プラノバール 配合錠 - あすか製薬株式会社

2010 年 7 月改訂(新様式第 8 版)
日本標準商品分類番号 872482
医薬品インタビューフォーム
日本病院薬剤師会の IF 記載要領(1998 年 9 月)に準拠して作成
黄体・卵胞ホルモン配合剤
処方せん医薬品
日本薬局方
ノルゲストレル・エチニルエストラジオール錠
プラノバール®配合錠
Planoval® Combination Tablets
剤
規
一
格
・
般
含
形
錠剤(糖衣錠)
量
1錠中,日本薬局方ノルゲストレル 0.5mg と日本薬局
方エチニルエストラジオール 0.05mg を含有する。
和名:日本薬局方ノルゲストレル
日本薬局方エチニルエストラジオール
名
洋名:Norgestrel
Ethinylestradiol
製造・輸入承認年月日 輸 入 承 認 年 月 日 :1978年5月18日
薬価基準収載
薬 価 基 準 収 載 年 月 日 :2008年6月20日
・発売年月日
発 売 年 月 日 :2008年6月20日
開 発 ・ 製 造 ・ 製 造 販 売:ファイザー株式会社
輸入・発売・提携・ 発
売:あすか製薬株式会社
販 売 会 社 名 販
売:武田薬品工業株式会社
担当者の連絡先・電話
番号・FAX 番号
本 IF は 2010 年 6 月改訂(第 10 版)の添付文書の記載に基づき作成した。
IF 利用の手引きの概要 ―日本病院薬剤師会―
1.医薬品インタビューフォーム作成の経緯
当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者(以下,MRと略す)等にインタビューし,当該
医薬品の評価を行うのに必要な医薬品情報源として使われていたインタビューフォームを,昭和
63 年日本病院薬剤師会(以下,日病薬と略す)学術第2小委員会が「医薬品インタビューフォー
ム」(以下,IF と略す)として位置付けを明確化し,その記録様式を策定した。そして,平成 10
年日病薬学術第3小委員会によって新たな位置付けと IF 記載要領が策定された。
2.IF とは
IF は「医療用医薬品添付文書等の情報を補完し,薬剤師等の医療従事者にとって日常業務に必要
な医薬品の適正使用や評価のための情報あるいは薬剤情報提供の裏付けとなる情報等が集約さ
れた総合的な医薬品解説書として,日病薬が記載要領を策定し,薬剤師等のために当該医薬品の
製薬企業に作成及び提供を依頼している学術資料」と位置付けられる。
しかし,薬事法の規制や製薬企業の機密等に関わる情報,製薬企業の製剤意図に反した情報及び
薬剤師自らが評価・判断・提供すべき事項等は IF の記載事項とはならない。
3.IF の様式・作成・発行
規格は A4 版,横書きとし,原則として 9 ポイント以上の字体で記載し,印刷は一色刷りとする。
表紙の記載項目は統一し,原則として製剤の投与経路別に作成する。IF は日病薬が策定した「IF
記載要領」に従って記載するが,本 IF 記載要領は,平成 11 年 1 月以降に承認された新医薬品か
ら適用となり,既発売品については「IF 記載要領」による作成・提供が強制されるものではない。
また,再審査及び再評価(臨床試験実施による)がなされた時点ならびに適応症の拡大等がなさ
れ,記載内容が大きく異なる場合には IF が改訂・発行される。
4.IF の利用にあたって
IF 策定の原点を踏まえ,MRへのインタビュー,自己調査のデータを加えて IF の内容を充実さ
せ,IF の利用性を高めておく必要がある。
MRへのインタビューで調査・補足する項目として,開発の経緯,製剤的特徴,薬理作用,臨床
成績,非臨床試験等の項目が挙げられる。また,随時改訂される使用上の注意等に関する事項に
関しては,当該医薬品の製薬企業の協力のもと,医療用医薬品添付文書,お知らせ文書,緊急安
全性情報,Drug Safety Update(医薬品安全対策情報)等により薬剤師等自らが加筆,整備する。
そのための参考として,表紙の下段に IF 作成の基となった添付文書の作成又は改訂年月を記載
している。なお適正使用や安全確保の点から記載されている「臨床成績」や「主な外国での発売
状況」に関する項目等には承認外の用法・用量,効能・効果が記載されている場合があり,その
取扱いには慎重を要する。
目
Ⅰ
次
5.製剤中の有効成分の確認試験············· 6
概要に関する項目
1.開発の経緯 ···························· 1
6.製剤中の有効成分の定量法··············· 6
2.製品の特徴及び有用性 ·················· 1
7.容器の材質 ····························· 7
8.その他 ································· 7
Ⅱ
名称に関する項目
1.販売名 ································ 2
Ⅴ
治療に関する項目
① 和名 ································ 2
1.効能又は効果 ···························· 8
② 洋名 ································ 2
2.用法及び用量 ···························· 8
③ 名称の由来 ·························· 2
3.臨床成績 ································ 8
2.一般名 ································ 2
① 臨床効果 ······························ 8
① 和名(命名法) ······················ 2
② 臨床薬理試験:忍容性試験 ············· 8
② 洋名(命名法) ······················ 2
③ 探索的試験:用量反応探索試験 ········· 8
3.構造式又は示性式 ······················ 2
④ 検証的試験 ···························· 8
4.分子式及び分子量 ······················ 2
(1)無作為化平行用量反応試験 ············ 8
5.化学名 (命名法) ······················ 2
(2)比較試験 ···························· 8
6.慣用名,別名,略号,記号番号 ·········· 2
(3)安全性試験 ·························· 8
7.CAS 登録番号 ··························· 2
(4)患者・病態別試験 ···················· 8
⑤ 治療的使用 ···························· 8
Ⅲ
(1)使用成績調査・特別調査・
有効成分に関する項目
市販後臨床試験 ······················ 8
1.有効成分の規制区分 ···················· 3
(2)承認条件として実施予定の内容
2.物理化学的性質 ························ 3
又は実施した試験の概要 ·············· 8
① 外観・性状 ·························· 3
② 溶解性 ······························ 3
③ 吸湿性 ······························ 3
Ⅵ
薬効薬理に関する項目
④ 融点(分解点)
,沸点,凝固点 ········· 3
1.薬理学的に関連ある化合物又は化合物群 ·· 9
⑤ 酸塩基解離定数 ······················ 3
2.薬理作用 ······························· 9
⑥ 分配係数 ···························· 3
① 作用部位・作用機序 ·················· 9
⑦ その他の主な示性値 ·················· 3
② 薬効を裏付ける試験成績 ·············· 9
3.有効成分の各種条件下における安定性 ···· 3
4.有効成分の確認試験法 ·················· 4
5.有効成分の定量法 ······················ 4
Ⅶ
薬物動態に関する項目
1.血中濃度の推移,測定法················ 10
① 治療上有効な血中濃度 ··············· 10
Ⅳ
製剤に関する項目
② 最高血中濃度到達時間 ··············· 10
1.剤形 ·································· 5
③ 通常用量での血中濃度 ··············· 10
① 剤形の区別及び性状 ·················· 5
④ 中毒症状を発現する血中濃度 ········· 10
② 製剤の物性 ·························· 5
2.薬物速度論的パラメータ················ 10
③ 識別コード ·························· 5
① 吸収速度定数························ 10
2.製剤の組成 ···························· 5
② バイオアベイラビリティ ············· 10
① 有効成分(活性成分)の含量 ·········· 5
③ 消失速度定数························ 10
② 添加物 ······························ 5
④ クリアランス························ 10
3.製剤の各種条件下における安定性 ········ 5
⑤ 分布容積···························· 10
4.混入する可能性のある夾雑物 ············ 5
⑥ 血漿蛋白結合率 ····················· 10
3.吸収 ································· 10
9.高齢者への投与························ 18
4.分布 ································· 11
10.妊娠,産婦,授乳婦等への投与 ········· 18
① 血液-脳関門通過性 ················· 11
11.小児等への投与························ 18
② 胎児への移行性 ····················· 11
12.臨床検査結果に及ぼす影響·············· 18
③ 乳汁中への移行性 ··················· 11
13.過量投与 ······························ 18
④ 髄液への移行性 ····················· 11
14.適用上の注意及び薬剤交付時の注意
⑤ その他の組織への移行性 ············· 11
(患者等に留意すべき必須事項等) ······· 19
5.代謝 ································· 11
15.その他の注意 ·························· 19
① 代謝部位及び代謝経路 ··············· 11
16.その他 ································ 19
② 代謝に関与する酵素(CYP450 等)
の分子種 ··························· 11
Ⅸ
非臨床試験に関する項目
③ 初回通過効果の有無及びその割合 ····· 11
1.一般薬理 ······························ 20
④ 代謝物の活性の有無及び比率 ········· 11
2.毒性 ·································· 20
⑤ 活性代謝物の速度論的パラメータ ····· 11
① 単回投与毒性試験 ··················· 20
6.排泄 ·································· 12
② 反復投与毒性試験 ··················· 20
① 排泄部位 ··························· 12
③ 生殖発生毒性試験 ··················· 20
② 排泄率 ····························· 12
④ その他の特殊毒性 ··················· 20
③ 排泄速度 ··························· 12
7.透析等による除去率 ··················· 12
Ⅹ
取扱い上の注意,包装,承認等に関する項目
① 腹膜透析 ··························· 12
1.有効期間又は使用期限·················· 21
② 血液透析 ··························· 12
2.貯法・保存条件························ 21
③ 直接血液灌流 ······················· 12
3.薬剤取扱い上の注意点·················· 21
4.承認条件 ······························ 21
Ⅷ
安全性(使用上の注意等)に関する項目
5.包装 ·································· 21
1.警告内容とその理由 ··················· 13
6.同一成分・同効薬······················ 21
2.禁忌内容とその理由 ··················· 13
7.国際誕生年月日························ 21
3.効能・効果に関連する使用上の注意と
8.製造・輸入承認年月日及び承認番号 ····· 21
9.薬価基準収載年月日···················· 21
その理由 ····························· 13
4.用法・用量に関連する使用上の注意
10.効能・効果追加,用法・用量
変更・追加等の年月日及び内容 ········· 21
その理由 ····························· 13
5.慎重投与内容とその理由 ··············· 14
11.再審査結果,再評価結果公表年月日
及びその内容 ·························· 22
6.重要な基本的注意とその理由及び
処置方法 ····························· 14
12.再審査期間 ···························· 22
7.相互作用 ····························· 15
13.長期投与の可否························ 22
① 併用禁忌とその理由 ················· 15
14.厚生省薬価基準収載医薬品コード ······· 22
② 併用注意とその理由 ················· 15
15.保険給付上の注意······················ 22
8.副作用 ······························· 16
① 副作用の概要 ······················· 16
ⅩⅠ
文献
1.引用文献 ······························ 23
② 項目別副作用発現率及び
2.その他の参考文献······················ 23
臨床検査値異常 ····················· 17
3.文献請求先 ···························· 23
③ 基礎疾患,合併症,重症度及び手術の
有無等背景別の副作用発現率 ·········· 18
④ 薬物アレルギーに対する注意及
び試験法 ··························· 18
ⅩⅡ
参考資料
1.主な外国での発売状況·················· 24
ⅩⅢ
備考··································· 25
Ⅰ.概要に関する項目
1.開発の経緯
ノルゲストレルは米国ワイス研究所において開発され,従来無視できなかったアンドロゲン作用,エストロゲン作用,
同化作用を軽減した黄体ホルモン剤である。また黄体ホルモンと卵胞ホルモンを配合することにより,黄体ホルモン
の効果が増強され,低用量化が可能となることから,エチニルエストラジオールとノルゲストレルを配合剤として開
発が進められた。我国では,1967 年日本ワイス社(現ファイザー社)と日本シエーリング社(現バイエル薬品社)に
より研究開発に着手し,1972 年 8 月医薬品製造(輸入)承認申請を行い,1978 年 5 月承認を受け,発売に至った。
2.製品の特徴及び有用性
現在我国で販売されている配合剤で最も低用量である。
ノルゲストレルは,子宮内膜分泌化作用,月経延長試験等により,他のゲスターゲンよりも強い黄体ホルモン作用が
確認されており,またエストロゲン作用がなく(ラット)
,エストロゲン活性物質に転換することもない(ヒト)
。
更に,強い抗エストロゲン作用を有し(マウス)
,エストロゲンの代謝に及ぼす好ましくない作用を抑え,アンドロ
ゲン作用も弱い。
製剤上の特徴
特になし
薬理学的特徴
(1)ヒトにおける黄体ホルモン作用(月経延長試験)はノルゲストレル単独でも ED50=4mg と強い効果を発揮す
るが,これにエストロゲンを併用することにより ED50=0.125mg となり,その効果は単独時の 32 倍に増強さ
れる。エストロゲン配合による効果増強は同種他剤に比して特に顕著である。
(2)本剤は視床下部-下垂体系に作用し,特に抗性周期作用において,配合比 10:1 でノルエチステロン・アセ
タートおよびノルゲストレルの約 10 倍の効力を示した。本剤の強い抗ゴナドトロピン作用は,ラットでのパ
ラビオーゼ試験および睾丸抑制試験の結果からも推定される。
(3)エストロゲンによる増強効果は,薬物安全性の観点からも有用であり,高用量の他種配合剤に比して,少な
い用量の黄体ホルモン(ノルゲストレル)を卵胞ホルモン(エチニルエストラジオール)と配合することに
より,少なくとも同等の臨床効果を期待することが可能である。
(4)本剤の成分であるノルゲストレルの強い黄体ホルモン作用により,本剤は特に,月経困難症,月経周期異常,
過多月経,子宮内膜症,機能性子宮出血などに優れた効果を示すと考えられる。
1
Ⅱ.名称に関する項目
1.販売名
① 和名
プラノバ-ル®配合錠
② 洋名
Planovar® Combination Tablets
③ 名称の由来
2.一般名
① 和名(命名法)
「日本薬局方」ノルゲストレル(JAN)
,
「日本薬局方」エチニルエストラジオール(JAN)
② 洋名(命名法)
Norgestrel(JAN), Ethinylestradiol(JAN)
3.構造式又は示性式
ノルゲストレル
エチニルエストラジオール
4.分子式及び分子量
分子式
分子量
ノルゲストレル:
C21H28O2
312.45
エチニルエストラジオール:
C20H24O2
296.40
5.化学名(命名法)
ノルゲストレル:13–Ethyl–17–hydroxy–18, 19–dinor–17α–pregn–4–en–20–yn–3–one
エチニルエストラジオール:17α–Ethynylestra–1,3,5 (10)–triene–3,17β–diol
6.慣用名,別名,略号,記号番号
SH850
7.CAS 登録番号
ノルゲストレル:797-63-7
エチニルエストラジオール:57-63-6
2
Ⅲ.有効成分に関する項目
1.有効成分の規制区分
該当しない
2.物理化学的性質
① 外観・性状
ノルゲストレルは,白色の結晶又は結晶性の粉末である。エチニルエストラジオールは,白色~微黄色の結晶又
は結晶性の粉末でにおいはない。
② 溶解性
ノルゲストレル
溶
媒
テトラヒドロフラン
溶 解
用
語
やや溶けやすい
クロロホルム
やや溶けやすい
エタノール(95)
やや溶けにくい
ジエチルエーテル
溶けにくい
水
ほとんど溶けない
エチニルエストラジオール:ピリジン又はテトラヒドロフランに溶けやすく,エタノール(95)又はジエチルエー
テルにやや溶けやすく,水にほとんど溶けない。本品は水酸化ナトリウム試液に溶ける。
③ 吸湿性
該当資料なし。
④ 融点(分解点)
,沸点,凝固点
ノルゲストレル:206~212℃
エチニルエストラジオール:180~186℃又は 142~146℃
⑤ 酸塩基解離定数
該当資料なし。
⑥ 分配係数
該当資料なし。
⑦ その他の主な示性値
該当資料なし。
3.有効成分の各種条件下における安定性
ノルゲストレルは室温において 24 カ月,加温,加湿および直射日光下において 6 カ月変化を認めず,安定であっ
た。
3
Ⅲ.有効成分に関する項目
4.有効成分の確認試験法
ノルゲストレル
(1) 本品 1mg をエタノール 2mL に溶かし,硫酸 1mL を加えるとき,液は赤紫色を呈し,この液に紫外線(366nm)
を照射するとき,赤橙色の蛍光を発する。
(2) 本品を乾燥し,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数 3360cm-1,3270cm-1,
1651cm-1,1618cm-1,1068cm-1 及び 888cm-1 付近に吸収を認める。
エチニルエストラジオール
(1) 本品 2mg を硫酸/エタノール混液(1:1)1mL に溶かすとき,液は帯紫赤色を呈し,黄緑色の蛍光を発する。
この液に注意して水 2mL を加えるとき,液は赤紫色に変わる。
(2) 本品 0.02g を共栓試験管にとり,水酸化カリウム溶液(1→20)10mL に溶かし,塩化ベンゾイル 0.1g を加え
て振り混ぜ,生じた沈殿をろ取し,メタノールから再結晶し,デシケーター(減圧,五酸化リン)で乾燥す
るとき,その融点は 200~202℃である。
5.有効成分の定量法
ノルゲストレル
本品を乾燥し、その約 0.2g を精密に量り、テトラヒドロフラン 40mL に溶かし、硝酸銀溶液(1→20)10mL を加え、
0.1mol/L 水酸化ナトリウム液で滴定する(電位差滴定法)
。同様の方法で空試験を行い、補正する。
0.1mol/L 水酸化ナトリウム液
1mL=31.245mg
エチニルエストラジオール
本品を乾燥し、その約 0.2g を精密に量り、テトロヒドロフラン 40mL に溶かし、硝酸銀溶液(1→20)10mL を加え、
0.1mol/L 水酸化ナトリウム液で滴定する(電位差滴定法)
。
0.1mol/L 水酸化ナトリウム液
1mL=29.641mg
4
Ⅳ.製剤に関する項目
1.剤形
① 剤形の区別及び性状
区別:白色の糖衣錠
性状:
外
形
色
調
白色
直
径
約 5.7mm
厚
さ
約 4.0mm
② 製剤の物性
該当資料なし。
③ 識別コード
(錠剤)
2.製剤の組成
① 有効成分(活性成分)の含量
1 錠中,日局ノルゲストレル 0.5mg と日局エチニルエストラジオール 0.05mg を含有する。
② 添加物
添加物として乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム、白糖、マクロゴール
6000、沈降炭酸カルシウム、サラシミツロウ、カルナウバロウを含有する。
3.製剤の各種条件下における安定性
各種条件下における安定性
保存条件
室温
40℃
保存期間
60 ヵ月
6 ヵ月
25℃/RH85%
6 ヵ月
直射日光下
6 ヵ月
保存形態
PTP
PTP+アルミパック
シャーレ開放
PTP
無色ガラス瓶閉栓
4.混入する可能性のある夾雑物
該当資料なし。
5
結
果
変化なし
変化なし
1 ヵ月目で糖衣表面が溶け始め,定量値に変化なし
変化なし
変化なし
Ⅳ.製剤に関する項目
5.製剤中の有効成分の確認試験
(1) 本品を粉末とし,表示量に従い「ノルゲストレル」10mg に対応する量をとり,クロロホルム 10mL を加えて 10
分間振り混ぜた後,ろ過する。ろ液 2mL をとり,水酸化ナトリウム試液 6mL を加えて激しく振り混ぜた後、
遠心分離する。クロロホルム層 1mL をとり,水浴上で蒸発乾固する。残留物をエタノール 2mL に溶かし,硫
酸 1mL を加えるとき,液は赤紫色を呈する。この液に紫外線(主波長 365nm)を照射するとき,赤だいだい色
の蛍光を発する(ノルゲストレル)
。
(2) (1)で得たろ液 1mL をとり,水浴上で蒸発乾固する。残留物にホウ酸・メタノール緩衝液 1mL を加えて振り混
ぜた後,水酸化ナトリウム試液 1mL を加えて振り混ぜるとき,液は赤だいだい色を呈する(エチニルエスト
ラジオール)
。
(3) (1)で得たろ液を試料溶液とする。別にノルゲストレル標準品 10mg 及びエチニルエストラジオール標準品 1mg
をそれぞれクロロホルム 10mL に溶かし,標準溶液(1)及び標準溶液(2)とする。これらの液につき,薄層
クロマトグラフ法により,試験を行う。試料溶液及び標準溶液 20μL ずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲ
ルを用いて調整した薄層板にスポットする。次に 1,2-ジクロルエタン/メタノール/水混液(368:32:1)
を展開溶媒として約 10cm 展開した後,薄層板を風乾する。これを p-トルエンスルホン酸のエタノール溶液
(1→5)を均等に噴霧し,100℃で 5 分間加熱した後、紫外線(主波長 365nm)を照射するとき,試料溶液か
ら得た 2 個のスポットは,標準溶液(1)及び標準溶液(2)から得たそれぞれのスポットと色調及び Rf 値が
等しい。
6.製剤中の有効成分の定量法
本品 20 個以上をとり,その重量を精密に量り,粉末とする。ノルゲストレル(C21H28O2)約 1mg に対応する量
を精密に量り,薄めたメタノール(7→10)4mL を加え,内標準溶液 4mL を正確に加え,20 分間振り混ぜた後,
この液を遠心分離する。上澄液を孔径 0.2μm 以下のメンブランフィルターを用いてろ過し,ろ液を試料溶液
とする。別に 105℃で 3 時間乾燥したノルゲストレル標準品約 0.05g 及びデシケーター(減圧,五酸化リン)
で 4 時間乾燥したエチニルエストラジオール標準品約 5mg を正確に量り,薄めたメタノール(7→10)に溶か
し,正確に 200mL とする。この液 4mL を正確に量り,内標準溶液 4mL を正確に加え,標準溶液とする。試料
溶液及び標準溶液 20μL につき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液の内標準物
質のピーク面積に対するノルゲストレル及びエチニルエストラジオールのピーク面積の比 QTa 及び QTb 並びに
標準溶液の内標準物質のピーク面積に対するノルゲストレル及びエチニルエストラジオールのピーク面積の
比 QSa 及び QSb を求める。
ノルゲストレル(C21H28O2)の量(mg)
=ノルゲストレル標準品の量(mg)× QTa / QSa × 1/50
エチニルエストラジオール (C20H24O2) の量 (mg)
=エチニルエストラジオール標準品の量 (mg) × QTb / QSb × 1/50
6
Ⅳ.製剤に関する項目
内標準溶液
ジフェニルの薄めたメタノール(7→10)溶液(1→ 50000)
操作条件
検出器: ノルゲストレル 紫外吸光光度計(測定波長:241nm)
エチニルエストラジオール 蛍光光度計(励起波長:281nm,蛍光波長:305nm)
カラム: 内径約 4mm,長さ約 25cm のステンレス管に 10μm の液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル
化シリカゲルを充てんする。
カラム温度: 室温
移動相: アセトニトリル/水混液(11:9)
流量:
ノルゲストレルの保持時間が約 10 分になるように調整する。
カラムの選定:
標準溶液 20μL につき,上記の条件で操作するとき,エチニルエストラジオール,ノル
ゲストレル,内標準物質の順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。
7.容器の材質
PTP:ポリ塩化ビニルフィルム,アルミ箔
8.その他
7
Ⅴ.治療に関する項目
1.効能又は効果
機能性子宮出血,月経困難症,月経周期異常(稀発月経,頻発月経)
,過多月経,子宮内膜症,卵巣機能不全
2.用法及び用量
機能性子宮出血:1 日 1 錠を 7~10 日間連続投与する。
月経困難症,月経周期異常(稀発月経,頻発月経)
,過多月経,子宮内膜症,
卵巣機能不全:1 日 1 錠を月経周期第 5 日より約 3 週間連続投与する。
3.臨床成績
① 臨床効果
国内での二重盲検比較試験を含めた臨床試験において、機能性子宮出血に対する有効率は 70.4%(152/216 例)
を示した。
② 臨床薬理試験:忍容性試験
該当資料なし
③ 探索的試験:用量反応探索試験
該当資料なし
④ 検証的試験
(1)無作為化平行用量反応試験
該当資料なし
(2)比較試験
本剤の比較対照試験は,Double blind 法により 5 施設で,機能性子宮出血と診断された 195 例に本剤 1 錠,
オビュレン 1 錠およびプラセボ 1 錠を 1 週間連続投与で実施された。
(3)安全性試験
該当資料なし
(4)患者・病態別試験
該当資料なし
⑤ 治療的使用
(1)使用成績調査・特別調査・市販後臨床試験
該当資料なし
(2)承認条件として実施予定の内容又は実施した試験の概要
該当しない
8
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
1.薬理学的に関連ある化合物又は化合物群
ノルゲストレル
デソゲストレル,ノルエチンドロン,レボノルゲストレル,メドロキシプロゲステロン酢酸エステル
エチニルエストラジオール
エストラジオール系薬剤 :エチニルエストラジオール,メストラノール,エストラジオール安息香酸エステル,
エストラジオールプロピオン酸
エストリオ-ル系薬剤
:エストリオール,エストリオールプロピオン酸エステル,エストリオール-3-ベン
ゾエート-16,17-ジアセテート
スチルベストロール系薬剤:スチルベストロ-ルジフォスフェート(フォスフェストロール)
,ジエチルスチル
ベストロールスルホン酸カリウム
ヘキストロール系薬剤
:ヘキストロール
2.薬理作用
① 作用部位・作用機序
女性性器(子宮・卵巣)
脳下垂体前葉に作用して,脳下垂体前葉からの FSH,LH 分泌を抑制し,また子宮内膜の再生を促進し,分泌相
に転換する。
② 薬効を裏付ける試験成績1,2)
(1)健常婦人の月経延長テストで、ノルゲストレルの黄体ホルモン作用は酢酸ノルエチステロンの 2.5 倍、ノルエ
チノドレルの 5 倍、酢酸メゲステロールの 2.5 倍である(外国データ)
。
(2)健常婦人の月経延長テストで、ノルゲストレルは卵胞ホルモンを配合することにより黄体ホルモン作用が増強
される(外国データ)
。
(3)去勢マウスの膣スメアテストで、ノルゲストレルの抗エストロゲン作用はノルエチステロンの 10 倍である。
(4)去勢ラットを用いた試験で、ノルゲストレルの男性ホルモン作用は同一黄体ホルモン作用量で、ノルエチステ
ロンの 1/18 である。
9
Ⅶ.薬物動態に関する項目
1.血中濃度の推移,測定法
① 治療上有効な血中濃度
該当資料なし
② 最高血中濃度到達時間
投与 3 時間後
③ 通常用量での血中濃度
健常婦人に 14C 標識ノルゲストレル 4mg を経口投与すると,血中濃度は 3 時間後に最高濃度 10µg/100mL に達し,
24 時間後にはその約 40%に低下した。3)
④ 中毒症状を発現する血中濃度
該当資料なし。
2.薬物速度論的パラメータ
① 吸収速度定数
該当資料なし。
② バイオアベイラビリティ
該当資料なし。
③ 消失速度定数
該当資料なし。
④ クリアランス
該当資料なし。
⑤ 分布容積
該当資料なし。
⑥ 血漿蛋白結合率
該当資料なし。
3.吸収3)
健常婦人に 14C標識ノルゲストレル 4mg を経口投与すると血中濃度は 3 時間後に最高に達し、24 時間後にはほぼ半
減した。また総投与量の 95%が糞尿中より排泄され、尿中排泄量は総排泄量の 64%であった(外国データ)
。
健常成人男子に 3H標識エチニルエストラジオール 30μg を経口投与すると血中濃度は 2~4 時間後に最高に達した。
また総投与量の 95%が糞尿中より排泄され、尿中排泄量は総排泄量の 42.7%であった(外国データ)
。
10
Ⅶ.薬物動態に関する項目
4.分布
① 血液-脳関門通過性
該当資料なし。
② 胎児への移行性
該当資料なし。
③ 乳汁中への移行性
移行すると思われる
④ 髄液への移行性
該当資料なし。
⑤ その他の組織への移行性
該当資料なし。
5.代謝
① 代謝部位及び代謝経路
ノルゲストレルの 3 位が水酸化された後,肝臓でグルクロン酸抱合及び硫酸抱合を受ける。4)
② 代謝に関与する酵素(CYP450 等)の分子種
該当資料なし
③ 初回通過効果の有無及びその割合
該当資料なし。
④ 代謝物の活性の有無及び比率
該当資料なし。
⑤活性代謝物の速度論的パラメータ
該当資料なし。
11
Ⅶ.薬物動態に関する項目
6.排泄
① 排泄部位
ノルゲストレルは,糞尿中に総投与量の 95%が排泄され尿中には 64%が排泄される。3)
② 排泄率
ノルゲストレルは,糞尿中に 95%排泄される。3)
③ 排泄速度
ノルゲストレルでは,尿中に排泄された放射能のうち,投与後 3 日目までに 80%以上が排泄された。
7.透析等による除去率
① 腹膜透析
該当資料なし。
② 血液透析
該当資料なし。
③ 直接血液灌流
該当資料なし。
12
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
1.警告内容とその理由
該当しない。
2.禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)
【禁忌(次の患者には投与しないこと)
】
1.血栓性静脈炎,肺塞栓症又はその既往歴のある患者
[血栓凝固能が亢進され,これらの症状が悪化又は再発することがある。
]
2.エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば,乳癌,子宮内膜癌)及びその疑いのある患者
[エストロゲン作用により,腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。
]
3.重篤な肝障害のある患者
[肝障害を悪化させるおそれがある。
]
4.前回妊娠中に黄疸又は持続性そう痒症の既往歴のある患者
[症状が再発するおそれがある。
]
5.前回の妊娠中に悪化した耳硬化症の既往歴のある患者
[症状が再発するおそれがある。
]
6.妊娠ヘルペスの既往歴のある患者
[症状が再発するおそれがある。]
7.鎌状赤血球貧血のある患者
[血栓症又は肝障害を起こすおそれがある。
]
8.デュビン・ジョンソン症候群,ローター症候群の患者
[症状を悪化させるおそれがある。
]
9.脂質代謝異常のある患者
[症状を悪化させるおそれがある。
]
10.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
[
「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
11.診断の確定していない異常性器出血のある患者
[悪性腫瘍の場合,症状を悪化させるおそれがある。
]
3.効能・効果に関連する使用上の注意とその理由
該当しない。
4.用法・用量に関連する使用上の注意とその理由
該当しない。
13
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
5.慎重投与内容とその理由
(1)肝障害のある患者
[肝障害を悪化させるおそれがある。
]
(2)子宮筋腫のある患者
[子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。
]
(3)乳癌の既往歴のある患者
[乳癌が再発するおそれがある。
]
(4)乳癌家族素因が強い患者,乳房結節のある患者,乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者
[症状が増悪するおそれがある。
]
(5)心疾患・腎疾患又はその既往歴のある患者
[ナトリウム又は体液の貯留により症状を悪化させることがある。
]
(6)てんかん患者
[症状を悪化させるおそれがある。
]
(7)糖尿病患者
[耐糖能が低下することがあるので,十分コントロールを行いながら投与すること。
]
(8)40 歳以上の女性
[一般に血栓症等の心・血管系の障害が発生しやすくなる年代であるため,これを助長するおそれがある。
]
(9)骨成長が終了していない可能性がある患者
[骨端閉鎖をきたすおそれがある。
]
(10)ポルフィリン症の患者
[症状を悪化させるおそれがある。
]
(11)テタニーのある患者
[症状を悪化させるおそれがある。
]
(12)高血圧のある患者
[症状を悪化させるおそれがある。
]
(13)授乳中の婦人
[
「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
6.重要な基本的注意とその理由及び処置方法
(1)本剤の投与により,血栓症があらわれることがあるので,次のような症状があらわれた場合には投与を中止
すること。また,患者に対しては,異常が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう,あらかじめ説
明すること。
下肢の疼痛・浮腫,激しい頭痛,胸痛,急性視力障害,突然の息切れ等
(2)外国では,喫煙が類薬(経口避妊薬)による心・血管系の重篤な副作用(血栓症等)の危険性を増大させ,
またこの危険性は年齢及び喫煙量(1 日 15 本以上)により増大し,35 歳以上の女性で特に顕著であるとの
報告がある。したがって,本剤を投与する場合には禁煙させることが望ましい。
(3)本剤の投与に際しては,問診,内診,基礎体温の測定,免疫学的妊娠診断等により,妊娠していないことを
十分確認すること。
(4)長期間投与を行う場合は,約 6 ヵ月毎に婦人科的検査を行うこと。
14
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
7.相互作用
① 併用禁忌とその理由
該当なし
② 併用注意とその理由
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
副腎皮質ホルモン
プレドニゾロン等
三環系抗うつ剤
イミプラミン等
セレギリン塩酸塩
シクロスポリン
テオフィリン
オメプラゾール
これらの薬剤の作用が増強する
おそれがある。
本剤はこれらの薬剤の代謝を
抑制すると考えられる。
リファンピシン
バルビツール酸系製剤
フェノバルビタール等
ヒダントイン系製剤
フェニトインナトリウム等
カルバマゼピン
グルセオフルビン
ボセンタン
モダフィニル
トピラマート
テトラサイクリン系抗生物質
テトラサイクリン等
ペニシリン系抗生物質
アンピシリン水和物等
本剤の効果の減弱化及び不正性
器出血の発現率が増大するおそ
れがある。
これらの薬剤は肝の薬物代謝
酵素を誘導し、本剤の代謝を促
進すると考えられる。
テルビナフィン塩酸塩
黄体ホルモン・卵胞ホルモン配
合剤との併用で、月経異常があ
らわれたとの報告がある。
機序不明
Gn-RH 誘導体
ブセレリン酢酸塩等
これらの薬剤の作用を減弱する
おそれがある。
これらの薬剤は性ホルモンの
分泌を低下することにより薬
効を示すため、性ホルモンであ
る本剤の投与によってこれら
の薬剤の効果を減弱する可能
性が考えられる。
血糖降下剤
インスリン
スルフォニル尿素系製剤
スルフォンアミド系製剤
ビグアナイド系製剤等
血糖降下剤の作用を減弱するお
それがある。
血糖値その他患者の状態を十分
観察し、血糖降下剤の用量を調
節するなど注意する。
本剤は耐糖能を低下させ、血糖
降下剤の作用を減弱させると
考えられる。
ラモトリギン
モルヒネ
サリチル酸
これらの薬剤の血中濃度が低下
するおそれがある。
本剤はこれらの薬剤のグルク
ロン酸抱合を促進すると考え
られる。
これらの薬剤は腸内細菌叢を
変化させ、本剤の腸肝循環によ
る再吸収を抑制すると考えら
れる。
15
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
薬剤名等
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱するおそれが
HIV 感染症治療薬
ある。
HIV プロテアーゼ阻害剤
ネルフィナビルメシル酸塩、
リトナビル
ダルナビル
非ヌクレオシド系逆転写酵素
阻害剤
ネビラピン
機序・危険因子
エチニルエストラジオールの
AUC が減少する。
エトラビリン
本剤の血中濃度が上昇するおそ
れがある。
エトラビリンは本剤の代謝酵
素(CYP2C9)を阻害すると考え
られる。
フルコナゾール
本剤の血中濃度が上昇するおそ
れがある。
フルコナゾールは本剤の代謝
酵素(CYP3A4)を阻害すると考
えられる.
ボリコナゾール
本剤の血中濃度が上昇するおそ
れがある。
ボリコナゾールの血中濃度が上
昇するおそれがある。
ボリコナゾールは本剤の代謝
酵素(CYP3A4)を阻害すると考
えられる。本剤がボリコナゾー
ルの代謝酵素(CYP2C19)を阻
害すると考えられる。
アセトアミノフェン
本剤の血中濃度が上昇するおそ
れがある。
アセトアミノフェンの血中濃度
が低下するおそれがある。
アセトアミノフェンはエチニ
ルエストラジオールの硫酸抱
合を阻害すると考えられる。
本剤が肝におけるアセトアミ
ノフェンのグルクロン酸抱合
を促進すると考えられる。
本剤の効果の減弱化及び不正性
器出血の発現率が増大するおそ
れがあるので、本剤投与時はセ
イヨウオトギリソウ含有食品を
摂取しないよう注意すること。
この食品は肝の薬物代謝酵素
を誘導し、本剤の代謝を促進す
ると考えられる。
セイヨウオトギリソウ
(St.John's Wort、セント・ジ
ョーンズ・ワート)含有食品
8.副作用
① 副作用の概要
承認時及び承認後の安全性解析対象合計 665 例中の副作用発生症例は 42 例(6.32%)で、消化器系の症状(悪心・
嘔吐、食欲不振等)が主であった。
なお、自発報告のみで報告された副作用は頻度不明とした。
(1) 重大な副作用と初期症状
血栓症(脳,心筋,肺,網膜,四肢等)
血栓症(脳,心筋,肺,網膜,四肢等)
(0.1~0.2%未満)があらわれることがある。
次のような場合は,投与を中止すること。
初めて片頭痛が発現したとき,又は激しい頭痛が頻発するとき,急性視力障害,血栓性静脈炎又は血栓塞栓症の
初期症状があらわれたとき,手術予定(6 週間前)及び体を動かせない状態(事故など)で顕著な血圧上昇がみ
られたとき。
16
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
(2) その他の副作用
頻度
0.1~5%未満
種類
頻度不明
肝
臓注 1)
肝機能の異常
黄疸等
子
宮
不正出血(破綻出血,点状出血)
経血量の変化,帯下の増加等
乳
房
乳房緊満感
乳房痛等
過敏症注 2)
発疹等
注 1)
電解質代謝
浮腫,体重増加
循環器
動悸,血圧上昇等
消化器
悪心・嘔吐,食欲不振,胃痛等
下痢,腹痛,便秘,口内炎,口渇等
精神神経系
頭痛,眠気,けん怠感
めまい,神経過敏等
皮
ざ瘡等
色素沈着注 3)等
コンタクトレンズがうまく調節さ
れない等
膚
その他
熱感,腰痛,肩こり,冷感
注 1:投与を中止するなど適切な処置を行うこと
注 2:投与を中止すること
注 3:長時間,太陽光をあびないよう注意すること
② 項目別副作用発現率及び臨床検査値異常(副作用として)一覧
時期
対象
調査施設数
調査症例数
副作用発現症例数
副作用発現件数
副作用発現症例率(%)
副作用の種類
肝臓
肝機能異常
長期連用
血栓
子宮
点状出血
乳房
乳房緊満感
電解質代謝
浮腫
体重増加
消化器
悪心・嘔吐
食欲不振
胃痛
胃部不快感
精神神経系
頭痛
眠気
けん怠感
承認時までの調査
承認時以降の調査
計
6
64
8
12
12.5
56
601
34
63
5.66
副作用発現件数(%)
1(0.17)
1(0.17)
1(0.17)
1(0.17)
2(0.33)
2(0.33)
1(0.17)
1(0.17)
4(0.67)
1(0.17)
3(0.50)
41(6.82)
27(4.49)
7(1.16)
2(0.33)
5(0.83)
8(1.33)
2(0.33)
1(0.17)
5(0.83)
62
665
42
75
6.32
1(1.56)
1(1.56)
9(14.06)
6(9.38)
3(4.69)
1(1.56)
1(1.56)
17
2(0.30)
2(0.30)
1(0.15)
1(0.15)
2(0.30)
2(0.30)
1(0.15)
1(0.15)
4(0.60)
1(0.15)
3(0.45)
50(7.52)
33(4.96)
7(1.05)
5(0.75)
5(0.75)
9(1.35)
3(0.45)
1(0.15)
5(0.75)
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
副作用の種類
皮膚
鼻のかゆみ
にきび
その他
熱感
腰痛
四肢冷感
肩こり
承認時までの調査
1(1.56)
1(1.56)
副作用発現件数(%)
承認時以降の調査
1(0.17)
1(0.17)
4(0.67)
1(0.17)
1(0.17)
1(0.17)
1(0.17)
計
2(0.30)
1(0.15)
1(0.15)
4(0.60)
1(0.15)
1(0.15)
1(0.15)
1(0.15)
「新医薬品等の副作用等の使用成績の調査報告書」(1982 年)による
③ 基礎疾患,合併症,重症度及び手術の有無等背景別の副作用発現率
該当資料なし。
④ 薬物アレルギーに対する注意及び試験法
発疹等があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
9.高齢者への投与
該当なし
10.妊婦,産婦,授乳婦等への投与
(1)妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので,妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しな
いこと。
(2)母乳の量的質的低下が起こることがある。また、母乳中へ移行することが報告されているので,授乳中の婦
人には慎重に投与すること。
11.小児等への投与
骨端の早期閉鎖をきたすおそれがあるので,骨成長が終了していない可能性がある患者には観察を十分に行い慎重
に投与すること。
12.臨床検査結果に及ぼす影響
該当資料なし。
13.過量投与
該当資料なし。
18
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
14.適用上の注意及び薬剤交付時の注意(患者等に留意すべき必須事項等)
薬剤交付時:PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導すること。
(PTP シートの誤飲により,
硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されてい
る)
15.その他の注意
(1)黄体・卵胞ホルモン剤の使用と先天異常児出産との因果関係はいまだ確立されたものではないが,心臓・四
肢等の先天異常児を出産した母親では対照群に比して妊娠初期に黄体又は黄体・卵胞ホルモン剤を使用して
いた率に有意差があるとする疫学調査の結果が報告されている。
(2)外国での疫学調査の結果,類薬(経口避妊薬)の服用により乳癌及び子宮頸癌になる可能性が高くなるとの
報告がある。
(3)黄体・卵胞ホルモン配合剤の長期服用により肝腫瘍が発生したとの報告がある。また,腫瘍の破裂により腹
腔内出血を起こす可能性がある。
(4)卵胞ホルモン剤を妊娠動物に投与した場合,児の成長後腟上皮及び子宮内膜の癌性変性を示唆する結果が報
告されている。また,新生児に投与した場合,児の成長後腟上皮の癌性変性を認めたとの報告がある。
16.その他
19
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
1.一般薬理
ノルゲストレルは ED50=92mg/kg で催眠増強作用を,オキシトシンによって誘発された発情期と妊娠初期の摘出子
宮の収縮に対して,用量依存的な抑制作用を示した。配合剤でも同様の効果が見られた。5、6)
2.毒性
① 単回投与毒性試験7)
投与法
LD50(mg/kg)
ラット(SD 系)
ノルゲストレル
+
エチニル
エストラジオール
=10:1
マウス(ICR 系)
p.o.
♂
> 5000
♀
> 5000
♂
> 5500
♀
> 5500
s.c.
> 5000
> 5000
> 5500
ca.5500
i.p.
2500
(1692~3185)
2250
(1931~2621)
3100
(2656~3617)
3500
(3070~3990)
投与法
LD50(mg/kg)
中毒症状
マウス(MMRI 系)
ノルゲストレル
+
エチニル
エストラジオール
=10:1
p.o.
♂
> 2500
♀
> 2500
s.c.
> 2500
> 2500
i.p.
1500
1600
(1300~1800)
(1400~1800)
投与後症状
不元気,無慾状,虚脱
感
剖検
生存動物
:一部に肝肥大,肝
鬱血,肝小灰白色
病巣
i.p.のみ肝葉間癒
着
死亡動物
:肺の鬱血性浮腫
② 反復投与毒性試験
ラットに体重 kg 当たり,ノルゲストレル 500mg,エチニルエストラジオール 50mg の配合剤を 1 カ月間投与した
結果,体重増加抑制,主にオスに性器萎縮,軽度のリンパ球減少が認められた。これらは一般的なエストロゲン
およびプロゲステロン作用で認められる所見であった。8)
ラットに体重 kg 当たり,ノルゲストレル 6mg,エチニルエストラジオール 0.6mg の配合剤を 1 年間経口投与した
結果、体重増加抑制および生殖器、内分泌腺に対するエストロゲン・プロゲステロン作用に基づく変化が認めら
れるのみであった。9)
③ 生殖発生毒性試験
ラットおよびマウスについて妊娠初期試験では 0.11mg/kg,器官形成期試験および妊娠後期試験では 1.1mg/kg
のノルゲストレル:エチニルエストラジオール(10:1)配合剤を規定の期間投与した結果,母動物および胎児
に重大な病的障害を起こすと考えられる結果は得られなかった。10)
④ その他の特殊毒性
薬物依存性試験:ラットおよびマウスにおいて,ノルゲストレルおよびノルゲストレル+エチニルエストラジオ
ール配合剤によると考えられる薬物依存性に関する中枢神経作用は認められなかった。
20
Ⅹ.取扱い上の注意、包装、承認等に関する項目
1.有効期間又は使用期限
使用期限:5 年
2.貯法・保存条件
室温
3.薬剤取扱い上の注意点
注意-医師等の処方せんにより使用すること。
4.承認条件
特になし
5.包装
210 錠(21 錠×10)
2,100 錠(21 錠×10×10)
6.同一成分・同効薬
同一成分:該当なし
同効薬:ノルエチステロン・メストラノール配合剤,ノルエチステロン,クロルマジノン酢酸エステル・ノルエチ
ステロン配合剤
7.国際誕生年月日
1965 年 4 月 22 日(インド)
8.製造・輸入承認年月日及び承認番号
輸入承認年月日:1978 年 5 月 18 日
承
認
番
号:22000AMX01562000
9.薬価基準収載年月日
1979 年 4 月 19 日
10.効能・効果追加,用法・用量変更・追加等の年月日及び内容
1987 年 8 月 25 日:効能・効果追加(月経困難症)
1989 年 5 月 11 日:効能・効果変更(卵巣機能不全による不妊症:下線部削除)
21
Ⅹ.取扱い上の注意、包装、承認等に関する項目
11.再審査結果,再評価結果公表年月日及びその内容
再評価結果公表年月日
1989 年 3 月 1 日
12.再審査期間の年数
なし。
13.長期投与の可否
可
14.厚生省薬価基準収載医薬品コード
2482005F1041
15.保険給付上の注意
22
ⅩⅠ.文献
1.引用文献
1)Swyer G.I.et al.
:J.Reprod.Fertil.Suppl
2)Edgren R.A.et al.
:Steroids
5:63~68(1968)
2 (3)
, 319(1963)
3)Kolb K.H.et al.
:未発表(薬物動態)
4)Ruelivs HW:Drug.Metab.Rev. 4 (1)
, 115(1975)
5)Edgren, R.A.et al:J.Reprod.Fert.Suppl
6)西村
毅他:薬物療法
5 (4)
,
5,
49(1972)
7)江角吉造他:薬物療法
9(7・8)
, 1119(1976)
8)江角吉造他:薬物療法
4 (2)
, 267(1971)
9)江角吉造他:薬物療法
4 (2)
, 237(1971)
10)江角吉造他:薬物療法
9 (6)
, 947(1976)
2.その他の参考文献
1)本多
啓他:産婦人科の世界
27 (2)
, 183(1976)
2)石原貞尚他:薬物療法
9 (1)
, 105(1976)
3)唐沢陽介他:臨床評価
4 (3)
, 459(1976)
4)坪井照夫他:薬物療法
3 (9)
, 1629(1970)
5)飯沼博朗他:産科と婦人科
6)的埜
中他:薬物療法
39 (6)
, 827(1972)
3(12), 217(1970)
7)鎌田昌平他:臨床と研究 48 (1), 254(1971)
8)伊藤
巌他:診療と新薬 8 (1), 201(1971)
9)岩本
和雄:薬物療法
4 (6)
, 947(1971)
10)木村 好秀:薬物療法 5 (7)
, 1457(1972)
11)木村 好秀:薬物療法 5(10)
, 2169(1972)
12)古屋 鞆彦:薬物療法 5 (9)
, 2057(1972)
3.文献請求先
あすか製薬株式会社
くすり相談室
〒108-8532 東京都港区芝浦二丁目 5 番 1 号
TEL 0120-848-339 03-5484-8339
FAX 03-5484-8358
23
13(1968)
ⅩⅡ.参考資料
主な外国での発売状況
ドイツ,スイス,アメリカ,イギリス他 67 カ国以上において発売。
24
ⅩⅢ.備考
25