成功事例集 2009 複合機活用株式会社サイバーエージェント出力機器の適正配置を行い、 ICカードを利用したロケーションフリー印刷でストレスのない出力環境を実現導入の狙い景気変動に左右されないよう営業力を高めるための業務改善導入システム imagio MP C6000シリーズ×14台、リコー個人認証システムAE、リコー個人認証 AE 管理ソフト、リコー個人認証 AE LFプリントソフト、 NEC製サーバ導入効果印刷待ち時間や無駄紙を大幅に削減。出力機の設置スペースの集約。消耗品管理負荷の軽減常に成長と進化を続けるイメージを、いろいろなものを吸収し柔軟に変形するアメーバをモチーフにしたロゴで表している USER PROFILE 株式会社サイバーエージェント ● 業種：広告・サービス業 ● 事業内容：インターネットメディア事業、インターネット広告代理事業、投資育成事業 ● 従業員数：737名（単体 2008年11月現在）出力環境の改善で業務効率を上げた株式会社サイバーエージェント 2008年11月取材 4 国内最大規模のブログメディア「Ameba」を運営する株式会社サイバーエージェントは、インターネットメディア事業、インターネット広告代理事業、投資育成事業を展開している。インターネット広告事業本部では、無駄の削減やセキュリティ対策といった観点から、月に数十万枚にものぼる紙出力の問題を俎上にのせた。同社は、各機器の出力状況を調査し、約30台あったプリンタやFAX、コピー機を14台の複合機に集約し、ICカードによるオンデマンド印刷とロケーションフリー印刷の機能を組み合わせて導入した。ット広告代理事業を展開し、国内のイインターネットというフィールドで 3つの事業ドメインを展開ンターネット広告会社として最大規模株式会社サイバーエージェントはネットメディア事案では、ブログメディの売上を誇っている。また、インター 1998年3月、インターネット関連の企ア「 A m e b a（アメブロ）」のほか、画営業業務を目的として設立された成 Q&Aサイト、ECサイト、価格比較サイ長著しいインターネット企業だ。トなど多彩なインターネットメディア現在は、企業のインターネットプロを運営している。この2つの事業のノモーションを成功に導くための提案・ウハウを活用し、ベンチャー企業投資運用・効果検証までを行うインターネを行う、投資育成事業を加えた3つの ●株式会社サイバーエージェント事業が、サイバーエージェントの事業できる点は早急に改善し、業務効率を内容だ。上げていかなければなりません。社内特に「Ameba」は、 “ アメブロ” の愛の生産性を向上させるため、総務グル称で親しまれており、月間PV（Page ープとして、営業部門をサポートできる View）はパソコンおよびモバイルをことはないかと常々考えています」と、合わせておよそ60億PV（2008年インターネット広告事業本部総務・人 10月）を記録。タレントやアイドル、事グループシニアマネージャーの鷲田スポーツ選手などを起用したAmeba 学氏は語る。芸能人・有名人ブログは絶大な人気で、ユーザー数も順調に増加している。そこで同社が取り組んだのは、印刷物やコピーなど紙出力に関する懸案事『世界で最も1日の閲覧ユニークユー項だった。インターネット広告事業本部ザー数が多いブログ』としてギネス世では、顧客への提案資料や社内レポー界記録に認定された著名人のブログトなどの紙出力が非常に多く、１カ月当も属しており、名実ともに国内屈指のたり26万枚を超える印刷ボリュームとブログメディアである。なっていた。平均年齢28歳のスタッフが、収益同社のようにインターネットを事業だけでなく顧客満足度もナンバーワンの中心と据えている企業の場合、業のグローバル企業を創ることを目指務の電子化が進んでおり、印刷物は少し、日々励んでいる。ないのではというイメージを持つ人もインターネット広告事業本部総務・人事グループシニアマネージャー鷲田学氏「大塚商会さんとは、プロモーションを担当していたこともあり、非常に古いお付き合いをさせていただいております。当社のことも深くご理解いただいており、提案なども当社のことを最優先していただいております」多いだろう。ところが実際は、紙出力は顧客への提案資料として欠かすこと月26万枚超の紙出力によってさまざまな支障を来すができないものとなっている。営業ツールとしてインターネット広告という同社のインターネット広告代理事業媒体の特性をアピールし、顧客のニーは、右肩上がりの成長を遂げているもズに素早く適切な提案を行うため、積のの、決して楽観視はしていない。い極的なアプローチときめ細やかなデわゆるリーマンショックに端を発するータ提示が必要になる。見やすく理解世界経済の混乱による不況のあおりしやすい提案書を届けることも、営業を受け、現在、国内の広告業界全体が力のひとつである。自ずと、月当たり低迷している。そのような市場背景の数十万枚という数字になっていた。なかでも、堅実な成長を維持するためこの膨大な印刷ボリュームが、別のには、社内のリソースを十二分に生か不都合を生んでいた。印刷する数とすことで生産性を上げ、企業としての競機会が多いため、「印刷待ち」も日常争力を強化していかなければならない茶飯事で発生しており、社員の貴重なと、同社は危機感を高めていた。時間が浪費されていたのである。「印「インターネット広告事業本部には刷待ち」は、時間の浪費だけではなく 500名ほどの従業員が働いています。社員のストレス増大という問題も内今までは提案力や蓄積してきたノウ包していた。ハウをもとに戦ってきましたが、昨今例えば、直後に始まる会議の資料をの厳しい景気状況を鑑みると、改善すぐにも出力しなければならず、近くのインターネット広告事業本部総務グループ末次加代子氏「機器の故障時にも、専属の方がいち早く対応していただき助かっています。当社のことをご理解いただいているため、非常に楽をさせていただいていますね。本当に、顔が見えるお付き合いをさせていただいています」 5 成功事例集 2009 複合機活用複合機へデータを送ったところ、寸前に他のスタッフの大量出力のデータが出力機器数は半減し、占有スペースの削減にもつながったプリントを減らす効果が期待できた。導入直後から、効果はすぐに得られ入ってしまい、順番を待つこともある。た。「ほかのスタッフが複合機を利用慌てて、別の出力機へデータを送ってしていても、空いている出力機にIC 印刷すると、もともと送ったデータはカードをかざせば出力されるので “印無駄な出力になってしまう。また、提案刷待ち” はありませんし、複合機の稼資料のデータをプリンタへ送った後働率も上がります。さらに、間違えてに、誤表記に気付いたり、さらによい送信した印刷ジョブも後から削除で着想を得たり、度々出力し直すこともきるので、無駄紙も2割程度は削減さある。そういった無駄な紙出力も同社れているのではないでしょうか。当初の場合、非常に多かったという。は、ICカードをかざしてから出力されるので、スタッフがわずらわしいと感じるのではといった懸念もありまし無駄紙出力削減とストレスフリーセキュリティ意識の向上にも寄与紙出力の諸問題の解決策として、たが、この待ち時間の削減と印刷ミスの防止は、スタッフからは非常に評判がいいですね」と、インターネット広告 2008年7月同社は、プリンタや複合事業本部総務グループ末次加代子機のリプレイスを機に、出力機器をすべ氏は導入効果を語る。てimagio MP C6000シリーズに統「当社の営業部門では、異なるスタ一し、ICカード認証システムによるオンッフのクライアントが競合している場デマンド印刷と、空いている出力機か合もあります。これまでの環境では、ら印刷できるロケーションフリー印刷出力した紙を出しっぱなしにしてしまの機能を導入した。この組み合わせでうこともあり、セキュリティの観点からあれば、印刷待ちもなくなり、さらに無もオンデマンド印刷は必須だと考え駄な印刷物や印刷物の取り違え、放置ました。実は、西日本事業部で認証印刷を導入した実績もあったので、本社への導入決定は非常にスムーズでし ■出力機の最適配置たね」と鷲田氏は導入の経緯を語る。導入前オンデマンド印刷に使われるICカードは、社員証として既に配付されてい導入後インターネット広告事業本部たものを利用し、入退室管理にも活用されている。入退室にのみ使用されて 7台設置いたときよりも、オフィススペース内での業務に必要不可欠となったため、IC カードの管理に対する社員の意識も変 7台設置：カラー出力：プリンタ：モノクロ出力：FAX 機：コピー機：カラー複合機：カラー複合機 FAX 付き「imagio MP C6000」「imagio MP C6000」：デスクスペースわってきた。ICカードを紛失するスタッフも減り、万が一紛失した際の申し出も早くなったという。もちろん、オンデマンド印刷によって情報漏えいへの意識も高まってきた。 6 ●株式会社サイバーエージェント「コンプライアンスという観点からも、たため、消耗品も i m a g i o M P 今回の認証印刷導入は非常に有効で C6000シリーズ用のものを保管すした。セキュリティ対策の徹底を個々のるだけで済みます。消耗品保管スペ社員の努力だけに頼るのは非常に難ースや予備補充の手間が格段に減りしいことです。しかし、セキュリティ対策ました。また、トナーの入れ替えがとを強固にするため作業が煩雑になってても簡単なので、気がついたスタッフしまえば、業務にも悪影響が出てしまがすぐに入れ替えてくれます。念のたい、かえって逆効果です。今回導入しため、トナー入れ替えのマニュアルポスシステムは、セキュリティへの意識強化ターを作ったのですが、あまりに説明と業務効率向上の両立を果たしていますることが少なくて、物足りないくらす」と鷲田氏は語る。いです。そういえば、最近はトナー切 ICカード以外にパスワード入力でも認証出力できるれの機器を見なくなりましたね」と末次氏は、嬉しそうに語る。出力機器の最適配置でオフィススペースの有効活用も同社は起業当初から、大塚商会と親密な取引をしている。「今回のリプこれまでインターネット広告事業本部レイスでも機械的なトラブルはゼロででは、プリンタや複合機やFAXなど約はありませんが、満足度は高いです 30台を、3カ所に分けて設置していた。ね。以前の話にはなりますが、モノク今回のリプレイスに際して、総務グルーロプリンタを購入したいと相談したプは既存環境での出力機ごとのプリンときに、出力枚数が少ない複合機をト枚数を調査した。そのデータをもと移動させれば購入の必要はないといに大塚商会が分析・再評価し、7台×2 う提案をいただきました。これは、当カ所、計14台の複合機という配置の社の立場になって考えていただいて提案に至った。いるからこその提案だと思います。こ既存の環境では、出力する場所によういったお付き合いの積み重ねから、って十万枚超から数千枚程度と枚数の大塚商会さんを非常に信頼しておりばらつきが大きかった。高スペックのます」と末次氏。出力機器を最適配置することで、効率「大塚商会さんには、 “具体的に○○ よい出力環境を実現することができたの効果が得られる△△の技術” といっのである。さらに、複合機の設置スペた最新の情報を教えていただきたいースも2カ所に集約され、空いた場所ですね。導入実績の豊富な大塚商会は、現在オフィススペースとしてデスクさんならではの情報をいただければとが増設されている。思います」と鷲田氏は大塚商会への期また、imagio MP C6000シリー社員に新しい仕組みに早く慣れてもらうため、大塚商会の協力も得て、出力マニュアルを掲示した待を語った。ズに機種を絞ったことで消耗品の品同社は、これからPCの認証などIC 数も大幅に削減し、運用管理も容易カードをさらに幅広く活用していきたになった。いと考えている。今後も大塚商会との「これまでは、トナーなどの消耗品連携プレーでさまざまな業務改善を行を機器ごとに在庫として保管する必い、より前向きなビジネス展開をして要がありました。出力機を1機種にしいくことだろう。株式会社サイバーエージェントのホームページ http://www.cyberagent.co.jp 7