11. 英語による情報の支配 情報文化 1 国民国家と言語 国民国家 言語 2 同一言語:国家の支配的な民族語が公用語(国語)となる 同一国籍:国民の存在 同一法 言語的統一が国民国家形成の前提 民族は言語を共有する 文化の根幹をなす 情報伝達の主体をなす 公用語と地域語 公用語(国語) 地域語、少数言語 地域で使用される言語 大言語 3 国内で多言語が使用されている場合、公の場で使用され ることが認められている言語 公用語は国民国家成立のための手段 英語、スペイン語、フランス語 宗主国の言語 国家と公用語 1言語1国家 1言語多国家:大言語を使用 英語(38ヶ国:公用語) スペイン語(20ヶ国:母国語) ドイツ語(ドイツ、スイス、オーストリア 多言語1国家 4 日本、ノルウェー 少数 カナダ、ロシア 広大な国土、移民 Languages of the World The world’s 7,105 known living languages Ethnologue: Languages of the World 5 “Ethnologue” , エスノローグ, 民族語 http://www.ethnologue.com/ 言語の数を特定することは困難 言語と方言の境界が明確でない 通常between 3,000 and 8,000 http://www.ling.gu.se/projekt/sprakfrageladan/english/ sprakfakta/eng-sprak-i-varlden.html first-language speakers http://www.ethnologue.com/statistics/size 6 順 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 Language Chinese [zho] Spanish [spa] English [eng] Hindi [hin] Arabic [ara] Portuguese [por] Bengali [ben] Russian [rus] Japanese [jpn] Javanese [jav] German[deu] Lahnda [lah] Telugu [tel] Marathi [mar] Tamil [tam] French [fra] Vietnamese [vie] Primary C. China Spain United Kingdom India Saudi Arabia Portugal Bangladesh Russian F. Japan Indonesia Germany Pakistan India India India France Viet Nam 国数 人口億 種類 33 1,197 13 31 406 101 335 4 260 59 223 18 11 202 4 193 16 162 3 122 3 84.3 18 83.8 7 82.7 5 2 74 1 71.8 6 68.8 51 68.5 3 67.8 国家の数と言語の数 国 言語 約7000 ( 7105 , 出典:Languages of the World ) 多言語国家が一般形態 平均すると1つの国に約36の言語 7 国連加盟国総数、192カ国 ccTLD : 252 (2008年7月現在,ソビエト含む) http://www.nic.ad.jp/ja/dom/types.html#cctld 7105÷192=36 日本12 http://www.ethnologue.com/map/JP 英語と日本語 English Languages of United Kingdom Japanese Languages of Japan 8 Population55,000,000 in United Kingdom (1984) 508,000,000 including second-language speakers (1999 WA) グローバルな活動では基準となる英語が必要 Population121,050,000 in Japan (1985). Population total all countries: 122,433,899. グローバルな活動では日本語の影響力は少ない 英語使用の増大 1970年代 科学技術文献の英語化 1980年代 英語データベースの実用化 9 英語は情報化に適した言語であった 1990年代 冷戦構造の崩壊 情報技術は英語で行われた、ドイツ語の減少 圧倒的な影響力の拡大 母国語 約 350,000,000人 公用語 約 1,125,664,397人 Google 2007/6/13 あ 184,000,000 (2.37% to “a”) a 7,750,000,000 2008/6/26 あ 140,000,000 (0.7% to “a”) a 19,650,000,000 2011/06/08 あ 285,000,000 a 18,530,000,000 (1.54% to “a”) 2009/06/18 あ 468,000,000 (1.6% to “a”) a 25,270,000,000 2013/06/19 10 殆どのページに a が使用されておりほぼ全ページ数を意味する 2011年とほぼ変化なし。Googleで制限している可能性大。情報が知らないところで統制。 あ 454,000,000 a 25,270,000,000 翻訳言語(世界) 英語 49.3 翻訳図書(世界)1987 津田,2005 フランス語 10.3 ロシア語 10.1 ドイツ語 7.8 4大翻訳言語 イタリア語 3.1 英語のみ増加傾向 スカンジナビア語 2.6 フランス語、ロシア語、ド 古典語 1.8 イツ語は減少傾向 スペイン語 1.4 非西洋言語 アラビア語 0.6 1%未満 日本語 0.4 中国語 0.3 英語の影響力が増大 他 12.2 翻訳言語(日本) 英語77.8% (津田,2005) 世界の平均よりはるかに大 フランス語・ドイツ語の割合は年々小さくなる 翻訳書 (http://shuppan.sunflare.com/news/seminars_1.htm) 新刊48,824 点 51,682 点 56,613点 文学 12 94年 翻訳書4,303点(8.8%) 99年 4,462点(8.6%) 04年 4,943点(8.7%) 68年 合計807点 英米文学394(49%) 仏文学133 独文学63 04年 1,918点 1,523(79%) 93 62 ニュースと英語 国際通信社:第三国間のニュースの交換で事業を行う AP通信(アメリカ) Associated Press ロイター通信社(イギリス)Reuters 世界3位、ロイターのルーツ 国家通信社 13 19世紀からニュース,経済情報を扱う AFP通信(フランス)L’Agence France-Presse 米国内の放送局や新聞社の協同組合 日本:共同通信、中国:新華社、ロシア:タス ニュースを多く出す国の属性 国際通信社を持つ国のニュースが多い 国際メディアが存在する国のニュースが多い アメリカとイギリスに多い,英語の影響力大 CNN・BBC・タイム・ニューズウイーク ニュースにアメリカやイギリスの価値基準が 含まれる 14 アメリカ・イギリス・フランス 記事の選択 記事の内容 英語の言語・ 情報・文化支配の問題点 コミュニケーション活動の不平等 英語圏の文化への画一化が進む 世界文化のアメリカ化 (経済活動を通して) 映画、TV番組の影響 (メディアを通して) 使用制限 15 国際会議、国際組織の公用語は英語が85% 日本人には大きな不平等 フランス 文化特例、英語の使用を制限 インターネットの現状 INTERNET WORLD USERS BY LANGUAGE Internet World Stats http://www.internetworldst ats.com/stats7.htm 16 インターネット上で英語比率の減少 英語のインターネットユーザ比率 中国語の増加 17 2000年 46.9% 2001年 40.2% 2002年 36.5% 2004年 35.2% 2006年 30.6% 2009年 29.1% 2010年 26.8% 2004年 13.7% 2009年 20.1% 2010年 24.2% 英語の独占支配は認められない 将来中国語が1位になると考えられている 母国語が中心 間接的影響の増大 18 検索エンジン Google (Yahoo Japan) 言語別対応を図る 順位付けのアルゴリズム 英語による情報技術の進歩 コンピュータ/インターネット技術 プログラミング言語 ネットワーク 他 調査会社 格付け企業 英語の日本語への影響 英語 均等割付 タブ 横書き 一太郎 2バイト文字 右から左へ 縦書き(新聞) 「。 と .」 Word 日本語 1バイト文字 (8ビット、256文字=28) 左から右へ 横書き EUC/S-JIS/UTF-8 縦線(表) 400字詰原稿用紙 縦書き ←新聞 日本文化の変容/消滅? 「 , と 、」 19 インターネットにおける言語の将来 仮説1: 英語による情報支配 英語による経済活動 メディアによる英語支配の存続 仮説2: インターネットによる地域言語/文化の保全 母国語を中心とした自国化現象 20 グローバル化による画一化とは異なる動き 言語が英語による情報支配の障壁 日本のインターネットは日本語 少数言語および伝統文化の存続を担保する可能性 少数言語の保全が少数民族の文化の多様性を守る 言語は文化の根幹 仮説3:多言語化の進展 21 現実の言語使用状況に近づく 翻訳の高機能化 複数の言語を使い相互理解を深める 参考資料 インターネットにおける言語と文化受容 英語・情報・文化の英語支配 22 上村孝、NTT出版、2005 津田幸男、明石出版、2005 INTERNET USAGE STATISTICS, http://www.internetworldstats.com/stats.ht m 2011/6/16 目次 23 【視点1】情報技術による行動様式の変化 I.情報文化の枠組み II.情報技術 III情報技術から生みだされた新しい行動様式 IV.情報技術が個人の情報行動に与える影響 V. 情報技術から生みだされた新しい社会様式 VI.人間と情報技術の役割 【視点2】社会構造の変化とグローバル化 VII. 情報技術とコミュニティの変化 7回(5/23), 8回(5/30) VIII. グローバル化の概念 9回(6/6) IX. 経済のグローバル化と社会の分断 10回 X. 文化のグローバル化 10回 XI. 英語による情報の支配 11回(6/20),12回 【視点3】情報行動とアイデンティティ(予定) XII. アイデンティティとグローバルコミュニケーション 12回,13回 XIII. 文化コード 14回 XIV. 情報に対する感性 15回
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