切)
適切に希釈する必要があり、普通の生理食塩水は使用不可
1日3回、1.5%過酸化水素水での洗口で、粘膜損傷はなく、プラークスコア
と全般的に歯肉の状態が改善した。
CPC
•塩化セチルピリジニウム(CPC)はいくつかの別々の研究で,有意に歯肉炎の予防効果があっ
た.
• CRESTリンスのようなOTC(市販品)のデンタルリンスにも配合されている.
バイオティーン
• 唾液酵素を含む
• 加湿効果があり、一部の口腔ケアキットに取り入れられている
Gunsolley JC.J Am Dent Assoc 2006;137(12):1649‐57
Gomes BC et.al. Clin Prev Dentistry. 1984; 6:21-25
Boyd RL. et. al. J Clin Periodentol.1989; 16:557-563
West TL et. al. Journal of Peridontol. 1983; 54(6):339
Tombes MA et. al. Nursing Research. 1993; 42(6):332-337
Beck S. Cancer Nursing. 1979; 2:185-189.
18
5/12/2009
ƒ
前向き無作為比較試験
(RCT)
ƒ 人工呼吸器装着患者(MV pts)98
名
ƒ 3グループ: (鼻咽頭を)60mlsで洗
浄
3.3%ポピドンヨード水溶液,
生理食塩水
コントロール(洗浄なし)
ƒ HOB 使用, PUD&DVT不使用
HOB 使用 PUD&DVT不使用
ƒ
Sequin P, et al. Crit Care Med, 2006;34:1514‐1519
非RCT(過去の症例との比
較)
1997~2002:MV pts 12
52名
ƒ 1995~1996:MV pts 414名
ƒ 1日3回 看護師と歯科医による口腔ケ
ƒ
•
•
•
•
•
•
•
Mori H et al. Inten Care Med, 2006;32(2):230‐236
2004: Grap (CHGによる清拭) 2005: Fourier (CHG) (VAPは減少せず)
2006: Koeman (CHG あるいは CHG/colistin)
2006: Munro (CHGによる清拭 &歯みが
き)
2006: Sequin (
6 S
i (ポピドンヨード
ポ
)
2006: Mori (ポピドンヨード)
2008: Tantipong (CHG)
19
5/12/2009
ƒ
多施設,二重盲検プラセボ比較試験
p
228例 (
(LOS >5日間)
)
MV pts
• ICU在室期間を通じて,1日3回,2%クロルヘキシジンゲルもしくはプラ
セボで,歯肉と歯垢の除菌
• クロルヘキシジンジェルによって菌の定着は減少したが、VAPは減少せず
(Fourrier F. et al. Critical Care Medicine, 2005;33:1728‐1735)
•
無作為二重盲検プラセボ比較試験
MV(> 48時間) pts 385例
• 3群: 6時間毎
プラセボ、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン&コリスチン
• クロルヘキシジン、クロルヘキシジン&コリスチンで,VAPのリスクが統計
学的に有意に減少
(Koeman M et al. Amer J of Respir & Crit Care Med, 2006;173:1348-1355)
クロルヘキシジン(0.2%) vs. H2O2(過酸化水素)
製品)


vs.GLLL (唾液中に発見された抗菌酵素の
VAPから分離された32の病原体
CHG と H2O2 は有意な抗菌作用効果がある
Senol G, et al2007. 35:531‐5. Nisengard R. Comparative microbial analysis of oral antiseptics. www.sageproducts.com
20
5/12/2009
クロルヘキシジン(0.2%) vs. H2O2(過酸化水素)
製品)


vs.GLLL (唾液中に発見された抗菌酵素の
VAPから分離された32の病原体
CHG と H2O2 は有意な抗菌作用効果がある
VAPから分離された原因菌の多くに,in vitroで,
CHG, H2O2 & CPC は良好な抗菌作用を示した
(Senol G et al. Am J Infec Control, 2007;35:531‐7; Nisengard R. Comparative microbial analysis of oral antiseptics. www.sageproducts.com)
Senol G, et al2007. 35:531‐5. Nisengard R. Comparative microbial analysis of oral antiseptics. www.sageproducts.com
メタアナリシス
• 298文献をスクリーニング
• 11のRCTが採用
• 患者3242名
• 4つのRCT (患者1098名) では経口抗菌薬では明らかな
差を認めず
• 7つのRCT(患者2144名)
では 口腔ヘの消毒薬の適応で
VAP発症率が有意に減少
• 死亡率,人工呼呼吸器使用期
死亡率 人工呼呼吸器使用期
間、入院日数に減少なし
Chan EY, et al. BMJ, 2007;334:889
21
5/12/2009
メタアナリシス
• 298文献をスクリーニング
• 11のRCTが採用
• 患者3242名
• 4つのRCT (患者1098名) では経口抗菌薬では明らかな
抗菌性洗口液で定期的にオーラルケ
差を認めず
アを実施 (1 A)
• 7つのRCT(患者2144名)
Coffin SE, et al. Infect Control Hosp では 口腔ヘの消毒薬の適応で
VAP発症率が有意に減少 Epidemiol 2008;29:S31‐41
• 死亡率,人工呼呼吸器使用期
死亡率 人工呼呼吸器使用期
間、入院日数に減少なし
VAP防止の概要
Chan EY, et al. BMJ, 2007;334:889
13のICU,クラスター無作為化クロスオーバー試験(オランダ)
予定人工呼吸期間
予定人
呼吸期間 > 48時間
48時間
各ICUで3つのレジメン:
• 腸管の除菌(SDD)(2045 pts)
• 口腔咽頭の除菌(SOD)(1904 pts)
• 標準ケア(1990 pts)
• 評価: 28日間目における死亡率, 抗菌薬耐性
•
•
•
•
結果: • SDD ,SODの死亡率は,それぞれ 3.5%,2.9%低下した
$12 /日 vs. SOD費用 $1 /日
• 耐性は研究期間の長さにのみ一致していた
• SDD費用
de Smet AM, et al. N Engl J Med 2009;360:20‐31
22
5/12/2009
13のICU,クラスター無作為化クロスオーバー試験(オランダ)
予定人工呼吸期間
予定人
呼吸期間 > 48時間
48時間
各ICUで3つのレジメン:
• 腸管の除菌(SDD)(2045 pts)
• 口腔咽頭の除菌(SOD)(1904 pts)
結論: • 標準ケア(1990 pts)
SODの方がSDDより好ましい
• 評価: 28日間目における死亡率, 抗菌薬耐性
耐性が生じやすい環境下では,CHGの
•
•
•
•
結果: ような他の口腔用の消毒薬を考慮
• SDD ,SODの死亡率は,それぞれ 3.5%,2.9%低下した
$12 /日 vs. SOD費用 $1 /日
• 耐性は研究期間の長さにのみ一致していた
• SDD費用
de Smet AM, et al. N Engl J Med 2009;360:20‐31

医師の処方が必要
• 口腔ケアのコンプライアンスが向上する
かも

製品
• 11.6% のアルコールを含む0.12% CHG溶液

種類
• 複数回使用可能なボトル
• 単回用ボトル(口腔ケアキットに付属)
• 包括的口腔ケアプログラム
23
5/12/2009
方法手順:
• 内科
内科-外科ICU(10床)における後ろ向き研究
外科ICU(10床)における後ろ向き研究
• 手順:
カバー付きヤンカーで非侵襲的に口腔吸引
1.5%過酸化水素水と
吸引歯ブラシ(軟毛)あるいは吸引スワブで清拭
声門下吸引カテーテルを1日4回使用
感染制御のために使いやすい口腔吸引ライン
•
よく教育され,臨床もすばらしい
Schleder B. et al. J Advocate Health 2002;4(1):27-30
24
5/12/2009
方法手順:
• 内科
内科-外科ICU(10床)における後ろ向き研究
外科ICU(10床)における後ろ向き研究
• 手順:
カバー付きヤンカーで非侵襲的に口腔吸引
1.5%過酸化水素水と
他のすべてのケアはそのままで,
吸引歯ブラシ(軟毛)あるいは吸引スワブで清拭
カテーテル使用1000日あたり
声門下吸引カテーテルを1日4回使用
5.6から2.2へVAPが減少した。
感染制御のために使いやすい口腔吸引ライン
•
よく教育され,臨床もすばらしい
Schleder B. et al. J Advocate Health 2002;4(1):27-30
CHGなしのキットの場合
1.
2.
1.
2.
3.
4.
口腔咽頭部の吸引
吸引歯ブラシと抗菌性洗口液(CPC)で,
(1回に)1~2分歯みがき
舌の清掃
口腔用保湿ジェル
必要に応じてリップクリーム
2時間 4時間毎に 吸引スワブで清拭し
2時間~4時間毎に、吸引スワブで清拭し,
口腔用保湿ジェル
Schleder BJ, et al. J Advocate Health Care, 2002. 4:27‐30.
(Garcia R, et al. AJIC, 2006;34(5):E47‐E48)
25
5/12/2009
• Ventバンドル実施により、8.3%から4.
4%にVAPが減少
(Garcia R, et al. AJIC, 2006;34(5):E47‐E48)
• CPCと包括的口腔ケア実施により4.1(2005
年)から2.15(2006年)へVAPが減少
年)から2
15(
6年)へVAPが減少
Ventバンドル、体位変換はすでに実施されてい
た
(Powers J, et al. J of Nurs Quality, 2007;22(4):316‐21
Vent bundle & mobilityy
Fields LB. J Neurosci Nurs, 2008;40(5):291‐298
26
5/12/2009
z VAPが減少し,2年間ゼロに。
Ventバンドル、移動(mobility)、包括的教育の実施
(Murray TM et al.
al AACN Advanced Critical Care.
Care 2007;18(2):190
2007;18(2):190-199
199
ƒ VAP減少, Ventバンドル実施
(Dickinson S et al. SCCM Critical Connections, Feb 2008)







口腔咽頭部の吸引
CHG15 ml ボトルを開封
ボ
を開封
CHGを使って歯、歯肉、舌をソフトな吸引歯ブラシで清
掃
残りの CHGを口腔内(歯, 歯肉, 舌など)に30秒間塗布
余剰(のCHG)を吸引
口腔用保湿ジェル
2時間~4時間ごと吸引スワブで清拭
そして口腔用保湿ジェル
27
5/12/2009
ƒ
クロルヘキシジン vs. 歯みがき vs. 従来のケア
• 4種類の処置:従来のケア, 1日3回の歯磨き, クロルヘキ
種類 処置 従来 ケ
歯磨き ク ル キ
シジン, クロルヘキシジン&歯磨きの組み合わせ
結果:クロルヘキシジン&歯磨きの組み合わせで,VAPが最
も減少した 24.4% vs. 52.4% p=0.0093
(Munro CL, et al. Crit Care Med. 2006;34(12):Abs 1.)
ƒ
1日2回、モノフルオロリン酸ナトリウム(フッ
素配合)ペ スト歯みがき剤&クロルヘキシジン
素配合)ペースト歯みがき剤&クロルヘキシジン
での歯みがき
• 介入前後の研究:
人工呼吸器使用1000日あたりのVAP
5.2(前)vs2.4(後) 46%減少(p=.04) (Sona C, et al. J of Inten Care, 2009;24(9):54‐62
•
前向き,期間連続,非無作為化研究
• 介入なし
237例(観察期間9か月)
23
例(観察期間9か月)
• 介入あり 227例(7か月間介入)
• 看護手順の違いは,体位変換の前に口腔吸引を実施
(11回の吸引を追加)
• 他のケアはすべて同様
結果: 結果
• VAP: 人工呼吸1000日あたり6.51から2.04へ減少( p<0.002 )
• 人工呼吸日数: 28.8 + 17.2 vs. 20.2 + 4.0 (p <0.009)
• ICU入室日数: 27.6 + 17 vs. 20.3 + 4.0 (p < 0.012)
• 体位交換前の口腔吸引はVAPの減少に関連する唯一独立した要因(p=0.003)
Tsai, HH, et al. Am J of Med Sci, 2008;336;397‐401
28
5/12/2009
前向き,期間連続,非無作為化研究
•
• 介入なし
237例(観察期間9か月)
23
例(観察期間9か月)
• 介入あり 227例(7か月間介入)
同様の介入をした2つめの研究でも
• 看護手順の違いは,体位変換の前に口腔吸引を実施
体位変換前の口腔吸引により、
(11回の吸引を追加)
VAPが15.1%(n=159)から4.9% (n=102)に減少。
• 他のケアはすべて同様
結果
結果: •
Chao YF et al J of Clin Nursing 2008;18:22‐28
Chao YF, et al. J of Clin
Nursing 2008 18 22 28
• VAP: 人工呼吸1000日あたり6.51から2.04へ減少( p<0.002 )
• 人工呼吸日数: 28.8 + 17.2 vs. 20.2 + 4.0 (p <0.009)
• ICU入室日数: 27.6 + 17 vs. 20.3 + 4.0 (p < 0.012)
• 体位交換前の口腔吸引はVAPの減少に関連する唯一独立した要因(p=0.003)
Tsai, HH, et al. Am J of Med Sci, 2008;336;397‐401
方法:
介入前後の観察による研究
5つの急性期病院 (8つのICU,患者253名)
介入前後での口腔ケア実践を評価
多面的教育
ベッドサイドに24時間分の口腔ケアキットを導入
¾ 結果
¾ 介入前の口腔ケア
吸引スワブを用いて口腔分泌物を吸引 32%,
歯ブラシ 0%,保湿
0% 保湿 0%
¾ 介入後
歯ブラシでブラッシング 33%,,スワブで清掃 65%,保湿
口腔分泌物の管理 61%
特殊なカテーテルを使った口腔咽頭部の吸引 38%
¾
¾
¾
63%
Cutler CJ et al. AJCC, 2005;14:389‐394
29
5/12/2009
方法:
¾
教育セミナーに参加した看護師1200名が回答(最終回答率
¾
ケアの種類や頻度などの29個の質問
人工呼吸器患者に対してICUに勤務する看護師による最善
のケアの実施状況を調査
結果:
¾ 手洗いの徹底 82%
¾ 口腔ケア時に手袋を着用 77%
¾ ベッドの角度(30<HOB<45) 52%
¾ 声門下吸引 36%
¾ 口腔ケアプロトコールあり 56%
¾
¾
75%)
Cason CL et al. AJCC 2007;16(1): 28‐38
方法:
¾
教育セミナーに参加した看護師1200名が回答(最終回答率
¾
ケアの種類や頻度などの29個の質問
人工呼吸器患者に対してICUに勤務する看護師による最善
口腔ケアのプロトコールがある病院の看護師の方が,ベッドの角度
のケアの実施状況を調査
(HOB)や手洗いをコンプライアンスが良好で,
口腔ケアのプロトコールがない病院の看護師手順よりも、定期的に口腔
結果:
ケアを実施し,VAP発症率にも詳しい,と報告されている。
¾ 手洗いの徹底
82%
¾ 口腔ケア時に手袋を着用 77%
¾ ベッドの角度(30<HOB<45) 52%
¾ 声門下吸引 36%
¾ 口腔ケアプロトコールあり 56%
¾
¾
75%)
Cason CL et al. AJCC 2007;16(1): 28‐38
30
5/12/2009
1997年から2007年までのVAPバンドルの実践に関する文献
のシステマティックレヴュ
のシステマティックレヴュー
• バンドルの構成要素を調査
• VAPを伴った重症患者の臨床転帰
• 6つの研究の分析(うち3つは口腔ケアを含む)
•
結果:
VAPバンドルの実践によりVAPが減少
人工呼吸日数の減少、ICU在室日数の短縮
コンプライアンスとVAP減少の間に強い関連性
O Keefe S, et al. Worldviews on Evidence‐Based Nursing, 2008;193‐204
実現させるには?
31
5/12/2009
ケアにおいて
質の高い結果を達成する能力に
影響する要因
Value
価値
姿勢と責任
看護の良否が結果に
影響を及ぼす指標
1日2回、患者の歯と歯肉がブラシされているか。
• ブラッシングと清掃の間に、どのような吸引が使われて
いるか。そして,どのくらいの頻度で,また患者の体位
を交換する前に行われているか。
•
•
口腔の奥の方を清掃する方法はあるか。
•
必要ならCPCやCHXのような抗菌性洗口液を追加できる
か。
•
清掃と口腔ケアに使用する物品の交換に関する方針はあ
るか。
•
口腔ケアの方針と手順あるいはプロトコールがあるか。
•
正しい製品を使用しているか。
32
5/12/2009
誰かの課題そして
責任でない限り、
いかなる意思決定も
ないに等しい。
Peter F. Drucker
Management Guru
z 時間がないことやその重要性の理解
z 根拠に基づいた教育が不足…たたするだ
け!
z 明確なプロトコール/手順がない
z スタッフの異動・交代
z 必要製品の供給不足
z 部署に専門看護師がいない
z 進捗状況のフィードバックが不足
z 義務/責任感が不足
33
5/12/2009
• 根拠に基づいた教育
• 価値と強化の認識
• 製品/プロセスは現場の介護者がケアを簡単に提供できるようにす
る (バンドルのひとつとする)
• 口腔ケアキットを見えやすい場所に配置
• 医療記録に残す
• フラッグ通知で自動的に記録
*Westwall S. Nursing in Critical Care, 2008;13(4):203-207
Abbott CA, et al. Worldviews on Evidence Based Practice, 2006:139-152
• 頻繁に回診/標準ケアの強化
• 目標の設定/うまくいけば褒める
• 新たな実践の導入/教育オリエンテーション
• 患者の部屋の製品の近くに,わかりやすくプロトコールの概要を
説明
• フィードバックできるるコンプライアンスプログラム
• 成果の評価/フィードバック
*Westwall S. Nursing in Critical Care, 2008;13(4):203-207
• 患者の安全ための専任スタッフ
**Fukuda H. et al. Health Policy, 2009;89:26-36.
34
5/12/2009
HEAD OF BED: ベッドの角度
医学的に禁忌でなければ,HOB30度以上を保つ。
MOBILITY: 移動
医師の指示に従って,一定の間隔で患者を動かす
ORAL CARE: オーラルケア
一定の間隔で挿管あるいは気管切開患者の口腔ケアを
する。吸引歯ブラシは午前8時と午後8時に,吸引ス
ワブはそれ以外の時間に一定の間隔で行う。24時間
毎に,吸気キャニスターと同時にカバーされたヤン
カーも交換する。カテーテルでの吸引は少なくとも6
時間ごと,また患者の体位交換や抜管の前に行う。
© Simmons‐Trau 2002
評価可能なものには意味がある、
視界から消えたものは記憶からも消える
Peter F. Drucker
ピーター・F・ドラッカー
35
5/12/2009
反対が大きいと予想される,という
反対が大きいと予想される
という
それだけの理由,それで見込みがと
ても低いからと,おじけずいて,思
いとどまるべきではありません.
それが簡単だったら,みんなできるの
に.
36