今月は

「はじめての野菜づくり12か月」
板木利隆 著 家の光協会
野菜づくりの基礎作業・基礎知識
から育て方のプロセスをイラスト
でわかりやすく解説
今月は
スイカ [果菜類・ウリ科] 原産地:南アフリカ
栽 培 のポイント
果糖やブドウ糖を多く含み、暑さで疲れた体を癒してくれる果実的野菜です。野菜の
なかではもっとも強光を好み、生育適温も高い
(夜温15℃以上)ので、日当たりのよい
場所で、十分暖かくなってから栽培に取りかかります。連作障害が出やすいので、でき
つ
るだけ耐病性の台木に接ぎ木した苗を用いるようにします。
元肥は控えめにし、実どまりして果実が肥大してから追肥するようにします。早い時
期には訪花昆虫が少ないので、人工授粉して着果をうながします。ホットキャップは生
育初期の保温と害虫の飛来から守る効果が大きいので、ぜひとも利用したいものです。
たん そ
梅雨時の炭疽病は大敵、出始めに薬剤を散布し、防除することがたいせつです。
栽 培カレンダー
1月
家の光協会発行図書「はじめての野菜づくり 12 か月」
(著:坂木利隆)
より
2月 3月 4月
5月 6月 7月
8月
9月 10月 11月 12月
ホットキャップ栽培
露地早熟栽培
栽培方法
❶ 苗 づくり
❷元肥入れ
ゆういん
❻人工授粉
❹整枝・誘引
摘心
こ づる
子蔓
やく
子蔓
雄花
葯(雄しべ)
雌花
柱頭
子蔓
〈1株当たり〉
苗床をトンネルで保温する場合、日中35 油粕 大さじ3杯
℃以上に温度を上げないように換気する 化成肥料
発芽 28∼30℃
大さじ1杯
生育 地温22∼25℃ 気温15∼30℃
堆肥5∼6握り
15∼20日前に土を盛り上げて
くらつき
鞍築して
おく
育苗箱に種をまき、
25∼30℃の温度を
与えて発芽させる
❸植えつけ
5∼6節で摘心し、勢いのよい子蔓3本
を伸ばす
1本
2本
2本
1本
1本
2本
つ
接ぎ木の場合
市販の接ぎ木苗を利用
すると連作障害に耐え
るので、毎年同じ畑に
作付けすることが可能
挿し接ぎ
穂木 スイカ
台木 ユウガオなど
晴天の暖かい日を選んで畑に植える
深植えにしないこと。とくに接ぎ木苗
は接合部がなるべく地面より高くな
るように
頂部の穴をしだ
いに大きくあけ
て換気する
ホットキャップの高
さに伸びるまで被
覆しておく。乾いて
きたら上の穴から
かんすい
ときどき灌水する
開花した日の朝、
8∼9
時ごろまでに雄花の花
弁を取り除き、葯をむ
き出しにして雌花の柱
頭に軽くなすりつける
交配日をラ
ベルに記し
ておく
❼収穫
左右に振り分け誘引し、蔓の込み合い
を防ぐ
❺追肥・敷きわら
〈1株当たり〉
化成肥料
大さじ2杯以下
本葉1枚のころ3号
のポリ鉢に移植する
本葉5∼6枚の
苗に仕上げる
● 種まき
■ 植えつけ
△ ホットキャップ被覆
□ 収穫
果実がこぶし大になったころ、
ところどころに化成肥料をばらまく
気温が高まり蔓が伸び始めたら、
2∼3回に分けて敷きわらを敷く
開花後50∼55日たっ
たら試しどりして食べ
てみる。熟していれば
同じ日付のものはみな
熟度がよい
交配日のラベルがついていない場合
は、次のような外観、打音で見分けて収
穫する。
・果形…肩の張りがよくなる。花落ち部
分がへこみ、周辺の張りが出て
くる
・色沢…若いつやが失せ、光沢が鈍くな
る
・触感…花落ち部を指先で押すと、弾力
が感じられる
・打音…指の腹でたたくと濁音(ポテポ
テ)
を発する
・巻きひげ…果実の着いている節から
出た巻きひげが枯れる