防火壁装材料の施工共通仕様 - 一般社団法人 日本壁装協会

防火壁装材料の施工共通仕様
第1章
一般事項
1.1
適用範囲
制定
平 成 22 年 7 月 13 日
最終 改 正
平 成 27 年 7 月 15 日
本共 通 仕様 書は 、 一般 社団 法 人 日本 壁 装協 会( 以 下「 協会 」 とい う。)の 壁 紙 品 質
情報 管 理シ ステ ム に登 録し て いる 壁紙 で 、防 火壁 装 材料 の認 定 仕様 に基 づ く施 工 を 適
法に 行 うた めの 共 通的 注意 事 項を まと め たも ので あ る。
1.2
張り工法
張り 工 法は 直張 り を原 則と す る。
1.3
使用する防火壁装材料の確認事項と注意点
1.3.1
シックハウス対策品であること
建築 基 準法 上、 居 室に 使用 で きる 壁紙 は シッ クハ ウ ス対 策品 で なけ れば な ら な い 。
この こ とは 防火 材 料で ある か 否か に優 先 する ため 、 以下 の表 示 を確 認す る 。
(1 ) 使用 する 壁 紙や 接着 剤 がJ IS マ ーク 表示 品 また はホ ル ムア ルデ ヒ ド発 散 等 級
の大 臣 認定 を受 け たも ので あ るか どう か の確 認( F ☆☆ ☆☆ の 表示 マー ク の確 認)
(2 ) 下地 基材 の ホル ムア ル デヒ ド発 散 等級 の確 認
1.3.2
防火壁装材料の確認
次の 事 項に 注意 す る。
(1 ) 下地 基材 と の組 合せ に より 認定 さ れた 防火 性 能と 認定 番 号
(2 ) 張り 合わ せ る下 地基 材 の防 火性 能 、な らび に 当該 下地 が 平 成 12 年 建 設省 告 示
第 1400 号 なら び に 1401 号 に 示 す防 火 材料 であ る こと 。( 2. 5 並び に 別表 参照 )
た だ し認 定条 件 によ り除 か れて いる 下 地も ある の で確 認す る 。
(3 ) 認定 され て いる 施工 方 法( 直張 り 、金 属板 に 認め られ て いる 張り 方 、接 着 剤 の
種類 お よび 配合 率 と塗 布量 、 その 他施 工 方法 につ い ての 条件 な ど)
(4 ) 認定 を受 け た防 火壁 装 材料 であ っ ても 認定 仕 様ど おり に 施工 しな け れば 防 火 材
料と は 認め られ な い。
(5 ) 使用 する 防 火壁 装材 料 が、 内装 制 限の 防火 性 能に 適合 す るも ので あ るこ と。
1.4
防火壁装材料の表示
防火 壁 装材 料の 仕 様で 仕上 げ がな され た 場合 は、 同 一材 料に つ き一 区分 ご と に 2 ヶ
所以 上 、協 会指 定 の防 火施 工 管理 ラベ ル を貼 付す る 。
第2章
材料類および下地基材
2.1
登録防火壁装材料の原則的条件
防火 壁 装材 料の 品 質に つい て は 、JI S A 6921 の 規 格に 適 合し 、J IS マ ーク 表
示さ れ たも の又 は それ と同 等 の品 質を 有 し、 ホル ム アル デヒ ド 発散 量が 規 制対 象 外 の
大臣 認 定を 受け た もの 又は 第 3種 の大 臣 認定 を受 け たも のと す る。
1
2.2
下地調整材の原則的条件
品 質 につ いて は 、防 火性 能 を損 なう 恐 れの ある も の、 有害 な 化学 物質 を 含有 す る も
のを 使 用し ない こ と。
2.2.1
パテ
パテ は 成分 中に 含 まれ る有 機 質量 が 10% 以 下 、希 釈 は 水に よ るも ので 、パ テ と接 す
る防 火 壁装 材料 を 浸し たり 、 変色 させ る こと のな い もの で、 次 のも のを 用 いる 。
材料 の 形態
用
ペー ス ト状
粉末 状
ペー ス ト状 およ び 粉末 状
2.2.2
途
備
考
上塗 り
薄付 け 用に 適す
下塗 り
厚付 け 用に 適す
上塗 り ・下 塗り
薄付 け ・厚 付け 可 能
上塗 り
薄付 け 用に 適す
下塗 り
薄付 け ・厚 付け 可 能
上塗 り ・下 塗り
薄付 け 用に 適す
全面 塗 布
刷毛 、ロ ー ラー に て薄 付け 可 能の もの
シーラー
シー ラ ーは 耐ア ル カリ 性、 耐 候性 、耐 熱 性、 耐水 性 があ り、 下 地に 対し て 付 着 性 の
良い エ マル ショ ン タイ プの 製 品を 用い る のを 原則 と し、 発熱 性 が確 認さ れ た日 本 壁 装
協会 に 登録 され た 製品 を使 用 する 。
種
類
タ イ プ
蒸発 残 分
pH
希
釈
酢酸 ビ ニル 系樹 脂
エマ ル ショ ン(水 性 ) 15% 以上
4~ 9
希釈率が明
アク リ ル系 樹脂
エマ ル ショ ン(水 性 ) 15% 以上
4~ 9
確にしてあ
エチ レ ン酢 酸ビ ニ ル系 樹脂
エマ ル ショ ン(水 性 ) 15% 以上
4~ 9
るこ と
シリ コ ーン 系樹 脂
液
2.3
100%
状
原液 使 用
接着剤
2.3.1
でんぷん系接着剤
(1 )接 着 剤は 、J I S A 6922 の 品質 規 格に 合 格し 、J IS マ ーク 表 示さ れた も の 、
もし く はこ れと 同 等の 品質 を 有し 、ホ ル ムア ルデ ヒ ド発 散量 が 規制 対象 外 の大 臣 認 定
を受 け たも のと す る。
(2 ) 接着 剤の 種 類と 使用 法 は、 下記 の 種類 と状 況 およ び防 火 壁装 材料 の 種類 と の 組
合せ に よっ て使 い 分け る。
(3 ) 接着 剤は 発 熱性 の確 認 され た日 本 壁装 協会 に 登録 され た 製品 を使 用 する 。
種
類
1種 で んぷ ん系 接 着剤
タイ プ
ペ ー ス
ト・ 粉 末
蒸発 残 分
pH
希釈 剤
18% 以上
4~ 8
水
2
適
用
JISマーク
表示品または
2種 1 号接 着剤
規制対象外の
(1種の材料に合成樹脂
大臣 認 定品
エマルションを配合し施
18% 以上
4~ 8
水
12% 以上
4~ 8
無し
工時に希釈して使用する
もの )
2種 2 号接 着剤
(1種の材料に合成樹脂
エマルションを配合し施
工時に希釈しないで使用
する も の)
合成樹脂エマルションとは、酢酸ビニル樹脂エマルション、エチレン酢酸ビニル樹
脂エ マ ルシ ョン 、 アク リル 樹 脂エ マル シ ョン 等を い う。
2.3.2
メチルセルロース系接着剤
日本 壁 装協 会が 防 火壁 装専 用 品と して 指 定す る接 着 剤を 使用 す る。
2.4
補強材
補強 剤 は発 熱性 の 確認 され た 日本 壁装 協 会に 登録 さ れた 製品 を 使用 する 。
種
類
アク リ ル系 樹脂
タイ プ
エマルション
(水 性 )
エチレン酢酸ビニ
エマルション
ル系 樹 脂
(水 性 )
酢酸 ビ ニル 系樹 脂
エマルション
(水 性 )
蒸発 残 分
pH
希釈 剤
30% 以上
4~ 8
水
30% 以上
4~ 8
水
適
用
でんぷん系のり
との相溶性がよ
いこ と
JISマーク表
示品または規制
30% 以上
3~ 6
水
対象外の大臣認
定品 ( 注)
(注 ) JA IA ( 日本 接着 剤 工業 会) で F☆ ☆☆ ☆ の登 録を し たも のも 含 む。
2.5 防火壁装材料の下地基材の種類
防火 壁 装材 料に 用 いら れる 下 地基 材は 、 平成 12 年建 設 省告 示 1400 号 ( 別 表 1)、
同 1401 号 (別 表 2) で示 さ れた もの と する 。た だ し告 示に 例 示の 下地 で あっ て も 、
認定 仕 様に おい て 除か れて い る下 地に は 施工 でき な い。
第3章
下地調整ならびに施工用接着剤
3.1
下地調整の共通事項
(1 )使 用 する 下 地調 整材 は 別表 2.2.1 パテ な らび に2 .2.2シ ー ラー とす る 。
(2)張替えの際は、壁装材料をきれいに取り除き下地基材が完全に見える状態
にし て から 施工 す る。
(3 ) その 他の 仕 上げ がな さ れて いる 場 合は 下地 基 材を 露出 さ せて から 施 工す る。
(4 ) 下地 基材 に 応じ てパ テ かけ 、シ ー ラー 塗布 を 行な う。
3.2
金属下地の接着面調整
金 属 下地 の接 着 面調 整は 次 のい ずれ か とす る。
3
(1 ) 日本 壁 装協 会の 共 同認 定に 基 づく 金属 下 地
日本 壁 装協 会の 共 同認 定に 基 づく 金属 下 地へ の施 工 は以 下の と おり とす る 。
防錆 処 理剤 を使 用 する 場合 は 、鉛・クロ ムフ リー さ び止 めペ イ ント(J I SK 5674
又は 同 組成 品) と し、 次の (1)、 (2)のう ち い ずれ か 一仕 様と す る。
(1)
フタ ル 酸系 樹 脂( 油性 塗 料):質 量 80g/㎡ 以下 ( 固形 換 算 量 40g/㎡ 以 下)
(2)
アク リ ル系 樹 脂( 水性 塗 料):質 量 80g/㎡ 以下 ( 固形 換 算 量 40g/㎡ 以 下)
いず れ も希 釈せ ず 原液 を使 用 し、 平均 に 塗布 する 。
(2 ) 企業 個別 認 定に 基づ く 金属 下地
アク リ ル樹 脂エ マ ルシ ョン シ ーラ ー、 エ チレ ン酢 酸 ビニ ル樹 脂 エマ ルシ ョ ン シ ー ラ
ー、酢 酸ビ ニル 樹 脂エ マル シ ョン シー ラ ーの いず れ かま たは 混 合物 を平 均 に塗 布 す る 。
使用 制 限量 は固 形 換算 量 で 50g/㎡を 超 えな いこ と 。
(3 ) タッ ク式 等 既に 接着 剤 が裏 面に 塗 布さ れて い る壁 紙の 下 地処 理は 認 定仕 様 に 従
うこ と 。
3.3
接着剤の配合
接着 剤 の配 合は 、J I S A 6922 の 品質 規 格に 合 格し 、J IS マ ーク 表 示さ れた も
の、 も しく はこ れ と同 等の 品 質を 有し 、 ホル ムア ル デヒ ド発 散 量が 規制 対 象外 の 大 臣
認定 を 受け た別 表 2. 2. 3 に示 すで ん ぷん 系接 着 剤を 使用 す る。 下地 基 材の 種 類 、
防火 壁 装材 料の 種 類に より ア クリ ル系 樹 脂、 エチ レ ン酢 酸ビ ニ ル系 樹脂 ま たは 酢 酸 ビ
ニル 系 樹脂 を補 強 剤( 別表 2 .2 .4 に 示す もの に 限る )と し て混 ぜて 使 う。 そ の 際
の配 合 率は でん ぷ ん 80 部 に 対し て 20 部 ま でと し 、こ れを 水 30 部で 希 釈し たも の を
使用 す る。
3.4
接着剤使用量
接 着 剤 の 使 用 量 は 、 180g /㎡ 〔 60g /㎡ ( 固 形 換 算 量 )〕 以 下 で あ る こ と 。 そ の 他 認
定仕 様 に指 定の あ る場 合は こ れに 従う 。
3.5
共通仕様タック式
タ ッ ク式 は既 に 接着 剤が 壁 紙裏 面に 加 工さ れて い るた め、 下 地調 整剤 の み認 定 仕 様
に従 う 。そ の他 の 資材 類は 本 共通 仕様 に 示す もの を 使用 し、 施 工は 本共 通 仕様 に 準 ず
る。
以上
4
(別表1)
【建 設 省告 示 第 1400 号な ら びに 国土 交 通省 告示 第 1178 号 に よ る改 正 】
■不 燃 材料 を定 め る件 (平 成 12 年5 月 30 日 建設 省 告 示 1400 号)
建 築 基準 法( 昭 和 25 年 法律 第 201 号 )第2 条 第九 号の 規 定に 基づ き、不 燃材 料 を
次の よ うに 定め る 。
建築 基 準法 施行 令(昭 和 25 年 政 令 第 338 号)第 108 条の 2 各号(建 築 物の 外部 の 仕
上げ に 用い るも の にあ って は 、同 条 第一 号 及び 第 二号 、以 下「 特 定 不燃 材 料」とい う 。
但し 九 及び 十一 号 を除 く) に 掲げ る要 件 を満 たし て いる 建築 材 料は 、次 に 定め る も の
とす る 。
一
コン クリ ー ト
二
れん が
三
瓦
四
陶磁 器質 タ イル
五
繊維 強化 セ メン ト板
六
厚さ が3 ミ リメ ート ル 以上 のガ ラ ス繊 維混 入 セメ ント 板
七
厚さ が5 ミ リメ ート ル 以上 の繊 維 混入 ケイ 酸 カル シウ ム 板
八
鉄鋼
九
アル ミニ ウ ム
十
金属 板
十一
ガ ラス
十二
モ ルタ ル
十三
し っく い
十四
石
十五
厚 さ が 12 ミ リメ ー トル 以上 の せっ こう ボ ード (ボ ー ド用 原紙 の 厚さ が 0.6
ミ リメ ート ル 以下 のも の に限 る。)
十六
ロ ック ウ ール
十七
グ ラス ウ ール 板
【告 示 1178 号 によ る 改正 と 経過 措置 】
石 綿 スレ ート は 平成 16 年 10 月 1日 付 けの 改正 告示 1178 号 によ り、 告示 1400 号
から 除 かれ たが 、
「告 示 1178 号 の施 行 の日 前に 製 造さ れ 、輸 入 さ れた 石 綿ス レー ト に
つい て は、 この 告 示の 施行 後 も、 なお 不 燃材 料と 見 なす 」と の 経過 措置 が 取ら れた 。
以上
(別表2)
【告 示 第 1401 号 】
■準 不 燃材 料を 定 める 件( 平 成 12 年 5 月 30 日 建 設省 告 示 1401 号)
建築 基 準法 施行 令( 昭 和 25 年 政 令 第 338 号)第1 条 第五 号 の規 定に 基 づき 、準 不 燃
材料 を 次の よう に 定め る。
第1
通常 の火 災 によ る火 熱 が加 えら れ た場 合に 、 加熱 開始 後 10 分間 建 築基 準法 施
行 令 (以 下「 令 」と いう 。) 第 108 条 の 2 各号 に 掲げ る要 件 を満 たし て いる 建築 材
5
料 は 、次 に定 め るも のと す る。
不燃 材料 の うち 通常 の 火災 によ る 火熱 が加 え られ た場 合 に、 加熱 開 始 後 20 分
一
間 令 第 108 条 の 2各 号 に掲 げる 要 件を 満た し てい るも の
厚さ が9 ミ リメ ート ル 以上 のせ っ こう ボー ド (ボ ード 用 原紙 の厚 さ が 0.6 ミ リ
二
メ ート ル以 下 のも のに 限 る。)
三
厚さ が 15 ミ リ メー ト ル以 上の 木 毛セ メン ト 板
四
厚さ が9 ミ リメ ート ル 以上 の硬 質 木片 セメ ン ト板 (か さ 比重 が 0.9 以 上 のも
の に限 る。)
厚さ が 30 ミ リ メー ト ル以 上の 木 片セ メン ト 板( かさ 比 重 が 0.5 以上 の もの に
五
限 る。)
六
第2
厚さ が6 ミ リメ ート ル 以上 のパ ル プセ メン ト 板
通常 の火 災 によ る火 熱 が加 えら れ た場 合に 、 加熱 開始 後 10 分間 令 第 108 条 の
2 第 一号 及び 第 二号 に掲 げ る要 件を 満 たし てい る 建築 材料 は 、次 に定 め るも のと す
る。
一
不燃 材料
二
第1 第二 号 から 第六 号 まで に定 め るも の。
以上
【別表の附則】
1.本別 表 は平 成 12 年建 設 省告 示第 1400 号な ら びに 告示 第 1401 号に 基 づ き作 成 し 、
告示 の 改正 等に 従 い壁 紙品 質 情報 管理 シ ステ ム運 営 ・実 行委 員 会に て修 正 す る も の と
する 。
2. 本別 表 は平 成 22 年7 月 13 日か ら 施行 する 。
3. 本別 表 の附 則 は、 平成 2 2年 7月 1 3日 から 施 行す る。
4. 本別 表 の改 正 は、 平成 2 7年 7月 1 5日 から 施 行す る。
以上
6