アプリケーション開発ガイド 2010 年 10 月 1 日 Version 2.0.0 Copyright © 2010 FUJISOFT Inc. All rights reserved. 1 目 次 1. はじめに … 3 (1) 概要 … 3 (2) 本書対象者 … 3 (3) アプリケーション開発環境 … 3 (4) PAPPS 開発環境パッケージのインストール … 3 … 5 (1) アプリケーションの作成 … 5 (2) アプリケーションのインストール … 7 2.アプリケーションの作成とインストール 3. 仮想マシンを使用したアプリケーションの開発 … 10 (1) 概要 … 10 (2) 利用方法 … 10 付録.外部パッケージのインストール方法 … 11 Copyright © 2010 FUJISOFT Inc. All rights reserved. 2 1. はじめに (1) 概要 PALRO のアプリケーション(PAPPS)はユーザー自身で開発し、実際に PALRO を動かすことができます。また、作成したアプリケーションを PALRO Garden に公開することによって、他のユーザーが使用することもできます。 ここでは PAPPS を開発するにあたり、開発環境の準備・アプリケーション作成 ならびにインストール方法について説明します。 (2) 本書対象者 開発にあたっては以下の前提知識のある方を対象としています。 ・ プログラミング言語 C++ ・ Ubuntu Linux 上でのソフトウェア開発 (3) アプリケーション開発環境の準備 PALRO のアプリケーション開発は以下の環境を使用します。 ① OS : Ubuntu 8.04 LTS ② PAPPS 開発環境パッケージ (PAPPS 開発環境 papps-dev.x.x.x_i386.deb) ※PALRO Garden(http://www.palrogarden.net)へログインし、「デベロッパ ー」→「デベロッパーツールズ」からダウンロードできます。 ※開発環境のセットアップ方法については次項「(3)PAPPS 開発環境パッケージの インストール」を参照してください。 ③ OpenCV 1.1pre1* ④ POCO C++ Libraries 1.3.5* *インストール方法は、「付録.外部パッケージのインストール方法」を参照してく ださい。 (4) PAPPS 開発環境パッケージのインストール ① システムのアップデート確認 インストールを行う前 に最 新 のパッケージリストを入 手 しているか確 認 を行いま す。 以下のコマンドを入力し、パッケージリストを最新にしてください。 $ sudo apt-get update Copyright © 2010 FUJISOFT Inc. All rights reserved 3 ② PAPPS 開発環境パッケージのインストール 以下のコマンドを入力し、インストールを実行してください。 $ sudo dpkg –i papps-dev_x.x.x._i386.deb <注意> PAPPS 開発環境パッケージが依存するパッケージがインストールされていな い場合、以下のようなエラーメッセージが表示され、インストールは完了しませ ん。 $ sudo dpkg -i papps-dev_x.x.x_i386.deb [----- 出力 -----] dpkg: 依存関係の問題により papps-dev の設定ができません: papps-dev は 以 下 に 依 存 (depends) し ま す : libboost-thread-dev (>= 1.34.1-2.1) ...しかし: パッケージ libboost-thread-dev はまだインストールされていません。 dpkg: papps-dev の処理中にエラーが発生しました (--install): 依存関係の問題 - 設定を見送ります 以下のパッケージの処理中にエラーが発生しました: その場合は以下のコマンドを入力して依存するパッケージのインストールを実行 後、再度 PAPPS 環境開発パッケージをインストールしてください。 $ sudo apt-get install -f パッケージのインストールが完了したら、以下のコマンドを入力して 「papps-dev」がインストールされたことを確認してください。その際、インストー ル状態を示す 『ii』がついていることを確認してください。 $ dpkg –l papps-dev [----- 出力 -----] 名前 バージョン 説明 ++-============-==========-=========================== ii papps-dev x.x.x PAPPS C++ libraries development files. Copyright © 2010 FUJISOFT Inc. All rights reserved 4 2. アプリケーションの作成とインストール ここでは PALRO Garden にてダウンロード可能なアプリケーション「PALRO Dance」を 例にアプリケーションの作成とインストールについて説明します。 ※「PALRO Dance」は PALRO Garden へログインし、「ダウンロード」→「アプリケーショ ン」からダウンロードできます。 ダウンロード方法は PALRO Garden(http://www.palrogarden.net)へログインし、 「もっと PALRO を知る」→「アプリケーションダウンロード」を参照してください。 ダウンロードした ZIP ファイルは、以下のコマンドを入力して解凍します。 $ unzip DemoDanceApp1.zip (1) アプリケーションの作成 DemoDanceApp1 bin ①プログラムファイル apl DemoDanceApp1 etc apl ②設定ファイル DemoDanceApp1 DemoDanceApp1.conf.xml ③会話データファイル DemoDanceApp1.ukb ④その他のデータファイル src ⑤ソースファイル <図 1:アプリケーション構成> Copyright © 2010 FUJISOFT Inc. All rights reserved 5 ① プログラムファイル (必須) <DemoDanceApp1/bin/apl/DemoDanceApp1> 以下の資料を参照して作成してください。 ・ PAPI リファレンス ・ Sapie API リファレンス ※プログラムファイルのコンパイルは以下の手順で行います。 1. ソースファイルのディレクトリに移動します。 $ cd DemoDanceApp1/src 2. makefile を実行してプログラムファイルを生成します。 $ make ② 設定ファイル (必須) <DemoDanceApp1/etc/apl/DemoDanceApp1/DemoDanceApp1.conf.xml> アプリケーションの各種設定を定義するためのファイルです。 以下の資料を参照して作成してください。 ・ PALRO アプリケーション設定ファイル作成ガイド ③ 会話データファイル ※会話を行わないアプリケーションの場合は必要ありません。 <DemoDanceApp1/etc/apl/DemoDanceApp1/DemoDanceApp1.ukb> アプリケーションに使用する会話を定義したファイルです。詳細については、 以下の資料を参照してください。 ・ PALRO 会話データ作成ガイド ④ その他のデータファイル <DemoDanceApp1/etc/apl/DemoDanceApp1/> 設定ファイル、会話データファイル以外のアプリケーション実行に必要なデータ ファイルはここに配置します。 ⑤ ソースファイル オープンソースとして公開しているソースファイルです。 ※上記参照資料は PALRO Garden 内の「デベロッパー」→「開発情報」から確認 ができます。 Copyright © 2010 FUJISOFT Inc. All rights reserved 6 (2) アプリケーションのインストール 作成したアプリケーションを PALRO へインストールします。 ① アプリケーションの転送 1. PALRO を LAN に接続し、SCP コマンドを使用して(1)で作成したアプリケーシ ョンを転送します。 ※LAN の接続方法については、「無線 LAN 初期設定」を参照してください。 コマンド入力後、パスワードを要求されるので『papps00』を入力してください。 ※転送したディレクトリは papps の home ディレクトリにコピーされます。 $ scp -r DemoDanceApp1 papps@ IP address : ※IP アドレスは PALRO の IP アドレスです 2. SSH コマンドを使用してリモートログインします。 コマンド入力後、パスワードを要求されるので①のパスワードを入力してください。 $ ssh -l papps IP address: 3. 以下のコマンドを入力して、「DemoDanceApp1」が転送されているかを確認し てください。 $ ls –l DemoDanceApp1 [----- 出力 -----] drwxr-xr-x 5 **** **** SSSS YYYY-MM-DD HH:mm DemoDanceApp1 ② プログラムファイルの配置 1. プログラムファイルを “$PAPPS_HOME/bin/apl/ ” に配置します。 $ mv DemoDanceApp1/bin/apl/DemoDanceApp1 \ $PAPPS_HOME/bin/apl/ ※「PAPPS_HOME」は環境変数として登録されています。 「 \ 」は改行せず、1 行のコマンドであることを示します。 ※プログラムファイルに実行権がない場合は以下のコマンドを入力して実行 権を与えます。 $ chmod +x $PAPPS_HOME/bin/apl/DemoDanceApp1 Copyright © 2010 FUJISOFT Inc. All rights reserved 7 2. 以下のコマンドを入力してファイルが存在し、実行権を示す『x』が付いていること を確認してください。 $ ls -l $PAPPS_HOME/bin/apl/ | grep ”DemoDanceApp1” [----- 出力 -----] -rwx--x--- 1 **** **** SSSS YYYY-MM-DD HH:mm DemoDanceApp1 ③ 設定ファイル/会話データファイル/他のデータファイルの配置 1. 以下のコマンドを入力して、“$PAPPS_HOME/etc/apl/ ” 以下に 「DemoDanceApp1」用のデータファイルディレクトリを移動します。 $ mv DemoDanceApp1/etc/apl/DemoDanceApp1 \ $PAPPS_HOME/etc/apl/ 「 \ 」は改行せず、1 行のコマンドであることを示します。 ④ アプリケーションの登録 以下のコマンドを入力してアプリケーションの登録を行います。 $ sudo register_app DemoDanceApp1 ⑤ 会話データのコンパイルとマージ (会話データを使用しない場合は必要ありません) 1. 以下のコマンドを入力し、Sapie プラットフォームを終了します。 $ sudo StopPalro 2. 以下のコマンドを入力し、会話データのコンパイルとマージを行います。 ※コンパイルには数分かかる場合があります。 $ sudo compile_kb -a DemoDanceApp1 $ sudo merge_kb Copyright © 2010 FUJISOFT Inc. All rights reserved 8 ⑦ アプリケーションの実行 アプリケーションを実行するには、PALRO を再起動する必要があります。 以下のコマンドを入力して、PALRO を終了します。 $ sudo shutdown –h now ※SSH によるリモートログインは切断されます。 頭部 LED が消灯するのを確認したら起動ボタンを押し、背面部のバッテリースイ ッチを切ってシャットダウン処理を完了してください。 PALRO を再起動するとインストールしたアプリケーションが実行できます。 PALRO Dance を実行する場合は、「パルロ ダンスして」と話しかけるとダ ンスをはじめます。 Copyright © 2010 FUJISOFT Inc. All rights reserved 9 3. 仮想マシンを使用したアプリケーションの開発 (1) 概要 PALRO Garden(http://www.palrogarden.net) では、アプリケーション に必要な開発環境をそろえた VMware 用仮想マシン「アプリケーション開発用 VMware」を提供しています。 仮想マシンには、「1.はじめに」→「(3)アプリケーション開発環境の準備」に示す 環境が全てインストールされています。 この仮想マシンを使用することで、開発者はすぐにアプリケーションの開発を行うこ とができます。(※) (2)利用方法 ① VMware Player のインストール VMware の Web サイトより、Windows 用の VMware Player をダウン ロード、インストールします。 http://www.vmware.com/download/player/ ②仮想マシンのダウンロードと展開 PALRO Garden(http://www.palrogarden.net ) の 「デベロッパ ー」→「デベロッパーツールズ」 より仮 想マシン「ア プリケーション開 発 用 VMware」をダウンロードします。 ダウンロードしたファイルを任意のディレクトリへ展開します。 ③仮想マシンの起動 展開したファイルのうち、拡張子が vmx となっているファイルを VMware Player で開きます。 ログイン画面が表示されたら、ユーザーアカウントは「papps」、パスワード は「papps00」でログインします。 (言語は日本語、タイムゾーン:JST(GMT+9:00) 、都市:tokyo に設定 しています。) ※仮想マシンには、PAPPS 開発環境パッケージがプリインストールされていますが、 PAPPS 開発環境パッケージは、最新バージョンにアップデートしてください。 開 発環境のセットアップ方法については、「1.はじめに」→「(4)PAPPS 開発環境 パッケージのインストール」をご覧になってください。 Copyright © 2010 FUJISOFT Inc. All rights reserved 10 付録.外部パッケージのインストール方法 (1) OpenCV1.1pre1 インストール方法 ①画像処理に用いるパッケージのインストールを行います。 $sudo apt-get install libgtk2.0-dev $sudo apt-get install libjpeg-dev libtiff4-dev $sudo apt-get install libavformat-dev libavutil-dev libavcodec-dev libswscale-dev $sudo apt-get install libdc1394-13-dev ② ソースファイルのダウンロード 以下 URL へアクセスし、[All FILES]→[opencv-unix > 1.1pre1 > opencv-1.1pre1.tar.gz]をダウンロードしてください。 http://sourceforge.net/projects/opencvlibrary/files/ Copyright © 2010 FUJISOFT Inc. All rights reserved 11 ③ インストール ダウンロードした[opencv-1.1pre1.tar.gz]を展開し、生成されるディレクトリ [opencv-1.1.0]に移動します。 $ tar xvzf opencv-1.1pre1.tar.gz $ cd opencv-1.1.0 以下のコマンドを入力し、ライブラリの生成とインストールを行います。 $ ./configure $ make $ sudo make install 以下のコマンドを入力し、PALRO のアプリケーション開発に必要なライブラリフ ァイルがインストールされていることを確認します。 $ ls /usr/local/lib/libcv.so.2 [----- 出力 -----] /usr/local/lib/libcv.so.2 Copyright © 2010 FUJISOFT Inc. All rights reserved 12 (2) POCO C++ Libraries 1.3.5 インストール方法 ① ソースファイルのダウンロード 下記 URL へアクセスし、[All FILES]→[sources > poco-1.3.5 > poco-1.3.5.tar.gz]をダウンロードしてください。 http://sourceforge.net/projects/poco/files/ ② インストール ダ ウ ン ロ ー ド し た [ poco-1.3.5.tar.gz ] を 展 開 し 、 生 成 さ れ る デ ィ レ ク ト リ [poco-1.3.5]に移動します。 $ tar xvzf poco-1.3.5.tar.gz $ cd poco-1.3.5 以下のコマンドを入力し、ライブラリの生成とインストールを行います。 $ ./configure $ make $ sudo make install Copyright © 2010 FUJISOFT Inc. All rights reserved 13 以下のコマンドを入力し、PALRO のアプリケーション開発に必要なライブラリフ ァイルがインストールされていることを確認します。 $ ls /usr/local/lib/libPocoXML.so.8 [----- 出力 -----] /usr/local/lib/libPocoXML.so.8 ※ご注意 ・製品仕様および本書の内容は予告なしに変更される場合があります。 ・本製品および本書のご使用によりお客様ならびに他の第三者に何らかの 損害が発生した場合、当社は 一切の責を負わないものとします。 ・本書の記載内容を弊社の許可なく転載することを禁じます。 ・商標について PALRO は、富士ソフト株式会社の登録商標です。 その他、記載されている会社名、製品名などは、各社の商標または登録商標です。 Copyright © 2010 FUJISOFT Inc. All rights reserved 14
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