平成28年 年頭のご挨拶 自動車検査独立行政法人 中国検査部長 中 村 勝 美 あけましておめでとうございます。 平成28年の新春を迎えるにあたり、謹んでお慶びを申し上げます。 平素は、自動車検査独立行政法人の検査(審査)業務の円滑な推進につきまし て、格別のご理解とご協力を賜り厚くお礼を申し上げます。 さて、昨年を振り返りますと自動車関係の出来事では、独フォルクスワーゲン 社のディーゼルエンジン車不正ソフト問題を思い出します。ライフスタイルの変 化、若者の経済力低下、趣味の多様化等が原因とされている自動車離れに影響が ないことを願います。 また、10月終わりから東京モーターショー(第 44 回)が「TECHNOLOGY ×FANTASY」をコンセプトに開催されました。メーカー各社は2020年の東 京オリンピックまでに実用化を目指す最先端技術を発表しました。燃料電池車や 電気自動車などの電動化技術、自動運転の基となる知能化技術が交通事故、交通 渋滞そして環境問題の改善に役立つことを期待します。 一方、検査法人では本格運用の検査の高度化に加えて、昨年4月から支局MO TASと連携し、諸元等の検査票情報を登録手続きに活用することで、申請書に 記載する項目の省略とチェック機能の強化を図って参りました。今後とも改良を 加えて更なる利便性の向上を図って参ります。 さらに、本年4月から当検査法人と交通安全環境研究所を統合し、新たに独立 行政法人「自動車技術総合機構」として発足します。これにより、自動車技術の 総合力発揮のため、設計から新車及び使用の段階までの安全・環境に係る対応を 総合的、かつ一体的に行える組織を目指します。また、国の登録業務のうち登録 のために必要な確認調査に関する事務も順次新法人に移管されます。 このため、統合効果が十分に発揮できるよう運輸局を始め関係機関と連携を図 りながら業務を進めてまいります。 このように当法人は大きな変革の中にありますが、引き続き検査の高度化や効 率化そして機器更新をするとともに、職員の技術向上を図りつつ、自動車の安全 確保と環境保全のために保安基準適合性審査業務を厳正かつ公正に行なって参 りますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。 最後になりますが、会員皆様方のご発展を祈念しまして、新年のご挨拶とさせ ていただきます。 平成28年 年頭のご挨拶 一般社団法人広島県自動車整備振興会 卜 部 典 会長 昌 明けましておめでとうございます。 平成28年の新春を迎え、会員の皆様に謹んで新年のお慶びを申し上げます とともに、年頭にあたり一言ご挨拶を申し上げます。 昨年は、全国的に数多くの自然災害が発生する中、特に9月には北関東や東 北において、記録的豪雨による甚大な被害が発生しました。中でも、鬼怒川(茨 城県常総市)の堤防決壊による河川氾濫の凄まじさを見せつけられました。こ の他にも数多くの被災地や被災された方がおられますが、一刻も早い復旧・復 興並びに平穏な生活となりますことを願っております。 明るい話題としましては、スポーツ界において「桜ジャパン」で名を馳せた ラグビーにあっては、その実力が世界に通用するまでに至りました。 今後、我が国のメジャースポーツの一つになるものと思われますが、応援等 がやや過熱気味ながら一時的なブームに終わることなく、そして、さらなる発 展と将来的な選手育成などにより、世界一を目指してほしいものです。 さて、我が国の経済情勢に目を向けてみますと、長引いたデフレ傾向に一旦 は政府の経済政策等の成果も現れ始めたものの、4月以降は中国経済の減速に 伴う国内総生産がマイナスに転じるなど不安材料が見え隠れしています。 このことは、折角の経済回復基調に水を差す格好となったばかりでなく、今 後の影響が懸念されます。 その一方において、いわゆるインバウンドと呼ばれる訪日外国人旅行者の増 加には目を見張るものがありました。当然ながら、光と影の部分があるものの、 その対応如何では経済の好循環の一手ともなり得るものと思われます。 そのような中、自動車業界にあっては、国内の新車販売が一昨年4月の消費 税率の引上げに伴う反動減が予想以上に長引いたことや経済情勢による消費 マインドの低迷などから復調の兆しはあるものの、全体としては伸び悩みました。 特に、軽自動車にあっては昨年4月の軽自動車税の増税に伴う落ち込みが顕 著に現れました。 しかしながら、その中にあって次世代自動車と呼ばれるEV、HV、PHV、 クリーンディーゼル車などや先進安全技術を搭載した自動車の販売は一定の 規模で推移しています。このことは、自動車ユーザーが安全面や環境面により 優れた「クルマ選び」を行っているものと思われます。 各メーカーにあっては、このようなユーザーニーズを的確に捉えるととも に、今後、さらに高度化した新車の開発・投入を行うことが見込まれます。 その一方で、より高度化する自動車技術に対応した点検整備がこれまで以上 に重要となりますが、懸念材料として整備要員不足という問題が現実味を帯び ており、これに対応することが私ども自動車整備業界にとって喫緊の課題の一 つでもあります。 そのために、自動車整備士の人材確保と育成という観点から「広島県自動車 整備人材確保・育成地方連絡会」を昨年の3月に立ち上げて、当県の実情に見 合ったものとなるようキメ細かな対応としているところです。 一例として、いわゆる実業高校以外の高校訪問を行って、自動車整備の社会 的な重要性、必要性のPR、さらには女子高校を訪問して、女性自動車整備士 の社会的進出が求められている現状等を説明するとともに、あまり知られてい ない自動車整備士の資格取得に関する講義などを実施しています。先ずは、こ のような地道な取り組みからスタートすることにより、如何にして生徒の皆さ んから自動車整備に関心を持って頂けるか、そして、自動車整備士を目指すこ とに繋がるようにしていく必要があると考えます。 次に、自動車整備技術などを競う「第16回広整振自動車整備技能競技大会」 を昨年の6月に広島市内において開催しました。競技会場は、独特の雰囲気の 中、10チームの参加の下、日々の努力により培われた整備技術などを如何な く発揮されたものと思います。 なお、優勝チームにあっては、10月に開催された「第20回全日本自動車 整備技能競技大会」に広島県代表チームとして出場され、全国53チーム中の 上位3チームへの入賞は逃したものの好成績を収められました。 同競技大会は隔年開催ですが、整備技術やアドバイザーとしての相互のレベ ルアップが目的の一つであるとともに、競技のためにだけでなく、日々の業務 に反映させることも重要だと思います。 併せまして、同競技大会が迎えて第20回という記念大会であったことか ら、これまで同競技大会に熱心に取り組んだ全国8整備振興会に対し、日整連 会長による特別功労表彰が執り行われ、光栄なことに私ども広島県自動車整備 振興会も受賞致しました。 次に、自動車ユーザーに対する保守管理の重要性をPRすることが私ども整 備業界に課せられた責務であり、特に「自動車点検整備促進運動」の積極的な 展開、とりわけ当県において盛況となっている「Go!Go!Carにばる」 を各支部等のご支援を頂きつつ、引き続いて広島地区、福山地区において開催 するとともに、「全国一斉マイカー点検日」に参画するなどにより、その意識 の醸成に努めて参ります。 次に、継続検査のOSS(ワンストップサービス)化ですが、現在のところ 平成29年度内の稼働に向けて準備・検討が進められております。具体的には、 日整連主催の「継続検査OSS対策検討会等」において対応しているところです。 今後、当会としても会員の皆様からご意見等を頂戴しつつ、引き続きまして 日整連本部や他の自動車整備振興会などとも連携しながら私ども整備業界に とって過度の負担とならないよう対応したいと考えております。 最後に、会員の皆様におかれましては、当会の業務に対しまして、本年もよ り一層のご理解とご協力をお願い申し上げますとともに、関係ご当局をはじめ 関係各位のご指導とご支援を引き続き賜りますようお願い申し上げまして、年 頭のご挨拶といたします。 平成28年 年頭のご挨拶 広島県自動車整備商工組合 安 倍 理事長 勇 治 組合員の皆様、新年明けましておめでとうございます。 平成28年の新春を迎えるに当たり、謹んで新年のご挨拶を申し上 げます。 平素より、当組合に深いご理解とご協力を賜わり厚く御礼申し上げ ます。 さて、広島市では一昨年北部を襲った集中豪雨により、74名の尊 い命が奪われ、多くの方々の避難生活を余儀なくされてより1年4ヵ 月が経過しました。亡くなられました皆様方のご冥福を心よりお祈り 申し上げますとともに、今なお、心の傷の癒えない被災者の方々の、 一日も早い回復が叶いますよう念じております。 与党安倍政権下、これまで三本の矢が放たれ、円安・株高効果に見 られるように、刺激策にはなったものの評価は今ひとつと噂される 中、安倍首相は昨年9月「アベノミクスは第2ステージに移る」と宣 言、経済成長の推進力として「新三本の矢」を発表しました。 大手 企業の業績は格段の成長を見るも、果たして整備業界の末端に至るま で期待して良いものかが問われているところであり、今後における第 2ステージの動向を見守ってまいります。 5月には伊勢志摩サミットが、7月には衆参同時選挙が噂され、今 後の整備業界を選挙結果に託すこととなる一面も予想されますが、経 済の安定を切に望むところです。 ところで、海外ではイスラム国の度重なるテロ行為に対抗し同盟国 が空爆による報復を行い、某国の他国機撃墜等きな臭い雰囲気が漂っ ております。また、国内では近隣諸国との領土問題、拉致問題、TP P問題、軽減税率の与党間の綱引、自動車税制改正問題等々山積した 課題に政府として取組み、国民に生活の安全と安心を約束していただ きたいものです。 このような状況下、自動車整備業界は依然として厳しい現実にあ り、車検整備料金の更なる低下や一般整備の入庫減により、売上減少 をくい止める手立てに乏しく、さらに深刻な整備士不足に直面してお ります。中国運輸局ご指導の下、支局、振興会等による学校訪問を行 い、その効果に期待し関係団体を挙げて整備士獲得に取組んでまいら ねばならないと考えます。 さて、商工組合といたし ましては高度情報化社会における情報収集 及び提供を行い、より良い商品の発掘と役立つ便利商品の提供を行っ てまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。 また、当組合のホームページにつきましては、今まで以上に充実を 図り、各組合員工場のホームページの無料作成及び登録を行い、広島 県の整備工場を一般ユーザーが素早くアクセスできるためのキーワ ード「気になる整備工場」という検索サイト(立上げ済)を開き、車 検、点検、車販、鈑金、塗装、展示会、カスタム仕上げ等々、希望す る最適な内容をピックアップできるようサイトの充実に取り組んで まいります。 近年、エコカーと呼ばれるHV、PHV、EV車の占める比率が高 まりつつありますが、一般車も含めスキャンツールによる点検が当た り前となった昨今、組合員に購入補助金制度を利用いただき、当組合 での購入者に対しては、活用促進の一環としてスキャンツール導入組 合員へ出向き、現地活用実演を開催し好評を得てまいりました。本年 も継続してツール販売と利用促進に取組んでまいりますので、ご協力 のほどお願いいたします。 環境保全・省資源への対応としましては、産業廃棄物の適正処理、 使用済自動車の処理の推進、リサイクル部品の普及・促進によるリビ ルト部品の供給等いずれも当組合事業として組合員のご理解とご協 力の下、組合及び組合員の収益に寄与しており、引続いて推進してま いります。 また、整備事業に必要な部品用品等を販売する共同購買事業を中心 とした購買販売専門営業スタッフによる訪問販売には、平素より格別 のご理解、ご協力を賜り、充実を図ってまいりました。本年も広島、 福山ともに新規取扱商品の拡充と良質商品を廉価にて継続的、安定的 に供給することに努力いたします。 以上、当組合に関する昨年の状況と本年の取組みの一端を申し上げ ましたが、整備業界を取り巻く厳しい環境下で、組合員の信頼を得て、 業界全体の活性化と継続的な繁栄が図れますよう、組合員事業場の経 営基盤の強化を図るため諸事業を推進して まいります。 組合員各位におかれましては、本年も当組合事業に一層のご理解と ご協力をお願いいたしますとともに、関係ご当局、広島県、広島県中 小企業団体中央会をはじめとした関係各団体のご指導並びにご支援 をお願い申し上げまして、年頭の挨拶とさせて頂きます。 平成28年 年頭のご挨拶 中 国 運 輸 局 長 小 川 晴 基 明けましておめでとうございます。 謹んで新年のお慶びを申し上げますとともに、平成28年の年頭にあたり、一言 ご挨拶を申し上げます。 昨年を振り返りますと、自動車メーカーの排ガス規制逃れ、エアバックのリコー ル、免震ゴムのデータ改ざん、杭打ちデータ改ざんなど大手企業の不祥事が続き、 国民の信頼が大きく揺らぎ、国に対しても厳正・適切な対応が求められました。 特に、自動車メーカーの排ガス規制逃れ、エアバックのリコールについては、日 本のみならず、米国など海外でも大きな問題となり、ブランドイメージを大きく損 なう結果となりました。 次に、経済全般に目を向けますと、昨年は緩やかな回復基調であり、海外等で大 きな動きがなければ当面この状況が続くと見られております。 一方、中国運輸局管内の新車販売台数は、昨年4月から10月までの間、登録車 が前年同期の実績を3千台弱上回っており、 特にバスは急増する外国人旅行者に対 応するため、需要が増えています。しかしながら、軽自動車は、軽自動車税増税の 影響などにより、新車販売は厳しい状況でした。 それでは、新年を迎え、中国運輸局の果たすべき使命について述べさせていただ きたいと思います。 1点目として、自動車の安全・安心の確保は自動車交通行政の一丁目一番地であ り、最優先で取り組む項目です。 近年、自動車を長く使用する傾向がある中、点検整備の確実な実施によって安全 で環境と調和のとれた快適な車社会を形成するためには、 自動車整備業界の果たす 役割は益々重要となっています。 中国運輸局としましても、 自動車整備業界の皆様をはじめ関係各位の協力を得な がら、今年も「自動車点検整備推進運動」「不正改造車を排除する運動」を展開す ることとしており、街頭検査の実施等により、自動車の安全確保・環境保全を推進 してまいります。 また、エコカー補助金やエコカー減税の効果もあり、次世代自動車の普及や先進 安全技術の導入など安全・環境性能に優れた自動車の普及が進んでおり、電子制御 技術の高度化・多様化に対応するため、スキャンツールの導入など整備機器の高度 化を推進し、 適切な点検整備等の体制を充実することも重要であると考えておりま す。 2点目は、自動車整備業に関する人材確保・育成についてです。一昨年から全国 の運輸支局長を中心に高等学校への訪問活動を行い、 自動車整備の仕事の社会的重 要性、将来性に関する説明をはじめとした取組を継続しています。昨年も5月から 7月にかけて中国運輸局管内で女子校を含む80校(全国で642校)の訪問を行 い、様々なご意見・ご要望をいただきました。 中国運輸局は、訪問時にいただいた貴重なご意見・ご要望を本省と情報共有し、 「自動車整備人材確保・育成協議会」で検討される人材確保の施策等に反映するこ ととしています。 一方、自動車整備業に関する人材確保・育成を行うためには、労働環境や待遇の 改善を継続的に推進することが重要となります。昨年6月に設置された、国土交通 省と有識者や関係団体で構成する「自動車整備人材確保・育成に関する検討会」で は、労働環境や待遇改善、女性の活用などについて検討されており、今年3月に推 進方策等が公表される予定となっています。 3点目は、「指定自動車整備事業の適正な運営」についてです。 全国の指定自動車整備事業者に関する行政処分件数は減少傾向ですが、 依然とし て不正事案は発生しており、 昨年1月から10月までの行政処分件数は約40件と なっています。 こうした不正事案は、一部の事業者によるものですが、指定自動車整備事業制度 の根幹を揺るがし、点検整備・検査制度に対する国民の信頼を失墜しかねない行為 であることから、研修等により指導の徹底を図るとともに、重大な違反に対しては 引き続き厳正、適切に対処してまいります。 4点目は、「登録業務の一部独法化」及び「ワンストップサービス(OSS)」 についてです。 昨年6月の 「道路運送車両法及び自動車検査独立行政法人法の一部を改正する法 律」により、登録業務の一部を独立行政法人へ移管することが決定しております。 当局管内でも今年4月に2支局が移管予定であり、現在、円滑な移管に向けて準備 を進めております。 また、平成25年12月の閣議決定において、平成29年度までに登録手続のワ ンストップサービスを全国展開し、 対象手続も拡大することが方針として示されて います。管内各県においては、自動車整備振興会など自動車関係団体の皆様をはじ め、運輸支局、県税、県警を交えた「OSS地域連絡会」を開催し、ワンストップ サービスの導入に取り組んでおり、皆様におかれましても、引き続きご協力をいた だきますようよろしくお願いいたします。 中国運輸局は、今後とも、地域社会の現状をしっかりと把握するとともに、地域 に密着した施策展開を図り、交通運輸・観光の分野から中国地方の発展・活性化に 尽力してまいる所存でございます。 皆様のより一層のご理解とご協力を賜りますよ うお願い申し上げますとともに、今後益々のご発展を祈念いたしまして、年頭のご 挨拶とさせていただきます。 平成28年 年頭のご挨拶 中国運輸局 自動車技術安全部長 若 林 省 吾 皆様、明けましておめでとうございます。 平成28年の新春を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げますとともに、年頭にあ たり、一言ご挨拶をさせていただきます。 昨年も多くのニュースがありましたが、その中で特に興味を引かれたことは、ある 自動車メーカーが不正なソフトウェアを使って排気ガス規制を逃れたという報道で す。 最近の自動車は、電子技術による適切な制御によってエンジン等がコントロールさ れ、環境に優しく、燃料消費も抑えられる理想の移動手段に近づいたと感じておりま した。 しかしながら、今回、電子技術を使う企業が意図的に不適切な作用をするソフトウ ェアを使用したことが報道され、電子技術に対する印象も変わりました。 半世紀前に、操縦器を持つ者が善人か悪人かによって、巨大なロボットが正義の味 方にも悪魔の手先にもなるというアニメがあり、今回の電子技術の使用と重ね合わせ て考えさせられたところです。 巨大なロボットを動かす操縦器を電子技術に例えるならば、その電子技術を活用す る企業が高いコンプライアンスを持たなければ、自動車はユーザーが気づかないうち に環境汚染を助長する悪魔の手先に変わってしまうという、電子技術の一面が印象に 残りました。 さて、日本が長期的に人口の減少と高齢化へ向かうことがクローズアップされ、特 に自動車整備業界では「若者の車離れ」などが原因で、自動車整備士を目指す若者が 減少している実態があります。このため、国土交通省は全国組織の「自動車整備人材 確保・育成推進協議会」や、運輸支局単位の「自動車整備人材確保・育成地方連絡会」 を立ち上げ、自動車整備業界の人材確保に取り組んでおります。 中国運輸局では一昨年に引き続き、昨年も運輸支局長を中心に高等学校の訪問を8 0校実施し、将来自動車整備士が不足する状況を説明して整備専門学校等への進学や 自動車整備業界への就職などを働きかけたところです。 高校訪問で交換した意見については、平成26年度の訪問結果として国土交通省の ホームページで公表されたものと大きな差はありませんでしたが、労働環境や待遇に 関する意見は喫緊の課題と考えており、国土交通省と有識者や関係団体で構成する「自 動車整備人材確保・育成に関する検討会」が、労働環境や待遇改善、女性の活用など について検討し、今年3月に公表する推進方策等の方向性を注視しているところです。 このように自動車整備業界の人材確保に関する取組を行う一方で、自動車整備工場 が継続的に発展するためには、技術の急速な進歩に対応することも求められます。 最近は、環境性能に優れたハイブリッド車、電気自動車をはじめ、衝突被害軽減ブ レーキなどを備えた先進安全自動車などが普及しており、これらの自動車は高度な電 子制御装置を備えております。 また、昨年大手自動車メーカーが長期環境目標を発表し、現在主流となっている内 燃機関も、将来は次世代エネルギーを使った機関に変わる可能性が報道されたところ であり、今後も新しい技術は拡大する方向にあります。 皆様におかれましてはこのような流れを踏まえ、自動車の装置が正常に作動してい るかどうかといった情報を読み取るスキャンツールを設置・活用されるなど、今後も 急速に進歩する自動車へ適切に対応していただくとともに、自動車整備士等の人材確 保に際しても新しい自動車への対応をアピールしていただくよう期待しております。 これまで自動車整備事業の人材確保と自動車技術の急速な進歩への対応等について 述べさせていただきましたが、その基礎となるのは自動車整備事業の健全な発展でご ざいます。大変残念なことですが、昨年も指定自動車整備事業者等の法令違反が発生 しており、中国運輸局では厳正な対応をしております。 皆様におかれましても、ユーザーの信頼を一層確実なものとするため、自動車整備 のプロ集団として高度な知識・技術力を十分に発揮していただくとともに、法令遵守 を徹底していただくようお願い申し上げます。 さて、中国運輸局では現在、「登録業務の一部独法化」及び「ワンストップサービ ス(OSS)」に取り組んでおります。 登録業務の一部を独立行政法人へ移管することについては、今年4月及び平成30 年4月の2回に分けて実施されますが、当局管内では今年4月に2支局が移管予定で あり、現在、円滑な移管に向けて準備を進めております。 また、登録手続等のワンストップサービスについては、管内各県において、関係す る皆様と運輸支局、県税、県警を交えた「OSS地域連絡会」を開催し、導入に向け た取組を推進しており、引き続きご協力をいただきますようよろしくお願いいたしま す。 最後に、安全・安心で環境と調和がとれた快適な「くるま社会」の実現と自動車整 備業界の健全な発展に向けて努力してまいりますので、今後とも皆様方のご理解とご 協力をお願い申し上げます。 新しい年が皆様にとりましてより良い年でありますことを祈念いたしまして、年頭 のご挨拶とさせていただきます。 平成28年 年頭のご挨拶 中国運輸局 小 広 島運輸支局 長 畠 博 文 あけましておめでとうございます。 謹んで新年のお慶びを申し上げますとともに、平成28年の年頭に あたり一言ご挨拶を申し上げます。 昨年を振り返りますと、鬼怒川の決壊等の記録的な豪雨、頻発した 地震や口之永良部島の爆発的噴火など、全国各地で多くの自然災害に 見舞われた1年でした。また、パリで発生した同時多発テロも非常に 残念な出来事でした。 一方で、北陸新幹線の開業やワールドカップ・ラグビー日本チーム の歴史的勝利、デフレ脱却は道半ばではございますが、4月には日経 平均株価が15年ぶりに2万円台を回復し、景気回復ムードの高まり があるなど、明るい話題も多かったのではないかと思います。 さて、我が国の自動車保有台数は過去最高の約8千百万台で推移 し、広島県内でも188万台を維持する等、自動車は県民の日々の暮 らしに無くてはならない存在となっています。 また、国民の安全・安心に対する関心の高さや地球温暖化等の環境 対策、自動車の車齢・平均使用年数も伸びている中で、自動車整備業 界の果たす役割は益々重要になっています。 自動車整備業界の皆様には、整備市場の縮小傾向や検査の高度化な ど厳しい経営環境にありますが、自動車ユーザーとの信頼関係を大切 にし、より良きアドバイザーとして、保守管理の重要性を伝えていた だくことの意味は益々大きくなっています。 広島運輸支局としましても、「自動車点検整備推進運動」、「不正改 造車を排除する運動」、 「整備士人材確保に対する高校訪問」等の各種 の取組を展開し、安全で環境に優しいクルマ社会の実現を目指すとと もに、地域や業界の現状とニーズをきめ細かくつかみ、その発展に力 を尽くして参りたいと思いますので、皆様方の一層のご支援とご協力 を賜りますようお願い申し上げます。 結びに、一般社団法人広島県自動車整備振興会の益々のご発展と会 員皆様のご繁栄とご多幸を祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせて いただきます。 平成28年 年頭所感 一般社団法人日本自動車整備振興会連合会 日 本 自 動 車 整 備 商 工 組 合 連 合 会 会 長 橋 本 一 豊 新年あけましておめでとうございます。 平成 28 年の新春を迎えるに当たり、所感の一端を述べ、新年のご 挨拶とさせていただきます。 我が国の経済状況を見ますと、アベノミクス政策の効果もあり、多 くの産業で雇用状況の改善が進んだものの人手不足感が高まってお ります。 為替は急速な円安が進んだ結果、輸入品などは値上げが続いていま すが、世界経済の低迷による原油価格の低下で、エネルギー関連費の 増加は抑制され、国内の物価上昇は当初のインフレ目標を下回る状態 が続くのではないかと懸念されています。 世界経済を見ますと、ギリシャの金融危機による EU 脱退問題や、 景気を牽引してきた中国の経済成長にかげりが見え始め、経済に変調 を来たしました。また、好調を保っているアメリカ経済の量的金融緩 和や、中東のイスラム国やシリア難民問題の解決が進まない等、引き 続き不確実な状態が続くのではないかと懸念されます。 一方、国内では秋に内閣改造が行われ、「新三本の矢」による少子 高齢化という構造的な課題にチャレンジする「 1 億総活躍社会」作り が表明され、多くの国民が活躍できるような社会になることが期待さ れています。 自動車については、高度な電子制御を採用したプラグインハイブ リ ッド車や水素を燃料とした燃料電池自動車、また、安全運転支援シス テム等を装備した車両が増加しています。総保有台数については、現 在も微増の状況が続いていますが、燃費の良い軽自動車や小型車への 移行が進んでいます。 整備業界においては、少子化の影響から従来のような自動車整備学 校の新卒者を含めた若年労働者の採用が難しくなっており、また、急 速に進む自動車の整備技術の高度化に向けた対応も同時に求められ、 こうした厳しい経営環境に対応できる業界となることが求められて います。 このように、整備業界が抱える課題は山積しておりますが、日整 連・整商連としましては、自動車ユーザーの皆様が安全で快適にクル マをお使いいただくためのお手伝いをするという整備事業としての 社会的役割が十分に果たせるよう、業界全体の活性化と経営基盤の確 立に取り組んで参る所存であります。 次に日整連の取り組みの一端を申し述べます。 業界振興・活性化につきましては、「自動車整備業のビジョンⅡ」 で示された健全な経営を普及浸透させるため、簡易に自己診断できる 「経営自己診断システム」の活用を推進するとともに、自動車ユーザ ーが自動車整備事業場に対して抱いているイメージを調査すること 等を通じて、業界活性化方策について検討して参ります。また、今後 ますます厳しくなることが予想される若年整備要員の確保に向けて、 関係機関と連携して人材の確保・育成対策を推進します。 業界の健全化につきましては、指定整備事業者の法令遵守の徹底を 図るとともに、改めて「不正改造車排除マニュアル」を作成し、不正 改造車の排除の徹底を図って参ります。 法制・税制につきましては、平成 24 年に国に提出した「点検整備 の確実な実施対策等に関する要望書」の実現に向け活動を展開してい くとともに、自動車関係諸税の負担軽減に向 けた要望活動を行って参 ります。 ICT( 情 報通信 技術 )化の促 進につ きまして は、平成 29 年 度から 実施される予定の継続検査ワンストップサービスの対応に向けて、保 適証システムの設計・開発や、共同申請システム構築に参画し検討を 進めて参ります。また、システム更改を行った新 FAINES を稼動させ るとともに、利用料金の見直しを行い、システムの安定運用を図りま す。 環境保全につきましては、新たな整備業界の CO2 削減のための数 値目標の策定作業に着手するとともに、資源の有効利用と費用の低減 につながるリサイクル・リユース部品の利用促進を推進して参りま す。 定期点検整備実施率向上につきましては、国土交通省が実施主体と なる「自動車点検整備推進運動」に参画し、「マイカー点検キャンペ ーン」を実施するとともに、自動車検査証備考欄に記載されている点 検整備実施状況について、自動車ユーザーへの周知を図るための啓発 活動を引き続き展開して参ります。 整備技術の向上につきましては、整備主任者技術研修のさらなる充 実に努め、「スキャンツール基本研修・応用研修」に加え、高度な診 断技術力の習得のための「スキャンツールステップアップ研修」を実 施するとともに、事業場認定の推進に努めます。 国際貢献や海外事業展開への支援等の見地から、外国人実習制度に おける技能評価試験を行う認定実施機関としての対応準備を進めて 参ります。 一方、整商連におきましては、整備事業に必要な用品等の共同購買 事業を中心に、引き続きスケールメリットを生かしつつ、新規取り扱 い商品の開発を進め、品質の 良い商品を安価に継続的、安定的に供給 することに努めて参ります。 共同購買事業の活性化を進めるため、導入 4 年目 となる「整商連 ・ 組合共同購買受発注システム」については、次期更改に向けた検討を 開始するとともに、各組合での iPad 有効活用方法の提供を進めて参 ります。 組合員事業の支援につきましては、ミニリニューアルいたしました 自動車分解整備業の「事業承継マニュアル」を活用し、引き続き円滑 な事業承継について周知します。 代行サービス事業として日立グループと提携した「レンタカーによ る代車サービスシステム」について福 祉車両の導入など普及・拡充に 努 め 、 ETC/ ETC2.0 セ ッ ト ア ッ プ業 務 に つ い て は引 き 続 き 車 載 器セ ットアップ店の募集と適正な運営を推進します。 また、自動車整備近代化資金につきまして、適切な資金運営管理を 行うとともに、組合員への金融支援策として、「自動車整備業エコロ ーン」の推進や有利な金融情報の収集・提供を行って参ります。 商工組合の基盤強化につきましては、「商工組合事業のあり方に関 する新たな提言」に基づき、策定した推進計画を各組合と連携して実 践し、組合事業の活性化を図って参ります。 以上、本年の取り組みの一端を申し上げましたが、日整連・整商連 としましては、業界全体の活性化と継続的な繁栄のため諸事業を推進 して参りますので、会員・組合員の皆様には本年も当会事業に一層の ご理解とご協力をお願い致しますとともに、関係ご当局をはじめ関係 各位のご指導並びにご支援を切にお願い致しまして、年頭のご挨拶と 致します。
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