平成２２年０８月２０日福岡県信用農業協同組合連合会ＪＡバンク福岡における地域密着型金融の取組状況（平成２１年度）ＪＡバンク福岡（福岡県下ＪＡと福岡県信用農業協同組合連合会）では，農業と地域社会に貢献するため，平成１９∼２１年度ＪＡバンク福岡中期戦略に基づき地域密着型金融の推進に取組んでまいりました。平成２１年度の地域密着型金融の取組状況について取りまとめましたので，ご報告いたします。１農山漁村等地域の活性化のための融資を始めとする支援ＪＡバンク福岡は，地域における農業者との結び付きを強化し，地域を活性化するため，次の取組みを行っています。（１）農業融資商品の適切な提供・開発ＪＡバンク福岡は，各種プロパー農業資金を提供するとともに，農業近代化資金や日本政策金融公庫資金の取扱いを通じて，農業者の農業経営と生活をサポートしています。平成２２年３月末時点のＪＡバンク福岡の農業関係資金残高は，４０，８３０百万円となっています。【資金種類別農業資金残高】種プ農ロ業農業その類パー制度近代化他制度合計単位百万円２２年３月末現在資金資金資金資金２９，６０３１１，２２６（４，２５７）（６，９６９）４０，８３０（注）１プロパー資金とは，当会原資の資金を融資しているもののうち，制度資金以外のものをいいます。２農業制度資金には，①地方公共団体が直接的または間接的に融資するもの，②地方公共団体が利子補給等を行うことで当会が低利で融資するもの，③日本政策金融公庫が直接融資するものがあり，ここでは①の転貸資金と②を対象としています。３その他制度資金には，農業経営負担軽減支援資金などが該当します。【農業資金の受託貸付金残高】種類単位百万円２２年３月末現在日本政策金融公庫資金その他合計８，５８４０８，５８４（注）ＪＡバンクでは，主にはＪＡを窓口として，日本政策金融公庫資金の受託貸付金を取り扱っています。 1 【営農類型別農業資金残高】単位百万円２２年３月末現在穀作１，４０１野菜・園芸２，９８９果樹・樹園農業９２０工芸作物３６４養豚・肉牛・酪農１，４２９養鶏・鶏卵５７養蚕０その他農業２６，０８７農業関連団体等 (注) １農業関係の貸出金とは，農業者，農業法人および農業関連団体等に対する農業生産・農業経営に必要な資金や，農産物の生産・加工・流通に関係する事業に必要な資金等が該当します。２「その他農業」には，複合経営で主たる業種が明確に位置づけられない者，農業サービス業，農業所得が従となる農業者等が含まれています。３「農業関連団体等」には，ＪＡや全農(経済連)とその子会社等が含まれています。７，５７９合計４０，８３０（２）担い手のニーズに応えるための体制整備ＪＡバンク福岡では，地域の農業者との関係を強化・振興するための体制整備に取組んでいます。ＪＡでは，本支店の農業融資担当者が，営農・経済担当者がお聞きした情報も含めて把握して，農業融資に関する訪問・資金提案活動を実施しています。また，県内２１ＪＡの本店には３６人の「担い手金融リーダー」が設置され，支店の活動をサポートしています。信連では，ＪＡにおける農業融資機能の強化に向けた取組みをサポート（農業者からの相談のバックアップ，ＪＡとの協調融資など）しています。（３）ＪＡ内事業間連携の強化農業者の多様なニーズにＪＡをあげて応えていくため，営農・経済事業等との合同会議・研修会の開催や農業者への同行訪問等により，これまで以上に，ＪＡ内事業間連携を強化しています。具体的取組事例ＪＡの営農・経済事業職員を対象にした研修会において、農業金融に関する項目を設け、組合員からの営農・生活資金等の借入相談に対応できるよう知識習得を行っている。（４）農商工連携の推進ＪＡバンク福岡では，ＪＡグループ福岡が主催する農機具等の展示即売会において、購入資金等の相談ブースを設置し、資金借入の相談対応を行っています。【開催状況】商談会名開催日主催者参加団体数総来場者数内容あぐりフェスタ２００９ 7/24 ∼ 7/25 ＪＡグループ福岡 49 団体 4,158 名・農機具等の展示即売会・営農及び各種相談会 2 （５）生産者と消費者をつなげる場の設置ＪＡバンク福岡では，ＪＡバンクアグリサポート事業の一環として，生産者と消費者をつなげる交流イベント「元気な食をいただきます。ⅰｎ福岡」（２１年２月１日，福岡市国際センター）を開催し，３，４１８名の方にご来場いただき，好評を博しました。２担い手の経営のライフサイクルに応じた支援ＪＡバンク福岡は，担い手をサポートするため，ライフサイクルに応じて，次の取組みを行っています。（１）新規就農者の支援ＪＡバンク福岡では，新規就農者の経営と生活をサポートするため，就農支援資金を取り扱っています。【新規就農者をサポートする資金の取扱い実績】平成２１年度実行件数就農支援資金転貸 15 担い手サポートⅠ 17 担い手サポートⅡ 0 合計 32 平成２１年度実行金額 74 81 0 155 単位件，百万円平成２２年３月末残高 243 155 66 464 （２）経営不振農家の経営改善支援ＪＡバンク福岡では，農家負担軽減支援特別資金の対応にあたり，農業者の経営再建に向けて関係機関と協議を行いながら取り組んでいます。【21年度の農業者の経営改善支援等の取組み実績】（単位：先数）経営改善支援取組先α αのうち期末に債務者区分がランクアップした先数β 正常先① 要注意先うちその他要注意先② うち要管理先③ 破綻懸念先④ 実質破綻先⑤ 破綻先⑥ 小計(②∼⑥の計) 合計 534 680 24 307 436 18 1,465 1,999 3 8 0 40 26 7 81 84 αのうち期末に債務者区分が変化しなかった先数γ 526 641 24 261 410 11 1,347 1,873 αのうち再ランク生計画を策アップ率定した先数 δ ＝β／α 0 7 0 0 0 0 7 7 0.6% 1.2% 0.0% 13.0% 6.0% 38.9% 5.5% 4.2% 事業計画策定率＝δ／α 0.0% 1.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.5% 0.4% （注）１債務者数，経営改善支援取組先は，個人ローン，住宅ローンのみの先を含みません。２ βには，当期末の債務者区分が期初よりランクアップした先数を記載しています。なお，経営改善支援取組み先で期中に完済した債務者はαに含めていますが，βに含めていません。３期初に存在した債務者で期中に新たに「経営改善支援取組み先」に選定した債務者については（仮に選定時の債務者区分が期初の債務者区分と異なっていたとしても）期初の債務者区分に従って整理しています。４期中に新たに取引を開始した取引先については本表に含めていません。５ γには，期末の債務者区分が期初と変化しなかった先数を記載しています。６「再生計画を策定した先数」＝「農業再生委員会の再生計画策定先」＋「金融機関独自の再生計画策定先」 3 （３）ＪＡバンク福岡・セミナー等の開催ＪＡバンク福岡では，福岡県信連の融資先のお取引先様や系統団体を招いた講演会と情報交換会を開催し，異業種間の情報交流を促進しています。【講演会・セミナー開催実績】３講演会名主催者参加数講演内容ＪＡバンク福岡信連会セミナー（２１年７月１５日）福岡県信連６７団体（９７名）講師藤巻幸夫氏題目「ﾌｼﾞﾏｷ流ﾌﾞﾗﾝﾄﾞﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｽ（人脈が仕事を変える）」経営の将来性を見極める融資手法を始め，担い手に適した資金供給手法の提供ＪＡバンク福岡では，担い手の経営実態やニーズに適した資金の提供に努めています。（１）負債整理資金の提供による償還負担の軽減支援ＪＡバンク福岡では，農業者の経営再建を支援するため，負債整理資金を取り扱っております。平成２１年度の実績は以下のとおりです。【平成 21 年度負債整理資金の貸出実績】資金名資金の内容単位実行件数件，百万円Ｈ22／3 末実行金額残高 0 146 97 393 農業負担軽減支援資金 0 畜産特別支援資金 6 その他合計 6 97 539 ・農業負担軽減支援資金は，営農に必要な資金を借り受けたために生じた負債の借換えのための制度資金であり，ＪＡなどの融資機関において取り扱っています。・畜特資金は，過去の負債の償還が困難な畜産経営者に対する長期・低利の借換資金であり，ＪＡなどの融資機関において取り扱っています。４農山漁村等地域の情報集積を活用した持続可能な農山漁村等地域育成への貢献ＪＡバンク福岡では，地域社会へ貢献するため，次の取組みを行っています。（１）被災者への支援ＪＡバンク福岡では，福岡の被災者を支援するため，災害対策資金の創設や個別融資先の経営状況に応じて償還条件の緩和等に対応しました。単位件，百万円取組事例ＪＡ名豪雨災害に伴う特別金利の設定ＪＡ福岡市内容農業系・マイカー・リフォームに優遇金利をもおけた。 4 件数貸付実行金額２件１取組事例件数貸付実行金額ＪＡ筑紫平成 21 年 7 月 24 日の豪雨被害者に対しﾚｽｷｭｰﾛｰﾝ(農業経営資金・ﾘﾌｫｰﾑﾛｰﾝ・ﾏｲｶｰﾛｰﾝ)を発表し、融資金利を優遇する復旧支援を行った。３件 5 ＪＡふくおか八女平成 21 年 7 月 24 日から 26 日までの大雨で農畜産物の被害を受けた被害農家に対し、低金利・低保障料の資金を対応しました。８件 39 ＪＡむなかた九州北部の集中豪雨の被害者に対して復旧のための低金利の資金を創設しました。００台風で農業施設や農機等に被害を受けた組合員に対し低利の資金を制定した。０件０１３件４５ＪＡ名平成 21 年 7 月 24 日豪雨被害者に対する支援災害資金（ＪＡ独自資金）平成 21 年 7 月 24 日から 26 日までの大雨の対応九州北部豪雨の被害者に対する特別金利ﾛｰﾝ台風被害による営農資金金利軽減対応内ＪＡ粕屋容合計（２）地域住民の農業に対する理解促進ＪＡバンク福岡は，地域の小学生の農業に対する理解を促進するため，ＪＡバンク食農教育応援事業を展開し，農業にかかる教材「農業とわたしたちのくらし」の配布や農業体験学習の受入れ等に取組んでいます。教材「農業とわたしたちのくらし」は，ＪＡバンクを通じて，県下の小学校７６２校へ，５５，２４０セット配布され，学校の授業等において活用されています。また，県下ＪＡでは，下表のような食農教育などの実践活動に取組んでいます。【ＪＡバンク食農教育応援事業による活動内容】ＪＡ名活動名ＪＡむなかたＪＡにじＪＡたがわキッズクラブ農業体験学習作品コンクール活動内容農業体験・地元農産物を使っての料理体験など野菜収穫および味噌づくり体験学習食と農を題材とした「図画・書写・作文」の作品ｺﾝｸｰﾙ以上 5