平成23年度 多摩・武蔵野検定 マスター1級 解答

平成23年度 多摩・武蔵野検定 マスター1級 解答
ジャンル
多摩の姿
・自然
NO
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
歴史と遺産
産業
文化
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
正解
2
1
2
3
4
1
4
2
3
1
日原鍾乳洞
森林セラピー基地
奥多摩町
タマノカンアオイ
トウキョウサンショウウオ
2
4
3
1
1
2
1
2
仁君開村記
鈴法寺
小野牧
堤康次郎
2
3
1
稲城
情報通信研究機構
東京都農林水産振興財団
国立天文台
日本コカ・コーラ
昭和飛行機工業
日本電子
1
1
1
1
4
3
1
1
1
八雲神社の神輿
もしくは 神輿
東京都の街路樹の苗圃
もしくは 街路樹(の苗)を
育てる田んぼ
東京菖蒲苑 京王百花苑
羽村市動物公園 羽村市
50①
武蔵野の雑木林の代表種としてクヌギ、コナラが挙げられる。クヌギやコナラは萌芽力が強く、これら
は建築材や燃料として用いられた。雑木林からとってきた枝を直接囲炉裏やかまどの薪として活用す
るほか、炭焼き窯で炭にしてから活用した。また、ほだ木をつくりシイタケ栽培の苗床としたり、落ち葉
を集めて堆肥にするなど、人々の暮らしに密接に関わっていた。またカヤ(ススキなど)は茅葺屋根の
材料として用いられるなど、身の回りに必要な物を里山から調達していた。
50②
多摩丘陵において、開発によって生息域がせばめられた動物はイノシシやシカなどが挙げられる。こ
れらの動物は体も大きく、かつては里山に住む人々の貴重な食料となっていたが、現在では見られな
くなっている。また、多摩丘陵に生息するトウキョウサンショウウオは絶滅の危機が心配されている。
一方、タヌキやハクビシンなどは住宅地に姿を現すこともある。また、水辺を好むカワセミ等は一時数
を減らしたが、水質の改善等により現在は再び見られるようになってきている。
50③
政府は住宅不足を解消するため1955(昭和30)年に日本住宅公団を設立し、翌年には首都圏整備法
を制定した。同年、三鷹市に公団牟礼団地が建設されて以降、北多摩地域に団地が次々に建設され
ていった。ダイニングキッチン、洋式トイレなどが完備された団地生活は日本人のライフスタイルを変
化させ、自治体は道路、上下水道、学校建設などのインフラ整備に追われた。1963(昭和38)年には新
住宅市街地開発法が制定され、団地建設は北多摩地域から南多摩地域に波及し、多摩丘陵を造成
する多摩ニュータウン開発が進んだ。
8世紀初頭に成立した律令国家の地方行政制度の下、武蔵国は坂東(東国)諸国の1つで東山道(後
に東海道に移管)に属し、大国に分類されていた。多磨郡は武蔵国21郡の1つで、多摩川の上・中流
域の広大な範囲を持っていたが、武蔵国府と国分寺が多磨郡に置かれ、武蔵国内の政治と文化の中
50④
心地となった。また、多磨郡を南北に貫通する東山道武蔵路は、東山道・東海道の連絡路であるばか
りでなく、東国の幹線道の役割も持っていた。万葉集では「武蔵野」「多摩川」「多摩の横山」などと多
磨郡の景観が詠われている。
多摩地域は戦前、航空機産業など軍需産業が集積し、航空機や各種計測機器などの製造技術が蓄
積された。戦後、そうした技術を民需に転換し、光学機器、計測機器などの精密機器や輸送機器など
50⑤ 機械産業分野で成長する有力企業が育った。高度成長期には東京区部に比べ工場用地に恵まれて
いたため大手企業の工場移転が進んだ。また企業の研究所や大学も集積し、企業と大学、自治体が
協力する産官学連携の動きも活発で先端分野の製品開発をするベンチャー企業も数多く育っている。
論述
A.武蔵野市にはNTT武蔵野研究開発センタがあり、ネットワークのアーキテクチャや品質、プラット
フォームの研究開発に取り組んでいる。
B.国分寺市には、日立製作所中央研究所及び鉄道総合技術研究所がある。
①日立製作所中央研究所は情報・通信、ソリューションLSI、先端デバイス、ライフサイエンス等の分
野で研究実績を上げており、具体的には、国内初の大型高速計算機、指静脈認証装置、「ミューチッ
プ」のほか、オープンMRI装置や半導体用測長装置などの開発がある。
②鉄道総合技術研究所は、車両、土木、電気、情報、材料、環境など、鉄道技術に関するあらゆる分
野 を対象に研究。具体的には、東海道新幹線ひかり号や山梨リニア実験線の研究に取り組んでい
る。
C.国立市にはヤクルト中央研究所があり、乳酸菌や腸内微生物の研究を広く行っており、基礎研
50⑥ 究、食品・医薬品・化粧品の素材のスクリーニング、製品化試験の3段階の研究を行っている。
D.八王子市にはトヨタ自動車東京デザイン研究所、カシオ八王子研究所及び2か所のオリンパス技術
開発センターがある。
①トヨタ自動車東京デザイン研究所は、先進的なスタイリングのデザイン研究に取り組んでいる。ボ
ディのデザインのモチーフは木の葉で柔らかな感じを演出。環境への負荷を減らす一人乗り電気自動
車「ⅰ-unit」(アイユニット)もここから生まれた。
②カシオ八王子研究所は、電子デバイスの研究開発を行っている。
③オリンパス技術開発センター石川は内視鏡、顕微鏡、情報機器、デジタルカメラ、生産技術等の研
究開発を行っている。オリンパス技術開発センター宇津木は銀塩カメラ、録音機、血液分析装置、要
素技術等の研究開発に取り組んでいる。
日野五社とは、東洋時計(現オリエント時計)、小西六(現コニカミノルタ)、富士電機、日野重工業(現
日野自動車)、神鋼電機(現シンフォニアテクノロジー)の5社をいう。これらは1934(昭和9)年から1
943(昭和18)年にかけて日野と八王子の隣接地区に立地した軍需工場群であった。日野は水が豊
50⑦
富、空気が清浄で、精密機械機器工場の受け皿として注目され、地元の熱心な誘致により多摩地域
の一大軍需工場地域の象徴的存在として知られた。戦後は民需用工場に転換し多摩地域の産業を
リードする役割を担った。
桓武天皇の799(延暦18)年に中国から初めて木綿の実が渡来したが、布の作り方は不明であっ
た。多磨川のそばに住んでいた広福長者と呼ばれる者が布多天神社に7日間おこもりをしたところ、
50⑧ 神様のお告げで布の製法を教わり、早速その通りにすると布が出来た。その布を多磨川にさらし、整
えて天皇に献上した。天皇はその布を「調布」と名付け、以来、多磨川周辺のこの地域を武州調布の
里と呼ぶようになった。
【配点】 択一=1問1点 記述=1問3点 論述=13点