p24アッセイ、Titer計測方法 - Sigma

biosilencing
2011/02/01 up
MOIの計測の仕方
j_shRNA09.pdf
■ 感染多重度 (Multiplicity of Infection; MOI)
感染多重度(MOI)は、1細胞あたりに導入されるレンチウイルスパーティクルの数を示しています。新しい細胞系にレンチウイ
ルスを導入する場合は、幾つかのMOIで実際にテストする事が強く推奨されます。MOIの調製は、ウェルあたりの細胞数を増
加または減少させるか、ウェルに添加するレンチウイルスの量を増加または減少させることによって行います。このようにMOI
を検討することで、使用する各細胞系で効率的な導入に必要なレンチウイルスの最適な量が決定します。MOIを0.5、1、2、5
でテストする事をお勧めします。
■ 計算方法:
(1ウェル中の全細胞数) x (目的のMOI) = 必要な総導入ユニット (TU)
(必要な総TU) / (CofAに記載されているTU/mL) = 1ウェルに入れるレンチウイルス粒子の総量 (mL)
■ ピューロマイシン滴定(セレクションを行う場合)
ピューロマイシン滴定(濃度別のピューロマイシンによる細胞生死試験)は、新しい細胞系の検討を始める際に必ず確認してく
ださい。
1. 新しい培地120 µLで調製した1.6 x 104の細胞を96穴プレートに各ウェルに入れる。
2. 翌日、0.5 ~10 µg/mL のピューロマイシンを各ウェルに分注。
3. 細胞の生存率を2日ごとに調べる。
4. ピューロマイシンを含んだ培地を3日間ごとに交換して、10~14日間培養する。
5. 目的の細胞系で、3 ~5日後に細胞を死滅させた最小濃度のピューロマイシンを使用してください。
p24アッセイ、Titer計測方法
■ Titer 測定法は?
レンチウイルスのエンベロープタンパクである、p24 の測定を行っております。p24 titer assay(ELISA法)を用いております。
■ p24 assay の原理は?
1. [ 分子の数 / アボガドロ定数 ] より、p24 の mol 数/ウイルスを算出する。
(2×10^3) / (6×10^23) = 2 / 6×10^-20mol
2. [ mol 数 × 分子量 ] より p24 の質量/ウイルスを算出する。
(2 / 6×10^-20mol)×(24×10^3 Da) = 8×10^-17 g /ウイルス
3. p24の質量/ウイルスの値から、p24 1pgあたりのウイルス数xを求める。
ウイルス1個 : p24の質量(g) = ウイルス個数 : 1pgのp24
1 : 8×10^-17 = [ウイルス個数] : 1×10^-12g
∴ [ウイルス個数] = (1×10^-12) /(8×10^-17) = 1.25×10^4 ≒ 1×10^4
従って p24 1pg あたり、1×10 ^4 =10,000個のウイルスが存在する計算結果となります。
感染力のあるウイルスは 1 TU/100個 ~ 1 TU/1000個なので、
p24の量から TU を算出すると、10~100 TU/pg となります。
! 200µl
のウイルス(約1×10^6のTU/ml)で何回分の実験に利用できますか?
Hint
必要なウイルスは使用する細胞により異なるため、正確な回数はご回答できかねます。たとえば HeLa
や HEK293T の場合1回の実験に 4µl 必要であるため、約50回分の実験が可能です。
(96-well plate、~16,000 cells) primary cell など、遺伝子導入が困難な細胞はさらに多くの量が必要と
なります。