ゲームに対する社会的理解を促すために 次代を担う子供たち

カプコンの社会的責任(CSR)
ANNUAL REPORT 2007
ゲームに対する社会的理解を促すために
次代を担う子供たちの教育支援活動に取り組んでいます。
ゲームという
「遊文化」
を正しく理解し、適切に付き合い楽しんでいただくよう働きかけることは、ゲームソフトメーカーである
当社の存立にも影響する重要な社会的使命と考えております。
子供たちの会社訪問を受け入れ、教育用図書を発行することで教育支援を行っています。
学習漫画を発行し、
全国の小学校および図書館へ寄贈。
総合学習の一環として
小中学生の会社訪問を受け入れ。
当社はゲームというエンターテインメントを通じて
「遊文化」
をク
当社は2007年5月、株式会社学習研究社(学研)
と共同で、学
リエイトし、多くの人に
「感動」
を与えるソフト開発をメインとする
習漫画「テレビゲームのひみつ」
を発行しました。本書は、会社訪問
「感性開発企業」
となることを、経営の基本理念としております。
時に当社が説明しているゲーム業界やゲームの開発過程、ゲーム
ゲームソフトは比較的新しい文化であるため、十分な学術的研究
との適切な付き合い方、クリエーターになるために必要な勉強方
を経ていないことから、一般社会ではその文化的側面があまり認識
法などをふんだんに盛り込んでおり、総合学習にも使用される教
されず、暴力表現などによる悪影響論のみが根強く喧伝されており
育用図書として、社団法人日本PTA全国協議会から推薦を受けて
ます。一方では、ゲームクリエーターという職種は、
「将来なりたい
おります。さらには保護者の方に向けても、子供がゲームと適切に
職業」
として子供たちに高い人気を誇っているのも事実です。
付き合うためのポイントを解説したり、昨今のゲーム脳に関する議
当社はゲームソフトを制作するメーカーとして、ゲームに対する
論を紹介したりと、ゲームが家庭に普及した現在の状況に配慮した
社会的理解を促すために、学生の教育支援や社会教育を通じ、ゲー
内容となっております。当社は、本書の内容をより多くの人に知っ
ムとの適切な付き合い方に関する啓蒙活動に取り組んでいます。
てもらうために、全国24,000校の小学校および2,700ヵ所の公
その一環として、文部科学省の新指導要領「総合的な学習」の意義
立図書館に無償で提供いたしました。
に賛同し、学生の会社訪問を積極的に受け入れており、これまでに
当社にとって子供たちは主要なユーザーでもあり、次代の産業
小中学校を中心に65校、314人(2007年7月末現在)の会社訪
の担い手でもあります。我々は子供たちへの教育支援活動を通じ
問を受け入れました。
て、広くゲームへの理解を深め、文化としての成熟度を高めるべく
さらに、当期からは本活動を一層発展させ、より積極的に教育界
取り組んでまいります。
からの教育連携の要請に応えるべく、2007年6月に、埼玉県内の
中学校にて、東京証券取引所および日本証券業協会と共同で学生
の「調べ学習」
をサポートする出前授業を開催するなど、教育支援
活動における新しいプログラムを開始しました。ゲーム開発という
仕事の意義、ゲームができるまでの過程を解説し、その社会的な位
置づけを理解していただくことで、学生の進路指針の一助となるこ
とを目指しております。
職業学習の様子
『学研 まんがでよくわかるシリーズ テレビゲームのひみつ』
ゲームクリエーターの仕事やゲーム制作のプロセスをはじめ、
出前授業の風景
日本のゲーム産業の経済的競争力など、子供たちだけでなく
先生や保護者にも参考になる内容をわかりやすく掲載。
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