平成27年度防府市シルバー人材センター事業報告 1 概況 わが国は、緩やかに景気が回復していますが、少子高齢化の影響で労働力不足の状 況となっています。こうした中、団塊の世代をどう取り込むかが重要となっています。 当センターにおきましては、公益社団法人として、豊かな地域社会づくりに貢献す るために、様々な活動に取り組んで参りました。その結果、今年度の会員数は1,0 97人と前年度末を8人下回りましたが、契約金額は4億8千2百万円(対前年度比 5百万円、1.1%増)と実績を上げることとなりました。 以下、平成27年度の主な事業について報告いたします。 (1)雇用によらない就業機会の提供 ①会員増強及び就業機会の開拓の実施 入会を希望する高齢者を対象に、毎月2回の入会説明会のほか、事務局窓口での 随時説明や一般市民も参加できる研修会・講演会開催時の入会説明、地区研修会へ の一般高齢者の参加など、入会前からシルバーに関心をもってもらうことによる入 会促進に努めました。また、地区代表者及び世話人による地域班会議を開催し、地 域班組織を活用した会員の増強策及び就業機会の拡大策について検討しました。 会員確保と就業機会の確保のため、自治会回覧板を利用したPRに努めました。 また、事業検討推進委員会が中心となって、街頭でのチラシの配布や企業・事業所 等の訪問を実施しました。 さらに、高齢者の就業機会を拡げるための独自事業として、木工品・手芸品等の 製作のほか、企画提案方式による事業の継続事業となる「子育てサロン」「出張喫 茶コーナー」「育児支援講座」等も実施しました。特に、常設店舗「おいでませ」 の「交流サロン」の利用者が大きく増加しました。併せて、「正月用輪飾り」の後 継者の指導・育成にも力をいれました。 ②地域ニーズ対応事業の推進 防府市が地域ニーズに応じて設定した分野において、センターが課題解決のため、 継続可能な事業として「地域ニーズ対応事業」を実施しました。 事業の具体的な内容として、高齢者の生きがいや介護予防に繋がる「介護予防講 座」の開講や介護・健康に関する講演会を開催しました。次に、高齢社会の課題で ある世帯の後継者不足による空き家及びお墓の維持管理に対応するため「空き家及 びお墓の管理サービス事業」を実施しました。特に、空き家管理については、山口 県住宅課民間住宅支援班主催の「空き家適正管理ワーキンググループ」のメンバー となり、空き家の適正管理を促進するため、課題等を整理し、各市町との連携体制 の整備を検討しました。その結果、防府市と「空き家等の適正管理に関する協定」 を締結することとなりました。 ③指定管理者制度による管理運営 防府市中高年齢労働者福祉センターの指定管理者として、屋内外の清掃、除草、剪 定、建物営繕修理業務等会員の就業機会の確保と地域の福祉の向上に努めました。 (2)雇用による就業機会の提供 高齢者の多様なニーズに応えるため、臨時的かつ短期的な就業又はその他の軽易な 業務に係る求職を希望する高齢者に一般労働者派遣による就業機会の提供を行いま した。特に、派遣事業の強化策としての「高齢者活用・現役世代雇用サポート事業」 を実施し、シルバー事業の基盤である会員の拡大と就業機会の拡大の戦略的な取組み を推進しました。 (3)就業に必要な知識及び技能を付与するための講習の実施 就業上必要な技能・知識を高齢者に付与し、実際の雇用・就業に結びつけるため に剪定、草刈り等の各種技能講習会を開催しました。併せて、屋外で作業する会員 のための安全指導を兼ねた講習会も実施しました。次に、家事援助会員の増強のた めに料理・手芸・清掃等の実技講習会を開催し、また、会員の健康管理のための健 康体操も実施しました。次に、シニアワークプログラム事業として、一般市民の就 職のために、警備業務・パソコン基礎、介護・家事援助の2講座に協力しました。 (4)社会参加活動を推進するための諸活動 ①普及啓発活動 一般市民・事業所・官公庁に対し、シルバー事業の周知を図るため、会報「しあわ せ」・ホームページ・市広報・子育て家族応援フリーマガジン「ママトコ」等の情報 誌への記事掲載、地元ラジオ局FMわっしょいへの出演、地元地方紙及びテレビ局へ の情報提供及び取材協力等マスメディアを活用した普及啓発活動を行いました。 次に、各種イベント会場等での会員作品の展示・販売及び総務運営委員会によるチ ラシの配布等センターのPRに努めました。 また、普及啓発促進月間行事として、会員によるセンター周辺市街地の清掃活動の 実施、広報委員会による「もみじ銀行防府支店」ロビーでの会員作品展示、また、市 主催の子育て支援行事「わいわい HOFU っ子」や「フリーマーケット」への参加、 「子育てサロン天神町銀座店」の無料開放などシルバー事業をアピールしました。 ②安全・適正就業の推進 会員の就業中または就業途上における事故防止のため、安全就業強化月間だけで はなく、安全・適正就業委員会独自の就業現場のパトロールを5月から11月まで 9回実施しました。また、県連合会主催の安全・適正就業研修会に参加し、役職員 の安全意識の高揚に努めました。 次に、会員入会説明会時や地区研修会において、就業時に傷害事故の多い剪定作 業や物損事故の多い草刈り作業での事故例を示し、会員に対し安全意識と自己の健 康管理の高揚に努めました。しかしながら、平成27年度の事故発生状況は、傷害 事故が6件、損害賠償事故は6件となりました。 適正就業については、請負・委任契約に馴染まない仕事は、一般労働者派遣事業 にする等適正な就業に努めました。 ③調査研究 今年度も会員及び発注者並びに防府市中高年齢労働者福祉センターに対する満足 度調査を実施し、ほとんどの方から満足しているという回答を得ました。また、地 域ニーズ対応事業の介護予防講座の参加者に対するアンケート調査も実施し、参加 者から受講して良かった、次回も参加したいというご意見をいただきました。この 結果については、ホームページに掲載し、一般市民に公開しました。 ④相談・情報提供 入会を希望する高齢者を対象に、毎月2回の会員入会説明会のほか、当センター常 設店舗「おいでませ」での総合的な雇用・就業相談、ボランティア活動や観光に関す る情報等の提供を行いました。また、シニアワークプログラムやセンター独自の各種 技能講習会及び研修会終了時にも雇用・就業に関する情報提供を行いました。さらに、 防府市中高年齢労働者福祉センターにおいて、職業情報の提供を行いました。 ⑤その他社会参加活動の推進 普及啓発促進月間以外にもセンター周辺の清掃・除草・剪定等を実施しました。ま た、無料休憩所であることを活かした常設店舗「おいでませ」を高齢者の集いの場と して利用促進することや一般市民も参加できる介護や食の安全に関する講習会・研修 会・講演会を開催し、高齢者の社会参加活動を推進しました。 さらに、防府市中高年齢労働者福祉センターにおいて、趣味創作・体力づくり講座 の開講、施設の提供を通して、高齢者の生きがい、健康づくり等社会参加活動を支援 しました。
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