≪平26年4月の菜園管理≫ JA小松市ふれあい園芸相談 4月の菜園管理 ◇◆◇ 今月のポイント ◇◆◇ ○ 畑の排水の徹底 トマトやキュウリなど果菜類は、生育期間が長く梅雨時を経過す ることから、排水が悪いと根腐れを起こします。 ○ 雨の後など土が非常に湿っている時に耕起はしない 降雨直後の作業は土が練ったように固まり、苗を植えたりたねを 播いても生育障害をおこします。 ○ 野菜の植付けは地温が十分上がってから 特に早植えの場合は、マルチをして地温が上がってから植えまし ょう。 ○ 野菜の植え付けは午前中に 風が無く翌日曇りで温暖な日が予想される日に行いましょう。 ○ トンネル栽培は高温障害(葉焼け)に注意 キャップやトンネル被覆栽培では、晴天時にトンネル内が高温に なり葉が焼けることがあります。トンネルの頂上部や風下側 に穴を開けるかトンネルの裾を上げて換気しましょう。 ♡ ♥ ♡ ♥ ♡ -1- ♥ ♡ ♥ ≪平26年4月の菜園管理≫ 1 4月の主な作業ごよみ ・○:は種、△:移植、◎:定植(植え付け)、●:追肥(g/㎡)、■:収穫、▲:各種作業 野 菜 名 4 月 5 月 ポ イ ン ト 【野菜類など】 イチゴ ■■■■■■■ 防鳥網をかけ鳥対策をしましょう. 収穫期間はナメクジに注意. キャベツ(春まき 購入苗 ~ ◎ ●① ●② 追肥①:定植2週間後.S604を30g. 追肥 追肥 追肥②:結球開始期.S604を50g. 6~7月どり) ラッキョ 収穫:6/中~7/下 タマネギ 4月以降の遅い追肥は、肥大はします が貯蔵期間が短くなります. ニンニク ● 追肥:S604を20g. (収穫は6月) ニンジン ~ ○ エンドウ ▲●①A801を40g 間引き・追肥①:本葉2~3枚.間引き・追肥②: 間引き① 本葉5~6枚.10㎝に1本. ■■■■■■■■■■ ● ソラマメ ● ● ● ● ▲●② 追肥:S604を10g/㎡. 株元にやらないこと. 追肥②:開花初期にうね間に施用. 整枝・土入れ S604を20g. ダイコン (トンネル栽培) ~ ∩ 品種は、とう立ちの遅い“おしん、藤 ○ ダイコン 風”などを使うこと. 晩抽系○ ~ ○(おしん、藤風) (露地栽培) 普通品種○~○(耐病総太) 品種は5月には種します. ゴボウ ~ ○ 連作(5~6年)しない.好光性種子 山間部:○~○ ネギ ~ ○ のため覆土(種にかける土)は薄く. 苗床●:発芽後20日ころ A801を20g ジャガイモ ヤマノイモ類 とう立ち防止のため、秋に播いた普通 ~ 種の寿命が短いので、新しい種を播き ましょう. ○ ● ~ ● 芽が出たら早めに追肥. 山間部:○ ~ 遅い追肥はイモの肥大が悪くなる. ~◎ ▲芽かき いちょういも、丸いも、自然薯など 1芽にする サトイモ 芽出し苗◎ ~ ◎ 直植え○ アスパラガス ~ 直接畑に植える場合は、気温が高くな ○ ■■■■■■■■■ る5月に植えましょう. 栽培年数が長くなると収穫期間も長く なります(P-6参照). ホウレンソウ ○ ~ ■■ 品種は、丸たね種(西洋種)をまきま しょう. -2- ≪平26年4月の菜園管理≫ ・○:は種、△:移植、◎:定植(植え付け)、●:追肥(g/㎡)、■:収穫、▲:各種作業 野 菜 名 トマト 4 キュウリ スイカ カボチャ で保温 エダマメ サツマイモ 早植えはマルチをして地温を上げる. ~ ∩ 早植えはマルチを被覆し地温が十分上 昇してから植える.1番成りは摘果. ~ ∩ 早植えはマルチを被覆し地温が十分上 昇してから植える. ~ ∩ 〃 1番成りは早めに摘果. ~ ∩ 〃 ◎~ 風除けやトンネル∩ イ ン ト 基肥は少なめに.追肥で生育を調整. ◎~ 風除けやトンネル∩ で保温 ∩ ◎~ 風除けやトンネル∩ で保温 ポ ◎~ 風除けやトンネル∩ で保温 ~ 月 ◎~ 風除けやトンネル∩ で保温 ピーマン 5 風除けやトンネル∩ で保温 ナス 月 主(子)づるの15節から上に着果. ~ ∩ 〃 ◎~ 主(子)づるの12節から上に着果. 購入苗◎ ~ ◎ 移植より直まきが望ましい.移植の場 直まき○ ~ ○ 合、根を切ったり乾かさないこと. 早掘り◎~◎ 普通◎ オクラ ○ 地温が17℃必要.地温が15℃以下 ~ なら透明マルチ. ~ ○ 直根性で移植を嫌います. 暖かくなってから播きましょう. ゴーヤ 購入苗◎ ~ ◎ 低温に弱く高温を好みます. (ニガウリ) 直播き○ ~ ○ 気温が上がってから植えましょう. スイートコーン 購入苗◎ ~ 購入苗は7/中ころ収穫予定. 直まき○ ~ 直播きは8/上ころ収穫予定. ~ ブロッコリー ~ ラッカセイ ∩ トンネルまたはマルチで保温しましょ ◎ う.品種の選定が重要です. ○ ~ ○ うね幅120㎝.株間20㎝. 2条植え(条間45㎝). ショウガ ○ ~ ○ 1かけ3芽(60~80g)に切断. 乾燥に弱いので敷きわらをする. -3- ≪平26年4月の菜園管理≫ ・○:は種、△:移植、◎:定植(植え付け)、●:追肥(g/㎡)、■:収穫、▲:各種作業 野 菜 名 4 月 5 月 ポ イ ン ト 【家庭果樹など】 ウメ ▲ ~ ▲黒星病防除 ▲ カキ ~ ▲アブラムシ類防除 炭そ病(出蕾期)防除▲ ~ ▲ 〃 イラガ防除▲ ~ ▲ リンゴ ブドウ ▲ ~ ▲黒星病防除 ▲ ~ ▲アブラムシ類防除 べと病防除▲ フタテンヒメヨコバイ防除▲ ~ 6/上 ~ 薬剤は、P-7参照. 9/下 〃 〃 【花類など】 シンビジウム ポインセチア ▲ ~ ▲ ▲ ~ 植え替え 野外に移動 7月から30%遮光の場所. ▲移動 ▲ 液体肥料を10日に1回(通年). ~ 肥料は7月中旬まで施用. ▲ 野外の日当たり 植え替え シクラメン キク ▲移動 肥料は(置き肥え)5月末まで施用. 野外の明るい日陰 植え替えは9月. ▲~▲冬至芽の整理 古親株利用栽培. (7月咲き) 1株あたり3~4本に整理. 追肥:芽の整理後S604を20g/㎡. キク ◎ ~ ◎ ▲摘心 発芽した冬至芽を苗の長さを揃えて定 (8~9月咲き) 冬至芽定植 定植7~10日後 植します. -4- ≪平26年4月の菜園管理≫ 2 野菜の管理 (1)野菜の施肥量と植え付け間隔 野菜の標準的な施用量や植え付け間隔は、別冊「野菜の施肥例」をご利用下さい。 ※別冊は、本店営農部または各支店にあります。 (2)果菜類の植え方 トマトやナス、キュウリなど果菜類の植え付けは、風が無く温暖な日の午前中に植 えましょう。春植え野菜でマルチ(うねの上に透明や黒色のポリエチレンフイルムな どを被覆すること)をする場合、植え付け1週間以上前に被覆し地温を十分上げてか ら植えましょう。 ア 植え付け予定の7~10日前に苦土石灰や堆肥、肥料を全面に散布後畑を耕しま しょう。マルチをする場合、降雨後2~3日経過して、ある程度畑が湿っている日 を選んで施肥~マルチまで1日で完了するようにしましょう。苦土石灰の代わりに 消石灰を使う場合は、消石灰を散布して耕起、1週間後に肥料を散布し再び耕起し て畝を立てます。 イ 病気や害虫に侵されていないしっかりした苗を深植えにならないよう注意して下 さい。 ○良い植え方 (畝と水平かやや浅め) ×悪い植え方 (深すぎる) 根腐れや病気発生の原因になる ウ 接ぎ木苗の注意点 接ぎ木は、主に野菜の土壌病害による連作障害を防ぐため“ナス・トマト・キュ ウリ・スイカ”など果菜類に実施します。このため、穂木から根が出ないよう台木 の部分に土がかからないように注意して植えましょう。 穂木(美味しいが病気に弱い) ※接ぎ木部まで土を かけないこと 台木(病気に強い) -5- ≪平26年4月の菜園管理≫ エ 植え付け後、「あんどん」状の風除けやポリトンネルをして保温に努めましょう。 オ トンネルの場合は、高温障害(葉焼け)防止のためトンネル上部や風下側の側面 に直径10㎝程度の穴を開けるか裾上げ換気をしましょう。 ◆肥料袋など で風除け ◆トンネル被覆の換気方法 裾上げ換気 (トンネルの下部を上げる) 穴開け換気 (10㎝程度の 穴を開ける) トンネル上部 側面 ※気温が低い夜間閉めることで、保温効果が高くなります。 (3)アスパラガス ア 春~初夏どりの収穫期間の目安 収穫期間は、株の充実が悪いと短くなります。 ・1年目 0日(定植した年は収穫しません) ・2 〃 10~30日 ・3 〃 20~50日 ・4 〃 40~60日 ・5 〃 以降 60~75日 イ 収穫方法 収穫は気温の 低い早朝に行 います。 (長さ30㎝で収穫) 収穫期間中は、細い 太いに関係なく地際 から全て収穫します。 ※収穫期間は、うね の上に何もない状態。 ウ 施 肥 ・基肥:収穫終了期にうね全面に施用します。 -6- 収穫期間終了後は 全て伸ばします。 ≪平26年4月の菜園管理≫ (4)ソラマメ ア 追肥(2回目) ・開花初期にうね間に施用。S604を20g/㎡。 イ 土入れ ・追肥後マルチを除去し、株が開くように10㎝の厚さに土を入れる。 ウ 整枝 ・株当り7~8本残す(弱い枝や心止まり枝を地際から切る)。 エ 摘しん ・莢がついたら20節前後で摘しんする。120㎝以下ではしない。 (5)ジャガイモ ア 芽かき ・草丈7~8㎝までに株間30㎝の場合1株1~2本残し芽かきする。 ・1本残しの場合は大きなイモになりますが、稀に内部に空洞が入ることがありま す。 イ 土寄せ ・1回目:芽かき後、2~3㎝の土寄せをする。 ・2回目:つぼみが見えたころ、3~4㎝の土寄せをする。 ・一回の土寄せ量が多すぎると生育が悪くなるので注意しましょう。 ウ 追肥 ・芽かき後、土寄せ時にA801を50g/㎡施用する。 3 家庭果樹の管理 (1)果樹を誘引した“なわ”や“ささえバンド”等は発育を阻害する原因になりますの で早めに除去しましょう。 (2)病害虫防除(例) 樹種 病害虫名 散布時期 薬 剤 名 濃度(倍) 黒星病 4/下~5/上 オーソサイド水和剤80 アブラムシ類 4/上~4/下 アドマイヤー水和剤 炭そ病 5/中(出蕾期) ジマンダイセン水和剤 イラガ類 〃 スミチオン水和剤40 1000 黒星病 4/上~4/下 トップジンM水和剤 1500 アブラムシ類 〃 アドマイヤー水和剤 1000 べと病 5/上~6/上 ジマンダイセン水和剤 1000 フタテンヒメヨコバイ 4/下~9/下 アグロスリン水和剤 2000 800 ウメ 1000 800 カキ リンゴ ブドウ -7- ≪平26年4月の菜園管理≫ 4 花類・花だんの管理 (1)キク ア 7月咲き品種の古株利用栽培 4月に入り古株から出た冬至芽の揃ったものを1株当り3~4本残し、他は摘み 取り、S604を20g/㎡追肥します。なお、草丈確保のため摘心しません。 イ 8~9月咲き品種 ・4月中~下旬に親株から冬至芽を切り取り、長さを揃えて15㎝×10㎝間隔に 植え付けます。 ・摘心は、植え付け7~10日後に葉を5枚程度残して心を摘み取ります。 【施肥量(例)】 (g/㎡) 肥 料 名 基 肥 粒状固形30号 150 BB-S604 30 OKボーン 30 苦土石灰 みのり堆肥VS 追 肥 20 備 考 追肥は、5月下旬~6月上旬 熔燐でも可。 130 2000 ※OKボーンや熔燐が無い場合は、代りに発酵鶏ふんを150g施用し、粒状固形 30号を100g程度とすることもできます。 (2)花だんの準備 ・古株や、雑草は掘り起し土を払って花だんから出しましょう。 ・スコップ等で深さ30㎝まで粗く天地返しをして、石や大きなゴロ土は取り除きま しょう。 (参考)花きの好適土壌酸度 酸 強酸性(5以下) 度 ツツジ、アザレア、 適 ガーデニア、ベコニ す ア類、アジアンタ る ム、ネフロレピス、 花 アナナス、スズラ の ン、アゲラタム、カ 種 ラー、クレマチス 類 など 弱酸性(5~7) 中性(7) キク、バラ、ユリ、 シクラメン、カラー、 ポインセチア、フク シア、ハナショウブ、 キンギョソウ、シン ビジウム、カーネー ション、ストック、 ペチュニア、チュー リップ など ジニア、マリー ゴールド、プリ ムラ類、マーガ レット、アスタ ー など (pH) アルカリ性 (7以上) キンセンカ、シネ ラリア、ゼラニウ ム、ガーベラ、ス イートピー、ジャ ーマンアイリス など (鶴島) -8- ≪平26年4月の菜園管理≫ 5 希釈液の作り方 (1)乳剤、液剤、フロアブル剤の作り方 散布に必要な水量に薬剤を混ぜ、拡販する。 (2)水和剤の作り方 薬剤を少量の水で溶かして散布用の水に入れ、展着剤を加えて拡販する。 (3)希釈した薬剤は、その日に使い切りましょう。 ◆農薬の希釈表 ①希釈倍数 作 り た い 薬 液 の 濃 度 薬剤量(m ℓ /g) ②作りたい薬液の量 2ℓ 3ℓ 500m ℓ 1ℓ 5ℓ 10ℓ 100倍 5 10 20 30 50 100 200倍 2.5 5 10 15 25 50 300倍 1.6 3.3 6.6 10 16.6 33.3 500倍 1 2 4 6 10 20 1000倍 0.5 1 2 3 5 10 1500倍 0.3 0.6 1.3 2 3.3 6.6 2000倍 0.25 0.5 1 1.5 2.5 5 3000倍 0.16 0.33 0.66 1 1.66 3.33 4000倍 0.12 0.25 0.5 0.75 1.25 2.5 ・農薬メーカーが提供している計量スプーンの例です。 約2g 大 小 約1g 〃2m ℓ 〃1m ℓ (JA小松市園芸課:宮野清治) -9-
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