ヒガンバナ 12,500本と昨年並みの開花数 2011年のヒガンバナ開花数は、全体では、12,500 本と、前年と全く同じ数で終り ました。(15,000 本と予想していたが) 部分的に分けて見ると、南向きの斜面を除き、開花数は増加、特に、 集会所に西側で増加が顕著でした。一方、南斜面は、前年 3,00 本開花していたのに、僅か 1,600 本と半減。(5月の球根植え付 けは、南斜面に集中したにもかかわらず) 過去にも、南斜面で大幅に減少したことがある。原因はどこにある のか? 花茎が上がる少し前7月~9月の天候をチェックしてみる と(石田の記録から)3ヶ月で、少しでも雨の降ったのは、僅か 11日のみ、暑く晴れた日が多かったことが目立つ。このことが、 乾燥しやすい南向き斜面の開花数の大幅減少に大きく影響したものと 推測されます。球根が枯死したわけではないので、2012 年は期待したいものです。 今年も、球根の分球移植は続ける予定です。 (石田) ツルボが急に増えました ツルボは、山野の日当たりに良いとこるに生える多年草。 (ユリ科ツルボ属) りん茎は卵球形、葉は線形で長さ 10~25 ㎝、厚くてやわらかい。 8~9月に淡紫色の花をたくさん房状につける。このツルボは 以前からビオトープ内にあったが、今年急に西向き 斜面に大きな群落になって3箇所ほど群生えているの が観察されました。 今後どのような生育をするのか気になるところです。 (石田) どうした? 今年(2011 年)のオニヤンマ オニヤンマは5年間ヤゴ(幼虫)の時代を小川の中で送る。前1号 で9年間の調査結果から、5年毎に羽化数を並べてみると、羽化多 かった年の5年後の羽化数は多い、すくなかった年の5年後は、化 が少ないことを報告しました。この結果からいくと、今年は今まの 平均的な50~60匹の羽化を期待していました。 ところが、僅か19匹しか羽化せず、過去ダントツの少ない羽化数で 終わりました。原因がどこにあるのか。 5年前の産卵数が極端にな かったか? 小川の環境が大きく悪くなったか?(環境の変化あった とは気づいていない) もし、後者が原因だとすれば、これからも羽 化数はうんと少なくなると考えられます。 今後も注意深く観察していきたいとおもいます。 (石田) 天平の甍(いらか)異聞 佐倉市の文化財ガイドブックに「佐倉細見」という小冊子がある。 佐倉市をいくつかの地区に区分して各地区にある文化財(神社・寺院・史跡・名勝・有形 文化財など)がわかりやすく紹介されていて大変趣のある冊子である。 その中の志津地区の「千住院」の項目を眺めていると次のように書かれていた。 …井野にある稲野山千住院は、千手観音を本尊とする真言宗豊山派の寺院であり天平年間 (729~49)に臼井石神「稲荷台4丁目」に創建されて蓮華王院金剛般若寺と号し、のち 明徳3年(1392)に僧澄秀が兵乱に遭うことを恐れ大檀那の小竹五郎高 に願って当地「井 野」に移転し千手院と改称したと伝えられている。 江戸時代には幕府から寺領30石を与えられ今でも近在に多くの末寺を持ち、密具の「金 銅五鈷杵」は有名である。 今から1200年も前、聖武天皇の時代にこの地域に真言宗の寺院が創建され、しかも 創建の地が臼井石神(私たちが住んでいるこの地区は戦後しばらくまで石神山とよばれて いたようです)すなわち稲荷台4丁目であったと言う事です。何か歴史のロマンを掻立て るようです。 この地域のどこにどのような伽藍が600年以上もの間有ったのか知りたくなり、昨年 (2011 年 11 月)井野の千住院を尋ねてみました。たまたまお庭におりました若いご住職 に会うことが出来ました。彼のお話では、千住院は明治時代に大火に会い寺の縁起から何 から何まで消失してしまい、寺の創建が臼井の石神であり、伽藍も相当大きかったと言い 伝えでは聞いていますが絵図も古文書も何も残っていません、残念な事ですとの事でした。 昨年11月には歴博の図書室を訪ね、古文書、古地図、絵図などがないか問い合わせまし たが、今のところ色よい回答を得ていません。 さて南米チリのはるか沖合太平洋上の孤島イースター島のモアイ像については現代の 不思議でありましたが、今ではおおよその事が分かってきたようです。 イースター島に人間が住み始めたのは9世紀ころです。そのころ島は亜熱帯雨林に覆われ ていました。その後18世紀にヨーロッパ人が訪れた時には高さ 3mを越す樹木は残って いませんでした。燃料や巨石を運ぶ資材にするためにすべて切り倒されたのでした。鳥も 海鳥以外は取りすぎて絶滅し、農地も失われ人々は飢えました。 木がないため島から逃げ出すカヌーも作ることが出来ず、人々は 争いあい、自滅しました。 現代の私たちも地球という孤立した島に棲んで、地球環境を台無 しにしてしまっても、別の星に移り住むことは出来ないのです。 (1月3日朝日新聞インタービュー記事 地球歴史学者ジャレドレイモンド氏「文明崩壊への警告」抜粋) ここ稲荷台ビオトープでは、春にはクヌギ、コナラ、エノキ などが芽吹き、秋には一面ヒガンバナが咲き、四季を通じて種々 の野草が可憐な花を咲かせます。 この自然の恵みは天平の時代いやもっともっと古き時代より繰り 返されてきたのでしょう。 その土地に住むヒト、住民としてこれ からも自然を大切に守って生きたいものです。 ヒグラシや ヒトの名残の モアイ像 清史 コナラの芽吹きと花 (松丸) 稲荷台ビオトープ 動植物の動き ビオトープとその近くで気づいた動植物の動きをメモしていますが、 その内 平成23年のメモから主なものを拾ってみました。 月日 植 物 鳥 ・ 昆 (石田) 虫 1/11 1/15 アカハラ(上座) アオジ(上座) 1/26 1/27 1/28 2/4 3/1 シロハラ(上座) カワセミ(稲荷川) バン・カワセミ(手繰川) シジュウガラさえずり(上座) カワセミ(稲荷川) ウグイスさえずり(上座) 3/6 3/14 3/20 4/4 4/11 4/15 4/16 4/19 4/20 4/22 4/30 5/2 5/4 ハナニラ開花多(南斜面) モンシロチョウ・キチョウとぶ ヤナギかなり芽ぶく サクラ満開(南公園) ウマノスズクサ萌芽 ベニシジミとぶ ナミアゲハとぶ クサボケ開花(数株) ツバメとぶ(手繰川) タチツボスミレ群落満開(上座) ジャコウアゲハ♂羽化 オオヨシキリさえずり コゲラ子育て情報入る キショウブ・ホタルカズラ咲く アマドコロかなり咲く(群落) 5/7 5/10 5/15 5/17 6/6 6/10 6/16 6/22 7/2 7/7 7/8 8/18 8/22 8/27 9/3 ジャコウアゲハ♀羽化 ノアザミ開花 ジャコウアゲハ産卵確認 クロアゲハとぶ(上座) ホタルブクロつぼみ上がる ハグロトンボ多数 コマツナギ開花(鉢植え苗) ヤマユリ開花 センニンソウ開花 ノシメトンボ多数 オニヤンマ初羽化 オオシオカラ トンボ♂ ツクツクボウシ初音 ツリガネニンジン・ヤクシソウ咲く ナンテンハギ開花 ツルボの群落 数ケ所あり開花多 稲荷台ビオトープ 1/1 1/12 1/22 1/22 2/2 2/3 2/14 鳥だより ジョウビタキ 自宅庭 コサギ ビオトープ稲荷川 カワセミ ビオトープ稲荷川 5/14 ダイサギ 5/16 ホトトギス 6/3 オオヨシキリ ツグミ カワセミ アカハラ メジロ 6/22 ゴイサギ(幼鳥)ビオトープ斜面林 6/23 アマサギ 上座田圃 6/28 モズ ビオトープ斜面林 6/28 コサギ 上座田圃 7/9 ムクドリ 自宅庭 7/22 ツバメ ビオトープ前田圃 ビオトープ南斜面 ビオトープ稲荷川 ビオトープ前休耕田 自宅庭 8/3 2/21 3/8 モズ ビオトープ南斜面 アオジ 手繰川土手 ビオトープ前休耕田 8/28 ツバメ ビオトープ前田圃 10/12 モズ(高鳴き) 自宅庭 10/13 11/3 11/9 11/26 3/25 4/6 4/6 4/20 12/ 5/6 上座方面 (クマゼミの声)大畑南公園 3/13 キジバト 団地北へび坂付近 3/20 ハイタカ 大畑橋上空 3/20 ウグイス(さえずり)上座公園方面 3/23 キジ ビオトープ前休耕田 エナガ ビオトープ斜面林 シジュウカラ 自宅庭 カワラヒワ 団地内 ツバメ ビオトープ前田圃 カルガモ ビオトープ前田圃 ビオトープ前田圃 コサギ 手繰川上空 メジロ 自宅庭 ヒヨドリ 大畑南公園 バン・コガモ 手繰川 シジュウガラ 自宅庭 前ページからのつづき 月日 9/6 植 物 昆 虫 アメリカシロヒトリ被害大 (ヌルデ、コナラの幼木) ヒガンバナ開花盛り イチョウ少し色ずきはじめる ツリガネニンジン・ヤクシソウ 開花(草刈り後伸びたもの?) 11/7 11/30 12/9 12/17 12/20 ・ ヒガンバナ1茎上がる 9/13 10/1 10/15 10/21 鳥 ジョウビタキ初見(♀) モンシロチョウとぶ イチョウ大半落葉 モンシロチョウとぶ エナガ7~8羽の群れ 平成24年活動計画 2月7日幹事会を開き、今年の活動の計画を企画しました。概要を列記します。 細かい日程が決まり次第案内します。ご協力お願いします。 (石田) 小川の環境改善 小川内の植物の一部抜き取り 3月 9月 ショウブ ヨシ ドクダミ スギナ クレソンなど ドロさらえ 時間をかけて少しずつ 3~11月 植物の増殖 植え付け ヒガンバナ球根 ノアザミ苗 コマツナギ苗 ウマノスズクサ 草刈り 苗木周りの下草刈り 5月 春と秋 市による全面草刈前 保護植物のマーキング 8月 名札つけ 主な樹木 野草に 観察道つくり 西斜面集会所近く 観察会 調査 上座公園夜 アブラゼミの羽化 8月上旬 ヒガンバナ開花 オニヤンマ羽化 ヤマユリ開花 ジャコウアゲハ生活史 水生生物 掲示 展示 ビオトープ掲示板(5種 周年) もちつき時 他 その他気づいたことをその都度 「佐倉市・八千代市の自然観察の小道」 刊行のお知らせ 日頃より、稲荷台ビオトープの保護活動にいそしまれておられる由、敬服いたします。 佐倉自然同好会は佐倉市・八千代市内で自然観察会を月 2 から3回程度行っておりますが、こ のたび、そのなかでいくつか自然と親しめる散策コースを皆様にご紹介する冊子を刊行いたしま した。 佐倉市・八千代市は開発が進みましたが、まだ自然が残っています。そんな美しい自然に多く の方々が接して、心身ともにリフレッシュし、自然のふしぎさ、大切さを知っていただきたいと 考えております。 冊子は会員が撮った生きもののカラー写真ページ、コースの解説と地図、自然の紹介などが載 っておりますので、皆様の活動にお役立ていただければ幸いです。 ご希望の方は、石田様・松丸様または下記までご連絡ください。 皆様 佐倉自然同好会に入って一緒に自然観察しませんか、お待ちしております。 佐倉自然同好会 事務局 小道編集責任者 【住所】佐倉市上志津 1076-6 岡田 義久 【Tel】 043-462-3030 編集メモ 16号やっと発行することが出来ました。 佐倉自然同好会の代表 神さんに 自然観察の楽しみについて投稿していただきまし た。生き物に眼をむけて、楽しい散歩を楽しんでください。小さな稲荷台ビオトープです が、色々と変化があります。注意深く見守っていきたいものです。 (石田)
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