児童生徒の学校生活支援事業

平成25年度
事業番号4
事業シート(概要説明書)
予算事業名
上位施策事業名
根拠法令等
事務区分
実施の背景
目 的
(何をどうしたいのか)
対 象
(誰・何を対象に)
児童生徒の学校生活支援事業
事業開始年度
H17合併前
家庭・地域とともに個性ある学校園をつくる
担当局・部名
多可町教育委員会
発達障害者支援法
担当課・係名
こども未来課
■自治事務 □法定受託事務
作成責任者
高見英明
本町における児童生徒の状況は時代とともに変化してきたが、小学校では近年、発達障害による多動性や衝動性が顕著で行動が
不安定な児童が増加している。H22年度は全7小学校で14.9%の児童が対象であったが、その後年々増加しており今年度は全児童の
24.1%が対象となっている。よって、これらの児童を対象に非常勤職員(スクールアシスタント)を配置し、学習や生活面でのつまずきを
克服し、学習意欲・理解力等の向上に努めている。
中学校では、特に10年ほど前に一部の学校で生徒の問題行動が表面化したことを機に、その対応策として支援が必要な生徒に非
常勤職員(スクールラブ指導員)を配置し学校の平穏化を進めてきた。近年では年々、不登校生徒等の数は減ってきている。
また、小学校、中学校の特別支援学級に在籍する児童・生徒に対し、生活を支援する生活補助員も配置し、自立や社会参加に向
けた主体的な取り組みを促進している。
①スクールアシスタント
発達障害のある児童、不登校や問題行動を起こす児童が学習意欲や理解力を高め集団行動や一斉授業ができるようにする。
②スクールラブ指導員
不登校で30日以上欠席している生徒や暴言・多動・問題行動の生徒が登校し、学習意欲を持ち前向きに生活できるようにする。
③生活補助員
特別支援学級に在籍の児童生徒が個々の能力に応じ生活や学習上の困難を克服する。
<直接的対象者>
・発達障害のある児童、不登校や問題行動を起こす児童(282人)
・不登校で30日以上欠席している生徒、暴言多動など問題行動を起こす生徒(14人)
・特別支援学級の児童生徒(44人)
<間接的対象者>町内全児童、生徒(2,055人)
対象者数(全住民に対する割合)
2,055
人 (
8.8
% )
■直接実施
実施方法
□業務委託 又は □指定管理 (委託先又は指定管理者)
□補助金〔直接・間接〕
□貸付(貸付先: )□その他( )
①スクールアシスタント
・ADHD等発達障害による多動性や衝動性が顕著で、行動面が不安定な児童への生活上、学習上の支援を行う。
・児童生徒一人一人の実態に応じた効果的な指導・支援のための補助活動を行う。
・不登校傾向や問題行動を起こす児童への指導や教育相談の補助を行う。
・別室登校の児童への支援・指導補助を行う。
・家庭との連携を図るための補助的な活動を行う。
・その他、担任等の教育活動補助、学校・学級運営の支援を行う。
事
業
概
要
事業内容
(手段、手法など)
②スクールラブ指導員
・暴言多動など問題行動を起こす生徒など、生活面で課題を持つ生徒と関わりを持ち、生徒に学習意欲を持たせ、前向きに生きてい
けるよう教師と連携しながら支援する。
・別室登校の生徒や不登校傾向にある生徒への支援を行う。
・家庭との連携を図るための補助的な活動を行う。
・スクールカウンセラー及び担任との連絡・調整を支援する。
③生活補助員
・特別支援学級における特別に支援を要する児童生徒への関わり、生活上の介助を行う。
関連事業
(同一目的事業等)
25年度(予算)
事業費合計
事
業
コ費
ス
ト
人
件
費
24年度(決算)
32,208 千円
23年度(決算)
29,763 千円
22年度(決算)
26,721 千円
24,588 千円
※太字は実績,( )は基本賃金
・スクールアシスタント 18,102,000円(@1,000円×6h×20日×11ヵ月×15人)
事業費内訳 ・スクールラブ指導員 4,362,000円(@1,000円×6h×20日×11ヵ月× 4人)
(平成24年度分)
・生活補助員 7,299,000円(@900円×6h×20日×11ヵ月× 6人)
担当正職員
臨時職員等
人件費合計
総事業費
国県支出金
財源
地方債
内訳
その他特財
一般財源
財源合計
0.28 人
23 人
人
1,701 千円
24,588 千円
26,289 千円
1519 千円
0.25 人
32,208 千円
27 人
33,727 千円 27.25 人
1,519 千円
0.22 人
1,337 千円
26 人
29,763 千円
26,721 千円
31,282 千円 26.22 人 28,058 千円
65,935 千円
61,045 千円
54,779 千円
50,877 千円
千円
千円
千円
千円
千円
千円
千円
千円
千円
千円
千円
千円
その他特財の内容
65,935 千円
65,935 千円
61,045 千円
61,045 千円
54,779 千円
54,779 千円
50,877 千円
50,877 千円
0.25 人
25 人
25.25 人
国県支出金の内容
平成25年度
事業番号4
事業シート(概要説明書)
予算事業名
児童生徒の学校生活支援事業
事業開始年度
【活動指標名】
活動実績
事
業
実
績
単位当たりコスト
成果目標
(指標設定理由等)
単位
H22年度
スクールアシスタント1人あたりの対象児童人数
人
18.8
20
19
スクールラブ1人あたりの対象生徒人数
人
6.8
5.4
5.2
生活補助員1人あたりの対象児童生徒人数
人
6.3
4.9
5.6
関係者全体の研修会
回
1
2
0
(スクールアシスタント)
事業費
/
対象者数
円/人
64,191
56,737
58,517
(生活補助員)
事業費
/
対象者数
円/人
165,886
159,318
150,564
(スクールラブ指導員)
事業費
/
対象者数
円/人
161,555
225,703
249,461
①発達障害、不登校、問題行動が改善・克服されることを目指す。
②更なる問題行動(学習放棄、ひきこもり、非行)を引き起こすことを抑制する。
③全児童生徒の学校生活の平穏化を目指す。
④個々の能力に応じ生活や学習上の困難を克服する。
【成果指標名】
事
業
成
果
H17合併前
H23年度
H24年度
単位
H24年度
H23年度
H22年度
【スクールアシスタント】
成果
(目標達成状況)
・低学年における直接的対象児童の割合
%
21.5
・中学年における直接的対象児童の割合
%
23.4
18.8
・高学年における直接的対象児童の割合
%
19.5
17.1
・不登校児童生徒数の割合
%
3.7
3.6
3.2
・問題行動の件数
件
136
70
77
16.0
16.8
15.3
13.0
【スクールラブ指導員】
(問題)
・専門的知識技術をもつスクールカウンセラーとの検討協議は円滑な支援を行う上で必要不可欠である。しかし、スクールアシスタン
ト、スクールラブは、現在6時間勤務であるため、担任、校長、教頭との協議検討すら充分ではない。専門家からの知識、技術を有効
に継承し計画的に支援できるよう、常勤配置も含めた支援体制の見直しが必要であると考える。
・スクールアシスタント、スクールラブの日誌によって対象児童生徒の状況はある程度把握でき、これらの情報も参考に毎年校内で適
正就学指導委員会を実施し次年度の対象児童生徒について検討している。しかし、支援対象児童の分類は設けてあるものの、現在
の対象児童生徒の1人ひとりが、どれだけ障害等を克服できたのか、今後の支援体制をどうしていくのか、1人ひとりの具体的な支援
計画が不十分であるため、支援員の配置に対する明確な基準は無く、最終的にはこれまでの実績に準じた配置となっている。
(課題)
・児童生徒の問題行動の発生は、ちょっとした環境の変化等が起因して引き起こされ、それが更なる問題行動を誘引する可能性が高
い。児童生徒の障害や問題行動の更なる多様化が推測される中、スクールアシスタント、スクールラブ、生活補助員のみならず、担任
事業の自己評価
や校長、教頭等 タイムリーに情報共有が図れる機会を定期的に保ちながら、各障害についての基礎知識と基本的な支援方法、具
(今後の事業の方向 体的な実践方法等について研修会を実施し、更なる資質の向上を図りたい。
性、課題等)
・児童生徒が抱えている課題を十分に把握し、なぜその児童生徒に支援が必要なのか、またどんな支援が必要なのかを明確にし、
支援計画を十分に検討して、スクールアシスタント等の配置を考えていく必要がある。
・臨床心理士等による専門的な見解をもとに、対象児童生徒は勿論、その保護者へのケアも充実していきたい。
・スクールアシスタント、スクールラブを配置することで、確かに学校に落ち着きを取り戻すことには成功している。しかし、この手法が
絶対的ではなく、むしろ、児童生徒の問題行動等を未然に防止できるように、今後は小学校に入学する幼稚園児をスクールカウンセ
ラーが巡回し、園児の状況をスクールアシスタントと共有することで早期対策等の充実に努めたい。
・発達障害児の症状は多様化、かつ、その対象者数は、ここ数年急増している。児童生徒における教育の機会均等を保障しつつ、1
人ひとりが持てる能力を最大限伸ばしていけるように、町健康福祉課をはじめ様々な医療・福祉施設との連携の中で、乳幼児期から
学校卒業までの一貫した長期的な視点での支援ができる制度の充実が喫緊の課題と考える。
比較参考値
(他自治体での類似事 北播磨管内自治体比較(資料4-3参照)
業の例など)
特記事項
『発達障害とは』
学習場面や生活場面で、様々な困難に直面し、自信を失いかけている子どもたちの中に、LD(学習障がい)ADHD(注意欠陥多動
性障がい)高機能自閉症・アスペルガー症候群など、発達障がいが疑われる場合がある。個の発達障がいは、生まれつきの脳発達
の障がいである。医学的に原因は特定されていないが、様々な研究の進展によって、中枢神経系(脳)の器質的・機能的障がいに
よって、もたらされるものであることは、明らかとなっている。つまり、生まれつき何らかの原因で、脳の働きがうまく機能していないという
ことである。決して、親の育て方が悪かった、本人が悪い、精神的なストレスというようなものではない。このような障がいを持つこども
は、ちょっとしたことで「つまずき」がちである。
資料 4-1
1.事業費
項目
H22年度
H23年度
H24年度
H25年度
スクールアシスタント
配置人数
金額(千円)
(人)
12,230
11
13,617
12
18,102
15
19,800
15
スクールラブ指導員
金額(千円)
配置人数(人)
6,486
6,094
4,362
5,280
5
5
4
4
生活補助員
配置人数
金額(千円)
(人)
5,872
7,010
7,299
7,128
7
9
7
6
2.各学校全児童生徒数
小学校
児童数
児童・生徒数
(5.1現在)
2,199
2,129
2,055
1,977
H22年度
H23年度
H24年度
H25年度
中学校
生徒数
1,398
1,381
1,320
1,264
801
748
735
713
3.スクールアシスタントと直接的支援児童数
分類
H22年度対象者数(人)
全小学校児童における割合
H23年度対象者数(人)
全小学校児童における割合
H24年度対象者数(人)
全小学校児童における割合
H25年度対象者数(人)
全小学校児童における割合
スクールアシ
スタント配置
数(人)
診断書あり
潜在的
疑いあり
支援が必要
通級対応
合計
11
32
31
126
20
209
0.8%
2.3%
2.2%
9.0%
1.4%
14.9%
12
41
37
148
14
240
0.9%
3.0%
2.7%
10.7%
1.0%
17.4%
15
40
18
210
14
282
1.1%
3.0%
1.4%
15.9%
1.1%
21.4%
15
37
25
223
19
304
1.2%
2.9%
2.0%
17.6%
1.5%
24.1%
4.スクールラブ指導員と直接的支援生徒数(不登校生徒含む)
スクールラブ 不登校生徒、
指導員配置 発達障害等
数
生徒数計
全生徒数
の割合
H22年度対象者数(人)
5
26
3.2%
H23年度対象者数(人)
5
27
3.6%
H24年度対象者数(人)
4
27
3.7%
H25年度対象者数(人)
4
10
1.4%
5.生徒補助員数と直接的支援児童生徒数
小学校
中学校
生活補助員 1次的支援生 全生徒数の
配置数
徒数
割合
生活補助員 1次的支援生 全生徒数の
配置数
徒数
割合
H22年度対象者数
7
26
1.9%
0
13
1.6%
H23年度対象者数
9
33
2.4%
0
11
1.5%
H24年度対象者数
7
35
2.7%
0
9
1.2%
H25年度対象者数
6
33
2.6%
0
14
2.0%
資料
4-2
多可町教育委員会
(指導主事・教育アドバイザー・臨床心理士)
※学校や保護者の相談窓口
※関係機関等へのつなぎ役
多可町適正就学指導委員会
(医療関係者・臨床心理士・行政関係者・学校園関係者)
小学校
中学校
校内適正就学指導委員会
校内適正就学指導委員会
通常学級
(スクールアシ
スタント)
通級指導
(学校生活支援
教員)
通常学級
特別支援学級
(生活補助員)
特別支援学級
通級指導
(学校生活支
援教員)
スクールカウンセラー
特別支援コーディネーター
( スクールラブ指導員)
スクールカウンセラー
特別支援コーディネーター
(関係機関)
お
ひ
さ
ま
ニ
コ
ニ
コ
健
康
福
祉
課
北
は
り
ま
特
別
支
援
学
校
臨
床
心
理
士
言
語
療
法
士
の
ぎ
く
療
育
園
加
西
ボ
ラ
ン
チ
加
西
病
院
き
ず
な
多
可
日
赤
※専門的な立場で子どもたちの抱えている課題をとらえる
※課題を抱えている子どもたちの支援及び理解の方法を指導する
※子どもたちが係わる関係機関との連携(学校・保護者・本人等)
-1-
中
央
こ
ど
も
家
庭
セ
ン
タ
|
資料 4-3
北播磨管内 学校教育支援員比較(平成25年度)
市町
多可町
西脇市
三木市
小野市
加西市
加東市
学校数
幼3・小7・中3
幼8・小8・中4
幼12・小16・中8・特支1
幼2・小8・中4・特支1
幼9・小11・中4・特支1
幼2・小9・中3
人数
小15
小25・中6(特別支援教育指導補助員)
ル
ア
シ
ス
タ
ン
ト
ス
ク
小8
小15・中4
小12・中3
業務内容
ADHD発達障害による行動面が不安定な児
童の支援。学習支援。
通常学級、特支学級どちらも学習面、生活面
学習支援
の支援
通常学級における特別な支援を要する児童・ 通常学級における特別な支援を要する児童・
生徒の生活面・学習面の支援
生徒の学習面の支援
教員資格
教員資格 要
教員資格 要
教員資格 要
教員資格 要
教員資格 要
給与
時給1,000円
時給1,150円+通勤手当
月額150,0000円(1週間29H勤務)
時給1,200円
時給1,000円 週4日(1日7時間勤務)
人数
中4
ー
ス
ク
ー
ル
ラ
フ
゙
指
導
員
生
活
補
助
員
業務内容
不登校傾向など問題を抱える生徒のケア
教員資格
教員資格 要
給与
時給1,000円
人数
小6
幼5・小24・中4 (介助員)
幼10(特別支援教育介助員)
小2・中2 (介助員)
小14・中1 (介助員)
特支学級にいる児童等の身の回りの介助
特支・通常学級に配置・身の回りの介助・
ADHD児への支援
身の回りの介助
身の回りの介助
特支学級に在級する児童生徒への生活面の
介助
特になし
特になし
幼稚園教諭資格 要
特になし
時給900円
日額7,700円+通勤手当
(7時間45分勤務)
時給1,150円+通勤手当
業務内容
教員資格
給与
人数
小中43(学生サポーター)
小12・中8(ヤングアドバイザー)
業務内容
学生の空いている時間を活用しての児童生
徒支援
基礎学力の定着のため、教員養成系学生を
中心として配置。(兵教大生が多い)
全幼小中に31名(学習チューター)
教員資格
なし
なし(教員を目指す学生)
なし(学生)
1回1,000円 (1回4時間程度)
時給900円
1日1,000円 週4時間程度で2日
ー
学
生
サ
ポ
時給960円
ー
タ
給与
・H24は、学習支援サポーターもあったが、
H25はない。
備考
・スクールアシスタントは、各校1名の縛りが
あったが、今は配置していない学校もある。
・通常学級では学習支援。特別支援学級は
生活支援。特別支援教育指導補助員対象に
・介助員を生活面支援と学習面支援で配置し
研修会を年2回している。(4月・夏)
ている。基本は特別支援学級の児童の支援。
・700人を越える学校には、2名の配置をして
いる。中規模校で1名配置(2校)。単学級の
・H24からH25には、小で3名増員している。
・年々、支援の必要な児童は増えるが介助員
学校には配置していない。
は減っているのが現状である。
・1校に1名は必ずスクールアシスタントか介助
員を配置している。一番大きな学校の社小は
全校児童590人・特支学級児童数15人で、
通常学級における特別な支援を必要とする児 SA2・介助員5人配置。次に滝野東小は全校
童生徒が年々増えている。子どもの実態に合 児童数531人・特支学級児10人で、SA4人・介
わせた勤務をしている。(時間割)
助員5人配置。一番小さい学校では、鴨川小
全校生19人学級数3学級(配置無し)。
・特別支援学級3人に1名介助員配置