審査番号: 161220-A1 アイザワ証券 投資リサーチセンター Asia Monthly アジア・マンスリー / 2017年新春増刊号 (2016年12月26日発行) (今月号は 12 月 16 日時点の情報を基に作成しています。) CONTENTS トランプ次 期 大 統 領 の経 済 政 策 とアジア株 の動 向 ● 《Outlook》 Global 投 資 リサーチセンター長 飯 田 裕 康 ○ 2017 年は欧州の政治イベントに 注目か? 2017年1月20日のトランプ氏の大統領就任を控え、11月の米国大統 領選挙後から各国為替・金融・株式市場はドル高基調、日米をはじめと ・・・・・・ 2 ページ する先進国株高の流れが続いている。トランプ氏は保護主義、反グロー バル主義、ドル安政策を唱えていたため、選挙直後の株高・ドル高は一 ● 《Outlook》 By Regions ○ 米国経済・株式 ○ 中国経済・株式 ○ 東南アジア経済・株式 ・・・・・・ 3~5 ページ 過性と見られていたが、現在も株高・ドル高基調が継続している。マー ケットはトランプラリーが本物かどうか見極めたいのだろう。 大統領就任前の現時点で、トランプ次期大統領の経済政策とマーケ ットに与える影響を見通すことは困難かつ早計であるとは思うが、トラン プ氏の経済政策を予想すると、図のとおり金融経済活性化と財政刺激 により需要・物価・資産価格・景気を押し上げるリフレ政策なのではない かとみる。①まず所得税率の変更および法人税の大幅減税と海外留保 ● 《Asia》 Topics 金の米国還流政策(レパトリ減税)によって資金を創出し、②次にインフ ○ トランプ新政権とアジア新興国 ラ投資で資金需要を増加させ、③金融規制の廃止または一部緩和によ ・・・・・・ 6~7 ページ り投資資金を活性化させる(リレバレッジ)といった流れである。米国景 気回復への期待が先行、長期金利の上昇傾向が続くなかで、各国通貨 に対するドル高基調も当面継続するであろう。 ● Stocks 自国通貨安が株価軟 ○ 美的集団 調 に 繋 が り や す い ○ 杭州海康威視数字技術 ASEAN株式は当面上値 ○ タイ・ビバレッジ を抑えられると予想され ○ チャロン・ポカパン・フーズ るが、2016年に円高直撃 ○ ミトラ・クルアガ・カヤセハット で安値に放置された日 ○ マッサングループ 本株のバリュー投資が有 ・・・・・・ 8~13 ページ 効だったことと同じよう に、トランプ相場(先進国 株高)で蚊帳の外に置か ● DATA れたASEAN株であるが、 ・・・・・・14~15 ページ トランプ次期政権の経済政策(予想) 大減税 ① 資金の創出 ③ 金融規制緩和 ② インフラ投資 投資資金活性化 資金需要増加 「アメリカを再び偉大にさせる」というのは、上記 のような資金(マネー)循環をつくり、米国のGDP と株式価値をさらに最大化する考えとみる。 2017年はバリュー株投資 のチャンスと見て臨みた [出所:各種資料、アイザワ証券作成] い。 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し くお願いいたします。 2 Asia Monthly Global Outlook 2017 年 は欧 州 の政 治 イベントに注 目 か? ― 明松 真一郎 / 2016 年は想定外が続いた 1 年に 2016年は、6月の英国のEU離脱、11月の米国大統領選挙におけるトランプ氏の当選と、ほぼないだろうと思 われていた事態が起こり、世界的に株式、債券、為替などが大荒れとなった。この結果を生んだ背景には、 様々な要因が絡み合っていると思われるが、ひとつの要因としては、国民が今の状況に対して不満を募らせて おり、現状打破を求めたという側面があるのではないか? 全く意味は異なるが、以前、2010年から2011年にかけて、チュニジアに端を発してエジプトやリビアなどで反 政府運動が大規模化し、最終的に独裁政権の崩壊などの事態を招いた、というケースがあった。2016年の英国 と米国での出来事も、ある意味、チュニジアでの革命からの流れを引き継いでいるといえよう。 / 欧州選挙年の前哨戦 2016年の英国のEU離脱後、欧州は不安定な状況が続いているが、その欧州では、選挙関連イベントが目白 押しだ。その前哨戦ともいうべきイベントが12月4日に実施された。イタリアの国民投票とオーストリア大統領選挙 のやり直し決選投票だ。結果は、イタリアではレンツィ首相が唱えてきた憲法改正案は国民投票で否決され、首 相は辞任することとなった。EU離脱志向の強い野党「五つ星運動」の今後の動向や、巨額不良債権を抱える大 手銀行の問題など、イタリアは当面不安定な状況が続きそうだ。一方、オーストリアでは、緑の党の前党首であ るファン・デア・ベレン氏が極右のホーファー候補に勝利した。大国ではないため、世界や欧州全体に与える影 響は限定的ながら、近年、これまで強まっていた反EU的な流れとは異なる結果だったといえよう。 2017年に欧州(+米国)で予定されている主要イベント 実施時 イベント 3月15日まで オランダ議会選挙 3月15日 米国債務上限の期限到来 影響、注目点 EU離脱派の右派政党がどこまで勢力を伸ばすか? 米国国債のデフォルト懸念が強まる可能性も。 3月末まで(未確定) 英国EU離脱の議会承認判断 EU離脱に向けて本格始動? 4月 フランス大統領選挙 6月 フランス国民議会選挙 8~10月 ドイツ連邦議会選挙 相次ぐテロで国民の不安感が広がっている状況が選挙 結果にどのように反映されるか? 難民受け入れが主な争点になる見込み。 [出所:各種資料、アイザワ証券作成] / 注目される選挙日程 さらに、注目を集めそうなのが、ドイツ、フランスという欧州主要国で実施される大統領選挙や議会選挙だ。フ ランスではこれまで無縁だったテロの発生で国民の間で不安感が広がっているほか、ドイツでは移民政策に対 する不満が強まり、メルケル首相への支持率が大幅低下している。ドイツとフランスはEUや世界経済に占める 比重は大きいため、2016年の英国EU離脱のように、想定外の結果が出た場合には英国ショック以上のインパク トを与える可能性があり、2017年の選挙スケジュールは注目を集めそうだ。 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し くお願いいたします。 Asia Monthly By Regions 3 Outlook 【米 国 経 済 ・株 式 】 ― 王 曦 2016年11月8日、米国の大統領選挙は大方の予想に反 してドナルド・トランプ氏が当選し、トランプ旋風によって金 米国の政策金利とインフレ率の推移 6 融市場でインフレ期待が一気に高まった。株式市場では 5 財政出動や規制緩和への期待感から金融と製造業、エネ 4 ルギー関連銘柄が買われ、NYダウは史上最高値を更新し 3 た。また、債券市場では米国の長期国債が売られ、長期金 2 利は約2年ぶりの高水準をつけた。更に、商品と為替市場 1 では資源価格の上昇と急速なドル高が見られた。 インフレ率(PCEコア価格指数、前年同期比) 政策金利(FFレート) 0 -1 トランプ氏の大統領就任式は2017年1月20日の予定だ が、就任後はNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉や TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)からの脱退、中国な -2 [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成] 米国全雇用者の平均時給の推移(前年同期比) どの主要貿易相手国に対する圧力の強化といった保護貿 4.0 易的な動きが予想される。その一方で、法人税減税や規 3.5 制撤廃、インフラ整備、エネルギー開発といった景気浮揚 3.0 策に対する期待が高まっている。株価の観点では、2017年 2.5 上半期にかけて政策に対する過度な期待が修正される場 2.0 面も想定されるものの、米国のインフレ率や全雇用者の平 1.5 均時給、企業業績といったファンダメンタルズの面を見る 1.0 (%) 限り、米国の景気自体は拡大基調を維持している(右図参 照)。2016年12月14日、FRB(米国連邦準備制度理事会) はFOMCで約1年ぶりに利上げを決め、2017年の利上げ [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成] 主要株価指数と為替(週足2016年1月1日~12月16日) 見通しを3回とした。今後、米国の持続的な景気拡大と金 (ポイント) 利上昇が確認できれば、程よいドル高が定着し、金融や消 21,000 費といった内需関連企業が恩恵を受けると予想される。 20,000 (円) NYダウ工業株30種(左軸) 125 120 ドル/円(右軸) 19,000 115 18,000 110 ァーゴ(米国:WFC)、ハリバートン(米国:HAL)、アマゾン・ 17,000 105 ドット・コム(米国:AMZN)、ペイパル・ホールディングス(米 16,000 100 国:PYPL)などに注目したい。このうちスターバックスとウォ 15,000 95 2017年の米国株個別銘柄としては、スターバックス(米 国:SBUX)とウォルト・ディズニー(米国:DIS)、ウェルズ・フ ルト・ディズニー、ウェルズ・ファーゴに関しては、米国の売 上比率が高く、消費拡大や金利上昇の恩恵を受けると予 想される。また、ハリバートンはOPEC減産と世界景気の回 復に伴う原油価格の上昇、米国国内におけるエネルギー 開発の規制撤廃などによって業績の回復が見込まれる。 そして、アマゾン・ドット・コムとペイパル・ホールディングス はEコマース、クラウドサービスの成長とオンライン決済の 利用拡大が株価の押し上げ要因になりそうだ。2017年は 米国の景気拡大と金利上昇を想定して、以上のような銘柄 の株価パフォーマンスに期待したい。 [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成] 参考銘柄 ティッカー 銘柄名 2016/12/16 終値 SBUX スターバックス 57.66 USD 98,965 億円 DIS ウォルト・ディズニー 103.91 USD 195,019 億円 HAL ハリバートン 53.99 USD 55,040 億円 AMZN アマゾン・ドット・コム 757.77 USD 424,627 億円 PYPL ペイパル・ホールディングス 39.32 USD 55,952 億円 時価総額 [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成] 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し くお願いいたします。 4 Asia Monthly By Regions Outlook 【中 国 経 済 ・株 式 】 ― 柳 林 2016年、中国経済は住宅市場の回復や過剰生産能力 の削減などを背景に、生産者物価指数(PPI)が約4年半ぶ 中国のGDP成長率と物価 14% 名目GDP成長率 りにプラスに転じ、デフレ脱却の動きが鮮明になっている 12% 実質GDP成長率 (右上図参照)。景気が好転した主な要因としては、リーマ 10% ン・ショック後に積み上がった住宅在庫が解消され始めた ことによって、不動産の新規着工面積が前年の2桁減から 8%増に転じたことなどが考えられる。2017年は、不動産の PPI CPI 8% 6% 4% 2% 0% 融資規制や購入制限などによって大都市の住宅販売が減 -2% 速すると予想されるものの、不動産販売面積全体の約7~ -4% -6% [ 出所:WIND、アイザワ証券作成] 8割を占める地方中小都市の住宅販売は堅調さを維持す ると見ている。また、不動産の新規着工面積は2016年に比 中国本土上場企業の純利益推移(単位:億元) べて伸び率が鈍化する見通しで、前年比で約5%の増加 70% 35,000 が見込まれている。 60% 30,000 一方、重工業とエネルギー部門の過剰設備・債務の削 減は2017年も続くと予想され、企業の投資抑制と経費削減 50% 25,000 38.1% 40% 30% といった動きは金融市場と労働市場に悪影響を与える可 20% 能性がある。消費については、自動車購入税の減税幅縮 10% 小に伴って新車販売が減速する見通しだが、個人所得税 0% の控除導入によって購買力の上昇が見込まれるため、概 -10% 30% 14% 7% 4.4% 1% 3% 2% する懸念が高まっている。消費と輸出による経済成長への 20,000 不動産 15,000 証券・保険 10,000 銀行 5,000 全体の前年比(左軸) ※2016年以降はWIND予想 [出所:WIND、アイザワ証券作成] 主要株価指数と為替(週足2016年1月15日~12月16日) (円) (ポイント) 寄与があまり期待できない中、中国は2017年も財政出動 3,600 の拡大を通じて景気を下支えする構えだが、GDP成長率 3,500 の低下や人民元安をある程度容認する可能性がある。た 3,400 だ、中国経済が持続可能な成長を実現するには、国有部 金融・石油以外 0 ね安定を維持するだろう。また、輸出については、世界貿 易の回復期待が強まる一方で、保護貿易主義の台頭に対 8% 石油(以下右軸) 18.5 中国CSI300(左軸) 18 人民元/円(右軸) 17.5 3,300 17 3,200 16.5 門の縮小や規制緩和といった抜本的な施策が求められて 3,100 16 おり、こうした構造改革の進展に注目したい。 3,000 15.5 2,900 15 2,800 14.5 実体経済の回復を受け、中国本土上場企業の純利益 は2016年に前年比4%増と過去最高益を更新し、2017年 はさらに8%増に加速する見通しだ(右中図参照)。企業業 績の改善を反映して、上海総合指数は3000~3500ポイン [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成] 参考銘柄 ト、香港H株指数は8500~11000ポイントのレンジで底堅く ティッカー 銘柄名 2016/12/16 終値 金融関連業種が優位、年後半にITやディフェンシブ関連 000333 美的集団[ミデア・グループ] 29.20 元 31,837 億円 業種が優位な相場展開が予想される。一方、2017年の主 002415 杭州海康威視数字技術 23.79 元 24,638 億円 なリスク要因としては不動産市況の低迷や構造改革の停 3606 福耀玻璃工業集団 22.90 HKD 7,737 億円 2318 中国平安保険(集団) [ピンアン・インシュアランス] 40.45 HKD 110,782 億円 推移するだろう。業種別では、年前半に素材やエネルギー、 滞、急速かつ大幅な人民元安、海外の政治経済リスクなど が挙げられ、これらの点に注意する必要がある。 時価総額 [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成] 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し くお願いいたします。 Asia Monthly By Regions 5 Outlook 【東 南 アジア経 済 ・株 式 】 ― 北 野 ちぐさ 2016年の東南アジア株式市場は、米利上げ観測の後 東南アジア主要株価指数の騰落率 退と商品市況の反発を背景にリスクオンの様相を強めてい タイSET たものの、米大統領選挙を境に一転、リスクオフの動きとな った。米国の利上げペースが早まるとの懸念や、ドル高に ジャカルタ総合 伴う自国通貨安が輸入インフレを促し景気を下押しすると ベトナムVN の懸念、トランプ次期政権による保護主義的な貿易政策 FTSEシンガポールST に対する懸念などが背景だ。 2017年についても、米新政 でのリスクオフの動きは、米次期政権に対する期待先行と 新興国への負の影響に対する過剰反応で、いずれ巻き戻 しも想定される。世界的な不確実性が高まっているものの、 東南アジアの内需拡大を中心とした長期的な経済成長へ の期待は変わらないため、外部環境の影響を受けづらい 東南アジアのインフラ投資関連株や消費関連株などは買 い戻される可能性があると考える。 国別ではタイ、インドネシア、ベトナムに注目する。まず タイは、10月の国王崩御により政治社会的な混乱が懸念 2.5% 4.8% 米大統領選挙以降 (11/8~12/9) -10% -5% 0% 5% 10% 15% 20% 25% 世界主要国の名目GDP推移(米ドル換算、2000年=100) 1600 1500 1400 1300 1200 1100 1000 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 米国 中国 日本 ドイツ 英国 フランス ASEAN ブラジル イタリア インド ※ASEANは2013年、ブラ ジルは2014年、その他は 2015年以降のデータが IMF予想値 中国 インド ASEAN 日本 [出所:IMF、アイザワ証券作成] 主要株価指数の比較(2016年1月1日を100とする) 125 インフラ投資の加速で景気を下支えすると見られる。2017 120 年末に民政移管のための総選挙を控え、年後半は動きづ 115 110 105 だ。次にインドネシアは、米大統領選挙以降、再び双子の 100 赤字という経済の脆弱性が嫌気され、通貨と株価が大きく 95 調整した。ただ、2013年のバーナンキショック時と比べると、 90 経済は回復基調、物価は歴史的な低水準、経常赤字は 2016年初来 [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成] とにより、消費や観光の減速が予想されるものの、政府は らい展開が予想されるが、年央までは底堅い動きとなりそう 1.3% -3.6% -3.0% -1.3% FTSEマレーシアKLCI されたものの、概ね順調に王位継承が進められ、株式市 場に安心感が広がった。1年間の服喪期間が設けられたこ 14.5% -2.0% フィリピン総合 など、欧州の政治イベントも波乱要因となる可能性があろう。 ただ、米大統領選挙以降の先進国でのリスクオン、新興国 15.6% -3.0% 権の政策の方向性が明らかになってくるまで、神経質な展 開が続きそうだ。さらにフランス大統領選挙やドイツ総選挙 18.5% 1.1% マレーシア インドネシア タイ ベトナム 85 縮小傾向と、状況が異なり下値不安は少ない。むしろジョ コ大統領が政権基盤の安定化を追い風に加速している景 気対策や構造改革、特にタックス・アムネスティ(租税特 赦)の効果が期待される。最後にベトナムは、トランプ次期 政権の発足によりTPPによる景気押し上げ効果が期待しづ らくなったものの、外国人投資制限の緩和などこれまでに 打ち出された各種規制緩和が進展すれば、外国資金の流 入が期待できるだろう。短期的にはドン安への懸念がある ものの、株式市場の長期的な値上がり期待は大きい。 [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成] 参考銘柄 ティッカー 銘柄名 2016/12/16 終値 THBEV タイ・ビバレッジ 0.87 STEC シノ・タイ・ エンジニアリング 27.50 BSDE ブミ・スルポン・ダマイ MIKA CII 時価総額 17,824 億円 TB 1,380 億円 1760 IDR 2,981 億円 ミトラ・クルアガ・ カヤセハット 2510 IDR 3,214 億円 ホーチミン市インフラ投資 29200 365 億円 SGD VND [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成] 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し くお願いいたします。 6 Asia Monthly Asia Topics トランプ新 政 権 とアジア新 興 国 ― 明松 真一郎 / 先進国中心の展開からの転換は? 2016年は、11月の米国大統領選挙でのトランプ氏当選以降、世界的に資金の流れが大きく変化してきた。 市況商品のなかで、債券、通貨などの流れが選挙前に比べて明らかに変わっている。今後、1月20日のトランプ 大統領正式就任まで、米国がどのような方針で対内政治、外交を行なっていくことになるか、未知数であるが、 トランプ新政権との関係という観点から、2017年のアジア新興国を占ってみよう。 株式、通貨、債券等の2016年騰落率 指数、通貨名 国 NYダウ 米国 日経平均 日本 ドイツDAX ドイツ FTSE100 英国 CAC40 フランス 上海総合 中国 株式市場 香港ハンセン 加権指数 台湾 FTSEKLCI マレーシア タイSET タイ ジャカルタ総合 インドネシア フィリピン総合 フィリピン ベトナムVN ベトナム 日本円 日本 ユーロ ユーロ 対ドルレート 人民元 中国 現地通貨高 リンギ マレーシア (プラス) タイ 現地通貨安 バーツ インドネシア (マイナス) ルピア ペソ フィリピン ドン ベトナム 米国 長期国債 英国 (10年物) タイ インドネシア WTI原油 資源価格 金 銅 ※上表の①:年初~英国国民投票前日 ① ② ③ 3.4% -14.7% -4.5% 1.5% -3.7% -18.3% -4.8% 4.1% -3.1% 11.5% 6.1% 11.2% 9.2% 11.7% -4.8% -1.3% 6.5% 2.5% 3.9% 0.9% 0.8% 23.0% 26.8% 19.1% 13.6% 35.3% 18.9% 1.3% 1.4% 5.8% 1.9% 8.0% -0.1% 8.3% 9.3% 5.9% 0.6% 4.6% 10.5% -6.9% 6.6% 1.6% 3.0% -3.0% -4.9% 0.3% 1.2% -4.6% -0.1% -4.6% 12.5% -2.7% 3.8% -10.4% 1.4% 6.8% 8.2% 10.6% 7.1% 2.2% 6.8% 3.2% -0.2% 2.2% -0.6% 1.6% -1.4% -2.1% -1.6% -10.4% 4.3% -1.9% -5.0% -1.9% -1.8% -2.3% -1.0% -35.1% -20.8% -24.5% -4.6% 14.7% -9.4% 14.4% ※上表の②:英国国民投票当日~米国大統領選挙前日 ※上表の③:米国大統領選挙当日~12月9日 [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成] 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し くお願いいたします。 Asia Monthly Asia 7 Topics / トランプ大統領当選後にみられる変化 前ページの表の通り、2016年に最もイベント前後で流れが変わったのは、債券といってよいだろう。6月の英 国国民選挙までは、ほぼ全ての国で債券買いの流れが顕著だったが、米国大統領選挙以降は売り基調が鮮 明になっている。一般的にみればリスクオンの状態といえるが、株式市場では、先進国が株高となっている一方 で、アジア新興国は全体に軟調な値動きとなっている。アジア新興国経済の先行きに対する不透明感が大きな 重石となっている。2017年以降のアジア新興国経済について、予想されるトランプ政権の政策に絡めて考えて みたい。 / 2017 年のアジア新興国をみるポイント トランプ新大統領が今後どのような政策を行なっていくか、現時点ではほとんど未知数ながら、アジア新興国 にとって影響が大きいと思われるのが、貿易面での政策だ。トランプ氏は、大統領選挙期間中と当選後では発 言内容を少しずつ変化させているが、TPP からの脱退などを含めて保護主義的な政策 アジア新興国の輸出入上位相手国 中国 韓国 マレーシア インドネシア を打ち出す可能性が高く、少なからずアジ ア新興国に対しては影響を与えそうだ。実 中国 中国 日本 際、アジア新興国の輸出入相手国上位を 2 香港 米国 日本 3 日本 EU28ヵ国 EU28ヵ国 また、このリストのなかで存在感が大きい国 期を脱しつつある。2017年のアジア新興国 経済は、米国向けの輸出入分を中国分が 補うと予想される。 中国 米国 中国 米国 中国 EU28ヵ国 EU28ヵ国 日本 4 韓国 中東 米国 シンガポール 日本 5 ドイツ 日本 タイ 米国 は中国だが、中国経済については、供給面 の改革進展などによって、国内景気は最悪 ベトナム 輸出 1 米国 みると(右表参照)、米国の存在感は大きい。 タイ 韓国 マレーシア 香港 輸入 1 EU28ヵ国 中国 中国 中国 2 韓国 EU28ヵ国 EU28ヵ国 中国 中国 シンガポール 日本 韓国 3 日本 日本 日本 日本 EU28ヵ国 日本 4 香港 米国 米国 EU28ヵ国 米国 台湾 5 台湾 台湾 タイ 韓国 UAE タイ [出所:ジェトロ、アイザワ証券作成] / 為替に対する影響 債券のほかにももうひとつ流れが大きく変わったのは通貨 の動きだ。円ドルレートが顕著な動きを示しているが、米国が IMFの世界GDP成長率見通し(2016年10月) 実際に利上げを実施し、かつ、トランプ新大統領が強いアメ リカを旗印に掲げているなかで、当面は米ドル優位の流れが 続くと思われる。短期的には米国大統領選挙後に急ピッチ 世界全体 2016年(予) 2017年(予) 3.1% 3.4% 米国 1.6% 2.2% ユーロ圏 1.7% 1.5% 日本 0.5% 0.6% 中国 6.6% 6.2% タンスがおおむね定まっているため、ドルは強含みで推移し インド 7.6% 7.6% やすいと思われる。 韓国 2.7% 3.0% タイ 3.2% 3.3% マレーシア 4.3% 4.6% インドネシア 4.9% 5.3% ベトナム 6.1% 6.2% に米ドル高が進行したため、一旦は反落する可能性があるも のの、その後は再度ドル高基調に戻るとみてよいだろう。 2015年の時点では、米国の利上げスタンスが読みづらい状 況だったが、2017年に関しては米国の金融政策に対するス また、日本円ほどではないものの、アジア新興国通貨の対 米ドルレートも軟調な通貨が目立っている。しかし、減速気 味とはいえ、アジア新興国の経済成長率は世界的にみて高 い(右表)。長期的には他国に比べて高い成長性から、見直 し買いされてくると思われる。 [出所:IMF、アイザワ証券作成] 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し くお願いいたします。 8 Asia Monthly Stocks 深セン A:000333/Z8602 美 的 集 団 [ミデア・グループ] ― 王 曦 業種: 家電 / 中国の大手白物家電メーカー 美的集団[ミデア・グループ](以下 同社)は、中国の大手白物 株式データ 49.1%、小型家電が26.6%、洗濯機が10.3%、冷蔵庫が9.3%、 2016/12/16 現在 株価 売買単位 時価総額 実績 PER PBR 52 週高値 52 週安値 電機が3.0%、物流が1.2%、その他が0.5%。また、同社は海 業績推移 家電メーカー。欧米の大手調査会社によると、同社は2015年 の家電業界において世界第2位の市場シェア(販売数量ベー ス)を誇っており、特にエアコンと洗濯機などの製品に強みを 持っている。2016年上半期の事業別売上構成は、エアコンが 外企業との提携などを通じて全世界に販路を広げていて、売 上高全体に占める海外の比率は約40%に達している。 / 2016 年 1~9 月期決算は増収増益 同 社 の 2016 年 1 ~ 9 月 期 決 算 は 、 売 上 高 が 前 年 同 期 比 【連結】 決算期 '14/12 '15/12 売上高 前年比 純利益 前年比 1株利益 1株配当 142,311 17.4% 10,502 97.5% 1.66 0.67 139,347 -2.1% 12,707 21.0% 1.99 0.80 単位:百万元、ただし 1 株利益と 1 株配当は元 ※1 株配当は株式分割・併合等調整済み 株価チャート(週足2016年1月15日~2016年12月16日) 4.5%増の1170.8億元、純利益が同16.3%増の128.1億元と増 収増益。事業別では、主力のエアコン事業は在庫削減に伴う 29.20元 100株 1876億807万元 14.67倍 3.23倍 32.25元 16.767元 2,000 出来高 (百万株) 株価 (元) 34 1,800 32 値下げで1~6月期まで減収を強いられたが、7~9月期から販 1,600 30 売が持ち直して増収に転じた。一方、小型家電や洗濯機、冷 1,400 28 1,200 26 蔵庫など他の事業は、製品の販売が好調に推移しており、特 1,000 24 800 22 に洗濯機の上半期売上高は前年比30.0%増と高い伸び率を 600 20 400 18 200 16 0 14 示した。また、利益の面では、原材料価格の低下により全体の 粗利益率が前年同期の26.3%から28.0%に上昇したほか、営 業費用の伸びも小幅にとどまったため、純利益ベースでは2桁 増益を確保した。 / 海外企業の買収によって収益基盤の拡大を見込む [出所:株式データ、業績推移、株価チャートともに ブルームバーグ等、アイザワ証券作成] その他 近年、同社は国内事業で得た豊富な余剰資金を元手に、 海外企業の買収を加速させている。2016年3月に同社は東芝 美的集団の事業別売上構成 (2016年中間決算、合計780億元) の白物家電事業である東芝ライフスタイルを、6月にイタリアの 業務用エアコン大手であるClivet社をそれぞれ買収した。この うち東芝ライフスタイルは2016年7~9月期に同社の連結決算 に組み入れられたが、事業の黒字化は2017年以降になる見通 しだ。また、新規事業について、同社は昨年安川電機と提携し て産業用ロボットの分野に参入したほか、2016年5月に早くもド イツの産業用ロボット大手であるクーカ社に買収提案を行い発 行済株式数の90%以上を取得した。クーカ社の買収は海外政 物流サービス 1.2% 電機 3.0% その他 0.5% 冷蔵庫 9.3% 洗濯機 10.3% エアコン 49.1% 小型家電 26.6% 府機関の審査を通過する必要があるため、正式な結果は2017 年3月末までに判明する見込みだ。これらの企業買収は、今後 [出所:会社発表資料、アイザワ証券作成] 技術力と販売チャネルの獲得につながり、同社収益基盤の拡 大に寄与すると予想される。 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し くお願いいたします。 Asia Monthly Stocks 9 深セン A:002415/Z8605 杭 州 海 康 威 視 数 字 技 術 [ハイクビジョン] ― 柳 林 業種: 電子機器 / 中国の大手監視カメラメーカー 杭州海康威視数字技術[ハイクビジョン](以下 同社)は、浙江 省杭州市に本社を置く大手監視カメラメーカーで、親会社は 中央政府直轄の中国電子科技集団。同社は「HIKVISION」ブ ランドの監視カメラとレコーダーを製造販売しており、政府や公 共施設、教育、金融、交通など様々な業界に提供している。 2016年1~6月期の売上構成は、監視カメラが54.1%、レコー ダーが17.5%、管理システムが15.7%、施工サービスが12.7%。 セキュリティ設備の分野において、ハイクビジョンは米ハネウェ 株式データ 2016/12/16 現在 株価 売買単位 時価総額 実績 PER PBR 52 週高値 52 週安値 23.79元 100株 1451億8341万元 24.53倍 6.70倍 26.99元 15.813元 業績推移 監視カメラとレコーダーに関しては世界ナンバーワンの市場シ 【連結】 決算期 '14/12 '15/12 ェア(約18%)を誇っている。 単位:百万元、ただし 1 株利益、1 株配当は元 ※1 株配当は株式分割・併合等調整済み ル社や独ボッシュ社に並ぶ業界大手の一つに数えられていて、 / 2016 年 1~9 月期決算は増収増益、海外進出を加速 同 社 の 2016 年 1 ~ 9 月 期 決 算 は 、 売 上 高 が 前 年 同 期 比 売上高 前年比 純利益 前年比 1株利益 1株配当 17,233 60.4% 4,665 52.1% 0.78 0.27 25,271 46.6% 5,869 25.8% 0.97 0.47 株価チャート(週足2016年1月22日~2016年12月16日) 株価 (元) 出来高 (百万株) 1,000 900 28 26 26.7%増の211.4億元、純利益が同28.7%増の48.5億元と増 800 収増益。4~6月期頃から国内景気の改善に伴って政府部門 600 22 (公安、司法、交通)からの受注が増加したほか、ソフトウェア 500 20 400 関連の優遇税制で法人税の還付金が9.7億元計上されたこと 18 300 も利益の押し上げ要因となった。利益率の面では、新製品の 投入や施工サービスの売上比率拡大により、7~9月期の粗利 24 700 16 200 100 14 0 12 益率は43.7%と昨年末から3.6ポイント上昇した。海外事業を 見ると、海外での受注拡大によって、上半期の海外売上高は 前年同期比40%増の35.9億元に成長した。また、同社は5月 に世界70ヵ国で事業を展開する英セキュリティ大手のSHL社を [出所:株式データ、業績推移、株価チャートともに ブルームバーグ等、アイザワ証券作成] その他 買収しており、海外進出の動きを一段と加速させている。 / 今後は製品の競争力向上と新規事業に注目 テロ・犯罪への対策強化を背景に、世界的にセキュリティ設 (億元) 中国のセキュリティ設備の市場規模 5,000 備への需要は年々高まっている。同社は売上高の7%と従業 4,000 員の47%を研究開発に投じて製品の競争力向上に注力する 3,000 サービス 設置工事 監視機器 と同時に、倉庫用運搬ロボットとドローン、クラウド、人工知能な ど新規分野にも次々と参入した。このうち倉庫用運搬ロボットと 2,000 ドローンは既に一定の受注を獲得しており、クラウドと人工知能 1,000 はデータの蓄積・分析と人間の動作識別の技術を製品に活用 0 している。今後、同社が更なる成長を遂げるためには、企業買 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 [出所:WIND、アイザワ証券作成] 収による技術力の強化や海外シェアの拡大、新規事業の育成 が不可欠であるため、これらの点に注目していきたい。 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し くお願いいたします。 10 Asia Monthly Stocks シンガポール:THBEV/TBEV/Y0950 タイ・ビバレッジ ― 北 野 ちぐさ 業種: 飲料 / シンガポール上場のタイ酒造最大手 タイウイスキーの「メコン」「ホントン」「ブレンド285」、タイ焼酎 の「ルワンカーオ」、緑のラベルに象のイラストで有名な「チャー ンビール」などの酒類ブランドを展開。近年は、酒類メーカー から総合飲料メーカーへと転換すべく、2008年にタイ茶飲料大 手のオイシ・グループ、2011年にペプシコーラの旧ボトラーで タイ飲料大手のスームスックを買収し、非アルコール飲料事業 に参入した。さらに2013年には、日本のキリンなどとの壮絶な 買収合戦を制し、シンガポール飲料大手のフレーザー・アン ド・ニーブ(F&B)へ出資、海外市場開拓の足掛かりを作った。 / 足元ビール事業が収益を牽引 2016年9月期本決算は、売上高が1392億バーツ、純利益が 190億バーツとなった(決算期変更のため、2016年度は1~9月 まで9ヵ月間の変則決算)。前年1~9月期と比較すると、売上 高は14.8%増、前年の関連会社売却益計上による反動減等を 株式データ 2016/12/16 現在 株価 売買単位 時価総額 実績 PER PBR 52 週高値 52 週安値 0.870Sドル 100株 218億4572万Sドル 28.76倍 4.51倍 1.060Sドル 0.660Sドル 業績推移 【連結】 決算期 経常収入 前年比 純利益 前年比 1株利益 1株配当 '15/12 172,049 6.2% 26,464 23.5% 1.05 0.55 '16/09 139,153 ― 19,036 ― 0.75 0.58 単位:百万バーツ、ただし 1 株利益、1 株配当はバーツ ※決算期変更のため、’16/9 は 1~9 月まで 9 ヵ月間の変則決算 ※1 株配当は株式分割・併合等調整済み 株価チャート(週足2016年1月1日~2016年12月16日) 1,000 出来高 (百万株) 株価 (シンガポール㌦) 1.10 900 1.05 800 1.00 700 0.95 アルコール飲料事業が広告宣伝費の増加から引き続き赤字と 600 0.90 なったものの、ビール事業が62.3%増収、280.8%増益と、原 500 0.85 400 0.80 材料費の低下や「チャーンビール」のリブランディングが奏功し、 300 0.75 200 0.70 非アルコール飲料事業の落ち込みを補った。 100 0.65 0 0.60 除いた継続事業純利益は14.3%増となった。事業別では、非 / M&A 加速で東南アジア最大の飲料メーカーへ 同社は東南アジア最大の総合飲料メーカーを目指し、2014 年に「ビジョン2020」を公表。国内での非アルコール飲料の拡 販と、海外でのM&A加速を両輪に、2020年までに売上高を [出所:株式データ、業績推移、株価チャートともに ブルームバーグ等、アイザワ証券作成] その他 3000億バーツまで引き上げる計画だ。2017年度は国内配送シ ステムの抜本的な改革に向け40億バーツを投じるほか、親会 社のTCCグループからF&Bの株式40%を追加取得し、F&Bを 通じた海外事業の強化を図る。中でも最重点国に挙げるベト ナムでは、新工場の建設と、ビナミルクへの追加出資やサイゴ ンビール・アルコール飲料などへの資本参加を模索するもよう だ(各種報道による)。東南アジアの飲料市場は、ポテンシャル の高さから世界の有力メーカーの高い注目を集めているが、 特にアルコール飲料市場は規制が多く、多額の設備投資も必 タイ・ビバレッジの事業別売上高構成 (2016年) 食品・外食 3.6% 非アルコー ル飲料 9.5% ビール 31.9% アルコール 飲料(ビー ルを除く) 55.0% 要なため参入障壁が高い。そのような中、地場企業として地の 利を生かすことができる同社のアドバンテージは高いと言えよ [出所:タイ・ビバレッジ、アイザワ証券作成] う。しばらくM&Aを含めた同社の動きが注目されそうだ。 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し くお願いいたします。 Asia Monthly Stocks 11 タイ:CPF/CPFn/Z0252 チャロン・ポカパン・フーズ ― 姚 莉 業種: 食品 / タイ最大の財閥CPグループの中核企業 タイ最大の財閥であるチャロン・ポカパン・グループ(CPグル ープ)の中核企業として、飼料生産、畜産・水産、加工食品な どの事業を手掛けている。そのほか、子会社を通じて、スーパ ーマーケットや外食事業も展開。海外事業では、中国やベトナ ム、カンボジア、インド、ベルギー、トルコなど14ヵ国に生産拠 点を持ち、30ヵ国以上に輸出も行っている。2015年12月期の 事業別売上構成(輸出分を含む)は、飼料事業が50%、畜産・ 水産事業が35%、加工食品事業が12%などとなっている。 / 海外事業好調で 2016 年 1~9 月期は増収増益 2016年1~9月期決算は、売上高が前年同期比10.6%増の 3448.4億バーツ、純利益が同36.3%増の129.7億バーツとなっ た。売上高の6割を占める海外事業が同12.0%の増収となり、 株式データ 2016/12/16 現在 株価 売買単位 時価総額 実績 PER PBR 52 週高値 52 週安値 業績推移 【連結】 決算期 '14/12 '15/12 売上高 前年比 純利益 前年比 1株利益 1株配当 426,039 9.5% 10,562 49.5% 1.43 0.75 421,355 -1.1% 11,059 4.7% 1.50 0.75 単位:百万バーツ、ただし 1 株利益、1 株配当はバーツ ※1 株配当は株式分割・併合等調整済み 株価チャート(週足2016年1月1日~2016年12月16日) 株価 (バーツ) 出来高 (百万株) 全体を押し上げた。事業別では、2012年から被害が広がって 1,000 いたエビの感染症である「早期死亡症候群」が収束し、エビの 800 養殖事業に回復の兆しが見られたほか、1~9月期の豚肉と鶏 28.00バーツ 100株 2168億240万バーツ 18.67倍 1.51倍 33.50バーツ 16.40バーツ 35 900 30 700 25 600 肉の1キログラム当たりの平均出荷価格が前年同期比それぞ 500 れ、5%、2%上昇し、畜産事業も好調に推移したことで、畜産・ 300 400 水産関連事業が同28%の増収となり、好業績に寄与した。ま 200 た、飼育や養殖向け飼料の値下がりがコスト削減に繋がり、粗 0 20 15 100 10 利益率は前年同期の13.8%から16.5%に改善した。 / 海外需要の拡大と自動化生産の実現で収益拡大へ 近年、同社を取巻く事業環境は大きく改善している。2004年 の鳥インフルエンザの発生に伴い禁輸で落ち込んでいた輸出 [出所:株式データ、業績推移、株価チャートともに ブルームバーグ等、アイザワ証券作成] その他 事業は2012年より欧州、ロシア、中東、日本などに向けて順次 輸出再開を果し、回復しつつある。更に、2014年に中国で発 生した期限切れ鶏肉使用問題を受け、加工技術や品質管理 (億バーツ) などで優れているタイ産食用肉に対する需要増につながった。 2500 会社側は海外需要の更なる拡大余地を見込んで、海外市場 2000 の開拓に注力している。また、年々拡大する食肉加工品への 1500 需要に応じて、同社は飼料から飼育、加工まで一貫した自動 1000 化生産システムを導入した。自動化は、人件費の削減や生産 の効率化などに加え、より厳格な衛生管理ができるメリットがあ る。同社の養鶏システムは1人15万羽を飼育できる世界最大規 模で、加工能力も年間1億2000万羽と高水準に達している。今 地域別売上高推移 3000 タイ( 海外 500 1541 2508 輸出分) 2543 2249 1978 1594 1643 1753 1670 520 0 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 [出所:企業IR資料、アイザワ証券作成] 後、衛生的かつ高品質の商品提供でブランド力の向上が見込 めるとともに収益の拡大も期待できそうだ。 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し くお願いいたします。 12 Asia Monthly Stocks インドネシア:MIKA/Z6539 ミトラ・クルアガ・カヤセハット ― 北 野 ちぐさ 業種: 病院 / インドネシアの大手民間病院グループ 主にジャカルタ首都圏とジャカルタに次ぐ大都市スラバヤで 12ヵ所の総合病院を運営する。2015年の年間患者数は約200 万人で国内最大規模、病床数は約2000床で国内2位。 / 収益の回復基調が鮮明化 2016年1~9月期決算は、売上高が前年同期比14.1%増の1 兆8279億ルピア、純利益が同20.5%増の5296億ルピアとなっ た。同国では2014年に国民皆保険制度(JKN)が開始されたも のの、同社はBPJS(JKNの実施機関)への登録を見送ったため、 患者数の伸び悩みに直面していたが、2016年に入り回復基調 に転じている。外来患者数は前年同期比6.8%増、入院診療 日数は同18.0%増となったことに加えて、病床利用率が前年 株式データ 2016/12/16 現在 株価 売買単位 時価総額 実績 PER PBR 52 週高値 52 週安値 業績推移 【連結】 決算期 '14/12 '15/12 株価チャート(週足2015年12月25日~2016年12月16日) 500 同社は引き続きジャカルタ首都圏とスラバヤでの事業に注 売上高 前年比 純利益 前年比 1株利益 1株配当 1,946 11.7% 519 30.1% 38 20 2,141 10.0% 567 9.3% 39 25 単位:十億ルピア、ただし 1 株利益、1 株配当はルピア ※1 株配当は株式分割・併合等調整済み 同期の59.0%から66.1%に上昇し、収益を押し上げた。 / 不透明な相場環境の中、同社の堅実経営を評価 2510ルピア 100株 36兆5223億ルピア 64.36倍 10.84倍 2980ルピア 2015ルピア 株価 (ルピア) 出来高 (百万株) 450 3200 3000 400 350 2800 300 2600 力し、2019年まで毎年2ヵ所ずつ合計6ヵ所の総合病院を開院 250 200 2400 する計画だ。すでに2015年のIPOで資金を調達しており、うち1 150 2200 ヵ所は建設着工済み、4ヵ所は用地取得済みである。同時に需 要動向を見ながら、既存病院の病床数を拡充していく計画だ。 100 2000 50 1800 0 またBPJSへの登録については、2016年3月にテガル病院を登 録したものの、国民皆保険制度が規定する診療報酬はかなり 低く利益率を押し下げる懸念があることや、保険料の支払いな ど制度自体に不透明感が残ることなどを理由に、今後も他の 病院の登録は見送る方針だ。一方で、専門医(※) の獲得に励 み、上級病院として専門的な診療サービスの充実を図る。 [出所:株式データ、業績推移、株価チャートともに ブルームバーグ等、アイザワ証券作成] その他 ミトラ・クルアガ・カヤセハット(MIKA)とシロアム・ インターナショナル・ホスピタルズ(SILO)の比較 MIKA なお、競合大手のシロアム・インターナショナル・ホスピタル ズ(SILO)は、向こう数年間、毎年10ヵ所ずつの病院開設を計 画している。それと比較すると同社の計画は保守的に映るが、 専門医の獲得ペースを考えると妥当な水準と言えそうだ。投資 対効果に重点を置きつつ、大都市圏において診療サービスの 充実化を図り、他社との差別化を目指す同社と、将来の医療 SILO 病院ネットワーク等 12 23 外来 (万人) 130 139 入院 (万人) 9 13 病院数 患者数 (軒) 運用病床数 (床) 1,810 2,813 病床稼働率 (%) 66 65 2016年1~9月期業績 需要を先取りするため投資を先行させ、プライマリ・ケアから高 売上高 (億ルピア) 18,279 38,244 度医療まで、また全国を幅広くカバーすることを目指すSILOの EBITDA (億ルピア) 6,452 4,603 純利益 (億ルピア) 5,296 854 間には、大きな成長戦略の違いがある。両社の戦略に優劣を つけづらいが、足元の不透明な株式相場環境を鑑みると、同 社の強固な財務体質と堅実な経営戦略が選好されそうだ。 ※2016年9月末時点 [出所:MIKA、SILO、ブルームバーグ、アイザワ証券作成] ※インドネシアの医師資格は一般医と専門医の 2 種類あり、専門医は医 師総数の 3 割弱にとどまる。また両者の技術格差は大きいと言われる。 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し くお願いいたします。 Asia Monthly Stocks 13 ベトナム:MSN/Y5258 マッサングループ ― 姚 莉 業種: コングロマリット / ベトナム大手コングロマリット ベトナムの大手コングロマリット。傘下の子会社を通じて食 品・飲料、畜産・飼料、鉱山開発、金融などの事業を手掛ける。 食品・飲料事業では、調味料、即席麺、インスタントコーヒー、 ビールなどの製造販売を手掛けており、各製品の国内シェア は、魚醤が65%、醤油が71%、ソースが43%、インスタントコー ヒーが45%と、いずれも国内トップ。畜産・飼料事業では、養豚 場の運営や飼料の生産販売、食肉の加工などを行っている。 養豚飼料メーカーとしては国内最大規模。また、鉱山開発事 業では、中国を除く地域で最大の埋蔵量を誇るタングステン鉱 山の開発を手掛けている。そのほか、大手商業銀行のテクコ ム・バンクにも3割出資している。 / 2016 年 1~9 月期決算は増収増益 2016年1~9月期決算は、売上高が前年同期比57.6%増の 30.1兆ドン、純利益が同3.1倍の1.8兆ドンとなった。2015年4月 株式データ 2016/12/16 現在 株価 売買単位 時価総額 実績 PER PBR 52 週高値 52 週安値 65000ドン 10株 48兆5447億ドン 33.08倍 3.08倍 80000ドン 58500ドン 業績推移 【連結】 決算期 '14/12 '15/12 売上高 前年比 純利益 前年比 1株利益 1株配当 16,120 35.0% 1,080 139.4% 1,447 ― 30,628 90.0% 1,478 36.9% 1,965 ― 単位:十億ドン、ただし 1 株利益、1 株配当はドン ※1 株配当は株式分割・併合等調整済み 株価チャート(週足2015年12月25日~2016年12月16日) 20 出来高 (百万株) 株価 (ドン) 18 85,000 80,000 16 に買収した畜産・飼料事業を手掛けるマッサン・ニュートリ・サイ 14 75,000 エンスの売上高が前年同期比105.3%増の17.6兆ドンと、全体 12 70,000 10 の売上構成の58.3%を占めるように急成長した。また、純利益 8 65,000 6 は同55.6%増の1.6兆となり、全体の業績を牽引した。そのほ 60,000 4 か、出資先のテクコム・バンクは住宅や自動車購入など個人向 55,000 2 0 50,000 け融資を強化したことで、手数料収入が堅調に伸びており、税 引前利益が同84.6%増の2.9兆ドンで、好業績に寄与した。 / 積極的なM&Aで収益の拡大を図る 同社はこれまでM&Aを通じて事業を拡大させてきた。2010 年にNuiphaovica社を買収し、鉱業へ本格参入。2011年にビナ [出所:株式データ、業績推移、株価チャートともに ブルームバーグ等、アイザワ証券作成] その他 事業別売上構成2015年12月期 カフェ・ビエンホア、2013年にビンハオ・ミネラルウォーター、 2014年にフーイエン・ビールを傘下に収め、インスタントコーヒ ーやミネラルウォーター、ビールなどの飲料事業に参入した。 その他 9% 2015年に飼料2社を買収したほか、今年に入って、食肉加工 大手ビッサンへの出資比率を引上げた。飼料の製造から畜産、 食肉加工、販売まで一貫体制を構築し、新たな事業の柱に農 業も据えた。積極的に行われてきたM&Aによって、同社の売 食品・飲料 45% 畜産・飼料 46% 上高は2010~2015年の5年間で5.5倍に急成長した。会社側 は2016年の売上高を前年比46.9%増の20億米ドル(約45兆ド ン)になると見据えている。2017年以降も、新設した養豚施設 [出所:企業IR資料、アイザワ証券作成] の稼働などが予定しており、畜産・飼料・食肉加工部門は新た な成長エンジンになりそうだ。 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し くお願いいたします。 14 Asia Monthly DATA 経済統計&ランキング / アジア各国の経済統計 (2016年11月末現在) 日本 2014 2015 中国 2016(予) 実質GDP成長率(%) 0.0 0.5 0.5 1人当りGDP(米㌦) 36,151 32,479 37,304 外貨準備高(億米㌦) 11,997 11,790 11,593 経常収支(億米㌦) 365 1,356 1,761 時価総額(億米㌦) 44,413 50,300 49,971 タイ 2014 2015 2016(予) 2014 2015 台湾 2016(予) 2014 韓国 2015 2016(予) 2014 シンガポール 2015 2016(予) 2014 2015 2016(予) 7.3 6.9 6.6 3.9 0.6 1.0 3.3 2.6 2.7 3.3 2.0 1.7 7,719 8,141 8,261 22,619 22,263 22,044 27,989 27,222 27,633 56,010 52,888 53,053 38,430 33,300 30,516 4,190 4,260 4,344 3,636 3,680 3,686 2,569 2,477 2,511 2,774 3,306 2,709 638 762 779 844 1,059 1,016 535 579 573 91,163 111,971 109,362 9,666 8,599 9,678 11,834 11,958 12,089 5,706 4,635 4,683 マレーシア インドネシア フィリピン ベトナム 2014 2015 2016(予) 2014 2015 2016(予) 2014 2015 2016(予) 2014 2015 2016(予) 実質GDP成長率(%) 0.8 2.8 3.2 1人当りGDP(米㌦) 5,889 5,742 5,662 外貨準備高(億米㌦) 15,711 15,651 17,189 経常収支(億米㌦) 154 310 377 時価総額(億米㌦) 4,158 3,329 4,029 6.0 5.0 4.3 5.0 4.8 4.9 6.2 5.9 6.4 6.0 6.7 6.1 11,009 9,501 9,546 3,532 3,362 3,636 2,844 2,863 2,991 2,049 2,088 2,164 1,118 914 943 1,119 1,059 1,092 795 807 762 2,051 2,171 148 89 36 -275 -177 -213 108 84 55 95 9 8 4,527 3,771 3,520 4,220 3,501 4,072 2,568 2,349 2,314 542 604 769 ※中国の時価総額は香港、中国本土を合計しています。2016 年 11 月末現在の時価総額は香港が 41,446 億米㌦、中国本土が 67,915 億米㌦となっています。 [出所:各種データ、アイザワ証券作成] / 主要アジア株式市場 各市場の時価総額ランキングTOP5 (2016年11月末現在) 香港(単位:億香港㌦) 台湾(単位:億台湾㌦) 韓国(単位:億ウォン) ティッカ― ティッカ― ティッカ― 銘柄名 時価総額 銘柄名 時価総額 銘柄名 1 700 18,357 1 2330 TSMC 47,453 1 005930 サムスン電子 テンセント 2 1398 中国工商銀行 17,829 2 2317 鴻海精密工業 14,210 2 000660 SKハイニックス 3 941 17,332 3 6505 フォルモサ・ペトロケミカル 10,240 3 015760 韓国電力公社(KEPCO) チャイナ・モバイル 4 857 14,989 4 2412 中華電信 8,339 4 005380 現代自動車 ペトロチャイナ 6,205 5 035420 Naver[ネイバー] 5 939 14,497 5 2882 国泰金控 中国建設銀行 シンガポール(単位:億シンガポール㌦) マレーシア(単位:億リンギ) タイ(単位:億バーツ) ティッカ― ティッカ― ティッカ― 銘柄名 時価総額 銘柄名 時価総額 銘柄名 1 ST 617 1 TNB テナガ・ナショナル 794 1 PTT タイ石油公社 (PTT) シンガポール・テレコム 792 2 SCC 2 DBS DBSグループHD 445 2 MAY マラヤン・バンキング サイアムセメント 387 3 PBK パブリック・バンク 756 3 AOT 3 JM ジャーディン・マセソンHD タイ空港公社 380 4 PCHEM ペトロナス・ケミカルズG 546 4 CPALL CPオール 4 OCBC OCBC銀行 334 5 SIME サイム・ダービー 529 5 SCB 5 UOB UOB銀行 サイアム商業銀行 インドネシア(単位:億ルピア) フィリピン(単位:億ペソ) ベトナム(単位:億ドン) ティッカ― ティッカ― ティッカ― 銘柄名 時価総額 銘柄名 時価総額 銘柄名 4,420,087 1 SMPH SMプライム 1 HMSP HMサンプルナ 7,653 1 VNM ビナミルク 2 TLKM テレコムニカシ・インドネシア 3,810,240 2 SM 7,517 2 GAS SMインベストメンツ ペトロベトナム・ガス 3 BBCA バンク・セントラル・アジア 3,525,666 3 JGS JGサミットHD 4,889 3 VCB ベトコムバンク 4 ASII アストラ・インターナショナル 3,056,508 4 ALI 4,840 4 VIC アヤラ・ランド ビングループ 5 UNVR ユニリーバ・インドネシア 3,092,058 5 AC 4,503 5 CTG アヤラ ベトインバンク 時価総額 2,456,261 312,313 298,513 292,968 263,042 時価総額 9,968 5,712 5,743 5,412 4,974 時価総額 2,003,002 1,222,629 1,266,415 1,107,837 599,468 ※香港市場銘柄の時価総額は香港、中国本土合計にしています。香港だけに上場している銘柄については香港のみとなっています。 [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成] / 主要株式市場2016年年初来騰落率 (2016年11月末現在) 50% 42.8% 40% 35.9% 30% 17.3% 20% 10.8% 8.7% ブラジルボベスパ指数 ロシアRTS指数 CAC40(仏) DAX(独) -1.0% -1.3% FT100(英) ベトナムVN指数 フィリピン総合指数 タイSET指数 ムンバイ・センセックス 30指数 2.0% -2.5% ジャカルタ総合指数 FTSEブルサマレーシア KLCI指数 シンガポール ST指数 台湾加権指数 香港ハンセン指数 日経平均株価 -20% NYダウ工業株30種 -10% 14.9% 1.1% 0.8% -4.3% 1.8% -8.2% 上海総合指数 4.0% -3.8% 香港H株指数 10% 韓国総合指数 9.7% 0% 12.1% [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成] 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し くお願いいたします。 Asia Monthly DATA 15 経済統計&ランキング / 2017年注目イベント (政治・経済) 日程 国 内容 日程 17~20日 30日 スイス 世界経済フォーラム年次総会(ダボス) 米国 トランプ大統領就任式 1月 27日~2月2日 中国 春節休暇 FOMC 米国 31日~2月1日 英国最高裁、EU離脱の議会承認めぐる判断 英国 1月中 15日 インドネシア 統一地方首長選挙(ジャカルタ特別州知事選含む) 2月 米国 一般教書演説 未定 米国 債務上限問題の期限到来 15日 FOMC 米国 14~15日 3月 ~15日 オランダ 総選挙 香港 行政長官選挙 26日 中国 中国人民代表会議(全人代) 上旬 4月 23日 フランス 大統領選挙第1回投票 FOMC 米国 2~3日 アジア開発銀行(ADB)年次総会(横浜) 日本 6~7日 5月 7日 フランス 大統領選挙決選投票 25日 オーストリア OPEC定例総会(ウィーン) ※日程は変更されることがあります。 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 未定 未定 11日 13~14日 18日 7~8日 25~26日 8日 未定 19~20日 未定 1~8日 13~15日 31日~11月1日 未定 12~13日 未定 未定 国 内容 イタリア フランス 米国 フランス ドイツ 米国 ASEAN 米国 米国 ドイツ 中国 米国 米国 中国 米国 韓国 タイ G7サミット(シチリア) 国民議会選挙 FOMC 国民議会選挙決選投票 G20サミット(ハンブルグ) FOMC ASEAN設立50周年 ジャクソンホール会議 FOMC 連邦議会選挙 中秋節・国慶節休暇 世界銀行・IMF年次総会(ワシントンDC) FOMC 中国共産党大会 FOMC 大統領選挙 総選挙 [出所:各種資料、アイザワ証券作成] / 主要株価指数の2016年業種別年間騰落率(2016年11月末現在) 香港ハンセン指数 台湾加権指数 生活必需品 一般消費財・サービス ヘルスケア エネルギー 素材 資本財・サービス 情報技術 電気通信サービス 公益事業 生活必需品 一般消費財・サービス エネルギー 資本財・サービス 情報技術 電気通信サービス 公益事業 金融 -20% -10% 0% 10% 20% 30% 40% -10% タイSET指数 ジャカルタ総合指数 生活必需品 一般消費財・サービス ヘルスケア エネルギー 素材 情報技術 電気通信サービス 公益事業 不動産 金融 生活必需品 一般消費財・サービス ヘルスケア エネルギー 素材 資本財・サービス 情報技術 電気通信サービス 公益事業 金融 不動産 その他 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% -50% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 100% 150% 200% 250% 300% ベトナムVN指数 フィリピン総合指数 生活必需品 一般消費財・サービス ヘルスケア エネルギー 素材 資本財・サービス 情報技術 公益事業 不動産 金融 その他 生活必需品 一般消費財・サービス エネルギー 資本財・サービス 電気通信サービス 公益事業 不動産 金融 -40% -30% -20% -10% 0% 0% 10% 20% -20% 0% 20% 40% 60% 80% [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成] 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し くお願いいたします。 16 Asia Monthly 各市場の取引時間(日本時間) 日本(東証) 中国 香港 9:00~11:30 10:30~12:30 10:30~13:00 12:30~15:00 14:00~16:00 14:00~17:00 マレーシア タイ インドネシア 台湾 韓国 10:00~14:30 9:00~15:30 フィリピン シンガポール 10:00~18:00 ベトナム イスラエル 10:00~13:30 12:00~14:30 月~木 金 10:30~13:00 11:00~13:30 16:45~24:15 15:30~18:00 16:30~18:30 11:00~14:00 15:30~18:00 11:00~13:30 16:00~18:00 14:30~16:30 15:00~17:00 (現地サマータイム時) 15:45~23:15 外国株投資の主なリスクと留意点 株価・為替の変動リスク: 株式は株価の変動等により、損失が生じるおそれがあります。外国株式は、為替の変動等により、損失が生じ るおそれがあります。 時価総額リスク: 時価総額による企業の社会的信用度、規模の把握をお勧めします。小型株は、流動性の低さ/企業の情報開示 /コーポレートガバナンス等に問題がある場合があります。また、客観的投資情報が不足しているため、投資 対象として安全なのは、情報量が豊富で、時価総額の大きな代表企業と思われます。 政策リスク: 突発的な政情変化や政策変更など、また、各国の慣習や文化などの違いにご注意ください。 会計基準変更リスク: 国や企業により会計基準が違いますので、ご注意ください。 投資家の皆様へ ■ ■ ■ ■ ■ 本資料に掲載されている情報は、信頼できると思われる情報に基づいて作成時点での見解で作成しておりますが、これらによって 生じるいかなる損害や不利益について、当社では責任を負いかねます。 本資料は証券投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終決定は、情報の被提供者自身による判断でお 決め下さい。本資料は企業取材等に基づき作成していますが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。結論 は作成時点での執筆者による予測・判断の集約であり、その後の状況変化に応じて予告なく変更されます。 本資料に掲載されている外国株の情報は、日本の金融商品取引法に基づく企業内容の開示は行われておりません。 本資料に掲載されている事項は、目的や手段の如何に関わらず、当社の許可なく、転用、複製、販売することを禁じます。 執筆担当者またはアイザワ証券と本資料内対象企業との間には、重大な利益相反の関係はありません。 お客様にご負担いただく外国株式委託手数料等について (1)委託取引の場合 外国証券の外国取引にあたっては、取引口座に応じて以下の委託手数料(税込)をいただきます 対面口座: 売買代金に対し、最大 0.8640%(2,700 円に満たない場合は 2,700 円(買付けの場合のみ)) インターネット口座 「ブルートレード」: インターネット発注 2,160 円/コールセンター発注 4,320 円(上海 A 株・米国株・欧州株・イスラエル株はコ ールセンター発注のみ) コンサルティングネット口座「アイザワプラス」: インターネット発注 6,480 円/コールセンター発注 12,960 円(上海 A 株・米国株・欧州株・イスラエ ル株はコールセンター発注のみ) (2)国内店頭取引の場合 外国証券の国内店頭取引の場合は、所定の手数料相当額を含んだお客様の買付け及び売却の単価を当社が提示いたします。 ※ ※ ※ 外国証券の外国取引にあたっては、外国金融商品市場等における売買手数料及び公租公課その他の賦課金が発生します。外国取引に係 る現地諸費用の額は、その時々の市場状況、現地情勢等に応じて決定されますので、本書面上その金額を予め記載することができません。 外国証券の売買、償還等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものと します。 本資料等でご紹介する商品等の勧誘を行う場合があります。 金融商品取引法に基づく表示事項 ■ 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