心像性と親密度の高い日本語単語の 身体−対象物

145
心像性と親密度の高い日本語単語の
身体−対象物相互作用の評価
望 月 正 哉
玉 木 賢太郎
内 藤 佳津雄
要 旨
本研究では,日本語単語が参照する対象物と読み手の相互作用の度合い(身体−対象物相
互作用)の収集と,単語認知処理における身体−対象物相互作用効果の確認をした。評定調
査から,単語のもつ身体−対象物相互作用が単語の心像性や親密度とは同一の指標ではない
という先行研究と同様の傾向をもつことが示唆された。一方で,これらの単語を用いた実験
的検討からは先行研究でみられた身体−対象物相互作用効果は明確にはみられなかった。
1.問 題
単語の認知には複数の過程が含まれ,それぞれの過程に様々な要因が影響している。視覚
単語のボトムアップ型の処理をおおまかにみても,それぞれの文字に対する知覚的な処理が
行われ,その特徴が抽出されるとそれに対応する語彙表象が心的辞書から検索され,最終的
に語の内容が理解されるといった過程が含まれる。
近年の単語認知モデルでは,これらの処理は並列分散型であるとされる(e.g., Plaut,
。
このようなモデルでは単語認知に形態ユニット,
McClelland, Seidenberg, & Patterson, 1996)
音韻ユニット,意味ユニットが関わり,それぞれが特定の語に対して特徴を表象するとされ
る。さらに,それぞれのユニットは双方向的に結合しており,単語認知の際に起こる一つの
ユニットの活性化はその語の内容がもつ活性レベルに応じて他のユニットへ伝播する。
単語認知の研究では,これらのユニットに関係して単語の各側面に関する指標が測定
され,その指標に応じて単語認知がどのように変わるのかが検討されている(総説とし
て,Cortese & Balota, 2012; 日野,2012)
。例えば,語の長さ(e.g., Baddeley, Thomson, &
,形態隣接語数(e.g., Coltheart,
Buchanan, 1975)や語の頻度(e.g., Hino & Lupker, 1998)
146
心像性と親密度の高い日本語単語の身体−対象物相互作用の評価
Davelaar, Jonasson, & Besner, 1977)といった形態ユニットに対するものや,音韻隣接語数
(e.g., Yates, Locker, & Simpson, 2004)や同音偽単語(e.g., Reynolds & Besner, 2005)などの
音韻ユニットに対応するものがある。さらに意味ユニットに対応するかたちで,心像性,親
密度,具象性,獲得年齢といった主観的な心理指標も単語認知に影響を与える(cf. Cortese
。
& Balota, 2012)
そのなかで近年の Pexman らの一連の研究(Bennett, Burnett, Siakaluk, & Pexman, 2011;
Hansen, Siakaluk, & Pexman, 2012; Hargreaves, Leonard, Pexman, Pittman, Siakaluk, &
Goodyear, 2012; Phillips, Sears, & Pexman, 2012; Newcombe, Campbell, Siakaluk, & Pexman,
2012; Siakaluk, Pexman, Aguilera, Owen, & Sears, 2008a; Siakaluk, Pexman, Sears, Wilson,
Locheed, & Owen, 2008b; Tillotson, Siakaluk, & Pexman, 2008; Tousignant, & Pexman, 2012;
Wellsby, Siakaluk, Owen, & Pexman, 2011)では,単語が参照する対象と(読み手の)身体が
どの程度相互作用しているかという度合い(感覚運動経験の多さ)が単語認知に影響するこ
とが示されている。この相互作用性は身体−対象物相互作用(body-object interaction; BOI)
と呼ばれ,単語認知に関わる様々な課題でその影響が検討されている。例えば,Siakaluk et
al.(2008a)では,あらかじめ 234 単語の BOI を評定させ,このうち,BOI の高かった(高
BOI)24 語と BOI が低かった(低 BOI)24 語を使用して語彙判断課題や音韻的語彙判断課
題を実施した。その結果,高 BOI 語は低 BOI 語よりも語彙判断に要する時間が短いことが
示された。同様の結果は具象性判断課題を用いた Siakaluk et al.(2008b)でもみられ,こち
らでは誤答率についても高 BOI 語は低 BOI 語よりも有意に低いという結果となっている。
彼らはこれらの結果が近年の身体性認知の枠組み(e.g., Barsalou, 1999, 2008)に一致するも
のであり,単語の認知において単語の内容が参照する環境と身体の相互作用(感覚運動経験)
が影響していると考えている。
その後の研究では,多数の単語に対して BOI を測定した調査(Bennett et al., 2011; Tillotson
et al., 2008)や,BOI 処理に関わる神経相関について検討した脳画像研究(Hargreaves et
al., 2012)など多角面からの検討が行われている。いずれの研究においても BOI の高い単語
は様々な課題で処理に促進的効果をもたらしている。しかし,BOI が具体的にどのような内
容が評価値に反映されているのかは明らかではないという問題がある。
上述のように BOI は単語が参照する対象と(読み手の)身体がどの程度相互作用してい
るかという度合い(感覚運動経験の多さ)であるとされる。BOI を測定した調査(Tillotson
et al., 2008)では,参加者に対し, 単語が参照する対象と人の身体の物理的な相互作用の持
ちやすさ(p.1078) を評定するように求めているが,具体的に参加者が各単語に対してど
のような特徴を参照して評価したかはわからない。
現時点で,BOI の特徴に関する示唆は周辺的には得られているが,直接的に検討はでき
ていない。例えば,Bennett et al.(2011)では,BOI の評定に加え,様々な単語指標が大
規模データベース(Balota, Yap, Cortese, Hutchison, Kessler, Loftis, Neely, Nelson, Simpson,
心像性と親密度の高い日本語単語の身体−対象物相互作用の評価
147
& Treiman, 2007)に含まれる命名課題の反応時間をどのように説明するのかを階層的重回
帰分析を用いて検討している。その結果,形態ユニットに関わる要因や BOI 以外の意味ユ
ニットに関わる要因を説明変数として投入しても,BOI が有意に反応時間を説明すること
を示している。このことは BOI が意味ユニットに関する他の指標とは独立的であることを
示唆している。さらに,BOI による効果が単語の認知ではなく,その後の反応(ボタン押し)
に反映されている可能性を排除するために,声を発することを求める命名課題(Wellsby et
al., 2011)や,単に文を読ませ,眼球運動を測定した検討(Phillips et al., 2012)を行い BOI
効果がみられるかを検討している。いずれの研究においても,BOI が特に関係があると思
われる身体動作(つまり腕の動作)を行わせなくても BOI 効果が観測され,語内容と一致
する身体運動が促進される現象を反応段階の指標として捉える行為−文一致効果(Actionsentence compatibility effect; ACE, Glenberg & Kaschak, 2002)とは異なり,語認知の段階に
おいて影響を与えるものであるとされる。
このように BOI は単語認知の段階に影響を与えるもので,さらに心像性や親密度といっ
た意味ユニットに関わる指標とは異なるものであることは示唆されるものの,その本質は
明確でない。Siakaluk et al.(2008b)は,考察において,BOI が(a)環境中で対象物に関
わる身体の動きに伴う筋肉,関節,皮膚受容器からの固有受容的・運動感覚的情報(Gibbs,
(b)特定の対象物を使用するときに用いられる運動プログラムに関
2006)である可能性,
する情報である可能性,
(c)アフォーダンスの情報である可能性を挙げている。しかしなが
ら,その後,このことに関する検討は行われておらず,具体的にどのような情報が利用され
ることで単語認知が促進されるのかは明らかでないといえる。したがって,BOI が,単語を
参照する内容のどのような側面を反映しているのかを明らかにすることが求められる。
ここで問題になるのが,BOI の指標は英単語を対象として評価されたもの(Bennett et al.,
2011; Tillotson et al., 2008)や,写真刺激を用いロシア人の参加者を対象として評価された
もの(Bonin, Guillemard-Tsaparina, & Méot, 2013)のみがあり,日本語単語ではその指標は
存在しないということである。日本語単語でも英単語であっても実質的には概ね同様のもの
を参照していると考えられることから,英単語をもとにした BOI でも利用可能であること
も考えられる。しかし,
例えば ピストル などの対象は文化差があると考えられることから,
日本人を対象者として検討する場合には,日本人を母語とする人が評定した値を用いるべき
であると考えられる。
本研究の目的 そこで本研究では,BOI がどのような側面を反映した指標であるのかを検
討するのに先立ち,日本語単語における BOI の収集と,BOI 効果の確認を行うことを目的
とした。まず,50 名に対して各単語が参照する内容についての BOI を尋ねる調査を実施した。
Tillotson et al.(2008)では,その内容に関わらず単音節の単語を対象としていたが,通常,
人は具象物に対してのみ相互作用をもつと考えられることから BOI の効果は心像性が高い
語のみでみられると考えられる(Tillotson et al., 2008)。また,単語を見ても親密度が低い
148
心像性と親密度の高い日本語単語の身体−対象物相互作用の評価
ものは,現実場面でも接したことがないものと考えられる。
したがって,本研究では,そもそも BOI の概念上,適用が有効だと考えられる心像性や
親密度の高い日本語単語だけを対象として BOI を尋ねる調査を実施し,そのなかで心像性,
親密度との BOI の関係を確認した。
続く実験では,調査によって収集した BOI をもとに高 BOI の単語と低 BOI の単語を選出
し,Siakaluk et al.(2008b)でみられた BOI 効果がみられるのかを具象性判断課題を用いて
確認した。英単語を対象とした先行研究からは,BOI の高い単語は BOI が低い単語に比べ
て判断時間が短かったり,正確な判断ができたりする(誤答率が低い)と考えられる。
2.調 査
2.1 方 法
評定者 首都圏の 4 大学に所属する大学生・大学院生・研究員 50 名(女性 31 名,男性 19 名,
平均年齢 21.82 歳,範囲 19 ∼ 33 歳)が単語の評定を行った。
評定対象の単語 天野・近藤(1999, 2000)ならびに佐久間・伊集院・伏見・辰巳・田中・
天野・近藤(2005)から文字単語心像性 1)が 6 以上かつ単語親密度が 6 以上の単語を選出
した。このうち読みが重複するものは頻度が高いほうもしくは頻度データが存在するほうを
選んだ。さらに,本研究の目的に基づいて,参照する内容に個人差が多いと考えた料理名,
動作を含むもの,人物の呼称,身体部分の呼称,スポーツの呼称,色名,イベント,意味的
に同じ日本語単語が選出した単語のなかに存在する外来語を除いた。一方で,新聞と新聞紙
など意味的には重複するが,文字数が異なる単語は残し,計 397 項目を評定の対象とした 2)。
手続き 単語を記した小冊子を配布し,評定者は 397 単語について 7 件法(1: 低い,4: 中
程度,7:高い)で BOI を評定した。なお,教示は Tillotson et al.(2008)で使用されてい
たものを日本語に訳して使用した(Appendix A)3)。回答は約 20 分で終了した。
2.2 結果と考察
全評定対象の単語の BOI については Appendix B に示す。また,BOI の評定平均値のヒス
トグラムを Figure 1 に示す。Figure 1 をみると,各単語は心像性や親密度が 6 以上と高いな
かで,BOI は 1 点台のものから 6 点台のものまで分布していることがわかる。さらに,
心像性,
親密度,頻度,モーラ数,BOI の基礎統計量と各指標間の相関を Table 1 に示す。心像性と
,親密度と BOI には弱い正の相関がみられた(r=.33,
BOI には相関はみられず(r=.01, p=.74)
p< .001)。BOI と心像性や親密度との相関がみられなかったり,弱かったりしたのは,心像
性や親密度が 6 以上の単語のなかで BOI が 1 点台から 6 点台で分布したためであると考え
られる。
本研究で評定対象となった単語のなかで,Tillotson et al.(2008)と Bennett et al.(2011)で
も評定されていた 212 語についてそれぞれの BOI の相関係数を求めたところ,
r=.60(p<.001)
心像性と親密度の高い日本語単語の身体−対象物相互作用の評価
149
80
Frequency
60
40
20
0
-1.99
2.0-
2.5-
3.0-
3.5-
4.0-
4.5-
5.0-
5.5-
6.0-
6.5-
BOI rating
Figure 1 Distribution of mean BOI ratings
Table 1 Descriptive statistics for the set of 397 words and correlations among attributes
Variable
M
SD
Min
Max
Imageability
6.32
0.23
6.00
6.94
Familiarity
6.32
0.17
6.00
6.75
Frequency
2402.20
6691.30
1
61270
10
Mora
3.72
1.38
1
BOI
3.88
1.21
1.58
Familiarity
.35**
Frequency
Mora
BOI
-.01
.03
.02
.27**
-.14**
.33**
-.15**
.16**
-.03
6.66
BOI: Body-object interaction **p<.01
と中程度の正の相関を示した。この結果は,ある程度 BOI の評価が一致する項目があった
一方で,評定者の生活環境などによって評価が異なる項目もあったためであると考えられる。
例えば ネズミ(rat) について先行研究(Tillotson et al., 2008)では 5.62 であったが,本研
究では 2.16 であった。先行研究の評定者は大学生であり,本研究の評定者と大きな違いは
ないものと考えられるものの,英語圏と日本語圏では BOI についての評価が同一でない部
分もあるといえる。
本研究では,心像性,親密度が高い項目のみを選出して BOI を評定させたが,それらの
単語のなかでも,BOI が高いものと低いものがある事がわかった。このことは,単語が参照
するものは身近にあり,イメージしやすいものであるが,そのなかでも身体の関わりが高い
ものとそうでないものがあることを示している。このような結果からも BOI が心像性や親
密度とは同一の特性を捉えているものではないと考えられる。続く実験では,本調査で得ら
れた BOI 値から BOI 高条件と BOI 低条件を設け,Siakaluk et al.(2008b)でみられた BOI
効果がみられるのかどうかを検討した。
150
心像性と親密度の高い日本語単語の身体−対象物相互作用の評価
3.実 験
3.1 方 法
実験参加者と実験計画 大学生 17 名
(女性 12 名,
男性 5 名,平均 19.82 歳,範囲 19 ∼ 24 歳)
が実験に参加した。これらの参加者に対して,BOI の高低(高 BOI 条件/低 BOI 条件)に
よる 1 要因実験参加者内計画で実験を行った。
実験刺激 評定課題で BOI を評定された単語のうち,ターゲット語として BOI が高いカ
タカナ語と低いカタカナ語を 16 語ずつ選出した(Appendix C)
。これらの単語は各条件で,
心像性,親密度,頻度,モーラ数,形態隣接語数,音韻隣接語数に差が無いように選出した
(Table 2)。形態隣接語数,
音韻隣接語数は,
天野・近藤(1999)から 3 − 4 モーラの名詞(53,077
語)を使用して計算した。なお,音韻隣接語はモーラを単位にして計算した。これらの単語
に加え,フィラー語として天野・近藤(1999)から心像性が 4 以下のカタカナ語 32 語(心
像性平均 3.46)を選出した。実験ではこれらの単語を 24 pt の MS ゴシック体で画面に提示
した。
Table 2 Mean characteristics for target stimuli
Condition
BOI
Imag.
Fami.
Freq.
Mora
MNS
ONS
Low BOI
2.98
6.30
6.33
2352.19
4.13
17.56
2.88
High BOI
5.43
6.30
6.33
1839.31
4.06
19.69
5.19
Note. No significant differences between conditions except for BOI value.
BOI: Body-object interaction Imag.: Imageability, Fami.: Familiarity, Freq.: Frequency, MNS: Moraicphonological neighborhood size, ONS: Ortho-graphic neighborhood size
手続き 実験は個別に行った。刺激提示と反応時間の記録には 15.4 型ディスプレイ(1
024 × 768 px) を も つ ラ ッ プ ト ッ プ PC(Lenovo T500) と E-Prime ver. 2.0(Psychology
Software Tools, Inc.)を用いた。参加者は PC が置かれた机の前に座り,実験者から実験参
加および内容の教示を受けた。実験の課題は具象性判断課題であった。課題では始めに空白
画面を 2,000ms 提示し,続いて注視点を 1,000ms 提示した。その後,単語を提示し,参加
者は提示された単語が参照する内容が現実に存在しているもの(具象物)であるのか,抽象
的な概念であるのかを判断した。判断は PC のキーを押すことによって行い,具象物である
と判断した場合には K のボタン,抽象概念であると判断した場合には D のボタンを押した。
課題は全 64 試行あり,ターゲット語とフィラー語をランダムな順で提示した。実験では本
試行の前に練習試行を 16 試行実施した。この練習試行では具象性の判断が正しいのかどう
かを示すフィードバックを提示し,この段階で参加者が十分に課題を理解できるようにし
た。課題が終了したら,実験内容に関する説明を行い,実験を終了した。実験の実施時間は
約 20 ∼ 25 分であった。
心像性と親密度の高い日本語単語の身体−対象物相互作用の評価
151
Table 3 Mean response times and error rates for concreteness decision task
Response Time (ms)
Condition
Error Rate
M
SD
M
SD
Low BOI
625
114
0.048
0.06
High BOI
626
94
0.015
0.03
分析方法 従属変数は単語が提示されてから参加者が判断するまでの時間(以下,反応時
間)と判断の誤答率とした。反応時間の分析では,ターゲット語の試行のみを対象とし,誤
答試行と各参加者の平均反応時間から±2.5 SD の試行を外れ値として除去したうえで,参
加者・条件ごとに平均値を算出した。誤答率については,ターゲット語の試行を対象とし,
参加者・条件ごとに誤答率を算出した。これらのデータについて参加者分析(t1)と項目分
析(t2)を行った。
3.2 結果と考察
条件ごとの平均判断時間と誤答率を Table 3 に示す。これらの結果について t 検定を行っ
たところ反応時間では参加者分析,項目分析ともに有意差はみられなかった(t1(16) =0.12,
。一方,誤答率では参加者分析で有意差が,項
p=.91, d= 0.02; t2(24.20) =0.14, p=.88, d= 0.05)
,BOI
目分析では有意傾向がみられ(t1(16) =2.50, p=.02, d= 0.73; t2(19.31) =1.80, p=.08, d=0.74)
低条件の方が高条件よりも誤答率が高かった。誤答率については参加者分析,項目分析とも
に中程度の効果量がみられた。
誤答率については BOI 効果がみられたが,反応時間では有意差はみられず,BOI 効果は
みられなかった。この結果はサンプルサイズの小ささによるものである可能性と BOI に効
果がないためである可能性がある。サンプルサイズの問題について,本実験では Siakaluk et
al.(2008b)における具象性判断課題(Experiment 1-A)の反応時間の効果量を参照して検
定力 .80 を確保するサンプルサイズ(16 名)を目安とした 4)。本実験の参加者数はそれを上
回っているが,本実験の効果量は Siakaluk et al.(2008b)が得た効果量よりも小さかったこ
とから,真の効果量から有意な結果を得るためにはさらにサンプルサイズが必要であるとも
考えられる。
一方で,BOI に効果がない可能性を検討するうえで,t 検定を始めとする帰無仮説検定は,
帰無仮説を積極的に支持できない。そこで,2 条件に差がないとする帰無仮説と,2 条件に
差があるとする対立仮説のどちらがより妥当的であるかを,MorePower 6.0(Campbell &
Thompson, 2012)を用いたベイズファクター(Bayes Factor; BF)による分析によって検討
した。その結果,参加者分析では BF1 =4.10,項目分析では BF2=5.42 となり,どちらも帰無
仮説を支持するかなりの証拠(substantial evidence)があるといえる結果となった(大久保・
岡田,2012)。
152
心像性と親密度の高い日本語単語の身体−対象物相互作用の評価
まとめると,反応時間では BOI 効果はない可能性がある一方で,誤答率については
Siakaluk et al.(2008b)の結果と一致し,BOI 効果がみられたといえる。BOI 効果が先行研
究とは異なり,部分的であった原因については総合考察で議論する。
4. 総合考察
本研究では,日本語単語における BOI の収集と,先行研究でみられた BOI 効果の確認を
行うことを目的とした。
まず,冊子を用いて BOI の評定調査を行い,日本語単語 397 語に対する BOI 値を得た。
これらの単語は,心像性,親密度が高いものであったが,それらの単語のなかでも BOI が
。本研究では BOI の適用が有効だと考
高いものと低いものがある事がわかった(Figure 1)
えられる心像性や親密度の高い単語だけを対象としたが,そのなかで BOI の得点が分布し
ていることは,単語が参照する対象に,心像性や親密度といった意味ユニットに関わる側面
のほかに,身体との相互作用という別の側面があることを示唆する。また,本研究で得られ
た BOI と英単語のもつ BOI との相関係数を算出したところ,中程度の正の相関がみられた。
これは,対象と身体との相互作用の度合いは英語圏と日本語圏である程度一致していると考
えられる一方で,日本語圏では評価が異なる対象もあったものといえる。したがって,日本
語単語を用いた単語認知の検討を行う際には本研究で得られた BOI を使用するほうがより
妥当であると考えられる。
本研究では BOI がどのような側面を反映した指標であるのかを検討することを念頭に,
日本語単語の BOI を収集したが,それ以外の検討にも有用であると考えらえる。例えば,
Madan & Singhal(2012a)では, カメラ のように手に持って使うものの単語と, 机 の
ように手に触れて使うものの単語について自己の経験を尋ねる課題を行うと,後の記憶テ
ストにおいて手に持って使うものの単語の再生成績が良いことを示している(Madan &
。このことから BOI で測定されているような身体と対象との相互作
Singhal, 2012b も参照)
用性は単語認知だけでなく,記憶にも影響していることが考えられる。したがって,BOI は
記憶研究における刺激選定や統制のための指標としても有用であると考えられる。
しかし,BOI 効果を確認する実験では,先行研究の結果との一致は部分的であったとい
う点には留意が必要である。Pexman らの一連の研究では,単語の提示に対して何らかの判
断をさせる様々な課題で,一貫して BOI の高い単語の方が,BOI の低い単語よりも反応時
間が短いという結果を得ている。さらに本研究で用いた具象性判断課題では BOI の低い単
。本研究では,誤答率
語の方が誤答率が高いという結果を得ている(Siakaluk et al., 2008b)
については先行研究と同様の結果が得られたが,反応時間については,差がみられなかった。
有意差が見られなかった点についていくつかの可能性を挙げることができる。
ま ず は, 使 用 し た 単 語 の 質 的 な 違 い が み ら れ た 可 能 性 が あ る。 例 え ば Siakaluk et
al.(2008b)では,低 BOI 語として smog や tribe,flood など形状が明確ではないものも含
心像性と親密度の高い日本語単語の身体−対象物相互作用の評価
153
まれていた。このような対象では,各参加者がもっている感覚運動経験は人によって大きく
異なっている可能性もある。また,心像性,具象性,頻度等の単語選定時の統制指標も有意
差はみられていないもののそのばらつきは明確でないことから,参加者によって具象物であ
るという判断に差があった可能性も考えられる。一方で,本研究で使用した単語は心像性や
親密度が高いものであり具象物であることは明確であることも考えられ,反応時間の指標に
は BOI の差が明確に反映されなかった可能性も考えられる。
上述の可能性に加え,BOI が包含すると考えられる評価性のうち特定の側面が具象性判断
課題に影響した可能性も考えられる。実験で使用した語は身体と対象物との相互作用性とし
て収集した BOI 値に基づき分類した。しかし,これらの語が参照した具象物は日常で使用
の際に,特に手との相互作用性が高いのかどうかといった分け方も可能である。そこで,追
ターゲット語のうち,
加の分析として,
手との相互作用性が高いと考えられる対象物の語(オ
ルガン,パスポート,ピストル,パチンコ,ピアノ,ギター,シャツ,ハンドバッグ,セー
ター,ポロシャツ,ドライヤー,パソコン,マンガ,スプーン,ハンカチ,ティッシュ)と
それ以外の語で分類したうえで,反応時間を分析したところ,参加者分析では,手との相互
作用性が高い語(M=614ms,SD=97)の方が使用しない道具の語(M=637ms,SD=111)よ
りも判断時間が有意に速かった(t 1(16) =2.30, p=.03, d= 0.56; t2(26.23) =1.08, p=.29, d= 0.38)
。
このことは,BOI の定義である身体と対象物の相互作用性について,単語認知では特に手と
の相互作用性が重要である可能性も指摘できる。実際,近年には操作可能性(manipulability;
Salmon, McMullen, & Filliter, 2010) や 把 持 可 能 性(graspability; Amsel, Urbach, & Kutas,
2012),といった手での使用を踏まえた指標も提示されており,BOI とこれらの指標との関
係性についても検討していく必要があるといえる。
まとめると,本研究では日本語単語を対象に身体と対象物との相互作用性の度合いを示す
BOI を収集した。評定値の結果から,高い心像性,親密度をもつ単語のなかにも BOI の高
い単語と低い単語があることが示された。また,各指標との相関から,BOI が心像性や親密
度とは異なる側面を測定しているという傾向が示唆された。一方で,これらの単語を用いた
実験からは BOI 効果について先行研究と同様の結果となったのは一部に留まった。問題で
述べたように,BOI が単語を参照する内容のどのような側面を反映しているのかをさらに検
討することが求められる。
引用文献
天野成昭・近藤公久(1999).NTT データベースシリーズ 日本語の語彙特性 第 1 巻 単語親密度 三
省堂
(N. Amano, & K. Kondo(Eds.)(1999).Lexical Properties of Japanese No.1: Familiarity of Words.
NTT Database Series. Tokyo: Sanseido.)
天野成昭・近藤公久(2000).NTT データベースシリーズ 日本語の語彙特性 第 7 巻 頻度 三省堂
心像性と親密度の高い日本語単語の身体−対象物相互作用の評価
154
(N. Amano, & K. Kondo(Eds.)(2000).Lexical Properties of Japanese No.7: Frequency, NTT Database Series. Tokyo: Sanseido.)
Amsel, B. D., Urbach, T. P., & Kutas, M.(2012).Perceptual and motor attribute ratings for 559 object
concepts. Behavior Research Methods, 44, 1028-1041.
Baddeley, A. D., Thomson, N., & Buchanan, M.(1975).Word length and the structure of short-term
memory. Journal of Verbal Learning and Verbal Behavior, 14, 575-589.
Balota, D. A., Yap, M. J., Cortese, M. J., Hutchison, K. A., Kessler, B., Loftis, B., Neely, J. H., Nelson, D.
L., Simpson, G. B., & Treiman, R.(2007).The English lexicon project. Behavior Research Methods, 39, 445-459.
Barsalou, L. W.( 1999).Perceptual symbol systems. Behavioral and Brain Sciences, 22, 577-660.
Barsalou, L. W.( 2008).Grounded cognition. Annual Review of Psychology, 59, 617-645.
Bennett, S. D. R., Burnett, A. N., Siakaluk, P. D., & Pexman, P. M.(2011).Imageability and bodyobject interaction ratings for 599 multisyllabic nouns. Behavior Research Methods, 43, 11001109.
Bonin, P, Guillemard-Tsaparina, D, & Méot, A.(2013).Determinants of naming latencies, object comprehension times, and new norms for the Russian standardized set of the colorized version of
the Snodgrass and Vanderwart pictures. Behavior Research Methods, 45, 731-745.
Campbell, J. I. D., & Thompson, V. A.(2012).MorePower 6.0 for ANOVA with relational confidence
intervals and Bayesian analysis. Behavior Research Methods, 44, 1255-1265.
Coltheart, M., Davelaar, E., Jonasson, J. T., & Besner, D.(1977).Access to the internal lexicon. In S.
Dornic(Ed.), Attention and performance VI. New York: Academic Press. pp.535-555
.Visual word recognition in skilled adult readers. In M. J. Spivey,
Cortese, M. J., & Balota, D. A.( 2012)
K. McRae, & M. F. Joanisse(Eds.), The Cambridge Handbook of Psycholinguistics. Cambridge:
Cambridge University Press, pp.159-185
Faul, F., Erdfelder, E., Lang, A.-G., & Buchner, A.(2007).G*Power 3: A flexible statistical power analysis program for the social, behavioral, and biomedical sciences. Behavior Research Methods,
39, 175-191.
Gibbs, R.( 2006).Embodiment and cognitive science. New York: Cambridge University Press.
Glenberg, A. M. & Kaschak, M. P.(2002).Grounding language in action. Psychonomic Bulletin and
Review, 9, 558-565.
Hansen, D., Siakaluk, P. D., & Pexman, P. M.(2012).The influence of print exposure on the body-object interaction effect in visual word recognition. Frontiers in Human Neuroscience, 6, 113.
Hargreaves, I. S., Leonard, G. A., Pexman, P. M., Pittman, D. J., Siakaluk, P. D. & Goodyear,
B. G.(2012).The neural correlates of the body-object interaction effect in semantic processing.
Frontiers in Human Neuroscience, 6, 22.
日野泰志(2012).語の読みにおける意味符号化 川崎惠里子 ( 編著 ) 認知心理学の新展開―言語と
記憶― ナカニシヤ出版 pp.37-55
(Hino, Y.)
Hino, Y., & Lupker, S. J.(1998).The effects of word frequency for Japanese Kana and Kanji words in
naming and lexical decision: Can the dual-route model save the lexical-selection account? Jour-
心像性と親密度の高い日本語単語の身体−対象物相互作用の評価
155
nal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance, 24, 1431-1453.
(2012a)
.Encoding the world around us: Motor-related processing influences
Madan, C. R., & Singhal, A.
verbal memory. Consciousness and Cognition, 21, 1563-1570.
Madan, C. R., & Singhal, A.(2012b).Using actions to enhance memor y: Effects of enactment,
gestures, and exercise on human memory. Frontiers in Psychology, 3, 507.
Newcombe, P. I., Campbell, C., Siakaluk, P. D., & Pexman, P. M.(2012).Effects of emotional and
sensorimotor knowledge in semantic processing of concrete and abstract nouns. Frontiers in
Human Neuroscience, 6, 275.
小川嗣夫・稲村義貞(1974).言語材料の諸属性の検討―名詞の心像性,具象性,有意味度および
学習容易性― 心理学研究 , 44, 317-327.
(Ogawa, T., & Inamura, Y.(1974).An analysis of word attributes: Imager y, concreteness,
meaningfulness and ease of learning for Japanese nouns. Japanese Journal of Psychology, 44,
317-327.)
大久保街亜・岡田謙介(2012).伝えるための心理統計―効果量・信頼区間・検定力― 勁草書房
(Okubo, M., & Okada, K.)
Paivio, A., Yuille, J. C., & Madigan, S. A.(1968).Concreteness, imagery, and meaningfulness values
for 925 nouns. Journal of Experimental Psychology, 76, 1-25.
Phillips, C. I., Sears, C. R., & Pexman, P. M.(2012).An embodied semantic processing effect on eye
gaze during sentence reading. Language and Cognition: An Interdisciplinary Journal of Language
and Cognitive Science, 4, 99-114.
Plaut, D. C., McClelland, J. L., Seidenberg, M. S., & Patterson, K.(1996).Understanding normal and
impaired word reading: Computational principles in quasi-regular domains. Psychological
Review, 103, 56-115.
Reynolds, M., & Besner, D.(2005).Basic processes in reading: A critical review of pseudohomophone effects in reading aloud and a new computational account. Psychonomic Bulletin and
Review, 25, 622-646.
佐久間尚子・伊集院睦雄・伏見貴夫・辰巳格・田中正之・天野成昭・近藤公久(2005).NTT デー
タベースシリーズ 日本語の語彙特性 第 8 巻 単語心像性 三省堂
(N. Sakuma, M. Ijuin, T. Fushimi, I. Tatsumi, M. Tanaka, Amano, N. & K. Kondo(2005).Lexical
Properties of Japanese No.8: Imageability of Words, NTT Database Series. Tokyo: Sanseido.)
Salmon, J. P., McMullen, P. A., & Filliter, J. H.(2010).Norms for two types of manipulability
(graspability and functional usage), familiarity, and age of acquisition for 320 photographs
of objects. Behavior Research Methods, 42, 82-95.
Siakaluk, P. D., Pexman, P. M., Aguilera, L., Owen, W. J., & Sears, C. R.(2008a).Evidence for the
activation of sensorimotor information during visual word recognition: The body-object interaction
effect. Cognition, 106, 433-443.
.The benefits
Siakaluk, P. D., Pexman, P. M., Sears, C. R., Wilson, K., Locheed, K., & Owen, W. J.(2008b)
of sensorimotor knowledge: Body-object interaction facilitates semantic processing. Cognitive
Science, 32, 591-605.
Tillotson, S. M., Siakaluk, P. D., & Pexman, P. M.(2008).Body-object interaction ratings for 1,618
心像性と親密度の高い日本語単語の身体−対象物相互作用の評価
156
monosyllabic nouns. Behavior Research Methods, 40, 1075-1078.
Tousignant, C., & Pexman, P. M.(2012).Flexible recruitment of semantic richness: Context modulates body-object interaction effects in lexical-semantic processing. Frontiers in Human Neuroscience, 6, 53.
Wellsby, M., Siakaluk, P. D., Owen, W. J., & Pexman, P. M.(2011).Embodied semantic processing:
The body-object interaction effect in a non-manual task. Language and Cognition: An Interdisciplinary Journal of Language and Cognitive Science, 3, 1-14.
Yates, M., Locker, L., & Simpson, G. B.( 2004).The influence of phonological neighborhood on visual
word perception. Psychonomic Bulletin and Review, 11, 452-457.
注
1) 本研究では実験で具象性判断課題を用いているため,本来であれば具象性の指標を基準とす
べきである。しかし,具象性に関する日本語の大規模データベースは存在しなかったため,
心像性を代わりの指標とした。具象性と心像性の相関はr=.77(小川・稲村, 1974),r=.84(Paivio
et al., 1968)と高いことが知られている。これらの概念は厳密には異なるものであるが,本研
究では具象性と心像性をほぼ同義のものとして用いた。
2) なお実際の調査では,計 439 項目に対して評定を実施したが,後の確認で選出の際に参照し
たデータに不備があることがわかった 42 語については分析から除外した。
3) Siakaluk et al.(2008b)の考察に従い,特定の側面に注目させて評定させるような教示も可能
であったが,ここでは英単語との関係性も検討できるよう,BOI の評定を行わせている先行
研究(Tillotson et al., 2008)に従った。
4) 必要サンプルサイズの計算には G*Power 3.1(Faul, Erdfelder, Lang, & Buchner, 2007)を使用
した。
Appendix A Written instruction for BOI rating task of Japanese words
(Translation of the instruction of Tillotson et al., 2008)
単語が示すものやことが,人の身体とどの程度関わりがあるのかは,その単語
によって異なります。ものやことを指す単語のなかには人の身体に物理的に関わ
りやすいものもあれば,物理的には関わりにくいものもあります。例えば 椅子
は身体と物理的に関わりやすいものであるといえます(例えば,椅子に座る,椅
子から立ち上がる,椅子を部屋から移動させるなどがあります)が, 天井 は
身体とは物理的に関わりを簡単にはもちにくいものであるといえます(例えば,
ジャンプして天井に触れるなど)。ここでは 椅子 のような単語は,身体と物
理的に関わりやすいものであるとして,関係性が高いと評定してください。また,
天井 のような単語は,身体と物理的に関わりにくいものであるとして,関係
性が低いと評定してください。ここで重要なのが,評定は身体との関わりやすさ
に対して行うことであり,よく見たことがあるとか,その対象をイメージしやす
いといったことではないということです。さらに,単語をみると別の単語が連想
されるといったこともあると思いますが,あくまでも単語が示す内容について身
体との関わりやすさを判断してください。
心像性と親密度の高い日本語単語の身体−対象物相互作用の評価
157
Appendix B BOI values for the set of 397 items
No
Item
M
SD
No
Item
45 あじさい
M
SD
1 もぐら
2 虹
1.58 1.05
2.30 1.27
1.62 1.12
46 ピストル
2.34 1.79
3 ワニ
1.62 1.05
47 インコ
2.34 1.36
No
Item
M
SD
89 バイオリン
2.90 1.98
91 鳥
2.92 1.64
90 砂時計
2.90 1.85
4 コウモリ
1.62 1.12
48 ゴキブリ
2.36 1.71
92 レコード
2.94 1.77
5 ピラミッド
1.64 1.10
49 ダイヤモンド
2.38 1.70
93 くるみ
2.94 1.60
6 カメレオン
1.66 1.04
50 かぶと虫
2.40 1.25
94 アロエ
2.98 1.67
7 アザラシ
1.67 1.14
51 うに
2.40
1.4
95 マグロ
2.98 1.79
1.6
8 ライオン
9 雲
10 熊
1.68 1.06
52 ダイヤ
2.40
96 桜
2.98 1.44
1.70 1.28
53 ドライアイス
2.40 1.39
97 トラック
3
1.58
1.70 0.95
54 カラス
2.42 1.54
98 ミシン
3
1.76
11 ナメクジ
1.78 1.22
55 馬
2.42 1.43
12 コアラ
1.84 1.27
56 ヨット
2.44 1.57
13 ゴリラ
1.86 1.18
14 どじょう
1.88 1.26
57 パチンコ
58 牛
3.02 1.82
3.02 1.87
2.48 1.83
101 そろばん
3.04 1.91
2.48 1.52
102 のこぎり
3.04 1.98
15 ロケット
1.88 1.45
59 タンポポ
2.48 1.36
16 おたまじゃくし
1.88 1.24
60 サボテン
2.50 1.58
62 毛がに
61 竹
99 セロリ
100 雪だるま
103 なめこ
3.04 1.71
104 昆布
2.50 1.46
105 川
3.04 1.77
3.04 1.73
2.50 1.66
106 ビデオテープ
3.08 1.59
17 ペンギン
1.90 1.02
18 ラッコ
19 白鳥
1.92 1.34
1.94 1.27
63 アリ
2.51 1.39
107 かつお
3.10 1.73
20 フクロウ
1.94 1.02
64 ひよこ
2.52 1.45
108 ウイスキー
3.10 1.73
21 カンガルー
1.94 1.32
22 ミミズ
1.94 1.30
65 ペンキ
66 動物園
2.52 1.46
109 ゆず
3.10 1.75
2.54 1.34
110 ラッパ
3.10 2.04
23 とかげ
1.96 1.14
67 まつたけ
2.54 1.75
111 フルート
3.12 1.85
24 アヒル
25 月
1.98 1.15
68 テニスコート
112 トランペット
3.12 1.98
2.02 1.70
69 菊
2.56 1.46
2.58 1.59
113 バット
3.12 1.79
26 ヘリコプター
2.02 1.16
70 ウナギ
2.60 1.68
114 たこ
3.12 1.78
27 カタツムリ
2.04 1.23
71 カーネーション
2.60 1.43
115 トンネル
3.12 1.75
28 パンダ
29 星
2.08 1.24
72 チューリップ
2.64 1.43
116 ネジ
3.16 1.71
2.08 1.79
30 カマキリ
2.10 1.31
73 コスモス
74 船
2.68 1.25
117 オルガン
3.16 1.71
2.68 1.43
118 マンホール
3.16 1.71
31 チンパンジー
2.10 1.43
75 どんぐり
2.70 1.49
119 飛行機
3.16 1.82
32 クラゲ
2.12 1.19
76 パトカー
2.70 1.69
120 ピーナッツ
3.18 1.73
33 ネズミ
34 亀
35 トンボ
36 金魚
2.16 1.27
77 カリフラワー
2.71 1.70
121 プール
3.20 1.56
2.16 1.35
78 ハムスター
2.74 1.45
122 パセリ
3.20 1.86
2.20 1.28
79 ビー玉
2.76 1.68
123 新幹線
3.22 1.80
2.20 1.28
80 キューピー
2.76 1.82
124 いくら
3.22 1.72
37 イルカ
2.20 1.44
81 フロッピーディスク 2.78 1.81
38 やぎ
2.24 1.44
82 バラ
2.78 1.62
125 あさり
126 豚
3.22 1.75
3.24 1.82
39 バッタ
2.24 1.38
83 シャボン玉
2.82 1.78
127 ろうそく
3.24 1.51
40 ザリガニ
2.24 1.46
84 ガソリンスタンド
128 コンパス
3.26 1.74
42 羊
2.24 1.62
85 海
2.84 1.57
2.88 1.67
129 ワイン
3.26 1.97
43 太陽
2.26 1.34
86 ヒマワリ
2.88 1.47
130 トンカチ
3.26 2
2.28 1.97
131 タイヤ
3.26 1.79
2.28 1.53
88 夏みかん
2.90 1.67
44 にわとり
2.90 1.74
132 あずき
3.28 1.60
41 猿
87 山
(Appendices continue)
心像性と親密度の高い日本語単語の身体−対象物相互作用の評価
158
No
Item
M
SD
No
Item
M
SD
No
Item
M
SD
3.64 1.80
223 もやし
4.02 1.79
3.64 1.70
224 ナイフ
4.04 1.81
133 こんにゃく
3.28 1.76
178 タクシー
134 しめじ
135 雪
3.28 1.78
179 ポスター
3.28 1.60
180 インク
3.64 1.85
225 石
4.06 2.01
136 ポスト
3.28 1.63
181 カボチャ
3.65 1.68
226 ランドセル
4.08 1.96
137 トウモロコシ
3.28 1.81
182 オートバイ
3.66 1.90
227 のり
3.29 1.77
183 ブランコ
3.66 1.79
228 新聞
4.08 1.58
138 ワサビ
184 ジンジャーエール
3.66 1.78
229 ぬいぐるみ
4.12 1.92
139 ジェットコースター 3.30 1.49
4.10 2.12
140 花火
3.30 1.85
185 車いす
3.67 2.21
230 手紙
4.12 1.78
141 マッチ
3.32 1.89
186 コインロッカー
3.68 1.82
231 ビスケット
4.14 1.71
142 いか
3.32 1.73
187 マスカット
3.70 1.63
232 サングラス
4.14 2.01
143 パイナップル
3.34 1.71
188 お年玉
3.70 1.88
233 バター
4.16 1.78
144 ハーモニカ
3.36 1.59
145 マスタード
3.36 1.82
189 いちご
190 年賀状
3.70 1.74
234 ネギ
4.16 1.81
3.72 1.58
235 デパート
4.16 1.67
146 クリスマスカード
3.36 1.94
191 ヘルメット
3.76 2.18
236 ワープロ
4.16 2.03
147 アーモンド
148 栗
3.36 1.68
192 ギター
237 トランプ
3.76 1.65
238 納豆
4.18 1.90
3.37 1.60
193 桃
3.76 1.94
4.20 1.86
149 オルゴール
3.39 1.77
194 リボン
3.76 1.85
239 アイロン
4.20 1.70
150 クリスマスツリー
3.40 1.62
195 ピアノ
3.76 1.97
240 新聞紙
151 パスポート
3.40 1.98
196 シャケ
3.78 1.79
241 ウインナーソーセージ 4.24 1.82
4.20 2.03
152 すべり台
3.41 1.84
197 ニンニク
3.80 1.80
242 チーズ
4.24 1.66
153 ホテル
3.42 1.65
198 バナナ
3.80 1.74
243 マンション
4.24 2.04
154 グリーンピース
3.42 1.79
155 メロン
3.42 1.68
199 ラジオ
200 日本酒
3.80 1.80
244 トースター
4.26 1.97
3.82 1.78
245 ケチャップ
4.26 1.87
156 アスパラガス
3.43 1.68
201 バスケット
3.82 1.69
246 みそ
4.28 1.77
157 シャンパン
3.44 1.75
202 ビール
3.82 2.03
247 トマト
4.28 1.81
159 絵本
3.44 1.76
203 パズル
3.84 1.60
248 ロッカー
4.28 1.68
160 針
3.44 1.89
204 たばこ
3.86 2.26
249 クーラー
4.30 1.76
3.44 1.74
205 グレープフルーツ
3.86 1.85
250 ココア
4.30 1.79
161 ブロッコリー
3.44 1.67
206 ガムテープ
3.88 1.90
251 アルバム
4.32 1.71
158 ホウレン草
162 レーズン
163 切手
3.46 1.76
207 ベーコン
3.90 1.63
252 キャベツ
4.32 1.75
3.48 1.68
208 ビデオ
3.90 1.92
253 エプロン
4.32 1.99
164 チョーク
3.50 1.94
165 パン粉
3.50 1.84
166 スイカ
3.52 1.71
209 レストラン
210 木
211 生ビール
3.92 1.90
254 コーラ
4.32 1.77
3.92 1.76
255 ガラス
4.34
3.92 2.09
256 ストーブ
4.34 1.75
1.8
167 にら
3.54 1.70
212 ツナ
3.94 1.77
257 セロテープ
4.34 1.69
168 レモン
169 梅
3.54 1.73
213 ほうき
3.96 1.80
258 ピーマン
3.54 1.69
214 オレンジ
3.96 1.75
259 氷
4.36 1.76
4.36 1.75
170 ラケット
3.56 1.96
215 レジ
3.98 1.99
260 うちわ
4.36 1.83
171 ワカメ
3.60 1.76
216 ネクタイ
3.98 2.04
261 酒
4.36 1.97
172 ラムネ
173 梅酒
3.60 1.74
217 バケツ
4
262 ソーセージ
4.38 1.82
3.60 1.99
174 マッシュルーム
3.62 1.79
219 豆
4.02 1.78
264 魚
4.38 1.72
218 犬
1.92
4.02 1.93
263 葉
4.38 1.95
175 クレヨン
3.62 1.93
220 バイク
4.02 2.07
265 畳
4.38 1.78
176 ナス
3.63 1.76
221 ソーダ
4.02 1.76
266 イヤリング
4.38 2.28
177 サンマ
3.64 1.63
4.02 2.15
267 レタス
4.40 1.64
222 口紅
(Appendices continue)
心像性と親密度の高い日本語単語の身体−対象物相互作用の評価
No
Item
M
SD
No
Item
M
SD
No
Item
159
M
SD
4.94 1.61
358 電車
4.94 1.42
359 サンダル
5.66 1.32
5.64 1.61
269 輪ゴム
4.40 1.75
313 アイス
4.40 1.74
314 ボール
4.94 1.91
360 腕時計
4.42 1.73
316 自動車
5.68 1.67
271 豆腐
4.96 1.69
361 ドライヤー
5.70 1.37
272 ポテト
4.42 1.81
317 アイスクリーム
4.96 1.58
362 ノート
318 おしぼり
4.96 1.56
363 時計
5.72 1.21
4.44 2.06
4.44 2.05
319 ガム
4.98 1.65
364 コップ
5.78 1.56
268 ケーキ
270 牛乳
273 土
274 猫
275 いも
276 雨
4.40 1.78
315 まな板
5.72 1.40
4.46 1.63
320 サラダ
4.98 1.56
365 スプーン
5.80 1.23
4.46 1.93
321 しゃもじ
4.98 1.77
366 セーター
5.82 0.98
277 カッター
4.48 1.69
322 キャンディー
5.02 1.55
367 鏡
5.82 1.57
278 ミルク
4.50 1.67
323 スープ
5.02 1.55
368 シャンプー
5.82 1.57
279 こたつ
4.50 1.85
280 ハイヒール
4.50 2.13
324 スリッパ
325 電子レンジ
5.02 1.76
369 ご飯
5.84 1.50
5.02 1.82
370 ジャージ
5.84 1.39
282 紅茶
4.52 2.04
326 カーテン
5.04 1.68
371 スニーカー
5.84 1.31
283 糸
4.52 1.74
327 ボタン
5.04 1.77
372 タオル
5.86 1.44
4.54 1.73
328 スカート
5.06 2.32
284 やかん
4.56 1.85
329 ハンドバッグ
5.06 1.70
281 コンクリート
373 ジーパン
374 本
5.86 1.18
5.88 1.14
285 ハンドル
4.58 1.99
330 パン
5.08 1.78
375 ソックス
5.96 1.21
286 バス
4.62 1.78
331 ポロシャツ
5.10 1.53
376 シャツ
5.96 1.18
378 消しゴム
6.04 1.21
287 パスタ
4.66 1.75
332 エスカレーター
5.10 1.57
288 ごみ
289 砂糖
4.66 1.83
333 レンジ
5.14 1.70
4.68 1.79
334 わりばし
5.14 1.41
290 クッキー
4.68 1.60
335 はさみ
5.16 1.54
291 ワンピース
4.68 2.33
292 塩
293 車
4.72 1.98
4.72 1.77
294 ウーロン茶
4.72 1.65
336 ジュース
337 傘
338 カメラ
339 自動販売機
377 電話
379 バッグ
380 水
5.98 1.36
6.04 1.28
6.04 1.59
5.18 1.49
381 コート
6.08 1.05
5.18 1.40
382 ティッシュ
6.08 1.16
5.18 1.56
383 お金
6.08 1.45
5.18 1.79
384 ジーンズ
6.10 1.15
295 チョコレート
4.74 1.85
340 カーペット
5.22 1.52
385 紙
6.12 1.51
296 ホッチキス
4.74 1.78
341 マウス
5.24 1.87
386 ベッド
6.18 1.40
297 ラーメン
298 卵
4.74 1.64
4.76 1.84
342 マンガ
343 食パン
5.28 1.71
5.30 1.53
387 シャワー
388 机
6.24 0.94
6.26 1.08
299 ストロー
4.76 1.60
344 ブラジャー
5.31 2.22
389 シャープペンシル
6.28 1.14
300 コーヒー
4.78 1.96
345 ハンカチ
5.32 1.80
390 ボールペン
6.30 1.07
301 ベンチ
4.78 1.64
346 マフラー
5.32 1.73
391 ズボン
6.30 0.97
302 キーホルダー
4.80 1.77
347 チョコ
5.41 1.50
392 テーブル
6.32 0.91
303 エレベーター
4.82 1.92
348 コンタクトレンズ
5.44 2.17
393 パソコン
6.36 0.92
304 リュックサック
4.86 1.70
349 テレビ
5.46 1.83
394 ドア
6.38 0.90
306 牛肉
4.88 1.77
305 写真
4.88 1.69
307 ストッキング
4.88 2.19
308 フライパン
4.88 1.80
350 リンス
5.52 1.59
395 靴
6.40 1.20
351 自転車
5.54 1.47
396 歯ブラシ
6.54 0.79
353 米
5.54 1.40
397 ペン
6.66 0.82
5.56 1.58
355 冷蔵庫
5.56 1.51
352 手袋
354 窓
5.56 1.45
309 ネックレス
4.88 1.94
310 カレンダー
311 鉛筆
4.90 1.76
4.90 1.99
356 お茶
5.58 1.51
312 スポンジ
4.92 1.82
357 パジャマ
5.60 1.76
160
心像性と親密度の高い日本語単語の身体−対象物相互作用の評価
Appendix C Items used in the Experiment
Low BOI condition
High BOI condition
ピラミッド
ストッキング
ピストル
スープ
ダイヤモンド
ハンドバッグ
ドライアイス
ポロシャツ
パチンコ
カーペット
パトカー
マンガ
レコード
ハンカチ
トンネル
ドライヤー
オルガン
スプーン
タイヤ
セーター
ワイン
スニーカー
パスポート
ジャージ
シャンパン
シャツ
タクシー
ティッシュ
ピアノ
ベッド
ギター
パソコン