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VNM-175040
ベトナム
正式名称は「ベトナム社会主義共和国」です。
インドシナ半島東岸に位置する南北に長い国です。
北から西へ中華人民共和国、ラオス、カンボジアと
国境を接し、東は南シナ海に面しています。
国土が南北に長いため、北部と南部では気候が大
きく異なり、中央部は台風の被害を受けやすいで
す。
出典:外務省
最大都市は南部のホーチミン、次いで首都のハノイ、港湾都市として有名なハイフォン、ダ
ナンと続き、いずれも人口は 60 万人を超えます。
<日本からは…>** 現地へのアクセス方法の一例です。詳しくは、旅行会社などにお問い合わせください
日本の主要空港(成田・名古屋・大阪・福岡)から首都ハノイまで、直行便があります。
出発空港により、飛行時間は約 1~2 時間の差があります。
成田-ハノイ 約 5 時間 40 分
大阪-ハノイ 約 4 時間 55 分
一口メモ
・北部は温帯性気候で、4~10 月が雨期
・南部は熱帯性気候
・7 月~11 月まで、台風の影響を受ける
<民 族 など>
キン族(越人)が約 86%を占め、ほかは 53 もの少数民族からなります。宗教は仏教(主に
大乗仏教)が主流で、キリスト教のカトリック、道教などです。公用語はベトナム語で、フラ
ンス領インドシナ時代の影響から、少数のエリート層ではフランス語も話されています。
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バンエン地域開発プログラム
首都のハノイから北西へ 200 キロ、車で約 5 時間のイェンバイ省バンエン郡で、バンエン
地域開発プログラを実施しています。国で最も貧しい北部山岳地帯で、多くの少数民族が
暮らしています。
ハノイ
支援期間:2004 年~2018 年**
バンエン
地域開発プログラム
支援地域:
イエンバイ省 バンエン郡
**支援期間はプログラム準備期間を含みま
す。支援終了予定日や活動の目標は、予期し
ていない突発事項やプログラムの進捗状況に
より、変更される場合があります。
<地域の課題>
① 深刻な貧困
年間の平均所得は 135 米ドルと少なく、全国平均の 420 米ドルを大きく下回ります。多
くの人々は 1 日あたり 1 米ドル以下の収入で暮らしています。
② 不十分な保健衛生サービス
保健センターは地理的に遠く、住民が活用できません。
医師を始めとする医療従事者、医薬品がともに不足しています。
安全な水源確保、衛生環境の整備が遅れており、情報も不足しているため、予防できる
下痢や肺炎で命を落とす子どもが後を絶ちません。
③ 教育サービスの制約
道路が未整備で市街地から遠いため、教育環境の整備、質の高い教育に向けた改善
などが困難です。
④ 乏しい災害対策
地域には大小の河川や湖が多いため、雨期になると許容量を超える雨水が鉄砲水や
洪水を引き起し、土砂崩れの被害が多く発生します。
地域には、このほかさまざまな課題が山積しています。
地域開発プログラムを通し、こうした課題を少しずつ改善し、子どもたちが心身ともに健
やかに成長できる環境づくりを目指していきます。
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<データでみるベトナム>
比べてみると…
新生児死亡率 ※①
5 歳未満児死亡率 ※②
安全な水へのアクセス率
衛生施設利用率 ※③
成人の総識字率
出生時の平均余命
GNI(1 人当たりの国民総所得):米ドル
ベトナム
12
23
96%
75%
93%
76 歳
1,400
日本
1
3
100%
100%
83 歳
47,870
※① 出生時から生後 28 日以内に死亡する確率。出生 1,000 人あたりの死亡数で表す
※② 出生時から満 5 歳に達する日までに死亡する確率。出生 1,000 人あたりの死亡数で表す
※③ 他世帯と共有せず、トイレを利用する人の割合
出典:ユニセフ世界子供白書 2014 より
・新生児死亡率が
日本の 12 倍であること
・5 歳未満死亡率が
日本の約 8 倍であること
・GNI(1 人当たりの国民総所得)が
日本の約 1/34 であること
・トイレの利用率が低いこと
データから読み取れるだけでも、
多くの課題が見えてきます。
ワールド・ビジョンでは、子どもたち
を取り巻くこうした課題に、“地域開
発”という観点から取り組んでいま
す
地域の子どもたち
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バンエン郡では、農林・畜産業で生
計を立てています。主にコメ、とうも
ろこし、キャッサバ、ピーナッツ、たけ
のこなどを、伝統的な原始農法で育
てています。
農業に勤しむ人々
山岳地域の生活
ベトナムでは社会主義体制の特徴として、
行政機関は中央政府を頂点にして、省、郡、
コミューン、村が配置され、上の機関がしっ
かりと下の機関を管理しています。一般に郡
から上の機関には各分野(農業、教育、保
健など)で知識、経験ともに豊富な役人がお
り、管理体制も整っています。しかしコミュー
ン、村レベルの自治体は、地域の貧困、低
い教育水準に比例し、行政機能も高くありま
せん。道路状況が悪い山岳地域では、教
育・保健衛生面での施設整備、情報普及も
遅れており、栄養や健康面で問題を抱える
子どもたちも多いのです。
プログラムでは、各村から選任された村落
開発普及員が、様々な活動の情報伝達や
計画策定に参加し、既存の村・コミューンの
住民組織(女性連合や青年連合)との連絡・
協力調整を行っています。活動に加わること
で、住民自身が地域の問題・課題への関心
を深め、その解決法について学んでいきま
す。こうした活動1つ1つの積み重ねにより、
子どもたちが安心して学び、健やかに成長
できる環境が作られていきます。
伝統的な民族衣装を身にまとう女性たち
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