≪補足資料≫ 最近の新製品

≪補足資料≫
最近の新製品
1)0402 サイズのチップ積層セラミックコンデンサの商品化
・0402 サイズ(0.4×0.2×0.2 ㎜)のチップ積層セラミックコンデンサ(GRM02 シリーズ)を開発し、量産を開始。
・静電容量は CH 特性で 2pF∼15pF、B 特性で 1000pF∼10000pF がそれぞれ取得可能。
・電子機器の小型化・多機能化が進むと共に、携帯型電子機器を中心に、より一層の高密度実装化が求
められている。
・0603(0.6×0.3×0.3 ㎜)サイズの商品化後も、より一層の高精度加工技術の改良や誘電体の薄層化に
取り組んできた。
・従来の業界最小サイズである 0603 サイズに比べ、面積で約 50%、体積で約 30%の超小型品。
・携帯電話を始めとする携帯型電子機器のより一層の小型化、高密度実装化が可能となる。
・長さが 0.6 ㎜から 0.4 ㎜に短くなることでインダクタンスが低減し、コンデンサとしてより高周波に対応可
能。
・0603 サイズの量産で培った高精度加工技術の印刷、積層、切断の各工程において改良を加えること
で加工精度を向上させ、これに加えて薄層誘電体を用いることで 0402 という超小型サイズでかつ
10000pF の高容量を実現。
用途: 各種携帯型電子機器
高周波回路や高周波モジュール
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2)1 μm の超薄層誘電体を用いた 1608 サイズ、B 特性、1 0 μF 、4 V のチップ積層セラミックコンデンサ
の商品化
・1μm の超薄層誘電体を用い、小型大容量のチップ積層コンデンサとして、B 特性 10μF 品では世界最小サ
イズとなる1608(1.6×0.8×0.8 ㎜)サイズ品を商品化。
・一般電子機器、特に携帯型電子機器の軽薄短小化が進み、それに搭載する積層セラミックコンデンサ
にもより一層の小型大容量化の要求が強まっている。
・サイズを小型化し、大容量化するためには、セラミック誘電体素子を薄層化する必要があった。
・1μm の超薄層誘電体を用いることにより、B 特性で 10μF のチップ積層セラミックコンデンサを 2012
サイズから 1608 サイズへ 1ランク小型化することに成功。
・小型大容量のコンデンサが望まれる市場に最適であり、移動体通信・デジタル AV 機器・PC などの小
型高機能化に貢献することで今後の大幅な需要拡大が期待される。
用途:一般電子機器回路上でのデカップリング・平滑・フィルタ・カップリング
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3)W-CDMA 用SAWDPX ・PCS 用SAWDPX の商品化
・2.0GHz 帯 W-CDMA(※1)端末対応の小型・軽量の表面波デュプレクサ(※2)を世界で初めて商品化。
・1.9GHz 帯 PCS(※3)端末対応の小型・軽量の表面波デュプレクサを商品化。
[ W-CDMA 用 SAWDPX ]
・W-CDMA 端末用のデュプレクサには、低損失かつアイソレーション特性の良好な誘電体フィルタが用
いられてきたが、形状が 5×10×2 ㎜程度と大きく、小型化が可能な表面波フィルタでの実現が期待さ
れていた。
[ PCS 用 SAWDPX ]
・PCS 端末用のデュプレクサには、温度特性、耐電力性の良好な誘電体フィルタが用いられてきたが、形
状が 10×20×5 ㎜程度と非常に大きく、小型化が可能な表面波フィルタでの実現が期待されていた。
・1.9GHz 帯 PCS は最大 0.8W(29dBm)の電力投入が求められ、耐電力性の向上が課題であった。
[ W-CDMA 用 SAWDPX ]
・2.0GHz 帯 W-CDMA 用 SAWDPX は 3.2×5.0×1.2 ㎜ max.のセラミックパッケージを用いて、従来の
誘電体デュプレクサと比較して面積比で 41%の小型サイズを実現。
・電極材料とその構成を最適化することにより、雰囲気温度 50℃ 投入電力 0.8W(29dBm) 5 万時間保
証の耐電力性能を実現。
[ PCS 用 SAWDPX ]
・SMD タイプの表面波フィルタと整合素子をプリント基板上に高密度実装したモジュールタイプで、5.0×
5.0×1.65 ㎜ max.の小型サイズを実現。
・送信帯と受信帯の周波数間隔が 20MHzしかない1.9GHz 帯PCS において、−30∼+85℃の広範囲に
わたり、優れた減衰特性を実現。
・市場要求を十分満足できる耐電力性能(雰囲気温度 55℃、0.8W 投入時の保証寿命時間 1 万時間)を
確保。
(※1)W-CDMA:
第 3 世代携帯電話(3G)の通信方式の一つで、日本、欧州他にて運用が開始されている。現在日本国内
での割り当て周波数は、端末送信帯が 1,920∼1,980MHz、端末受信帯が 2,110∼2,170MHz。
(※2)デュプレクサ:
アンテナ共用器。無線機の送信部と受信部でひとつのアンテナを共用できるように、分岐回路と送信用/受
信用の 2 つのフィルタを 1 つのパッケージに収めた部品。
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(※3)PCS:
Personal Communications Service の略。北米のデジタル移動体通信システムで主に 1.9GHz 帯を使う。割
り当て周波数は端末送信帯が 1,850∼1,910MHz、端末受信帯が 1,930∼1,990MHz。
( W-CDMA 用 SAWDPX )
( PCS 用 SAWDPX )
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4) デジタル携帯電話用超小型2 G H z 帯アイソレータの商品化
・小型・軽量で高性能な 2GHz 帯アイソレータ(※)CES30シリーズを商品化。
・3.2×3.2×1.6 ㎜の 3.2 ㎜角サイズで、重さは 0.06g であり、2GHz帯対応のアイソレータとしては業界最小クラス。
・デジタル携帯電話用として、国内においては 1.5GHz 帯 PDC や 2GHz 帯 W-CDMA に、海外では 1.9GHz
帯 PCS に対応可能。
・携帯電話の多機能化・高密度化により、携帯電話端末の更なる小型・低背化が求められている。
・当社従来品 CE041 シリーズ(4 ㎜角サイズ)の 2/3 以下という、大幅な小型・軽量化を実現。
・次のような技術を用い、電気的性能の向上を図るだけでなく、構造の簡素化にも成功。
(1) 従来は銅箔をフェライトに巻きつける構造であったが、高精度電極形成技術を開発しフェライトと電
極を一体化。
(2) 構成部品であるコンデンサ 3 点と抵抗器1 点を内蔵できるセラミック多層基板を開発し、従来のディ
スクリート構造からモノリシック構造とした。
(※)アイソレータ
:
一方向にのみ信号を伝送する機能を持つ電子部品で、デジタル携帯電話では、送信系のパワーアンプと
アンテナ/分波回路の間に配置される。
アンテナ端子から反射して送信回路に戻る電力を吸収することで、パワーアンプを保護したり、動作が不安
定になるのを防止する機能がある。
用途:1.4∼2.0GHz 帯の携帯電話及び各種の無線携帯電話機器
(構造図)
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5)100MHz ∼1GHz 帯でのノイズ除去能力を大幅に向上したチップエミフィル® の商品化
・100MHzから1GHz帯までの高周波帯域でのノイズ除去能力を大幅に向上させた DC電源ライン用のノイズ除
去フィルタ、NFM18PS シリーズを商品化。
・DVD レコーダやデジタルカメラ、薄型テレビをはじめとする電子機器では、その高機能化に伴い、搭載
される IC の動作速度はより高速化している。このため、IC の電源ラインから生じる電磁ノイズは、数
100MHz から GHz 帯におよぶ高周波帯域で問題となりつつある。
・高速で動作する IC の電源ラインでは、高速な電荷の供給が必要となり、残留インダクタンスのより低い
バイパスコンデンサが求められている。
・高周波特性に優れた 3 端子コンデンサで、電極構造を最適化することでコンデンサ内部の残留インダ
クタンス(※1)を低減することに成功。
・自己共振周波数が高く、100MHz∼1GHz の高周波帯域において 50dB 以上の挿入損失特性があるた
め不要輻射ノイズ(※2)の抑制に大きな効果が得られる。
・自己共振周波数が高く、高周波のリップルノイズ除去特性にも優れているため、高速で動作する IC の
電源ライン用バイパスコンデンサとして最適である。
(※1)残留インダクタンス:
コンデンサや抵抗などが有するインダクタ成分。コンデンサでは残留インダクタンスが小さいほど自己共振
周波数が高くなり、高周波領域においても大きなノイズ減衰量を得ることが出来る。
(※2)不要輻射ノイズ:
電波となって放射するノイズで、周辺の電子機器の動作に悪影響を与える。
用途:DVD、デジタルカメラ、携帯電話、デジタルTV をはじめとするデジタル機器のDC 電源ライン
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6)26GHz 帯F W A 対応、超小型・低損失のチップ多層L C フィルタの開発
・26GHz 帯 FWA(Fixed Wireless Access)用のバンドパスフィルタとして、チップ多層LC フィルタを開発。
・準ミリ波に対応した、業界初のチップタイプのフィルタであり、業界最小サイズである。
・ADSL や FTTH などの有線系高速インターネットアクセス環境の普及とともに、無線を利用した高速イ
ンターネットアクセス環境を実現しようという動きが高まり、その代表的な通信システムが FWA として、
世界的に 26GHz 帯の周波数が割り当てられている。
・機器の小型化や設計の省力化に向け、汎用的なチップタイプのフィルタが求められている。
・セラミック多層構造(※1)を採用し、シールド構造を付加することによって、フィルタ部からの放射を抑制
し、また外部からの影響を遮断することが可能となる。
・新たに開発した低損失 LTCC(※2)
(低損失セラミックス)と低損失銅電極を用いることで、フィルタの低損
失化を実現、26GHz 帯における挿入損失として最小 1dB 以下を実現した。
・チップタイプのフィルタが実現できたことで、調整工程の省力化や基板面積の削減が図れる。
用語:
(※1)セラミック多層構造
:
コンデンサやコイルなどの機能素子を多層構造に立体的に配置することができるため、大幅な小型化が可
能になる。
(※2)LTCC(低温焼結セラミックス)
:
Low Temperature Cofired Ceramics の略。一般のセラミック基板に比べて低温で焼結できる。この材料で多
層基板を形成すれば、電極や回路パターンに、高周波特性やコスト対応力に優れた銅を用いることが可能
になる。
(銅は低温で焼結する必要がある)
用途:26GHz帯 FWA、準ミリ波帯無線LAN
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7)世界初のチップ積層セラミック PTC サーミスタの商品化
・世界初の積層構造となるセラミック PTC サーミスタ("ポジスタ"(※)
)の開発に成功。この技術を用いて過電流保
護用 PTC サーミスタの抵抗値 0.2Ω、不動作電流 0.5A(周囲温度 60℃)品では業界最小サイズとなる
2.0×1.25×0.9 ㎜の小型品(2012 サイズ)の量産を開始。
・一般電子機器の高機能化に伴い、過大な負荷や周辺機器接続時の誤配線から機器を守る、過電流保
護部品の必要性が高まっている。
・信号を減衰させたり、電力を消費しないために、平常時の抵抗値が低いことが要求される。
・最近の電子機器の小型化にともない、PTC サーミスタにも小型化に対する強い要求がある。
・材料の超微粉砕技術や焼成技術を駆使し、内部電極に卑金属(Ni)を用いて、これを酸化させずに、
焼成温度の高いセラミックスと同時焼成を可能にすることで、積層構造でPTC 特性を得ることに成功。
・従来の単板構造を見直し、積層構造を採用することで、より一層の小型化と低抵抗を実現。
・高い熱安定性、信頼性を有するため、過電流保護素子としての応用領域が大幅に拡大される。
用語
(※)PTC サーミスタ("ポジスタ")
:
PTC とはPositive Temperature Coefficientの略で、温度が上がると抵抗値が増加する正特性を持ったサー
ミスタ。過大な電流が流れると発熱して急激に抵抗値が上昇し、回路を流れる電流を制限する。また、過電
流の原因が取り除かれ、発熱が収まると元の低い抵抗値に戻る自己復帰機能がある。電流ヒューズのよう
に溶断しないため繰り返し使用可能な回路保護部品として活用されている。
用途:USB 関連機器、電源回路、PC 関連をはじめとする電子機器一般
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8) 車載7 6 G H z 帯レーダ用高性能3 8 G H z 帯DR-VCO の開発に成功
・車載 76GHz 帯レーダ(※1)用の高性能 38GHz 帯 DR-VCO[Dielectric Resonator Voltage Controlled
Oscillator:誘電体共振器(※2)装荷型電圧制御発振器]の開発に成功。
・車載 76GHz 帯レーダは、車間自動制御システムや衝突被害軽減システムのキーパーツとして高い注
目を集めている。
・既に市場に導入されている 76GHz 帯レーダの VCO には、ガンダイオード VCO や MMIC(※3)‐VCO
などがあるが、いずれも、量産性・コスト・温度補償などの課題を抱えている。
・−40∼+100℃の使用温度範囲において、変調特性の温度特性に優れているため、温度補償のため
の回路構成を簡易化することができる。
・各機能を一体化した VCOモジュールであるため、MMICなどで構成した逓倍アンプ・ミキサなどと組み
合せてレーダ RF 回路の簡略化を図ることができる。
・位相雑音(※4)が小さいため、レーダの距離検知性能の向上を実現。
・今後、ミリ波標準生産設備・標準生産工法を用いて、通信用ミリ波部品・モジュールも含めたミリ波標準
生産ラインを構築し、2004 年末の商品化を予定。
用語
(※1)車載 76GHz 帯レーダ:
車両前部から 76GHz 帯の電波(ミリ波)を前方に向けて放射し、先行車からの反射波を受信することにより、
自車との車間距離や相対速度などを測定する。車載レーダには、他にレーザレーダがあるが、ミリ波はレー
ザに比べて、雨・雪・霧・太陽光などの影響を受けにくい特長を有することから、車載レーダの本命と期待さ
れている。
(※2)誘電体共振器:
目的の周波数で電磁気的な共振を起こすように作られた誘電体素子。
(※3)MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)
:
半導体基板上にトランジスタなどの能動素子と受動素子(抵抗、容量、インダクタ、線路)
、
さらには信号分配・
合成回路などの受動機能回路などを、モノリシックに形成した高周波集積回路。
(※4)位相雑音:
使用する部品の雑音によって、発振周波数や位相のゆらぎが発生し、発振スペクトルの裾が広がる際、そ
の裾の成分を位相雑音という。
用途:車載76GHz 帯レーダ RF 回路
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