TRIZ – 発明的問題解決理論

TRIZ – 発明的問題解決理論
- イノベーションのための切り札 -
株式会社創造開発イニシアチブ
2010/3/10
Copyright SKI 2010
1
TRIZの概要
TRIZ とは

過去の科学技術の知識(特許)を整理・
共通化し、問題解決の土台を作った。

技術問題を共通の土台の上で効率良く
解決するもの。

問題解決のための分析と解決法の両方を
含む方法論と知識を提供する。
2010/3/10
Copyright SKI 2010
2
TRIZの概要
TRIZ:発明的問題解決理論
・ TRIZ (トゥリーズ: trees と同じ発音)
テオーリヤ リシェーニヤ イゾブレターテルスキフ ザダーチ
・ TIPS (Theory of Inventive Problem Solving)
Genrich Altshuller
ロシアの特許技術者(1946)
 250万件以上の特許の分析
 発明的問題解決への科学的・体系的アプローチ
発明的問題:
自社の技術、知識で解決できない技術的問題

少数の発明原理と戦略を応用することで革新が生まれる。

強力な解決策は、設計の現場でたいていは基本的なものと
仮定している対立やトレードオフを積極的に探し出して
破壊する。
2010/3/10
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3
TRIZの概要
問題解決の五つのレベル
レベル 割合
内
容
1
18%
その分野の固有技術や手段によって最適化は図られているが、
技術的矛盾は解決されていない
2
57%
同一分野の原理や法則によって技術的矛盾が解決され、既存
システムが改善されている
3
21%
既存システムの本質的な改善であり、他の分野の原理や法則
などを活用することによって技術的矛盾が解決されている
4
3%
既存システムの改善ではなく、幅広い知識による新しい技術シ
ステム開発をベースにした創造
5
1%
新しい科学的原理や法則の発見をベースにした高いレベルの
創造であり、社会に多大なインパクトを与えるもの
レベル4または5の一つに対し、約65件のレベル3が生まれ、
発
明
的
問
題
の
解
決
それら一つ一つから平均24件のレベル1または2が生まれる
2010/3/10
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4
TRIZの概要
発明的問題の解決-イノベーション
の障害になっているものは...

心理的惰性 (Psychological Inertia)

幅の狭い知識

トレード・オフによる解決策
折衷的(妥協的)な解決
2010/3/10
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5
TRIZの概要
心理的惰性
発想が過去の経験や知識にとらわれてしまう
着陸の振動で割れてしまう!
⇒ どうする?
月面探査船 LUNA-16
LUNA-16
2010/3/10
Light
が発想のスタート
⇒ 心理的惰性
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6
TRIZの概要
幅の狭い知識
発明的問題とは
自社/自分野の技術、知識で解決できない技術的問題
自分の専門分野の知識は十分、
しかし、他分野の知識は?
優れた問題解決を行うためには、
他分野の知識も必要!
その領域は膨大!!
2010/3/10
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7
TRIZの概要
トレードオフ思考
対
ブレイクスルー思考
高品質 or 低コスト
高品質 and 低コスト
廉価版 or あつらえ
廉価版 and あつらえ
初期コスト or ライフサイクル
コスト
柔軟 or 固い
初期コスト and ライフサイクル
コスト
柔軟 and 固い
大きい or 小さい
大きい and 小さい
適応者 or 革新者
適応者 and 革新者
A or B
2010/3/10
A and B
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8
TRIZの概要
通常の設計思想とTRIZの設計思想
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
通常の設計思想
TRIZの設計思想
双曲線は、「現在の設計能力の線」、
or、「現在の設計パラダイム(共通
の認識)」を表す。
矛盾の解決により、双曲線は、
グラフの原点に向かって移動する。
パラメータB
良い
悪い
パラメータB
通常の設計戦略:
この曲線上での最適点
(最善の妥協点)を探す
悪い
良い
良い
悪い
良い
パラメータA
2010/3/10
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パラメータA
悪い
9
TRIZの概要
TRIZの特徴/考え方




アイデアを得る手がかりを、発明者の思考法を
分析することではなく、特許の中に求めた事。
特許とは人間の知恵の集約であり、分析の数が
増えれば、客観的で普遍的なものが得られる。
多数の優れた特許には、一定のパターンがある。
特許中の問題解決のプロセスを分析/整理すれば、
優れた問題解決手法が出来る。
2010/3/10
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10
TRIZの概要
従来の発想法や創造手法との比較
思考の種類
問題分析
(問題定義)
問題事象のパター
ンや機能を文字ま
たは図表で分析す
る。
問題定義ができれ
ば60%問題解決と
同じ。
(収束思考)
問題解決
問題を特定して何
かのヒントを得て
解決する。
問題意識あればヒ
ントに出会ってア
イデアが湧く。
(拡散思考)
2010/3/10
TRIZ
従来発想法
A.空間型分析
① ツリー図法:
特性要因図、機能系統図、因果関連図
② 層別(マトリックス)法:
形態分析法、セブンクロス法
③ 島作り法:KJ法
④ XY座標法:ポジショニング法
⑤ 円区分法:レーザー分析法
ARIZ(問題解決のアルゴリズム)
*物質-場モデル(Su-Field)モデル
B.時系列型分析
フローチャート法、PERT法
A.自由連想
ブレンストーミング法、欠点列挙法、
希望点列挙法
B.類比思考
ゴードン法、シネクティクス、NM法
C.強制連想
属性列挙法、焦点法、チェックリスト法
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① マルチスクリーン
(過去、現在、未来の時間軸とスーパー
システム、システム、構成要素の空間軸
で思考)
② リソース分析
(物質、場、情報、空間、システムリソース)
③ STC(サイズ、時間、コスト)オペレータ
④ スマートリトルピープル
⑤ アイデアルマシン
① 矛盾と発明原理
物理的矛盾、技術的矛盾、
40の発明原理、矛盾マトリックス
② 知識/効果
目的機能で逆引き辞書検索
③ 発明標準解と進化トレンド
物質-場モデルと標準解、
技術進化の法則
11
TRIZの概要
TRIZでの問題解決の基本プロセス
・40の発明原理
・技術進化トレンド
・Effects
・発明標準解
TRIZの世界
TRIZの一般的問題
TRIZの一般的解決策
具体化
抽象化・単純化
自分の専門分野
実際の問題
実際の解決策
過去の経験、知識
現実の領域
2010/3/10
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12
TRIZの概要
階層的に見た「TRIZ全体像」
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
TRIZは、ツールであり、手法であり、思考法であり、思想である。
真理
思想
方法
ツール
2010/3/10
・思想(ものの見方、とらえ方、考え方):
理想性、矛盾、機能概念、リソース、
時間/空間/インタフェース
・方法:
問題定義/解決のプロセス
・ツール:
発明原理、物理的矛盾、技術的矛盾、
物質-場分析、発明標準解、進化トレンド
リソース、知識ベース、究極の理想解
トリミング、ARIZ
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13
TRIZの概要
TRIZの思想(5本柱)
時間/空間/インタフェース
盾
性
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リ ソ ー ス
想
機 能 概 念
矛
理
2010/3/10
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TRIZの概要
理想性 (Ideality)
すべてのシステムが良いものを増大させ、悪いものを
減少させるように進化するという概念

理想性は、「システムの進化を駆動する」重要な要素である

理想性とは、 「よいことを増し、悪いことを減らす」こと

理想性 = 「価値」 = 効用/(コスト+害)

究極の理想解(IFR):全ての効用をもち、コストや害のない
解決策

「ただで、完全で、今すぐ」 / 「ひとりでに」 (セルフ-X)
「現在の状況からスタートする」型の思考から、
「究極の理想解からスタートする」思考へ。
2010/3/10
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資料:Darrell Mann
15
TRIZの概要
通常のアプローチ方法
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より


通常は、「現行のシステム」を出発点として、
「持続的改善」が行なわれる。
「収穫逓減(ていげん:だんだん減る)の法則」により、
「時間が経つにつれ、より大きな努力を行なっても、
より小さなレベルの改善しか達成できない」ことになる。
持続的改善
現在の状況
「収穫逓減の法則」
ここから出発
通常の思考プロセス
2010/3/10
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16
TRIZの概要
「究極の理想解」を用いた戦略
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より


究極の理想解を出発点とし、「一連の解決策を後退しながら」
考える。
究極の理想解が達成できないなら、「最小限の後退は何か?」
を考え、実現可能な解決策を得るまで繰り返す。
ここからスタートする
現在の状況
究極の理想解
ここからスタート
してはいけない
中間の解決策
コストや害なしに
機能を達成する
究極の理想解を用いた戦略
2010/3/10
Copyright SKI 2010
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TRIZの概要
技術進化のSカーブ
価値
引退
理想性
成熟
=効用/(コスト+害)
(技術レベル)
幼児/成長
誕生
時間
着想
資料:Darrell Mann
2010/3/10
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TRIZの概要
技術が進化する方法
「価値」=効用/(コスト+害)
(理想性)
….. 第N世代 …..
第2世代
あるパターンに従って
技術が進化していく
第1世代
時間
資料:Darrell Mann
2010/3/10
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19
TRIZの概要
矛盾 (Contradictions)
矛盾の解消が進化(発展)の主要な原動力となる。
すべてのシステムは「矛盾」を含む。
 「矛盾」を扱う唯一の方法は、「妥協」と「トレードオフ」だと
仮定している。
 強力な解決策は、「 トレードオフ」を受け入れなかった解決策
である。
 従来は当然と考えていた「トレードオフ」を避け、また「妥協」を
解消する方法(戦略)が発見された。
 その戦略が「発明原理」で、そのツールが「矛盾マトリックス」
である。
 「矛盾」を積極的に探し求めるべきである。

資料:Darrell Mann
2010/3/10
Copyright SKI 2010
20
TRIZの概要
妥協やトレードオフではなく
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
通常の設計思想
TRIZの設計思想
双曲線は、「現在の設計能力の線」、
or、「現在の設計パラダイム(共通
の認識)」を表す。
矛盾の解決により、双曲線は、
グラフの原点に向かって移動する。
パラメータB
良い
悪い
パラメータB
通常の設計戦略:
この曲線上での最適点
(最善の妥協点)を探す
悪い
良い
良い
悪い
良い
パラメータA
2010/3/10
Copyright SKI 2010
パラメータA
悪い
21
TRIZの概要
機能概念 (Functionality)
システムについて考えるとき、システムが果たす
機能を考えることが最重要である。

TRIZをうまく適用するためには、
「機能の概念を、基礎レベルで理解する」ことが重要。
「解決策は変化するが、機能は変わらない。」
「コミュニケーションをとる」という「機能」は、ずっと必要。
しかし、その機能の実現のための解決策(手段)として、ずっと
「携帯電話」を使いたいとは思わないだろう。


機能で知識を分類すると、 他の人たちの解決策にすぐに
アクセスできるようになる。
資料:Darrell Mann
2010/3/10
Copyright SKI 2010
22
TRIZの概要
顧客が買うのは「機能」である
Proctor and Gamble
洗剤のビジネス
「きれいになった衣類」
Rolls-Royce
ジェットエンジンのビジネス 「推進力の時間売り」
Interface
絨毯の販売
「フロアの管理」
Electrolux
洗濯機の販売
「家庭内でクリーニング」
資料:Darrell Mann
2010/3/10
Copyright SKI 2010
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TRIZの概要
リソース (Resources)
一つのシステム内と周りにあるさまざまなもの
(悪いものさえも含む)の有効性を最大化する。
システム内、または周りにあって、その可能性の極限まで
まだ使われていないものすべてが、リソース (資源) である。
 害のあるものさえ含む。
 リソースを積極的(過酷なまで)に追求する。

 肯定的なリソースと共に、否定的なリソースも考慮する。
【例】
• 環境中のリソース: 温度、高度、圧力、など
• 低価格/豊富なリソース : 石、土、日光、など
• 製造プロセスのリソース: 工作機械、溶接、発酵、酸化、など
• 材料のリソース: 金属・合金、セラミック、ポリマー、など
• 人間に関するリソース: 身長、体重、脈拍、体温、など
2010/3/10
Copyright SKI 2010
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TRIZの概要
害を益に変える

共振(共鳴):
小さな入力信号を、大きな出力信号に増幅できる。
(例) ビンの洗浄
ビンを逆さにして、ビン内に水を上向きに噴射して洗浄していたが、
非能率的で大量の水が必要。
→ 「ビンの共振周波数」で水の噴射をパルス化
→ ビンが共振し、ごみや汚れを剥がしやすくなる。

熱エネルギー(廃熱):
殆どの形のエネルギー変換は「廃熱」を発生し、通常は除く努力を行うが、
それを潜在的なリソースと見なす。
(例)コジェネレーション
電気と熱を同時に供給するシステム。発電時に生じた排熱を給湯や
冷暖房に有効利用するなど。

失敗/故障した構成要素:
失敗/故障は、「システム内で何が起こっているか?」を理解する機会
となる。
2010/3/10
Copyright SKI 2010
25
TRIZの概要
空間/時間/インタフェース
(Space/Time/Interface)
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
問題を効率的に理解するためには、システムを「空間・時間・
インタフェース」 という観点から見ることが重要である。
- 状況をあらゆる角度から考えることが重要である。-



空間:
ズームインして詳細を見る。
→ ズームアウトして大きい全体像を見る。
時間:
時間の経過で状況がどのように変わるか
を考える。(ナノ秒/数十年単位の変化、
過去と未来の両方を考える。)
インタフェース:
システム内の部分が、互いにどのように
つながり、関係しているかを考える。
※「インタフェース」:
システムの構成要素間の相互の
つながりや関係
2010/3/10
システム・オペレータ(9画面法)
システムを時間と空間で考える。
上位
システム
システム
下位
システム
過去
Copyright SKI 2010
現在
未来
26
TRIZの概要
“Grand Illusions “より
2010/3/10
Copyright SKI 2010
27
TRIZの概要
ロングホーンの牡牛、
鯨の尾びれ
熊のスモーキー
ヒッチコック監督とその兄弟
鍵穴
ここに何が見えますか?
資料:Darrell Mann
2010/3/10
シール、ソンブレロ帽、
コートハンガー
Copyright SKI 2010
背中合わせで駐車
している2台の車
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問題定義
問題を定義する


問題の90%は、何が問題であるかを定義
すること。
一般に、「問題を定義する」モードの時より、
「解決する」モードの時が楽しく感じる。



好き/良いと思う解決策を一つ得ると、直ぐに
「満足」モードへ飛ぶ傾向もある。
「満足」モードの危険性を認識することが大切。
TRIZでは、不適切な問題定義による莫大な
無駄をさけるために、出来るだけ長く「定義
する」モードに留まるよう仕組まれている。
2010/3/10
Copyright SKI 2010
29
問題定義
問題を定義する
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
以下のステップ(1~4)はどんな順序で取組んでも良い。
また、必ずしも全てを実施しなくても良い。
実施した分だけの成果が期待できる。
1. 問題探索
①
②
③
④
⑤
効用分析
問題階層探索
リソースの特定
制約の特定
「泣き所」の特定
2. 機能と属性の分析
3. Sカーブ分析
4. 理想性/究極の理想解(IFR)
2010/3/10
Copyright SKI 2010
30
問題定義
効用分析 【Problem Description】
概要
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
問題記述
プロジェクト名
プロジェクト スポンサー
プロジェクト 顧客
プロジェクト チーム
自転車のサドルは乗り心地が悪い。
乗り心地を良くするために、サドルの幅を広くすると、ペダルを漕ぐ時の脚の動きを妨
害してしまう。
乗り心地が良く、脚の動きを妨害しないサドルを開発したい。
より優れた自転車のサドル
サドル社
サイクリングを趣味とする人々
サドル開発グループ
日時
・ 誰の問題か?
・ 誰が顧客か?
・ 誰がスポンサーか?
我々は、どこへ行こうとしているのか?
(目標は何か?)
効用
スポンサー
顧客
チーム
2010/3/10
2005.07.07
を明確にする
そこに着いたことを、どのようにして
知るのだろうか?(成功の尺度)
市場のシェアと収益性を増すサドル
四半期ごとの数字
画期的なサドルのデザイン
快適さを真に改善するもの
欠点のないもの
顧客からの積極的な評価
口コミで推薦されるもの
他にない画期的なサドル
特許性のある解決策
Copyright SKI 2010
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問題定義
問題階層探索 【Redefinition】
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より

「何が問題なのか?」、「どのレベルで問題を解こうとするのか?」を
考えることが目的
より広い問題
人々にもっと自転車に
乗って欲しい。
それなら
サドルの乗り心地が
悪い。
・なぜ、この問題を
解決 したいのか?
・なぜ? 他には?
【 Why? 】
(自転車に乗ることで)人々
が健康を維持して欲しい。
より広い問題
自転車の乗り心地を良く
したい。
当初の問題(ここからスタート)
なぜなら より優れたサドルを
造りたい。
より狭い問題
骨盤に沿って支持する
適応性のある形状とする。
より狭い問題
2010/3/10
・「広く」かつ「狭い」サドルが必要
・形状を変化できるサドルが必要
Copyright SKI 2010
【 What's stopping? 】
・この問題を解くのを、
何が妨げているか?
・何が? 他には?
その障害は?
・サドルが正しい位置で、
乗る人を支えていない。
・乗る人の体型がさまざま
である。
それなら
・広いサドルはペダル動作
を妨げる。
・サドルは形状を変える
ことができない。
32
問題定義
技術的リソース
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
システムの
周辺
過去
現在
未来
「製造・出荷・販売店」
「サイクリストがサドルを使用している」
「信頼性・性能保持」
梱包
店内展示
サイクリスト、体重、衣服
自転車の他の部分に対する相対位置
道の凸凹
重力、横力、トルク
空気
タイヤ、ライト、サドルカバー
サドルの下の空間、サイクリストの横の
サドル空間
日光、雨、風雨
他の乗る人
乗る人の体型変化
体重
治工具
支えパイプ
とめ具
パッド
バッグとめ具
ノーズ
疲労
プラスチック変形
リーク
磨耗変化
体重
材料の選定
ゲル充填
PVCコーティング
アルミ枠
プラスチックトリム
簡易脱着とめ具
調整機構
構成要素間インターフェース
ゲル破壊
システム
「サドルと
支えパイプ」
システム
内部
2010/3/10
Copyright SKI 2010
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問題定義
技術的制約
※ 変更できない構成要素、変更せずに残さねばならない機能、
変更できない仕様・プロセス、置き換えできないツール(工具・装置)
過去
システムの
周辺
システム
デザインXはNG
(5年前に試行
済)
システム
内部
2010/3/10
現在
未来
調整機構の変更は不可
車体に対する変更は不可
ハンドル特性に対する変更不可
アップグレードは
可能に
支えパイプ結合の変更は不可
重量増加は不可
構成の変更は不可
製造コスト増は不可
オフロードの役割
増大に伴う、耐久
性要求の増大
ゲルYの使用はNG
(耐久性が不十分)
ゲルZの環境許容
性に疑問あり
Copyright SKI 2010
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問題定義
ビジネス的制約
※ 時間・コスト・リスク・仕様の問題、スキルの利用可能性(欠如)
過去
現在
未来
「R&Dプロジェクト期間
(6ヶ月間)」
6ヶ月で市場へ
最初からきちんと
予算上限は1000万円
社内で製造する
製品ライフ中の
アップグレード機能
を追加
システム
(顧客を含む)
販売価格は現在より
高くないこと
「返金」保障
システム内部
(チーム)
全員が50%の兼任
「学んだ教訓」の
記録
システムの
周辺
(スポンサー)
以前の「学んだ
教訓」を考慮に
入れる
Darrell Mann2010/3/10
「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
Copyright SKI 2010
35
問題定義
泣き所 【sore point】
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より


泣き所: 要求されている効用をシステムが提供する
ことを妨げている要素
泣き所 ≒ 製造プロセスの「ボトルネック」
プロセスの処理能力を改善するためには、「ボトルネック」以外
を改善しても効果がない。

根本矛盾分析(Root Contradiction Analysis)
根本原因分析
類似点
相違点
根本矛盾分析
「なぜ?」を繰り返す
・ 多くの「データ」が必要
・ システムの「最適化」に
関係
2010/3/10
・ システム中で「何が起こって
いるか?」を定性的に理解する。
・ システムの限界(それ以上最適化
できないもの)を認識する。
Copyright SKI 2010
36
問題定義
「泣き所」の特定(根本矛盾分析)
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
何を改善しようとしているのか?
何が悪くなるのか?/何が妨げているのか?
乗り心地を良くするために、
サドルの幅を広げたい。
改善パラメーター
ペダルを漕ぐのが困難となる。
長さ
悪化パラメーター
なぜ?
↓
↓
サドルの形状が邪魔をして、ペダルを漕ぐのが
困難となる。
同上
改善パラメーター
操作の容易さ、
有害な効果
長さ
悪化パラメーター
形状
「静止物体の長さ」 vs 「形状」
・発明原理 13: 逆発想
・発明原理 15: ダイナミックス
2010/3/10
Copyright SKI 2010
37
問題定義
機能と属性の分析
機能概念
1.
◆ システムについて考えるとき、システムが提供する
「機能」を考えることが重要である。
システムは一つの主有用機能(MUF)を持ち、
構成要素は、この機能の遂行するためにある
(例):熱交換器の主有用機能は、作業媒体に熱を移すこと。
2.
システム中の「肯定的/否定的」両面の機能関係
を考慮する。(有効・不十分・過剰・有害な機能)
機能概念は、異なる産業間で知識を共有する
ことを可能にする。(知識ベース/物理的効果)
3.


洗剤は、「固体物を除去する」という機能に対する
一つの解決策。
知識を機能で分類、整理することで、洗剤メーカーは、
「固体物を除去する」機能を、他の業界がいかに実現
しているかを調べることが出来る。
2010/3/10
Copyright SKI 2010
38
問題定義
機能・属性分析モデル
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より

機能分析モデルとの比較
(例):エンジンでの、ピストンとオイル
機能分析モデル
「ピストン」が「オイル」を
損傷する
「ピストンの温度」が「オイルの化学的
安定性」を害する
害する
損傷する
ピストン
機能・属性分析モデル
オイル
温度
ピストン
2010/3/10
属性
Copyright SKI 2010
潤滑性
低圧縮性
化学的安定性
耐火性
オイル
属性
39
問題定義
機能分析モデルの作成(1)
研磨ブロック
レンズ

1.
2.
3.
(例):レンズの研磨
構成要素の特定。
「研磨ブロック」、「レンズ」
機能の定義
「研磨する」( ※ 動詞(能動態)で表現する。)
モデルの細分化。
研磨ブロック
研磨 する
「研磨ブロック」 ⇒ 「研磨粒子」、「結合剤」 に分ける
4.
5.
6.
その他の「機能」を追記
「主有用機能(MUF)」の定義
→ 主有用機能(MUF): 「研磨する」
MUFの向け先=「プロダクト」
→ プロダクト=「レンズ」とする。
研磨粒子
レンズ
保持する
結合剤
研磨する
レンズ
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
2010/3/10
Copyright SKI 2010
40
問題定義
機能分析モデルの作成(2)
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
7.
システムの周囲の関連物(システム外のもの)を、
「スーパーシステム」とする。
※以下などもスーパーシステムとなる。
・ システムから出るもの:廃棄物、音、振動、熱、など
・ 内容に関知しないものは、構成要素まで分解せずに
スーパーシステムとして扱える。
研磨機
研磨粒子
保持する
結合剤
研磨粒子
構成要素
レンズ
プロダクト
研磨機
スーパー
システム
研磨する
レンズ
2010.01.13
Copyright SKI 2010
41
問題定義
機能分析モデルの作成(3)
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
8.
9.
10.
11.
その他の機能を記載する。
「有害」機能を記載する。
「不足」機能を記載する。
「過剰」機能を記載する。
研磨機
保持する
保持する
動かす
動かす
加熱する
研磨粒子
結合剤
保持する
研磨する 加熱する
加熱する
2010/3/10
傷をつける
レンズ
各機能に対して質問する。
① この機能を強く(多く)
したいか?
Yes: → 「不足」機能 となる。
② この機能を弱く(少なく)
したいか?
Yes: →「過剰」機能 となる。
Copyright SKI 2010
42
問題定義
機能分析モデルの例
事例:縫い針
2010/3/10
Copyright SKI 2010
43
問題定義
Sカーブ分析
一般的なSカーブ特性
価値/
理想性
引退
成熟
幼児/成長
誕生
着想
時間
理想性 = 効用/(コスト+害)
資料:Darrell Mann
2010/3/10
Copyright SKI 2010
44
問題定義
位置づけを決める方法
機 能 の
特 性 値
IV
III
2
1
II
I
特 許 出
t
t1
t
2
t
3
t
t
2
t
3
t2
t3
2
3
願 数
発 明 の
内 容 (レ ヘ ゙ ル )
利 益 /
売 上
1
t1
2010/3/10
t
1
t
Copyright SKI 2010
T im e
T im e
T im e
T im e
45
問題定義
システムがSカーブ上のどこにあるか?
①
システムがSカーブ上の「初期段階」にある場合
・システムの改善に関わる問題解決を行っていることが多い。
・ある機能を提供する下位システム、構成要素が存在 しないこともある。
⇒ 「機能を付加する必要性」を特定する。
②
システムがSカーブ上の「末期段階(成熟端)」にある場合
・システムが、理想性の「根本的な限界」に近づくと、カーブが横ばいになる。
・その限界を越える唯一の方法は、システムを変更すること。
・製造プロセスは、Sカーブの成熟端にある場合が多い。
③
「複雑度最大点」の前か、後か?
・全てのシステムは、「最初は複雑度が増加し、その後、逆に減少」する。
・「複雑度最大点の前後で解決策が異なる。」
〔例〕 Sカーブの初期(複雑度が増加段階)で、トリミングを実施するのは
良くない。
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
2010/3/10
Copyright SKI 2010
46
問題定義
複雑度最大の点の位置は変動する。
理想性
物質-場の
タイプの問題群
矛盾、トレンドの
タイプの問題群
システムの複雑度
複雑度最大の点
A) 複雑なシステム
(数百以上の構成要素):
複雑度最大点は、
「Sカーブの中心寄り」
B) 単純なシステム:
複雑度最大点は、
「Sカーブの右寄り」
Sカーブ上の位置を特定しても、
複雑度最大点を通過したかどうかは
明確でない可能性もある。
◆ その場合は、特許の焦点が、コストの
最小化(部品数削減)にあれば、
複雑度最大点を通過したといえる。
◆
「複雑度最大の点」
が存在しうる領域
2010/3/10
「複雑度最大の点」を
過ぎてから後に
トリミングが可能
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
Copyright SKI 2010
47
問題定義
Sカーブ上の位置を確定する
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
特許のタイプ〔焦点〕
(業界リーダーの特許)
引退
コストを最小化する
↑
成熟
信頼性を最大化する
↑
効率を最大化する
システム 成長
↑
性能を最大化する
↑
誕生
きちんと作動させる
↑
着想
作動させる
時間
下位システム
2010/3/10
Copyright SKI 2010
48
問題定義
「理想性」と「究極の理想解」
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より




理想性の定義
効用
理想性 =
コスト+害
理想性の増大
システムが進化すると、より多くの効用を提供し、
悪いもの(コスト・害)を減らしていく。
究極の理想解
システムを極限まで進化させれば、システムは
効用のみを提供し、悪いもの(コスト・害)は何も
提供しなくなる。その状態が「究極の理想解」。
「現在の状況からスタートする」型の思考から、
「究極の理想解からスタートする」思考へ。
2010/3/10
Copyright SKI 2010
49
問題定義
通常のアプローチ方法
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より


通常は、「現行のシステム」を出発点として、
「持続的改善」が行なわれる。
「収穫逓減(ていげん:だんだん減る)の法則」により、
「時間が経つにつれ、より大きな努力を行なっても、
より小さなレベルの改善しか達成できない」ことになる。
持続的改善
現在の状況
「収穫逓減の法則」
ここから出発
通常の思考プロセス
2010/3/10
Copyright SKI 2010
50
問題定義
「究極の理想解」を用いた戦略
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より


究極の理想解を出発点とし、「一連の解決策を後退しながら」
考える。
究極の理想解が達成できないなら、「最小限の後退は何か?」
を考え、実現可能な解決策を得るまで繰り返す。
ここからスタートする
現在の状況
究極の理想解
ここからスタート
してはいけない
中間の解決策
コストや害なしに
機能を達成する
究極の理想解を用いた戦略
2010/3/10
Copyright SKI 2010
51
問題定義
究極の理想解による探索空間
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より

究極の理想解から後退するほど、探索空間が広がり、
考える必要がある数が多くなる。
この方向に戻るとオプションの数が増える
究極の理想解
現在の解決策
の空間
2010/3/10
究極の理想解から後退した
任意位置での解決策の探索空間
Copyright SKI 2010
52
問題定義
宝探しゲーム
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より




選んだ紐を、他の紐との絡まりをくぐりながらたどり、
紐の端にある「宝(究極の理想解)」にたどり着けばOK
問題解決には多くの選択肢があるが、その殆どは
「行き止まり」になっている。
その内の1本が、「宝=究極の理想解」まで達している。
それならば、「宝(究極の理想解)」から始めて、
出発点に戻る方が効果的。
2010/3/10
Copyright SKI 2010
53
問題定義
誰の「究極の理想解」か?

「芝刈り機」に対する究極の理想解の「違い」




メーカー: 芝を効率的に刈る機械。
見栄えが良い、静か、労力が不要、燃料が不要、
保守が不要、利益が出る。
販売店: 製品がひとりでに売れる。
利益率が良い、保障期間が過ぎれば修理/
買い替えが必要となる。
顧客: 見栄えが良く、世話が不要な「芝生」
顧客の究極の理想解

「ただで、完全で、今すぐ(free, perfect and now)」
自分のニーズに完全に合い、コストが不要なものを、
今すぐに望む。
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
2010/3/10
Copyright SKI 2010
54
解決ツール
問題のタイプと解決ツール(1)
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
節番号
問題/機会の状況
第1選択
解決ツール
第2選択
解決ツール
第3選択
解決ツール
第4選択
解決ツール
知識/効果
1-1
矛盾による頭打ち
物理的矛盾
技術的矛盾
トレンド
1-2
技術的矛盾
物理的矛盾
技術的矛盾
トレンド
1-3
物理的矛盾
物理的矛盾
技術的矛盾
トレンド
2-1
不十分な作用
知識/効果
トレンド
物質-場分析
矛盾
2-2
過剰な作用
トレンド
知識/効果
物質-場分析
矛盾
2-3
欠落した作用
物質-場分析
知識/効果
リソース
究極の理想解
3-1
システムが存在しない
究極の理想解
知識/効果
物質-場分析
3-2
システム改善/問題なし
究極の理想解
トリミング
矛盾
2010/3/10
Copyright SKI 2010
55
解決ツール
問題のタイプと解決ツール(2)
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
節番号
第1選択
解決ツール
第2選択
解決ツール
第3選択
解決ツール
究極の理想解
知識/効果
トリミング
究極の理想解
矛盾
雪崩を打ったような転換を
狙う(システムレベル)
究極の理想解
知識/効果
トレンド
雪崩を打ったような転換を
狙う(下位システムレベル)
究極の理想解
トレンド
知識/効果
矛盾
矛盾
物質-場分析
問題/機会の状況
4-1
測定問題
物質-場分析
4-2
信頼性に関する問題
信頼性の向上
と破壊分析
4-3
初期コストの削減
4-4
4-5
リスクなしの革新
知識/効果
リソース
5-1
他者の特許を回避する設計
知識/効果
トリミング
5-2
特許/特許出願を強化する
トレンド
知識/効果
6-1
機会を見出す
知識/効果
トレンド
6-2
最適化
最適化手法
6-3
分からない
6-4
解決策がない
2010/3/10
第4選択
解決ツール
ARIZ
心理的惰性
打破ツール
Copyright SKI 2010
56
問題解決
問題を解決する
•技術的矛盾/発明原理
•物理的矛盾
•物質ー場分析/発明標準解
•技術進化トレンド
•リソース
•知識ベース/物理的効果
2010/3/10
Copyright SKI 2010
57
問題解決
発明原理と矛盾マトリックス




TRIZの開発において、アルトシュラーは、特許分析
を行い、まずアイデアのエッセンス集としての
「40の発明原理」を作った。
そして、「どのような時に、どの発明原理を使うとよい
のか?」という質問に対して、「矛盾マトリックス」を
作成した。
矛盾マトリックスとは:
システムの「どんな側面(パラメータ)を改良しようと
すると、(通常の方法で改良しようとすると)、どんな
側面が悪化して困る。」という形式で問題を表現すれば、
適切な数個の発明原理が推奨される一覧表
その作成には、膨大な特許の内容を分析する必要
があり、そこにはTRIZのノウハウが結晶されている。
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 新版 矛盾マトリックス」 より
2010/3/10
Copyright SKI 2010
58
問題解決
矛盾



「矛盾(対立、トレードオフ)を取り除く」ことが、
TRIZの思想の中核部分。
通常、当然のことと考えられている矛盾を、
受け入れないことが重要である。
技術的矛盾と物理的矛盾
 技術的矛盾:
二つの異なるパラメータが対立する矛盾
(例)強度を向上させると、重量が増加する。

物理的矛盾:
一つのパラメータについて対立する二つの値が要求
される矛盾 (例)固く、かつ柔軟に
※ 物理的矛盾は、別の章で扱う。 Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
2010/3/10
Copyright SKI 2010
59
問題解決
「流体袋」の概念


コスト
重さ

体積
環境への影響
耐久性
製造の容易さ
有効性
信頼性 その他

効率
性能
流体袋
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
2010/3/10

流体袋は、非圧縮性の流体で満たされている。
中の流体はシステムの考慮すべき
パラメータの全てを表す。
(重さ、体積、性能、効率、製造性など)
システムの設計では、袋中の流体量を一定
にして、袋の形を最適化する。
 何かを改良するために、袋の一部分を
絞れば、袋の他の部分が膨らむ。
 すなわち、あるパラメータを改良すると、
別のパラメータが悪化する。
矛盾に関して、「妥協を取り除く」こと
の本質は、流体袋のサイズを変える
ことである。
矛盾解決ツールは、袋の中の流体量
を減少させることが可能である。
Copyright SKI 2010
60
問題解決
矛盾の双曲線グラフ
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より

技術矛盾をグラフで表現すると、図Aとなる。
 双曲線は、「現在の設計能力の線」、
「現在の設計パラダイム(共通の認識)」とみなせる。
矛盾の解決により、双曲線は、グラフの原点に
向かって移動する。(図B)
=「流体袋」中の流体量が減少する。(図C)
悪い
パラメータB
通常の設計戦略:
この曲線上での最適点
(最善の妥協点)を探す。
良い
悪い
図C
パラメータB

良い
良い
2010/3/10
パラメータA
図A
悪い
良い
Copyright SKI 2010
パラメータA
図B
悪い
61
問題解決
矛盾マトリックス
悪化するパラメータ
静止物体の体積
移動物体の体積
静止物体の面積
移動物体の面積
静止物体の長さ
移動物体の長さ
静止物体の重量
移動物体の重量
改善する
パラメータ
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
発明原理
07 入れ子原理
17 他次元移行原理
1
移動物体の重量
1
静止物体の重量
2
移動物体の長さ
3
静止物体の長さ
4
移動物体の面積
5
静止物体の面積
6
移動物体の体積
7
静止物体の体積
8
2
3
4
15, 08,
29, 34
5
29, 17,
38, 34
10, 01,
29, 35
15, 08,
29, 34
30, 02,
14, 18
07, 17,
04, 35
35, 08,
02, 14
推奨される発明原理
26, 07,
09, 39
19, 14
35 パラメータ変更
原理
07, 14,
17, 04
01, 07,
35, 04
35, 10,
19, 14
04 非対称原理
05, 35,
14, 02
17, 07,
10, 40
14, 15,
18, 04
02, 26,
29, 40
8
29, 02,
40, 28
15, 17,
04
02, 17,
29, 04
7
35, 30,
13, 02
35, 28,
40, 29
2010/3/10
6
01, 07,
04, 17
35, 08,
02, 14
問題となっているタイプの矛盾に
対して、今までの問題解決者が
使用して、最も成功したもの
Copyright SKI 2010
62
問題解決
39のパラメータ(改善/悪化)
1、移動物体の重量
2、静止物体の重量
3、移動物体の長さ
4、静止物体の長さ
5、移動物体の面積
6、静止物体の面積
7、移動物体の体積
8、静止物体の体積
9、速度
10、力(強さ)
11、応力または圧力
12、形状
13、物体の組成の安定性
14、強度
15、移動物体の動作時間
2010/3/10
16、静止物体の動作時間
17、温度
18、照度
19、移動物体のエネルギー消費
20、静止物体のエネルギー消費
21、出力
22、エネルギー損失
23、物質損失
24、情報損失
25、時間損失
26、物質の量
27、信頼性
28、測定精度
29、製造精度
30、物質が受ける有害要因
Copyright SKI 2010
31、物体が発する有害要因
32、製造の容易性
33、操作の容易性
34、修理の容易性
35、適応性または融通性
36、装置の複雑度
37、検知と測定の困難度
38、自動化の範囲
39、生産性
63
問題解決
40の発明原理
1、分割原理
2、分離原理
3、局所性質原理
4、非対称原理
5、組み合わせ原理
6、汎用性原理
7、入れ子原理
8、つりあい原理
9、先取り反作用原理
10、先取り作用原理
11、事前保護原理
12、等ポテンシャル原理
13、逆発想原理
14、曲面原理
15、ダイナミック性原理
2010/3/10
30、薄膜利用原理
16、アバウト原理
31、多孔質利用原理
17、他次元移行原理
32、変色利用原理
18、機械的振動原理
33、均質性原理
19、周期的作用原理
34、排除/再生原理
20、連続性原理
35、パラメータ変更原理
21、高速実行原理
36、相変化原理
22、災い転じて福となす
37、熱膨張原理
の原理
38、高濃度酸素利用原理
23、フィードバック原理
39、不活性雰囲気利用原理
24、仲介原理
40、複合材料原理
25、セルフサービス原理
26、代替原理
27、高価な長寿命より
安価な短寿命 の原理
28、機械的システム代替原理
29、流体利用原理
Copyright SKI 2010
64
問題解決
発明原理による思考プロセス
TRIZの世界
矛盾マトリックス
40の発明原理
TRIZの一般的問題
TRIZの一般的解決策
具体化
抽象化・単純化
自分の専門分野
実際の問題
実際の解決策
現実の領域
2010/3/10
Copyright SKI 2010
65
問題解決
事例: フラッシュ撮影時の赤目対策
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より

課題: フラッシュで写真を撮るときに発生する
「赤目現象」をなくしたい
5° 2.5°

眼
「赤目現象」は、被写体(眼)の網膜から反射する光により
発生する現象で、反射角が、2.5°以下になると発生する。
この現象を防止するためには、反射角を2.5°以上にする
必要がある。
⇒ 撮影対象に近づく、フラッシュとレンズの距離を大きくする
という方法があるが、 他の方法は?

2010/3/10
Copyright SKI 2010
66
問題解決
矛盾定義(写真フラッシュ)
①
何を改良しようと
しているのか?
②
改良パラメータ
何が悪くなるのか?
③ 何が妨げているのか?
④
悪化パラメータ
フラッシュで写真を撮るときに発生する「赤目現象」を
なくしたい。
40
システムに働くその他の有害な効果
対策として、「光の量を減らす」と赤目は改善できるが、
写真を撮るために必要な光の量が不十分となる。
23
照明強度
40
⑤
矛盾マトリックス
2010/3/10
対
23
35
5
発明原理
1
13 32
40
28 25
Copyright SKI 2010
19
67
問題解決
発明原理からアイデア抽出
発明原理
1 分割
アイデア
・カメラとフラッシュを分割する。
(カメラとフラッシュの入射角を大きくできる。)
19 周期的作用
・2重(多重)のフラッシュ動作とする。
・最初のフラッシュが瞳孔を収縮させた後に、写真撮影に
同期して第2のフラッシュをたく。
32 色の変化
・写真を修正する赤目対策ペン。
・デジタル写真のソフトウェア中の赤目対策機能。
・写真撮影中にカメラ内でソフトウェア処理して、色を変える。
2010/3/10
Copyright SKI 2010
68
問題解決
物理的矛盾




ある一つのパラメータについて、
「異なる状態(属性値)」を要求する状況。
例えば、ある物が「大きく、かつ小さい」、「存在し、かつ
存在しない」、「熱く、かつ冷たい」、「重く、かつ軽い」
などと要求する場合。
矛盾マトリックスでは、左上から右下への対角線上に
ある空白の部分に対応する。従って、矛盾マトリックス
は使えない。
物理的矛盾の解決には、「場所、時間、条件について
分離」できるかを分析し、その後40の発明原理を
適用する。
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
2010/3/10
Copyright SKI 2010
69
問題解決
物理的矛盾に対する「5つの戦略」
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 新版 矛盾マトリックス」 より
1.
2.
3.
4.
5.
空間で分離する。
時間で分離する。
条件で分離する。
部分と全体の間で分離する。
代替システムに移行する。
①
②
③
④
2010/3/10
下位システムに移行する。
上位システムに移行する。
代替システムに移行する。
逆システムに移行する。
Copyright SKI 2010
70
問題解決
解決戦略を特定するための質問表
1. 状態 A を望むのは、どこか?
状態 反A を望むのは、どこか?
2. 状態 A を望むのは、いつか?
状態 反A を望むのは、いつか?
3. 状態 A を望むのは、どんな場合か?
状態 反A を望むのは、どんな場合か?
空間で分離
時間で分離
条件で分離
※ 「反A」とは、状態(属性値)Aに対して、反対の状態(属性値)
を現す。 (例)状態A:熱い → 状態 反A:冷たい
◆
上記の質問にて、答えに違いが出た対の分離戦略
により矛盾が解決されやすい。
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
2010/3/10
Copyright SKI 2010
71
問題解決
5つの戦略に適用する発明原理
発明原理
1、空間で
分離する
1.分割、2.分離、3.局所的性質、17.もう一つの次元、13.逆発想、
14.曲面、7.入れ子、30.柔軟な殻と薄膜、4.非対称、24.仲介、26.コピー
2、時間で
分離する
15.ダイナミックス、10.先取り作用、19.周期的作用、11.事前保護、
16.部分的な/過剰な作用、21.高速実行、26.コピー、18.機械的振動、
37.熱膨張、34.排除と再生、9.先取り反作用、20.有用作用の継続
3、条件で
分離する
35.パラメータの変更、32.色の変化、36.相変化、31.多孔質材料、
38.強い酸化剤、39.不活性雰囲気、28.機械的システムの代用、
29.空気圧と水圧の利用
4、部分と全体の間
で分離する
1.分割、3.局所的性質、5.併合
5、代替システム
に移行する
①下位システム
に移行
②上位システム
に移行
③代替システム
に移行
④逆システムに
移行2010/3/10
1.分割、25.セルフサービス、40.複合材料、33.均質性、12.等ポテンシャ
ル
5.併合、6.汎用性、23.フィードバック、22.災いを転じて福となす
27. 高価な長寿命より安価な短寿命
13.逆発想、8.つりあい
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 新版 矛盾マトリックス」 より
Copyright SKI 2010
72
問題解決
事例: コーヒーカップ
コーヒーを温かく保つためには、コーヒーカップ
の内側は熱くあって欲しい。
 持った時に手が熱くないように、コーヒーカップ
の外側は冷たくあって欲しい。
 すなわち、コーヒーカップは、
「熱く、かつ冷たい」状態
(属性値)が望まれる。

Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
2010/3/10
Copyright SKI 2010
73
問題解決
解決戦略の検討
質問
空間で
分離する
時間で
分離する
条件で
分離する

具体的な質問
回答
状態 A を望むのは、
どこか?
コーヒーカップが熱いことを
望むのは、どこか?
カップの内部
状態 反A を望むのは、
どこか?
コーヒーカップが冷たいことを
望むのは、どこか?
カップの外部
状態 A を望むのは、
いつか?
コーヒーカップが熱いことを
望むのは、いつか?
飲んでいる時
状態 反A を望むのは、
いつか?
コーヒーカップが冷たいことを
望むのは、いつか?
飲んでいる時
状態 A を望むのは、
どんな場合か?
コーヒーカップが熱いことを
望むのは、どんな場合か?
熱いコーヒーを、熱いまま
に保ちたい場合
状態 反A を望むのは、
どんな場合か?
コーヒーカップが冷たいことを
望むのは、どんな場合か?
冷たいコーヒーを飲んで
いる場合
回答が異なるのは、空間(1)と条件(3)だが、ここでは、
空間(1)の分離を採用する。
(「冷たいコーヒーを好む=アイスコーヒーを好む」 ということで、ここでの
コー ヒーカップ〔ホット用〕の検討としては、有効な解決ルートにはならない。)
2010/3/10
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74
問題解決
物理的矛盾のグラフ表現
悪い
悪い
性能値
性能値
良い
良い
パラメータA

パラメータA
一般の最適化のプロセスでは、
「グラフの最小値=最適点」を
見つけることが目的となる。
2010/3/10


TRIZでは、「最適値」を良い
方向に移動させる。
更に、パラーメーターの変化
と性能値の変化の関係を
なくす(放物線→直線)ことが
究極の目的
Copyright SKI 2010
75
問題解決
物質-場分析 と 発明標準解
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より

基本的な考え方:
一つの機能をうまく働かせるためには、少なくとも
二つの「物質」と、一つの「場」が必要である。
F
S1
F: 場(Field)、
システムに存在する
任意の形態の「エネルギー」
S2
S: 物質(substance)、
一般的な意味での「もの」
物質ー場 モデル
Substance-Field Model
2010/3/10
Copyright SKI 2010
76
問題解決
相互作用の表現法
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より

「物質ー場」モデルで、相互作用を表す線のタイプ
有用な
(または線なし)
欠如した
否定的な
不十分な
過剰な
有害な
2010/3/10
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77
問題解決
「場」のタイプ
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
場のタイプ
下位のカテゴリ
力学的
重力の、摩擦力の、慣性力の、遠心力の、・・・
水圧/油圧/空気力の
流体力学的、空気力学的、表面張力的、・・・
熱的
伝導性の、対流の、輻射の、温度勾配の、膨張力の、・・・
圧力の
静的圧力の、全圧の、全圧力勾配の、浮力の、真空の、・・・
電気的
静電気的、電気力学的、電気泳動の、電磁気的、変圧の、・・・
化学的
酸化の、還元の、拡散の、燃焼の、吸熱反応の、・・・
生物学的
酵素の、光合成の、浸透圧の、腐敗の、・・・
磁気的
静磁気学的、交番磁界の、強磁性の、電磁気的
弱い相互作用の
[素粒子間に働く相互作用の]
強い相互作用の
[原子核内などに働く相互作用の]
光学的
反射の、屈折の、干渉の、赤外線の、可視光の、・・・
音響的
音の、超音波の
においの
2010/3/10
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78
問題解決
発明標準解
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
クラス(大分類)
A
不完全な「物質-場」に対して
B
測定・検出問題に対して
有害な効果に対して
C
(システムの変化 大へ)
下位分類
完成
D
(システムの変化 大へ)
変更
追加
変更
追加
移行
2010/3/10
不完全な「物質-場モデル」を
完成させる
「完成・変更・追加・移行」の分類なし
移行
不十分/過剰な関係に対して
A
分類番号
A1
B1~B12
Ca
既存の物質を変更する
Ca1~Ca4
Cb
場を変更する
Cb1~Cb6
Cc
新しい物質を導入する
Cc1~Cc11
Cd
新しい場を導入する
Cd1~Cd5
Ce
新しい物質と場を導入する
Ce1~Ce3
Cf
下位システムへ移行する
Cf1~Cf3
Cg
上位システムへ移行する
Cg1~Cg6
Da
既存の物質を変更する
Da1~Da18
Db
場を変更する
Db1~Db7
Dc
新しい物質を導入する
Dc1~Dc15
Dd
新しい場を導入する
Dd1~Dd4
De
新しい物質と場を導入する
De1~De12
Df
下位システムへ移行する
Df1~Df3
Dg
上位システムへ移行する
Dg1~Dg6
Copyright SKI 2010
79
問題解決
事例: ピストンとエンジンオイル
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より


長期間使用しなかった内燃機関エンジンを、スタート
させた時の初期騒音は、問題である。
原因: ピストンとシリンダー間で保護層を形成するエンジン
オイルが、オイル溜めに全て落ちてしまうため。
発明標準解 クラスD
(不十分/過剰な関係に対して)
F 表面張力

シリンダー
ユニークな分極特性の合成エステル分子を
含み「表面張力(場)を強化」する。
オイル
付着する
新しい物質を導入する。
例): Castrol GTX Magnatec オイル

新しい「物質(強磁性流体)」と「場(磁場)」
を導入する。
例): オイルに「強磁性流体」を追加し、 「磁場」
を加え、オイルがシリンダー壁に付着する
能力を強化する。
2010/3/10
Copyright SKI 2010
80
問題解決
技術進化トレンド

特許分析から以下の内容が発見された。
一見無秩序なプロセスに見える技術の進化は、
実は規則性を持っていて、それは発明家
いかんで かわるものではない。
 技術の進化にはパターンがあり、あらゆる分野で
同じパターンで技術が進化する。
 この技術の進化パターンをもとに思考を展開
すれば、必ず一定の数/水準の発明が生まれる。

2010/3/10
Copyright SKI 2010
81
技術進化のSカーブ
価値
引退
(理想性)
成熟
=効用/(コスト+害)
幼児/成長
誕生
時間
着想
資料:Darrell Mann
2010/3/10
Copyright SKI 2010
82
問題解決
技術が進化する方法
理想性
….. 第N世代 …..
第2世代
あるパターンに従って
技術が進化していく
第1世代
時間
資料:Darrell Mann
2010/3/10
Copyright SKI 2010
83
問題解決
31の技術進化トレンド
最近の追加研究を反映
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
10.
11.
12.
13.
14.
15.
賢い材料
空間の分割
表面の分割
オブジェクトの分割
マイクロからナノスケールへ
網目とファイバー
密度の減少
非対称性の強化
境界の除去
幾何学的進化(線形):
幾何学的進化(体積的):
可動性の向上
作用の調整
リズムの調整
非線形
2010/3/10
16.
17.
18.
19.
20.
21.
22.
23.
24.
25.
26.
27.
28.
29.
30.
31.
モノ・バイ。ポリ(類似物)
モノ・バイ。ポリ(多様物)
モノ・バイ。ポリ(差異の増大)
減衰の減少
諸感覚の利用
色彩の利用の向上
透明性の増大
顧客の購入の焦点
市場の進化
設計の観点
自由度の増大
トリミング
制御性
人間の関与の減少
設計方法論
エネルギー変換回数の減少
Copyright SKI 2010
84
問題解決
可動性の向上 【Dynamization】(1)
非可動 関節可動 複数関節可動 全面柔軟 流体/流体圧 「場」
Example: Ruler 例:定規(測定器)
Ruler
Folding Ruler Tape measure
定規 折りたたみ定規 メジャー
2010/3/10
Ultrasonic distance
Laser measure
estimator
超音波距離測定器 レーザー測定器
Copyright SKI 2010
85
問題解決
可動性の向上 【Dynamization】(2)
Example: Cutter 例:カッター
knife
Scissor
Wire cutter
water cutter
Laser cutter
ナイフ はさみ ワイヤーカッター ウォーターカッター レーザーカッター
Example: Armour
Shield
盾(たて)
2010/3/10
例:アーマー(防護服、よろい)
Armour suit
よろいかぶと
Chain Armuor
チェーン(鎖)よろい
Copyright SKI 2010
Bullet proof vest
防弾チョッキ
86
問題解決
空間の分割 【Space segmentation】(1)
中実固体
中空構造
複数の空洞
毛細管
活性要素入り毛細管
Example: Shoe 例:くつ底
Solid rubber sole
固体
中実のゴム底
2010/3/10
Simple air cavity Separate cavities Gel filled linked voids
積み重ね
単一の空洞
強い構造
分割の空洞
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蛍光
ゲル充填連結空洞
87
問題解決
空間の分割 【Space segmentation】(2)
Example: Toy blocks 例:ブロック
Solid
固体
Stacking/Lighter
積み重ね
Strength and structure
強い構造
Fluorescent
蛍光
Example: Chocolate 例:チョコレート
Pure chocolate
Easter eggs
Porous(透過性)Chocolate with
chocolate
bubbles
Chocolate with
capillaries and active
elements
チョコだけ イースターエッグ 多孔性チョコ 泡チョコ 毛細管チョコ
2010/3/10
Copyright SKI 2010
88
問題解決
幾何学的進化(線的)
Geometric evolution of linear constructions
点
一次元の線
二次元曲線
三次元曲線
例: ピン
固体
ピン
積み重ね
ホッチキス
強い構造
クリップ
蛍光
らせん状バインダー
例: スプリンクラー
積み重ね
強い構造
蛍光
ホース固体 直線スプリンクラー
回転スプリンクラー
移動式回転スプリンクラー
2010/3/10
Copyright SKI 2010
89
問題解決
単一・二重・多重(類似物)
Mono-bi-poly : Similar objects
単一システム
二重システム
三重システム
多重システム
例: スピーカー
固体
積み重ね
強い構造
ウーファーステレオ
モノラルスピーカー
ステレオスピーカー
蛍光
サラウンド
システム
例: チェーン駆動
固体
直接の駆動
2010/3/10
積み重ね
チェーン駆動
強い構造
後輪変速機
Copyright SKI 2010
駆動側・蛍光
後輪変速機
90
問題解決
技術進化トレンドの分類
時間
1
2
3
4
5s
6
7
8
9s
10
11
12
適応型材料(賢い材料)
空間の分割
表面の分割
オブジェクトの分割
マクロからナノスケールへ
網目とファイバー
密度の減少
非対称性の強化
境界の除去
幾何学的進化(線的)
幾何学的進化(体積的)
可動性の向上
13
14
15
16
17
18
13t
14
15
16t
17t
5t
作用の調整
リズムの調整
非線形性
単一・二重・多重(類似物)
単一・二重・多重(多様物)
マクロからナノスケールへ
2010/3/10
インタフェース
空間
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
16i
17i
18
19
20
21
22
23
24
25
26
9i
27
28
29
30
31
Copyright SKI 2010
単一・二重・多重(類似物)
単一・二重・多重(多様物)
単一・二重・多重(差異の増大)
減衰の減少
諸感覚の利用の向上
色彩の利用の向上
透明性の増大
顧客の購入の焦点
市場の進化
設計の観点
自由度の増大
境界の除去
トリミング
制御性
人間の関与の減少
設計方法論
エネルギー変換回数の減少
91
問題解決
技術進化トレンドを用いた問題解決方法
TRIZの世界
技術進化トレンドとの
関係付け
・ どのトレンドの
・ どこに位置しているか?
TRIZの一般的問題
技術進化の
ポテンシャル
・ 左記の位置より右側の
進化の諸段階が、一般化
した解決策となる
TRIZの一般的解決策
抽象化・単純化
具体化
実際の問題
実際の解決策
現実の領域
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用
体系的技術革新」 より
2010/3/10
Copyright SKI 2010
92
問題解決
事例: 芝刈り機の刃
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
問題点: 芝刈り機の回転金属刃が直ぐに鈍くなり、
効果的に草を刈れなくなる。
1. 技術進化トレンドとの関係付け



どのトレンドの: 可動性の向上 (Dynamization)
どこに位置しているか?: 非可動システム
(理由) 刃は回転するが、刃は剛体(自分自身の内部では相対的に
動かない。)ので、非可動とみなせる。
可動性の向上 (Dynamization)
非可動 関節可動 複数関節可動 全面柔軟 流体/流体圧 「場」
2010/3/10
Copyright SKI 2010
93
問題解決
技術進化トレンドの使い方
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
一般化した解決策
一般化した
問題
非可動
システム
技術進化のポテンシャル
関節可動
システム
複数関節
可動
システム
全面柔軟
システム
流体/
流体圧
システム
「場」に
基づいた
システム
技術進化トレンド
との関係付け
具体的な
問題
剛体の刃
2010/3/10
具体的な解決策
関節のついた刃/複数の関節を持つ刃/柔軟な刃/
ウォータージェット(水の高速噴射)/レーザー
Copyright SKI 2010
94
問題解決
知識ベース/物理的効果

自分の問題を、「誰かが既に解決していないか?」
を探す方法
1. 「機能」のデータベース


現在の手段では、必要な「機能」を得られない(不十分)
場合、その代替手段を探したい。
「機能」による分類は、産業間や学問分野間の境界を
取り除く。
2. 「属性」のデータベース


システム/構成要素の「属性」を変えたい場合
属性: 重量、体積、長さ、密度、速度、温度、強度、など
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
2010/3/10
Copyright SKI 2010
95
問題解決
機能のデータベース
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より

「機能」の並べ順: 位置→集める→分ける→熱変化→生成・保持・検知など
機 能
固 体
液 体
気 体
場
位置する
熱膨張
‥‥
動かす/
振動する
重力
慣性
‥‥
吸収
音響キャビテーション
‥‥
音響振動
アルキメデスの原理
‥‥
導体
ファラデー効果
‥‥
向ける
異方性
‥‥
ローレンツ力
‥‥
圧力勾配
‥‥
レンズ
‥‥
回転させる
トルク力
‥‥
遠心機
‥‥
遠心機
‥‥
磁気
曲げる
圧電効果
‥‥
ベルヌーイ・
コアンダ効果
ベルヌーイ・
コアンダ効果
磁場
‥‥
機械的締結(ネジ、
ねじり、など)
テーパ芯
‥‥
化学結合
容器
泡
‥‥
化学結合
容器
泡
コンデンサ
並列接合点
‥‥
保持する/
結合する/
組立てる
2010/3/10
Copyright SKI 2010
96
問題解決
属性のデータベース
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より

属性値を「増大」させ、「減少」もさせる効果は、「変化させる」欄にだけ記載。
→「増大させる」、「減少させる」欄は、その変化を主に提供する効果を記載。
属 性
変化させる
重量
体積
相転移
‥‥
表面積
長さ
楕円
‥‥
表面仕上
摩擦
‥‥
密度
多孔性
‥‥
増大させる
減少させる
「堆積する」機能を
参照
孔をあける
‥‥
楕円
‥‥
熱収縮
‥‥
メビウスの帯
‥‥
回転楕円体
‥‥
熱膨張
‥‥
熱収縮
‥‥
圧縮形成
‥‥
気化
安定させる
測定する
つりあい
‥‥
ポアソンの法則
キャビテーション
幾何学
‥‥
熱膨張係数が
ゼロの材料
アルキメデスの力
‥‥
コーティング
‥‥
層流
‥‥
質量/排水量比
‥‥
‥‥
2010/3/10
Copyright SKI 2010
97
洗濯機の機能は・・・
・・・ 汚れを落とす、
洗浄する、
分解する
2010/3/10
「
洗浄する/分解する」
機能の物理効果
問題解決
脱着
超音波キャビテーション
音響振動
キャビテーション
燃焼
ジェット浸食/腐食
スパーク浸食/腐食
電気化学腐食
電子衝撃脱着
レーザ蒸発
イオン照射
放射能
酸化還元反応
流体力学的キャビテーション
レーザ・ゲッタリング
超音波振動
摩擦
極低温分解
光酸化
光水力学的効果
爆発
熱破壊
溶解
機械的作用/ブラシ
電気分解
Copyright SKI 2010
98
問題解決
無料データベース例( http://function.creax.com)
2010/3/10
Copyright SKI 2010
99
展望とまとめ
(展望とまとめ)
•TRIZに関するFAQ
•適用分野の拡張
•体系的創造プロセスの進化
•NPO法人日本TRIZ協会について
•TRIZ関連の情報源
2010/3/10
Copyright SKI 2010
100
展望とまとめ
TRIZに関するFAQ (1)
(Q) TRIZって何ですか?
(A) TRIZは問題を解決に導くための概念であり、体系であり、手法であり、また
ツールです。
(Q) TRIZは役に立つのでしょうか?
(A) TRIZは革新を目的とした創造活動の全ての向上に必ず寄与します。
(Q) TRIZの習得には膨大な時間がかかるのではないですか?
(A) TRIZ活用は1時間の習得からでも可能です。
(Q) TRIZは技術的問題、特にメカニカルな問題しか適用できないのではないで
すか?
(A) TRIZは技術的分野、非技術的分野を問わず、あらゆる分野で活用できます。
何故なら、 TRIZは人間の発想パターンを網羅しているからです。
2010/3/10
Copyright SKI 2010
101
展望とまとめ
TRIZに関するFAQ (2)
(Q) TRIZで本当に優れたアイデアがでますか?
(A) 必ずでるとは言えません。しかし、優れたアイデアがでる確率は非常に高く
なります。
また、TRIZはそのアイデアをブラッシュアップすることもできます。それに
よって、優れたアイデアに昇華させることもできます。
(Q) TRIZで優れたアイデアをだすにはソフトウェアツールが必要ですか?
(A) 必ずしも必要ではありません。ソフトウェアツールはTRIZの一つの面であ
る「手法であり、ツールである」ところをより高度に支援するものです。
(Q) TRIZだけで革新を生み出すことができますか?
(A) 品質機能展開、品質工学、さらには従来からあるブレーンライティングや
KJ法などをも組み合わせて、分野や目的に合った体系を作り上げることが
重要です。
2010/3/10
Copyright SKI 2010
102
展望とまとめ
TRIZはうまく活用されているか?
残念ながらうまく活用されずに捨てられるケースも多いのです!
その原因は、
・習得のための時間をかける余裕が無い
・時間をかけた割りに優れたアイデアがでない
・良いアイデアが出てもTRIZのおかげとは言えない
・ソフトウェアツールが高価で、誰にでも与えることができない
等など・・
では、どうしたらよいのでしょうか?
2010/3/10
Copyright SKI 2010
103
展望とまとめ
TRIZの階層構造
真理(Excellence)
理想性
リソース
機能性
矛盾
空間/時間/インターフェース
哲学、見方(5本の柱)
問題定義/
解決の完全なプロセス
発明原理
矛盾マトリックス
物質-場分析
機能分析
2010/3/10
究極の理想解
進化のトレンド
手法
ツール
心理的惰性打破ツール
知識ベース/物理効果
Copyright SKI 2010
104
展望とまとめ
TRIZ活用のためのポイント

知財に係わる全ての技術者にとってのリテラ
シーとして
TRIZの哲学=5本柱を発想の原点に

自分たちの創造開発のためのプログラム作りを
TRIZおよびその他の関連手法から成る膨大な体系の
中から必要な手法、ツールを組合わせて高度で効率的
なプログラムを作ること

ゆっくりと無理のないスピードで
効果を確かめながら、プログラムへのフィードバックも
行いながら、育てていきましょう
2010/3/10
Copyright SKI 2010
105
展望とまとめ
創造性の心理学
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より



創造性ツールの一般的な考え方:(内向きの見方)
 人間の脳は、その能力のごく一部しか使われていない。
 従って創造活動の主な仕事は、効果的な思考を助け、
「抑制を排除」し、頭の中に閉じ込められている偉大な
アイデアを外の世界へ取り出すことである。
TRIZの考え方:(外向きの見方)
 「抑制の排除」は行うが、
自分たちの問題に対する解決策を
「外の世界に探すべき」である。
TRIZの新しい考え方:
(内向き+外向きの見方)

両方のアプローチの強みを結合する。
2010/3/10
Copyright SKI 2010
106
展望とまとめ
「一般化した解決策」と「実際の解決策」
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
TRIZの
一般化した
問題
TRIZの
一般化した
解決策
発明原理
特定の問題
特定の解決策
実際の解決策
TRIZの一般化した解決策:
・ 40の発明原理
・ 技術進化トレンド
・ 標準解
・ 知識ベース/効果
2010/3/10
発明原理と実際の解決策
との間には
「何らかのパス」がある。
この「パス」は真空ではなく、
「雲」で隠されている。
Copyright SKI 2010
107
展望とまとめ
名案の非可逆性
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より



「雲」を貫いて見通す最良の方法は「事例研究」で
あるが、そこには非可逆性の問題がある。
問題→解決策へのプロセス:
雲に隠されたプロセス、漠然とし、扱いにくい。
解決策→問題への振り返り:
解決策は「明白なもの」と見え、「簡単すぎる」ほど
に思える。
「なぜ、そんなことに気がつかなかったのか?」
解決策が「明白」であるほど、それは優れている。
「多くの事例研究」を行い、雲の背後にある未知の
ものの具体的な感触を得る必要がある。
2010/3/10
Copyright SKI 2010
108
展望とまとめ
体系的創造プロセスの進化
VE
公理的設計
(価値工学)
シックス・シグマ
TOC
NLP
(神経言語プログラミング)
DFMA
(製造と組み立てのための設計)
(制約理論)
TRIZ
VSM (生存可能
システムモデル)
ロバスト設計
(田口メソッド)
感性工学
MCDA
(多基準意思決定分析)
QFD
(品質機能展開)
DeBonoの発想法
図22.2: 体系的創造性のための諸ツールの統合
2010/3/10
Copyright SKI 2010
109
展望とまとめ
適用分野の拡張
技術分野に対する深耕
1985年以降の15万件の特許分析
⇒ Matrix2003(新版矛盾マトリックス)
Matrix2010(Matrix2003の改訂版)
ビジネス&経営分野への拡張
矛盾マトリックスの提案及び発明原理事例収集
トレンドの提案及び事例収集
Darrell Mann “Hands-on Systematic Innovation for Business & Management”
IT分野への拡張
矛盾マトリックスの提案及び発明原理事例収集
トレンドの提案及び事例収集
Darrell Mann “Syatematic (Software) Innovation”
Umakant Mishira “TRIZ Principles for Information Technology”
2010/3/10
Copyright SKI 2010
110
展望とまとめ
新版 矛盾マトリックス(Matrix2003)
矛盾マトリックスは、作成する労力のあまりの
膨大さゆえに、1970年代前半以降、
約30年間、更新されなかった。
 CREAX社が2000年に大規模な研究を開始。
1985~2002年の米国特許約15万件を分析
した成果を、「体系的創造性プロセス」に結実
させた。
 古典的な矛盾マトリックスを、大幅に更新した
「新版 矛盾マトリックス(Matrix2003)」を発表

Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 新版 矛盾マトリックス」 より
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展望とまとめ
「新版 矛盾マトリックス」の主な特長
1. マトリックスのパラメータが、39個→48個に拡
張された。
2. パラメータを論理的に並べ替え、進化パターン
が明瞭に表現できるようにされた。
3. パラメータの意味や関連語が明示され、自分の
問題からパラメータへの変換が容易になった。
4. 改良したいパラメータが得られると(悪化するパ
ラメータを特定しなくても)、有用な発明原理が
推奨される。
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 新版 矛盾マトリックス」 より
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展望とまとめ
48のパラメータ(Matrix2003)
物
理
的
製造/コスト
12.移動物体の動作時間
13.静止物体の動作時間
14.速度(スピード)
15.力/トルク
16.移動物体の使用エネルギー
17.静止物体の使用エネルギー
18.パワー
19.応力/圧力
20.強度
21.(物体の構成の)安定性
22.温度
23.照射強度
効
率
「
~性」
性
能
1.移動物体の重量
2.静止物体の重量
3.移動物体の長さ/角度
4.静止物体の長さ/角度
5.移動物体の面積
6.静止物体の面積
7.移動物体の体積
8.静止物体の体積
9.形状
10.物質の量
11.情報の量
24.機能の効率
25.物質の損失
26.時間の損失
27.エネルギーの損失
28.情報の損失
29.雑音(ノイズ)
30.有害なものの放出
31.システムが作り出すその他の有害な効果
32.適応性/汎用性
33.両立性/接続性
34.操作の容易性
35.信頼性/ロバスト性(頑健性)
36.修理可能性
37.セキュリティ
38.安全性/脆弱性
39.美しさ/見かけ
40.システムに働くその他の有害な効果
41.製造性
42.製造精度/一貫性
43.自動化
44.生産性
45.システムの複雑さ
46.制御の複雑さ
測 47.検出/測定の能力
定 48.測定の精度
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展望とまとめ
パラメータの並べ替え
「新版 矛盾マトリックス」 付録 マトリックス表

パラメータ群の6つのカテゴリー
1. 物理的
2. 性能
3. 効率
4. ~性
(信頼性、保守性など)
5. 製造/コスト
6. 測定
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 新版 矛盾マトリックス」 より
2010/3/10
改善するパラメータ
システムの物理的属性に関係
重さ・サイズなど、新システムの
着想/誕生段階での関心事
悪化するパラメータ
物理的
着想
/誕生
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性能
効率
成長
~性
成熟
/引退
コスト
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展望とまとめ
Sカーブ上の位置を確定する
Darrell Mann 「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」 より
特許のタイプ〔焦点〕
(業界リーダーの特許)
引退
コストを最小化する
↑
成熟
信頼性を最大化する
↑
効率を最大化する
システム 成長
↑
性能を最大化する
↑
誕生
きちんと作動させる
↑
着想
作動させる
時間
下位システム
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展望とまとめ
ビジネス&経営分野での発明原理(例)
原理1.分割
(出典:Systematic Innovation for Business & Management)
A.システムあるいは物体を独立した部分に分割する。
・組織を異なる商品センタに分割する。
・自主的な利益センタ。
・大きなプロジェクトのために仕事を分解する仕組みを使う。
・フランチャイズアウトレット。
・強み/弱み/機会/脅威(SWOT)分析。
B.システムあるいは物体を分割し易くする。
・柔軟な年金制度。
・短期のプロジェクトに関する臨時労働者の雇用。
・フレキシブル生産システム。
・モジュール式のオフィス/共用机。
・コンテナ輸送。
C.分離、分割の度合いを高める。
・セグメント化した個々の顧客向け最適広告。-マスカスタマイゼーション。
・仮想オフィス/在宅勤務。
・創造的なセグメンテーション。-軽自動車、デジカメ、コードレス電気製品。
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展望とまとめ
IT分野での発明原理(例)
(出典:TRIZ Principles of IT)
原理1.分割
A.システムやオブジェクトを別々の独立している部分かセクションに分割する
•プロジェクトを分割する。
•大規模アプリケーションをモジュールに分割する。
•文書の分割 ・データベースの分割 ・分散コンピューティング
•ネットワークセグメント ・ドメインの分割
•メモリ分割 ・ディスク分割
B.まとめたり、分解しやすいようにシステムを作っておく
•ビジュアル開発 ・モジュラーハードウェア
•データパケット ・カラー分離
C.分解や分割の度合いを増やす
•多層アーキテクチャ ・サーバ負荷の分割
•GUIスクリーンの分割
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展望とまとめ
ビジネス&経営分野用矛盾マトリックス(一部)
2010/3/10
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展望とまとめ
IT分野用矛盾マトリックス(一部)
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展望とまとめ
NPO法人日本TRIZ協会について
~2007 :少数のボランティアベースの任意法人活動
2004年5月:TRIZ懇話会発足
2005年1月:日本TRIZ協議会へ衣替え
(3回のTRIZシンポジウムを毎年開催)
2008~ :会員ベースの公共的なNPO法人活動
(ボランティア活動であることは変わらず)
-東京都庁より認証を受け、
2007年12月27日に正式発足-



■日本におけるTRIZの普及活動のセンターとして機能する。
■我が国の技術開発力・国際競争力の強化に資するため、
活動をよりオープンで全国的なものにする。
■TRIZに関心を持っている方々の
より強固な結集と活動の場を継続的に提供する。
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展望とまとめ
日本TRIZ協会の現況と運営組織
118名( H19年度) 、 135名+( H20年度)
なし( H19年度)、 2社+ ( H20年度)
1.会員数: 正会員:
賛助会員;
2.運営組織:
総会
理事会
監事
運営会議
幹事会
(2009年12月3日現在)
(理事+執行委員)
(理事)
理事長
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三輪監事
正:林理事、副:三原理事
事務局
堀田理事、仲畑理事
企画委員会
黒澤理事
技術委員会
小西理事
広報委員会
前古理事
シンポジウム実行委員会
三原理事
プログラム委員会
中川理事
西日本委員会
池田理事
東日本委員会
(仲畑理事)
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展望とまとめ
日本TRIZ協会各委員会・事務局の分掌
■企画委員会:協会事業の企画立案
■技術委員会:技術面での協会としてのオーソライズ、
研究会統括
■広報委員会:対外、対会員広報(HP運営含む)
■シンポジウム実行委員会:シンポジウムの企画・運営
□プログラム委員会:シンポジウムプログラムの
発表公募とプログラム編成
■西日本委員会:愛知県以西の活動推進
■東日本委員会:静岡県以東の活動推進(当面休止)
■事務局
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:各種協会事業の実施運営
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展望とまとめ
NPO法人としての活動内容
(NPO法人日本TRIZ協会HPより)
1.TRIZシンポジウムの企画開催
・国内中心で海外からの参加もよびかける。1回/年開催。
「日本TRIZ協会」会員の参加費優待を行う。
2.研究会活動
・TRIZの適用方法、事例研究など、TRIZを様々な分野/場面で活用する
ための研究とガイダンスの構築を目指し、TRIZの普及・発展に供する。
「日本TRIZ協会」会員は参加できる。
3.セミナーの企画開催
・関係協力機関との共催または後援/協賛によるセミナー開催を行う。
この場合「日本TRIZ協会」会員優待を行うようにする。
4.教育/出版用コンテンツの開発
・教育・普及のためのコンテンツを開発し、書籍出版、
eラーニング、講習会などで活用する。
・既存文献(特に、英語の)、上記研究会の成果、関係協力機関の
コンテンツ、などの活用を図る。
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展望とまとめ
日本TRIZシンポジウム
回
主催
開催時期
第1回
日本TRIZ協議会
2005年
9月1日~3日
第2回
日本TRIZ協議会
第3回
開催場所
参加者
発表件数
伊豆・
ラフォーレ修善寺
104名
20件
2006年
8月31日~9月2日
大阪吹田・
パナヒルズ大阪
157名
34件
日本TRIZ協議会
2007年
8月30日~9月1日
新横浜・
東芝研修センター
204名
34件
第4回
NPO法人
日本TRIZ協会
2008年
9月10日~12日
滋賀守山・
ラフォーレ琵琶湖
167名
46件
第5回
NPO法人
日本TRIZ協会
2009年
9月10日~12日
埼玉嵐山・
国立女性教育会館
137名
42件
** 第6回シンポジウムは、9月9日~12日 神奈川工科大学(厚木市)で開催予定 **
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展望とまとめ
TRIZ関連の情報源(一部)
日本TRIZ協会:www.triz-japan.org
TRIZホームページ:www.osaka-gu.ac.jp/php/nakagawa/TRIZ/
TRIZジャーナル:www.triz-journal.com
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