ヒマラヤ造山帯大横断 - DATA BOX

ヒマラヤ造山帯大横断 2016
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー2016 年 3 月の記録
吉田勝 [編]
Traversing the Himalayan Orogen
-A Record of the Fifth Student Himalayan Exercise Tour
in March 2016―
Edited by Masaru Yoshida
GIGE
Miscellaneous Publication No. 32
2016.5
ヒマラヤ造山帯大横断 2016
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー2016 年 3 月の記録
吉田勝 [編]
Traversing the Himalayan Orogen
-A Record of the Fifth Student Himalayan Exercise Tour
in March 2016―
Edited by Masaru Yoshida
GIGE
Miscellaneous Publication No. 32
2016.5
ヒマラヤ造山帯大横断 2016
-第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー2016 年 3 月の記録-
Traversing the Himalayan Orogen 2016
-A Record of the Fifth Student Himalayan Field
Exercise Tour in March 2016編集:吉田 勝
Edited by:Masaru Yoshida
GIGE 雑報 32
Miscellaneous Publication No. 32
Gondwana Institute for Geology and Environment
165 頁( pages) (電子出版 PDF file)
発行 :学生のヒマラヤ野外実習プロジェクト及びフィールドサイエンス出版
http://www.geocities.jp/gondwanainst/geotours/Studentfieldex_index.htm &
http://www.geocities.jp/gondwanainst/gige/Fieldscience_publishers/Fieldsciencepub.
index.htm
和歌山県橋本市柱本 147-2 ゴンドワナ地質環境研究所内
http://www.geocities.jp/gondwanainst/
Tel/Fax: 0081-(0)736-36-7789
E-mail: [email protected]
2016 年 5 月発行
Co-published by:Student Himalayan Field Exercise Project and
Field Science Publishers, A division of Gondwana Institute
for Geology and Environment, Hashimoto, Japan
販売元;ゴンドワナ地質環境研究所 (GIGE)
Distributed by: Gondwana Institute for Geology and Environment, Japan
販価:1000 円(消費税込み)(Price: 1000 JPY)
ISBN 978-4-938925-38-3 C
ヒマラヤの地質概念図とツアー地域(太線枠)
実習ツアーのコースと予定日程
点線:主に徒歩ルート、破線:主に車ルート、MFT:主前縁衝上断層、MBT:主境界衝上断
層、MCT:主中央衝上断層、STD:南チベットディタッチメント相当境界
①や⑫はツアーの宿泊日. (地質図は Dept. Mines Geol., 1982 による)
はじめに
ヒマラヤ造山帯を北から南に横断する 2 週間の第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツ
アーは、2016 年 3 月 18 日に無事終了した。参加者は学生 15 人、指導教員 2 人の
合計 17 人であった。ツアー途中車酔いや下痢などで体調を崩す学生も居たが、適
当な投薬等で重症に至らずに済み、実習ツアーは当初の予定通り実施され、全員無
事に帰国することができた。
本書に収録された参加者レポートから明らかなように、第 1 回~第4回の実習ツア
ーと同様に、本ツアーのすべての参加者はそれぞれにヒマラヤ造山帯、ネパール社
会とネパール学生との交流に大きな感銘を受けたようである。野外地質学の重要性
の感得、将来の地学の勉学への意気込み、英語への親近感と積極的に話す心意気と、
国際性の獲得等々に役だったに違いないと思われる。
学生のヒマラヤ野外実習ツアーは、来年 3 月実施予定の第6回以降も毎年実施して
いく予定である。本書が自発的参加学生の一層の増加と、各方面の支援誘起につな
がることを期待したい。
編者
目次
実施報告
Report by the Organizer ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアー実施報告
吉田勝・在田一則・酒井哲也・B.N. ウプレティ・M. パウデル・・・・・・・ 1
Report of the Fifth Student Himalayan Field Exercise Tour
M. Yoshida, K. Arita, T. Sakai, B.N. Upreti, M. Paudel ・・・・・・・・・・・ 15
参加者レポート
Report by Participants (Japanese and English)・・・・・・・ 19
第5回学生ヒマラヤ実習ツアー報告 福田貴大 ・・・・・・・・・・・・・・
第5回ヒマラヤ野外実習ツアー報告 市谷和也 ・・・・・・・・・・・・・・・
第 5 回ヒマラヤ野外巡検に参加して 菅野萌子 ・・・・・・・・・・・・・・・・
第5回ヒマラヤ実習ツアー参加報告 河西夏美 ・・・・・・・・・・・・・・・
学生のヒマラヤ野外実習ツアーに寄せて 木村直人 ・・・・・・・・・・・・・
ヒマラヤレポート 李 雨嘯 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアーレポート 徳岡 真 ・・・・・・・・
第五回ヒマラヤ野外実習を終えて 内田菜月 ・・・・・・・・・・・・・・・・
学生ヒマラヤトレッキングツアーについて 内山しおり ・・・・・・・・・
第 5 回ヒマラヤ実習ツアー報告 渡邊和輝 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第 5 回学生ヒマラヤ野外実習ツアーを終えて 山岡 健 ・・・・・・・・・・
ヒマラヤ野外実習ツアー参加報告書 矢野美波 ・・・・・・・・・・・・・・・
第 5 回ヒマラヤ野外実習ツアーを振り返って 吉田 宏 ・・・・・・・・・・
Geological Field Excursion from Muktinath to Lumbini Section
Achyut Nepal・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Geological Field Excursion Along Mukthinath-Lumbini Section
Sadikshya Mainali ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
21
24
28
32
37
42
45
48
53
57
60
64
69
73
77
引率者レポート Report by Leaders ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 81
第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアー引率日誌 吉田勝 ・・・・・・・・・・ 83
Landform in Kagbeni-Muktinath area, Mustang, Western Nepal
Mukunda Raj Paudel ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 95
資料 (Reference Data)
1.
2.
3.
4.
5.
6.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・101
第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアー実施要綱・・・・・・・・・・・・・・103
第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者募集ビラ・・・・・・・・・・・111
国内団体・個人等への協力お願い等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・112
実習ツアー参加者への連絡記録(抄)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・117
現地旅行社との交渉記録(抄)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・142
ネパール 2015 年震災への対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・157
編集後記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・165
実施報告
Report by the Organizer
********************************
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー実施報告1
吉田勝・在田一則・酒井哲弥・B.N. Upreti・M. Paudel
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアーは 2016 年 3 月 4 日~3 月 18 日、全国から 13 人の
学生、ネパールの学生 2 人と日・ネの教員各 1 人合計 17 人のチームにより、第 1 回~第 4
回と同じ西中央ネパールのカリガンダキ河上流からルンビニに至るコースで実施された。
以下にその概要を報告する。
事前準備など
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアーの具体的準備は、2015 年4月から開始された。以
下に主なものを時系列で記す。この準備は、従前4年間に実施した第 1 回~第4回学生の
ヒマラヤ野外実習ツアーのそれと基本的に同様であった。
4 月 4 日 日本地質学会 NEWS のカレンダー及びニュース電子版に第5回実習ツアー参加者
募集の案内を配信。
4 月 25 日~5 月 12 日 ネパール中部で大地震
5 月 震災を考慮して実習ツアー実施可否に関して現地の共催機関、友人等、トレッキング
会社やホテルオーナーと情報交換、第 5 回の実習ツアー実施を決定。
5 月 「ヒマラヤ造山帯大横断 2015-第 4 階学生のヒマラヤ野外実習ツアー2015 年 3 月」
を発行、GIGE ホームページで公開。
6 月 15 日 日本地質学会NEWSご案内に第 5 回実習ツアー参加者募集記事を発表。
7 月3日 参加希望者第 1 号の問い合わせを受け、実施要項と参加者募集ビラを送付。
7 月6日 タイリクトラベル社に格安航空券の情報提供依頼。
7 月8日~11 日 ①全国 67 の地学関係教室あてに学生のヒマラヤ野外実習プログラムへの
協力依頼、本実習ツアーの単位振替えのお願い、野外実習ツアーの概要、野外実習ツア
ー参加者募集ビラ、第 4 回実習ツアー報告書発行案内とダウンロード URL の通知、及び
ネパール震災への対応説明を送付し、関連データをアップロードしたデータボックスク
ラウドの学生ヒマラヤフォルダーの公開へ招待を送付、②本プログラムを推薦頂いてい
る学会等の 6 組織とシニア地学研究者 35 人、及び本実習ツアーの指導・引率教員登録
者のうちの日本人登録者 23 人に単位振替えお願い以外の同様のお願いと資料を送付し
た。
7 月 11 日 ネパールのトレッキング会社 4 社に見積もり依頼送付。
7 月 30 日 タイリクトラベル社に格安航空券購入申し込み開始。
8 月 6 日 カトマンズ、ポカラとルンビニのホテル探索・交渉開始
1
日本地質学会 NEWS18 巻 5 号の報告に加筆・改変
1
9 月 3 日 カトマンズのアルパイン・アジアントレック・エクスペディション社(AAT)の見
積もりの採用決定。
9 月 10 日 友人、推薦者、指導登録者にツアー参加者募集への協力お願い発信
10 月 2 日 参加者に実習テキスト(ガイドブック、Yoshida and Upreti, 2014)のダウン
ロード情報を送信、予習開始を要請。
10 月 5 日 中国東方航空よりフライトスケジュール変更通知あり、関連してツアー日程を
変更する。
10 月 28 日 吉田孝紀氏より信州大学の学生 6 人の参加見通し連絡受け。
11 月 12 日 国際ゴンドワナ研究連合より学生 1 人の参加費補助決定通知
11 月 23 日 ネパール側に教員1人の派遣と参加学生 2 人の指名を要請。
12 月 2 日 参加者宛てに参加者名簿、個人情報シート記入依頼、学生ヒマラヤプログラム
詳細情報とデータボックスクラウドの学生ヒマラヤフォルダー公開への招待を送付。
12 月 12 日 アルパイン・アジアントレック社(AAT)と最終見積もりの合意。
12 月 29 日 ネパール側の派遣教員として T.N. Bhattarai 教授に決定の連絡。
2 月 10 日 AAT と最終見積りの変更を議論を経て合意。
2 月 16 日 TIMA と ACAP パーミット取得のため、参加者のパスポートコピーコピーと写真
を AAT に送付
2 月 19 日 トリブバン大学のウラーク博士に、カトマンズ-ポカラ-ルンビニ-ムグリン
コースのガイドブックと対応する地図の提供を要請。
2 月 19 日 データボックスクラウドに参加者連絡の全ファイルをアップロードし、参加者
に公開招待を送信。
2 月 22 日 実習ツアー参加のトリブバン大学生 2 名決定通知あり。
2 月 24 日 トリブバン大学からの指導教員の T.N. Bhattarai 教授を M. Paudel 博士に変
更の通知。
2 月 26 日 プレツアーセミナーについて教室主任のマナンダール氏に協力要請。
2 月 28 日 参加者へ最終連絡、上海と昆明空港での注意と落ち合い場所。
2 月 29 日 元滋賀県立大学教授伏見碩ニ氏と 3 月 6 日のプレツアーセミナーでの同氏に
よる講義提供OKとなった。
2 月 29 日 ウラーク博士よりルンビニコースの地図受信。
3 月3日 ①3 月6日プログラムについてネパール側と打ち合わせ、②ゴンドワナ地質環境
研究所(GIGE)の寄付金 100000 円が決定、③プレセミナープログラムと伏見教授講義
要旨を参加者に配信。
参加者
2015 年 7 月から 11 月にかけて、新潟大学、信州大学、茨城大学、つくば大学、千葉大
学、名古屋大学、山口大学と九州大学の学生 14 人の参加者が決定した。しかし出発直前に
九州大学生が健康上の理由で参加キャンセルとなって 13 人になり、ネパール学生 2 人を加
えて学生の参加者は 15 人となった。なお、筑波大学生は国際ゴンドワナ研究連合による推
薦派遣であった。ツアー実施前に、学生ヒマラヤ実習ツアーの日本人登録指導者ら 25 人を
2
対象にツアーリーダーの公募を行ったが希望者は無く、吉田が昨年に引き続きリーダーを
務めた。ほかにトリブバン大学の M. パウデル準教授がサブリーダーを務めた(表 1)。
表1 第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者
氏名
フリガナ
性別
所属・学年(当時)
Yoshida Masaru
M
ゴンドワナ地質環境研究会長
トリブバン大学名誉教授
M. パウデル Mukunda Paudel
M
トリブバン大学準教授
福田貴大
Fukuda Takahiro
M
茨城大学理学部地球環境科学コース4年
市谷和也
Ichitani Kazuya
M
信州大学理学部地質科学科2年
菅野萌子
Kanno Moeko
F
新潟大学理学部地質科学科1年
河西夏美
Kasai Natsumi
F
信州大学理学部地質科学科3年
木村直人
Kimura Naoto
M
千葉大学理学部地球科学科1年
李雨嘯
Li Yuxiao
M
名古屋大学理学部地球惑星学科3年
内山しおり
徳岡真
Shiori Uchiyama
Tokuoka Shin
F
信州大学理学部地質科学科3年
M
千葉大学理学部地球科学科3年
内田菜月
Uchida Natsuki
F
山口大学理学部地球圏システム科学科1年
渡邉和輝
Watanabe Kazuki
M
信州大学理学部地質科学科2年
山岡
Yamaoka Ken
M
信州大学理学部地質科学科2年
Yano Minami
Yoshida Hiroshi
F
筑波大学生命環境学群地球学類4年
M
信州大学理学部地質科学科2年
吉田勝
健
矢野美波
吉田 宏
実習コースと日程、実習内容、実習科目の合否判定
実習ツアーの日程とコースは従来と同一で、日程の順に中国昆明1泊、カトマンズ2泊、
ポカラ1泊、カリガンダキ河のトレッキングコース4泊、ポカラ 2 泊、ルンビニ 1 泊、カ
トマンズ 2 泊、昆明 1 泊であった(図 1、表 2)。
カトマンズ2日目の午前中はプレツアーセミナーで、実習地域の地質概要やヒマラヤに
おける野外実習の特徴と注意、実習ツアーのハイライトのほか、丁度来ネ中であった元滋
賀県立大学教授で現カトマンズ大学客員教授の伏見碩二博士による「Environmental Changes
of the Nepal Himalaya」の講義があった。セミナー終了後はトリブバン大学生多数を交えて
3グループに分かれてそれぞれに街でランチのあと、震災で大きなダメージを受けた世界
遺産のスワヤンブナート寺院見学を行った。
3
ポカラのナウダンダ尾根で、マチャプチャレーアンナプルナ連峰に感激
図1.実習地域の地質図、実習コースと日程(①~⑫:宿泊第 1 日目~12 日目).
Fig. 1. Geologic outline and exercise tour course. ①~⑫: Night halts 1st day to 12th day. Base
geologic map is cited after Department of Mines and Geology (1982).
4
表2 第5回学生ヒマラヤ野外実習ツアーの日程・コース・実習内容等
日程
月日
行程、実習内容等
1日目
3月4日
日本各地発 (関空発14:10、MU0516) 上海で合流、 上海発21:00(MU748) 昆明着24:
50 (空港泊)。
2日目
3月5日 昆明発14:25(MU757) カトマンズ着15:20(カトマンズ泊)。
3日目
3月6日 トリブバン大学地質学教室で同大学の教員・学生と合同で野外実習事前学習会及びトリブ
バン大学生らとの交流(合同でカトマンズ市内見学)(カトマンズ泊)。
4日目
3月7日 カトマンズ-(貸切バス)-ポカラ(泊)。カトマンズーポカラ間の地質と地学景観・地すべり
対策工事観察。
3月8日 ポカラ-(貸切ジープ)-ジョムソン(泊) 途中洪水堆積物、低ヒマラヤ帯と高ヒマラヤ帯
の観察。
3月9日 ジョムソン発-(ジープ)-ムクチナート-(歩・ジープ)-カグベニ着(泊)。氷河地形、古
ファン・デルタ地形、第四紀湖成層、テチス層群の観察と化石採集。
5日目
6日目
7日目
8日目
9日目
3月10日 カグベニ-(歩・ジープ)-ジョムソン-(歩・ジープ)-カロパニ(泊) テチス層群と褶曲構
造、段丘、第四紀湖成層の観察。
3月11日 カロパニ(歩・貸切バス)-タトパニ(泊) テチス層群下部層とその変成作用、第四紀の氷
河・河川堆積層・湖成層・河川堆積物、南チベットディタッチメント(STDS)、高ヒマラヤ片麻
岩、主中央衝上断層(MCT)、低ヒマラヤ変堆積岩類の観察。
3月12日 タトパニ-(貸切バス)-ポカラ(泊)。堰止湖災害と関連崩積、低ヒマラヤ変堆積岩類、洪
水堆積物の観察。ポカラ宿舎で中間学習会。
10日目 3月13日 ポカラ周辺の地質と自然災害観察(貸切バス)。地盤沈下災害、地すべり地形、土石流堆
積物、低ヒマラヤ変堆積岩類、山岳博物館。ポカラ泊。
11日目 3月14日 ポカラ-(貸切バス)-タンセン-ルンビニ(泊)。低ヒマラヤ変堆積岩類、タンセン層群、主
境界衝上断層、シワリーク層群、主ヒマラヤ前縁衝上断層、ガンジス平原と沖積層、道路
法面崩壊の観察。
12日目 3月15日 ルンビニ(佛教聖地の見学)-(貸切バス)-カトマンズ(泊)。ガンジス平原、シワリーク層
群、主境界衝上断層、低ヒマラヤ変堆積岩類の観察。
13日目 3月16日 トリブバン大学教員、学生と合同で野外実習ツアーの報告会及びトリブバン大学生らと交
流会(カトマンズ市内見学)。 カトマンズ泊。
14日目 3月17日 午前中は自由時間、カトマンズ発16:10(MU758)、 昆明着21:30(空港泊)。
15日目 3月18日 昆明発7:55、上海着11:00、日本各地へ(関空着15:40)。
★ ポカラ~ムクチナート~カグベニ~タトパニ~ポカラ間はチャータージープ4台が付き添う。
★ 昆明空港の宿泊は空港内の仮眠、安息室のリラクゼーションベッドを利用。
★ 宿泊は男女別2人~6人相室、トイレ・シャワーは共同の場合と部屋に設置されている場合がある。
★ 山岳地帯ではトイレ・シャワーは共同の場合が多く、また、温水シャワーは条件がわるく、お勧めできない。
★ カトマンズ以外の全行程に現地ガイドが同行する。ポカラ~ームクチナート間はシェルパ2人が付き添う。
★ 全行程を通じて必要最低限の食事、間食、お茶および水などが供給される。
カリガンダキ河コースでは、テチスヒマラヤ帯、高ヒマラヤ帯、低ヒマラヤ帯の基盤及
び第四系の地質と岩石、及びそれらの境界断層である南チベットディタッチメントシステ
ム(STDS)と主中央衝上断層(MCT)を観察した。カグベニ―ジョムソン間では、カリガンダ
キ河右岸のダプドン尾根東斜面に見える見事な巨大横臥褶曲群(写真)と、レテ~ダナ間
のタンツンコーラ合流部に発達する興味深い古扇状地段丘と本流段丘の関係のスケッチを
行ない、後日に添削指導を行った。
5
カリガンダキ河河床を歩く一行、バックにはダプトン尾根東斜面の大横臥褶曲群。JM:ジョムソン
層、LUM:ルマチャレ層、 PST:スピティ層、 CHK:チューク層。
帰路に 2 泊したポカラでは地盤沈下災害、土石流堆積物、山岳博物館などを見学し、夜
にはツアー中間のサマリーセミナーを行った。ポカラ~ルンビニ~ムグリン~カトマンズ
コースでは、低ヒマラヤ帯、シワリーク帯、ガンジス沖積平野と、それらの境界をなす主
境界衝上断層 (MBT) と主前縁衝上断層 (MFT) を観察し、ルンビニでは釈迦生誕のマ
ヤ・デヴィ寺院を訪れた。
カトマンズ帰着の翌日、午前中はトリブバン大学で、同大学の教員・学生も参加して報
告会が行われ、参加全全員が①実習ツアーで最も感激した地質事象、②最も感激した地質
以外のことがらなどを英語で報告した。午後には再び3グループに分かれ、トリブバン大
学生の案内でランチとなり、引き続いてカトマンズ市内見学を行った。
実習ツアーでは、カトマンズ~ポカラ~ルンビニ~カトマンズ区間は中型バス、ポカラ
から上のカリガンダキ河コースはジープ 4 台をチャーターし、大いに活用した。とりわけ、
ジープは始めてジョムソンでカリガンダキ河を横切り、ムクチナートまで行くことができ
た。過去 4 回の地元のバスとジープのチャーター方式に比べ、ドライバー達は気持ちよく
協力してくれたので、格段と便利で余裕のあるツアーを行うことができた。
今回の参加者は皆元気で仲良く、ツアー中はまことににぎやかで陽気であった。しかし
後述のように、実際は下痢や発熱が延べ 10 人位あった。健康上の問題が若干発生したもの
の、報告会での発表や帰国後のメール連絡によれば、実習ツアーについての参加者の評価
6
は大変に高いものであった。これはヒマラヤの地質のすばらしさだけでなく、ネパール学
生らとの交流やネパール文化との接触に関しても大いに評価されているのである。
野外実習では、野外調査の安全で効果的な実施方法、堆積岩、変堆積岩、変成岩、火
成岩類の観察と識別、古扇状地、湖成層、段丘、崖錐、崩積、地すべり、斜面崩壊、地面
陥没、土石流、モレーン、氷河等の地形やそれらの堆積物、およびそれらの複合地質/地
形などの観察と識別を行った。実習テキスト/参考書として英文ガイドブック(Yoshida and
Upreti, 2014)を活用し、現場での説明は英語及び/或いは日本語で行われた。ツアー実
施中は毎日夕食前に当日の復習と翌日の予習が教員による説明、参加者の質疑を含んで行
われた。
野外実習ツアー終了後には同大学で事後報告会が英語で行われ、参加者全員が英語で報
告し、質疑応答があった。参加者はこの報告をもとに帰国後 1 カ月以内に報告書を作成、
提出することが求められた。今回は学生全員が、締切りの 11 月 18 日までにレポートを提
出することができた。
また、報告書は日本語(日本人学生)或は英語(ネパール人参加者)で書かれたが、日
本人学生の報告については、3 月 16 日報告会での英語発表をもとにした英文サマリーが付
けられており、いずれも満足できる内容であった。よって、参加者全員について、大学基
礎教育あるいは専門教育課程のいずれにおいても相当の実習単位を与えることができると
判定された。
なお、ツアー全期間について日ごとの行動を記録した引率日誌は本書 83 頁に収録した。
実習ツアーの成果
地学関連の成果 上記のように、本実習では安全で効果的な地質野外調査の方法、岩石・
地質体・地質構造・地形の観察と認識、断層・構造線の観察と認識、およびヒマラヤの基
本構造の理解などの習得を目的とし、ほぼその初期の目的は達せられたと考えられる。と
りわけ、野外地質への親近感を得、地質学の汎地球性、地質学の重要性と一層の勉学の必
要性などを感得した筈である。これらのことは、参加者の報告からもうかがわれる。
その他の成果 地学以外の成果としては、異文化体験、国際性の向上と英語文献や英会
話への親近感の獲得が挙げられる。事前に全員に配布されたカラー写真と各種の地図で彩
られた英文ガイドブック(Yoshida and Upreti, 2014)は、ツアー出発 12 か月前後からの
事前学習、実習ツアー中毎夕の学習会、野外実習から事後報告会まで頻繁に活用され、参
加者全員否応なしに頁をめくって目を通さざるを得なかった。さらに実習に参加したネパ
ール人講師・学生ら3人との日常的な英語での接触もあり、報告会では全学生が英語で総
括報告を行うことができた。また、プレツアーセミナー(6 日)とツアー後報告会(16 日)
の後の 2 回の市内見学では、トリブバン大学生らがスワヤンブナートやダルバールスクエ
ア等の世界文化遺産を含むカトマンズ市内の名所を案内した。上記のような英語環境の中
で、参加学生は日ごとに英語への親近感が増加し、英語学習の必要性を体感していったで
7
あろう。
その他:ネパールの都市と山村を歩き、人々の暮らしぶり、食生活や文化に触れ、ある
いはネパール学生と行動を共にし、談笑し、言葉に尽くせない新しい経験と知識を得たで
あろう。これらのものすべてが、参加学生にとって今後、国際性を育んでいくための第一
歩となったことは間違いないと考えられる。このことは参加者の報告からも明らかである。
実習ツアーの問題点と今後の改善等
少なかった個人参加者 今回、全国 67 の地学関係教室対象の公開募集に答えて個人的に
応募した学生の参加者は、グループ参加の信州大学の学生を除くと6大学から7人であっ
た。トリブバン大学で応募した学生2人を加えて合計で 15 人となった。参加者数の総数と
しては適当な数に達したのではあるが、個人参加者数は十分とはいえない。第 1 回から第
5回のツアーを通じて、個人参加が少なかった理由は、以下のように考えられる。
(1)大学の関係教室における情宣不足 第5回ツアーの参加者募集は、全国の67関
係教室、本プログラムの推薦者 37 人、推薦学会等6団体、及び実習ツアー指導登録者ら 33
人に加えて、世話人らの友人ら十数人を対象に7月に募集ビラ、実習ツアーの概要などを
郵送あるいはメール配信し、参加者募集への協力を依頼した。発信の対象者数としてはか
なり多く、対象者の内容としてもほぼ適当とみられるが、結果は相変わらず芳しくない。
多くの学生が参加した信州大学では、ヒマラヤの地学専攻の教員が本実習ツアーの宣伝を
行ってくれたことに加えて、興味を持った学生が、過去に本ツアーに参加した先輩学生か
ら情報を得られる状況だったことは、参加者の参加意思決定に大きく寄与したと思われる。
また、個人応募学生らは教室掲示の参加者募集ビラを見、あるいは学会での筆者の発表を
聞いたとのことであった。
これらのことから推察すると、情報を受けた各地の大学で、どの程度学生に対して情宣
しているかが大きな鍵となっていると思われる。今回は参加者募集ビラの一部を A3 サイズ
のカラープリントとし各大学に送付した。今後も情報を送る側としては、大学の関係教室
等が学生に効果的に情宣できるような案内とプログラムの内容を準備して各大学に届けら
れるよう、一層の工夫をして行く必要があると思われる。
(2)高額な参加費 本プログラムのツアー参加経費は一人当たり 20 万円以内としてき
た。実際は日本人学生が 12 人参加した第 1 回は参加者一人当たり平均 158,700 円、3人が
参加した第 2 回は 19 万円、第 3 回は 133,900 円で、第 4 回は 167000 円、今回は 176700 円
であった。20 万円近い参加費は学生にとっても親にとっても少なくない額であり、そのこ
とが学生に応募をためらわせることは確かであろう。この問題の解消には、なんといって
も外部資金の導入など、後に述べるようないろいろな努力が必要である。
(3)本プログラムへの理解・情宣不足や誤解 大学関係者一般に、本プログラムが“実
績のない、しかも利潤追求の一般ツアーではないか”など、本プログラムがまだ大方の信
頼を得られていないということがあるのではないだろうか。日本人は一般に、権威付けら
れたプログラムにしか乗らないというような習性があるのではないかと想像される。この
問題に関しては、いろいろな場所で本プログラムの成果を発表し続けることと、公的な資
8
金を獲得することの 2 点で、幾分とも解消できると思われるので、それらの努力を続けて
いきたい。
実施経費節減と外部資金導入の努力 第 1 回から第5回の実習ツアーの実施経費は、実
質的に殆どすべて日本人学生の参加費だけでカバーされて来た。参加費の節減には、①科
研費や関連企業、等、あるいは個人篤志家からの補助金を得ること、②公費参加者や一般
参加者を得ること、③ネパール国内旅行手配旅行社に必要最小限の経費でのツアー実施を
依頼することと、④安価な航空券を入手すること、などが具体的な方策であろう。
これらの方策については、第 1 回~第 5 回ツアーの度に努力して来ており、今後も一層
の努力を継続して行きたい。①に関しては、第4回実習ツアーを対象にして始めて奨励研
究計画を作成して応募したが、採用されなかった。スキームが整合しないなどの意見があ
ったようだ。どのようなスキームで応募可能であるのか、検討しているところである。一
方、ネパール人学生の参加費補助申請の可能性を 2012 年 11 月から模索し始め、ネパール
銀行協会に対して 2013 年 2 月と 8 月に補助申請を行った。しかし第 3 回ツアーについての
結果は不成功であった。なお今回も前回に引き続きゴンドワナ地質環境研究所からの寄付
金を受けることができ、参加学生の参加費削減に役立たせて頂いた。
一方、第 1 回から第 5 回にかけて、第3回ツアー以外では、実習ツアーの経費軽減策と
して期待された企業・団体等からの参加者や一般の参加者がなかった。事業主体としては
それなりの努力をしてきているのであるが、結果は芳しくない。しかし一般の参加者募集
を積極的に宣伝していくことは重要であると考えられる。
今回は各地前回、前々回と同様に、各地からの出発を可能にする“上海・昆明集合”方
式であった。この集合方式は参加者と実施側両方にとって多少不安な点もあるが、参加者
の経費と時間の節約になることから、今後もこの方式で行く事になる。しかし一方、個人
参加者にとっては不安な点がある。とりわけ昆明空港の案内の悪さが問題である。このて
んは今後一層の注意と工夫が必要である。参加者にはこの問題を正しく伝え、不安な人は
関空に集まるように指導せねばならない。
来年以降のプログラム全体の経理計画、とりわけ日本人学生の参加費軽減のための資金
獲得努力は今後も積極的に続けていきたい。
参加者の罹病 ネパール国内での罹病に備えて、参加者には 11 月頃から予防注射の案内
を発信し、検討を促した。今回は高山病対策として参加者の高所経験や高山病発症経験な
どを調査した(表3)。そして現地で、高山病経験者と高所未経験で不安な学生達 6 人には
ダイヤモックスの予防服用をさせた。これが効いたのか、今回はだれも高山病を訴えなか
った。4 日目から腹痛・下痢を発症した学生が一人居た。数人が軽い車酔いを訴えたが酔い
止め薬の服用や座席の交代で軽減し、問題にはならなかった。そのため、今回の参加学生
は殆ど皆元気良く陽気で、帰国前まで帆トンの問題は無かったような感じであった。
しかし、学生の報告からは必ずしもそうではなかった(表 3)。ツアー4~5日目、カト
9
マンズからポカラに着く日あたりから学生 2 人に腹痛と下痢が始り、時に軽く、時に重く、
7~8日間続いた。整腸剤などの服用では軽減せず、数日後からは抗生物質を服用させた。
結局 12 日目、カトマンズ到着の日あたりに 2 人ともほぼ回復した。ほかの学生はずっと問
題はなかったが、14 日目にカトマンズを出発して昆明に着くときあたりから発熱、腹痛、
下痢などを 3 人が発症、帰国の翌日からさらに 3 人が発症した。この 6 人中3人は発熱だ
けに終わった。発熱した3人の学生のうち 1 人は昆明ではかなりの高熱で、意識が弱くな
り、起き上がれないほどのときもあり、マラリアやデング熱などを疑ったが、まずは抗生
物質を服用させた。翌日上海に着くころには熱もさがり、普通に歩けるようになった。帰
国途中に発熱した学生 1 人は帰国後に激しい下痢、関節痛、倦怠感があり、6 日間入院治療
して快癒した。この学生はカンピロバクタ食中毒と診断された。帰国翌日に発熱と下痢を
発症した学生のうち 1 人は細菌性腸炎と診断されたが、すぐに回復した。
表3
スター参加者の高山病経験・予防接種・ツアーでの罹病
仮番
号
性別
高地・高山病の経
験
1
M
あり
なし
腹痛・下痢
2
M
日本アルプス縦走
高山病経験無し
なし
帰国翌日発熱、下痢
3
M
無し
なし
4
M
無し
なし
帰国途中から発熱、関節痛、倦
怠感、帰国後下痢、嘔吐 6日
間入院治療、カンピロバクター
食中毒の診断
なし
5
M
3000m峰経験あ
り、高山病なし
破傷風、狂犬病
帰国翌日発熱、すぐ回復
6
M
2800一泊
経験無し
なし
なし
7
M
8
9
M
F
10
F
11
12
13
F
F
F
3000m級経験あり、 なし
帰国後軽い下痢数日間
高山病あり
無し
なし
なし
あり
狂犬病、B型肝炎、日 帰国途中から発熱、めまい、頭
本脳炎
痛
3700m登山経 A型肝炎
6日目2日間頭痛
験あり。高山病無
し
無し
破傷風1回
帰国途中高熱、1日で回復
無し
無し
高山病
予防接種
なし
なし
ツアーでの罹病
4日目から8日間
なし
5日目から8日間程度発熱、下
痢、
嘔吐、帰国後
OK
結局無事だったのは 13 人中 4 人だった。今回はとりわけ発熱をともなう下痢が特徴的で、
それも潜伏期間を考えると早期発症の2人と帰国途中~帰国後発症の 6 人の両方ともカト
マンズでの飲食が原因で罹患した可能性が高いと思われる。今後は街中での学生だけの飲
10
食にとりわけ注意が必要と思われ、参加学生への注意伝達を一層しっかりせねばならない。
また、発熱だけを発症した学生 2 人はポカラとルンビニでかなり蚊にかまれたのでマラリ
アなどの感染症が疑われた。当人たちは問題ないと報告しているが、帰国後に精密検査を
するなど、今後の経過観察が必要であり、注意を促しているところである。次回以降のツ
アーではこのてんにも一層十分な注意を払う必要がある。
ツアー行程と実習内容 第 1 回~第4回の実習ツアー経験を受けて、今回のツアー行
程と実習内容は見学地点を厳選して減らすことと、車の乗車区間を増やすことにより、見
学地点での観察時間を増やし、また宿舎に早く到着できるようにした。とりわけポカラよ
り上の区間はジープが十分に活用され、過去 4 回のツアーより格段に余裕のある行程とな
った。従来は、上記区間はなるべく長く歩くほうが理解が深まると考えて、車の利用を控
えたという面もあったが、今回の経験では車を多用するほうがよいと結論される。また、
前回も指摘したが、大事な説明はなるべく英語だけでなく、日本語をまぜるように配慮す
る一方、参加者に事前予習の必要性を一層強調する必要があろう。
また、今回はAATに何度も念を押して、バスには良質のスピーカー設備を装着し、ま
た、ハンディスピーカーを準備させ、露頭でもスピーカーを利用することができるはずで
あった。しかしカトマンズ出発時にチェックしたところ、車装備のスピーカーは役立たず
で、ハンディスピーカーの準備はなかった。そこで、途中カトマンズ市内の電気やに立ち
寄り、何はともあれバスのスピーカー設備だけを更新させたのであった。ネパールではス
ピーカーの準備は滅多にないのであろうし、またその重要性もなかなか理解せれない。次
回以降、このてんはさらに一層十分に注意せねばならない。
車とドライバーの良しあし 今回のツアーでは全行程、バスとジープを活用した。カリ
ガンダキ河コースで通常必ず利用させられる地元ドライバーズ組合のジープやドライバー
は利用勝手が大変に悪いので、カトマンズとポカラから良質の車とドライバーを準備し、
全行程にわたって使用する計画で、現地旅行社と何度も打ち合わせを行った。そして打合
せ通りにポカラから上部のカリガンダキ河ルートは全行程をポカラのジープ4台を利用す
ることができた。すでに述べたように、この方式は大変に具合がよく、これまでの4回と
比べてすべての行程をスムースに無理なく実施することができた。今後もできる限りこの
方式を続けたい。
また、カトマンズ~ポカラ~ルンビニ~カトマンズ区間のバスドライブも快適であった。
これはバスの座席にやや余裕があり、またサスペンションもまずまずであったことと、ド
ライバーが優秀だったこととスピーカー設備が利用に耐えたためである。
なお、筆者はこの長いドライブ区間について、AAT と何度もメール議論を重ね、ドライ
バーを 2 人にするっことになっていた。しかし、カトマンズでのさらなる議論の末、結局
全コースを 1 人のドライバーで行くことになった。実際に大変に優秀なドライバーであり、
気分よく筆者の言葉に従い、また、無理なハンドルさばきもなかった。ドライバーを 2 人
にするとどちらかが危険なドライバーになるかもしれないと、AATとの議論のなかで筆
11
者は思うようになったのであった。ドライバーの眠気を防ぐため、ガイドと運転助手にド
ライバーに頻繁に話しかけるようにきびしく命じたが、彼等はなかなかそれができなかっ
た。そこで筆者はドライバーの様子に注意し、眠気覚ましのミンツなどを頻繁に与えるよ
うにした。このような役割をしっかり行えるようにガイドや運転助手を教育せねばならな
い。
長距離ドライブ途中の見学と講義
本実習ツアーは、毎回全行程にわたって車を多用す
るのであるが、とりわけカトマンズ-ポカラ間とポカラ-ルンビニ-カトマンズ間は歩行
の区間はゼロである。この区間は全員が 1 台のチャーターバスを利用し、車内のマイク設
備を大いに活用し、これは車内学習に大変に効果的であった。
しかし残念なこともあった。ポカラからルンビニへのコースはヒマラヤ造山帯の大横断
を肌で感じる貴重なドライブである。しかしこの区間、車窓から見える地形、地質を熱心
に観察する学生は必ずしも多くなかった。実際のところ、毎回この貴重な時間に居眠りす
る学生が見立つのであるが、今回は車内で歌謡大会まで始っていた。元気を保ち、車酔い
を免れることができ、結構なこともあるが、折角のヒマラヤ野外実習の目的がおろそかに
されるのはなんとも残念である。指導者側としては、プレセミナーや野外でこの区間の重
要性を強調することと、魅力的なガイドブックを準備するなど、今後一層の工夫をしてい
かねばならない。
ツアー中の日ネ参加者間の一層の交流 今回、ツアーにはネパール学生男女各 1 人が参加
した。日ネ学生の交流が一層図れるように、毎日の宿泊では、すべての日本人学生がネパ
ール学生と同室の機会を持てるように配慮した。ネパール学生は 2 人とも学習にも、日本
人との交流にも非常に積極的であり、日本人学生の大きな刺激になった。前回も指摘した
が、将来もし外部資金が得られたときには、ネパール学生を 1 人でも多く参加させるとよ
いと思われた。
一方、ツアー後報告会の後の市内見学会でのグループ交流は学生達だけだったためであ
ろうか、お互いによく打ち解け、大いに交流できたようであった。従来の実習ツアーでは、
帰国後も何人かの学生はここで知り合ったネパール学生とのメール交流を続けているとの
ことであり、今回もそのような学生が何人かいることであろう。参加者のレポートからも
この交流会の評価は高く、今後もいろいろと工夫しつつ、継続させていきたい。
実習ツアーの経理
今回の実習ツアー経費は実施主体による寄付金 100000 円を除いて殆どすべて参加費で
賄われた。ネパール学生からは 1 人当たり 5000 ルピーを徴収した。また、トリブバン大学
地質学教室には取り決めに従ってネパール側の準備経費として 1 日あたり 100 米ドルを基
準として支払い、教室ではそれを教室と、教室派遣指導教員とで折半した。実習ツアーの
経理の詳細を表 4 に示した。
12
表4 第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアー経理まとめ
<収入の部>
内容
日本学生14人
ネパール学生2人
寄付金
キャンセル料
計算根拠
金額(円)
2,800,000
10,670
100,000
参加者一人
当たり金額
200,000
航空運賃以外の交通費x0.2
22,903
-122,097
キャンセル学生へ返金
合計
2,811,476
<支出の部>
費目
準備経費ほか
航空運賃
中国空港関連
ネパール旅行社請負額
一人当たりの
金額
計算根拠
支出額(円)
13人
2泊のベッドと食費
369,197
904,810
63,589
28,400
69,601
4,891
783,754
386,689
60,289
29,745
2,508,039
192,926
国内交通費及び山の中の宿泊・食
費4泊5日
ツアー支払いネパール国内経費 街中の宿泊食費8泊8日
合計
準備経費ほか内訳
内容
GIGE準備一式
ネパール側準備経費一式
引率者航空運賃
実習テキスト・地図ほか購入経費
ネパール入国査証
キャンセル料金(航空運賃)
アンナプルナ及びカトマンズ地図
土産菓子
計算根拠
金額
50,000
111,600
67,110
34,286
42,000
55,000
4,481
4,720
100USDx10=1000USD
14人
1人
トリブバン大学教員ら4人
合計
369,197
中国国内経費
内容
安息室往復2泊
食費、スナック菓子
支払い
円換算値
100元x14x2=2800元
合計
為替レート 1NRs=1.067JPY 1USD=111.6JPY 1CY=19.346JPY
54168
9421
63589
学生一人当たり平均ツアー経費:192,926円
参加学生1人当たり平均返金額(残金すべてを参加者に均等に配分する)
計算式A: (2811476-2508039)/13= 23341 計算式B:2811476/13-
学生一人当たりの平均参加費は200000-23341=\176659となる。
個々の学生の返金額(R)の計算式 (2811476/13=216,267)
R=216267-123325-AirFare AF=\65590~\71310なので、返金額は\27352~\21632。
学生一人当たり参加費: 200000-(27352~21632)で、\172,648~\178,368となる。
13
結論
第5回学生ヒマラヤ実習ツアーは予定通りに実施され、参加者に大きな感銘と経験を与
え、成功裏に終了したと言えるであろう。但し、今回も自発的参加の個人学生が少なかっ
たことは、今後に向けて解決すべき大きな問題である。なお、将来第6回以降の学生ヒマ
ラヤ実習ツアーをよりよいものにするための検討すべき課題も認められた。プロジェクト
および実施主体としては、今後これらの課題に積極的にとりくみ、第6回以降の実習ツア
ーのさらなる成功に向けて努力したい。
引用文献
Department of Mines and Geology, Nepal, 1982, Geological Map of Nepal, Scale
1:1,000,000.
吉田勝,A. Gajurel, M Paudel,2015,第 4 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー実施報告.
地質学会 NEWS 18(5), 7-8.
Yoshida, M. and Upreti, B.N., 2014, Geology and Natural Hazards along the Kaligandaki
Valley, Nepal - Guidebook for Himalayan Trekkers, Ser. 1, Provisional Second
Edition. GRG/GIGE Miscl. Pub. 27, Field Science Publishers, Hashimoto, 143
pages.
14
Report of the 5th Student Himalayan Exercise Tour
Masaru Yoshida, Kazunori Arita, Tetsuya Sakai, Bishal Nath Upreti, Mukunda Raj
Paudel
The 5th Student Himalayan Exercise Tour was conducted in 15 days from the 4th to
18th March 2016 in the western central Nepal Himalaya. Participants included 13
students and one teacher (leader of the tour) from Japan and two students and one
teacher from Nepal. The team thus was composed of 17 people in total with 9 boy and 6
girl students.
The tour course was same as that in the past three tours, i.e, on the order of
itinerary, Kungming (China) 1 night, Kathmandu 2, Pokhara 1, trekking course along
the Kaligandaki Valley 4, Pokhara 2, Lumbini 1, Kathmandu 2 and Kungming 1 (Fig. 1
on page 4 and Tb1 below).
At the pre-tour seminar in the second day in Kathmandu, in addition to ordinary
lectures such as General Geology of the Himalaya, Characteristics and Danger of the
Field Exercise in the Tour, Highlights of the Exercise Tour, a special lecture Himalaya
and Environmental Change by Prof. Hiroji Fushimi of Kathmandu University was
delivered. After the seminar, Japanese students were escorted by Nepal students to join
lunch and then to visit Swayanbunath which suffered severe damage by the April 25
earthquake last year.
Along the Kaligandaki Valley course, we observed the basement geology of the
Tethys Himalayan Zone, Higher Himalayan Zone, Lesser Himalayan Zone, and their
boundary faults including the South Tibetan Detachment System and Main Central
Thrust. Younger late Cenozoic sediments were also visited. We spent sometime at two
interesting observation sites and made sketches, one, a set of beautiful recumbent folds
viewed on the eastern slope of the Dapudon ridge, and another, an interesting
relationship of old fan and terraces developed at the confluence of the Tantun Khola.
In Pokhara where we stayed two nights after the Kaligandaki tour, land subsidence
in Armala, debris flow sediments at Seti Khola and Davis Fall, and the International
Mountain Museum, etc were visited. After that we drove for Lumbini. Along the course
Pokhara - Lumbini - Mugling - Kathmandu, the Lesser Himalayan Zone, Siwalik Zone
and the Gangetic Alluvial Plain, and boundary faults between them, i.e., the Main
15
Boundary Thrust and the Main Frontal Thrust were observed. In Lumbini, we visited
the Maya Devi Temple where the Shakha Muni was born.
Tb.1 Itinerary of the 5th Student Himalayan Exercise Tour in March 2016
Day 1: March 4th, Day 15th: 18th
Days
M. Yoshida, 20151113
Route
Details
Remarks
Day 1
Japan - China
Via Shanghai, stay at the Kunming AP
Day 2
Kungming-Kathmandu
(Stay)
Walk around the hotel
Day 3
Kathmandu (Stay)
Day 4
KTM-PKR (Stay)
Day 5
PKR-Jomsom (Stay)
Some stops viewing Annapurna Range, Viewing Fagfog
quartzite, Kuncha phyllite, GLOF sediments and
Bus, with a good quality speaker
terraces
Day 6
Jomsom-carMuktinath-walk, car Kagbeni (Stay)
Several stops to learn geomorphology and geology of
Quaternary and of Tethys Sediments.
Day 7
KGB-JOM: one jeep should be
KGB-car, walk-Kalopani Tethys Sediments, STDS, FIII of the Higher Himalayan associated with the trekking. JOM(Stay)
Gneisse, Morain hills. Observation and sketches
MRP, bus should be with us, making
several stops.
Day 8
Kalopani-car, walkTatopani (Stay)
Day 9
TTP - car - PKR (Stay)
Day 10
PKR (Stay)
Day 11
PKR - car -Lumbini
(Stay)
Day 12
LMB- car - KTM (Stay)
Visit Budda Place, MFT, Lesser Himalayan
Metasediments, MBT
By the bus, with several stops.
Day 13
KTM (Stay)
Summary seminar at TU with TU students. Visiting
World Heritage sites with TU students in the
afternoon..
No car necessary
Day 14
KTM-KUN(China)(Stay) Stay at the Kungming Airport
Day 15
KUN-Japan
AP-Hotel pickup
Pre-tour seminar at TU, and town excursion escorted
No car necessary
by TU students
Viewing landslides, colluvium, talus, terrace, Lesser
Bus, with a good quality speaker
Himalayan geology, Krishnavir landslide
2 jeeps JOM-MUK. MUK-KAG, one
jeep should ba associated with the
trekking.
Higher Himalayan Gneisses, MCT, Lesster Himalayan
Metasediments, Landslides
Lete-TTP, bus should be with
trekking.
Lesser Himalayan Metasediments, GLOF sediments,
Terraces
GLOF sediment, Landslides, Sand subsidence,
Mountain Museum
Lesser Himalayan Metasediments, Gondwana
Sediments, MBT, Siwaliks, MFT, Gangetic Plain.
TTP-PKR, bus should be with us,
making several stops.
KUN-Shanghai-Japan (Narita, Osaka, Nagoya,
Fukuoka, etc)
One day city tour by a bus.
By the bus, with several stops.
Hotel - AP escorting necessary
Stay at the Kunming AP
KUN: Kunming, TU: Tribhuvan University, KTM: Kathmandu, PKR: Pokhara, BEN: Beni, JOM:
Jomsom, KAG: Kagbeni, MRP: Marpha, TTP: Tatopani, TAN: Tansen, LUM: Lumbini
On the next day after returning Kathmandu, a summary symposium was conducted
and all students and teachers of the tour delivered a summary report of the tour. All
students presented the report in English and they could somehow manage well. All
reports included the most impressed geologic and non-geologic phenomena. In the
afternoon, students were again escorted by Nepali students to observe Kathmandu city
including its damages by the last earthquake.
16
During the exercise tour, a chartered bus for the Kathmandu-Pokhara -Lumbini Kathmandu course, and chartered 4 jeeps along the Kaligandaki Valley were used.
The usage of 4 jeeps which were chartered in Pokhara on the course along the
Kaligandaki Valley was specifically very appropriate in contrast to last four tours in
which we were obliged to use local jeeps, which were so bad by drivers who did not like
to make various stops for geological observations.
All participants were fine and pleasant during the early period of the tour including
the visit to Muktinath. After that time, several students suffered car sick,
intestine/stomach problems, and/or fever. On the last one-two days several students got
fever with unknown reasons. After returning Japan, one student was found to have
suffered campylobacteriosis, but all others are found to be OK with small problems.
Although there were some health problems, the evaluation of the tour by
participants has been good, so far as referring their reports at the summary symposium.
They appreciated not only the Himalayan geology and scenery, but also intermingling
with Nepal students and contacting Nepal people, dishes and culture.
The account of the tour is as follow. The total income was 2740000 JPY including
provisional participation fee of 200000 yen per head and one donation of 100000 JPY,
etc which comes 216000 JPY per head. The total expenditure for one student was
193000 JPY, and thus about 23000 JPY per head was refunded to students. Thus, the
practical participation fee for a student has come to be about 177000JPY.
17
18
参加者レポート
Reports of Participants
(Japanese and English)
第5回学生ヒマラヤ実習ツアー報告 福田貴大 ・・・・・・・・・・・・・・
21
第5回ヒマラヤ野外実習ツアー報告 市谷和也 ・・・・・・・・・・・・・・・
24
第 5 回ヒマラヤ野外巡検に参加して 菅野萌子 ・・・・・・・・・・・・・・
・・
28
第5回ヒマラヤ実習ツアー参加報告 河西夏美 ・・・・・・・・・・・・・・・
32
学生のヒマラヤ野外実習ツアーに寄せて 木村直人 ・・・・・・・・・・・
・・
37
ヒマラヤレポート 李 雨嘯 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・
42
第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアーレポート 徳岡 真 ・・・・・・・・
45
第五回ヒマラヤ野外実習を終えて 内田菜月 ・・・・・・・・・・・・・・・・
48
学生ヒマラヤトレッキングツアーについて 内山しおり ・・・・・・・・・
53
第 5 回ヒマラヤ実習ツアー報告 渡邊和輝 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・
57
第 5 回学生ヒマラヤ野外実習ツアーを終えて 山岡 健 ・・・・・・・・・・
60
ヒマラヤ野外実習ツアー参加報告書 矢野美波 ・・・・・・・・・・・・・・・
64
第 5 回ヒマラヤ野外実習ツアーを振り返って 吉田 宏 ・・・・・・・・・・
69
Geological Field Excursion from Muktinath to Lumbini Section
Achyut Nepal・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・
73
Geological Field Excursion Along Mukthinath-Lumbini Section
Sadikshya Mainali ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・
77
19
3 月 20 日連絡(抄)
皆さんのツアーレポートは以下の要領でお願いします。
(1) タイトル、所属と名前と自分の好きな自分写真の最初に入れる。
(2) イントロとして参加の理由、そのほかあれば記す。
(3) ツアー全体の概要をごく簡単に記す。数行でたりるかな。
(4) ツアーで最も感銘をうけた地学事象
(5) ツアーで最も感銘を受けた地学以外のことがら。
(6) そのほかなんでも、例えば本ツアーへの苦情、賛辞、などなどがあれ
ば、本ツアー将来の一層の発展のために歯に衣を着せずに記述。
(7) 自分の健康状態に問題があった場合はその経緯と帰国後経過など。
全体で2~5 ページ+-程度とし、4 月 18 日提出期限厳守をお願いし
ます。ページ数は目安ですので、数ページのオーバーはかまいません。ツアーの写
真最低 1 枚は入れて下さい。人の写真を使っても結構ですが、その場合は写真説明
に誰の写真か明記して下さい。
(なお、3 月 16 日報告会では、皆さんが英語で報告したそのメモなどを元に、英
文の要約をレポートの最後につけるように指示した)
20
第5回学生のヒマラヤ実習ツアー報告
茨城大学理学部理学科
地球環境科学コース4年
福田貴大
(Takahiro Fukuda, Ibaraki University)
1.はじめに
私が「学生のヒマラヤ実習ツアー」を知ったきっかけは、
平成27年度の地質学会である。ツアーの指導・引率者を
務められる吉田勝氏とお会いし、ツアーの概要を聞いた。その日から、植生のまばらな高
山砂漠で、超巨大な露頭を地質学的な解説を聞きながら観察したいと思っていた。ツアー
の開催日程が3月上旬~中旬に設定されており、当時大学4年生であった私は、卒業論文
提出後の自由時間をこの魅力的なツアーに充てることにした。
2.ツアー全体の概要
ネパールヒマラヤの地質は、南から北へかけて Siwalik Zone, Lesser Himalayan Zone,
Higher Himalayan Zone, Tibetan-Tethys Zone の4つの地質帯に区分されている。今回の
ツアーでは、主に Tibetan-Tethys Zone から Siwalik Zone へ向かってカリガンダキ谷を南
下しつつ、野外実習をおこなった。
3.ツアーで最も感銘を受けた地学現象
河川性・氷河性の堆積物が大規模な地形景
観を形作っており(右図)、このことに感銘
を受けた。ツアー全体を通して、段丘堆積物
や崖錐堆積物についての解説が充実してい
た。カリガンダキ谷域全体に段丘堆積物が存
在し、平坦な段丘面やなだらかな傾斜の尾根
が階段状をなすことで、地域の地形が形作ら
れていた。
カリガンダキ谷は地質帯によって異なる
形状を示しており、最も上流にあたる
図.カリガンダキ谷の段丘堆積物
21
Tibetan-Tethys Zone では、幅が約1キロメートルの U 字谷が形成されていた。谷の深さも
数百メートルあったが、谷の幅がより際立って広く感じられた。U 字谷の形状によって、高
山砂漠の景観が途方もなく広大であるように感じられた。Higher Himalayan Zone では急峻
な V 字谷が形成されていた。ヒマラヤの隆起の影響を受けて、河川の下刻が強力に働いた
ことがよく見て取れた。
谷沿いの幹線道路からは崖錐堆積物を頻繁に観察した。日本では、道路わきの崖はコン
クリートや網などによって補強され、がけ崩れなどの災害に対して防護策がなされている
ことが多い。対してカリガンダキ谷域をはじめネパールでは、そのようなコンクリート補
強が見られなかった。そのせいもあり、ネパールでは幹線道路などが一時的に寸断される
ことがよくあるという。激しい損傷を受けた路面も大変多くみられた。
4.ツアーで最も感銘を受けた地学以外のことがら
以下の2点のために、安心して旅行できたことに感銘を受けた。
・1点目
ツアーではカトマンズ、ポカラといった都市をはじめ、山岳地帯や平野部も訪問したが、
治安の悪さを感じなかった。ネパールでは前年の4月の大地震によって、カトマンズ周辺
などが大きな被害を被ったことをはじめ、経済的には最貧国であり、政治的な騒乱もある。
しかし一般的な安全対策をしていれば、よいようであった。強盗や組織的詐欺の影はなか
った。
・2点目
トリブバン大学の学生をはじめ、ツアー会社や宿泊施設のホスピタリティを十分に受け
たと思う。ツアーで出会ったネパール人からは、丁寧さや気さくさを感じることが多かっ
た。
5.ツアーへの提案
野外ではスピーカーを利用して、参加者が解説を聞き漏らすことのないようにしてほし
い。は学生が15名おり、道路沿いでは縦に長く並んで解説を聴講した。そのため、声を
聴きにくい状況が発生した。
6.健康状態
激しい下痢、腹部の倦怠感と発熱に見舞われた。細菌性の胃腸炎とおもわれる。原因は、
高山帯のムクチナートで生野菜を食べたことであると推察する。症状は8日間継続したも
のの、抗生物質(プロモックス)などを服用したことで、しだいに改善していった。帰国
後の健康状態に異常はない。
22
7.おわりに
ゴンドワナ地質環境研究所の吉田勝氏には、地学的な知識の提供だけでなく、ツアーの
準備からアフターケアまでお世話をしていただいた。トリブバン大学の Mukunda 氏には、
ツアーに同行して貴重な解説をしていただいた。各地の大学から集ったツアー参加者は、
知識や技術が高く、大きな刺激を受けた。トリブバン大学の地質学講座の学生やツアー会
社 Alpine Asian Treks & Expedition (p) Ltd.からは、温かいおもてなしを受けた。以上
の方々に、深く感謝を申し上げる。
(トリブバン大学での発表原稿メモ)
[After the Himalayan Geologic Excursion]
Takahiro Fukuda
We learned about the Himalayan building history, through beautiful
physiography, outcrops and gravels on valley floors. The Himalaya is collision margin,
so we looked a lot of folded structure and metamorphic rocks. Also we watched the
Quaternary sediments.
My most impressed outcrop is the Quaternary glasio-fluvial sediments in
Marpha village. That showed me unconformity which form valley gutter structure.
There are more impressed things. Such as the Dumri Formation show us coarse
to fine grained sequence. I think that fits for the Himalayan tectonics.
Night sky at Jomson – Muktinath area is wonderful. I saw great amount of stars.
23
第 5 回ヒマラヤ野外実習ツアー報告
信州大学理学部地質科学科 2 年 市谷 和也
(Kazuya Ichitani, Shinshu University)
1.はじめに
第 5 回ヒマラヤ野外実習ツアーは,2016 年 3 月 4 日(金)
~18 日(金)にかけて行わ
れた.日本人 14 人(学生 13 人,教員 1 人),ネパール人 3 人(学生 2 人,教員 1 人)の
参加であった.内容としては,多様なネパールの地質観察やカリガンダキ(Kaligandaki)川
沿いのトレッキング,現地大学生との交流,異文化
体験が挙げられ,連日の好天とも相まって充実した
実習となった.この実習に参加した理由としては,
小さい頃から自然(特に山)が好きで,ただ単にヒ
マラヤの山々を見てみたかったというものが大き
い.当然,地質学を学ぶ学生として,日本とは規模
や種類の違う地質を目にする機会を探していたので,
一石二鳥であった.
山村の子どもたちと一緒に
@ Ghatte Khola
2.興味を惹かれた事柄〈地質関連〉
ネパールで観察した地質はどれも印象的であった.以下に記述する.
(ⅰ)壮大な山々と大規模な地質 ツアー中には,アンナプルナ(Annapurna)やダウ
ラギリ(Dhaulagiri),ニルギリ(Nilgiri)といった,日本には存在しない 7000-8000m
級の山々を見ることができた.山麓までの距離あまりなく,まるで壁のように聳えていた.
それらの頂上付近や山体にはしっかりと地質構造が見て取れ,あの高さまで上昇させた大
陸間衝突の力を思い知らされた.
当然ながら,カリガンダキ川沿いでも,地質構造が見てとれた.特に,カグベニ
(Kagbeni)近くの Chukh Formation や Muding Formation といった地層の大規模な褶
曲には驚かされた(図1).あまりの大きさに,どこを見ていいのか混乱してしまった.そ
図1.カグベニ(Kagbeni)近くの大褶曲
24
れに加えて,Jhon Khola からカリガンダキ川沿
いにかけて,河岸段丘に伴う大小様々なテラス
を観察することができた.高位のテラスは現在
の河床から数 100m も上に発達し,見事な景観
をつくっていた.特にカグベニ-ムクチナート
(Muktinath)間から観察したテラス(図2)
は大規模で印象的であった.
(ⅲ)地すべりの多さ 日本と同様に,ネパール
図2
では毎年多くの自然災害が発生する.カリガンダキ谷
でのトレッキングも含めて,ネパールでは多くの地すべり現場を目にした.乾季であった
ので,これが雨季であったら凄まじい数になるだろう.加えて,地すべり跡地を利用した
山村,昨年の地震で引き起こされた地すべり,都市近くの非常に大規模な地すべりなどを
目の当たりにし,これらもその土地の地質に関係していることを実感した.視界にある山々
はどれも崩落の痕跡があり,その直ぐ側に集落が発達しているところもあった.山村に限
らず都市に近い場所でも対策は不十分なようである.どのような対策がネパールで効率的
なのか,この現状が少しでも改善されることが望ましいと感じた.
3.興味を惹かれた事柄〈地質以外〉
ネパールでは様々なものに惹きつけられたが,特に印象が強かった事柄を簡単に記述す
る.まずは食文化についてである.ネパールに行く前から,ネパールでの食事はダルバー
ト(図3)というダルスープやチキンカレー,米,野菜などが一つの皿に盛り付けられた
料理が主流であると聞いていて,単調なものであると考えていたが,見当違いであった.
スパイスの具合によって同じダルバートでも違う料理に感じた.中国文化の影響もあり,
モモやチョウメンをはじめとする日本と似ている食べ物があり親近感が湧いた.実際には,
ネパール料理はとても美味しいものであった.ぜひ本場で味わうことをおすすめする.
次に劇的な気候の変化が挙げられる.特にカ
リガンダキ川沿いの移動,ポカラ(Pokhara)-ル
ンビニ(Lumbini)間などでは,気候の変化それに
伴う植生の変化を肌で感じることができた.ネ
パールには,標高変化に伴う亜熱帯気候から山
岳気候までの気候が,短い距離の中で急激に変
化し,とても驚かされるものであった.あまり
日本では体験できない貴重な機会となった.
また,地質関連の内容も含まれるが,山村の
図3.ダルバートの例
25
住居や塀が気になった.その土地で産出する岩石を用いて作られた住居や塀はネパールの
山村を代表する光景である.その岩石の特徴(例えば,薄く割れやすいという性質)を活
かして作られているのが印象的であった.
加えて,カグベニの夜空はよく覚えている.確かに,日本でも山に行けば素晴らしい
星空を眺めることができるが,それとはまた違った感動があった.星空に吸い込まれそう
なくらい無数の星々に囲まれる感じを忘れることができない.
図4.ジョムソン(Jomsom)からのニルギリ(Nilgiri)と空港
4.ツアー全体の感想など
このツアーに参加して,ネパールで充実した時間を過ごすことができた.特にツアー
に参加した地質を学ぶ全国の学生やネパール人との交流は貴重な時間となり,考え方など
自身に大きな影響を与えた.今まで自身にとって未知の国であったネパールの文化に直接
触れることができ,とても有意義であった.もっともっとネパールについて知りたいとい
う欲求がわいてきた.特に印象に残ったネパールの子どもたちとの写真を最初に載せてお
く.そして,必ずまたネパールへ行くことになりそうである.そのときには,交通事情や
衛生事情になにか変化は起きているのだろうか.ネパールが今後どのようになってゆくの
か楽しみである.
ツアーの問題点を挙げるとするならば,例えば,露頭前で解説を聞く際に全員が揃って
から始めてほしい時があった.ジープ移動により遅れてしまうメンバーがいることも考慮
してほしい.また,現地の人に対しての敬意がよりあるといいのではないかと感じた.急
にハンマーを持った大勢の外国人が近所に来て石垣を歩いたり,道路脇の岩をハンマーで
叩き始めたりしたら自分でも驚いてしまう.もちろん参加者にも努力が求められるが,そ
の点を次回から考慮してほしいと感じた.
5.体調管理に関して
出発前から不安点であった体調であるが,ツアー期間中に崩れることがなく過ごすこ
とができた.これは,事前に体調管理に関する注意点を確認していたことが大きいと感じ
た.例えば,高山病に関しては,意識して呼吸することを心がけた.また,飲食物は口に
26
入れる前の確認を徹底した.しかしながら,帰国した次の日に発熱と下痢症状があり,医
者によれば細菌性の腸炎が疑われるとの事だった.おそらく,潜伏期間から考えて,カト
マンズでネパールの学生たちと食べたチーズアイス(名称不明)が原因だった可能性が高
い.症状が一時的でよかったと感じた.
6.最後に
今回のツアーで引率してくださった吉田先生,トリブバン大学のムクンダ先生,それ
に,日本・ネパールの学生,ネパール人のガイド,運転手をはじめとするすべての人に感
謝申し上げたい.
Wonderful Days in Nepal
Kazuya Ichitani (2nd grade of undergraduate course, Shinshu University)
Namaste everybody! Mero name Kazuya ho. I’m Kazuya ICHITANI. I belong to
Shinshu University and I’m 2nd grade. There are some reasons why I participated in
this tour. First is simple reason, I wanted to see the Himalayan mountains. The highest
mountain in Japan is Mt. Fuji but, its altitude is half of Himalayan mountains like
Annapurna. So, I wanted to see natural walls of mountains. Second reason is that, I’m
interested in natural hazards. Nepal has many natural hazards like Japan. I wanted to
know how natural hazards in Nepal are. Of course, I would like to see geological
structures in Nepal.
In this tour, I saw a lot of important geological points. I felt it impressive to see
Himalayan very large scale of geological structures like the folds of Tethys near
Kagbeni village in the upper reaches of Kaligandaki river and many terraces. I
experienced the power of nature and continent-continent collisional event. In addition
to this, I was surprised at the dramatic change of climate and vegetation in short
distance. This experience is not in Japan thus, I had a good time.
This is the first time to go abroad. In fact, I was afraid of this tour but, I found this
was wrong. Nepali people are very friendly with many smiles. Especially, Nepali
children in Kaligandaki valley was so great.
I had an amazing time in Nepal. I really appreciate Nepali’s kindness. Thank you.
8.参考文献
Yoshida, M. And Upreti, B.N. (eds.), 2014, GUIDEBOOK for HIMALAYAN TREKKERS
Series No.1 , Geology and Natural Hazards along the Kaligandaki valley, Nepal.
Provisional Second Edition. Field Science Publishers, Hashimoto, Japan, 143 pages.
27
第 5 回ヒマラヤ野外巡検に参加して
新潟大学地質科学科 1 年(参加時)
Moeko Kanno, 1
st
菅野萌子
grade of the under graduate, Niigata University
(李さん提供)
1.参加の動機
今回このツアーに参加した動機は3つある。
はじめに、第二回(2013 年)に参加した際はまだ高校生で地質学しっかり学ぶ前の段階
だったため、全体的に理解しきることができずに悔しい、勿体ない思いを抱えたままの帰
国となってしまったので再度地質学科で学んでいる学生として再度チャレンジしたいと思
った。
次に、今後地質科学科で学ぶ学生としてヒマラヤ山脈のような世界有数の地形・地質を
実際に自分の目で観察し、地質的なものだけではなく色々な意味で視野を広げることが必
要だと感じ、さらにこの巡検は視野を広げる大きなチャンスだと思った。
最後に、私は 2015 年 4 月 25 日に地震がおこる以前にネパールを訪れており非常に現地
の様子がどう変わってしまったか等が非常に気になっていたことと、災害関連に興味があ
り学んでいる部分があるためその点について実際に見てみたいと思った。
地質学的な部分以外にもネパールの食べ物や私にとって親しみやすいネパールの環境が
忘れられなかったというのもあるかもしれない。
28
2.行程
3/4 日本を出国。昆明で一泊の後 3/5 カトマンズ着。3/6 トリブバン大学にて事前学習会
の後、現地の学生と市内見学。3/7~3/15 ポカラ~ムクチナート、ポカラ~ルンビニ、ルン
ビニ~カトマンズ間の野外巡検。3/16 トリブバン大学にて野外巡検の総括、現地学生と観
光。3/17 ネパール出国。昆明で一泊後 3/18 に日本に帰国。
3.印象に残った地質学的事象
今回の巡検で興味をもったものは、災害(防災関連?)についてである。
はじめに、カトマンズ~ポカラ、ポカラ~ルンビニ、ルンビニ~カトマンズ等の移動の
最中に、崖崩れの跡や今後大規模に崖崩れや土砂災害の起こりそうな場所に前回来た時に
はなかったような所にも頻繁に Retaining Wall が見られた。これは丈夫な針金と現地で調達
可能な石を石垣のように組み上げることで作ることができ、険しい崖にある道路や居住地
域などの大規模な減災のための工事(治山、斜面改良等)ができない場所でも使うことが
できる。また、コスト面からも負担の大きすぎることはない画期的なものだと、とても感
心した。日本でも様々な場所で同じようなものは見ることができるが、ここまで深く考え
たことが無かったため、強く印象に残った。また、バイシャリ村で見た昨年の春の地震に
よる崖崩れは自然災害の生々しさとヒマラヤの地形の厳しさを強く感じた。
(図2 バイシャリ村の地滑り1 )
(図3 バイシャリ村の地滑り 2)
4.地学以外で印象に残ったこと
ムクティナートからルンビニへ南下していく最中に次々と変わっていく民族や生活様式
の差を様々な場面で目にすることがあった。改めて単一民族国家の日本から行った私には
とても新鮮に映った。また、食べ物も南北で微妙に味が変わったり、チャイ一つでも作る
人によって、地域によって味が少しずつ変化することがあり、食事も非常に楽しかった。
(お
29
いしくても辛いものは辛い)
5.今回のツアーを通して
約二週間という短い期間ではあったが、ヒマラヤの地質について一通り再び学び、考え
直し、新たなことをたくさん吸収することができたのは私にとってとてもいい経験になっ
たと思う。また、一緒にツアーに参加した方々のおかげで「積極的にコミュニケーション
をとる」という当たり前だけど、自分にはなかなか出来なかったことにチャレンジする機
会が増え、新しい扉が開けたように感じている。インフラについては、3 年の間に特にこれ
といった大きな変化は見られなかった(トイレの洋式の数増えた?)ものの、車やバスか
らポイ捨てする人をほとんど見なくなったように思った。
また、大規模な地震の跡をカトマンズやバクタプールで見る機会があった。まだ瓦礫が
片付いていなかったり、取り壊しさえ難しくそのままになっていたりする所や、素晴らし
い文化遺産が消えてしまっていたことに何とも言えない感情がわいてきた。ネパールの復
興を願ってやまない。
5.体調について
・前回軽い高山病らしきものにかかったと考えられるため、今回は事前にジョムソンに
て「ダイヤモックス」を服用した。このとき特に体調に変化はなかった。
・ネパール出国後~昆明出発までの間に熱、頭痛、めまい、寒気の症状が現れたが、原
因がいまいち分からなかったため、抗生物質と解熱剤を服用したところ症状がおさまり帰
国時にはほぼ回復していた。蚊に刺された日数的に「マラリア」が疑われたが、何の問題
もなかった。
6.Presentation at the Trichandra campus
I’m Moeko Kanno from Niigata University Japan.
I’ll tell you about 3things. First, why took part this tour. Second, impression of Geology. Last,
other impression.
Actually, I took part in at the High School student (3 years ago). But that time, I did not have any
technical knowledge. So, I was watching outcrops but many things heard for me. I thought I have to
study Geology more and more then. So I decided the second time of participation.
I have a lot of things which I had an impression on this tour.
However, I want to talk about the geologic point. I was glad that I looked at a rock and the
geological structure that I could not look at in Japan. And it was very good experience. It was
possible for me to watch land slide and rock slide (e.g., Vaishali village).
30
That things makes an impression for me. Because I’m interested in to study disaster. “Retaining
wall” was using dangerous place. I thought it is a good way for the remarkable large scale disaster.
And this way does not need the advanced the technical scientific knowledge.
I think Nepal has great Himalaya Mountains, wonderful place, historical buildings and food
etc.… And all Nepalese whom I met were so kind.
I’m so happy to meet wonderful friends and other many peoples.
(図4
カグベニ上部氷河湖跡 )
(図5 STDS)
(図6スワヤンブナートにて)
31
第5回
ヒマラヤ野外実習ツアー参加報告
信州大学理学部 地質科学科 3 年
河西夏美
(Natsumi Kasai , Shinshu University)
【はじめに】
昨年 4 月、前回のツアーに参加していた大学の友人の話
を聞き、興味を持った。私は山好きであり、北アルプスを
見上げる毎日を満喫しているのだが、世界の屋根たるヒマ
ラヤには昔から強い憧れを抱いていた。憧れの山々と出会
い、何よりも地質の先生方に学びながらヒマラヤを歩く機会は大変貴重だと考え、このツ
アーに参加した。
【ツアー概要】
このツアーは大まかにネパールの地質帯を北方から南方へ 9 日間で縦断するものである。
有名なトレッキングルートであるカリガンダキ川に沿って、Muktinath から Beni をジープ
と徒歩で移動し、その後、Pokhara からインド国境付近の Lumbini までをバスで移動した。
この間に、テチス-ヒマラヤ帯、高ヒマラヤ帯、低ヒマラヤ帯、シワリク帯、テライ平原(イ
ンド-ガンジス平原)が存在し、それぞれの境界の大断層である STDS、MCT、MBT、MFT が観
察できる。
【感銘を受けた地学事象】
感銘を受けた地学事象は多かったが、特に 3 点について記す。
●巨大な横臥褶曲
STDS を越えると、テチス堆積物の激しい褶曲が山々の斜面によく見えるようになる。
Marpha 付近より上流では
乾燥気候のために植生がま
ばらであり、巨大な地質構
造がより観察されやすくな
る。非常に大きなこれらの
褶曲は、MCT の活動によっ
て高ヒマラヤ変成岩類が上
昇した際、STDS の上部のテ
32
チス堆積物が北方に重力滑動を起こし、形成された。
横臥褶曲はカンブリア紀からの分厚い海成層が徐々に滑り落ちる状況が存在した証拠で
ある。大陸衝突のテクトニクスの影響を感じ取れる光景にはただただ圧倒された。
●20 億年前の地層
Kuncha 層周辺
低ヒマラヤ帯の下部 Nawakot complex である Kuncha
層は、約 20 億年前の海成層である。全体としは分厚い
スレートであり、頻繁に砂岩層を含み、時には珪質砂
岩層等を含む。珪質砂岩は大陸沿岸の海浜で形成され
たものである。これらは Beni から Tatopani にかけて
巨大な背斜構造を成している。
このような古い岩石の大きな露頭や、形成に長い風
化作用を必要とする珪質砂岩の露頭は日本では見る事
が出来ないので、直接触れられたことにはとても感動
した。
●災害の危険
ネパールは自然災害が非常に起こりやすい
国である。災害現場も多く見学した。
・ 2015 年ネパール地震の痕跡
Jomsom では 2015.4.25 の 2015 年ネパール地
震の影響でひどい地盤沈下が起こり、家屋の倒
壊があった。Kathmandu でも地震によって倒壊し
た家屋や、壁にクラックが生じ、それを木材によ
って支えている建造物が数多く見られた。都市機
能や生活自体には地震の影響はほとんど感じられ
なかったが、数多くの痕跡が未だ残されている。
・ Baishari 村の地すべり
2015.5.5 に 2015 年ネパール地震の余震の影響
で巨大な地すべりが発生し、Baishari 村全体が埋
められた現場も訪れた。地すべりはカリガンダキ
川を堰き止め、全長 2km に及ぶ巨大な堰止湖をつ
くった。
ネパールでは地震やモンスーンの多雨の影響で
33
地すべりが頻発し、簡単に堰止湖やその決壊による土石流が発生する。また、山岳部の集
落は、生活の容易さから河岸段丘の段丘面や地すべりの崩積上に造られることが多い。そ
れ以外の土地はほとんどが斜面であり、人々は危険な土地に選択的に住居を構えてしまう。
この現状が災害の多い理由の一つだろうが、実際に他に住む場所があるのかと考えると、
難しいだろうと思われる。
・ Armala の地盤陥没
Pokhara 近郊の Armala では地盤陥没孔
が数多く見られた。ここでは不透水層であ
る湖成堆積物のシルトの上部に透水層で
ある河川堆積物が存在している。降雨の度
に地下水がシルトのみを地下で削り込む
ため、上部の透水層が陥没してこのような
地形を形成する。
ネパールでは、過去、GLOF(氷河湖決壊
洪水)や土石流、地すべりで堰止湖が数多
く形成されたため、湖成層はいたるところ
に存在している。それらが降雨や地震などの影響で地盤陥没を引き起こしている。
・ David’s Fall から考えられる Pokhara 地下の空洞
Pokhara 近郊の観光地、David’s Fall の写真である。
観光として見るには不思議な形状をした面白い滝だが、
この滝に Pokhara の災害のひとつである地盤沈下の要因
を見ることができる。
この地層は約 1 万 2000 年前の Ghachok 層である。土石
流堆積物が固結したものであり、上流に石灰岩や苦灰岩
が多く存在するため炭酸カルシウムを多く含んでいる。
そのために堆積物は水に溶けやすく、このような不思議
な形状の滝を作りだす。
しかし、この滝は非常に深く、大きな空洞を有してい
る。おそらく水流がくり抜いた地下洞窟も多数存在する
だろう。Pokhara の町も Ghachok 層の上にあり、同じよ
うに地下に空洞が存在する。そのために、地盤沈下の危険性が常に存在している。
ネパールは地球上でも変動割合の大きな変動帯に属している。インド大陸は 50mm/年でア
ジアに向かって北進を続けており、ヒマラヤ山脈は 5mm/年で隆起を続けている。隆起量が
34
大きければそれだけ浸食作用は大きくなり、大量の岩屑が供給される。ヒマラヤ山脈南斜
面にはモンスーンによる大量の雨が降る。地質的にもモレーン堆積物や、珪質砂岩を挟む
スレート、GLOF 堆積物、湖成堆積物などの厚い層が存在している。これらはすべて土石流、
地すべり、崖崩れ、堰止湖の形成と決壊などに大きく寄与する。
このような現象は単なる自然現象だが、人々がそういった中に生活しているために災害
となる。地質学的な研究が人々の生活をより豊かに、安定したものにできると信じている。
【感銘を受けた地学以外のことがら】
私は、以前インド哲学を学ぶ機会があったため、ヒン
ドゥー教や仏教の実際の信仰に興味があった。今回のツ
アーで直接これらを体験できたのは大変喜ばしいこと
だった。
また、Kathmandu の Swayambhunath 寺院を見学した際
に、5 色のタルチョが風にはためく下で Tribhuvan 大学
の地質科の学生と話しながら飲んだミルクティーはと
ても美味しく、心が穏やかになったのを覚えている。学
生はほとんどが応用地質に取り組みたいと話していた。
これはネパールが貧しく、また災害が多いために、差し
迫った問題を解決したいという強い意志があるためだ。彼らのそういった姿勢は頼もしく、
立派だと感じた。
ネパールの方々はとても優しかった。会話は英語になるのだが、私の英語は発音も文法
もひどいものだった。しかし、彼らはこちらの意図を汲み取ろうと努力してくれた。ツア
ー前半は話すことができなかった私も、後半には英語に親しみを持ち、わずかだが英語が
できるようになっていた。英語を話すことはより多くの人との交流を可能にする素敵なこ
となのだと実感するとともに、自由に楽しく会話するために、またはより多くの勉強をす
るために英語に取り組まなければならないと理解した。
【その他】
ツアー全体としては大変満足だった。露頭観察などの時間が少なく感じたが、見学地点
の数を考えると仕方がないように思える。
このツアーは学問の面でも国際交流の面でも日本の学生にとってはとても重要な機会で
ある。企画・実行してくださる吉田先生や協力してくださる方々には感謝を、また、今後
もツアーが継続することを強く願っている。
35
【健康状態について】
ツアー中の健康状態は、全体的に良好であった。危惧していた腹痛などの症状も出ず、
全行程に参加できたことには安堵している。少しでも腹痛の気配を感じた際、予防として
胃薬を服用したことが良かったかもしれない。
しかし、Kagbeni~Kalapani 付近でひどい頭痛に悩まされた。原因は不明であったが、辛
い食べ物を摂取すると頭痛が重くなったため、ダルバートのご飯だけを食べ、ロキソニン
を服用して長い睡眠を心掛けた。この頭痛は 2 日ほどで完治した。
【Summary of The tour in English】
(トリブバン大学での発表原稿を修正したもの)
Namasute! I’m Natsumi Kasai. I’m from Shinshu University in japan, and 3rd grade. I major in
Geology.
I have three reasons why I join in this tour. The first, because I like mountains very much. There
is Shinshu University near the Japan Alps mountain range which is called the roof of Japan. And I
live enjoying the view of the Alps. I have been longing for the Himalaya called roof of the world
since I was a child.
The second, because I’m interested in geology of the world. There are many trekking tours we
can go to Himalaya in Japan, but this is the only trekking tour we can study and walk with teachers
of geology. That is very valuable chance for me.
The third, because I’m interested in the culture of Nepal.
Now, we finished this tour. I get many impressions in this tour. I’ll talk three things.
The first, I could touch many old rocks. We observed Lesser Himalayan sediments, Highter
Himalayan gneiss, Tethys sediments and so on. Especially, Kuncha Formation of Lesser Himalayan
sediments was formed 2000 million years ago. In Japan, I could only see Precambrian rocks at a
museum. I was very happy to touch directly large outcrops of old rocks.
The second, we observed huge folds of the Tethys sediments on mountains slop. I’m surprised
about movement of MCT and STDS. Maybe it was very huge and rapidly motion. I cannot resist
thinking about global tectonics.
The third, we visited many evidence of natural hazards. For example, we observed topography
of landslide. In Baishari, I was shocked it that a village was destroyed by landslide. In Jomsom and
Kathmandu, we visited areas that were damaged by the earthquake occurred last year. In Pokhara,
we saw David fall. I was really amazed at the depth of the fall. Pokhara has the danger of land
subsidence because there are many big spaces under the city such as we saw in David fall. As Nepal
is the area of rapid tectonic change, many disasters occur.
Next, I’ll tell you about impressions about other than geology.
I majored in philosophy in the Faculty of Humanities, and I had opportunity to study Indian
Philosophy six years ago. So I was glad to see many gods of India in this tour. And I was very happy
to be able to talk with many Nepalese. They were very kind to us. I don’t have the ability to use
good English, but they talk with me. Nepal is very beautiful and peaceful country. I want to come
again this country someday.
Thank you for listening.
36
学生のヒマラヤ野外実習ツアーに寄せて
木村直人(千葉大学理学部地球科学科 1 年)
今回私は,第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアー
(SHET-5)に参加させて頂きました.大変に貴重な経
験かつ,今後の「わたし」に大きく貢献してくれるこ
とをたくさん学び,吸収しました.
きっかけとしては,私は常に新しい何か,普通では
経験できないようなことはないかと探し続けており,また座学ばかりで発狂しそうだし,
何か面白いことはないかなぁと大学構内をさまよっていたところ,しけた掲示板に貼られ
ていたツアーの募集チラシを見つけ,「ヒマラヤ」という言葉に強く惹きつけられまし
た.そしてまるでイトヨの配偶行動のように,つまりは考えるよりもまず先に体が動き,
気づけば吉田先生に参加希望のメールを送っていたのです.
今回のツアーの(個人的な)目的は,今も活動が続く大陸衝突型の造山帯を観察し,そ
の地域に特有の鉱物,岩石,断層,地殻構造,侵食や風化といった自然活動(natural
works),またそれらに伴う植生(ただしこれは地理的な要因を大きく含むため,地質・地
殻構造という観点からの観察にとどまる)をこの目で観て,そして自然活動(natural
events)が引き起こした災害について,その原因を知り,そのものと現地の様子を知る,
というものでした.ツアーにおいてはこれらを欠かすことなく,順調に進んでいったこと
は幸いでした.
地学現象について
私はツアーにおいて,大
陸同士の衝突によって形成さ
れた山脈を見ることを何より
の楽しみにしていました.こ
のことの理由には,まだまだ
地球科学における知識が不足
しているために,学問的な発
見や理解にはあまり期待でき
ないという思いがあったので
す.その代わりに,この肌で
自然そのものを感じようとい
う思いで臨むことにしていま
37
した.
実際にそのものと対面した時,まずなんといってもそのスケールの大きさに驚かされま
した.あたり一面に広がるものは皆,日本にいては,特に私のように,良いにつけ悪いに
つけ都市化されてしまった環境に住んでいる身からすれば,決して見たり感じたりするこ
とのできないものでした.Kagbeni から見る景色やここで見られる分厚い地層,Jomsom か
ら the Kaligandaki River に沿って現れる巨大な褶曲構造と,どれも私にとって地球の営
みの大きさを見せつけられているようで堪りませんでした.またこれらを景色として楽し
むだけでなく,地質学という見地に立って見ると,どこまでが地質学的に同じグループな
のか,境界(断層や植生の違い,風化・侵食の違いなど)はどこなのか,含まれている鉱
物や特有のものは何か,といったことを理解することができ,そこから造山運動の営みの
実態が見えてくるのです.
これらのことを知り,実感することは地球の運動のエネルギーやパワーの大きさを理解
することにつながります.小さなスケールでものを観ることと,大きなスケールでものを
観ることの両方を駆使することで,私達には巨大すぎるこの地球について知ることがで
き,この知るということは,本当の意味で「見えてくる」ということなのです.
またツアーには二人のネパール人学生が加わっていたこと,そして同じく現地の学生
(“Engineering Geology”所属)との交流があったこともあり,彼等と話をすることが
多々ありました.そして驚いたことに,学生らの関心事は自然災害にいかに対処するか,
ということでした.私にとって地球科学というのはあくまで理学の世界の中のものという
考えだったので,科学的知見をいかに社会の中で活かそうかということには,あまり真剣
に向き合ったことがありませんでした(いや,無意識に避けていたのかもしれません).
それもあって,彼等が真面目に取り組んでいる姿を目の当たりにして,素直にすごいと思
いました.
世界(自然界)で起こっていることはどれも「自然の営み(natural works)」なので
す.しかしそれらが社会に負の作用を及ぼすと,人々はそれを「自然災害(natural
disasters)」 と呼びます.世間には様々な意見や考えがありますが,私は自然災害を止
める,無くすという考え方には賛同しかねます.それはまるでヒトが自然の上に立つ考え
方に感じられるためです.私達は本来自然の中に組み込まれて生活していた,すなわち,
地球システムの一部としてあったわけです.それが文化を有したことにより…と話は続く
のですが,その考え方は少し危険でもあると感じます.では私達は何を考えるべきかとい
えば,伏見先生( http://glacierworld.weebly.com/ )もおっしゃっていたように,如何
にして自然と共存(coexistence)していくかということを考えるのは,これからへの一つ
の道筋になるかもしれません.自然の「おこない」はそれとして受け入れる,そして,で
は私達は自然とともに生きていくために何ができるのか,それを考えていくことが,社会
の中にある科学に求められていることなのかもしれません.
*写真: Kagbeni より,山々を望む.メンバーをスケールと考えると,その大きさに改め
38
て驚かされる.
地学現象の他に
このヒマラヤツアーでの醍醐味は地学現象の観察にとどまらず,ネパールという国や現
地の人々を知る機会であるということです.
日本と大きく異なる文化や宗教観のために,カルチャーショックとまでは行きません
が,毎日驚かされていました.例えばネパールは多種多様な民族の集まりで形成されてい
るためか,少し場所を移すだけで,そこに住む人々の顔つきや生活様式が大きく変化しま
す.他にも書ききれないほどに様々な事柄がありますが,悲しいかな,「先進国」という
バイアスが私にかかっているために,ここに書くのは憚られるのが正直なところです.し
かしこうしてネパールにいて,私の生きていた世界とは別の世界にあるものを肌で感じる
というのは,「わたし」の世界を広げる契機となり,新しい視点を手に入れることが出来
ました.これはツアーを通しての素晴らしい収穫の一つだと思っています.
そしてこのツアーの日本人メンバーの皆さんとの交流も,私にとって素晴らしいものと
なりました.メンバーの話を聞くのは面白く,楽しい人がたくさんいましたが,いざ巡検
になると,放たれる知識の多さや眼の色を変えて対象を見つめるその眼差しに,感心させ
られると同時に自分ももっと学ばねばと鼓舞させられました.皆それぞれが魅力的な人
で,ツアーのメンバーには本当に恵まれていました.
今回のツアーに対して思うこと
今回のツアーに対して,特段不満に思うことはありません.なぜなら,何か問題や不自
由なことが起きても,メンバー同士で知恵を出しあい,協力することで乗り越えて来たか
らです.事務的な部分でも目立った問題はなかったため,滞りなくツアーが運営されてい
たと思います.
またツアー中,講義は英語で行われますが,現地学生との英語での交流という点におい
て,序盤は難しい局面が多々ありました.しかし,当初不安を感じていたメンバーがツア
ーの終わりには積極的に話しかけている様子を見て感心しました.
これから参加される方々の中には,英語でのコミュニケーションに対し,思うことが多
少なりともあるかもしれませんが,リラックスして積極的に話しかけることを目指してく
ださい.その人と話をしないことは相手に対して興味がないということを意味し,ご自身
は全く意図していないにも関わらず,お互いの心理的な距離が離れていってしまいます.
他愛のない事柄から始めて,異なる国,文化に暮らす人との交流を楽しんでください.こ
んなところが違う,こんなところが似ていると,常に新しい発見がありますよ.
健康について
さて,ツアー自体が終わり帰国する最中,体調を崩し始め,帰国後に入院する運びとな
39
りました.
ネパールから中国に入国する際に検疫に引っかかってしまい,その頃から体調の変化を
感じ始めました.次の日は日本への帰国でしたが,お昼前から熱が急に上がり歩くのは難
しくなり,しばらくして倦怠感と関節痛が出始め,もう辛いのなんの.その時に一緒にい
て色々な形でサポートしてくださった,福田さん,李さん,徳岡さん,内山さん,矢野さ
ん(順不同)には本当に感謝しています.その後無事に帰国を果たし(成田空港の検疫に
は引っかかりませんでした.大丈夫か,成田…),帰宅することができました.次の日の
朝に近所の内科医にかかり,よく分からないからと一応の薬を処方してもらいましが,そ
の後,時間が立つにつれて悪化し,その日の深夜に国立国際医療研究センターで受診しま
した.その日は返されたのですが,次の日から下痢と嘔吐が始まり歩けなくなってしまっ
たため,結局は同病院で計6日間の入院をし,治療を受けてきました.診断は,カンピロ
バクター(Campylobacter)による食中毒に極度の脱水症と風邪が重なったもの,となりま
した.ツアー中は食中毒の要因となるもの(生野菜や処理されていない生水など)を避け
ていましたが,やはりコップなどの食器についていた水滴を避けきるのは至難の業で,ま
たカンピロバクターは鶏肉に多く含まれているとのことから,よく火が通っていないもの
に当たってしまったのだろうと考えています.とはいえ,他に私のように入院するまでに
なった方がいなかったのは,本当に嬉しいことです.やはり健康が一番です.
今後ツアーに参加される方々は,やはり人生においてもそうですが,避けきれないもの
はごまんとありますから,その時は「それもまた一興」と受け入れて,すぐに医療機関に
かかってください.
最後に
今回のツアーは本当に素晴らしいものでした.ツアー途中からは,行程の一瞬一瞬がこ
れからの「わたし」の糧になるように感じ,何事にも全力で取り組んでいました(途中何
度か撃沈しましたが).ツアーが恋しいと思うことも無きにしもあらず,ですが,これを
次のステップにつなげていきたいと考えています.
さて,このツアーが無事成功に終わったのも,様々な場面でご尽力してくださった方々
のおかげです.特に現地ガイドの方々,トリブバン大学の教師陣,学生,バスやジープの
運転手さん,吉田先生には心からの感謝を申し上げたいと思います.そして日本人メンバ
ーであった皆さんにも,ありがとうを伝えたいです.この場を借りて,感謝申し上げま
す.ありがとうございました.
今後もこのツアーが実施され,一人でも多くの参加者に素晴らしい機会が提供されるよ
う願い,何らかの形で力になれたらと思う次第です.
40
トリブバン大学発表原稿
Hi there. As somebody know, I am Naoto Kimura and a student at Chiba university in
Japan. Today, I'm going to talk about what I have observed and learnt in this Student Himalayan
Exercise. My presentation was divided two parts ; firstly, I am going to tell you the most impressive
geological thing to me : secondly, I would like to talk about non-geological things which I am
interested in in Nepal. I estimate that this presentation will take 5 minutes. If you have something to
ask me, please tell me after the end of the presentation. Right, let's get started at geological thing.
In this tour, I have learnt and observed many geological things such as mountains, land
slides, ripple marks and so on. What I am strongly impressed with is mountain chains which is
created by continent- continent collision. Of course, in Japan, we cannot see it, so this is the first
time I saw it. It always attracts me. OK, let's move to the next topic. In non-geological point, I am
interested in the variety of cultures, such as food, religion, decoration. These show me differences
between each cultures. Exactly, I am amazed at it but ,to be honest, what I knew about Nepal, in 10
days, is little. I have understood only surface of the country so I have to come back Nepal.
Thanks to this tour, I have got much knowledge and many friends. I hope that they will
walk on their ways.
41
ヒマラヤツアーレポート
名古屋大学
理学部
李
地球惑星学科
三年
雨嘯
1)参加理由
ヒマラヤは小さい頃からとっても行
きたかったです。自分の地元では山と
呼ばれる物がなかった。日本に来て、
初めて山のぼりを経験して、大変面白
かったです。今回のヒマラヤツアーは
Photo by Ichitani
6000m 級の山を見る事が出来ることで、
参加しました。また、ネパールはつい
最近大きな地震が発生した、この地震
で出来た断層や災害の様子を確かめた
い。
2)ツアーの概要
今回は日本—上海—雲南—カトマンズでネパールに行きました。バスでカトマンズからポカ
ラへ移動し、ポカラからはジープで北へ移動し、最終的に一番高い地点標高 3753m の場所
までたどり着いた。その後、南へジープと歩きで色んな地層や地質構造を見ながら仏教の
聖地ルンビニまで移動しカトマンズまでもどりツアーは終わりました。
3)ツアーで最も印象に残った地質事象
ポカラからずっと北へ移動すると、標高の上昇と共に植物の種類も徐々に変化している、
最終的には緑がほとんどなく、岩石が地面に露出している状態、全ての地表が露頭になる。
これによって、岩石や地質構造の観察はとってもし易い。2年生の時に地質調査では、地
形図を見ると町がある場所が河岸段丘(テラス)になっている事が分かりますが、建物と
植生の原因でそれを直接見る事は出来ません。また、調査地域では安山岩の貫入が沢山有
り、しかも堆積面にそって貫入しているので、河原で平たい地形が有でも、河岸段丘じゃ
なく、只の差別侵蝕の場合が多い。
今回はそのテラスをじっくり見る事が出来る。すごく新しい地層なので、火山岩や深成
岩の貫入はほぼなく、遠くからみても一層ははっきりしてすごく見やすいです。川が堆積
物を運び、堆積しさらに削る事が想像しやすい。これだけではなく、途中では河原が 500m
以上の広さで堆積物が堆積している事も見られる。下流に行くほど河の幅が狭くなり、河
原を削り始めようとしている(夏になると水量が増えて、幅広い川になるかもしれない)
。
これはまさに河岸段丘が出来る前、出来ようとしている現在、できたてまた固まっていな
い物全部確認できる事である。
ほかに言いたい事は斜交葉理です。河原を歩くと、崖の下で覆瓦構造になっている礫と
42
斜交葉理を示す砂層が見られる。砂層の葉理を見る事で昔の河の流れる方向が分かります。
斜交葉理のほかには堆積環境が異なる事で砂岩泥岩層が数ミリ単位で変化する砂岩泥岩
互層を示す礫を見る事が出来る。この原因は季節の変化と考え易いが、Dr.ムクンダの説明
によると一つの水たまり(池から湖)にある時は細かい泥岩が流入し、ある時は砂岩が流
入する事によって、たまりに運んできた堆積物が変化する事によってこのような互層にな
った。でも、流れ込んだ堆積物の粒度は川の水流の速度で決められて、水流の変化は季節
ごとに異なって、季節に大きく関係するので、元の原因はやはり季節だと思います。
4)ツアーで最も印象に残った地質以外のこと
星空がとっても奇麗でした。山が高い場所では大気が薄いため、星がいっぱい見えます。
また、気温が低いため、水蒸気が少ないので星がはっきり見える。一番不便な事は停電す
る事ですが、星を見る時停電によって町が真っ暗になりますので、普段見えない星座も簡
単に確認できた。
また、一緒にツアーを参加した皆さんもすごく親切でした。ツアー中では一緒に歌って
とっても楽しかったです。吉田先生はいつも丁寧に質問を答えてくれてありがとうござい
ました。
Summary
43
Through this trip, I learned a lot of things. The most impressive thing about geology
is terrace. At the beginning, we saw some very huge terrace about 50 m high. And when
we walked on the riverside, we can see the water eroding the earth. In my opinion,
the place we were standing will become a terrace in a very short time. So from this
trip, I saw the past of the terrace, feeling the present of the terrace and I can
foresee the future.
The most impressive thing without geology is the beautiful sky at the mid-night
and I took a lot of picture. Because there is just a little light in the night so
do not cause light pollution. And the air is clean and dry, so I can always get a
clean shoot.
44
第5回学生のヒマラヤ
野外実習ツアーレポート
千葉大学理学部地球科学科 3 年 徳岡
(現 4 年
真
地殻構造学研究室所属)
ツアーの参加者を思い出すと、詳しい内容はもっ
と上手く説明してくれる人がいるだろうなと思
い、シンプルなレポートを作成した。
1.はじめに
このツアーの存在を知ったのはいつだったかは覚えていないが、参加を決めるまでにそ
れほど多くの時間はかからなかったと記憶している。ネパールという未知の国への憧れと
ヒマラヤという魅惑的な響きに、初めての海外旅行にしてはハードルが高いのではないか
という考えはどこかへ行ってしまっていたように思える。主な目的としては 3 つ。
(写真
左:Pradip(ガイド) 右:徳岡)ヒマラヤという世界最高峰の山々を自分の目で見て
みたいということ。自分に足りていない野外調査の経験を少しでも積むこと。そしてネパ
ールの料理を作れるようになること。この3つであった。
2.
ツアーの概要
資料を参考にしていただくほうが良いと思うが、町と町の間をジープやバスで移動し、
その途中にあるポイントを観察することが地質関連ではメインとなっており、しっかりと
した歩きはわずかであった。そのほかには現地大学生との交流や聖地の見学などもあり満
足度の高いツアーであった。
3.感銘を受けた地学的な事象について
ヒマラヤの造山帯を横断するコースを
とっていたので、変成度の違いを観察す
ることができたことである。特に MCT
周辺のスレート、フィライト、フィロー
ナイトの様子を露頭から観察することは
構造地質に関心がある自分としてはとて
も興味深い内容であった。またカリガン
ダキ川周辺に見られるいくつものテラスは、 (↑ ポカラのフェワ湖からの夕日)
45
とてもスケールの大きく明瞭なものが多く、これまで自分が見てきたものと同じできかた
なのだろうかとも考えてしまうほどであった。
4.地学以外で感銘を受けたことがら
なんといっても山である。アンナプルナやダウラギリの 8000m峰以外にも、ジョムソン
で見たニルギリや、ポカラ周辺からのマチャプチャレなど、ただ大きいだけでなく険しく、
そして美しい山々はテレビや雑誌で見ていたヒマラヤとは迫力が異なっていた。信仰の対
象とする気持ちがとてもよく理解できた。
また、ネパール料理のおいしさにも強く感銘を受けた。とくにダルバートは完璧であった。
味はもちろんのこと、栄養バランスにも優れており、かつ油が少なくヘルシー、またおか
わりもできる。これがネパールの食事の中心となるのも納得である。日本に帰ってきてか
ら何度かダルバートについて説明する機会があったものの、悔しいことにこの良さが伝わ
らなかった。そのほかにも様々な種類のモモや、チョウメンなど中国、チベットの影響を
感じられる食べ物もあり、飽きることはなかった。ポカラの書店で英語で書かれたレシピ
本を購入したので、ネパールの味を再現してみたいと思っている。
5.その他
苦情というほどではないが、バスのなかでの説明は土地勘もなく、どこら辺を走ってい
るのかを確認しづらいためになかなか頭に入りにくい。バスもよく揺れるためにメモも取
りにくく、車酔いする人にとってはそれどころではないだろうと思う。その状況のなかで
英語で説明されても理解するのはかなり大変であった。その夜のミーティングで日本人学
生は恥るべきであるとの言葉があったが、複雑な気分になったことを覚えている。
準備の段階ではどのような環境であるかわからなかったために荷物が多くなってしまった
が、今回のツアーでは大したものは必要ではなく、使わなかったものも多かった。次回以
降の参加者にお勧めしたいものは、ウェットティッシュ、整腸剤、サンプル袋である。ウ
ェットティッシュは重宝した。整腸剤は、これ変なもの食べたかもなぁというときに保険
的に飲んでおくと安心感がある。サンプル袋はこのツアーではサンプルの採取量がかなり
多くなったため、普段より多めに持っていくとよいかもしれない。
覚えておきたいことは、日本の道でネパールの癖で車の前に割り込むととてつもなく怒ら
れること。これを帰国後、歩いているときにやらかしてしまった。
6.健康問題
ツアー中は特に体調を崩すこともなかったが、帰国の翌日に発熱があったものの安静に
していたところ次の日には回復した。
46
7.最後に
当初の目的は 3 つであったはずなのに、かけがえのない友人たちや、ネパールの人々の温
かさ、自分の英語能力の問題点など、さまざまの得るもの、気づかされるものがあった。
とても実りのあるヒマラヤツアーであった。
このレポートを作るためにツアーを振り返ってみると、言いたくても表現のできない気持
ちや思い出がいくつもあった。これらをツアーで同じものを共有した友人たちがどのよう
に表現しているのか、それを目にするのが楽しみである。
これらは、このツアーでお世話になった皆さまのおかげである。
吉田先生やムクンダ先生には、解説のほかにもさまざまな質問に答えていただいた。特に
吉田先生には食事のたびにビールのご相伴に預からせていただいた。帰国後もこまめに連
絡をくれる Pradip、英語の不得手な自分にもよく話しかけてくれた Sadikshya や Achyut、
いろいろな大学から集まりネパールで濃い日々をともに過ごした Japanese friends、そし
てツアーに関わられたすべての人に感謝しています。こんなによい機会、よいツアーをあ
りがとうございました。
必ずネパールに戻ることになるだろうなと確信しています。
スピーチ原稿
Hello, everybody! I’m Shin Tokuoka. I’m a student of ChibaUniversity, and in the 3rd grade.
Do you know Chiba prefecture? Chiba is near Tokyo.
I deliver very simple speach by international English Mr.yoshida said.
There is two reasons why I decided to join this tour. The first one is that I want to see the Himalayan
mountains which Nepal boasts to the world. The other is that I want to gain experience of fieldwork
which is the lack for me.
It was a challenge to travel to uncharted territory for me such as Nepal, but now , I would like to
congratulate myself on my decision to join this tour.
I could feel various things on this trip.
About geology, one of my impressed thing which I watched in this tour is many many clear terraces
of the Kaligndaki river. They are the largest and clearest teraces which I have ever seen.
Other one is Dhaulagiri gracier. It was my first time to watch a gracier.
About culture, one of my impressed thing is Nepali’s English communication ability.
Many of Nepali can use English and Nepalese well. As you know I’m not good at communicatig in
English. So I respect them.
Through this tour , I feel that English is a skill that opens doors.
Thank you for your listening!
47
第五回ヒマラヤ野外実習を終えて
山口大学理学部地球圏システム科学科1年(参加当時)
内田菜月
Natsuki Uchida, 1st grade undergraduate, Yamaguchi Univ.
参加の理由
大学で地球科学を専攻するに当たって高校で地学を履修していなかった私は大学在学中に
少しでも地学に触れる機会を増やそうと努めていた。学科の掲示板を見てヒマラヤ野外実習の
存在を知ったが海外に一度も行った事がなかった事と私の大学のカリキュラムの関係上一年
間一般教養を主に勉強しており専門の知識がほとんどなかった事から参加は全く考えていな
かった。しかし、第 4 回のヒマラヤ野外実習に参加した先輩にお会いする機会があり、その先
輩からツアーの具体的な話やアドバイスを伺う事が出来たので私も参加してみようと思った。
知識がない中ヒマラヤまで行くのは行動が先走り過ぎているのではないかと思う部分もあっ
たが、その時気持ちはすでにその気になっており参加を決めた。
ツアーの概要
カトマンズ~ポカラ~トレッキングコース~ポカラ~ルンビニ~カトマンズ間を 11 日間
かけて回った。カトマンズでは初めにヒマラヤに関する講義を受け、午後はトリブバン大学の
生徒と市内見学をしながら交流した。カトマンズ~ポカラ間では移動しながら各スポットに停
まり様々な地学的現象を観察した。トレッキング中も同様にジープと歩きを併用しながら各ス
ポットにて地学的現象を観察した。トレッキングを終え再びポカラに戻り一日かけてポカラ市
内の地学的現象を観察して回った。ポカラ~ルンビニ間 も移動しながら各スポットに停まり
様々な地学的現象を観察した。ルンビニ~カトマンズ間も同様だ。最終日、カトマンズのトリ
ブバン大学にて参加者一人ずつツアーで最も感銘を受けた地学的現象についてスピーチを行
い、午後はトリブバン大学の生徒と市内見学をしながら別れを惜しんだ。
ツアーで最も感銘を受けた地学現象
中間発表会でも最終発表会でも述べたが私はテラスに最も感銘を受けた。トレッキングコー
ス以外でも移動途中の各地でテラスを目にする事が出来た。テラスも一様ではなく様々な景観
があり、何段も重なっている所もあれば、ドンと一段が多くそびえている所もあった。
話は変わりいきなりだが私は地形の形成過程をイメージする事が苦手だ。その理由は地形が
長い時間をかけてほんのわずかずつ形成される事、加えて地形の大きな変化をリアルタイムで
48
観察する機会がほとんどない事にある。
しかし私はトレッキングコース途中のジョムソンにてテラスの形成過程を見る事が出来た。
カリガンダキ川の河床はジョムソン付近で急激に広くなっていた。そこを横断する途中、ジー
プの中からカリガンダキ川の両脇の河床がわずかながら高くなっている様子を観察する事が
出来た。私はそこからカリガンダキ川の下刻作用によってじわじわと川底が削られ、それまで
見てきたようなテラスが形成されていく様子をイメージする事が出来た。それからはテラスを
見るとその形成過程とどのように川が流れていたかを大まかに想像する事が出来るようにな
った。
トレッキング中見たカリガンダキ川の水量は少なくまた水勢も弱いように感じた。とても下
刻作用があるようには見えなかった。しかしカリガンダキ川はヒマラヤを迂回して流れる縦谷
ではなくヒマラヤを横切って流れる横谷である事からそれなりの下刻作用があるはずである
と考えた。私は来られるかどうかは別として今度は雨季の時期に再び同じ地に来てカリガンダ
キ川を観察したいと思った。モンスーンによって多量の雨がカリガンダキ川にもたらされる事
で水量と水勢が増しヒマラヤ山脈を削るだけの下削作用を実感できるのではないかと考えた
様々なテラス
左上:カトマンズ~ポカラ間の移動途中に観察したテラス 右上:ポカラ~ジョムソン間の移動
途中に観察したテラス 左下:トレッキング中にて Tatun Khola 沿いに発達するテラス
右下:ポカラにて セティ川沿いに発達するテラス 対岸に見えるはガチョック面
49
からだ。
最後に岩石学や鉱物学その他専門の授業を受ける前に参加してしまった私はこのツアーの
最大の見どころであったであろうヒマラヤの岩石と断層に関してその場で十分に理解する事
が出来ずテラスのような簡単な地形ばかりに感銘を受けていた。帰国し教授から岩石のサンプ
ル採取に関して記載事項(採取場所で記載しておかなければならなかった事)が不十分だとの指
摘も受けた。至らないところも沢山あったが吉田先生やムクンダ先生そして他大学の方々に教
わりながら岩石を割り、その断面や鉱物を何日もかけて観察したという貴重な経験を得たので
今後授業を受けていく中で役立たせていきたいと思う。
ジープの中から観察したカリガン
ダキ川と河床
ツアーで最も感銘を受けた地学以外の事柄
ツアーで最も感銘を受けた地学以外の事柄としてネパールという国そのものをあげたいと
思う。初めての海外だったこともあり、出発前は異国であるネパールに対して多少の不安を抱
えていた。しかしいざネパールに着くと初日からすんなりと馴染むことができた。ツアー中の
食事のほとんどはダルバートだったがその味はとても美味しかった。全てお代わりができると
いうことで毎度お腹いっぱい食べる事ができた。舌にまとわりつく感じで気持ちが悪いと思っ
ていたインディカ米も慣れると全く気にならなくなった。
何よりもネパール人が大好きになった。観光業が発達しているせいかネパール人は外国人に
対して壁がなくとてもフレンドリーだった。お土産屋での値引き交渉も楽しめた。カトマンズ
にて 3000 ルピーと言われたカシミヤのセーターを 1000 ルピーで買えた時は他大学の方々に自
慢して回るほど嬉しかった。ネパール人とは英語を使って会話をした。しかしうまく英語を話
せずツアー後半私はふさぎ込んでしまっていた。そんな時 Achyut が励ましと英語のアドバイス
をくれた事がとても印象に残っている。カトマンズの市内見学において一緒に回ったトリブバ
ン大学の学生が腕を組み積極的に話かけてくれるのに対し、それを聞き取ることも返事をする
事もままならず、せっかく仲良くなろうとしてくれているのにととても悲しい気持ちになった
50
事もあった。もっと英語を巧みに使って会話を楽しめるようになれたらいいなと感じる事がツ
アー中何度もあった。それに関して留学経験のある他大学の先輩にアドバイスを貰うことがで
きた。ネパールの空港に着いて花の首飾りで出迎えて貰ってから、最終日またネパールに戻っ
て来れるようにとスカーフを首に巻いて貰ってまでネパールに魅了されっぱなしだった。日本
に帰国してからも facebook を通していまだ交流がある事をとても嬉しく思う。
ダルバートにもバリエーション、
だから意外と飽きない
左:出迎えで貰った花の
首飾り
右:最終日に貰ったスカ
ーフ
ツアーへの苦情、賛辞
ツアーへの苦情は全くない。貴重な経験が出来ただけでなくこのツアーが全国の大学で参
加が募られている事でいろいろな大学の方々と出会うきっかけにもなった事がとても良か
った。
本食レストラン桃太郎にて
ツアー中沢山笑わせてくれた
皆さんに感謝!
51
健康状態
私は帰国途中に高熱を出したのでその事について詳細に記載したいと思う。ネパールか
ら中国の昆明に移動する日の午前中は自由時間だった。朝起きると下半身が妙にぞわぞわ
し寒気がするなと思った。外出はせずその日の午前中はずっとベッドで寝ていた。午後、
空港に着いた時微熱が出た。そこで一度抗生物質を飲んだ。中国の昆明に着き、様態が悪
化した。昆明での空港泊においてベッドに入っても震えが止まらなかった。そのまま寝付
いたが夜中目が覚めると高熱が出ていた。その時軽い吐き気もした。そこで再び抗生物質
を飲んだ。朝起きると抗生物質が効いたのか震えも熱も収まっている感じがした。朝再び
抗生物質を飲み喉が渇いていたのでオレンジジュースも同時に飲んだ。飛行機待っている
間原因不明の胸焼けが続きトイレでもどした。しかしもどした事で気分も良くなりそこか
ら上海、そして関西空港と抗生物質を飲まずとも比較的良い体調を維持する事が出来た。
帰国後病院に行き検査をして貰ったが検査結果に異常はなく、医師曰く疲れが出たので
はないかと言う事だった。私はツアー中熱を出すなんて思ってもおらず持参した薬は生理
痛止めと腹痛止めだけだった。抗生物質は他大学の方に貰った。ネパールを出発し関西空
港に帰ってくるまで他大学の方々が本当に手厚く介護して下さったおかげで検疫に引っか
からず無事日本に帰ってくる事が出来た。
英語のスピーチ原稿
Hi, my name is Natsuki Uchida. I was able to spend full time in Nepal. First, I would like to
announce the most impressed geological place. My most impressed geological place is terrace.
These terraces are so big scale, and there are several terraces at one place. So I could understand
clearly what terrace is. In Jomsom, there is a large riverbed and some bumps along the Kaligandaki
river. I observed it, I could image the making process of terrace. I didn’t study deeply petrology and
mineralogy, so I could understand only simple topography like terrace during the treck. But when I
return Japan, I want to strive to review guidebook, notes, photos, and collected rock samples.
Next, I would like to announce the impressed thing other than earth science. I was impressed by the
country of Nepal. Nepalese are so friendly and people have good smile. I can’t tell you some good
reason, this country is brimming over with happiness. Time passes slowly, so I could spend full time
every day. I was little nervous because this is my first overseas, but foods also were good, I was able
to enjoy Nepal. In addition, climate and vegetation similar to my hometown Miyazaki, so I feel
nostalgic something.
Lastly, studying is duty for me, “I should study!” I always feel. But I saw everyone enjoy learning
geology and enjoy talking with Nepali students in English. I saw it, I change my mind, “I want to
study more!” “I want to talk with other people in English!”, I decided to think so. This trip becomes
a good opportunity to notice various things. Thank you for teaching me a lot and thank you for
getting along with me. If there is a chance, I want to meet you again and discuss geology, talk about
personal topics, say joke each other and laugh together. It’s all. Sorry my poor English. Thank you.
52
学生ヒマラヤトレッキングツアーについて
信州大学理学部地質科学科 3 年(当時)
内内山しおり
私が第五回ヒマラヤ野外実習に参加した理由は、私の
恩師に影響を受けたためである。恩師である山下眞一氏
は、1987 年から約 2 年間青年海外協力隊としてトゥクチ
ェにある学校で理科教師として務めていた。他にも、天
然ダムが数年に一度決壊し水害に見舞われるのを防ぐ
ためにダイナマイトを用いて計画的に水を外に流すと
いう作業も行っていたという。
山下眞一氏は、私にネパールの美しさや地質現象の面
白さを語ってくれた。私は尊敬する恩師が見たであろう景色と同じ風景をこの目に焼き付
けたかったのでトレッキングツアーに参加したのである。
次に、ツアー全体の概要を簡単に記す。ツアーの目的は、トレッキングを通じてヒマラ
ヤの自然環境、地質構造、自然災害を学ぶことである。行程は 3 月 4 日~3 月 18 日の 15
日間で、内訳は七日間のカリガンダキ河沿いの野外実習(一日目 ポカラ~ジョムソン:洪
水堆積物、低ヒマラヤ帯と高ヒマラヤ帯の観察。二日目 ジョムソン~ムクチナート~ガグ
ベニ:氷河地形。古ファン・デルタ地形、第四紀湖成層、テチス層群の観察と化石採集。
三日目:カグベニ~ジョムソン~カロパニ:テチス層群と褶曲構造、段丘の観察。四日目
カロパニ~タトパニ:テチス層群下部層とその変成作用、STDS、MCT 他の観察。五日目
タトパニ~ポカラ:堰止湖災害、低ヒマラヤ変堆積岩類、洪水堆積岩物の観察。五日目:
ポカラ周辺の地質と自然災害観察。六日目ポカラ~タンセン~ルンビニ:低ヒマラヤ変堆
積岩類、タンセン層群、シワリーク層群、ガンジス平原と沖積層他の観察、七日目ルンビ
ニ~カトマンズ:ガンジス平原、主境界衝上断層層、ストロマトライト化石他の観察)で
ある。実習以外では、現地の学生との交流や市外見学、
勉強会などを行った。
最も印象深かった地質学的ポイントは、主にハイヒ
マラヤの北側に広がるスピティ頁岩層の観察および化
石採集である。スピティ頁岩層とはテチス海の海底堆
積物であり厚さは 500m、年代はジュラ紀前期を示す。
テチス海には現在の太平洋海底堆積物と同じような物
図1
53
が堆積していたと考えられ、有名なアンモナイト化石(図 1)の産出地域である。図 1 のア
ンモナイト化石は、標高約 3,000m のムクチナート
付近で採集されたものである。標高約 3,000 で海洋生物が産出される理由は以下のとおりで
ある。
古生代末にパンゲアが分裂し、インド半島が南極・アフリカ大陸から離れユーラシ
ア大陸に向かって移動し始めた(両大陸の間に存在していた海が後にスピティ頁岩層を構
成するテチス海である)
。中生代には、地層の堆積と同時にユーラシア大陸の海溝部にイン
ド半島が潜り込み始めた。また、インド半島の海洋プレート上の堆積物が付加体としてユ
ーラシア大陸側に付け加わった。新生代になり、インド半島の本体が海溝部に潜り込みを
始めた。しかし、潜り込みがスムーズにいかなくなったために高い圧力が加わり、地殻変
動や変成作用が大規模に起きた。そして、潜り込みの摩擦熱による熱膨張とインド半島の
一部の浮力によって地殻が隆起し始めたのである。
標高約 3,000m 付近で海洋生物化石が観察される理由は、まさにダイナミックな地殻変動
によるものであると言えるだろう。人間には到底考えられないほどの力が加わり、現在の
ヒマラヤが形成されたのだと考えると地球の偉大さを再認識させられたのである。また、
スピティ頁岩層だけでなく化石を採集したことも印象深く残っている。図 1 のアンモナイ
ト化石を見つけた時に何とも言えない喜びを感じたのである。何故なら、そのアンモナイ
トは中生代から誰にも見つからずにノジュールとして隠されてきたものであるが、アンモ
ナイトを発見した際に長い時間の封印を解いた第一発見者になれるからである。化石の採
集はまるで宝探しをするような喜びを与えてくれるものである。
続いて、地質現象以外に感銘を受けた箇所について記す。ネパールで最も印象に残って
いるのは、トイレが汚いということである。ネパールに着いた当初はトイレの汚さに驚き、
使用したくないという思いでいっぱいであった。町のトイレは汚く、大学のトイレはきれ
いだろうと期待すれば風通しが悪くトイレの中が見えてしまうような代物であった。公共
の施設の汚さは、ネパールが豊かでないということに起因しているのだろう。ネパールの
平均月収は約 1~2 万と言われている。それほどの月収で、生活ができるほど物価が安いと
いうのは日本人にとっては魅力的であったことは事実である。しかし、拝観料が約 300 ル
ピーの寺院の券を買うときに日本人は躊躇なくお金を取り出し、ネパールの学生が高いと
渋っているのを見て現地人の感覚になることの必要性を感じた。また、
「お土産代でどれく
らい使ったの?」という現地学生の質問に対して「約 15000 ルピー」と答えたら非常に驚
かれたこともあった。約二週間の滞在で、約一か月分の給料を学生が使い果たしたと考え
れば驚くのは当然のことであっただろう。不景気など騒がれていたとしてもまだ日本は豊
かな国なのである。ネパールの経済状況を目の当たりにして 100 ルピーの貴重さを感じて
54
いた帰国前日の日のことであるが、ネパールの学生数人がお金を出し合って 1 つ 150 ルピ
ーするヨーグルトを日本人学生約 10 人に奢ってくれたのである。彼らにとっては貴重な娯
楽に使えるお金を豊かな日本人学生に使ってくれたのである。もし、これがネパールに着
いた直後であればそこまで感動することは無かっただろう。約二週間の滞在を通して、地
質的理解を深められただけでなく、ネパリーの優しさやお金の大切さについて学ぶことが
できたのは私にとって大きな宝である。
最後に全体のトレッキングツアーの感想と賛辞を述べたいと思う。ネパールでのトレッ
キングツアーは、予想を遥かに超えて充実した内容であった。参加者ほぼ全員が「ツアー
に参加したことは後悔しない。
」と述べることができたのは、このツアーをマネジメントし
て頂いた吉田先生の尽力であると思う。また、それ以外でもネパールでツアーガイドを務
めていただいたシェカールとプラディープ、トリプバン大学の学生たちとムクンダ先生、
シェルパの二人、長時間のドライブに耐え安全に私達を目的地まで運んでくれたタフなド
ライバー達、非常に沢山の方にお世話になった。誰か一人でも欠けていたらこのトレッキ
ングツアーは成功しなかっただろう。紙面上ではあるが、もう一度お世話になった全ての
方にお礼を言いたいと思う。本当に素敵なトレッキングツアーをマネジメントして頂きあ
りがとうございました。これからも、益々の発展を祈っています。
The Student Himalayan Exercise Tour, March 2016
Shiori Uchiyama, 3rd grade undergraduate, Shinshu University
First of all I’d like to introduce the reason that I decided to participate in the Student Himalayan
trekking tour. Mr. Shinichi Yamashita is a science teacher whom I respect a lot. During 1987-1990
he worked for a school which is near Tukuche as a JOCV (Japan Overseas Cooperation Volunteer).
Also he did another work to help people in Nepal. For example, some people were killed once in a
few years by the unexpected break of a natural dam. Therefore he and other volunteer staffs broke
the dam with dynamites to make the way that water can flow down. Every single time I talked with
him, he talked how beautiful and interesting Nepal is. Therefore, I had been interested in Nepal.
The most impressed things about geology was collecting ammonites in the Spiti Formation. The
Spiti Formation occurs mainly in the northern part of Higher Himalayan and its thickness is about
5,00m. Its age is said to be Upper Jurassic. The Spiti Formation was observed around the area with
the height of 3,000m on the way from Kagbeni to Muktinath. It is curious that oceanic fossils are
found around that height. The following is the reason that oceanic fossils are found. In Cenozoic era
Indian continent was collided and welded with Asia. Consequently, the crust was uplifted. I was
55
impressed how huge energy the earth has. Also, searching and finding ammonites was very
interesting. Because if I find an ammonite, I could be the first person who saw it. I feel that fossils
are the gift from the earth.
Another thing that I got impressed not about geology is about toilets. For the first time I really
didn’t want to use toilet because it was dirty. Mostly Japanese toilets are clean and don’t smell bad. I
think people can do more effort to clean the toilet for example people can construct the toilets at airy
place or somebody can clean the toilet every day. Also we saw a lot of trashes on the street and
people easily threw trashes away on the street. I was wondering why people throw the trashes away
on the street. But I realized that there is only a few garbage can. If there are a lot of garbage cans the
street will be clearer. I think people should set them.
Finally I want to thank all people who related with this trekking tour.
参考文献
Yoshida, M., and Upreti, B.N., 2014, GUIDEBOOK for HIMALAYAN TREKKERS Series No.1,
Geology and Natural Hazards along the Kaligandaki Valley, Nepal. Provisional Second Edition,
M.Yoshida and B.N Upreti, GRG/GIGE Miscl Pub No.27, Field Science Publishers, Hashimoto,
(p24-27).
山下眞一他,1995,第 6 回
地学海外巡検報告書(1995 年 8 月 20 日~8 月 31 日) 神奈川県
高等学校教科研究会理科部会地学研修委員会(p5-p7).
56
第 5 回ヒマラヤ実習ツアー報告書
渡邉和輝
信州大学理学部地質科学科 2 年
(Kazuki Watanabe, Shinshu University)
1. はじめに
当ツアーに参加を決めた理由は、自らの生
涯において貴重な体験をすることができる
と強く期待したからである。ヒマラヤの地質
学的事象や現地の人々・文化に触れることは
これから将来、日本で地質に携わって行こう
と考えている自分にとって経験する可能性
はほとんどないだろう。そのような考えから
すぐにヒマラヤ実習ツアーの参加を決意し
た。自分にとっては初めての海外渡航でもあ
り、海外での 2 週間に対しては、意思疎通や
異なる文化圏での生活、健康維持管理などさ
まざまな面において、多くの不安があった。しかし、日本で見ることが叶わないような地
質的事象や産物を目にしたり、手に入れたりすることができるというヒマラヤ実習ツアー
に対する魅力と期待に胸を膨らませた。
2. 感銘を受けた地質事象
ヒマラヤ実習ツアーにおいては多
くの地質事象を目にし、さまざまな
場所で感銘を受けた。特に感銘を受
けた地質事象として、地質活動の壮
大さである。ジョムソン付近での大
褶曲には強い印象を受けた。日本に
おいて、そこまで大きな褶曲を観察
する機会などなかなか得ることは今
までもなかったし、これからもない
であろう。ヒマラヤにおいて、数々
の大褶曲を目にすることができた。
大褶曲
57
それらを観察すると、大陸同士の衝突に
よる大規模な構造運動の壮大さを感じる
ことができた。また、ヒマラヤの山々に
も大変大きな印象を受けた。もちろん日
本では見られないような高峻な山々がそ
びえ、しかも大変近距離で眺望できるよ
うな環境は、日本にいて経験することが
なかなか得られないと思う。
3. 感銘を受けた地学以外のことがら
2 週間近くのネパールでの生活におい
高峻なヒマラヤの山
て、特に食文化に関して感銘を受けた。
ネパールで出会った料理で印象に残って
いるものとして、ダルバートがある。ネ
パールにおいて、最も食した回
数が多い料理である。インディカ米を主
食としてダルスープやチキンカレー、漬
高峻なヒマラヤの山
物などと共に食す
ることが、とても新鮮であり、大変気に
ダルバート
入った。その他にも、モモがとてもおい
しくいただくことができた。モモは水牛
の肉を具として調理された水餃子のよう
なものである。水牛の肉は自分の生きて
きた人生で初めて出会って、食べる前は
抵抗があった。しかし、食べてみると大
変さっぱりとした肉汁を含んでいて、か
なり気に入った。
モモ
4. 英文レポート
The experiences in Nepal has impressed me very much. Especially, there are two good
experiences for me.
First, as geologic view, I was impressed most deeply by huge geologic activities. For example, trails
of big thrust and big landslides. In Japan, it is difficult to observe such things. So I think that this
58
geologic experience will help me in my study of geologic hazards. By the way, I had decided to
study geology when big earthquake attacked east of Japan, five years ago. In this tour also, I found
some trails of earthquake. So I will learn study of hazard harder with my experiences in Nepal. And
I will prevent the hazards from attacking people, having correct knowledge of geology.
Second, as not geological view, I was impressed deeply by kindness and good friendship of Nepali
people. At first, I worried whether I can make a good relationship with Nepali people because I have
ever not been to foreign countries. But in this tour, more and more Nepali people talked to me. I also
sang Japanese song for them and laughed each other. I was so happy to spend this two weeks with
them. If I go to foreign countries such as also Nepal, I will become better at speaking English. I
think that strongly. So I should try to practice English, especially, speaking and listening.
In the end, at this experience in Nepal, I have gotten much more things than I have ever thought. So
I will appreciate this experience in this two weeks and we will make our lives more satisfied in the
future. Thanks for all the people in this tour.
5. 謝辞
当ツアーを通して、主催者の吉田先生、Mr.Mukunda、Alpine Asian の皆さん、トリブバ
ン大学の皆さん、一緒にツアーを同行したメンバーの皆さんのおかげで、充実した 2 週間
を過ごすことができた。この場を借りて深謝の意を表したい。
59
第 4 回学生ヒマラヤ野外実習ツアーを終えて
信州大学理学部地質科学科 2 年
山岡
健
(Ken Yamaoka,Shinshu-univ.)
【参加動機】
ツアーの存在を知ったとき、ネパー
ルという国を知りたいという興味と、
もともと持っていた自らの語学力への
不足感を少しでも払拭したいと思い、
今回このツアーに参加させていただい
た。
またネパールを訪れる前に吉田勝先
生や大学の先生の細かな情報の提供を
していただいたこともあり、日本にい
てはなかなか出会うことのない岩石・
鉱物・化石や、スケールの大きな地質
構造を見ることができるかもしれない期待感も大きかった。
【ツアー概要】
2016 年 3 月 4 日に羽田空港を出発し、中国内の空港を経由し、5 日にカトマンズ空港に到
着。街の観光をしながら、ポカラやジョムソンなどを経由し、9 日にはムクチナート(標高
約 3800m地点)へ。移動には主にバスやジープが使われた。ムクチナートからはカリガン
ダキ川に沿って氷河地形や地層褶曲など様々な対象を観察しながら下流側へトレッキング
をした。トレッキングはジープでの移動と合わせて行われ、12 日に再びポカラで宿泊した。
ここからは平野部を中心に主にバスを使用して移動した。その後の動きはポカラ周辺の地
形・地質観察も行った後、タンセンを経由しルンビニにて観光、そして 15 日にカトマンズ
へ帰ってくるというものであった。発表会や市内観光ののち、カトマンズ空港に別れを告
げ、18 日に帰国した。
【ツアー中に感銘を受けたことがら】
60
・地質学関連の感銘を受けた
こと
以下に私がツアー中に感
銘を受けたことがらについ
て述べる。私の勉強不足によ
り内容に専門性が欠けてい
る点については前もってお
許しを請いたい。
ムクチナートから始まっ
たカリガンダキ川沿いのト
レッキングコースにはバリ
エーション豊かな地質学的対象があった。例えばその中にはタイプと呼ぶにふさわしい眼
球片麻岩やアンモナイト化石、ストロマトライトなど、手にとって感じることができるサ
イズの感動が多くあった。しかし私が最も印象に残っているのはさらにマクロなスケール
の第四紀の地質構造である。例えば、モレーンをはじめとする氷河地形、河岸段丘や崖錐
堆積物、コルビウムのようなものである。
なぜこれらに感銘を受けたかというと、これらの構造の存在から過去を推し量ることが
でき、またそれらが組み合わさることによりシステムともいえるような壮大な風化・削剥・
運搬・堆積の一連の流れをこの目で確認することができたからである。
私たちが観察した第四紀の構造は数万年~数十万年という地質学的に短期間で形成され
たものであるが、地球上における岩石の循環を考えることができた。
・地質学以外で感銘を受けたこと
ネパール人の心の豊かさに感銘を受けた。ネパールという国は日本に比べて物質的には
供給の行き届いていない部分が多くあったが、ネパール人の温かい人柄に触れて得たもの
は多くあった。地震により倒壊した家屋の立て直しを市民が協力して行っている姿や、村
でのんびり生活をする親子の姿を見ていると、羨ましさを覚えた。
【ツアーについて】
ツアー中は大きな問題を感じることは無かった。宿泊施設や移動手段についても十分で
あったように感じる。
61
↑トレッキング中や宿泊施設からは常に美しい山々が見える
↑カトマンズ滞在最終夜にカトマンズが見せてくれた景色
62
【健康状態について】
今回のツアーは全日程を通して健康的に終えることができた。心配していた高山病につい
ても、現地でのダイアモックス錠が効き終日良い健康状態を維持することができた。また、
帰国後の体調については環境の変化があったためか数日の軽度の下痢があったが、概ね良
好であった。
日程調整や衛生環境についてのアドバイス等をして下さった吉田先生をはじめとする多
くの方々には感謝の意を表したい。
【英語発表メモ】
Hello everyone, I’m Ken Yamaoka from Shinshu-university. In advance, I’m deeply grateful to all
of you to have such a nice time. Especially Prof. Yoshida, Thank you for leading us.
I’m glad to participate in this Himalayan trekking tour in good condition and I could enjoy all of
this tour. I had many experiences. I’ll tell you about it.
In this tour, to my surprise, I’ve been accustomed to having a dālbhāt for every lunch. But I miss
Japanese food a little now.
Through this tour, there were so much things that I was moved by, due to it, last night I was in
trouble to choose topics I talk about.
There are two topics. One is about geology. It was a great folding structure of Thetys sediment
named Chunk and Muding Formation and it was formed in middle lower cretaceous. It was on the
right bank slope of the Kaligandaki river in Kagbeni, just in front of the hotel we had stayed. It’s
shown on the book cover of the guidebook. We could observe it very clearly because there is almost
no vegetation.
It was of course the first time that I’ve seen such a huge outcrop. I was overwhelmed by that. It
was good for me to feel the power of collision of two continents on my own eyes. However, to my
regret, I couldn’t figure out in detail how the bedding had been folded because of the complicated
folding structure.
Another point I moved by was Nepali people’s life.
I met a lot of Nepali friends on the way of trekking. Everyone has their own time and is all gentle.
They seemed to be very happy. Even though a big earthquake occurred, they have kept their
wonderful smiles. They are going on making effort to reconstruct the city. I felt relieved about
having seen it.
I thought I‘d like to spend my own time like them with no worry. I hope I’ll come back again to
Nepal because I’ve been fascinated by Nepal.
Thank you for listening.
63
ヒマラヤ野外実習ツアー参加報告書
矢野美波
筑波大学 生命環境学群 地球学類4年
(参加当時)
1.参加の理由
今回ヒマラヤ巡検に参加を決めた理由と
しては3つ挙げられる。まず1つはネパール
Fig. 1. ポカラの山岳博物館にて
撮影・提供:Pradip(ツアーガイド)
ヒマラヤという地への理由のない憧れだ。私
は港町や平野で過ごしてきたため、山のある景色にすら馴染みがない。そこで世界に名だ
たる山岳地域にぜひ行ってみたいと強く思った。2つ目はこのツアーで出会うであろう人
たちだ。ヒマラヤでの巡検に参加したい、という人たちに出会ってみたいと考えた。この
ツアーに参加する人はどんな思いで参加するのかとても気になったのだ。最後になるが、
3つ目は自身の研究分野との関連性である。私の卒業研究のテーマは南インドの変成作用
であった。この地域は古い巨大な造山帯(東アフリカ-南極造山帯)の一部であったと考えら
れている。私は今なお活動している若い造山帯を肌で感じたり、自分の地域との繋がりに
思いを馳せたりしたいと考えた。また、今になって思えば、4年生として参加することで
地質学を学んできた大学生活の集大成のような意味合いも込めていたと思う。以上の理由
から私は今回の巡検に参加を決めた。
2.ツアーの概要
上海空港でツアーのメンバーと合流、昆明からカトマンズへ。トリブバン大学での講義、
現地学生との交流、市内見学(Fig.2)を経て翌日にポカラへ移動。その後ジープで山岳地帯
へ向かう。ジョムソン - カグベニ - カロパニ - タトパニへと移動を続ける。洪水堆積物、
低ヒマラヤ帯、高ヒマラヤ帯、テチス層群、褶曲構造、南チベットディタッチメント(STDS)、
高ヒマラヤ片麻岩、主中央衝上断層(MCT)、低ヒマラヤ変堆積岩類などさまざまな地学事
象の観察を行った。9 日目には再びポカラに戻り、ルンビニを経て、カトマンズへ。カトマ
ンズへの道中でもガンジス平原、シワリーク層群、主境界衝上断層(MBT)、低ヒマラヤ変堆
積岩類、斜面崩壊などを観察・学習した。トリブバン大学で総括討論会を行った。カトマ
ンズ-昆明-上海-成田へのフライトを終え、各自帰宅の途についた。
64
3.ツアーで最も感銘を受けた地学事象
今回のツアーで出会った地学事象で、一番を決めることはとても難しい。ヒマラヤの
8000m 級の山脈やその壮大な景色、カリガンダキ川の作用によって形成された地形、日本で
は見ることのできない大褶曲、トルマリンが形成されている優白色花崗岩(Fig.3)、ほいほ
い落ちているガーネット、露頭の変成度の変化、リップルマークの保存状態の良さ、4000m
弱という高度で出会うアンモナイト。そのなかで私は未だにネパールに温泉が湧いている
ことが不思議でたまらない(Fig.4)。ここで少しネパールの温泉について報告したい。
8 日目のタトパニでは温泉施設があり、皆で楽しんだ。熱源は MCT やそこから派生する断
層の活動によるものであるとのことで、水温も想像以上に高かった。タトパニ源泉最高温
度は 71℃にも達するそうだ。タトパニの水質をトリリニアダイアグラムにプロットしてみ
ると、停滞地下水型にプロットされた(Fig.5)。また、中心部に近く、河川水や循環性地下
水などが示す位置でもある。金原(1991)によると、ネパールにはタトパニ以外にも多くの
温泉が知られている。ジョムソンやムクチナートなど標高の高い地域にも温泉が存在して
おり、これらの温泉は、地下深部に浸透した天水が花崗岩貫入マグマの潜熱によって加熱
され、MCT などの断層帯に沿って湧出しているとされている 。ネパールには第四期の火山
活動が認められていないが、新生代後期(14-17Ma)頃の小規模な花崗岩貫入岩体の存在が知
られている。
私にとって温泉とは火山活動と切っても切り離せないものだと思っていた。ネパールに
鉱泉が涌くことはともかく、熱を得ることが出来るとは考えてもいなかったのだ。いつの
まにか自分の地学現象の知識に日本特有の先入観があることに気付くことができて本当に
良かったと思う。世界に目を向けたとき、自身の知識をより良い方向に高められる「上書
き」をいつまでもしていきたいと思う。
4.ツアーで最も感銘を受けた地学以外の事象
地学以外で私が深く考えさせられたものはヒンドゥー教を初めとするネパールで触れた
文化だ。ムクチナートの寺院(Fig. 6)はヒンドゥー教徒の聖地であり、そのような場所を
訪れることができて本当に良かった。私自身には決まった宗教はなく、もちろん信心深く
もない。そのため参拝することはヒンドゥーの神様たちに怒られるのではないかと少した
めらった。しかし良い機会だと思い、裸足になり参拝方法を教わりながら歩き、額に紅い
印をつけてもらうと何となく清められたように感じた(気のせいかもしれないけど)。ネパ
ーリー達は参拝のために朝食を抜いていた。4000m 弱の高所に行くにも関わらず、である。
医学的にとか常識的にというものを超えて神聖な場所へ行く信心というものについて深く
考えさせられた。また、ルンビニでは釈迦の生誕地と言われているところを訪れた。早朝
の空気がより荘厳な雰囲気を高めているように感じ、こちらでも何となく清められたよう
65
に感じた(流されやすい)。自分に信仰がなかったとしても、隣にいる人が大事にしている
ものを知ることは、その人との繋がりを深めていくために必要だと強く思った。それぞれ
の人と人の間に、確実に文化の違いはあるけれど、その違いが生まれる経緯や違いそのも
のを知識や経験やその人との関わりを通して自分の中に取り込んでゆきたいと感じた。そ
してたくさんの人を理解し寄り添える人間になりたいなあと漠然と考えた。
5.ツアーへ
要望などは特にない。素敵なメンバーとともに過ごすことができて本当に良い経験にな
ったと強く感じている。今後もこのツアーが続いてゆくことを心から願っている。新しい
場所で新しい人と話していくことで私の世界が突然広がり戸惑うこともあるけれど、今回
の経験やツアーを通して考えたことを自分の中にきちんと消化していきたい。
6.健康状態についての経緯
9 日目にポカラに戻った際、悪寒と吐き気が収まらず発熱し、次の日を半日ホテルの部屋
で休むことになった。先生やツアーのメンバーから抗生物質、感冒薬などをいただき、す
ぐに熱や諸症状は治まった。また 6 日目の夜もひどい吐き気があったが、その時はあまり
深く考えていなかった。その後ほぼ完治していたが、あまり眠れず食べていなかったため、
カトマンズへ向かうバスの中でふらふらしてしまった。帰国してからは発熱や吐き気など
の症状は今のところ見られない。
ご心配・ご迷惑をおかけしました先生並びにツアーの皆様に深く感謝いたします。あり
がとうございました。ホテルの部屋で目を覚ました時に、たくさんの優しさ(お供え物)に
ふれてホロりときました。
7.謝辞
最後になりますが、今回ツアーを引率し、様々な手配やヒマラヤ巡検の全ての事柄に対
して終始熱心にご指導をしてくださった吉田先生、また、ツアーに同行し、わかりやすく
地質の解説をしてくださった Mukund 先生、そして共に過ごしたツアーのメンバー皆様に深
く感謝の意を表明します。また、参加に際しまして、IAGR からの資金援助をいただきまし
た。心より感謝いたします。皆様の幸せと笑顔あふれる日々をいつも願っています。元気
でいてください。本当にありがとうございました。
8.参考文献
66
M.Yoshida and B.N.Upreti (2014):GUIDBOOK for HIMALAYAN TREKKERS,
series No.1 Geology and Natural Hazards along the Kaligandaki Valley,
Nepal -Provisional Second Edition-, GRG/GIGE Miscl Pub No.27
金原啓二(1991)
:インド・ユーラシアプレート衝突(ヒマラヤ地域)の地熱・温泉
資源,地質ニュース,446,18-32
10.トリブバン大学での発表英文
The most interesting thing for me in our field work is the changing of
the metamorphism. My rock sample is metagabbro, but this rock had recorded
high-pressure and ultra-high temperature, so it looks like just an igneous rock.
This experience is necessary for me to enhance my knowledge of specialty.
Please let me talk about 2 important things. First, my favorite holy places.
I visited Muktinath and Lumbini. In Muktinath, I could enter to the Hindu temple,
and prayed. Then, I got a red point in here. Yesterday morning, I went to the
Buddha's birth place. I always can get peaceful mood. Next topic is my dream.
I want to be a person who can make others smile. I really love your smile, so
keep on smiling. I wish you every happiness.
Thank you for your attention.
Fig. 2. 市内見学
があがる我々
セルカ棒使用にテンション
Fig. 3. トルマリン
Fig. 4. 温泉の看板 浴場を撮る勇気は無かった
67
Fig. 6. ムクチナート寺院 緊張した
Fig. 5. トリリニアダイアグラム
金原(1991)のデータより
素敵な笑顔
Fig. 9. ジョムソン飛行場
Fig. 8. 青色 服もリュックも家までも青いの
Fig. 10. 先生との幸せタイム
本当にありがとうございました
68
第 5 回ヒマラヤ野外実習ツアーを振り返って
信州大学理学部地質科学科
2年
吉田宏
1. 参加理由
私がこのツアーに参加した理由は、片麻岩が採
集できることです。私の故郷である島根県隠岐
諸島島後にも隠岐片麻岩という片麻岩があり、
私は小さいころから片麻岩に興味がありました。
今回のツアーでは、眼球状片麻岩や藍晶石片麻
岩、柘榴石片麻岩など多様な片麻岩が採集でき
ると、昨年参加した先輩から聞いたので、参加
を決めました。また、ヒマラヤ地域の壮大な山
並みや、巨大な褶曲や断層などの地質構造にも
興味があり、そこも参加した理由の一つです。
3 月 9 日(ツアー 6 日目)の朝。
宿泊施設の屋上にて撮影。左から
内山、吉田、山岡、徳岡。
2.ツアー全体の概要
3 月 7 日にカトマンズを出発し、2
日間かけてポカラ、ジョムソン と
北上した。地質体も低ヒマラヤ帯
から高ヒマラヤ帯へと変化した。
その後、ムクチナートから南下し、
氷河地形やファン・デルタが観察
できた。カグベニ以降は、巨大な
褶曲があった。カロパニ以降は、
南チベットディタッチメント
(STDS)や主中央衝上断層(MCT)
など断層が観察できた。以降は、
MBT を境にシワリーク層が出現し、
ガンジス平原が広がっているルン
ビニまで行き、MFT について学ん
だ。その後、再びカトマンズへ帰
3 月 9 日(ツアー 6 日目)。ムクチナートに
向かう途中。
った。
69
大規模な褶曲構造。遠くの山にも褶曲が見える。
3.最も感銘を受けた地学事象
今回のツアーを通じて最も感銘を受
けた地学事象は、高ヒマラヤ変成岩
の一つである藍晶石片麻岩や柘榴石
片麻岩です。道の側面の露頭が片麻
岩であり、道の脇にも転石として柘
榴石や藍晶石を含む片麻岩が落ちて
おり、簡単に柘榴石や藍晶石を採集
することができた。柘榴石では大き
いもので直径 2 ㎝程度のものがあっ
た。また、カロパニに向かう道中に
道脇に落ちていた柘榴石片麻岩。岩石
中の丸く赤い鉱物が柘榴石。
おいて、道の脇の片麻岩の露頭が風
化して柘榴石の結晶が単体で道の上に落ちていたことに驚き、感動した。粒の大きい
ものや結晶系がしっかりと発達したもの、純度が良く、きれいな色のものなど様々あ
った。ツアーに参加した全員で夢中になって採集したことを覚えている。
4. 最も感銘を受けた地学以外のことがら
私は、ネパールでの食事に特に感銘を受けた。様々な料理を食べたが、その大半を占
めた料理がダルバートという料理であり、一つの皿にライスとカレーや野菜、スープ
70
が乗っているという料理であった。ライスはタイ米のように長細く、パラパラしてお
り、カレーはチキンや羊、川魚が入っていた。野菜は菜っ葉を切って炒めたものであ
り、スープは豆をすり潰したものを煮込んだものだった。やはり、味付けには香辛料
を使用しており、日本人にとっては辛めの味付けだったが、私は大変おいしくいただ
いた。またモモという蒸し餃子に似た料理もあり、こちらも大変おいしかった。さら
に焼きそばに似たチョーメンという料理も味付けは、マスタードとトマトケチャップ
をお好みでかけるものであり、とてもおいしかった。ネパールの料理は全体的におい
しかったが、気を付けなければならないことに「水の問題」がある。ネパールの生水
には細菌が多く、大量に摂取するとおなかを下してしまう。そこで私は、アルコール
ティッシュを持参し、食器や水分を含むものを手当たり次第洗った。また、生野菜の
摂取も極力避けた。この成果かはわからないが、ツアー中におなかを下すことはなか
った。
ネパールの食事。左がダルバート。右がモモ。
5. ツアーを通して不満に感じたこと
ルンビニに移動する際に使用したバスが荷物を車の下に積むものではなく、車内や上
に紐で固定するものであったことだ。ルンビニのホテルに着き、荷物を下ろしたとき、
ケースが汚れたあるいは傷ついていた。
6. 英語発表のメモ
Hello everyone. My name is Hiroshi Yoshida. In this tour, they call me
Yoshiyoshi. I’m from Shinshu-university and second grade. The reason why I joined
this tour is that I could get the gneiss. In my hometown, there are many gneiss.
71
And I like shapes and colors of the gneiss. So I joined this tour. Next I’d like
to tell the geological point that I impressed and other point that I was shocked
in this tour. First, I impressed the kyanite-garnet gneiss of the FormationⅡ.
A kyanite and garnet are very beautiful. When I saw it, I was excited. And I was
surprised that many garnets were lying in the road. Because garnets was strong
to be weathering. That is to say, when the garnet gneiss was weathering, garnets
stayed there. Second, I was shocked Nepali toilet. In japan, there are some toilet
rolls in various places, but there were not the toilet rolls in some places in
this tour. And there were some toilets that the toilet papers can’t flow and
clogged up. I don’t forget it forever. Finally, I through about two weeks in
Nepal. I could learn various things. Especially, I’m not good at speaking and
hearing. When I will come back Japan, I’ll study English again. Thank you for
listening my pour English.
72
Geological Field Excursion from Muktinath
to Lumbini Section
Achyut Nepal
(B.sc Fourth year student, Tri-Chandra Multiple Campus,
Ghantaghar, Kathmandu)
1.
Introduction
The Nepal Himalayan is the highest and youngest
active mountain range which lies to the northern part of
the Nepal (Upreti, 2014). It is one of the best example of on-going continent-continent collision
tectonics i.e. collision of Indian and Tibetan plateaus (Upreti, 2014). Geographically Nepal occupies
the north-central position in south Asia and it lies between Tibet (China) to the north and India to
the south. Nepal is bounded by north latitudes 26º22’ and 30º27’ and east longitudes 80º4’ and
88º12’. Geometrically it elongates with an average east - west axial length of 885 km and varying
width of 130 km to 225 km from north and south. Nepal Himalaya is divided into five major
tectonic zones from south to north respectively (Upreti, 2004). The northern most part of Nepal
Himalaya is Tibetan-Tethys Himalaya and the southern most part is Terai Region.
Mustang Graben is a depression which lies on the northern most part of Nepal Himalaya i.e
Tibetan Himalaya zone. It is 3000 to 4000 meters in height and has areal extension of less than 10
km east-west and more than 50 km north-south respectively (Yagi et al, 2004). Kaligandaki river
valley originates from the uppermost part of the Tibetan Tethys Himalaya and flows towards the
southern region (Terai) and joins to the Ganga (India) forming the world deepest gorge across the
Higher Himalaya.
1.1 Structural Geology
Several level of River terraces formed by the Kaligandaki River and the glacial deposit are found
in the Tibetan-Tethys Himalayan Zone. At Kagbani, large scale recumbent folds were found in the
Tethys sediment composed by the alternation of Spiti, Chukh, Lumachelle, Muding and Jomsom
Formations (Fig no 1).Similarly, anticline and syncline folds were also found. Likewise, At Marpha,
on the left bank of kaligandaki river large scale recumbent fold was also observed. Ripple marks
were also found in the Pokhara and Palpa road section on quartzite bed rock.
1.2 Observation
Interesting Geological Observation Points
i) Large Scale Recumbent Fold at Kagbani and Marpha
At Kagbani and At Marpha, large scale recumbent folds were observed in the Tethys sediment
composed by the alternation of Spiti, Chukh, Lumachelle, Muding and Jomsom Formations
(Fig no 1).
73
ii)
Krishnabhir Landslide along Prithivi Highway
As I am the student of engineering geology, the attractive point in this place is the use of
engineering design i.e bioengineering for stability of rock and soil of this place (Fig no 3).
Interesting Non-geologic Observations
Some non-geological point of views, observations I found interesting is to visit Muktinath temple,
take bath at hot spring in Tatopani, Mountain Museum and World Peace Pagoda in Pokhara, a visit
to Mayadevi Temple in Lumbini. Observing various mountain ranges like Machhapuchrea,
Annapurna, Dhaulagiri and Nilgiri as well learning some Japanese languages with Japanese Friends.
2. Objectives
The main objectives are.
a) To study the geology of Nepal Himalaya from northern to southern along the kaligandaki river
section.
b) To study the rock types, their grade and their mineral composition present in rocks.
c) To study the structural geology of Nepal Himalaya i.e. fault, fold, river terrace and ripple marks
etc.
d) To study natural hazard along the Kaligandaki river valley.
e) To study fossil.
3. Material and methods
Traverse was carried along the Kaligandaki and Tinau valleys along the Muktinath -Jomson-BeniPokhara-Lumbini.
4. Conclusion
Dark grey, thickly to thinly bedded shiny phyllites of Kuncha formation is found to be very old rock
as compared to others Himalayan rocks (Stocklin and Bhattrai, 1977). Nepal is found to be a very
high-risk country. Various types of natural disasters such as huge landslide, debris flow, floods and
glacial lake outburst flood (GOLF) are also found to be caused mostly by the Kaligandaki River. The
Northern most part of Nepal Himalaya is Tibetan-Tethys Himalayan Zone which consists of a series
of unmetamorphosed sedimentary rocks i.e Phyllites, limestone and sandstone etc. Glacier Lake
outburst (GOLF) sediment, moraine deposit and various types of fossil including ammonite (Fig no.2)
and belemnite were found. Higher Himalaya consists of augen gneiss, migmatite and schist. Higher
Himalaya zone consists of high grade crystalline rocks i.e kyanite or sillimanite-bearing gneisses.
Lesser Himalaya zone consists of metasedimentary rocks i.e shales, sandstone, limestone, schist and
phyllites. And Siwalik zone is the southern expression of Himalaya range mostly composed of fluvial,
non-marine loose sediments. The main rocks of this region are sandstone, siltstone mudstone,
conglomerate etc.
74
Acknowledgement
I would like to express my deep gratitude to Prof. Masaru Yoshida for organizing such excursion
and. I would also like to thank Dr. Mukunda Poudel for his support and advice during the field.
Finally, I would like to thank Dr. Tara Nidhi Bhattrai, Dr. Madan Ratna Manandhar and faculty
member of Geology Department, Tri-Chandra Campus. As well all the members who directly or
indirectly supports in this field visit.
Reference
Upreti,B.(2014) Geology of the Nepal Himalaya and Adjacent Region. Kathmandu, Nepal.
Yagi,H.,Maemoku,H.,Kumahora,Y.,Nakata,T., and Dangol,V.(2004), Evolution of Mustang Garben,
Tibet Himalaya due to eastward extrusion of Tibet plateau in and offer the last Glacial age, Paper
presented at the 19th Himalaya Karakoram-Tibet Workshop , 2004, NISEKO, Japan.
UN (1993), Geology and Mineral Resources of Nepal. Journal of Atlas of mineral resources of the
Escap Region. Vol 9.
Stockline, J., and Bhattarai, K.D., 1977, Geology of Kathmadu area and central Mahabharat range,
Nepal Himalaya. Department of Mines and Geology, Nepal/United Nations Development Program.
Photographs
Fig no 1:-Showing Recumbent Fold Structure
75
Fig no 2:- Ammonite Fossil of Tibetan-Tethys Himalaya
Fig no 3:-Engineering Design of Krishnabir landslide along Prithivi Highway
76
Geological Field Excursion Along
Muktinath-Lumbini Section
SADIKSHYA MAINALI
Tri-Chandra Multiple Campus, Tribhuvan University
Ghantaghar, Kathmandu, Nepal
B.Sc 4th year (Geology)
Introduction
Nepal Himalaya is located in the central part of
2400km long Himalayan arc which covers 8000km of
whole Himalaya having natural boundary, Mahakali
River it the west and Tista River in the East. Nepal Himalaya is sandwiched between
Tibetan plateau in the North and Indian subcontinent in the south. Nepal Himalaya covers
83% of mountains and 17% plane land (Terai), alluvial plains. Nepal is divided into the
following five major Tectonic Zones from south to north i.e. Indo-Gangetic Plain-Main
Frontal Thrust-Siwaliks(Sub-Himlayan Zone)- Main Boundary Thrust-Lesser Himalayan
Zone-Higher Himlayan Zone-South Tibetan Detachment-Tibetan-Tethys Himalayan Zone.
And Nepal can be divided into four traverse zone (east to west) namely, Eastern Nepal,
Central Nepal, Western Nepal and Far western Nepal.
Objectives
The main objective of my study for the excursion includes:
1.To study the geology of Nepal from the Northern belt to the Southern belt
2.To study the rock type, grade of metamorphism and mineral composition present in
rock.
3.To study and observe natural hazard along Kaligandaki Valley and
4.To study structural geology like fault, fold, river terrace
Outline of the Tour
The excursion was organized by Prof. Masaru Yoshida and Department of Geology, Tri
Chandra Campus for Japanese and Nepali students and was scheduled for 9 days. The
allocated time started from Kathmandu on March 7,2016 and ended on March 15, 2016.
We started the journey from Kathmandu to Pokhara and covered Jomsom-Muktinath-Beni
section and again Pokhara to Lumbini section. The daily field work used to start at
8:00am.There used to be daily class at night.The daily work progress and problems tackled
in the field were discussed and some working instructions were also delivered to the student
during the classes. Various observation stops were made and major works carried out during
the excursion include: observation of geology and natural hazards along the Kaligandaki
77
valley, physiographic and geology of the Pokhara valley, and geologic and environmental
problems all along the tour course.
Interesting Geological Observation Points
1.A set of large recumbent folds observed near Eklebhatti On the north eastern slope
of Dhapudhon Danda on the right bank slope of Kaligandaki river near Eklebhatti, a set of
large recumbent folds was observed and we stayed there for some tens of minutes to sketch
the folds. On the slope, Mesozoic Tethys Formations of the Muding, Spiti, Lumachelle and
Jomsom Formations are well developed.
Fig.1 Northeast slope of Dhapudhon Danda showing a set of large recumbent folds.
2.Spiti Formation with ammonite fossils The rocks of the Spiti Formation are exposed
between Kunjok and Jharkot villages. At this exposure, black shale with thin layers of dark
grey limestone is well exposed. We collected spherical to flattened spherical light yellow to
dark brown calcareous concretions carrying good ammonite fossils.
Fig.2 Ammonite fossil found in the Spiti Formation
78
3.Armala land subsidence Armala V.D.C lies on the northern belt of Kaski district of
the Gandaki Zone. Many big and small sinkholes structure of some meter and some tens of
meter in diameter were observed in Armala V.D.C of Pokhara. The mixtures of silt and clay
in the water beneath the surface eroding the ground underneath leading to the occurrence of
sinkholes. It is reported that Armala land was once used to be riverbed and the past floods
had deposited huge amount of silts and boulders.
Fig.3.Sinkholes of Armala V.D.C, Pokhara
The land is composed of cultivated land, landslide and river deposited gravel, and silt and
clay from the top to the bottom. The clay dammed the flowing water and due to load of the
upper layers somewhat semi-circle sink holes formed as shown above.
Interesting Non-geologic Observations
Some observations I found interesting from a non-geological point of view include: a visit
to Muktinath temple, hot spring in Tatopani, Mountain Museum and World Peace Pagoda in
Pokhara, and a visit to Mayadevi Temple in Lumbini. Observing various mountain ranges
like Annapurna, Dhaulagiri and Nilgiri is the best part of the field tour.
Conclusion
Ultimately, within these eight days we visited geology of the northern belt to the southern
belt of the Nepal Himalaya. Major formations, rock types, stratigraphy, depositional
environment was observed. Natural hazards of Kaligandaki Valley formed the crucial part of
the excursion.Armala land subsidence is another point which sensed about the possible
hazard in upcoming days. During these field tour we got knowledge on both geological and
non-geological points. Lastly due to continuous effort of students and teachers we completed
the field excursion.
79
Acknowledgement
I would like to express my deep gratitude to Prof. Masaru Yoshida for organizing such
excursion and for his patience, guidance and enthusiastic encouragement. I would also like
to thank Dr. Mukunda Poudel for his support and advise during the field.
I cannot express enough thanks to Dr. Tara Nidhi Bhattrai, Dr. Madan Ratna Manandhar
and faculty members of Geology Department, Tri-Chandra Campus. Without their support I
won’t be able to join this excursion. I would like to extend my thanks to all Japanese
collageus taking part in this field tour for their co-operation and kindness.Special thanks
goes to Alpine Asian Treks Pvt Ltd for managing vehicles,fooding and lodging throughout
the journey.
Finally, I would like to thank my parents for their support and encouragement towards my
study.
Refreneces
Sakai, H, 1985. Geology of the Kali Gandaki Supergroup of the Lesser Himalaya in
Nepal Memoirs of the Faculty of Science Kyushu University series D Geology 25
Tokuoka et al. (1990) Stratigraphy and Geological structures of the Churia (Siwalik)
Group in the Tinau Khola- Binai Khola area, west central Nepal. Memo. Vac, sci. Shimane
University, 24, pp. 71-88
Upreti, B.N., 2000, 'Geology of Nepal Himalaya', Tribhuvan University, Tri-Chandra
Campus, Department of GeologyUpreti, B.N, 2014. Geology of the Nepal Himalaya and
adjacent region
80
引率者レポート
Reports by Leaders
第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアー引率日記 吉田勝
Leader’s diary of the 5th Student Himalayan Exercise Tour
(in Japanese) Masaru Yoshida ・・・・・・・・・・・・・ 83
Landform in Kagbeni-Muktinath area, Mustang, Western Nepal
95
Mukunda Raj Paudel ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
81
82
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー引率日誌
吉田勝(ゴンドワナ地質環境研究所)
3月4日
関空組3人は中国国際航空で 14:10 に離日、上海で成田と名古屋出発組 6 人、
昆明で羽田出発組 6 人が無事合流した。例年通り昆明空港 4 階の安息室で仮眠、ベッドの
価格は昨年よりあがって 1 人 100 元となった。帰路、或いは来年からはもっと安価に一夜
を過ごせる方法を探さねばならない。
3月5日
昆明空港での朝食は、安息室裏のセルフハンバーグ屋でお粥と揚げパンセット
20 元とした。昼食は機内食とし、15:20 カトマンズ空港着、アルパインアジアントレック
(AAT)の大仰なお迎えをうけ、ミニバスでカトマンズの宿、マウントフジホームに着く。
始めての宿だが、オーナーも部屋もまずまずだ。価格は朝食付き 2 人部屋が 16 ドルほど。
部屋割りは学生にまかせてみたが、なかなか上手にやってくれる。今後はずっとこの方式
で行こう。夜は AAT の招待で、民族舞踊アトラクション付のネワールレストランでネワー
ル料理と地酒ロキシーを楽しんだ。学生達は大喜びだ。
カトマンズ空港で、歓迎のレイ!
3月6日
カトマンズの宿、Mt Fuji Home
例年通り午前中はトリブバン大学でプレツアーセミナーがあり、教室主任のM.
マナンダール氏の挨拶で始った。参加者はツアーメンバーのほかトリブバン大学の教員数
人と学生多数を加えて数十人入る教室は満員だった。セミナーでは「学生のヒマラヤ野外
実習プログラムの概要」
、
「ヒマラヤの地質概要」
、
「実習地域の地質概要」
(以上筆者が講義)、
「野外実習のハイライト」(Dr. Mukunda Paudel)に加え、
「ヒマラヤと地球環境」の特別
講義が伏見碩ニ博士(カトマンズ大学訪問教授・元滋賀県立大学教授)によって行われた。
83
午後はトリブバン大学生と
合同で 3 グループに分かれ、震
災で大きなダメージを受けた
世界遺産のスワヤンブナート
寺院見学に行った。筆者は AAT
社長のタパ氏との打合せや銀
行業務で忙しかった。
3月7日
カトマンズからポカ
ラへ。貸切バスで早朝カトマン
ズを出発した。途中、カトマン
ズ盆地東のコイララトーク峠
日ネ学生の合同見学会、スワヤンブナートで
からカトマンズ盆地の地形を観察、峠を越えて急な山腹斜面に刻まれた曲がりくねったプ
リティビハイウエイをドライブ、山腹斜面の崩積、崖錐、地すべり、河川沿いのテラス、
扇状地、崖錐、地すべり跡とその対策工法を観察しつつ、ポカラに夕方到着した。
宿は昨年と同じリバーパークホテルだ。2 人室 25 ドルとかなり高価だが真に快適なホ
テルである。夕食前にはホテルのレストランで復習と予習の勉強会、この日の実習内容を
学生に次々と英語で報告してもらい、質疑応答、予習は翌日の観察事項を筆者とパウデル
博士が日本語と英語ミクスで説明といった具合だ。夕食は同じレストランでかなり良質の
ダルバートに舌鼓。
クリシュナビル地すべり現場の蛇腹と植林
3月8日
コイララ峠からカトマンズ盆地を見る
ポカラからジョムソンへ。今日は上天気、ジープ 4 台で朝早くホテルを出発し、
セティ川沿いのドライブでは見事なアンナプルナ連峰に歓声、ナウダダのあたりで写真ス
84
トップをした。
バグルンでは広大な厚い第四系のテラスを観察し(G65, Yoshida &
Upreti, 2014、以下同じ)ベニを過ぎてラウガートをはずれたところのリバーサイドレス
トランで美味しいダルバートランチ、その後はただただ悪路のドライブ。周囲の巨大な崖
や遠くのヒマラヤに目を見張りつつジョムソンに夕暮れ前に着いた。夕方の勉強会とダル
バートの夕食はいつもの通りだ。
3月9日
ジョムソン~クムチナート~カグベニコースをジープと徒歩で行く。朝、学生 6
人は対高山病薬のダイヤモックスを予防服用した。ホテルの屋上から見事なニルギリ
(G-7A)をバックにグループ写真。ジョムソンではいつも利用していたトレックルートの
橋が震災で破損して利用禁止になっていた。ホテルからジープ4台に分乗し、心配したカ
リガンダキ河も歓声と共に無事渡ることができた。カグベニ東のテラスで 360 度の展望を
満喫し (G-17)、再びグループ写真。
ムクチナートに昼前に到着、食堂に荷物と不調の学生 1 人を預けて高度差 50mほどの寺
院まで登る。基盤のテチス層群の中生代累層、モレーン、テラス、扇状地、地すべり・岩
崩れ跡 (G-20, 21)、クリープによる寺院のひび割れや周囲の木々の傾き (H-8)などを観察
の後食堂に戻ってダルバートのランチ。学生達はこのあたりにたくさん出ている屋台店で
買い物に夢中。昼食後は歩いて下り、ジャルコットの下のスピティ層露頭(G-20)で化石
探索を 1 時間、皆それぞれに収穫ありだった。その後はジープで真っ直ぐにカグベニへ。
真に楽な 1 日コースだった。ジープ様々である。この日の宿はホテルニューアンナプルナ、
なかなか良い。夕食前の勉強会は1時間、夕食ばいつもの通りダルバートで、学生達は皆
まだまだ美味しそうだ。
ジョムソンの朝、ニルギリが見事だ
カリガンダキ河をジープで渡る
85
カグベニ東のテラスから北方を望む
3 月 10 日
カリガンダキ河に沿ってカグベニからカロパニまでジープドライブとトレッキ
ング。朝 8 時ホテル発。学生 1 人は腹の調子が悪く、ジープでエクレバティまで。ほか全
員はまず対岸のチューク層の大露頭へ。新しい安全な橋を利用できて、問題なく露頭を叩
くことができた (H-6, G-15)。ここでオルソコーツアイトなどを観察の後、広いカリガンダ
キ河原を 30 分ほど歩き、再びチューク層の大露頭で砂岩泥岩互層、その中の石炭層などを
観察した。その後 1 時間ほどの歩きで、周りのテチス層群やテラス、厚い広大な古扇状地
堆積物などに目を見張りつつエクレバティでティーブレーク。
エクレバティの少し南のつり橋のたもとで対岸、ダプトン尾根東斜面の大横臥褶曲群を
スケッチ 40 分間。
さらに1km南のルマチャレ層大露頭でべレムナイト化石を採集 (G-11)、
さらに1km南の左岸の大露頭でジョムソンドロマイトを叩く。その後はジープで緊張の
渡河の後、ジョムソンのホテルに 12 時着、ダルバートランチとなった。ジープを自由に使
えるので行程が思い通りになるのはありがたい。ジョムソンでランチの後、2km ほどシャ
ンコーラ合流まで歩き、湖成堆積物、扇状地堆積物、テラス(G-22)シャンコーラ源頭の
横臥褶曲 (G-23)などを観察した。その後、ジープでチャクタンコーラまで行く。途中マル
ファで対岸(左岸)の大横臥褶曲 (G-26A)と右岸壁の湖成層 (G-26B)とその上の段丘層と
の指交関係を観察した。
チャクタンコーラでは河原で転石の観察に 1 時間ほど、テチス層群の大理石や石灰質ホ
ルンフェルス、電気石優白質花崗岩、各種の花崗片麻岩を観察・採集した。その後カロパ
86
ニに向かって歩き出してすぐの道路沿いの崖に南チベットディタッチメント(STDS)の露
頭を発見し、30 分間観察した。その後カロパニまで 1 時間強、道路沿いの花崗片麻岩の崖
や小さい支谷の転石に眼球片麻岩 (G-35) を探しつつのんびり歩いた。カロパニでは See
You Hotel、夕食は昼過ぎに注文をとった結果でダルバート 12 人、もも+トマトスープ 5
人だった。以後もなるべく注文をとることにする。但し時間の問題もあるので常に 2 種類
だけとした。
ダプトン尾根東斜面の大横臥褶曲群は見事だ
化石を多産するルマチャレ層の大露頭とベレムナイト化石
3 月 11 日
朝、ホテルからの展望はすばらしい。すぐ裏のダウラギリーツクチェ連山はも
とより、ニルギリ南峰が高く聳え、更に遠くにはアンナプルナ本峰から南峰までくっきり
87
と聳えている。ホテルを出て 1 時間ほど、
山々の展望を堪能し、ハーゲンによるダウ
ラギリの地質構造スケッチを実物と見比
べたりしつつレテまで 30 分ほど歩き、グ
ループ写真を撮った (G-36)。そこからジ
ープに乗り、4 km 下のタンツンコーラま
で。そこで古扇状地堆積物と段丘の関係の
スケッチに 40 分間 (G-40)。その後再びジ
ープで 4 km 南の大理石露頭へ移動し、そ
こからは道路沿いに連続露頭の高ヒマラ
ジョムソンの南のティニコーラの見事な扇状地
ヤ片麻岩類を観察、すばらしいカイヤナイ
ト片麻岩サンプルを採集した (G-42)。
少し南の右岸の高い崖で野焼きをしており、落石の危険があったので少し戻ってガサの
つり橋を渡り、左岸の静かなトレッキングコースを 2 km ほど歩いた。再びつり橋を渡っ
て右岸に戻り、4 km ほど歩いてルプツエコーラ合流に到着、世界最深のゴルジュを覗き
(G-46)、再びジープで 2.5km南のダナでランチ。ここで主中央衝上断層(MCT)の谷と
いわれるガッテコーラとその 2 km 南のドウワリコーラで河原の転石を観察し、MCT がこ
のあたりを通ることを認識した。MCT 関連の圧砕質片麻岩やフィローナイトサンプルを採
集した。ここからは 4 km 南のタトパニ温泉まで、フィローナイトの圧砕構造が次第に弱
まって通常のフィライトになる様子を道路沿いの露頭を叩きながら追いかけ (G-54)、タト
パニの1km手前で典型的な低ヒマラヤ変堆積岩類上部累層のフィライト、コーツアイト、
石灰岩などを観察した(G58).タトパニ着は 17 時ころで、皆早速に風呂に飛び込んで大
喜び。
88
チャクタンコーラ南の STDS 露頭
眼球片麻岩
カロパニのホテルからニルギリ南峰(左)とアンナプルナ本峰(中奥)
レテでダウラギリをバックにグループ写真
高ヒマラヤ片麻岩の急崖を削って続く道路
タンツンコーラでスケッチをとる
世界最深のゴルジュを覗く
89
MCT のガッテコーラ谷
3 月 12 日
タトパニ温泉を楽しむ
タトパニからポカラへジープドライブ。早朝出発してタトパニの1kmほど
南、カリガンダキ河左岸の 1998 年地すべりを観察(H23)し、更に南 0.5kmのカルコー
ラガウつり橋手前で低ヒマラヤ変堆積岩類ファグフォーグコーツアイト中に貫入するはん
れい角閃岩とそれらの関係を観察、
サンプル採集を行った(G60)。その
後はクンチャ層のフィライト・砂岩
互層の大露頭 2 箇所の観察(G63,
G64)と、アウルコーラ合流点のバイ
シャリ村を襲った 2015 年地震によ
る地すべり災害跡を見学した。その
後は一気にポカラまでドライブで 2
時半ころにポカラについてランチと
なった。勉強会と中間セミナーを夜
にすることにし、夕食代 1 人 750 ル
ピーを渡して夜まで自由行動とした。
3 月 13 日
バスでポカラ周辺の観察。
朝 8 時にバスでホテルを出発し、セ
ティコーラ河原の転石 (G-1)、アルマ
ラの地盤沈下、山岳博物館とその前
バイシャリ村の地すべり災害跡
90
のセティコーラ大岸壁 (G-3/H-1)の第四系ガチョック層とポカラ層、及びそれらと不整合
関係のクンチャ層の大露頭を観察してから、デビスフォールバザールのレストランで飛び
込みのランチをとった。デビスフォール (G-4/H-2)でガチョック層の異常な侵食特徴を観
察の後、バスで平和記念塔直下に行き、調子の悪い学生 1 人をガイドに付き添わせてバス
でホテルに帰し、ほかは全員 20 分ほどの登りで平和記念塔丘の頂上に登った (G-6/H-3)。
残念ながらアンナプルナ連峰は雲の中だったが、フェワ湖とポカラの街が良く見えた。丘
の北側の急斜面を 40 分ほど下ってフェワ湖畔に着き、ボート 1 人 350 ルピーで湖を渡っ
てホテル帰着は5時頃だった。勉強会のあと全員で中華レストランランフォアで夕食とな
った。久しぶりのダルバート以外のご馳走にみな大はしゃぎだった。
山岳博物館前のセティコーラの大岩壁
デビスフォールの特徴的な侵食作用
3月14日
山岳博物館の地質展示セクション見学の学生達
フェワ湖をボートで渡る
バスでポカラからルンビニへ。早朝ポカラを出てポカラ盆地南の Kubinde
Bynyan の峠を越え、アディコーラ流域に入る。Gothin 東の道路崖でファグフォーグコー
ツアイトのリップルマーク大露頭に感動、その後再びアディコーラ左岸のテラスと山腹を、
延々と続くシッダルタハイウエイを4時間のドライブで Garyan Bazaar の峠を越えてカ
リガンダキ河畔のラムディバザールに12時着。ここの河原でリズマイト露頭とストロマ
91
トライト転石を観察し、サンプル採集し
た。
河をわたって左岸斜面のラムディコ
ーラに沿って 10 km ほど登って Alya
Bhanjan の峠(1079m)を超えてティナ
ウ川流域に入った。高原の緩急の山腹道
を 10kmほどのドライブでタンセン着 2
時頃。駐車場から雨のなかを 10 分ほど
歩いて結構高級なナングロレストランに
着き、美味しいダルバートランチ。ラン
リズマイトとストロマトライトを観察
チのあと、駐車場でタンセン層群と低ヒ
マラヤ変堆積岩類の分布と、パルパクリッペを望見した。
再びバスでティナウ川沿いの長いドライブでドウンムリ橋を越えて 1 km ほど、道路沿
いの小露頭でタンセン層群シスネ層のダイヤミクタイトを観察・採集した。岩質を見ると
あまりそれらしくはないが、ここを研究した酒井氏はたくさんよい露頭を見て確認した筈
と学生達に説明した。再び低ヒマラヤ層群の大岩壁の間を縫って約 4 km ケラバリ村の南
ハジルコーラ合流の 1kmほど西で、道路右の小谷からハジルコーラへと延びる主境界衝
上断層(MBT)を観察した。さらに 10 km ほど大岩壁を縫って走り、ブトワールの北1 km
のチディヤコーラ寺院でシワリーク層群上部層の砂岩・泥岩互層を観察した。
ブトワールではようやく平坦になった周りに安心しつつテライ平原上のマヘンドラハ
イウエイを西へ数キロ走り、広い公園でバスを降りてシワリーク山脈とテライを分ける主
前縁衝上断層地形を観察した。夕暮れの
道をブトワール~バイラワを通過し、ル
ンビニヴィレッジロッジ着 8 時過ぎ、す
ぐにホテルでダルバート夕食と勉強会
を終えたのは 10 時頃だった。
3 月 15 日
バスでルンビニからカトマ
ンズへ。宿舎を 5 時半に出てマヤデヴィ
寺の門に 6 時前に到着した。6 時から発
売という入場券売り場は 6 時を過ぎても
早朝のマヤデヴィ寺院で神妙に・・・
担当者が来ず、門番と散々交渉の末、入
92
場券を後で購入して渡すということにし入場できた。30 分間駆け足見学の後、すぐにバス
に乗り込んで出発。バスの中では、テライ平原を、はるかにシワリーク山脈を見つつ、MFT
を、あるいは時折道路を横切る川の砂利層や泥層をからテライ平原の堆積過程を講義した。
途中のレストランで簡単な朝食をとった。ナラヤンガート~ムグリン間の道路は震災復
旧工事のために 11 時から 3 時の間通行止めとの情報があったので 10 時半にナラヤンガー
トを通過し、MBT の見学はバスの窓から見学、ムグリンでプリティビハイウエイに入った
のは 12 時だった。トリスリ河畔のきれいなレストランで遅いビュッフェランチ、カトマン
ズに着いたのは 5 時頃だった。夕食は再び各自に 750 ルピーを渡して自由にさせたので学
生達は三々五々に街へ。8 時からは勉強会、学生 2 人は腹の調子が悪く、外出もできず勉
強会にも出席できなかった。
3 月 16 日
報告会と市内見学。午前中はトリブバン大学で報告会。トリブバン大学生と
教員の参加は授業のため少なかった。学生達はメモを手になかなか上手に英語発表ができ
た。午後はトリブバン大学生たちも集まり、3 グループに分かれてランチと市内見学へ。
各グループに 2000 ルピーづつ渡した。しかし、昨年と違ってどのグループも不足気味だっ
たようで、残額の返金はなかった。夜はトリブバン大学の教員 4 人と AAT 社長のタパ氏を
招待してタメルの桃太郎でお別れの食事会。皆大いに楽しんだ。
ノートを手に英語で発表する学生達
3 月 17 日
予定通りカトマンズ発 14 時 20 分、昆明空港で仮泊して羽田組、成田・名
古屋組、関空組それぞれに上海経由で帰国した。昆明では学生 1 人が体温が高いというこ
とで中国検疫に引っかかり、1 時間ほど遅れて釈放された。また昆明到着後に高熱が出た
93
桃太郎でのお別れ晩餐会
学生は上海出発時には熱も下がり、関空の検疫では問題なく通過できた。筆者はデング
熱などを疑ったが、その後の経過は問題ないとの報告を受けた。
引用文献
Yoshida, M. and Upreti, B.N., 2014, Geology and Natural Hazards along the
Kaligandaki Valley, Nepal. Guidebook for Himalayan Trekkers Ser. 1, Provisional
Second Edition. Field Science Publishers, Hashimoto, 143 pages.
94
Landform in Kagbeni - Muktinath area, Mustang, Western Nepal
-Report on 5th Japanese- Nepali student field excursion along Kaligandaki Valley, March
2016-
Mukunda Raj Paudel
Dept. of Geology, Trichandra Campus
Gmail: [email protected]
Introduction
The geological field excursion was organized by the Gondwana Institute for Geology and
Environment, Japan in collaboration with the Department of Geology, Tribhuvan University,
Trichandra Campus. Objectives of this field excursion was to fulfill the understanding of geology,
evolution, and natural hazards of the Himalaya. For this purpose Kaligandaki section was selected.
Field excursion started from 7th and ended 17th March 2016. Total 9 days were spent in the field
excursion and one day for seminar in Kathmandu. During this time 13 Japanese students from
different universities and two students from the Department of Geology, Tri-Chandra Campus,
Nepal. Prof. Dr. M. Yoshida, from Japan and I were participated in the field trip.
This field excursion covers from Indo-Gangetic Plain to Tethys Himalaya. Among this
route flat land of the Indo-Gangetic Plain (composed of recent fluvial sediments, 100-300m above
sea level), Siwaliks (sedimentary rocks originated during Middle Miocene to Early Pleistocene,
300-1,300 m), Lesser Himalaya (sedimentary to low-grade metamorphic rocks, 1,300-3,300 m, PreCambrian to Early Miocene age), Higher Himalaya (high-grade metamorphic rock, 3,000-6,000 m,
Pre-Cambrian age), and Tethys Himalaya (4,000-5,000 m, Cambrian to upper Cretaceous) can be
seen. HFT, MBT, MCT, STDS that separated different tectonic units of the Himalaya were clearly
observed during this field trip. Paleolake sediments in Kagbeni to Jomsom, past glacier sediments as
well as various types of sedimentary environmental records were clearly observed during this field
trip. Hence, in this report I discuss about the landform development along the Kagbeni-Muktinath
area.
Geomorphologically, geologically as well as social and culturally the Kagbeni-Muktinath
area in the western Nepal has been historically very important. The Muktinath-Kagbeni area lies
within the Tibetian Tethys Himalayan zone. Himalaya range (2400 km long) experienced many
crustal movement of the earth since Miocene time (before 25 Ma). During Quaternary such types of
movement was very pronounced in different area of the Himalayan ranges. The Kaligandaki valley
in western Nepal is the best place to study the tectonic history of the Himalaya during this period.
Along the Kaligandaki from Beni to Kagbeni route, many types of rocks of the Higher, Tethys and
Lesser Himalayan zones are well exposed. Geomorphology is another aspect of tectonics which
indicates the paleotectonic history of that region. Different types of landform developed within this
area have many hidden clues about the geological history of the Himalayan region. Landform of this
area is very important because this area is located above 2900m. Such higher elevated area has
good records of glaciation. On the other hand, the Kaligandaki River is very old and historic river of
the Himalayan range. The Himalayan upheaval history and evolution of the Kaligandaki River were
contemporaneous history.
General Geomorphology and Geology
Kaligandaki is the main river of this area which is antecedent river (river older than rising
mountain range) flowing north to south. The basin originated by this river is called Mustang basin
95
and maximum altitude is more than 3900m. In the Kagbeni region Kaligandaki made very wide
flood plain and braided type of channel. The Muktinath basin is a small tributary basin located to
the east of Kagbani. Small tributary flowing near the Muktinath jointed to the Kaligandaki at
Kagbeni is Jhon khola. Holy Muktinath temple is situated at nearly 3900m altitude while Kagbeni is
lower by nearly 1000m than Muktinath. Many Hindu pilgrims and tourists are gathered in both
places. On the basis of geological survey this area shows various kind of landform.
The geology of the whole Thakkhola region was well studied by various authors [1 to 9].
Tethys sedimentary sequence and very recent lacustrine deposits known as Marpha Formation
compose this area. Tethys sediments including Paleozoic and Mesozoic sedimentary rocks cover
most part of this area. Higher Himalayan rocks (different types of gneiss) are further south from
Jomsom. Higher mountain range to the south of this area prevents to flow moisture wind (summer
monsoon wind) toward this area and causes dry region. This means whole this region is in semiarid
environment. Discharge of Kaligandaki is frequently high due to melting of glaciars.
Types and origin of different Landforms
This area shows very complicated geomorphological features of the landform. Various
types of landform such as glacial, fluvial, gravitational are observed within this area. Characteristic
and development of landforms are pointed out under the following headings.
Glacial landform
Recently originated glacial landforms are observed in Muktinath basin and on valley side
slopes between Muktinath and Kagbeni area. Glaciers are distributed in the deep valley bottom or
on the steep mountain slope. Moraines formed by the glaciers from the tributaries are distributed in
both the Kagbeni and Muktinath basins. In this area landslide, debris flow, or glacial avalanches
deposits of the sediments are frequently occurred from Kagbeni to Muktinath. Mass movement
materials and tills are difficult to separate from each others within this area. Large quantity of till is
deposited within the Muktinath basin. Land creeping processes is more active within this area so it
is also difficult to identify moraine due to deformed stage of moraine. South of the Muktinath
temple there is well developed moraine land. Topographical features of the hill facing toward the
Jhon Khola clearly show moraine land (Fig.1).
Most probably very old moraines in Muktinath basin are situated at the foot of the
mountain slopes in the north of the basin. So it shows a slope like landforms. Glacial deposits,
which completely or partially covered slope materials, were observed in some places from
Muktinath to Kagbeni. Glacial sediments including exotic angular gravel, boulders were found on
the mountain slope to the north of Muktinath. Buried till within this area indicates by ridge like
topography near Kagbeni these moraine sediments are covered by lake sediments.
Fluvio-glacial Terraces
Terraces within this area developed due to the action of moraine, fluvial and fan. Texture
and nature of different sediments indicates supply of detritus were more complex process of
glaciation, river and tectonic activity within this area. Three types of terraces are found within this
area along the Jhon Khola (higher terraces, middle terraces and lower terraces, Fig. 2). Most of the
terraces are covered by colluviums or some places they are deformed due to land creeping processes.
Some stratified layers of gravels situated between glacial sediments shows fluvial action due to
melting of glacial. Such types of landform is observed in between Kagbeni to Eklebhatee village
(Fig. 3).
River terraces of the Kaligandaki area have been studied by various authors [3]. Various surfaces of
terraces are clearly observed along the Jhon Khola and Kaligandaki river (Fig.1 and Fig.3). Their
surface has various levels. On the basis of their elevation surface they are group into lower (L),
middle (M) and higher (H) terraces. In some places Kaligandaki terraces extend lower (L), middle
(M) upto the moraine near Muktinath and many remnant of the terraces are distributed along the
96
Fig.1.Different geomorphic features observed on both sides of Jhon Khola flowing from
Muktinath area
Fig.2: Different levels of terraces developed on both sides of Jhon Khola
Jhon Khola in the Muktinath basin. In this area colluvium and landslide materials cover most of the
terraces. Some places from Kagbeni to Muktinath terraces show very fresh morphology and slopes
of their edge form very steep cliffs. Very beautiful cave like structure is observed in the cliff.
97
Fig.3: Fluvial terrace sediments sandwiched between the glacial moraine sediments
Lacustrine landform
Lake deposits in the Kaligandaki region was first described by Fort [4]. This deposits is
called the Marpha Formation by various authors. The type locality of the Marpha Formation is the
western cliff backside of the Marpha village. This formation is more than 300m thick along
Kaligandaki river. Semi-consolidated yellowish–white clay and silt layers, and unconsolidated
yellowish –white and bluish gray sand layer composes the Formation. All layers show horizontal
stratification. In some places the Marpha Formation extends upto middle terraces and it was traced
upstream as far as the north of Kagbeni along Kaligandaki. North of Kagbeni this lacustrine
landform developed above the Tethys Sedimentary Sequence.
Gravitational landform
In some places between Muktinath and Kagbeni village, rock slide, debris flow, and other
landslide related landforms are developed. Geomorphic features and materials indicate landslide is
mainly caused by gradual melting of ice and percolate water beneath the moraine surface. Long and
short cracks were created at the beginning stage, than slope forming materals were moving down.
The Kagbeni village is located above the debris flow (Fig.4). These debris flow materials were
carried by both Kaligandaki and Jhon Khola flowing from east near the Muktinath temple. Old
moraine landforms cover by Rockslide materials develops the basement of the Muktinath temple
and surrounding area. Very big boulders size materials were deposited at the slope near the
Muktinath temple. Most probable causes of the origin of these boulders were due to physical
erosion (freezing and thawing process). Other types of rock slide are also dominated in the left bank
of Kaligandaki near Kagbeni Village. Some old terraces along the Jhon Khola are sliding down and
make steep outcrop.
Discussion
Tectonic movement including upheaval and depression was more active before the Late
Pliocene- Early Pleistocene, certain region of the Himalayan range stretching in east-west direction
in the northern belt close to Indus-Tsangpo Suture zone. During this period the tectonic movement
occurred in north-south direction in the middle zone. The Thakkhola graben is an example of the
98
Fig.4: Very big debris flow materials exposed on the confluence of the Kaligandaki river and Jhon Khola.
The Kagbeni village is located above such types of sediments. Very good middle terrace level shown in the
backside of confluence.
movement, which was originated due to E-W stretching. Such types of events also occurred within
the other regions of the Himalayan range and formed N-S trending valleys.
The development of different terraces within this area indicates the effect of the crustal
movement. Due to the rise of the Himalayan range during the Cenozoic time the Thakkhola–
Mustang Graben started to appear in this region. Gradually the Kaligandaki valley was formed. The
Kaligandaki river started to down cut after the gradual rise of the Himalayan range and made wide
valleys and gorges toward the downstream side. Since the origin of this Kaligandaki valley various
river terraces of various height were formed and ultimately such terraces were deformed due to
tectonic and climatic effect within this area.
According to previous authors [5 and 7] the glacial landforms were directly correlated with
the river terraces in several locations from Jomsom to Muktinath (Kuhle, 1982) [8]. According to
Kuhle moraine and terraces within the whole Kaligandaki region are classified into eighteen
chronologic stages. In this articles only field observation data during the geological excursion
within Japanese and Nepal students I proposed three different levels of terraces from Muktinath to
Kagbeni village developed during different geological time along the Jhon Khola. According to
Yoshida et al (1984) [9] lacustrine landform of the Marpha Formation formed during the Brunches
normal epoch. During this period most probably the Kaligandaki river was dammed due to very big
debris flows by the glacial melting in the upstream side of Kaligandaki and Jhon Khola. Gradually
Paleo-lake extended upto Kagbeni and further north. Debris flow and landslide materials, which are
intercalated within the terraces and moraine, indicate it was contemporaneous events.
Conclusion
Three different levels of terraces within this area is well observed along Jhon Khola from
Kagbeni to Muktinath. These terraces were formed by the activity of down cutting of Kaligandaki
and its tributary Jhon khola. Down cutting process was accelerated by the tectonic and climatic
change within this area. The Muktinath temple area is located within the moraine and rockslide
terrain. The rock sliding was controlled by the physical weathering known as freezing and thawing
of the slope forming basement rocks. In some places complex types of geomorphological terrain are
99
developed in between the Kagbeni and Muktinath. Such places are geomorphologically very
complex such as old moraine covered by fan types of the materials as well as by landslide.
Paleolacustrine sediments known as the Marpha Formation is overlaying on the Tethys sediments
(basement rocks) or terraces or moraine sediments. Very beautiful large numbers of small caves
were developed on the edge cliff of terraces along the Jhon Khola. The process of erosion most
probably formed such types of caves. The Kagbeni village is located on the large debris flow
material as well as recent terraces of the Kaligandaki river.
Acknowledgement
I would like to thank to Prof. Dr. M. Yoshida, Gondawana Institute for Geology and Environment,
Japan who organized the geoexcursion and included me as a teacher. I also give my deep gratitude
to Mr. Madan Ratna Manandhar Head, Dept. of Geology, Trichandra Campus and Prof. Dr. T. N.
Bhattarai of the same department who selected me for this program.
References
[1] Hagen, T. (1968) Report on the Geological Survey of Nepal. Vol.2, Geology of Thhakkhola.
Memoires de la Societe helvetique des Sciences Naturelles,86, 1-160.
[2] Bordet, P, Colchen, M., Krummenacher, D., Le Fort, P., Mouterde, R., and Remy, M. (1971)
Recherches Geologiques dans Himalaya du Nepal, Region de la Thakhola. Ed.du C.N.R.S., paris,
279p.
[3] Fort,M. (1976). Quaternary deposits of the middle Kali Gandaki Valley , central Nepal.
Himalayan Geology, 6, 499-507.
[4] Fort, M., Bossoullet, J.P., Colchen, M., and Freytet, P. (1981). Sedimentological and structural
evolution on Thhakkhola –Mustang graben (Nepal Himalaya) during late Neogene and Pleistocene.
Neogene/Quaternary boundary Field Confevence, India , 1979, proceeding ,25-35.
[5] Fort, M., Freytet, P., Colchen, M., (1982). Structural and sedimentological evolution of the
Thakkhola-Mustang Graben (Nepal Himalaya) Z. geomorph.N.F.suppl.Bd.42,75-98.
[6] Yoshida, M. and Upreti B.N. (2014), Guidebook for Himalayan Trekkers, Series No.1, Geology
and Natural Hazards along the Kaligandaki Valley, Nepal. Provisional Second Edition. Field
Science Publishers, Hashimoto, 138p.
[7] Iwata, S., Yamanaka, H., and Yoshida, M. (1982). Glacial landforms and river terraces in the
Thhakhola region, Central Nepal, Journal of Nepal Geol. Soc.2 Special Issue, 81-94.
[8] Kuhle, M. (1982) Der Dhaulagiri-und Annapurna-Himalaya: Ein beitrag zur Geomorphologie
extremer Hochgebirge. Z. Geomorph.N.F.Suppl.-Bd,41,1-229.
[9] Yoshida, M., Igarashi, Y., Arita, K., Hayashi, D., and Sharma, T. (1984). Magnetostratigraphic
and pollen analytic studies of the Nepal Himalaya. Jour. Nepal Geol., Soc. 4 Special Issue, ---p.
100
資料 (Reference Data)
1.
103
第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアー実施要綱・・・・・・・・・・・・・・
2.
111
第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者募集ビラ・・・・・・・・・・・
3.
112
国内団体・個人等への協力お願い等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4.
117
実習ツアー参加者への連絡記録(抄)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5.
現地旅行社との交渉記録(抄)・・・・・・・・・・・・・・・・・ 142
6.
157
ネパール 2015 年大震災への対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・
101
102
資料1
第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアー実施要項
(2016年 3 月上旬実施予定)
ネパールのほぼ中央部、ポカラの町の北にアンナプルナとダウラギリという2つの
8000米峰があります。この両峯の間を穿つ世界一深いカリガンダキ河に沿って歩くと、美
しい山と渓谷、見事な地質、地形、気候、植物相がドラマティックに変化します。カリガ
ンダキ河は、ヒマラヤの自然環境、地質構造、自然災害を学ぶ世界最高の野外実習コース
です。地質的には、ガンジス平原から亜ヒマラヤ、低ヒマラヤ、高ヒマラヤを横断してテ
チスヒマラヤまで、ヒマラヤ造山帯構成のすべての地質帯とそれらの境界の巨大断層を観
察できます。本実習では、この素晴らしいコースを9日間ほどかけて観察します(試料1,
2)。
野外実習の1チームは20 人程度以内とし、ヒマラヤ地学や野外地質学に造詣の深い日
本とトリブバン大学の現役あるいは退職の教員2-3名が同行し、実習指導を行ないます。
本実習ツアーについては、2010 年~2013 年実施のアンケートで島根大学や山形大学など
17 大学(資料5)の教室・学科から単位振替が可能、あるいは検討中等の回答を頂きまし
た。実施計画の概要は下記の通りです。
なお、第 1 回から第4 回までの本実習ツアーは2012 年から2015年にかけて毎年実施
され、参加者の好評を得て無事終了しました。実施報告は日本地質学会NEWS(15 巻5 号,
18巻5号など)やネット(下記)でご参照頂けます。また、参加者による参加報告も同NE
WSで発表されました(15 巻9 号など)。さらに、全参加者のレポートなどを収録した詳
しい実施報告書は毎年発行、市販(第1 回は冊子体およびE-book、第2 回以降はE-book の
み)されており、ネット(下記Data Box のURL)でも公表しましたのでご参照下さい。
http://www.geocities.jp/gondwanainst/geotours/Studentfieldex_index.htm
実施時期、コースと日程: 2016 年3 月4日に出発して18日に帰国、出国から帰国まで15 日
間で、内訳は9日間がカリガンダキ河等の野外実習(カトマンズ~ポカラ~ムクチナート~
ポカラ~タンセン~ルンビニ~カトマンズ)、3日間はトリブバン大学の教員・学生らと
合同でセミナー、報告討論会とカトマンズ及び周辺地域の見学(添付資料1,2)、空路
往復が3日間。
参加募集対象者:全国の地学、災害地質、自然環境等に関係する学科・専攻科の学生・大
学院生を優先するが、学生の指導教員、関係企業の新人技術者や指導上司、及び高校生や
中学・高校の理科担当教員も受け入れます。
参加申込みと参加費の支払い:参加申込み開始は2015 年6月10 日、締め切りは2015年11
月末日。申込者数が20 人に達した後は、キャンセル待ちとなります。参加登録は事業主体
が参加者から参加申込金を受領し、受領書を発行した時点で確定する。申込金(暫定参加
費の50%)は申込み時、参加費残額(暫定参加費総額の50%)は2015 年11月末日。ツア
ー終了後に残金が出れば返還します。なお、参加者は 2016 年3 月7日現在で6 ヶ月間有
効なパスポートを所持していること、野外実習ツアーに参加できる良好な健康状態である
ことおよび海外旅行障害保険(参加費用の項目参照)に加入することが義務付けられる。
申込金及び暫定参加費残額振込は以下の銀行口座にお願いします。
三菱東京 UFJ 銀行 阿部野橋支店、普通預金口座:6601226
口座名義:ゴンドワナ地質環境研究所 代表 吉田勝
最小実施参加人数:3人以上の参加申し込み者があったときに実施します。定員(20 人)
を超える申し込みがあった場合には先着順とし、もれた人には希望により翌年の優先権を
103
保証します。
指導体制:各ツアーには、ヒマラヤの野外地学と野外地質学に造詣の深い日本及び現地の
大学教員/退職教員ら33人(資料3)の中から適当な2-3人が同行し、引率・指導する。
ツアー終了後参加者には報告レポートを提出して頂く。実習単位振替え可能教室から依頼
があれば、レポートと参加態度について成績評価を行い、所属教室に報告します。
指導内容:具体的な地学関係分野の指導は以下の項目を実施する。なお、参加者各自がヒ
マラヤの自然を体感すること、英語ガイドブックの集中活用によって英語文献への違和感
がなくなることや、現地教員や学生との交流によって国際感覚が高められることなども参
加者にとって大きな収穫となるであろう。
(1)実習事前講義(ツアー第1 日目):トリブバン大学の教員・学生の参加を得て、「ヒ
マラヤ造山帯の生立ち」、「ヒマラヤ造山帯の構成」、「実習コースの地質と自然災
害の特徴」、「野外実習における危険回避対策」の講義と質疑応答。
(2)野外実習内容:「実習コースの主要地質体の認識」、「地質と自然災害を反映する
地形の観察」、「地質露頭の見方と野外における岩石観察の基本」、「断層帯と断層
の観察」、「地すべり、土石流と斜面崩壊の観察」、「氷河関連地形、地質と災害の
観察」、「野外観察の記録(記載)方法の基本」など。
(3)実習ツアー後報告会:トリブバン大学の教員・学生の参加を得て、ツアー参加者全
員による報告と質疑応答。
参加費用:実施主体等の利益及び日本人引率・指導教員の謝金等はゼロとし、参加費用の
軽減を図ります。参加者1 人当り学生、大学院生と生徒は20 万円以内*1 で、20 万円を
暫定参加費とします。その他の個人参加者は25 万円以内(暫定参加費25 万円)、大学・
企業などによる公費・社費派遣者は30 万円以内(暫定参加費30 万円)とします。参加費
は国際フライト、オイルチャージ、VISA 取得など海外旅行諸経費および手続き料、ネパー
ル国内交通費、ネパール国内宿泊費、食費、野外巡検経費一切(宿舎費、食費、野外での
必要最低限の間飲食経費、専用車チャーター料、ガイド、ポーター雇用経費、準備経費、
実習指導者らの参加経費、実習テキスト)を含みます。なお、9 月~10 月初旬頃までに参
加登録した人の参加費は遅い参加登録者より参加費がかなり安価になる可能性があります。
参加費用に含まれないもの:パスポート取得経費、海外旅行傷害保険料、嗜好品、嗜好飲
料、土産代、持病薬。なお、現地での疾病や怪我治療経費は各自の海外旅行傷害保険でカ
バーされますが、保険金が出るまでの間は本人、ご家族あるいは事業主体が立て替えるこ
とになります。参加者には自己責任で海外旅行障害保険への加入が求められます。これに
は安価で確実なクレジットカード付帯保険も推奨です。
旅行中の宿舎など:参加費用圧縮のため、宿舎は簡素清潔をモットーとし、ゲストハウスや
3 星以下の経済的ホテルで、2 人1室、現地の食事を基本とする。シャワー・トイレは部
屋に付属している場合と、共用の場合があり、山岳地帯ではシャワーが利用し難い場合が
普通となる。
プログラムの計画・実施に関する責任の所在と範囲:本プログラムは日本側実施主体が統
括する。プログラムの実施と事後のすべての責任は日本側実施主体であるゴンドワナ地質
環境研究所が負う。実習ツアー実施期間中は、実施主体の依託を受けて日本人指導教員1 人
がツアーリーダーとなり、ツアーを統括する。ツアーリーダーはツアーの円滑・安全な実
施のため、最善の努力をする義務を負う。他の指導教員らは、ツアーサブリーダーとして
リーダーを補佐する。ツアーリーダーが役割を実行できない状況になったときはサブリー
ダーの1 人がリーダーの役割を代行する。
現地旅行社は、ネパール国内におけるツアーの円滑・安全な実施の責任を分担する。同旅
行社は、同社所属のツアーガイドをツアーに同行させることができる。その場合は同ツア
ーガイドにツアープログラムの円滑・安全な運行責任の役割を委託する。ツアーガイドは
ツアーリーダーを補佐する役割を負う。ツアーガイドが同行しないときは、ツアーリーダ
104
ーがその役割を分担する。
参加者はツアーの円滑、安全な実施のため、指導教員(ツアーリーダー及びサブリーダー)
及びツアーガイドの指示に従う義務を負う。指示によらない参加者の行動によって発生し
た事態については、行動者の自己責任を原則とし、指導教員、ツアーガイド及び実施主体
は責任を負わない。
参加者に事故が発生した場合には、指導教員、ガイド及び実施主体は最善の対応を行なう
よう、最大限の努力を行なう。なお、事故発生時対応必要経費や補償は別記の海外旅行傷
害保険の範囲で支払われ、それ以上の補償はされない。
プログラムの経理:実施主体が本実習ツアーに関連して利益を得ることは厳禁する。日本
人指導教員はボランティアであり、給与・謝金等を受領できない。参加費が余った場合は
原則として参加者に全額を返還する(僅少額の場合は参加者の同意を得て次回の同プログ
ラムに繰越金として計上するなどを検討する)。本プログラムに対して外部からの補助金
や寄付金等を受領した場合には、参加学生の参加費用軽減以外の用途には使用できない。
プログラム実施報告:プログラムの日本側実施主体は、ツアー終了後3 ヶ月以内にプログ
ラム実施報告書をまとめ、経理報告を含めて公表し、参加者全員、参加学生の所属教室そ
の他関係機関等に報告すると共にWeb サイトで公開する。
事業実施主体*2:ゴンドワナ地質環境研究所(和歌山県橋本市)がネパール国立トリブバ
ン大学トリチャンドラキャンパス地質学教室(カトマンズ)の協力を得て実施する。
発想・企画・準備:「学生のヒマラヤ野外実習プロジェクト世話人会」が行なっています。
同プロジェクトには、日本のヒマラヤ研究者ら33 人(資料3)が指導教師候補として登録
し、世話人会は吉田勝(代表、ゴンドワナ地質環境研究所・元大阪市立大学理学部教授・
ネパール国立トリブバン大学名誉教授)、在田一則(北海道大学総合博物館・元北海道大
学理学部教授)と酒井哲弥(島根大学総合理工学部准教授)で構成しています。
推薦・後援:関係分野の6学会等(地学団体研究会・国際ゴンドワナ研究連合・ネパール
地質学会・ネパール地すべり学会・日本地質学会・日本応用地質学会)のほか、日本全国
のシニア研究者や関係分野企業役員等38 人(添付資料4)のご推薦を頂いています。さら
に関係学会、団体などにご推薦、後援のお願いを続けています。また、関係企業や省庁、
或いは有志個人からの資金やご援助獲得の努力を行い、参加学生の負担軽減を図ります。
協力:国際航空券手配担当の日本の旅行社(選考中)及び現地の旅行社会社(選考中)。
以上
2015 年4月1 日
学生ヒマラヤ野外実習プロジェクト世話人会
http://www.geocities.jp/gondwanainst/geotours/Studentfieldex_index.htm
和歌山県橋本市柱本 147-2 ゴンドワナ地質環境研究所内
電話/ファックス:0736-36-7789 E-mail: [email protected]
**************************************
学生一人当たりの平均参加費は、2012 年 3 月に実施した第 1 回の野外実習ツアーで
は、158000 円、第 2 回ツアーでは 190000 円、2014 年の第 3 回ツアーでは 134000、
2015 年の第 4 回ツアーでは 167000 円であった。参加費の違いは主に参加者数の違い
によっている。
*2
実施主体の概要
*1
ゴンドワナ地質環境研究所:Gondwana Institute for Geology and Environment(GIGE)の
本部である。GIGEはゴンドワナ超大陸及び現在のゴンドワナ陸片地域研究者の緩い連絡組
織で組織を構成するフェローは 16 カ国の研究者ら約 50 人。世界のゴンドワナ地域 8 カ国 10
都市に支所があり、各支所は自由に活動している。本部は和歌山県橋本にあり、日本では高知
に支所がある。任意団体で、本部の事業は数人から 10 数人の研究者によるボランティアで実
105
施されている。2014 年度に本部が中心となって実施した主な事業は日ネ合同のヒマラヤ野外
実習ツアー、ネパールヒマラヤの地学研究やヒマラヤ野外地学研修ガイドブックの編集・発行
などで、事業費総額は約 680 万円。
ホームページは http://www.geocities.jp/gondwanainst/
トリブバン大学トリチャンドラキャンパス地質学教室 Department of Geology, Tri-Chandra
Campus, Tribhuvan University:ネパール最大、最高の地質学教室で教員 16 人、学部学生約
200 人の規模を持つ。教室創設の 1960 年代から、地元ヒマラヤの地質学研究とヒマラヤでの
学生野外実習に教室をあげてとりくんできている。日本とのつながりは 1970 年代から緊密で
JICA援助による日本人教員の受け入れ、研究設備の整備、教員の留学が継続的に行われて
きた。学位を持つ教員の半数以上は日本で学位を取得しており、教員の半数以上は日本人研究
者との共同研究の経験があり、あるいは現在も実施している。ホームページ は
http://www.geology.edu.np
******************************************************************************
資料1
第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアーの地質概要、コースと日程(丸数字)
第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアーのコースと日程(ベースの地質図はネパール地質鉱山局1981)
MFT:主前縁衝上断層、MBT:主境界衝上断層、MCT:主中央衝上断層、STD:南チベットディタッチメ
ント、赤点線(徒歩)と破線(車)は実習ルート、赤●は宿泊予定地、①~⑫は宿泊日程。
106
資料2
第5回学生ヒマラヤ野外実習ツアーの日程・コース予定等(2015年11月13日改定)
日程
月日
行程、実習内容等
1日目
3月4日 日本各地発 (関空発16:50、MU748) 上海で合流、 上海発21:00(MU748) 昆明着24:40 (空港泊)
2日目
3月5日 昆明発14:25(MU757) カトマンズ着15:15(カトマンズ泊)
3日目
3月6日 トリブバン大学地質学教室で同大学の教員・学生と合同で野外実習事前学習会及びトリブバン大学生らとの交流(合
同でカトマンズ市内見学)(カトマンズ泊)。
4日目
3月7日 カトマンズ-(チャーターバス)-ポカラ(泊)。カトマンズーポカラ間の地質と地学景観観察。
5日目
3月8日 ポカラ-(貸切バス・ジープ)-ジョムソン(泊) 途中洪水堆積物、低ヒマラヤ帯と高ヒマラヤ帯の観察。
6日目
3月9日 ジョムソン発-(貸切ジープ)-ムクチナート-(歩)-カグベニ着(泊)。氷河地形、古ファン・デルタ地形、第四紀湖成
層、テチス層群の観察と化石採集。
7日目
3月10日 カグベニ-(歩・貸切ジープ)-ジョムソン-(歩・貸切ジープ)-カロパニ(泊) テチス層群と褶曲構造、段丘、第四紀
湖成層
8日目
3月11日 カロパニ(歩・貸切バス)-タトパニ(泊) テチス層群下部層とその変成作用、第四紀の氷河・河川堆積層・湖成層・河
川堆積物、南チベットディタッチメント(STDS)、高ヒマラヤ片麻岩、主中央衝上断層(MCT)、低ヒマラヤ変堆積岩類の
観察。
9日目
3月12日 タトパニ-(貸切バス)-ポカラ(泊)。堰止湖災害と関連崩積、低ヒマラヤ変堆積岩類、洪水堆積物の観察。ポカラ宿舎
で中間学習会。
10日目 3月13日 ポカラ周辺の地質と自然災害観察(貸切バス)。地盤沈下災害、地すべり地形、土石流堆積物、低ヒマラヤ変堆積岩
類、山岳博物館。ポカラ泊。
11日目 3月14日 ポカラ-(貸切バス)-タンセン-ルンビニ(泊)。低ヒマラヤ変堆積岩類、タンセン層群、主境界衝上断層、シワリーク層
群、主ヒマラヤ前縁衝上断層、ガンジス平原と沖積層、道路法面崩壊の観察。
12日目 3月15日 ルンビニ(佛教聖地の見学)-(貸切バス)-カトマンズ(泊)。ガンジス平原、シワリーク層群、主境界衝上断層、低ヒマ
ラヤ変堆積岩類とストロマトライト化石、道路斜面崩壊と対策の観察。
13日目 3月16日 トリブバン大学教員、学生と合同で野外実習の総括討論会及びとりぶばん大学生らと交流会(カトマンズ市周辺の世界
遺産見学)。 カトマンズ泊
14日目 3月17日 午前中は自由時間、カトマンズ発16:05(MU758)、 昆明着21:15(空港泊)
15日目 3月18日 昆明発7:40、上海着10:30、日本各地へ(関空着15:40 成田着20:55)
★ ムクチナート~カグベニ~タトパニ間は貸切バスかジープが付き添う。
★ 昆明空港の宿泊は空港内の仮眠、安息室のリラクゼーションベッドを利用できるであろう。
★ 宿泊は男女別2人~6人相室、トイレ・シャワーは共同の場合と部屋に設置されている場合がある。街のホテルは2人室トイレシャワー付が普通。
★ 1人~2人室トイレ・シャワー付きの部屋希望は事情により、費用別で可能。1泊500円(山岳地帯)~2000円(街)以内
★ 山岳地帯での温水シャワーは条件がわるく、お勧めできない。
★ 参加者10人以上のときはカトマンズ以外の全行程に現地ガイドが同行する。
★ 全行程を通じて必要最低限の食事、間食、お茶および水などが供給される。
★ 6日目~10日目の5日間のトレッキング用ずだ袋、寝袋やキルティングコートはポカラでレンタル利用(1品1日150円程度)が可能。
107
*******************************************************************************
資料 3
学生のヒマラヤ野外実習プログラム野外実習指導教員候補者名簿(abc順)
氏名
専門
所属等
安間荘
在田一則
朝日克彦
伏見碩二
長谷川修一
岩田修二
金子慶之
加納隆
木村和雄
丸尾祐治
小野有五
大和田正明
西城 潔
酒井哲弥
志村俊昭
白石和行
高木秀雄
高須晃
高安克己
徳岡隆夫
豊島剛志
渡辺興亜
地質学
地質学
地形学
氷河学
応用地質学
地形学
地質学
地質学
地形学
地質学
氷河学
地質学
地形学
地質学
地質学
地質学
地質学
地質学
地質学
地質学
地質学
氷河学
法地学研究所長
元北海道大学理学部教授・北大総合博物館
信州大学山岳研究所准教授
元滋賀県立大学教授
香川大学工学部教授
立教大学観光学部教授
明星大学教授
山口大学名誉教授
沖縄工業高等専門学校講師
㈱地球システム科学
北海道大学大学院地球環境科学研究院教授
山口大学大学院理工学研究科教授
宮城教育大学
島根大学総合理工学部教授
新潟大学理学部準教授
極地研究所教授
早稲田大学教育・総合科学学術院教授
島根大学総合理工学部教授
島根大学名誉教授
NPO 自然再生センター理事長・島根大学名誉教授
新潟大学理学部教授
総合研究大学院大学名誉教授・国立極地研究所名誉教授
横山宏太郎
氷河学
学非常勤講師
吉田勝
地質学
授・元大阪市立大学
柚原雅樹
地質学
(独)農業・食品産業技術総合研究機構フェロー/立正大
ゴンドワナ地質環境研究所会長・トリブバン大学名誉教
理学部教授
福岡大学理学部地球圏科学科助教授
Dr. Bishal Nath Upreti, Geology, Nepal Academy of Science and Technology.
Samta Man Rai, Geology, Associate Professor, same Department.
Dr. Tara Nidhi Bhattarai, Engineering Geology, Associate Professor, same Department.
Dr. Dinesh Pathak, Engineering geology, Associate Professor, same Department.
Dr. Prakash Das Ulak, Geology, Lecturer, same Department.
Dr. Ananta Prasad Gajurel, Geology, Associate Professor, same Department.
Dr. Ranjan Kumar Dahal, Engineering geology, Lecturer, same Department
Dr. Subodh Dhakal, Engineering geology, Lecturer, same Department.
108
資料4
学生のヒマラヤ野外実習プログラム推薦者・団体等ご芳名(abc順)*
個人ご氏名
安藤久男様
安間荘様 ㈱
有馬眞様
伏見碩二様
波田重熙様
原郁夫様
長谷川修一様
長谷川美行様
廣井美邦様
石賀裕明様
石原舜三様
岩田修二様
蟹沢聡史様
加納隆様
加藤誠様
河原紀夫様
木崎甲子郎様
熊井久雄様
黒田吉益様
三島史朗様
中川康一様
仲井豊様
成瀬廉ニ様
大森昌衛様
小野有五様
酒井治孝
島津光夫様
白石和行様
相馬恒雄様
住吉幸彦様
諏訪兼位様
高木秀雄
高須晃様
高安克己様
竹下徹様
徳岡隆夫様
渡辺興亜様
山田知充様
団体・組織ご芳名
ご所属等
地質コンサルタント
法地学研究所長
横浜国立大学教授
元滋賀県立大学教授
神戸女子大学学長・神戸大学名誉教授
広島大学名誉教授
香川大学教授
新潟大学名誉教授
千葉大学教授
島根大学学教授
産業技術総合研究所特別顧問・元地質調査所長
立教大学観光学部教授
東北大学名誉教授
山口大名誉教授
北海道大学名誉教授
埼玉県 GIS 普及推進研究会理事・元四国航測代表取締役社長
琉球大学名誉教授
大阪市立大学名誉教授
信州大学名誉教授
(故人)三島技術士事務所代表・元応用㈱専務取締役
NPO 地盤・地下水環境NET理事長・大阪市立大学名誉教授
愛知教育大学名誉教授
NPO 法人氷河・雪氷圏環境研究舎・元北海道大学教授
(故人)麻布大学名誉教授
北海道大学教授
京都大学教授
新潟大学名誉教授
国立極地研究所教授
富山大学名誉教授
前セントラルコンサルタント㈱ 会長
名古屋大学名誉教授
早稲田大学教授
島根大学教授
島根大学名誉教授
北海道大学教授
NPO 自然再生センター理事長・島根大学名誉教授
総合研究大学院大学名誉教授・国立極地研究所名誉教授・元国立極地研究所長
NPO 法人雪氷ネットワーク理事長・元北海道大学教授
所在地
地学団体研究会
東京都豊島区
日本地質学会
東京都千代田区
日本応用地質学会
東京都千代田区
International Association for Gondwana Research, Kochi, Japan
Nepal Geological Society, Kathmandu, Nepal
Nepal Landslide Society, Kathmandu, Nepal
_____________________________________
∗
2011年3月5日までにご返事を頂いた皆様です。なお、推薦者、推薦団体は本プログラム実施における事故等につ
いてなんら責任を負うものではありません。
109
資料5
単位振替え可能、あるいは検討すると回答した教室/学科 (2013 年6 月25 日まとめ、
2010 年12 月、2011 年3 月、2012 年7 及び2013 年6 月実施アンケートへの回答から)
北海道大学理学部地球惑星システム科学科
単位振替を検討する
弘前大学理工学部地球環境学科
内容によっては単位振替を検討する
秋田大学工学資源学研究科,地球資源学科
単位振替を検討する
山形大学理学部地球環境学科
単位を与える
茨城大学理学部理学科地球環境コース
来年度の単位認定に向けて検討する
東京大学理学部地球惑星科学教室
単位振替を検討中
横浜国立大学教育人間科学部地球環境学課程
単位振替を検討する
金沢大学自然システム学類地球科学コース
単位振替を検討する
三重大学教育学部理科教育講座
単位振替を検討する
岡山大学理学部地球科学科
単位振替を検討する
島根大学理工学部地球資源環境学科
単位振替可能
広島大学理学部地球惑星システム学教室
単位振替可
山口大学理学部地球圏システム科学科
単位振替可
香川大学工学部安全システム建設工学教室
単位振替について検討可能
香川大学教育学部地学教室
単位振替を検討する
琉球大学理学部物質地球科学教室
単位振替を考慮する
トリブバン大学トリチャンドラキャンパス地質学
単位振替を検討する
教室
110
資料2
カリガンダキ河の上に聳えるダウラギリ-ルワチャル連峰
第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアー
参加者募集
- 2016年3月、15 日間で20万円以内 -
(地学団体研究会・国際ゴンドワナ研究連合・ネパール地質学会・ネパール地すべり学会・
日本地質学会・日本応用地質学会推薦)
造山帯の真髄をヒマラヤで勉強する!
ヒマラヤ地学や野外地質学に造詣の深い日本全国の大学教員、元教員や技術者ら(30 人が指導・引率者として登録)がボランティアで、日本の学生に素
晴らしいヒマラヤの地学と自然環境を実地で実習指導します。航空運賃、宿泊費、食費、現地ガイドやポーター等の必要経費一切込みで参加費学生 1 人
20 万円以内を目指す、実施主体の利益なし完全ボランティアのプログラムです。詳細は別紙 「第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアー実施要項」 をご覧
下さい。島根大学や山形大学など、17 教室・学科(実施要項に記載)では参加学生に対して実習単位の付与が可能になり、或いはその方向を検討中です。
なお、本実習ツアーには中・高校教員、関係分野企業の新人社員等のほか、一般市民もご参加頂けます。本実習ツアーの第 1 回目は 2012 年 3 月に実施
され、以後毎年3月に実施しています。実施報告は日本地質学会NEWS(18 巻 5 号ほか)やネット(下記)でもご覧頂けます。ネットでは、参加者の
報告文を含めた報告書(電子版 4 冊)も閲覧頂けます。
https://www.data-box.jp/pdir/66fee6c5e7a94f34826cf6a6f5bbaad2
お問合せ・参加お申込み
参加ご希望、あるいはご興味の方は、下記世話人会メンバーのいずれかにご連絡、お問合せ下さい。なお、世話人らは国内外の出張業務など多用のため、
ご返事が遅れる場合があることをお含みおき下さい。参加お申込みは吉田勝宛にお願いします。
1.ゴンドワナ地質環境研究所 吉田勝 E-mail: [email protected] Tel: 0736-36-7789
2.北大総合博物館 在田一則 E-mail: [email protected] Tel: 011-706-2724
3.島根大学総合理工学部 酒井哲弥 E-mail: [email protected] Tel: 0852-32-6464
なお、単位振替えが可能な教室・学科等での単位取得手続き等については、教室・学科等の担当教員等にお問い合わせ下さい。
2015 年ネパール大震災に関して
今年 4 月~5 月のネパール地震は、カトマンズを含むネパール中部に大きな被害をもたらしました。私たちは実習ツアー実施の可否に関してネパール側
と慎重な協議を行いましたが、いまネパール旅行者が減らないことが、ネパールの立ち直りに通じるとの理解信に至りました。なお、ツアーではその地
震災害の跡を観察することができるでしょう。
実施概要(詳しくは上記 URL で実施要綱をご参照下さい)
<参加申込み受付開始>2015 年 6 月 10 日 <締切り> 2015 年 11 月末日。
<実習実施時期> 2016 年 3 月 4 日~18 日、出国から帰国まで 15 日間。
<参加費用> 学生・大学院生:約 20 万円以内(暫定参加費 20 万円)、その他の個人参加者:約 25 万円以内、大学・企業などの組織派遣教員/社員:
約 30 万円以内。参加申込は吉田勝宛て、申込金(暫定参加費の 50%)は申込み時、参加費残額は 2015 年 11月末日まで。ツアー終了後に残金が出れ
ば返還する。お振込は下記の銀行口座にお願いします。
三菱東京 UFJ 銀行 阿部野橋支店、普通預金口座:6601226、口座名義:ゴンドワナ地質環境研究所
代表
吉田勝
今後の予定
出発日、参加費の概算や詳しい旅行条件等は目下旅行社と交渉中のことも含めて、 2015 年 12 月中旬ころにはある程度確定する予定です。ご関心の
皆様には、決まり次第随時お知らせしますので、当方にあらかじめ連絡先をご登録下さい。
学生のヒマラヤ野外実習プロジェクト世話人会
代表 吉田 勝
2015 年6月 10 日(11 月 13 日改定)
111
資料3 国内団体・個人
への協力お願い等
2015 年 6 月 12 日
「ヒマラヤ造山帯大横断 2015」(電子冊子)発行のご案内と第 5 回実習
ツアー参加者募集開始のお知らせとお願い
学生のヒマラヤ野外実習プログラム
実習ツアー指導教員登録者の皆さま
「ヒマラヤ造山帯大横断 2015」の発行
今年 3 月に実施された第4回学生のヒマラヤ野外実習ツアーは無事終了しましたが、この度その報告
書(E-book、191 頁)を発行しましたのでご案内させて頂きます。下記の URL でダウンロードして
いただけますのでご笑覧下さい。
下記の URL は、学生ヒマラヤプログラム一般のサイト(Student Himalaya General)で、第 1 回
から第4回までの各回の実習ツアー報告書(E-book)4冊及び、第5回実習ツアー
ラと実施要項をアップロードしています。この URL により、皆さまには
参加者募集ビ
いつでもこのサイト
のファイルをご自由に閲覧、ダウンロードして頂けます。
https://www.data-box.jp/pdir/66fee6c5e7a94f34826cf6a6f5bbaad2
第5回実習ツアー参加者募集開始
当初数年間は続けようとしてきた本プログラムですが、過去4回行われた実習ツアーの経験から、こ
の実習ツアーは参加者、引率者それぞれに当初の期待以上に大きいポジティブな影響を与えることが
わかりました。このことから本プロジェクトとしては、このヒマラヤ実習プログラムをさらに数年間
は継続実施して行くことにいたしました。
第5回実習ツアーの時期は来年 3 月上旬、内容は従来と殆ど同様ですが、ツアーハイライトのカリガ
ンダキ河の見学に余裕を持つため、1 日多くしました。上記インターネットサイトに実施要項と参加
者募集ビラをアップロードしましたので、ご参照下さい。参加者募集ビラには上記の URL も記載し
てあり、ビラを閲覧した人は、学生ヒマラヤプログラム一般のサイトを閲覧し、本実習プログラムの
詳しい内容、これまでの記録や参加者のいきいきとした報告を見ることができます。まわりの方に本
プログラムをご宣伝下さるときには、ぜひこの参加者募集ビラをご利用下さい。
第5回実習ツアー引率・指導者応募のお願い
過去4回の実習ツアーの引率指導については応募者がなく、吉田が引き受けて参りました。いろいろ
と貴重なノウハウがわかり、将来の実習ツアーはかなりやり易くなってきました。
第5回は是非どなたかにお願いしたく、可能と思われる方、検討してみたい方は世話人のいずれかに
ご相談下さい。なお、どなたかにツアー指導・引率をお願いする場合でも、ご希望によっては吉田が
ツアーの一部あるいは全部に同行してお手伝いをさせて頂くことが可能です。
以上、何分ともよろしくお願いします。
暑い夏が近づいてきました。皆さまのご健康と一層のご活躍を願っております。
学生のヒマラヤ野外実習プロジェクト世話人会
吉田勝(代表)、在田一則、酒井哲弥
112
2015 年7月8日
・・・・・大学
・・・・・学部
・・・・教室御中
「ヒマラヤ造山帯大横断 2015」(電子冊子)発行のご案内と第 5 回実習ツアー
参加者募集開始のお知らせとお願い
「ヒマラヤ造山帯大横断 2015」の発行
今年 3 月に実施された第4回学生のヒマラヤ野外実習ツアーは無事終了しました。この度
その報告書(E-book、191 頁)を発行しましたのでご案内させて頂きます。下記の URL でダ
ウンロードして頂けますのでご笑覧下さい。
下記の URL は、学生のヒマラヤ野外実習プログラムの一般サイト( Student Himalaya
General)で、第 1 回から第4回までの各回の実習ツアー報告書(E-book)4冊及び、第5
回実習ツアー参加者募集ビラと実施要項をアップロードしています。この URL により、皆
さまにはこのサイトのファイルをご自由に閲覧、ダウンロードして頂けます。
https://www.data-box.jp/pdir/66fee6c5e7a94f34826cf6a6f5bbaad2
なお、本プログラムの概要に関する別冊 2 部、第 4 回実習ツアーの概要報告と第 5 回実習
ツアーの参加者募集ビラを同封、お送りさせて頂きましたので収査下さい。
第5回実習ツアー参加者募集開始
第5回実習ツアーの時期は来年 3 月上旬、内容は従来と殆ど同様ですが、ツアーハイライ
トのカリガンダキ河の見学に余裕を持つため、1 日多くしました。上記インターネットサイ
トの実施要項と参加者募集ビラをご参照下さい。
貴教室学生への第5回実習ツアー情宣のお願い
本プログラムは、上記のように過去 4 回の実習ツアー参加者(総計 62 人)の殆ど全員に高
い評価を受け、地学と野外地学の勉学意欲の高揚、国際性の向上と英語への親近感の増進
など、大きくポジティブな影響を与えています。しかし残念ながら、本実習ツアーへの個
人学生の自発的参加者は過去4回のツアーを通じて 12 大学からの合計 18 人に止まってい
ます。貴教室学生に是非この実習ツアーを知って頂きたく、教室掲示版等での参加者募集
ビラの掲示や、ご所属の学生・教員らへのメール配信など、よろしくお願いします。参加
者募集ビラには上記の URL も記載してあり、ビラを閲覧した学生は、本実習プログラムの
詳しい内容、これまでの記録や参加者のいきいきとした報告を見ることができます。
以上、まことに勝手なお願いで恐縮ですが、何分ともよろしくお願いします。
末筆になりましたが、貴教室のますますのご清栄を願い上げます。
学生のヒマラヤ野外実習プロジェクト
世話人会 吉田勝(代表)、在田一則、酒井哲弥
www.geocities.jp/gondwanainst/geotours/Studentfieldex_index.htm
648-0091 橋本市柱本 147-2 ゴンドワナ地質環境研究所気付
電話・ファックス:0736-36-7789
113
国内推薦団体各位あて 2015 年 7 月 8 日
・・・・・・・・・・・学会様
「ヒマラヤ造山帯大横断 2015」(電子冊子)発行のご案内と第 5 回実習ツアー
参加者募集開始のお知らせとお願い
「ヒマラヤ造山帯大横断 2015」の発行
今年 3 月に実施された第4回学生のヒマラヤ野外実習ツアーは無事終了しました。その概
要報告は今年 5 月の日本地質学会 News に掲載して頂きましたが、この度その報告書
(E-book、191 頁)を発行しましたのでご案内させて頂きます。下記の URL でダウンロ
ードして頂けますのでご笑覧下さい。
下記の URL は、学生のヒマラヤ野外実習プログラムの一般サイト(Student Himalaya
General)で、第 1 回から第4回までの各回の実習ツアー報告書(E-book)4冊及び、第
5回実習ツアー参加者募集ビラと実施要項をアップロードしています。この URL により、
皆さまにはこのサイトのファイルをご自由に閲覧、ダウンロードして頂けます。報告書で
は各回の実習ツアーの詳しい内容や、すべての参加者達のいきいきした報告を見ることが
できます。
https://www.data-box.jp/pdir/66fee6c5e7a94f34826cf6a6f5bbaad2
第5回実習ツアー参加者募集開始のお知らせ
当初数年間は続けようとしてきた本プログラムですが、過去4回行われた実習ツアーの経
験から、この実習ツアーは参加者、引率者それぞれに当初の期待以上に大きいポジティブ
な影響を与えることがわかりました。このことから本プロジェクトとしては、このヒマラ
ヤ野外実習プログラムをさらに数年間は継続実施して行くことにいたしました。
なお、今年 4 月~5 月のネパール地震は、カトマンズを含むネパール中部に大きな被害を
もたらしました。私たちは実習ツアー実施の可否に関してネパール側と慎重な協議を行い
ましたが、いまネパール旅行者が減らないことが、ネパールの立ち直りに通じるとの理解
に至りました。
第 5 回実習ツアーの時期は来年 3 月上旬、内容は従来と殆ど同様ですが、ツアーハイライ
トのカリガンダキ河の見学に余裕を持つため、実習期間を 1 日多くしました。上記インタ
ーネットサイトの実施要項と参加者募集ビラをご参照下さい。毎回学生個人の自発的参加
者が少なく、まだまだ情宣活動が不足していると思われ、今後一層の努力を払っていく所
存です。
学生のヒマラヤ野外実習プログラムご推薦のお願い
上記のように本プログラムは、過去 4 回の実習ツアー参加者の殆ど全員(総計 62 人)に高
い評価を受け、地学と野外地学の勉学に対する意欲の高揚、国際性の向上と英語への親近
感の増進など、大きくポジティブな影響を与えています。本プログラムについて貴会には
2012 年(第 1 回実習ツアー)よりご推薦を頂き、「学生のヒマラヤ野外実習プロジェクト
サイト」で推薦学会名簿に公表させて頂いておりますが、今後とも引き続きご推薦を頂き
たく、よろしくお願いします。
なお、ご推薦を引き続き頂けるときはとくにご連絡を頂く必要はありません。ご推薦を頂
114
けないときには、誠に恐縮ですが下記世話人代表までメール、ファックス、郵便等でご一
報下さいますよう、お願いします。
学生のヒマラヤ野外実習プロジェクト
世話人会 吉田勝(代表)、在田一則、酒井哲弥
www.geocities.jp/gondwanainst/geotours/Studentfieldex_index.htm
648-0091 橋本市柱本 147-2
ゴンドワナ地質環境研究所記付
電話・ファックス:0736-36-7789
********************************************************************************
地学関係教員各位宛て
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者募集開始のお知らせ
・・・・・・様
ごぶさたしておりましたが、お元気にご活躍のこととぞんじます。
常々、学生のヒマラヤ野外実習プログラムへのご支援、ありがとう存じます。
ネパールでは今年 4 月~5 月に地震に見舞われ、カトマンズを含むネパール中部は大きな被
害を受けました。私たちは実習ツアー実施の可否に関してネパール側と慎重な協議を行い
ましたが、いまネパール旅行者が減らないことが、ネパールの立ち直りに通じるとの理解
に至りました。
そこで、第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアーを例年通り、来年 3 月に実施することとな
り、7 月 8 日付で全国 70 の地学関係教室に参加者募集ニュースと情宣のお願い、実習ツア
ーの実施要項と教室掲示用のビラをお送りし、教室学生らへの情宣をお願いしました。貴
方の所属教室にもこのセットをお送りしてありますが、よろしければご指導の学生やご友
人に本実習ツアーへの参加をお勧め下さるよう、お願いします。ご参考までにこれらのフ
ァイルを添付お送りさせていただきました。なお、実施要項やこれまで 4 回の実習ツアー
の詳細な報告書「ヒマラヤ造山帯大横断I~IV」4 冊などは、参加者募集ビラに記載の学
生ヒマラヤサイトからダウンロードできるようになっておりますので、そちらもご参照下
さい。
2015 年 7 月 11日
吉田 勝
添付書類
1.
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツア-参加者募集ビラ
2.
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツア-実施要項
3.
国内地学関係教室あて、第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー情宣お願いと参加者
募集のお知らせ
4.
4 月-5 月のネパール大震災への対応(お知らせ)
115
地学分野の友人各位あて 2015 年 9 月 10 日
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者募集についてのお願い
・・・・・・・・・・様
ごぶさたしておりましたが、お元気にご活躍のこととぞんじます。
常々、学生のヒマラヤ野外実習プログラムへのご支援、ありがとう存じます。
ネパールでは今年 4 月~5 月に地震に見舞われ、カトマンズを含むネパール中部は大きな被
害を受けました。私たちは実習ツアー実施の可否に関してネパール側と慎重な協議を行い
ましたが、いまネパール旅行者が減らないことが、ネパールの立ち直りに通じるとの理解
に至りました。また、現地の旅行社数社からは、私たちのツアーコースに関しては全く問
題ないとの情報が入りました。
そこで、第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアーを例年通り、来年 3 月に実施することとな
り、この 7 月に全国68の地学関係教室に参加者募集ニュース、実習ツアーの実施要項と
教室掲示用のビラをお送りし、教室学生らへの情宣をお願いしました。貴方の所属教室に
もこのセットをお送りしてありますが、よろしければご指導の学生やご友人に、本実習ツ
アーへの参加をお勧め下さるよう、お願いします。また、もし貴教室に学生ヒマラヤ実習
ツアーの参加者募集ビラが掲示されていないようであれば、お手数ですが、ぜひここに添
付お送りする参加者募集ビラをプリントして掲示くださるよう、お願いします。
残念ながら 9 月 10 日現在、参加申し込みは新潟大学と九州大学の学生 2 人だけです。私は
学生参加者 2 人だけでもこの実習ツアーを実施する心づもりをしていますが、できればあ
と数人は参加してほしいと期待しております。
2015 年9月⒑日
吉田 勝
添付書類
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツア-参加者募集ビラ
116
資料4 実習ツアー参加
者への連絡記録(抄)
参加登録と格安航空券の購入開始について
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアーご参加を検討の皆さま
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアーの日程とフライトが決まりましたのでお知らせし
ます。日程は 2016 年 3 月 5 日~3 月 20 日、出国から帰国まで 16 日間で、従来より 1 日、
トレッキングコースの日程を長くとりました。
フライトは中国東方航空に決まりました。すでに参加申込みをした学生一人と私は 7 月
31 日に航空券を購入しました。関空発は 67110 円、福岡発着は 65040 円でした(オイルチ
ャージ込み)
。この価格は遅く購入するほど高くなります。これまでの例では 9 月上旬の購
入者と 11 月下旬の購入者の購入価格は約 16000 円の差がありました。なお、同じフライト
の航空券自体がなくなる可能性が無いとは言えません。キャンセル料金は旅行開始日の 61
日以上前は無料、60 日~31 日前までは 5000 円、15 日前までは 15000 円、3 日前まで 20000
円となっています。
以上のことから、なるべく早く購入した方がよいでしょう。ご参加を決めておられる方
はお早めに申込み金を払い、航空券購入の申し込みをして下さい。なお、発着空港は札幌、
成田、中部(名古屋)、関空、福岡、沖縄などが可能ですが、それぞれで価格が多少違うか
もしれません。関空以外の発着をされる人はご自分の責任で上海まで来て、関空発の本隊
と合流する必要があります。自信のない方は関空発着にして下さい。
8月7日
吉田 勝
*************************************************************************
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー連絡
11 月 29 日
吉田勝発
20151129
1. 現在までの参加者
現在参加登録者は 13 人です。未登録の申込者一人を加えると 14 人です。申し込み締め切
りは 11 月末日なので一旦締め切って参加者名簿を皆さんにお送りします。しかし、定員
20 人までは収容可能なので、12 月に入ってからもさらに増えるかもしれません。
2. 参加費残金のお振込みをお忘れなく
参加費残金のお振込みは 11 月末日までです。多くの方はすでにお振込み済ですが、一部の
方はまだです。お忘れないよう、お願いします。
3.予防注射
ネパールで考えられる予防注射としてはコレラ、肝炎、腸チフス、狂犬病、破傷風な
どがある。予防注射は面倒なことと副作用の心配から、旅行者はそれぞれに医師と相
談してから自分で判断して受けるか受けないかを決めるのが一般的である。一般的に
117
言うと長期滞在するときには受けた方がよいが、短期の海外旅行では迷うところであ
る。旅行者がそれぞれに判断しているのが現状だろう。消化器系の病気に対しては旅
行中の充分な注意で防げ、また抗生物質などの服用で回復できる可能性がある。一方
狂犬病や破傷風はちょっとしたチャンスで危険に遭遇することもある。そういう観点
からはこれらの 2 種は考慮に値すると考えられる。
予防注射については、以下のウエッブサイトがまとまった情報を提供しているので参
考にできる。 http://izavel.com/vaccine.html
なお予防注射は通常は数週間、狂犬病や破傷風などでは数カ月間隔で 2-3 度接種する
必要があり、受けると決めた場合には早めに第 1 回の接種を始めることが必要。第 3 回目
の接種が間に合わないときは第 2 回まででも通常かなりの効果が期待されるので、受ける
と決めたらば第 2 回までの接種でも受けるようにする。
以上
************************************
第 5 回学生ヒマラヤツアー参加者各位
この添付ファイルと同じ文章をメール本文でもお送りしました。
メール本文が文字化けなどで読めない人はご連絡下さい。
吉田
11 月 19 日
****************************************************************************
第3回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加予定者各位
(12月3日連絡)
第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアーにお申し込み、ありがとうございました。11月末日で
一応、当初の参加申し込み締め切り日となりましたので、これまでに参加登録された皆さ
んに連絡を差し上げます。
<参加登録者名簿>
現在参加登録をされた人は13人です。北は新潟から南は九州まで、7大学から、1年生から
大学院生までです。詳細は別紙の参加者名簿をご参照下さい。名簿にはメールアドレスも
記載しましたので、必要があるときは参加者同士、ご自由に連絡をとって下さい。
<参加者個人情報シートへのご記入、返送のお願い>
別紙添付ファイルとして「参加者個人情報シート」をお送りします。海外旅行傷害保険関
係以外の項目はすべて記入できると思います。なるべく早く記入、お送り願います。保険
関係は後日で結構です。わかり次第に記入してお送り下さい。
<学生のヒマラヤ野外実習プログラム情報について>
皆さんのお手元にはすでに参加者募集ビラが届いており、その中に記載のホームページア
ドレスから、「学生のヒマラヤ野外実習プログラム」等のサイトを開き、いろいろな情報
を見て下さっていると思います。しかし、念のため、以下にもう一度ご案内します。
118
「学生のヒマラヤ野外実習プログラムHP」:同プログラム全般についての情報です。
http://www.geocities.jp/gondwanainst/geotours/Studentfieldex_index.htm
Data Boxの「Student Himalaya General」サイト:第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参
加者募集ビラ、実施要項、第1回~第4回の実習ツアー報告書(PDFファイル)4冊などを
ダウンロードできます。
https://www.data-box.jp/pdir/0441324b3a1c46d39e7baac47f4e021e
皆さん、ぜひうえのサイトにある最近の報告書を1冊でも通読して下さい。学生のヒマラヤ
野外実習ツアーの実態をよく理解できると思います。また、これらの4冊の報告書にはそれ
ぞれの実習ツアー参加学生個々の報告を収録してあり、皆さんの知りたいことを一杯読み
取れます。
<参加申し込みはまだ受け付けています>
参加申し込みの締め切りは定員に達するまで延長しています。お友達、先生やご家蔵に声
をかけて頂いて構いません。
2015年12月3日
学生のヒマラヤ野外実習ツアープロジェクト世話人会代表
吉田勝
ゴンドワナ地質環境研究所
http://www.geocities.jp/gondwanainst/
Tel/Fax: 0736-36-7789 Cellphone: 080-6112-7789
*****************************************************************************
第5回学生ヒマラヤ地学実習ツアー参加者連絡
2015 年 12 月 12 日
<旅行全般について>
1.実施概要
★実施要綱:今回の実習ツアー全体の実施概要については、実施要綱に記載してあります。
実施要綱は皆さまには既に差し上げてあるので、必要なときには目を通しておいてくださ
い。
★ツアーの構成:参加日本人学生 14 人(トリブバン大学生 2 人を含む)プラスリーダーら
2 人の総勢 18 人で、リーダー(吉田)
、サブリーダー(トリブバン大学地質学科教員で、
目下選考中)、別にネパール旅行社のガイド 1 人が随行する。
★ツアーの行程:先に配布の行程表のとおり、出国(3 月4日)から帰国(3 月 18 日)の
15 日間で、カトマンズ~カリガンダキ河~ルンビニ~カトマンズでの野外調査9日間と、
カトマンズで現地のトリブバン大学の学部学生達との討論会や見学会など 3 日間、往復空
路の 3 日間。
2.旅行全体の服装や持ち物など
119
★服装:日本~カトマンズ間は何でもかまいません。なお、カトマンズ~ポカラの気候は
日本の春と、ポカラ~ルンビニ間は日本の夏と同じくらいで相当に暑くなりますが、朝夕
は涼しいでしょう。車での移動とトレッキング中は日本での野外調査の服装を基本とお考
え下さい。
★旅行用バッグ等:日本~カトマンズ間は防犯対策から鍵の確りした中型スーツケースが
推奨です。カトマンズ或いはポカラから先はスーツケースを3~4 人に 1 個程度にまとめ、
貴重品ケースとして利用します。調査に不要なものや貴重品はカトマンズかポカラのホテ
ルに保管しておいてもらいます。調査行(3 月 8 日~13 日までの 5 泊 6 日間)にはずだ袋、
スキーバッグ、大型リュックサックなどのいずれかが適当です。ジープ等で運ぶため、あ
まりかさばらないよう、お願いします。これらの大型バッグ類は常に車で運びます。従っ
て常時身につける小形リュックサックなどが必要です。これには自分の当日の飲料水、お
やつ、カメラや筆記具、コートなどを入れます。
3.現地における物品の調達
トレッキングに必要な服装、装備等は、例えばダウンジャケット、ゴアテックスコート、
トレッキングシューズ、防風めがね、懐中電灯、スリーピングバッグ、リュックサック、
ずだ袋などすべてカトマンズやポカラで日本より安価に購入できます。スリーピングバッ
グ、大型リュックサックあるいはずだ袋やダウンジャケットはそれぞれ 1 日 150 円程度で
レンタルもありますが安いので、購入したほうがお得かもしれません。しかし、日本のデ
ィスカウントショップで 1000 円程度で売っている軽いスリーピングバッグのようなもの
はカトマンズではないので、日本で買って行くのもよいでしょう。カトマンズ滞在日の夜
は街で買い物の時間を取れると思います。
4.小遣い、現地通貨、換金
日本出国から帰国まで、生きて帰るに必要最低限の費用はすべて参加費で賄われます。従
って参加者が持って来るおかねは、言わば”お小遣い”だけで、酒代、おやつ代やお土産
代くらいです。おみやげは、普通の友人たちに対しては一品 150 円~250 円ほどでよいもの
がいくつか見つかるでしょう。
ネパールでの小さい買い物は普通はルピーの現金払いです。換金は一般的にいえば、日本
の空港で必要なドルを購入し、カトマンズの空港や街の換金屋で現地通貨のルピーと換金
します。換金レートは 2015 年 12 月 11 日現在で1ネパールルピーは 1.13 円程度です。カ
トマンズの街には換金屋がたくさんあり、毎日夜遅くまで開いていて便利です。空港より
レートはわずかによく、また日本円から直接ルピーへの換金を扱う店も沢山あります。ド
ルから交換するよりもお得です。
なお、カトマンズの街には ATM があちこちにあり、日本の銀行の国際カードや City Bank
カード、或いは VISA や MC などの國際クレジットカードの利用が容易です。簡単に現地
通貨を公定交換レート前後(ATM によってわずかな違いあり)で引き出せますが、最近で
は手数料として一回に 400 ルピー程度を取られる場合が多くなり、利用価値が減りました。
また、クレジットカードの場合は銀行引落しまでの期間の利息(年間十数パーセントなの
で、借用期間が1ヶ月程度なので 1-2%)を払わねばなりません。
5.海外旅行傷害保険に必ず加入しておいて下さい
さきにお願いしたように、ご参加の皆さんはそれぞれに必ず海外旅行傷害保険に入って下
120
さい。万一の重大な病気や怪我の場合、現地の最高の病院で最高の治療を受ける、あるい
はご家族に来て頂くなどに大きなお金がかかります。
通常海外旅行障害保険に別に入ると保険料数千円程度です。しかしクレジットカードに自
動付属しているものは、保険料はカードメンバー料金以外には不要であり(つまり無料と
いえます)、内容的にも十分なカバーがあり、お勧めです。この保険は、3 ヶ月以内の海外
旅行であれば多分ほかのどの保険よりもお得と思います。この保険は海外での傷害、病気
の治療はもとより、そのための救援費用や携行品紛失などいたれりつくせりのカバーがさ
れている場合が少なく宇ありません。通常、大部分のクレジットカードには海外旅行保険
が自動付属していますが、保険の適用条件に注意が必要です。その条件には、①カードを
持っているだけで効くもの、②カードで当該旅行の一部の交通費(例えば駅までのタクシ
ー代などでも可)を支払わねばならないか、あるいは③カードで主な旅行代金を支払うな
どでないと効かないものなど、いろいろあります。ぜひこの点をきちんと確かめて、上記
の①か②レベルのカードを持って行かれることをお勧めします。③については本実習ツア
ーでは今のところ不可能です。なお、この保険の適用条件として、カード加入後の経過期
間 1 ヶ月以上などとなっている場合がありますのでご注意下さい。
7.カトマンズの一般的様子
★震災後の状況:今年 4 月 25 日のネパール大震災はカトマンズ周辺の山村に破壊的な被害をも
たらしました。またカトマンズ市街も古い建物は大きな損壊を被りました。しかし、比較的新しい建
物は大部分被害は軽微で、カトマンズ市街全体としては街の機能を維持できています。ポカラの
街や、ポカラから北方にムクチナート、あるいは南方にルンビニまでのルート上の被害状況はツア
ーに差し支えるほどのことはないとの情報を受けています。
★衛生状態:日本を出たら生水をのまないようにきびしく自己管理をお願いします。とりわけネパー
ルの水道水は恐ろしいまでに非衛生です。切り売りの果物や生野菜サラダなど、あるいは口をつ
けるグラスの縁なども気をつけてください。歯磨きには水道水などを利用し、最後にミネラルウオー
ターで口の中をよく漱いで下さい。
★気候など:春のカトマンズの気温は同時期の関東地方や関西地方とほぼ同じです。ドラ
イシーズンで雨はあまり降りません。街には世界各国のレストランがありますが、とりわ
け日本食レストランはそれほど高価でなく、味も悪くありません。カトマンズの日本人会
は数百人くらいの会員数で、日本大使館が連絡の中心となっており、皆さんよく集って仲
良くやっており、私達にいろいろな情報を提供してくれます。
★治安問題:ネパールの治安は、武闘ゲリラ(マオイストグループ)が矛を収め、新政府
に参加しており、国全体として新しい国体を作る方向に向かっています。また、ネパール
は国民の隅々まで、外国の援助の重要性が理解されており、マオイストグループもかつて
武闘期間中でさえ、外国人旅行者保護を強調し、実際にここ十年以上前から外国人旅行者
の治安上の事故は偶発的な 1 件のほかには全くありませんでした。このてんに関連して、
とりわけ日本人はネパール人の殆どすべてに好意的に迎えられており、日本人が現地人グ
ループに危害を加えられる可能性は殆どないと思われます。
なお、万一治安的問題が発生した場合には、本ツアーとしては、ツアー前には現地の組織
や友人らとの太いパイプを通じて、ツアー実施中にはカトマンズにある共同主催者のトリ
ブバン大学地質学教室や現地のツアー会社やホテル、カトマンズの日本大使館や JICA 事務
所、さらには現地住民や同行のガイド、シェルパやトリブバン大学のメンバーらから情報
を頂き、現地の正しい情勢をつかみ、情報を皆様に流すとともに、ツアーの実施/継続の
121
可否や行動のしかたなどを検討し、安全の確保に努めます。
★ネパール・カトマンズの土産品:カトマンズやポカラではアンモナイトその他の化石を
安価で購買できます。そのほかには紅茶、スパイス、衣類、袋類、じゅうたん、貴石、宝
石、刺繍、彫り物、布地等など、安価でよいものを無数のお店で競って売っています。地
図、書籍や仏具もよいでしょう。また、150 ルピーほどから自分の衣服に好きな模様を刺
繍してもらえますし、好きな布地で好きな衣服を作らせることも可能です。空港の売店は
街の価格の倍以上するのが普通ですから気をつけて下さい。
★言葉:ネパールでは一般にはネパール語と英語です。英語は昔から中学校以上で教科が
あり、高校以上では教科書が殆ど英語でした。最近では小学校低学年から英語授業があり
ます。国民の殆どが英語を話すことができ、街のほとんどすべてのお店では英語が普通に
通じます。カトマンズやポカラのお店では日本語が多少通じるところも結構あります。
<野外調査区間の特徴と注意、服装、携行品など>
1.野外実習コースの状況など
★コースの状況:カリガンダキコースは、すべて村人たちが村から村へと歩く普通の里路
/山道です。牛や馬が大きな荷物をつけて隊列を組んで通っていた商業道路でもあります。
最近は車の通る道になり、野外調査はやりにくくなりましたが、登山の技術的な難しさは
全くないと言えるでしょう。問題は結局体力と高所順応能力(後述)ということになりま
すが、高所での長期間滞在はカグベニ(2850m)の 1 泊だけですので、殆ど問題はな
いと考えられます。多くの場合、数時間歩くと必ず茶店や旅籠があります。外国人旅行者
らはこれらの店を休憩やトイレに自由に利用しています。しかし男女とも、野外の物陰で
用を足すことも普通に、容易にかつ快適にできます。
★荷物と行程:参加者の荷物は車で運びます。このため実習参加者は、身の回りの必要な
ものだけを入れた小さいサブザックなどを担ぐだけです。普通はコート(防寒衣雨具兼用
でも可)、雨具・ライトと飲料水、お金や重要書類などで5キロ程度以内となり、担ぐ荷物
の重さはあまり問題となりません。長く歩く日は 5 日目、6日目と 7 日目の3日間だけで
すが、このときは普通のトレッキングとしての6-7 時間コースで、その間に何度かの地学
見学ストップ、お茶やランチで数時間つぶすので、全体として 9-10 時間程度の行程とな
り、皆さんには頑張って頂きます。しかし、がんばれなくなった参加者は同行の車を利用
してもらいますので心配はありません。なお、このルートではかなり頻繁に各国のトレッ
カーやツアーとすれ違い、或いは追い抜かれ、言葉を交わしつつといった具合です。ジョ
ムソンとムクチナートにはロッジ、土産物屋や食堂があります。ジョムソンは結構賑やか
な町並みで、登山・トレッキング用品屋も数軒あります。
★宿舎:宿は旅行者専用のロッジで、広い居心地のよい食堂と、小さい多数の客用個室で
構成されるのが一般的です。個室はベッドだけのかなり小さい1人あるいは2人室が普通
ですが、今回のような大きな団体では同じ宿に泊まるためにやや大きな 3-6人部屋を利用
することがあります。ベッドは清潔でマットと掛け布団が付いており、洗濯された清潔な
白綿の敷きシーツが付けられています。一般に寒そうなときには補助の毛布や布団を更に
借りることができます。薄手のスリーピングバッグがあると温かく快適に眠れます。なお、
よごれなどが気になる人は掛けシーツか襟カバーなどを持参するとよいでしょう。トイレ
は共用ですが、自由に利用できます。シャワー(温水)は共通なので順番で利用できます。
しかし温度はあまり高くなく、また、給湯量が十分ではない場合がほとんどです。低地で
122
は問題ありませんが、高所ではあまり快適でなく、風邪になると困るのでお勧めできませ
ん。
★食事:食事は、普通はかなりバラエティーのあるレストランメニューから選べるように
したいと思っていますが、地元で普通にあるダルバーツ(豆スープご飯)が最もおいしく、
また早く準備できるので、とりわけ山岳地帯ではそれだけにすることがあります。日本食
はないので気になる人は海苔の佃煮や梅干、お茶漬け、インスタント味噌汁など、少し持
参するのもよいでしょう。
★サンプルの採集:調査ルートはアンナプルナ国立自然公園地域であり、動植物や岩石の
破損や持ち出しは禁じられています。このてんについてどう対処するか、共催機関のトリ
ブバン大学やトレッキング会社と検討中です。検討結果はカトマンズでお知らせします。
実際のところ、従来のジオツアーの経験からは、サンプル採集に関して問題は発生してい
ません。テチス層群中に特徴的に産出するアンモナイトなどの化石は現地で、或いはカト
マンズやポカラでもよいものを安く(1 個 200 ルピーほどから)容易に入手できます。従
来の経験では、ポカラのグプテスワール洞穴前の屋台などが気軽にバーゲン交渉ができて
面白く安く入手できそうです。
2.体力と高山病対策
カリガンダキコースは、ヒマラヤの一部のコースのような極端に大きい登り下りはなく、
普通に健康な人には歩き易いルートです。しかし、平素あまり運動やウオーキングをして
いない人は、できれば出発前から毎日の散歩やたまのハイキングなど、野外調査に備えて
足腰を慣らしておくことをお勧めします。
もう一つの問題は高山病です。突然に高所の状態に入って 6 時間以上経つと、普通の人は
3000~3500m以上の高所では、多少とも高山病の症状が現れます。しかし、今回の最高所
はムクチナートで標高 3800m ですが、そこには長時間滞在せず、最高所の宿泊はカグベニ
で、ここは標高 2850m です。この高さは、人によっては多少気分がおかしいこともあるか
も知れませんが、深刻な高山病は殆ど起こりませんし、普通全く問題はないと言えます。
なお、高山病の症状が現れにくくし、また症状を軽減するダイヤモックスという薬は、欧
米のトレッカーらによく用いられており、好評のようです。この薬品は、日本では緑内障
の薬として知られていますが、高山病対策として処方してくれる医者も、ときに居ます。
また、カトマンズでは薬局で簡単に入手でき、また、今回のツアーとしても備品薬として
携行します。この薬はサルファ剤に弱い人は服用できず、また、血圧降下剤と併用できま
せん。また、利尿効果が強いので、夜中になんども小用に起きねばならないようなことも
人によって起こります。念のため皆さんにはサルファ剤への耐性や血圧降下剤を服用して
いるか、おたずねしますので、確認しておいて下さい。なお、高山病等での重大事態には、
ヘリコプターによる緊急下山も可能で、ツアーではそのための準備もしております。
3.野外実習中の服装と携行品
野外実習中の服装は、日中は日本の春の東京や大阪の近郊の低山(千米級)の山歩き程度
の服装と考えてよいでしょう。カグベニ以高では朝夕は0℃前後になることもあるでしょ
う。そういうところでは薄いキルティングコート/ダウンジャケットが有効です。この季
節は、ヒマラヤの高所では一般にコース全体を通じて天気はよく、日本と違って雨はほと
んど無いでしょう。しかし、ヒマラヤ主稜線より南ではときに激しい雨に見舞われます。
以下にこの季節の現地での適当な服装と携行品を記載します。
123
★通常のトレッキング時の服装:はきなれた登山靴かトレッキングシューズ(キャラバン
シューズ/バスケットシューズ/ウオーキングシューズや運動靴などでも可)、半そ
で下着(シャツ)または T シャツ(綿素材は汗をかいた後が快適でなく、あまりお勧
めできませんが可能です。綿下着をご利用の場合は必ず替えの下着か T シャツを携行
する必要があります)、中厚の作業長ズボンと作業長袖シャツ、鍔広帽子、サングラ
ス(とくにジョムソン-カグベニ間は強い砂埃風対策に必要、なお眼鏡の人は不要)。
カグベニ以高はズボン下と長袖下着及びキルティングコートあるいは厚いセーター
+ジャンバー(あるいはゴアテックスコート、ポンチョなどで通常はザックに入れて
歩く)と、耳覆いあるいは耳を覆える毛糸帽子、手袋など。
★携行品:雨具(傘、レインコート、ポンチョあるいはゴアテックスコート上下などのい
ずれか)*、軽い寝袋、下着や靴下スペア各1-2、ズボンスペア1、懐中電灯ある
いはヘッドランプ*、魔法瓶**、飲料水*、持病薬/常備薬*、当日トレック中の自分
用の菓子類*、お金と重要書類*、ノートと筆記用具*、巡検ガイドブックと地図*、
ハンマー、サンプルバッグ、クリノメーター或いは磁石*、化粧具(歯ブラシほか)、
裁縫道具、つっかけ/草履、ナイフ、トイレットペーパー*、カメラ*、GPS***、双
眼鏡*、ノート PC***、携帯電話かスマホ***、自分専用の愛用日本食(梅干やお菓子)
。
(キルティングコート/ダウンジャケットのかわりに厚手セーター+ジャンバー/
ウインドヤッケ/ゴアテックスコートの組み合わせとすることも可能です)
*
:いつも持って歩く. **:カグベニ以高に着用するか自分で持って歩く. ***:
時と場合によって携行する、 無印:車で宿舎まで運搬、下線:なくてもなんとかな
る.
★トレッキング会社が準備できるもの: 飲料水、非常用薬品、トイレットペーパー、ト
レッキング中の菓子類。なお、ずだ袋、寝袋、キルティングコートはレンタルで多少
の費用がかかる。
以上
********************************************************************************
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー連絡 2015 年 12 月 15 日
実習テキストの予習をして下さい
皆さん
そろそろ冬休みですね。余裕のある人はこの機会にそろそろヒマラヤジオツアー実習テキ
ストの予習を始めて下さい。お手元にお送りしてある Guidebook for Himalayan Trekkers
Ser. 1 Geology and Natural Hazards along the Kaligandaki Valley, Nepal の始めの2章、
The Himalaya (1~⒕ページ)と、Geology and Natural Hazards along the Kaligandaki
Valley(15~32 ページ)で結構です。いずれも易しい英語ですから勉強できると思います。
なお、The Himalaya とほとんど同じ内容が「エベレスト地域ドウドウコシ河に沿う地学と
自然災害」(日本語)の「ヒマラヤの成り立ちと生い立ち」の章です。The Himalaya の章
はそれを参照しながら読むとわかり易いかもしれません。エベレストガイドブックは下の
URL でダウンロードできます。
https://www.data-box.jp/pdir/d4845c08e73841ae9b20b146e5a30cc1
124
なお、カリガンダキガイドブックの 33 ページ以降も時間をみてページをめくってみて下さ
い。そこには 100 近い見学地点の説明がありますが、実際に今回のツアーで見るのはその
半分以下の地点です。「ヒマラヤ造山帯大横断 2015」と合わせて読むと実習内容への理解
が深まるでしょう。
では、グッドラック、よいお年を!
12 月 15 日 吉田 勝
*************************************************************
第5回学生ヒマラヤ地学実習ツアー参加者連絡 2016 年1月 23 日
-パスポートコピー、写真送付のお願いとVISA申請用紙の送付-
皆さん お正月中、ガイドブックの予習などはいかがでしたか?
ヒマラヤ実習ツアー出発まであと 1 か月近くになりました。そろそろ具体的な準備が必要
です。
パスポートコピーとお写真の送付お願い
実習地域に入るためにはネパール国内トレッキングパーミットとアンナプルナ自然保護地
域入域許可証を取得する必要があります。これを事前に現地旅行社に取得してもらうため、
皆さんのパスポートコピーとパスポートサイズのお写真が必要です。いずれもJPGファ
イルでメールに添付してお送りください。1 月 31 日までにお願いします。
なお、スキャンしてJPGファイルにしてUSBフラッシュディスクなどに保存するのは、
コンビニの複合コピー機で簡単にできます。
VISA申請書の準備をお願いします。
添付お送りするネパール VISA 申請用紙に必要事項を記入、写真を付けて(糊づけしない!)
出発時にお持ち下さい。ネパール入国時にカトマンズ空港で申請・取得します。VISA 申請
用紙と、記入のためのサンプルとして私の記入済の申請用紙を添付お送りします。なお、
記入がわからないところは空欄にしておいてください。私と合流したあと昆明空港などで
記入できます。
なお、空港での申請書フォームが更新しているかもしれません。その場合は記入済のフォ
ームを参考にして空港ですぐに書き換えます。
実習ツアーのバスの安全性
最近の日本国内でのツアーバスの事故をめぐって、安全性が議論されています。私たちの
実習ツアーはバスとジープを多用するのでひとごとではありません。本ツアーでは 2012 年
の第 1 回実習ツアーの時から、この点については最大の注意を払って現地旅行社と協議を
してきました。今回も車の安全運行については、これまで以上に一層の注意と最善の努力
を払うことをお知らせしておきます。
以上
**************************************
添付書類
1.ネパール VISA 申請書式(PDF&DOC ファイルズ)及び記入サンプル
125
*****************************************************************************
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー
2016 年 1 月 27 日連絡
-参加費の概算―
(同じファイルを 2 月 15 日連絡に再収録したのでここでは割愛する)
****************************************************************************
第5回学生ヒマラヤ地学実習ツアー参加者連絡 2016 年 2 月5日
皆さん
ヒマラヤ実習ツアー出発まであと 1 か月になりました。そろそろ具体的な準備が必要です。
出発当日の集合とカトマンズ空港到着までのお知らせです。よく読んでご理解下さい。
★出発空港までの交通:まことに心苦しいところですが、皆様にはそれぞれにご自分で空
港までの交通を手配して頂かねばなりません。このための経費は各自持ちです。
早く手配したほうがお得なこともあり、あるいは直前のキャンセル待ちフライトが安価に
なるかもしれません。あるいはまた、高速バスやJRの青春18切符など、いろいろあるでし
ょう。どうぞお早めに、どのようにして時間までに空港にたどり着くかを決め、必要な時
期を逃がさずに手配をされるよう、お願いします。空港には出発2時間半前を目処として到
着するようにお手配下さい。
★関空出発の方々:当日 3 月4日の出発フライトは関空の場合は中国東方航空 MU0516、
関空発 14:10 です。集合時間は出発時間の 2 時間半前の 11 時 40 分としますので遅れな
いようにお願いします。なお、遅れる場合は前もって到着時間をご連絡下さい。集合場所
は第 1 ターミナル4階、中国東方航空搭乗受付カウンター(G カウンター)に一番近い4
階の待合座席コーナーとします(付図)
。到着確認の後は各自で搭乗手続きをして頂きます
のでご自由によろしくお願いします。不安な人は吉田と同行して下さい。
★その他の空港出発の方々:成田、羽田、中部国際(名古屋)、福岡空港出発の皆さん、各
自の責任で遅れないよう、よろしくお願いします。皆さんは上海で昆明行きのMU748 便
に乗ることになっています。昆明空港で合流する羽田出発組以外の人たちは上海空港で本
隊と合流します。
★上海での合流:上海空港(Shanghai Pu Dong 空港)では羽田発の人たち以外は合流で
きます。時間がたっぷりありますので、MU0748便の出発ロビー(下の階)には出発 1
時間前までに行けばよいでしょう。集合は上の階で沢山お店がある広いロビーの待合椅子
スペースとします。本体が学生ヒマラヤの旗を持ち、荷物には学生ヒマラヤの識別ペッタ
ンを張ってありますので発見できるでしょう。
★上海空港での羽田組:上海空港に到着して航空機から出るとすぐに航空会社の係員が案
内特別に案内してくれると思います。必ず機内でエアホステスにどうなるか聞いて確認し
て下さい。空港では言葉が通じないのでくれぐれもご注意下さい。
★昆明空港で:昆明空港ではいったん国際便で荷物を受け取ります。そして空港のリラッ
クスベッド(吉田による適当な名称)を確保するのですが、それには国内線の出発ロビー
経由で3階の国際線出発受付カウンターなどのスペースに入り、その上部階(4階)にあ
るマッサージ施設で仮寝ソファーを申込みます。そして朝は国際線で搭乗受付をします。
荷物を受け取るまでが結構厄介ですし、支払いは参加費から支出しますので、団体行動と
126
します。
★昆明空港での羽田組:羽田出発組は一足さきに昆明に行っているので、昆明空港で合流
します。昆明空港の3階がチケットカウンターですが、その上の4階に安息室(マッサー
ジ室)付属の食事スペースで合流します。昆明空港では同じ便で来た大勢の国内旅行者と
は荷物の受け取りや行動が違います。案内が悪く、言葉も通じないのでご注意下さい。航
空会社の係員が特別に案内して荷物を受け取り、その後にチケットカウンターに行くこと
になります。
★予定の航空機に乗り損ねた場合:万一日本の空港あるいは上海で乗り損ねた場合は各自
の責任で処理して頂きます。カトマンズまで来れば、ツアーの途中のどこかで参加できる
でしょう。そのばあいはメール等での連絡を密にして下さい。カトマンズまで来れないと
きはツアーキャンセルとなります。
★カトマンズ空港到着時:団体行動をとります。皆さんそれぞれにご準備頂いた VISA 申
請書を確認して各自で VISA を取得します。ずらっと並んだ入国審査デスクの左端に近い
デスクです。VISA 取得費 25 米ドルはツアー参加費で支払います。空港では現地の旅行社
かホテルの担当者が車で迎えにきていますので、皆で乗ってホテルに行きます。
以上
******************************************************************************
第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者連絡
2016 年 2 月 15 日
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者各位
ヒマラヤ実習ツアー出発まで 20 日を切りました。皆さんそれぞれになにかとお忙しいこと
でしょうが、ツアー準備もお忘れなく進めて下さい。今回は以下の7項目の連絡です。
1.
パスポートとEチケットをお忘れなく、また、<旅行全般について>、<野外調
査区間の特徴と注意、服装、携行品など>、<ヒマラヤジオツアーでの危険対策>の 3 フ
ァイルはすでに皆さまのお手元に送ってあると思います。必ずよく読み返し、ご準備の参
考にして下さい。そうそう、ハンマーは持ち込み手荷物では許可されません。大バッグの
方に入れて同送手荷物としてチェックイン時に預けて下さい。
2.VISA申請についてお願い
ネパール入国ビザはネパール空港で取得することにしております。VISA申請用紙と記
入サンプル(吉田の申請書)はすでに皆さんのお手元にお送りしました。記入サンプルを
参照して出発までに必要事項を記入して出発日に持参して頂きます。パスポートサイズの
写真が必要です。糊づけせず、クリップで留めてお持ち下さい。空港でも用紙はあり、そ
こで記入もでき、写真も撮れますが、時間節約で用意しておいたほうがスムーズに行きま
す。
3.中国東方航空の手荷物制限
<受託手荷物>
中国東方航空でチェックイン時に預ける手荷物は、エコノミークラス、日本発着便はバッ
127
グ
1 個23kg以下のもの2個です。E-チケットのそれぞれに当日のフライト詳細の下の欄
に Bag 2PC の記載がある筈です。重量や個数オーバーは下の表のように、結構大きな超過
金を課せられます。1個あたりの重量には気をつけて、くれぐれも重量オーバーしないよ
うご注意ください。以下の表は重量などが超過した場合です。
超過分算出
方法
サイズオーバー:
158cm 以上 203cm 以下:CNY1000/個
203cm 以上:CNY2000/個 *事前に必ずお問合せください。
重量オーバー:
23kg 以上 32kg 以下:CNY1000/個
受託手荷物 1 個あたりの最大重量は 32 kg までとなります。
個数オーバー:
1 個目:CNY1,000 2 個目からは、CNY2,000
*サイズ・重量・個数のオーバーはそれぞれの超過分徴収額を加算して徴収いたし
ます。
<機内持込み手荷物>
重さ 5kg 以内
(ファーストクラスのみ 10kg 以内)
で 3 辺の合計が 115cm 以内(縦 55cm、
横 40cm、高さ 20cm)のもの 1 個。機内の収納棚、座席下に収まるものでなくてはいけ
ません。
4.皆さんの本拠地と空港間の交通について
皆様の本拠地と空港間の交通のお手配について連絡します。
まことに心苦しいところですが、皆様にはそれぞれにご自分で空港までの交通を手配して頂かね
ばなりません。このための経費は各自持ちです。
早く手配したほうがお得なこともあり、あるいは直前のキャンセル待ちフライトが安価に
なるかもしれません。あるいはまた、高速バスや JR の青春 18 切符など、いろいろあるで
しょう。どうぞお早めに、どのようにして時間までに空港にたどり着くかを決め、必要な
時期を逃がさずに手配をされるよう、お願いします。空港には出発 2 時間半前を目処とし
て到着するようにお手配下さい。
5.第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアーで利用するカトマンズ、ポカラとルンビニの
ホテル
カトマンズ:Mount Fuji Home, Thamel, Kathmandu
www.mountfujihome.com
Tel: 0977-(1)4360160
ポカラ:Hotel River Park, Lakeside, Pokhara.
http://hotelriverpark.com.np/ Tel: 977-61-462756/464623
ルンビニ:Lumbini Village Lodge, Madhubani Bazar, Lumbini
[email protected]
Tel: 977-580432
128
6.参加費の概算見通し (同じファイルは 1 月 27 日にも配信した)
皆さん、大変に遅くなりましたが、参加費の概算見通しができましたのでお知らせします。
以下に参加者一人当たりの金額で示します。
ネパールでは昨年の大震災の影響が強く残っており、費用が推定できにくいところが少な
くありません。全体としてはかなり高価になっているため、経費削減のために従来のツア
ーと若干違うやり方をしているところがあります。とくに街中の宿と食事はチームが直接
契約することにしました。
*******************************
ネパール旅行社の請負い分+チームが直接支払う街中の食事経費1:81,400 円
その他の諸経費:23,160 円
(準備経費、ネパール国内諸雑費、中国空港内諸経費など2)
81400+23,160=104,560 円
合計金額は 104,560 円となる。
参加経費は上記の合計額に航空券価格を加えた額となる。
航空券代金は参加者により、65,040~71,310 と幅があるので、参加経費は
104560+65040=169,600 円~104,560+71,310=175,870 円となる。
航空券の参加者平均値は 69275 円であり、従って参加費の平均値は
104560+69,275=173,835 円となる。
暫定参加費として皆さんから 20 万円づつお支払い頂いているので、ツアー終了後に実際の
ツアー経費が上記の通りであれば、200,000-173,835=26,165 となり、お 1 人平均 26,165
円をお返しできることになります。
なお、上記は①2 月6日に確定したネパール旅行社の最終見積り金額(街中の食事経費を含
まない)に、②街中の食事経費の推定額と③その他の諸経費見積りとして昨年実施のツア
ー時の諸経費の額をそのまま加えたものです。
現在ネパールではガソリンの価格が 1 リットル 500 円と高騰しているとの情報もあり、さ
らにガソリン不足のために購入自体が困難になっているとの話しもあります。その他為替
変動も含めて不確定要素がいくつかあり、上記の参加費概算見通しはかなりの不確実性が
あります。
しかし、いずれにしても数万円の返金はありそうに思えますね、お楽しみ!
*****************************
7.第5回学生ヒマラヤ野外実習ツアー実習中の主な連絡先
学生のヒマラヤ野外実習プロジェクト世話人
在田一則 札幌市北区北 8 条西8丁目北大総合博物館
Tel: 011-706-2724(勤務先)011-644-0093(自宅)
E-mail: [email protected]
1今回は従来4回のツアーと違って、経費削減のため、街中の食事経費はチームが直接支払うことに
なり、ネパール旅行社の見積もりには入っていません。
2
その他の諸経費の内容は「ヒマラヤ造山帯大横断 2015」の 12 ページ参照
129
酒井哲弥 島根大学総合理工学部地球資源環境学教室
Tel: 0852-32-6464 E-mail: [email protected]
本プログラムのネパール側共同主催者:
Mr. Madan Manandar (Head of the Department), Department of Geology,
Tri-Chandra Campus, Tribhuvan University, Ghanta Ghar, Kathmandu
Tel: 00977-1-4469346 (教室)
海外航空券手配の旅行社:
株式会社タイリクトラベルサービス
〒170-0002 東京都豊島区巣鴨Ⅰ-18-10 Tel: 03-5976-8722 Fax: 03-5976-7714
ネパール国内ツアー取扱の旅行社:
Alpine Asian Treks and Expedition P. Ltd
Jyatha Thamel Kathmandu www.trektournepal.com
E-mail: [email protected], Tel: 00977-1-4224138
吉田勝の留守宅:
吉田 彬(よしだ・よし)
Tel: 0736-36-7789 (自宅) 090-6731-1956(携帯)
E-mail: [email protected](携帯)
[email protected]
以上、よろしくお願いします。
吉田勝 2016 年 2 月 15 日
********************************************************************************
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者連絡
2016 年 2 月 19 日
参加者連絡をクラウドにアップロードしました
皆さん
メール連絡の信頼度問題への対応策として、私から参加者の皆さんあての連絡ファイルを
Data Boxクラウドにアップロードしました。皆さんは下記のURLで
Communication with Participants サブフォルダ―を開けて、中のファイルをダウンロー
ドすることができます。
https://www.data-box.jp/pdir/767c17a3be65439e9467d2b9529ba2f9
私は皆さんに直接に連絡を送るとともに、上のサイトに同じファイルをアップロードしま
す。皆さん、いつでも、このサブフォルダ―の中のどの連絡文書に関して、疑問がありま
したらば私にお問合せ下さい。
吉田 2 月 19 日
130
*******************************************************************************
メール連絡 Subject: 個人情報シートデータの補充を!
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者各位
皆さんには昨年から個人情報シートを埋めてお送り下さるよう、お願いしました。現在
全部の方が出して下さっていますが、下記の6人の人の情報シートは重要部分がが埋まっ
ていず、不完全です。とりわけ、海外旅行傷害保険情報がない人は、カトマンズまではご
一緒できますが、そこから先は同行して頂けません。早急に完成してお送り下さい。
個人情報シートの不完全な人は下記の方々です(敬称略、順不同)
菅野、李、徳岡、、吉村、渡邊、山岡、吉田
また、ほかにも情報シートの一部に空欄を残している人がいます。所属、学年などはも
とより、
「備考」や「そのほか希望」などの欄も、
“なし”とか、
“不要”など必ずすべての
欄を埋めて下さい。なお、今回は皆さんのPCと携帯アドレスの両方へ本メールを送って
みました。どちらかにはメールが届かない方、携帯に送られては困る方、あるいはPCだ
けでよい方など、ご遠慮なくお申し越し下さい。
吉田 2 月 25 日
******************************************************************************
ヒマラヤジオツアーでの危険対策
吉田勝 2016 年 2 月 27 日
ヒマラヤジオツアーは殆ど常に山村の道路に沿って歩く。またバス等を利用して集落から
集落へ、街から街へ移動し、道路の途中で見学する区間もある。ジオツアーの前後にはカ
トマンズなどの大都市に宿泊し、バスや足で市内を見学するなど一般ツアー的なことも多
い。
以上のような行程のなかでの危険は、大部分は日本での生活や地質野外調査をするときと
同じであり、成人として、また地学を勉強するもととしての常識的な危険対策が必要であ
ることは当然である。また健康被害対策としては生水等への十分な注意と予防注射の接種
を検討する必要がある。以下にはネパールヒマラヤジオツアー及びその前後の一般ツアー
における危険とその対策を概観する。
<一般的な危険と対策>
1.皆とはぐれないこと
団体旅行であり、みんなとはぐれないように細心の注意を持つ。はぐれた場合にどのよう
に行動したらばよいかをリーダーに常に確認しておくとともに心の準備を持っておく。一
般的には次の集合場所などを知っておくこと、いざというときは一人でもそこに時間内に
行けることが重要である。
2.現地の人とトラブルを起こさないこと
ネパールは観光立国であり、また外国からの援助に大きく依存している。そのため外国人
の安全については全国民が意識しており、とりわけ最大の援助国であった日本に対する親
近感は大きいので一般的には安心し、リラックスしてよいのである。
131
しかしそれでも現地の人とのトラブルを起こさない。とりわけ殴り合いにならないように
する。日本人と認識されないときも多いし、日本と違って客観的なおまわりさんはそこら
には居ないし、問題によっては周りの人がみな突然に敵になることもあるだろう。また、
観光客あいてに不当な収入を得ようとする人たちも少なくない。
3.単独行動をしないこと
さみしい場所などはツアー同行者と一緒に、あるいはなるべく現地の友人やツアーガイド
などと一緒に行動する。とりわけ夜のさみしい場所は一人歩きしてはならない。
4.車にはねられないよう
開発途上国では一般に車優先であり、ネパールも、多分中国もそうである。道路をわたる
ときには大勢の一般市民の行動と一緒に行動すること。
<ジオツアー中の危険と対策>
1.転落や落石、交通事故などの危険
次々と見事な風景や興味深い露頭が現れるが、見とれる前、露頭に近づくまえにまず転落
や落石、へびやはち、毒草の危険、ときには車にはねられる危険の有無を確認する。あぶ
ない崖に近づくこともあるがその場合はどこから何が落ちてくるかなどを予測し、安全な
場所を選んだり、避難の心構えをしておくこと。車道に沿うジオツアーではとりわけバス
の陰から出て道路を横切るときや、観察を終えてバスなどに戻るときの安全確認が非常に
重要である。
2.迷子になる危険
毎日の行程を十分に自分で理解し、トレッキングなどでは地形図上のどこからどこへ行く
のか、本日の宿はどこか、お茶や昼食の予定地と時間などを確認し、いざというときは一
人でも行ける自信を持つこと。常に自分の今いる位置を地形図上でも、また、前後に長く
伸びたツアーの列のなかでの位置を理解しておくこと。どうしてもツアーに合流できない
ときはその日の宿泊予定地と宿に自力でたどり着く必要がある。
<健康被害対策>
1.一般的な下痢対策
精神的な不安定、環境変化、食生活の変化などで消化不良や下痢を起こすことが少なくな
い。安心して服用できる自分にあった整腸剤や胃腸薬を必ず持ってくること。
2.現地の水や食べ物の危険
カトマンズ市をはじめネパール全体として水道水は大変に危険である。それも生半可な危
険と違って赤痢やコレラなど命に関わるときがある。
水道水を絶対にそのままでは飲まないことはもとより、それを利用するまないた、包丁、
食器、それらを利用した果物の切り身、生サラダ、フレッシュジュース、氷、あるいはぬ
れた食器などへの細心の注意が必要だ。飲用水は密封して市販しているミネラルウオータ
ーか煮沸して冷却させた水だけを使用する。一般にはお茶や市販のコーラなどはよい。
とくにとくに氷とジュースには注意が必要だ。ジュースは店で出されたときは生水を使用
していないかどうか、必ず確かめること。缶ジュースやボックス密封ジュースがのぞまし
く、フレッシュジュースには注意が必要だ。また歯磨きやうがいには最後に漱ぐときには
必ず安全な水を利用することなどの注意が必要。
132
3.狂犬病の危険
カトマンズを始めネパール全域で離れ犬は無数におり、法律で全犬に義務付けられている
日本とは全く違い、狂犬病の予防注射をうけている犬は少ない。これらの犬は一般に昼は
おとなしく、夜は元気になる。現地の人たちが犬に対して逃げるときには一緒に逃げるこ
とが大事だ。一般的にいえば夜にさみしいところを歩くときやトレッキング中は犬を追い
払える杖などを持っていることが対策になるだろう。一般的に言えば狂犬病の予防注射を
受けておくのが最も重要な対策である。なお現地の人数人の話では、ここ数年、狂犬病罹
患の話しは聞いたことがないそうであり、現地の人たちはほとんど予防注射を受けていな
い。
4.蜂、へび、毒草などへの注意
上にも述べたが、とくに野外で露頭に近づくときには注意する。日本での地質調査・見学
と同じである。草をかきわけるときはハンマーや杖で、露頭を触るときは十分に目で安全
を確認するなどの注意が必要。
5.予防注射
予防注射についてはすでに昨年 11 月 29 日に連絡した。以下にそれを採録する。
ネパールで考えられる予防注射としてはコレラ、肝炎、腸チフス、狂犬病、破傷風などが
ある。予防注射は面倒なことと副作用の心配から、旅行者はそれぞれで医師と相談してか
ら自分で判断して受けるか受けないかを決めるのが一般的である。一般的に言うと長期滞
在するときには受けた方がよいが、短期の海外旅行では迷うところである。旅行者がそれ
ぞれに判断しているのが現状だろう。消化器系の病気に対しては旅行中の充分な注意で防
げ、また抗生物質などの服用で回復できる可能性がある。一方狂犬病や破傷風はちょっと
したチャンスで危険に遭遇することもある。そういう観点からはこれらの 2 種は考慮に値
すると考えられる。しかし副作用の確率と罹患の確率を天秤にかけるとどうなるか、現地
の人たちはほとんど受けていないのはなぜか。参加者やその家族で十分に考えて判断する
ことだ。
予防注射については、以下のウエッブサイトがまとまった情報を提供しているので参考に
できる。 http://izavel.com/vaccine.html
なお予防注射は通常は数週間、狂犬病や破傷風などでは数カ月間隔で 2-3 度接種する
必要があり、受けると決めた場合には早めに第 1 回の接種を始めることが必要。第 3 回目
の接種が間に合わないときは第 2 回まででも通常かなりの効果が期待されるので、受ける
と決めたらば第 2 回までの接種でも受けるようにする。
ちなみに、私は昔は必ず多くの予防接種をするようにしていたが、最近数年間はなに
も受けないようになっている。しかし、ネパールで長年野外調査を実施してきた島根大学
の教員は、この学生のヒマラヤ野外実習ツアーに参加する学生全員に破傷風の予防注射を
させてきた。
以上
133
*********************************************************************
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習プログラム出発前最終連絡
2016 年 2 月 28 日
出発まであと 5 日です。ツアー出発にむけた大事な連絡で、以下の 5 項目です。
全体をPDFファイルにまとめて本メールに添付しました。PDFファイルを開けれない
人はインターネットで Adobe Reader X をダウンロードして下さい。下記のリンクでも可能
でしょう。
また、本連絡はクラウドにもアップロードしました。皆さんは下記の URL
https://www.data-box.jp/pdir/767c17a3be65439e9467d2b9529ba2f9 で、Data Box クラウ
ド内 gondwana サイト上の Student Himalaya2016onwards フォルダー内の Communication
with Participants サブフォルダ―で、今回の連絡を始め、これまでのすべての連絡をダ
ウンロードすることができます。
1.
2.
3.
4.
5.
出発日とツアー日程についての注意
関空集合者への注意
上海空港と昆明空港での注意
第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアーの旗、名札と認識ペッタン
実習ツアー参加のトリブバン大学の教員と学生氏名
吉田 2016年 2 月 28 日
************************************
Adobe Reader Xのインストール
下記リンクをクリックするとすぐにダウンロードが始まります。必ずソフトウェア
使用許諾書をお読みになり、同意をした上でクリックしてください。
Adobe Reader X インストーラー
ダウンロードした AdbeRdr1010_ja_JP.exe ファイルをダブルクリックします。
以上
******************************************************************
1. 出発日とツアー日程についての注意
出発日は 3 月 4 日、帰国日は 3 月 18 日です。当初 7-8月に発表した日程とは違っていま
すのでご注意下さい。また、それに伴ってツアー全体の行程も変更されています。これら
すべては皆さんにすでにお知らせ済みの筈ですが、Data Box クラウド内 gondwana サイト上
の Student Himalaya General フォルダー(下記のURLで開けます)にアップロードして
ある実施要綱で確認できます。まだプリントしていない人はこの行程表を確認し、プリン
トしてツアーに持参して下さい。
Student Himaloaya General フォルダー:
https://www.data-box.jp/pdir/3a456daee64340c287524b0ac9a3be3f
2.出発当日の関西空港集合について
当日 3 月4日の出発フライトは中国東方航空 MU0516、関空発 14:10 です。集合時間は出発
134
時間の約 2 時間半前の 11:40 としますので遅れないようにお願いします。なお、遅れる場
合は前もって到着時間をご連絡下さい。集合場所は第 1 ターミナル4階、中国東方航空搭
乗受付カウンター(G カウンター)の待合座席コーナーとします(付図参照)到着確認の後
は各自で搭乗手続きをして頂きますのでご自由によろしくお願いします。不安な人は吉田
と同行して下さい。
3.上海空港と昆明空港での注意
日本各地-上海-昆明-カトマンズ区間について、各地の空港での注意などについて
は 2 月 5 日付文書でご連絡しました。同文書をよく読んでおいてください。以下には具体
的な注意点を記述します。2 月 5 日文書と重複するところもあるかもしれませんが、よろ
しく。
日本出発は下記の5空港からそれぞれ 1 人から 5 人が出発します(下表)
。航空機の出
発時刻の 2 時間以上前には空港に到着し、チェックインに並ぶようにして下さい。チェッ
クイン後に外貨両替やお買い物をするとよいでしょう。
チェックインでは、別送手荷物は必ずできるだけ遠くまでお願いして下さい。実際に
はカトマンズまでは受け付けられず、昆明までのはずです。上海で荷物を受け取るのは面
倒なことになりますので、このてん、十分に気を付けて下さい。
135
チームの皆さんの上海と昆明の発着時間とメンバーを以下にまとめてみました。
飛行便乗り継ぎ 時間と発着空港メ ンバー
往路
出発空港
関空
羽田
成田
名古屋
福岡
出発時間
上海着
上海発
昆明着
昆明発
カトマンズ
14:10
15:30
21:00
0:50
14:25
15:20
8:40
10:30
15:40
20:40
14:25
15:20
16:55
19:00
21:00
0:50
14:25
15:20
16:00
18:05
21:00
0:50
14:25
15:20
13:45
14:10
21:00
0:50
14:25
15:20
帰路
関空
羽田
成田
名古屋
福岡
カトマンズ
昆明着
昆明発
上海着
上海発
日本帰着
16:10
21:20
7:55
11:00
12:35
15:40
16:10
21:20
7:55
11:00
13:05
16:50
16:10
21:20
7:55
11:00
17:25
20:55
16:10
21:20
7:55
11:00
17:15
20:35
16:10
21:20
7:55
11:00
14:30
17:15
関空発着
羽田
成田
名古屋
福岡
吉田勝、菅野、内田
山岡、河西、市谷、吉田宏、渡邊
福田、木村、徳岡、内山、矢野
李
吉村
上海空港で
上海国際空港は二つありますが、今回は皆さんすべて同じ Pu Dong 空港発着です。
上海到着は 10 時 30 分~16 時 55 分と、
日本出発空港によって大きな違いがあります。
そのうち、10 時 30 分に到着した羽田組 5 人は 15 時 40 分に上海を出発して昆明に行って
しまいます。のこりの 10 人は上海で合流し、全員一緒に上海を 21 時に出発し、昆明に翌
日の0時 50 分に到着します。
日本からの乗客は皆上海で中国の入国手続きをし、そのあとの上海―昆明フライトは
国内便となります。多分、航空機を降りたところで中国東方航空の職員がボードを持ち、
声を張り上げて乗り継ぎ客を集めて次の入国審査ゲートに案内してくれるでしょう。そう
でないときは自分で案内ボードをよく見て、あるいは中国東方航空の職員やほかのお客さ
んに聞いて行動して下さい。空港職員はみな殆ど英語ができませんのでご注意を。入国審
査ゲートを通ると、後は適当にそのまま進むと国内便乗り継ぎ待合フロアに出ます。
間違えて空港の外に出てしまったときは、普通に空港に入りなおし、国際便チェック
インカウンターで航空券を見せて相談すると解決するでしょう。
ツアーの集合場所は国内便乗り継ぎの待合フロアで、広いフロアにいろいろな食堂が
並んでいます。集合場所はこのフロアの端の方で椅子が沢山おいてあるスペースとします。
出発待合室はそのフロアから案内ボードに従って階段をおりたところにあり、部屋一
杯の乗客で混雑しており、小さな飲食屋台があります。出発待合室には出発 1 時間前くら
いには降りていくことになります。
136
昆明空港で
羽田組以外の人たちは私が一緒なので以下の説明はまずは不要です。羽田組はここで
しっかりと行動せねばなりません。上海から昆明に到着すると、上海乗り継ぎの国際乗客
は別送手荷物を受け取るため、航空機を降りたところで中国東方航空職員が待っており、
乗客を特別に案内して国際別送手荷物受取フロアに案内してくれます。
万一案内を逃がして国際別送手荷物受取フロアに行けなかったとき、つまり空港の外
に出てしまったときは、空港に入り直し、インフォーメーションカウンターや国際便受付
カウンターなど、英語が通じるところに行って事情を話して荷物を受け取るようにする。
このときには手荷物レシートと航空券を提示すればわかってもらえるでしょう。
別送手荷物を受け取って、そのまま適当に進むと空港の広い一階フロアに出ます。こ
こからエレベーターに乗って3階のチェックインカウンターフロアに行って下さい。本隊
は 1 時半頃には3階フロアにたどり着きます。羽田組とはこのフロアで合流します。真ん
中あたりに大きな丸い長椅子セクションがあり、そのあたりで合流しましょう。
合流したらば4階マッサージ室の仮眠ソファーベッドを借りて仮眠する予定です。ベ
ッドは一人 80 元程度だったと思います。ベッドが満員のときは空港内の適当なところで休
むしかありません。そのようなときは必ず全員集合を確認し、翌日の出発の打ち合わせを
してから各自自由行動とします。
羽田組だけで交渉して先にベッドで寝ていることもできると思いますが、言葉が通じ
ず、値段もわからず、なかなか困難です。さらに,円-元交換ができる時間を過ぎている
可能性があります。なお、万一夜に合流できなかったときは翌朝 9 時ころに上記マッサー
ジ室付属食堂で落会うことにしましょう。また、5 日の出発は午後なので、午前中に昆明
市内見学が可能と思う人もいるでしょう。しかし、市内は全く言葉が通じないために空港
に帰れるかどうか問題があり、市内見学は全く推奨できません。しかし強い希望があって、
かつ十分な自信と用意がある人が 3 人以上いるときは 3 人で団体行動することを条件とし
て市内見学を許可します。市内から空港までのタクシー料金は 100 元ほどと思いますが、
結局相手との交渉になります。
では、皆さん、上海で、昆明での無事合流を期待して、GOOD
LUCK!
4.第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアーの名札、ペッタンと旗
ツアーの名札、ペッタンと旗を作りました。これらはとりわけ私たちが無事、速やかに集
合できるために必要です。みなさんそれぞれで適当にプリントして活用して下さい。
(1) 名札は各自プリントし、胸に付けるか、首からぶら下げるなどしてお互いに発見・
認識できるように工夫して下さい。とりわけ、上海や昆明での無事合流のためと、
人の名前を憶えれない私のために重要です。下のサンプル名札の吉田勝を消してご
自分の名前を書いて下さい。べつに「Communication with Participants」サブフ
ォルダーにアップロードしてある名札用のJPGファイル(右の写真)を利用して
作成し、名刺サイズ一杯に印刷して下さい。
(2) ペッタンは別送手荷物や持ち込み手荷物などの見えやすいところに添付あるいは
取り付けるなどして、ほかの人に認識してもらうためです。これも名刺サイズでよ
いでしょう。
137
(3) 旗はA4サイズ一杯にプリントし、適当な棒等にセロテープなどではりつけて振り
歩いてバラバラなメンバーに集まってもらうためなどに利用して下さい。
<左>名札、これはモデルです各自適当な
大きさにプリントし、ご自分の所属と名前
をいれて下さい
ペッタン、適当な大きさにプリントし
このまま使用可
学生ヒマラヤの旗、A4
サイズいっぱいに拡大、
プリントして利用して下
さい。
138
5.第5回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加のネパール人教員と学生
<教員>
Dr. Mukunda Raj Poudel:トリブバン大学准教授、堆積学
(ムクンダさん又はムクンダ先生)
<学生>
Ms. : Achyut Nepal: トリブバン大学トリチャンドラキャンパス地質学科4年生
(アチュートウまたはアチュートウさん)
Mr:.Sadikshya Mainali: トリブバン大学トリチャンドラキャンパス地質学科4年生 (サディクシ
ャまたはサディクシャさん)
*****************************************************************************
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー(SHET-5)参加者各位
共有 Data Box の設置とツアーレポートの内容について
皆さん
いろいろありましたが、何はともあれ無事帰国できてよかったですね。ツアー後半に体調
をくずされた方、どうしていますか。ご一報下さい。さて、早速ですが、連絡が 2 項目あ
ります。
1.データボックスに参加者の共有フォルダー(Common Folder)を作り、皆さんに共有者
になるように招待をだしました。Data Boxから共有のご招待メールが皆さん
に届いていると思います。ぜひ承諾して共有フォルダーを使えるようになってくださ
い。共有フォルダーに皆さんそれぞれに自分のサブフォルダーを作り、そこに皆さん
がみんなと共有したい写真などなんでもアップロードして下さい。私はまずは私のサ
ブフォルダーを作り、人物の入ったスナップ写真だけをアップロードしましたので、
皆さんご自由にダウンロードして使って下さい。ただし、どんな使い方をするにして
も、使うときにはそのファイルの元の所有者、私のサブフォルダーのファイルであれ
ば吉田勝、を明記して下さい。そうでないと使用者がとった写真、作ったファイルと
いうことになってしまい、盗作の罪を犯すことになります。
なお、参加者全員に伝えたいことなどは、サブフォルダーに入れずに Common Folder
に直接アップロードして下さい。そうすれば皆さんがすぐに読めますね。その場合、
文章などのタイトルと自分の名前、日時を必ず付記して下さい。
2.皆さんのツアーレポートは以下の要領でお願いします。
(1) タイトル、所属と名前と自分の好きな自分写真の最初に入れる。
(2) イントロとして参加の理由、そのほかあれば記す。
(3) ツアー全体の概要をごく簡単に記す。数行でたりるかな。
(4) ツアーで最も感銘をうけた地学事象
(5) ツアーで最も感銘を受けた地学以外のことがら。
(6) そのほかなんでも、例えば本ツアーへの苦情、賛辞、などなどがあれば、本ツ
アー将来の一層の発展のために歯に衣を着せずに記述。
(7) 自分の健康状態に問題があった場合はその経緯と帰国後経過など。
139
(8) 全体で2~5 ページ+-程度とし、4 月 18 日提出期限厳守をお願いします。
ページ数は目安ですので、数ページのオーバーはかまいません。ツアーの写真
最低 1 枚は入れて下さい。人の写真を使っても結構ですが、その場合は写真説
明に誰の写真か明記して下さい。
なお、ツアー経理については近いうちに報告し、残金をお返しします。しばらくお
待ちください。 以上です。みなさんのご健康と一層のご活躍を願っています。
吉田勝 3 月 20 日
**********************************************************
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者各位
経理報告と健康問題に関する連絡
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアーの経理まとめが終わりました。学生の参加者一人当
たりのちあー経費は約 193000 円、参加費プラスツアーの雑収入が一人当たり 216000 円ほ
どなので、残金の返済はお一人平均で約 23000 円となります。詳細は追ってお知らせしま
す。つきましては、この残金返済を行いたいので、みなさんの銀行口座をお教え下さい。
皆さん、その後のご健康はどうでしょうか。昨日、木村君が発熱して病院で検査中との知
らせが入りました。少しでも調子がわるいひとは必ず病院に行き、事情を話してきちんと
した検査を受けて下さい。
吉田
3 月 23 日
**************************************
Subject: 実習ツアーの経理報告と残金の振り込み
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者各位
ヒマラヤ実習ツアーの経理まとめを添付お送りします。また、返金額計算表をお送りしま
す。
本日、この表に基づいて皆さんの銀行口座に振り込みました。皆さんの口座に振り込まれ
た金額は「送金額」より送金手数料を差し引いた金額です。
吉田
3 月 30 日
*******************************************************************
Subject: 帰国後の健康問題
第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者各位
皆さん、K君より、健康問題に関するメール連絡が 3 回きましたので以下にそれらを収録
140
してお送りします。原因不明の発熱や下痢などが数か月以内に発生したときは医者にネパ
ールでの状況を説明し、きちんとした検査を受けて下さい。
吉田
4月1日
*************************
4月1日
また,退院後の診察も受けてまいりました.診断としては,カンピロバクターという菌
による食中毒に極度の脱水症状と風邪が重なったもの,ということでした.以前お伝えし
た腸チフスに関してですが,現在は可能性としては低いと考えてよいだろう,とのことで
した.しかし,感染症の潜伏期間を考えると腸チフスで 1 ヶ月,A 型肝炎で 2 ヶ月は一定程
度の用心が必要であり,今後 2 ヶ月間,何か異常があれば医師にネパールに渡航していた
ことを伝えるようにとの指示を受けました.
なにはともあれ無事に生還しましたので,ご報告させていただきました.
****************************
3 月 26 日 吉田様,ならびにツアー参加者の皆様
ネパールからの帰国後の経過についてご報告させて頂きます.
帰国後の3月21日から本日(3月26日)までの6日間,下痢,嘔吐,発熱などを理由
に,国立国際医療研究センター病院に入院しておりました.便の検査の結果,食品に含ま
れる細菌,大腸菌,ノロウイルスが検出され,これらが原因と考えられています.お医者
さんの話では,食品や水をとおしての侵入が最も可能性が高いとのことでした.また私の
場合,極度の脱水状態も重なり,回復まで点滴を必要としました.
みなさまは体調にお変わりありませんでしょうか.数名,あまり芳しく無いという話を聞
いておりますので,少しでも怪しい点があれば,一度受診されることを,強くお勧めしま
す.
********************************************************************************
141
資料5 現地旅行社
との交渉記録(抄)
*******************************************************************************
Date: Mon, 8 Jun 2015 12:33:45 +0900
From: [email protected] CC: [email protected]; [email protected]
Sub: Questions regarding lodgings along the Kaligandaki valley.
To: Trekking agencies in Nepal
Dear Friends,
I have been conducting a group tour of about 15 students along the Kaligandaki Valley utilizing
bus/jeeps. I am now planning for the tour next March. In planning the tour, I hope to collect
information on lodging conditions there. I tried to draft up a provisional itinerary for the tour,
which is a little different from previous tours of the same category. The itinerary is attached with
this mail for your perusal.
During my tours so far, we stayed in Jomsom, Kagbeni, Kalopani and Tatopani. However for the
next March, I plan to stay in Jomsom, Kagbeni, Marpha, Lete and Tatopani, one night more to stay
in the valley. In this plan, Marpha and Lete are new night halts for us. So I would like to ask you
about the lodging conditions of these two sites. Also I would like to ask you if you have your
familiar hotel(s) with which you can contact through e-mail or not.
Regards, Yoshida, June 8th, 2015
(Cc: Prof. B.N. Upreti)
********************************************************************************
Date: Mon, 22 Jun 2015 16:50:00 +0530
RE: Japanese Student Himalayan Tour
Respected Prof Yoshida, Greetings from Alpine Asian Treks.
Thank you for your kind email again. I am starting to work on tour and itinerary. I need some more
details to provide you the cost and other details. Would you mind providing me the following details
for our understanding.
1. How many participants will be in tour ? and how many additional Nepali participants ?
2. Should i have to provide all meal (breakfast lunch and dinner ) in the city as well as ?
3. Do you will need a city tour guide as well as or just a trekking guide in mountain ?
4. How about entrance while sight seeing in the city ? If i have to pay, i have to know the
detail itinerary in Kathmandu.
5. Should i book the Monastery in Lumbini or Guest house ?
6. How many single, double, triple room will require (tentatively) ?
7. Do i have to provide mineral water every day like last time ?
If you have any further details from your side which will help us to make more details about tour
would be appreciable. Sorry for many questions.
Sincerely, Shekhar Thapa, Alpine Asian Treks
*******************************************************************************
July 4th、2015
Prof. Masaru Yoshida, Namaste from Nepal!
142
Sorry for late writing. I have prepare a proposal to the 58th Student Himalayan Tour Nepal.
I have attached the details please acknowledge that. Further please write me. Sorry for late reply.
Shekhar B Thapa、 Alpine Asian Treks
****************************************************************************
July 11th, 2015
To: Trekking Agencies, Nepal
Dear ---------------,
I would like to request you to consider applying us a proposal for the collaboration with us in
conducting the 5th Japan-Nepal Student Himalayan Exercise Tour next March. Please refer the
attached files including the request letter, itinerary, and quotation form. Please refer the request
letter carefully and when you will have understood and agreed upon the conditions mentioned in the
letter, please send your proposal to us.
Looking forward to hearing from you,
Regards, Masaru Yoshida
Representative of Convenors for the Japan-Nepal Student Himalayan Exercise Program
http://www.geocities.jp/gondwanainst/geotours/Studentfieldex_index.htm
Attached files sent herewith include:
J:¥2013allfolders¥Studenthimalaya2016¥Request_proposal20150710.doc;
J:¥2013allfolders¥Studenthimalaya2016¥5thSHET_ItineraryEN0710.xls;
J:¥2013allfolders¥Studenthimalaya2016¥Quotationform20150710.xls;
J:¥2013allfolders¥Studenthimalaya2016¥Conditions_tour20150710.doc;
cc: Dr. K. Arita, Dr. T. Sakai
********************************************************************************
July 11th, 2015
Request of your application to collaborate with us for conducting the 5th JapaneseNepalese Student Himalaya Exercise Tour in March 2016 and to provide your best
quotation and ideas for the tour.
To: Travel Agents in Nepal
Dear Friends,
We have been conducting Japan-Nepal student Himalayan exercise tours since 2012. In March 2016,
we plan to conduct the 5th tour of 14 days with about 20 (+-5) participants. In making the plan of
the above tour, we hope to collect proposals from several Nepalese travel agents (TA) including the
143
ones that collaborated with us so far, and to identify the best offer, by assessing the proposal from
view point of the quality of the management, in association with the quotation, as well as the
reliability of the management and suitability to our idea. Thus, we would like to request your
collaboration in providing us your proposal, if you hope to do so. After receiving your proposal, we
will start discussion with you on the proposal. To submit your proposal means that you have a
possibility of being identified to collaborate with us, and that you intend to take part of conducting
the tour in case you will have been identified the best for this time by our assessment.
I am sending herewith as attachments, 1. Itinerary of the tour, and 2. Possible format of quotation of
the tour (including Yoshida’s provisional idea of a part of the costs and a possible proposal form to
be filled by the TA). If you like, you are kindly requested to fill columns of the “Proposal by a
Nepalese Travel Agent” which are highlighted yellow, along with a separate letter mentioning any
conditions of the quotation, suggestions, and request to us, etc. Please write your company name
and the date of description, and send back me by e-mail as an attachment. You do not need to follow
strictly the format, but can modify it or make your own quotation on your form. In any case, please
read carefully the attached file “Our Ideas for the Conditions of the Tour” that explains some
conditions and our ideas of the tour.
For applying the proposal, the following special conditions of the present program should be
understood. The present program is planned to be useful for encouraging students to study field
geology, as well as to create/increase mutual understanding of Japanese and Nepalese students. The
project is considered useful for the Department of Geology, Tri-Chandra Campus, which is provided
chances of sending students and teachers to the Himalaya and intermingling with Japanese students
and teachers.
Because Japanese students are not rich, especially for joining such a tour, many Japanese students
have to produce necessary fund by the effort of themselves. Because of this, we conduct the tour
with a very economical base, including a complete voluntary service of leaders and the conducting
organization. They are strictly prohibited to get any economical profit from the tour, and allnecessary expenses of the tour should be minimal. I hope your understanding and collaboration in
providing us your best offer.
In providing your proposal, please mention the following items along with your proposal files.
i) Your idea of how to use vehicles, and how to get confidence in the proper materialization of your
vehicle-run-program.
ii) Your idea of management in case some students suffer altitude disease of middle to grave grade.
iii) Your idea of what hotels and lodges (teashops) are you going to use (write their names please).
The deadline of the submission of the proposal is the 31st of July, and the evaluation of proposals
will be done within a month, the 31st of August, and the result will be informed simultaneously to
all the agents who submitted their proposal.
Sincerely, Masaru Yoshida
Representative, The Group of Convenors of the Project for the Student Himalayan Exercise
144
President, Gondwana Institute for Geology and Environment, Japan
Emeritus Professor, Tribhuvan University, Nepal.
http://www.geocities.jp/gondwanainst/geotours/Studentfieldex_index.htm
147-2 Hashiramoto, Hashimoto 648-0091, JAPAN
E-mail: [email protected] Tel/Fax: 0081-(0)736-36-7789
Provisional Itinerary of the 5th Student Himalayan Exercise Tour in Early March 2016
M. Yoshida, 20150711
Days
Day 1
Day 2
Route
Details
Japan - China
Via Shanghai, stay at the Kunming AP
Kungming-Kathmandu Walk around the hotel
(Stay)
Remarks
AP-Hotel pickup
Day 3
Kathmandu (Stay)
Pre-tour seminar at TU, and town excursion escorted by
TU students
No car necessary
Day 4
KTM-PKR (Stay)
Viewing landslides, colluvium, talus, terrace, Lesser
Himalayan geology, Krishnavir landslide
Bus, with a good quality speaker
Day 5
PKR-Jomsom (Stay)
Some stops viewing Annapurna Range, Viewing Fagfog
quartzite, Kuncha phyllite, GLOF sediments and terraces
Bus, with a good quality speaker
Day 6
Jomsom-carMuktinath-walk Kagbeni (Stay)
Several stops to learn geomorphology and geology of
Quaternary and of Tethys Sediments.
2 jeeps JOM-MUK. MUK-KAG, one
jeep should ba associated with the
trekking.
Day 7
KGB-car, walk-Marpha
Tethys Sediments, observation and sketches
(Stay)
KGB-JOM: one jeep should be
associated with the trekking. JOMMRP, bus should be with us, making
several stops.
Day 8
MRP-car, walk -Lete
(Stay)
Tethys Sediments, STDS, FIII of the Higher Himalayan
Gneisses, Morains.
The bus should be with trekking.
Day 9
Lete-car, walkTatopani (Stay)
Higher Himalayan Gneisses, MCT, Lesster Himalayan
Metasediments, Landslides
Lete-TTP, bus should be with
trekking.
Day 10 TTP - car - PKR
(Stay)
Lesser Himalayan Metasediments, GLOF sediments,
Terraces
TTP-PKR, bus should be with us,
making several stops.
Day 11 PKR (Stay)
GLOF sediment, Landslides, Sand subsidence, Mountain
Museum
One day city tour by a bus.
Day 12 PKR - car -Lumbini
(Stay)
Lesser Himalayan Metasediments, Gondwana Sediments,
MBT, Siwaliks, MFT, Gangetic Plain.
By the bus, with several stops.
Day 13 LMB- car - KTM
(Stay)
Visit Budda Place, MFT, Lesser Himalayan
Metasediments, MBT
By the bus, with several stops.
Day 14 KTM (Stay)
Summary seminar at TU with TU students. Visiting World No car necessary
Heritage sites with TU students in the afternoon..
Day 15 KTMKUN(China)(Stay)
Stay at the Kungming Airport
Hotel - AP escorting necessary
Day 16 KUN-Japan
KUN-Shanghai-Japan (Narita, Osaka, Nagoya, Fukuoka,
etc)
Stay at the Kunming AP
KUN: Kunming, TU: Tribhuvan University, KTM: Kathmandu, PKR: Pokhara, BEN: Beni, JOM: Jomsom, KAG:
Kagbeni, MRP: Marpha, TTP: Tatopani, TAN: Tansen, LUM: Lumbini
145
Quotation for the Student Himalayan Exercise Tour in March 2016
Total 20participants including Japanese 16 students and 1 teacher (leader), and
Nepalese 2 students and 1 teacher.
M. Yoshida, July 11th, 2015
Details
Item
Lodging with breadfast. Kathmandu
Pokhara
4 nights 400 17
1000 per
head
3 nights 300-1000 20
Lumbini
1 night
Mountain
5 nights 200-300
20
In towns
5 days
1200
20
18000 60000
6000 20000
20000 30000
120000
In towns
In mountains
3 days
5 days
1200
1600
17
20
61200
160000
KTM-PKR
PKR-BEN-PKR
1 bus
4 Jeep
BEN-JOM-BEN
4 Jeep
5
10
10000 20000
35000
17
5760
A
B
C
Lunch, Dinner, 5 teas,
1.5 little mineral water
ibid
ibid
Local trafic (chartering
vehicles)
Yoshida's idea in Nepali Rupees
Number Unit cost Num Total
s
per head bers cost
300-1000 20
Proposal by a Nepalese Travel
A t
Cost per
Detai Unit Num Total
head for
ls cost bers cost
Japanese
27200 68000
JOM-MUK-KAG- 4 jeeps
JOM
PKR-TAN-LUM- 1 bus
MUG-KTM
D
E
F
G
Sherpa and Guide
Tax, ACAP and Trekking
Permit
Other expences
Agent commission
Hotel-Airport
1 bus or
escort
two vans
One or two sherpa(s) for 5 2000
days above Pokhara.
One guide from Kathmandu 3500
to Kathmandu for 10 days.
3280
Pre-survey, preparation, etc. if any.
5- 8 percenrt of the total
SUM
KTM: Kathmandu, PKR: Pokhara, BEN: Beni, JOM: Jomsom, KAG: Kagbeni, TAN: Tansen, LUM: Lumbini, MUG: Mugling
*****************************************************************
Our Ideas for the Conditions of the Tour
1 Costs for items A - F should be the estimates of practical amount that the travel agent (TA) will
pay to hotels, cars, etc...
2 Lodging/hotels are 2 – 6 bed rooms for students and twin room (s) for teachers. No double bed, in
any case, should be used. The fee includes breakfast in towns, but in mountains, it includes only
146
lodging and with no meals. Rooms are generally expected, but not very necessary, to be
attached with shower/toilet, except in mountains.
3. As for the lodgings, we consider such hotels as the Mount Fuji Home in Kathmandu, which show
internet price of Rs. 700 (dormitory, per bed) to 1800 (Twin), R&R Guest House in Pokhara
(400/bed – 1000/twin rm), and Lumbini Village Inn in Lumbini (possibly 1000-1500/twin rm).
These are just examples and you are quite free to propose your own choice. However, the
cleanness of beddings and sheets is the principal requisite and toilet and shower are better to be
attached..
4. We prefer the Dhaulagiri Lodge or some adjacent lodge near the hot spring in Tatopani.
5. The estimate for the meal prices are as follows, based on menus in towns and mountains,
although not very accurate. Dinner: 450-550, Lunch 350 – 400, Breakfast: 250-350. Tea:
40:/cup, mineral water 40/little. Thus, the dinner could be non-veg dal bhat, lunch: veg dal bhat,
cowmen, fried rice, etc. and American breakfast.
6 Because of long drive, the chartered bus (and jeep?) should be very safe with a very good driver,
spacious, have a good quality suspension and sheets. To drive by one bus above Beni,
negotiation with the local drivers association will be necessary, by paying some amount
because we need several stops to observe several geology stops.
7. All the busses are hoped to be equipped with a good speaker. Especially the bus KTM-PKRLUM-KTM should be attached with it. For the bus PKR-JOM, a good quality handy speaker
will be useful in case it is not attached with the bus. For the entire tour course KTM-PKRJOM-MUK-PKR-LUM-KTM, the handy speaker will be utilized as well.
8. One jeep may be better to accompany the bus all through the route KTM-PKR-JOM-PKR-LUMKTM or the PKR-JOM-PKR section only. But this is not strictly necessary. However anyway,
please include this in the quotation for both the whole course and the shorter span. If it is too
costly, then I will abandon it.
9 The amount of TA commission is free to propose. My suggestion is 5 percent of the sum of the
cost.
End
********************************************************************************
July 5th, 2015
To Prof. Masaru Yoshida
Representative, The Group of Convenors of the Project for the Student Himalayan Exercise
President, Gondwana Institute for Geology and Environment, Japan
Sub: Please accept our proposal to 5th Japan – Nepal Student Himalayan Exercise Tour to
Nepal.
147
Dear Sir, madam
It is our great pleasure to receive a request to submit our best offer to the 5th Japan – Nepal
Student Himalayan Exercise Tour to Nepal 2016. We have submitted our best offer within your
guidelines. Please acknowledged them as attached and further please do write me. We will be
always in attention to your queries and questions.
Looking forward to your positive emails towards our offer.
Sincerely,
Shekhar Bahadur Thapa
General Manager, Alpine Asian Treks and Expedition P Ltd, Jyatha Thamel Kathmandu Nepal.
Tel: +977-1-4224138/ 4226896 Cell: 977-9813670109
Email: [email protected] [email protected]
Website: www.trektournepal.com www.alpineasiantreks.com
********************************************************************************
July 5, 2015
To Prof. Masaru Yoshida
Please find the following details from our side to our understandings
.
(Our Ideas for the Conditions of the Tour)
1) Costs for items A - F should be the estimates of practical amount that the travel agent (TA)
will pay to hotels, cars, etc...
AATE: We have tried to make closer to the practical cost though there could be some
changes as we have to go another 8 or 9 month.
2) Lodging/hotels are 2 – 6 bed rooms for students and twin room (s) for teachers. No double
bed, in any case, should be used. The fee includes breakfast in towns, but in mountains, it
includes only lodging and with no meals. Rooms are generally expected, but not very
necessary, to be attached with shower/toilet, except in mountains.
AATE: Teachers will be accommodating as twin sharing basis. Regarding the students
would accommodate in 3 or 4 people sharing.
3) As for the lodgings, we consider such hotels as the Mount Fuji Home in Kathmandu, which
show internet price of Rs. 700 (dormitory, per bed) to 1800 (Twin), R&R Guest House in
Pokhara (400/bed – 1000/twin rm), and Lumbini Village Inn in Lumbini (possibly 10001500/twin rm). These are just examples and you are quite free to propose your own choice.
However, the cleanness of beddings and sheets is the principal requisite and toilet and
shower are better to be attached.
AATE: After the earthquake disaster in Nepal, there is a heavy discount with the price for
now. I would say, the price would go high than now by next year. I have proposed my best
convenient and comfortable with compare the prices.
4) We prefer the Dhaulagiri Lodge or some adjacent lodge near the hot spring in Tatopani.
AATE: Dhaulagiri Lodge would be no problem. Whereas the other lodges would be
decided by the earlier day of arrive to the lodge.
148
5) The estimate for the meal prices are as follows, based on menus in towns and mountains,
although not very accurate. Dinner: 450-550, Lunch 350 – 400, Breakfast: 250-350. Tea:
40:/cup, mineral water 40/little. Thus, the dinner could be non-veg dal bhat, lunch: veg dal
bhat, cowmen, fried rice, etc. and American breakfast.
AATE: Yes, the meal prices are around your figure.
6) Because of long drive, the chartered bus (and jeep?) should be very safe with a very good
driver, spacious, have a good quality suspension and sheets. To drive by one bus above
Beni, negotiation with the local drivers association will be necessary, by paying some
amount because we need several stops to observe several geology stops.
AATE: We will provide a comfortable clean and reliable bus to the cities with suspension
seats. Our driver has a long experience with tourist coach driving. Regarding the PokharaMuktinath-Pokhara, we will provide a jeep. If we hire a jeep locally, they don’t have any
price limit. If they find a corner, they will trap us. The jeep will come from Pokhara and
bring back to Pokhara.
All the busses are hoped to be equipped with a good speaker. Especially the bus
KTM-PKR-LUM-KTM should be attached with it. For the bus PKR-JOM, a good quality
handy speaker will be useful in case it is not attached with the bus. For the entire tour
course KTM-PKR-JOM-MUK-PKR-LUM-KTM, the handy speaker will be utilized as
well.
AATE: The bus in the city will have a speaker. We will use a jeep in the mountain.
7) One jeep may be better to accompany the bus all through the route KTM-PKR-JOM-PKRLUM-KTM or the PKR-JOM-PKR section only. But this is not strictly necessary. However
anyway, please include this in the quotation for both the whole course and the shorter span.
If it is too costly, then I will abandon it.
AATE: I would say, the jeep will not require while our bus would be comfortable. You will
try without jeep to Pokhara. If you realize you will require a extra jeep, the price would be
negotiable (approx Rs.28000) by paying extra (Pokhara-Lumbini – Kathmandu).
8) The amount of TA commission is free to propose. My suggestion is 5 percent of the sum of
the cost.
AATE: By respecting Prof. Masaru Yoshida, we have offered our commission by 8.5%.
!
!
!
The total cost for approx 20 person in Nrs1185855.
Cost for Japanese Participant in Nrs65281.
Cost for Nepalese participant in Nrs52808/.
One person group leader will be complementary.
AATE would stand for “Alpine Asian Treks and Expedition P Ltd”.
Sincerely, Shekhar Bahadur Thapa, General Manager Alpine Asian Treks and Expedition P Ltd.
Jyatha Thamel Kathmandu Nepal .
149
Proposed quotation by AAT, July 5th, 2016 .
Quotation for the Student Himalayan Exercise Tour in March 2016
Total 20participants including Japanese 16 students and 1 teacher (leader), and
Nepalese 2 students and
1 teacher.
M. Yoshida, July
Item
Lodging with
breadfast.
Details
Kathmandu
A
Pokhara
Lumbini
Mountain
B
C
D
E
F
G
Lunch, Dinner, 5 In towns
teas, 1.5 little
mineral water
Yoshida's idea in Nepali
Rupees
Unit
Nu
cost
Total
Numbers
mbe
per
cost
rs
head
4 nights 400 - 17
1000
per
h d
3 nights 300- 20
1000
3 days
1200 17
ibid
In mountains
5 days
1600 20
Local trafic
(chartering
vehicles)
KTM-PKR
PKR-BEN-PKR
1 bus
4 Jeep
Tax, ACAP and
Trekking Permit
Other expences
Agent
commission
80000
5000
1250
19
71250
3750
Sun flower
1250
Losdge
Guest houses 400
19
23750
1250
19
30400
1600
Hotel/
Restaurant
1600
17 136000 7157.8947
Hotel/
Restaurant
160000 G H/
Restaurant
1600
16
76800
4800
1850
19 175750
9250
Bus Private
4 Jeep
Charter
####
####
20 25000 1315.7895
20 280000 14736.842
61200
In towns
Cost per
head for
Japanese
Unit Num Total
cost bers cost
16
300- 20
1000
5 nights 200- 20
300
5 days 1200 20
1 night
Details
1250
18000
60000
6000 20000
20000
120000
ibid
Sherpa and
Guide
27200
68000
Proposal by a Nepalese Travel Agent
Hotel
Namaste
Nepal and
A
t
t
Hotel Third
Pole
BEN-JOM-BEN 4 Jeep
0
JOM-MUK4 jeeps
KAG-JOM
PKR-TAN-LUM- 1 bus
MUG-KTM
Hotel-Airport
1 bus or
escort
two vans
One or two sherpa(s) for 5 2000 5
days above Pokhara.
0
One guide from Kathmandu 3500 10
to Kathmandu for 10 days.
3280 17
Pre-survey, preparation,
etc. if any.
5- 8 percenrt of the
total cost
Bus Private
####
20
Bus Private
2500
17
75000 3947.3684
5000
312.5
10000
20000
35000
2 Person
4500
20
22500 1184.2105
1 person
3500
20
35000 1842.1053
5760
17 person
3250
17
55250
3250
0
0
8.5% Agent
Commision
0
0
94155 5884.6563
1E+06 65281.367
SUM
KTM: Kathmandu, PKR: Pokhara, BEN: Beni, JOM: Jomsom, KAG: Kagbeni, TAN: Tansen, LUM: Lumbini,
MUG: Mugling
Temple, monastery or monument entrance will be self payable by the student.
Japanese Student Nrs.65281/ person
@16 person (one participant ACAP and
Temple, monastery or monument entrance will be self
TIMS only )
payable by the student.
Temple, monastery or monument entrance will be self
Nepalese
payable by the student.
Participant
Temple, monastery or monument entrance will be self
payable by the student.
150
***********************************************************************
From: Masaru Yoshida [mailto:[email protected]]
Sent: Monday, August 24, 2015 2:34 PM
To: Mr. Shekhar Bahadur Thapa
General Manager, Alpine Asian Treks and Expedition P. Ltd.
Thamel, Kathmandu
Dear Shekhar,
I have been assessing proposals by Nepalese trekking agencies and now have come to nearly getting
the conclusion. As I have briefly informed you before, your proposal is one of the best two among 4
proposals, and now I am very much inclined to accept your proposal, due not only the quotation, but
also the quality and sincerity of what you explained on various contents of the tour. Also, I am now
interested in accepting your idea on the usage of jeeps above Pokhara. So, just before requesting
you to engage with us, I have some questions/proposals to you as follows.
1.
2.
3.
Due to a little high price of lodgings in towns and mountains than I have planned, I have
decided to book the lodgings by myself and now completed it. They are the Mount Fuji Home
in Kathmandu, Unique Mountain Guest House in Pokhara, and Lumbini Village Lodge in
Lumbini.
To minimize the cost, I have decided to order meals in towns and mountains by myself and not
request you.
Although the number of participants are provisionally thought as 15 +-5, I cannot guarantee
that it may reach over 10.
Please let me hear your idea on the above, if you can still accept the above condition and accept my
invitation to collaborate with us in the Student Himalayan Exercise Tour next year. If you can
accept the above condition, then please re-write the quotation that you submitted me on the 31st July
at your earliest conveniences. In case your new quotation is more or less on the similar line of your
previous one, then I will sure to accept it and invite you to collaborate with us for the Tour.
Regards, Yoshida, August 24th, 2015
***************************************************************************
From: Shekhar Thapa, Sent: Thursday, September 3, 2015 10:25 AM
Subject: RE: Your reply awaited as quickly as possible
Respected Prof Yoshida, Greetings of the day ! Thank you very much for the reminder email. I have
sent the itinerary and details on 26th of August (from [email protected]) which dose not
include the hotel and meal in the city.
I am sending it again with this email and hope it will find well.
Shekhar B, Thapa General Manager Alpine Asian Treks.
********************************************************************************
*********************
From: [email protected] Date: Thu, 3 Sep 2015 22:38:37 +0900
151
Subject: RE: Your reply awaited as quickly as possible: Thanks, and I accept your new
proposal
Dear Shekhar, Your new proposal is good, and so, let’s collaborate for the 5th Student Himalayan
Exercise Tour in March next year. I will contact you whenever necessary, and you are free to inquire
me whatever you feel necessary.
Regards, Yoshida, Sept. 3rd, 2015
*******************************************************************************
3rd Sept. 2015
To: Trekking three trekking agencies, Kathmandu and Pokhara
Dear -----------------------,
This is to inform you that your proposal to collaborate with us for the 5th Student Himalayan
Exercise Tour to be conducted in March 2016 has not been accepted.
I received proposals from four Nepalese trekking agencies and examined carefully all of them. After
comparatively assessing the four proposals, I decided to accepted the proposal by Alpine and Asian
Treks and Expeditions P. Ltd, Kathmandu. I found that their proposal including quotations
associated with detailed explanations and conditions of collaborating with us for the tour are the
best fit to our requirement this time.
I sincerely thank you for making effort in preparing the proposal and submitted it to me. I would
like to request you not to abandon to join the application of proposal for the next time.
Cc: Convenors of the project, Prof. Kazunori Arita, Dr. Tetsuya Sakai, Prof. Bishal Nath Upreti
Sincerely yours, Prof. Masaru Yoshida
Representative of convenors, Student Himalayan Exercise Project
******************************************************************************
From: Shekhar Thapa Sent: Friday, September 4, 2015 1:11 AM
Subject: RE: Your reply awaited as quickly as possible: Thanks, and I accept your new
proposal
Respected Prof. Yoshida, Thank you very much for choosing our company as a operator of the 5th
Student Himalayan student Exercise tour. We will stay in touch.
Shekhar Thapa General manager Alpine Asian Treks
********************************************************************************
From: Masaru YOSHIDA, Sent: Sunday, January 10, 2016 10:28 AM
Subject: Re: Your reply awaited as quickly as possible: Request revised quotation
Dear Shekhar, Many thanks for your reply.
I guess there would be so difficult conditions in Nepal. To wait by the end of next week is no
problem. I understand that the conditions may be variable and even though you may make a
quotation, that may easily change especially due to the gasoline problem. You can try to make a
quotation separate for the car fuel part, giving some range of prices for the fuel and the car.
Regarding the hotels, I have confirmed the hotels in Kathmandu (Mount Fuji Ho
me) and Pokhara (River Park Hotel, Lake side), and Limbini (Lumbini Village Lodge). Lodgings in
152
mountains are left for your booking although I request you to book the Dhaulagiri Lodge in
Tatopani.
Regards, Yoshida, Jan. 10th, 2016
***********************************************************
From: Masaru Yoshida, Sent: Sunday, January 17, 2016 7:40 AM
Cc: 'Bishal Nath Upreti'; 'tara nidhi bhattarai'
Subject: RE: RE:Your quotation is based on wrong number of participants:
Constitution of participants
Dear Shekhara, I found now your proposal appears understandable and no problem.
Now I would like to request you to provide me the details of the quotation which is the base for the
estimate of the cost.
I am attaching herewith your last July quotation. You can delete and/or add any part of this table
and teach me the base of your newest calculation.
By the way, there happened an accident of a tour bus in Japan which is drawing attention of
Japanese society. The most important point of our Himalayan tour is the safety among which the
safe driving is the most critical. Regarding this point, I hope to know the conditions of the drivers
room of the bus, i.e., one or two assistants of the driver will be sitting aside the driver, I believe.
My idea is that the assistant should always be very keen to keep the driver to be cautious on driving,
to keep talking with the driver so that he may not drive I sleeping.
Regarding on this issue, please let me know how do you think to provide two drivers for one bus,
which is a general rule in Japan when he bus is driving long distance and time. Also please teach
me if I request one more driver for the bus, how much extra cost will be necessary.
Regards, Yoshida, Jan. 17th, 2015 (Cc: Professors Upreti and Bhattarai)
********************************************************************************
From: Shekhar Thapa, Sent: Sunday, January 17, 2016 1:59 PM
Subject: Re: RE: Your quotation is based on wrong number of participants:
Constitution of participants
Respected Prof Yoshida,
I have attached the details of the cost estimate for your understanding.
Regarding the driver i will find a reliable driver. If we want to take one extra driver any way would
cost Nrs.3000/ day.
I have one question, do you need a extra jeep while going Pokhara-Lumbini-Kathmandu ?
Shekhar Thapa, General Manager, Alpine Asian Treks
********************************************************************************
From: Masaru Yoshida, Sent: Tuesday, January 26, 2016 11:12 AM
Cc: 'Bishal Nath Upreti'; 'tara nidhi bhattarai'; 'madan manandhar'
Subject: RE: RE: Your quotation table received with thanks and I confirm to accept the
quotation
Dear Shekhar, Yes, I received a table of quotation sent me on the 17th Jan. I am very sorry of this
late reply. I found that the above quotation and attached descriptions of itinerary and conditions are
quite OK, and I confirm the and request you to make necessary preparation and arrangement for the
5th Student Himalayan Exercise Tour to start on the 5th March this year. Please let me hear if you
need to receive any pre-payment for the above work, or you can manage at your side only.
153
Please be careful to be sure to run necessary transportations including bus and jeeps. I got news on
the deficiency of gasoline in Nepal and difficulty in running vehicles there.
Regards, Yoshida, Jan. 26th, 2016 (Cc: Profs. B.N. Upreti, T.N. Bhattarai, Mr. M. Madan)
****************************************************************************
Feb. 6, 2016
Some wrong calculations in your quotation: please correct
Dear Shekhar, I infomed you that I agreed to your amendment, going through your mail text only.
However, after trying to open your attachment, I found that you made no change of your proposed
price from the one you sent me on January 17th, and that you attached no corrected quotation table
over the one that I sent you on the 29th January.
Actually I found your understanding written in your mail text of February 3rd is fine and I agree to
accept it, because I thought you should have incorporated those ideas into your new quotation.
Please refer your file sent me on the 3rd February. That file, with the title "Our Ideas for the
Conditions of the Tour" is dated 1/16/2016 and not 3/2/2016, and the contents are almost same as
the one you sent me on the 17th Jan. There are found two differences between the two. The cost for
Japanese participants is changed from 47683 to 43323, and for Nepalese from 43304 to 39758.
However the total cost for 18 participants is strictly similar for both quotations as 799373. If we
calculate the total cost to be paid to AAT from the costs per person, it comes as follows.
43323x15+39758x3=760,119 .
However, this amount is also difficult to understand. Based on the corrected quotation table
(attached herewith), which incorporate your idea that the meal cost could be 2000 and not 1600 per
day for the mountains, the total cost that I will pay to AAT comes as 734,274 rupees, which is less
than 760119 above.
Please examine the quotation table and let me inform your idea on the above.
Regards, Yoshida, Feb. 6th, 2016
********************************************************************************
154
Quotation for the Student Himalayan Exercise Tour in March 2016
Total 18participants including Japanese 14students and 1 teacher (leader), and Nepalese
2 students and 1 teacher. Prices are in Nepal rupees.
M. Yoshida, Jan. 28, 2016-Rev-0206
Item
A
Lodging with
breakfast.
Yoshida's initial/modified idea
Proposal by AA, modified partly by Yoshida
Cost
Details
Number Total
Unit Numb Total cost per
s
cost
Details
cost
ers
(NRs)
head
directfor
paymen
Kathmandu
4 nights
Pokhara
3 nights
Lumbini
1 night
Mountain
4nights
52,200
73,440
775
24,480
Breakfast, Lunch, Kathmandu
Dinner, 5 teas,
B 1.5 little mineral
ibid
Pokhara
E
18
18,000
1,286
18
64,800
4,629
18
27,000
1,929
PKR-BENIJOM-MUK-PKR
PKR-TAN-LUMMUG-KTM
Hotel-Airport
escort
4 Jeeps
SUM
1,749
27,000
1 bus
Agent
24,480
64,800
KTM-PKR
G commission
18
6,000
4 days
Small sum
5,246
84,000
In mountains
F Other expenses
73,440
15
ibid
Tax, ACAP and
Trekking Permit
18
84,000
1day
Guide
3,729
3days
Lumbini
D Sherpa and
250
52,200
4 days
ibid
Local traffic
C (chartering
vehicles)
Guest
houses
15
1 bus
G H/
Restaura
nt
2,000
Bus
? Private 32,000
4 Jeeps
? Charter 75,000
Bus
? Private 80,000
18
1
4
144,000 10,286
32,000
2,286
300,000 21,429
1
80,000
5,714
3,000
2
6,000
429
4,500
5
22,500
1,607
3,500
9
31,500
2,250
3,250
Pre-survey, preparation,
etc. if any.
?
1
0
Sum paid 331,920 Sum paid by AA
Agent
5- 8
Commis
percent
0
? sion
of the
15
48,750
3,482
1 bus or
two
vans
One or two sherpa(s) for 5
days above Pokhara.
One guide from
Kathmandu to Kathmandu
for 7 days.
Bus
6,000 Private
2
? Person
1
? person
15
? person
331,920
1
1
0
0
676,750 48,339
57,524
4,109
1,066,194 76,157
Per head, etc
23,709
1,066194 - 331920 =
734,274 52,448
KTM: Kathmandu, PKR: Pokhara, BEN: Beni, JOM: Jomsom, KAG: Kagbeni, TAN: Tansen, LUM:
Lumbini, MUG: Mugling
Red letter: The cost is to be paid directly by Yoshida.
Yellow highlighted: Yoshida's suggestion to change from AA 0117 quotation.
Cost per head for Japanese: Total cost is divided by 14.
155
********************************************************************************
Feb 10th, 2016
Respected Prof Yoshida, Good morning from Kathmandu !
I have correct the meal costing as well as. I hope that this is the final costing.
I have attached it for your understanding.
Sincerely, Shekhar Thapa
*******************************************************************************
Quotation by AAT 20160210
Guest House in
Mountian
Meal in the mountain
including Tea and
Mineral Water
Arrival and Departure
Transfer
Ktm Pokhara Transport
Pkr-Jom-PKr
Pkr-Lum-Ktm bus
Sherpa 2 person
City Tour guide for 9
days
ACAP and TIMS
Total
Agent Commision
Grand Total
Total Japanese
Student have to pay
Total Nepalese Student
have to pay
Rate Qty
No of
night
gross
cost
Japanes Nepales
e
e
250 17
4
17000
1,000
1,000
2000 17
4
136000
8,000
8,000
3000 14
32000 1
75000 4
80000 1
2250 2
2
1
1
1
5
6000
32000
300000
80000
22500
429
1,882
17,647
4,706
1,324
0
1,882
17,647
4,706
1,324
3500 1
3250 15
9
1
31500
1,853
48750
2,868
673750 39,708
54236.88 3,190
727986.9 45,766
1,853
36,412
3,190
39,602
640,724
118,807
759,531
*******************************************************************************
On Wed, Feb 10, 2016 at 9:12 PM:
Dear Shekhar,
Many thanks for your quick reply. I found your last quotation is reasonable. Let's go on that line,
and I hope all matters of the tour may go generally on that line. Let's keep contact for the success of
the tour.
Regards, Yoshida, Feb. 10th, 2016
********************************************************************************
Feb 11th, 2016
Respected Prof Yoshida,
Good evening ! Thank you for this email.
This is my pleasure to organize tour/ trek which is associated expertise and scholar like yourself.
I will put all my effort to success the trek and tour.
Sincerely, Shekhar
****************************************************************************
156
資料6ネパール 2015 年大震災への対応
ネパール 2015 年大震災への対応
2015 年 4 月、第 4 回学生のヒマラヤ野外実習ツアーから帰国後 1 ヶ月ほど経って、ネパ
ールはカトマンズを中心に震災を受けました。私自身は別なツアーがあり、地震発生の 2
日前にカトマンズ空港を発ったばかりの時でした。震源はカトマンズの 80kmほど西のゴ
ルカ地方でしたが、カトマンズ盆地を中心に広い範囲が甚大な被害を受けました(吉田・
ウプレティ,2016,地学教育と科学運動 75 号,10~16 ページ)。
学生ヒマラヤプロジェクトに関係したトリブバン大学地質学教室教員、学生の人的被害
は幸い殆どありませんでしたが、教室の建物、施設や教員学生らの住居などにはいろいろ
な被害があり、教室は数ヶ月間使用できないという状態になりました。
学生のヒマラヤ野外実習プロジェクトではこの事態に対して以下の行動をとりました。
1.関係者らの消息、様子をメールで収集し、全員が無事であることを確認した。
2.震災対象に以下の3通りの募金活動を開始した。
①4 月~5 月:トリブバン大学教員とカトマンズ市民を対象とする募金を、4 月の個人
的ツアーおよびこれまでのヒマラヤのグループツアー参加の個人対象に実施した。こ
の詳細はゴンドワナ地質環境研究所(GIGE)ホームページで公開している。
②8 月~12 月:トリブバン大学教室の建物設備修復を目的として、地学団体研究会糸
魚川大会参加者らを対象に実施した。この詳細は GIGE ホームページで公開している。
③5 月末~6 月末:トリブバン大学トリチャンドラキャンパス地質学教室学生の被災者
を対象とする募金を、第 1 回から第4回の実習ツアー参加者を対象に実施。その後
2016 年 3 月に第 5 回実習ツアー参加者を対象にカトマンズで募金を実施した。この詳
細も GIGE ホームページで公開しているが、一部はここに収録、報告する。
3.教室、現地旅行社、友人らから現地の状況データを収集し、意見交換を行い、2016 年
の学生ヒマラヤ野外実習ツアーの実施を決定、各方面に通知。これは、実習ツアー実施に
関する問題はあまりなく、実行可能の見通しが得られたことと、震災復興にはネパールへ
の観光客が途絶えないことが重要との認識に至ったからである。
上記に関連する以下のデータをここに収録する。
A.2015 年 4 月~5 月のネパール大震災への対応についての配布文書
(全国地学関係教室、プログラム推薦者、指導教員登録者らに配布のファイル)
B.第 1 回~第 4 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者対象ネパール震災救援募金協力
お願い
C.第 1 回~第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者対象ネパール震災救援募金活動
報告
D.ネパール震災救援募金に対するトリブバン大学トリチャンドラキャンパス地質学教室
からのお礼メール
157
A.2015 年 4 月~5 月のネパール大震災への対応についての配布文書
2015 年7月8日
4 月-5 月のネパール大震災への対応
今年 4 月~5 月のネパール地震は、カトマンズを含むネパール中部に大きな被害をもたら
しました。私たちは実習ツアー実施の可否に関してネパール側と慎重な協議を行いました
が、いまネパール旅行者が減らないことが、ネパールの立ち直りに通じるとの理解信に至
りました。
カトマンズとポカラの旅行社からの情報では、カトマンズは震災の瓦礫もかなり片付き、
都市機能も回復しています。街では鉄筋の入っていない古い建物は大部分崩壊しましたが、
比較的最近に立てられたホテルやゲストハウスは健在で営業できています。一方カトマン
ズの西方のポカラの街の被害は僅少で、旅行者にとってとくに問題はありません。ポカラ
の北方で私たちの実習ツアーが行われるカリガンダキ河は、地すべりによる堰止湖ができ
てバス道が遮断されましたが、いまはすでに湖は解消され、車道の修復工事が行われつつ
あるとのことです。
以上を踏まえて、私たちは学生のヒマラヤ野外実習ツアーを来年も実施することにいたし
ました。皆さまのご理解とご協力をお願いします。
学生のヒマラヤ野外実習プロジェクト
世話人会
吉田勝(代表)、在田一則、酒井哲弥
www.geocities.jp/gondwanainst/geotours/Studentfieldex_index.htm
648-0091 橋本市柱本 147-2
ゴンドワナ地質環境研究所記付
電話・ファックス:0736-36-7789
158
B.第 1 回~第 4 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者対象
ネパール震災救援募金にご協力のお願い
第 1 回~第 4 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者各位
2015 年ネパール地震で被災したトリブバン大学生たちに救援の手を!
さる 4 月 25 日の中部ネパールの大地震とその後の余震によって、カトマンズを含むネパー
ル中部地域の人々は大きな被害を受けました。とりわけ中部ネパールの山村は壊滅的な打
撃を受けたと報道されています。私達を歓待してくれたトリチャンドラキャンパス地質学
教室の教員、学生やその家族が大きな打撃を受けたことは想像に難くありません。
そこで私は、過去 4 回の学生ヒマラヤ実習ツアーに参加したすべての皆さんに、お世話に
なったトリブバン大学の学生たちに対する被災義捐金の拠出を呼びかけることにしました。
集まった義捐金は、“被災学生の救援に使ってほしい”として地質学教室主任(Mr. Madan
Ratna Manandhar)あてに送ります。
皆さん、ぜひこの義捐金にご協力下さり、ご寄付をお寄せ下さい。ご寄付は以下の要領で
お願いします。学生ヒマラヤの参加者以外の方のご寄付も、もちろん歓迎です。
なお、私は別に友人らに義捐金を寄せて頂き、お世話になったトリブバン大学の教員と、
弱者救済の NGO 活動をしている Mrs Bhagawati.Nepal に折半してお送りしました。した
がって今回の義捐金は被災学生を対象とします。またこの経験から、ネパールへの銀行送
金は容易に速やかに実行できます。
2015 年 5 月 28 日
吉田 勝
記
義捐金募集期間:2015 年 5 月 28 日~6 月 20 日
義捐金の額:一口 2000 円(複数口も歓迎)
振込先:①三菱東京 UFJ 銀行 河内長野支店(店番:247)
普通預金口座:0073515
口座名義人:ヨシダ マサル
②ゆうちょ銀行 (口座名義人:ヨシダ マサル)
記号:14750 番号:2574351
ゆうちょ銀行以外の金融機関からのお振込
銀行名:ゆうちょ銀行 支店名:四七八(ヨンナナハチ)、店番478
預金種目:普通預金、口座番号:0257435
159
C.第 1 回~第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者対象ネパール
震災救援募金報告
第 1 回~第 4 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者各位
2015 年ネパール地震被災トリブバン大学生救援義援金募金活動報告
(2015 年7月 10 日)
表題の募金活動は 5 月 30 日から 6 月 20 日の間に実施され、下記の 8 人の皆さんから総額
72000 円の義援金が集まりました。募金締め切り後に、集まった義援金をネパールに送金
するべく手配をしましたが、ネパールでは個人口座に外国からの振り込みを受けてはなら
ないという新しい規則ができたため、5 月末に教室の被災教員対象の震災義援金を送った
方法では送ることができなくなりました。そのため、いろいろと手つくして、10 月にはあ
るネパールの NGO を経由して教室に送ることができる手はずができたのですが、本日教
室から、そのような方法でなく、来年 3 月に私がネパールを訪問するとき(第 5 回学生ヒ
マラヤ実習ツアー)に持参してほしいとの連絡が入りました。
本寄付活動の結果をもっと早く皆様に報告したかったのですが、先方に送付できた段階で
報告したく、のびのびになってしまいました。せっかくのご好意を下さった皆様には申し
訳なく、深くお詫びします。なお、来年 3 月には間違いなく教室の被災学生にわたるよう、
私が持参する所存です。そのときにはまた報告させて頂きます。
記
2015 年ネパール地震被災トリブバン大学生救援義援金寄付者名簿(敬称略、入金時期の順)
吉田勝、土屋誠子、大野卓也、在田一則、横田悦治、菅野有子(萌子の母)、増田麻子、
菅野萌子
ところで、上記のような事情で義援金は来年 3 月まで先方に送れないことになりました。
そこで、義援金へのご寄付の締め切りは来年 2 月末日まで延期します。お志をお持ちのか
たはぜひご寄付下さい。ご参考までに、5 月に出した義援金呼びかけの文章も添付お送り
します。振込先の銀行口座等はそこに記載してあります。
2015 年 12 月 6 日
吉田
勝
160
***********************************************************************
第 5 回実習ツアー参加者対象の
募金活動
2016 年 3 月 17 日
Charity for Students of the Department of
Geology, Tri-Chandra Campus
(Ed. By M. Yoshida June 2016)
2016 年 3 月 16 日、第 5 回実習
ツアー参加者を対象に寄付を募
2015年5月28日~6月20日
月日
Name
Name
Amount
ったところ、すでに寄付をした 1
5月28日 吉田勝
Yoshida Masaru
2000
人を除く全員から募金の申し出
5月29日 土屋誠子
Tsuchiya Seiko
2000
があり、総額 81735 円が寄せら
6月1日 大野卓也
Ohno Takuya
2000
6月2日 在田一則
Arita Kazunori
5000
6月2日 横田悦治
Yokota Etsuji
10000
6月4日 菅野有子
Kanno Yuko
20000
れた。結局募金総額は 155735
円となった。この募金総額は当
日にルピーに換金してトリチャ
6月17日 増田麻子
Masuda Asako
30000
ンドラキャンパス地質学教室主
6月17日 菅野萌子
Kanno Moeko
2000
任の Madan Ratna Manandar
12月10日 山田英愛
Hanae Yamada
2000
氏に贈呈した。なお同時に、上
12月10日
Sum
75000
記②(157 ページ)の募金総額
3月15日 矢野美波
Yano Minami
20000
175730 円も贈呈した。
3月15日 木村直人
Kimura Naoto
13333
後日、同氏より受領とお礼のメ
3月15日 山岡健
Yamaoka Ken
2000
3月15日 吉田宏
Yoshida Hiroshi
6402
3月15日 福田貴大
Hukuda Takahiro
2000
3月15日 李雨嘯
Li Yuziao
2000
3月15日 徳岡真
Tokuoka Ken
4000
3月15日 内田菜月
Uchida Natsuki
2000
3月15日 市谷和也
Ichitani Kazuya
2000
3月15日 内山しおり
Uchiyama Shiori
4000
3月15日 渡邊和輝
Watanabe Kazuki
4000
3月15日 河西夏美
Kasai Natsumi
20000
3月15日 小計
Sum
81735
3月15日 総計
Total
156735
ールを頂いた ( 162~163 頁に
収録)。
161
D.ネパール大震災募金に対するトリブバン大学トリチャンドラ
キャンパス地質学教室からのお礼メール
Acknowledgement of donations for the damage of
2015 Gorka Earthquake
From: [email protected]
To: [email protected]
CC:
[email protected];
[email protected];
[email protected];
[email protected];
[email protected];
[email protected];
[email protected];
[email protected];
[email protected];
[email protected];
[email protected];
[email protected];
[email protected];
[email protected];
[email protected]; [email protected]; [email protected]
Subject: Acknowledgement
Date: Sun, 20 Mar 2016 11:01:09 +0000
Respected Yoshida sensei,
It gives us immense pleasure to acknowledge the receipt of your kind generous donations to
our Department (NRs. 164,659.00) as well as (NRs. 154,358.00) for the students of
Geology, who are suffered from the April Earthquake in 2015.
In the meantime, we want to assure you that our departmental meeting will decide the
distribution and use of the money, asap.
Nevertheless, we want to recall your previous donation for our staff member, which we have
already handed over to Mr. Bishnu Mani Dhungana (NRs. 106,081.44) (photos attached ).
We would also like to express our deepest gratitude to the following Japanese Friends for
their generous support to Nepalese people:
Wish all the generous people be happy, healthy and free from evils.
Thanking you
With best regards
Madan Ratna Manandhar
Head, Department of Geology
Tri-Chandra Campus, Tribuvan University
Kathmandu, Nepal
162
List of Japanese donars for the damage of teachers, students, and facilities of the
Department of Geology Tri-Chandra Campus by the 2015 Gorka Earthquake
A. May 2015
B. July-January 2016
C. June 2016
1. Katsuta Saburo
2. Katsuta Tomoko
3. Yamashita Noboru
4. Yamashita Hiroko
5. Matsuda iazue
6. Yoshida Masaru
7. Yoshida Yoshi
8. Nakane Tetsuobu
9. Akamatsu Yoh
10. Hiroshige Hiroko
11. Inomata Hisako
12. Kanda Noriko
13. Kamijo Sachiko
14. Kawachi Chieko
15. Kondo Yurioko
16. Tanaka Nobuko
17.Kumagaya Humiko
18. Satou Kazuko
19. Sugihara Osamu
20. Tatezawa Tomiro
21. Inoue Yoko
22. Saito Seiichiro
23. Uchida Yoshitake
24. Eguchi Teruya
25. Kurimoto Hiroko
26. Sugiyama Akira
27. Suzuki Masayuki
1. Katsumi Takayasu 28.Yoshitaka
Fuchigamui
2. Takaharu Sato
29. Kikuji Matsuoka
3. Akira Sugiyama
4. Hiroichi Sobukawa 30.Toshiyuki
Matsumoto
5. Yo Akamatsu
31.Katsutomo Mano
6. Hisao Adachi
32.Toshio Muramatsu
7. Kenichiro Abe
33. Takao Yano
8. Yukiki Otomo
34.Takanari Yamajaki
9. Ikue Okamoto
10. Masayuki Ogawa 35.Junnko Yoneyama
36.Takumi Watanabe
11. Yasuo Ogawa
37. Some Anonyms
12. Tetsuya Ogura
38. Hiroshi Hosina
13. Hisa Ishii
39. Fujio Kuon
14. Hagano Ijiri
15. Shigeko Ishiwata 40. Hiroko Yukimoto
16.Yoshiaki Kanai & 41. Masaru Yoshida
42.Hiroatsu Yoshino
Junko Kanai
17. Toshiaki Kawakita 43. Hiroshi Yoshida
18. Ikuo Kubota
19. Masatoshi Goto
20. Naoaki Shibasaki
21. Akira Takahashi
22. Akiko Toyooka
23. Hitoshi Nakai &
Mutsumi Nakai
24.Yoshikatsu
Nakamura
25. Toshio Nakayama
26. Wakako Natori
27. Chieko Fujita
1. Yoshida Masaru
2. Tsuchiya Seiko
3. Ohno Takuya
4. Arita Kazunori
5. Yokota Etsuji
6. Kanno Yuko
7. Masuda Asako
8. Kanno Moeko
9. Hanae Yamada
10.Yano Minami
11. Kimura Naoto
12. Yoshida Hiroshi
13.Fukuda Takahiro
14. Li Yuxiao
15. Tokuoka Shin
16. Uchida Natsuki
17. Ichitani Kazuya
18.Uchiyama Shiori
19.Watanabe Kazuki
20. Kasai Natsumi
163
164
編集後記
学生のヒマラヤ野外実習ツアー報告書の編集は、本書で第5回目となった。毎回報告書
の中心となる参加者報告については、総ページ数を抑えるために記述内容を指定し、また、
全体で5ページ前後以内で数ページ程度のページ超過はOKとした。
レポート提出期限は帰国後 1 ヶ月以内としたが、全参加者が期日の2~3日以内に指定
された内容とページ数を守って提出した。報告書の編集にあたっては、明らかな地名、地
質単位や地質用語の間違いや、て・に・を・はなどでとくに目に付くところを訂正し、ま
た、一部の報告については、読みやすさの観点から見出しや文節区切りを変更した。しか
し、全体として著者の意図を重んじ、あるいはその記述能力・英語能力について読者に誤
解を与えないため、なるべく手を加えないようにした。チェックした原稿は一旦著者に返
し、指摘ポイントを参考に改定して再提出を求めた。
資料の部については、毎回基本的に同様な内容であるが、多くのファイルについて若干
の加筆・修正があり、また前回の報告書の入手、参照をせねばならない読者の煩わしさを
考えて、あまり端折らずに収録した。今回はとりわけ現地旅行社との折衝記録をやや詳し
くした。また、第 1 回~第 5 回の実習ツアー参加者を対象にした 2015 年ネパール大震災
救援募金の記録も収録した。
吉田勝
紀見峠にて
2016年5月10日
ヒマラヤ造山帯大横断 2016
-第 5 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー2016 年 3 月の記録-
編集
発行
吉田 勝
学生のヒマラヤ野外実習プロジェクト及びフィールドサイエンス出版
http://www.geocities.jp/gondwanainst/geotours/Studentfieldex_index.htm & http://
www.geocities.jp/gondwanainst/Fieldscience_publishers/gige/Fieldsciencepub.index.htm
和歌山県橋本市柱本 147-2 ゴンドワナ地質環境研究所内
2016 年 5 月発行 電子出版 (PDF ファイル) B5 版 165 頁相当
販価 1000 円 ご購入はインターネットからご自由にダウンロードし、下記の銀行口座にお振込
みの後、販売元にご一報下さい(学生のヒマラヤ野外実習ツアー参加者は無料)
販売元:ゴンドワナ地質環境研究所
http://www.geociites.jp/gondwanainst/
和歌山県橋本市柱本 147-2 Tel & Fax: 0736-36-7789
E-mail: [email protected]
振込先銀行口座:三菱東京 UFJ 銀行 阿部野橋支店 普通預金口座 6601226
口座名義:ゴンドワナ地質環境研究所 代表 吉田勝
165
好評発売中
ゴンドワナ地質環境研究所(フィールドサイエンス出版)
出版・販売取扱い書籍
Granulites of India, Sri Lanka and Antarctica, GRG Mem.1.
M. Yoshida & M. Santosh (Eds. 1995), フィールドサイエンス出版,
355 頁, ISBN: 978-4-9900375-1-2, 販売特価 2000 円(送料込み).
India as a Fragment of East Gondwana, GRG Mem. 2.
M. Yoshida, M. Santosh & A.T. Rao (Eds. 1995),
フィールドサイエンス出版,241 頁, ISBN 4-9900375-2-9,
販売特価 2000 円(送料込み)
.
India and Antarctica during the Precambrian, GSI Mem. 34.
M. Yoshida & M. Santosh (Eds. 1995), Geol. Society of India, Bangalore,
412 頁.ISBN 81-85867-16-X 販売特価 2000 円(送料込)
.
Gondwana Research Vol.1, No. 1.
International Association for Gondwana Research (IAGR), Osaka,
ISSN 1342-937-X 販売特価 5000 円(送料込み).
Rodinia, Gondwana and Asia, Gondwana Research Special Issue
(Vol. 4, No.4, p. 555-852).
M. Santosh, S. Biju-Sekhar, K.P. Shabeer (Eds, 2001),
IAGR (Kochi), ISSN 1342-937-X 販売特価 2000 円(送料込み)
.
エベレスト地域ドウドウコシ河に沿う地学と自然災害:野外研修
ガイドブック.GRG/GIGE 雑報 18 (電子出版),
吉田勝・B.N.ウプレティ・S.M.ライ (編著 2007/2016),
フィールドサイエンス出版,41 頁,ISBN 978-4-938925-35-2
販価 1000 円.
ネパールヒマラヤランタン谷に沿う地学と自然災害:野外研修
ガイドブック.GRG/GIGE 雑報 19 (電子出版),
吉田勝・S.M. Rai・B.N. Upreti (編著 2008/2016),
フィールドサイエス出版,31 頁, ISBN 978-4-938925-36-9,
販価 1000 円.
北西インドヒマラヤの地質と風景:野外研修ガイドブック
GRG/GIGE 雑報 20, (電子出版).
吉田勝・R. Upadhyay(2009/2016),フィールドサイエンス出版,
37 頁,ISBN 978-4-938925-37-6,販価 1000 円.
Guidebook for Himalayan Trekkers, Ser. 2, Ecotrekking in
the Everest Region, Eastern Nepal. Sp. Publ. No.3, Dept. Geol.,
Trichandra Campus, Tribhuvan Univ., Kathmandu.
M. Yoshida, B.N. Upreti, and S.M. Rai, (Eds. 2011), 195 頁,
ISBN 978-4-938925-33-8, 販価 3000 円(送料込み).
ヒマラヤ造山帯大横断-第 1 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー
2012 年 3 月の記録.GRG/GIGE 雑報 25(電子出版)
,
吉田勝(編著 2012),フィールドサイエンス出版,152 頁,
ISBN 978-4-938925-26-0 C3344,販価 1000 円.
ヒマラヤ造山帯大横断 2013-第 2 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー
2013 年 3 月の記録.GRG/GIGE 雑報 26(電子出版)
,
吉田勝(編著, 2013), フィールドサイエンス出版,106 頁,
ISBN 978-4-938925-27-7 C3344,販価 1000 円.
ヒマラヤ造山帯大横断 2014-第 3 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー
2014 年 3 月の記録.GRG/GIGE 雑報 28(電子出版)
,
吉田勝(編著 2014), フィールドサイエンス出版,203 頁,
ISBN 978-4-938925-29-1 C3344,販価 1000 円.
21 世紀地球寒冷化と国際変動予測
吉田勝(訳 2015)M. Yoshida, V. Spencer (訳 2012,丸山茂徳原著,2008),
東信堂,159 頁,ISBN978-4-798912-93-6,販価 1600 円.
ヒマラヤ造山帯大横断 2015-第 4 回学生のヒマラヤ野外実習ツアー
2015 年 3 月の記録-GIGE 雑報 30(電子出版)
,
吉田勝(編著 2015)
,フィールドサイエンス出版,191 頁,
ISBN 978-4-938925-32-1 C3344,販価 1000 円.
ネパールのシニアボランティア 2 年間
GIGE 雑報 31
吉田勝・吉田彬(著,2016),フィールドサイエンス出版,230 頁
SIBN978-4-938925-34-5 C1326 販価 1500 円 (電子出版,2015
SBN978-4-938925-31-4, 販価 1500 円).
ISBN978-4-938925-38-3
C1844
\1500E
学生のヒマラヤ野外実習ツアーの地質、コースと日程
ISBN 978-938925-38-3 C