GE 横河メディカルシステム 次世代の MRI 2 機種を同時発売 PRESS

GE Healthcare
PRESS RELEASE
2008 年 12 月 25 日
GE 横河メディカルシステム
次世代の MRI 2 機種を同時発売
~3T の磁場強度を持つ最上位機種と、高性能と経済性を両立したモデルの後継機種~
GE ヘルスケアグループの日本法人である GE 横河メディカルシステム株式会社(本社:東京都日野市、
社長:熊谷昭彦)はこのほど、当社製 MRI(磁気共鳴断層撮影装置)「Signa(シグナ)」シリーズの最新 2 機
種「Signa HDxt 3.0T(シグナ・エイチディーエックスティー・3.0 テスラ)」と「Signa HDe Second Edition(シグ
ナ・エイチディーイー・セカンドエディション)」を発売します。
Signa HDxt 3.0Tは、現在臨床用としては国内最高の3T(テスラ)の磁場強度を有する当社製MRIの最上
位機種、Signa HDe Second Editionは当社が開発・製造し、2005年12月の発売以来、既に全世界で400台
以上、国内でも100台を越える受注実績を有する「Signa HDe 1.5T(シグナ・エイチディーイー・1.5テスラ)」
の後継機種です。
Signa HDxt 3.0T
Signa HDxt 3.0Tは、業界に先駆けて全身用3T MRIを国内市場に投入した当社が、これまで培ってき
た高磁場MRIのノウハウを結集し、全身領域での高精細画像が得られるように高いハードウェア性能と最
新のアプリケーション・ソフトウェアを高い次元で融合した装置です。従来の3T MRIに比べて、薄いスライス
での撮像能力の向上、ならびに全身各領域での脂肪抑制の効果を一段と強化しています。
Signa HDxt 3.0Tの高度なハードウェア性能のカギとなるのが、18チャンネル超伝導シムコイルと傾斜磁
場コイルを2組搭載した「Twin Gradient(ツイン・グラディエント)」、ならびに1秒間で最大5,400枚と業界
最速を実現した超高速画像再構築(リコンストラクション)機能です。
MRIで全身領域など広い領域を撮像するには安定した静磁場を作りだすことが不可欠ですが、Signa
HDxt 3.0Tではマグネットに独自開発の18チャンネル超伝導シムコイルを採用することで、コンパクトな装
置ながら広範囲にわたる静磁場の精密調整を可能にし、優れた静磁場均一性を実現しています。この均
一性が撮像視野の最大化につながり、臨床的には乳房での安定した脂肪抑 制や体幹部領域の
Diffusion(拡散強調画像)など、全身領域で高画質な撮像を可能にしています。
Twin Gradientは、頭部の機能画像や体幹部領域の高精細撮像に必要な高い傾斜磁場強度とスピー
ド特性を有し、かつ生体へ与える勾配磁場の変化率を小さくするために長さを短くした「Zoom Modeコイ
ル」と、脊髄を始めとする全身を広くカバーすることが可能な「Whole Body Modeコイル」の2組の異なる
性質を持った傾斜磁場コイルを1つのMRIに組み込んだGE独自の技術です。2組のコイルの搭載に伴い、
さまざまな撮像部位に最適な設定が可能となります。
また、従来のMRIでは高分解能で数多くの枚数を撮影すると、撮影後の画像計算に時間がかかるの
が常でしたが、Signa HDxt 3.0Tでは1秒間で最大5,400枚と、業界最速の超高速画像再構成を実現、日
常的に高度なVolume撮像が要求される3Tにおいて検査効率を大幅に向上します。
Signa HDxt 3.0Tは他の3T MRIを圧倒するこれらの高いハードウェア基盤を有することで、次のような搭
載アプリケーションを有効活用でき、3Tの高磁場性能を最大限発揮することが可能となっています。
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ソフトウェアにおいては、Signa HDxt 3.0Tの中核をなすアプリケーションが、国内で初めて、局所的な静
磁場不均一の際にも高精細画像の描出を可能にした「IDEAL(アイデアル)」です。患者がテーブルに乗っ
てMRIの架台の中に入ると、全身に静磁場がかかりますが、複雑な形状を有する頚部や空気を多く含む
胸部、手術後の生体内金属の周囲など、原理的に静磁場が不均一になりやすい部位があります。静磁
場が均一にかかっている状態では、人体の脂肪をムラなく抑制した画像描出(脂肪抑制画像)ができま
すが、静磁場が不均一な箇所ではこの抑制がうまくできず、結果として局所的な画質の低下が発生し
ていました。Signa HDxt 3.0Tは、新開発の「フィールドマップ」技術を搭載することでこれを克服、局所的な
静磁場の不均一が発生した際にも、頭部から脚部までのすべての部位において、高精細画像の描出に
成功しました。
もう一つの核となる新規アプリケーションが、数多くの撮影方法での Volume 撮像を可能にする「Cube
(キューブ)」です。これまで MR を使用した血管撮影(MR アンギオグラフィー)や、解剖学的構造が捉えや
すい T1 強調画像など、Volume 撮像が可能な撮影方法は限られており、骨軟部の評価に有用なプロトン
密度強調画像や、脳脊髄液に接する病変を検出しやすくするフレアー法などでは不可能でした。Signa
HDxt 3.0T は、「モジュレーテッド RF」と呼ばれる特殊 RF パルスを生成する技術を新たに搭載し、プロトン密
度強調画像、フレアー法、ならびに病変の拾い出しに有用性の高い T2 強調画像の 3 つの撮影方法にお
いても Volume の撮像を可能にしました。臨床的には、特に頭部における全ルーチン検査の Volume 撮像
が可能になり、一段と精度の高い診断ができるようになります。
また Signa HDxt 3.0T は、左右の乳房の Volume 画像を一回で撮影し、乳腺腫瘍の鑑別診断に有用性の
高い「Vibrant(バイブラント)」や、高分解能と高コントラストを両立し、腹部の Volume 撮像に有効な「LAVA
(ラバ)」といった既に医療機関から高い評価を得ている Volume アプリケーションを搭載するなど、全身領域
で高精細な Volume 画像の描出を実現しています。
Signa HDe Second Edition
Signa HDe Second Edition は、日本の医療機関のニーズにマッチした Signa HDe 1.5T の高性能と高い
経済性を一段と強化した MRI です。
性能面においては、日本独自開発のハードウェアと最新のアプリケーションでさらなる高画質化と機能
の充実を図っています。
ハード面ではまず、日本で独自開発した最先端の水冷テクノロジー「Gradient Spec Controller(GSC:
グラディエント・スペック・コントローラー)」の採用により、高速イメージング時の最大の課題であった「グラ
ディエントが発生させる熱」を大幅に抑制することに成功。この熱抑制に伴い、ラジオ波(RF)パルスの照
射に必要な間隔(TR:repetition time)を最短で 1.3 ミリ秒まで大幅に短縮、一段と高速の撮像を可能に
しています。また、パッシブシムと 18ch 超伝導シムコイルを組み合わせた HD Magnet を搭載、高い静磁場
均一性よる安定した画質の撮像を実現したほか、全身各部位に最適設計された HD コイルの採用で高
感度な信号取得を実現、高画像化を図っています。
また、当社製 1.5T MR では初めて、RF 信号を高精度デジタル処理する「Digital CERD(デジタルサー
ド)」技術を搭載、従来のアナログ処理で発生していた信号の減衰やノイズの発生を克服し、全領域の高
画質化を実現します。
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ソフト面においては、Vibrant や LAVA、ならびに MRI にとって致命的な体動を補正する「Propeller(プロ
ペラ)など、既に高い臨床評価を獲得している HD アプリケーションに加えて、拡散の 3 次元的な方向性を
画像化する「Diffusion Tensor(拡散テンソル)」や 3 次元的に神経線維の走行を描出する「Tractography
(トラクトグラフィ)」を始め、通常の MRI 画像では得られないスペクトル情報を得ることで、付加価値の高
い情報を提供する「MR Spectroscopy(MR スペクトロスコピー)」、従来の撮像法ではコントラストのつきに
くい変形関節症のような軟骨疾患の画像評価を行う「CartiGram(カルチグラム)」など、臨床現場の声
を受けて新たに機能評価アプリケーションを強化、一段と付加価値の高い診断を実現します。
また、Signa HDe Second Edition は日本の臨床現場の声を取り入れた高い経済性を誇ります。専用の
機械室をなくすレイアウトも可能にしたことで、設置スペースを従来に比べて約 4 割削減し、またシングル
キャビネットにより自由度の高いレイアウトを実現したほか、高性能マグネットや GSC の採用で従来の 1.5T
MRI に比べて消費電力を約 4 割削減しています。さらに、ケーブルを約 4 割少なくし、配線の多くを出荷
前に仕上げることで、取り付け期間を従来の 3~4 週間から 1 週間に短縮、導入コスト低減に貢献します。
Signa HDxt 3.0T と Signa HDe Second Edition はともに、本体とテーブルをワンタッチで脱着可能な「モー
ビル型患者撮像テーブル」を採用し、撮影中に患者の容体が急変した際など緊急時の退避性に優れた設
計としているほか、ワイドスクリーンによる日本語での操作やブロードバンド回線を用いて仮想的に顧客医療
機関を訪問し、装置の操作のアシストを行う TipVA(ティップブイエー)の適用など、格段の利便性向上を
図っています。
当社の MRI の主要ブランドである Signa シリーズは、3T の磁場強度を有するハイエンド機種からオープン
タイプまで多岐にわたる医療機関のニーズに対応する幅広いラインアップをそろえ、1986 年の発売以来、こ
れまでに 1,000 台以上の国内納入実績を誇ります。特に当社が開発・製造し、省スペースと高機能を高い
次元で融合した「Signa HDe」は 2005 年 12 月の発売以来、現在までに国内で 100 台を超える受注実績を
有するほか、現在臨床用としては国内最高の磁場強度となる 3T MRI において国内最多の 60 台の納入実
績を誇るなど、当社は国内の MRI 市場(オープンタイプを除く)においてトップシェアを有しています。
常に最先端の技術で日本の MRI 市場をリードしてきた当社は、今回発売する Signa HDxt 3.0T を大学病
院や地域基幹病院、脳外専門施設を主対象に、Signa HDe Second Edition を大規模総合病院から単科病
院、クリニックまで幅広いお客様に販売することで、MRI 市場におけるトップの地位を確固たるものにすること
を狙います。
新発売 2 製品一覧(発売日はともに 12 月 19 日)
製品名(括弧内は承認名称)
Signa HDxt 3.0T
(シグナ EXCITE 3.0T)
Signa HDe Second Edition
(シグナエコースピード[類型 3 Signa IGNITE])
チャンネル数
希望小売価格
初年度国内
販売目標
医療機器承認番号
20 台
21700BZY00014000
50 台
20900BZY00067000
13 億 3,000 万円
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(構成により異なる)
12 億 8,000 万円
8
(構成により異なる)
5 億 8,000 万円
8
(構成により異なる)
5 億 5,000 万円
4
(構成により異なる)
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GE 横河メディカルシステム株式会社は、CT(全身用コンピューター断層撮影装置)、MR(磁気共鳴断層撮影装
置)、超音波診断装置(US)、骨密度測定装置、X 線撮影装置、核医学診断装置、PET(Positron Emission
Tomography)と CT を組み合わせた PET-CT、患者モニタ、画像ネットワークシステムおよび麻酔器等の販売・サー
ビスを提供する医療用画像診断装置の主力メーカー。米ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア事業部門で
ある GE ヘルスケア(売上高:170 億ドル)の世界三極体制(北米・日本・インターナショナル)の一極を担っていま
す。外資系画像診断装置メーカーとして唯一、国内に CT、MR、US およびプローブの開発・製造拠点を持ち、最先
端の技術や製品を日本から全世界に発信しています。現在、"Early Health"のビジョンを掲げ、発病前の兆候発
見や個々人の遺伝性素因に合わせた予防医療のデザインなど、画像診断技術とバイオ科学の進化と融合を進
めています。特に「悪性腫瘍」、「循環器系疾患」、「ウィメンズヘルスケア」の 3 分野を重点ケアエリアと位置づけ、
複数の製品・技術の多面的なアプローチにより病気の早期発見・早期診断をサポートしています。設立は 1982
年、日本国内に事業所を 53 カ所展開。2008 年 7 月 1 日現在の社員数は 1,697 名、2007 会計年度(2007 年
1 月~12 月)の総売上は約 1,291 億円。
お問い合わせ先
GE 横河メディカルシステム株式会社
広報グループ 松井亜起
Tel: 042-585-9249 Fax: 042-585-9541
Mail: [email protected]
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