日産の生産グローバル化戦略と その要、モノづくり人財育成 市川 博

日産の生産グローバル化戦略と
その要、モノづくり人財育成
ルノー社&日産自動車(株)
アライアンス エキスパート リーダー
⼀億台
震災復興
市川 博
⾃⼰紹介
1982
⽇産⾃動⾞⼊社 九州⼯場に赴任
IE(インダストリアル エンジニアー)、改善塾塾⻑、組⽴基本技能を開発
1989
座間⼯場に異動
改善塾塾⻑
1993
⽇産英国⼯場に出向 (4年間)
現場管理、改善、JIT、QC、TPM等を伝える
1997
2001
2005
2009
2011
2014
本社NPW推進部に帰任
同期⽣産を考案
ルノー社に出向 (4年間)
NPWをルノー⽣産⽅式として展開
本社NPW推進部に帰任
NPW、同期⽣産、現場管理のグローバル展開、GTC校⻑
ルノー⽇産インド⼯場に出向 (2年間)
⼯場建設、採⽤、⼈財育成、NPW、現場管理
本社NPW推進部に帰任、部⻑、エキスパートリーダー、コンサルティングダイレクター
NPW/GKのグローバル展開 ⼈財育成
外部企業コンサルティング
ルノー社 ⽇産⾃動⾞(株) アライアンスグローバルダイレクター
本日のアジェンダ
1. 日産のグローバル展開
2. グローバル人財育成
3. 日本のモノづくりの役割と人財育成
3
⽇産⾃動⾞ 会社概要
(2015年9⽉現在)
設立
1933(昭和8)年12月26日
資本金
6,058億13百万円
従業員数
142,925名
本社
神奈川県横浜市西区高島1-1-1号
(グローバル連結ベース)
 経営会議メンバーの50%は外国⼈
 取締役・執⾏役員の33%は外国⼈
 ⽇本の従業員23,000⼈中2%が外国⼈
(出⾝国:45ヶ国)
FY11
FY12
FY13
FY14
連結売上高 (億円)
94,090
96,296
104,825
113,752
グローバル販売台数
(千台)
4,845
4,914
5,189
5,318
グローバル生産台数
( 千台)
4,797
4,836
5,082
5,061
NISSAN Global HQ
1F ⽇産グローバル本社ギャラリー
日産のGlobalのモノづくり拠点
日産・ルノー合わせて75生産拠点(車両・パワートレイン)に、
Alliance Production Way(APW)として日本のモノづくりを発信
ロシア
英国
スペイン
モロッコ
パキスタン
エジプト
ナイジェリア ケニア
中国
ベトナム
タイ
インド
マレーシア
⽇本
台湾
フィリピン
アメリカ
メキシコ
コロンビア
インドネシア
ブラジル
南アフリカ
⽇産の⼯場
オーストラリア
ルノーの⼯場
アライアンス⼯場
チリ
アルゼンチン
日産のFY11-FY16 中期経営計画
POWE
R
ブランド &
セールスパワー
8%
8%
16年度までの
グローバル市場占有率
安定的な営業利益率
日産のグローバル生産台数
⽇本⽣産 Global ⽣産台数(K Unit/year)
00年度以前:⽣産完成⾞の輸出
01年度以降:ノウハウ(技能・技術)と⼈を育てる訓練⽅法の輸出
中国⽣産
⽇本⽣産⽐率
その他地域⽣産
海外⽣産
欧州⽣産
北⽶⽣産
⽇本⽣産 輸出向け
⽇本⽣産 ⽇本向け
現在、日産車の82%は海外で生産
日産自動車:51の新車を立上げ
NEW
NEW
11年度
NE
W
NEW
6
週間
6
週間
NEW
6
週間
6
週間
16年度
震災復興
アライアンス・⽣産⽅式の導⼊
アライアンス・⽣産⽅式の導⼊
1994~
2000~
NPW
Jan. 2015~
APW
Nissan Production Way
SPR
Systeme de Production Renualt
Alliance Production
Way
9
APW (Alliance Production Way)
競争⼒のあるQCTをグローバルで実現する⽣産⽅式が必要
2つの「限りない」
(1)限りないお客さまへの同期
(2)限りない課題の顕在化と改⾰
APW(日)
10
本日のアジェンダ
1. 日産のグローバル展開
2. グローバル人財育成
3. 日本のモノづくりの役割と人財育成
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⽇産のモノづくりのDNA
1.
2.
3.
4.
5.
Everything Start from 5S 5Sが起点
Standardization 標準化
Operator can think & Improve 作業者が考え改善
Cooperation & Teamwork 協働とチームワーク
Human Resource development ⼈財育成
⽣産のグローバル化に向けた4G戦略
⽣産試作
基礎体⼒向上
Global
Training
Center
グローバル⼈財育成
・追浜⼯場 :⾞両
・横浜⼯場 : PT
試作品質向上
⽴上げ⽀援
Global
Package
Design
Center
Global
Production
Engineering
Center
荷姿設計の伝授
⽇本での集中新⾞試作
・本牧
量産⽴上げ
Global
Launching
Expert
新⾞⽴上げ指導の仕組化
・座間
・追浜
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マスタートレーナー制度による人財育成
19名(2015/8現在)
GTC
グローバルマスタートレーナー
1,223名(2015/8現在)
マスタートレーナー
海外工場
RTC
リージョナルトレーナー
(リージョナルトレーニングセンター)
作業者
マスタートレーナーを活用して、海外工場が自律的に“人財“を育成
従来から直接指導に比べ
20倍
のスピードで育成
本日のアジェンダ
1. 日産のグローバル展開
2. グローバル人財育成
3. 日本のモノづくりの役割と人財育成
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グローバル生産戦略における各マザー工場の役割
<関東リージョン>
(追浜/横浜/座間)
•EVの開発拠点
•新技術・新工法立上げ&グローバル展開拠点
•グローバル新車・新パワートレインの
生産準備
<栃木・いわきリージョン
>
•グローバル品質の仕組み
(INFINITI品質)
<九州リージョン
九州>
•LCC部品を最大限に活かした総原価競争力リーダー拠点
日本のモノづくりの役割
1.モノづくり革新をリードすること
2.グローバル拠点への技術的・人的支援
3.高精度・高度技術・高技能なモノづくり
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内製工場 組立ラインの進化 ーものの流れー
顔出し率100%
(~’02)
ストライクゾーン
(~’05)
KIT供給
(’06~)
部品の選択・識別の改善
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内製工場 組立ラインの進化 ーものの流れー
顔出し率100%
(~’02)
ストライクゾーン
(~’05)
KIT供給
(’06~)
部品を取る歩行の削減
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内製工場 組立ラインの進化 ーものの流れー
顔出し率100%
(~’02)
ストライクゾーン
(~’05)
KIT供給
(’06~)
車両一台毎の部品を作業者の手元へ供給することで、部品選択や運搬などの
付加価値のない作業を省き、品質を作り込む付加価値作業へ集中できる。
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iFA (integrated Factory Automation)
モノの流れの整流化+安価な自動化
安価な自動化の導入
*からくり=知恵を絞った自動化
モノの流れに着目することで
淀みなく清々と流れる状態にする =ムダがない状態
integrated
(融合)






生産現場と物流の融合
工場とサプライヤーの融合
IT と現場の融合
IT と設計・生産準備との融合
設備づくりと生産の融合
プロセスの融合
21
iFAとは
【従来】
【キット供給】
モノの流れを1本化
(1動線・1荷姿)
・部品の選択、識別
・部品を取りに行く歩行
・空容器の返却
組立作業者の
ムダを集約し、
顕在化させる
“安価な自動化”が実現
・AGV(無人搬送台車)化
・容器の自動移載装置(からくり)
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海外拠点への発信
英国
サンダーランド工場
米国
スペイン
スマーナ工場
関連
会社
バルセロナ工場
中国
花都工場
海外拠点へノウハウを発信しグローバルの工場の競争力を向上
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Expansion - Best Practiceを共有できる仕組み
・ グローバルでBPを共有できるツールを有し, 常に進化を
させ, 限りないBP追求を目指している。
BPのレベル
新BP
(拠点C)
進化
新BP
(拠点B)
BP
進化
限りないBPの
追求
(拠点A)
BPの共有
時間軸
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日本のモノづくりの役割
1.モノづくり革新をリードすること
2.グローバル拠点への技術的・人的支援
3.高精度・高度技術・高技能なモノづくり
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新工場プロジェクトの課題
新工場建設ラッシュ ⇒ リソース(人材)、新興国、短期
標準化、マネジメントツール、組織が必要
標準化された生産設備 ⇒Alliance Integrated Manufacturing System
マネジメントツール ⇒ New Plant Preparation Standards
組織
⇒ 新工場準備部
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新工場準備プロセスマネジメント
NPPS 約7,000ステップ (計画⇒立ち上げ)
新工場準備に必要な全機能のアイテム
工場
建設
土地
確保
生産
管理
現場管理
APW
生産
設備
購買
物流
経理
人財採用
教育
法務
サプ
ライヤー
情報
システム
人事
総務
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日本のモノづくりの役割
1.モノづくり革新をリードすること
2.グローバル拠点への技術的・人的支援
3.高精度・高度技術・高技能なモノづくり
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高精度・高度技術・高技能なものづくり
 高性能車、高級車の生産
 電気自動車(EV)の短期間での立ち上げ
高性能・高品質なクルマづくりへの対応
日産リーフと搭載バッテリー生産の立上げ
高技能者の匠の技を活かし、
高性能車・高級車生産に対応
開発・実験などが近いことを活用
29
29
日本のモノづくりの役割
1.モノづくり革新をリードすること
2.グローバル拠点への技術的・人的支援
3.高精度・高度技術・高技能なモノづくり
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⼈財育成への想い(⽇本⼒)
日本のモノづくり力・現場力の
強さの原点
年功序列(先輩・後輩)
画一性(多様性でなく)
和(チームワーク)
日本力
終身雇用(会社に対する忠誠心、継続)
⽇産⽣産⽅式に⼟台となる⼈づくり
モノづくりの基本は⼈づくりから
⼈材
可能性の
ある素材
分岐点
(社会⼈)
⼈財
会社の価値を⾼める⼈
⼈在
ただ会社にいる⼈
⼈罪
会社にマイナスを
与える⼈
⼈財育成:教育は⼈財をつくるための投資
教育の柱
・⼈間性
・専⾨技能
・管理スキル
⇒ 規律、リーダーシップ、⼈間関係
⇒ 職種固有技能・知識
⇒ 管理技術、標準化スキル
⽇産⾃動⾞の⼈財ビジョン
<求める⼈財>
グローバルで戦える、“和魂多才”型の⼈財
⽇産⾃動⾞が求める⼈財
和 魂
多才
主体性、チームワーク、実⾏⼒
グローバル、ダイバーシティー
柔軟な対応⼒をもって何事にも主体的に取
り組み、⾼いチームワークで、確実に最後ま
でやり切る。
事実/データに基づいたロジカルな思考で、多
様性を尊重しながらもリーダーシップを以って、
あらゆる環境においても成果を出し続ける。
コアバリュー
グローバル
ビジネススキル
現場⼒
NISSAN WAY
ダイバーシティ
カスタマーフォーカス
マーケティング
経理財務
コミュニケーション
英語、V-up
チームワーク
⽬標達成意識
柔軟性・実⾏性
EM/QM
必要なコアスキル・能⼒
⽇産教育センター
第七研修館
体育館
日産ビジネスカレッジ
日産横浜自動車大学校
第一研修館
第二研修館
第三研修館
正
門
東館
中央館
西
館
北
館
34
インド工場立ち上げでの新たな気付き
既に準備していたトレーニング
今回新たに気づき追加したトレーニング
能力
オンラインジョブトレーニング
オフラインジョブトレーニング
GTC/RTC
基本技能訓練
御免なさい
しばらく
基点の違いに
気付きませんでした
極々基本的な、動作、
心構え、行動指針を学ぶ
道場訓練
時間
経験の無い方には
極々基本的な訓練が必要
新興国での退職率
自動車製造業
1. 人を大切にしてくれる
2. 人を育ててくれる
3. 一貫した思想 : 日産ウェイ-NPW
Nissan
23%
21%
モチベーションは世界一高い
⇒低い退職率
(業界平均より-10%)
12%
5%
4%
1%
他新興国拠点A
他新興国拠点B
直接員
インド チェンナイ
SHIFT_the future
日産のモノづくりを世界に