板ガラスの断熱・遮熱のしくみ - 旭硝子の Glass Plaza

3-1
板ガラスの断熱・遮熱のしくみ
1熱の移動形態
放 射
対 流
伝 導
熱の移動は、放射、対流、伝導の3つの形態で起
こります。 図 1
●放射
ある温度の物体から発する熱エネルギーが、別
t1
の温度の物体へ放射エネルギーとして到達し、
再び熱エネルギーに変る伝熱を放射といいます。
qr = α(t
r
1−t2)
光・熱・省エネルギー
3-1
4
t1
t 2t 1 t 2
qr
qr
qr
t2
t1
t 2 t 2 t 1t 2 t 1
tq1 c q c
qc
q
t1
t2
q
t2
……(1)
4
αr =
ε12σ
(T1 −T2 )
t1−t2
……(2)
ε12=
1 1/ε1+1/ε2−1
……(3)
伝熱の3形態
図1
ここで、
qr:放射熱移動量(W/m2){kcal/m2h}
αr:放射熱伝達率(W/(m2・K))
{kcal/m2h℃}
t1、t2:表面温度(℃)
T1、T2:表面の絶対温度
(=t1+273℃、=t2+273℃)
(=5.67×10ー8W/m2K4)
{=4.88×10ー8kcal/m2hK4}
●伝導
●熱貫流
異なる温度の隣接する物体間で、物質の移動な
壁(固体)の両側の空気(流体)温度が異なると
しに高温の分子から低温の分子に熱エネルギー
き、熱は高温側から低温側に伝達→伝導→伝達
が伝わる熱移動を伝導といいます。
σ:ステファン・ボルツマン定数
q=
の過程を経て伝熱が行われ、この全過程を総称
して熱貫流といいます。
λ・(t1−t2)
δ
……(7)
ε12:平行2平面間の有効放射率(−)
ε1、ε2:表面の放射率(−)、黒体の場合1
●対流
水、空気等の流体内のある部分が暖められ、膨
張により密度が減少して上昇し、周囲の流体が
これに変って流入することによる伝熱を対流と
いいます。
Q=U・(t1−t2)
U=
ここで、
q:伝導熱移動量(W/m2)
{kcal/m2)h}
1 1/αi+Σδ/λ+1/αo
……(9)
……(10)
ここで、
λ:熱伝導率(W/m・K)
{kcal/mh℃}
t1、t2:表面温度(℃)
{kcal/m2h}
Q:貫流熱移動量(W/m2)
(m)
δ:厚さ
U:熱貫流率(W/(m2・K))
{kcal/m2h℃}
t1、t2:壁面両側の気温(℃) qC=αC・(t1−t2) ……(4)
αC=3.5+0.09Δt
{=3.0+0.08Δt}
……(5)
(自然対流、Δt≦15℃、Nusseltによる)
=5.6+4.0v
{=4.8+3.4v}
(強制対流、v≦5m/s、Jurgesによる)
……(6)
実際の移動としては、これらの3形態が複合して
αi、αO:室内外熱伝達率(W/(m2・K))
{kcal/m2h℃}
起こるため、これらを総合して熱伝達、熱貫流と
=αr+αC)
いう形式に分けて考えるのが一般的です。
λ:熱伝導率(W/m・K)
{kcal/mh℃}
δ:厚さ
(m)
●熱伝達
壁(固体)
とこれに接する空気(流体)
との間の伝
式(8)〜(10)より、室内側、室外側のガラス表
熱は、放射と対流、伝導が同時に起こる複雑な
面温度tgを式(11)、
(12)
のように求めることが
熱移動で、これらの伝熱過程を一括して熱伝達
できます。
と呼び、単位温度(1℃)、単位面積(1m2)ごと
ここで、
に熱伝達により通過する熱量を熱伝達率といい
qC:対流熱移動量(W/m2)
{kcal/m2h}
2
2
αC:対流熱伝達率(W/(m ・K))
{kcal/m h℃}
t1、t2:表面温度もしくは気温(℃)
Δt:表面間もしくは表面と気温の温度差(℃)
v:風速(m/s)
参考文献 (5)式 渡辺要:建築計画原論Ⅱ、P58、1965
(6)式 日本建築学会:建築設計資料集成2、P80、1960
3-1-1
t 1t 2
q
ます。
Q=
(αr+αc)・(t1−t2)
U αi (ti−to)
……(11)
U tgo= to + αo (ti−to)
……(12)
tgi= ti −
……(8)
ここで、
ここで、
{kcal/m2h}
Q:壁と空気間の熱移動量(W/m2)
2
2
2
2
αr:放射熱伝達率(W/(m ・K))
{kcal/m h℃}
ti:室内側気温(℃)
to:室外側気温(℃)
αC:対流熱伝達率(W/(m ・K))
{kcal/m h℃}
tgi:室内側ガラス表面温度(℃)
t1、t2:表面温度もしくは気温(℃)
tgo:室外側ガラス表面温度(℃)
としてはともに放射エネルギーですが、日射は
発熱源である太陽の温度が高いために短波長で
ある 図 2 のに対し、室内で発生する放射は、発
熱源が比較的常温に近いために波長が長くなる
というように、その波長域が異なるために分け
て考えるのが普通です。
直達日射量(W/m2・nm)
2日射と室内発熱
日射と室内で発生する放射は、エネルギー形態
0
200
を含む2000nm以下の放射エネルギー)に対し
れた日射熱が、屋外に排出されることが少なく、
室内温度が上昇する現象をいいます。
3板ガラスの熱移動量
室内温度20℃、外気度0℃の時に、板ガラスを
通して室内から室外へ移動する熱移動量を示し
たのが 表 1 です。
フロート板ガラス単板の場合、ガラス表面熱伝
達率α0、αiにより熱移動Qが決まるので、Q=
2
119W/m と大きな熱移動量となります。複層ガ
ラスの場合には、中空層内の熱伝達率αaが小さ
1000
1400
波長(nm)
可視光
Q1 QQ11
Q1 QQ11
フロート板ガラス3ミリ
Q2 QQ22
Q3 QQ33
室外室外
室外
αoo
αi α
αi i αo α
αi α
αi iαa α
αaaαo α
αoo
複層ガラス
(ペアガラス)
透明フロート3ミリ+中空層12ミリ+
透明フロート3ミリ
2
22
2
22
==6.0(W/
=2.9(W/
6.0(W/
(m
U =UU
6.0(W/
(m(m
・K)
・K)
・K)
) )
) U =2.9(W/
UU=2.9(W/
(m(m
(m
・K)
・K)
・K)
) )
)
0℃
20℃
0℃ 0℃
20℃
20℃
0℃ 0℃
0℃
20℃
20℃
20℃
Q QQ
Q QQ
119119
119 119119
119
室外室外
室外
αo α
αoo
Q=34
Q=34
Q=34
{30}
{30}
{30}
Q2 QQ22
Q3 QQ33
表 1 板ガラスの熱移動量
3-1
Q=58
Q=58
Q=58
{50}
{50}
{50}
Q1 QQ11
室内室内
室内
2600
2200
赤外線
法線面直達日射の波長分布曲線
Q=119
Q=119
Q=119
{103}
{103}
{103}
図2
1800
Q QQ
光・熱・省エネルギー
は、こうしたガラスを透過して室内に取り込ま
600
紫外線
吸収されることによって再び放出されるときに
は、長波長になります。いわゆる、“温室効果”と
ISO 9845-1
500
ては透過性がありますが、通常の暖房等によっ
透過して室内に侵入した日射は、一度壁や床に
地表面日射エネルギー(Air mass 1.5)
1000
らも分かるように、板ガラスは短波長放射(日射
は透過性がありません。短波長としてガラスを
CIE Publication No.85
1500
「3-4 板ガラスの分光光学特性」で示すグラフか
て発生する2000nm以上の長波長放射に対して
大気圏外日射エネルギー
2000
Q QQ
58
58 58
Q QQ
58
58 58
Q3 QQ33
α α
αα α
αα α
α
i
ii a
aa o
oo
高遮熱断熱Low-E複層ガラス
(サンバランス)
Low-E3ミリ+中空層12ミリ+
透明フロート3ミリ
2
22
=1.7(W/
U =1.7(W/
UU=1.7(W/
(m(m
(m
・K)
・K)
・K)
) )
)
0℃ 0℃
0℃
20℃
20℃
20℃
Q QQ
34 34
34
Q QQ
Q QQ
34 34
34
室内室内
室内
αi α
αi i
αi i
αo α
αoo αa α
αaa αi α
αi i
αo α
αoo αa α
αaa αi α
いので、熱移動量は単板よりも少なく、Low-E
複層ガラスでは、Q=34W/m2とさらに少なくな
ります。
4Low-E複層ガラスの断熱性向上のしくみ
表 1 に示すように、Low-E複層ガラスの熱移動
量は、他のガラスに比べて大幅に少なくなりま
す。複層ガラスの中空層における熱移動は、対
流熱伝達率αc=2.1、放射熱伝達率αr=3.7から
熱伝達率W/(m2・K)
αi=8.6
αo=20.4
αi=8.6
αa=5.8
αo=20.4
2.1(対流)
3.7(放射)
αi=8.6
αa=2.4
αo=20.4
2.1(対流)
0.3(放射)
2
熱移動量Q=Q1=Q2=Q(W/m
3
)
Q1=α(t
i
i−tgi)
tgi :室内側ガラス温度(℃)
Q2=α(tg
a
i−tgo)
tgo:室外側ガラス温度(℃)
Q3=α(tg
o
o−to)
ti :室温(℃)
to :外気温(℃)
もわかるように、放射伝熱による熱移動が6割
強を占めています。したがって、この放射伝熱を
低減することができれば、熱移動量を少なくす
ることが可能となります。放射伝熱はガラス表
割程度抑制することができます。 表 1 に示すよ
面に金属コートを施し、表面放射率を小さくす
うに、低放射コートを施した
〈サンバランス高遮
ることによって、低減することができます。この
熱断熱タイプ〉では、中空層での放射熱伝達率
低放射率の金属コートを低放射コート
(Low-E
αr=0.3と小さくなるため、中空層の熱伝達率
コート)、低放射コートを施したガラスを低放射
は、αa=αr+αc=0.3+2.1=2.4と小さく、通常
ガラス
(Low-Eガラス)
といいます。通常の板ガ
の複層ガラスに比べて、大幅に伝熱量Qが低減
ラスの垂直放射率(ε)は、0.89ですが、低放射
されていることがわかります。
ガラスでは0.2以下となっており、放射伝熱を8
3-1-2
5板ガラスの日射熱取得
●日射熱取得率
(日射侵入率)
ガラス面に入射した日射は一部は透過し、一部
日射熱取得率とは、ガラスに入射する日射を1.0
は反射され、残りはガラスに吸収されます。
とした場合の室内に流入する日射取得(直接透
このうちガラスに吸収された日射は、室内側と
過と室内側再放射の和)
の割合を示す数値です。
室外側に配分されて再放熱されます。室内に侵
なお、遮蔽係数(SC値)
と日射熱取得率(η値)
と
入する日射は「日射熱取得」といい、以下の2つ
の関係は、次式のようになります。
の成分に分類されます。
規定された用語です。
●日射熱除去率
日射熱除去率とは、ガラスに入射する日射を1.0
とした場合、室外に除去される熱量(反射と室
η SC= 0.88
①直接ガラスを透過する成分
光・熱・省エネルギー
3-1
入率は「建築環境・省エネルギー機構」の指針
(建築物の省エネルギー基準と計算の手引)で
外側再放熱の和)の割合を示す数値で、1から日
②ガラスからの再放熱による成分
日射熱取得率はJISで規定された用語であり、通
日射熱取得が小さい程、日射熱の遮蔽性能が高
常小数第2位までの数値で表されます。日射侵
射熱取得率を引いた値になります。
いということになります。日射取得の大小は「日
射熱取得率」で定義されます。
フロート板ガラス6ミリ
6板ガラスの遮熱のしくみ
日射
100%
室内外の温度差による熱損失軽減に対する性能
を「断熱性能」というのに対し、日射熱の室内へ
の侵入を抑制する性能を「遮熱性能」といいま
板ガラスの遮熱性能を高める方法を、 図 3 に示
11.3%
7.4%
します。遮熱性能を高めるには、まず日射透過
再放熱
率を小さくし、更には室内への再放熱を小さく
室内
室外
す。
透過率
81.5%
吸収率
反射率
7.2%
日射熱取得率
0.85
(85.4%)
3.9%
することが必要です。
日射の透過率を小さくするには、反射率や吸収
日射透過率を小さくする
・熱線反射ガラス
(サンカットΣ)
・熱線吸収ガラス
(サングリーン)
率を高める方法があります。具体的にはLow-E
複層ガラス、熱線反射ガラス、熱線吸収ガラス
などを使用することで日射透過率を小さくする
ことができます。ただし吸収率を高めた場合は、
吸収された日射は再び室内外に再放熱されるた
め、再放熱量が大きくなるということを意味し
12.1%
8.0%
日射熱取得率
0.69
(68.9%)
4.1%
再放熱
透過率
47.5%
47.3%
31.1% 再放熱
室内
室内側の熱抵抗と室外側の熱抵抗の比により配
反射率
5.2%
吸収率
室内外への再放熱は、日射吸収したガラスより、
日射
100%
透過率
64.8%
室外
室外
す。
サングリーン 6ミリ
室内
側への再放熱の割合を小さくすることも重要で
日射
100%
反射率
23.0%
吸収率
ます。従って遮熱性能を高めるためには、室内
サンカットΣクリア 6ミリ
日射熱取得率
0.64
(63.7%)
16.2%
分されます。室内側の熱抵抗が大きい方が、室
内側に再放熱される割合は小さくなります。よっ
て複層ガラスの場合には、室外側ガラスにより
室内への再放熱を小さくする
・熱線吸収複層ガラス
(サングリーンペア)
・高遮熱断熱Low-E複層ガラス
(サンバランスアクアグリーン)
多く日射を吸収させた方が、中空層の熱抵抗が
あるので室内側への再放熱の割合を小さくする
こととなり、遮熱に対しては有効です。
また、複層ガラスの室外側ガラスをLow-Eガラ
サングリーンペア 熱吸6ミリ+A6+6ミリ
サンバランスアクアグリーン高遮熱断熱タイプ
Low-E6ミリ+A6+6ミリ
スとすることで、日射の透過率は透明ガラスの
半分程度となり、また、室外側Low-Eガラスに
吸収された日射は、Low-E膜の低放射効果によ
な遮熱のしくみによるものです。
40.0%
図3
3-1-3
再放熱
12.4%
板ガラスの遮熱性能を高める方法
25.6%
31.8%
再放熱
透過率
34.6%
室内
サンバランスの遮熱性能が高いのは、このよう
33.6%
吸収率
52.4%
日射熱取得率
0.53
(52.7%)
室外
す。
日射
100%
反射率
透過率
40.3%
室内
室外
れた日射熱は、より多く室外側に再放熱されま
吸収率
り室内側へ放射伝熱が抑制されるので、吸収さ
日射
100%
反射率
7.3%
6.2%
日射熱取得率
0.41
(40.8%)
7板ガラスの熱・光学総合特性
6
使用用途に応じて、適切にガラスを選択するた
めには、個々に求められる熱・光学性能値から
→大
高くするためには、熱貫流率が小さいガラスを、
暖房負荷
冷房負荷を軽減するためには、遮蔽係数が小さ
いガラスを選択することが重要です。
一方、熱貫流率を小さくしながら遮蔽係数を大
小 ←
きくすれば、貫流熱損失を小さくしつつ日射熱
を豊富に取り込むことができるので、さらに暖
房負荷を軽減することが可能となります。同様
5
熱貫流率(W/(m2・K))
総合的に判断する必要があります。断熱性能を
4
3
2
1
ることから、ある程度の遮蔽係数を保ちながら
3-1
0
可視光透過率を大きくすることによって、より快
小←
0.5
日射熱取得率
冷房負荷
1.0
→大
適な室内空間を設計することができます。
図 4 は、各種ガラスの遮蔽係数と熱貫流率の関
係を、 図 5 は各種ガラスの可視光透過率と熱
貫流率の関係を、 図 6 は各種ガラスの可視光
図4
各種ガラスの遮蔽係数と熱貫流率の関係
透過率と遮蔽係数の関係を示したものです。
6
これらの図から、いろいろな特性を持ったガラ
スが品揃えされており、要求性能に合わせて、
→大
2
暖房負荷
●熱貫流率
(W/(m ・K)){kcal/m h℃ }
値が小さいほど断熱性能が高いことを示します。
小 ←
●遮蔽係数
(無単位)
値が小さいほど日射熱の室内への侵入量が少な
いことを示します。
5
熱貫流率(W/(m2・K))
適切なガラスが選択できることがわかります。
2
光・熱・省エネルギー
に、遮蔽係数を小さくしすぎると、室内が暗くな
4
3
2
1
0
●可視光透過率
(無単位)
値が大きいほどよく可視光を透過することを示
低い←
(室内 暗)
0.5
可視光透過率
1.0
→高い
(室内 明)
します。
図5
各種ガラスの可視光透過率と熱貫流率の関係
冷房負荷
日射熱取得率
→大
1.0
表 2 各種ガラスの凡例
品 種
6ミリ+ 6ミリ+
単板 中空層6ミリ+ 中空層12ミリ+
6ミリ
6ミリ
6ミリ
透明ガラス
サンカットΣ
0
サンルックス
低い←
(室内 暗)
サンバランス
高遮熱断熱タイプ
熱線吸収板ガラス
0.5
小 ←
ガラス構成
図6
0.5
可視光透過率
1.0
→高い
(室内 明)
各種ガラスの可視光透過率と遮蔽係数の関係
3-1-4
3-2
板ガラスの熱・光学性能値
本章に関してのご注意
表中の光学的性能値・熱的性能値は、関連
JIS等を弊社の基準に基づいて算出したもの
です。また、表中の値は実測値、およびそれ
に基づく計算値を代表的な数値として示し
たもので、各商品の性能を保証するものでは
ありませんのであらかじめご了承ください。
●表中のガラス品種記号
FL
:透明フロート板ガラス SKFC
FR
:耐熱強化ガラス
(マイボーカ) SHKFC :熱線反射ガラス
(サンカットΣブルー)
W
:網入・線入磨き板ガラス SGEKFC:熱線反射ガラス(サンカットΣユーログレー)
GEFL
:熱線吸収板ガラス(サンユーログレー)
SBRKFC: 熱線反射ガラス(サンカットΣユーロブロンズ)
BRFL
:熱線吸収板ガラス(サンユーロブロンズ)
SMKFC :熱線反射ガラス(サンカットΣグリーン)
SVFL
:熱線吸収板ガラス
(サングリーン)
複層ガラスおよび合わせガラスの品種・構成で
型板ガラス、すり板ガラス、フロストグラス等の
の記号記述は、外側ガラス、内側ガラスの順と
拡散透過性を有するガラスの熱・光学性能につ
なっています。
いては、同厚のフロート板ガラスと同等とお考え
光・熱・省エネルギー
3-2
ください。
表 1 単板ガラス
(透明板ガラス・耐熱強化ガラス・熱線吸収板ガラス)
一般名
品 種(商品名)
呼び厚さ
2
フロート板ガラス
(FL)
透明板ガラス
網入・線入
耐熱強化ガラス
マイボーカ(FR)
サンユーログレー(GEFL)
熱線吸収板ガラス
サンユーロブロンズ
(BRFL)
サングリーン
(SVFL)
3-2-1
:熱線反射ガラス
(サンカットΣクリア)
可視光(%)
反射率 透過率
8.2
90.9
光学的性能
熱的性能
日射(%)
紫外線 遮蔽係数 日射熱取得率 熱貫流率
(U値)
2
{kcal/m2h℃}
反射率 透過率 吸収率 透過率(%)(SC値) (η値) W/(m ・K)
7.8
88.6
3.6
79.0
1.02
0.90
6.0 5.2
3
8.1
90.4
7.7
86.7
5.7
74.3
1.01
0.89
6.0 5.1
4
8.1
89.9
7.5
84.5
8.0
70.0
0.99
0.87
5.9 5.1
5
8.0
89.5
7.4
82.9
9.7
66.4
0.98
0.86
5.9 5.1
6
7.9
89.4
7.2
81.5
11.3
64.2
0.97
0.85
5.9 5.0
8
7.8
89.0
6.9
79.1
14.0
62.1
0.95
0.84
5.8 5.0
10
7.7
88.3
6.7
76.2
17.0
58.7
0.93
0.82
5.7 4.9
12
7.5
87.1
6.4
72.0
21.6
54.3
0.90
0.79
5.7 4.9
15
7.4
86.2
6.3
69.1
24.6
51.2
0.88
0.78
5.6 4.8
19
6.9
84.9
5.7
64.7
29.6
47.2
0.85
0.75
5.4 4.7
8.3
82.1
7.5
73.2
19.3
54.3
0.91
0.80
5.8 5.0
10
7.8
80.2
6.6
66.1
27.3
48.2
0.86
0.75
5.7 4.9
5
8.0
89.5
7.4
82.9
9.7
66.4
0.98
0.86
5.9 5.1
6.5
7.9
89.1
7.1
80.1
12.8
62.1
0.96
0.85
5.8 5.0
8
7.8
89.0
6.9
79.1
14.0
62.1
0.95
0.84
5.8 5.0
10
7.7
88.3
6.7
76.2
17.0
58.7
0.93
0.82
5.7 4.9
12
7.5
87.1
6.4
72.0
21.6
54.3
0.90
0.79
5.7 4.9
5
5.7
49.8
5.6
51.6
42.8
23.6
0.75
0.66
5.9 5.1
6
5.4
43.9
5.4
45.8
48.8
19.4
0.71
0.63
5.9 5.0
8
5.1
33.8
5.0
36.1
58.9
13.2
0.64
0.56
5.8 5.0
12
4.7
20.4
4.6
22.8
72.6
6.6
0.54
0.48
5.7 4.9
5
5.5
55.5
5.4
54.8
39.8
23.1
0.78
0.68
5.9 5.1
6
5.2
49.9
5.1
49.3
45.6
18.7
0.74
0.65
5.9 5.0
8
4.8
40.2
4.8
39.7
55.5
12.5
0.67
0.59
5.8 5.0
5
6.9
78.0
5.4
52.5
42.2
27.8
0.76
0.67
5.9 5.1
6
6.7
75.3
5.2
47.5
47.3
23.7
0.72
0.64
5.9 5.0
8
6.4
70.2
4.9
39.3
55.7
17.4
0.66
0.58
5.8 5.0
6.8
表 2 単板ガラス
(高遮蔽性能熱線反射ガラス)
一般名
品 種(商品名)
サンルックスSS8
高遮蔽性能熱線
反射ガラス
サンルックスSGY32
サンルックスTS30
サンルックスTSL30
呼び厚さ
可視光(%)
反射率 透過率
光学的性能
熱的性能
日射(%)
(U値)
紫外線 遮蔽係数 日射熱取得率 熱貫流率
2
{kcal/m2h℃}
反射率 透過率 吸収率 透過率(%)(SC値) (η値) W/(m ・K)
6
41.0
8.1
33.9
7.3
58.8
5.6
0.26
0.23
4.7 4.0
8
40.6
8.1
32.2
7.1
60.7
5.5
0.26
0.23
4.6 4.0
6
12.1
34.1
10.8
30.2
59.0
26.6
0.55
0.49
5.4 4.7
8
12.0
34.0
10.4
29.3
60.3
25.8
0.55
0.48
5.4 4.6
6
16.0
30.9
15.4
24.1
60.5
16.6
0.49
0.43
5.3 4.6
8
15.9
30.7
14.7
23.5
61.8
16.1
0.48
0.43
5.3 4.5
6
30.4
30.9
22.8
24.1
53.1
16.6
0.46
0.40
5.3 4.5
8
30.1
30.7
21.9
23.5
54.7
16.1
0.46
0.40
5.2 4.5
表 3 単板ガラス
(熱線反射ガラス)
一般名
品 種(商品名)
呼び厚さ
6
サンカットΣクリア
(SKFC)
熱線反射ガラス
サンカットΣユーログレー
(SGEKFC)
サンカットΣユーロブロンズ
(SBRKFC)
サンカットΣグリーン
(SMKFC)
可視光(%)
反射率 透過率
62.8
33.5
光学的性能
熱的性能
日射(%)
紫外線 遮蔽係数 日射熱取得率 熱貫流率
(U値)
2
{kcal/m2h℃}
反射率 透過率 吸収率 透過率(%)(SC値) (η値) W/(m ・K)
23.0
64.8
12.1
44.2
0.78
0.69
5.8 5.0
8
33.2
62.5
22.2
62.7
15.1
42.8
0.77
0.68
5.8 5.0
10
32.7
61.9
21.2
60.2
18.5
40.6
0.76
0.67
5.7 4.9
12
31.9
61.1
19.8
56.6
23.6
37.6
0.73
0.65
5.6 4.8
15
31.2
60.3
19.0
54.1
26.9
35.5
0.72
0.63
5.5 4.8
19
30.1
59.3
17.5
50.2
32.3
32.7
0.70
0.61
5.4 4.7
6
11.1
31.9
9.5
37.4
53.1
11.4
0.63
0.56
5.8 5.0
8
8.5
24.5
7.5
29.5
63.0
7.8
0.58
0.51
5.8 5.0
6
12.8
35.1
10.3
39.4
50.4
11.5
0.64
0.57
5.8 5.0
8
9.8
28.3
8.1
31.7
60.2
7.7
0.59
0.52
5.8 5.0
6
24.7
53.3
12.9
36.4
50.7
14.5
0.61
0.54
5.8 5.0
8
22.0
49.6
11.1
29.7
59.2
10.6
0.57
0.50
5.8 5.0
光・熱・省エネルギー
3-2
3-2-2
表 4 複層ガラス
(ペアガラス)
一般名
光・熱・省エネルギー
3-2
透明複層ガラス
品 種(商品名)
FL3+A6+FL3
FL3+A12+FL3
FL4+A6+FL4
FL4+A12+FL4
FL5+A6+FL5
FL5+A12+FL5
FL6+A6+FL6
FL6+A12+FL6
FL8+A6+FL8
FL8+A12+FL8
FL10+A6+FL10
FL10+A12+FL10
FL12+A6+F12
FL12+A12+F12
FL3+A6+FR5
FL3+A12+FR5
FL4+A6+FR5
FL4+A12+FR5
FL3+A6+6.8W
FL3+A12+6.8W
FL4+A6+6.8W
FL4+A12+6.8W
FL5+A6+6.8W
FL5+A12+6.8W
FL6+A6+6.8W
FL6+A12+6.8W
FL8+A6+6.8W
FL8+A12+6.8W
FL8+A6+10W
FL8+A12+10W
FL10+A6+10W
FL10+A12+10W
FL12+A6+10W
FL12+A12+10W
呼び厚さ
(ミリ)
12
18
14
20
16
22
18
24
22
28
26
32
30
36
14
20
15
21
15.8
21.8
16.8
22.8
17.8
23.8
18.8
24.8
20.8
26.8
24
30
26
32
28
34
可視光(%)
反射率 透過率
14.8
82.2
14.6
81.4
14.5
80.6
14.2
80.5
14.1
79.6
13.8
78.4
13.3
76.4
14.7
81.4
14.6
81.0
15.0
74.7
14.8
74.3
14.7
74.0
14.6
73.9
14.5
73.5
14.0
71.8
13.8
71.3
13.5
70.4
光学的性能
熱的性能
日射(%)
(U値)
紫外線 遮蔽係数 日射熱取得率 熱貫流率
2
{kcal/m2h℃}
反射率 透過率 吸収率 透過率(%)(SC値) (η値) W/(m ・K)
0.91
0.80
3.4 2.9
13.5
75.7
10.8
59.8
0.91
0.80
2.9 2.5
0.88
0.78
3.3 2.9
12.9
72.2
14.9
54.9
0.89
0.78
2.9 2.5
0.87
0.76
3.3 2.8
12.6
69.6
17.9
50.9
0.87
0.76
2.9 2.5
0.85
0.75
3.3 2.8
12.1
67.4
20.6
48.6
0.85
0.75
2.9 2.5
0.83
0.73
3.2 2.8
11.5
63.7
24.9
46.3
0.83
0.73
2.8 2.4
0.80
0.70
3.2 2.8
10.8
59.5
29.6
42.7
0.80
0.70
2.8 2.4
0.76
0.67
3.2 2.7
10.0
53.7
36.3
38.2
0.76
0.67
2.8 2.4
0.89
0.79
3.3 2.9
13.3
72.6
14.2
54.8
0.90
0.79
2.9 2.5
0.88
0.77
3.3 2.9
12.8
70.9
16.3
52.8
0.88
0.77
2.9 2.5
0.86
0.75
3.3 2.9
13.4
64.2
22.5
45.7
0.86
0.76
2.9 2.5
0.84
0.74
3.3 2.8
12.9
62.7
24.3
44.3
0.85
0.75
2.9 2.5
0.83
0.73
3.3 2.8
12.7
61.6
25.7
43.0
0.84
0.74
2.9 2.5
0.82
0.72
3.3 2.8
12.3
60.6
27.1
42.1
0.83
0.73
2.9 2.5
0.80
0.71
3.3 2.8
11.8
59.0
29.2
41.2
0.81
0.71
2.8 2.4
0.78
0.69
3.2 2.8
11.3
53.6
35.1
37.5
0.79
0.70
2.8 2.4
0.77
0.67
3.2 2.8
10.8
51.9
37.3
36.2
0.77
0.68
2.8 2.4
0.74
0.65
3.2 2.7
10.1
49.3
40.5
34.4
0.74
0.65
2.8 2.4
注)本表のA6、A12は中空層の呼び厚さ6ミリ、12ミリを示します。
表 5 複層ガラス
(熱線吸収ペアガラス)
一般名
品 種(商品名)
サンユーログレーペア
サンユーロブロンズペア
熱線吸収
複層ガラス
サングリーンペア
GEFL5+A6+FL5
GEFL5+A12+FL5
GEFL6+A6+FL6
GEFL6+A12+FL6
GEFL8+A6+FL8
GEFL8+A12+FL8
GEFL12+A6+FL12
GEFL12+A12+FL12
BRFL5+A6+FL5
BRFL5+A12+FL5
BRFL6+A6+FL6
BRFL6+A12+FL6
BRFL8+A6+FL8
BRFL8+A12+FL8
SVFL5+A6+FL5
SVFL5+A12+FL5
SVFL6+A6+FL6
SVFL6+A12+FL6
SVFL8+A6+FL8
SVFL8+A12+FL8
呼び厚さ
(ミリ)
16
22
18
24
22
28
30
36
16
22
18
24
22
28
16
22
18
24
22
28
注)本表のA6、A12は中空層の呼び厚さ6ミリ、12ミリを示します。
3-2-3
可視光(%)
反射率 透過率
7.7
44.8
7.0
39.4
6.0
30.2
5.0
17.8
7.9
49.8
7.2
44.8
6.1
35.9
11.8
70.2
11.2
67.7
10.3
62.8
光学的性能
熱的性能
日射(%)
(U値)
紫外線 遮蔽係数 日射熱取得率 熱貫流率
2
{kcal/m2h℃}
反射率 透過率 吸収率 透過率(%)(SC値) (η値) W/(m ・K)
0.63
0.55
3.3 2.8
7.7
43.2
49.2
19.7
0.62
0.54
2.9 2.5
0.58
0.51
3.3 2.8
6.9
37.7
55.3
16.1
0.57
0.50
2.9 2.5
0.50
0.44
3.2 2.8
6.0
28.8
65.2
10.9
0.49
0.43
2.8 2.4
0.39
0.35
3.2 2.7
5.0
16.6
78.4
5.1
0.38
0.33
2.8 2.4
0.65
0.58
3.3 2.8
7.6
45.9
46.5
19.2
0.65
0.57
2.9 2.5
0.61
0.54
3.3 2.8
6.9
40.6
52.5
15.5
0.60
0.53
2.9 2.5
0.53
0.47
3.2 2.8
5.9
31.8
62.3
10.3
0.52
0.46
2.8 2.4
0.64
0.56
3.3 2.8
7.8
44.9
47.3
23.2
0.63
0.55
2.9 2.5
0.60
0.53
3.3 2.8
7.3
40.3
52.4
19.7
0.59
0.52
2.9 2.5
0.53
0.47
3.2 2.8
6.5
33.1
60.4
14.3
0.52
0.46
2.8 2.4
表 6 複層ガラス
(高遮蔽性能熱線反射ペアガラス<サンルックスペア>)
一般名
品 種(商品名)
中空層
(ミリ)
高遮蔽性能
熱線反射
複層ガラス
サンルックスペア
SS8
ペアガラス
SGY32
ペアガラス
TS30
ペアガラス
TSL30
ペアガラス
ガラス
構成
6
40.7
12
6
12
6
可視光(%)
反射率 透過率
8ミリ+A
+8ミリ
12
6
13.0
16.7
30.9
12
7.5
30.8
27.9
27.7
光学的性能
熱的性能
日射(%)
(U値)
紫外線 遮蔽係数 日射熱取得率 熱貫流率
2
{kcal/m2h℃}
反射率 透過率 吸収率 透過率(%)(SC値) (η値) W/(m ・K)
32.3
11.0
15.1
22.3
5.9
24.0
19.4
19.3
61.9
65.0
65.4
58.4
4.2
19.4
12.6
12.3
0.20
0.18
2.9 2.5
0.18
0.16
2.3 2.0
0.44
0.38
3.1 2.7
0.42
0.37
2.7 2.3
0.38
0.34
3.1 2.7
0.36
0.32
2.6 2.3
0.36
0.32
3.1 2.7
0.35
0.31
2.6 2.2
表 7 複層ガラス
(熱線反射ペアガラス<サンカットΣシリーズペア>)
一般名
呼び厚さ
(ミリ)
サンカットΣユーログレーペア サンカットΣユーロブロンズペア サンカットΣグリーンペア
サンカットΣユーログレーペア
SKFC6+A6+FL6
18
SKFC6+A12+FL6
24
SKFC8+A6+FL8
22
SKFC8+A12+FL8
28
SKFC10+A6+FL10
26
SKFC10+A12+FL10
32
SKFC12+A6+FL12
30
SKFC12+A12+FL12
36
SGEKFC6+A6+FL6
18
SGEKFC6+A12+FL6
24
SGEKFC8+A6+FL8
22
SGEKFC8+A12+FL8
28
SBRKFC6+A6+FL6
18
SBRKFC6+A12+FL6
24
SBRKFC8+A6+FL8
22
SBRKFC8+A12+FL8
28
SMKFC6+A6+FL6
18
SMKFC6+A12+FL6
24
SMKFC8+A6+FL8
22
SMKFC8+A12+FL8
28
サンカットΣクリアペア
熱線反射
複層ガラス
品 種(商品名)
可視光(%)
反射率 透過率
36.7
57.8
36.4
57.1
35.8
34.8
12.0
8.9
13.9
10.4
27.0
24.0
56.2
54.6
29.2
22.4
32.2
25.8
49.0
45.3
光学的性能
熱的性能
日射(%)
(U値)
紫外線 遮蔽係数 日射熱取得率 熱貫流率
2
{kcal/m2h℃}
反射率 透過率 吸収率 透過率(%)(SC値) (η値) W/(m ・K)
0.69
0.61
3.3 2.8
26.1
53.9
19.9
34.4
0.69
0.61
2.9 2.5
25.0
23.7
22.0
10.5
8.2
11.4
8.8
14.1
12.0
50.7
47.1
42.1
31.0
23.6
32.6
25.5
31.2
25.2
24.3
29.1
35.9
58.5
68.2
55.9
65.7
54.7
62.8
32.8
30.3
27.0
9.8
6.7
9.8
6.5
12.4
9.0
0.67
0.59
3.2 2.8
0.67
0.59
2.8 2.4
0.65
0.57
3.2 2.8
0.65
0.57
2.8 2.4
0.62
0.54
3.2 2.7
0.62
0.54
2.8 2.4
0.51
0.45
3.3 2.8
0.50
0.44
2.9 2.5
0.45
0.39
3.2 2.8
0.43
0.38
2.8 2.4
0.52
0.46
3.3 2.8
0.51
0.45
2.9 2.5
0.46
0.41
3.2 2.8
0.45
0.40
2.8 2.4
0.50
0.44
3.3 2.8
0.49
0.43
2.9 2.5
0.45
0.39
3.2 2.8
0.43
0.38
2.8 2.4
光・熱・省エネルギー
3-2
注)本表のA6、A12は中空層の呼び厚さ6ミリ、12ミリを示します。
3-2-4
表 8 高遮熱断熱Low-Eペアガラス
(サンバランス<ビル用>)
一般名
高遮熱断熱
Low-E
複層ガラス
(遮熱低放射
複層ガラス)
サンバランストリプルクール サンバランスアクアグリーン サンバランスプレミアムクール サンバランスピュアクリア
光・熱・省エネルギー
3-2
品 種(商品名)
呼び厚さ
(ミリ)
18
⑥ミリ+A12+FL6
24
⑧ミリ+A6+FL8
22
⑧ミリ+A12+FL8
28
⑩ミリ+A6+FL10
26
⑩ミリ+A12+FL10
32
⑫ミリ+A6+FL12
30
⑫ミリ+A12+FL12
36
⑥ミリ+A6+FL6
18
⑥ミリ+A12+FL6
24
⑧ミリ+A6+FL8
22
⑧ミリ+A12+FL8
28
⑩ミリ+A6+FL10
26
⑩ミリ+A12+FL10
32
⑫ミリ+A6+FL12
30
⑫ミリ+A12+FL12
36
⑥ミリ+A6+FL6
18
⑥ミリ+A12+FL6
24
⑧ミリ+A6+FL8
22
⑧ミリ+A12+FL8
28
⑩ミリ+A6+FL10
26
⑩ミリ+A12+FL10
32
⑫ミリ+A6+FL12
30
⑫ミリ+A12+FL12
36
⑥ミリ+A6+FL6
18
⑥ミリ+A12+FL6
24
⑧ミリ+A6+FL8
22
⑧ミリ+A12+FL8
28
⑩ミリ+A6+FL10
26
⑩ミリ+A12+FL10
32
⑫ミリ+A6+FL12
30
⑫ミリ+A12+FL12
36
⑥ミリ+A6+FL6
18
⑥ミリ+A12+FL6
24
⑧ミリ+A6+FL8
22
⑧ミリ+A12+FL8
28
⑩ミリ+A6+FL10
26
⑩ミリ+A12+FL10
32
⑫ミリ+A6+FL12
30
⑫ミリ+A12+FL12
36
サンバランスシルバー
⑥ミリ+A6+FL6
可視光(%)
反射率 透過率
17.8
49.6
17.6
49.1
17.4
16.9
15.0
14.9
14.6
14.2
18.8
18.6
18.3
17.9
13.0
12.9
12.7
12.3
18.7
18.5
18.2
17.7
48.3
47.1
69.0
68.2
67.2
65.4
58.6
58.0
57.1
55.6
77.0
76.1
74.9
73.0
70.4
69.6
68.5
66.7
光学的性能
熱的性能
日射(%)
(U値)
紫外線 遮蔽係数 日射熱取得率 熱貫流率
2
{kcal/m2h℃}
反射率 透過率 吸収率 透過率(%)(SC値) (η値) W/(m ・K)
0.31
0.28
2.5 2.1
36.0
20.4
43.6
7.3
0.29
0.26
1.6 1.4
33.4
30.6
26.8
33.6
31.0
28.3
24.6
37.4
34.6
31.7
27.7
25.0
23.2
21.3
18.8
23.5
22.1
20.6
18.6
20.0
19.4
18.6
34.6
33.5
32.3
30.4
26.2
25.5
24.6
23.4
49.0
46.9
44.4
40.8
48.1
45.8
43.1
39.4
46.6
49.9
54.6
31.8
35.4
39.4
45.1
36.4
39.9
43.7
49.0
26.0
29.9
34.3
40.4
28.4
32.1
36.2
42.1
7.1
6.6
6.1
15.8
15.2
14.2
12.9
11.3
10.9
10.2
9.3
25.4
24.5
22.9
20.9
27.3
26.2
24.3
22.0
0.32
0.28
2.4 2.1
0.29
0.26
1.6 1.4
0.32
0.28
2.4 2.1
0.29
0.26
1.6 1.4
0.32
0.28
2.4 2.1
0.29
0.25
1.6 1.4
0.46
0.41
2.5 2.1
0.45
0.40
1.6 1.4
0.46
0.41
2.4 2.1
0.45
0.39
1.6 1.4
0.46
0.40
2.4 2.1
0.44
0.39
1.6 1.4
0.45
0.40
2.4 2.1
0.43
0.38
1.6 1.4
0.37
0.33
2.5 2.1
0.35
0.31
1.6 1.4
0.37
0.33
2.4 2.1
0.35
0.31
1.6 1.4
0.37
0.33
2.4 2.1
0.35
0.31
1.6 1.4
0.37
0.32
2.4 2.1
0.34
0.30
1.6 1.4
0.63
0.56
2.5 2.1
0.63
0.55
1.7 1.4
0.62
0.55
2.5 2.1
0.62
0.54
1.6 1.4
0.61
0.53
2.4 2.1
0.60
0.53
1.6 1.4
0.59
0.52
2.4 2.1
0.58
0.51
1.6 1.4
0.63
0.56
2.6 2.2
0.62
0.55
1.8 1.5
0.62
0.54
2.5 2.2
0.61
0.54
1.8 1.5
0.60
0.53
2.5 2.2
0.59
0.52
1.8 1.5
0.58
0.51
2.5 2.1
0.57
0.50
1.8 1.5
注)品種構成の○印はこのガラスがLow-Eガラスであることを示します。
表 9 高遮熱断熱Low-Eペアガラス
(サンバランス<住宅用>)
一般名
(遮熱低放射
複層ガラス)
サンバランストリプルガラス
高遮熱断熱
Low-E
複層ガラス
品 種(商品名)
③ミリ+Ar11+FL3+Ar11+③ミリ
呼び厚さ
(ミリ)
31
可視光(%)
反射率 透過率
16.9
注)本表のAr11は中空層がアルゴンガス層で呼び厚さ11ミリを示します。
3-2-5
68.7
光学的性能
熱的性能
日射(%)
紫外線 遮蔽係数 日射熱取得率 熱貫流率
(U値)
2
{kcal/m2h℃}
反射率 透過率 吸収率 透過率(%)(SC値) (η値) W/(m ・K)
33.9
40.9
25.2
14.8
0.55
0.49
0.8 0.7
表 10 高遮熱断熱Low-Eペアガラス
(サンバランス)、高断熱Low-Eペアガラス
(サンバランス)
一般名
呼び厚さ
(ミリ)
品 種(商品名)
22
22
22
18
20
22
22
22
22
18
20
22
18
20
22
光学的性能
日射(%)
反射率 透過率
39.5
36.9
37.1
35.9
35.4
35.1
39.5
36.9
37.1
35.9
35.4
35.1
29.6
54.0
27.9
51.8
26.7
50.3
29.6
54.0
27.9
51.8
26.7
50.3
26.4
53.4
25.1
51.1
24.1
49.5
熱的性能
(U値)
紫外線 遮蔽係数 日射熱取得率 熱貫流率
2
{kcal/m2h℃}
吸収率 透過率(%)(SC値) (η値) W/(m ・K)
23.6
18.5
0.45
0.40
1.1 1.0
27.0
17.4
0.45
0.39
1.2 1.0
29.5
16.4
0.45
0.39
1.3 1.1
23.6
18.5
0.46
0.40
1.6 1.4
27.0
17.4
0.45
0.40
1.6 1.4
29.5
16.4
0.45
0.40
1.6 1.4
16.4
29.6
0.71
0.62
1.2 1.0
20.2
27.8
0.69
0.61
1.2 1.0
23.0
26.3
0.68
0.60
1.3 1.1
16.4
29.6
0.70
0.62
1.7 1.4
20.2
27.8
0.69
0.61
1.7 1.4
23.0
26.3
0.68
0.60
1.7 1.4
20.2
32.4
0.73
0.64
1.8 1.6
23.8
30.2
0.72
0.63
1.8 1.6
26.4
28.4
0.71
0.62
1.8 1.6
注1)品種構成の○印はこのガラスがLow-Eガラスであることを示します。 注2)
Ar12、
Ar14、
Ar16は中空層がアルゴンガス層で呼び厚さ12ミリ、14ミリ、16ミリを示します。
表 11 高遮熱断熱Low-E合わせペアガラス
(合わせサンバランス)
一般名
高遮熱断熱Low-E
合わせ複層グラス
(遮熱低放射複層
ガラス)
高断熱
Low-E
合わせ
複層グラス
(低放射
複層ガラス)
品 種(商品名)
サンバラ
ンスアク
アグリー
ン
サンバラ
ンスピュ
アクリア
サンバラ
ンスシル
バー
③ミリ+A8+(FL3+PVB45mil+FL3)
③ミリ+A9+(FL3+PVB30mil+FL3)
③ミリ+A11+(FL3+PVB45mil+FL3)
③ミリ+A12+(FL3+PVB30mil+FL3)
(FL3+PVB45mil+FL3)+A8+③ミリ
(FL3+PVB30mil+FL3)+A9+③ミリ
(FL3+PVB45mil+FL3)+A11+③ミリ
(FL3+PVB30mil+FL3)+A12+③ミリ
(FL3+PVB45mil+FL3)+A8+③ミリ
(FL3+PVB30mil+FL3)+A9+③ミリ
(FL3+PVB45mil+FL3)+A11+③ミリ
(FL3+PVB30mil+FL3)+A12+③ミリ
注)品種構成の○印はこのガラスがLow-Eガラスであることを示します。
可視光(%)
反射率 透過率
69.7
15.4
15.4
69.7
15.4
69.7
69.7
15.4
77.8
12.4
77.8
12.4
12.4
77.8
12.4
77.8
16.1
71.2
16.1
71.2
71.2
16.1
16.1
71.2
光学的性能
日射(%)
反射率 透過率
39.5
34.8
39.5
34.8
39.5
34.8
39.5
34.8
22.3
49.8
23.2
49.8
22.3
49.8
23.2
49.8
20.5
48.9
21.2
49.1
20.5
48.9
21.2
49.1
熱的性能
3-2
光・熱・省エネルギー
③ミリ+Ar16+FL3
高性能
アクア
④ミリ+Ar14+FL4
タイプ
グリーンE
遮熱タイプ Eシリーズ
⑤ミリ+Ar12+FL5
③ミリ+A12+FL3
サンバランス
標準
アクア
④ミリ+A12+FL4
タイプ
グリーン
⑤ミリ+A12+FL5
FL3+Ar16+③ミリ
高性能
ピュア
FL4+Ar14+④ミリ
タイプ
クリアE
Eシリーズ
FL5+Ar12+⑤ミリ
FL3+A12+③ミリ
断熱タイプ
ピュア
FL4+A12+④ミリ
クリア
サンバランス
FL5+A12+⑤ミリ
標準
タイプ
FL3+A12+③ミリ
シルバー FL4+A12+④ミリ
FL5+A12+⑤ミリ
可視光(%)
反射率 透過率
15.5
70.5
15.3
69.8
15.2
69.1
70.5
15.5
69.8
15.3
15.2
69.1
12.6
78.7
77.9
12.5
77.1
12.4
12.6
78.7
12.5
77.9
77.1
12.4
72.0
16.3
71.3
16.2
16.0
70.5
(U値)
紫外線 遮蔽係数 日射熱取得率 熱貫流率
2
{kcal/m2h℃}
吸収率 透過率(%)(SC値) (η値) W/(m ・K)
25.7
0.0
0.46
0.40
2.1 1.8
25.7
0.0
0.46
0.40
2.0 1.7
25.7
0.0
0.45
0.40
1.7 1.5
25.7
0.0
0.45
0.40
1.6 1.4
27.9
0.0
0.66
0.58
2.1 1.8
26.9
0.0
0.66
0.58
2.0 1.7
27.9
0.0
0.66
0.58
1.7 1.5
26.9
0.0
0.66
0.58
1.7 1.4
30.6
0.0
0.68
0.60
2.2 1.9
29.7
0.0
0.68
0.60
2.1 1.8
30.6
0.0
0.68
0.60
1.9 1.6
29.7
0.0
0.68
0.60
1.8 1.5
紫外線透過率の表示が0.0%でも、四捨五入の関係上、微少量透過する場合があります。
表 12 遮熱低放射複層ガラス・低放射複層ガラス
(ペヤプラス、ペヤプラス・エア)
一般名
アクアグリーン
遮熱低放射
複層ガラス
品 種(商品名)
ペヤプラス
ペヤプラス・エア
ピュアクリア
ペヤプラス
ペヤプラス・エア
低放射
複層ガラス
シルバー
ペヤプラス
ペヤプラス・エア
③ミリ+Ar4+FL3
③ミリ+Ar6+FL3
③ミリ+Ar5+F4K
④ミリ+Ar4+FL4
③ミリ+A4+FL3
③ミリ+A6+FL3
③ミリ+A5+F4K
④ミリ+A4+FL4
FL3+Ar4+③ミリ
FL3+Ar6+③ミリ
F4K+Ar5+③ミリ
FL4+Ar4+④ミリ
FL3+A4+③ミリ
FL3+A6+③ミリ
F4K+A5+③ミリ
FL4+A4+④ミリ
FL3+Ar4+③ミリ
FL3+Ar6+③ミリ
F4K+Ar5+③ミリ
FL4+Ar4+④ミリ
FL3+A4+③ミリ
FL3+A6+③ミリ
F4K+A5+③ミリ
FL4+A4+④ミリ
注1)品種構成の○印はこのガラスがLow-Eガラスであることを示します。
可視光(%)
反射率 透過率
70.5
15.5
15.5
70.5
15.4
70.2
15.3
69.8
70.5
15.5
70.5
15.5
15.4
70.2
69.8
15.3
12.6
78.7
78.7
12.6
78.3
12.5
12.5
77.9
12.6
78.7
12.6
78.7
78.3
12.5
12.5
77.9
72.0
16.3
16.3
72.0
16.2
71.6
71.3
16.2
72.0
16.3
16.3
72.0
16.2
71.6
16.2
71.3
光学的性能
日射(%)
反射率 透過率
39.5
36.9
39.5
36.9
39.5
36.4
37.1
35.9
39.5
36.9
39.5
36.9
39.5
36.4
37.1
35.9
29.6
54.0
29.6
54.0
28.0
52.9
27.9
51.8
29.6
54.0
29.6
54.0
28.0
52.9
27.9
51.8
26.4
53.4
26.4
53.4
25.1
52.2
25.1
51.1
26.4
53.4
26.4
53.4
25.1
52.2
25.1
51.1
熱的性能
(U値)
紫外線 遮蔽係数 日射熱取得率 熱貫流率
2
{kcal/m2h℃}
吸収率 透過率(%)(SC値) (η値) W/(m ・K)
23.6
18.5
0.47
0.41
2.6 2.2
23.6
18.5
0.46
0.41
2.1 1.8
24.1
17.9
0.46
0.41
2.3 2.0
27.0
17.4
0.47
0.41
2.6 2.2
23.6
18.5
0.48
0.42
3.1 2.6
23.6
18.5
0.47
0.41
2.5 2.2
24.1
17.9
0.47
0.41
2.7 2.4
27.0
17.4
0.47
0.42
3.1 2.6
16.4
29.6
0.70
0.61
2.6 2.2
16.4
29.6
0.70
0.62
2.1 1.8
19.2
28.7
0.69
0.61
2.3 2.0
20.2
27.8
0.68
0.60
2.6 2.2
16.4
29.6
0.69
0.61
3.1 2.7
16.4
29.6
0.70
0.61
2.5 2.2
19.2
28.7
0.69
0.60
2.8 2.4
20.2
27.8
0.68
0.60
3.1 2.6
20.2
32.4
0.72
0.63
2.7 2.3
20.2
32.4
0.73
0.64
2.2 1.9
22.6
31.3
0.71
0.63
2.4 2.1
23.8
30.2
0.71
0.62
2.7 2.3
20.2
32.4
0.72
0.63
3.1 2.7
20.2
32.4
0.72
0.64
2.6 2.2
22.6
31.3
0.71
0.62
2.8 2.4
23.8
30.2
0.70
0.62
3.1 2.7
注2)
ペヤプラス、ペヤプラス・エアの上記以外のガラス構成については、
「AGC旭硝子のリグラスカタログ」をご参照ください。
注3)Ar4、Ar5、Ar6は中空層がアルゴンガス層で呼び厚さ4ミリ、5ミリ、6ミリを示します。
3-2-6
表 13 合わせガラス
一般名
品 種(商品名)
フロート
ラミセーフ*1
合わせガラス
光・熱・省エネルギー
3-2
網入・線入
ラミセーフ*2
カラー
ラミセーフ*3
ガラス構成
光学的性能
熱的性能
日射(%)
(U値)
紫外線 遮蔽係数 日射熱取得率 熱貫流率
2
{kcal/m2h℃}
反射率 透過率 吸収率 透過率(%)(SC値) (η値) W/(m ・K)
FL3+FL3
8.1
89.4
7.1
77.7
15.2
0.0
0.94
0.83
5.7 4.9
FL4+FL4
8.0
88.5
6.8
74.1
19.1
0.0
0.92
0.81
5.7 4.9
FL5+FL5
7.9
87.6
6.7
71.5
21.9
0.0
0.90
0.79
5.6 4.8
FL6+FL6
7.7
87.4
6.4
69.1
24.4
0.0
0.88
0.78
5.6 4.8
FL8+FL8
7.6
86.5
6.2
65.3
28.5
0.0
0.85
0.75
5.4 4.7
FL10+FL10
7.5
85.1
5.9
61.1
33.0
0.0
0.82
0.72
5.3 4.6
FL12+FL12
7.2
82.9
5.6
55.1
39.3
0.0
0.78
0.69
5.2 4.5
FL15+FL15
7.0
81.0
5.5
51.3
43.2
0.0
0.75
0.66
5.0 4.3
FL5+6.8W
7.7
80.8
6.4
63.6
29.9
0.0
0.84
0.74
5.6 4.8
FL6+6.8W
7.6
80.7
6.3
62.6
31.1
0.0
0.83
0.73
5.5 4.8
FL8+6.8W
7.6
80.3
6.2
60.9
33.0
0.0
0.82
0.72
5.5 4.7
FL8+10W
7.3
78.3
5.8
55.2
39.0
0.0
0.78
0.69
5.4 4.6
FL10+10W
7.2
77.6
5.7
53.4
40.9
0.0
0.77
0.67
5.3 4.6
FL12+10W
7.1
76.6
5.5
50.8
43.7
0.0
0.75
0.66
5.3 4.5
ブラウン FL3+FL3
乳白
可視光(%)
反射率 透過率
FL3+FL3
6.3
52.7
6.1
55.6
38.3
0.5
0.78
0.69
5.8 5.0
24.8
67.4
17.2
62.2
20.6
0.5
0.79
0.69
5.8 5.0
*1 透明フロートラミセーフの特殊フィルムは、PVB30mil(約0.76ミリ)
として性能値を算出しています。
*2 網入・線入ラミセーフは外側ガラス:フロート板ガラス 内側ガラス:網入・線入板ガラス
*3 カラーラミセーフの特殊フィルムは、PVB15mil(約0.38ミリ)
として性能値を算出しています。
注)紫外線透過率の表示が0.0%でも、四捨五入の関係上、微少量透過する場合があります。
表 14 合わせガラス
(赤外線カット合わせガラス)
一般名
品 種(商品名)
ガラス構成
FL3+FL3
赤外線カット 合わせガラス
ラミセーフセキュリティー等のクールベールタイプ
クールベール
特殊フィルム
30mil
(約0.76ミリ)
クールベール
特殊フィルム
30mil×2
クールベール
特殊フィルム
30mil×3
可視光(%)
反射率 透過率
7.6
84.1
FL4+FL4
7.5
83.2
6.0
54.3
39.7
0.0
0.77
0.68
5.7 4.9
FL5+FL5
7.5
82.4
5.9
52.7
41.5
0.0
0.76
0.67
5.6 4.8
FL6+FL6
7.3
82.2
5.7
51.2
43.0
0.0
0.75
0.66
5.6 4.8
FL8+FL8
7.3
81.3
5.6
48.9
45.6
0.0
0.73
0.64
5.4 4.7
FL10+FL10
7.1
80.0
5.4
46.2
48.4
0.0
0.71
0.63
5.3 4.6
FL12+FL12
6.9
77.9
5.2
42.3
52.5
0.0
0.68
0.60
5.2 4.5
FL15+FL15
6.6
76.2
5.1
39.8
55.0
0.0
0.67
0.59
5.0 4.3
FL3+FL3
7.3
79.4
5.7
48.6
45.6
0.0
0.73
0.64
5.6 4.8
FL4+FL4
7.2
78.6
5.6
46.9
47.5
0.0
0.72
0.63
5.6 4.8
FL5+FL5
7.1
77.8
5.6
45.6
48.8
0.0
0.71
0.62
5.5 4.7
FL6+FL6
7.0
77.7
5.4
44.5
50.1
0.0
0.70
0.62
5.4 4.7
FL8+FL8
6.9
76.8
5.3
42.6
52.0
0.0
0.69
0.60
5.3 4.6
FL10+FL10
6.8
75.6
5.2
40.5
54.3
0.0
0.67
0.59
5.2 4.5
FL12+FL12
6.6
73.6
5.0
37.3
57.6
0.0
0.65
0.57
5.1 4.4
FL15+FL15
6.4
72.0
5.0
35.4
59.6
0.0
0.63
0.56
5.0 4.3
FL3+FL3
6.9
75.0
5.5
43.1
51.5
0.0
0.69
0.61
5.5 4.7
FL4+FL4
6.9
74.3
5.4
41.6
53.0
0.0
0.68
0.60
5.5 4.7
FL5+FL5
6.8
73.5
5.4
40.5
54.1
0.0
0.67
0.59
5.4 4.6
FL6+FL6
6.7
73.4
5.2
39.7
55.1
0.0
0.66
0.59
5.3 4.6
FL8+FL8
6.6
72.6
5.1
38.1
56.7
0.0
0.65
0.58
5.2 4.5
FL10+FL10
6.5
71.4
5.0
36.3
58.6
0.0
0.64
0.56
5.1 4.4
FL12+FL12
6.3
69.6
4.9
33.7
61.4
0.0
0.62
0.55
5.0 4.3
FL15+FL15
6.1
68.0
4.9
32.0
63.1
0.0
0.61
0.54
4.9 4.2
注)紫外線透過率の表示が0.0%でも、四捨五入の関係上、微少量透過する場合があります。
3-2-7
光学的性能
熱的性能
日射(%)
(U値)
紫外線 遮蔽係数 日射熱取得率 熱貫流率
2
{kcal/m2h℃}
反射率 透過率 吸収率 透過率(%)(SC値) (η値) W/(m ・K)
6.1
56.6
37.3
0.0
0.79
0.69
5.7 4.9
表 15 合わせガラス
(熱線吸収合わせガラス)
一般名
熱線吸収
合わせガラス
品 種(商品名)
ガラス構成
可視光(%)
反射率 透過率
光学的性能
熱的性能
日射(%)
(U値)
紫外線 遮蔽係数 日射熱取得率 熱貫流率
2
{kcal/m2h℃}
反射率 透過率 吸収率 透過率(%)(SC値) (η値) W/(m ・K)
熱線吸収
(サンユーログレー)
ラミセーフ
GEFL5+FL5
5.6
48.9
5.3
44.5
50.1
0.0
0.70
0.62
5.6 4.8
GEFL6+FL6
5.4
43.0
5.1
38.9
56.0
0.0
0.66
0.58
5.6 4.8
GEFL8+FL8
5.0
33.0
4.8
29.7
65.5
0.0
0.59
0.52
5.4 4.7
熱線吸収
(サンユーロブロンズ)
ラミセーフ
BRFL5+FL5
5.5
54.2
5.1
47.4
47.5
0.0
0.72
0.64
5.6 4.8
BRFL6+FL6
5.2
48.7
4.9
41.9
53.2
0.0
0.68
0.60
5.6 4.8
BRFL8+FL8
4.8
39.0
4.6
32.8
62.7
0.0
0.62
0.54
5.4 4.7
熱線吸収
(サングリーン)
ラミセーフ
SVFL5+FL5
6.9
76.2
5.2
46.3
48.5
0.0
0.71
0.63
5.6 4.8
SVFL6+FL6
6.6
73.6
5.0
41.7
53.3
0.0
0.68
0.60
5.6 4.8
SVFL8+FL8
6.3
68.2
4.8
34.4
60.8
0.0
0.63
0.55
5.4 4.7
注2)特殊フィルムはPVB30mil(約0.76ミリ)
として性能値を算出しています。
注3)紫外線透過率の表示が0.0%でも、四捨五入の関係上、微少量透過する場合があります。
表 16 合わせガラス
(熱線反射合わせガラス<サンカットΣシリーズ>)
一般名
品 種(商品名)
ガラス構成
SKFC6+FL6
熱線反射
(サンカットΣクリア)
ラミセーフ
熱線反射
合わせガラス
可視光(%)
反射率 透過率
23.0
71.4
光学的性能
熱的性能
日射(%)
(U値)
紫外線 遮蔽係数 日射熱取得率 熱貫流率
2
{kcal/m2h℃}
反射率 透過率 吸収率 透過率(%)(SC値) (η値) W/(m ・K)
15.1
61.0
23.9
0.0
0.79
0.69
5.6 4.8
SKFC8+FL8
22.8
70.6
14.7
57.4
28.0
0.0
0.76
0.67
5.4 4.7
SKFC10+FL10
22.4
69.5
14.1
53.4
32.5
0.0
0.73
0.65
5.3 4.6
SKFC12+FL12
21.9
67.6
13.3
47.9
38.8
0.0
0.70
0.61
5.2 4.5
SKFC15+FL15
21.5
66.1
12.9
44.5
42.7
0.0
0.67
0.59
5.0 4.3
SKFC6+6.8W
23.0
65.9
15.1
55.1
29.8
0.0
0.74
0.65
5.5 4.8
SKFC10+10W
22.4
63.4
14.1
46.6
39.3
0.0
0.68
0.60
5.3 4.6
熱線吸収熱線反射(サンカット SGEKFC6+FL6
Σユーログレー)ラミセーフ
SGEKFC8+FL8
8.8
36.6
7.3
35.3
57.3
0.0
0.62
0.55
5.6 4.8
7.0
28.0
6.2
27.0
66.8
0.0
0.57
0.50
5.4 4.7
熱線吸収熱線反射(サンカット SBRKFC6+FL6
Σユーロブロンズ)ラミセーフ SBRKFC8+FL8
9.7
40.2
7.7
37.2
55.1
0.0
0.64
0.56
5.6 4.8
7.7
32.2
6.4
29.1
64.5
0.0
0.58
0.51
5.4 4.7
熱線吸収熱線反射(サンカット SMKFC6+FL6
Σグリーン)ラミセーフ
SMKFC8+FL8
17.3
60.9
9.4
36.1
54.5
0.0
0.62
0.55
5.6 4.8
15.6
56.4
8.4
29.4
62.2
0.0
0.58
0.51
5.4 4.7
注1)熱線反射合わせガラスは外側ガラス:熱線反射ガラス 内側ガラス:フロート板ガラス
注2)特殊フィルムはPVB30mil
(約0.76ミリ)
として性能値を算出しています。
3-2
光・熱・省エネルギー
注1)熱線吸収合わせガラスは外側ガラス:熱線吸収板ガラス 内側ガラス:フロート板ガラス
注3)紫外線透過率の表示が0.0%でも、四捨五入の関係上、微少量透過する場合があります。
表 17 合わせガラス
(ベランダ手摺用ガラス<ラミスカイ>)
一般名
品 種(商品名)
ラミスカイグレー
ベランダ
手摺用ガラス
ガラス構成
SKG4+FL4
可視光(%)
反射率 透過率
13.5
38.0
光学的性能
熱的性能
日射(%)
(U値)
紫外線 遮蔽係数 日射熱取得率 熱貫流率
2
{kcal/m2h℃}
反射率 透過率 吸収率 透過率(%)(SC値) (η値) W/(m ・K)
12.8
31.3
55.9
0.0
0.57
0.50
5.7 4.9
ラミスカイグレー(シルキー) SKG4+FL4
22.6
28.3
18.5
24.3
57.2
0.0
0.50
0.44
5.7 4.9
ラミスカイパールグレー SPG4+FL4
11.2
34.4
13.3
25.4
61.2
0.0
0.53
0.46
5.7 4.9
ラミスカイパールグレー(シルキー) SPG4+FL4
20.8
25.9
19.1
19.8
61.1
0.0
0.46
0.41
5.7 4.9
ラミスカイスカイブルー
SKB4+FL4
16.2
35.7
16.8
25.9
57.4
0.0
0.52
0.46
5.7 4.9
ラミスカイスカイブルー(シルキー)SKB4+FL4
24.8
26.6
22.0
20.0
58.0
0.0
0.45
0.40
5.7 4.9
ラミスカイベビーブルー
BBL4+FL4
16.5
40.5
15.3
30.0
54.7
0.0
0.55
0.49
5.7 4.9
ラミスカイベビーブルー(シルキー) BBL4+FL4
25.0
30.3
20.7
23.3
56.0
0.0
0.48
0.42
5.7 4.9
注1)SKG4・SPG4・SKB4・BBL4は合わせガラスの素板用です。
注2)特殊フィルムはPVB30mil
(約0.76ミリ)
として性能値を算出しています。
注3)紫外線透過率の表示が0.0%でも四捨五入の関係上、微少量透過する場合があります。
3-2-8
3-3
板ガラスの日射遮蔽データ
●計算条件
●太陽光がガラス面に対し、垂直入射した場合のガラス特性値を算出。
●単板ガラスの数値は全て、ガラス呼び厚さ6ミリのものです。
日射
100%
●サ
ンバランスは住宅用のガラス構成3ミリ+中空層12ミリ+3ミリとビル
用のガラス構成6ミリ+中空層12ミリ+6ミリの両方。それ以外の複層ガ
ラスは、ガラス構成6ミリ+中空層12ミリ+6ミリです。
●合わせガラスは5ミリ+特殊フィルム30mil+5ミリのものです。
7.4%
●日
射熱取得率はJIS規格では小数第2位までの数値で示すことになってい
光・熱・省エネルギー
3-3
11.3%
日射熱取得率
0.85
(85.4%)
3.9%
再放熱
ます。ここでは、日射熱取得率と日射除去率は小数(小数第2位)
で示して
います。
図1
フロート板ガラス
表 1 単板ガラスの日射遮蔽データ
(ガラス呼び厚さ6ミリ)
ガラス品種
フロート板ガラス
サンユーログレー
サンカットΣユーログレー
サンカットΣユーロブロンズ
サンカットΣグリーン
サンルックスSS8
45.8
30.0
49.3
0.85
0.35
5.2
31.1
47.5
0.36
23.0
8.0
64.8
35.0
37.4
33.2
39.4
33.4
43.1
7.3
40.5
30.2
17.3
41.8
24.1
36.9
24.1
18.7
0.43
16.2
日射熱除去率
15.8
サンルックス
TSL30ペアガラス
23.2
サンカットΣクリア
日射熱取得率
6.2
9.4
0.16
0.84
50.7
25.3
日射
100%
12.5
0.38
0.62
51.7
20.5
0.68
12.0
反射率
33.9%
0.33
45.7
0.69
図3
日射熱取得率
0.69
(68.9%)
4.1%
再放熱
20.3
10.7
0.31
日射熱除去率
0.77
(77.0%)
58.8%
43.1%
再放熱
図4
サンルックスSS8
透過率
7.3%
室内
サンルックス
TS30ペアガラス
8.0%
吸収率
11.5
50.4
12.1%
室外
サンルックス
SGY32ペアガラス
日射熱除去率
0.31
(31.1%)
0.40
反射率
(%) 室外放熱率(%) 透過率(%) 室内放熱率(%)
33.9
透過率
64.8%
反射率
23.0%
18.6
0.49
0.60
サンルックス
SS8ペアガラス
日射
100%
15.7
表 2 複層ガラスの日射遮蔽データ
ガラス品種
サンユーログレー
0.23
0.57
22.8
図2
0.54
0.51
15.4
16.7%
再放熱
17.1
36.4
0.77
10.8
日射熱取得率
0.63
(62.5%)
0.57
0.46
33.9
18.1
0.56
0.44
12.9
32.1%
4.1
48.8%
0.69
0.45
10.3
16.2
日射熱除去率
0.38
(37.5%)
0.64
0.31
9.5
15.6
0.65
透過率
45.8%
反射率
5.4%
0.63
0.38
5.1
16.7
室内
サンルックスTSL30
32.1
0.15
5.4
日射
100%
3.9
室外
サンルックスTS30
81.5
吸収率
サンルックスSGY32
日射熱取得率
7.4
室内
サンカットΣクリア
日射熱除去率
7.2
吸収率
サングリーン
反射率
(%) 室外放熱率(%) 透過率(%) 室内放熱率(%)
室外
サンユーロブロンズ
3-3-1
室内
0.15
(14.6%)
吸収率
となっています。
日射熱除去率
室外
●サ
ンカットΣ、サンルックスを、単板で使用する場合、反射膜面は室内側
透過率
81.5%
反射率
7.2%
日射熱取得率
0.23
(23.0%)
15.7%
表 3 複層ガラス(サンバランス代表構成)の日射遮蔽データ
43.6%
38.4%
5.1%
23.6%
20.2%
再放熱
室内
室外
日射熱除去率
0.60
(59.8%)
透過率
36.9%
吸収率
反射率
39.5%
日射熱取得率
0.40
(40.2%)
3.3%
サンバランスアクアグリーン
(⑥+A12+6ミリ)
33.6
サンバランスプレミアムクール
(⑥+A12+6ミリ)
37.1
サンバランスシルバー
(③+A12+3ミリ)
26.7
サンバランスシルバー
(⑥+A12+6ミリ)
23.5
サンバランスピュアクリア
(3ミリ+A12+③)
29.6
サンバランスピュアクリア
(⑥+A12+6ミリ)
25.0
36.9
3.3
0.40
26.8
34.6
5.0
0.61
0.40
32.2
25.9
4.8
0.69
0.31
15.7
53.4
4.2
0.42
0.58
21.5
48.1
8.6
54.0
6.8
0.45
0.55
7.8
0.38
0.62
19.8
49.0
6.2
0.45
0.55
日射熱除去率
6.7
ラミセーフセキュリティークールベールタイプ
(FL5+CVL30mil+FL5)
5.9
14.4
日射熱除去率
0.21
(21.1%)
反射率
6.7%
0.21
7.5
0.79
27.3
52.7
0.33
14.2
0.67
透過率
71.5%
21.9%
14.4%
図9
日射熱取得率
71.5
室内
日射熱取得率
0.31
(30.7%)
3-3
反射率(%)室外放熱率(%) 透過率(%)室内放熱率(%)
ラミセーフセキュリティー透明タイプ
(FL5+PVB30mil+FL5)
4.8%
日射熱取得率
0.79
(79.0%)
7.5%
ラミセーフセキュリティー(透明タイプ)
日射
100%
0.33
(33.2%)
7.8%
室内
日射熱除去率
透過率
52.7%
吸収率
日射熱取得率
0.62
(61.8%)
反射率
5.9%
室外
室内
吸収率
室外
8.6%
20.2
0.60
ガラス品種
透過率
54.0%
16.4%
0.26
表 4 合わせガラスの日射遮蔽データ
日射
100%
日射熱除去率
0.38
(38.2%)
5.1
0.74
日射
100%
サンバランスプレミアムクール 高遮熱断熱タイプ(⑥+A12+6ミリ)
反射率
29.6%
20.4
吸収率
再放熱
39.5
日射熱取得率
38.4
室外
37.0%
32.2%
サンバランスアクアグリーン
(③+A12+3ミリ)
透過率
25.9%
室内
室外
日射熱除去率
0.69
(69.3%)
吸収率
反射率
37.1%
36.0
注)
○で囲った数値は特殊金属膜コートガラスの呼び厚さを示します。
サンバランスアクアグリーン 高遮熱断熱タイプ(③ミリ+A12+3ミリ)
日射
100%
図7
0.26
(25.6%)
サンバランストリプルクール 高遮熱断熱タイプ(⑥+A12+6ミリ)
日射
100%
図6
日射熱取得率
日射熱除去率
サンバランストリプルクール
(⑥+A12+6ミリ)
光・熱・省エネルギー
図5
再放熱
透過率
20.4%
室内
0.74
(74.4%)
室外
日射熱除去率
吸収率
反射率
36.0%
反射率(%) 室外放熱率(%) 透過率(%) 室内放熱率(%)
ガラス品種
日射
100%
41.5%
27.3%
日射熱取得率
0.67
(66.8%)
14.2%
再放熱
図8
サンバランスピュアクリア 高断熱タイプ(3ミリ+A12+③)
図 10
ラミセーフセキュリティー(クールベールタイプ)
3-3-2
3-4
板ガラスの分光光学特性
1分光光学特性とは
●分光透過率・反射率曲線
●サ
ンバランスは
(6+A12+6)
の構成の値です。
板ガラスの光学性能は、厚さ、原料、表面コー
●図中の数字は呼び厚さを示しています。
●ラ
ミセーフセキュリティー(合わせガラス)は
ト等によって変ります。
●入射角度0°
(垂直入射)
5ミリ+特殊フィルム30mil+5ミリの構成の値
各種ガラスの特性によって、透過、吸収、反射す
●サ
ンカットΣはガラス面より入射した場合の値
です。
る波長が異なるため、透過色や反射色が違って
見えるわけです。
です。
●サ
ンバランストリプルガラスは、
LP3+Ar11+FL3+Ar11+LP3の構成の値です。
●サ
ンルックスは6ミリ厚で、ガラス面より入射
した場合の値です。
60
( )
50
40
80
70
70
40
8
20
10
10
700
1000
波長(nm)
透明フロート板ガラス
紫外線 可視光線
赤外線
100
70
反射率
透過率
( )
5
6
30
20
8
10
0
300
400
700
1000
波長(nm)
紫外線 可視光線
90
40
60
30
70
サンカットΣユーロブロンズ
2000
80
20
90
10
100
0
300
図8
6
8
400
700
1000
波長(nm)
サンカットΣグリーン
2000
60
50
赤外線
TS30
90
10
0
300
30
40
50
60
図9
70
透過率
TSL30
TS30
400
12
6
10
20
TSL30
30
20
100
0
反射率
40
80
100
2000
80
90
700
1000
波長(nm)
サンルックスTS30・TSL30
2000
100
反射率︵%︶
50
700
1000
波長(nm)
紫外線 可視光線
透過率 %
50
反射率︵%︶
70
40
透過率 %
700
1000
波長(nm)
反射率︵%︶
透過率 %
400
100
0
8
6
30
50
0
300
赤外線
400
サンカットΣユーログレー
図6
60
50
90
0
300
70
40
10
80
80
30
20
70
12
20
60
70
8
80
70
8
60
30
90
20
30
6
100
サンカットΣクリア
紫外線 可視光線
50
40
10
80
60
60
10
50
10
90
6
40
50
90
10
40
30
60
10
100
0
8
6
20
70
40
2000
0
12
6
30
20
700
1000
波長(nm)
赤外線
80
80
400
紫外線 可視光線
20
20
0
300
2000
90
70
図5
赤外線
6
8
10
12
15
19
700
1000
波長(nm)
10
30
2000
サングリーン
図4
40
100
0
19
400
サンユーロブロンズ
図3
6
50
40
図7
赤外線
60
50
100
紫外線 可視光線
透過率 %
60
0
300
2000
反射率︵%︶
70
700
1000
波長(nm)
透過率 %
80
400
反射率︵%︶
80
透過率 %
90
8
30
20
サンユーログレー
図2
90
5
6
40
10
0
300
2000
赤外線
50
5
6
12
400
紫外線 可視光線
60
50
20
100
( )
90
80
30
図1
( )
90
60
30
0
300
3-4-1
100
透過率 %
透過率 %
70
赤外線
透過率 %
2
3
5
6
8
10
12
15
19
80
紫外線 可視光線
( )
90
100
( )
赤外線
( )
紫外線 可視光線
( )
100
( )
光・熱・省エネルギー
3-4
6
8
12
100
紫外線 可視光線
赤外線
100
0
紫外線 可視光線
赤外線
0
20
80
20
70
30
70
30
70
30
60
40
60
40
50
50
50
50
40
60
40
60
30
70
30
70
80
20
80
20
80
90
10
90
10
90
50
40
60
SGY32
30
透過率
20
10
0
300
SS8
400
700
1000
波長(nm)
2000
0
300
100
紫外線 可視光線
100
0
700
1000
波長(nm)
2000
サンバランス高遮熱断熱タイプ(トリプルクール)
図 11
赤外線
400
0
300
100
紫外線 可視光線
赤外線
700
1000
波長(nm)
2000
100
紫外線 可視光線
赤外線
0
20
80
20
80
20
70
30
70
30
70
30
60
40
60
40
60
40
50
50
50
50
50
50
40
60
40
60
40
60
30
70
30
70
30
70
20
80
20
80
20
80
10
90
10
90
10
90
700
1000
波長(nm)
2000
サンバランス高遮熱断熱タイプ(プレミアムクール)
図 13
100
400
紫外線 可視光線
赤外線
700
1000
波長(nm)
2000
0
300
100
サンバランス高断熱タイプ(シルバー)
図 14
100
0
400
紫外線 可視光線
赤外線
( )
( )
0
300
100
100
700
1000
波長(nm)
2000
100
サンバランス高断熱タイプ(ピュアクリア)
図 15
0
400
紫外線 可視光線
赤外線
0
20
80
20
80
20
70
30
70
30
70
30
60
40
60
40
60
40
50
50
50
50
50
50
40
60
40
60
40
60
30
70
30
70
30
70
20
80
20
80
20
80
10
90
10
90
10
図 16
400
700
1000
波長(nm)
2000
100
ラミセーフセキュリティー(透明タイプ)
図 17
400
700
1000
波長(nm)
2000
100
ラミセーフセキュリティー(クールベールタイプ)
( )
( )
0
300
0
300
図 18
反射率︵%︶
10
80
透過率 %
90
反射率︵%︶
10
透過率 %
90
反射率︵%︶
10
透過率 %
90
0
300
反射率︵%︶
10
80
透過率 %
90
反射率︵%︶
10
透過率 %
90
反射率︵%︶
10
透過率 %
90
0
300
3-4
サンバランス高遮熱断熱タイプ(アクアグリーン)
図 12
100
0
400
光・熱・省エネルギー
サンルックスSS8・SGY32
図 10
100
70
( )
40
( )
反射率
SS8
反射率︵%︶
80
透過率 %
20
反射率︵%︶
10
80
透過率 %
90
反射率︵%︶
10
透過率 %
( )
赤外線
90
50
( )
紫外線 可視光線
10
60
( )
100
0
SGY32
90
90
400
700
1000
波長(nm)
2000
100
サンバランストリプルガラス
3-4-2
3-5
板ガラスの入射角度別光学特性
1入射角度と光学性能
入射角度
●サ
ンルックスは6ミリ厚で、ガラス面より入射
した場合の値です。
板ガラスの光学性能は、入射してくる光の角度
によって変化します。
90°
●サ
ンバランスは
(6ミリ+A12+6ミリ)
の構成の
一般的に、入射角度が60度より大きくなると反
値です。
入射角θ
射率が大きくなり、光が透過しにくくなります。
●サ
ンバランストリプルガラスは
●日射光学特性をグラフ化したものです。
●ラ
ミセーフセキュリティー(合わせガラス)は
LP3+Ar11+FL3+Ar11+LP3の構成の値です。
(可視光光学特性も同じ傾向になります。)
5ミリ+特殊フィルム30mil+5ミリの構成の値
●図中の数字は呼び厚さを示しています。
です。
0°
●サ
ンカットΣは、ガラス面より入射した場合の
値です。
100
90
40
60
30
70
60
40
20
10
図1
30
40 50 60
入射角(度)
70
80
透明フロート板ガラス
5∼8ミリ反射率
80
90
20
80
透過率
0
10
20
30
40
50
60
30
90
70
80
60
50
40
0
100
90
0
10
20
30
90
3-5-1
50
60
70
80
20
80
70
80
サンカットΣユーロブロンズ
8
6
30
0
20
80
50
透過率 6
8
60
70
50
6
8
60
70
80
20
90
30
40
50
60
70
80
100
90
90
10
70
80
100
90
サンカットΣユーログレー
0
10
TS30
20
TSL30
30
40
50
0
60
透過率
30
10
サンカットΣグリーン
10
反射率
40
90
図8
20
50
20
40 50 60
入射角(度)
10
60
80
30
0
70
20
20
0
6
12
100
90
50
10
透過率
40
10
40
0
100
90
40
50
図6
60
0
80
30
80
100
90
70
入射角(度)
30
30
60
60
10
100
90
70
40
50
70
サンカットΣクリア
反射率
40
サンユーロブロンズ
20
0
入射角(度)
図7
40
100
10
70
60
60
90
60
50
50
19
透過率
10
50
40
40
90
0
6
8
30
30
70
80
TS30 TSL30
90
0
図9
10
20
30
40 50 60
入射角(度)
70
サンルックスTS30・TSL30
80
100
90
日射反射率︵%︶
20
20
反射率
80
日射透過率︵%︶
10
10
12
90
日射反射率︵%︶
0
30
10
日射透過率︵%︶
0
0
90
100
20
6
6
6
図5
12
10
80
透過率
入射角(度)
10
19
80
日射反射率︵%︶
日射透過率︵%︶
20
70
図3
20
40
30
0
100
90
80
60
40
10
70
30
透過率
80
90
30
70
50
70
60
30
入射角(度)
8
6
反射率
80
60
50
8
40
20
0
反射率
70
サングリーン
100
50
50
サンユーログレー
入射角(度)
図4
40
40
5
6
日射反射率︵%︶
60
70
10
20
20
30
60
日射透過率︵%︶
50
30
20
10
10
70
80
日射反射率︵%︶
40
5
6
8
40
0
日射透過率︵%︶
30
50
透過率
100
10
日射反射率︵%︶
日射透過率︵%︶
70
60
70
12
図2
0
90
60
0
5∼8ミリ反射率
入射角(度)
100
0
0
100
90
50
8
30
90
20
5
6
50
80
10
80
40
10
0
20
30
20
0
90
日射反射率︵%︶
50
10
70
日射透過率︵%︶
40
透過率
50
日射反射率︵%︶
30
19
60
20
80
5∼12ミリ反射率
日射反射率︵%︶
6
70
90
日射透過率︵%︶
80
10
100
0
100
0
2∼19ミリ反射率
2
日射透過率︵%︶
光・熱・省エネルギー
3-5
100
反射率
90
0
SGY32
80
90
20
80
20
80
40
60
透過率
SGY32
20
SS8
10
0
0
10
20
30
40
40
50
50
40
60
30
70
80
20
80
20
90
10
90
10
50
60
70
80
100
90
0
透過率
0
10
20
30
入射角(度)
サンルックスSS8・SGY32
図 11
10
90
80
20
80
40
60
30
70
20
透過率
10
40
50
60
70
80
サンバランス高遮熱断熱タイプ(トリプルクール)
反射率
80
40
50
50
透過率
60
10
20
30
20
80
10
50
透過率
40
60
90
0
10
20
30
70
80
図 15
90
20
80
40
50
透過率
60
50
60
70
80
100
90
サンバランス高断熱タイプ(ピュアクリア)
100
10
60
40
入射角(度)
サンバランス高断熱タイプ(シルバー)
30
0
10
20
70
30
反射率
60
40
50
50
40
60
透過率
30
70
80
20
80
20
80
90
10
90
10
90
100
90
0
0
ラミセーフセキュリティー(透明タイプ)
10
20
30
40
50
60
70
80
100
90
30
0
0
入射角(度)
入射角(度)
図 16
30
図 17
ラミセーフセキュリティー(クールベールタイプ)
10
20
70
30
40
50
60
70
80
日射反射率︵%︶
20
60
80
20
40
50
日射透過率︵%︶
70
50
70
10
反射率
60
0
3-5
サンバランス高遮熱断熱タイプ(アクアグリーン)
0
70
100
90
70
40
100
90
80
0
50
80
10
日射反射率︵%︶
30
40
60
反射率
日射透過率︵%︶
60
日射反射率︵%︶
日射透過率︵%︶
40
30
50
100
90
40
20
図 14
10
50
10
40
70
90
10
0
60
70
90
0
50
20
20
100
90
40
80
80
30
透過率
0
30
30
70
50
0
80
30
0
60
20
60
サンバランス高遮熱断熱タイプ(プレミアムクール)
反射率
70
20
入射角(度)
100
90
10
100
90
30
40
図 12
10
70
入射角(度)
図 13
0
日射反射率︵%︶
50
30
80
90
日射透過率︵%︶
50
20
70
透過率
入射角(度)
日射反射率︵%︶
40
10
80
60
0
0
日射透過率︵%︶
60
日射反射率︵%︶
日射透過率︵%︶
30
反射率
0
70
100
0
90
0
60
50
40
入射角(度)
100
70
50
40
50
光・熱・省エネルギー
図 10
40
30
60
30
100
90
20
反射率
70
60
70
10
日射反射率︵%︶
50
30
反射率
0
日射透過率︵%︶
50
70
日射反射率︵%︶
40
日射透過率︵%︶
60
30
100
10
30
SS8
0
90
日射反射率︵%︶
日射透過率︵%︶
70
100
10
100
90
入射角(度)
図 18
サンバランストリプルガラス
3-5-2
3-6
板ガラスと省エネルギー
1開口部の省エネルギー
省エネルギーの問題を開口部からながめると、
次の3つのポイントを抑えることが重要です。
1.暖房負荷を軽減する。
表1
条件
地域
暖房負荷が中心と
なる地域
冷房負荷が中心と
なる地域
高遮熱断熱Low-Eペアガラス
(サンバランス)
高遮蔽性能熱線反射ガラス
(サンルックス)
九州地方・中国地方・四国地方・
熱線反射ガラス
(サンカットΣ)
近畿地方・南関東地方など
熱線吸収板ガラス
(サンユーログレー、
サンユーロブロンズ、サングリーン)
2.冷房負荷を軽減する。
3.太陽光を利用し、照明負荷を軽減する。
地域的な条件と、省エネルギーのうえで有効な
ガラス品種・構成は一般的に 表 1 のとおりです。
●暖房負荷への対応
光・熱・省エネルギー
3-6
暖房負荷を軽減するためには、窓の断熱性能を
高める必要があります。
断熱性能の評価は、一般的に熱貫流率、または
熱貫流抵抗(熱貫流率の逆数)
で示され、開口部
の熱貫流率を小さくする
(熱貫流抵抗を大きく
する)
ことが暖房負荷の軽減につながります。
表 2 は代 表ガラスの構 成と熱 貫 流 率の関 係
を示したものですが、複数枚のガラスの間に
中空層を確保してガラスを多層にすることや、
Low-Eペアガラスを使用すること、また、さらに
中空層に不活性ガス
(アルゴンガス)にしたもの
が開口部の断熱性向上に効果があることがわか
ります。
開口部の品種構成
高断熱Low-Eペアガラス
(サンバランス)
北海道・東北地方・北陸地方・
複層ガラス
甲信越地方など
二重窓
注)冷暖房ともに、大きな負荷条件の場合には高遮熱断熱Low-Eペアガラス
(サンバランス)
が有効です。
表 2 代表ガラスの構成と熱貫流率・熱貫流抵抗
ガラス品種
ガラス呼び厚さ
(ミリ)
と構成
フロート板ガラス
3ミリ
(単板ガラス)
6ミリ
ペアガラス
18ミリ
(3ミリ+A12+3ミリ)
(複層ガラス
(二層))
(6ミリ+A12+6ミリ)
24ミリ
サンバランス高断熱タイプ
18ミリ
(3ミリ+A12+③ミリ)
(6ミリ+A12+⑥ミリ)
(低放射複層ガラス(Low-Eペア))24ミリ
サンバランス高遮熱断熱タイプ 18ミリ
(③ミリ+A12+3ミリ)
(⑥ミリ+A12+6ミリ)
(遮熱低放射複層ガラス(Low-Eペア)) 24ミリ
サンバランス高断熱タイプE
22ミリ
(3ミリ+Ar16+③ミリ)
(低放射複層ガラス(Low-Eペア))
サンバランス高遮熱断熱タイプE
22ミリ
(③ミリ+Ar16+3ミリ)
(遮熱低放射複層ガラス(Low-Eペア))
熱貫流抵抗
熱貫流率
/W
W/(m2・K) (m2・K)
6.0
0.168
5.9
0.171
0.344
2.9
2.9
0.350
1.7
0.597
0.603
1.7
1.6
0.607
0.613
1.6
注)
サンバランスの○で囲った数値は特殊金属膜コートガラスの呼び厚さを示します。
注)本表の値は、熱的性能を示す一般値であり、各商品の性能を保証するものではありません。
1.2
0.844
1.1
0.871
※Low-E:低放射(Low-Emissivity)
表 3 代表ガラスの構成と日射熱取得率・遮蔽係数
●冷房負荷への対応
冷房負荷を軽減するためには、窓からの日射の
流入を小さくする必要があります。日射の流入
量は、一般に日射熱取得率で評価され、日射熱
取得率を小さくすることが冷房負荷の軽減につ
ながります。
表 3 は代表ガラスの構成と日射熱取得率・遮蔽
係数を示したものですが、高遮蔽性能熱線反射
ガラスや高遮熱断熱Low-Eペアガラスを使用す
ることが開口部の遮熱性向上に効果があること
がわかります。
●照明負荷への対応
照明負荷を軽減するためには、太陽光を利用
し、窓から光を多くとりいれる必要があります。
窓から入る、視覚的な光の量は可視光線透過率
で評価され、可視光線透過率を大きくすること
が照明負荷の軽減につながります。
表 4 は代表ガラスの構成と可視光透過率を示
したものですが、透明ガラス、透明複層ガラス、
ガラス品種
日射熱取得率(η値)
0.85
0.97
熱線吸収板ガラス
0.65~0.63
0.74~0.71
熱線反射ガラス(サンカットΣ)
0.69~0.54
0.78~0.61
高遮蔽性能熱線反射ガラス
(サンルックス)
0.49~0.23
0.55~0.26
(サンバランス)
高断熱Low-Eペアガラス
0.61~0.59
0.70~0.67
0.40~0.26
0.45~0.29
0.66~0.59
0.75~0.66
(サンバランス)
高遮熱断熱Low-Eペアガラス
赤外線カット合わせガラス
(ラミセーフセキュリティークールベールタイプ )
表 4 代表ガラス構成と可視光透過率
ガラス品種
3-6-1
可視光透過率
[%]
フロート板ガラス
89.4
熱線吸収板ガラス
43.9~75.3
熱線反射ガラス
(サンカットΣ)
31.9~62.8
(サンルックス)
高遮蔽性能熱線反射ガラス
8.1~34.1
高断熱性能Low-Eペアガラス
(サンバランス高断熱タイプ)
70.5~77.1
高遮熱断熱性能Low-Eペアガラス
(サンバランス高遮熱断熱タイプ)
49.7~69.1
※表3、表4は単板6ミリ、複層ガラス6+A12+6の構成です
(サンバランス高断熱タイプ)、または高遮熱断
単位はW/(m2・K)
で、日本では通常U値と呼ば
熱Low-Eペアガラス
(サンバランス高遮熱断熱
れています。この値が小さいほど断熱性が高い
タイプ)
であることがわかります
( 表 1 )。
ことを意味し、特に暖房負荷の軽減に効果を発
揮します。
Low-Eペアガラスを使用することが照明負荷削
減に効果があることがわかります。
遮蔽係数
(SC値)
フロート板ガラス
● 熱貫流率
JIS R 3107には熱貫流率の計算法が記載されて
熱貫流率とは、壁、開口部、床などの各部位に
いて、小数第1位までの表記となっています。
● 省エネルギーへの対応
おいて、その内外の温度差が1度とした場合に、
U値の逆数を通常R値と呼び、熱貫流抵抗とい
暖房負荷、冷房負荷、照明負荷の3つをバラン
面積1m2当たり貫流する熱量をワットで表した
います。この値は、大きいほど、断熱性能が高い
スよく抑えているのは、高断熱Low-Eペアガラス
数値です。
ことを意味します。
● 日射熱取得率
(η値)
表 5 省エネ法制定および改正の主な経緯
(建築物に関する措置)
日射熱取得率とは、ガラスに入射する日射を1.0と
制定、改正年度
した場合、室内に流入する熱量
(直接透過と室内
側再放射の和)
の割合を示す数値です。単位は無
昭和54年(1979年)6月
単位で、日本では通常η値と呼ばれています。こ
の値が小さい程、窓ガラスを通して侵入する日射
平成14年(2002年)6月
「建築物分野」に関する主な内容
建築物の省エネ措置を総合的に進めることを義務づけ、事業者等
省エネ法制定 が努力すべき事項の判断基準(省エネ基準)を公表。建築物におけ
る様々な省エネ対策の実施がなされる事となった。
一定規模(2000m2)以上の非住宅建築物(事務所ビル等)の新築、
増改築の際に省エネ措置の届出が義務付け。
改正
一定規模(2000m2)以上の非住宅建築物(事務所ビル等)につい
て、大規模修繕等を行う場合にも省エネ措置の届出を義務付け。
また、一定規模(2000m2)以上の住宅についても、非住宅建築物
と同様に届出等を義務付け。加えて、省エネ措置の維持保全状況
の定期報告が義務付け。
改正
省エネ措置の届出義務の対象を、300m2~2000m2未満の中小規
模建築物(住宅・非住宅)まで拡大。2000m2以上の建築物では、
省エネ措置が不十分な場合には従来の指示・公表に加えて罰則・
命令を導入。また、戸建住宅を建築・販売する建築事業主に対し
て、住宅の省エネ性向上を促す施策を新たに導入。
が小さくなる、つまり遮熱性能があることを意味
し、特に冷房負荷の軽減に効果を発揮します。JIS
R 3106には日射熱取得率の計算法が記載されて
平成17年(2005年)8月
いて小数第2位までの表記となっています。
なお、遮蔽係数
(SC値)
と日射熱取得率
(η値)
との
関係は次式となります。
η SC= 0.88
平成20年(2008年)5月
また、日射侵入率と日射熱取得率は同義です。
工場等に係る措置
2エネルギーの使用の合理化に関する法律
(省エネ法)
(1)省エネ法制定と改正の経緯および関連告示
わが国の省エネルギーへの取り組みについて
輸送に係る措置
省エネ法
1979年に「エネルギーの使用の合理化に関す
制定されました。
その後、湾岸戦争の勃発や京都議定書締結・批
准などが要因となり、
「省エネ法」は、平成14
建築物に係る措置
機械器具等に係る措置
は、1970年代のオイルショックを契機として、
る法律」
(昭和54年6月22日通称「省エネ法」)
が
電気事業者に係る措置
図1
省エネ法の体系
表 6 建築物分野の省エネ基準関連告示
年(2002年 )、平 成17年(2005年 )、平 成20年
(2008年)など、長年の改正を経て強化されてき
<性能基準>
ました
( 表 5 )。
「省エネ法」においては、 図 1
に示すように、省エネのための措置を、
「工場等」
「輸送」
「 建築物」
「 機械器具」
「 電気事業者」の5
つの分野に分けて、国民に努力を促しています。
この法律の制定に伴い、
「建築物」の分野とし
住宅
(戸建、集合)
<仕様基準>
ては、建築物に対する省エネルギーの判断基準
(通称「省エネ基準」)が、住宅および非住宅(ビ
ル等)
それぞれを対象とした告示として示されて
きました
( 表 6 )。
この「省エネ法」に基づいた「省エネ基準」は、
住宅及び非住宅(ビル等)
の性能評価をおこなう
<性能基準>と、住宅の仕様評価をおこなう<
仕様基準>、住宅事業主の判断の基準となる<
トップランナー制度>の3つの基準から成り立っ
ています。
<性能基準>は平成25年4月1日施行の告示「エ
ネルギー使用の合理化に関する建築主及び特定
建築物の所有者の判断の基準」から住宅(戸建・
集合)および非住宅(事務所ビル等)の区分をと
りやめ、大幅な改定がおこなわれました。また、
<仕様基準>は、
「住宅に係るエネルギー使用
の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指
針(平成25年10月1日施行)
の附則として示され
ています
( 表 7 )。
3-6
光・熱・省エネルギー
改正
経済産業省・国土交通省
告示第3号
(平成18年3月27日)
経済産業省・国土交通省
告示第1号一部改正
(平成21年1月30日)
国土交通省
告示第378号
(平成18年3月27日)
国土交通省
告示第118号一部改正
(平成21年1月30日)
住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関
する建築主等及び特定建築物の所有者の
判断基準
住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関
する設計、施工及び維持保全の指針
住宅事業建築主の新築する特定住宅の外
<トップランナー制度>
壁、壁等を通しての熱の損失の防止及び住
(一戸建て建売住宅を、 経済産業省・国土交通省
宅に設ける空気調和設備等に係るエネル
年間150戸以上販売の
告示第2号
ギーの効率的利用のために特定住宅に必要
住宅事業主対象。
(平成21年1月30日)
とされる性能の向上に関する住宅事業建築
集合住宅は除く)
主の判断基準
通商産業省・建設省
告示第1号
建築物に係るエネルギーの使用の合理化に
(平成11年3月30日)
非住宅(事務所ビル等)
関する建築主等及び特定建築物の所有者の
経済産業省・国土交通省
判断基準
告示第3号
(平成21年1月30日)
表 7 建築物分野の省エネ基準関連告示
(平成25年以降)
住宅
(戸建、集合)
非住宅
(事務所ビル
等)
<性能基準>
住宅
(戸建、集合)
<仕様基準>
経済産業省・国土交通省 告示第1号
(建築物:平成25年4月1日)
エネルギーの使用の合理化に
(住宅:平成25年10月1日)
関する建築主等及び特定建築
経済産業省・国土交通省 告示第1号
物の所有者の判断基準
経済産業省・国土交通省 告示第7号
一部改正(平成26年4月1日)
住宅に係るエネルギーの使用
国土交通省 告示第907号
の合理化に関する設計、施工及
(平成25年10月1日)
び維持保全の指針の附則
3-6-2
(2)
省エネ法と届出の概要(建築物関連)
表 8 ‌省エネ法
(建築物)
の対象規模・届出対象・義務違反の概要
エネルギーの使用の合理化に関する法律第75
状及び第75条の2に基づき、一定規模以上の建
築物の新築、増築、改築、修繕等を行う場合に、
【省エネ法第72条
(要約)
】
住宅・建築物の建築、修繕等をしようとする者及び所有者は、国が定める基本方針に留意して、
住宅・建築物に係るエネルギーの使用の合理化に努めなければならない。
省エネ法における義務の対象及びエネルギーの効率的利用のための措置が著しく不十分な場合の担保措置について
省エネルギー措置の所管行政庁への届出が義
務化されています
( 表 8 )。この法律では床面積
未満の建築物を「第二種特定建築物」と区分し
て規定しています。
また、届出を行った場合には、その後3年ごとに
光・熱・省エネルギー
維持保全の状況を所官行政庁に報告する必要が
あります
(第二種特定建築物は住宅である場合
容を確認し、判断基準に照らして著しく不十分
努力義務ですが、経済産業省・国土交通省・環境
省が共同で設置した「低炭素社会に向けた住まい
と住まい方推進会議」の中間報告では省エネ施策
届出義務
指示・公表・
命令・罰則
②大規模な設備改修時の
省エネ措置の届出義務
届出義務
指示・公表・
命令・罰則
-
届出義務
指示・公表・
命令・罰則
届出義務
届出義務
届出義務
勧告
勧告
勧告
-
-
-
④住宅事業建築主の
特定住宅における
省エネ性能の向上
である場合には勧告を受けます。
なお、300m2未満の建築物については現時点では
①新築・増改築時の
省エネ措置の届出義務
③省エネルギー措置の
届出後の3年毎の維持
保全状況の定期報告義務
は報告を要しない)。報告後は所官行政庁が内
住宅
第1種特定建築物 第2種特定建築物 第1種特定建築物 第2種特定建築物 住宅事業建築主
(2,000m2以上) (300~2,000m2) (2,000m2以上) (300~2,000m2)(150戸/年以上)
義務
建築物」、床面積の合計が300m2以上2000m2
3-6
建築物
対象
の合計が2000m2以上の建築物を「第一種特定
届出義務
届出義務
指示・公表・
命令・罰則
勧告
届出義務
勧告
-
-
-
-
-
-
努力義務
勧告・公表・
命令
・エネルギーの効率的利用のための措置の届出義務違反⇒50万円以下の罰金
・維持保全状況の定期報告義務違反⇒50万円以下の罰金
(住宅事業建築主
(150戸/年以上)
が新築する特定住宅を除く)
については、努力義務のみ。
・300m2未満の住宅・建築物
引用元:一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構 建築物の省エネルギー基準講習会 補助資料 平成26年5月
を一層進めるべく、300m2未満の建築物を含め、
すべての新築住宅、及び非住宅建築物について順
次適合義務化がおこなわれる予定です。
( 図2 )
2013
中規模
告示改正
小規模
【非住宅】
2013年度
4月施行
【住宅】
2013年度
10月施行
大規模
省エネルギー
基準改正
2014
2015
届出義務
(2,000m2以上)
2016
2017
2018
2019
2020
2030
適合義務(※)
(2,000m2以上)
届出義務
(300∼2,000m2)
適合義務(※)
(300 ∼ 2,000m2)
努力義務
(300m2未満)
住宅
建築物の
最低限の
省エネ
性能確保
適合義務(※)
(300m2未満)
・義務化の水準は義務化導入時点での省エネ基準達成率等を勘案して設定。
・伝統的な木造住宅にも配慮した適切な評価とするように、有識者等の意見も踏まえ検討を進める。
図2
省エネ施策の適合義務化工程表 引用元:「低炭素社会に向けた住まいと住まい方推進会議」の中間報告資料
(3)
省エネ基準(建築物関連)の課題と見直
しの方向性
建築物の省エネ法は、平成25年以前の基準は
以下のような課題があげられ、見直しの方向性
がまとめられてきました
( 図 3 )。
<建築物の基準特有の課題>
<住宅の基準特有の課題>
・外 皮の断熱性及び個別設備の性能を別々に評
価する基準となっており、建物全体で省エネ効
果の高い取組を適切に評価できない。
•外 皮の断熱性のみを評価する基準となってお
り、省エネ効果の大きい暖冷房、給湯、照明設備
等による取組を評価できない。
•基準が「事務所」、
「ホテル」など建物用途ごとに
設定されているため、複合建築物の省エネ性能
を適切に評価できない。
•一 次エネルギー消費量による評価を行う住宅
トップランナー基準でも、120m2 のモデル住宅
における省エネ性能しか評価できない。
省エネルギー基準の見直しの方向性
●住 宅と建築物の省エネ基準について、国際的にも使われている一次エネルギー消費量を指標とし
て、同一の考え方により、断熱性能に加え、設備性能を含め総合的に評価できる基準に一本化。
●その際、室用途や床面積に応じて省エネルギー性能を評価できる計算方法とする。また、太陽光発電
の設置による自家消費については積極的に評価する。
図3
改正前の省エネ基準の課題と見直しの方向性
引用元:国土交通省住宅局 「省エネルギー基準の改正等について」平成26年2月より抜粋
3-6-3
(4)平成25年省エネルギー基準見直しの全体像
ます。平成25年省エネ基準の見直しの全体像は
表 7 に示した平成25年以降の省エネ基準を、
図 4 のようになります。
ここでは平成25年省エネ基準と称することとし
●外皮の断熱性能及び設備性能を総合的に評価する一次エネルギー消費量を導入
(複合用途含め建築物全体の省エネ性能を比較することが可能)
●非住宅建築物の外皮基準をPAL*
(パルスター)に見直し(一次エネルギー消費量基準と整合がとれた外皮基準)
●住宅の外皮基準を外皮平均熱貫流率(UA)等に見直し(住宅の規模・形状の影響を受けにくい基準。
UA等の簡易計算法も策定。)
●簡易評価法・仕様基準を見直し(非住宅モデル建物法、住宅の外皮・設備の仕様基準等)
【性能基準(計算ルート)】
改正前
(平成11年基準)
PAL
改正後(平成25年基準)
*
外皮
PAL
(パルスター)
空調
CEC/AC
空調
換気
CEC/V
換気
給湯
CEC/HW
給湯
照明
CEC/L
照明
昇降機
CEC/EV
昇降機
住 宅
外皮 年間暖冷房負荷
または
Q値
(熱損失係数)
μ値
(夏期日射取得率)
判断基準
外皮
なし
換気
換気
なし
給湯
給湯
なし
照明
照明
なし
一次エネルギー消費量
図4
外皮
PAL*簡易評価法
換気
一次エネ
簡易評価法
給湯
照明
3-6
昇降機
UA値
(外皮平均熱貫流率)
ηA値
(冷房期の平均日射熱取得率)
外皮
設計
施工指針
改正後
モデル建物法
空調
暖冷房
暖冷房
改正前
ポイント法
光・熱・省エネルギー
非住宅建築物
外皮
【非住宅建築物の簡易評価法】
一次エネルギー消費量
UA、ηA簡易計算法(部位別仕様表)
暖冷房等
一次エネルギー消費量
【住宅の仕様基準】
改正前
改正後
仕様基準
仕様基準
外皮の仕様
外皮の仕様
暖冷房、
換気、
給湯、
照明:
なし
(当分の間)
暖冷房設備、
換気設備、
給湯設備、
照明設備の仕様
平成25年省エネルギー基準見直しの全体像
(5)平成25年省エネルギー基準における地域区分
平成25年省エネルギー基準の地域区分は市町村の行政単位で、地域の気
候特性が反映されます。
都道府県区分での地域区分は 表 7 に示す通りですが、この他に市町村の
区分が設定されており、市町村区分が優先されます。
従来住宅の省エネ基準ではローマ数字でⅠからⅥ地域までの区分をしてい
ましたが、平成25年基準から1~8地域の区分に変わりました。
なおこの地域区分は住宅だけでなく、非住宅にも適用されます。詳細は、
「エネルギーの使用の合理化に関する建築主及び特定建築物の所有者の判
断の基準」平成25年経済産業省・国土交通省告示第1号をご参照ください。
平成25年基準 旧基準での
での地域区分 地域区分
表7
地域区分
1,
2
都道府県名
3
青森県、岩手県、秋田県
4
7
宮城県、山形県、福島県、栃木県、新潟県、長野県
茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、富山県、石川県、
福井県、山梨県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、
大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、
山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、
熊本県、大分県
宮崎県、鹿児島県
8
沖縄県
5,
6
1地域
北海道
2地域
3地域
Ⅱ地域
4地域
Ⅲ地域
5地域
6地域
図5
Ⅰ地域
Ⅳ地域
7地域
Ⅴ地域
8地域
Ⅵ地域
平成25年省エネルギー基準における地域区分
3-6-4
3住宅の省エネルギー基準
の省エネ基準改正で住宅の性能基準では、外皮
れ、2本立ての基準となりました。今回見直され
平成11年省エネルギー基準(以下、
「平成11年
性能に関する基準に加え、暖冷房以外の給湯、
る住宅の省エネ基準のポイントは 図 6 の通りで
基準」)は、住宅に関しては、外気に接する熱的
照明なども含めた各種設備機器のエネルギー
す。
境界の躯体、開口部(以下、外皮)の断熱性能と
効率や再生可能エネルギーの活用などを勘案し
夏期の日射遮蔽性能に関する基準でした。今回
た一次エネルギー消費量に関する基準が設けら
光・熱・省エネルギー
3-6
○外皮の熱性能に関する基準
○一次エネルギー消費量に関する基準
・ヒ ートショックや結露の防止など、居住者
の健康に配慮した適切な温熱環境を確保す
る観点から、現行省エネ基準(平成11年基
準)レベルの断熱性等を求める。
・外壁や窓の断熱性
・以下の設備の性能
・暖冷房
・給湯
・換気
・照明
・太陽光発電等による創エネルギーの取組
・断熱性能に関する指標を熱損失係数(Q値)
から外皮平均熱貫流率(UA値)へ変更。
・日射遮蔽性能に関する指標を夏期日射取得
率(μ値)から冷房期の平均日射熱取得率
(η A値)へ変更。
図6
総合的に評価
平成25年省エネルギー基準(住宅)
のポイント
(引用)一般社団法人 日本サステナブル建築協会 住宅の改正省エネルギー基準の建築主の判断基準と設計・施工指針の解説
(1)
住宅の判断の基準(性能基準)
●外皮の熱性能に関して
(性能基準)
今まで断熱性能に関する指標については床面積
当たりの熱損失量である熱損失係数(Q値)
でお
こなっていましたが、外皮表面積あたりの熱損失
(換気による熱損失量を除く)である外皮平均
熱貫流率(UA値)に変更されます。また、今まで
日射遮蔽性能に関する指標については床面積
表 9 平成11年の基準値
地域
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅵ
Q値
[W/(m2・K)]
1.6
1.9
2.4
2.7
2.7
3.7
表10 平成25年の基準値
μ値
[-]
0.08
0.08
0.07
0.07
0.07
0.06
地域
当たりの日射熱取得量である夏期日射取得係数
(μ値)でおこなっていましたが、外皮表面積あ
ηA値
[-]
3.0
2.8
2.7
3.2
たりの日射熱取得量である冷房期の平均日射熱
の地域毎の値は 表 9 、表10 のとおりです。
<外皮平均熱貫流率算出式>
<平均日射熱取得率算出式>
<具体的な算出方法>
外皮熱貫流率UA 「W/(m2・K)」
平均日射熱取得率ηA[-]
住宅性能評価・表示協会、日本サステナブル建
=外皮熱損失量q[W/K]/外皮面積の合計ΣA[m2]
=日射取得量mc[W/(W/m2)]/外皮面積の合計ΣA[m2]
築協会、建築研究所のWEBツールにおいて「住
×100
宅・住戸の外皮性能計算プログラム」があり、
外皮熱損失量q[W/K]=Σqi
[W/K]
ここでqi:各部位の貫流熱損失量
1)屋根、天井、外壁、ドア、窓の場合
qi=部位の熱貫流率(Ui)×部位の面積(Ai)
×温度差係数(H)
2)土間基礎の場合
qi=基礎長さ1mあたりの熱貫流率(Ui)
×基礎長さ
(L)×温度差係数(H)
(参考)‌一般社団法人 日本サステナブル建築協会 住宅
外皮計算基本講習テキスト平成26年2月
3-6-5
取得率(ηA値)
に変更されます。それぞれの基準
1
2
3
4
5
6
7
8
UA値
[W/(m2・K)]
0.46
0.46
0.56
0.75
0.87
0.87
0.87
-
2
2
日射取得量mc[W/(W/m )]
=Σmci[W/(W/m )]
ここでmci:各部位の日射取得量
1)躯体、ドアの場合
mci=部位の日射熱取得率(ηi)×部位の面積(Ai)
×方位係数(νc)
建物図面から読み取った必要な情報を入力する
ことで、UA値やηA値が求められます。
アウトプットとしてUAやηAのほかの数値が算出
されますが、これらの値は1次エネルギー計算
で使用します。
なお、外皮の計算方法には建物図面から読み
2)窓の場合
取った必要な情報を入力するのではなく、建材
mci=窓の日射熱取得率(ηi)×窓の面積(Ai)
の組み合わせについて仕様表から当該建物の建
×取得日射補正係数(fc)×方位係数(νc)
材仕様に見合うものを選択して検討を行う「部
(参考)‌一般社団法人 日本サステナブル建築協会 住宅
外皮計算基本講習テキスト平成26年2月
位別簡易表を用いる簡易計算法」も現在検討さ
れています。
WEB計算プログラムで選択可能な窓ガラス代
表11 WEB計算プログラムで選択可能な窓ガラス代表構成
表構成と窓の熱性能値は 表11 のとおりです。
カーテンなどの付属部材に関しては建物建築後
に居住者が自由に変更可能なものであり、計算
には使用いたしません。計算対応可能な付属部
材は和障子、外付けブラインドに限ります。
外皮の熱性能計算例を以下に示します。外皮性
能基準策定のためのモデル住宅( 図 7 )を選定
し、6地域(旧Ⅳ地域:東京)
で検討しました。窓
※
の取得日射量補正係数 は定められた係数を使
熱貫流率
[W/
(m2・K)]
日射熱取得率[−]
アルミサッシ 透明複層 A6
4.65
0.79
アルミサッシ 透明複層 A12
4.07
0.79
樹脂金属サッシ Low-Eペア
(日射取得)
A6
3.49
0.64
(日射遮蔽)
A6
樹脂金属サッシ Low-Eペア
3.49
0.40
樹脂金属サッシ Low-Eペア
(日射取得)
A12
2.33
0.64
樹脂金属サッシ Low-Eペア
(日射遮蔽)
A12
2.33
0.40
(日射取得)
Ar12
樹脂サッシ Low-Eペア
1.90
0.64
樹脂サッシ Low-Eペア
(日射遮蔽)
Ar12
1.90
0.40
樹脂サッシ Low-E 3層ペア
(日射取得)
1.70
0.59
(日射遮蔽)
樹脂サッシ Low-E 3層ペア
1.70
0.37
窓ガラス種類
用しています
(冷房期0.93、暖房期0.51)。
3-6
光・熱・省エネルギー
※窓の取得日射補正係数は庇寸法を入力する計算法も有
ります。
表12 と 図 8 に計算結果を示します。
UAやηAの値には窓の開口部 熱 性 能が大きく
影 響 することが 判ります。6地 域 のUA値 基 準
0.87W/(m2・K)以下に関しては、どのガラスで
もクリアしましたが、ηA値基準2.8以下に関し
ては、クリアするためにLow-Eペア
(日射遮蔽)
の使用が望ましいことがわかります。Low-Eペア
(日射遮蔽)は当社商品では高遮熱断熱Low-E
複層ガラス サンバランスアクアグリーンが対
応します。
外皮計算結果は、窓以外にも住宅の外皮性能面積、方位
などの影響が複雑に関係しています。条件設定によっては、
本計算結果と異なる場合もあります。本計算結果はあくま
でも参考値です。
図7
省エネ基準策定のためのモデル住宅
平成25年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解説Ⅱ住宅より引用
表12 モデル住宅の窓ガラス別の外皮性能計算結果
窓ガラス種類
アルミサッシ 透明複層 A6
アルミサッシ 透明複層 A12
樹脂金属サッシ Low-Eペア
(日射取得) A6
樹脂金属サッシ Low-Eペア
(日射遮蔽) A6
樹脂金属サッシ Low-Eペア
(日射取得) A12
樹脂金属サッシ Low-Eペア
(日射遮蔽) A12
樹脂サッシ Low-Eペア
(日射取得) Ar12
樹脂サッシ Low-Eペア
(日射遮蔽) Ar12
樹脂サッシ Low-E 3層ペア
(日射取得)
樹脂サッシ Low-E 3層ペア
(日射遮蔽)
冷房期の
外皮平均
外皮平均
冷房期の
平均日射熱
熱貫流率UA 熱貫流率UA
平均日射熱
取得率
[W/(m2・K)] 判定
取得率判定
η[−]
A
透明複層ガラス FL3+A6+FL3
0.83
○
3.6
×
○
3.6
×
透明複層ガラス FL3+A12+FL3
0.78
高断熱Low-E複層ガラス サンバランスピュアクリア FL3+A6+LP3
0.72
○
3.0
×
高遮熱断熱Low-E複層ガラス サンバランスアクアグリーン LQ3+A6+FL3
0.72
○
2.1
○
高断熱Low-E複層ガラス サンバランスピュアクリア FL3+A12+LP3
0.61
○
3.0
×
高遮熱断熱Low-E複層ガラス サンバランスアクアグリーン LQ3+A12+FL3
0.61
○
2.1
○
○
3.0
×
高断熱Low-E複層ガラス サンバランスピュアクリア FL3+Ar12+LP3
0.57
高遮熱断熱Low-E複層ガラス サンバランスアクアグリーン LQ3+Ar12+FL3
0.57
○
2.1
○
高断熱Low-E複層ガラス サンバランスピュアクリア FL3+Ar6+FL3+Ar6+LP3
0.56
○
2.8
×
高遮熱断熱Low-E複層ガラス サンバランスアクアグリーン LQ3+Ar6+FL3+Ar6+FL3
0.56
○
2.0
○
旭硝子対応ガラス商品
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
2.8 3.0
3.5
4.0
透明複層ガラス FL3+A6+FL3
透明複層ガラス FL3+A12+FL3
高断熱Low-E複層ガラス サンバランスピュアクリア FL3+A6+LP3
高遮熱断熱Low-E複層ガラス サンバランスアクアグリーン LQ3+A6+FL3
高断熱Low-E複層ガラス サンバランスピュアクリア FL3+A12+LP3
高遮熱断熱Low-E複層ガラス サンバランスアクアグリーン LQ3+A12+FL3
ηA2.8以下で
基準値クリア
高断熱Low-E複層ガラス サンバランスピュアクリア FL3+Ar12+LP3
高遮熱断熱Low-E複層ガラス サンバランスアクアグリーン LQ3+Ar12+FL3
高断熱Low-E複層ガラス サンバランスピュアクリア FL3+Ar6+FL3+Ar6+LP3
高遮熱断熱Low-E複層ガラス サンバランスアクアグリーン LQ3+Ar6+FL3+Ar6+FL3
図8
モデル住宅の窓ガラス別冷房期の平均日射取得率比較計算結果
3-6-6
●一次エネルギー消費量に関して
(性能基準)
単位住戸の一次エネルギー消費量
住宅の一次エネルギー消費量[MJ/年]は、暖房
設備、冷房設備、機械換気設備、照明設備、給
湯設備、その他のエネルギー使用量と太陽光発
電によるエネルギー削減量を計算し、それらを
合計して算出します
( 図 9 )。平成25年基準で
は、実際の住宅の設計仕様で算定した設計一次
エネルギー消費量が、基準仕様で算定した基準
一次エネルギー消費量以下になることを基本と
光・熱・省エネルギー
3-6
暖房設備の一次エネルギー消費量
+
冷房設備の一次エネルギー消費量
+
機械換気設備の一次エネルギー消費量
+
照明設備の一次エネルギー消費量
+
給湯設備の一次エネルギー消費量
+
家電等の一次エネルギー消費量
-
します
( 図10 )。
また、WEBツールを使用して得られた値のう
太陽光発電による再生可能エネルギー導入量等※
※自家消費分のみ評価、またコージェネレーション設備も対象となる
ち、UA、ηA以外のq(単位温度差あたりの外皮
熱損失量)、mc( 単位日射強度あたりの冷房期
=
図9
住戸の一次エネルギー消費量
(引用)‌一般社団法人 日本サステナブル建築協会 住宅の改正省エネルギー基準の建築主の判断基準と設計・
施工指針の解説
日射熱取得量)、mH(単位日射強度あたりの暖
房期日射熱取得量)は暖冷房設備の一次エネル
ギー消費量に影響を与えます。建築研究所の
WEBツールにおいて「一次エネルギー消費量算
基準一次エネルギー算定条件
定WEBプログラム
(住宅用)」があり、これを使
用することで一次エネルギーの検討は、可能で
す。
一次エネルギーとは?
一次エネルギーとは、自然界に存在するまま
の形でエネルギー源として利用される化石
燃料や自然エネルギー等によるエネルギー
のことである。建築では主に電力、都市ガ
設計一次エネルギー算定条件
【共通条件】
・地域区分
・住宅の床面積(主たる居室、その他居室、非居室)および床面積に応じた居住人数
・暖冷房方式(全館連続、居室連続、部分間歇)
【基準一次エネ算定条件】
・平成11年基準相当の躯体の熱性能
・暖冷房方式に応じた運転方法
・平 成24年時点において各地域で一般的な種
類・性能の設備機器
【設計一次エネ算定条件】
・躯体の実際の熱性能
・設置する設備機器の種類・仕様
・省エネ対策
・エネルギー消費に係る気候特性 等
ス、石油などが使用されるが、これらは一次
エネルギーを加工(変換)
して得られるエネ
基準一次エネルギー算定
ルギーであり、二次エネルギーと呼ばれる。
設計一次エネルギー算定
暖房・冷房・換気・照明・給湯・その他(家電・調理)
・太陽光発電 等
二次エネルギー消費量は加工(変換)に要す
るエネルギー等を勘案して定められた一次
エネルギー消費量換算係数を使うことによ
基準適合の評価
り、相当する一次エネルギー消費量に換算
基準一次エネルギー消費量 ≧ 設計一次エネルギー消費量
することができる。
省エネルギー基準では建物で使用するエネ
ルギー消費量を一次エネルギー消費量に換
算して評価を行っている。一次エネルギー消
費量に換算することにより、例えば電力消費
量とガス消費量など、二次エネルギーとして
は足し合わせることができない異なる種類
のエネルギー量を合計して評価することがで
きる。なお、一次エネルギー消費量の単位に
は、メガジュール
(MJ)やギガジュール
(GJ)
等が使われる。
3-6-7
図 10
住戸の基準一次エネルギー消費量と設計一次エネルギー消費量の算定
(引用)‌一般社団法人 日本サステナブル建築協会 住宅の改正省エネルギー基準の建築主の判断基準と設計・
施工指針の解説
(2)
住宅の設計・施工の指針(仕様基準)
今回の省エネ基準改正で住宅の仕様基準は、
開口部比率の算出
「住宅に係るエネルギー使用の合理化に関する
設計、施工及び維持保全の指針」の附則として
平成25年10月1日に施行されています。この中
には外皮性能の基準と1次エネルギーの基準が
①
開口部比率の
基準
非適合
NG
記載されています。外皮基準は平成11年基準の
適合
設計・施工指針では、部位毎の断熱性能、及び
日射遮蔽性能の基準により適合判定がされてい
躯体の各部位の
断熱性能等の確認
ましたが、平成25年基準の設計施工指針では、
て外皮面積に占める開口部面積の比率を適用条
件として定めています。
また、一次エネルギー消費量の基準は、外皮性
開口部の断熱性能、
日射遮蔽仕様の確認
3-6
②躯体の断熱性能に関する基準
③開口部比率ごとに定められた基準
熱貫流率の基準
熱貫流率の基準
又は
能基準を満たした上で設置する設備の仕様を告
ガラス、付属部材、
及び庇、軒等の基準
断熱材の熱抵抗の基準
示で示す設備仕様以上とすることが前提となり
光・熱・省エネルギー
外皮性能
開口部面積大小が住宅全体の外皮性能に与え
る影響が大きいことから、部位毎の基準に加え
開口部比率の
区分の確認
ます。
なお、この仕様基準は、後述する低炭素建築物
の認定基準には適用できません。また、適用期
間も「当分の間」と規定されています。
NG
非適合
適否判定
●外皮の熱性能に関する適合条件
適合
(仕様基準)
下記のいずれの基準にも適合すること。
外皮性能基準適合
・開口部比率の基準
・「部位の熱貫流率基準」、若しくは「断熱材の
外皮面積比率の算出
熱抵抗基準」
・「開口部の断熱性能基準」、及び、
「日射遮蔽仕
様に関する基準」
ただし以下の場合を除く。
NG
非適合
・鉄筋コンクリート造等(組積造などを含む)に
一次エネルギー消費量
おいて、過半の床が外気、または外気に通じる
床裏に接している場合。
●一次エネルギー消費量に関する適合条件
(仕様基準)
下記のいずれの基準にも適合すること。なお、
上記の外皮の熱性能に関する基準に適合してい
ることが前提となる。
・外皮面積比率の基準
④
外皮面積比率
の基準
適合
設備機器の効率等の確認
・暖房 ・冷房 ・全般換気 ・照明 ・給湯
⑤設備機器の基準
暖房設備の
基準
冷房設備の
基準
全般換気の
基準
照明設備の
基準
給湯設備の
基準
・暖房、冷房、全般換気、照明及び給湯の設備
に関する基準
(太陽光発電、コジェネレーション設備を設置
NG
したい場合は、設計・施工指針[附則]は使用
非適合
できず、判断基準によらねばならない。)
適否判定
適合
図11 に設計・施工指針の適合確認の手順
(フ
一次エネルギー消費量基準適合
ロー)
を示します。
図 11
設計・施工指針の適合確認の手順(フロー)
(引用)‌一般社団法人 日本サステナブル建築協会 住宅の改正省エネルギー基準の建築主の判断基準と設計・
施工指針の解説
3-6-8
●外皮の熱性能に関する適合条件
表13 開口部比率の基準
(仕様基準)
住宅の種類
一戸建て
共同住宅等
イ)
開口部比率の基準
外皮面積の合計に対する開口部(窓+ドア)面積
の合計の比率が 表13 の基準を満たすことが求
1~3地域
0.11 未満
0.09 未満
表14 躯体の熱貫流率の基準
められます。
開口部比率は下記の式により求められます。
住宅の種類
断熱材の
施工法
部位
開口部比率=Σ開口部面積/Σ外皮等面積
屋根又は天井
壁
(開口部面積は「窓とドア」の面積です。)
光・熱・省エネルギー
3-6
内断熱工法 床
ロ)
「部位の熱貫流率基準」、若しくは
「断熱材の熱抵抗基準」
躯体各部位の断熱性能については、
「躯体の熱
貫流率の基準」または「断熱材の熱抵抗の基
鉄筋
コンクリート
造等の住宅
準」に適合することが求められます。基準は住
土間床等の外周
外断熱工法 床
宅の種類、断熱材の施工法、部位、地域によっ
土間床等の外周
その他の住宅
床
抗の基準」を示します。どちらの基準を用いても
土間床等の外周
構いませんが、部位による使い分けは認められ
ていません。
外気に接する部分
その他の部分
外気に接する部分
その他の部分
屋根又は天井
壁
においては、構造熱端部の断熱補強の基準に適
体の熱貫流率の基準」、表15 に「断熱材の熱抵
外気に接する部分
その他の部分
外気に接する部分
その他の部分
屋根又は天井
壁
て定められています。なお、鉄筋コンクリート造
合することが併せて求められます。表14 に「躯
外気に接する部分
その他の部分
外気に接する部分
その他の部分
熱貫流率の基準値
(単位1平方メートル1度につきワット)
地域区分
4, 5, 6
1及び2
3
8
及び7
0.27
0.35
0.37
0.53
0.39
0.49
0.75
0.27
0.32
0.37
0.38
0.46
0.53
0.47
0.51
0.58
0.67
0.73
0.83
0.32
0.41
0.43
0.62
0.49
0.58
0.86
0.27
0.32
0.37
0.38
0.46
0.53
0.47
0.51
0.58
0.67
0.73
0.83
0.17
0.24
0.24
0.24
0.35
0.53
0.53
0.24
0.24
0.34
0.34
0.34
0.48
0.37
0.37
0.53
0.53
0.53
0.76
表15 断熱材の熱抵抗の基準
住宅の種類
断熱材の
施工法
部位
屋根又は天井
壁
内断熱工法 床
鉄筋
コンクリート
造等の住宅
土間床等の外周
土間床等の外周
屋根又は天井
木造の住宅
充填断熱
工法
床
屋根又は天井
充填断熱
工法
外気に接する部分
その他の部分
外気に接する部分
その他の部分
屋根
天井
壁
土間床等の外周
枠組壁工法の
住宅
外気に接する部分
その他の部分
外気に接する部分
その他の部分
屋根又は天井
壁
外断熱工法 床
外気に接する部分
その他の部分
外気に接する部分
その他の部分
屋根
天井
壁
床
土間床等の外周
屋根又は天井
木造、枠組壁
壁
外張断熱工
工法又は
法又は内張 床
鉄骨
断熱工法
造の住宅
土間床等の外周
3-6-9
4~8地域
0.13 未満
0.08 未満
外気に接する部分
その他の部分
外気に接する部分
その他の部分
外気に接する部分
その他の部分
外気に接する部分
その他の部分
断熱材の熱抵抗の基準値
(単位1平方メートル1度につきワット)
地域区分
4, 5, 6
1及び2
3
8
及び7
3.6
2.7
2.5
1.6
2.3
1.8
1.1
3.2
2.6
2.1
2.2
1.8
1.5
1.7
1.4
0.8
0.5
0.4
0.2
3.0
2.2
2.0
1.4
1.8
1.5
0.9
3.2
2.6
2.1
2.2
1.8
1.5
1.7
1.4
0.8
0.5
0.4
0.2
6.6
4.6
4.6
4.6
5.7
4.0
4.0
4.0
3.3
2.2
2.2
5.2
5.2
3.3
3.3
3.3
2.2
3.5
3.5
1.7
1.2
1.2
0.5
6.6
4.6
4.6
4.6
5.7
4.0
4.0
4.0
3.6
2.3
2.3
4.2
4.2
3.1
3.1
3.1
2.0
3.5
3.5
1.7
1.2
1.2
0.5
5.7
4.0
4.0
4.0
2.9
1.7
1.7
3.8
3.8
2.5
3.5
1.2
3.5
1.2
1.7
0.5
ハ)
「開口部の断熱仕様基準」、及び、
「日射遮蔽仕様に関する基準」
開口部の断熱仕様と日射遮蔽の仕様に関する
基準は開口部比率の区分ごとに定められていま
す。開口部比率の区分は、住宅の種類(一戸建
て、共同住宅等)、及び地域区分に応じて 表16
の通りです。以下にそれぞれの基準を示します。
表16 開口部比率の区分
住宅の種類
一戸建て
共同住宅等
1~3地域の場合
0.07 未満
0.07 以上 0.09 未満
0.09 以上 0.11 未満
0.05 未満
0.05 以上 0.07 未満
0.07 以上 0.09 未満
当該住宅の開口部比率
4~7地域の場合
8地域の場合
0.08 未満
0.08 未満
0.08 以上 0.11 未満 0.08 以上 0.11 未満
0.11 以上 0.13 未満 0.11 以上 0.13 未満
0.05 未満
0.05 未満
0.05 以上 0.07 未満 0.05 以上 0.07 未満
0.07 以上 0.08 未満 0.07 以上 0.08 未満
開口部比率の区分
(い)
(ろ)
(は)
(い)
(ろ)
(は)
→
→
→
→
→
→
●開口部の断熱仕様の基準
表17 にそれぞれの開口部比率の区分に応じた
開口部の熱貫流率基準値とその基準値をクリア
する代表的な窓構成を示します。ここで、開口
表17 開口部の断熱仕様基準値と基準を満たす代表窓構成
開口部
比率区分
(い)の行は開口部比率が小さいため平成11年
(い)
熱貫流率
[W/(m2・K)]
成11年基準の規定よりもワンランク断熱性能が
高い値となっています。
窓が大きな家は居住者に開放感や眺望性を与
(ろ)
代表的な
窓構成
えます。開口部の断熱仕様の基準を満たすため
に、そのような家の窓にはどの地域でもLow-E
窓の面積が住宅の床面積の合計に0.02を乗じ
2.33
(は)
代表的な
窓構成
た値以下となるものを除くことができます。
●日射遮蔽仕様に関する基準
3.49
木製またはプラスチック製
金属製熱遮断構造
Low-E複層ガラス(A12)
Low-E複層ガラス
(A6)
金属・プラスチック
(木)
金属製Low-E複層ガラス
複合構造製
(A12)
Low-E複層ガラス(A12)
熱貫流率
[W/(m2・K)]
複層ガラスをお勧めします。なお、この基準は
4.07
金属製熱遮断構造
金属製
Low-E複層ガラス
(A12)
Low-E複層ガラス(A6)
木製又はプラスチック製
透明複層ガラス(A12)
Low-E複層ガラス(A6)
代表的な
窓構成
基準の規定よりもワンランク断熱性能が低い値
であり、(は)
の行は開口部比率が大きいため平
2.91
地域区分
4
1.9
2.91
5,6,7
8
6.51
備考
H11年基準
より
ワンランク
低い
断熱性能
金属製
単板ガラス
4.65
3-6
光・熱・省エネルギー
熱貫流率
[W/(m2・K)]
部比率(ろ)の行の熱貫流率は平成11年基準の
設計・施工指針にて規定されているものであり、
1,2,3
H11年基準
と同じ
断熱性能
金属製
透明複層
ガラス
(A6)
4.07
金属製熱遮断構造
金属製Low-E
(A12)複層ガラス(A6)
木製またはプラスチック製 Low-E複層ガラス
透明複層
Low-E複層ガラス(G12) 木製又はプラスチック製
Low-E複層ガラス(A6) ガラス(A12)
H11年基準
より
ワンランク
高い
断熱性能
ガラス、付属部材、及び庇、軒、その他日射の侵
入を防止する部分が、住宅の種類、地域区分、
表18 開口部の日射遮蔽断熱性能基準値と基準を満たす代表ガラス構成
(戸建住宅)
それぞれの開口部比率の区分に応じ、どのよう
地域区分
な仕様であればクリアするかを 表18(一戸建て
開口部比率の
区分
(い)8%未満
住宅)
と 表19(共同住宅等)に示します
(仕様が
(ろ)8%以上
11%未満
ガラス性能を示す場合は基準をクリアする代表
ガラス構成も併記しました)。
この基準では戸建て住宅は5~8地域、共同住宅
5~7
地域
(は)
11%以上
13%未満
では8地域のみが規定されています。
日射遮蔽仕様に関する基準を満たすには、庇、
軒等を意識しなくてもよいLow-E複層ガラス
(い)8%未満
(日射遮蔽)をお勧めします。なお、この基準は
(ろ)8%以上
11%未満
直達光が入射する天窓以外の窓で、当該窓の面
8地域
積が住宅の床面積の合計に0.04を乗じた値以
11%以上
(は)
13%未満
下となる窓は除くことができます。
●建具とガラスの組み合わせ例
「住宅に係るエネルギー使用の合理化に関する
設計、施工及び維持保全の指針」には別表第7
として建具とガラスの組み合わせ例がまとめら
なお、窓の仕様別熱貫流率、及び日射熱取得率
の詳細も 表20 ~ 表22 にて確認できます。
※ドア、引き戸等の組み合わせ例は当社対応製品がないの
で、 表20 ~ 表22 には記載されておりません。建具とガ
ラスの組み合わせ例の詳細は、住宅に係るエネルギー使
用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針別表
第7、及び、
「省エネ基準解説書」をご参照ください。
代表ガラス構成
-
Low-E複層ガラス
(日射遮蔽)
イ.
ガラスの日射熱取得率が0.74以下であるもの
Low-E複層ガラス
(日射取得)
ロ.付属部材またはひさし、軒等を設けるもの
-
ガラスの日射熱取得率が0.49以下であるもの Low-E複層ガラス
(日射遮蔽)
イ.
ロ.ガラスの日射熱取得率が0.74以下であるもの Low-E複層ガラス
(日射遮蔽)
に、庇、軒等を設けるもの
Low-E複層ガラス
(日射取得)
ハ.付属部材(南±22.5度に設置するものについて
-
は、外付けブラインドに限る)
を設けるもの
付属部材またはひさし、軒等を設けるもの
-
イ.ガラスの日射熱取得率が0.68以下であるもの
Low-E複層ガラス
(日射遮蔽)
に、庇、軒等を設けるもの
ロ.付属部材を設けるもの
-
ガラスの日射熱取得率が0.49以下であるものに、
付属部材(南±22.5度に設置するものについては、 Low-E複層ガラス
(日射遮蔽)
外付けブラインドに限る)
を設けるもの
表19 開口部の日射遮蔽断熱性能基準値と基準を満たす代表ガラス構成
(共同住宅)
開口部比率の
区分
(い)5%未満
(ろ)
5%以上
7%未満
建具の種類若しくはその組み合わせ
または付属部材、ひさし、軒等の位置
-
-
付属部材またはひさし、軒等を設けるもの
-
(は)
7%以上
8%未満
イ.ガラスの日射熱取得率が0.68以下であるもの Low-E複層ガラス
(日射遮蔽)
に、庇、軒等を設けるもの
Low-E複層ガラス
(日射取得)
ロ.付属部材を設けるもの
-
地域区分
れています。表20 ~ 表22 に対応する当社代表
ガラス構成と共に示します※。
建具の種類若しくはその組み合わせ
または付属部材、ひさし、軒等の位置
-
8地域
代表ガラス構成
注)付属部材 「付属部材」とは、和障子と外付けブラインドのこと。レースカーテン、内付けブラインド等の着脱が容易、また竣工引き渡し
時に設置可否の確認が困難な部材は対象外である。
注)庇、軒等 「庇、軒等」とは、室外の窓上部に取り付けられるものでオーバーハング型日除けともいう。これは外壁面から出寸法は窓下端
から日除け下端までの高さ寸法の0.3倍以上と定義されている。共同住宅の場合は、庇、軒のほか、直上階に設置されるバルコニーや共同廊
下などがある。
3-6-10
表20 建具とガラスの組み合わせ例
(木製窓又はプラスチック製であるもの)
熱貫流率
W/(m2・K)
シャッター
ガラス
外付け 附属部
障子
紙障子
ブラインド 材なし
・雨戸
のみ
建具とガラスの組み合わせの例
建具の仕様
ガラスの仕様
2枚以上のガラス表面に
低放射膜を使用した低放
射 三層 複層ガラス
(中空
層の厚さが7ミリメートル
以上のものであってガス
が封入されているもの)
低 放 射 三 層 複 層 ガ ラス
(中 空 層 の 厚 さが 6ミリ
メートル以上であってガ
スが封入されているもの)
光・熱・省エネルギー
3-6
低 放 射 三 層 複 層 ガ ラス
(中 空 層 の 厚 さが 9ミリ
メートル以上であるもの)
低 放 射 複 層ガラス(中 空
層の厚さが 12ミリメート
ル以上であってガスが封
入されているもの)
低 放 射 複 層ガラス(中 空
層の厚さが 10ミリメート
ル以上であるもの)
低 放 射 複 層ガラス(中 空
層の厚さが 8ミリメート
ル以上 12ミリメートル未
満であってガスが封入さ
れているもの)
日射熱取得率
旭硝子代表ガラス構成
日射取得型
サンバランス
トリプルガラス ガス入り
LPX3+Ar9+FL3+
Ar9+LK3※
0.54
0.34
0.12
日射遮蔽型
サンバランス
トリプルガラス ガス入り
LQ3+Ar9+FL3+
Ar9+LQ3
0.33
0.22
0.08
サンバランス
トリプルガラス ガス入り
サンバランス
トリプルガラス ガス入り
サンバランス
トリプルガラス
サンバランス
トリプルガラス
サンバランス
ピュアクリア ガス入り
サンバランス
アクアグリーン ガス入り
サンバランス ピュアクリア
サンバランス
アクアグリーン
サンバランス
ピュアクリア ガス入り
FL3+Ar6+FL3+
Ar6+LP3
LQ3+Ar6+FL3+
Ar6+FL3
FL3+A9+FL3+
A9+LP3
LQ3+A9+FL3+
A9+FL3
0.59
0.37
0.14
0.37
0.25
0.10
0.59
0.37
0.14
0.37
0.25
0.10
FL3+Ar12+LP3
0.64
0.38
0.15
LQ3+Ar12+FL3
0.40
0.26
0.11
FL3+A12+LP3
0.64
0.38
0.15
LQ3+A12+FL3
0.40
0.26
0.11
FL3+Ar10+LP3
0.64
0.38
0.15
LQ3+Ar10+FL3
0.40
0.26
0.11
0.61
0.33
0.14
0.38
0.24
0.10
0.16
0.12
0.06
0.52
0.28
0.12
0.79
0.38
0.17
0.64
0.38
0.15
0.40
0.26
0.11
0.64
0.38
0.15
0.40
0.26
0.11
0.61
0.33
0.14
0.38
0.24
0.10
日射取得型
日射遮蔽型
日射取得型
日射遮蔽型
日射取得型
日射遮蔽型
日射取得型
日射遮蔽型
日射取得型
日射遮蔽型
サンバランス
アクアグリーン ガス入り
熱線反射ガラス 1種
窓・引戸・框ドア
一重構造の
建具で、木
製又はプラ
スチック製
であるもの
サンカットΣクリアペアガラス SKFC6+A12+FL6
サンルックスペアガラス
SGY32遮 熱 複 層ガラス(中 空 層 熱線反射ガラス 2種
(SGY32ペアガラス)
8+A12+FL8
の厚さが 10ミリメートル
サンルックスペアガラス
以上であるもの)
熱線反射ガラス 3種
SS8-8+A12+FL8
(SS8ペアガラス)
熱線吸収板ガラス 2種 サンユーログレーペアガラス GEFL6+A12+FL6
複層ガラス(中空層の厚さ
熱線反射ガラス又は
が 10ミリメートル以上で
ペアガラス
FL3+A12+FL3
熱線吸収板ガラス以外
あるもの)
低 放 射 複 層ガラス(中 空
日射取得型
サンバランス ピュアクリア
FL3+A6+LP3
層の厚さが 5ミリメート
サンバランス
ル以上 10ミリメートル未
日射遮蔽型
LQ3+A6+FL3
アクアグリーン
満であるもの)
サンバランス
低 放 射 複 層ガラス(中 空
日射取得型
FL3+Ar6+LP3
層の厚さが 4ミリメート
ピュアクリア ガス入り
ル以上 7ミリメートル未
サンバランス
満であってガスが封入さ
日射遮蔽型
LQ3+Ar6+FL3
アクアグリーン ガス入り
れているもの)
熱線反射ガラス 1種 サンカットΣクリアペアガラス SKFC6+A6+FL6
遮 熱 複 層ガラス(中 空 層
サンルックスペアガラス
SGY32熱線反射ガラス 2種
の厚さが 6ミリメートル
(SGY32ペアガラス)
8+A6+FL8
以上 10ミリメートル未満
サンルックスペアガラス
熱線反射ガラス 3種
SS8-8+A6+FL8
であるもの)
(SS8ペアガラス)
熱線吸収板ガラス 2種 サンユーログレーペアガラス GEFL6+A6+FL6
複層ガラス(中空層の厚さ
が 6ミリメートル以上 10 熱線反射ガラス又は
ペアガラス
FL3+A6+FL3
ミリメートル未満である 熱線吸収板ガラス以外
もの)
サンカットΣクリア
SKFC6
熱線反射ガラス 1種
熱線反射ガラス 2種
単板ガラス
サンルックスSGY32
SGY32-6
0.16
0.12
0.06
0.52
0.28
0.12
0.79
0.38
0.17
0.68
0.35
0.16
0.49
0.30
0.13
熱線反射ガラス 3種
サンルックスSS8
SS8-6
0.23
0.20
0.08
熱線吸収板ガラス 2種
熱線反射ガラス又は
熱線吸収板ガラス以外
サンユーログレー
GEFL6
0.63
0.34
0.15
フロート板ガラス
FL3
0.88
0.38
0.19
1.60
1.43
1.49
1.70
1.51
1.58
1.70
1.51
1.58
1.90
1.66
1.75
2.33
1.99
2.11
2.33
1.99
2.11
2.91
2.41
2.59
2.91
2.41
2.59
2.91
2.41
2.59
3.49
2.82
3.04
6.51
4.76
5.23
上表は住宅に係るエネルギー使用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針別表第7、及び平成25年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解説Ⅲ 住宅の設計施工指針より引用し、
当社の代表ガラス構成を付記したものです。表中の記載数値は、引用資料に記載の数値であり、当社対応ガラス製品の熱光学性能値とは異なる場合があります。
※特注品につき詳細についてはお問い合わせください。
3-6-11
表21 建具とガラスの組み合わせ例
(木又はプラスチックと金属の複合材料製であるもの)
建具とガラスの組み合わせの例
建具の仕様
ガラスの仕様
低放射複層ガラス(中空層の厚
さが 16ミリメートル以上であっ
てガスが封入されているもの)
低放射複層ガラス(中空層の厚
さが 10ミリメートル以上であ
るもの)
低放射複層ガラス(中空層の厚
さが 8ミリメートル以上 16ミリ
メートル未満であってガスが封
入されているもの)
熱貫流率
W/(m2・K)
シャッター
ガラス
外付け 附属部
障子
紙障子
ブラインド 材なし
・雨戸
のみ
日射熱取得率
旭硝子代表ガラス構成
サンバランス ピュアクリアE FL3+Ar16+LP3
0.64
0.38
0.15
日射遮蔽型
サンバランス アクアグリーンE LQ3+Ar16+FL3
0.40
0.26
0.11
日射取得型
サンバランス ピュアクリア
FL3+A12+LP3
0.64
0.38
0.15
日射遮蔽型
サンバランス アクアグリーン LQ3+A12+FL3
0.40
0.26
0.11
FL3+Ar10+LP3
0.64
0.38
0.15
LQ3+Ar10+FL3
0.40
0.26
0.11
低放射複層ガラス(中空層の厚
日射取得型
サンバランス ピュアクリア FL3+A6+LP3
さが 5ミリメートル以上 10ミリ
サンバランス
日射遮蔽型
LQ3+A6+FL3
メートル未満であるもの)
アクアグリーン
低放射複層ガラス(中空層の厚
サンバランス
日射取得型
FL3+Ar6+LP3
一重構造の さが 4ミリメートル以上 7ミリ
ピュアクリア ガス入り
建 具 で、木 メートル未満であってガスが封
サンバランス
日射遮蔽型
LQ3+Ar6+FL3
又はプラス 入されているもの)
アクアグリーン ガス入り
チックと金
熱線反射ガラス 1種 サンカットΣクリアペアガラス SKFC6+A12+FL6
属の複合材
サンルックスペアガラス
SGY32料製である 遮熱複層ガラス(中空層の厚さ 熱線反射ガラス 2種
(SGY32ペアガラス)
8+A12+FL8
が 10ミリメートル以上である
もの
サンルックスペアガラス
もの)
SS8-8+A12+FL8
熱線反射ガラス 3種
(SS8ペアガラス)
0.64
0.38
0.15
0.40
0.26
0.11
0.64
0.38
0.15
0.40
0.26
0.11
0.61
0.33
0.14
0.38
0.24
0.10
0.16
0.12
0.06
0.52
0.28
0.12
0.79
0.38
0.17
日射取得型
日射遮蔽型
サンバランス
ピュアクリア ガス入り
サンバランス
アクアグリーン ガス入り
熱線吸収板ガラス 2種 サンユーログレーペアガラス GEFL6+A12+FL6
複層ガラス(中空層の厚さが 10 熱線反射ガラス又は
ペアガラス
FL3+A12+FL3
ミリメートル以上であるもの)
熱線吸収板ガラス以外
熱線反射ガラス 1種 サンカットΣクリアペアガラス SKFC6+A6+FL6
0.61
0.33
0.14
SGY328+A6+FL8
0.38
0.24
0.10
SS8-8+A6+FL8
0.16
0.12
0.06
熱線吸収板ガラス 2種 サンユーログレーペアガラス GEFL6+A6+FL6
0.52
0.28
0.12
0.79
0.38
0.17
遮熱複層ガラス(中空層の厚さ 熱線反射ガラス 2種
が 6ミリメートル以上 10ミリ
メートル未満であるもの)
熱線反射ガラス 3種
サンルックスペアガラス
(SGY32ペアガラス)
サンルックスペアガラス
(SS8ペアガラス)
複層ガラス(中空層の厚さが 6
熱線反射ガラス又は
ミリメートル以上 10ミリメート
熱線吸収板ガラス以外
ル未満であるもの)
ペアガラス
FL3+A6+FL3
2.15
1.86
1.96
2.33
1.99
2.11
2.33
1.99
2.11
3-6
3.49
2.82
3.04
3.49
2.82
3.04
3.49
2.82
3.04
4.07
3.21
3.49
光・熱・省エネルギー
窓・引戸・框ドア
日射取得型
上表は住宅に係るエネルギー使用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針別表第7、及び平成25年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解説Ⅲ 住宅の設計施工指針より引用し、
当社の代表ガラス構成を付記したものです。表中の記載数値は、引用資料に記載の数値であり、当社対応ガラス製品の熱光学性能値とは異なる場合があります。
表22-1 建具とガラスの組み合わせ例
(金属製熱遮断構造又は金属製であるもの)
建具とガラスの組み合わせの例
建具の仕様
窓・引戸・框ドア
一重構造の
建 具 で、金
属製熱遮断
構造である
もの
ガラスの仕様
熱貫流率
W/(m2・K)
ガラス
外付け 附属部
シャッター
紙障子
障子
のみ
ブラインド 材なし
・雨戸
日射熱取得率
旭硝子代表ガラス構成
低放射複層ガラス(中空層の厚
さが 10ミリメートル以上であ
るもの)
日射取得型
サンバランス ピュアクリア
FL3+A12+LP3
0.64
0.38
0.15
日射遮蔽型
サンバランス アクアグリーン LQ3+A12+FL3
0.40
0.26
0.11
低放射複層ガラス(中空層の厚
さが 8ミリメートル以上であっ
てガスが封入されて いるもの)
日射取得型
0.64
0.38
0.15
0.40
0.26
0.11
低放射複層ガラス(中空層の厚
さが 6ミリメートル以上 10ミリ
メートル未満である もの)
低放射複層ガラス(中空層の厚
さが 4ミリメートル以上 7ミリ
メートル未満であってガスが封
入されているもの)
日射取得型
サンバランス ピュアクリア ガス入り FL3+Ar10+LP3
サンバランス LQ3+Ar10+FL3
アクアグリーン ガス入り
サンバランス ピュアクリア FL3+A6+LP3
0.64
0.38
0.15
日射遮蔽型
サンバランス アクアグリーン
LQ3+A6+FL3
0.40
0.26
0.11
FL3+Ar6+LP3
0.64
0.38
0.15
LQ3+Ar6+FL3
0.40
0.26
0.11
0.61
0.33
0.14
0.38
0.24
0.10
0.16
0.12
0.06
0.52
0.28
0.12
日射遮蔽型
日射取得型
日射遮蔽型
サンバランス ピュアクリア
ガス入り
サンバランス アクアグリーン ガス入り
熱線反射ガラス 1種 サンカットΣクリアペアガラス SKFC6+A12+FL6
サンルックスペアガラス
SGY32遮熱複層ガラス(中空層の厚さ 熱線反射ガラス 2種
(SGY32ペアガラス)
8+A12+FL8
が 10ミリメートル以上である
サンルックスペアガラス
もの)
SS8-8+A12+FL8
熱線反射ガラス 3種
(SS8ペアガラス)
熱線吸収板ガラス 2種 サンユーログレーペアガラス GEFL6+A12+FL6
2.91
2.41
2.59
2.91
2.41
2.59
3.49
2.82
3.04
3.49
2.82
3.04
3.49
2.82
3.04
上表は住宅に係るエネルギー使用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針別表第7、及び平成25年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解説Ⅲ 住宅の設計施工指針より引用し、
当社の代表ガラス構成を付記したものです。表中の記載数値は、引用資料に記載の数値であり、当社対応ガラス製品の熱光学性能値とは異なる場合があります。
3-6-12
表22-2 建具とガラスの組み合わせ例
(金属製熱遮断構造又は金属製であるもの)
熱貫流率
W/(m2・K)
シャッター
ガラス
外付け 附属部
障子
紙障子
のみ
ブラインド 材なし
・雨戸
建具とガラスの組み合わせの例
建具の仕様
一重構造の
建 具 で、金
属製熱遮断
構造である
もの
3-6
ガラスの仕様
日射熱取得率
旭硝子代表ガラス構成
複層ガラス(中空層の厚さ
熱線反射ガラス又は
が 10ミリメートル以上で
ペアガラス
FL3+A12+FL3
熱線吸収板ガラス以外
あるもの)
サンカットΣクリアペアガラス SKFC6+A6+FL6
熱線反射ガラス 1種
サンルックスペアガラス
SGY32遮 熱 複 層ガラス(中 空 層
熱線反射ガラス 2種
(SGY32ペアガラス)
8+A6+FL8
の厚さが 6ミリメートル
サンルックスペアガラス
以上 10ミリメートル未満
熱線反射ガラス 3種
SS8-8+A6+FL8
(SS8ペアガラス)
であるもの)
熱線吸収板ガラス 2種 サンユーログレーペアガラス GEFL6+A6+FL6
光・熱・省エネルギー
複層ガラス(中空層の厚さ
が 6ミリメートル以上 10
ミリメートル未満である
もの)
低 放 射 複 層ガラス(中 空
層の厚さが 10ミリメート
ル以上であるもの)
窓・引戸・框ドア
低 放 射 複 層ガラス(中 空
層の厚さが 8ミリメート
ル以上であってガスが封
入されているもの)
低 放 射 複 層ガラス(中 空
層の厚さが 5ミリメート
ル以上 10ミリメートル未
満であるもの)
低 放 射 複 層ガラス(中 空
層の厚さが 4ミリメート
ル以上 7ミリメートル未
満であってガスが封入さ
れているもの)
熱線反射ガラス又は
熱線吸収板ガラス以外
日射取得型
日射遮蔽型
日射取得型
日射遮蔽型
日射取得型
0.38
0.17
0.61
0.33
0.14
0.38
0.24
0.10
0.16
0.12
0.06
0.52
0.28
0.12
ペアガラス
FL3+A6+FL3
0.79
0.38
0.17
サンバランス ピュアクリア
FL3+A12+LP3
0.64
0.38
0.15
LQ3+A12+FL3
0.40
0.26
0.11
FL3+Ar10+LP3
0.64
0.38
0.15
LQ3+Ar10+FL3
0.40
0.26
0.11
FL3+A6+LP3
0.64
0.38
0.15
サンバランス
アクアグリーン
サンバランス
ピュアクリア ガス入り
サンバランス
アクアグリーン ガス入り
サンバランス ピュアクリア
日射遮蔽型
サンバランス
アクアグリーン
LQ3+A6+FL3
0.40
0.26
0.11
日射取得型
サンバランス
ピュアクリア ガス入り
FL3+Ar6+LP3
0.64
0.38
0.15
日射遮蔽型
サンバランス
アクアグリーン ガス入り
LQ3+Ar6+FL3
0.40
0.26
0.11
0.61
0.33
0.14
0.38
0.24
0.10
0.16
0.12
0.06
0.52
0.28
0.12
0.79
0.38
0.17
0.61
0.33
0.14
0.38
0.24
0.10
熱線反射ガラス 1種
遮 熱 複 層ガラス(中 空 層
熱線反射ガラス 2種
の厚さが 10ミリメートル
以上であるもの)
熱線反射ガラス 3種
熱線吸収板ガラス 2種
一重構造の
建 具 で、金 複層ガラス(中空層の厚さ 熱線反射ガラス又は
属製である が 10ミリメートル以上で 熱線吸収板ガラス以外
あるもの)
もの
熱線反射ガラス 1種
遮 熱 複 層ガラス(中 空 層
の厚さが 4ミリメートル 熱線反射ガラス 2種
以上 10ミリメートル未満
熱線反射ガラス 3種
であるもの)
熱線吸収板ガラス 2種
複層ガラス(中空層の厚さ
が 4ミリメートル以上 10 熱線反射ガラス、
ミリメートル未満である 熱線吸収板ガラス以外
もの)
単板ガラス2枚を組み合わせたものであって、ガラ
スの内法間隔が12ミリメートル以上であるもの
単板ガラス2枚を組み合わせたものであって、ガラ
スの内法間隔が 6ミリメートル以上 12ミリメート
ル未満であるもの
熱線反射ガラス 1種
熱線反射ガラス 2種
単板ガラス
0.79
サンカットΣクリア
SKFC6+A12+FL6
ペアガラス
SGY32サンルックスペアガラス
(SGY32ペアガラス)
8+A12+FL8
サンルックスペアガラス
SS8-8+A12+FL8
(SS8ペアガラス)
サンユーログレーペアガラス GEFL6+A12+FL6
ペアガラス
FL3+A12+FL3
サンカットΣクリア
SKFC6+A6+FL6
ペアガラス
SGY32サンルックスペアガラス
(SGY32ペアガラス)
8+A6+FL8
サンルックスペアガラス
SS8-8+A6+FL8
(SS8ペアガラス)
サンユーログレーペアガラス GEFL6+A6+FL6
0.16
0.12
0.06
0.52
0.28
0.12
3.49
2.82
3.04
4.07
3.21
3.49
3.49
2.82
3.04
3.49
2.82
3.04
4.07
3.21
3.49
4.07
3.21
3.49
4.07
3.21
3.49
4.65
3.60
3.92
ペアガラス
FL3+A6+FL3
0.79
0.38
0.17
ペアガラス
FL3+A12+FL3
0.79
0.38
0.17
4.07
3.21
3.49
ペアガラス
FL3+A6+FL3
0.79
0.38
0.17
4.65
3.60
3.92
6.51
4.76
5.23
サンカットΣクリア
SKFC6
0.68
0.35
0.16
サンルックスSGY32
SGY32-6
0.49
0.30
0.13
熱線反射ガラス 3種
サンルックスSS8
SS8-6
0.23
0.20
0.08
熱線吸収板ガラス 2種
熱線反射ガラス又は
熱線吸収板ガラス以外
サンユーログレー
GEFL6
0.63
0.34
0.15
フロート板ガラス
FL3
0.88
0.38
0.19
上表は住宅に係るエネルギー使用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針別表第7、及び平成25年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解説Ⅲ 住宅の設計施工指針より引用し、
当社の代表ガラス構成を付記したものです。表中の記載数値は、引用資料に記載の数値であり、当社対応ガラス製品の熱光学性能値とは異なる場合があります。
3-6-13
1 「低放射膜」とは、ガラス表面に銀、酸化スズ等を成膜することでガラス表面の放射率を下げ、放射熱伝達を抑制する薄膜をいう。
2 「複層ガラス」とは、複数枚の板ガラスにより構成されるガラスをいう。
3 「低放射三層複層ガラス」とは、3枚の板ガラス
(日本工業規格R3202に定めるフロート板ガラス及び磨き板ガラス、日本工業規格R3203に定める型板ガラス、日本工業規格R3204に定
める網入板ガラス及び線入板ガラス、日本工業規格R3206に定める強化ガラス、日本工業規格R3222に定める倍強度ガラス、日本工業規格R3208に定める熱線吸収板ガラス、日本工
業規格R3221に定める熱線反射ガラス及び日本工業規格R3205に定める合わせガラスをいい、それらの板ガラスに表面加工による光学的な拡散性を持たせたもの
(刷りガラス、フロス
ト加工又はタペストリー加工)
を含む。以下同じ。)
と2つの中空層からなるものであり、1枚以上の板ガラスに低放射膜を中空層に面するように使用しているものをいう
(ただし、同一中
空層に複数の低放射膜が面するものを除く。)。
4 上表における「ガス」とは、アルゴンガス又は熱伝導率がこれと同等以下のものをいう。
5 「日射取得型」とは、ガラス全体の日射熱取得率が0.50以上のものを、
「日射遮蔽型」とは、ガラス全体の日射熱取得率が0.49以下のものをいう。
6 「低放射複層ガラス」とは、2枚の板ガラスと1つの中空層からなるものであり、1枚以上の板ガラスに低放射膜を中空層に面するように使用しているものをいう。
7 「遮熱複層ガラス」とは、室外側のガラス1枚に熱線反射ガラス又は熱線吸収板ガラスを使用して日射熱取得率を低減した複層ガラスをいい、
「熱線反射ガラス1種」
、
「熱線反射ガラス2
種」及び「熱線反射ガラス3種」とは、日本工業規格R3221に定める日射遮蔽性の区分によるものをいい、
「熱線吸収板ガラス2種」とは、日本工業規格R3208に定める日射熱取得率の
区分によるものをいう。
8 「単板ガラス」とは、一枚の板ガラスにより構成されるガラスをいう。
9 ガラスの仕様に用いるガラス
(複数枚のガラスを使用する場合はそのうちの1枚のガラス)
について、日本工業規格R3205に定める合わせガラスとすることができる。
11「金属製」とは、アルミニウム合金等の金属で構成された構造のものであり、枠等の一部にプラスチック等を使用した構造のものを含む。
12 「単板ガラス2枚を組み合わせたもの」は、中間部にブラインドが設置されたものを含むものとする。
13 「金属製熱遮断構造」とは、金属製の建具で、その枠又は框等の中間部をプラスチック等の断熱性を有する材料で接続した構造をいう。
●一次エネルギー消費量に関する適合条件
表23 外皮面積比率の基準
(仕様基準)
一次エネルギー消費量に関する適合条件は前項
の外皮の熱性能に関する基準に適合しているこ
とが前提で、さらに以下の基準適合を求められ
ます。
イ)
外皮面積比率の基準
3-6
光・熱・省エネルギー
10「木又はプラスチックと金属の複合材料製」とは、屋外側の建具の大半に金属、屋内側の建具の大半に木又はプラスチックを使用した構造をいう。
地域区分
一戸建ての住宅
共同住宅等
1~3 地域
2.9
4~8 地域
2.8
Σni Ai,bw
0.3× +2.9
Atotal
Σni Ai,bw
0.5× +2.7
Atotal
Ai,bw:当該住戸の第i界壁、界床等の面積
(単位m2)
Atotal:当該住戸の床面積の合計(単位m2)
n:界壁、界床等の数
この基準は当該住戸の形状について、外皮等面
積の合計を床面積の合計で除した数値が、住宅
の種類及び地域区分に応じ、表23 に掲げる値
または計算式により求められる値以下であるこ
ととする。
ロ)暖房、冷房、全般換気、照明及び給湯の
設備に関する基準
暖房、冷房、全般換気、照明及び給湯のそれぞ
れの設備について、平成25年度国土交通省告示
第907号 附則6の
(2)のイ)からホ)までに示
す事項に該当するもの、または判断の基準にお
いてこれと同等以上の評価となるものであるこ
ととする。
※)
本基準については平成25年度国土交通省告
示第907号 附則6の
(2)
のイ)
からホ)
を参
照してください。
3-6-14
4非住宅(事務所ビル等)
の省エネルギー
表24 平成25年省エネ基準
(非住宅)
の改正概要
基準
非住宅(事務所ビル等)の省エネルギー基準は、
指標の見直し
「エネルギーの使用の合理化に関する建築主等
及び特定建築物の所有者の判断基準」
( 経済産
業省・国土交通省告示)に、建築主等が行うべ
き2つの基準の具体的内容が定められています。
改正されました。改正の概要について 表24 と
図12 に示します。従来の外壁、窓等を通して
の熱の損失の防止に関する基準で用いられた
非住宅建築物
光・熱・省エネルギー
平 成25年 基 準 はそれまでの基 準から大 幅 に
改正前(平成11年基準)
PAL(年間熱負荷係数)は平成26年3月31日で
廃止となり、平成26年4月1日からPAL*に変わ
改正後(平成25年基準)
PAL*
一次エネルギー消費量
【標準入力法/主要室入力法】
モデル建物法
(PAL*)
モデル建物法
(一次エネルギー消費量)
CEC
ポイント法(外皮)
簡易なポイント法(外皮)
ポイント法(設備)
簡易なポイント法(設備)
外皮
設備
【性能基準(計算ルート)】
る基準
●一次エネルギー消費量に関する基準
設備
5,000m2以下の
簡易評価法の見直し
●外 壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関す
3-6
改正前(平成11年基準)
PAL
外皮
【非住宅建築物の簡易評価法】
改正後(平成25年基準)
外皮
PAL
外皮 PAL*(パルスター)
空調
CEC/AC
空調
換気
CEC/V
換気
給湯
CEC/HW
給湯
照明
CEC/L
照明
昇降機
CEC/EV
昇降機
改正前
改正後
ポイント法
モデル建物法
外皮
PAL*簡易評価法
空調
一次
エネルギー
消費量
換気
一次エネ
簡易評価法
給湯
照明
昇降機
りました。また5000m2以下に適用されていた
ポイント法(外皮)
と簡易なポイント法(外皮)は
図 12
平成25年省エネ基準(非住宅)
の改正概要
引用元:板ガラス協会資料 ビルと複層ガラス H25s等エネルギー版より
平成25年3月31日で廃止となり、モデル建物法
(PAL*)の適 用が 平 成26年4月1日より適 用 開
始されています。従来の設備の評価CECも廃止
●PAL*の特徴
となり一次エネルギー消費量が平成25年4月1
従来のPALの考え方を踏襲しつつ、計算条件
日より施行されました。ポイント法(設備)
と簡
を一次エネルギー消費量計算の条件と統一し
易なポイント法(設備)もモデル建物法(一次エ
ています。主な変更点は 表25 の通りです。また
ネルギー消費量)に変わり平成26年4月1日より
PAL*の基準値は建物用途に合わせて地域区分
適用開始となっています。
①
最上階
中間階
②m
5m
5
5m
5m
ごとに 表26 のように定められています。
最下階
(1)
外 壁、窓等を通しての熱の損失の防止
③
ピロティ
に関する基準
従来の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に
図 13
関する基準で用いられたPAL(年間熱負荷係数)
は、PAL*に変わりました。
従来のPAL同様、ペリメータゾーン
(屋内周囲空
間)
の年間熱負荷をペリメータゾーンの床面積で
除した値とします。
PAL*=
ペリメータゾーンの年間熱負荷
PAL*におけるペリメータゾーン
表25 PALとPAL*の主な変更点
地域区分
建材の物性値
負荷検討
PAL
12地域
住宅と非住宅で異なる
顕熱のみ
基準値
建物種類で定める
ペリメータゾーンの床面積
PAL*
8地域(一次エネルギー評価と同じ)
住宅と非住宅で同じ
顕熱+潜熱(一次エネルギー評価の空調負荷と同じ)
ホテル、病院、集会場について、使用条件が大きく異なる
室用途で基準値を細分化(例:ホテルの客室と宴会場)
表26 PAL*の建物用途毎の基準値
ただし、床面積算出方法は、従来よりも簡略化
し、外周長×5mとし、且つ、屋根とピロティ面
積はそのまま算入( 図13 )。外皮面積に対する
ペリメータ面積割合は建物規模、階数によらず
用途
(1) 事務所等
ほぼ一定となったので、従来の小規模建物用規
(3)
模補正係数は廃止になりました。
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
3-6-15
客室部
宴会場部
客室部
病院等
非病室部
物品販売業を営む店舗等
学校等
飲食店等
図書館等
集会所等
体育館等
映画館等
工場等
(2) ホテル等
1
430
560
960
790
420
610
390
680
540
770
1470
-
2
430
560
960
790
420
610
390
680
540
770
1470
-
3
430
560
960
790
420
610
390
680
540
770
1470
-
地域区分
4
5
450
450
450
450
1250
1250
770
770
430
430
710
710
450
450
810
810
550
550
900
900
1500
1500
-
-
6
450
450
1250
770
430
710
450
810
550
900
1500
-
7
450
500
1450
790
440
820
500
910
550
900
1500
-
8
590
690
2220
980
670
1300
690
1440
670
1100
2100
-
●基準階事務室PAL*の計算例
東面
PAL*は従来の年間熱負荷係数(PAL)
と同様に
開口部のガラスの熱貫流率(U値)
と日射取得率
(η値)
が大きく影響してきます。
ここでは 表27 、表28 、図14 、図15 に示す延床
面積10,000m2の事務所モデル建物の基準階事
務室のペリメータ面積当たりの負荷(ここでは
基準階事務室PAL*と称する)
をガラス別に算出
し、6地域(旧Ⅳ地域:東京)において比較検討
しました。
結果を 表29 と 図16 、図17 に示します。
貫流率、縦軸に日射熱取得率をとり、基準階事
務室PAL*値の等高線を示したものです。熱貫
流率が小さく、日射熱取得率が小さい程、基準
階事務室PAL*値も小さくなる傾向にあります。
例えば、表29 をみると、サンバランスはどれも
単板ガラスFL8、及び透明複層FL6+A12+FL6
基準階事務室PAL*計算用モデル
建物基準階平面図
表27 基準階事務室PAL*計算用モデル建物概要
用途:
地域区分:
構造:
敷地面積:
階数:
建築面積:
延床面積:
各階の主要室:
と比較して明色ブラインド付きの日射熱取得率
が小さく、熱貫流率が小さいことがわかります。
このためPAL*の等高線でもサンバランスは相
都市
ガラスであることが判ります。
基準をクリアしやすくなるので、窓面積を自由
東京
(6地域)
に大きくとり、庇やフィン、ルーバーの設計の自
由度が増えます。
な
お、PAL*の算出結果は建物内部発熱、換気、外皮性能、
方位などが複雑に関与するので、条件によって結果は異な
ります。本検討はモデル建物の基準階事務室における参考
値です。
外壁
建材名称
せっこうボード
非密閉空気層
押出法ポリスチレンフォーム
保温板 1種
コンクリート
セメント・モルタル
タイル
厚み
8.0mm
25.0mm
150.0mm
25.0mm
10.0mm
外壁
(水平)
建材名称
ロックウール化粧吸音板
せっこうボード
非密閉空気層
コンクリート
セメント・モルタル
アスファルト類
セメント・モルタル
押出法ポリスチレンフォーム保温板 1種
コンクリート
厚み
12mm
10mm
150mm
15mm
5mm
15mm
50mm
60mm
建物仕様:独立行政法人建築研究所
(協力:国土交通省国土技術政策総合研究所)
住宅・建築物の省エネルギー基準及び低炭素建築物
の認定基準に関する技術情報省エネルギー基準
(平成25年1月公布)及び低炭素建築物の認定基準
(平成24年12月公布)
の告示に沿った計
2
算方法
(プログラム等)
外皮・設備仕様入力シートサンプル事務所 10,000m を引用。
1.0
熱貫流率 日射熱
PAL*
透明単板8mmを
ガラス品種
[W/(m2・K)] 取得率[-] [MJ/m2・年] 基準にした比率
単板ガラス FL8
4.54
0.405
509.7
100%
0.274
497.8
98%
サンルックス
(TSL30)
TSL30-8
4.20
複層透明ガラス FL6+A12+FL6
2.60
0.429
471.0
92%
0.266
458.3
90%
(SGY32)
SGY32-6+A12+FL6
2.46
サンルックスペア
サンバランス
(アクアグリーン)LQ6+A12+FL6
1.55
0.286
442.3
87%
サンバランス
(プレミアムクール)LR6+A12+FL6
1.56
0.234
438.9
86%
0.198
436.3
86%
サンバランス
(トリプルクール)LN6+A12+FL6
1.54
サンバランス
(ピュアクリア)
LP6+A12+FL6
1.58
0.368
448.6
88%
サンバランス(アクアグリーン)
サンバランス(プレミアムクール)
530
0.9
0.8
490
0.7
日
射 0.6
熱
取
得 0.5
率
[
]
サンバランス(トリプルクール)
0.4
450
サンバランス
複層透明ガラス(ペアガラス)
0.2
サンルックスペア(SGY32)
サンカットΣユーログレーペア
透明複層ガラス
(ペアガラス)
サンバランス
(ピュアクリア)
0.3(アクアグリーン)
430
サンバランス(ピュアクリア)
サンカットΣ
ユーログレーペア
サンルックス
ペア
(SGY32)
サンバランス
(プレミアムクール)
サンバランス
(トリプルクール)
単板ガラス
熱線吸収ガラス
(サンユーログレー)
サンルックス
(TSL30)
0.1
単板ガラス
サンルックス(TSL30)
0.0
0.0
サンユーログレー
図 16
基準階事務室PAL*計算用
モデル建物立面図
図 15
表29 明色ブラインド付き熱性能値と基準階事務室PAL*値
300
3-6
事務所
(本社社屋)
東京
(6地域)
鉄骨鉄筋コンクリート造
5,000m2
地下1階、地上9階、塔屋1階
1,500m2
10,000m2
9階 食堂・厨房
2階~8階 事務室
1階 事務室、エントランスホール
地階 機械室、中央監視室
表28 基準階事務室PAL*計算用モデル建物外壁仕様
対的に低い値となっており、省エネ効果の高い
サンバランスを用いることで、平成25年省エネ
南面
光・熱・省エネルギー
図17 は横軸に明色ブラインド付きのガラスの熱
図 14
350
400
450
MJ / m ・年 2
500
550
モデルビルにおける基準階PAL*値ガラス
(明色ブラインド付き)別計算結果
図 17
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
熱貫流率[W(
/ m2・K)]
6.0
明色ブラインド付きガラス性能値とモデルビル
における基準階PAL*値との関係図
3-6-16
●PAL*算定用WEBプログラムの概要
非住宅建築物の外皮性能評価プログラムは、イ
●設計一次エネルギー消費量の算定及び届
出の流れ
ンターネット上でPAL*を算定するプログラム
申請者、審査者の負担軽減及び評価の公平性確
て、評価対象建築物の外皮や設備の仕様を適用
(以下、PAL*算定用WEBプログラムと記す)と
保を目的として、一次エネルギー消費量算定用
した場合のPAL*及び一次エネルギー消費量を
なっており、
(独)建築研究所のホームページ「住
WEBプログラムが開発され、これを用いて申請
算定して評価をおこなうものです
( 図19 )。
宅・建築物の省エネルギー基準及び低炭素建築
した場合は一次エネルギー消費量計算過程の
物の認定基準に関する技術情報」で公開されて
審査を省略することができます。図18 に一次エ
PAL*及び一次エネルギー消費量の算定ロジッ
います。
ネルギー消費量算定用WEBプログラムを使用
ク自体 は 前 述 の 建 築 研 究 所 が 公 開している
した場合の算定及び届出の流れを示します。
WEBプログラムと同じであり、モデル建物法の
●PAL*算定用のガラス熱性能値
PAL*計算用の各ガラスの「熱貫流率」および
光・熱・省エネルギー
3-6
用途構成などを決め打ちしてしまい
(これを「モ
デル建物」と称する。)、このモデル建物に対し
適用を支援するための「モデル建物法入力支援
(3)
モデル建物法について
ツール」が別途、建築研究所のホームページで
「日射熱取得率」については、国土技術政策総
非住宅(事務所ビル等)の省エネルギー基準は、
公開されています。
合研究所資料 建築研究資料No.150「平成25
平成25年基準ではWEB算定プログラム等を利
モデル建物法の判定結果は設計値を基準値で
年省エネルギー基準等関係技術資料-非住宅
用して判断を行うことになりますが、プログラ
除した値(PAL*についてはBPIm、一次エネル
建築物の外皮性能評価プログラム解説-」の中
ムの入力には建物の詳細な情報が必要であり
ギー消費量についてはBEIm)で表示されます。
で、ガラス番号とともに示されています。このガ
労力を要します。そこで従来の「ポイント法」及
BPImとBEImが1.0以下であれば基準適合とな
ラス番号をWEBツールに入力することで、この
び「簡易なポイント法」に替わる、小規模非住
ります( 図20 )。
資料に記載されたガラス性能値が割り当てられ
宅建築物(5000m2以下)
を対象とした簡易な評
ますが、その性能値は当社のカタログ値(JIS準
価法として「モデル建物法」が開発されました。
拠)
と異なる場合があります。当社のガラス性能
「モデル建物法」は建物用途毎に建物形状や室
値でPAL*及び一次エネルギー計算をおこない
たい場合(例えば、Low-E(高日射遮蔽型)
+透
明の複層(空気層12mm)板厚6mmのガラスの
みの日射熱取得率は、資料では0.302ですが当
社サンバランストリプルクールの性能は、0.26
と資料記載の値よりも高性能です)など、表30
~ 表35 に記載の性能値を直接入力し、ご利用
きの性能値は、板硝子協会で定められた計算法
に準拠したものとなっています。
設計図書等
省エネルギー基準
ホームページ
躯体や設備の仕様等を各シートに入力
設備仕様入力シートをダウンロード
・様式一式
.xls MicrosoftⓇ ExcelⓇ
・解説書一式
・算定用
WEBプログラム
CSVに変換してアップロード
届
設備仕様入力シート
.csv
判定結果を出力
.pdf
ください。この性能値のうち、明色ブラインド付
モデル建物法の適用範囲
モデル建物法による評価は延床面積が5000m2以下の非
住宅建築物のみとされています。なお、複合建築物で非住
宅部分の延床面積が5000m2以下であれば、非住宅部分に
ついては適用可です。
出
書
類
設備仕様入力
シートを印刷
作
成
所管行政庁に届出
引用元:国土技術政策総研究所資料資料第762号 建築研究資料第149号
図 18
一次エネルギー消費量算定用WEBプログラムを使用した場合の算定及び届出の流れ
(2)
一次エネルギー消費量に関する基準
従来の省エネルギー基準は建築設備(空調設
備、空調設備以外の機械換気設備、照明設備、
機械室※
湯沸室
給湯設備、昇降機)の性能(効率)を設備毎の5
つの指標で評価していました。一方、新たな省
エネルギー基準(平成25年基準)では、5つの
設備の性能を1つの統合された指標(一次エネ
ルギー消費量)
で評価することを求めています。
従って、省エネルギー基準に適合するかどうか
は設備単体ではなく、全設備合計で判断するこ
とになります。評価の大きな流れは旧基準とほ
ぼ同様に、設計図書から建築設備の仕様に関わ
社員食堂
会議室
事務室
事務室
電気室※ 玄関ホール
空調室
エレベーター
シャフト※
エレベーター
シャフト
(事務室として計算)
喫茶店客室
<標準入力法(PAL*)イメージ(事務所)>
<モデル建物法(PAL*)イメージ(事務所)>
・※で示す室を非空調室として計算。
・それ以外の室は、室ごとに計算。
・1 階から最上階まで平面図上で同位置にあるエレ
ベーターシャフト等の非空調コア部のみを非空調室
として計算。
・それ以外の室は、空調室(事務室)として計算。
板硝子協会 ビルと複層ガラス 平成25年改正省エネルギー基準より抜粋
図 19
モデル建物法のイメージ
る情報を収集して、各設備について設計一次エ
ネルギー消費量(設計値)を算出します。合わせ
標準入力法
て、当該建物の室用途構成に応じて基準一次エ
(通常の計算法)
ネルギー消費量(基準値)
を算出し、設計一次エ
ネルギー消費量が基準一次エネルギー消費量よ
モデル建物法
りも小さければ、基準に適合していると判断で
きます。
3-6-17
各室面積+各室の外皮・設備仕様
を入力し計算
WEBプログラム
モデル建物に、採用する各室の主な
外皮・設備仕様のみをweb上で選択
入力
標準入力法による設計値
標準入力法による基準値
BPIm
BEIm
モデル建物法による設計値
モデル建物法による基準値
一般社団法人日本サステナブル建築協会 建築物の改正省エネルギー基準モデルによる届出講習
補助資料 平成26年2月より抜粋
図 20
モデル建物法の流れ
表30 ガラスの種類と性能値
(一次エネルギー消費量・PAL*計算入力用)
タイプ
単層
ガラス種類
旭硝子品種
(商品名)
透明ガラス 透明
フロート板ガラス(FL)
網入り板ガラス 網入り
網入
熱線吸収板ガラス 熱吸グリーン
サングリーン(SVFL)
熱線反射ガラス 熱反シルバー
サンカットΣクリア
(SKFC)
サンルックスTSL30
高性能熱線反射ガラス
高性能熱線反射
(可視光透過率8%)
サンルックスSS8
記号
FL3
FL5
FL6
FL8
FL10
FL12
FL15
FL19
PW6.8
PW10
SVFL6
SVFL8
SKFC6
SKFC8
SKFC10
SKFC12
TSL30-6
TSL30-8
TSL30-10
TSL30-12
SS8-6
SS8-8
SS8-10
SS8-12
熱貫流率[W/
(m2・K)
]
ガラスのみ
ブラインドあり
4.64
5.96
5.89
4.60
5.86
4.58
5.79
4.54
5.72
4.50
5.66
4.46
5.56
4.40
5.44
4.32
5.83
4.56
5.72
4.50
4.58
5.86
5.79
4.54
5.83
4.56
5.76
4.52
5.69
4.48
5.63
4.44
5.27
4.23
5.21
4.20
5.16
4.16
5.11
4.13
3.84
4.66
4.62
3.81
4.58
3.78
4.53
3.75
日射熱取得率[一]
ガラスのみ
明色ブラインド
0.886
0.407
0.863
0.406
0.854
0.406
0.839
0.405
0.821
0.405
0.794
0.403
0.775
0.402
0.748
0.401
0.798
0.399
0.754
0.395
0.637
0.370
0.584
0.358
0.689
0.361
0.678
0.361
0.665
0.361
0.646
0.360
0.404
0.273
0.402
0.274
0.399
0.276
0.395
0.278
0.230
0.184
0.233
0.188
0.236
0.193
0.240
0.198
]
熱貫流率[W/
(m2・K)
ガラスのみ
ブラインドあり
2.91
3.29
3.25
2.88
3.21
2.85
3.17
2.81
2.91
3.29
3.25
2.88
3.28
2.91
3.24
2.87
3.20
2.84
3.16
2.81
2.78
3.13
3.09
2.75
3.05
2.72
3.01
2.69
2.63
2.93
2.90
2.60
2.86
2.57
2.83
2.55
日射熱取得率[一]
ガラスのみ
明色ブラインド
0.751
0.422
0.729
0.421
0.703
0.419
0.667
0.414
0.527
0.331
0.470
0.309
0.610
0.367
0.592
0.365
0.571
0.363
0.542
0.357
0.324
0.230
0.320
0.230
0.314
0.230
0.306
0.229
0.176
0.144
0.177
0.146
0.177
0.149
0.178
0.152
熱貫流率[W/
(m2・K)
]
ガラスのみ
ブラインドあり
2.24
2.46
2.43
2.22
2.41
2.20
2.39
2.18
2.25
2.47
2.45
2.23
2.42
2.21
2.40
2.19
2.47
2.24
2.44
2.22
2.42
2.20
2.40
2.19
2.48
2.26
2.46
2.24
2.44
2.22
2.41
2.20
2.58
2.34
2.55
2.32
2.52
2.29
2.50
2.27
2.26
2.48
2.46
2.24
2.44
2.22
2.41
2.20
2.34
2.58
2.55
2.32
2.52
2.29
2.50
2.27
日射熱取得率[一]
ガラスのみ
明色ブラインド
0.276
0.209
0.278
0.212
0.278
0.215
0.279
0.219
0.323
0.239
0.324
0.243
0.324
0.245
0.322
0.249
0.408
0.285
0.405
0.288
0.402
0.291
0.396
0.293
0.558
0.359
0.548
0.361
0.535
0.361
0.515
0.359
0.555
0.353
0.543
0.353
0.529
0.352
0.507
0.350
0.588
0.383
0.577
0.380
0.563
0.376
0.542
0.369
0.606
0.403
0.592
0.399
0.576
0.394
0.552
0.386
3-6
光・熱・省エネルギー
高性能熱線反射ガラス
高性能熱線反射
(可視光透過率30%)
板厚
[mm]
3
5
6
8
10
12
15
19
6.8
10
6
8
6
8
10
12
6
8
10
12
6
8
10
12
表31 ガラスの種類と性能値
(一次エネルギー消費量・PAL*計算入力用)
タイプ
ガラス種類
旭硝子品種
(商品名)
透明複層ガラス 透明+透明
透明複層ガラス
熱線吸収複層ガラス
熱吸グリーン+透明
サングリーンペア
熱線反射複層ガラス
複層
熱反シルバー+透明
(空気層
6mm)
サンカットΣクリアペア
高性能熱線反射複層ガラス
高性能熱線反射
(可視光透過率30% +透明)
サンルックスペア
TSL30ペアガラス
高性能熱線反射複層ガラス
高性能熱線反射
(可視光透過率8% +透明)
サンルックスペア
SS8ペアガラス
板厚
[mm]
6
8
10
12
6
8
6
8
10
12
6
8
10
12
6
8
10
12
記号
FL6+A6+FL6
FL8+A6+FL8
FL10+A6+FL10
FL12+A6+FL12
SVFL6+A6+FL6
SVFL8+A6+FL8
SKFC6+A6+FL6
SKFC8+A6+FL8
SKFC10+A6+FL10
SKFC12+A6+FL12
TSL30-6+A6+FL6
TSL30-8+A6+FL8
TSL30-10+A6+FL10
TSL30-12+A6+FL12
SS8-6+A6+FL6
SS8-8+A6+FL8
SS8-10+A6+FL10
SS8-12+A6+FL12
表32 ガラスの種類と性能値
(一次エネルギー消費量・PAL*計算入力用)
タイプ
ガラス種類
旭硝子品種
(商品名)
高遮熱断熱
Low-E複層ガラス Low-E複層ガラス
サンバランス
Low-E(高日射遮蔽型)+透明
トリプルクール
高遮熱断熱
Low-E複層ガラス Low-E複層ガラス
Low-E(高日射遮蔽型)+透明
プレミアムクール
高遮熱断熱
Low-E複層ガラス Low-E複層ガラス
Low-E(日射遮蔽型)+透明
サンバランス
アクアグリーン
高遮熱断熱
複層
Low-E複層ガラス Low-E複層ガラス
(空気層
Low-E(日射取得型)+透明
サンバランス
6mm)
ピュアクリア
高遮熱断熱
Low-E複層ガラス Low-E複層ガラス
Low-E(日射取得型)+透明
サンバランスシルバー
高断熱
(寒冷地型)
Low-E複層ガラス
Low-E複層ガラス
サンバランス
透明+Low-E(日射取得型)
ピュアクリア
高断熱
Low-E複層ガラス
(寒冷地型) Low-E複層ガラス
透明+Low-E(日射取得型)
サンバランスシルバー
板厚
[mm]
6
8
10
12
6
8
10
12
6
8
10
12
6
8
10
12
6
8
10
12
6
8
10
12
6
8
10
12
記号
LN6+A6+FL6
LN8+A6+FL8
LN10+A6+FL10
LN12+A6+FL12
LR6+A6+FL6
LR8+A6+FL8
LR10+A6+FL10
LR12+A6+FL12
LQ6+A6+FL6
LQ8+A6+FL8
LQ10+A6+FL10
LQ12+A6+FL12
LP6+A6+FL6
LP8+A6+FL8
LP10+A6+FL10
LP12+A6+FL12
LS6+A6+FL6
LS8+A6+FL8
LS10+A6+FL10
LS12+A6+FL12
FL6+A6+LP6
FL8+A6+LP8
FL10+A6+LP10
FL12+A6+LP12
FL6+A6+LS6
FL8+A6+LS8
FL10+A6+LS10
FL12+A6+LS12
・上記記載の商品は代表構成です。ここに記載されていないガラス構成など詳細は、お問い合わせください。
・上記記載の性能値は、ガラスのみは当社の対応ガラス構成の性能値で、JIS R3106およびJIS R3107に準拠しています。
・ブラインドあり及び明色ブラインドは板硝子協会で定められた計算法に準拠した当社対応ガラス構成の性能値を示しています。
3-6-18
表33 ガラスの種類と性能値
(一次エネルギー消費量・PAL*計算入力用)
タイプ
ガラス種類
旭硝子品種
(商品名)
透明複層ガラス
透明+透明
透明複層ガラス
熱線吸収複層ガラス
熱吸グリーン+透明
サングリーンペア
熱線反射複層ガラス
複層
熱反シルバー+透明
(空気層
12mm)
サンカットΣクリアペア
高性能熱線反射複層ガラス 高性能
サンルックスペア
熱線反射
TSL30ペアガラス
(可視光透過率30% +透明)
光・熱・省エネルギー
3-6
高性能熱線反射複層ガラス 高性能
サンルックスペア
熱線反射
SS8ペアガラス
(可視光透過率8% +透明)
板厚
[mm]
6
8
10
12
6
8
6
8
10
12
6
8
10
12
6
8
10
12
記号
FL6+A12+FL6
FL8+A12+FL8
FL10+A12+FL10
FL12+A12+FL12
SVFL6+A12+FL6
SVFL8+A12+FL8
SKFC6+A12+FL6
SKFC8+A12+FL8
SKFC10+A12+FL10
SKFC12+A12+FL12
TSL30-6+A12+FL6
TSL30-8+A12+FL8
TSL30-10+A12+FL10
TSL30-12+A12+FL12
SS8-6+A12+FL6
SS8-8+A12+FL8
SS8-10+A12+FL10
SS8-12+A12+FL12
熱貫流率[W/
(m2・K)
]
ガラスのみ
ブラインドあり
2.86
2.60
2.83
2.58
2.80
2.55
2.77
2.52
2.86
2.60
2.83
2.58
2.59
2.85
2.82
2.57
2.79
2.54
2.76
2.52
2.63
2.42
2.60
2.39
2.57
2.37
2.54
2.35
2.18
2.34
2.32
2.16
2.30
2.14
2.28
2.12
日射熱取得率[一]
ガラスのみ
明色ブラインド
0.752
0.429
0.730
0.428
0.705
0.427
0.668
0.422
0.517
0.327
0.458
0.303
0.610
0.373
0.592
0.371
0.572
0.368
0.541
0.362
0.311
0.221
0.306
0.222
0.300
0.222
0.292
0.221
0.157
0.130
0.157
0.132
0.157
0.134
0.157
0.137
熱貫流率[W/
(m2・K)
]
ガラスのみ
ブラインドあり
1.62
1.54
1.61
1.53
1.59
1.52
1.58
1.51
1.64
1.56
1.63
1.55
1.62
1.54
1.60
1.53
1.55
1.63
1.62
1.54
1.61
1.53
1.60
1.52
1.58
1.66
1.65
1.57
1.64
1.56
1.63
1.55
1.80
1.71
1.79
1.70
1.78
1.68
1.76
1.67
1.66
1.58
1.65
1.57
1.64
1.56
1.63
1.55
1.80
1.71
1.79
1.70
1.78
1.68
1.76
1.67
日射熱取得率[一]
ガラスのみ
明色ブラインド
0.256
0.198
0.256
0.201
0.255
0.204
0.254
0.207
0.307
0.234
0.306
0.237
0.305
0.240
0.302
0.242
0.395
0.286
0.392
0.289
0.387
0.291
0.379
0.292
0.553
0.368
0.541
0.369
0.528
0.369
0.507
0.368
0.550
0.359
0.537
0.359
0.522
0.359
0.500
0.356
0.591
0.401
0.579
0.397
0.564
0.392
0.541
0.383
0.613
0.424
0.598
0.420
0.581
0.414
0.555
0.404
熱貫流率[W/
(m2・K)
]
ガラスのみ
ブラインドあり
1.28
1.20
1.27
1.20
1.27
1.19
1.26
1.18
1.30
1.23
1.30
1.22
1.29
1.21
1.28
1.21
1.22
1.30
1.29
1.21
1.28
1.21
1.28
1.20
1.25
1.33
1.32
1.25
1.32
1.24
1.31
1.23
1.50
1.41
1.49
1.41
1.48
1.40
1.47
1.39
1.33
1.25
1.32
1.25
1.32
1.24
1.31
1.23
1.50
1.41
1.49
1.41
1.48
1.40
1.47
1.39
日射熱取得率[一]
ガラスのみ
明色ブラインド
0.247
0.193
0.247
0.196
0.246
0.199
0.244
0.201
0.301
0.232
0.299
0.235
0.297
0.237
0.293
0.239
0.390
0.286
0.386
0.289
0.381
0.291
0.373
0.292
0.550
0.372
0.539
0.373
0.525
0.374
0.504
0.372
0.547
0.362
0.535
0.362
0.520
0.362
0.497
0.359
0.592
0.410
0.580
0.406
0.564
0.400
0.541
0.391
0.615
0.434
0.600
0.429
0.583
0.423
0.556
0.412
表34 ガラスの種類と性能値
(一次エネルギー消費量・PAL*計算入力用)
タイプ
ガラス種類
旭硝子品種
(商品名)
高遮熱断熱
Low-E複層ガラス Low-E複層ガラス
Low-E(高日射遮蔽型)+透明
サンバランス
トリプルクール
高遮熱断熱
Low-E複層ガラス Low-E複層ガラス
Low-E(高日射遮蔽型)+透明
プレミアムクール
高遮熱断熱
Low-E複層ガラス Low-E複層ガラス
サンバランス
Low-E(日射遮蔽型)+透明
アクアグリーン
高遮熱断熱
複層
Low-E複層ガラス Low-E複層ガラス
(空気層
サンバランス
Low-E(日射取得型)+透明
12mm)
ピュアクリア
高遮熱断熱
Low-E複層ガラス Low-E複層ガラス
Low-E(日射取得型)+透明
サンバランスシルバー
高断熱Low-E
(寒冷地型) 複層ガラス
Low-E複層ガラス
透明+Low-E(日射取得型)
サンバランス
ピュアクリア
高断熱
(寒冷地型) Low-E複層ガラス
Low-E複層ガラス
透明+Low-E(日射取得型)
サンバランスシルバー
板厚
[mm]
6
8
10
12
6
8
10
12
6
8
10
12
6
8
10
12
6
8
10
12
6
8
10
12
6
8
10
12
記号
LN6+A12+FL6
LN8+A12+FL8
LN10+A12+FL10
LN12+A12+FL12
LR6+A12+FL6
LR8+A12+FL8
LR10+A12+FL10
LR12+A12+FL12
LQ6+A12+FL6
LQ8+A12+FL8
LQ10+A12+FL10
LQ12+A12+FL12
LP6+A12+FL6
LP8+A12+FL8
LP10+A12+FL10
LP12+A12+FL12
LS6+A12+FL6
LS8+A12+FL8
LS10+A12+FL10
LS12+A12+FL12
FL6+A12+LP6
FL8+A12+LP8
FL10+A12+LP10
FL12+A12+LP12
FL6+A12+LS6
FL8+A12+LS8
FL10+A12+LS10
FL12+A12+LS12
表35 ガラスの種類と性能値
(一次エネルギー消費量・PAL*計算入力用)
タイプ
ガラス種類
旭硝子品種
(商品名)
高遮熱断熱
Low-E複層ガラス Low-E複層ガラス
Low-E(高日射遮蔽型)+透明
サンバランス
トリプルクール
高遮熱断熱
Low-E複層ガラス Low-E複層ガラス
Low-E(高日射遮蔽型)+透明
プレミアムクール
高遮熱断熱
Low-E複層ガラス Low-E複層ガラス
サンバランス
Low-E(日射遮蔽型)+透明
アクアグリーン
複層
(アル Low-E複層ガラス ゴン層 Low-E(日射取得型)+透明
12mm)
高遮熱断熱
Low-E複層ガラス
サンバランス
ピュアクリア
高遮熱断熱
Low-E複層ガラス Low-E複層ガラス
Low-E(日射取得型)+透明
サンバランスシルバー
高断熱
(寒冷地型) Low-E複層ガラス
Low-E複層ガラス
透明+Low-E(日射取得型)
サンバランス
ピュアクリア
高断熱
(寒冷地型) Low-E複層ガラス
Low-E複層ガラス
透明+Low-E(日射取得型)
サンバランスシルバー
3-6-19
板厚
[mm]
6
8
10
12
6
8
10
12
6
8
10
12
6
8
10
12
6
8
10
12
6
8
10
12
6
8
10
12
記号
LN6+Ar12+FL6
LN8+Ar12+FL8
LN10+Ar12+FL10
LN12+Ar12+FL12
LR6+Ar12+FL6
LR8+Ar12+FL8
LR10+Ar12+FL10
LR12+Ar12+FL12
LQ6+Ar12+FL6
LQ8+Ar12+FL8
LQ10+Ar12+FL10
LQ12+Ar12+FL12
LP6+Ar12+FL6
LP8+Ar12+FL8
LP10+Ar12+FL10
LP12+Ar12+FL12
LS6+Ar12+FL6
LS8+Ar12+FL8
LS10+Ar12+FL10
LS12+Ar12+FL12
FL6+Ar12+LP6
FL8+Ar12+LP8
FL10+Ar12+LP10
FL12+Ar12+LP12
FL6+Ar12+LS6
FL8+Ar12+LS8
FL10+Ar12+LS10
FL12+Ar12+LS12
・上記記載の商品は代表構成です。ここに記載されていないガラス構成など詳細は、お問い合わせください。
・上記記載の性能値は、ガラスのみは当社の対応ガラス構成の性能値で、JIS R3106およびJIS R3107に準拠しています。
・ブラインドあり及び明色ブラインドは板硝子協会で定められた計算法に準拠した当社対応ガラス構成の性能値を示しています。
5都市の低炭素化の促進に関する法律
(1)
法律制定の背景
(3)低炭素建築物
定量的な評価項目には
「都市の低炭素化の促進に関する法律」にて定
①外皮の熱性能 ②一次エネルギー消費量
東日本大震災以降、エネルギー需給が変化し、
めている低炭素建築物とは、建築物における生
があり、省エネ法で定める平成25年省エネ基準
国民のエネルギー利用や地球温暖化問題に対す
活や活動に伴って発生する二酸化炭素を抑制す
の一次エネルギー消費量に対して10%を超える
る意識は益々高まっており、低炭素・循環型社
るための低炭素化に質する措置が講じられてい
省エネ性能が求められています。
会の構築を図り、持続可能で活力ある国土・地
る、市街化区域内等に建築される建築物を指し
域づくりを推進することが重要な課題となって
ます。
図 8 及び 図16 で示したように、住宅でも非住
宅でも高遮熱断熱Low-E複層ガラス
(当社では
います。
(4)低炭素建築物の認定基準について
サンバランス)
を用いることで省エネ基準をクリ
その中でも「都市」は人口が集中し、建築物や
「都市の低炭素化の促進に関する法律」にて定
アしやすくなるので、低炭素認定基準に関して
自動車に由来して多くの二酸化炭素が排出され
める低炭素建築物の認定を受けるには、定量的
も、ガラスはサンバランスを使用されることをお
る地域となっています。我が国における二酸化
な評価項目と選択的項目を満足しなければなり
奨めします。
炭素の総排出量のうち、都市における社会経済
ません
( 図22 )。
定量的評価項目
(必須項目)
門などの排出量が5割程度を占めており、都市に
選択的項目
●外皮の熱性能
おける低炭素化を促進するための取り組みを進
●低炭素化に資する措置を
●一次エネルギー消費量
めていくことが急務となっています。
2項目以上講じること等
(省エネ法一次エネルギー基準△10%を超える省エネ性能)
このため、都市機能の集約やそれと連携した公
等の施策を講じることにより、地域における成
称 エコまち法)」が制定され、平成24年12月
非住宅
功事例を蓄積し、その普及を図ることを目的と
した、
「都市の低炭素化の促進に関する法律(通
定量的評価項目
(必須項目)
住宅
外皮の熱性能
共交通機関の利用の促進と建築物の低炭素化
外皮の断熱性を評価する指標※1
外皮の日射遮蔽性を評価する指標※2
光・熱・省エネルギー
活動に起因することが大きい家庭部門や業務部
3-6
※1 地域区分によっては、対象外となります
※2 換気及び漏気によって
失われる熱量は含みません。
平成27年4月からはPALはPAL*に変わって
完全施行となります。
年間熱負荷係数
(PAL*)
に施行されました。
(2)
法律の概要
共通条件(地域区分、床面積等)
「都市の低炭素化の促進に関する法律」
(通称エ
この法律に関して、特例措置や様々な規制緩和
措置が講じられています。
都市の低炭素化の促進に
関する基本的な方針
認定低炭素建築物
(所管行政庁が認定)
暖房エネルギー消費量
設計仕様
冷房エネルギー消費量
冷房エネルギー消費量
(省エネ手法を加味)
換気エネルギー消費量 ×0.9 換気エネルギー消費量
照明エネルギー消費量
照明エネルギー消費量
給湯エネルギー消費量
給湯エネルギー消費量
家電等エネルギー消費量
家電等エネルギー消費量
効率化 負荷の削減
●外皮性能の向上
●設備効率の向上
エネルギー利用効率化設備
によるエネルギー削減量
・認定低炭素住宅に
係る所得税等の軽減
基準一次エネルギー消費量
・容積率の不算入
設計一次エネルギー消費量
選択的項目
交付金等による
財政支援
エネルギーマネジメント
低炭素まちづくり協議会
適合 関連計画
地方公共団体実行計画
調和
ヒートアイランド対策
都市計画区域
マスタープラン、
市町村マスタープラン
建築物
(躯体の)
低炭素化
①節水に資する機器を設置している。
②雨水、井戸水又は雑排水の利用のための設備を設置している。
③HEMS
(ホームエネルギーマネジメントシステム)
又は
BEMS
(ビルエネルギーマネジメントシステム)
を設置している。
④太陽光等の再生可能エネルギーを利用した発電設備及び
それと連系した定置型の蓄電池を設置している。
⑤一定のヒートアイランド対策を講じている。
⑥住宅の劣化の軽減に資する措置を講じている。
⑦木造住宅若しくは木造建築物である。
⑧高炉セメント又はフライアッシュセメントを構造耐力上主要な部分に使用している。
左記の①∼⑧項目の2つ以上に該当
節水対策
様々な規制緩和措置
低炭素まちづくり
計画
(市町村が作成)
・計画の区域
・計画の目標
・目標達成に必要
な事項
・達成状況の評価
に関する事項
・計画期間 等
暖房エネルギー消費量
特例措置
・市街化区域等内
において、低炭
素化に関する先
導的な基準に適
合する建築物を
認定する制度
【低炭素まちづくり
計画への記載事項】
基準仕様
一次エネルギー消費量
コまち法)
の基本方針は以下の通りです( 図21 )。
または
標準的な建築物と比べて、
低炭素化に資する建築物として所管行政庁が認めるもの。
図 21
(例:評価手法としてCASBEEを採用できます。)
エコまち法の基本方針
(引用)
エコまち法に基づく低炭素建築物の
認定制度の概要
図 22
低炭素認定基準 (引用)エコまち法に基づく低炭素建築物の認定制度の概要
3-6-20
6CASBEEとガラス
(3)CASBEEとガラス
(1)
CASBEE開発の背景
ここでは、CASBEE-戸建(新築)の2014年改訂
近年、地球温暖化の対策として民生部門の増
版より、ガラスに関連するCASBEEの採点基準
え続けるエネルギー消費抑制、つまり省エネル
を一部抜粋して紹介します。
ギーが大きな課題となっています。一方、近年
光・熱・省エネルギー
3-6
の記録的な猛暑による室内での熱中症の増加や
○昼光の利用
震災後の避難所の環境不備などの問題もありま
単純開口率および加点条件に応じて、レベルが
レベル
す。つまり建築物には省エネルギーと快適性が
決まります。開口率が大きいほどレベルが高く
レベル1
単純開口率 15%未満
両立できる環境対策への注目が高まっているわ
なります。しかし、ガラスの面積が大きくなると
レベル2
単純開口率 15%以上20%未満
けです。
建物の暖冷房負荷も増加するため、Low-Eペア
レベル3
単純開口率 20%以上
このような背景のもと、わが国では2001年4月
ガラスを開口部に用いることで、開口率を大き
に国土交通省住宅局の支援で産官学共同プロ
くしながら暖冷房負荷の増加を抑えることがで
ジェクトを立ち上げ、建築物の総合的環境評価
きます
( 表36 )。
表36 昼光利用の評価レベル
(QH1.3.1)
基準
レベル4
(加点条件を満たせば選択可能)
レベル5
(加点条件を満たせば選択可能)
(引用)
CASBEE-戸建(新築)評価マニュアル(2014年版)
加点条件
次の条件を満たすことで、単純開口率によるレベルを最大
2段階上げることができる。
その1.
「居間を含む一体的空間」での取組み
「居間を含む一体的空間」において、建築基準法で
求められる有効採光面積を南面の窓あるいは天窓
で確保しているか、昼光利用設備があれば、1レベ
ル上げることができる。
その2.
「主寝室」での取組み
「主寝室」において、建築基準法で求められる有効
採光面積を南面の窓あるいは天窓で確保している
か、昼光利用設備があれば、1レベル上げることが
できる。
研究委員会として建築環境総合性能評価システ
ム
(CASBEE)」の開発がはじまりました。
建物の耐震性や信頼性、快適性を評価できる
CASBEEは国の重要施策としても位置付けられ
ており、2014年3月現在、全国24の地方自治体
においてCASBEEを用いた届け出制度が導入さ
れるに至っています。また、前章の「低炭素建築
物認定基準」の選択的な項目にも採用されてい
ます。
○日射の調整機能
ンバランスアクアグリーン
(LQ3+A12+FL3:
(2)
CASBEEについて
開口部の日射侵入率に応じて、レベルが決まり
η0.40)でレベル4となります。また、日射遮蔽
「CASBEE」(建築環境総合評価システム)は、建
ます
( 表37 )。
築物を環境性能で評価し、格付けする手法です。
「建築物の環境品質(Q)」と「建築物の環境負
部材や庇があれば、サンバランスピュアクリア
CASBEEの中では、開口部の日射侵入率は下記
(FL3+A12+LP3:η0.62)はレ ベ ル5に な る
のように定義されています。
可能性があります。
※詳細は、CASBEE-戸建
(新築)評価マニュアルをご参照
ください。
荷(L)」という二つの要素で建築物を評価・採点
弊社の製品では、日射遮蔽部材や庇等がなくて
し、
「建築物の環境品質(Q)/ 建築物の環境負荷
も、Low-Eペアガラスのサンバランスピュアク
(L)」により「建築物の環境性能効率(BEE)」を
リア
(LP3+A12+FL3:η0.58)でレベ ル3、サ
求めます。この値により総合的な環境性能の格
付けを行うものです。
「Sランク(素晴らしい)」か
ら、
「Aランク(大変良い)」、
「B+ランク(良い)」、
開口部の日射侵入率
=
ガラスの日射侵入率
(日射熱取得率)
×
日射遮蔽部材の
遮蔽係数
×
庇等の
遮蔽係数
「B-ランク(やや劣る)」、
「Cランク(劣る)」とい
う5段階の格付けが与えられ、BEEが大きいほ
ど高い評価が得られます。
「BEE:建築物の環境効率」の算定
BEE:建築物の環境効率=
Q:建築物の環境品質
L:建築物の環境負荷
表37 日射の調整機能 評価レベル
(QH1.1.1.2)
レベル
基準
レベル1
レベル3を満たさない。
レベル2
(該当するレベルなし)
レベル3
該当する開口部の日射侵入率を、夏期に0.60以下とできる。
レベル4
該当する開口部の日射侵入率を、夏期に0.45以下とできる。
該当する開口部の日射侵入率を、夏期に0.30以下とでき、かつ冬期には概ね0.6以上
とできる。
レベル5
(引用)
CASBEE-戸建(新築)評価マニュアル(2014年版)
3-6-21
7住宅性能表示制度
5 温熱環境に関すること
5-1 省エネルギー対策等級
住宅性能表示制度とは平成12年4月1日に施行さ
れた「住宅の品質確保の促進等に関する法律
(以
等級4【平成11年基準相当】
等級3【平成4年基準相当】
等級2【昭和55年基準相当】
その他(等級1)
下、
「品確法」と称する。
)
」に基づく制度です。
住宅性能表示制度は良質な住宅を安心して取得
できる市場を形成するためにつくられた制度と
なっています。具体的には、住宅の基本的な性
能に関して国が定める性能評価項目・性能評価
基準に基づき、登録住宅性能評価機関が、設計
5 温熱環境・エネルギー消費量に関すること
図書の審査や施工現場の検査を経て等級などで
5-1 断熱等性能等級
評価します。建設住宅性能評価書が交付された
住宅は迅速に専門的な紛争処理が受けられる任
5-2 一次エネルギー消費量等級
性能評価項目は10分野32項目ありますが、その
中の温熱環境に関する、省エネルギー対策等級
その他(等級1)
等級4のみ数値の併記可(W/(m2・K)など)
は、平成25年省エネ基準及び、エコまち法に基
等級5のみ数値の併記可(MJ/年・m2)
づく低炭素建築物認定基準の制定に伴い、改正
しています
( 図23 )。
断熱性能等級は平成26年2月25日の公布日より
図 23
住宅性能表示 温熱環境に関する省エネルギー等級
3-6
光・熱・省エネルギー
等級5【低炭素基準相当】
等級4【平成25年基準相当】
等級4【平成25年基準相当】
等級3【平成4年基準相当】
等級2【昭和55年基準相当】
その他(等級1)
意の制度です。
適用されていますが、一次エネルギー消費量等
級は平成27年4月からの施行予定です。
表 38 エコガラスのマークとその条件
8エコガラス
エコガラスとは板硝子協会が推奨するガラスで、
板硝子協会の会員である旭硝子(株)、日本板硝
マーク
子(株)、セントラル硝子(株)の3社が製造する
Low-E複層ガラスの共通呼称です。
JIS R 3209:1998 複層ガラスに規定される断熱
性による区分「断熱複層ガラス」3種を満たす断
熱性能をもつもので、かつ平成11年省エネ基準
(平成11年基準/住宅に係るエネルギーの使
断熱
性能
熱貫流率(U値)
W/(m2・K)
JIS R 3209複層ガラス
断熱性による区分の記号
用の合理化に関する設計・施工及び維持保全の
指針(平成18年国土交通省告示第378号))
の開
口部の夏期日射侵入率の基準を「レースのカーテ
遮熱
性能
日射侵入率(η値)
(日射熱取得率)
ン」等の付属部材を設け、Ⅳ、Ⅴ地域で満たすこ
窓ガラスからの熱の出入りを防ぎ、室内を快適
該当する主な品種
に保つとともに冷暖房の効率を上げ、発生する
CO2排出量を削減できる地球環境に優しいガラ
また、
「住宅性能表示制度」の温熱環境(省エネ
ルギー対策等級)では、最も省エネルギー性に
U3-2
U3-1
・ガラス単体の日射侵入率が0.66未満 のもの
または
・レースカーテンを併用してガラス部分の日射侵入率が0.49以下※を満た
すもの
※平成11年基準におけるⅣ,Ⅴ地域の開口部の日射遮蔽性能に関する基準
中空層が8ミリ以上の
中空層が6ミリの
サンバランス高遮熱断熱タイプ
サンバランス高遮熱断熱タイプ
1)
(Low-Eペア)
(Low-Eペア)
アルゴンガス層が6ミリ以上の
アルゴンガス層が4ミリまたは
ペヤプラス
5ミリのペヤプラス2)
※
とのできる遮熱性能を持つものをいいます。
スです。
2.33超え
2.70以下
2.33以下
1)
中空層が5ミリ以下のサンバランス高遮熱断熱タイプは、エコガラスマークがつかない品種構成があります。
2)
アルゴンガス層が5ミリのペヤプラス高遮熱・断熱タイプのうち、総厚12ミリ以上の仕様は断熱性による区分がU3-2のエ
コガラスマークになります。
優れている等級4の開口部に用いることのでき
る、断熱性、遮熱性に優れたガラスです。
9グリーン購入法
の負荷の低減に配慮した製品やサービスを優先
AGC旭硝子のエコガラスは、サンバランス、サ
「国等による環境物品等の調達の推進等に関す
ンバランスマイボーカ、サンバランスセキュリ
る法律」が正式名称の2001年4月より施行され
ティー、セキュレサンバランス、マイミュートサ
た法律です。
目に指定されており、特に公共工事においては、
この法律は、国等の機関にグリーン購入(環境へ
その採用を促されています
( 表39 参照)。
ンバランス、ペヤプラスです。
なおサンバランスの高遮熱断熱タイプは、レー
スのカーテンがなくても次世代省エネルギー基
品目
性能基準を満たすことができます。
( 表38 )
改正に合わせ、平成26年に見直しの検討が始
まっています。
「複層ガラス」は、グリーン購入法の特定調達品
表 39 断熱サッシ・ドアに対するグリーン購入法特定調達品目の基準
準(平成11年基準)
のⅣ、Ⅴ地域の開口部の遮熱
なお、エコガラスの条件は平成25年省エネ基準
的に購入すること)
を義務付ける法律です。
建具
判断の基準
建築物の窓等を通して熱の損失を防止する建具であって、次のいずれかに該当する
こと。
断熱サッシ・ドア ○複層ガラスを用いたサッシであること。
○二重サッシであること。
○断熱材の使用その他これに類する有効な断熱の措置を講じたドアであること。
3-6-22
住宅の暖冷房負荷計算例
●空調期間
●戸建住宅の場合
①戸建住宅モデルにおける暖冷房負荷
○暖冷房時電力量(kWh/年)
=QW/(c×ηW)+QS/(c×ηS)
●空調設定温度
4LDKの戸建住宅を例に、開口部構成と暖冷房
暖房時:22℃
負荷の関係を計算しました。その結果を 表43
冷房時:日中 26℃、 湿度:60%
上させることで、暖冷房負荷が大きく軽減する
●換気回数
ことが分かります。北海道・東北地方ではサンバ
0.5回/h
ランス高断熱タイプが、関東以西ではサンバラ
湿度:成り行き
QW:暖房負荷(MJ/年)
c:単位換算係数3.6(MJ/kWh)
夜間 27℃、 湿度:60%
表44 に示します。開口部の遮熱・断熱性能を向
光・熱・省エネルギー
3-6
●エネルギーコスト換算
暖房期間、冷房期間は 表44 を参照。
ηW:暖房機器効率3.0(エアコン使用)
QS:冷房負荷(MJ/年)
ηS:冷房機器効率2.8(エアコン使用)
※電気料金算出時の従量電力料金単価は、各地
●主要部位の断熱性能
ンス高遮熱断熱タイプが暖冷房負荷軽減に大き
壁・床・天井等の断熱性能は次世代省エネル
な効果があります。
ギー基準レベル
(平成18年国土交通省告示第
②暖冷房負荷の算出条件
378号設計および施行の指針の部位別断熱基
域の単価(各電力会社の2014年4月の120〜
300kWh使用時の単価)
を使用。
○CO2排出量(kg-CO2/年)
準値を満たす)
●計算プログラム
○熱負荷計算プログラム
=W×COO2
●内部発熱
AE-Sim/Heat Ver3.03
W:暖冷房時電力量(kWh/年)
COO2:CO2排出係数(kg-CO2/kWh)
表42 に 各 室 の 照 明・発 熱 機 器・在 室 者 の
100%時の値を示す。スケジュール詳細は省略
●戸建住宅計算モデル
「平成25年 省エネルギー基準に準拠した算
定・判断の方法及び解説」
(国土交通省国土技
※電力による暖冷房時のCO2排出量を算出する
する。
CO2排出係数は、環境省の報道発表資料「平
成18年度の電気事業者別排出係数の公表に
●隣棟の配置
術政策総合研究所(独)建築研究所 監修)外
近隣建物の影響を考慮し、対象建物南側窓か
皮性能に関する基準策定のためのモデル住宅
ら5m離れた地点に、対象建物と同規模の一
○CO2を吸収するブナの木本数
戸建て住宅を隣棟として配置した。
本数:11kg/本
(一戸建て住宅)
ついて」を使用。
●気象データ
拡張アメダス気象データの標準年の値を使用
●開口部
開口部はガラスに加えて、昼間はレースカーテ
ン、夜間は厚手カーテンを閉めた状態とする。
熱性能は 表40 参照。
●空調時間
暖冷房機器は間欠運転とする。空調運転スケ
ジュール
(0〜23時)
は 表41 を参照。
表40 開口部
(ガラス+カーテンの熱性能)
熱貫流率U
[W/(m2・K)]
遮蔽係数SC
商品名
構成
昼
夜
(+レースカーテン)
(+レースカーテン) (+厚手カーテン)
単板ガラス フロート板ガラス
FL3
5.1
4.7
0.63
複層ガラス ペアガラス
FL3+A12+FL3
2.7
2.6
0.60
Low-E
サンバランス高遮熱断熱Eタイプ Low-E3ミリ+Ar16+FL3
1.1
1.1
0.36
1.2
1.1
0.54
複層ガラス サンバランス高断熱Eタイプ FL3+Ar16+Low-E3ミリ
表41 空調時間
室名
1階
暖房
LDK
冷房
K
暖房
寝室
冷房
LD
和室
暖房
子供部屋1
冷房
暖房
2階
子供部屋2
冷房
平日
休日
平日
休日
平日
休日
平日
休日
平日
休日
平日
休日
平日
休日
平日
休日
0
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
△
△
○
○
△
△
1 2 3 4 5 6 7 8
○ ○ ○
○
○ ○ ○
○
○ ○
○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○
○
△ △ △ △ △ △
△ △ △ △ △ △ △ ○
○ ○
9
○
○
○
○
10
○
○
○
○
11
○
○
○
○
12
○
○
○
○
13
○
○
○
○
14
○
○
○
○
15
○
○
○
○
○ ○ ○
○ ○ ○
○ ○ ○ ○
△ △ △ △ △ △
△ △ △ △ △ △ △ ○ ○ ○ ○ ○
16
○
○
○
○
17
○
○
○
○
18
○
○
○
○
19
○
○
○
○
20
○
○
○
○
21
○
○
○
○
22
○
○
○
○
23
○
○
○
○
○
○ ○ ○ ○ ○
○
○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○
○
○ ○ ○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○は暖房22℃冷房26℃で運転している時間帯を △は冷房27℃で運転している時間帯を示す。
寝室
子供部屋1
表42 内部発熱
(最大値)
子供部屋2
室名
N
延床面積120.08m2
図 24
3-6-23
モデル住宅平面図
LDK
寝室
子供部屋1
子供部屋2
その他の部屋
照明
[W/日]
137.5
52.5
70.0
70.0
114.0
発熱機器
[W/日]
385.1
412.5
80.0
50.0
118.0
[kcal/日]
331.2
354.8
68.8
43.0
101.5
在室者
[人/日]
4
2
1
1
-
上記値は最大値です。各時刻のスケジュールにより値は変動するため、上記値が常時設定されているわけではありません。
表 43 年間暖冷房負荷
(1)
代表都市
暖冷房期間
1
2
3
4
5
6
7
8
札 幌
暖房9/25〜6/9
1
2
3
4
ガラス構成
6
7
8
9 10 11 12
盛 岡
暖房9/29〜5/24
1
2
3
4
5
冷房5/25〜9/28
7
6
7
6
7
8
9 10 11 12
仙 台
暖房10/11〜5/16
1
2
3
4
5
冷房5/17〜10/10
8
9 10 11 12
富 山
暖房10/20〜5/5
1
2
3
4
5
冷房5/6〜10/19
8
9 10 11 12
東 京
暖房11/2〜4/22
1
2
3
4
5
冷房4/23〜11/1
6
7
6
7
8
9 10 11 12
名古屋
暖房10/28〜4/24
1
2
3
4
5
冷房4/25〜10/27
8
9 10 11 12
大 阪
暖房11/4〜4/17
1
2
3
4
5
冷房4/18〜11/3
6
7
8
9 10 11 12
福 岡
暖房11/3〜4/20
冷房4/21〜11/2
サンバランス高遮熱断熱Eタイプ
サンバランス高断熱Eタイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱Eタイプ
サンバランス高断熱Eタイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱Eタイプ
サンバランス高断熱Eタイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱Eタイプ
サンバランス高断熱Eタイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱Eタイプ
サンバランス高断熱Eタイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱Eタイプ
サンバランス高断熱Eタイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱Eタイプ
サンバランス高断熱Eタイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱Eタイプ
サンバランス高断熱Eタイプ
49,268
39,147
31,737
31,736
47,156
38,561
32,811
32,236
40,593
32,566
28,607
28,112
40,787
34,032
29,664
30,122
33,680
28,489
24,889
25,517
36,994
31,195
27,357
27,907
36,095
31,004
26,960
28,031
33,625
28,997
25,175
26,311
47,290
36,544
29,579
28,578
43,186
33,995
28,889
27,190
35,369
26,567
23,769
21,743
31,409
23,804
21,085
19,572
21,904
15,884
14,246
12,592
24,631
17,961
16,218
14,362
21,593
15,801
14,105
12,649
19,917
14,462
12,835
11,511
20,000
FL3使用時と
の負荷の差
40,000 50,000 (MJ/年)
暖房負荷
30,000
冷房負荷
2,158
3,158
3,922
5,047
5,998
4,838
6,369
9,378
10,227
8,579
10,550
11,776
12,605
10,643
12,925
12,363
13,233
11,139
13,546
14,502
15,203
12,855
15,382
13,708
14,535
12,340
14,801
2,603
4,566
1,978
3,971
5,224
10,121
17,531
17,532
8,595
14,346
14,920
8,027
11,986
12,481
6,755
11,122
10,665
5,191
8,791
8,163
5,799
9,637
9,086
5,091
9,134
8,063
4,628
8,450
7,313
3-6
光・熱・省エネルギー
6
負荷合計値 0 10,000
9 10 11 12 フロート板ガラス
ペアガラス
冷房6/10〜9/24
5
年間暖冷房負荷(MJ/期間)
表44 年間暖冷房負荷
(2)
代表
都市
札幌
盛岡
仙台
富山
東京
名古屋
大阪
福岡
暖房期間
冷房期間
ガラス構成
電気料金
[千円/年]
開始日 終了日 開始日 終了日 暖房 冷房 年間
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱Eタイプ
サンバランス高断熱Eタイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱Eタイプ
サンバランス高断熱Eタイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱Eタイプ
サンバランス高断熱Eタイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱Eタイプ
サンバランス高断熱Eタイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱Eタイプ
サンバランス高断熱Eタイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱Eタイプ
サンバランス高断熱Eタイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱Eタイプ
サンバランス高断熱Eタイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱Eタイプ
サンバランス高断熱Eタイプ
9/25
6/9
6/10
9/24
9/29
5/24
5/25
9/28
10/11 5/16
5/17 10/10
10/20
5/5
5/6
10/19
11/2
4/22
4/23
11/1
10/28 4/24
4/25 10/27
11/4
4/17
4/18
11/3
11/3
4/20
4/21
11/2
114
88
71
69
99
78
67
63
81
61
55
50
62
47
42
39
53
38
34
30
49
36
33
29
55
40
36
32
42
30
27
24
5 119
7 95
6 77
8 77
10 109
11 90
10 76
12 75
13 94
15 76
12 67
16 66
20 82
22 69
18 60
22 61
30 83
32 71
27 62
33 63
27 76
28 65
24 57
29 58
39 94
41 81
35 70
42 74
31 73
33 63
28 55
33 57
FL3使用時に ペアガラスに
FL3使用時に ペアガラス使 CO2削減量と
CO2排出量
対する電気料 対する電気料
対するCO2削 用時に対する 同量のCO2を
[kg-CO2/
金節約金額 金節約金額
CO2削減量 吸収するブナ
減量
年]
[千円/年]
[千円/年]
[kg-CO2/年] [kg-CO2/年] の木本数[本]
2,191
-447
24
1,745
447
41
42
18
1,414
777
330
71
42
18
1,418
774
327
70
1,937
-349
20
1,588
349
32
33
13
1,351
586
237
53
34
14
1,331
606
257
55
1,673
-326
18
1,347
326
30
28
9
1,182
491
165
45
29
10
1,166
506
181
46
1,754
-283
13
1,471
283
26
22
9
1,281
473
190
43
21
8
1,306
448
164
41
1,084
-161
12
922
161
15
21
9
805
278
117
25
19
7
830
254
93
23
1,687
-255
12
1,431
255
23
20
8
1,254
433
178
39
18
7
1,286
401
145
36
1,162
-158
13
1,004
158
14
23
11
872
290
132
26
20
7
912
250
93
23
1,202
-159
10
1,043
159
14
18
8
905
297
138
27
15
6
950
251
93
23
3-6-24
●低層集合住宅
(一般的な集合住宅)
の場合
①集合住宅モデルにおける暖冷房負荷
バルコニー付の3LDK集合住宅を例に、開口部
●空調期間
=QW/(c×ηW)+QS/(c×ηS)
構成と暖冷房負荷の関係を計算しました。その
暖房時:22℃
結果を 表48 表49 に示します。開口部の遮熱・
冷房時:日中 26℃、 湿度:60%
湿度:成り行き
QW:暖房負荷(MJ/年)
c:単位換算係数3.6(MJ/kWh)
夜間 27℃、 湿度:60%
る事が分かります。北海道・東北地方ではサン
●換気回数
バランス高断熱タイプが、関東以西ではサンバ
0.5回/h
ランス高遮熱断熱タイプが暖冷房負荷軽減に大
○暖冷房時電力量(kWh/年)
●空調設定温度
断熱性能向上によって、暖冷房負荷が軽減され
光・熱・省エネルギー
3-6
●エネルギーコスト換算
暖房期間、冷房期間は 表46 を参照。
ηW:暖房機器効率3.0(エアコン使用)
QS:冷房負荷(MJ/年)
ηS:冷房機器効率2.8(エアコン使用)
※電気料金算出時の従量電力料金単価は、各地
●主要部位の断熱性能
きな効果があります。
壁・床・天井等の断熱性能は次世代省エネル
②暖冷房負荷の算出条件
ギー基準レベル
(平成18年国土交通省告示第
●計算プログラム
378号設計および施行の指針の部位別断熱基
域の単価(各電力会社の2014年4月の120〜
300kWh使用時の単価)
を使用。
○CO2排出量(kg-CO2/年)
準値を満たす)
○熱負荷計算プログラム
AE-Sim/Heat Ver3.03
=W×COO2
●内部発熱
●集合住宅計算モデル
W:暖冷房時電力量(kWh/年)
COO2:CO2排出係数(kg-CO2/kWh)
表47 に 各 室 の 照 明・発 熱 機 器・在 室 者 の
「平成25年 省エネルギー基準に準拠した算
定・判断の方法及び解説」
(国土交通省国土技
術政策総合研究所(独)建築研究所 監修)外
皮性能に関する基準策定のためのモデル住宅
(集合住宅最上階妻側居室)
●気象データ
拡張アメダス気象データの標準年の値を使用
●開口部
開口部はガラスに加えて、昼間はレースカーテ
ン、夜間は厚手カーテンを閉めた状態とする。
熱性能は 表45 参照。
●空調時間
暖冷房機器は間欠運転とする。空調運転スケ
ジュール
(0〜23時)
は 表46 を参照。
100%時の値を示す。スケジュール詳細は省略
※電力による暖冷房時のCO2排出量を算出する
する。
CO2排出係数は、環境省の報道発表資料「平
成18年度の電気事業者別排出係数の公表に
●隣棟
ついて」を使用。
近隣建物の影響を考慮し、対象居室南側窓か
ら5m離れた地点に、対象建物を有する集合
○CO2を吸収するブナの木本数
住宅と同規模の集合住宅を隣棟として配置し
本数:11kg/本
た。
表45 開口部
(ガラス+カーテンの熱性能)
熱貫流率U
[W/(m2・K)]
遮蔽係数SC
商品名
構成
昼
夜
(+レースカーテン)
(+レースカーテン) (+厚手カーテン)
単板ガラス フロート板ガラス
FL3
5.1
4.7
0.63
複層ガラス ペアガラス
FL3+A6+FL3
3.1
2.9
0.60
Low-E
サンバランス高遮熱断熱タイプ Low-E3ミリ+A12+FL3
1.6
1.5
0.36
複層ガラス サンバランス高断熱タイプ FL3+A12+Low-E3ミリ
1.6
1.6
0.53
表46 空調時間
室名
通路
暖房
LDK
冷房
暖房
子供部屋1
寝室
子供部屋2
冷房
暖房
隣住戸
K
子供部屋1
冷房
暖房
子供部屋2
冷房
平日
休日
平日
休日
平日
休日
平日
休日
平日
休日
平日
休日
平日
休日
平日
休日
0
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
△
△
○
○
△
△
1 2 3 4 5 6 7 8
○ ○ ○
○
○ ○ ○
○
○ ○
○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○
○
△ △ △ △ △ △
△ △ △ △ △ △ △ ○
○ ○
9
○
○
○
○
10
○
○
○
○
11
○
○
○
○
12
○
○
○
○
13
○
○
○
○
14
○
○
○
○
15
○
○
○
○
○ ○ ○
○ ○ ○
○ ○ ○ ○
△ △ △ △ △ △
△ △ △ △ △ △ △ ○ ○ ○ ○ ○
16
○
○
○
○
17
○
○
○
○
18
○
○
○
○
19
○
○
○
○
20
○
○
○
○
21
○
○
○
○
22
○
○
○
○
23
○
○
○
○
○
○ ○ ○ ○ ○
○
○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○
○
○ ○ ○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○は暖房22℃冷房26℃で運転している時間帯を △は冷房27℃で運転している時間帯を示す。
LD
寝室
表47 内部発熱
(最大値)
室名
バルコニー
延床面積70.00m2
図 25
3-6-25
集合住宅モデル平面図
N
LDK
寝室
子供部屋1
子供部屋2
その他の部屋
照明
[W/日]
137.5
52.5
70.0
70.0
114.0
発熱機器
[W/日]
385.1
412.5
80.0
50.0
118.0
[kcal/日]
331.2
354.8
68.8
43.0
101.5
在室者
[人/日]
4
2
1
1
-
上記値は最大値です。各時刻のスケジュールにより値は変動するため、上記値が常時設定されているわけではありません。
表 48 年間暖冷房負荷
(1)
代表都市
暖冷房期間
1
2
3
4
6
7
5
6
7
6
7
6
7
6
7
6
7
6
7
6
7
札 幌
暖房9/25〜6/9
1
2
3
4
盛 岡
暖房9/29〜5/24
1
2
3
4
5
仙 台
暖房10/11〜5/16
1
2
3
4
5
富 山
暖房10/20〜5/5
1
2
3
4
5
東 京
暖房11/2〜4/22
1
2
3
4
5
名古屋
暖房10/28〜4/24
1
2
3
4
5
大 阪
暖房11/4〜4/17
1
2
3
4
5
福 岡
暖房11/3〜4/20
負荷合計値 0
9 10 11 12 フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱タイプ
冷房6/10〜9/24
サンバランス高断熱タイプ
8 9 10 11 12 フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱タイプ
冷房5/25〜9/28
サンバランス高断熱タイプ
8 9 10 11 12 フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱タイプ
冷房5/17〜10/10 サンバランス高断熱タイプ
8 9 10 11 12 フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱タイプ
冷房5/6〜10/19
サンバランス高断熱タイプ
8 9 10 11 12 フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱タイプ
冷房4/23〜11/1
サンバランス高断熱タイプ
8 9 10 11 12 フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱タイプ
冷房4/25〜10/27 サンバランス高断熱タイプ
8 9 10 11 12 フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱タイプ
冷房4/18〜11/3
サンバランス高断熱タイプ
8 9 10 11 12 フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱タイプ
冷房4/21〜11/2
サンバランス高断熱タイプ
8
32,230
28,026
25,624
25,042
32,422
28,798
26,657
26,188
26,773
24,011
22,458
22,072
28,279
25,934
24,092
24,171
23,891
22,127
20,717
20,858
26,096
24,188
22,679
22,732
26,040
24,355
22,637
22,978
24,059
22,538
20,971
21,378
30,022
25,304
23,162
22,007
28,387
24,310
22,557
21,438
21,879
18,663
17,537
16,433
19,445
16,620
15,462
14,658
12,912
10,660
10,134
9,217
14,668
12,283
11,702
10,669
12,820
10,734
10,084
9,271
11,446
9,473
8,897
8,182
10,000
暖房負荷
20,000
FL3使用時と
の負荷の差
30,000 (MJ/年)
冷房負荷
2,208
2,722
2,462
3,035
4,036
4,488
4,100
4,750
4,894
5,348
4,921
5,639
8,834
9,314
8,630
9,513
10,979
11,466
10,584
11,642
11,427
11,905
10,976
12,063
13,220
13,621
12,554
13,707
12,613
13,065
12,074
13,196
4,204
6,606
7,188
3,624
5,765
6,234
2,761
4,315
4,701
2,344
4,187
4,108
1,764
3,174
3,033
1,908
3,417
3,363
1,685
3,402
3,062
1,521
3,088
2,681
3-6
光・熱・省エネルギー
5
年間暖冷房負荷(MJ/期間)
ガラス構成
表49 年間暖冷房負荷
(2)
代表
都市
札幌
盛岡
仙台
富山
東京
名古屋
大阪
福岡
暖房期間
冷房期間
ガラス構成
電気料金
[千円/年]
開始日 終了日 開始日 終了日 暖房 冷房 年間
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱タイプ
サンバランス高断熱タイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱タイプ
サンバランス高断熱タイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱タイプ
サンバランス高断熱タイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱タイプ
サンバランス高断熱タイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱タイプ
サンバランス高断熱タイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱タイプ
サンバランス高断熱タイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱タイプ
サンバランス高断熱タイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱タイプ
サンバランス高断熱タイプ
9/25
6/9
6/10
9/24
9/29
5/24
5/25
9/28
10/11 5/16
5/17 10/10
10/20
5/5
5/6
10/19
11/2
4/22
4/23
11/1
10/28 4/24
4/25 10/27
11/4
4/17
4/18
11/3
11/3
4/20
4/21
11/2
72
61
56
53
65
56
52
49
50
43
40
38
38
33
30
29
31
26
24
22
29
25
24
21
32
27
25
23
24
20
19
17
6
7
6
8
10
11
10
12
12
13
12
14
19
20
18
20
28
29
27
30
25
26
24
26
36
37
34
37
28
29
27
30
78
68
62
61
75
67
62
61
62
56
53
52
57
52
49
49
59
55
52
52
54
50
47
47
68
64
59
60
52
49
46
47
FL3使用時に ペアガラスに
FL3使用時に ペアガラス使 CO2削減量と
CO2排出量
対する電気料 対する電気料
対するCO2 用時に対する 同量のCO2を
[kg-CO2/
金節約金額 金節約金額
CO2削減量 吸収するブナ
削減量
年]
[千円/年]
[千円/年]
[kg-CO2/年] [kg-CO2/年] の木本数[本]
1,436
-185
10
1,252
185
17
16
6
1,144
292
107
27
17
7
1,120
316
131
29
1,336
-147
8
1,189
147
13
13
5
1,100
235
89
21
14
6
1,083
252
106
23
1,107
-111
6
996
111
10
10
4
931
176
65
16
11
4
918
190
78
17
1,223
-98
5
1,126
98
9
8
4
1,046
178
80
16
8
3
1,052
172
74
16
775
-54
4
720
54
5
8
4
674
101
46
9
7
3
681
94
39
9
1,199
-83
4
1,115
83
8
7
3
1,045
154
70
14
7
3
1,051
148
64
13
845
-52
4
793
52
5
9
5
737
108
56
10
8
3
750
95
43
9
867
-52
3
815
52
5
7
3
758
109
57
10
6
2
775
92
40
8
3-6-26
●高層集合住宅
(タワーマンション)
の場合
①高層集合住宅モデルにおける暖冷房負荷
3LDK高層集合住宅を例に、開口部構成と暖冷
●空調期間
=QW/(c×ηW)+QS/(c×ηS)
房負荷の関係を計算しました。その結果を 表53
暖房時:22℃
表54 に示します。開口部の遮熱・断熱性能向上
冷房時:日中 26℃、 湿度:60%
湿度:成り行き
QW:暖房負荷(MJ/年)
c:単位換算係数3.6(MJ/kWh)
夜間 27℃、 湿度:60%
ます。北海道・東北地方ではサンバランス高断
●換気回数
熱タイプが、関東以西ではサンバランス高遮熱
0.5回/h
断熱タイプが暖冷房負荷軽減に大きな効果があ
○暖冷房時電力量(kWh/年)
●空調設定温度
によって、暖冷房負荷が軽減される事が分かり
光・熱・省エネルギー
3-6
●エネルギーコスト換算
暖房期間、冷房期間は 表54 を参照。
ηW:暖房機器効率3.0(エアコン使用)
QS:冷房負荷(MJ/年)
ηS:冷房機器効率2.8(エアコン使用)
※電気料金算出時の従量電力料金単価は、各地
●主要部位の断熱性能
ります。
壁・床・天井等の断熱性能は次世代省エネル
②暖冷房負荷の算出条件
ギー基準レベル
(平成18年国土交通省告示第
●計算プログラム
378号設計および施行の指針の部位別断熱基
域の単価(各電力会社の2014年4月の120〜
300kWh使用時の単価)
を使用。
○CO2排出量(kg-CO2/年)
準値を満たす)
○熱負荷計算プログラム
AE-Sim/Heat Ver3.03
=W×COO2
●内部発熱
●高層集合住宅計算モデル
W:暖冷房時電力量(kWh/年)
COO2:CO2排出係数(kg-CO2/kWh)
表52 に 各 室 の 照 明・発 熱 機 器・在 室 者 の
都内某所に分譲販売された、実在する高層マ
100%時の値を示す。スケジュール詳細は省略
ンション最上階中間居室を例としたモデル
する。
※電力による暖冷房時のCO2排出量を算出する
CO2排出係数は、環境省の報道発表資料「平
成18年度の電気事業者別排出係数の公表に
●気象データ
ついて」を使用。
拡張アメダス気象データの標準年の値を使用
○CO2を吸収するブナの木本数
●開口部
開口部はガラスに加えて、昼間はレースカーテ
本数:11kg/本
ン、夜間は厚手カーテンを閉めた状態とする。
熱性能は 表50 参照。
●空調時間
表50 開口部
(ガラス+カーテンの熱性能)
暖冷房機器は間欠運転とする。空調運転スケ
ジュール
(0〜23時)
は 表51 を参照。
熱貫流率U
[W/(m2・K)]
遮蔽係数SC
昼
夜
(+レースカーテン)
(+レースカーテン) (+厚手カーテン)
単板ガラス フロート板ガラス
FL8
5.0
4.6
0.61
複層ガラス ペアガラス
FL6+A6+FL6
3.0
2.9
0.59
Low-E
サンバランス高遮熱断熱タイプ Low-E6ミリ+A12+FL6
1.6
1.5
0.36
複層ガラス サンバランス高断熱タイプ FL6+A12+Low-E6ミリ
1.6
1.5
0.51
商品名
構成
表51 空調時間
隣住戸
室名
暖房
通路
寝室
LDK
冷房
暖房
寝室
子供部屋
冷房
暖房
子供部屋1
洋室
冷房
LD
平日
休日
平日
休日
平日
休日
平日
休日
平日
休日
平日
休日
0
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
△
△
1 2 3 4 5 6 7 8
○ ○ ○
○
○ ○ ○
○
○ ○
○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○
○
△ △ △ △ △ △
△ △ △ △ △ △ △ ○
9
○
○
○
○
10
○
○
○
○
11
○
○
○
○
12
○
○
○
○
13
○
○
○
○
14
○
○
○
○
15
○
○
○
○
○ ○ ○
○ ○ ○
16
○
○
○
○
17
○
○
○
○
18
○
○
○
○
19
○
○
○
○
20
○
○
○
○
21
○
○
○
○
22
○
○
○
○
23
○
○
○
○
○
○ ○ ○ ○ ○
○
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○は暖房22℃冷房26℃で運転している時間帯を △は冷房27℃で運転している時間帯を示す。
K
表52 内部発熱
(最大値)
隣住戸
室名
N
延床面積79.31m2
図 26
3-6-27
高層集合住宅モデル平面図
LDK
寝室
子供部屋1
その他の部屋
照明
[W/日]
137.5
52.5
70.0
114.0
発熱機器
[W/日]
385.1
412.5
80.0
118.0
[kcal/日]
331.2
354.8
68.8
101.5
在室者
[人/日]
3
2
1
-
上記値は最大値です。各時刻のスケジュールにより値は変動するため、上記値が常時設定されているわけではありません。
表 53 年間暖冷房負荷
(1)
代表都市
暖冷房期間
1
2
3
4
6
7
5
6
7
6
7
6
7
6
7
6
7
6
7
6
7
札 幌
暖房9/25〜6/9
1
2
3
4
盛 岡
暖房9/29〜5/24
1
2
3
4
5
仙 台
暖房10/11〜5/16
1
2
3
4
5
富 山
暖房10/20〜5/5
1
2
3
4
5
東 京
暖房11/2〜4/22
1
2
3
4
5
名古屋
暖房10/28〜4/24
1
2
3
4
5
大 阪
暖房11/4〜4/17
1
2
3
4
5
福 岡
暖房11/3〜4/20
負荷合計値 0
9 10 11 12 フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱タイプ
冷房6/10〜9/24
サンバランス高断熱タイプ
8 9 10 11 12 フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱タイプ
冷房5/25〜9/28
サンバランス高断熱タイプ
8 9 10 11 12 フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱タイプ
冷房5/17〜10/10 サンバランス高断熱タイプ
8 9 10 11 12 フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱タイプ
冷房5/6〜10/19
サンバランス高断熱タイプ
8 9 10 11 12 フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱タイプ
冷房4/23〜11/1
サンバランス高断熱タイプ
8 9 10 11 12 フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱タイプ
冷房4/25〜10/27 サンバランス高断熱タイプ
8 9 10 11 12 フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱タイプ
冷房4/18〜11/3
サンバランス高断熱タイプ
8 9 10 11 12 フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱断熱タイプ
冷房4/21〜11/2
サンバランス高断熱タイプ
8
39,280
33,084
29,018
28,500
38,692
33,381
29,501
29,378
32,835
28,691
25,774
25,592
33,549
30,126
26,965
27,364
28,450
25,803
23,060
23,582
31,139
28,207
25,219
25,817
30,575
27,976
24,933
25,766
28,639
26,319
23,405
24,305
10,000
37,286
30,489
26,850
25,570
34,313
28,417
25,239
24,178
27,801
23,120
20,954
19,824
24,572
20,533
18,525
17,635
17,348
14,129
12,788
11,831
19,499
15,945
14,419
13,490
16,765
13,691
12,417
11,564
15,370
12,477
11,271
10,483
20,000
暖房負荷
FL3使用時と
の負荷の差
40,000
(MJ/年)
冷房負荷
30,000
1,994
2,595
2,168
2,930
4,379
4,964
4,262
5,200
5,034
5,570
4,821
5,768
8,977
9,593
8,440
9,729
11,102
11,674
10,272
11,751
11,641
12,262
10,800
12,327
13,811
14,285
12,516
14,202
13,268
13,842
12,134
13,822
-
6,195
10,262
10,780
-
5,311
9,192
9,315
-
4,145
7,061
7,243
-
3,423
6,584
6,185
-
2,647
5,390
4,868
-
3-6
光・熱・省エネルギー
5
年間暖冷房負荷(MJ/期間)
ガラス構成
2,933
5,921
5,322
-
2,599
5,642
4,809
-
2,320
5,234
4,334
表54 年間暖冷房負荷
(2)
代表
都市
札幌
盛岡
仙台
富山
東京
名古屋
大阪
福岡
暖房期間
冷房期間
ガラス構成
電気料金
[千円/年]
開始日 終了日 開始日 終了日 暖房 冷房 年間
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱タイプ
サンバランス高断熱タイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱タイプ
サンバランス高断熱タイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱タイプ
サンバランス高断熱タイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱タイプ
サンバランス高断熱タイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱タイプ
サンバランス高断熱タイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱タイプ
サンバランス高断熱タイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱タイプ
サンバランス高断熱タイプ
フロート板ガラス
ペアガラス
サンバランス高遮熱高断熱タイプ
サンバランス高断熱タイプ
9/25
6/9
6/10
9/24
9/29
5/24
5/25
9/28
10/11 5/16
5/17 10/10
10/20
5/5
5/6
10/19
11/2
4/22
4/23
11/1
10/28 4/24
4/25 10/27
11/4
4/17
4/18
11/3
11/3
4/20
4/21
11/2
90
74
65
62
79
65
58
56
64
53
48
46
48
40
37
35
42
34
31
28
39
32
29
27
42
35
31
29
32
26
24
22
5
7
6
8
11
12
11
13
12
14
12
14
19
20
18
21
29
30
26
30
25
26
23
27
37
39
34
38
30
31
27
31
95
80
70
69
90
78
69
69
76
67
60
60
67
61
54
55
70
64
57
59
64
58
52
54
80
73
65
68
62
57
51
53
FL3使用時に ペアガラスに
FL3使用時に ペアガラス使 CO2削減量と
CO2排出量
対する電気料 対する電気料
対するCO2 用時に対する 同量のCO2を
[kg-CO2/
金節約金額 金節約金額
CO2削減量 吸収するブナ
削減量
年]
[千円/年]
[千円/年]
[kg-CO2/年] [kg-CO2/年] の木本数[本]
1,748
-273
15
1,476
273
25
25
10
1,294
455
182
41
26
11
1,273
475
202
43
1,593
-215
12
1,378
215
20
21
9
1,217
376
161
34
21
9
1,215
378
163
34
1,355
-168
9
1,188
168
15
16
7
1,067
289
121
26
17
7
1,062
294
126
27
1,447
-143
7
1,304
143
13
13
6
1,167
280
137
25
12
5
1,187
259
116
24
918
-82
6
836
82
7
13
7
747
171
89
16
12
5
767
151
70
14
1,424
-129
6
1,295
129
12
12
6
1,158
266
138
24
11
5
1,189
235
106
21
988
-80
6
907
80
7
14
8
808
179
99
16
12
6
838
150
69
14
1,027
-79
5
948
79
7
11
6
843
185
105
17
9
4
878
149
70
14
3-6-28
オ
フィス基準階の照明・暖冷房負荷計算
●照明・暖冷房負荷結果
例
できるものの、暖房負荷は最も大きくなります。
図28 に、東側ペリメータ、西側ペリメータそれ
また、表53 にあるように、可視光透過率も低い
ぞれの空間における単位床面積当たりの暖冷房
ので、外部の眺望感も暗いイメージになります。
負荷(照明負荷含む)
の年間値を示します。
P1FL
東西ペリメータの年間total負荷が最も少ないの
ログラム演習例題」で挙げられている東西面
透明単板ガラス(FL10)は日射熱取得率および
14FL
は高遮熱断熱Low-Eペアガラス
(サンバランス)
13FL
12FL 4,000
表53
であることが分かります。また、
11FL 〃 にあるよ
10FL 〃
うに、サンバランスは可視光透過率も透明ガラ
9FL 〃
8FL 〃
スに近いので、外部の眺望感も明るいイメージ
7FL 〃
6FL 〃
になります。
5FL 〃
4FL 〃
3FL 〃
2FL 〃
1FL 4,000
B1FL
(財)建築環境・省エネルギー機構「BESTプ
RFL
に窓あるオフィスビルの基準階を例に、ガラ
熱貫流率が大きいため暖冷房負荷が増加し、年
ス品種の違いと東西ペリメータの照明負荷、
間total負荷は最も大きくなります。
暖冷房負荷の関係を計算しました
( 図27 )。
一方、日射熱取得率が最も低い熱線反射ガラス
②照明・暖冷房負荷計算条件
64,500
①解析モデル
(TS30-10)は、日射による冷房負荷を一番削減
・計算プログラム
外皮・躯体と設備・機器の総合エネルギーシ
断面図
ミュレーションツール「BEST」(BEST-Pバージョ
基準階平面図
ン1307)
東京
・気象データ
拡張アメダス気象データの標準年値を使用
・開口部
ガラスのみの熱光学性能値を 表53 に示す。開
口部はガラスに加えて明色ブラインドを設置。
17,600
14FL
13FL
12FL 4,000
11FL 〃
10FL 〃
9FL 〃
8FL 〃
7FL 〃
6FL 〃
5FL 〃
4FL 〃
3FL 〃
2FL 〃
1FL 4,000
B1FL
・計算地域
27,200
RFL
P1FL
(財)建築環境・省エネルギー機構
64,500
光・熱・省エネルギー
3-6
N
6,400
〃
〃
〃
〃
51,200
〃
〃
6,400
スラット角を常時45°の状態。
照度が350lxになるように調整。
・空調時間
27,200
照明制御は、机上高さ
(床面75cm)における
17,600
・照明
図 27
オフィスビル基準階モデル
表53 開口部性能値
(ガラスのみ)
暖房、冷房とも平日の8時~22時のみ運転。
・空調期間
○冬期暖房:12/1~3/31
○夏期冷房:6/1~9/30
○中間期暖房:4/1~4/30,11/1~11/30
商品名
フロート板ガラス
熱線反射ガラス
〃
〃
〃
〃
ペアガラス51,200
複層ガラス サンバランス
アクアグリーン
単板ガラス
N
6,400
日射熱取得率
熱貫流率U
[-]
[W/(m2・K)]
5.72
0.82
5.21
0.42
2.86
0.75
構成
FL10
TS30 10ミリ
6,400
〃
〃
FL6+A12+FL6
Low-E6ミリ+A12+FL6
1.63
0.40
可視光透過率
[%]
88.3
30.5
80.5
69.0
○中間期冷房:5/1~5/31,10/1~10/31
・空調設定温度
○冬期暖房時:22℃ 湿度:40%
東側ペリメータ
○夏期冷房時:26℃ 湿度:50%
・庇
東西ペリメータガラス面上端部から0.8mの高
100%
88%
86%
303.5
44.1
500
暖房負荷
69%
241.4
冷房負荷
西側ペリメータ
[MJ/m2・年]
0
FL10
○人体発熱:0.15人/m2
TS30-10
○機器発熱:10W/m2
FL6+A12+FL6
100
200
300
100.7
400
500
100%
354.5
125.2
84%
256.1
43.0
LQ6+A12+FL 37.7
図 28
3-6-29
400
214.6
54.1
LQ6+A12+FL
・内部発熱
内
部発熱量は最大値を示している。時刻毎の運転スケ
ジュールにより値は変動する。また、照明発熱は、基準点
(机上高さ)
の照度に応じた調光制御と連動している。
300
286.8
148.1
FL6+A12+FL6
さに、0.8m幅の水平庇を設置。
○照明発熱:10W/m2
200
127.3
TS30-10
○中間期冷房:24℃ 湿度:50%
換気回数0.2回/hr(初期設定値)
100
FL10
○中間期暖房:24℃ 湿度:成り行き
・隙間風・換気回数
[MJ/m2・年]
0
91%
372.5
285.4
東西ペリメータ 年間暖冷房負荷値
71%
暖房負荷
冷房負荷
休日~平日の室温推移・空調負荷検討例
ガラスの遮熱・断熱性能の違いは、非空調時の
ため単板ガラスと同様に室温が高いまま推移と
●検討条件
なります。Low-E複層ガラスは遮熱性能および
延床面積10,000m2の事務所モデル建物の基
室温や空調立ち上がり時の空調負荷においても
断熱性能が透明単板ガラス・透明複層ガラスよ
準階事務室PAL*計算用モデルの基準階平面図
違いとして現れます。ここでは、事務所ビルの東
り良いため、室温変動は緩やかとなります。特
( 図14 )において、東側ペリメータ、1スパン分
側ペリメータで金曜~休日(土・日曜)~月曜の
に夏期は、この計算例で他のガラスより1~2℃
の熱負荷を検討。ガラス種類別相対比較のため
(非空調時をはさんだ)室温推移と空調負荷をシ
程度低い室温の推移となりました。休日あけの
の年間熱負荷計算を実施した。
ミュレーションで検討した例を紹介します。
月曜は、冬期は室内が冷え切り、夏期は熱がこ
・方位:東面
窓開口部が単板ガラス、透明複層ガラスおよび
もるため空調立ち上がり負荷が大きくなる傾向
・ガラス種類
があります。冬期は単板ガラスが最も大きく、次
単板ガラス:FL6 (日射熱取得率0.85 、熱
にLow-E複層ガラス、透明複層ガラスとなりま
貫流率5.9
(W/(m2・K))
及び空調負荷を 図31 、図32 に示します。
すが、夏期は単板ガラスと透明複層が同等で、
透明複層ガラス:FL6+A12+FL6
金曜の夕方に空調が停止し、土曜・日曜は休日
Low-E複層ガラスが最も少なくなりました。
(日射熱取得率0.75 、熱貫流率2.9(W/(m2・K))
で非空調となるため、なりゆきで室温が変動し
Low-E複層ガラスを用いる事で、空調負荷低
Low-E複層ガラス:サンバランスアクアグリー
ます。単板ガラスは日射や外気温の影響を受
減による省エネルギーだけでなく、空調負荷の
ン⑥+A12+6
けやすく、冬期、夏期ともに他のガラスより室
ピークを抑えることができるため、空調設備の
(日射熱取得率0.40 、熱貫流率1.6(W/(m2・K))
温の変動幅が大きくなります。透明複層ガラス
機器容量低減につながる可能性が有ります。
単板ガラス・Low-E複層ガラスともに、ブライ
は、日射熱取得率が大きいため冬期において天
ンドなし
気の良い日には暖房負荷の低減につながります
・内部発熱:無し
(ガラス相対比較目的のため)
が、夏期は室内に侵入した日射熱が逃げにくい
・換気量:3.5m3(
/ m2・h)
金曜
土曜
日曜
月曜
金曜
22
室温(透明複層ガラス)
室温(Low-E複層ガラス)
16
温度(℃)
14
12
室温(単板ガラス)
10
8
6
4
Low-E
複層ガラス
10
単板ガラス
透明複層ガラス
5
外気温
2
0
2/2 0:00
2/3 0:00
2/4 0:00
2/5 0:00
冬期・東側ペリメータの室温・外気温推移シミュレーション検討例
金曜
土曜
日曜
0
2/2 0:00
2/6 0:00
図 30
2/3 0:00
2/4 0:00
2/5 0:00
2/6 0:00
冬期・東側ペリメータの空調負荷シミュレーション検討例
月曜
金曜
35
土曜
日曜
月曜
30
室温(単板ガラス)
室温(透明複層ガラス)
25
空調負荷(MJ/h)
33
温度(℃)
月曜
15
空調負荷(MJ/h)
18
31
29
単板ガラス
20
15
透明複層ガラス
10
Low-E複層ガラス
27
外気温
25
7/28 0:00
図 31
日曜
20
20
図 29
土曜
3-6
光・熱・省エネルギー
Low-E複層ガラスの場合の、冬期の室温変動及
び空調負荷を 図29 、図30 に、夏期の室温変動
7/29 0:00
5
室温(Low-E複層ガラス)
7/30 0:00
7/31 0:00
8/1 0:00
夏期・東側ペリメータの室温・外気温推移シミュレーション検討例
0
7/28 0:00
図 32
7/29 0:00
7/30 0:00
7/31 0:00
8/1 0:00
夏期・東側ペリメータの空調負荷シミュレーション検討例
3-6-30
3-7
板ガラスの結露
ガラスは透視性、耐候性、耐擦傷性など建築材
*サンバランスの○で囲った数値はLow-E膜のついたガラスの呼び厚さを示します。
料として優れた特徴を持っています。反面、他の
20
が生じやすい性質があります。
10
ガラスの結露そのものは、単純な物理現象であ
り、これを防止するためには、次のような方法
があります。
●高 断熱複層ガラスなどを用いてガラスの断熱
性を高める。
結露発生外気温度[℃]
建築材料に比べて熱貫流率が大きいため、結露
フロート板ガラス3ミリ
0
-10
ペアガラス(空気層6ミリ)3-6-3
-20
ペアガラス(空気層12ミリ)3-12-3
-30
サンバランス(空気層12ミリ)③-12-3
-40
サンバランス(空気層12ミリ)3-12-③
サンバランスE(アルゴンガス層16ミリ)③-16-3
-50
●室内の水蒸気発生をおさえる。
サンバランスE(アルゴンガス層16ミリ)3-16-③
-60
●適 度に外気を導入し、室内空気の相対湿度を
-70
-10 -5
小さくする。
0
5 10 15 20 25 30
室内温度[℃]
図 1-1 結露計算図
(室内湿度50%の場合)
●ガラスの結露計算
図 1-1 〜 図 1-4 に示す結露計算図表により、室
ガラス構成、室内温度、外気温度のうち、2つの
条件が定まれば、結露が始まる状態として他の
1つの値を求めることができます。
● 結露計算図表の使い方
(例1)室内湿度60%、室内温度25℃、外気温度
10
フロート板ガラス3ミリ
0
A点
-10
ペアガラス(空気層12ミリ)3-12-3
-30
サンバランス(空気層12ミリ)③-12-3
-40
サンバランス(空気層12ミリ)3-12-③
サンバランスE(アルゴンガス層16ミリ)③-16-3
-50
-60
構成のガラスとすべきでしょうか。
-70
-10 -5
湿度が60%なので、図 1-2 より、室内温度25℃
ペアガラス(空気層6ミリ)3-6-3
-20
-10℃で結露が生じないようにするにはどんな
と外気温度-10℃との交点(A)から、この場合、
室内湿度60%
20
内湿度がそれぞれ50、60、70、80%のときに、
結露発生外気温度[℃]
光・熱・省エネルギー
3-7
室内湿度50%
サンバランスE(アルゴンガス層16ミリ)3-16-③
0
5 10 15 20 25 30
室内温度[℃]
図 1-2 結露計算図
(室内湿度60%の場合)
サンバランスまたはサンバランスEシリーズを使
用すれば結露を防ぐことができます。
室内湿度70%
30
ガラスは外気温度が何度で結露するでしょうか。
サンバランスEシリーズ
2
(③+Ar16+FL3、熱貫流率1.6W/(m ・K))
ペアガラス
結露発生外気温度[℃]
20
(例2)室内温度20℃、室内湿度70%で、以下の
2
(FL3+A12+FL3、熱貫流率2.9W/(m ・K))
-10
B点
-30
サンバランスE(アルゴンガス層16ミリ)③-16-3
サンバランスE(アルゴンガス層16ミリ)3-16-③
0
また、ペアガラスの場合も同様に、
室内湿度80%
30
20
10
結露発生外気温度[℃]
図 1-3 より室内温度20℃と該当ガラス
(ペアガ
ラスFL3+A12+FL3)の線との交点(C)
から、グ
とができます。
5 10 15 20 25 30
室内温度[℃]
図 1-3 結露計算図
(室内湿度70%の場合)
ことができます。
ラフ左側の結露開始外気温度3.3℃を求めるこ
フロート板ガラス3ミリ
0
ペアガラス(空気層6ミリ)3-6-3
-10
ペアガラス(空気層12ミリ)3-12-3
-20
サンバランス(空気層12ミリ)③-12-3
-30
サンバランス(空気層12ミリ)3-12-③
-40
サンバランスE(アルゴンガス層16ミリ)③-16-3
-50
サンバランスE(アルゴンガス層16ミリ)3-16-③
-60
-70
-10 -5
0
5 10 15 20 25 30
室内温度[℃]
図 1-4 結露計算図
(室内湿度80%の場合)
3-7-1
サンバランス(空気層12ミリ)③-12-3
サンバランス(空気層12ミリ)3-12-③
-40
-70
-10 -5
ペアガラス(空気層6ミリ)3-6-3
ペアガラス(空気層12ミリ)3-12-3
-20
-60
図 1-3 より室内温度20℃と該当ガラス
(サンバ
グラフ左側の結露開始外気温度-23℃を求める
フロート板ガラス3ミリ
C点
0
-50
湿度が70%なので、サンバランスの場合、
ランス③+Ar16+FL3)の線との交点(B)から、
10
● 湿り空気線図
内側ガラス表面温度tgiは次式で求めます。
湿り空気線図は、横軸に乾球温度を、縦軸に乾
tgi=ti−
き空気1kgに含まれている水分量を目盛ったグ
ラフです。乾き空気と水蒸気の混合された湿り
ここで、室内側ガラス表面が結露する条件とし
U αi (ti−to)
ては、以下の場合です。
空気の状態は、温度と水蒸気分圧が定まれば決
ti:室温(℃)、to:外気温(℃)、αi:室内側熱伝
定しますから、このグラフの今ある空気の状態
達率(W/(m2・K))
から、相対湿度が100%となる温度(露点温度)
U:熱貫流率(W/(m2・K))
露点温度>室内側ガラス表面温度(tgi)
従って、この設問の条件では、露点温度12℃<
などを予測することができます。
室内側ガラス表面温度16.3℃なので、結露はし
ないということになります。
ガラスの室内側表面温度は
※ガラスに接する空気の温度は、ガラス表面温
tgi=20-1.6×(20-0)/8.6=16.3℃
度に等しいと見なします。
(ここで通常の一般ガラスでは、室内側熱伝達率
(A点)を徐々に冷却(グラフで水平に横移動)
す
ス中央部において適用できます。実際にサッシ
湿り空 気 線 図 を 乾 球 温 度16.3 ℃、相 対 湿 度
にのみこまれているガラスでは、サッシからの熱
100%の状態(C点)を乾球温度20℃(室温)ま
伝導により、サッシ近傍のガラス表面温度は下
ると、相対湿度100%の飽和線と交差し
(B点)、
で横移動すると、相対湿度が80%(D点)
となり
がり、結露発生は、サッシおよびサッシ近傍のガ
この時の温度はグラフで下方に縦移動すると乾
ます。
ラス表面で生じます。サッシの種類もアルミサッ
球温度12℃です。従って、この空気は12℃まで
シ、樹脂サッシ等があり、これらの種類によっ
冷却されると結露を開始するということになり
(解説)例1で示した通り、乾球温度(室内温度)
ます。この温度(12℃)
を露点温度といいます。
20℃、相対湿度60%の空気状態の時の露点温
3-7
光・熱・省エネルギー
(例1)乾球温度20℃、相対湿度60%の空気状態
ここで示した、ガラス表面温度の算出式は、ガラ
を8.6W/(m2・K)
としています。)
て、サッシの結露発生気温は異なり、サッシ近
傍のガラスの結露発生も異なります。
度は12℃です。
(例2)「サンバランスアクアグリーン高遮熱断
また、例2で示した通り、
「サンバランスアクアグ
熱タイプ」
( ③ ミリ+ A12+ FL3)、熱貫流率=
リーン高遮熱断熱タイプ」を用いた場合、室内
温度20℃、外気温度0℃の状態では、室内側ガ
結露するとき、相対湿度はいくつでしょうか。室
ラス表面温度(tgi)
は16.3℃となります。
0.028
95
10
4.5
30
0
31
1.6W/(m2・K)が外気温0℃、室内温度20℃で
27
相
対
95
90
85
80
75
70
65
60
55
50
45
40
70
2
0
氷 0 1
水
60
50
40
30
0.012
20
0.010
15
10
30
-3
-4
5
10
2
4
0.78
6
8
0.79
10
0.80
12 14
0.81
16 18
0.82
3.0
2.5
2.0
1.5
0.008
0.006
1.0
0.004
20
-2
0
0.77
重量絶対湿度 x(kg/kg、乾き空気)
度
湿
24
23
70
22
65
21
60
20
19
55
18
50
17
25
3.5
水蒸気分圧 pw(kPa)
26
25
0.014
35
40
14
12
13
35
0.016
16
80
-1
10
0.018
11
30
10
9
25
8
7
20
90
-2
5
0.020
A点
3
4
15
5
6
B点
-7
-6
-9
-8
-10 -8 -6 -4
0.75
0.76
0.022
D点
C点
4.0
0.024
-5
0
0.026
15
エ
ン
タ
ル
ピ
ー
45
i(
kJ
/k
g
、
乾
き
75
空
気
80
)
85
28
90
29
F=大気圧 101.325Pa
20 22 24 26 28
0.83
0.84
0.85
30 32
0.86
34 36
0.87
38 40 42
0.88
0.89
44
46
0.90
0.5
0.002
0.000
48
0.91
0.1
0.0
乾球温度 θ
(℃)
図2
湿り空気線図(出典 空気調和衛生工学便覧 Ⅰ 基礎編 第11版 空気調和・衛生工学会編 ㈱オーム社空気調和・衛生工学会資料)
3-7-2
3-8
快適性、健康、窓の心理的効果
1温熱環境の6要素
なり、そこからの放射熱によって人が暖められる
またFangerは、PPD(Predicted Percentage
室内の温熱環境を形成している要素は、環境側
ため、たとえ空気温度が適正に保たれていたと
Percentageof Dissatisfied)を 不 満 足 者 率 を
の要素として室内空気温度の他に、湿度、気流、
しても、不快な暑さを感じる場合があります。
意 味するものとして提 案し、PMVとPPDの関
●人体の着衣量
は、快適範囲として、-0.5<PMV<+0.5 PPD
<10%が推奨されています。
係を 図 1 のように表しています。ISO-7730で
放射があり、人間側の要素として着衣量、活動
量があります。人体の熱的快適性に関する温熱
暑ければ衣服を脱ぎ、寒ければセーターを着込
む。このように身につける衣服の量は温熱環境
さ寒さを表現することが多いのですが、人体と
に大きく影響します。衣服をたくさん着込めば
表 1 PMVの温冷感尺度
周囲環境との間で行われる熱の授受は、空気温
着込むほど服の間の空気の層が増え、断熱性が
度ばかりではなく湿度、気流、周壁からの放射
高まります。すなわち体の熱は逃げにくく室内
熱に影響されますし、その影響度合いは着衣量
環境の影響も受けにくくなります。衣服の断熱
+3
+2
+1
0
−1
−2
−3
や活動量によって変わります。
性はクロ
(clo)
という単位で表されます。クロ値
は衣服の種類や量によって異なります。具体的
●空気温度
には、シャツ+ズボン0.5clo、ジャケット+ズボ
私たちが「暑い」とか「寒い」と感じる時、真っ
ン1.0clo程度となります。
先に気にかけるのがこの空気温度、いわゆる温
度計で計る室内の温度です。
●人体の活動量
安静にしている時と忙しく動いている時では、
●湿度
暑さや寒さの感じ方はずいぶん違います。人の
湿度は私たちの暑さの感じ方や健康面に大きな
体は活動量が増えれば増えるほど、消費する熱
影響を与えます。梅雨時の高湿な空気は皮膚を
エネルギーが大きくなります。つまりたくさんの
べたつかせ、単なる暑さ以上の不快感をおぼえ
熱を体の中で発生させる必要があるわけです。
ます。またエアコンの温風などで乾燥し過ぎた
この発生熱量を代謝量といいます。代謝量が大
室内に長くいると、喉や鼻の粘膜が乾きやすく
きいと夏はより暑く感じ、冬は寒さをあまり感じ
なり、悪影響を及ぼします。
なくなります。この代謝量はメット
(met)
という
単位で表されます。具体的には、安静時・睡眠
●気流
時0.7met、椅子に腰掛けた状態1.0met程度と
どんな空気が、どんなふうに流れ、私たちの体
なります。
PPD(Predicted Percentage of Dissatisfied)
光・熱・省エネルギー
3-8
感覚はこれら6要素の総合効果で支配されます。
これらの要素のうち、普段は空気温度のみで暑
hot
warm
slightly warm
neutral
slightly cool
cool
cold
暑い
暖かい
やや暖かい
どちらでもない
やや涼しい
涼しい
寒い
%
80
60
40
30
20
10
8
6
5
4
−2.0
図1
−1.5
0
0.5
1.0
−1.0
−0.5
PMV(Predicted Mean Vote)
1.5
2.0
PMVとPPDの関係
3室内温熱環境計算例
図 2 に示す空調条件のある室内モデルを用い、
夏期(日中)
と冬期(夜間)における 表 2 の各種
ガラス品種を使用した場合の室内の温度分布の
シミュレーションをおこないました。計算結果を
にふれるか。気流も温熱環境の大切な要素で
図 3 − 図 6 に示します。図中の数値はガラス表
す。夏に外出先から帰ってきた時、エアコンだけ
2熱的快適性指標PMV
では足りず扇風機の強い風に当たりたくなりま
(予測平均温冷感申告)
せんか。その一方、冬には、窓を閉めているのに
PMV(Predicted Mean Vote)は、Fangerに
足元にぞくっとする冷気を感じたり、暖房中の
よって提案された室内の温熱環境評価指標で
ファンヒーターやエアコンの温風が体に直接当
す。このPMVは、温 熱 環 境 の4要 素( 気 温・湿
たって不快に感じた経験はありませんか。こうし
度・気流・放射)の他に、人体の着衣量・活動量
た望まれない不快な気流のことを「ドラフト」と
を加えた6要素を用いて決定されます。
いいます。
人体の快適方程式に、これら6要素を代入するこ
面平均温度と、室内平均空気温度を示します。
表 2 計算に用いたガラス品種
商品名
熱貫流率U 日射熱
[W/(m2・K)] 取得率
ペアガラス
(FL3+A12+FL3)
サンバランス高遮熱断熱Eタイプ
(Low-E3+Ar16+FL3)
2.9
0.80
1.1
0.40
とで、その条件において大多数の人が感ずる温
●放射熱
(平均放射温度)
冷感を、 表 1 に示す7段階の数値で表現します。
壁や床などの室内を構成する部材表面から直
接、赤外線によって伝わる熱を「放射熱」といい
ます。室内にいる人は周囲からさまざまな放射
●夏期条件
窓
(西側)
熱を受けているわけです。この放射熱授受によ
西面日射量 563W/㎡ 外気温 33.7℃
空調条件
(風量:660m3/hr 風速:3.5m/s)
り、最終的に人が受ける放射熱と等価な
(同じ
吹出し温度:21.0℃
放射熱を受けるような)周囲の均一部材表面温
空間温度分布
出力位置
度を「平均放射温度」といい、温熱環境に意外
なほど大きな影響を与えます。床暖房や温水パ
外気温 2.0℃
2.5m
空調条件
(風量:660m3/hr 風速:3.5m/s)
吹出し温度:25.0℃
ネル暖房が、低めの空気温度でも快適に感じる
●各部位の熱性能
のは、床面からの熱により人が暖められている
外壁:熱貫流率 4.5m
からです。それとは対照的に、夏の冷房時、日射
によって直接、窓および周囲の表面温度は高く
3-8-1
●冬期条件
図2
3.5m
室内温熱環境計算モデル概要
次世代省エネIV地域基準相当
●窓面積 5.5㎡
●夏期-窓近傍平均放射温度
●夏期−室内温熱環境計算結果
窓から距離1m、高さ1mの位置での平均放射温
度は次のようになりました。
表 3 夏期の平均放射温度[℃ ]
(窓から、距離1m、高さ1m)
39.2℃
FL3+A12+FL3
Low−E3+Ar16+FL3
31.4℃
40.1
32.5
ペアガラスとサンバランスでは平均放射温度の
差が7℃以上あります。これは、室内側ガラス表
面温度と窓近傍の床表面温度の違いの影響が大
室内平均
空気温度
きいからです。
●夏期-PMVとPPD
夏期の平均室温と、平均放射温度結果以外に、
図3
以下のパラメーターを仮定して、PMVとPPDを
夏期 FL3+A12+FL3を用いた場合
算出しました。 表 4 に結果を示します。
3-8
光・熱・省エネルギー
室内側
ガラス表面
平均温度
代謝量 1.0met(椅座安静)
着衣量 0.4clo(夏期標準レベル相当)
相対湿度 50%RH
気流速度 0.5m/s
(ここでは扇風機も仮定)
表 4 夏期のPMVとPPD
32.2℃
27.3℃
(窓から、距離1m、高さ1m)
FL3+A12+FL3
Low−E3+Ar16+FL3
PMV PPD
[%]
3.1
99.4
0.1
5.2
本計算結果において、夏期の日中、窓から距離
1mの位置での不満足者率PPDの値はペアガラ
スが100%近いのに対し、サンバランスでは5%
程度です。このようにサンバランス高遮熱断熱E
タイプを用いることで、夏期の不快な暑さを大
図4
夏期 Low-E3+Ar16+FL3を用いた場合
幅に解消することができます。
・本 計算では夏期において、カーテンがなく日射が窓から
直接室内に侵入する場合の検討をしています。窓から1m
の位置では、人体は窓越しの日射とガラス表面や床から
の放射熱の影響を多く受けるので、夏期の西面ピーク時
●夏期-ガラス表面温度と室内平均温度
夏期の結果を見比べると、ペアガラスとサンバ
この結果は、サンバランスが室外側のガラスで
ランスでは室内側ガラス表面温度差が7℃以上
主に日射エネルギーを吸収し、ペアガラスより
あり、室内平均空気温度差も4℃程度あること
も日射透過率が低く、日射エネルギーを室内に
がわかります。
取り入れにくいことから生じています。
においては、どのガラスを用いても暑めの結果となりま
す。ここでは、サンバランス遮熱断熱タイプEが優れた遮
熱性能を有する結果となりました。
・室温は空調設定温度以外にも、壁の断熱仕様や部屋の大
きさの影響を受け、ガラス表面温度は日射や外気温、室
温の影響を受けます。そのためサンバランス高遮熱断熱タ
イプを用いても、一枚ガラスや透明ペアガラスを使用した
場合と比較して顕著な効果がみられない場合もあります。
3-8-2
●冬期-窓近傍平均放射温度
●冬期−室内温熱環境計算結果
冬期の結果は平均室温で0.6℃程度の差ですが、
窓から距離1m、高さ1mの位置での平均放射温
度は 表 5 のようになりました。
表 5 冬期の平均放射温度
[℃]
室内側
ガラス表面
平均温度
(窓から、距離1m、高さ1m)
15.8℃
FL3+A12+FL3
Low−E3+Ar16+FL3
22.2℃
19.7
21.1
ペアガラスとサンバランスでは平均放射温度の
光・熱・省エネルギー
3-8
差が1.4℃程度あります。これは、室内側ガラス
窓近傍下部の
コールドドラフト
表面温度差(ここでは4℃程度の差)の影響によ
室内平均
空気温度
るものです。
●冬期−PMVとPPD
冬期の平均室温と、平均放射温度結果以外に、
図5
冬期 FL3+A12+FL3を用いた場合
以下のパラメーターを仮定して、PMVとPPDを
算出しました。 表 6 に結果を示します。
代謝量 1.0met(椅座安静)
着衣量 1.1clo(冬期標準レベル相当)
相対湿度 40% RH
気流速度 0.1m/s
表 6 冬期のPMVとPPD
19.7℃
(窓から、距離1m、高さ1m)
22.8℃
FL3+A12+FL3
Low−E3+Ar16+FL3
窓近傍下部の
コールドドラフト
PMV PPD
[%]
−0.5
10.7
−0.3
6.9
本計算結果では、冬期の夜間において、窓から
距離1mの位置での熱的快適性指標PMVの値
はISO-7730の定める快適範囲(-0.5<PMV<
+0.5)
におさまることがわかります。
このようにペアガラスとサンバランスを用いた
図6
場合では冬期夜間の室内平均空気温度差はわ
冬期 Low-E3+Ar16+FL3を用いた場合
ずかでも、ガラス表面温度に違いがあるので窓
近傍の熱的快適性に違いが有ることがわかりま
す。
サンバランス高遮熱断熱Eタイプを用いること
●冬期-ガラス表面温度と室内平均温度
冬期の結果を見比べると、ペアガラスとサンバ
これはサンバランスがペアガラスよりも断熱性
ランスでは室内側ガラス表面温度差は4℃程度
能が高いことと、冬期の夜間の平均室温はガラ
あり、室内平均空気温度差は0.6℃程度である
スの違いよりも空調の設定温度に依存しやすい
ことがわかります。
からです。
なお、窓近傍下部のコールドドラフトには明ら
かな違いがあることが判ります。
3-8-3
で、冬期の不快な寒さを解消することができま
す。
・室温は空調設定温度以外にも、壁の断熱仕様や部屋の大
きさの影響を受け、ガラス表面温度は日射や外気温、室
温の影響を受けます。そのためサンバランス高遮熱断熱タ
イプを用いても、一枚ガラスや透明ペアガラスを使用した
場合と比較して顕著な効果がみられない場合もあります。
4健康
居住者の血圧も140~170近くと高めが多いの
窓は屋根、外壁などと比べて住宅の中で熱の出
伊香賀教授(慶應義塾大)
らの調査・研究による
に比べ、断熱性能の高いモデル住宅の室温は
入りが最も多い部位であり、高断熱住宅には高
と、人の健康と住まいの環境には密接な関係が
20℃前後で血圧値も低めに抑えられていること
性能な窓ガラスが不可欠です。
あるという報告があります。この中で住宅内の
がわかります。
Low-E複層ガラスの窓は、暖冷房負荷を減少さ
部屋の温度が特に血圧に影響し、脳疾患や心疾
また、岩前教授(近畿大)
らの研究によると、高
せ、光熱費を安価にするだけではなく、冬期の
結露防止、夏期、冬期の窓近傍の熱的快適性の
患など循環器系疾患の罹患率にも差が生じるこ
断熱住宅に転居した後にアレルギー性疾患やア
とが報告されています。 図 7 は複数の被験者に
トピー性皮膚炎などの有病率が減少した、とい
向上、さらには居住者の健康維持に欠かせない
よる、自宅と断熱モデル住宅に宿泊した時の、
うデータもあります
( 図 8 )。これは、高断熱住
アイテムとなっています。
室温と起床時血圧を比較した例です。自宅は無
宅では結露が減少し、それにともなってカビ・ダ
断熱の家が多く、室温は5℃~10℃前後と低く、
ニの発生も抑制されたことを裏づけるものです。
起床時の収縮期血圧[mmHg]
モデル住宅宿泊時
改善率=
新しい住まいで出なくなった人
前の住まいで出ていた人
気管支喘息
のどの痛み
せき
アトピー性皮膚炎
60%
160
150
140
手足の冷え
肌のかゆみ
目のかゆみ
アレルギー性結膜炎
アレルギー性鼻炎
40%
130
120
用:板硝子協会パンフレット「エコガ
引
ラスで実現 !快適・健康・省エネの家づ
くり」*こうち健康・省エネ住宅推進協議
会と伊香賀研究室
(慶應義塾大)による共
同調査
図8
用:岩前 篤:Heat20 2013年3月24日
引
評 価WG報告 住宅エネルギー性能評価
手法の最新情報より抜粋
※G4は 次 世 代 省 エ ネ 基 準
( 平 成11年 基
準)
相当
3-8
光・熱・省エネルギー
自宅(室温最低日)
170
20%
110
100
0
5
10
15
20
0%
25
血圧測定時の居間室温[℃]
図7
図7
80%
180
窓は採光のためだけではなく、窓から見える景
色による視覚的な刺激や窓の大きさによる開放
図8
住宅の断熱グレードと病気の改善率の関係
表 7 窓の心理的な効果アンケート調査結果
心理的な項目
気分的な心地よさ
疲労回復
感など心理的な利点があります。窓の心理的な
効果に関するアンケート調査結果では圧迫感の
室内の変化
低減、外とのつながりといった項目にも回答者
が多いです
( 表 7 )。
雰囲気のよさ
学校では、カリフォルニア、ワシントンおよびコ
ロラドにおける調査で、窓が大きい教室の学生
は、窓が小さい教室の学生より数学、読解力で
進捗が速いという結果を得られたといいます。
また、窓が大きい教室の学生の方が、テストの
点数で良いという結果も得られています。また、
G5
転居後の住宅の断熱グレード
複数の被験者による、自宅と断熱モデル住宅に
宿泊した時の室温と起床時血圧を比較
5窓の心理的効果
※
G4
G3
落ちつき・集中
外界との連続感
疲れを癒せる
リラックスできる
気分転換できる
目を休められる
視覚的な刺激がある
空間に変化がある
見て楽しめる
健康的な感じがする
清潔感がある
雰囲気が明るい
圧迫感が低減できる
落ちつきがある
安心感がもてる
集中しやすい
開放感がある
外とのつながりがある
調査結果
指摘人数13名以上
(全体の70%)
指摘人数9名以上
(全体の50%)
指摘人数9名未満
(全体の50%未満)
参考文献:日本建築学会計画系論文集 第474号「窓の心理的効果とその代替性」
別の研究で、無窓の教室では若年者ほど欠席率
が高く、心理学的に精神病質のグループに分類
影響を与えるという結果もあります。
される学生が多い結果となったという事例もあ
建物の省エネルギーだけを優先するなら、単純
は、開口部を大きくとることが大切であり、ガラ
ります。
に窓の開口率を小さくして壁を増やせばよいで
スは省エネ性能と熱的快適性に優れたLow-E
を過ごす室内環境を心理的に快適にするために
事務所では、ある調査において、従業員の殆ど
しょう。しかし、窓ガラスには省エネ以外に重要
複層ガラスを使用されることをお奨めします。
が電気照明より自然光を好むアンケート結果と
な役割があります。建物内部にいながら外部へ
なりました。また、コールセンターでの調査で
の視覚的なつながりを感じられるのが「窓」に
参考文献
・T he distinctive benefits of glazing: The social
and economic contributions of glazed areas to
sustainability in the built environment (Glass for
Europe)
・シンポジウム資料 スマート・デイライティング-快適な
省エネルギー照明設計に向けて- (2013年11月29日、日
本建築学会 環境工学委員会 光環境運営委員会 省エ
ネルギーと光環境小委員会)
は、自然光による照明レベルと仕事の効率に正
特有の機能であり、在室者の精神的安定性にも
の相関があるという結果となりました。
寄与しているわけです。
病院では、自然光が入りやすい病室は入院期間
私たちは、一生涯のうち80%以上の時間を建物
が短いという調査結果があります。また、自然光
の中で過ごすと言われています。
は手術後の回復期間や鎮痛薬の使用量に良い
かけがえのない人生のうち、これだけの長時間
3-8-4
3-9
各種データの算出根拠
1熱・光学性能値の測定法および算出方法
③熱貫流率(U値)
①熱・光学性能のうち、可視光性能、日射性能
●室外側の周囲空気温度と室内側の周囲空気温
については、
「JIS R 3106板ガラス類の透過
度との差1K当たりの、ガラスの中央部を貫流
率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方
する熱流束。
法」に基づいて算出しています。
②紫外線透過率は、JISに規定がないため「ISO
9050」に基づいて算出しています。
③遮蔽係数SC値は「建築設計資料集成−設備計
画編」に基づいて算出しています。
④熱・光学性能を算出するための分光透過率・
光・熱・省エネルギー
3-9
分光反射率データは、
「JIS R 3106」および
●熱貫流率のことを日本では慣習としてK値と呼
ぶこともありましたが、JISではISOに従ってU
値と呼んでいますので、今後はU値と呼ぶこと
になります。
U値の単位はW/(m2・K)が基本ですが、従来
のkcal/m2h℃単位とは以下の関係にありま
す。
「ISO 9050」に準じて測定しています。
⑤断 熱性能については、
「JIS R 3107板ガラス
W/(m2・K)×0.86=kcal/m2h℃
類の熱抵抗及び建築における熱貫流率の算
定方法」に基づいて熱貫流率を算定していま
④日射熱取得率(η)
す。
●窓 ガラス面に垂直に入射する日射について、
熱 貫流率は、ガラスの表面熱伝達率を含め
ガラス部分を透過する日射の放射束と、それ
た断熱性能を表すものであり、具体的にはガ
を構成するガラス板に吸収されて、室内に伝
ラスの厚さ、複層ガラスの場合は中空層の厚
達される熱流束との和の、入射する日射の放
さ、中空層に封入するガスの種類(空気、アル
射束に対する比。
ゴンなど)、ガラスの表面放射率などにより決
⑤遮蔽係数(SC値)
まります。熱線反射ガラスやLow-Eガラスな
●標 準ガラス
(一般的なフロート板ガラス3ミリ
ど金属膜をガラス表面にコーティングしてい
厚)に設計日射量が入射した場合の熱取得に
る場合の放射率は、赤外分光測定器を用いて
対し、ガラス窓が標準ガラスと異なる場合に
「JIS R 3106」に基づき算出しています。
は、標準ガラスの熱取得に係数を乗じて修正
します。
2熱・光学性能値の定義
この修正係数を遮蔽係数
(Shading Coefficient
①可視光透過率・反射率
SC値)
と呼びます。
●ガ
ラス面に垂直に入射する昼光の光束につい
て、透過光束(反射光束)の入射光束に対する
比。
●CIEで定めた昼光D65のスペクトルと、明順応
の比視感度を用いて求めています。
●波長範囲:380〜780nm
②日射透過率・反射率・吸収率
●ガ
ラス面に垂直に入射する日射の放射束につ
いて、透過放射束(反射放射束)の入射放射束
に対する比。
日射吸収率=1.0−日射透過率−日射反射率
●直 達日射相対値の標準スペクトル分布を用い
て求めています。
●波長範囲:300〜2100nm
SC=
当該ガラスの日射熱取得率(η)
一般的なフロート板ガラス3ミリ厚
の日射熱取得率(0.88)
⑥紫外線透過率
●「ISO
9050」でUV-transmittanceとして 定
義されており、紫外域の相対スペクトル分布を
用い、求めます。
●波長域:300〜380nm
3測定に用いた試料
①試料の条件
●測 定用試料は、製品と同じ条件で製造した各
種ガラスから切り出したものを用いています。
●特に、熱線反射ガラス等の薄膜加工ガラスは、
試料の作製から測定までの間に試料の表面が
損傷・汚染などしないよう、かつ乾燥状態に保
持したものを用いています。
3-9-1
光・熱・省エネルギー
3-9
3-9-2