2006年(平成18年)7月25日 第9号 新旧会長ご挨拶 萬年 成泰 (9期 ) 薬友会会長 このたび林信一前会長の後を受けて会長に就任いたしました。 前会長が書いておられますように、薬友会が発足してからしばらくは、 同窓会という意味合いよりも薬学部内の懇親組織という感じのもので ありましたが、1 期、2 期の諸先輩のご尽力により、同窓会組織に発 展して行きました。 私はその間、薬学部に学生時代も含め 20 年強おりましたが、恥 ずかしながらそれほど薬友会の存在や意義を意識したことはありませ んでした。しかし、その後民間の会社に出てみて始めて、薬学部は 小さい学部ではあるけれども、また、いろいろご批判はあるでしょうが 生命科学を広く、浅く学ぶことによって、卒業生には非常に広い活躍 の場があることを知りました。また、違う分野に出た卒業生が互いに 助け合えば、シナジー効果というのでしょうか、それぞれがより大きな 力を発揮できることも知りました。 薬学部が 1953 年に第 1 期の卒業生を送り出し、第 1 期の大学院 林 信一 (1期) 前薬友会会長 昭和 27 年のお正月の頃、時の薬学科科長の川崎近太郎先生か ら東大には薬友会と言うのがあり学生と先生の融和を図っている。阪 大も作らんか。1 期の中、北校と南校から2 名づつ選んでクラス幹事 を作った。演劇友の会・映画友の会・関西交響楽団の会・民 芸・・・・学生音楽友の会、いづれも20 名集めないと単位になら ないので助手を巻き込んで単位とした。と言うわけで、私は先生との 融和を図ると共に阪大生の文化的教養を高めるのに奔走している内 に卒業した。 15,6 年経って、初めての阪大卒の近藤(小生の方が一年早く卒 業しているので呼び捨て)が教授になった頃、薬友会は相変わらず 東大卒の教授の懇親会の場であることを風の便りに聞いた。たまたま 学部長が岩田平太郎先生、いつでも阪大に返すでえ、と言うわけで 生を迎えてから、この 4 月で 54 年になりますが、その間に卒業あるい は修了した同窓生(薬友会員)は、5000 名を超えています。いくら 数が多くてもそれぞれが方向性なく活動すれば、それは、個人レベ ルのものに終わりますが、もし、同窓生間のあるいは、同窓生と薬学 部間のより効果的なコミュニケーションが図られ、方向性を共有するこ とができれば、より大きな上記シナジー効果を同窓生が享受できるよう になるのではないでしょうか。薬友会は今、そういう場を提供する立 場にあると思います。同窓生の皆様には、薬友会活動へのご参画、 ご提言を是非お願いいたします。また、薬学部には、シナジー効果 をさらに高めるため、これら産官学の多方面に、バランス良く適材を 送り出してくださるようお願いいたします。同窓諸氏には大変大きなメリッ トになります。よろしくお願いいたします。 さて、昨年 7 月 25日には、大阪大学同窓会連合会が発足いたし ました。これまで、阪大は後援会は別として、大学としての同窓生活 動がまったくなかったのですが、同窓生が 10 万人を超えるようになっ た今、やはり、同窓会活動を通じて阪大並びに同窓生の活力を強 めようという趣旨であります。薬友会も当然この一員になるわけですが、 全学同窓会活動の中で、薬友会がどのような存在感を示し、また貢 献をしていくのかが今後の課題になっています。皆様のお考えをお聞 かせいただければありがたく存じます。 林が会長になり、卒業生の融和を図ろうとあれこれ考えている内に 40 年。難しいですね、思いを実行に移すのは。1930 年(林の学年の 生まれた年)の平均寿命 42 歳。1945 年敗戦の年は平均寿命 25 歳。 1953 年(林の卒業した年)平均寿命 50 歳。2000 年で平均寿命 80 歳。10 年程前、林が中学の同窓会で「我々は 88 歳までは行くと 言っていた」のが、後 20 年もすれば寿命が 100 歳になる。中々追 いつけない。 10 年程前からアメリカで言い出していた Anti-Aging、最近は日本 でも流行り出した。医療も寝て治さず、普通の生活の中で改善して 行く事になる。 これからは化学だけの薬学でなく、医学・社会科学・人文科学・ 哲学など色々な文化の発展を視野に入れて薬学を考えねばならない 時代がやって来た。 何故かわくわくするような時代、皆さんの一層の頑張りを期待したい。 林前会長ご勇退に際して 林先輩が薬友会会長を勇退されることになった。別段、体調を悪くされたわけでも、エネルギーが衰えられたわけでもない。むしろ、以前にも まして舌鋒鋭く、変わりなくご批判とご指導をいただいている。お原稿にあるように、林先輩は薬友会設立の中心人物であり、初代会長として 設立以来長きにわたり薬友会を率い、その発展にご尽力くださった。萬年会長をリーダーにした新しい組織に、今後も大所高所からご指導いた だける。ここに、薬友会としてその功を讃えますとともに厚く御礼申し上げます。(薬学研究科長 山元 弘(18 期)) 1 ご挨拶 ∼新制度のスタートにあたって∼ 山元 弘 (18期) 薬学研究科長・薬学部長 薬友会会員の皆様におかれましては、ますますご清祥のことと存じます。 この 4 月、日本の薬学教育が初めて出会う大改革がいよいよスター トしました。わが阪大薬学部は、社会の要請に応えるべき高度な薬剤 師の養成を目指した 6 年制学科(薬学科:定員 25 名)と、薬学研究者、 行政官、薬学・環境衛生技術者の養成を目指した 4 年制学科(薬科学科: 定員 55 名)の 2 学科制を設置することを決め、薬学研究科の全教員が 一丸となって、2 学科制での教育・研究に邁進することを決めました。 薬学進学希望者が全国的に減少する中、阪大薬学部は昨年度を上回る 受験者を集めましたが、この状態が続くことを願っている次第です。 6 年制学科での新カリキュラムの焦点は、医療薬学教育の充実と 6ヶ 月間にわたる実務実習(病院、薬局実習)にあります。また実務実習 を進めていく上で、薬剤師経験を持つ方を実務家教員として薬学部に 配置することが大学設置基準で求められています。私たちはこの新制 度に対応するために、実務家教員として阪大病院副薬剤部長の上島悦 子教授(25 期) 、同病院薬剤師の岡本禎晃講師を病院薬学教育研究部(新 設分野)に、また 6 年制教育の企画を担当する教員として平田收正教 授(前微生物制御学分野助教授)を実践教育部(新設分野)に迎えま した。これら新設分野は既設分野と協力して、新しいカリキュラムの 円滑な遂行に努めて行く所存です。 このような新しい制度改革の中で、昨年度から今年度にかけて多数 の人事異動がありました。特に中堅・若手に「元気いっぱい」の若い 教育・研究者を迎えたことは、薬学研究科の更なる発展を強く予感さ せます。会員諸氏におかれましては、ご期待いただくと共に、更なる 励ましやご助言をいただければ幸いです。 薬友会は萬年先輩を新会長にむかえ、林先輩はじめ多くの諸先輩が 築かれてきた路線をさらに発展させ、会員諸氏のご要望に応えていく ことになると思います。こちらもどうぞご期待ください。 新任教授紹介 大阪大学大学院薬学研究科附属 実践薬学教育研究センター 病院薬学教育研究部 上島 悦子 (25期) 平成 18 年 4 月 1 日付けをもちまして、大阪大学大学院薬学研究科附 属 実践薬学教育研究センター 病院薬学教育研究部を担当させてい ただくことになりました。このような部門を担当させていただきます ことを大変光栄に存じております。 私は、昭和 53 年に大阪大学医学部附属病院薬剤部に入局し、以後 10 年余りは、調剤業務に従事しておりました。昭和 63 年 4 月の診療 報酬改定により、入院調剤技術料(現在の薬剤管理指導料)が新設さ れましたことから、当時の薬剤部長から新たに病棟業務を導入する任 務を与えられました。それまでの薬剤部の業務は調剤中心で、病棟業 務と呼べるものは皆無に等しい状況にありました。病棟での医師・看 護師の役割分担やタイムスケジュールすら全く分からなかったことか ら、まずは病棟見学から始めざるを得ませんでした。その後 10 数年 をかけて、少しずつ薬剤管理指導対象病棟を増やし、ほぼ全ての病棟 を対象とするまでになりました。この他手術部サテライトファーマシー についても業務体系を整え、その活動を全国にむけて情報発信してき 研究科附属実践薬学教育研究センター実践教育部 平田 收正 (院30期) 2 平成 18 年 4 月 1 日付をもちまして、薬学研究科附属実践薬学教育研 究センター実践教育部(研究科薬用資源学分野 3 を兼任)を担当させ ていただくことになりました。着任に当たりまして、この場をお借り して薬友会の皆様に一言ご挨拶申し上げます。 私は、昭和 57 年に京都薬科大学薬学部を卒業後、大阪大学大学院薬 学研究科に入学し、修士課程および博士課程の 5 年間、三浦喜温先生 ました。また臨床で得た知識や経験を継承できるシステムを作ること により基盤を強化したいとの思いから、薬剤管理指導業務用テキスト の前編を既に出版し、秋には後編を出版する予定です。 しかしながら、大阪大学を含めて我が国における現在の臨床薬学業 務は米国でのそれに比し、なお一層の発展が必要な段階にあることは 否めません。 一方、医療現場にはシステム化や効率化が必要な問題が山積してい ます。また、さらなる医療の質の向上が求められています。米国にお いては、このような問題を解決するための高度で専門的な能力を身に つけた Doctor of Pharmacy(Pharm.D)の取得が薬学部に入学した学生 の卒業資格となっています。医療で切実に求められている様々な問題 を解決するために、薬剤疫学、医療経済学、EBM、リスク管理、新た な医療システムや教育システムの開発などが必要とされています。こ れらの全てが今後の臨床薬学および当研究室が取り組むべき研究テー マであると考えています。 大阪大学は全国有数の医学部附属病院を有する点でも魅力的な臨床 薬学教育を実践できる環境にあります。今後も世界水準の臨床薬学を 志向し、成すべきことをひとつずつ確実なものとしていきたいと考え ています。もとより微力ではございますが、そのための努力は惜しま ない覚悟でおります。何卒ご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上 げます。 の研究室(薬品製造工学)で、植物組織培養による有用二次代謝物質 の生産に関する研究を行いました。昭和 62 年に学位取得後、同研究 室の助手に採用となり、その後 6 年間、抗腫瘍性インドールアルカロ イドの生合成研究を行いました。平成 5 年には、宮本和久先生が担当 されておりました環境保健化学講座(大学院重点化にともない微生物 制御学分野へ変更)に移り、助教授として環境薬学領域の研究、特に 光合成生物の機能解析とその環境浄化・再生技術開発への応用に取り 組みました。そしてこの度、新設されました実践薬学教育研究センター において、平成 18 年度からスタートした 6 年制学科(薬学科)と 4 年 制学科(薬科学科)が併置される新制度のもと、幅広い分野において 中心的な役割を果たせる人材の輩出を目指す大阪大学独自の薬学教育 体制の構築とその円滑な推進に向けて、調整役としての職務を頂戴す ることとなりました。 大阪大学に新たに求められる 6 年制薬学教育の意義は、「医療現場に 立つものに相応しい倫理観と豊かな人間性を持ち、しかも創薬科学や 環境薬学にも精通した優れた医療薬学研究者や専門薬剤師を養成する こと」にあると考えます。そこで、これまで諸先生、諸先輩方が築い て来られた学内外の関連医療機関との密な連携を有効に活用させてい ただき、専門性の高い知識や技能を提供できる実務実習やアドバンス ト科目、卒後研修の整備などを進め、微力ながら医療薬学教育の充実 に努めてまいる所存でございます。 また同時に、研究科に所属する教員として、薬学研究領域に求められ る社会的ニーズである「健康、環境、安全・安心」に応えるべく、生 物の多様な環境ストレス応答反応における制御機構の分子・遺伝子レ ベルでの解析やその機能進化プロセスの解明といった環境薬学研究を 通して、創造性豊かな優れた研究者の育成と、広範な分野での社会貢 献を目指してまいります。 もとより身に余る重責ではございますが、大阪大学薬学部・薬学研 究科の益々の発展のために誠心誠意努力いたす所存でございますので、 今後ともご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。 受賞の喜び 「平成 18 年度 日本薬学会奨励賞」を受賞して 近藤 昌夫 (42期) 大阪大学大学院 薬学研究科 助教授 この度、「タイトジャンクション構成蛋白質 claudinを利用した新規薬物送達方 法の構築」に関する研究を日本薬学会奨励賞という形で評価して頂くことができ ました。これも偏に薬友会の皆様方のご厚情の所産であり、衷心よりお礼申し上 げます。今後は、この受賞を励みとし、本学および本邦における薬学研究・教 育に貢献できるよう精進していく所存でございます。以下、受賞の対象となりまし た研究の概略についてご紹介申し上げます。 近年のゲノム創薬研究の進展に伴い、医薬品シーズ創製のハイスループット化 が進んでおります。しかしながら、医薬品シーズ創製の効率化と比較すると薬物 送達方法の構築は立ち遅れているのが現状でございます。如何なる医薬品も標 的部位への移行に際しては、粘膜上皮細胞層や血管内皮細胞層の透過過程 が不可避であり、これらの細胞層の透過促進方法が多方面より検討されてきてお ります。細胞間隙経路を介したアプローチは、細胞間隙を物理的に開口すること により薬物の透過促進を促すことから、一つの方法論で多種多様な医薬品に対 して適応可能な汎用性のある方法論であると言えます。既に、細胞間隙経路を 介した薬物送達方法は吸収促進剤として長年に渡り研究されてきておりますが、 既存の方法論は薬物送達活性に組織特異性が乏しい上に組織傷害性を有して おり、坐剤におけるカプリン酸のみが臨床応用されているに過ぎません。 以上のような背景を踏まえ、2000 年以降に急速な進展が見られた Barriology の知見の中から、細胞間隙における物質透過障壁機能の本体を担う分子として 同定された claudin に着目し、新たな薬物送達方法の確立を試みました。 Claudin のバリアー機能を阻害する分子(C-CPE)を用いて薬物送達能を評価 したところ、C-CPE は傷害作用を伴うことなくカプリン酸の 400 倍もの薬物送達活 性を有し、薬物送達部位に組織特異性を有することを見出しました。さらに、CCPE の機能ドメインの解析を進め、C-CPE が claudin-4と結合することによりバリアー 機能を阻害し薬物送達能を発揮することを明らかにし、世界に先駆けて claudin が薬物送達における標的分子になることを示しております。 Claudin は細胞間隙においてホモおよびヘテロダイマーを形成し、24 種類存在 するファミリーの組み合わせにより、生体内の多種多様な組織固有の内部環境維 持に積極的に関与していると言われております。今後は、C-CPEを prototypeと した各種 claudin modulator の創製を図り、ハイスループット化した創薬研究に適 した薬物送達方法の開発を試みていく予定でございます。 この度の受賞は、松本光雄先生(2 期)、藤井まき子先生(28 期)を始めと した薬友会の皆様方のご指導ご鞭撻、多くの学生の激烈な努力の所産であり、 相互作用を頂いた全ての方々に対して重ねてお礼申し上げます。 「平成 18 年度日本薬剤学会奨励賞」の受賞にあたって 宇都口 直樹 (38期) 帝京大学薬学部 生物薬剤学教室 助教授 この度、平成 18 年度日本薬剤学会奨励賞を受賞させていただくことができま した。本賞は平成 16 年に創設され、初年度に堤康央先生(39 期。現・医 薬基盤研)、17 年に岡田直貴先生(40 期、現・阪大薬)と、小生を含め 3 年連続、阪大薬・薬剤学講座出身者が受賞しています。 私は、阪大薬・薬剤学講座の博士課程修了後、昭和薬科大学に赴任し、 薬剤学分野において吸収促進剤、胎盤関門における薬物透過機構の解明な どの研究に従事しておりました。平成 14 年に帝京大学薬学部生物薬剤学教 室に異動し、それにともないテーマを一新して、現在は癌免疫療法の関する研 究を行っております。 今回の受賞対象となった研究は、「癌組織血管を標的とした新規癌免疫療 法の開発」に対してであり、これは癌細胞そのものではなく、癌組織の血管を 標的とし、抗体や樹状細胞といった免疫機構を利用した癌治療法の開発です。 癌組織の血管は、癌組織に栄養を送る重要なパイプであることから、癌組織血 管の破綻は癌組織の退縮につながることは知られていますが、その破綻に「免 疫機構を利用する」というのが独自のアイデアとして研究を進めています。 免疫系は外来の病原微生物や異物から防御する生体機構として進化した一 方で、生体内に存在する不要な細胞除去という重要な役割も担っており、癌に おいては、免疫系によって日々生まれる癌細胞が除去され、生命を存続させて います。すなわちヒトは 60 兆個もの細胞の生死を極めて高度に制御しながら生 きています。この生命の高度な生体制御システムである、 「免疫機構」を利用し、 これを種々の治療に生かすアプローチは理にかなったものであるというのが小生 の研究戦略です。そこで、生命が有する最も精巧なミサイル分子「抗体」と、 生命が有する最も聡明な「免疫細胞」を利用した癌治療法の開発を進めてき た次第です。今後も、精巧緻密にできた生命のシステム「免疫」を上手く利 用した治療法の開発を行っていきたいと思っております。 最後になりましたが、本研究は帝京大学薬学部 教授 丸山一雄先生、 大阪大学薬学部 教授 真弓忠範先生(現・神戸学院大学学長)、 教授 中川晋作先生、講師 岡田直貴先生のご指導、ご協力のもと成し得たもの です。この場を借りて厚く御礼申し上げます。 3 受賞の喜び 平成 17 年度 日本生物工学会照井賞を受賞して 川瀬 雅也 大阪大谷大学 薬学部 教授 本年 4 月 1日に大阪大学薬学部より、新設の大阪大谷大学薬学部に異動 いたしました。大阪大学には 2000 年 6 月1日に赴任し、足かけ 5 年 10ヶ月お 世話になりました。大阪大学に参ります前の、勤務地(香川大学)で始め、 大阪大学で発展をさせました研究に対して、昨年、日本生物工学会より照井 賞を授与いただきました。 照井賞は、生物化学工学の分野で功績を認められた、比較的若手の研 究者(来年度より年齢が決められますので、年齢制限のない時期にギリギリ いただけたことになります)に与えられる賞です。薬学関係の方には、生物化 学工学といってもピンと来ない方が多いと思いますので、生物化学工学とは、 どのような分野かをお話しさせていただきます。 生物化学工学を、一言で言えば、生物素子を用いた化学工学領域と言え ます。これでは、余計にわかりにくいと思われますので、説明させていただきま す。まず、化学工学とは、昔、化学機械と呼ばれていた分野で、反応プロ セスの設計や解析を、主な対象とする分野です。工場などに建つ大型の反 応装置の設計・制御の基礎となる移動現象論・単位操作・反応工学を学 ぶ分野で、医薬品の製造と密接に関わっている分野でもあります。ただ、日 本の薬学教育では、何故か、化学工学の重要性を認識せずに、教育を行っ ていないため、プロセスという概念を理解できずに、結局、薬学部卒業生が、 医薬品製造の現場に近い位置で活躍することが出来ずにいるのではないかと 思います。 化学工学と触媒化学は密接な関係にあり、触媒を利用したプロセス研究も 化学工学の 1 分野です。この触媒に生物素子を使う分野を生物化学工学と 呼んでおります。このような経緯から、初期の生物化学工学は、バイオリアクター を利用した発酵プロセスの研究と位置づけられて参りました。最近では、発酵 プロセスだけではなく、培養システムに関わる研究を包含した分野と考えられる ようになってきております。 私の研究は、材料化学研究を動物細胞培養プロセスに応用するというもの であります。動物細胞の培養は、その培養環境の制御が重要となって参ります。 培養環境の中に、培養基材表面の環境も含まれます。この基材表面の物性 を材料化学の技術を用いて機能化し、さらに物性制御を可能にしたのが、今 回受賞対象となった私の研究です。 今回の受賞は、生物中心に考えられてきたバイオテクノロジーの世界でも、 周辺分野を取り込んでいこうとする気運の高まりの象徴と言えると思います。薬 学分野も、同様に、広く門戸を広げ発展していくことを願っております。 Fluorine Prize 2005 を受賞して 柴田 哲男 (院36期) 名古屋工業大学大学院工学研究科 ながれ領域 助教授 昨年、英国王立化学会(Royal Society of Chemistry)のフッ素化学部会か ら、Fluorine Prize2005を授与されました。このような権威ある賞を受賞できた 背景には、学生時代、有機合成化学と医薬品化学の基礎を徹底的に指導 していただいた北泰行先生をはじめとする大阪大学薬学部の先生方のご指 導のおかげであると感謝しております。さて、Fluorine Prize は皆様には聞き慣 れない賞だと思いますので、以下に説明させていただきます。 Fluorine Prizeとは・・・・テフロン、フロンガス、イオン液体やフルオロキノロ ンなど、機能性材料から医薬に至るまで幅広く人類の福祉に貢献してきたフッ 素化学を、21 世紀に向けてさらに推し進めようと、2001 年英国王立化学会 では、有機化学、無機化学および生物化学の分野で活動する化学者の中で も、特にフッ素化学に携わる研究者らの集団を母体としたフッ素化学部会を発 足した。英国 Durham 大学 David O’Hagan 教授を部会長におくこの部会で は、会の発足を記念し、フッ素化学に貢献した 40 歳以下の研究者 1 名に対 して、2004 年に Fluorine Prizeを与えると発表した。2004 年暮れまでに国際 学術誌などを通してその推薦を締め切り、2005 年に受賞者を決定することが 会則に盛り込まれた。対象となる研究者は英国内に限らず、世界中の研究 者とし、国際賞に位置づけるとした。さて、その記念すべき第一回 Fluorine Prize(Fluorine Prize 2005)の授賞式が、2005 年 9 月1日2日、王立化学 会フッ素部会年会において行われた(Oxford 大学)。2 日間にわたって開催 されたシンポジウムでは、Fluorine Prize 2005 授賞式および受賞講演(柴田 哲男、名工大)と共に、Russell Cox 教授(Bristol 大学)、 Chi-Huey Wong 教授(スクリプス研究所)のフッ素化学に関する基調講演が行われた。 また、大学院生を主とする口頭発表およびポスター発表では有機、無機およ び生物フッ素化学の全てにおいて活発に討議され、優れた発表に対して、学 生発表賞が与えられるなど大いに盛り上がった。なお、第二回 Fluorine Prize は 2 年後に発表される予定である。 最後になりましたが、このような報告の機会を与えてくださいました薬友会関 係者の方々に深くお礼を申し上げます。今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、 何卒よろしくお願い申し上げます。 「アメリカ免疫学会 Junior Faculty Award」を受賞して 國澤 純 (44期) 東京大学医科学研究所 助手 2006 年 5 月に学術の街ボストンで開催されましたアメリカ免疫学会において、 Junior Faculty Awardを拝受いたしました。この場をお借りしまして、薬友会の皆 様に受賞の報告をさせていただきます。アメリカ免疫学会はアメリカ最大の学会の 一つであり、アメリカ国内のみならずヨーロッパやアジアからも多数の研究者が出席 しております。その中で、Assistant Professorクラス(日本では助手や講師に相当) の研究者を対象とした賞が、Junior Faculty Award であり、これまでの業績と本学 会における発表内容を審査の基準としております。今年は世界各国の研究者が 約 50 名受賞しており、日本人では私とHarvard 大学医学部の先生が受賞者の一 4 人として名を連ねております。 ここで簡単に、これまで私が行ってきました研究について紹介させていただきます。 私は“分子や細胞の動態を制御する”という観点から、免疫学の研究を行って おりますが、そのスタートは真弓忠範先生(現・神戸学院大学学長)が主宰さ れておられました薬剤学分野での Drug Delivery System (DDS)に関する研究 であります。真弓先生、中川晋作先生(現・薬剤学分野教授) 、堤康央先生(現・ 医薬基盤研究所チームリーダー)、中西剛先生(現、毒性学分野助手)のご指 導のもと、ワクチンに用いる抗原の新規送達 DDS 技術の開発を勉強させていた だきました。この研究に関連して、修士 2 年生の夏からは、当時、大阪大学微 生物病研究所にありました清野宏先生(現在の私の上司)の研究室にて粘膜ワ クチンに関する研究に従事いたしました。2001 年に博士号を取得した後、日本学 術振興会の特別研究員として、University of California, Berkeley 校の Nilabh Shastri 教授の研究室へ留学し、免疫系への抗原提示につながる細胞内でのワ クチン抗原のプロセッシング機構について研究を行いました。2003 年に現在の研 究所へ移ってからは、これまで行ってきた抗原提示に携わる分子の発現制御機構 の解明を進めていくと同時に、新たなプロジェクトとして粘膜面に存在する免疫担 当細胞の動態制御メカニズムの研究を立ち上げました。これはこれまで私が行って きたワクチン開発のみならず、現在問題となっている花粉症や食物アレルギーなど の免疫疾患に対する新規治療法の開発につながるものであり、薬学的観点であ る創薬の標的としても面白い結果が得られるのではと期待しております。 最後になりましたが、これまでご指導下さいました多くの先生方や共に研究を進 めてくれた同僚や後輩、学生、スタッフの皆様にこの場を借りて心からお礼申し上 げます。今後も恩師の言葉である“激烈”を胸に、精進していく所存でございま すので、薬友会の皆様方におかれましては、変わらぬご指導、ご鞭撻を賜ります よう何卒お願い申し上げます。 「平成 17 年度日本薬学会近畿支部奨励賞」を受賞して 土肥 寿文 大阪大学大学院薬学研究科分子合成化学分野 助手 この度は、薬友会だよりに執筆する機会を与えて頂きありがとうございます。 2005 年 10 月に武庫川女子大学で開催された日本薬学会近畿支部大会にお きまして、「アダマンタン型超原子価ヨウ素(III)反応剤を用いるアルコール類 の環境調和型酸化反応」という演題で口頭発表をさせて頂きました。幸運に も本発表が評価され、日本薬学会近畿支部奨励賞を受賞することができまし たので、今回皆様に報告致します。 私の研究の内容を簡単に述べさせて頂きます。近年の有機合成の分野では、 安全で廃棄物を出さないといった人間や環境への影響を考慮した「環境調 和型反応」の開発が重要視されています。私たちの研究室では、安全で毒 性の低い「超原子価ヨウ素反応剤」の有機合成への応用を長年研究してお りますが、本反応剤においてもリサイクル型反応剤の開発など環境への負荷を 減らすための対応が求められています。これまでいくつかリサイクル型反応剤 が開発されていますが、今回、既存の反応剤の問題点のほぼ全てを克服す ることができる、全く新しいタイプのリサイクル型反応剤の合成に成功しました。 私たちの創った反応剤は、水をはじめとするあらゆる溶媒中、また− 40 度の 低温から高温に至るまでの幅広い温度領域で高い反応性を示す優れたもので あり、さらに劣化を起こさないという安定性にも秀でたもので半永久的にリサイ クル可能であります。そのため、医薬品合成プロセスやコンビナトリアルケミスト リーへの適用も十分可能であると期待しており、今後の展開も楽しみであります。 以上、研究内容を簡単に説明させて頂きましたが、私は昨年度から本研 究科の助手に就任して以来、今回の受賞は初めての貴重な経験であり嬉しく 思います。それと同時に、これを機とし、今後さらなる飛躍を目指しより一層と 研究に邁進していきたいと決意する次第です。 最後になりますが、本研究において多大な御指導・御鞭撻を賜りました北 泰行教授に感謝の意を申し上げます。直接御指導頂きました當麻博文先 生他、研究に協力頂いた皆様に心から御礼申し上げます。また、今後の皆 様方のご清栄を心よりお祈り申し上げます。 「ファーマ・バイオフォーラム 2005」最優秀発表賞受賞 吉川 友章 (院49期) 大阪大学大学院薬学研究科薬剤学分野 この度、平成 17 年 12 月 11 日に武庫川女子大学にて開催されました、日 本薬学会生物系薬学部会主催のファーマ・バイオフォーラム2005におきまして、 「ポリγ-グルタミン酸ナノ粒子を用いた生分解性抗腫瘍ワクチンキャリアーの開 発」という演題で発表する機会を与えて頂き、光栄にも最優秀発表賞を拝受 いたしましたことを薬友会の皆様にご報告申し上げます。 本発表では、両親媒化高分子を用いた生理活性蛋白質送達キャリアーの 創製とワクチン療法への応用について報告させて頂きました。近年の分子細 胞生物学やバイオテクノロジー技術の進歩によって、生体を構成する分子や 細胞またそれらの設計図である遺伝子の解明が進み、生命体の構成要素に 関する膨大な情報が得られつつあります。従って今後は、これらの知見をもと に、遺伝子や蛋白質などの生体内高分子を医薬品として応用した先端医療 に対する期待が益々高まっていくものと考えられます。生体高分子を副作用少 なく、有効性の高い医薬品として利用するためには、その生理活性を標的作 用部位でのみタイミングよく発揮させるための DDS 技術の適用が必須となります。 本研究成果は、ナノテクノロジーを基盤とした両親媒化高分子の自己組織化 という方法論が、生体高分子を優れた医薬品として仕上げるための DDS 技 術として非常に有用性・応用性が高いことを実証したものであり、将来的に 遺伝子や蛋白質などの医薬品化に大きく貢献できるものと期待しています。 この度の受賞において、自らの研究成果を評価して頂けたことは今後の研 究活動における大きな自信となりました。これに満足することなく、更なる飛躍 を目指してより一層研鑽を積んで行きたいと考えております。最後になりましたが、 本研究の遂行に際し、終始温かいご指導を賜りました中川晋作教授、岡田 直貴講師をはじめとする諸先生方、ならびに多くの共同研究者の方々に心より 感謝申し上げます。 日本薬剤学会第 21 年会最優秀発表者賞を受賞して 柴田 寛子 大阪大学大学院薬学研究科薬剤学分野 博士課程3年 この度、2006 年 3 月に金沢で開催された日本薬剤学会第 21 年会において、 「受容体への選択的ターゲティング能を有した機能性人工蛋白質の創出システ ムの開発」という演題で発表させて頂き、最優秀発表者賞を頂戴いたしました。 当研究室では、蛋白質を有効な医薬品として開発するアプローチの一つと して、ファージ表面提示法を駆使して医薬価値に優れた機能性人工蛋白質 を創出する試みを行っており、中でも私は特定受容体に対してターゲティング 能を有した機能性人工蛋白質の創出システムの開発を中心に行ってきました。 一般にサイトカインなど蛋白質の多くは、複数の受容体に結合し、目的とする 作用以外の副作用も同時に招いてしまうため、その医薬品化は制限されてい るのが現状です。従って、目的とする受容体に選択的に結合する機能性人 工蛋白質が作製できれば、副作用の少ない蛋白性医薬品の開発に繋がります。 本発表では、腫瘍壊死因子 TNF-αを一例に、TNF-αが結合する2 種類の 5 受容体のうち TNFR1 にのみ選択的に結合する機能性人工 TNF-αについて 報告させて頂きました。このように、蛋白質そのものに DDS 機能を付与させる アプローチはあまり報告されておらず、この薬剤学会においても少し異色な内 容でした。周囲の発表は新規トランスポーターの機能解析や DDS キャリアー の開発など非常にレベルが高く、私の発表内容を解って頂き、かつ評価して 頂けるのか発表直前まで不安でした。しかし、発表後の質疑応答で、的確 なご質問・ご意見を頂き、興味を持って頂けたことを嬉しく思うと同時に、大 変勉強になりました。さらに、幸運にも応募者 83 名の中から受賞できたことを 非常に光栄に思っています。又、この受賞において自らの研究内容と共にプ レゼンテーション能力も評価して頂けたことは、今後研究を行う上で大きな自信 と励みになりました。これを機に、今後更に独創的な研究ができるよう努力を 重ねていきたいと考えております。 最後になりましたが、本研究に対して、本研究・発表に対して多大なご指 導ご鞭撻を賜りました先生方、ご協力を頂きました研究室の皆様に、この場を お借りして心より感謝申し上げます。 「生体機能と創薬シンポジウム 2005 優秀ポスター発表賞」を受賞して 中村 茂生 大阪大学大学院薬学研究科 複合薬物動態学分野 博士後期課程2年 学会名: 「生体機能と創薬シンポジウム 2005」 発表日時:2005 年 9 月 8(木)− 9(金) 開催場所:廣仁会館(広島市南区霞、広島大学霞キャンパス内) この度、2005 年 9 月 8、9 日に広島大学にて開催されました生体機能と 創薬シンポジウム 2005 において、光栄にも優秀ポスター発表賞を頂戴 いたしました。この発表の場は、若手研究者が互いに競い合い、そし て高め合うという場であり、その中で研究成果と共にプレゼンテーショ ン能力を評価して頂けたことは、非常に喜ばしいことであり、また大 変な貴重な経験となりました。 今回、受賞いたしました研究は、「コカイン誘発行動感作における選 択的セロトニン1A 受容体アゴニスト osemozotan の作用」であります。 覚醒剤であるメタンフェタミンもしくはコカインを慢性投与すること によって、薬物に対する感受性が亢進し進行性に運動量が上昇するこ とが知られており、この現象は行動感作と言われ、薬物投与を中止し た休薬後にも長期に持続します。ヒトの覚醒剤乱用者においても同様 の現象が認められ、また他の中枢刺激薬やストレスに対する感受性の 亢進が報告されており、この点は統合失調症の病態に類似していると 言えます。これらの点は、行動感作と統合失調症において、それらの 病態発現や再燃に関してある程度共通の分子機構がある可能性を示唆 しています。当研究室では、メタンフェタミン行動感作に対して、セ ロトニン1A 受容体アゴニストである osemozotan が再燃を消失させるこ とを報告しております。本研究では、メタンフェタミンと同様の中枢 興奮薬であるコカインでの行動感作に対する osemozotan の作用を検討 し、メタンフェタミンの場合と一部異なった反応性を明らかにしました。 この差の神経基盤を解明する目的で、マイクロダイアリシス法を用い てマウス大脳皮質におけるドパミン、セロトニン遊離を測定したところ、 従来考えられていたドパミンだけでなくセロトニンも、行動感作に対 して強い関与を示すという結果が得られました。本結果は、覚醒剤に よる薬物依存に対するセロトニン系薬物の治療の可能性に加えて、そ の詳細な分子メカニズムの解明の手がかりとなるものと期待しています。 最後になりましたが、本研究に対して多大なご指導ご鞭撻を賜りま した先生方、ご協力をいただきました研究室の皆様にこの場をお借り しまして心より感謝申し上げます。 退職のご挨拶 田中 慶一 (13期) 本年 3 月末をもって薬学研究科を定年退職い たしました。お世話になった皆様に心からお礼 申し上げます。 平成 4 年に全国の薬学系で初めて独立専攻の 環境生物薬学専攻が設置されましたが、その際、 環境毒性学講座の教授として任用していただき ました。その後大学院重点化で毒性学分野と名 称は変わりましたが、10 余年間お世話になりま した。それまで私学にいた時に想像していた国立大学のイメージとは かなり異なり、この間大学の法人化や大学院重点化を始め、薬学部の 設置基準までが大きく様変わりしました。時代に取り残されないよう 対応に追われたというよりは、翻弄されたというのが実感です。 4 月からはかねて設置に関わっていました新設の大阪大谷大学(旧 大谷女子大学、男女共学化に伴い改称)薬学部へ参っております。 本学部の開設準備には 2 年余り前から阪大薬学部の全面的な協力を 得ており、多くの優秀な若手教員の参加をいただいています。寺田 知行助教授(生化、院 26 期)、宮下和之助教授(薬化、院 27 期)、前 崎直容助教授(製造、31 期)、小山豊助教授(複合、33 期)および 川瀬雅也助教授(工学)がそれぞれ教授として、また谷佳津治講師(衛 6 生、33 期)が助教授として赴任されました。また学外の同窓生から も谿忠人富山医薬大教授(15 期) 、野口民夫名古屋大学教授(院 17 期) や藤井敏彦大日本住友製薬研究所長(16 期)が教授として、西中徹(36 期、京都府立医大より)、綿野智一(38 期、福島医大より)の両氏が 助教授として、さらに池田賢二(40 期)、中瀬朋夏(院 47 期)、迫谷 有希子(院 51 期)、錦織理華(53 期)の各氏が助手として参画され ました。6 年制薬学部で重要な役割を担う実務系教員(一定期間以上 の薬剤師実務経験者)もほとんどが阪大病院の元研修生で、同窓生 の方もおられます。このように私にとっては気心の知れた人たちが 多く有り難いことだと思っております。もっとも 6 年後にはそれな りの結果を出さねばならないという責務とともに、教育に多くの精 力を費やさねばならない環境の中で、若手の人たちには研究上の成 果をもあげられるような体制作りをと、四苦八苦の毎日を過ごして おります。 大学は楠木正成で有名な千早城址にほど近い大阪南部にあります。 私の部屋は 5 階にあり金剛・葛城から二上山に至る緑の山並みが目 前で、素晴らしい環境の中にあります。お近くにおいでの折には是 非一度お立ち寄り下さい。 大阪大学大学院薬学研究科創立5 0周年記念国際交流事業 「大学院生海外派遣」 国際学会に参加して 参加国際学会:VIIth International Symposium on VIP, 参加国際学会:PACAP and Related Peptides 期 間:2005年9月11∼9月14日 場 所:Rouen, France 神経薬理学分野 博士後期課程3年 廣瀬 惠 この度、フランスのノルマンディー地方にあるルーアンにおいて開 催された、VIIth International Symposium on VIP, PACAP and Related Peptides への参加の機会を頂戴致しました。ルーアンは、ジャンヌダ ルクやモネにゆかりのある地であり、街の中心にそびえる大聖堂など が趣深い街でした。本シンポジウムは、VIP、PACAP およびその関連 ペプチドを研究対象としている、専門分野の非常に近い研究者が集ま る学会です。本学会に参加させて頂いたことにより、研究対象が同じ ペプチドであっても、様々な観点からのアプローチの仕方があり、世 参加国際学会:7th International Symposium on VIP, 参加国際学会:PACAP and Related Peptides 期 間:2005年9月11∼9月14日 場 所:ルーアン、フランス 神経薬理学分野 博士後期課程3年 森田 佳子 私は 2005 年 9 月、フランスの古都ルーアンで開催された第 7 回 VIP / PACAP 関連ペプチド国際シンポジウムにおいてポスター発表をい たしました。私にとって初めて海外での学会発表であり、海外の研究 者との討論という有意義な経験をさせていただきました。英語では細 かなニュアンスが伝えられず苦労しましたが、自分の研究に対し、違 う視点、力点の置き方をする研究者との話は興味深いものでした。複 数の研究者との討論のなかには不完全燃焼に終わった会話もあり、英 語力を含め「発言の説得力」を高める、という今後の課題ができました。 本シンポジウムは研究領域の近い研究者が集まることから活発な討論 が可能ですが、一方では、未発表のデータやアイデア等を探りあうと いう側面もありました。今回、討論で負けん気を出したばかりに、余 参加国際学会:XXI International Conference on 参加国際学会:Magnetic Resonance in Biological Systems 期 間:January 16-21, 2005, 場 所:Hyderabad, Andhra Pradesh, INDIA 高分子化学分野 西村 光広 私は昨年の 1 月、インドのハイデラバードで開催された国際学会 XXI International Conference on Magnetic Resonance in Biological Systems に参 加させていただきました。この学会はその名の通り、核磁気共鳴を応 用した生物の研究を取り扱う学会であり、我々の研究分野においては 非常に権威ある学会です。6 日間にわたって世界の最先端で活躍する 著名研究者たちの講演を聞く事ができ、この研究分野の現状とこれか らの方向性を感じ取ることができました。私自身もリボソーム蛋白質 L16 の NMR 構造研究についてポスター発表を行い、主にアジア各国の 若手研究者と議論を交わしましたが、国際舞台でこの研究を高く売り 界中の研究者の努力の結集によって、科学が進展していくことをあら ためて感じさせて頂くことができました。各国の研究者の生き生きと したプレゼンテーションや、ポスター会場での会話の中から、最新の 研究成果と共に、科学をエンジョイする姿勢を学ばせて頂くことがで きました。ポスター発表を見に来て下さった外国人研究者とのディスカッ ションは緊張しましたが、自分とは異なる視点から頂いた質問やアド バイスは、今後の研究に大切なものになると思います。また、科学を 通して、国籍や文化の異なる方々と通じ合えることは素晴らしいと思 いました。今回の経験は、海外の研究者とのコミュニケーションをスムー ズにできるよう、英語力を向上させたいとの気持ちも強くさせてくれ ました。最後になりましたが、このような貴重な機会を与えて下さい ました神経薬理学分野の先生方、薬友会の諸先輩方、本事業にご尽力 下さいます関係者の皆様、ならびに研究室の皆様に心より深く感謝申 し上げます。 計な情報まで話してしまったのが最大の反省点でした。このことは情 報共有の境界というものを考えた貴重な経験となりました。また実際 に会場内を見回すと、女性研究者の参加が多い、との印象を受けました。 特に国内の学会ではあまりお目にかからない教授クラスの女性研究者 の姿はとてもカッコよく、現在私の密かな目標となっていただいてお ります。 またフランスの人生を楽しむ文化、国民性を目の当たりにしました。 日本では考えられないことですが、ポスター発表会場ではワインとチー ズがふるまわれ、リラックスした雰囲気の中討論が行われました(さ すがにアルコールは遠慮させていただきましたが)。さらに会場に隣接 する大聖堂の中でコンサートを催して下さったり、参加者全員にふる まわれたランチが絶品だったり、懇親会はシャトーを借り切って深夜 まで行われ、ディナーは最高でさらにテーブルマジックやショータイ ムまであったり。大いに語り大いに楽しむ、成熟した素敵な文化だと 感じました。 最後になりましたが、このような貴重な機会を与えて下さった先生方、 本事業の関係者の方々に心より御礼申し上げます。 込むには、まだまだ努力と工夫が必要だというのが正直な感想です。 しかし、実際にこの研究発表の場に立ち、目標と自分との距離を再確 認できたことは非常に有益であったと考えています。また私は海外に 出ることが初めてであったこともあり、この学会への参加は研究発表 の意義に加えて海外活動の経験として得るものが大きかったと思います。 渡航準備から現地での活動まで様々な失敗が絶えず、最後には体調を 崩して帰国後もしばらく休むはめになりましたが、それも教訓として は良かったかもしれません。その分、せっかくのインド文化に触れる にしても、心身ともに余裕をもって行動することができなかったのは 残念です。インドは生物、化学を含め科学研究が盛んな国であるとの ことですから、その点はいつかまた訪れる機会があることを期待して います。海外での研究発表は世界に通じる研究者となる上で一つの通 過すべき目標点と考えていたため、学生のうちにその機会に恵まれた のは幸運だったと思います。学会への参加を提案して下さいました小 林祐次教授と、渡航資金を援助して下さいました大阪大学薬学部の皆 様に、この場をお借りして御礼申し上げます。 7 参加国際学会:The 2005 International Chemical Congress of 参加国際学会:Pacific Basin Societies 期 間:2005年12月15日∼20日 場 所:ホノルル、 アメリカ 分子合成化学分野 博士後期課程3年 畑 佳世子 この度私は、薬学研究科創立 50 周年記念国際交流事業の一環として、 2005 年 12 月にホノルルで開催されました The 2005 International Chemical Congress of Pacific Basin Societies において研究成果を発表する 機会を頂きました。この学会は、非常に規模の大きな学会で、世界中 の著名な先生方の講演を数多く聴くことができ、多くの知識を身につ 参加国際学会:The 2005 International Chemical Congress of 参加国際学会:Pacific Basin Societies 期 間:2005年12月15日∼20日 場 所:ハワイ、 アメリカ 大場 雄介 分子合成化学分野 博士後期過程2年 この度、薬学研究科創立 50 周年記念国際交流事業の一環として、アメ リカ合衆国ハワイ州ワイキキで開催された「The 2005 International Chemical Congress of Pacific Basin Societies (Pacifichem 2005)」で研究 発表させていただきました。本学会は、4 年に一度開催される国際学 会で、有機合成分野のみでなく様々な分野で活躍されている方々が、 活発に討論される非常に大規模な学会です。 12 月と日本では寒い時期に開催されましたが、ハワイは非常に暖かく、 参加国際学会:The 2005 International Chemical Congress of 参加国際学会:Pacific Basin Societies(PACIFICHEM 2005) 期 間:2005年12月15日∼20日 場 所:Honolulu, Hawaii, USA 澤間 善成 分子合成化学分野 私は、薬学研究科創立 50 周年記念国際交流事業の一環として 2005 年 12 月にハワイ、ホノルルで開催された国際学会 PACIFICHEM 2005 に参加させていただきました。冬の日本とは違い、非常に過ごし易い 気候で、本学会中、非常に楽しく過ごさせていただきました。 本学会は、世界中の有機化学研究者が 20,000 人以上参加しており、 その数の多さ、研究の多様さに非常に衝撃を覚えました。その中で、 発表・討論し、多くの各国の研究者と触れあうことを通し、新たな分 野への興味が広がり、ディスカッション能力の向上等の自己のスキルアッ プに非常に有益な日々を送れました。また、世界的に著名な先生の講 参加国際学会:Pacifichem2005, international chemical congress of 参加国際学会:pacific basin societies 期 間:2005年12月15日∼20日 場 所:Honolulu, Hawaii, USA 須那 秀陽 天然物化学分野 博士前期課程2年 今回、本事業の助成を受けて、2005 年 12 月にハワイで開催された環 太平洋国際化学会議 (Pacifichem2005) に参加させていただきました。 この学会は 5 年に 1 度開催され、環太平洋の 6 カ国を中心に数千人も の参加者が集う非常に大きな学会です。そのため、今回の学会もとて も盛り上がって活気のあるものでした。 私は初めての国際学会への参加ということで期待と不安が混ざったま ま日本を出発しましたが、学会が始まると世界の著名な先生方の講演 をじかに聴くことができ、貴重な時間を過ごすことができました。近年、 天然物化学の分野においては、研究におけるひとつの転換期にきてい ると言われていますが、そのような中で世界では今どのような方向性 8 けることができました。直接講演を聞くことで、最新の結果や、ディ スカッション等を通して文献を読むだけでは得られない考え方や細か いことまで知ることができ、刺激を受け、良い経験をすることができ たと感じています。また、ポスター発表では得意とはいえない英語を 駆使しながらも、多くの研究者と議論することができ、テーマの立ち 上げ方や今後の研究の進め方などを考えていく上で有用な意見を得る ことができました。また、海外の研究者との考え方の違い等も実感す ることができ、今後の研究生活に大いに役立ったと感じています。 最後になりましたが、このような貴重な機会を与えていただきまし た本事業にご尽力下さいました先生方、関係者の皆様に心から感謝致 しますとともに、今後もこのような補助金制度により、多くの学生が 国際学会に参加し、同様の経験をできることを期待しております。 私の緊張もほぐれました。学会会場がホノルル市のホテルでしたので、 海も近く、青い海と青い空の下での学会という第一印象を受けました。 実際の学会では、毎日午前 8 時から午後 6 時まで様々な分野の先生方 の公演が開催され、最先端の研究が分刻みで発表され、非常に活気が 溢れているという印象でした。 私は、ポスター発表をさせていただきましたが、様々な先生方から貴 重なアドバイスを頂きました。また、自分と近い分野のみでなく全く 異なる分野の研究に対しても、自分から質問し、ディスカッションの 機会を持てたことは、今後の研究において非常に大きな糧になったと 感じています。 最後になりましたが、このような貴重な体験をご支援いただきました 有機合成化学分野の先生方、学生の皆様ならびに本事業にご尽力され ています関係者の皆様に深く感謝いたします。 演も毎日行われ、朝早くから夕方まで興味が尽きることなく、多様な 優れた研究に触れあうことが出来、研究への意欲・活力の更なる向上 に繋がりました。 このように、世界の研究者と触れ合い様々な視野を広げることは、 若手研究者にとって非常に重要であり、今回の国際学会は、私にとっ て初めての海外での学会であったことからも、非常に得られたものは 多く、今後の研究に有益な良い機会であったと思われます。このよう な機会を、より多くの大学院生にも体験出来るように、本事業ならび に他の支援制度のますますの発展を願っています。 日本とは気候・歴史背景の異なる各国で行われる学会は刺激的であり、 私は、これからも、他の国で開催される様々な国際学会に参加し、様々 な人・研究に出会い、多くのことを学んでいきたいと思っています。 最後になりましたが、今回の発表に際して御指導・御鞭撻を頂きま した分子合成化学分野の先生方、研究室の方々、ならびに本学会に参 加するにあたり御支援を頂きました本事業関係者の皆様に厚く御礼申 し上げます。 で研究が行われているのかという最先端の発表や討論を聴くことがで きたのも、私にとっては本当に有意義なものとなりました。また、本 学会では化学に関わるあらゆる分野の研究者が参加しており、日頃めっ たに接しない分野の研究にも触れることで自分の視野を広げることが できたと確信しています。 私自身はポスターにて発表しましたが、多くの方々が私の拙い英語の 説明にも真剣に耳を傾けてくださり、和気藹々と、しかし充実したディ スカッションを行いました。また、様々なアドバイスをいただくこと もでき、自分自身の今後の研究の展開を具体的に考えるきっかけになっ たと思います。 一方、学会開催地のハワイはいわずと知れたリゾート地で、12 月なが ら T シャツ 1 枚で過ごせる気候だったこともあり、学会期間を快適に 過ごすことができました。 この学会に参加したことで、新たな知識を得ただけでなく諸外国の文化、 考え方に触れることができ、多くのものを得ることができました。こ のような機会を与えてくださった本事業並びに関係の諸先生方に心か ら御礼申し上げます。 参加国際学会:2005 International Chemical Congress of 参加国際学会:Pacific Basin Societies 期 間:2005年12月15日∼20日 場 所:ホノルル、ハワイ、米国 小坂 昇平 機能素子化学分野 博士後期課程2年 この度、私は薬学研究科創立 50 周年記念国際交流事業の一環として 2005 年 12 月にハワイのホノルル市で開催された 2005 環太平洋国際化 学会議 (PACIFICHEM 2005) に参加させて頂きました。本学会は、 さまざまな分野の科学者および技術者が一堂に会して、化学および工 業化学の分野における最新の研究成果を発表討議する場として設けら れた国際学会です。 今回、私はポスターセッションで発表させていただきましたが、海 外での国際学会への参加は初めての経験でしたので、研究内容はもち ろんのこと、ポスターのデザインにも一層力を入れて納得のいくポスター を準備して臨みました。 参加国際学会:2005 International Chemical Congress of 参加国際学会:Pacific Basin Societies 期 間:2005年12月15日∼20日 場 所:ホノルル、ハワイ、米国 塚本 効司 機能素子化学分野 博士後期課程3年 私は、薬学部創立 50 周年記念国際化推進事業の一環として 2005 年 12 月に米国ハワイ州ホノルルで開催された国際学会 2005 International Chemical Congress of Pacific Basin Societies に参加し、自身の研究成果を 発表する機会を頂きました。本学会はあらゆる分野の化学者が一堂に 会した非常に大規模な学会であり、ワイキキビーチ周辺の複数のホテ ル会場で 1 万 1 千以上の演題が発表されました。私にとって海外で開 催された国際学会に参加するのはこれが初めてでありました。また、 これまでは主に薬学系の学会に参加してきたので、これまで直接触れ ることのなかったさまざまな分野の研究を目の当たりにできたことに 参加国際学会:2005 International Chemical Congress of 参加国際学会:Pacific Basin Societies 期 間:2005年12月15日∼20日 場 所:ホノルル、ハワイ州、米国 機能素子化学分野 博士後期課程2年 冨永 博章 私は、薬学研究科創立 50 周年記念国際交流事業の一環として 2005 年 12 月にアメリカ合衆国、ハワイ州、ホノルルにおいて開催された International Chemical Congress of Pacific Basin Societies (Pacifichem 2005: 2005 環太平洋国際化学会議) に参加させていただきました。 12 月の寒い時期に関西国際空港を発ち、空路で約 8 時間かけて到着 したホノルルは暖かくてとてもすごしやすく、また移動中にバスから 見える海辺などの景色は美しく、非常にすばらしいものでした。 学会では様々な国、研究分野の発表が行われており、海外の研究機 参加国際学会:Pacifichem 2005 参加国際学会:(2005環太平洋国際化学会議) 期 間:2005年12月15日∼20日 場 所:ハワイ、米国 猪原 裕康 生物有機化学分野 この度私は大学院生海外派遣補助金の助成を受けて、2005 年の 12 月 15 日から 20 日までハワイのホノルルで開催された、2005 環太平洋 国際化学会議(Pacifichem 2005)に参加させていただきました。本会 議は 5 年に一度開かれ、環太平洋化学会に属する科学者および技術者 世界規模の学会とあってか、超一流ホテルが会場とされており、発 表会場の多さや広さには大変驚きました。私自身の発表においては、 ポスター討論の時間、海外の研究者が質問に来られると一時的に不安 と緊張が高まる場面もありましたが、落ち着いてゆっくりと説明をす れば、私の流暢とはいえない英語でも相手に伝えることができ、少な からず議論を交わせたことはとても良い経験となりました。今回の国 際会議における海外の研究者の意見や考え方は、国内の学会とは違っ て非常に刺激的であり、自身の研究の今後の展開への糸口をつかむこ とができた意義ある学会であったと思います。また、今学会を通して、 研究に関する知識のみならず、質疑応答や海外生活を通じた異文化圏 の人々との交流体験など、数々の貴重な体験をさせて頂けたことは、 自分自身にとってこれからの大きな糧になると確信致しております。 最後になりましたが、このような機会を与えていただきました機能 素子化学分野の先生方、学生の皆様ならびに本事業にご尽力されてい ます先生方に心より御礼申し上げます。また、本事業により、今後さ らに多くの後輩が国際学会をはじめ、海外経験を積むことができるこ とを願っています。 新鮮さを覚え、自身の研究への意欲を新たにしました。特に論文でし か拝見したことのない著名な先生方が次々と発表される様は圧巻であり、 それらの研究内容に非常に感銘を受けました。また、化学のあらゆる 分野の研究発表がなされるため、自身がこれまで知り得なかった知識 や考え付かなかったような研究アイディアを多く得ることができ、自 身のこれからの研究を広く展開していく上で重要な経験になりました。 もちろん自身の研究分野に関連する有機化学、構造化学、生物化学な どの発表も数多くあり、いろんな研究者とのディスカッションを通じ て自身の研究の意義付けや進展に大いに役立った非常に有意義な学会 となりました。さらに、発表内容もさることながら身振り手振りを交 えて積極的かつ効果的にプレゼンテーションをされている方がたくさ んおられて、自分の研究を分かりやすく伝えることの大切さを勉強で きる機会でもありました。 最後になりましたが、このような貴重な体験をさせていただく機会 を与えてくださいました機能素子化学分野の先生方並びに本事業にご 尽力いただきました先生方、関係者の方々に厚く御礼を申し上げます。 関で行われている研究内容を目にすることができたこと、自分が研究 を行っている分野以外の研究発表を見ることができたことは、非常に 新鮮で刺激を受けました。また、学会では海外の著名な先生方の講演 を聴くことができ、その研究成果に感銘を受けるとともに、先生方が 実に楽しそうに研究内容を話されているのがとても印象的でした。私は、 ポスターセッションで発表させていただきましたが、いろいろな方とディ スカッションを重ねていくことで、これまで自分が持っていなかった 考え方にも触れることができ、これにより今までよりも広い視野を持 つことができるようになりました。 今回が初めての海外への渡航だった私には、多くのことが初めての 体験であり、学会で学んだだけでなく、その他においても現地の文化 に触れる機会などもあり、これらはこれからの研究生活において糧と なるものでした。最後になりましたが、このような貴重な経験をさせ て頂き、本事業に尽力下さりました先生方、また申請に際しご協力頂 きました関係者の方々に厚く御礼申し上げます。 約一万人が一堂に会して、化学および工業化学の分野における最新の 研究成果を発表討議する非常に大きな国際学会です。大きなホテル 3 つが会場となっており、まずその規模の大きさに驚かされました。 私はこれまで研究を行なってきた、非天然型核酸塩基を有する糖部 立体配座を固定した新規人工核酸に関するポスター発表を行いました。 私にとって海外の国際学会で、しかもこれほど規模の大きい学会で発 表することは初めての経験であり、発表前は非常に緊張していました。 しかしいざポスター発表が始まってみると、図を指したりジェスチャー を交えることで、私の拙い英語でもなんとか伝わることが分かってき ました。そして発表終了のころには、よりスムーズに英語で研究内容 が伝わるようになり、外国人との会話が怖くなくなりました。また、 9 海外の研究者たちの口頭発表を聴くことで、英語による高度な討論の 実際に触れることができ、研究者としてのより幅広い視野を身に付け ることができました。さらに外国人との交流だけでなく、日本の学会 で会ったことのある人たちとも有意義な討論ができ、親睦を深めるこ とができました。これらの経験は、今後の研究生活に大いにプラスと 参加国際学会:Pacifichem 2005 参加国際学会:(2005環太平洋国際化学会議) 期 間:2005年12月15日∼20日 場 所:ハワイ、米国 常深 智之 生物有機化学分野 この度、本記念事業の一環として、2005 環太平洋国際化学会議にお いて発表する機会をいただきました。本学会は、1984 年以来ほぼ 5 年 ごとに開催されており、“化学”にかかわる幅広い領域において第一線 で活躍している世界中の研究者が一堂に会し、毎回活発な討論がなさ れています。今回は 70ヶ国以上から総演題数 11,000 を超える発表が行 われ、過去最大規模の学会となりました。 私は本学会において、抗腫瘍活性を示す天然物の全合成について発 表させていただきました。予想以上に多くの先生方や学生の皆さんが 聞きに来て下さり、片言ながら英語で自分の研究の概要や実験につい て説明することができました。さらに生物活性の評価法など、他分野 の先生方からも多くのご助言をいただき、大変参考になりました。し 参加国際学会:Pacifichem 2005 参加国際学会:(2005環太平洋国際化学会議) 期 間:2005年12月15日∼20日 場 所:ハワイ、米国 Roongjang Somjing 生物有機化学分野 私は「大学院生海外派遣補助金」の助成を受け、2005 年 12 月 15 日 ∼ 20 日にわたり米国のホノルルで開催された「INTERNATIONAL CHEMICAL CONGRESS OF PACIFIC BASIN SOCIETIES : PACIFICHEM 2005」に参加させていただきました。本学会は、多岐に わたる化学分野の研究者が世界中から参加する非常に大きな国際学会 であり、5 年に一度開催されるものです。 私は、これまで研究してきた「新規人工核酸の合成とその物性に関 する研究」をポスター発表しました。世界中の多くの研究者と研究に 参加国際学会:Pacifichem 2005 参加国際学会:(2005環太平洋国際化学会議) 期 間:2005年12月15日∼20日 場 所:ハワイ、米国 山口 卓男 生物有機化学分野 この度、本記念事業の一環として 2005 年 12 月 15 日∼ 20 日に開催 された国際会議 (INTERNATIONAL CHEMICAL CONGRESS OF PACIFIC BASIN SOCIETIES : PACIFICHEM 2005) での発表の機会を 頂きました。本国際会議は、5 年に一度ホノルルで開催され、環太平 洋化学会に属する科学者および技術者が一堂に会し、情報の伝達交流 を行うことを目的としています。今回、このような多岐にわたる分野 の先生方の前で発表を行い、様々な視点からご質問、ご指導を頂き、 自身の研究の位置づけや今後の研究方針を改めて認識することができ ました。 10 なると思います。 最後になりましたが、本国際交流事業「大学院生海外派遣」に尽力 頂きました先生、関係者の皆様に厚くお礼申し上げます。また貴重な 海外経験をご支援いただきました生物有機化学分野の先生方、学生の 皆様に心から感謝いたします。 かし、質問に対する答えとしてさらに一歩踏み込んだ自分の考察やア イデアをうまく伝えられないことにもどかしさも感じました。ともかく、 英語で自分の研究成果を発表することがいかに重要で効果的なもので あり、また難しいものか、肌で感じることができたことは、大きな収 穫であったと思います。私は今回、ポスターセッションで発表させて いただきましたが、今後また国際学会に参加することができれば、口 頭での発表も経験してみたいです。 開催地であるホノルルはご存知のとおり一年を通して青く澄み渡っ た海と空を満喫できる観光地であり、普段一日の大半を研究室で過ご している私にとってはまさに天国という言葉がぴったりでした。バス の運転手が鼻歌を歌いながら運転するほど陽気な町で、心身ともにリ フレッシュすることができました。国際学会は専門分野における最先 端の情報交換の場であるばかりでなく、物事の捉え方や、発想の違い なども交換できる絶好の機会であると感じました。 最後になりましたが、このような貴重な機会を与えてくださった生 物有機化学分野の先生方、ならびに本記念事業にご尽力いただきまし た先生方、関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。 関する議論をすることができ、とても有意義でした。本国際会議には、 核酸化学の研究分野における著名な先生方も多数参加されており、口 頭発表並びにポスター発表を通じて、最先端の核酸化学の研究を学ぶ ことができました。そして医薬品開発や様々な技術開発において、将 来的に核酸化学の研究がますます重要になると確信しました。また本 国際会議参加のための、事前のポスター準備等もとても良い経験でした。 研究内容を分かりやすく伝えるためのポスターの製作及び英語の表現 など勉強になりました。今後、本国際会議に参加した経験を活かして、 今まで以上に一生懸命研究に取り組みたいと思います。 最後になりましたが、本事業「大学院生海外派遣」にご尽力頂きま した先生方、関係者の皆様に、このような貴重な機会を与えて頂いた ことを心よりお礼申し上げます。また、 私の研究に対して多大なご指導ご鞭撻を賜りました生物有機化学分 野の今西教授をはじめ、共同研究者に心より感謝申し上げます。 また、本国際会議では日本の先生方も多数発表されており、口頭発 表会場では諸外国の先生方から質問が相次ぎ、白熱した討論となって いたのが印象的でした。ポスター発表会場は比較的和やかな雰囲気で、 私も積極的に質問することができました。各国・各専門分野、どの先 生方も非常にフレンドリーに、またジェスチャーを交えて分かりやす く説明して下さいました。そこでは、日頃文献から読み取れない実験 の詳細を説明して頂いたりと、大変有意義な時間を過ごすことができ ました。また、各国同世代の研究者と交流ができ、研究活動に対する 考え方や情熱など刺激を受けることが多々ありました。今後、ここで 学んだ諸外国の先端科学から、これからの時代の新たな研究課題を見 出していきたいと考えています。 最後になりましたが、本研究に対して多大なご指導ご鞭撻を賜りま した生物有機化学分野の先生方、ご協力を頂きました研究室の皆様に 心より感謝申し上げます。また、本事業にご尽力頂きました先生方、 関係者の皆様に、このような貴重な機会を与えて頂いたことを厚く御 礼申し上げます。 参加国際学会:The 15th Taurine Meeting 期 間:2005年6月12日∼15日 場 所:Tanpere, Finland 臨床薬効解析学分野 魚住 頼子 国際タウリンシンポジウム「Taurine Today 2005」に参加して 2005 年 6 月、フィンランドで開催されたタウリンシンポジウムに参加 させて頂きました。学会の行われた古都タンペレは湖と森林に囲まれ ており、ちょうど夏の始まりで花々がいっせいに咲き、とても美しい 季節を迎えていました。 この学会は三年ごとに、世界各国のタウリン研究者がその成果を発 表し意見交換する会です。論文に名を連ねる著名な先生方のお話を直 接伺うことができるということで、期待に胸を膨らませていました。 未だ作用メカニズムが詳細に解明されていないアミノ酸について、様々 な角度からの研究がなされており、多様な試料、手技を用いた研究に ついて見聞したことは非常に興味深い経験でした。そして気づかなかっ た視点、アプローチ方法を知り、今後の研究に役立つ多くの情報を得 ることができました。 研究者間には同じアミノ酸について研究する同志意識のようなもの があり、意見交換は非常に刺激的で充実したものでした。そして今後 の交流や共同研究にもつながるチャンスを得ることができました。また、 数十年以上このアミノ酸について研究している先生方には、一貫した 研究に対する熱意と信念を感じ、尊敬の念を抱きました。 英語でのプレゼンテーションを行うことにより、世界に向け研究内 容を発表し、貴重な助言を頂くこともできました。しかし己の未熟さ を実感し、他国の発表者のプレゼンテーション能力の高さに驚きました。 国際的な場での発表、意見交換のために英語能力を磨く必要性をひし ひしと感じました。 この学会での全ての体験が研究意欲の向上に繋がり、今後の国際的 な交流の礎を築く重要な機会となりました。このような貴重な体験を 御支援くださいました、薬学研究科創立 50 周年国際交流推進委員会の 皆様に深謝致します。また、研究について御指導御鞭撻賜り、この派 遣を実現するよう温かく御支援くださった、臨床薬効解析学分野教授、 東純一先生に厚く御礼申し上げます。そして多くの御助言と御協力を 賜りました、臨床薬効解析学分野の皆様、家族に心より感謝致します。 平成 18 年度大阪大学薬学部卒後研修会 「 薬 物 治 療 の 最 前 線 」 のご案内 今年度は、 「薬物治療の最前線」というテーマで卒後研修会を企画しました。 医療現場の最前線で薬学が果たす役割を考える機会になれば幸いです。多数のご参加をお待ちしております。 回 日 時 演 題 講 師 1 疋田 光史 6月 3日(土) 点眼剤と眼疾患 午後2:30∼4:30 (参天製薬株式会社研究開発本部ライセンシング室・室長) 2 國澤 純 7月22日(土) 午後2:30∼4:30 (東京大学医科学研究所炎症免疫学分野・助手) 食べるワクチンの開発に向けて 3 前田 頼伸 8月 5日(土) 午後2:30∼4:30 (大阪労災病院薬剤部・部長) 薬剤師による薬物の治療戦略 4 角田 慎一 9月30日(土) ゲノム・プロテオーム解析技術の 午後2:30∼4:30 (独立行政法人医薬基盤研究所基盤研究部・主任研究員) がん診断・治療への応用 5 岡本 正志 10月14日(土) 午後2:30∼4:30 (神戸学院大学薬学部社会薬学部門・教授) 6 伊藤 秀明 11月11日(土) 耐性菌の克服を目指して 午後2:30∼4:30 (大日本住友製薬株式会社医薬安全管理部・マネージャー職) ー創薬、育薬の立場からー 7 山本 昌 12月 9日(土) 午後2:30∼4:30 (京都薬科大学薬剤学教室・教授) 会 場 大阪大学薬友会 ホームページ 世 話 人 ー粘膜免疫システムによる生体防御と恒常性維持機構ー 巷で話題のコエンザイムQ10 ー生活習慣病予防のためのサプリメントとしての期待ー DDSを用いた薬物投与の最適化 大阪大学中之島センター7階(http://www.onc.osaka-u.ac.jp/) http://www.phs.osaka-u.ac.jp/homepage/yaku/sotsugo.html 木村 以都美([email protected])、北沢 恵子([email protected]) 照井 篤子([email protected])、中川 晋作(大阪大学薬学研究科 [email protected]) 11 寄付および 終身会費 納入者一覧 薬友会では 48 期生以降については終身会費制(30,000 円)をとっていますが、それ以 前の卒業生には、会費に代わってご寄付をいただくことにしております。下記の一覧 は 2004 年 9 月 1 日より 2006 年 5 月 31 日の間に終身会費とご寄付をいただいた方です。 ご寄付いただいた会員諸兄姉にお礼申し上げますと共に、引続き広くご協力をお願 いいたします。なお寄付は 1 口 5,000 円とし、同封の振込用紙でお送り下さいますよう お願いいたします。また、終身会費をこれまで支払われていない方は、この機会に是 非お納め下さい。 終身会費納入者 東本 健一(53) 久保 勝裕(54) 灰 谷 淳(54) 長谷川正博(55) 伊藤 雅士(58) 高山 和雄(58) 森下 裕貴(58) 有 馬 宏(54) 小林 由佳(54) 平川 陽一(54) 佐野 慶和(56) 榎木香奈実(58) 仲井 友子(58) 山崎 聖司(58) 池田 和哉(54) 志田 竜平(54) 藤堂 慎吾(54) 田中真奈美(56) 太田 友樹(58) 長井 裕美(58) 山田 一真(58) 伊藤 綾野(54) 菅谷 健作(54) 細井 夕香(54) 富安 諒介(56) 大澤 昂志(58) 新川 大貴(58) 横畠 弘宣(58) 浦上知津子(54) 住井 裕司(54) 松尾 一彦(54) 中 原 基(56) 黒野友理香(58) 幡生あすか(58) 表 志 穗(54) 武永 尚子(54) 山本 智久(54) 中村 友香(57) 近藤小百合(58) 姫澤 由佳(58) 樫田 祐美(54) 殿川 雅之(54) Li Ruichuan(54) 松田 悠里(57) 島岡 恵理(58) 前畑 亮太(58) 亀井 数正(54) 西 森 光(54) 渡 邉 光(54) 相川 輝充(58) 鈴木 綾乃(58) 宮崎 修治(58) 河邊奈津子(54) 林 亜里紗(54) 伊藤 尊仁(55) 綾部有里香(58) 虎谷 祐伊(58) 森 和 土(58) 寄 付 納 入 者 稲津 邦平( 2 ) 米谷 行男( 7 ) 尾 茂子(10) 駒田 和子(14) 森 久美子(20) 永本 久代(28) 溝 口 正( 院6 ) 小橋 恭一( 2 ) 武田 誠郎( 7 ) 川路 晴子(10) 田中美枝子(14) 山村 倫子(20) 仁木麻利子(29) 山本 義公( 院6 ) 近藤 雅臣( 2 ) 田中 蔦子( 7 ) 松本 成彦(10) 中西 信子(14) 汐見 孝子(20) 高井 晃子(30) 西尾 英明(院10) 濱 堯 夫( 2 ) 田中 昌子( 7 ) 宮村美恵子(10) 久保 忠司(15) 米田真理子(20) 田中 明人(31) 吉川 治甫(院10) 中川 一朗( 3 ) 西 島 護( 7 ) 高橋 祥子(11) 山吉 迪子(15) 天野 早美(21) 池本ひとみ(31) 青木 正忠(院12) 濱 一 枝( 3 ) 本田 明子( 7 ) 中川 量之(11) 大島 清美(16) 湊 理恵子(21) 太田 幸子(33) 山 内 博(院13) 本多 文夫( 3 ) 北村香代子( 8 ) 魚森 温子(12) 辻 澄 子(16) 垣内 信子(22) 古野本幸一(33) 福井 寿一(院14) 岩本 裕子( 4 ) 高山 芳香( 8 ) 鈴木 幸子(12) 植木 明廣(17) 松原 京子(22) 広川 美視(35) 野田 弘子(院14) 福 地 坦( 4 ) 橋本 政雄( 8 ) 橋田 綾子(12) 北澤 恵子(17) 井上 述枝(22) 嶋中 純子(35) 井上 俊光(院19) 藤 山 朗( 4 ) 藤原 玲子( 8 ) 真弓 邦子(12) 中西 直子(17) 橋村 恵子(22) 宇都口直樹(38) 豊 田 繁(院22) 末兼千鶴子( 4 ) 河合 令子( 9 ) 真弓 忠範(12) 魚住 順子(18) 友田 嘉一(24) 横田 雅彦(38) 村本 芳彦(院25) 佐々木清司( 5 ) 鈴木 幸子( 9 ) 南 登代子(13) 後藤 悦子(18) 今西 一郎(25) 岡田 直貴(40) 小林 祐次(特) 山内 和子( 5 ) 中 西 勤( 9 ) 森 本 明(13) 武田 海平(18) 大岩 陽子(26) 石飛 佳宣(42) 小花 常子( 6 ) 西村 豊子( 9 ) 奥 村 一(14) 椿井 容子(18) 永本 典生(26) 橘 敬 祐(44) 佐野 元治( 6 ) 松本 弘子( 9 ) 河 敬 石(14) 重内 利明(19) 小林 順子(27) 吉岡 靖啓(46) 深本 明子( 6 ) 森 田 茂( 9 ) 北 澤 清(14) 西田 春昭(20) 福岡 和子(27) 松井 正規( 院4 ) 平成18年度薬学部および 薬学研究科学生在籍数(平成18年4月1日現在) 薬 学 1年生 部 薬友会役員名簿 薬 学 研 究 科 会 長 副 会 長 修士課程(博士前期) 修士課程(博士後期) 理 事 2年生 3年生 4年生 1年次 2年次 1年次 2年次 3年次 薬 学 科 26 85 88 87 94 ( ) 薬科学科 59 107 109 30 26 37 幹 事 長 幹 事 平成17年度卒業者の進路 卒業者総数 進学 企業 病院 官公庁 その他 学部学生 83 74 2 0 1 6 博士前期 108 21 73 0 1 13 博士後期 26 − − 8 0 0 18 監 事 名誉会長 最高顧問 顧 問 名誉理事 萬年成泰(9) 真弓忠範(12) 鶴田康則(16) 大江方二(16) 馬場明道(17) 重内利明(19) 今西 武(15) 鍋島俊隆(16) 植木明広(17) 北澤恵子(17) 鈴木桂子(17) 掛樋一晃(18) 佐伯とも子(18) 向井睦子(18) 岡部 勝(19) 山村倫子(20) 米田真理子(20) 那須正夫(21) 西川 修(21) 小林資正(22) 上島悦子(25) 土井健史(27) 池淵佐知子(27) 水口裕之(38) 研究科長・学部長(役職指定,山元 弘(18)) 大阪大学薬学研究科・薬学部全専任教授 庶務担当:八木清仁(24)、会計担当:今西 武(15) 名簿担当:高木達也(27)、広報誌担当:土井健史 (27) 田中慶一(13) 山下治夫(13) 林 信一(1) 近藤雅臣(2) 新田進治(2) 浜 堯夫(2) 抱 忠男(2) 藤井正美(2) 松本光夫(2) 岩田宙造(6) 奥田順三(9) 西原 力(12) ( ) ( )内の数字は期数 12
© Copyright 2024 Paperzz