ベトナムの裾野産業とビジネスチャンス

ベトナムの裾野産業とビジネスチャンス
2011年11月29日
辻尾 嘉文
計画投資省(MPI)外国投資庁(FIA)
海外投資アドバイサ (JICA専門家)
海外投資アドバイサー(JICA専門家)
[email protected]
本日お話すること
(1)ベトナム概況
(
)ベ
ム概況
(2)ベトナムの特徴
(3)経済動向
(4)投資動向
(5)ベトナムの魅力
( )ベトナム 課題
(6)ベトナムの課題
(7)ベトナムの雇用問題
(8)裾野産業育成
(9)ベトナムへの進出における留意点
皆様からのご質問にお応えして
2
アジアの中のベトナム
3
1 ベトナム概要
1.ベトナム概要
―地勢―
地勢
・位置: 東南アジアの中心(国境:中国、ラオス、カンボジア)
・面積:
面積 33万Km2(日本の約0.9倍。九州を除く日本)
( 本 約
倍。 州を除
本)
・南北に長い(1,650km)、3/4が山岳地帯
−気候−
気候
ハノイ 亜熱帯性モンスーン(四季)
ホーチミン 熱帯性気候(乾季雨期)
−人口− 8,700万人
ハノイ 700万人 ホーチミン 750万人 (推定)
内、60%が 30才以下、 就業人口 60%
ピラミッド型の年齢構成
4
―民族・文化−
民族 文化
・民族:
民族: キン族(越人) 約90%、
53の少数民族
・宗教:
宗教 仏教(80%)、カトリック(10%)、カオダイ教(
仏教(
) カ
ク
カオダイ教(
新興宗教)他
・言語: ベトナム語(識字率: 93%)
通貨: ベトナム
トナム ドン (US$1.
(US$1.=VND21,000程度)
VND21,000程度)
・通貨:
5
―政治―
・首都: ハノイ
・行政区分: 63省、5直轄都市(ハノイ、ホーチーミン、ハイフォン、
ダナン、カントー)
・政治体制: ベトナム共産党の指導する社会主義共和国(
一党支配)
党支配)
→但し、集団指導体制による安定した政権
書
書記長
ノン・ドック・マイン(北)
゙
→ グエン・フー・チョン(北)
゙
大統領 グエン・ミン・チェット(南) → チュオン・タン・サン(南)
首相 グエン・タン・ズン(南) → グエン・タン・ズン (南)
国会議長 グエン・フー・チョン(北) → グエン・シン・フン(中)
⇒ 南北中のバランスをとった体制
政治局員 14名(北6 南 4 中 4)
⇒ トップの一部が交代するが政治路線に大きな変化は
ない。
6
2 ベトナムの特徴
2.ベトナムの特徴
(1)日本に類似
① 地政学
: 南北に長く 平野少ない 中国との接点
② 宗教&文化 : 仏教(80%)、儒教(敬老)、農耕民族(農民60%)、
箸の文化、元は漢字
※ イスラム教徒実質不在。
イスラム教徒実質不在
③ 人柄
: 勤勉、我慢強い、頭が良い、手先が器用
④ 生活習慣 : 地縁、血縁、学閥、派閥、縦割り、根回し、義理&人情
先祖崇拝、冠婚葬祭、寺社詣で。お礼の精神(歳暮)
⑤ 考え方
: 中庸を重んじる(BCC)
⑥ 組織
: ボトムアップの国(稟議の世界)
⑦ 文書主義 : 官庁のアポを取る時は文書で依頼。
議事録、注文書等も書面で。
異なる点: プライドが高い、対米戦争に勝利、言葉(ローマ字、文法等)、暦 等々。
7
(
2) BCC → 時間がかかる、時には混乱、但し、大きな波乱なし
時間がかかる 時には混乱 但し 大きな波乱なし
⇒ 遅々として進む。
①Balance バランス(均衡)
②
②Consensus
コンセンサンス(意見の一致)
ンセンサンス(意見の 致)
③Compromise コンプロマイズ(妥協)
・政府 : ノン・ドック・マイン書記長(北部出身)、グエン・ミン・チェット大統領
(南部出身)、グエン・タン・ズン首相(南部出身)
→ グエン・フー・チョン国会議長(北部出身)
・開発目標:
開発目標 北も南も中部も山岳地帯も。都市も農村も
南 中部
岳 帯 。都市 農
(所得差2.0 倍) → 貧困層の減少。
・物事の決定&実施(法令の朝令暮改等)
(3) 北と南は異なる
歴史、民族、気候風土、言葉、考え方。
8
北と南は異なる
歴史、民族、気候風土、言葉(北は6声
歴史
民族 気候風土 言葉(北は6声 南は5声)、考え方。
南は5声) 考え方
①気候: 南は熱帯性気候(雨季乾季)
北は亜熱帯性モンス ン(四季)
北は亜熱帯性モンスーン(四季)
②地勢: 南は 豊かなメコンデルタ(3期作 直蒔き)、
北 は厳しいホン河デルタ( 2期作田植え)
③民族性: 南は商業民族、北は農耕民族
④性格: 北は我慢強い、南は明るい
⑤考え方 北は固い、南は弾力的
⑤考え方:
北は固い 南は弾力的
⑥購買: 南は実利的(借りてでも買う)、
北はブランド志向(貯めから買う)
⑦歴史: 北と南は必ずしも仲が良くない
→ ホーチミンとハイバントンネル
9
3.経済動向(1)
• 経済成長率: 2000年以降 5.3∼8.4%
07年 8.4%
8 4% 08年 6.18%
6 18% 09年 5.3%
5 3% 2010年 6.78%
6 78%
2011年1∼6月 5.57% (10年1∼6月5.43%)→通期6.0%?
→ 2012年目標 6.5%
6 5%
• GDP(名目):2008年 906億ドル 2009年 916億ドル(推定)
→ 2008年 中国 43,300億ドル
43 300億ドル タイ 2,724億ドル
2 724億ドル
⇒ 中国の 1/50、 タイの 3割
・ 一人当たりGDP: 2007年 833ト
833ドル
ル 2008年 1,042ト
1 042ドル
ル
→ 2008年 中国 3,259ドル タイ 4,116ドル(推定)
⇒ 中国の1/3、タイの1/4
中国の1/3 タイの1/4
・ 物価上昇率 2007年 8.3% 2008年 23.0%
(年平均) 2009年 6.88%
6 88% 2010年 9.19%
9 19%
→ 2011年1∼9月 前年同月比 18.16% (9月22.42%) 10
3.経済動向(2)
―貿易動向−
・輸出額:
輸出額: 2007年 486億ト
486億ドル
ル 2008年 627億ト
627億ドル
ル 2009年 571億ト
571億ドル
ル
2010年 722億ドル (+26.4%)
2010年 縫製品(112)、履物(51)、水産品(50)、原油(49)、電子製品(36)等
内、米国(142)、日本(77 +22.8%) 、中国(73 +48.9%)、韓国(31)、オーストラリア(27)
・輸入額: 2007年 608億゙ル 2008年 807億ドル 2009年 700億ドル
2010年 848億ドル (+21.2%)
2010年 機械機器(135)、鉄鋼(62)、石油製品(57)、衣料原料(54)等
機械機器(135) 鉄鋼(62) 石油製品(57) 衣料原料(54)等
内、中国(200 +21.8%)、韓国(98 +39.9%)、日本(90 +20.7%)、
タイ(56)、シンガポール(41)、米国(38 +25.21%) 等
・貿易総額: 2007年 1,092億ドル 2008年 1,434億ドル 2009年 1,270億ドル
2010年 1,570億ドル
2010年 内、中国(273億ドル)、米国(180億ドル)、日本(167億ドル)、韓国(129億ドル)
台湾(90億ドル? )、シンガポール(62億ドル)等
・貿易赤字: 2007年 124億ドル → 2008年 180億ドル→ 2009年128億ドル → 2010年 126億ドル
(2010年 内 中国 127億ト
127億ドル
ル 総赤字の1012%
総赤字の1012% )
)
11
4.投資動向
1)投資推移
・ 外国直接投資: 08年640億ドル、09年 214億ドル、 10年 186億ドル
内 新規 08年
内、新規
年 603億ドル、09年163億ドル、10年
億 ゙
年
億 ゙
年 172億ドル
億 ゙
内、追加 08年 37億ドル、09年 51 億ドル、 10年 14億ドル
2011年(1月∼9月) 新規 82.4億ドル (▲31.5%) 675件 (▲29.6%)
別データでは金額で▲27.8%、件数で▲6.3%
別テ
タでは金額で▲27.8%、件数で▲6.3% (720→675件
(720→675件)
追加 16.7億ドル 178件 実行額 82億ドル(+1.9%)
・ 日本の投資: 08年75.8億ドル、09年3.7 億ドル、 10年 22.0億ドル
(
(203 件)
件)
(
(116
件)
( 149 件)
件
内、新規 08年 72.9億ドル、09年1.4億ドル、 10年 20.0億ドル
(154 件)
(77件)
(114件)
内、追加 08年 2.9億ト
2.9億ドル、
ル、 09年 2.3億ト
2.3億ドル、10年
ル、10年 2.0億ドル
(48件)
(39件)
( 35 件)
11年1‐9月
7.1億ドル
(124件)
新規投資: 2010年1∼9月比 金額 ▲745百万ドル(▲51%)、件数 +54件
(除、神戸製鋼プロジェクト +254百万ドル(+55.5%)、件数 +55件
・累計(88∼2010)
認可:1,929億ドル(12,213件)→ 内、日本 208億ドル(1,397件) 4位
実行(∼2008)) 408億ドル(27.2%)
実行(
億ト ル(
%) → 内、日本 52億ドル(30.2%)1位
億ト ル(
%) 位
12
日本の トナム の投資推移
日本のベトナムへの投資推移
4000
新規認可額
拡張認可額
160
3500
140
3000
120
2500
100
2000
80
1500
60
1000
40
500
20
0
0
94
新規認可額
拡張認可額
新規認可件数
95
96
97
98
99
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
94
447
95
1,520
96
968
97
850
98
254
35
66
73
61
12
99 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
80 110 341 144 137 222 451 1,058 965 7,653 138 2,040
560 476 355 339 382 234 169
26 48 51 57 63 57 107 154 154 147 77 114
出所: 越税関総局 「統計年鑑」、越統計総局速報
13
ベトナムへの投資形態別累計
(1988年∼2011年4月) (日本)
産業
加工・製造/建設
加
製造 建設
加工・製造
建設
農水産
サービス
不動産
その他サービス
合計
件数
937
907
30
28
507
16
491
1,472
構成比 (%)
63.7
61.6
2.1
1.9
34.4
11
1.1
33.3
100
認可金額
構成比
(百万ドル)
18,925.3
89.3
18,338.6
86.5
586.7
2.8
110.0
0.5
2,169.1
10.2
158 2
158.2
07
0.7
2,010.9
9.5
21,204.4
14
ベトナムへの外国投資形態別累計
(1988年∼2011年4月まで) (世界)
産業
加工・製造/建設
加工・製造
加工
製造
建設
農水産
サービス
サ
ビス
不動産
その他サービス
合計
件数
8,235
7 501
7,501
734
480
3 962
3,962
356
3,606
12 677
12,677
構成比 ((%))
構成
65.0
59 2
59.2
5.8
3.8
31 2
31.2
2.8
28.4
100
認可金額
構成比
構成
(百万ドル)
109,247.8
97525 2
97525,2
11,722.6
3,097.5
85 877 6
85,877.6
48,127.8
37,749.8
198 222 9
198,222.9
55.1
49 2
49.2
5.9
1.6
43 3
43.3
24.3
19.0
100
15
2)ベトナム向け国&地域別投資動向(1)
((1)国別業種別進出傾向
)国別業種別進出傾向
①日系企業は製造業が中心(累計 86%)
最近になり、サービス業や不動産開発(商業施設等)が出始めた。
②欧米系、又、アジアでもシンガポール、香港、台湾、韓国等は不動産業
(工業団地、リゾート開発、マンション、ホテル等)の開発や案件が多く、
製造業への進出は少ない)。
製造業への進出は少ない)
③但し、韓国&台湾については製造業も可なり出ている(電機、電子製
品、繊維、部品製造、等)。
繊
製
(2) 2008年は製油所、製鉄所、石化プラント、不動産投資(大型リゾート
開発)案件のライセンスが大量に下りたことから、600億ドルを超えるラ
イセンス供与となっている。
イセンス供与となっている
16
2)ベトナム向け国&地域別投資動向(2)
(3)2009年の動向
①2008年比大幅減少(665億ドル→163億ドル)
② 日本、中国、アセアン諸国が大幅に減少している中、米国(リゾート開発
案件等)が大幅に増加 台湾 韓国(主に不動産投資)も頑張 た
案件等)が大幅に増加、台湾、韓国(主に不動産投資)も頑張った。
(4)2010年の動向 新規認可額 172.3億ドル(+5.3%)
①世界景気の回復もあり、金額、件数(969件)とも増加。
②米国(39億ドル)(不動産中心。含むオランダ経由迂回投資
火力発電案件21億ドル)、韓国(20億ドル)、日本(20億ドル)
③実行額 約80億ドル(+4.8%)
17
5)日系企業の投資動向
(1)特徴
①
①製造業が大半
が
②不動産&サービ関係(小売等)投資が少ない
(2)南北への進出
①1900年代は南への進出が多い →北部のインフラ未整備
2000年にタンロン工業団地、野村ハイフォン工業団地が完成
②2001年にキャノンの進出後、北部への進出が急増(中国との関係、
労働市場)
③
③2007年までは北部に集中。2008年以降再び南部が増加
年ま
北部 集中
年 降 び南部が増加
中部にも70社程度が進出
④日本商工会加盟社数
ベトナム日本商工会(ハノイ近郊・ハイフォン): 418社(2011年9月)
ホーチミン日本商工会(ホーチミン近郊): 525社(2011年9月)
ダナン日本商工会(ダナン近郊);47社(2011年9月)
18
日系企業の投資動向(地域別)
投資額: 件 百万ドル
投資額: 件
2008年
件数 投資額
北部
中部
南部
合計
48
7
49
104
237,766
6 233 535
6,233,535
814,228
7 275 529
7,275,529
2009年
件数 投資額
35
1
40
76
22,670
650
117,790
141 110
141,110
2010年
件数 投資額
53
10
149
212
350,500
1 393 000
1,393,000
332,900
2 076 400
2,076,400
出所; 計画投資省
19
5.ベトナムの魅力
優秀&豊富な労働力 → 人口の60%が30歳以下(ロボコン、数学オリンピック)
社会の安全と安定 → 共産党一党支配(バランスのとれた政治体制)
若い8,700万人の人口 → 将来のマーケット
地理的優位性 → ASEANと中国の中間(東西回廊、中越回廊)
日本人との類似性
本人と 類似性 →仏教、儒教、農耕民族、中庸、
仏教 儒教 農耕民族 中庸
優れた投資政策 → 優遇税制、投資形態の幅の広さ、聞く耳を持つ政府
・共通投資法
共通投資法、統
統一企業法(2006年1月)
企業法(2006年1月)
・ 日越共同イニシアチブ、
– 良好&緊密な日越関係→ ODA(1位)、投資(1位)、貿易(2位)、
日越投資協定(05年)、日越経済連携協定(09年10月発効)
−国際化の推進と各国&地域とのFTA&EPA締結
・ASEAN(95年)、APEC(98年)、WTO(07年)
AS A (9 年) A C(98年)
O(0 年)
・関税優遇措置の活用(生産&輸出基地としての魅力)
工業団地の整備 260カ所(日系、外資系、ベトナム資本)
−工業団地の整備
–
–
–
–
–
–
20
投資案件に対する優遇税制(法人税)
(2009年1月発効 政令124)
税率
25%
20%
10%
10%
条件
減税期間
(半免)
なし
なし
2年間
4年間
優遇期間 免税期間
下記以外
全期間
奨励(経済的困難)地域
10年間
工業団地入居のみの優遇措置撤廃
特別奨励地域
15年間
4年間
(ハイテクパークク、経済特区、特に経済的困難地域)
(ハイテクハ
経済特区 特に経済的困難地域)
特別奨励分野
15年間
4年間
(ハイテク、IT、インフラ開発) (首相決定で期間30年も可能)
特別奨励分野
15年間
4年間
(教育、職業訓練、医療、文化、スポーツ、環境)
9年間
9年間
9年間
出典: 計画投資省
21
6 ベトナムの課題
6.ベトナムの課題
– 裾野産業の弱さ: 設備、技術、経営 →日越による育成
– 原材料の外部依存: 基礎産業の未整備(製油所、製鉄所、化学プラ
ント) → 2009年製油所完成 2008年以降に幾つかの事業認可
製油所: 出光興産 製鉄所: 神戸製鋼
– インフラの未整備 : 電力、道路、鉄道、港湾、上下水道 (通信)
→ ODA、BOT、PPPによる整備推進中 →電力計画の遅れ。
– 中間管理職&熟練工不足: 求人難&高いコスト → 育成中。
– 行政手続きの煩雑&不透明感 : 政令の遅れ、地方への徹底不足
⇒ 職員による裁量 → 中央政府による改善努力中
−工業団地における小規模区画、小規模賃貸工場の不足
→ 小規模賃貸工場の建設中。
−高い賃貸住宅や事務所賃貸料 → 新ビルの建設による賃貸料低
下開始。
−賃金の上昇が続く可能性が高い
賃金 上昇が続く 能性が高
→ 円、ドルベースでは上昇鈍化。
ド ゙
は上昇鈍化
付加価値製品への転換。一部機械化で対応。
22
改善されるインフラ
•
•
•
•
・
道路網の整備
経済回廊(東西回廊、第二東西回廊、南北回廊、中越回廊)
自動車専用道路整備
電力供給量の増大(第7次電力マスタープラン)
→ 発電所の建設 → 発電能力を2020年までに
現有能力(18,000MW)の75,000MW(4倍)にする計画
→ 原子力発電所の建設(2020年稼働予定)
→ 配電網の整備 → 50万KVの送電線を2系統に。
50万KVの送電線を2系統に
港湾の整備
北部: ラックフェン、カイラン、ハイフォン
中部 ダナン
中部:
ダ
南部: カイメップ、チイバイ港(2014完成予定) → ハブ港を目指す
通信網の整備
高速通信回線の導入
水処理能力j向上(水資源、浄水、配水、水質、漏水対策)
→上水 家庭用 → 大阪市等による技術供与(配水、水質改善、漏水対策)
→上水:
大阪市等による技術供与(配水 水質改善 漏水対策)
工業用水(河川水活用)
→ 下水処理 → 排水能力向上(ハノイ&ホーチミン市)、環境対策(工業団地)
23
6 ベトナムの課題(2)
6.ベトナムの課題(2)
– 中間管理職&熟練工不足 → 求人難&高いコスト
→ ホーチミン&ハノイ近辺ではワーカーも不足
→ ワーカーの生活基盤整備(モデル団地に住宅等整備)
– 行政手続きの問題
→ 政令の遅れ、地方への徹底不足、
→ 税関 (場所により解釈&対応に違い)
ー工業団地における小規模区画、小規模賃貸工場の不足
→ 裾野産業用賃貸工場整備計画を推進中
−高い賃貸住宅や事務所賃貸料 → 供給増加で改善へ。
−賃金の上昇が続く可能性が高い
→相対的な優位性はあるものの 絶対額は増加
→相対的な優位性はあるものの、絶対額は増加。
→労働集約型企業は地方に進出又は移転。
→ 部機械化、高付加価値製品 の転換等。
→一部機械化、高付加価値製品への転換等。
24
7.ベトナム人の雇用問題
(1)賃金上昇
①背景に物価の上昇
・2008年23%に次ぐ大幅な上昇 → 2010年1∼9月18.16%(2009年6.9%)
・2011年2月 首相決定11号により物価安定を最重点策とする(金融引締)
→ 前月比上昇幅の低下 8月 0.93%、0.82%
②2008年以降毎年最低賃金が上昇(毎年ドンベースで10%∼15%程度の引
上げ)
第1地域(ハノイ&ホ チミン等)
第1地域(ハノイ&ホーチミン等)
・2010年1月 1,340,000→1,550,000ドン (15.7%)
・2011年10月に前倒し実施(予定)
2011年10月に前倒し実施(予定) : 2011年
2011年∼2012年12月に適用
2012年12月に適用
1,550,000→2,000,000ドン(29.0%)
③それでも、タイ、中国等周辺諸国に比して低い水準
タイの約1/3、中国の約1/2程度
25
2011年10月最低賃金引上げ案
単位:1,000ドン
地域Ⅰ
地域Ⅱ
地域Ⅲ
地域Ⅳ
平均
2011
ベトナム企業 外資企業
1,350
1,550
1,200
1,350
1 050
1,050
1 170
1,170
830
1,100
1,108
1,293
新最低賃金
2,000
1,780
1 550
1,550
1,400
1,683
引上げ幅(率)
ベトナム企業
外資企業
650(48.1%)
450(29.0%)
580(48.3%)
430(31.9%)
500(47 6%)
500(47.6%)
380(32 5%)
380(32.5%)
570(54.2%)
300(25.6%)
575(51.9%)
390(30.2%)
外資系で地域Ⅰから地域Ⅱに変更となった地域の最低賃金引上げ: 650千ドン(48.1%)
26
7 ベトナム人の雇用問題(2)
7.ベトナム人の雇用問題(2)
((2)労働力確保の問題
)労働力確保の問題
①ハノイ&ホーチミン近辺での大量の労働力確保が難しくなって来ている。
・背景は物価上昇による生活の困窮
背景は物価上昇による生活の困窮、低レベルの生活環境
低レベルの生活環境
・地方にも生活手段がある → 農業と地方で就職機会の増加
→地方での労働力確保は容易。
②数十名の確保には問題が少ない。
→500名以上の雇用となると対応策が必要
③日越政府による体策検討&実施
⇒ 工業団地ワーカーの生活環境改善プロジェクト
→ドンナイ省とフンエン省のモデル工業団地でのコンサルによる調査と
青写真の作成(JICAプロジェクト)
・工業団地周辺での公共住宅の建設
・生活環境整備(公共施設、商業施設、医院、学校等の整備)
27
→ 学校&職業訓練センターによる技術&社会教育の拡充
7.ベトナム人の雇用問題(3)
(3)不法ストライキ
①2007年頃より日系でも発生。背景には物価上昇、賃金問題
②短期間で収束(5日間)
③ベトナム政府の対応(労働法改正、タスクフォースチーム)
④日頃のコミュニケーションが重要
→離職率の低下にも貢献
⇒ 今年、4月以降は日系では殆ど起こっていない。
(4)教育
①もとは農民
素質は良いが基本的にきちんと、一から教育する必要あり。
②熱意をも
②熱意をもって教えれば、必ず報いてくれという経営者が多い。
教 れば 必ず報
くれと う経営者が多
③考え方の違い&何も知らないということを理解して教えること
・謝らない。言いわけをする。
言
・ホウレンソウがない
④納得するまで教える。
⑤先輩が教えない → 教えるように教育
⇒ →良き指導者、上司、経営者であること。
28
8 裾野産業育成の背景と推移
8.裾野産業育成の背景と推移
1)何故裾野産業の育成が必要か?
(1)ASEAN諸国内の関税撤廃
共通効果特恵関税(CEPT)の撤廃
対ベトナム
①原則2015年にASEAN域内諸国との
関税をゼロに。
②
②2018年には完全撤廃
年には完全撤廃
(2)付加価値の増加
⇒貿易赤字の解消
(3)2010年の工業国化戦略達成
(4)地場日系企業による部品調達
①低い現地調達率
22.4%(JETRO2010年調査)
⇒ タイ56.1%、マレーシア 45.9%、インドネシア
42.9%、フィリッピン 27.2%、中国 58.3%
29
②業種別
① 輪車 80%以上(但し、可なりの部分が日系&外資系からの調達)
①二輪車
0%以上(但し 可なりの部分が日系 外資系からの調達)
②自動車 10%以下
③電気電子 20%以下
ベトナムと周辺諸国の日系企業の原材料の調達先
地場
日本
ASEAN
中国
その他
そ
他
ベトナム
トナム
22.4
42.5
16 6
16.6
10.2
8.4
タイ
56.1
31.0
47
4.7
3.5
5.0
インドネシア
42.9
33.3
15 8
15.8
2.5
5.5
フィリッピン
27.2
50.0
13 2
13.2
4.4
5.2
マレ シア
マレーシア
45.9
29.1
12 5
12.5
5.5
7.0
中国
58.3
35.4
30
3.0
3.4
JETRO2010年調査
30
2)ベトナムの裾野産業育成と日本の役割
(1) トナムにいわゆる裾野産業はなかった
(1)ベトナムにいわゆる裾野産業はなかった
①国営企業は原則一貫生産体制
②子会社群はあ たが製品別又は地域別縦割り会社
②子会社群はあったが製品別又は地域別縦割り会社
(2)裾野産業は日本が育成を提案した新しい概念
2000年頃は電子製品の組立企業は簡単なプラスチ
ック部品も調達が難しかった。
(3)2007年 裾野産業マスタープラン完成(首相承認)
これが基本となっているが その後も進まず
これが基本となっているが、その後も進まず。
(4)裾野産業育成への関心が本格的に高まったのは2
010年以降
31
3) 最近の新しい動き
(1)首相決定12(12/2011/QD‐TTg) 2011/2/24
①裾野産業定義:機械製造、電子・通信情報、
自動車部品組立、紡績・縫製、皮革・履物
ハイテク開発事業
②裾野産業の発展奨励&支援
市場開発、土地等インフラ提供、技術移転・
人材育成、情報提供、財政支援・関税優
遇
③執行機関: 商工省
裾野産業発展プ ジ クト査定委員会
⇒裾野産業発展プロジェクト査定委員会
(2)首相決定12関連財政政策施行通達
((96/2011/TT‐BTC)
/
/
) 2011/7/14
/ /
①輸出税・輸入税に関する優遇(免税)
②政府の開発投資信用基金の借入
③中小企業育成のための財政補助
④ハイテク産業の発展を支える裾野産業 の
④ハイテク産業の発展を支える裾野産業への
税制優遇(輸出税、輸入税、企業所得税)
⑤付加価値税の納付延期&還付
(3)ハイテク産業の対象事業詳細
(首相決定 1483/QD‐TTg 2011/8/26)
上記(1)ハイテク産業の具体的事業リスト 49業種
4)今後の裾野産業整備
(1)ベトナム政府による裾野産業定義
繊維、履物、機械、自動車、電子電気関連 部品
製造業並びにハイテク産業への部品製造業 ⇒特
に、自動車&電子機器を重点に。
(2)政策上の問題点
・バイク産業を含まず
・全体として素形材産業を含まず
(3)裾野産業整備に二つの道
裾 産業整備
道
①ベトナムの裾野産業育成
②海外(海外)からの裾野産業誘致
地場企業育成に加え 裾野産業関連外資誘致に注力
地場企業育成に加え、裾野産業関連外資誘致に注力
34
9.裾野産業のビジネス展開
1)進出が期待される日系の裾野産業
(1)業種
①部品(板金・溶接品、樹脂成型品、ダイキャスト、ゴム・タイヤ、ガラス
、機械加工品、電気 電子部品等)
、機械加工品、電気・電子部品等)
②付属品(製缶品、プレス・成形金型、治具、ゲージ等)
③素材(薄板鋼板 塗料 樹脂 紙等)
③素材(薄板鋼板、塗料、樹脂、紙等)
④処理(熱処理、メッキ等表面処理等)
⑤電子パーツ、フレキシブル基板、精密切削品、絞りプレ品
⑤電子パーツ
フレキシブル基板 精密切削品 絞りプレ品
パネル部品
⑥専用部品(抵抗、半導体、電気、電子部品、板金フレ ム、
⑥専用部品(抵抗、半導体、電気、電子部品、板金フレーム、
ワイヤー線等小物部品)
(2)進出日系企業と地場企業との棲み分け
(3)留意点
ベトナム市場で十分か?
35
2)進出が期待される裾野産業(具体例)
・金属加工等(素形材)
・高度技術の金属加工(例)
高度技術の金属加工(例)
・プレス(形状複雑、高精度)
・メッキ
塗装(含浸技術)
・塗装(含浸技術)
・熱処理、機械加工、金型
・インサ ト成型 薄肉成型
・インサート成型、薄肉成型
・精密プラスチック金型
・プラズマ熔接、YAGレーザー加工
半導体関連部品
・半導体関連部品
・自動車部品
36
9 裾野産業のビジネス展開
9.裾野産業のビジネス展開
3)大量受注の可能性
)大量受注
能性
(1)ベトナムで大量の生産を行っているのは、
バイク産業、衣料、履物等。
(2)プリンターについては
(2)プリンタ
については、キヤノン、ブラザ
キヤノン ブラザーに続き
に続き
キョウセラミタが進出。
( )ベトナム市場だけ なく
(3)ベトナム市場だけでなく、日本を含む海外市場も
本を含む海外市場も
含めたビジネス展開戦略
(4)ベトナム企業への販売は簡単ではない
価格 大手国営は一貫生産
価格、大手国営は
貫生産、与信、為替、人脈
与信 為替 人脈
37
4)中国広州やベトナム企業との競争
(1)ベトナム企業が競争相手になるか?
①時間がかかる →将来の可能性
②自社から独立した会社も含め、協力会社
なる可能性。
になる可能性。
(2)中国製品との競合は厳しい。
(3)その他 台湾 韓国等も
(3)その他、台湾、韓国等も。
(4)AFTA関税撤廃後の周辺諸国との競争と
共存。
38
5)進出裾野産業企業の販路開拓
(1)販売先&取引先は現状、大半が日系企
業(組立産業、大手部品メーカー等)。
(2)日系企業は日本人による売り込み、口コミが中心
日系社会コミュニテイ雑誌への公告。
日系社会コミュニテイ雑誌への公告
(3)地場企業への販売はベトナム人による
営業が中心(流れると日系企業も)
(4)展示会への出展
(5)業界団体の活用(業界紙、人脈構築)
39
6)ベトナムでの成功例&失敗例
(1)成功例
①ワイヤーハーネス等
・輸出(海外市場向け)が中心。
・輸出(海外市場向け)が中心
・安くて、勤勉、手先の器用なベトナム人
ワーカーを活用
を
②国内型はバイク、家電、食品、医薬品、
セメント、衛生陶器等価格競争力を持った日本
ブランド(高品質)製品が中心。
(2)失敗例
少ないが原因はF/S不足 不況等海外市場の激変
少ないが原因はF/S不足、不況等海外市場の激変
40
が大半
10.ベトナムへの投資上の留意点
1)十分な事前検討&調査
(1)立地選択
・北部、南部、中部
・都会近辺 地方
・都会近辺、地方
・輸出加工区、工業団地、ハイテクパーク、経済区
その他
→ 工業団地(日系、外資系、ベトナム系)
・オフイスビル(IT産業用 一般用)
・オフイスビル(IT産業用、一般用)
・土地リース又は賃貸工場
・インフラ整備状況(電力、道路・鉄道、港湾、空港、
インフラ整備状況(電力 道路 鉄道 港湾 空港
上水・下水) & サービス&支援体制
41
(2)進出形態
①合弁又は独資
②会社形態
株式会社 有限会社 合名会社 BCC(ビジネ
株式会社、有限会社、合名会社、BCC(ビジネ
ス協力契約)、支店、駐在員
(3)市場選択
①輸出型(日本&近隣諸国 中国、ASEAN諸国)
①輸出型(日本&近隣諸国:
中国 ASEAN諸国)
②国内販売型
③組合わせ型
42
(4)法律上の規制
①共通投資法
・条件付投資分野
条件付投資分野
・首相決裁案件
②環境関連
・環境アセスメント
③業種別の規制
・薬品、化粧品、農薬等
薬品 化粧品 農薬等
・教育関係(語学教室、塾、技術指導教室)
・運輸関係
④工場建設
建築確認等、環境対応
⑤小売業
外資企業に対するEconomic Needs Test (ENT) 43
2)十分な事業性調査
ベトナムでの最大のポイント
→ 部品の供給体制と製品の販売先確保
①市場確保
ベトナム国内販売を主とする場合
→市場調査重要
②原材料の大半が輸入
③裾野産業が未成熟(技術レベル、設備)
→ 部品の調達が困難、金属加工&処理等の
レベルが未だ低い
⇒ 日越政府による裾野産業育成支援策
44
④賃金コスト
→ 未だに相対的に安く、優秀な人材確保が可能
未だに相対的に安く 優秀な人材確保が可能
・賃金上昇傾向 →労働集約型から、一部機械化
&付加価値製品へ
・最低賃金がここ数年毎年上昇
・今年は来年1月分を10月に前倒し
今年は来年1月分を10月に前倒し
⑤労働力確保
大都会周辺での大量の労働力確保。
工業団地周辺の生活環境整備への注力
⑥ブランドと先駆者利益
・日本ブランド
・先行し自社ブランドを確立すること重要
・但し、価格が2倍以上では競争困難
但し 価格が 倍以上では競争困難
⑦その他
雨季対策 高温多湿対策
雨季対策、高温多湿対策
45
3)ベトナムを知ること
(1)ベトナム人の考え方
・日本人に類似:
本
類
BCC、勤勉、頭が良い、手先が器用
、勤勉、頭 良 、 先 器用
・異なる点も:プライドが高い、まずは言いわけをする等
( )南北の違 と魅力
(2)南北の違いと魅力
(3)人的関係が重要 ⇒ 人脈形成が第一
・ビジネスも
ビジネスも
・コネの社会
(4)官僚社会 ⇒ 時として時間と手間暇がかかる
・文書主義
・縦割行政
縦割行政
ベトナム政府は行政改革を大きな目標の一つとしている。
46
4)具体的なビジネスから
(1)コンサルタントの選択とセカント オヒ ニオン
(1)コンサルタントの選択とセカンドオピニオン
①増設計画申請時の例
②企業設立時の優遇措置の例
( )販売先 仕入先開拓時(委託 産を含む)
(2)販売先&仕入先開拓時(委託生産を含む)
①文書での確認
②商習慣の違い ⇒ 金型代の負担
③品質管理、納期管理
④量産時の注意 →少ない数量から
47
運転資金
5)皆様からのご質問にお答えして
(1)日系企業は 運転資金の確保をどうしていますか
(1)日系企業は、運転資金の確保をどうしていますか
⇒ 親子ローン、地場日系銀行、日系銀行
海外支店から ド 建借り入れが中心
海外支店からのドル建借り入れが中心
→JICA&JBICによる貸付
借り入れは円建て又はドル建てが中心です。
ベトナムの銀行からの融資
銀
融資
ドン建はまずありえません。 金利が現在
は20%を超えています。
48
代金決済方法
(2)ベトナムでの代金決済方法はどうなっていますか
台湾 韓国企業への決済方法も同じですか
台湾、韓国企業への決済方法も同じですか。
⇒手形、小切手はありません。
現金決済(前払い、後払い) → 銀行保証
台湾、韓国企業
台湾、韓国企業への決済方法も同じです。
決済方法も同じ す。
代
代金回収
(3)代金の回収を巡って紛争が起きた場合は、どのよ
うに解決するのでしょうか。
⇒最終的には裁判又は調停ですが、大半は交渉&
話し合いで解決します。
49
従業員の採用
(4)ベトナムでの労働者の採用はどのようにするの
ですか 職業安定所等公的な支援はありますか
ですか。職業安定所等公的な支援はありますか
⇒工業団地の入り口や管理事務所、自社工場の
⇒工業団地の入り口や管理事務所
自社工場の 前
に募集の貼紙
地方政府への斡旋依頼、
地方政府への斡旋依頼
スタッフの場合は新聞、インターネット、人材斡旋会社。
公的な斡旋機関はあるが 職業安定所はない
公的な斡旋機関はあるが、職業安定所はない。
採用試験を実施して 採用するというやり方
採用試験を実施して、採用するというやり方
50
従業員の採用
(5)正社員、パート、アルバイトなどの雇用契約の方
法について、後々の紛争を招かないための公的な
援助はありますか。
⇒①労働法では、無期限労働契約、1年から3年間の
期間契約、1年未満の労働契約があります。
期間契約の更新は1回までです。
②労働契約や就業規則をきちんと整備し、解雇する
②労働契約や就業規則をきちんと整備し
解雇する
理由を明確にするような書類を整えておくことが重
要です。
要です
51
賃金の支払い
(6)月給、週休。日給、ボーナス等どのような賃金の
賃
支払い方法がありますか
⇒通常は月給払です。月給は基本給に各種手当と
残業代等でなりたっています これにボーナス(原
残業代等でなりたっています。これにボーナス(原
則年1回)を加えて支払います。
52
賃金の決定方法
(7)また、最低賃金はありますか。
13か月目の給与とは何ですか?
⇒給与は会社が世間相場を見て 毎年1回改定し
⇒給与は会社が世間相場を見て、毎年1回改定し
て決めます。
最低賃金は法律で定められており、必要に応じ
最低賃金は法律で定められており
必要に応じ
て都度変更されます。
2007年以降は毎年改定されています。
年 降は毎年改定され
ます
来年1月の変更は今年の10月に前倒しして実施
されます
(物価上昇対応)。
53
労働時間
(8)労働者の一日の労働時間、休日等労働法制
はどうなっていますか。
はどうなっていますか
⇒
①労働時間は最長1日8時間、1週 48時間
②時間外労働は、1日 4時間、年間200時間が限
度(一部業種では300時間を限度)
③休日: 毎週1回
④元旦、旧暦の新年(4日)等の祭日は休日とし、賃
金は全額支払う。
金は全額支払う
⑤ 時間外労働:通常の労働日は時間給の150%、
週休日又は祭日の場合は200%。
休
祭
場合
54
福利厚生
(9)福利厚生について、住宅や社員旅行など
の負担が生じると聞いていますが。
①社員旅行やクリスマスパ テイ、誕生会等
⇒①社員旅行やクリスマスパーテイ、誕生会等
が社員の会社の忠誠心の育成に役立つと
いわれています。
いわれています
②食事(昼食や夜間シフトの夜食)の内容も
離職率の低下、ストライキの回避等の観
点から重要と言われています。
③寮は原則不要です。
55
福利厚生
(10)社員食堂は必要ですか。
⇒会社の負担で昼食等を出すのが一般的です。
会社 負担 昼食等を出す が 般的 す
そのため社員食堂が必要ですが、工業団地によ
っては小型の工場のために共同の食堂を整備し
は小型
場 ために共同 食堂を整備し
ているところもあります。
日系人の所得税
(11)日系人もベトナムで所得税等徴収されるので
しょうか。
⇒日越租税協定に従い、183日以上 トナムに滞
⇒日越租税協定に従い、183日以上ベトナムに滞
在している日本人は日本での給与等も含め、全世界
での収入につき申告し、所得税を支払う必要があり
ます(当該税金は日本での税金から控除されます)。56
会計事務スタッフ
(12)ベトナム人従業員の労務管理で所得税の徴収、
給与の支払いのための会計等事務スタッフを操業
開始時までに雇用できますか。
⇒新聞広告、Websiteの募集広告で募集するか人材
斡旋会社から斡旋を受けるか が通常 す(費
斡旋会社から斡旋を受けるかのが通常です(費用
は通常基準給の2カ月分程度)。
57
公害防止管理者等の国家資格
(13)工場の生産に際し、公害防止管理者の国家資
格を持 た方を操業開始時までに雇用できますか
格を持った方を操業開始時までに雇用できますか
。また、工場運 営のためどのような国家資格が必
要なのでし うか
要なのでしょうか。
⇒かかる国家資格はベトナムにはありません
⇒かかる国家資格はベトナムにはありません。
ベトナムの法律に従い、安全基準、環境規制等
を順守し て行くことになります。
て行くことになります
違反すると処罰の対象になります。
58
日系人が病気になったら
(14) ベトナムの医療衛生面の状況はどうですか。国民
健康保 険はあるのでしょうか。入院する場合、日
系人の看護を援助してくる 公的な仕組みはあるの
でしょうか。
⇒ ①健康保険制度はありますが、本保健はかかる
①健康保険制度 あり す 、本保健
ことが出来る病院が限定されており、現実的ではあ
りません。
②ベトナム(ハノイ、ホーチミン)には外人専用の
病院があり大半の日本人はそこで治療を受けてい
ます。かかる治療にかかる費用は本社で民間の海
外旅行保健にかかるか実費を補てんしているのが
通常です
59
日本料理屋
(15)ベトナムの地方都市でも日本料理屋はあるのでし
ょうか。
うか
⇒ ホーチミン、ハノイ、ダナン、ハイフォン等には、あ
りますが、地方都市
にある可能性は少ないかと思います。
ホーチミンは50軒以上、ハノイは30軒以上
ダナン&ハイフォンには数軒あります。
ダナン&ハイフォンには数軒あります
60
日本の食材の入手
(16)日本食材は、ベトナムどこでも手に入るのでしょうか
⇒記4都市であれば、調達可能です。地方では難か
記 都市 あれ 、調達可能 す。地方
難
しいと思います。
但し、一部地方都市にも外資系のスーパー(メトロ
但し
部地方都市にも外資系のス パ (メトロ、
ビッグC)が進出しており、かかるスーパーでは一部の
日本食材の調達は可能かと思います。
61
インターネット環境
(17)スカイプ(インターネットによるテレビ相互受信シス
カイプ(イ タ ネ
る
ビ相 受信シ
テム)等の活用のためのインターネット環境は、ベト
ナム 地方都市 も
ナムの地方都市でもハノイと同一ですか。
イと
すか
⇒ インターネットの整備(ADSL)は進んでおり、
よほどの田舎に行かない限りインターネット
の使用は可能です。
の使用は可能です
但し、スピードは日本に比べて上流、下流と
も遅 と認識し
も遅いと認識しています。
ます
62
電気代、水の価格
(18) 電気代、水 の価格はドルでいくらくらいで
すか。地方でも差がありますか。
① 気代
(
⇒①電気代は電力公社(EVN)が全国に供給
しているため、一律の電力料金です。
業務用電気料金は US$0.05∼0,12/KWH
US$0 05∼0 12/KWH
程度です(電圧&時間帯による)。
②水道代は地方政府又は工業団地に払う
ため差がありますが、業務用で
US$0.3/m3程度です。
63
電力不足が心配
(19)慢性的に電力不足だと聞いていますが、
慢性的 電力 足だと聞
ますが
今後とも続きますか。
⇒①電力不足が生じたのは、最近では
今年の3月まででその後は生じていません。
今年の3月まででその後は生じていません
②第7次電力マスタープランが始まっており、
送電 配電が計画通り進めば電力不足
送電、配電が計画通り進めば電力不足
は来年以降も生じない可能性が高いと言
えます。
64
ベトナムで有名な日系進出企業
(20)ベトナムで成功している日系企業を教えて下
さい。
例 ホンダやエースコックが有名です。ベトナムで
例:
ホンダやエ スコックが有名です ベトナムで
はバイクのことを嘗てはホンダと呼んでいました。
エ スコックは ベトナムの即席ラ メン市場の5
エースコックは、ベトナムの即席ラーメン市場の5
割を押さえています。・・・・・
65
ご静聴ありがとうございました。
ご静聴ありがとうございました
連絡先は次の通りでございます。
ご質問等がございましたらご遠慮なくご連絡 下さい。
Ministry of Planning and Investment (計画投資省)
Foreign Investment Agency (外国投資庁)
Foreign Investment Agency (外国投資庁)
住所: 65 Van Mieu Str, Hanoi, VIetnam
電話番号&
電話番号&FAX
(事務所) 84‐4‐37474656
(事務所):
電話番号(携帯電話):
84‐127‐678‐5476
ee‐mail
mail : [email protected]; : ytsujio@smile ocn ne jp;
[email protected]
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