国際的連帯の政治学 2005 年 12 月 13 日 ジャン・マルク・コワコ

国際的連帯の政治学
2005 年 12 月 13 日
ジャン・マルク・コワコ
1.1990年代までに平和活動が達した範囲と限界
1)平和活動における量的および質的な変化
A. 平和活動の量的な変化
a) 平和活動の件数
b) 資源の活用
B. 平和活動の質的な変化
a) 紛争予防
b) 人道主義的な援助、平和執行、制裁
c) 平和構築
2)平和活動の評価:やや興ざめな実態
A.
B.
集団安全保障体制と不十分な資源
a)
平和活動部隊の割り当て
b)
乏しい財政的貢献
成否が混在する平和活動の記録
a)
平和活動の成功例
b)
成否が混在する例
c) 平和活動の失敗例
2.国際官僚機構としての国連の欠点
1)国連の政治的欠陥とそれが平和活動に及ぼす影響
A.
B.
国連事務総長と国連安全保障理事会の権限:理論と実践
a)
国連憲章に明記された事務総長と安保理の権限
b)
事務総長と安保理の実務上の関係:比較的よいバランス
1990 年代における事務総長と安保理
a)
対立するソマリア観と国連平和活動への働きかけ
b)
ボスニア=ヘルツェゴビナでの平和活動:介入に消極的な事務総長とあいまいな安保
理のはざまで
c)
C.
ルワンダへ介入を表明した事務総長と国際社会の拒否
国連安保理内の不一致とその平和活動に及ぼす影響
a)
中国、ロシア:立場とその影響力
b)
アメリカ、フランス、イギリス:不安定な指導力が平和活動に及ぼす結果
2)国連の運用上の欠陥と平和活動における損害
A.
国連安全保障理事会の外交慣習と現地からの要請のギャップ
a) 国連安全保障理事会決議とその外交慣習
b) 外交慣習と平和執行との不調和
B.
国連事務局と現場とのギャップおよび平和活動に及ぼす損失
a) 現地の要請に適さない国連本部のやり方
b) 国連事務局内の知識の欠乏
c) 国連普遍主義と国連本部の文化:平和活動に及ぼす影響力
C.
平和活動におけるコミュニケーションの断絶が招く代償
a) 内部コミュニケーションの欠陥が招く代償
b) 平和活動と外界のコミュニケーション格差
3.国際政治と連帯のジレンマ
1)国際的連帯の強化と限界
A.
国際的連帯の強化
a) 国際的連帯の倫理に基づく行動
B.
国際的枠組みにおける現代の連帯の限界
a) 現代における連帯の裏側
b) 現代における連帯、国際法、国際問題
2)人道危機と国際的連帯のジレンマ
A.
国際的連帯と国連安保理のジレンマ
a) 目的、人道危機、国際的介入のジレンマ
b) 目的と手段の間のジレンマ
B. 国際的連帯と倫理共同体
4.クリントンの外交政策:国益と国際的利益のはざまで
1)
クリントンの暫定的国際主義
A.
2)
クリントン的国際主義:そのレトリックと現実
a)
クリントン政権と短命に終わった国際主義
b)
クリントン外交の経済偏重主義
クリントン的国際主義:米国議会および軍上層部との不和
A.
平和活動と国連への対応をめぐる議会とホワイトハウス間の緊張
a)
国連平和活動をめぐる議会とクリントン政権間の緊張拡大の解説
b)
米国議会による多国間関与政策の形成
B.
クリントンの暫定的国際主義:軍上層部との関係悪化
a)
民主党と軍上層部の軋轢
b)
アメリカの軍事ドクトリン、人道危機、平和活動
3)平和活動にアメリカの優越性がもたらすインパクト
A.
B.
アメリカと平和活動:最小の利害に最大の影響力
a)
世界中に及ぼす権力と政治的影響力
b)
平和活動:アメリカの2次的関心と1次的影響力
平和活動に及ぼすアメリカの影響力
a)
アメリカの積極的な役割
b)
アメリカの疑問視される役割:ルワンダとボスニア=ヘルツェゴビナの例
5.ブッシュ外交と国際的連帯の軽視
1)国家安全保障 VS 多国間協調主義および連帯の原理
A.
B.
ブッシュ外交と「米国力」理論
a)
ブッシュ外交の展望と目的
b)
ドクトリン上の多国間協調主義および国際的連帯の軽視
現実のアメリカ国益の地政学
a)
9.11 以前に存在した単独行動主義への道
b)
対テロ戦争と 9.11 後のブッシュ政権の場当たり的多国間主義
c) 国連脅しからイラク戦争まで
2)ブッシュ外交の前提が試されるイラク
A. 欧州および国連の支援なしでの戦後のイラクの安定は困難
a)
大西洋同盟なしでの国際的活動
b)
戦後のイラクと国連の正統性の必要性
3)ブッシュ外交の前提と国際秩序の未来
A.
B.
イラク戦争とブッシュ外交の前提:善から悪まで
a)
単独行動を可能にするアメリカのパワー
b)
アメリカのパワーだけで定義できぬ正統性
ブッシュのイラク政策とそれが国際秩序に及ぼす影響:肯定面と否定面
a)
ブッシュ外交の肯定的影響
b)
ブッシュ外交が世界秩序にもたらす危険な結果
6.国際的な「法の支配」へ
1)国際的「法の支配」と公共政策としての連帯
A.
弱い連帯と安全保障の欠如
B.
非正統性と安全保障の欠如
C.
国際的「法の支配」
:連帯の義務から安全保障の権利へ
2)民主的権限授与に関する多国間規範と国際的連帯の強化
A.
正統性を持つシステムとしての多国間主義
B.
権限授与のシステムとしての多国間主義
C.
多国間主義の権利と義務
D.
多国間主義と一貫性の義務
E.
多国間主義の進歩および「権利と義務」の文化
3)国際的主体と国際的連帯の強化
A.
国連による国際的連帯支援の強化
a)
平和維持活動の高度化
b)
国際的文民活動の防衛
c) 安全保障理事会の指導者的役割
B.
国際社会の一員としての国家
a)
国家の民主化
b)
国連のために加盟国家は何が出来るか
C. 地域組織とNGO、その公正な国際秩序への貢献
4)アメリカのリーダーシップに求められる変化
A.
アメリカ外交:国益と国際的利益との板ばさみ
B.
民主主義的価値という外交政策上の制約
C.
アメリカと国際的な民主的指導力
D.
アメリカ外交の国際化
E.
アメリカ外交と変化する能力
7.日本にもたらす意味
1)国連加盟国としての日本
A.
国連に対する日本のあいまいな立場
B.
日本の国連に対するあいまいさの分析
2)1990 年代以降の多国間協調路線から見た日本外交
A.
1990 年代の日本外交と国連
B.
2000 年代の日本外交の変遷
3)日本と国連安保理、そして国際秩序の未来
A.
国連安保理常任理事国へ向けたキャンペーン
B.
今後の道のり
4)結論