コンゴ(民)月例報告 2014年2月 (政治関連) 主要な出来事 【内政】 ●恩赦法が発布 ●カメレ UNC 党首,政治集会妨害等,政府当局から連続的な圧力を受ける 【外交】 ●ICC,政府に対し,バシール・スーダン大統領(COMESA 首脳会合出席)の逮捕を要請 【東部情勢】 ●政府,対 ADF-Nalu 軍事作戦で武装勢力側に 230 名の死者が発生したと発表 1.内政 (1)恩赦法関連 ・4 日,国会で恩赦法が可決。 ・5 日,恩赦法可決に対し,①ロビンソン国連大湖地域担当特使,②コブラー国 連事務総長特別代表,③フェインゴールド米大湖地域特使,④ディアラ AU 大湖 地域特別代表及び⑤ヴェルバエック EU 大湖地域主席調整官は,共同声明を発表。 同声明では,恩赦法可決は元戦闘員の社会再統合を約束し,国家和解を促進す る歴史的成果であると歓迎。一方,コンゴ民人権 NGO 国家ネットワーク団体 (RHENADOC)は恩赦法の可決を失望と無念をもって受け止めた旨表明(往電第 98 号)。 ・12 日,カビラ大統領は恩赦法(7 条で構成)を発布。本法は,2006 年 2 月 18 日-2013 年 12 月 20 日の間におけるコンゴ民領内での反乱・暴動行為,戦争行 為及び政治違反行為を対象とし,ジェノサイド,人道犯罪等は適用除外(往電 第 118 号)。 (2)カメレ UNC 党首関連 ア PPRD 与党議員との係争 ・4 日,検察庁は,カメレ UNC 党首と,モレカ PPRD 議員との係争1に関し, 「カ」 UNC 党首に対し,3 年の禁固刑を求刑。これに対し, 「カ」UNC 党首は,当事者間 で和解調停が成立しているにもかかわらず,論告求刑されたと遺憾の意を表明。 また,今次求刑には,次期大統領選挙への立候補を阻害するとの政治的意志が 働いていると批判(往電第 116 号)。 1 「カ」UNC 党首が,2011 年 11 月の国民議会選挙時, 「モ」PPRD 議員に選挙不正があったと非 難したことに対し,同年 12 月, 「モ」PPRD 議員が名誉毀損で告訴。 1 イ 自宅立ち退き命令 ・7 日,カ」UNC 党首は,政府当局より 6 日付で自宅退去命令が出され,これに より自宅退去した旨明らかにした。これに対し「カ」UNC 党首は,自宅家屋は個 人賃貸借契約物件であり,当局による退去命令は不当行為と批判。 ・8 日,メンデ政府報道官は,「カ」UNC 党首の主張は全て虚偽と反論。同物件 は「カ」UNC 党首が情報大臣に就任した際(2003 年),国より貸与され,同職辞 任(2004 年)と同時に返還されるべき物件である旨,政府当局は「カ」UNC 党 首に対し,これまで複数回にわたり書面で返還・退去要求を行っていた旨主張。 ウ ゴマへの移動阻止 ・7 日,「カ」UNC 党首は UNC 所属議員らとともに,ゴマで行われる平和キャラ バン(野党,NGO 及び労働組合等が参加)に参加すべく,キンシャサ市ンドロ (Ndolo)国内空港でチャーター便に乗り込んだが,空港当局による離陸許可が 出ず,キャンセルとなった。これに対し「カ」UNC 党首は,政府当局による妨害 行為であると批判。空港公団(RVA)側は,RVA は空港滑走路管理のみを行う機 関であり,離陸許可は民間側(民間航空会社)が下すものとして,RVA は関知して いない旨主張。一方,民間航空会社側も,ンドロ空港での件は承知してないと 主張。 ・9 日, 「カ」UNC 党首一行は商用便(CAA)を使用し,ンジリ国際空港から再度 ゴマへ向け出発しようと試みたが,移民総局(DGM)は出発を拒否。空港では,DGM 側と「カ」UNC 党首一行(約 30 名)側間で一時口論となる等したが, 「結局「カ」 UNC 党首は CAA 便同機に搭乗できなかった(同上)。その後,「カ」UNC 党首は MONUSCO 及び EU 等による政府に対する圧力もあり,12 日にゴマに向け出発して いる。 エ ブカブでのミーティング妨害 ・20 日,「平和キャラバン(東部紛争解決を呼び掛けるキャラバン)」参加のた め東部入りしていた「カ」UNC 党首は南キブ州ブカブ市を訪問。空港到着後, 「カ」 UNC 党首一行は市内中心まで警官隊監視の下,移動。数千名の支持者らが待ち受 ける独立広場に一行が進入しようとした際,警察当局は支持者らに対し催涙弾 を発射するとともに,威嚇射撃等を行った。これにより治安部隊と「カ」UNC 党 首支持者らが衝突し,多数の負傷者(47 名)が発生。その後,支持者らは強制 解散させられたが,市内各所の主要道路等では支持者らによる反対行為(タイ ヤを焼いたり,バリケードを設置したり等)が夜半まで続いた。 ・21 日,コブラー国連事務総長特別代表は声明を発表し,人権が尊重されるべ き点,憲法で認められている政治集会の自由,平和的示威運動の自由につき強 調した。 2 (3)野党連合「共和国野党」の結成 ・14 日,国民協議(2013 年 9 月 7 日-10 月 5 日)に参加した野党は,同協議参 加野党を再編成し,野党連合・「共和国野党」 (Opposition Republicaine)を結 成。本連合の責任者はケンゴ上院議長が務める(往電第 132 号)。 (4)マルマル CENI 委員長に対する辞職要求 ・17 日,国民協議不参加の野党及び市民社会により構成されるプラットフォー ム(Sauvons le Congo;UNC 及び市民社会団体等が参加)は,次の理由により, マルマル CENI 委員長の即時辞任を要求。①「マ」CENI 委員長は,憲法,共和国 法及び国家公務員法を意図的に侵害しようとしている,②同委員長は,州議会 議員選挙の間接投票を提案し,通常の選挙サイクルを中断してまで,地方選挙 の実施に執着している,③同委員長は,選挙人ファイルの事前監査なしに選挙 を実施しようとしている,④同委員長は,CENI 職員,特に執行事務局長及び同 事務局長補佐を公募することなく人選。これは国家公務員法に抵触する行為, ⑤同委員長は 2006 年の大統領選挙時と同様,カビラ大統領側に従属している人 物。 (5)野党議員の逮捕(即日釈放) ・24 日,「マ」CENI 委員長の辞職を要求し,署名集めを行っていたマルタン・ ファルユ野党(ECIDE;上記プラットフォーム参加)議員が,協力者 7 名ととも に警察当局に逮捕されたが,同議員らは即日釈放。ファユル議員によれば,署 名は現在 3500 名分集められており,今後とも「マ」CENI 委員長辞職実現に向け 活動を継続する。 2.外交 (1)当地 EU 代表部声明 ・10 日,当地 EU 代表部は次の通り声明を発表。①野党責任者らに対する妨害に 懸念を表明。最近の事例は「カ」UNC 党首に関する事案。②自由な政治運動及び 公正・公平な正義を保証するため,表現の自由の行使等,野党の権利が尊重さ れることが重要。 (2) バシール・スーダン大統領に対する逮捕要請 ・26 日,ICC はコンゴ民政府に対し,COMESA 首脳会合出席のためキンシャサ入 りしたバシール・スーダン大統領を即時逮捕し,ICC に送致するよう要請。当地 人権 NGO 等 90 団体もコンゴ民司法当局に対し,「バ」大統領の逮捕を要請(往 電第 165 号)。 ・27 日,これに対しメンデ政府報道官は次の通り発言。①コンゴ民政府は,ICC 設立のローマ規程に加入しているが,自国の締結した国際約束にも拘束される, ②「バ」大統領は COMESA により招待されたのであり,コンゴ民政府は地域機関 (COMESA)に対する義務(同大統領の首脳会合参加)を有する,③また,AU に対 する義務に則り,現職大統領は逮捕しないとのコンゴ民政府の立場は明確,④ 3 コンゴ民政府は非常に難しい立場にあることに理解を求める。 3.東部情勢 (1)MONUSCO 車列への投石 ・3 日,オリエンタル州ブニアにて MONUSCO 部隊の車列がデモ隊による投石を受 けた。その際,MONUSCO 車両 1 台がコントロールを失い,乗車隊員 1 名が頭部に 重傷を負った。また,デモ隊による投石により,一般市民 4 名も負傷した模様。 デモ隊に対しては国家警察(PNC)即応部隊が出動した。 ・3 日,コブラー国連事務総長特別代表は,如何なる理由があるにせよ,一般市 民及び MONUSCO 隊員に対する暴力行為は容認し得ない旨表明。 (2)FDLR 関連 ・5 日,ワフィーMONUSCO 副代表は FDLR に関し,FDLR には武装解除の意志はな く,同勢力による武装解除表明は信用できない旨表明(往電第 99 号)。 (3)米国,コンゴ民合同特別法廷設置につき提案 ・7 日,Stephen Rapp 戦争犯罪・人権犯罪に係る政務担当米国大使は,大湖地 域巡回訪問の一環としてゴマを訪問。同市において声明を発表し,コンゴ民に おける重大犯罪裁判のため,合同特別法廷が設置されることが望まれる旨表明。 同米大使はシエラレオネ特別法廷の元検事。 (4)ボスコ・ウタガンダ元 CNDP 将軍関連 ・10 日,国際刑事裁判所(ICC)は,ボスコ・ウタガンダ2元人民防衛国民会議 (CNDP;ツチ族系反政府武装勢力)将軍に対する検察側証人審問(Audiences de Confirmation Charges contre Bosco Ntaganda)を,2 月 10 日より開始。ICC は被害者として 922 名を認定。ンタガンダ被告の初出廷は 3 月 26 日を予定。 (5)対 ADF-Nalu 軍事作戦 ・14 日,政府は対 ADF-Nalu 軍事作戦による戦闘により ADF-Nalu 側に 230 名の 死者が発生している旨発表(FARDC 側は 22 名の死者)。 (了) 2 2013 年 3 月,逃亡先のルワンダから ICC に送致。 4
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